食欲魔人日記 10年1月 第3週
1月11日 月曜日
「龍天門」にて。とても素敵な前菜だったのでした。
豚味噌うどん
麦茶

昨夜は夜更かしして、「まぁ、10時頃まで寝られればいいや」と3時就寝。
で、「にゃー」というか細い声と共に
「かすみさんいた!戻ってきた!」
とだんながかすみさん抱えて起こしてくれたのが朝7時。あいやー、眠い……。
 
昨日の昼前、ベランダの窓あけて段ボール片づけていた(りゃんりゃんはベランダに出て私の足元でごろごろしていた←彼はベランダには出たがるけど外に出ようとはしない)ところ、このところ全然「外」に興味を示さなかったかすみさんがするするとベランダに出て、そのまま外に出ていってしまったのだった。油断していた私の不注意。
 
その後、家の周囲にちらちら戻ってくるものの「まだ外で遊ぶのよ〜♪」とばかり逃げてしまっていたのだけれど、朝だんなが様子を見にベランダに出たところ、プランターの土の上にちんまり丸まっていたそうだ。コンクリートの床は相当冷たかったらしい。
 
「お疲れのとこ悪いけど、洗わせてもらうわねー」
と、朝から「猫洗い」を敢行し、怪我もなくただひたすらに「腹減りました、寒かったです、眠いです」という風情のかすみさんと改めてご対面。良かった良かった……まぁ、かすみさんはもともと野良猫だったから、さほど心配もしていなかったのだけれども。
 
「眠い……眠いよ……」
と、猫洗いの後、再びベッドに行こうとしたものの、目がもう覚めてしまって眠るという感じではなくなってしまい、それでもボーッとしていたらだんながうどんの支度をしてくれた。先日の豚味噌鍋の残りスープで、味噌うどん。鍋には肉も白菜もまだ少々残っていたから、具沢山気味のうどんになった。
今日は格別に肌寒くて、温かいうどんが殊更に美味しい。
 
そして今日は月曜、野菜が届く日。
今日届いた「ベジタS」は
 三浦大根1/2本 ・ 里芋400g ・ ブロッコリー1株 ・ ニラ1束 ・ ルッコラ1把 ・ セロリ1株 ・ 長ねぎ250g ・ 温州みかん500g
という内容だった。
 
たいそう立派な株のセロリに、りゃんりゃんが興味津々。野菜庫に片づけている隙を狙って、セロリの葉っぱを囓って、葉の先に頭をすりすり。気付いた頃には「セロリ臭い猫」に進化していてちょっとびっくりした。

丸の内 丸ビル内「千疋屋」にて
 フルーツサンド(母と半分こ)
 紅玉リンゴのアップルパイ
 マンゴーアップルティー

「今度の連休、名古屋行こうと思うけどあんたたちも一緒に来るー?」と母からメールがあったのは1週間くらい前。お正月に旅行したばかりだし今回は止めておくわと伝えて、名古屋から帰ってきたタイミングで一緒に皆で御飯でも、ということになった。
 
ホテルのレストランが好きな母で、食事すると毎回「はぁ〜、このままこのホテルに泊まれたら最高だわね〜」と言っているので、では今回そんな感じにしましょうと「恵比寿のウェスティンホテルで御飯→そのまま母と私はお泊まり」という事に。あいにく明日は平日で息子もだんなも通勤通学が待っているので、だんなと息子は夕食後帰宅ということになった(留守番ごめん!)。
 
昼過ぎに東京着の新幹線に乗ったと連絡があったので、まずは私だけ家を出て母と東京駅で待ち合わせ。
「何かお昼食べた?」
「何も食べてないけど……夕飯の予約が早めだから、ここでたくさん食べると夕飯食べられなくなるよ?」
と、丸ビルぷらぷらして「千疋屋」でお茶をした。メニュー見ていたら「あら美味しそう」「こっちも美味しそう」とムラムラしてしまって、フルーツサンドを2人で半分こ、そして更にケーキセットも。ケーキセットのお茶だけ先に持ってきてもらってサンドイッチをつまみ、サンドイッチを平らげたところでケーキを持ってきてもらった。
 
フルーツサンドにはリンゴ、洋梨、メロン、苺、キウイなどなどが。ホイップクリームではなく、サワークリームをベースにしているようで、さほど多くないクリームはかなりさっぱり味。フルーツの甘味が引き立つ美味しいサンドイッチだった。フルーツサンド久しぶり。
 
温めて出してもらったアップルパイには、こちらはたっぷりホイップクリームが添えられていて、シナモン風味の甘いりんごとサクサクのパイを堪能しながら、お互いの近況を話したりしていた。
 
食後は丸ビル内の雑貨屋さんを眺めて新製品の文房具触ってみたり、「ホテルのお風呂でこの入浴剤使ってみよう!」と入浴剤買ってみたり。おもしろ半分に「あんかけ湯」なるものを買ってきてみたら、これが奥さん、大変な「あんかけ」っぷりで、夜にお風呂入って大笑い。トゥルントゥルンの、葛湯みたいなお湯になりました。

恵比寿 ウェスティンホテル東京内「龍天門」にて
 前菜盛り合わせ
 蟹肉入りコーンスープ
 広東白菜の蟹肉あんかけ
 車海老のフリッター 甘酢ソースと香り塩
 和牛肉と野菜の黒胡椒炒め
 五目チャーハン
 担々麺
 あんかけ固やきそば
 マンゴープリン×3
 ライチ乗せ杏仁豆腐
 中国風ミルフィーユ
 ビール(琥珀ヱビス)
 紹興酒
 中国茶
4人で、たーんと食べました……

「美味しい中華が食べたいね」ということになって、「だったら久しぶりの龍天門に行ってみる?」ということで、今回目指したのは恵比寿のウェスティンホテル東京
 
母は「えー、恵比寿?めんどくさくない?」と今ひとつ乗り気ではないみたいだったのだけれど、幸い今日までイルミネーションが楽しめるみたいだし、朝食のブッフェもこのホテルなら期待大だし、幸いエグゼクティブフロアのレイトチェックインの宿泊プラン(通常午後2時チェックインが、午後5時以降チェックインというプラン)がお手頃価格で出ていたということで、初めてのエグゼクティブフロア滞在。そんなところ泊まったことないから、
「えぐぜくてぃぶふろあ、なんだってよ?」
と、発音がどうにも平仮名調になってしまう。
 
