チョコデニッシュ
アーモンドクリームデニッシュ
アイスカフェオレ
昨日は久しぶりにデパ地下のトロワグロでお買物してきたのだった。総菜に、菓子パン類。ここの菓子パンって美味しかったっけ……?と以前に買った記憶を呼び覚まそうとして、「トロワグロ」と「ダロワイヨ」がごっちゃになった。やたらと甘いケーキが並んでいたのは「ダロワイヨ」だっただろうか。
そもそも私は人との待ち合わせでパン屋の神戸屋と木村屋を間違えて店頭で待っていたりするくらい、固有名詞を間違えまくる。「トロワグロ」と「ダロワイヨ」の違いは、かなり難易度高めだ。
ともあれ、トロワグロの菓子パン。チョコデニッシュも、アーモンドスライスが散らされたクリームデニッシュも、デニッシュ生地がどことなくふにゃんとしていて、どこか今ひとつ。もっとこう、バターの香りがほわわわわんとしてきて、サクサクの生地に苦めの香りの良いチョコレートが……と、理想のそれを思い出すと、南青山の某パン屋さんのものだった。木曜日に青山に行くことだし、もう一度買ってこようかな。呆れるほど高いパンだった記憶があるのが、ちとつらい。
キッシュの残り
ポテトのフランの残り
くるみパン
アイスミルクティー
本日は、家でお仕事。朝から作業し続けていたため、昼御飯は大変な手抜きに。冷蔵庫に昨夜の総菜の残りがあったので温め、買い置きのくるみパンを囓る。キッシュをおかずにパンを食べ、ポテトのフランは今ひとつ味が薄かったので「トロワグロ、すまん」と思いつつケチャップをかけて食べる。高級お総菜が、一気に自家製オムレツと変わらない味になってしまってちょっとショック。
鯵の塩焼き with 大根おろし
豆腐の味噌汁
羽釜御飯
ビール、麦茶
「銀のぶどう」の秀くりーむ(抹茶)
今日はこれでもかこれでもかというくらいの和食が食べたい気分だった。燒き魚に大根おろし、豆腐の味噌汁、そんな感じ。
「だから、魚を買って帰るよー」
と保育園に息子を迎えがてら買い物してきた。
「このおさかな、おっきいねー!」
「……それはサバだから、焼き魚って感じじゃないかなー……」
「このおさかなは、きれいねー」
「……それはタイでね……高いからダメ」
「たかいのー?こっちはー?」
「それはスルメイカだからそもそも魚じゃないし」
と、すっかり「親子にこにこ魚教室」になってしまいつつ売場を右往左往して、結局小ぶりのアジを買ってきた。焼いて食べるにはちと小さい気もするけど1尾80円。素敵な値段だ。
枝豆にビール。燒き魚に大根おろしに醤油をチーッ。豆腐たっぷりの味噌汁に、羽釜で炊いた御飯。
大根おろしをたっぷりまぶした魚を御飯と一緒にかっこむと、何だかしみじみ幸せになった。いいわぁ、焼き魚。
豆腐の味噌汁
麦茶
パンだのドーナツだのの朝御飯にすっかり飽きつつある最近だったりして、今朝はいきなりマグロ丼。冷凍のマグロの中落ちのたたきを解凍し、昨夜の御飯をあっためてぶっかけて食べる。醤油をチーッとひと垂らし。幸い昨夜の余りの豆腐の味噌汁もあって、綺麗な和風朝食になった。
焼き鳥丼 800円也
本日、お仕事。
銀行で片づけなきゃいけない用事を片づけた後、駅近くの道をぷらぷらしながら昼飯処を探して歩く。ビビンバという感じでもないし、この蒸し暑さの中でとんかつというのもちょっとイヤだ。蕎麦じゃさっぱりしすぎるし……と歩いていて、「焼き鳥丼」の文字と目が合った。小さなビルの二階にあるお店のようだ。見上げると、オヤジさんしか入らないような店でもなさそうで(いや、オヤジさんしか入らない店でも気にしないで入るけど、すんません場違いな客ですんませんと何だか肩身が狭くなっちゃうから)、それならいいかと入ってみることにした。
ビルの2階、いきなり「靴脱ぎ」コーナーがあり、銭湯の入り口みたいな下駄箱がある。板張りの床に、大きなベンチのカウンター。奥にはテーブル席もあるらしい。
で、カウンターについて焼き鳥丼を注文。漬物とサラダ、吸い物と丼がセットで800円だ。丼の上にはつくねと塩の正肉、そして"とりわさ"。大好物の"とりわさ"が乗っていて、何だかすごく嬉しかった。
ささみ肉をさっと炙ってワサビをつけたものが"とりわさ"だ。表面は焼けているけど、中心はかなり生っぽい。牛でも馬でも鹿でも何でも、生肉は大好きだ。なかなか家では食べる勇気がなくて、外で生肉を見つけるとついつい食べたくなってしまう。とりわさも、大好物。
軟骨も入っているような、モロモロとした歯ごたえのあるつくねの下にはタレがたっぷり御飯に染みている。肉と御飯の間に刻み海苔が敷かれていて、あれこれ肉を囓りつつかっこむ御飯は美味しかった。とりわさの上に、これでもかとたっぷりのワサビが乗っていて、ボロボロ泣きながら食べる羽目になったけど、気にしないのだ。隣のおっちゃんも涙目になってたし。
グリーンサラダ
ひじきと鶏肉のじぶ煮
なすの揚げ煮
だんな特製 豚の角煮
茄子の漬物
すじこ
冷やっ汁
羽釜御飯
ビール、麦茶
生ライチ
多分、血縁関係以外ではこれが日本での最後の来客かもしれない、友人M井さんがやってきた。
この人、確か前に引越するときも最後に遊びに来たんじゃなかろうか。そしてこの家に引っ越してきたときも最初にやってきたような気が。多分この人、アメリカにもやってくるんじゃないかと私たちは思っている。美味しいものを「これ、美味しいです」とそれは見事に平らげてくれ、個性的すぎるM井さんを、私たちはそれはそれは可愛がっているし、尊敬してもいる(と同時におちょくってもいる)。
私「……M井さん、アメリカにも来るかな?ていうか、海外行ったことあるのかなぁあの人……」
