食欲魔人日記 01年01月 第4週
1/22 (月)
牛しゃぶとグリーンアスパラのスパゲッティ (夕御飯)
目玉焼き
豆腐と油揚げの味噌汁
御飯
麦茶

寒い寒い朝。ケンケンの目覚まし時計が「シーッシシシシ」と笑い始めても、私は起きられなかった。十数分後、もそもそと布団から脱出した私は、一昨日からの不機嫌続行中だ。
だんな、一人でスキー行っちゃってずるいわ。
しかも帰り際に温泉入ってきたなんて、めちゃめちゃずるいわ。
何故、こんな寒い朝にだんなのスキー用の服や靴下を洗濯して干さなきゃいけないのよー。
ぶーぶーぶー。

一人ぶーぶーと引越荷物が片付きつつある居間に転がっていたところ、だんなが
「今日は小川軒のレーズンウィッチ買って早めに帰ってくるから。ね?」
「目玉焼きもお焼きしますよ。洗濯機も回して来ますね。ね?」
と妙に甲斐甲斐しく動きだした。"レーズンウィッチ"と聞いて、思わず顔がニヤけてしまうけど、ここでニヤけちゃいかんのだ。ぶーぶー。

それでも機嫌は少々直り、だんなと2人で朝御飯。だんなの焼いた半熟目玉焼きを飯に乗せ、醤油垂らしてわしわしと食べる。いつもと変わらぬ朝御飯。でも引越後1週間でやっとまともにできるようになった日常の朝御飯だ。引越は、やっぱり大変であった。

きなこ餅
きなこ牛乳

千葉市のハローワークに行かなければ、ついでに津田沼にあるらしい巨大無印良品に行かなければ、と思いつつ急な仕事が入ってしまった今日。午前中からひたすら新マシンの前に座して文書作成と画像加工に励む。気がついたら12時を軽く回っていた。

御飯……ない。パンも……ない。どうしましょう、と台所をうろうろして切り餅発見。焼き網でこんがり焼いて"きなこ餅"にすることにした。焦げ目があまりつかないように注意して焼き、ぷーっと膨れた餅を一瞬熱湯につける。すぐさま、きなこと砂糖を入れたボウルにぶっこんで粉を絡ませたらできあがり。残った甘いきなこは、牛乳に溶かしてしまう。確か5年ほど前に"きなこ牛乳"って一瞬流行ったような流行らなかったような。みのもんたあたりがおそらく、「きなこは身体にとっても良いんですよ奥さん!」とか言っていたのに違いない。身体に良いか悪いかはともかく、きなこ牛乳は案外と美味しいのだ。

きなこ餅、きなこ牛乳、と全体的にベージュ色の昼御飯。粉だらけで喉がむせそうになりながら、ほんわか甘い餅と牛乳を食す。

牛しゃぶとグリーンアスパラのスパゲッティ
ロメインレタスのシーザーズサラダ
スペアリブとクレソンのスープ
インディア・ペール・エール、麦茶

エスプレッソ
小川軒の
レーズンウィッチ

我が家至近のマーケットには、洋野菜が多数売られている。ハーブもあるし香菜もある。クレソンやロメインレタスもピカピカなやつが並んでいて、嬉しい私はついついそういうものばかり買ってきてしまうのであった。本日の夕飯は全体的に緑色濃厚なカロチンたっぷりなメニューになった。

薄切り牛肉をしゃぶしゃぶにして、網焼きしたグリーンアスパラガスやトマト、パルメザンチーズと一緒にマリネしたスパゲッティはここに載っていたもの。オイルベースのさっぱりした料理だ。本当は細い麺でやる方が良いらしいけど、我が家にはどういうわけかぶっとい麺やリングイネしかないのである。どうもパスタにおいてもうどん系嗜好が抜けない私たちななのであった。で、リングイネ使用。

スープはスペアリブを葱と酒入りのスープでぐつぐつ煮込んで塩で味付け、クレソンをぶっこんだだけの簡単なもの。そしてロメインレタスはそのままざくざく葉を剥がし、卵黄やアンチョビペースト、粒マスタードをたっぷり入れた濃厚なドレッシングを作ってシーザーズサラダにした。うーん、豪華じゃないか。
注文しているキッチンワゴンがまだ届かなくて、調理場の作業可能エリアが15cm×50cmほどしか無い現状にしては我ながら良くやったとやや自慢。だんなも予告どおり、早めに帰ってきてくれた。新橋駅前のビルで売っていたという小川軒のレーズンウィッチも忘れずに持っている。

緑黄色野菜たっぷりの夕食の後、だんなが入れてくれたエスプレッソを飲みつつ念願のレーズンウィッチ。大好物の六花亭「マルセイバターサンド」に似ていると巷で言われているレーズンサンドである。ずっとずっと食べたかったのだー。