部屋自体は特段に広いということもなかったけれど、
「本日、眺めの良い部屋が御用意できたので、こちらに」
と通されたところは、このプランでは泊まれないはずだったろう、東京タワー側の部屋。しかも客室の最上階(上にはレストランフロアがあるだけ)。荷物だけでも預かって欲しいと、午後4時過ぎにホテルに到着したのに、そのまま客室を案内してくれたのも嬉しかった。さすがえぐぜくてぃぶふろあ。
 
で、だんなと息子と合流して、ちょっと早めの夕御飯を龍天門で。
点心が美味しくて、で、担々麺も美味しくて、息子がまだ産まれてなかった頃にちょこちょこと来ていたお店だ。久しぶりにやってきてみると、なんでも昨年発行のミシュランで新しく星をもらったのだそう。
 
メニューが一新していて、魚介や肉に関しては、食材の名前だけ「帆立○円、和牛薄切り肉○円」といった風に掲載されていたことにびっくり。調理法については相談のうえ決めていく、とのことで、お店の方と相談しつつメニューを組み立てた。
 
前菜盛り合わせは、クラゲと才巻海老、チャーシュー、野菜の甘酢漬けや柑橘のゼリー寄せ(?)が乗るものに、リクエストして焼き鴨とサクサク皮の豚バラの焼いたのも添えてもらった。スープは息子のリクエストでコーンスープ。今日のおすすめ野菜の広東白菜は蟹肉のあんかけにしてもらって、車海老は軽い衣のフリッターに。「やっぱりお肉食べたい!」と母の希望もあった和牛肉は玉ねぎ、パプリカなどと共に黒胡椒炒め。
 
お店の内装などはそう変わっていないようだったけれど、料理の方は以前に輪をかけて洗練されたような風で、どれもしっかり期待通り、期待以上に美味しいものばかりだった。今日は成人式ということもあって振り袖姿のお客さんもみえていて、店内はとても華やかな印象。食事をすすめるうちに、ほぼ満席に近い盛況ぶりになっていた。
 
和牛も美味しかったけれど、広東白菜が濃厚な味で素晴らしかった。甘酢のソースと花椒風味の塩を添えた車海老も良かった。
 
で、そこからなぜかチャーハン(息子のリクエスト)、担々麺(私とだんなのリクエスト)、固焼きそば(母のリクエスト)と、炭水化物メニューが3つ連続。
固焼きそばはメニューにはなかったと思うのだけれど、焼きそば用の麺を揚げ、大ぶりの具がたっぷり入ったあんを作ってきてくれた。飾り切りをしたイカに海老に豚肉、青菜、椎茸などの醤油味のあんをかけた焼きそばも、その頃にはすっかりお腹一杯だったのに、ぺろりと食べられたのだから、相当美味しかったのだと思う。
 
デザートのマンゴプリンは金魚型。エバミルクが敷かれてライムが添えられたプリンは、果肉感たっぷりだったけれど、甘さがかなり控えめだった。ライムの酸味がかなり強いプリンは、果肉本来の甘さ以外の砂糖は加えていないようで、でも肝心の果実はあまり甘さのないものだったらしく、「……あれぇ?」という感じ。もうちょっと甘味がついていた方が好みだったなぁ……すごく濃厚で香りが良かっただけに、ほんのり残念。
 
食後はホテルを出てぷらぷらとガーデンプレイスのイルミネーションを見ながら散策し、イルミネーションが途切れたところでだんなと息子を見送った。
 
それから母と2人、「寒い寒い」とホテルに戻ってエグゼクティブフロアのラウンジで一休み。食後のコーヒーでもという気分だったのだけれど、
「カクテルタイムにいらっしゃいませんでしたよね?お好きなアルコールを1杯サービスさせていただきますが」
と係の方がおっしゃったものだから、思わずお酒を飲んでしまった。ついさっき中国茶をお代わりして飲んでしまっていたところだったのでお腹に溜まる量のものよりはショートカクテルが良いなと、メニューからマティーニを。
 
なんでも「イブニングカクテルサービス」が供される17:30から19:30の間にこのラウンジに訪れていれば、アルコール&ブッフェ形式の軽食が無料で楽しめたのだそうで。午後には「おやつ」のサービスもあるらしく、"えぐぜくてぃぶふろあ"を満喫し尽くしているとは言い難い私たちだったけれど、部屋に帰って見えた東京タワーが成人の日限定の綺麗なライトアップだったので御満悦。あんかけチックなトゥルントゥルンのお湯に浸かって更に御満悦。

1月12日 火曜日
「ココナッツと香菜」だなんて、なんて素敵な組み合わせ
恵比寿「ウェスティンホテル東京」にて朝食ブッフェ
 野菜サラダ
 ラタトゥイユ風温野菜、かぼちゃのマッシュ
 クリームソース和えマカロニ
 カリカリベーコン、キャベツとりんごとソーセージの煮物
 オムレツ(チーズ、マッシュルーム、玉ねぎ)
 パン(ポテトとチーズ、クリスピーワッフル、カスタード)
 コーンポタージュ
 フルーツとヨーグルト
 フレッシュみかんジュース、ストロベリーヨーグルトシェイク
 紅茶

ウェスティンホテルのウリの一つが「ヘブンリーベッド」というものらしい。素晴らしく寝心地が良いベッドなのだと聞いたことがあるけれど、私が前回ウェスティンホテルに泊まったのはもう10年近く前のこと。当時は、ごく普通に眠りやすいベッドだったものだから、それほどに寝心地は変わるものかしらと……と、今回お部屋のベッドに寝てみて、そりゃもうびっくりたまげた。
 
なんじゃこりゃ。
過剰にフヨフヨ沈み込まず、かといって「固い」と感じることもなく、実に実に良い感じ。横向きに寝ても上向いて寝ても、常に良い具合にベッドが体を支えてくれて、朝まですっかり熟睡してしまった。いいなぁ……こんなベッドを日常で使ってみたい。
 