夫「いや、基本的に頭はいい人だから英語とかは問題ないでしょ」
私「ま、この星の人じゃないから日本もアメリカも"よその星"という意味じゃ同じか……」
夫「そうそう、どうせ異星人なんだから」
と、私とだんな、二人でひどいことを言っているのであった。
ともかく、ならばせっせとおもてなししましょう、と今日のテーマは「和食」ということであれこれあれこれ作ってみた。だんなは今日は「じーちゃんの墓参りしてくるわ」と仕事を休み、夕方には帰ってきて角煮の仕込みをしていてくれた。
枝豆を茹で、冷たい味噌汁"冷やっ汁"の準備をする。散らすものはきゅうりの薄切りと茗荷。だんなもM井さんも大好きらしい「なすの揚げ煮」(茄子の輪切りを揚げ、醤油と味醂と砂糖と酢、豆板醤を入れたタレに漬ける)を山盛り作る。
そして、「ひじきも喰わせよう」と、初挑戦の「ひじきと鶏肉のじぶ煮」。ひじきを戻して軽く茹で、そこに甘辛く煮た鶏肉を汁ごとぶっかけて出す。レシピで見た時は美味しそうだったけど、食べる寸前に煮汁をかけて混ぜるこれ、ひじきにあまり味が染みなくて今ひとつの味だった。
更に、母が準備してくれたサラダ、買ってきてくれた茄子の漬物にすじこ、全部並べたら食卓はぎちぎちになった。御馳走だ。
で、広くはない食卓を5人で囲む夕御飯。母は初めて会うM井さんをお客さんとしてもてなすべしと、
「ほら、ビールついでおあげなさいよ」
などと私をせっついていたけど、そんなこた無用なのである。この人、飲みたいものは自分で飲むし「これください」とはっきり言うから、余計な世話はあんまり無用なのである。こちらとしても気が楽な人だ。
だんなの角煮は、今日も絶品だった。なんでも肉屋で「豚バラ肉」と「上豚バラ肉」があったので「上」を買ってきたのらしい。大きな塊肉が2つ、合わせて1.6kgはあったらしい。たっぷり煮たそれを、皆して食べる食べる食べる。下茹でした後に醤油と酢を絡めて焼き付けて、あとは醤油と砂糖の味付けでことことことこと煮ていったそれは、和辛子をなすりつけて食べるとたまらなくよく似合う。20切れ近くあったそれ、皆でよってたかって食べたらあと2切れになってしまった。1.6kgあった肉が、残りわずか200gくらい。なんてこった〜。
茄子の漬物
冷やっ汁
おかか卵御飯
麦茶
7時。昨夜、夕飯を食べた後はいつものとおり泊まっていったM井さん。居間のローソファーで毛布にくるまってスカスカと寝ている。M井さん、本当は「泊まりに来た時の快適さを思えばこのくらいの投資など」とか言いながら、数年前に無印良品のスモールサイズベッドを買ってくれていた。ソファーとしても使えるサイズなので、長らく居間に設置していたのだけど(そして当然来客用、主にM井さん用のベッドともなる)、それは現在私の母が使うものとなっているのであった。M井さんゴメンね。まだ減価償却も終わってないような気がするし。
朝御飯は、主に昨夜の残りをずらずらと。
「やっぱ朝は卵御飯でしょー」
とか言いながら生卵をぱかんと割って醤油を垂らし、削り器でシャーコシャーコと削ったおかかと共にぶっかける。
M井さんと次に会うのは1年後になるだろうか。彼のことだからいろいろ食材持ってアメリカにやってくるような気もする。
おでん(大根・卵・すじ・厚揚げ・こんにゃく、など)
かき揚げ
パリパリうどん
うどんの刺身
半熟卵天
かしわざる
いか天ざる
カレーうどん、かしわぶっかけ などを味見させてもらう
ビール、悦凱旋(日本酒)、梅酒サワー
"うどん"繋がりで数年前から仲良くしているKさんから、
「アメリカに行く前にミニオフ会しませんか?」
とお誘いいただいた。うどんをいただいたり、メールをやりとりしたり、けっこう長いつきあいをしているけれど、Kさんと実際にお会いするのは初めてだ。
東十条から徒歩5分のところにある、Kさん絶賛の「すみた」という讃岐うどん屋さんは是非とも行ってみたいと前から思っていた。数週間前から「ではこの日に」と約束して、人数集めて夜7時から貸し切りにしてもらい、いざいざと出かけることに。昼飯も喰わずに私はいそいそと夕方お出かけ。
台風6号直撃コース、宴会をやってる頃には関東上陸かという天気だったのに、結局出席率は110%なのだった(飛び入り参加の方もいたので100%超過)。
Kさんの他は、讃岐うどんML極東支部の方がほとんど。この日記を読んで下さっていて、メールのやりとりをしたことがある方も何人か。
東十条(もしくは十条)駅から、まっすぐまっすぐ歩いて5分くらい。4人がけのテーブル席が2つに、あとはカウンターのみの小さな小さな店だ。メニューには「ぶっかけ」「かしわざる」といったメニューが並び、カウンターの上にはおでんが煮えている。香川の匂いが漂っている。
四国の旨い酒も何種類も用意されていて、ビール飲んだり日本酒飲んだりサワーに移行したりとしながら、飲み食いしながらあれこれ会話した。12人ほど詰まった店内はオフ会参加者ばかりの貸し切りで、女性も3人。カウンターに並ぶ男性陣は、一見普通のサラリーマンだけど、それが全部うどんオヤジなわけである。前にいる人もうどんオヤジ、隣もうどんオヤジ。そしてあっちにいるのはうどん女。恐怖のうどん集団が占拠する店となっているのであった。そしてその、「○○の店が××で」という香川のうどん店の話にきっちりついてきてしまう私もだんなも、多分うどん人間なのだった。こ、濃いわ……。
しかもそのメンツの中で、
「今日、日帰りで香川に行ってうどん喰ってきたのが2人」(←台風だったのに……)
「今週末、香川にうどん喰いに行くのが2人」
なんてのがいるのである。