六花亭のものに比して生地が若干パリパリとしたサクサクのクッキーに、純白のクリームに絡まったレーズンがごろごろ。チョコレートが入っているらしい六花亭のクリームに比べると格段にさっぱりしたクリームだけど、これもまた悪くない。かたやしっとり系でかたやサクサク系という感じだ。サクサク系レーズンサンドのレーズンウィッチも、かなりツボに来た。かなり美味しい。これで六花亭版が入手しにくくても、やや安心、という感じ。

冷凍庫で保存しても、良いらしい。冷凍庫から取り出して紅茶などいれてる間に良い具合にやわやわと溶けるのだそうだ。山ほど買ってきてもらって、リスのように蓄えつつ、少しずつちまちまと食べようかなぁなどと考える。幸せな空想に思わずニヤけちゃったり。
はて、私はだんなに対して立腹していたのではなかったか(思うまま懐柔されている私……)。

1/23 (火)
桃々華(津田沼)にて「焼き肉かけ御飯」 (昼御飯)
まずかったっすー……

ミスタードーナツの
 チーズマフィン
 ホームカット
カフェオレ

「朝食べるパンを買ってきてくださいな」
と昨夜リクエストしたらば、だんなはミスタードーナツでドーナツ各種を買ってきたのであった。私と息子用にマフィンが1個ずつ、そしてドーナツ3種類。なかなか良いセレクションなのであった。

かぼちゃマフィンを息子に喰わせつつ、私はチーズマフィンを。電子レンジで軽くあっためて、ふかふかになったところに囓りつく。そしてシンプルな"ホームカット"。オールドファッションほど堅くない、本当にシンプルなふかふかしたドーナツであった。

ドーナツが山になってるのを見ると、どうも『ツイン・ピークス』を思い出す。続いてチェリーパイが食べたくなる私は、結構クーパー捜査官が好きだった。

津田沼パルコ内 桃々華にて
 焼き肉かけ御飯セット
 (フリードリンク、スープ、マンゴープリンつき)
 咸水角
 花巻

本日は当初の予定通りハローワークへ行って来た。しちめんどくさい手続きをいくつか終え、では津田沼にでも行ってみるかと電車を数駅。
時間も11時半を回っていたのでパルコ内のレストラン街を歩いてみた。さして旨そうに見えない中華料理店の前を通ると、「ランチメニューにマンゴープリンサービス」の文字が。これはいかん。見てしまったものは仕方がない。「マンゴープリン」の文字を見ると喰わずにいられないのは私の性なのだからと諦めて入店する。

ランチは通常メニューの他にセットものがいくつかと、800円のかけ御飯が数種類あるようだ。かけ御飯にはドリンクバーでフリードリンクサービスとスープ、そしてマンゴープリンがついてくる。「焼き肉かけ御飯」を注文し、息子用に中華パン「花巻」、そして2人でつまもうと咸水角も追加した。注文するなり、「デザートでございます」と何故か出てくるマンゴープリン。何故だ。まだ御飯もスープも何も出てないのに。どころかドリンクすら私たちは持ってきていないのに何故デザートが。
周囲を見ると、他のテーブルもやはりデザートだけが鎮座ましましているのである。大変不思議な光景だ。
しかもこのマンゴプリン、大変に不味かった
ていうか市販品のパック開けて切っただけ、という感じ。

ウーロン茶やメロンソーダをくぴくぴ飲みながら料理を待つ。かけ御飯とスープがやってきた。
これがまた、大変に不味かった。
合羽橋の調味料問屋で売っているような巨大ボトル入り焼き肉のタレでそのまま炒めたようなチープな味の焼き肉……というより野菜炒めの肉入り、とでも言うべきものが御飯の上に乗っている。そしてそのタレは多すぎて御飯は茶色くぺしょぺしょに染まっていた。塩辛くてとても喰えたものじゃない。スープはとろみがつきすぎてもはやゲル状になっており、しかも味はほとんどしなかった。暗澹たる気持ちでもくもくと箸を動かす。このぺしょぺしょな御飯に、スプーンではなく箸を持ってくるあたりがまたならではだ。

そして、花巻はともかく咸水角がまた、大変に不味かった。
餅でくるんだ肉あんはほの甘く、もちもちした皮も定石とおりではあるものの、妙にぺたぺたと粉っぽい。噛んだ直後に口の中に粉っぽさが残るなんとも言えない味わいのものだ。
かつて私は、大好物の咸水角を残したことがあっただろうか。色々な店でだんなが「あんまり美味しくないよ」と言っても「うんにゃ、美味しいよ」と食べまくっていた咸水角だ。それを私は今、残そうとしていた。味が強くて一口一口がやっとなかけ御飯と共に、頼んだ料理を残さなきゃいけない状況になるとは30分前の私は予想しえただろうか。

