食欲魔人日記 07年12月 第4週
12月24日 月曜日
イブのディナーは山形牛の焼肉だったのでした。これはユッケ。
スキー宿にて
 温泉卵
 焼き鮭・味噌漬け
 ひじきの煮物・ポテトサラダ・たらこ
 キャベツのおひたし
 納豆・焼き海苔
 漬物バイキング
 御飯・味噌汁
 お茶

昨日と同じく、スキー宿でのとても和風な朝御飯。小松菜のおひたしがキャベツになっていたり、わさび漬けが味噌漬けになっていたりと細かな部分は変わっているけれど、基本的には同じような内容だ。漬物バイキングは取りすぎちゃいかんと昨日学んだので、今日は好きなものだけ控えめに盛りつけた。

息子が「今日は要らない」と納豆を私に押しやり、だんなも「今日も俺も納豆は要らない」と納豆を私に押しやり、私は朝から納豆まみれ。納豆と焼き海苔、焼き魚の朝食は私もここ数年は嫌いじゃない(昔は圧倒的にパンとカフェオレの朝食の方が好きだった)というか前向きに好きなのだけれど、ついつい食べ過ぎてしまうのが難点だ。でも、朝からガツガツ運動するような日にはこういう朝御飯がとても嬉しい。

食後は急いでチェックアウトの準備をして、今日もゲレンデへ。足も腕も筋肉痛で思うように動かない、どころか滅多に筋肉痛を起こさない腹筋や背筋まで痛む始末で、リフトから降りる度に唸ってしまうほどのダメダメな状態の中、頑張って滑るぞーと表に出たら、大雪だった。昨夜モツモツと降り始めた雪は思った以上に積もっていて、やけに暖かかった昨日の午後にすっかり一度溶けてしまった麓あたりの樹氷が、また綺麗に雪化粧されている。そして今日の朝も変わらずしんしんと雪が降っているのだった。ホワイトクリスマスは嬉しいけど、こんなに白くなくてもいい。

「ぎゃー、痛いっ、痛いっ、痛いっ、雪が痛いっ顔に刺さるっ」
「ゴーグルがくもって見えない〜」
ロープウェイで山の中腹を目指すと、見事な地吹雪が待ちかまえていて、色々と大変な状況の中必死に麓を目指す。1時間ほど滑ったところで、「もうダメです、私、もうダメです」と私が最初に音を上げ、息子と私がロッジで「ちょっとあまりな天候だし」と待機している中、だんなは実に楽しそうにもう1本ロープウェイに乗りに行っていた。だんなと一緒に最後まで滑れると思っていた私が間違いでした……(この筋肉バカめ……)。

蔵王スキー場内上の台ゲレンデのロッジで
 日替わり定食 \860

結局、10時半頃からの休憩がそのまま昼御飯休憩になり、今日は夕御飯を早めに摂る予定だったこともあって、11時頃にそのまま昼御飯に。
「牛丼みたいなの、食べたいです」
もう立ち上がれません……と席に突っ伏していた私にだんなが「牛丼なかったから、こっちにした」と買ってきてくれたのが、日替わり定食、おかずは焼肉。山菜のナムルっぽい和え物と味噌汁、刻みキャベツと御飯がセットになっていて、焼肉はいかにもな味のいかにもな"ゲレ食"だった。だんなが食べていたのはキング・オブ・ゲレ食のカツカレー、息子はカルボナーラスパゲティ。

そうこうしているうちに天候もある程度落ち着いてきたようで、モヤって少しも見えなかった山の中腹までが見通せるようになってきた。滑るなら今だと、もう一度ロープウェイに乗って残り1時間半ほどを滑りまくった。最後の最後には、「もう曲がることも止まることもできません」という、腕も足も全然力が込められないような危機的状況に。予定より1時間ほど早く上がることにして、最後は息子と2人、ゲレンデの駐車場近くの空き地で雪だるまなど作ってみたりしていた。

山形駅前 「冷麺さくら」にて
 さくらセット(ロース・カルビ・サンチュ・ミニ冷麺2つ)
 ユッケ
 上塩タン・骨つきカルビ・上カルビ・ロース・特上ロース
 サラダ・ナムル盛り合わせ
 生ビール

午後1時からお風呂入れますよ、帰りの日も浸かってって下さい、という嬉しい宿の御厚意で、温泉浸かって普段着に着替えてスキー靴をいつもの靴に履き替えたら、もう全身から力が抜けた。帰りの新幹線は午後6時。4時頃、早めに駅の近くで夕御飯にしようという話になっている。

「山形牛、食べたくない?山形牛の焼肉!」
「あー、クリスマスイブだったら、逆にそういうところは空いているかもだしね」

時間も夕飯には半端に早い時間だったらなおのこと大丈夫でしょう、と、だんなが調べてくれて、午後は通し営業をしている山形駅前の「冷麺さくら」というお店に行くことにした。少し早めに駅に着いたので、駅ビルの酒屋さんで日本酒も数本見繕ってお土産に買っていく。去年買って美味しかった秀鳳酒造場の「雄町生原酒」、それと、今回宿でいただいて美味しかった月山酒造の銀嶺月山、「生原酒槽前酒」の四合瓶を1本ずつ買うことにした。……なんでこう、"原酒"とつくものばっかり買うのか、我が家。

んで、夕御飯に山形牛の焼肉!さすがに午後4時という時間に焼肉を腹一杯食べようというお客さんはいないようで、最後の方までお客は私たちだけだった。お得なセットメニューも数種類あったのだけれど、ほとんどに海老とかイカなどの魚介が含まれていることもあって、
「とりあえず、肉を食べたいよね、せっかくだしね」
と、肉だけがセットになった2人前用の「さくらセット」を取ることに。店名に掲げているように、冷麺がこのお店の名物なのであるらしい。辛さが5段階ほどあって、辛み抜きから大辛まで、あれこれ選べる。セットは2つのミニ冷麺がついてくるとのことで、辛み抜きと小辛を1つずつにしてもらった。

セットのお肉だけでは当然足りないよねと、タンや骨つきカルビなどなどを追加で注文。店頭には「今日の牛はこれ」と山形牛の個体識別番号が黒板に書かれていて、期待感が高まってくる。なのに「特上カルビ」であっても1皿1500円くらいで、ほとんどの皿は1皿1000円以下。
「……都心で食べたら、倍くらい取られるよね?」
やってきた、見事にサシの入った肉や分厚いタンを見て、感嘆しつつ、次々焼いて次々食べた。息子も「大きいお肉の方が、美味しい」と、ロースをむしゃむしゃ食べている。

細かく叩いた肉に下味をしっかり揉み込んで卵黄を乗せたユッケも、期待以上の美味しさだった。キーンと冷たく肉のねっとりとした口当たりと脂の甘さが感じられるユッケは、確か800円くらい。

「あはは……この味で、この値段!」
「幸せすぎる……」
と、メニューにはミノやレバー、ハツなどの大好きなホルモン類もあれこれ載っていたのだけれど、「この値段でこんなに美味しい肉が食べられるなんて」と、今日ばかりは特上ロースなどの肉ばかりをたっぷり味わってしまった。

お店の目玉の冷麺も、「ミニサイズ」にしては食べ応えのある分量のものがたっぷりと。具は煮込まれた肉とゆで卵半子、大きな1切れのリンゴも浮かんでいる。澄んだ味のスープにシコシコと歯ごたえのある麺、チェーン店のそれは化学調味料の味が鼻につく(それもそれで、実は嫌いというわけではないのだけれど)ものが目立つけれど、自然な味のスープが本当に美味しかった。小辛は、じわっとくるごく軽めの辛さ。今度は中辛を頼んでみたい。

デザートにアイスクリームがサービスされ、ビール4杯飲んで、かなりたらふく食べて、お勘定は牛角で普通に食べたのに少しだけ色をつけた程度だった。
「今度蔵王に来る時さぁ、あえてちょっとだけ遅くついて、昼御飯ここで食べてくって、良くね?」
「うん、朝7時の新幹線乗っても、どうせゲレンデ着いたらすぐ昼御飯って感じだもんね」
大急ぎで移動して11時半にゲレンデ着いてすぐに昼御飯だったら、11時開店のこのお店で美味しい昼御飯食べてからゲレンデ行っても状況はあんまり変わらないよね、という結論に達してしまった今日。今度からの蔵王はこの店もセットになりそう。

そういうわけで、ケーキもチキンもシャンパンもないクリスマスイブだったけれど、そして体中は未曾有の筋肉痛だけれど、なんとも幸せな気持ちで新幹線に揺られて午後10時頃、無事に我が家に帰ってきた。プレゼントの交換は、明日の朝ということで。