私の身近の人(特に私やだんなの両親など)は、「え、香川でうどん食べてきたの?……で、何しに行ったの?」とか言う人たちがほとんどだ。讃岐うどんがどういうものか知っていて、食べたいと思っていても実際に食べに行く人となると極少数派なのである。だが、ここに居る人たちは日帰りで行って7軒回ってその日に帰ってくるような、そんなことやっちゃう人たちが居て不自然じゃない場所なのだった。濃い。ディープだ。あなたの体内には血液じゃなくてうどんだしが流れていますね?と思いたくなる。
で、飲む酒もつまみもうどんも、何もかも美味しいのであった。黒々と煮られた大根は味がこってり染みていて、串に刺さった牛すじも柔らかに煮えている。うどん版ベビースターのようにこんがり揚げられたパリパリうどんに、皿から溢れそうな(ていうか溢れてる)サイズの巨大かき揚げ。そして最後にいよいようどんを注文した。私はいか天ざる、だんなはかしわざる。2人とも半熟卵天を1個ずつつけてもらう。
断面が四角の、その角がピシッ、つやっとしているうどん。伸びもあるし、キュキュッとした歯ごたえがなんとも心地よい。つけだしの味も、しっかりいりこ風味で、もうその店は香川にあってもおかしくない、という香川のうどんそのものの味がした。サクサクの天ぷらもサイコーだ。ゲソも鶏肉もサクッと香ばしくて良い感じ。
「僕のカレーうどん、食べます?」「こっちは釜玉」などと、他の人のまで味見させてもらいながらうどんをしっかり堪能し、しかも余ったうどんまで包んで貰って持って帰ってきた。これで明日の朝もうどんが可能だ。むふー。
風雨が強くなる一方の中、それでも電車は遅れることなく、無事に11時過ぎに帰宅。
アメリカから帰ってきたら、今度は「麺打ち会」(←Kさんが主催している)に行ってみよう。そして私も真性うどん人間に進化するのだ(進化と言えるのだろうか、それは)。
「……今朝も雨降るって言ってなかったっけ?何よこの雲ひとつない空は」
「おゆきさん、知らないの?こーゆーのを"台風一過"と言うんだよ」
「知ってるけど……ヤダわぁ……」
と、ボヘボヘの頭で起き出した木曜日。二日酔いというわけじゃないけど「飲み会の翌朝」特有のだらだら気分。なのに何だこの天気は。暑いじゃないか。もう少し曇ってくれてても良いじゃないか。
冷蔵庫には、昨日「すみた」で貰ってきたうどんがあった。お店で出している麺を2玉ずつパックしてもらったのが2つ。昨夜、Kさんから分けていただいたのも3玉分くらい。美味しいうどんが冷蔵庫にみっちり詰まっていて、そりゃもう、朝から喰うしかないのである。飲みの日の翌朝のうどんは何よりも胃にしっくりくる。すばらしい。
十数分茹でた麺を流水にさらして揉むように洗い、氷も投入してキンキンに冷えたところでどんぶりに移す。万能葱とだし醤油だけをぶっかける、製麺所の軒先で食べちゃうような、簡単味つけ。
「やっぱり、うまー!」
「めちゃめちゃウマー!」
とピカピカ光る艶やかなうどんを噛まずにそのまま胃に落とし込む勢いでずるずる食べた。
今日は私の最後の出勤日。いろいろと、正念場(←何しろ今日はフレンチとイタリアンの食事が待ってるわけで)。がんばれ私。
赤ピーマンのムース
クスクスの前菜 イワシのグリル添え
骨つき仔羊のグリル 黒オリーブのソース
カシスのシャーベット
チョコレートムース
エスプレッソ
ペリエ
今日の夜は、数週間前から馴染みのイタリアン店「Cozima」に予約を入れてある。
だんなと2人で美味しいイタリアン食べてアメリカに臨もうね、と「旨いもの、喰わせてください〜」と予約したのだ。
そして昼は、教授と一緒にフレンチレストラン。
「最後の出勤日ですしね、どこかでご一緒しましょう……コートドールなんて、どうですか?」
と言われ、
「コココココ、コートドールですか!!もう喜んで喜んでご一緒します!」
と踊ってしまいそうな勢いで承諾したのが一昨日だ。
何もフレンチとイタリアンのコース料理を同じ日にぶつけなくても、と思わなくもなかったけど、食い道楽としては、そういう時には胃袋に状況を合わせるんじゃなくて状況に胃袋を合わせなければならない。今日はガロニン(強力消化薬)持参。
「日本有数のフレンチレストラン」という評価もあったりする「コートドール」は、フレンチレストランに全然詳しくない私もその名を聞いたことがある、いつかは行ってみたいと思っていたお店だ。
夜のコースは1万5千円くらいするそうで、それでワインも取って……となると、入店するにはかなりの勇気が必要そうだ。昼もおいそれといけない価格だろうと想像し、とても1人じゃ行く気のしないお店だった。
が、そんな店に予約を入れておいて、先生は今日、めちゃめちゃ多忙。
日によっては特に授業も会議も何もなかったりするのに、今日に限っては午前中にレポート回収の授業があり(当然出席率は高いし、早く終わるわけにもいかないらしい)、午後には1時半から重要な会議があるらしい。午前の授業が終了するのは12時15分。食事ができるのは、せいぜい1時間が限度だ。
「……ランチに予約したんですが……1時間で食べ終われますか?」
と午前中に電話で聞いてみたところ、
「必ず……とは申せませんが、なんとかお急ぎ致します」
とお返事をいただいた。では行きましょう、と、山のようなレポート用紙を抱えた教授を12時17分頃に研究室で迎え、そこから2人で猛ダッシュ。
夏休み前のテスト期間ということもあり大学内は学生だらけ。先生と私は2人で、最短距離になる校舎の中を駆け抜けて階段をでででででと駆け下り、信号をダッシュで渡りきって、そのまま競歩のごとくの早足でお店に向かった。血相変えてフレンチレストランへ向かう教授と秘書。周囲から見たら妙な構図だったかもしれない。