あああ、もう腹立たしいばかり。なんでこんなに不味い料理を作って客に出せるのか。しかも何故、席の半分が埋まるほど客が入っているのだぁ!納得いかない。絶対いかない。

そして、金を払って出る時に応対したフロアマネージャーらしき男もまた、大変にいけなかった。
「○○円です」と告げておいて、今まさに札を出そうとしている私に対してさっと片手で制し、やってきたお客の対応をし始めたのである。「少々お待ちくださいますか」の言葉もなし。いきなり手のひら向けて”ちょっと待て”の態度である。やってきたお客に対しても「こっちへどーぞー」と片手をぶんと奥に向けただけ。すっげー態度悪いの悪くないのって。

憤懣やるかたなく店を出た私であった。二度と来るもんかっ!ぷんぷん。

舌平目のムニエル シシリア風
粉ふき芋
スペアリブとクレソンのスープ
御飯
ウィンター・エール、麦茶

本日は舌平目を買ってきてみた。舌平目と言ったら「……ムニエル?」くらいしか想像しえない発想が脆弱な私である。なんか他に作るべき料理はないかと手製データベースを立ち上げると「舌平目のムニエル シシリア風」の文字が。シシリア風と銘打ってはいても、やっぱりムニエルなのだった。舌平目とムニエルは切れない縁なのであるらしかった。

塩胡椒して強力粉をはたいた魚をバターでこんがりと焼く。焼き目が両面についたら皿に乗せ、表面にぺたぺたとトマトピューレを塗ってからパルメザンチーズをさらさらとかけ、オーブンへ。チーズが溶けたら先のフライパンにバターを足してレモン汁を加えてちょっと煮詰めたソースを上からぶっかけてできあがり。トマトやチーズが入るので"シシリア風"なのだろう、きっと。

バターたっぷりのこんがり焼けた魚は期待以上に旨かった。今日の昼飯の1000倍以上は旨かった(まだ根に持ってるし)。
付け合わせに粉ふき芋を作り、バターのソースを絡めて食べる。昨日のスープも出したら、それなりにご馳走になった。
やっぱり料理は愛よね、愛。

1/24 (水)
にんじんとツナの炊き込み御飯 (夕御飯)
卵御飯
スペアリブとクレソンのスープ
麦茶

これまで、卵というものは1パック180円あたりが妥当な価格なのだと思っていた。170円なら「安いわ〜」と思って買っていた江東区在住の日々。千葉に移ってきた途端に150円160円は当たり前、安売りの日には80円90円という価格帯になってしまった。なんてこった。卵1粒(←粒!?)10円以下になる日が来るなんて思ってなかったよ、私は。

で、昨日買ってきたばかりの新鮮卵に感謝しつつ卵御飯。黄身がぷくっと盛り上がって、白身が綺麗に2層になる新鮮な卵を食べるのはとても幸せ。

ミートソーススパゲッティ
アイスカフェオレ

台所の食料庫を片づけていたところ、賞味期限が5ヶ月前に過ぎ去っていた「ママー・ミートソース」なるレトルトパックを発掘した。私が買ったやつじゃない。「きっと美味しくないからやめよーよー」と言ったのに、「何かあった時に食べられるじゃないか」とだんなが特売ワゴンから持ってきたものだったと思う。ほーら、何もなかったから食べないまま賞味期限が過ぎてしまった。こうして後になって処理することになるんだから、ぷんぷん、などと呟きながら"お昼のネタゲーット"と密かに喜ぶ私がいた。

太めのスパゲッティを茹で、湯に入れて温めておいたレトルトパックミートソースをうりゃっとかける。ケチャップの味がするような、やけに甘ったるいミートソースだった。なんだか学校給食を彷彿とさせる。こういうミートソースにはやはりこれでしょう、と緑色の筒のクラフトパルメザンチーズを上からうりゃうりゃとかけ、麺を飲み込む。チープなチープな味のミートソースに、喫茶店に置いてあるパルメザンチーズ。ますます安っぽいような皿になった。

だがしかし、これがなかなか旨いのである。私の母はミートソースを手製にしてくれたことはついぞ無くて、ミートソーススパゲッティが好物の私に対して、午前中で小学校がひけて帰宅する土曜日には3回に1回はこういうミートソースのスパゲッティを出していた。なんだかそれを思い出してしまうのである。やたらと赤ワイン味が濃厚なアダルトチックなミートソースよりはこういうやつの方が子供が案外好きかもしれない。