それでも、いつも通り6時半には目が覚めて、しばらく部屋でのんびりしてから朝御飯。
エグゼクティブラウンジでも朝食は摂れるらしいけれど、品揃えは階下のレストランでいただくものの方が良いそうなので、「そりゃ、品揃えが良い方が良いわよね」と、1階の「ザ・テラス」まで降りていった。
 
幸せな朝御飯 20種類以上も、ずらりと並んだパンの数々、サラダ野菜とフルーツは若干少ない印象ではあったけれど、ワッフルにパンケーキにフレンチトースト。
 
目の前で焼いてくれるオムレツ(具の選択肢もたくさん!……納豆、なんていうのも)、和食コーナーでお菓子のように並べられた10種類以上の漬物類、ソーセージやベーコンの他に魚料理も数種類あって、温野菜メニューが豊富なのも良い感じ。
 
目の前で絞ってくれるフレッシュジュースはみかんとグレープフルーツだった。
 
パンとサラダもらってきて、ジュースも並べて(電動のスクイーザーでギャンギャン絞ってくれたみかんジュースはグラス1杯でみかん3個分)、あとは大皿にオムレツ焼いてもらって温野菜やベーコン、ソーセージなどを盛りつける。毎度のことながらあれもこれもと持ってきて、大変に迫力のある朝食風景が広がってしまった。
 
いつもいつも、リゾートホテルなどに泊まりにいくたびに、「ブッフェ式のレストランだけど朝食はフルーツとヨーグルトだけ」とか「トーストとコーヒーだけ」などという摂り方をする旅慣れた風の旅行客の姿を見ては「なんてストイックなのかしら、旅行先でも自分のスタイルを変えないのね」と尊敬してしまうのだけれど、私はいつもはしゃいでしまう。ホテルのブッフェ朝食が大好きなんですもの、あれこれ持ってきて思うさま食べるのが「私のスタイル」なんですもの。ジュース類、できることなら全種類飲みたいんですもの!(さすがに飲まない……てか、飲めない)
 
今日はまた、「ああ、ここのパン、全部食べたい」と頭を抱えるほどにデニッシュ類もテーブルロール系も充実していた。あまりブッフェ朝食では見かけない、ミニサイズのクリームパンまであったのが素晴らしかった(美味しかった〜)。外国からのお客さんも多くて、ミューズリーやオートミールなども充実していたのも面白い。ああ、やっぱりこのホテルの朝食は幸せだった……と、予定通りにしこたま食べてから部屋に戻って"天国ベッド"に倒れ伏していた。
 
チェックアウトは11時。ぎりぎりまで部屋に居て、最後にラウンジで無料ドリンクのエスプレッソを1杯飲んでからホテルを出た。大きな荷物は預かってもらって、あまり今日は天気も良くないし、えらく寒いしと恵比寿三越あたりを軽く散策。母は今日秋田に帰るそうで、お土産買わなきゃとデパ地下のお菓子屋さんを丹念に見てまわっていた。
 
お昼どうする?朝食重かったしねと母に聞いたところ、答える母が
「あそこ、行ってみない?」
と指差したのはホテルから目と鼻の先にある瀟洒な建物……お母様、あそこ、ジョエルロブションでしてよ……?(フレンチかい!)

恵比寿 「LA TABLE de Joel Robuchon」にて
 MENU DECOUVERTE \5,250
     人参のムース ブラッドオレンジのゼリーと
       スパイスの香りのクリーム
     鶏のコンソメ エピス風味 フレッシュの香草と共に
     活帆立貝のポワレ ココナッツとコリアンドルをソースに
       生姜のアクセントで
     仔羊のフィレ肉のロティ 長茄子のフォンダンと仔羊のプレゼの
       コンビネーション ソースチョリソー風味
     リンゴのタタン風ソルベにエピスの香りをつけた柿を添えて
     エスプレッソ
 グラス白ワイン
 グラス赤ワイン

母が来ると聞いてから「じゃあ、眺めが良くて、高級感あって、ちゃんと美味しいフランス料理のお店とか探しておかなきゃ……」と思っていて、ゆえにホテルの目の前だしとロブションも一応チェックを入れていた。1階にカジュアル価格な「LA TABLE〜」があるのを見て、値段とコースの内容を見て、「これならそんなに重くないかな」と思っていたけど……でも、あの朝食の後にここに来る決断が来るとは思わなかったわぁ。
 
LA TABLE de Joel Robuchon」、ランチは一番軽いコースが2950円(アミューズ、前菜、メイン)、いただくとしたらこれかな、せいぜいデザートつけるくらいかなと思いながら最初にいただいた白ワイン舐め舐めメニューを見ていたところ、母曰く
「せっかくだから……こっちのコースにしない?牛食べたい」
と。
 
「MENU DECOUVERTE 」は5250円、アミューズと前菜が2品、メインとデザート、コーヒーという内容。確かに「牛」はこのコースにしか選択肢がなくて、しかも「トリュフの香り」ということでプラス1840円のメインディッシュになっている。……うん、確かに、こっちのコースの方が魅力的なのよねと、予約もなく、フラッと行っていきなりがっつりフレンチランチということになった。お酒もグラスワインを2杯ずつ飲んで、お会計は1人1万円。年明け初フレンチは、期せずしてロブション。
 
卓上に最初にやってきたのは、オブジェのようなスタイリッシュな黒角皿。バターの小皿とオリーブ油の小皿、胡麻をまぶした"薄焼き煎餅"様のおつまみが盛られていて、ほどなく「アミューズブーシュ」がやってきた。小さなグラスに人参のムース、その上にごく薄くブラッドオレンジのゼリー、そしてほんのりスパイスの香りが漂うクリーム。人参とオレンジの組み合わせは物珍しいものではないけれど、濃厚な人参のムースに少量のブラッドオレンジのゼリーの甘酸っぱさが良く似合っていた。全体を混ぜて食べると、これがまたうまー。
 