息を切らせてお店についたのが12時20分。会議が始まるまでに戻るには1時間で食事を終わらなきゃいけない。
「あ、お昼のコースでね」
なんて、コース注文してて良いでしょうか先生。
ビルの1階に位置するお店はピンクが基調のすっきりした内装だった。床までの大きな窓からは、小さいけれど和風の庭園が見えて気持ちが良い。お客はビジネスマン3人組みが1組だけ。お客が少なかったということもあってか、きっちり1時間で全ての料理を出してくれた。
コース料理を注文したので手渡されたメニューはちらりとしか見なかったけど、前菜の値段が3〜4千円、メインディッシュは6千円あたりの金額が並んでいる。一瞬鼻血が出そうになった。こここ、こんなに高いのか、この店は。
先生が会議前ということもありアルコールはやめ、ペリエを片手に食事した。肉汁滴る仔羊のローストなんて、めちゃめちゃ赤ワインに似合いそうだったけど、ワインがなくても旨いものは旨いのだ。気にしないことにする。
突き出しに「赤ピーマンのムース」。
このお店の人気の料理であるらしく、色々なところで「このムースが最高!」と読んだことがある。口に入れるとそのままフワンと消えてなくなりそうな舌触りのふわふわのムースは、口に入れた途端にパプリカの爽やかな甘さとかフルーツのような香りとかが押し寄せてきた。一口大のムースの下には、トマトのピュレが敷かれていて、いかにも夏っぽい。パプリカをそのまま囓ったような濃厚な味がするのにその食感は繊細。すごくすごく美味しいけど、フレンチをそれほど食べつけない私としては、「でも、何だか生クリームの脂肪分が舌に残るような感じ……」という気も少しだけ。
そして、円形にかたどられたクスクスの前菜。中には夏野菜が混ぜ込まれていて、上にイワシのグリルが乗っている。周囲にはバルサミコが少し効いたような、柔らかい酸味のソース。モロモロと崩れるクスクスと香ばしいイワシがけっこう似合う。程良い塩加減で、サラダを食べているような感じがする。先生と、植木とワインについて語り合う。先生、ワインについて語り出すと止まらない。
料理は次々やってくる。「1時間でね」と言ったこともあるし、そもそも私も先生も、ものすごく食べるのが早いのだ。いつもは私は節制してなるべく遅めに食べるようにしているけど、今日は先生に合わせるために前向きに早く食べていた。
高級フレンチの皿を数分で空にしていくのは……なんだかものすごく贅沢している気分が。そんな、吉牛食べてるみたいにクスクス食べなくても、と……(ああ、下品よ下品……)。
メインディッシュは仔羊のロースト。
昼のコースは、メインディッシュを魚か肉か選べるようになっていて、今日の魚はエイのソテーということだった。教授も私も肉喰いなので、肉を選択。
紅色の切り口が鮮やかな骨付き肉の表面は肉汁でキラキラしている。さっぱりめのオリーブ風味のソースに、バターの匂いがぷんぷんするじゃがいものガレットが添えられている。フィンガーボールもやってきて、しばらく2人で無言になってフォークとナイフを繰りつつ、最後は骨を手で持ってしゃぶりまくる。
「やっぱり、骨のついたお肉はね……」
「しゃぶらなきゃ、損ですよねー」
とか言いながら。
久しぶりに、「羊ってやっぱり高級肉なんだなぁ」と思えた料理だった。臭みのまったくない肉(臭い肉もそれはそれで好きだけど)は適度な弾力のある柔らかなもので、滴る肉汁はほんのり若草の匂いがするような感じ。こってりしすぎてない、フランス料理ではあるけど日本人にも食べやすい味付けのものだった。骨の周りの肉がこれまた……と、両手使って鼻の下にまで肉汁つけつつわしわしと食べる。後ろを通る給仕の人たちはあまり存在感を感じさせず、そのくせ目配りはきいていて、居心地も良かった。
そして一気にデザート。
口直しにと小さなカシスのシャーベット。続いて濃厚なチョコレートのムース。
食後のドリンクには一口サイズのマドレーヌとクッキーがついてくる。幸せだ。チョコレートのムースは、ムースというよりケーキじゃないかというこってり濃厚なもの。下にはカフェオレ色のソースが敷かれていて、キャラメルのクリームかな?と舐めてみると少しも甘くない。聞いてみると、コーヒーとリキュールのソースだそうだ。甘さ控えめの香りの良いチョコレートがホロホロとした生地に固められたものの上には、板状のキャラメルみたいなチョコ菓子が散らされている。どの料理の光景も美しく、でも装飾過多という感じでもなく、とても良い感じだ。
そして、きっちり1時間で終わった食事。支払いを済ませる教授の手元をちらりと見ると、当然ながら5桁の合計金額が並んでいた。どしぇー……。こんな高価なランチは久しぶり。
時間は午後1時20分。会議まであと10分。そうして再び、猛ダッシュで大学に戻る私たちだった。
「おいしかったですか?(ぜぇぜぇ)」
「はい!とっても!(ぜぇぜぇ)」
行きと同じく、やっぱり凄く変に映っていたかもしれない私たち。先生どうもありがとう。
焼きとうもろこしのピュレ コンソメゼリー添え
マグロとトマトのタルタル 夏野菜添え
トリッパのトマト煮込み
穴子と松茸のスパゲッティ
白銀豚のグリル
特製マンゴプリン
アイスティー
自家製梅漬けのスプマンテ割り
白ワイン:Oslafje "RADIKON" 1999
1972年ものアルマニャック
午後7時予約の、Cucina Tokionese Cozima。予約より10分ほど早く店についてみると、まだ他のお客さんは1組しかいない状態。だんなも職場を出たばかりということで、しばし料理長Kさんとお話していたりなどしてだんなを待った。昨日、別件でマネージャーHさんと話したところ、
