食欲魔人日記 09年04月 第2週
4月6日 月曜日
満開の桜の下で
ざるうどん
麦茶

土曜日、新橋駅で「今移動したら早すぎるよねー」と数十分の暇を持てあまして駅前をうろうろ。新橋だったらこれでしょう!と「せとうち旬彩館」に寄ってきた。香川と愛媛のアンテナショップで、さぬきうどんの生麺だとか、他ではなかなか入手できない調味料だとかが揃っている。

「朝御飯にうどんはどうだろう」
「いいねぇ」
と、やはりこれでしょと他の品も選びつつ、「はりやのざるうどん」を買ってきた。お店で食べるには遠く及ばないにしても、常温で120日保存できる手軽さを考えると、充分満足できる美味しいうどんだと思う。添付の濃縮つゆは40mlの水で薄めて、「ぶっかけ」ではなく「ざる」でいただく形。

月曜の朝はざるうどん!ということで、昨日買い物に出かけただんなが気を利かせて揚げ玉まで買ってきてくれた。万能葱刻んで麺を茹で、すごく久しぶりな「朝うどん」。このところずっとパン続きだったのでとても新鮮だった。シコシコキュッキュとした冷たい麺が心地よい。

「えー……朝にうどんは、要らないわよー……」
という、もしかして前世はフランス人あたりだったのでは?という風な我が母は、今朝も変わらずトーストで。うどんの朝御飯も美味しいんだよ。ずるずる。

そして今日からだんなは再びお弁当持参。
甚だしく手抜きではあったけれど、がんばって作りました。

千葉公園でデパ地下弁当
 「美濃吉」の三段折花かすみ・肉じゃがと揚げ豆腐
 「CHEZ KEN」のビーフシチュー弁当・キッシュ
 西山酒造場微発泡シリーズ「ゆず」
など

今日から息子は登校開始。始業式だけだろうから早々に帰宅するだろうと思いきや、帰宅したのは12時過ぎ。山のような新しい教科書を抱えて帰ってきた。

このあたりの桜は、この週末に見事に満開になった模様。金土と連日出かけてちょっと疲れたこともあって日曜は家でのんびりしていたから、お花見に出るなら今日か明日かといったところ。今週も後半になれば息子の給食も始まるし、桜も散ってしまうだろう。

「ちょっと慌ただしいけど、千葉のデパ地下でお弁当買って、千葉公園でお花見するのはどう?行きは面倒だからタクシー使って、帰りは歩けそうだったらモノレールの駅まで歩くってことで」
と提案して、母と息子と3人で出かけてみることにした。折しも千葉そごうでは、お花見用の特別弁当を今日あたりまで販売中。

面白いことに、息子も花が好きらしい。「花より団子」な気も多分にあるのだろうけれど、「今年はお花見する?桜の下でお弁当食べる?」とか何度か言っていたから、「行く?」と誘ったらすぐに飛びついてきた。で、千葉そごうの下でお弁当と飲み物を購入。

事前にネットの告知などで当たりをつけていた「美濃吉」のお弁当「花かすみ」は、名前も素敵だし、値段も良いけど内容も豪華。これにしましょうと1つ買い、息子も同店の「肉じゃがと揚げ豆腐」なるおかずだけのセットのパックを「これがいい」と。息子には別の店でおにぎりも買ってやり、あと1つ、目先の違う洋風のお弁当も欲しくない?とフレンチレストラン「CHEZ KEN」(シェ・ケン)のお弁当も1つ買った。ハンバーグとか鶏肉のトマト煮だとか帆立のクリーム煮だとか、色々魅惑的なものもあったけれど、ビーフシチュー弁当で。母のリクエストでキッシュも1切れ。

最後にお酒売り場で西山酒造の微発泡酒の梅と柚子を買って、デパート裏手からタクシーに乗って、「千葉公園の、表側の門じゃなくて裏手の西門に向かってくださーい」と、お花見広場至近の門まで連れて行ってもらった。本当は千葉駅からも歩いて行ける公園だし、実際、幼稚園児だった息子の手をひいて2人でお花見しに行ったことがある。ボートに乗れる池があって、子供用の多少の遊具もあって、あとはプールがあったり野球場があったり。お花見広場は奥まったところにあるらしく、ここまで訪れたのは今日が初めてだ。

そう広くはなかったお花見広場。芝生のスペースは少なめで、あとは土が見えている状態ではあったけれど、でも折り重なるように見える桜は見事なまでに満開で風が吹くと花びらがひらひらと舞い、広場はどこもピンク色に染まっていた。そこここに、夕方からの宴会用だろう、ビニールシートで場所取りされたスペースがあったけれど、そこを除けても充分ゆとりがあるくらいの混雑具合。桜の木に囲まれた小さな草地にレジャーシートと持参の布(ビニールより暖かいし触感が良いのでこういう時には布持参……)を敷いてお弁当を広げた。

息子は
「お花見弁当といったら、やっぱり和食っぽいのが格好良いんだよ、そういうものなんだよ」
と言っていたのだけれど、キッシュとビーフシチューのパックを出したらそちらの方も気になって仕方がないらしい。僕の分の肉じゃが弁当食べてもいいよ、と言いつつ、シチューの添え物のポテトグラタンやキッシュに盛大に手を伸ばしていた。私と母は美濃吉の弁当とビーフシチューのとを半々につつくような感じで、息子の肉じゃがのじゃがいもあたりもしっかりいただきつつ。