続く、しっかりめの味のコンソメは、鶏肉とトマト入り。表面はぶわっと緑色で、サラダ菜とセロリの葉を刻んだものが一面に浮いている。細く長く綺麗にカットされた野菜なんだけど……スプーンですくって食べるのが微妙に難しく、難易度の高いスープだった。コンソメがちゃんと美味しいというのは、幸せ。人によっては「しょっぱい」と言う人もいるかも、というくらいに濃いめの味ではあったけれど、私は好みな塩梅だった。
 
2皿目の前菜は「活帆立貝のポワレ」、母は帆立が今ひとつ好きではないということで、メニュー決めの時に相談して「的鯛のポワレ わさびの香りを付けたホウレン草のソテーをトマトのエッセンスで」というメインディッシュメニューを軽めの分量で前菜に組み込んでもらった。私には「これー!」という感じの、今日の一番好みの味きました!という料理だったこの前菜。何しろ、ソースが大好物のココナッツとコリアンドル(=香菜、コリアンダー、パクチー、シャンツァイ、シラントロ)の組み合わせ。
 
生姜の香りもガツンと効いていて、ゆえになんだか和風の味にも感じる面白い皿だった。上にバボーンと派手に乗っているのはそば粉のガレット。フォークでがしがし砕いて、帆立とソースと共に召し上がってください、だそうだ。砕いてソースを絡めたサクサクのガレットもまた良い感じ。ただ、わざわざソースをカプチーノ仕立てにアワアワにしなくても良かったんじゃないかなぁ……とも、思ったりして……。カプチーノ仕立て、かなりあちこちで見かけるから新鮮みが薄れて正直ちょっと飽きてきた……。
 
お肉の皿は、私も母もお肉が3枚、四角く綺麗に、それはそれは綺麗に盛られてきた。私が仔羊、母が和牛、どちらも「え、そんなにレアっぽくていいの?」というくらいのロゼ色。当然"血がしたたる"などということはなくて、絶妙な火入れを施されていた。羊でここまで柔らかにナイフが通るというのも新鮮で、ピュレ状にした茄子と羊のバラ肉の添え物も初体験の美味しさ。
 
「特撰和牛のロティ オニオンのタルト トリュフの香り」なる母の皿には、パイ生地と甘く炒めた玉ねぎ、その上に黒トリュフ!という素敵な添え物があって、
「でも私、トリュフの美味しさってさっぱりわからないのよー」
などと母がおぬかしあそばすので、羊に合わせて選んでもらった赤ワインをグラスでいただいていた私が「じゃあそれちょうだい」とトリュフをいただいていたりした。
 
テーブルは8割ほどが埋まっていて、今日はそこここで「ハッピーバースデー」の歌が流れてお祝いのキャンドルプレートが運ばれていく。誕生日祝いに使うお客さんが多いようで、
「あら……そういえば、私、今日誕生日なのよ」
と母。しまった、そういえば母の誕生日には毎年花を送っていたのに「今度の誕生日は旅行してるから送られても困るわ」と言われたっきり誕生日ごとまるっと忘れてた……!
 
「じゃあ"うちも誕生日でーす"って手、挙げようよ、歌うたってもらおうよ」
「歌だけは絶対にイヤ」
「……まぁ、お祝いのプレートも苺と飾りのチョコって感じだし、予約もしないで来ちゃったし、今更だよね……」
と、私たちはテーブルで小さく「おめでとー」と。
 
で、デザートも最後まで飽きさせない手のこんだものだった。
チョコレート味のムースやクッキーが入り、「アップルパイをソルベにしました」というような、シナモンの香り漂う濃厚に甘いリンゴのソルベと、ほんのりエスニックな香りを纏う、お菓子のような甘い柿。上にはクリーム(これまたほんのりスパイスの香り)と、小さなパイ。なんだかパフェのような豪華さを感じるデザートだった。お供にエスプレッソ。
 
全体的にスパイスやハーブがほどよく効いていて、でも嫌味にならない味付けと盛りつけで楽しい食事だった。ロブションて、もう少しクラシック寄りな料理を出すのかなというイメージがあったけれど、思っていた以上に前衛的で、でも"綺麗なだけ"というわけでもなくて、色々と刺激的だった。紫色を基調とした空間も美しかった。
 
今回は雪の季節でそう長く秋田の家を放置していられないということで、母は今日すぐ秋田に帰るそう。「あー、現実世界に戻ってきちゃったー」とばかりに山手線に揺られて、新橋駅で「じゃあねー」とお別れして帰ってきた。
母、なんと今年で70歳のはず。朝もオムレツからデニッシュからしっかり食べていたし(持ってきた皿数は私と同じだった)、ランチのフレンチも私と一緒にがっつり食べていた。
「もうねーブッフェとか行っても食べられないからつまらないしねー」
なんて言っていたけど、いや、充分だと思うよ……。

「KONNICHIWA Italian DELI」の
 ナポリタンスパゲティ
茹で野菜のサラダ
アイスティー

帰宅は4時過ぎ。うっかり恵比寿のiittalaで、origoのライトブルー(これ)が廃盤になるとかで安売りしていたものだからデザートボウルを家族分購入。一番有名な赤系のストライプも好きだし、他のカラーも全部好きだけど、我が家の食器に合わせるならブルーがいいなと思っていたのに、これが廃盤とはがっかり。ワンアイテムくらい買っておこうと買ってしまったは良いけど、寒いし荷物は重いしでヨレヨレになって帰宅することになった。地元で何か食材買って帰ろうと思っていたのに、寒くて雨でムリー……。
 
夕食は、習い事に行く息子にお金持たせて魚か肉か(野菜はたんまりあるから)買ってきてもらおうとしたのだけれど、だんなは激ジョブで遅い帰宅になるとのこと、明日のお弁当も要らないとのこと。それなら手抜きさせてもらっちゃうおうかなぁと、習い事後に電話をくれた息子に
「今日は母ちゃんと君の2人の夕御飯になったから、何か食べたいものでいいよ?何食べたい?」
と相談した。
 
「んー……パスタ、かなぁ?」
「じゃあさ、その駅ビルの中に生パスタとか売っているお店があるから覗いてみなよー」
好きそうなものあったら買ってきて、お母さんの料理もお任せするよ、と伝えたら、息子は自分用にドミグラスソースかけオムライスを、私にはナポリタンスパゲティを買ってきてくれた。
 