「えらく気合い入ってるんですよ。今日から色々仕込みやってます」
とのことで、いつも以上に期待は高まる。今日の料理は100%おまかせ状態で、「とにかく美味しいものを食べさせてね」とお願いしていた。
7時10分頃だんなが到着、ひっさしぶりのテラス席で食前酒に自家製の梅を漬けたものを沈めたスプマンテをちびちびいただく。最初の”突き出し”っぽい小さな小さな皿は、焼きとうもろこしのピュレ。2口分ほどの黄色いピュレの上にコンソメのゼリーを砕いたものが乗っている。煮詰めて煮詰めて固形状になったコーンスープのような味わいで、ベタッとしてない上品な甘さと香りがふわふわと漂ってくる。
「白で、辛口で、そいでもって個性的なワインを」
とリクエストして持ってきてもらったワインは、「RADIKON」という名のものだった。シャルドネとかリースリングとか、メジャーな(しかも淡泊系の)葡萄をブレンドして作られたというそのワインは、なのにやたらと濃い色をしている。樽の匂いがぷんぷんしてくる、どこかバターの香りもするようなこってりとろんとした白ワインだった。
「あんまり飲むとね」
「最近飲み通しだしね」
と言いつつ、飲みまくりながら食べまくる。
次は、セルクルでかたどられた真っ赤なタルタル。マグロとトマトが一体となったそのタルタルの上にはアンチョビとレモンが混ぜ込まれたクリームが添えられ、上にはキャビア。そして周囲には生の夏野菜があれこれと飾られている。レモンの酸味とアンチョビの独特な塩辛さが、妙にトマトとマグロによくなじむ。それ以前にトマトとマグロもよく似合う。クリームたっぷりつけて食べてみたり、野菜と一緒に口にしてみたり。
更なる皿も、真っ赤な料理。トマト煮込みされたトリッパには豆とじゃがいもも柔らかくぐずぐずに煮えて良い感じに絡まっている。ぽくぽくとした舌触りの素朴なソースの中に、ヒダヒダの柔らかい臓物が。ほんの少しのケダモノ臭さが良い感じ。ワインが進んでけっこうヤバい。
パスタは、オイルベースの小盛りのものが。ピリピリと適度な唐辛子の辛みが効いた中には、江戸前のぷりぷりした穴子と、歯ごたえが残る程度に火の通った松茸が入っている。この季節に松茸?と不思議に思ったけれど、味も香りもしっかり松茸だ。江戸前の穴子は、身は小さいけれど味が良いのだとか。脂が乗ってテラテラと光る穴子は、さぞ寿司にしても旨いだろうなと思えるもので、でもオリーブ油にも似合っていた。ここまででもう、美味しいものだらけで私とだんなはずっとニヘラニヘラしている。母と息子も連れてこようと最初は予定していたのに、母に「東京まで出るのはめんどくさいからイヤ」と言われてしまったのだった。私たちだけで美味しいもの喰って、すまん。
そして魚料理。スズキがこんがり焼かれた切り身が野菜と一緒に盛られ、上には「マントヴァーナ風ソース」という、ケッパーたっぷりの塩味がガツンと効いたソースがかかっている。パリッパリのスズキの皮目はいかにも日本人が好みそうな具合に香ばしく焼かれていて(なんでもイタリアではあんまり"皮目を香ばしく"という文化はないそうだ)、上質のオリーブ油の香りが染みている。いんげんなどの夏の野菜がたっぷり添えられていて、それがまた塩気の強いソースをつけるといくらでも食べられそう。でも、皿数ここに至って、いつもよりなんとなく量が少なめかな?もう次が最後の料理だよねぇ?と思っていた。
で、次に来た料理で「ああ、こういうことなのか!」と、だんなと二人で大笑い。やってきたのは2kgぐらいあるんじゃないかという豚肉の巨大な塊肉で、それは何でもイタリア風にじっくり蒸し焼きしたものだそうだ。白銀豚、という豚肉らしい。塊肉にいくつも細い穴をあけてそこに塩胡椒やにんにくをすりこんで染みさせた、というその肉は、大きな塊なのに中まで良い具合に塩味が染みていた。
毎回毎回、「ここの豚肉、美味しいっすー」「旨いっすー」と言っていたので、「この夫妻は豚肉が好物である」としっかり認識されているらしかった。何しろ「最後にいらっしゃるときは……豚肉尽くし、ですかねぇ?」と以前言われていたくらいだったので。今日は幸か不幸か"豚肉尽くし"ではなかったけれど、まさかこんな巨大なメインディッシュが出るとは思わなかった。
「このぐらい、食べられますか?いや、このぐらい?」
とKさんが席まで持ってきてくれて、目の前でスライスしてくれた。ノリは、ブッフェ料理の"ローストビーフサービス"みたいな、そんな感じ。でもローストビーフは3cm厚さに切ったりはしないと思う。
結局、ステーキ並に厚く切った肉を3枚、1枚ずつ2枚の皿に乗せ、もう1枚は半分にしてから盛りつけてくれた。250gくらいあるんじゃないかというその肉は、アメリカ食生活の予行演習ですか?と言いたくなってしまう迫力が。添え物は、柔らかく煮たじゃがいもとえんどう。煮汁をベースにしたソースをさっとかけて、仕上げにオリーブ油をぱーっと回しかける。
中までしっかり火が通った肉は、内と外とが同じくらいに程良く火が入っていて、どこを囓っても中から肉汁がじくじくと出てきた。味付けは、本当にシンプルに塩と胡椒とにんにくだけ、という感じ。どこ喰っても豚〜、脂も豚〜、という、その脂の甘さも美味しい肉だった。牛のステーキも贅沢だけど、こういう豚の料理もすごく贅沢な気分。大きな大きな肉塊は、これ以上なく肉をガツンと堪能させてくれた。
そして、とうとうドルチェ。
やってきたのは、なんとマンゴプリンだった。イタリア料理でマンゴプリン!