小川軒の
 レーズンウィッチ 煮出しミルクティー

午後2時、大学生の義妹がだんなの実家から逃げてきた。毎週水曜日に開催される、お義母さん主催の編物教室。明日は代数のテストだというのに隣室で生徒のおばちゃんらが大騒ぎするのに辟易してこちらに来たのだった。徒歩10分距離で転居してきた我が家を一番喜んでいるのは、実は義妹かもしれない。でも我が家にもおばちゃんらに負けず劣らず騒がしい2歳児がいるけれども、それは良いのか妹よ。

「これ!おみやげですっ!」
と差し出された袋に中には沢山のスイーティーと、もっと沢山のにんじんが入っていた。何故かえのきだけも1袋入っている。食材の乏しい野菜庫だったのでありがたく頂戴しする。

「明日のテストがぁ、50点満点で平均点6点とかってテストだからもう、何やって良いかわかんなーい!」
などと言いつつ、義妹は食卓のテーブルでいそいそと勉強し始めた。私も内職の原稿書きなどをしたり、のんびり過ごす。

おやつに牛乳含有量90%のミルクティー。スパイスは入れずに砂糖だけちょびっと放り込んでみた。

肉豆腐
にんじんとツナの炊き込み御飯
ミネストローネ
麦茶

山のようなにんじんをちと食べようと、炊き込み御飯にすることにした。どこかの本で見たレシピで、細かくフードプロセッサーにかけたにんじんとざく切りしたえのきだけ、それにツナ缶を塩胡椒と一緒に御飯に炊き込んだもの。米3合に対して1本のにんじんをどかんと入れたら綺麗なオレンジ色の御飯になった。

で、更ににんじんを刻み、ついでに玉葱とじゃがいもとベーコンも刻み、冷蔵庫に残っていた水煮トマト缶の残りを使ってミネストローネ。最初にベーコンをじくじく炒めて脂を出して、野菜もしっかり炒めてから煮込んだスープはなかなか美味しい。御飯もスープも何やら真っ赤っかになったけど、まぁ気にしないことにする。

で、問題はメイン料理である。主菜である。
冷蔵庫に残っていた豆腐を食ってしまわねばならなく、そして牛肉あたりでちょっとしたものを作りたい。御飯とスープの状況から言って是非とも洋風なおかずを作りたいところだったけど、"豆腐と牛肉"という組合せが来てしまったら、それはもう醤油と味醂で煮つけてしまえという思考しか浮かばなくなってしまう。牛肉を軽く茹でて豆腐と一緒にサラダ風、とか色々考えたけど、豆腐と牛肉を一緒に煮込んだ方がやっぱり美味しいのよねぇ。

てなわけで、洋風の御飯とスープに純和風の煮物、という何ともけったいな食卓になってしまった。肉が堅くならない程度にさっと煮含めた甘辛い牛肉と豆腐と玉葱はすごく美味しくできたけど、だったら白い御飯に合わせて食べたいところであった。真っ赤っかな御飯とスープには、いまいち合わないのであった。とほほほほ。

1/25 (木)
天ぷらうどん (昼御飯)
モスバーガーの
 テリヤキチキンバーガー
 フライドポテト・フライドオニオン
 コーンスープ
牛乳

だんな、今日はお仕事休みである。
家族全員でだらだらと9時前まで眠りほうける。

今日の私はAccessのデータベース作成にはまっていた。これまで使っていたレシピ数2600を誇る手製データベースが、ソフトをアップグレードした途端に動かなくなってしまったのだ。これは困る。非常に困る。日々の献立作成にそりゃもう活用されているデーターベースなのである。これが動かなくなったら、毎日私は好きなものしか作らなくなる。今も好きなものばっか作っているような気がするけど、やはり動かなくなるのは困るのであった。

起きるなりパソコンの前でふんふん唸っていたところ、だんなが「ハンバーガーでも食べたくありませんか?」と提案した後、駅近くのモスバーガーに行ってくださった。これまで電車で最低2駅、あるいはバスに15分揺られなければ喰えなかったモスバーガーが今や身近に。今日も引越後の喜びをかみしめつつ、だんなが帰るのを十数分じっと待つ。

好物のテリヤキチキンバーガーとポテト、そして温かいコーンスープがやってきた。がさがさとまだ温かい袋を開き、甘辛い鶏肉挟んだバーガーに囓りつく。モスバーガーはフレッシュネスバーガーと双璧を成す、私の愛するバーガー屋だ。今日もこんがりポテトやふかふかバーガー共にひっじょーに旨かった。寒い日のあったかい料理は尚更嬉しい。