まだまだお腹が空きそうになかったので、ナポリタンは半分取り分けて冷蔵庫に入れ、それは明日の昼御飯にでもすることにして、こたつに入って夕御飯。
菜の花といんげん、ブロッコリーをさっと茹でてプチトマトと共に盛りつけ、オリーブ油と塩をかけただけの簡単サラダを用意して添えてみた。

1月13日 水曜日
里芋を手羽と煮ました。ちょっとピリ辛。
コーンパン
エピ
カフェオレ
苺 with 練乳

パンを温めて
「卵も焼こうかなー……いや、卵って気分じゃないのよね私……」
と、半分くらい寝ぼけながら朝食の準備。よく考えたら、自分の分だけ卵を焼くのを止めておいて、だんなと息子の分はちゃんと用意すれば良かった……と後になって気付いたのだけれど、朝起きた段階では「卵……うん、卵いらない、卵は抜き抜き……」と寝ぼけながらあれこれやっていたのだった。
 
卵不在の代わりにというわけではないけれど、苺と練乳を出してみる。
1月も半ばにさしかかるとどんどん安くなってくる苺。甘くて赤くて美味しくて幸せだなぁともぐもぐ食べたのだけれど、その私の食べるスピードよりも早く、息子がとんでもない勢いで苺に手を出している。ついこの間、「なんか、苺の味飽きてきた」とかなんとか息子は言っていた気がするけれど、全然好きだよね、その食べっぷり。
 
今日出したパン、コーンパンは恵比寿三越の「Johan」で買ってきたもの。エピはウェスティンホテルのペストリーショップで買ったもの。どちらもちゃんと美味しくて何よりだった。やっぱりコーンパンはJohanのが美味しいのよー。

牡蠣のジョン
里いもと鶏肉の煮込み
干し貝柱入りの野菜のスープ
羽釜御飯
麦茶

先日、美味しそうな里芋が届いたので美味しく食べたいなと調べてみつけたのが「里いもと鶏肉の煮込み」というレシピ。陳健一さんの中華料理のレシピで、味付けは中国醤油や砂糖、そしてたっぷりめの豆板醤。
 
さすがにそのままの分量で作ってしまっては息子はおろか私もちょっと食べられないことになってしまいそうなので(豆板醤を大さじ1入れろとあった……ムリムリ……)、豆板醤は隠し味程度の分量、小さじ1/3ほどにして、豆板醤控えめな分は醤油と砂糖で調整してみた。だから、本来のレシピの味とは激しく違う味なのだろうけれど、手羽の旨味が里芋に染みて、それはそれでなかなか美味しい煮物になった。最初に手羽に醤油をよーく揉み込んでおくのが、コツなのかもしれない。
 
醤油を揉み込んでおいた手羽を炒め、そこに皮を剥いて一口大に切った里芋も加え、薄切り生姜とぶつ切りにした葱、豆板醤を加えて全体を絡めるように炒めつける。中華スープを注いで一口大に切ったこんにゃくも加えたら、あとは塩胡椒、砂糖、紹興酒など加えながら蓋してごとごと煮込んでいく。水溶き片栗粉でとろみをつけたらできあがり。仕上げに刻み万能葱をぱらりと。
 
あとは、ニラを美味しく食べたいなと、たまたま魚屋で牡蠣を安売りしていたこともあって「牡蠣のジョン」を。
卵と水と薄力粉で衣を作ってニラに絡ませてフライパンにみっちり並べ、ニラを混ぜる前に半分除けておいた衣を牡蠣と絡ませてからニラの上に。胡麻油を絡めながらこんがりと焼いて、甘酢醤油にケチャップを少量混ぜたタレを添えて食べる。
 
なんとなく韓国料理なのか中国料理なのか判然としない献立になってしまったけれど、バランスは悪くなかった……と思いたい。葱もニラも使っていて、スープには刻んだ菜の花を入れたにも関わらず、なんとなく渋茶色の今日の夕御飯なのだった。里芋、昔はこの芋のどこの何が美味しいのかさっぱりわからなかったのだけれど、今は普通に美味しいなぁと思う。じゃがいもとは違う味の染み具合が愛おしい。

1月14日 木曜日
人参とセロリのきんぴらは、セロリの存在感がすごかったのでした
日向夏ゼリー

昨夜、夕飯作って食べ終える頃まではちょっと違和感を感じるくらいでさほどでもなかったのに、その後猛烈に喉が痛くなってきた。あれ、なんだかおかしい、激しくだるい……と、その日はそのままお風呂も止めておいて早めに就寝。が、残念ながら朝になってもまだまだ喉は痛かった。今朝は餅だ!と思っていたのに、餅はいかにも喉につらそう(こう……痛いところにネチモチくっついてきたらと思うと、その想像だけでイタイ)。
 
仕方ないので、だんなと息子に餅焼いて、私は買い置きの日向夏ゼリーを食べることにした。秋口の、「桃もそろそろ少なくなってきたし、でも好物の豊水幸水はまだ出てきてないし」という頃合いに、野菜の宅配と一緒に持ってきてもらったもの。賞味期限がけっこう長いものだったから、そのまま忘れて冷蔵庫の奥に突っ込んだままだったものだ。
 
大ぶりな果肉がごろごろと入る透明のゼリーは、思った以上に柔らかくてツルツルとした食感だったのが嬉しかった。ゼリーも甘いし果肉も甘いしで、期待以上にたいそう美味しくて幸せ。
 
喉が痛くて少々だるい以外は熱もなく咳もなく、だから寝てるという感じもなく、今日は一日真面目にお仕事。この体調じゃ外出しない方が良いし〜、とパソコンに向かっていたら、やけにはかどってしまった。

カプレーゼ風ルコラのサラダ
あん肝ポン酢
人参とセロリのきんぴら
ブリの照り焼き
干し貝柱入りの野菜のスープ
羽釜御飯
ビール(サッポロ黒ラベル)