以前からマンゴータルトとか、マンゴー添えのプリンとか、毎年この季節はマンゴーデザートは出ていたけれど、マンゴプリンを作ってくれたのは初めてだ。マンゴプリン好きな私が、何かにつけて「いつか作ってくださいよー、マンゴプリン」と言っていたのを、今日、作ってくれちゃったらしい。
パティシエの宮木さんが「お口に合うかどうか……」と恐縮しまくりながら持ってきてくれたそれには、「お気を付けて行ってらっしゃいませ。スタッフ一同」とチョコで書いたウェハースが添えてあった。もう笑っちゃうやら感動しちゃうやら、大変なことだ。そして、当然美味しかった。ちょっと弾力のあるプルプルの生地の周囲にはキャラメルベースのミルクのソースが添えてあるという工夫もあって、しっかり「イタリア風マンゴプリン」になっていた。
最後には、
「1972年もののアルマニャックです。よろしければ」
と、30年もののアルマニャック(←私の年齢と同じものを出してくれたらしい……わはは)までいただきつつ、美味しい料理と美味しいアルコールで背骨がぐにゃんぐにゃんになるような気分になってお店を後にした。
「行ってらっしゃい〜」
「お気をつけて〜」
「お元気で〜」
と、料理長やらマネージャーやらが入り口まで出てきて最後まで見送ってくれた。
1年後に帰国したら、また真っ先にこの店に来るのだ。その頃には押しも押されぬ人気店になっちゃってるかもしれない。
いちぢくのコンポート
杏仁茶
ふにゃふにゃになってお店を出たのが午後9時半。その後しばし歩いて、Tさんの料理教室のあるマンションへ資料として預かっていた写真一式をお返しに寄った。今日はたまたま夜の料理教室もやっていた日だったので、生徒さんが帰って片づけ真っ最中という状態の中におじゃまして、ちゃっかり「今日やったの、これだったんですけど」なんてコンポートまでご馳走になる。
これまで 「昼の先生」しか見ていなかったけど、今日は「夜の先生」なのである。
「昼と夜とじゃね、キャラが違うんです」
と先生本人が以前言っていたけど、確かにホントに違うキャラだった。何というか、化粧がマット気味で、なのに若々しいというか華やかというか。
「せっ先生、キャラが違います!」
「あらイヤだ、せりあさんだってご主人と一緒だとキャラが違いますよ」
と、2人で「いや、あなたが」「あなたこそ」とキャラ違い合戦をしばし繰り広げた。愉快な先生なのである
キャラメルとオレンジのソースがベースの白いコンポートと、赤ワインがベースの赤いコンポートは、同じいちぢくとは思えないほど違う味だった。中に、チーズの詰め物がしてあってトロンと柔らかい。
そして、夜遅くにお邪魔して30分以上居座っていた挙げ句、「おうちで待ってるご家族にも」と、お土産をいただいてしまった。こっちもなんとマンゴプリン!杏仁豆腐とマンゴプリンが数個、ひとつずつラッピングされてリボンも結ばれていて、シロップが別添でついていたりして、しかもマンゴプリンのレシピはリニューアルしたそうで、これでもかと果肉が入った美味しそうなものだった。
仕事で出会った人たちが、なんだかよってたかって美味しいマンゴプリンを食べさせてくれようとしてくれたみたいな今日。すごーくすごーくシアワセだった。
ミルクティー
先週末からの外食&宴会続きで、さすがに疲れた。身体が、というよりは内臓が、という感じ。
今日は久しぶりに、家でやる仕事の他は特に予定がなく、のびのびと寝坊。朝御飯を食べたいと思う気力もわき出てこなくて、
「……ドトールあたりで何か喰ってくかなー」
とのんびり最後の出勤に出かけて行っただんなを見送る。「ご、ごめん、息子保育園に連れていって」と母に頼み、そうしてクーラーガンガン効いた部屋でしばしぼーっとしてた。
そうして保育園から帰ってきた母は、朝御飯にとパン屋に寄ってきてくれて、買ってきてくれたのはマンゴーデニッシュ。私がマンゴプリンマンゴプリンと日々騒いでいるものだから、母はマンゴー関連商品を見つける度に買ってきてくれる。マンゴーヨーグルトとかマンゴーパンナコッタとか。時々「それはやめてくれ……」というようなシロモノもあるけど、今日のマンゴーデニッシュはかなり心にヒットした。
ブリオッシュ生地の上に角切りアップルマンゴーがたっぷりと。果肉の下にはカスタードクリームが詰まっていて、それもまたマンゴー風味。どこを食べてもマンゴーマンゴーしていて美味しかったけど、そのどっしりとした甘さは疲れた胃にはちょっとだけつらかったり、でも美味しかったり。
ハンバーグカレー
今日はのんびり仕事して、余裕があったら昼飯は外に……と思っていたところ、今日は仕事が休みだった母から
「出発する前にメールとかいうもののやり方を教えといてよー」
とか、
「あと、ほら、ホームページの探すやつ?(←検索エンジンのことらしい)とか、ビデオの録画も!」
などとリクエストをいただいてしまい、今日は「にこにこ母娘パソコン教室」となった。……数時間後には、私はパソコンインストラクターにはなれないなと認識することに。人にものを教えるということは難しいことだ。私は短気でどうもいけない。
そうこうして、時間は午後2時半。胃を休めるためにも今日は少食を心がけようと思ったものの、さすがに空腹が募ってきた。
「おなかすいたよおなかすいたよ我慢できないよ」
と騒いだところ、「じゃあ買い物がてらにカレーでも?」と誘われて近所のカレー屋さんに行くことに。昼の営業は午後3時までだったので、客のいない小さなお店にぎりぎり駆け込むこととなった。
黒く黒く辛くない独特のカレーを、どうやら母も気に入ったらしい。
「私は……空腹なのでハンバーグカレーを」
「まぁ由紀ちゃん、こんな時間にそんな重いもの食べて。……あ、私はカツカレーね」
「そっちのが重いじゃん!」
とお互いをののしりながら、共にヘビィな品を注文。ぎっしり肉の味がするハンバーグは自家製だし、カツも注文が入ってからこんがりと揚げられるし、メニューはカレー(とオムライスとカレースパゲッティ)くらいしかないのに細かに手間がかかっている。
久しぶりの黒いカレー、しかもハンバーグ乗せは疲れた胃袋に染み渡った。スパイスのとんがりが感じられないマイルドさが今日は殊更に嬉しく思える。そして「カツカレーがいいわ」と言った母は、
「あなた、カツ食べる?……あとひとつ。これも」
という感じで半分ばかりを私によこしたのであった。……なら、「そんなに喰うな」とか言うなー。もー。