Kさん製手打ちうどん
いか天ぷら・芋天ぷら
麦茶

午前中、うどんが我が家にやってきた。
うどん打ちと趣味とするKさんが転居祝いと銘打って手打ちうどんを送ってくださったのであった。「うどん喰いたい、讃岐行きたい」と日記で吠えていた甲斐があったというものである(こらこら)。

讃岐うどんをこよなく愛する彼のうどんは、讃岐うどんが信条とするコシの強さや喉ごしの良さをしっかり持っている。いつも手製のだしまでつけてくださっていて、それがまた”いりこだし”で旨いのだ。
「ばんざーい。」
「昼は、うどんだねー。」
と朝飯喰ったばかりだというのに昼飯に思いを馳せる私たち。そのまま近所のマーケットに買い物に行き、総菜コーナーに"これは!"という天ぷらを見つけて購入してきた。かき揚げにちくわ天、いか天に芋天。どれも讃岐のうどん屋で食べてきたような、衣のでかい巨大なやつだ。

巨大な鍋にグラグラと湯を沸かし、14分ほどうどんを茹でる。いただいたつけ汁は少々伸ばして温めて"かけ"用に。熱いつゆに茹でたてのうどんを入れ、長ねぎではなく万能葱もちゃんと刻んで上に乗せた。大きな天ぷらを乗せたら、おおおおお!讃岐で喰ってきたうどんみたいになってきたぞ!しかもパックになっていた塊を全部茹でたら5人前見当になった。
「あつあつの大!」
などと言ってだんなは大喜びだ。大どころか特大くらいの量があるような気がしますが。

まずは天ぷらを除けてうどんとつゆを堪能する。キュッとコシのある麺に、いりこが強く香るだしは讃岐の匂いが感じられた。そうそうそうそう!こんな感じだったですよ!ちょっとだけ讃岐熱が減少する感じ。
そしていざいざ、と天ぷらを乗せ、少々だしを吸い込ませたところで囓りつく。天ぷらは当然温めない。讃岐で食べた天ぷらもトレイに並べられた冷めたものがほとんどだったので、その基本を徹底すべく冷えた天ぷらに熱いだしをつけたところをがぶりと囓る。油がじわじわとだしに溶け、だしが甘くなっていくのもまたならではだ。

ほんの少し不揃いな麺は、それでも市販品のコシと喉ごしを遙かに越えていた。5玉見当のうどん、家族全員で一気食い。ああ、旨かったー。

回鍋肉
ロメインレタスのシーザーズサラダ
豚肉とにんじんのスープ
御飯
ウィンター・エール、麦茶

駅ビル内には、肉好きの友"ニュークイック"があるのである。ついつい「100g80円」なんて表示を見ては肉をてんこ盛りに買ってきてしまうのであった。今日は巨大な豚バラブロックを用意。30分ぐらぐら茹でて下茹でし、包丁でサクサク薄切りにして回鍋肉にすることにした。本日のテーマは「メリハリのある味付けを」。豆板醤多めに、砂糖やオイスターソースも心持ちたっぷりにして甘さと辛さが両方ガツンと来るようなものにしてみた。キャベツどっさり、ピーマンこんもり、ついでにオレンジ色のパプリカも放り込む。

下茹での際にできた豚スープは、薄切りにした肉を入れて薄切りにんじんと一緒に塩味のスープにする。白い御飯も用意して、数日前のシーザーズサラダの残りも発掘し、なんとなくメリハリのある回鍋肉と食卓になった。狙い通り、ピリピリと辛い中に甘さのある、こっくり旨い回鍋肉になり、今日の回鍋肉も大成功だ。

で、で、現在「どっちの料理ショー」放映中。本日のお題は「鴨南そばVSフカヒレそば」。
ちょっと前にたらふく回鍋肉喰っておきながら「ひぃ、フカヒレ美味しそう!」だの「鴨が、鴨がぁ〜」と唸りながら見ている夫婦なのである。
もう私は鴨肉のビジュアルにスリーカウント取られてしまいそうだ。あの分厚い脂身のある赤い肉がなんとも旨そうなんだよねぇ……じゅるじゅるじゅる。

1/26 (金)
豚味噌鍋 (夕御飯)
目玉焼き
豚肉とにんじんのスープ
御飯
麦茶

昨日の御飯に昨日のスープ、そしていつもの半熟目玉焼き、といういつも通りの変哲のない朝御飯。眠くて寒い冬の朝には、起きるなり「よっしゃ料理するぞー」という気分もなかなか沸くもんじゃなくて、身体が勝手に動くのまかせてただただ目玉焼きを作る。たまには卵焼きとかオムレツとか作ろうと思うんだけど、ついつい目玉焼きになっちゃうんだなぁ。