そういえば、昨日はだんなの帰りが遅かったから出せなかった「あん肝」があって、これは食べてしまわないとなと、酒蒸しにしてみる。同時にブリも買ってきてあったので、
「あん肝大好きだし、ブリも好きだし、治れ治れ」
と念じていたら、夜には普通に食事ができるくらいには体調が良くなった。『驚異!あん肝で熱が治る!』とかいう本を出したいくらい(どんな本だ)の見事な復活っぷり。
 
ブリは普通に照り焼きに、蒸したあん肝も普通にポン酢添えで。月曜に届いた巨大なセロリを全然使えてなかったので、人参と一緒にきんぴらにしてみた。胡麻油で炒めて酒と醤油を絡めて、最後に七味唐辛子をふり混ぜる。ものすごく香りが強いセロリだわと思っていたけれど、人参4対セロリ1くらいのつもりで野菜を切ったきんぴらがすごい勢いでセロリ臭を放っていたのに笑ってしまった。セロリは……なんというか、"強い"お野菜だ。相変わらず凄まじい存在感(そこもまた好ましいのだけども)。
 
セロリと一緒に届いた、セロリに迫るほどの香りを持っていたルッコラは、トマトとモッツァレラチーズと共にカプレーゼ風で。4つ割りにしたフルーツトマトを塩、おろしにんにく、オリーブ油で和えておいて、ちぎったモッツァレラ、ちぎったルッコラを染み出たトマトの汁ごと和えたもの。外見は今ひとつだけれどこうして食べる「カプレーゼ」が最高で、自分の家で食べる時はたいていこうして食べている。

1月15日 金曜日
深夜に晩酌〜
コーンパン
オニオンロール
カフェオレ
日向夏ゼリー

今日は息子と2人の朝御飯(だんなは朝ジム)。
まだ人数分残っていたコーンパンと、同じ「Johan」のオニオンロールを温めての朝御飯で、お供にカフェオレと昨日の残りの日向夏ゼリー。
 
オニオンロールはデニッシュパン食パン風の生地で、チーズやハムも詰まっていたのでけっこう食べ応えがあったりした。Johanのパン、美味しくてすんごく好きなのだけれど、三越行かないと買えないのが、なんとも。そしてお値段も強気なのがまた、なんとも。

スティック野菜のサラダ
里いもと鶏肉の煮込み
牛玉丼
味噌汁(インスタント)
麦茶
 
「魚久」の粕漬け(銀だら、鮭)
ペッパー味牛たん
スモッち
苺味のチューハイ

今日は6時半過ぎまで仕事が終わらなくて、慌ただしく用意したごく簡単な夕御飯。買い置きの牛肉で手早く「牛玉丼」を作った。親子丼の鶏肉を牛肉に変えたもので、つまり「他人丼」?
 
先日の残りの手羽と里芋の煮物もあるし、あとは適当にセロリと人参刻んで添えて、味噌汁は「これでいいやー!」とばかりにインスタント。今日の夕飯はもうこんな感じで軽めでいいやと思っていたのだけれど、今日は何故か「二度目の夕飯」が待っていたのだった。
 
10時を過ぎて帰ってきただんなが「夕飯まだなんだよー!」と言いつつ手渡してきたのは、「Krispy Kreme Doughnuts」のダース箱と、「魚久」の魚の粕漬けお得袋×2。「これをさっそく焼くといい」と粕漬けを渡されたので、じゃあ私も少しお相伴しましょと銀だらと鮭の粕漬けを焼いて、一緒にもぐもぐ。だんなのおかず用にと出したスモーク卵や牛タンを私も横からもぐもぐ食べてチューハイなぞ飲んでいた夜11時。
 
今日の夕方「あーもー、どっか飲みに行きたーい!」と思っていたのが、なんとなく居酒屋のノリが楽しめて幸せだったという。魚久の粕漬けはほんとに美味しい。

1月16日 土曜日
「おいしいものが食べたい」ということでこうなりました
「Krispy Kreme Doughnuts」の
 オリジナルグレーズド2個
カフェオレ

今日の朝御飯は、久しぶりにだんなが買ってきてくれた"KKD"のドーナツ。
 
朝ジムに行ったタイミングでお店の前を通るとこれまでも「並んでいても10人くらい」という行列の短さだったそうだけれど、昨日久しぶりに通りかかったら全くもってお客はいなかったのだそう。大行列作って大騒ぎしていたブームもそろそろ終わったのかなと半ば寂しく思いつつ、でも並ばないで買えるのは歓迎だわとも思いつつ、ありがたーくいただいた。適度に繁盛してくれないと日本から撤退しちゃいそうで心配な反面、毎回何十分も並んでまでは買いたくないのよねという複雑な心境。
 
今日は少々控えめ気味に、息子が4個、だんなが3個、私が2個食べて残りが3個。美味しいけど甘いけど美味しいけど甘いけど美味しい、という感じのこのオリジナルグレーズド、3個目にはなかなか手が出せなかったりして、「私、自分がずっと甘党だと思っていたけれど、案外そうじゃないのかもしれない……」と最近とみに思っている。いや、10年前だったら普通に5個くらい食べていた気もするのだけども(それが若さか……)。

「マクドナルド」にて
 テキサスバーガー
 フレンチフライ
 ジンジャーエール

「なんかね、美味しいものが食べたい……」
と、朝起きてから居間で悶えていた私。
 
「美味しいものってなんだろうねぇ……」
とだんなも隣で真剣に考えてくれて、
「天一」
「……違う」
「王将」
「……まだなんか違う」
「虎」
「それもなぁ……」
などという会話の後、
「あ!そうだ!"テキサスバーガー"!」
と、かなり良い提案が出てきた。
おお、それは確かに美味しいもの!気になってたもの!と、お買い物ついでに家を出て、目指すは近所のマクドナルド。
 
マクドナルドでは、ただいま「Big America」なる特別メニューを展開中。数週間毎に、テキサスバーガー、ニューヨークバーガー、カリフォルニアバーガー、ハワイアンバーガーと、各地をイメージした4種類ハンバーガーを次々販売していくとのことで、一番気になっていたのが「テキサスバーガー」。
 