マンゴープリン
杏仁豆腐
昨夜お土産にいただいた、Tさん手製のマンゴプリンと杏仁豆腐。本当は昨日のうちに食べたかったけれど、深夜12時を過ぎて食べるのもどうかということで、しっかり冷やしなおしておやつに食べることになった。
息子の保育園も今日が最後。保育園から早めに帰ってきた息子と私と母の3人、マンゴプリンと杏仁豆腐を並べてつつきあう。
杏仁豆腐にはレモンの風味の爽やかなシロップつき。杏仁の香りがふわふわ漂うミルキーな生地はちょっとばかり好みな弾力が感じられて、もちもちふわんとした食感。マンゴプリンもまた、ミルクたっぷりの弾力があるババロアのような食感のものだった。上にも下にも果肉たっぷりで、上からはマンゴーピュレのソースも添えられている。
最近とみに口が肥えてきたように感じられる息子は(最近、生意気にも市販のマンゴーヨーグルトなどを"おいしくなーい"と言う……なんと贅沢な)、
「この、あんにんどーふ、おいしーねー」
「こっちの、マンゴーのプリンも、すきよー」
と容器を2つも3つも抱えようとする。どころか、「これはせりあさんのね♪」といただいた一番大きなマンゴプリンのカップまで奪おうとするのだ。
「ダメ!おっきいのは、私がもらったの!」
「だめでしょー、おかーさんは、おとなでしょー。これは、ぼくのでしょー?」
「違う!ガキは身体ちっこいんだから小さいのでいいんだよ!」
「ちがうでしょー。おかしは、ぼくのだもん!」
「ちーがーうー!!」
母に「大人げない……」と溜息つかれながら、親子戦争繰り広げて食べたおやつ。大人でもなんでも、譲れないものはあるのだ。大きいマンゴプリンは私のだ。
ハムとレタスのサラダ
かぼちゃのグリル
茄子の揚げ煮(火曜日の残り)
ビール
白ワイン(昨夜の残り)
ここ2日ばかり外食が続いていたので、冷蔵庫内は猟奇ワールドに突入しかかっていた。母に息子を見ていてもらった昨日、どうやら母と息子も外食していたらしい。もしかしたら一昨日も。
今日は夕方から、1つ1つの食材に鼻つっこんで「賞味期限自己判定」をすることから始まってしまった。戻してしまったヒジキ、全滅。ほうれん草もヤバめ。豆腐はややヤバめだけど、これは大丈夫。茄子の揚げ煮も危険度60%、枝豆は塩味が染みすぎてるけど、まぁ大丈夫。美味しそうなハムも危険エリアに片足入っている。キュウリ1本は輪郭が崩れていた。ていうか半分ばかりゲル状になっている。アウト。すまん、キュウリ……。
出勤最終日ということで、当然だんなは飲み会に連れ出されていた模様。いつもは「遅くなる」の電話1本も入るところ、今日は連絡すらない。きっとあちこちで拉致されてるか拿捕されてるかするのだろう。
そうして今晩は残り物処分デー。残り物を並べ、ハムはキュウリやトマトと一緒に大きなレタスの葉で巻き込んで、マヨネーズをにゅうと絞ってつまむことにする。飲み物はビールもあるし、昨夜持ち帰ってきた200ccばかりの飲み残したワインもあるし、そんなものまで残りもの。
ただ、母が「ケンタロウの本読んでたら、美味しそうなもの載ってたのよー」とかぼちゃのグリルを作ってくれた。テフロンフライパンでかぼちゃを炒め、軽く塩をして最後にバターを絡めるだけ、みたいな一皿。あったかいものが1つあると、それだけで食卓もなんとなく寂しくなくなる。
数日ぶりに、腹八分目の夕御飯。本当はこういうのが健康的なはずなのだ。腹が破れるまで食べるのは、月に一度くらいにしておきたい……(と思いつつ、まだ学習できていない私)。
麦茶
冷蔵庫には、先日いただいてきたうどんがまだまだたっぷり詰まっている。悪くなる前に食べきらなくちゃと思いつつ、
「ウレシー」
「超ウレシー」
「毎朝うどんー」
と喜びつつ2日目のうどん朝食。今朝は、牛肉うどん(というか"吉牛うどん")にすることにした。
うどんを十数分茹で、その横のコンロでは真空パックの冷凍吉牛を温める。どんぶりには「ヒガシマル」の顆粒いりこだしを溶いておき、そこに茹だったうどんを放り込み、吉牛を盛りつける。吉牛は1人1パック。豪勢だ。
「ジャンク〜」
「ジャンクだけど、ウマ〜」
「うどんが良いから、これまたウマ〜」
と朝から鼻の頭を汗だくにしながらうどんを啜る。今日もめちゃめちゃ暑くなりそうだ。
ガーリックパン・クリームパン・リンゴの甘煮パン、などなど
鮭ロール・チーカマ入りサラダ
ビール、コーヒー
渡米前に、ひと目我が一家に会っておきたいということで(いや、正確には"ひと目曾孫に会っておきたいということで")、だんなのお祖母ちゃんと叔母さんが、だんなの実家にやってくるらしい。だんなの実家へは我が家から徒歩10分自転車5分という感じ。そりゃ行かなきゃなぁ、と、まだ荷造り一つしてない状況ではあったけど、昼からだんなの実家に赴いた。
いつもお祖母ちゃん宅に行くと、海老フライだの煮物だの刺身だの蟹だの、具沢山の味噌汁だの赤飯だの、それはそれは大御馳走で迎えてくれるお祖母ちゃんなのである。今日もまた、山のようなお赤飯を抱えてやってきた。我が家分と、だんなの実家分で7合分くらいあるんじゃないかという山盛りのお赤飯だ。タッパーに入ったそれは持ち帰って夕飯にいただくことに。
更に叔母さん、「途中にあるね、美味しいパン屋さんで買ってきたのよー」という大きな袋を抱えていた。クリームパンだのあんパンだのりんごジャムパンだのガーリックパンだの、あれこれ詰まったそれを大皿に盛りつけ、皆でつまむ昼御飯。ついでにお義母さんが鮭のテリーヌのような"鮭ロール"やチーカマを散らしたサラダを作ってくれ、ビールを飲みながらいただくことに。
お祖母ちゃんの子供たちは娘が3人だったので、初孫であり"初めての男の子"であるだんなのことは、それはそれは可愛がっていたらしい。孫が6人揃った今もだんなだけは別格という感じだ。そして、その初孫であるだんなの子供が初曾孫で、しかも男の子で、しかも幼き頃のだんなにものすごく似ているということで、お祖母ちゃんはヒートアップするばかりなのだった。
ただでさえ、日頃「あの子は元気かねぇ、大きくなったかねぇ」とばかり言っているらしいお祖母ちゃん、これから1年近く会えないとなると色々心配だろうしやきもきしちゃうことだろう。……うーん、ホームページに載せるからパソコンでアクセスして見てね、とか……言ったら、お祖母ちゃんパソコン買っちゃいそうだ。本気で。
舞茸と鶏肉の吸い物
卵豆腐
キャベツと豚肉の胡麻しゃぶ
ビール