12月25日 火曜日
突然に鶏を焼いてみたのでした
「ほんのり屋」の
 鮭まぶしおむすび
 焼きたらこおむすび
抹茶入り玄米茶

昨夜寝たのは11時過ぎ。今日は午前中だけお休みを取っているというだんなと一緒に、9時頃までは思う存分寝ていたい気分だったのだけれど、息子ときたら朝6時頃からがさがさと活動し始めているのだった。クリスマスツリーの脇の"サンタさんからのプレゼント"を発見したらしく、「わぁっ!」とか悲鳴を挙げているのが聞こえてくる。そういえば、25日の朝にプレゼント交換しようって言ってたんだっけ、早く交換したいんだろうなぁ……と思いつつもなかなか起きられず、結局起きたのは8時を回ったあたり。パジャマから着替えるのももどかしいような感じで、ベッドの上でプレゼント交換をした。メリークリスマスー。怪我もなく無事にスキーから帰れて、何よりでした。

先日息子がデパートで一生懸命探してくれたプレゼントは、スワロフスキーのチャームとタオルハンカチ(これにもスワロフスキーのビーズがついてる)の入った小箱だった。先日来ビーズ細工が好き(殊にスワロスフキーが好き)な事をちゃんと覚えてくれていたようで、可愛らしくキラキラ光る、ピンキーリング状のチャームだ。だんなからはワンセグチューナーつきの新型PSP、色はディープレッド(性能3倍?)。可愛かったり格好良かったりするプレゼントをもらってしまった。わー、初めてのワンセグチューナーだー。地デジか?これって地デジなのか?と、根本的なところをわかっていない私はだんなに説明をしてもらって、改めて喜んでいたりした。

息子へのプレゼントは全体的に武器っぽかったり、だんなへのプレゼントは全体的におもちゃっぽかったりした今年のクリスマス。私からだんなへのプレゼントは、「だんなへのプレゼントというより、"一緒に使おう"なんだけどね」と卓上でお燗がつけられるキットのついた、錫製ちろり。最近また日本酒回帰な傾向にあるので、この冬がっつり活躍してくれることだろうと思う。

朝御飯は、昨日の夜に東京駅構内で買ってきたおむすび。3日前の朝、旅行に出発する時に買ったのと同じお店のおむすびを、旅行の帰り際にも買ってきたのだった。閉店間際のお店に駆け込んで買ってきたのは、鮭まぶしおむすびとかたらこおむすびとか。だんなが温かいお茶を淹れてくれて、山のような洗濯物を洗濯機にかけてから朝御飯。

私はたらこだ、僕はおかかだと各自おむすびに手を伸ばし、私の分はたらこと鮭。

「ファーストキッチン」にて
 クラムチャウダー
 ウーロン茶

今日はクリスマス。冷蔵庫には夕飯の食材になるものがほとんど入っていなくて(白菜……くらい……)、こりゃ買い物に行かなきゃなと、だんなが出勤するのを見送ってから息子と一緒に千葉まで買い物に行ってきた。

昼御飯時を少し過ぎた頃に家を出てしまったので、昼御飯は軽くにしておかなくちゃ夕飯が入らなくなるねと、お昼はファーストフードでごく簡単に。息子がハンバーガーとポテト(チーズフレーバー)、メロンソーダのセットにして、私はそのポテトを半分ほど分けてもらいつつ、クラムチャウダーとウーロン茶。

ファーストフード店のスープがコーンポタージュだけだったというのは昔の話で、今はモスバーガーでなくともクラムチャウダーやミネストローネが飲めるのが嬉しい。ファーストキッチンのクラムチャウダーはこれが初めてだったけれど、思った以上に具沢山で食べ応えがあった。

家でクラムチャウダーを作るとき、殻つきのアサリだけを使うのが微妙に物足りなくて、「あ、缶詰のアサリの缶汁を入れるとあのいかにもな味になるのか」と知った時にちょっと目から鱗だった。ファーストフード店のクラムチャウダーは缶詰アサリの缶汁の味がするのだけれど、それがまたちょっと好き。

レタスとトマトのサラダ
チーズフォンデュ(フランスパン・じゃがいも・ブロッコリー)
鶏の丸焼き
ミネストローネ
羽釜御飯
スパークリングワイン(グリーンポイント)

「ANTENOR」のクリスマスケーキ
カフェオレ

体中、華麗なまでに筋肉痛。加えて、微妙に風邪がぶり返してしまったようで、いまいち調子もよろしくない。だから、クリスマスではあるけど、夕飯はなるべく簡単に、でも旅行中の朝晩は和食続きだったから今日は洋食っぽいものをー……と考えながら息子と一緒にデパ地下をぷらぷら。鶏肉専門店の店頭でローストチキンくらい売っているだろうと足を向けたら、生の丸鶏がえらい安い価格で売られていた。この店だったら1羽3500円くらいはして当然くらいのサイズの鶏が、1羽2100円。

「……あら、えらくお安い」
思わず立ち止まって冷蔵ケースの中をまじまじと見ていたら、
「ええ、お勧めですよぅ!昨日は4000円くらいで売っていた品なんです!」
とカウンターの中と外、店員さんがサラウンドで話しかけてきた。

「ローストしたタイプのはね、もう無くなっちゃったんですけども」
「生の丸鶏はまだ在庫がありまして、大変お手頃な値段で御用意させていただきました」
「本当にお得なんですよー」
「ほら、大きいのもまだ残ってます、これも同じ2100円ですよぅ!」

前と横から、店員さんのサラウンド攻撃。でも確かに、スーパーで買っても同じくらいの値段がするだろう丸鶏がこのお店(名前は忘れたけど、ブランド鶏)で2100円というのはありがたい。
「焼く?焼いちゃう?がんばって焼いちゃう?」
と、1羽いただいてしまうことにした。クリスマス用にとリボンや飾りあれこれのおまけもつけてくれ、今晩の献立は期せずしてローストチキンに決定。ローストチキンと決める前に、息子と「今日はチーズフォンデュしよっか?」と約束してしまっていたので、その約束は違えることはできないしと、クリスマスらしい豪華な感じになってきてしまった。

フォンデュは簡単に、フランスパンとじゃがいも、ブロッコリーを用意。フォンデュ用のチーズは、以前チーズショップの福袋に入っていたインスタントのものを使った。ワインや牛乳など加える必要のないミックスチーズで、ほのかに白ワインの香りのするちょっと大人っぽい味のものだ。

鶏の丸焼きにはあまり手間をかけられないなと(何しろ筋肉痛で台所に長く立っていられない……)、今回はガーリックピラフなどを詰めるのは抜きで、お腹に薄皮を剥いたにんにくだけを詰めて香りをつけることにした。あまり脂が染み出てこない鶏肉で、途中でオリーブ油を薄く塗りつつ、オーブンに入れて230℃で30分、それから200℃ほどに落として30分焼いていく。オーブンの火を消して落ち着かせているところでだんなも折良く帰ってきた。

鶏肉が良いものだったからか、ただただシンプルな塩胡椒味のローストチキンは、でも幸せに美味しかった。もも肉だ胸肉だと次々取り分けていき、
「別に全部食べる必要ないからね、同じ値段だったからあえて大きいの選んできたんだから」
と伝えたにも関わらず、残ったのはほんの1カップほどの肉と、大きなガラ。腹に詰めたにんにくはさほど火が入らない状態で出てきたので、ガラと一緒に後でスープにでもしようかなと思う。

食後のケーキは、とても久しぶりな「ANTENOR」(アンテノール)のケーキ。今日の状況の見通しが全く立っていなかったので(スキー疲れで私か息子がダウンしている可能性が低くないと思っていた)、ケーキの予約などは全くしておらず、特にあてもなくデパ地下を散策。
「クリスマスケーキ、どんなのがいい?これ、って言うのみつけたら教えてね」
と息子と歩いたところ、
「これ!絶対これ!」
と息子が立ち止まったのがアンテノールだったのだった。

側面と表面にふんだんに塗られたホイップクリームに大きな苺のトッピング。チョコ細工のサンタとオノ、柊が飾られていて、確かにいかにもといった感じのケーキだった。確かにこれはいかにもなクリスマスケーキだねと買ってきた。苺と一緒に桜桃も挟まっていたけれど、スタンダードなショートケーキ。今は大変なバター流通の危機だと聞いているけれど、デパ地下のケーキは視覚だけで口の中が甘ったるくなってきそうなほどの品揃えだった。

12月26日 水曜日
かもすぞー
ぶどうパン
ミネストローネ
アイスカフェオレ
みかん

たまにはぶどうパンが食べたいなと、昨日チーズフォンデュ用のバゲットを買いついでに丸い形の大ぶりのぶどうパンも買ってきた。昨夜の残りのミネストローネとぶどうパンで朝御飯。