レーズンパン
苺のカップケーキ
ホットミルク
グリコヨーグルト健康

昨日の午後、お義母さんが「ほほほほほ、どうしてるかと思って」と風のようにやってきて小雨と共に帰っていった。
「はい、おやつ」と苺の乗った苺味のカップケーキを2個と、「パンもいる?」とレーズンパンの塊と、「バナナもあるわよ」とバナナの塊も取り出し、ついでに「お肉もいるかしら?」と肉の包みも出そうとしたのでそれは辞退した。お義母さん、自分ちの御飯の材料買ってきたんじゃないんですかい。

で、今日の昼にありがたくカップケーキをいただいた。苺味のピンク色のケーキ生地の中にカスタードクリーム。上にはホイップクリームと苺が乗っている。甘くて柔らかくて、ハチミツ入れたホットミルクと良い感じに合う。

そしてデザートは「グリコヨーグルト健康」。何故か見つけるとついつい買ってきてしまうヨーグルト、それが「グリコヨーグルト健康」だ。ノンホモ牛乳使用だとか、ジャージュー乳使用だとか、ついついヨーグルト製品には心惹かれてしまうけど、見つけるとついついコンスタントに買い続けてしまうのがこのヨーグルトなのであった。ゼラチンでちょっと固めに固めたような、学校給食を彷彿とさせる懐かしい味のヨーグルトだ。また買ってこよう。

豚味噌鍋
うどん
ウィンターエール、麦茶

だんなが昨日、味噌練りをしてくれた。「よっしゃあ精神統一〜」とか言いながら、豚味噌鍋用味噌を練り練りし、できた味噌は3回分ほど。1日寝かせていよいよ今晩、我が家のスペシャリテ"豚味噌鍋"を堪能する。酒粕や練り胡麻がたっぷり入った味噌で作る鍋は身体が芯から暖まってしみじみ美味しい。

具は豚肉と白菜と長ねぎ、ただそれだけだ。キノコや春菊、豆腐などを入れてもイケるらしいけど、やはり基本の白菜と長ねぎのコンビネーションが素晴らしい。豚肉は100g100円程度の、安い安いシャブシャブ用豚バラ肉で充分。

土鍋に昆布入れて水入れて、沸かしたところで昆布を抜いて練り味噌投入。飲んで美味しい濃度になったら具をざかざか入れてざかざか食べる。煮えばなに万能葱の刻みと七味唐辛子をたっぷりかけるのも忘れずに。変化のない味なくせに、いくら食べても食べ飽きない鍋なのだ。たまらん、たまらん。

最後はうどん。冷凍うどんを放り込んで、茶色く煮えたところで七味唐辛子と葱でずるずるすする。ちょっと煮詰まって濃い味になった味噌スープがまた、肉の脂も溶けてなんとも良い濃厚さになって、これまた何とも幸せな味になるのだった。

明日の朝は、残った最後のスープで味噌おじや。

1/27 (土)
ぶり大根 (夕御飯)
卵入り味噌おじや
ほうじ茶

「前夜に豚味噌鍋をやった際には、翌日に味噌おじやにしなければならぬ」
せりあ家の家訓である。(嘘)

家訓じゃなくても、豚味噌鍋の翌日の味噌おじやは格別だ。土鍋に残った煮詰まった味噌スープに御飯を入れてぐつぐつと。スープを吸って良い感じのおじやになったところで溶き卵を回しかけ、あつあつのところを食べる。茶色く染まったねっとりした御飯は、とても客人などに出せる風貌ではないけれど、足をじたばたさせてしまいたいほど美味しい。

外は呆れるほどの大きな粒の雪がもさもさと降ってきていて、せめてもと熱いお茶を入れて熱いおじやを食べる。肉と野菜のエキスを昨日存分に吸い込んでいたスープをたっぷり吸い込んだ御飯は今日もサイコーに美味しかった。
本当は、本日横浜まで繰り出す予定だったのだ。あまりの大雪で予定は中止。今日はのんびり鰤のアラでも煮込むことにしよう。

Kさん製手打ちうどん"ひやひや"
抹茶入り玄米茶

雪は着々と5cm10cmと積もっていく。気温は当然0℃前後であるはずだけど、こーゆーときに
「"ひやひや"が食べたいね」
とか言ってるのである。

一昨日届いた、Kさん手打ちのうどん。まだ1パックのうどんとだしが残っているので、茹でたうどんをキリリと冷やし、ついでにキリリと冷やしただしをぶっかけて食べることにする。冷たいうどんと冷たいだしだから、"ひやひや"。当然刻み万能葱も忘れない。真冬の、雪の日の水で締めたうどんは、凍りそうなほどに冷たかった。茹でたうどんは水にさらすとキュキュキュキューと堅く締まっていく。熱いうどんとはまた違った、強い強いコシのあるうどんになる。ああん、美味しい。