「スパイシーなバーベキューソースとピリッとした粒マスタードレリッシュの2種類のソースで、ジューシーでボリュームたっぷりの1/4ポンドビーフパティ(通常のビーフパティの約2.5倍)を、豪快にお楽しみください。生地を一つ一つ丁寧に手で丸め、色よく焼き上げた特製3段バンズは、弾力のある食感が特徴。サクッと揚げたフライドオニオン、チーズ、旨みたっぷりのベーコンのアクセントがクセになりそうな一品です。」
……というものらしい。
 
フライドオニオンいい!ベーコンいい!バーベキューソースもいい!と、一度は食べなきゃなと楽しみにしていたのだった。ぶっちゃけ、私、けっこうマクドナルドの味が嫌いではないんです……モスバーガーの方が好きだから、ハンバーガー食べたくなるとモスバーガーに足を向けることが多いけれど、「マクドナルドは美味しくない」とは思っていない、という……。
 
パン、チーズ、肉、パン、ベーコン、フライドオニオン、パン、と、ドドドンとボリュームたっぷりの巨大めなハンバーガーは、でも相変わらずマクドナルドの味で、なんとなく安心してしまった。いかにもなバーベキューソースの味が期待通りで、これは期間中にもう一度くらいは食べておきたいかも。で、きっとニューヨークバーガーとかカリフォルニアバーガーとかも食べに行ってしまうのだ。もちろんハワイアンバーガーも。
 
マクドナルドで思い出すのが、アメリカの空港(アメリカ住まいを終えて帰国しようという時)でマクドナルドのハンバーガー買って搭乗口近くで食べていた時、何人もの人から「マクドナルドあるのか、どこにあった?」「マクドナルド、どこで買えるの?」と立て続けに尋ねられたこと。確か見えるところにはピザ屋とタコス屋もあって食べるもの自体には不自由しない状況だったのに、「どうせ食べるならマクドナルドがいいわ」とばかりに声がかかったのが大変に面白かった。アメリカ人、普通にマクドナルドが好きなんだなぁと思い知った一件。アメリカ滞在中もたまーに行って食べていたけど、常にそこそこ混雑していたし。

人参グラッセ、ブロッコリーのグラッセアンチョビ風味、クレソン
フォアグラ乗せオージービーフステーキ
クラムチャウダー
羽釜御飯
ビール(キリン復刻ラガー明治)

夕飯も美味しいものを食べましょうということで、先日ハイ食材店」の福袋で届いた「オーシャンビーフステーキレディサーロイン」を解凍してみた。で、どうせだったらと、手元にあったフォアグラの缶詰も開けてしまうことにする。
 
冷凍便で届いた肉セットだったので、ガキンガキンに凍った1枚ずつパックになったステーキ肉をどうしましょうということで、お店からのアドバイス通り氷水に漬けて解凍してみることにした。
 
手順は簡単、真空パック詰めになった肉を、氷(代用でたっぷりめの保冷剤を使用)水にどっぷりと漬けておくだけ。難しい理屈で言うとこんな感じだそうで、解凍時に流出する"ドリップ"を極力少なくするために、それが起こりやすい-2〜3℃の温度帯を速やかに通過するようにしましょうということなのだそう。
 
冷凍肉は、これまで毎回冷凍庫から冷蔵庫の氷温室に前日から移動させておくことが多かったのだけれど、今回これを試してみて思った以上に早く解凍できた(ものの1〜2時間で普通の冷蔵肉の状態になった)し、実際ドリップもほとんど出ていなかった。これからはこの方法を使うことにしよう。
 
で、オージービーフのステーキ肉はいつも通りバター醤油味で。缶詰のフォアグラは適当にスライスして両面焼きつけ、赤ワイン絡めてアルコール飛ばし、バルサミコ酢とはちみつで軽く調味した……つもりが、バルサミコが想定以上に多めに鍋に入ってしまって、ほんのり酸味が強い仕上がりに。
 
添え物の人参とブロッコリーは同鍋でグラッセにして、火が通ってから取り出したブロッコリーのみにアンチョビペーストを軽く絡めておいた。だんなのリクエストでクレソンも添えて、あとは自家製クラムチャウダー。かなり思い切った量のバターと小麦粉使ってルウを作り、それでとろみをつけてみたのに、お店で食べるものほどのしっかりしたとろみはついてくれずに、あっさりめの味のクラムチャウダーになった。玉ねぎ、セロリ、人参、キャベツが入った、野菜多めの具沢山風。
 
フォアグラは缶詰ゆえ、お店で食べるフレッシュな(かどうかは知らないけれど、少なくとも缶詰ではないだろうと思われる)フォアグラとは食感も柔らかめだしパテのような食感のようにも感じられた。それでも、厚切り、ばぼーん!としたサイズのこれを家で食べられるのはなんとも贅沢なこと。
 
息子も一緒になって「これがフォアグラかー」と呟きながら口にしていた。フォアグラよりも、むしろ「ステーキの焼き汁かけた御飯」の方を美味しそうに頬張っていたのは気のせいではないと思うけども。
 
そして今日の献立は、ドーナツ(しかもKKD)、ハンバーガー(しかもマクドナルド)、ステーキ(でもこれはオージービーフ)と、どんだけアメリカ人!?な内容だったことに後で気がついて笑ってしまった。それを最初に気付いて指摘しただんなが
「ああ、だったらマッケンチーズ作って添えたら完璧だった……」
と言っていたけど、そんなことしたらきっと明日は胸焼け確定コース。そうでなくても、えらい厚切りのフォアグラ2枚食べてしまってなんとなく胸焼けコース。

1月17日 日曜日
角煮大根ー♪
「POMPADOUR」の
 とろけるチーズパン
クラムチャウダー
カフェオレ
鴨梨

昨日、だんなと2人デパ地下を歩いていて、「さあ帰ろう」という頃に「そういえば明日の朝御飯……」と思い至った。餅はあるけど、パン食べるなら買って帰らなきゃと言っていたところで目に入ったのがパン屋さん「POMPADOUR」の店頭のポスター。シチューを包んだパンのように、中にとろっとろのチーズの入ったパンの紹介だったそのポスター、
「……あ、これ、美味しそう……」
「1人1個買って帰る?」
と、それを買ってきてみたのだった。その名も「とろけるチーズパン」。
 