ミネストローネには、せっかく持っているしとクリスマスマカロニ(流れ星やツリー、そりの形をしているミックスマカロニ)を加えたのだけれど、これが翌朝になると水分を吸ってなかなか大変なことになってしまう。水分がほとんどマカロニに吸われてしまって、スープというより「トマト煮」のような外見になってしまい、水と塩を加えて適当に調整してからスープ皿に盛りつけた。

トマト缶1つで作りやすい分量を作ったら、ミネストローネはまだ1回の食事分ほどが余る感じ。ローストチキンの骨でスープを煮出したいところでもあるので、ミネストローネも早めに食べきってしまわないとコンロまわりがスープだらけになってしまう。
久しぶりのぶどうパンは、柔らかめなふかふかとした食感のものだった。ほのかに甘さのある生地の優しい味のぶどうパン。

自家製ピッツァ(4種のチーズ・チキン&エッグ)
ジンジャーエール

今日の午前中はクリスマス飾りの片付けを。
息子がかなり精力的に手伝ってくれて、予定よりも隨分早くツリーを片付けることができた。窓ガラスにつけていたクリスマス模様のGel Gemsを剥がしついでに窓掃除も。更にいつもより念入りに掃除機かけと床の乾拭きと……と、"プレ大掃除"みたいな事に。これまた息子が手伝い続けてくれて、iPodに入れたアニメソングのプレイリストをシャッフル再生して、あ、ワンピースだ、次はコナンだと歌いながら動いていた。
「あ、"らきすた"の曲ねぇ、学校の昼休みに何度かかかったんだよ」
と、流れ始めた曲と一緒になって"月曜日なーのに♪機嫌悪ーいの♪"と歌っている。……小学校でも、らきすた、流れるんですか……(びっくり)。

精力的に動いた後の昼御飯は、冷凍保存してあったピザ生地を使ってごく簡単な自家製ピッツァ。トマトソースも残ってないし、あいにくトマトピューレも切らしているし、これという具もないのだけれど、昨夜のチキンの残りとかゆで卵とか、これだけはあれこれあるチーズとか、適当に組み合わせて焼いた。直径20cmほどのピザ生地2枚ではそう食べ応えのあるものにはならず、軽めな感じの昼御飯。

1枚は、クワトロフォルマッジもどき。モッツァレラはとうに使い切っていたので、代わりにブリーを薄く切って使ってみた。あとは、ゴルゴンゾーラ、アズィアーゴ、パルミジャーノ・レッジャーノ。うっかりゴルゴンゾーラを多めに使ってしまって大人っぽい味のものになってしまったのだけれど、息子は臆せずもぐもぐと食べている。あと1枚は、クリスマスのローストチキンの胸肉を割いたものとスライスしたゆで卵を散らして、ピザ用チーズをトッピングしたもの。トマトソース抜き、チーズも控えめの、かなりあっさりめのものにしてみた。油っけがあまりに無いのも物足りないので、塩をふった後にチーズのない場所にE.V.オリーブ油も軽くふってみる。

下焼きした状態の生地を冷凍してあったのだけれど、しっかり余熱したオーブンで4分も焼けば生地も具もしっかり温まった。どころか生地を作った当日よりもカリッと焼き上がるような感じで悪くなかった。生地さえあればピッツァは簡単に焼けるから、多めに作って冷凍しておくのも良いかもしれない。
買い置きのジンジャーエールを飲みながら、きっちり半分ずつ2枚のピッツァを平らげた。

チーズフォンデュ(ウィンナー・じゃがいも・ブロッコリー・フランスパン)
ローストポーク
レタスとトマト
ミネストローネ
羽釜御飯
ビール(Corona)

午前中あれこれ動いていたら、午後にはすっかり電池切れ。買い物にも出る気力がなくなり、おとなしく椅子に座って仕事をしたり、ベッドに倒れ伏して漫画を読んだり。買い物行かなきゃ夕飯の材料もないよ……と思いつつ冷蔵庫の中を確認したら、氷温室の奥に豚バラブロックが残っていた。そういえば塩して保存しておいたんだわと確認すれば、半ば凍りついている。
「……解凍すれば食べられる?余裕?」
と、急ぎ解凍することに。煮るよりは焼いて食べたい気分だったので、胡椒をたっぷりまぶしてスキレットで塊のまま焼いた。香りづけにローズマリーを2枝ほどスキレットに共に閉じこめる。

あとは昨夜の残りのチーズフォンデュとかミネストローネとか。
「フォンデュにウィンナー添えないの?ウィンナーあると嬉しいなー」
とのリクエストがだんなから挙がったので、急遽ウィンナーを数本茹でて刻んでみた。ウィンナーは大変な売れ行きで、だんなと息子がせっせと手を伸ばしてチーズソースに絡めて食べている。……そうか、チーズフォンデュにウィンナーは必須でしたか……次回から忘れないようにしよう(私としてはパンとじゃがいもがあれば良いかなーと思っている)。

10分以上かけてじっくり焼いた豚バラ肉だったのだけれど、中の中までしっかり火を通すのは案外と難しくて、最後は1cm厚みくらいにスライスしたものを再度切り口を軽く焼きつけて仕上げた。籠もるような、むっとするようなところのあるローズマリーの香りだけれど、焼いた肉にこの香りが素晴らしく良く似合う。

で、その肉の写真がいまいち綺麗に撮れなかったので、今日の写真はもやしもんのマグネット。数日前に大人買いしたマグネットが届いて(だんなのお友達たちが共同購入に乗ってくれて、ほとんど無駄なく分けあって終わったのでした)、我が家の冷蔵庫が地味にかもされています。やっぱりオリゼーは可愛い。

12月27日 木曜日
ローストチキンの最期はこんな感じに
バタートースト
カップスープ(つぶコーン)

最近だんなや息子がチーズトーストを好まない。というより、やたらとバタートーストを食べたがる。シンプルだけどバタートーストは美味しいよね、確かにね。でも今は美味しいバターがなかなか買えない状況にあるのだよ……と思いつつ、でも家族皆でバタートースト。買い置きのカップスープが色々あったのを思い出して、
「ポタージュありまーす、きのこのポタージュもあります、あと、たっぷりつぶコーンと」
各自好きなものをそれぞれ出して、お湯沸かして久しぶりにカップスープを飲んだ。このインスタントのコーンスープの味、大好きなんだよねぇ……。

「京樽」の
 ねぎとろ巻き・かっぱ巻き
 いなりずし
麦茶

だんなは明日から冬休みの予定らしい。世間的には28日までがお仕事だろうということで、私のところにはまだポツポツと(いや、ボツボツと、くらい)仕事のメールが届いている。明日からは年末までひたすら遊びの予定を詰めてしまったので、今日が正念場とばかりにせっせと仕事をしていた。息子は何やらyoutubeにアクセスして銀魂の主題歌などを検索してはパソコンで聞き入っている。今日も昨日に引き続きアニメソングをBGMにあれこれする展開になった。

お昼御飯は、さらっと買い物行きついでに駅ビルでお買い物。「お寿司っぽいの食べたい……おいなりさんとか」とのリクエストがあったので、「京樽」でいなり寿司のパックとねぎとろ巻き、かっぱ巻きなどを適当に見繕って買ってきた。夕飯用の野菜なども買ったのだけれど、エスニック食材コーナーでフォーの麺だけが売り切れていて大変に焦る。今日の夕飯はフォーの予定で準備していたので、
「ビーフンで代用?いやいやいや……全然違うでしょう……」
と棚を必死に眺め、「アジアン米麺」とかいう名前の米麺を見つけたので、これを買ってきてみた。フォーは米麺だし、袋に入ってるのは平たい感じの麺だし、多分これで大丈夫でしょう。

「R1/F」の3種の生春巻
ベトナム風千切り野菜のサラダ
フォー・ガー
ビール(Corona)

クリスマスのローストチキンの骨を、お腹に詰めたにんにくと一緒に時間をかけて煮込んでみた。それほど気合いを入れたスープにするつもりはなかったのだけれど、つい骨を砕いてしまって今回もほんのり白濁したスープ(しかも濃厚なにんにく風味)に。

「ホワイトシチューにするわけにはいかないスープで……案外チキンカレーとかは美味しいかなと思うけどね、このにんにく臭さが」
あとは、フォーとかにするのも楽しいかも、と思案していたら、
「フォー、いい。それいい。フォーにしよう」
とだんなから快諾いただいたので、スープはフォーに加工することにしたのだった。