ここ数ヶ月、私はずーっと「遠足前夜」気分だったのである。心浮き立っちゃって、わくわくしちゃって、休みの日も朝早めに目が覚めちゃったりしていた。そしてここ数日の暴飲暴食。とうとう喉が痛くなってきて鼻水が止まらなくなった。
夕方、だんなの実家から帰ってからは、どうにもだるくてそのまま昼寝。幸いいただいてきたお赤飯もあり、昨日買ってきた豚肉の薄切りもある。舞茸も冷蔵庫に入っていたので、「じゃ、これで吸い物作れるね」と、だんなが鶏肉と、もう一品にと卵豆腐を買ってきてくれた。
しっかりと鰹だしを取って作った舞茸と鶏肉とごぼうの吸い物と、大鍋でガーッと火を通したキャベツを温かいまま皿に盛りつけ、彩りに輪切りにしたトマトを散らし、その上からこれまた大鍋の湯でガーッと火を通した豚の薄切り肉を温かいまま盛りつける。そして「ミツカン胡麻だれ」をじゃばじゃばぶっかけて、食べる。恐ろしく簡単だ。でも美味しい。茹でたあったかいキャベツというのが、なんとも美味しい。
綺麗な紅色のついたお祖母ちゃん製のお赤飯は、柔らかくほこほこと良い感じに炊けていた。
ここ数年のお祖母ちゃんの中でのブームは「ちょっと甘く豆を煮る」ことであるらしい。確か私が初めていただいたお赤飯は普通の甘さのないものだったと記憶するけど、ここ2〜3年ほど、豆がふわんと甘いものになっている。もう80歳を越えたというのに、自分の料理をリニューアルさせていくお祖母ちゃんは、すごいと思う。
麦茶
本日の朝御飯も、うどん。
「こんな良い麺にインスタントのだしじゃ申しわけなさすぎる」
と、だんなが昨日、いりこだしを仕込んでくれた。いりこの香りがぷんぷんする、磯の香りのだしは今回も旨い。
茹でたてのうどんを水でキリッと締め、だしをじゃぶじゃぶかけて刻み万能ねぎを散らす。近所のスーパーで1パック50円で買ってきた揚げ玉もぶわっと散らし、家族で一斉に啜りこむ。夏に食べるキンキンに冷たいうどんって、なんて美味しいんだろう。「冷やし茶漬け」などもやってみたいと思いつつ、ついついうどんばかり食べてしまう。
そぼろカレーサンド入りミックスサンド
アイスカフェオレ
職場の資料整理が終わらないということで、だんなは今日、職場に出かけていった。その間、私は荷造りを開始。羽釜入れて〜おひつ入れて〜スキレットも入れて〜、愛用のやっとこ鍋も入れて〜、としていたら、あっというまに40kgになってしまった。
「飛行機に持ち込める荷物1人30kg。3人で90kg、身体と一緒にできるだけ持っていこう」
と、以前に家族会議で取り決めていた。丈夫なキャリーも買った。段ボールもでかくて丈夫なのを3個、準備した。でも、その段ボール2個がほぼ食べ物関係で埋まり、それが40kg越えているというのはどういうことでしょうか食欲魔人の神様。
「……ま、バストイレ関係は向こうで買えばいいし」
「服も向こうが安そうだし」
「ほとんどの家具は前任者から引き継げるみたいだし」
と、状況はどんどん「ま、向こうで買えるのは買えばいいよね」と、ますます食品関係荷物が多くなる一方だ。何が悪いって、だんなの「うどん打ちセット」が一番荷物を圧迫しているような気がしないでもない。
で、午後2時半。仕事を終えただんなが
「銀座で買ってきたよー」
と木村屋のサンドイッチを買ってきてくれた。本当は千疋屋か万惣のフルーツサンドをと思ってくれていたらしいけど、夏場は持ち帰りはできなかったらしい。
カレー味のそぼろ肉が挟まるサンドイッチに、チーズとハム。卵。卵とトマトとレタスのクラブハウスサンドイッチ風。2パックのそれを、
「ぼくは、たまごのがいいー」
「私、カレー食べるね」
「ハム、1つちょうだい」
などと言いながらつまんだ。……少々、物足りぬ……。
牛角風冷や奴
ネギタン塩
にんにくハラミ
中落ちカルビ 塩だれ
ネギ味噌カルビ
鶏ハラミ
ピートロ サイコロステーキ
熟成ハラミ 塩だれ
ガーリックバターカルビ
とうもろこし焼き
にんにくのホイル焼き
サンチュ
ご飯 小サイズ
盛岡冷麺 ハーフサイズ
ビビン麺 ハーフサイズ
牛角アイス
バニラアイス
アイス最中
生ビール ×3
レモンサワー
ラムネ
ブラッドオレンジジュース
……を親子3人で食べる。
昼、半端な時間に半端な量のものを食べたものだから、夕方過ぎて超空腹になる。
「お寿司?」
「焼き肉?」
「焼き肉〜〜〜〜♪」
とそわそわしだし、結局、近所の焼き肉屋「牛角」に行くことに。行く度に貯めているカードのポイントが2500円分ほど。このままだとそれが期限切れになってなくなってしまうので、ポイント使って食べに行くことにする。
母を誘うが、
「めんどくさいし、ニンニク嫌いだからイヤ」
と速攻断られ、親子3人で焼き肉へ。
今日と明日、近所の神社はお祭りだ。明日には駅近くから神社の入り口までが通行止めになって、1kmほどの道の両側に屋台がずらりと並ぶのだ。今日は宵宮だけど日曜ということもあって、外は浴衣のカップルとか親子連れですごい人だった。「お祭り前に焼き肉を」というわけじゃないと思うけど、焼き肉屋もそれなりに混んでいた。
「本日は混雑しておりますので90分でお願いします」
と言われ、テーブルへ。座るなりビールを注文。いつもの「タン塩」「中落ちカルビ」「熟成ハラミ」あたりを次々注文。ご飯とサンチュを追加して、口直しに冷や奴も。
それほど、ものすごく良い肉!ってわけじゃないけど、目先の変わった味付けのメニューが多く並んでいるのでついついあれこれ食べたくなる。
おろしにんにくがこれでもかとまぶされたカルビは、さっと焼いてからにんにくと溶かしバターを合わせたものをちょっとなすりつけて食べる。刻みネギと味噌がこってりまぶされた肉に、ごろりと大きな角切りの豚肉には黒胡椒がたっぷりと。にんにくものが多いのも、にんにく好きには嬉しいことだ。網の隅ではホイルの容器の中でオイルと共ににんにくが煮焼きされている。
どわーっと一気に6種類の肉を平らげ、
「……んー、ちょっと、物足りぬ」
「冷麺とビビン麺と……あと、肉2皿くらいかな?」
と、最後に続けざまに肉2皿と麺料理2つ。冷麺はキムチも入っているけど辛さ控えめ、ほんのり甘さのあるものですごく食べやすい。割り落とされた温泉玉子がまた嬉しかったりして。
息子の大好物のピートロソーセージは残念ながら売り切れで、息子はご飯ととうもろこしばかり食べて、ジュースとアイスクリームで御満悦だった。
……あと、食っておきたいのは鰻と、寿司と……。