これが、期待以上にしっかりとした「とろける」っぷりで、5分ほどオーブンで温めたパンは、見事に中がトロットロだった。パンからチーズが染み出てくることもなく、パン生地のサクサクカリカリとした食感もかなり良い感じ。これはすごいねチーズたっぷりだねと濃厚なパンを囓りつつ、昨夜の残りのクラムチャウダーも平らげた。
 
食後はちょっと変わった「鴨梨」という大きな梨を。
だんなが職場の友人からお裾分けしてもらったものだそう。
 
外見は洋梨のような感じで、皮はベージュと黄緑色の間のような色合い。そして洋梨よりも2まわりくらいは大きく、ずっしりと重い。で、素晴らしく良い香り。梨の香りではあるのだけれど、和梨とも洋梨とも違う独特の香気で、不思議な梨ねと添えられたリーフレットを見たら、「鴨梨」と紹介文がついていた。
 
説明はこちらのサイトに詳しいけれど、「鴨梨」と書いて「ヤーリー」と読み、中国原産とのこと。岡山の雄神地区が日本唯一の産地なのだそうだ。
 
香りは良い反面、甘さはそれほど強いものではない梨だそうで、味の方は「うっすら甘く、ほんのり酸っぱくジューシー」という感じ。味自体は和梨洋梨と比べて格段に美味しい!……という方向のものではなかったけれど、でもこの香りは本当に素晴らしいものだった。ビニール袋に入れてスーハーし続けたいような類の、なんともいえない甘い香りは、癖になりそう。希少な梨、もうちょっとスーハーしてから剥くべきだったかも……(冷蔵庫に入れて、ことあるごとにスーハーしていたわけですが……)。

ざるそば
天ぷら(さつまいも)
麦茶

なんだか久しぶりに何の予定もないこの週末。今日は一日家に籠もって、のんびりゲームしたり、だんなは角煮の仕込みをしてくれたり。
 
お昼御飯は、
「ちょっくら宅急便お店に出してくるねー」
とふらりと出かけていっただんなが天ぷらを1人1個買ってきてくれて、家に常備してある蕎麦をささっと茹でて「天せいろ」。私の分の天ぷらはさつまいもだった。さつまいもラブ!大歓迎。
 
美味しい蕎麦(いつもこの名代手折りそばを使ってるです)を啜っているというのに、昼食の話題はなぜか「我が家で一番カツ丼を好きなのは誰か」というもの。
 
なぜか皆してムキになって、
「僕が一番だよ!カツ丼買うために、僕は新宿に買いに行ってもいいくらい!」
「いやいや私だね、目の前にクリスピークリームドーナツとカツ丼が並んでいたら、ほぼ100%カツ丼に手を出すもん、君たちはそうじゃないでしょ?」
「いやいや、俺はカツ丼食べるためならカツを揚げる労力も厭わないよ」
 
とぎゃあぎゃあ騒ぎつつ、
「そば湯飲む?」
「うん、飲む飲む。ありがと」
なんてやりとりも挟みつつ、もぐもぐツルツル。
 
別に誰が"ナンバーワンカツ丼ラバー"であっても問題ないはずなのに、「いやいや我こそが我が家で最もカツ丼を好きな人間!」と躍起になるのは何故なんだろう。「我が家で最もクリスピークリームが嫌いな人間」(文字通り"嫌い"なのではなく、好きの度合いが他の人と比べると負けている、という意味で……)の地位は甘んじて受けるから、カツ丼への愛はちょっと譲れないところなのだ。

チーズとリッツ
玉こんにゃく
「魚久」のいかゲソ炙り
だんな特製角煮大根 ほうれん草添え
ニラ入かき玉汁
羽釜御飯
ビール(よなよな・インドの青鬼)
日本酒(醸し人九平次 rue Gauche 純米吟醸)

昨日の午前中に「美味しいもの食べたい」と悶えていた時に、だんなが
「角煮を煮ましょう。美味しい豚肉買ってきて、角煮にしましょう」
と提案したのだった。そういえば三浦大根届いてるよ?と言ったら「では角煮大根にしましょう」と。で、昨日千葉くんだりまで出かけて、デパート内のちょっと良いめの肉屋さんで黒豚のバラ肉買って帰ってきたのだった。
 
昨日から仕込みはじめて、角煮大根はだんなが美味しく仕込んでくれた。下茹でして一口大に切ったバラ肉の表面をしっかりめに焼き付けてから煮込むので、外見は少々黒々としているけれど、でも中はホロリトロリと非常に良い感じ。さすが黒豚、脂の部分もくどくなく、肉の部分の味もとても濃厚な美味しい肉だった。それほど、一日中煮込んでいたというほどに火を入れていたわけではないようだったけれど、大根もよく煮えて「鍋底大根」の風格。あらやだ美味しそう……と、今日の夕飯は日本酒を出すことにして、それに合わせて粕漬けのいかゲソを炙ってみたり、山形で買ってきた玉こんにゃく(既に煮てあるもので、袋から出して温めるだけのもの)を出してみたり。
 
最初にちらっと、だんなと半分こして飲んだビールはよなよなの「インドの青鬼」で、続く日本酒は「醸し人九平次」。透明感のあるサラリとした日本酒で、粕漬けとか角煮とかではなくてもうちょっと繊細な和食(お刺身とか鶏肉とかにむしろ似合いそうな)に合わせるべきかもしれないお酒だったけども、昨年末に東京駅のグランスタで買ったまま冷蔵庫に入れっぱなしになっていたのでこれを機にと封を切った。
 
ワインのような、紫色の斬新なラベルのついたこの九平次は、酒好きの「左党」をもじって「rue(=〜通り) Gauche(=左)」と名付けたものなのだとか。若干アルコール度数も低めらしく、ゆえにクイクイ飲めてしまった。明日は月曜ということで、瓶を空にはせずに途中で止めておいたけれど、とっくに半分以上は無くなってしまった気がする。
 
「おおお、今日の夕飯美味しい、美味しいよ。切望していた"美味しいもの"だよ」
と、すっかり良い気分で、来週一週間もこれでがんばれそう。良い夜でした。