スープは細かい目の網で漉し、塩とナムプラーで調味。茹でた米麺を入れ、ローストチキンの残りを裂いたものを乗せ、あとは卓上で各自好みにもやしやニラ、香菜、卵などを添えればできあがり。あちらの国の料理は割とはっきりと化学調味料味がして、それもひとつの味ではあるのだけれど、今回はせっかく丁寧に取ったスープだからとその手のものは無しにした。

フォーに合わせて生春巻も食べたかったのだけれど、数本作るのも少々手間だったのでそれはお総菜屋さんのものを買ってきた。サーモン入りのと海老入りのと蟹入りの3種類の生春巻は、オーロラソースなども添えられてきたほんのり洋風なもの。野菜もたっぷり。
生春巻を買ってきてしまったのでせめてもと用意したのは、ピーナッツバターとナムプラー入りのドレッシングで和えた千切り野菜のサラダ。レシピ通りにドレッシングを用意したらあからさまに分量が多くて(ピーナッツバター大さじ3に醤油大さじ2、ナムプラー大さじ1……とか、そんな感じ)、多いだろう、これは明らかに多いだろう、と、少しずつ野菜に和えた。これにも少量鶏肉を入れて、裂いたその鶏肉とレタス、にんじん、きゅうり、紫玉ねぎという組み合わせ。

1羽分の骨でとったスープは、さすがに美味しかった。もちもちした麺ともよく馴染んでいたし、ひとつかみ、わしっと入れた香菜の香りとも似合うこと似合うこと。あらヤバイ美味しいわ、これって最高だわ、と、丼に入れたスープも一滴残らず飲み干した。スープを取る喜びを噛み締めつつ、またそのうち丸鶏1羽買ってこよう。

12月28日 金曜日
午後9時過ぎに、こんな体に悪そうなもの食べていたのでした
コーンパン
鶏肉と玉ねぎ入りスープ
アイスティー(アールグレイ)

今日は、数週間前に予約状況を確認したところ、たまたま空きがあったのでキッザニアに行く予定。前回10月に訪れて、「次予約取れたの2月だから、次は2月ね」と息子に伝えていたところだったので、急遽12月に再訪叶って息子は大喜びだった。

簡単に済ませた朝御飯は、まだ少量残っていたチキンスープに、これまた少量残っていた茹で鶏を玉ねぎと共に加えて軽く煮込んだもの。すっかり煮込まれて柔らかくなったにんにくも形を残してスープの中に残っていたので、スープを一度漉してからにんにくも数粒スープに戻し入れた。

昨夜もしみじみ思ったけれど、骨から取ったスープはやっぱり最高に美味しい。最後の一滴まで惜しむように飲み干して、お供はティーバッグのを簡単に淹れたアールグレイのアイスティーと冷凍保存してあったコストコのコーンパン。

「ららぽーと豊洲」内「FOOD CIRCUS」にて
 トマト味クラムチャウダーセット
「ヤクン・カヤ・トースト」の
 カヤトースト
 ヤクン・コーヒー(アイス)
「Lil' Donuts」の
 プレーントーナツ

子供の職業体験テーマパークキッザニア、チケットは午後の部(午後4時から)のものなのだけれど、人気の職業を早めに体験したければ昼過ぎくらいから入場待ちのための列に並ぶ必要がある。のんびり入場すると、人気の職業はあっという間に2時間待ちくらいの列が出来てしまい、「午後の部が始まったのに、最初の職業が体験できたのは2時間後の午後6時」とかいうことになってしまうのだった。(これまでのキッザニア訪問記はこちらこちら

なので今回も12時くらいに現地に到着し、場所取りの1人を残しつつ交代で食事を摂ったりショッピングモール内を軽く散策したり。今回は私が1人で食事することにして、だんなと息子が食事を終えたところで交代して隣接するフードコート「FOOD CIRCUS」に行って来た。

食べたのは、アメリカ料理屋さん(メニューはパンケーキが中心)のマンハッタンクラムチャウダーのセット。大きめのガーリックトーストがセットになっていて、大きなボウルに野菜たっぷりのクラムチャウダーがよそわれてきた。とろみのほとんどないあっさりとした味のクラムチャウダーで、多めにトッピングされたクルトンが良い感じ。

少し軽めの昼御飯だったので、その足で地階に下りて気になっていたお店で甘いものをいくつか買って列に戻った。シンガポールで数年前に食べたことのある、「ヤクン・カヤ・トースト」のカヤトーストとアイスコーヒー、「Lil' Donuts」のフォークで食べるミニドーナツ8個入りを1箱。

どうぞどうぞデザート、皆で食べよう、とだんなと息子の元に持っていったら、ミニドーナツが大変に盛況だった。目の前で挙げてくれたミニドーナツ(直径はお饅頭くらい、普通のドーナツより2回りほど小さい)は、フカフカとした空気を含んだ歯ざわりで、表面は少し軽めにサクッとしている。甘さもそれほどではなく、プレーンの他に「シナモン」「チョコナッツ」など甘めのトッピングをまぶしたものが何種類もあった。期間限定品らしい「黒蜜&きなこ」も美味しそう。また今度ここに来たら買ってみることにしよう。

カヤトーストも「そうそうこんな感じ」の懐かしい味。ちょっと焦げたような薄焼きのパンにココナッツ味の甘いクリームをたっぷり挟んでバターも添える。添えるのは練乳入りのこれまた甘いコーヒーという組み合わせで、そのパンになぜか温泉卵のような半熟卵を添えるのが定番らしい。

それらをつまんで時間を潰しつつ、そしていよいよキッザニアに入園。冬休みシーズンの今日は当然のように大混雑だったけれど、案外と大人の入場者の比率が高かったのかもしれない。意外に思うほどに各パリビオンの待ち時間は少なく、息子は過去最高の7つの職業をきっちり体験することができたのだった。

体験したのは、こんな感じ↓

消防士(American Home Direct提供)
男子垂涎の職業のひとつ、消防士。ブリーフィングを受け、最後に「火事です!」の通報が入って皆で赤い消防車に乗って現場に急行する。何が良いって衣装も良いし、実際に「火事現場」でホース(でも床に固定されていて変な場所には飛ばせないようにはなっている)で水を飛ばして消火できるのも、見るからに楽しそう。人気職業のひとつということで、最初に目指してみた。何やら「点呼係」になったらしく、「基準!いちー!」と声を張り上げながら息子が走っていた。おー、かっこいいなー。

料理スタジオ(ABC Cooking Studio提供)
お仕事というより「料理教室に参加」という感じの体験コーナー。御飯をベースにした料理を作り、できあがったものを体験終了後に食べることができる。今回のメニューは、鮭そぼろの乗った、薄焼き卵でくるんだ「ぐんかんにぎり」と、ハムやチーズやサラダ菜を共にくるんだ色合いの綺麗な「花にぎり」。

印刷工房(大日本印刷提供)
パソコンを使って、テーマに沿った(今回は「温暖化を防ごう」)ポスターをデザインし、最後はそれをA2サイズの紙に印刷して各自作ったポスターを発表する。ポスターはお土産に持って帰れる。わぁ、けっこう分厚い、良い紙だわよ、これ。

幼稚園(リソー教育グループ提供)
「僕、先生やってみたい」ということで、保父さん体験。幼稚園は、6歳以上の子供は「先生役」、5歳以下は「園児役」となるらしい。当然ながら女の子に人気のある職業のようだけれど、息子も実に楽しそうに小さな子供たちの世話をして(というか一緒に遊んでいただいて)、楽しそうにおままごとをしていた。園児さん少なめ、先生が多めの不思議な幼稚園。

街時計(SEIKO提供)
毎時0分にキッザニア中心部にある時計塔から音楽が流れ、からくりの人形の兵隊に扮した子供達が出てきてダンスをする。そのからくり人形の兵隊をするのが「街時計」の仕事(ここだけ突然にメルヘンな職業なのね……)。出番の20分前から練習に入り、本番はけっこう目立つ高いところで6人ほどが並んでポンポン持ってダンス。仕事の内容柄、小学生も高学年になると恥ずかしくなるようで、参加するのはもっぱら小学校低学年か幼稚園通いくらいの子供たち。おみやげに、日時計が作れるペーパークラフトを貰ったらしい。

建設現場(大成建設提供)
ビルの建設現場で、1階から2階にパネルを吊り上げたり、配管工事をしたり。「建設現場でクレーンやってみたい!」と、キッザニア初訪問の時から息子は言っていたので、念願叶ってやっと体験。「上ー!上ー!」とクレーンに指示出したり、自分でも操作したり、これまたとても楽しそう。しかし息子よ、この手の作業着がとても似合うねぇ……。