断面が四角の、ピカピカ光る真っ白な麺に、いりこの強く香るだし。ぶわっとかけた刻み葱。雪景色の中の我が家は一瞬香川のうどん店の軒先であった。しばし無言でずぞぞぞぞーと麺をすする。ちと冷たくてちと寒くもなるけど、旨いからそんなこた関係ないのだ。

ぶり大根
うどんの刺身
豚肉と舞茸の味噌汁
御飯
ウィンターエール、麦茶

買い置きしておいた鰤(……はなくて、実はカンパチだったけど)のアラと大根1本。今日はそれで「ぶり大根」。
魚も大根もあるから買い物は必要ないわねー、と思っていたら、肝心なものを忘れていたのであった。生姜、である。ぶり大根に針生姜はやはり必須であろう。瓶入り刻み生姜は冷蔵庫にあるけれど、それもちと違う気がするし、と大雪降り積もる中ざくざくと生姜1つを買いに行く。我ながら人生色々と遠回りをしているような気分になってくる。何も雪の中を生姜を買いに行かなくても。

雪をかき分けかき分け、近所のマーケットに行っている間、だんなは大根を切り、面取りをし、ついでに隠し包丁なども入れた後に米のとぎ汁でくつくつと下茹でしてくれていた。美しく白く柔らかく煮えた大根を、さっと湯通しした魚と一緒に大鍋で煮る。いくつかのレシピを検討した結果、味付けは4カップの酒に大さじ3と1/2の醤油、大さじ1ずつの味醂と砂糖。最初はとろ火で蓋をして火を通し、それから蓋を外して中火にし、ガーッと水分を飛ばしていく。1時間とちょっとで、大根は綺麗な飴色になった。できあがりは上々だ。

雪の中買ってきた生姜も添え、大根2個とアラ1かけをまずは器に乗せ、テーブルへ。
Kさんがうどんと一緒に送ってくれた"うどんの刺身"(生地の切れ端を三角や四角に切ったもの)も茹でて、キリッと水で締めてわさび醤油を添える。冷たいビールもグラスに注ぎ、いざいざいざ、とぶり大根に対峙する。

飴色の大根は、見かけに違わず味が上手く染みていた。煮込みが短時間だった割にはエッジもやわやわと柔らかくなっており、とっても良い感じ。骨つき魚も良いだしが出て、食べるところもたっぷりある。目玉の裏もほっぺたの肉も、ヒレの裏の肉もしっかりこそげてしゃぶり尽くす私。コラーゲンたっぷりで、きっとお肌ツルツルになる……はずだ。

結局、10切れほどあった大根丸々1本と、半身分の魚のアラは全部なくなってしまった。
数日かけて食べるものだと思いつつ作ったはずだったのに、大きな器を抱えて食卓と鍋を往復すること3回、大根の7割方はだんなが食べ、魚の7割方は私が食べるに至った。我が夫は、大根を煮たものがそりゃもう好物なのである。

食い終わるなり、
「今年の大根は美味しいなあぁぁぁぁ。今度は、ふろふき大根作ってね♪」
とか言っているだんな。大根2/3ほど喰っておいて言うセリフだろうか。

1/28 (日)
チーズハンバーグ ドミグラスソースかけ (夕御飯)
モスバーガーにて
 フレッシュバーガー
 チキンサラダ
 フライドポテト&オニオンリング
 ミネストローネ
 オレンジジュース

雪やんで、今朝は見事な快晴だった。カーテンごしに眩しい光が入ってきて、起きるなりおでかけ。近所のマーケットで毎週日曜日は「朝市」と銘打って色々安売りをしているのだった。見事な泥つき葱が5本入って150円。巨大な泥付きゴボウが2本で98円だとかと、ちょっとばかり魅惑的な品が並ぶ。すっかり地元生活になじみつつある我が家だった。
家から徒歩10分のモスバーガーへ、シャーベット状の雪をかきわけかきわけ目指していく。朝御飯は、モスバーガー。

以前は、モスバーガー(←こっちは店名)のモスバーガー(←こっちは商品名)は食べられなかった私である。生の状態では一口たりとも食べられなかった大嫌いなトマトが、しかも分厚いやつが挟まっていたからだ。モスバーガーは、トマトさえ多用してなきゃもっと好きなんだけどなぁ、と思っていた学生時代の私であった。