カーディーラー(三菱モーターズ提供)
車を売るお仕事。最後の最後、受付終了間近にギリギリで体験できた。ブリーフィングを受けた後は、近くの大人を捕まえて(だんなが捕まった)、車のセールス。三菱が誇るランサーとパジェロの紹介が目的のようで、
「こっちは、スピードが速いです。こっちは、水の中でも入れます!」
「どちらが気に入りましたか?それはなぜですか?」
「ありがとうございましたー」
てな感じで、おい息子、車売る気はゼロだろう、と脇で見ていて大変に面白かった。ちゃんとブレザーを着用して、腰深く折って「ありがとうございましたー」と。こういう職業もあるのねと、ちょっと感慨深い。お土産に分厚いパジェロのカタログを貰って帰ってきた。

空いていそうな職業を「これ、あとあ5分くらい待ったらすぐ参加できそうだよ?」と伝えて、息子も今日はそれに「じゃあそれ、やってみる!」とほいほい乗ってきてやっていたということもあるのだけれど、今日は本当に効率良く待ち時間もなく楽しめた模様。職業体験中に写真を撮られることがあって(パイロットとか消防士、キャビンアテンダントやモデルなどの人気職業は参加したらもれなく撮影されるらしい、残りの職業は運次第)、今日は消防士とコック、街時計の3種類の写真の撮影をしてもらっていた。入り口近くに張り出され、1枚1000円で販売されるのだけれど、
「……うう、こんなかわいい格好している息子を放置しては帰れない……」
「……うう、どれも良く撮れてるし……」
と、痛い出費だわと思いつつも全部お買いあげ。そんなお父さんお母さんのおかげで、この写真サービスはキッザニアの少なくない収入源になっているのだろうなぁと思う。

そんなこんなで、午後9時の閉園を待たずして、8時20分頃には参加できる職業ももうなくなってしまったので、園を後にすることにした。3回来てこれだけ体験しても、まだまだまだまだやっていない職業がたくさん。ピザ屋さんやパン屋さん(どれも自分で焼いたものをお持ち帰りできる)、コーラ工場にヤクルト工場、ハイチュウ工場などの食べ物系はいつも混んでいる人気職業。病院系の職業も複数あるし、ショーに参加するものもまだいくつかある。息子に一番似合わない系統のはavexの「アーティストになってステージで歌と踊りを披露」というやつかしら。「全部の職業やってみたい!」と言っている息子なので、いつかはそのあたりのものもやるつもりなのだろうなと思う。

「……で、今日は一番何が楽しかった?念願の建設現場?消防士も楽しそうだったよね」
実に嬉しそうに、体験した職場で貰った職業カードを眺めている息子に聞いてみたら
「ぜんぶ!」
という答えが返ってきた。うん、パソコン使う仕事も幼稚園の先生も楽しそうだったもんねぇ。

「ららぽーと豊洲」内「OCEANS BURGER INN」にて
 TACOナチョス \680
 オーシャンズクラシックチーズバーガー \850
 ベーコンEGGバーガー \1080
 ビックアイランドミックスプレート \1380
 ビール(Corona) 2×\650
 ビール(コナ ファイヤーロック ペールエール) 2×\750
 キッズコーラ \200

明日もお休みだし、今日はキッザニアの中で夕飯を摂るのは止めて(なにしろ園内への飲食物の持ち込み不可で、園内での選択肢はハンバーガーとピザ、あとR1/Fのお総菜くらいしかない)、園を出てからららぽーとの中で食べて帰ることにした。館内マップを眺めて
「うん、けっこう夜10時ラストオーダーのところあるし、開いてるところ多いよ。スペイン料理屋さんとか、イタリアンもあるし、アメリカ風のグリルの店も」
とだんなに見せると、「お、旨そうなハンバーガー屋だ」と、OCEANS BURGER INNが目に留まった模様。

ハワイアンなハンバーガー屋さんなのだそうで、ここに寄って帰ることにした。ハワイアンということでか、ロコモコやタコライスなどの御飯プレートも充実。もちろんハンバーガーも充実。ビールの選択肢も色々あって、アルコール御法度なキッザニアで5時間過ごした疲れを癒すべく、早々にコロナを注文した。ビール瓶に刺さってきたライムは、我が家で刺している2倍ほどの大きさがあって何だか嬉しくなる。

タコミートやチーズ、サワークリームがトッピングされたナチョスをつまみつつビールを飲み飲み、最後はだんなが御飯プレート、私と息子がハンバーガー。バンズの上に焼きたてのハンバーグとカリカリベーコン、半熟目玉焼き、その隣のバンズの上にはたっぷりのレタスと厚切りトマト、そしてマヨネーズ。ケチャップは自分で好みの量、卓上の特製ケチャップ(粘度高めの自家製のものらしい)を添えて、こちらのページに説明があるとおり、上からぎゅうと抑えてバーガー袋で包み、大口あけてかぶりつく。久しぶりにアメリカ〜ンな感じの嬉しいハンバーガーだった。バンズも湯気が立つほどの熱さに温められていて、揚げたてポテトと共に、なんとも愛に溢れている感じだ。

「だんなが御飯もの食べるなら、私ハンバーガーにしようかな」
「おゆきさんがハンバーガーにするなら、俺、このプレートにするよ」
と牽制し合ってだんなが決めた料理は、「ビックアイランドミックスプレート」なる、かなりすごい感じの御飯プレート。

御飯の上にソースたっぷりのバーベキューチキン、そして白身魚のフライが2つ(タルタルソースつき)、モチコチキン(餅粉の衣のフライドチキン)、マカロニサラダとレタスのサラダ、そしてなぜかきんぴらごぼう(?)が1皿に盛り合わされたもので、紹介写真も凄かったけれど実際やってきたものもなかなかすごい。いかにもな味のバーベキューチキンや、モチコチキンを味見させてもらったけれど、なかなか美味しかった。

ハンバーガーもけっこうなボリュームで、こりゃ息子、チーズバーガー1人で全部食べきれないんじゃないかなぁ、ポテトもあるし……と思っていたのだけれど、よほど「仕事疲れ」していたようで一気に完食。「ハンバーガーの、味を殺しちゃう、ケチャップは要りませんー」とか何とか言いながら、ケチャップ抜きのハンバーガーをわっしわっしと食べていた。チーズもちゃんとアメリカンな感じのチーズで、そこもツボだった。

あまり安くはないお店だったけれど(ビール4本も飲んでいる方が悪いと思う……)、また来て今度はパンケーキとか食べてみたいなぁ。
……で、帰宅は11時近く。皆様お疲れさまでした。

12月29日 土曜日
ピッツァビスマルク。半熟卵が乗ってるんです。
「ヤクン・カヤ・トースト」のカヤパイ
カフェオレ

今日もお出かけ(明日もお出かけ……)。9時半頃の電車に乗る予定だったので、今日もなかなか早起きだ。昨日「ヤクン・カヤ・トースト」で買ってきた、「カヤパイ」なる小ぶりのパイを簡単に囓ってから出かけることにした。

長さ10cmほどの細長い小ぶりのパイには、中にカヤ・トーストと同じ「カヤジャム」が詰められている。オーブンで温めてみたところ、カヤジャムはドロドロになってしまうこともなく、ちゃんとペーストのままパイの中に収まっていた。うっかり遅くまで寝こけていたのでコーヒー多めの苦めのカフェオレを忙しく飲み干して、急ぎ出発。

ほのかに甘いココナツ風味のペーストは、薄切り食パンにも勿論よく似合うのだけれど、パイにしても良く似合う。がっつり甘くて、どこか懐かしい味。

人形町 「PIZZA DA BABBO」にて
 前菜
     自家製スモークサーモン、海老と白いんげん豆のマリネ、オレンジ風味の鴨の燻製
     ライスコロッケときのこのフリット
     薪窯で焼いた焼き野菜
 ピッツァ・マルゲリータ
 自家製サルシッチャとブロッコリーの白いピッツァ
 ピッツァ・ビスマルク
 鶏ももの燻製とルッコラの白いピッツァ
 レモン風味のチーズタルト
 エスプレッソ
 一口ビール・スパークリングワイン(il Grigio)

今日は、遠方から東京に遊びに来た友人ご一家と一緒に東京散策。息子より数歳年下の友人の息子さんは観覧車が大好きということで、最初に目指したのは葛西臨海公園の「ダイヤと花の大観覧車」。

「観覧車乗るよ、みんなで一緒に乗るよ」
と息子に伝えたら、
「あのでっかいのに乗るの?やったー!」
と喜んでいる。そういえば葛西の観覧車は乗ったことがなかったかもしれない。周囲にほとんど建物の無い公園内にどどーんと建っているので、実際以上に大きく見える感じで、上からの眺めもかなりのもの。あいにくの曇り空だったけれど、ディズニーランドやお台場あたりまでは見通せた。

友人の息子さんの観覧車好きはかなりのものらしいのだけれど、その好きな理由がすごいもので、
「てっぺん過ぎて、あと降りちゃうだけの"ああ、終わっちゃうなー"という気持ちが好き」
という大変に渋いもの。もう少し大きくなったら「好きな季節は晩秋」とか言い出しそうだねと、大人達は盛り上がっていた。しかし、すごいところに感動のポイントがあるんだなぁ。私は普通に「季節なら真夏か真冬が好き」とか、子供以上に単純明快な感覚しか持ち合わせていない……。

で、観覧車散策の後は人形町に移動して、ピッツェリア「PIZZA DA BABBO」でお昼御飯。ピッツァやパスタだったら子供たちも好きだろうし、席から薪釜が見られるのはなかなか新鮮な感じがするだろうし、多少賑やかにしてもまぁ大丈夫なお店だろう、ということで、仕事絡みでやりとりのあるマネージャーSさんに相談して席を予約してもらっていた。充実した美味しい前菜の数々と、次々やってくるアツアツの焼きたてのピッツァに、子供も大人も御機嫌のランチになった。

事前に予算を伝えて「1人このぐらいの価格だったらどのくらいできますかね?」と相談して、
「でしたら、お昼ですし、ピッツァの後にメインディッシュという感じではなくて、ボリューム多めの前菜をいくつかお出しして、あとはピッツァ何枚かお出しするって感じにしましょうか?あと、ドルチェとカフェで」
という感じに提案していただき、そんな感じでお任せで。

次々出てきた前菜プレートは、自家製のスモークサーモンに濃厚にオレンジの香りが漂う鴨肉の燻製、さっぱり味の海老と白いんげんのマリネが1皿、ラグーとチーズをリゾットと混ぜてコロッケにしたライスコロッケと数種類のきのこのフリットが1皿、そしてボリュームたっぷりの焼き野菜(450℃の薪窯で一気に焼いたのだとか)が1皿。
焼き野菜の上にはパルミジャーノ・レッジャーノと、とろりととろけそうな生ハムがトッピングされている。うっすら焦げたキャベツをはじめ、トマトや人参、蕪、葱、ししとう、パプリカなどが盛られていたのだけれど、これがどれも野菜の甘さを感じるものばかりで素晴らしく美味しかった。
どの前菜も3人ほどで取り分けられるように大皿でどかんどかんとやってきて、見た目にも楽しい。

で、充実した前菜の後に、ピッツァが3枚。勢いついちゃって「すみません……もう1枚だけ」とリクエストして結局4枚。子供たち用のパスタも1皿あったのだけれど、息子はピッツァにも前向きに参戦してきて、すごい勢いで皿の上は綺麗になっていった。直径25cmほどのピッツァは全てナポリタイプの縁の盛り上がりのあるモチモチとしたもの。縁は厚く中央は薄く、の生地は、ギャラリーがいるとガラス張りのピザ窯前のピッツァ職人さんが生地をくるくると美しく回して成形してくれる。

1枚はシンプルなマルゲリータ(トマトソースとモッツァレラ、バジル)、1枚は私のリクエストでビスマルク(半熟卵とアスパラガス、ベーコン)、あとはお店からのお勧めで、自家製のサルシッチャとブロッコリーを散らしたトマトソース抜きのピッツァ、最後にこれまたお勧めされた自家製鶏ももの燻製と中央にルッコラをたっぷり乗せたトマトソース抜きのピッツァ。軽くオリーブ油と塩で和えたルッコラをしこたまトッピングした燻製鶏もも肉のピッツァが新鮮な美味しさだった。マルゲリータやビスマルクの美味しさは言うにおよばず、トマトソース抜きのピッツァもあっさりしていてとても美味しいと思う。

ドルチェも各自好きなものを好きな感じで注文して、友人が紅玉りんごの薪窯焼きにバニラジェラートを添えたものを頼んだり、私はレモン風味のチーズタルトを頼んだり。子供や男連中は何種類もあるジェラートに御執心で、だんなは「甘酒ジェラート」なるとても不思議なものを選んでいた。
これが、笑ってしまうほどに甘酒味。生姜の風味も濃厚に感じられるような完全なる甘酒のジェラートで、
「そうそう、このお店がある場所、甘酒横町だもんね。いやでも無理にジェラートにしなくても」
と笑ってしまうような味だった。いや、でも大変に美味しかったです。イロモノメニューで片付けるにはもったいないほど、ちゃんと美味しい。

食後は人形町をぷらぷら探索しつつ、水天宮でお参りして(年始参りという言葉はあるけど、年末に参るのは何と言うんだか……)、友人ご一家とお別れ。

ほうれん草ともやしのナムル
切り落としまぐろのたたき
わかめと油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール(モルツ)

友人ご一家と別れた後、「上野のアメ横に食材買いに行ってみる?」という話にもなったのだけれど、すごい混雑なのがわかりきっているだけに今ひとつ足を向ける気力がなく、
「あー……だったら、錦糸町の魚寅に寄るので良くない?」
と、帰り道の寄り道で事が足りるお買い物で済ませてしまうことに。でも、年末押し迫る今日、錦糸町の魚寅さんも大変な混雑だった。年末というものを舐めていた。

それでも店内には美味しそうなマグロが常以上に溢れていて、定番のまぐろのブツを数百グラム購入し、あとはすごく手頃な価格だった「切り落としマグロ」(600gほど入って500円、ただし「スジが多いです」の注釈つき)を1パック。蟹と、魚寅特製卵焼きというのも買ってきた。一度帰宅してそれらの荷物を置いてからだんなと2人でスーパーにもう一度買い物に行き、それでなんとなく年越しの食材の準備は完了。大晦日にごく簡単に年越しの準備の料理をすることにした。

フォーを食べた時の残りのもやしがあったので、もやしを買い足してナムルに。
「もう少し、青菜っぽいの食べたくない?ほうれん草みたいな」
「じゃあほうれん草のナムル……」
「なんでもナムルだな、君」
「いや、おひたしでも良いよ?でもさ、もやしがナムルなのにほうれん草がおひたしって、なんか変じゃない?バランスが変じゃない?」
などという会話の結果、買ってきたほうれん草も結局ナムルになった。

かなりボリュームたっぷりののんびり昼御飯を摂ったところだったので、夕飯は軽めにと、買ってきた切り落としマグロを細かく叩くことに。大ぶりの1切れだけ除け、残りを5mm角くらいに叩いたらスジもすっかり気にならなくなった。赤身が中心の、変な油っこさがない上質のたたきが出来て、息子はさっそく御飯に山盛りにして丼にしている。私とだんなもビール飲み飲みたたきをつまみ、ナムルをつまみ、最後は御飯の上にマグロもナムルも乗せて海鮮ビビンバのようなものにしてしまいつつ、ちょっと軽めの晩御飯を終えた。軽めというにはちょっとたたきがたっぷり量だったけれど気にしない。

12月30日 日曜日
魯肉弁当食べたら、ブルーマン見に行くよー
トースト
カフェオレ

昨日、立ち寄った駅ビルに「神戸屋」が入っていたので
「神戸屋スペシャル、久しぶりに食べたくない?」
「あ、いいかも、すっごくいいかも」
という話になり、1斤ほどを買ってきた。今日はそれをスライスして、軽く炙って朝御飯。元々がバターたっぷり卵たっぷりという風のコクのあるパンなので、バタートーストにはせず、ただただ切ったものをオーブンに放り込んでみた。

なんでもバターに卵、生クリームまでふんだんに使われているのだというこの食パンは、ほんのり甘さのあるデニッシュパン風。表面がごく軽く炙られるようになったくらいのトーストがすんばらしく美味しかった。今日もお出かけ。いそいそと支度して出発。

「[髟/胡]鬚張魯肉飯」の
 ランチセット \1000
     るうろう弁当バラ肉(魯肉飯+豚バラ肉)
     本日のスープ(スペアリブとメンマのスープ)
アイスウーロン茶

今日の目的地は六本木のインボイス劇場。
「ブルーマン、見てみたくね?」
と、だんながチケットを取ってくれた。お昼の回は思っていたたよりも早い開演時間で、12時開演。11時に六本木到着を目指して、簡単に昼御飯を食べようかとレストラン案内を見ていたところ、テイクアウト専門の魯肉飯屋さんと目が合った。「「[髟/胡]鬚張魯肉飯」(ひげちょうるうろうはん)」というお店だ。渋谷などにも店舗があって、六本木以外の店はお弁当屋さんではなくて店内で食べるようになっているお店らしい。