今や、トマトはもはや苦手な食べ物ではない。トマトの青臭さよりも甘さや酸味の美味しさがわかるようになってきたので、ハンバーガーに挟まるトマトも大歓迎だ。あれほど嫌いだった分厚いトマトが、今は「なんて贅沢な」と思えるようになった。好き嫌いが減ることは、食生活をより楽しくしてくれる。
そーゆー次第で、本日は分厚いトマトが挟まるフレッシュバーガーを注文。サラダとドリンクつきのセットにして、ついでにスープとポテトも頼んだ。家族全員で注文した合計が2100円。ファーストフードで支払う金額という感じではない。トレイ2つにたっぷりの食物が乗せられてテーブルにやって来、皆で各自バーガーやポテトに囓りつく。

たっぷりのレタスにトマトが挟まるハンバーガー、シャキシャキしていて何とも旨い。胡椒が周囲にまぶされたスモークチキンのスライスが乗るサラダと、具だくさんのミネストローネ。だんなは焼き肉ライスバーガーをこれまた旨そうに食べているのであった。うへへへへ。

551蓬莱の
 白湯ラーメン
麦茶

買い物から帰り数時間。巨大な段ボールが我が家に届いた。「551蓬莱」の文字も鮮やかな、大阪からのクール宅急便だ。中からは豚まんや焼売、ラーメンやマンゴープリンがこれでもかこれでもかと出てきた。
「いやぁ、職場の人と共同購入したんだよね。」
って、だんな。それが何故全部我が家に届くのだ。
「だって、職場にこの段ボールが届いたらちょっと恥ずかしいでしょー?」
って、君、それを明日職場に持っていくの?そう、持っていくの。がんばれよー。

我が家の取り分は豚まんと焼売、ラーメンにマンゴープリン。2種類あるラーメンのうち、早速「白湯ラーメン」なる豚骨ラーメンを食すことにする。うっかり具を準備し忘れたのでチャーシューも紅生姜も万能葱もなし。スモークチキンが冷蔵庫から発掘されたので、これを裂いて添えることにした。あとはすり胡麻をたっぷりかける。

縮れが少しだけある麺は、やたらとぶっとい。白濁したスープはほのかにケダモノ臭く、少しばかりの油も浮いていてちょっと良い感じだ。福岡で食べたあの本場のラーメンにはほど遠いけど、家で食べるにはかなりイケる方かもしれない。

そう、「行ったつもりで北海道〜北海道〜♪」なんてのは幻想だ。家で食べるラーメンは、やっぱり家で食べるラーメンでしかない(いや、そりゃインスタントラーメンより不味いラーメンを出す店も数多あるんだけど)。
あああ、本場の豚骨ラーメンをまた食べに行きたいぞぉ〜。

チーズハンバーグ ドミグラスソースかけ
ルッコラと生ハムのサラダ
焼きねぎのマリネ
豚肉と舞茸の味噌汁
御飯
モルツ、麦茶

安売り合い挽き肉を買ってきて、今日はハンバーグ。牛100%のハンバーグも美味しいけど、豚肉入りのも柔らかくふわんとしたものになるので悪くない。卵に塩胡椒、ブランデーとパン粉を入れて溶き混ぜて、そこへ肉を入れてひたすら手でこねこねし、炒めた玉葱を入れて更にこねこね。フライパンをカンカンに熱してこんがり焼いて、最後にとろけるチーズを乗せて溶かし、ドミグラスソースをかけて完成。豪華なハンバーグになった。

そして、ルッコラのサラダ。ほうれん草のように束にして売られていたルッコラを発見したので、わさわさと大きなそれを水にさらしてみた。赤パプリカと混ぜて、生ハム敷いた皿にうりゃ!と盛りつけ、パルミジャーノ・レッジャーノチーズを皮剥き器で薄くスライスしたやつを飾る。ドレッシングはバルサミコ酢とオリーブ油を混ぜただけのもの。
山のようにできたサラダをハンバーグの横にてんこもりにして、がつがつ食べる。肉料理食べるとき、生野菜をこれでもかと食べるのはとても気持ちが良い。

あとは、今日買ってきたばかりの泥付き葱で焼き葱のマリネ。ケンタロウ氏の本で見かけてからすっかり気に入ってしまった料理だ。
長ねぎをざくざく切って焼き網でこんがり焼いて、それを酢と醤油と砂糖のタレに粒胡椒と一緒に十数分漬けこむだけ。最後に粒々の赤や黒や茶色の胡椒と一緒に盛りつけると、妙に綺麗だし酒の肴になるのであった。洋風のおかずなのに、このつまみと味噌汁と御飯でもって一気にテーブル上は「ハンバーグセット」から「ハンバーグ定食」といった風情になってしまった。

どんなに美しいおかずを作っても、それが御飯と共にあるだけで食卓を「定食」にならしめてしまう味噌汁の威力や、おそるべし。味噌汁があるだけで、一気に家庭の食卓になっちゃうのよね。でも味噌汁って美味しいのよね。とほほほほ。