「あ、ここ、ここ、食べてみたかった店だ」
「そうなの?私も食べたことない し、ここのお弁当にしてみる?」
と、お弁当いくつか買ってスープも買って、売り場近くに設けられたテーブルで食べることにした。

選べる御飯は「るうろう」(豚ほほ肉の煮込みかけ御飯)と「じいろう」(蒸し鶏のかけ御飯)の2種類。それい豚バラ肉、豚ホホ肉、豚スネ肉、豚足のおかずを組み合わせられるようになっている。770円のそのお弁当に400円前後のスープをつけるとセットで1000円。「本日のスープ」のスペアリブとメンマのスープと、息子用に台湾風コーンスープをつけてもらった。

おかずに選んだ豚バラ肉はあんまり肉汁を感じない、「なんというかフツー……」なものではあったけれど、魯肉飯は素晴らしかった。御飯に乗っている煮込み肉は「あれ、案外ちょびっと?」という印象ではあったのだけれど(メニューにはばっちり「るうろうプラス」「じいろうプラス」なるオプションがありました)、しっかり煮含まれた甘辛いポロポロの肉は煮汁も御飯にしっかり染みていてとても良い感じ。お弁当全体に野菜もふんだんに使われているのも嬉しかった。ブロッコリーとにんじんの温野菜、肉の下にも茹でキャベツなどが敷かれ、甘酢漬けの大根とにんじん、淡い味のメンマなどなど。

試しにと貰ってみたスペアリブのスープも、好みな感じにケダモノ臭さの残る濃厚なスープ。肉もメンマもたっぷりの食べ応えのあるスープだった。コーンスープも鶏肉やじゃがいもなどが入っていて具沢山。

やっぱり台湾いいなー台湾の食べ物いいよーと、満足して食事を終え、劇場に向かった。

青山 「Cucina Tokionese Cozima」にて
 ファン感謝祭コース \6,825
     キャビアを乗せた一口サイズのフェデリーニ
     原点のカルパッチョ
     蟹ときのこ、白子のフラン
     ペスカトーレ リングイネ
     五穀米のリゾットを敷いたホロホロ鳥のグリル
     一口サイズのカッサータ
     温かい苺のソースをかけたバニラジェラート
     プチフール、ハーブティー
 チーズ盛り合わせ
 グラススプマンテ、グラス白ワイン、グラス赤ワイン、リキュール少し

BLUE MAN GROUPは、その昔アメリカに住んでいた時にラスベガスなどでショーの案内を見て、「おもしろそうかもー」と思っていた。が、息子が見るにはまだ少々早そうに思えたし(顔を青く塗ったオッサンは、それだけで子供にはけっこうな衝撃ではないかと)、「すごく人気があるショーみたいだし、いずれどこかで見られるでしょう」と思っていたのだけれど、それがついにの日本公演ということで、楽しみにしていた。

「で?これ、なんの劇なの?……長いの?」
"オペラ座の怪人とか、面白かったけど、長くて疲れちゃった"という息子は、楽しみ半分不安半分といった様子。
「いや、劇じゃなくてね……音楽というかお笑い劇というか……ほら、ブルーマンだから、青いオッサン?オッサンの話」
なんか違うだろうという説明をしながら劇場に向かう。

100分間、休憩無しのショーは、期待の3倍くらい面白かった。こんなにお笑い系寄りなものだとは思っていなかったし、こんなに観客がいじられる系のものとも思っていなかった。絶妙に風刺も効いていたり、ところどころ何とも言えないグダグダ感もあったりして、かなりツボ。最後は客席が大変に白いもので埋まるというとんでもない状況で終わった。バカバカしくて格好良いもの(……米米CLUBとか?)が大好きな私は大変に楽しかった。

音楽も好きだったのでCDを買っちゃおうかなと思いつつ、でもとりあえず帰宅してからyoutubeあたりで動画を探してみようと思いつつ、カラオケを2時間ほど楽しんで時間を潰してから夕飯を食べに。

赴いたのは、今年最後の営業日の「Cucia Tokionese Cozima」。なんでも、今日は今年最後の営業日でファン感謝祭なるものを開催するとのこと。一律6825円のコース価格(通常は前菜・パスタ・メインディッシュ・ドルチェ・コーヒーという内容)で、今年の店仕舞いということでいつもよりお得な内容で提供しますよー、というもので、一度来てみたいなと思っていた。今日はたまたま昼に別の予定を入れたこともあり、伺ってみようということに。

供されたのは、キャビアをたっぷり乗せたフェデリーニから始まって、常になくスタンダードな感じのカルパッチョに、これでもかという具沢山なリングイネ……と盛り沢山。メインディッシュは大ぶりなホロホロ鳥のグリルだった。
グラスのスプマンテ、その後グラスの白ワイン(プーリアのシャルドネ)、赤ワイン(バローロ)、最後にリキュールも少しだけいただきつつの夕御飯。今夜は満席だそうで、コートハンガーには端から端までぎっちりとコートがかけられていた。

大きなスプーンに一口分だけ盛られたきたキャビア乗せのフェデリーニは、「これ、一歩間違えると下品になりそうな分量だよね」というほどにたっぷりのキャビアが。なんとも高級感の感じられる磯臭さがこれでもかと漂ってくるキャビアをこれほどの量一口に含むなんてことは滅多にない体験で、辛口のスプマンテいただきつつ初手から幸せな気分に。続くカルパッチョは、「原点に帰ってみました」と、牛肉をごくごく薄く叩いたものにマヨネーズ系のソースとオリーブ油をかけたスタンダードなもの。日本のイタリア料理店だと魚のカルパッチョの方が多く見かける気がするけれど、私はやっぱりこの生肉のカルパッチョが好きだなぁと改めて思った。赤身の薄い薄い肉は口の中でとろけるよう。

細長いリキュールグラス様の器に固められたフラン(茶碗蒸し)は白子と蟹をベースに、上からは濃厚なクリーム風味のきのこのソースをかけたもの。ココットケースに固めたフランは何度か食べたことがあるのだけれど、ガラス製で断面が美しく見えるこの器も楽しい。きのこの味が濃厚なのに、それ以上に感じる蟹と白子の存在感が幸せだった。ああ、白子がぷりぷりしてます……。

で、最後に「どっかん、もひとつどっかん」という感じで具沢山のリングイネと食べ応えのあるホロホロ鳥のグリル。大ぶりの海老蟹、あさり、イカ、タコ、などなどの入ったトマト味のリングイネに、ホロホロ鳥は皮目がパリッと香ばしく焼かれていた。肉の下には五穀米のリゾット、その周囲にバルサミコ酢ベースのソースが敷かれている。青野菜もたっぷり添えられていた。

充実した内容だったけれど、でもそういえば私たちはランチでもこの内容より充実した内容のコースを頼んでしまうのが常だったので(魚も食べるし肉も食べる……前菜は5種類くらい……みたいな)、「お、案外お腹に余裕があるかも」という食後の印象。こういう時こそチーズを楽しんでみようかと、グラスに残ったバローロをお供にしてチーズをあれこれ盛り合わせてもらった。

定番のゴルゴンゾーラ(軽いタイプの"ドルチェ"で、これが素晴らしく食べやすくて良い風味)、パルミジャーノ・レッジャーノなどに加え、冬季限定モンドールに、表面に木炭の粉をまぶした山羊乳のチーズ「サント・モール・トゥーレンヌ」、専用の器具で薄く花びらのように削って出されるテテドモアン(「テット・ド・モワンヌ」と言った方が良いらしい)、その他あと2種類くらいに、シェフKさんがイタリア旅行の折現地で作ってきたというリンゴのジャムを添えて。

このチーズプレートが、
「ああ、このくらいの腹具合の時にチーズ食べると、ほんっとうに美味しいんだなぁ」
と思える美味しさで、どうも今まではかなり満腹になってからチーズをつついていたんだなぁと自覚させられる味わい。とろっとろに熟成されたモンドールの美味しさなどをしみじみと感じることが出来た。……で、ついつい、チーズ少しだけお代わり(元も子もない……)。

ドルチェは、スプーンに盛られて一口サイズでやってきたカッサータ(チーズ風味のアイスケーキ、といった感じのもの。リコッタチーズをベースにピスタチオやレーズンが入っている)と、華やかな彩りの苺のソースがけジェラート。コーヒーに添えられたプチフールはレーズン入りのビスコッティ風の焼き菓子と、ナッツの入ったチョコレート。フレッシュハーブを入れたハーブティーを飲みながらお菓子をつまむと、もう入店から2時間半が経とうとしていた。

帰りの電車は、通常の土日の夜だったらもう少し混んでいる(まず座れない)はずだけれど、今日はかなりのガラガラ。ちらりと立ち寄った渋谷の駅前デパートなどは大混雑だったけれど、電車や道路は空いていて、いかにも都心の年末年始の光景といった感じになってきた。
呆れるほど遊んでいたここ数日間、明日の大晦日は一日家でのんびり過ごす予定。

12月31日 月曜日
年越しうどん!今年もおつかれさまでしたー
チーズトースト
カフェオレ

久しぶりに何の予定もない日。あっというまに大晦日だったりして、そして私は全然その実感が沸いてこない。息子が冬休みに突入してからというもの遊んでばかりだったし、ゆえに年末ならではのテレビ特番もほとんど見ていない。大掃除と言えるような掃除もしていない(こないだ息子と一緒に窓ガラスは念入りに拭いたかなー……くらい……)。紅白歌合戦を見れば少しは感慨が沸くかと思えば、
「大晦日はハッスルを見るんだよー」
とだんなに告げられ、強硬に紅白を主張するやる気もない私は「うん、なんでもいいよー」と。2008年になった感慨がいつ沸くのかはちょっとわからない事になってきた。あ、「ゆく年くる年」とか見れば良いのかしら。

で、今日は自然に目が覚めるまでたっぷり寝よう!と思い、目覚めたのは8時過ぎ。結局昨日一昨日とあまり変わらず、でも少しのんびりめの時間に朝御飯にした。
昨日も食べた神戸屋の食パン「神戸屋スペシャル」が残っていたので、これを今日もトースト、
「このパン、チーズトーストにしても美味しいんじゃん?」
とだんながスライスチーズを取りだしたので、私もお相伴に預かることに。ほかに甘さのあるパンにチーズという組み合わせはどうかなと思ったけれど、これがなかなか美味しかった。焼くと良い感じに表面がカリッとする食パンで、生地に含まれるバターの多さがそのあたりに伺えるような気がする。

たこ焼き
コカコーラ ゾロゼロ

少し遅めの朝御飯、このまま昼御飯を食べずに早めの夕飯に臨むか、それとも昼過ぎに何か軽めに食べるか……と相談の結果、「たこ焼きを食べよう!」ということに。だんなが諸々の足りない食材を買いがてら、タコやキャベツを買ってきてくれた。

私はその間、正月料理の準備を少しばかり。息子が「あんこ食べたい!」とあんこに先日執心していたので、ならばと小豆を買ってきて炊いてみた。3時間ほど吸水させた小豆を茹でこぼしてアク抜きしつつ、煮ること3時間くらい。並行して雑煮用の澄まし汁の準備もした。これは毎年馴染みの、鶏肉とごぼうと舞茸、それと豆腐の入った鰹だしの吸い物。吸い物代わりになるしと鍋いっぱいに作ってしまった。

ちょうど2つの鍋のアク取りが佳境に入っていたので何の手伝いも出来なかったのだけれど、だんながさくさく用意してくれて、焼くところだけは手伝いつつたこ焼きを30個ばかり焼いては食べる。大きく切ったタコと刻みキャベツ、揚げ玉入りの、生地は市販の「卵入れて水で溶けば使える」タイプのもの。鰹節やたこ焼きソース、マヨネーズをこてこてつけていただいた。

「たこ焼きには、これかなーと思って」
とだんなが買ってきてくれたのは、カロリーゼロのコカコーラ「Coca-Cola zero」。うっかり先日こんなものを目にしてしまって、以来私の中であれは「コカコーラ ゾロ」ということになっている。ゾロよゾロだわ、ゾロだよね、と家族で怪しい会話をしながら、飲んでみたらコカコーラライトより美味しいノンカロリーコークを堪能。

ナムルの残り(ほうれん草・もやし)
ローストビーフ 生野菜添え(スプラウト・レタス・にんじん・プチトマト)
マグロのブツ・マグロのたたき・たこブツ・スモークサーモン・玉子焼き
ままかりの酢漬け
とろろ
日本酒(秀鳳酒造場 純米吟醸 雄町生原酒)

かしわ天
はりやのざるうどん
ほうじ茶

午後はのんびり、各自勝手にテレビゲームしてみたり漫画見たりDSゲームに勤しんだりして、ますます大晦日らしくない感じに。6時を過ぎてからよっこらしょと夕飯の支度をした。今年の年越し蕎麦は、年越し蕎麦ならぬ年越しうどん。夕方につけたNHKで
「うどんの本場、香川の人々は大晦日もうどんで年越しをします」
なんて放映されていて「ほら、うどんでも問題ないんだよ」と己の行動を再確認してみたりした。

メインにうどんが控えている(しかも鶏肉の天ぷら「かしわ天」も用意するつもり)といううことで、夕飯の時間にはおつまみになるようなものをつまみつまみ。錦糸町の魚屋さんで買ってきたマグロのブツにとろろを添えて山かけにしたりなどしてつまみつつ、1切れだけ残してあった切り落としをたたきにしたり、その魚屋さんの店名で出されていた甘い玉子焼きをスライスして出してみたり。ままかりの酢漬けは、東京駅の酒屋さんのおつまみコーナーで先日買ったものだ。

ローストビーフは和牛のもも肉のブロックをスキレットで焼きつけて作ったもの。焼いてしまえばある程度保存もできるだろうと、大きなブロックを一気に焼いてみた。しっかり温かいところで寝かせたつもりだったけれど、思ったよりもドリップが染み出てきてしまってちょっと残念。もうちょっと焼きを甘くしても良かったかもと思われるウェルダン気味の焼け具合だった。生野菜を添えて、ドミグラスソースやマヨネーズを添えながら適当に食べる。

我が家の現在の冷蔵庫には呆れるほど日本酒の4合瓶が詰まっているところだったので、どれか飲んでしまおうかとだんなが出してきたのが、山形で買ってきた「秀鳳酒造場 純米吟醸 雄町生原酒」。じわ〜っと染み入るような旨味のあるお酒で、でも飲んだ後はすっきりと潔いほど後に残らないとても好みな感じの生原酒。以前にも買ってこれは美味しいなぁと思ったのだけれど、今年もやっぱり美味しいなぁと思い入った。マグロも美味しいわ、ローストビーフも美味しいわと紅白歌合戦など見ながらだらだらと飲んでいたら、いつの間にか瓶は空になり、だんなは座したソファからずるずると横になって寝こけている。おいおい、もうすぐ見たいって言ってたハッスルが始まっちゃうよー。

……で、ハッスルが始まった途端に起き出しただんなと、ハッスルが始まった途端に「何?これ?」と興味深そうにテレビ画面に目を向けた息子と3人でハッスル鑑賞。噂には聞いていたけれど、きちんと通してみるのはこれが初めてだったハッスル。なんじゃこりゃーというほど、面白かった。アメリカのプロレスもたいがいソープオペラだけれど、それよりも更にばかばかしいというか何というか、でも楽しい。ガチンコなように見せかけて、でも裏ではきっちりシナリオがあるんですよ、みたいな格闘技を見るよりは、こういう割り切ったショープロレスの方が私は好きだなぁと思ってしまった。何より懐かしいアメリカンプロレスを見ているようで、実際、田尻とかが出場している。

ハードゲイがフォーフォー言い始めたところで(この人も懐かしい気がする)、だんなはうどんを茹で、私は鶏肉の天ぷらを作る。うどんは先日、新橋駅前のせとうち旬彩館で見つけて買ってきたはりやのざるうどん(ちゃんと濃縮だしもセット)、かしわ天は、「衣に卵入れていいんだっけー?」と思わず検索してしまったところ、どんぴしゃりなレシピページを見つけてしまったので、こちらの作り方で。良い感じのふわふわとした衣の、それなりに塩味の効いたかしわ天ができあがり、
「僕ねぇ、うどん少しでいいよ?」
と呟いていた息子も麺と鶏肉をばりばりと食べていた。どちらもすんごく美味しくて大満足。

店名を冠しているからといって、その店そのものの味は期待しない(しちゃいけない)と思っているのだけれど、この半生麺はかなり良い感じだった。シコシコと歯ごたえのある伸びやかな麺も、少し甘めのだしも、とても好みな感じだった。はりやの麺にどのくらい近いかどうかは……何しろお店に伺ったのが5年ほども前の事なので、「はりやの味そのまんま!」とかさすがに言えないのだけれど、でもちゃんとさぬきうどんなうどんだった。何しろ息子の喰いっぷりがすごい。今年の最後まで息子の喰いっぷりに感嘆する流れになりつつ、年の変わり目はまったりと「ゆく年くる年」を見て、新年を迎えてみた。

息子も日付が変わるまで起きていて、皆で
「あけましておめでとうございます」
「今年も宜しくお願いします」
と挨拶してから、息子は就寝。2008年も良い年でありますように。