しっかり仕事のしてある洋風弁当も良かったけれど、やっぱり目に美しいのは工夫が凝らされた和風のお弁当。
海老や錦糸卵、椎茸などが乗った筍ちらしに鰆の塩焼き、山菜の煮物、筍とがんもの含め煮、色鮮やかな菜の花などなど。甘い胡麻味の木の芽味噌を添えて食べる筍やきゃらぶきなど、どこを取っても春の味だった。先日、母が買ってきてくれた「なだ万」のお弁当も悪くなかったけれど、こちらは「なだ万」よりもしっかりめの、弁当に見合った味付けだった感じ。味付けがしっかりめだとお酒にも似合うもので、度数低めとはいえ、昼から良い気分で柚子味の発泡酒を飲んでしまった。

桜を見上げつつ、隣接する花壇で紺色の絨毯のようなムスカリの群生も堪能しつつ、帰りはのんびり歩いてモノレールの駅まで移動。モノレールだったらバリアフリーは万全だろうと思ったら、これが、公園内から駅地上入り口まで約2階分、駅地上入り口から改札まで約3階分、改札からホームまで約2階分、それが全部階段しかなく、エレベーターもエスカレーターも無し。問答無用でとんでもない量の階段を上らされることになり、私も母も疲れ果てた。ホームに上がってくる人全員がげんなりした顔をしていて、これはちょっとなんとかならんのかと……公園にはお年寄りもいっぱい来るわけだし……。

千葉そごう内 「Afternoon Tea」にて
 アフタヌーンティーセット
     苺とルバーブのショートケーキ
     苺ミルクケーキ
     バナナトフィーケーキ
     アイスティー

で、けっこうな距離歩いたし最後は拷問のような階段上りだったしで、「お茶しましょう、甘いもの食べましょう」と、千葉そごうまで戻ってきてAfternoon Teaでお茶をした。

調子に乗って私が頼んでしまったのは、「ハーフサイズのケーキが3種類食べられます」というセットメニュー。10種類ほどのケーキメニューから好みのものを選べて、私の選択は苺ミルク味のパウンドケーキと、クリームたっぷりのバナナケーキ、そして「季節のショートケーキ」の苺とルバーブのショートケーキ。

ショートケーキは、スポンジにほうれん草のパウダーが練り混まれているのだそうで、鮮やかな緑色をしたスポンジだった。赤い苺とルバーブのコンポートがサンドされて、クリスマスのような色合い。母もアップルパイを頼んだり、息子もチーズケーキを頼んだりで、総員「つっかれたー」という風情で甘いものを補給した。松葉杖は疲れるんです、とかなんとか言いながら私が一番糖分を補給しているのがなんとも。

でも、この半ば強硬なリハビリの甲斐あってか、数メートルなら松葉杖無しでもふらつかずに、左足を引きずることもなく歩けるようになった。そして何より、手すりさえあれば、階段をすたすた上れるようにもなった。もう、「右足を一段上に乗せます→左足を持ち上げ、右足の隣に添えます→右足を一段上に以下略」なんて一歩一歩まどろっこしい移動はしていられない。

生ハム乗せサラダ
レーズンパン・モンドール
イクラとマグロのミニミニ丼
ビール(プレミアムモルツ)

遅めに食べたたっぷりめなお弁当と、おやつ時を過ぎてからのケーキとお茶に、「夕御飯は軽めにしましょう」と。

昼過ぎにも歩いたはずの千葉そごうの地下にもう一度向かい、夕飯のおかず探しに散策していたら、特設ブースで売られていた美味しそうなイクラと目が合ってしまった。
「お味見!どうぞ!」
と差し出されたスプーンに息子が引き寄せられ、母も引き寄せられ、私も引き寄せられ、「……おいしーい」と。結局、ミニイクラ丼とかにする?と1包みいただいて、そのまま魚売り場も見に行ってマグロのサクも1つ買ってきた。

あとはありもので、玉ねぎどっさりのレタスのサラダに生ハム乗せたのと、チーズと薄切りレーズンパン、大人はお刺身としてマグロつつきつつ、最後に碗に数口分のミニミニイクラ丼。

今日は最高の桜を見られたけど、家にも最高の花が飾られている。
「お母さん、誕生日おめでとう〜」
と、今日の帰り道「ごめん、ちょっと僕一人でお買い物してくる!」と最寄り駅の改札まで戻ってきたところで別れた息子が、お花屋さんで切り花を買ってきて、プレゼントしてくれた。もう何ヶ月も前に「お母さん、お花大好きなんだー、お誕生日とかにお花貰えたりすると、すんごく嬉しいんだー」と話した事を覚えていてくれたらしい。私の好きな青色の花を探してくれたのだそうで、お花屋さんに「切り口をハンマーで叩いてから花瓶に入れるといい」などと教わってきたのだとか。

ふわふわとした毛の生えたような葉っぱに可憐な星形の青い花、つぼみはピンクとも紫ともつかない絶妙な色味で、余分な葉を落とすと白い樹液のようなものが出てくる……ということで、この花は「ブルースター」というものだったらしい。水揚げしにくい花で、だから活ける前にハンマーで茎の切り口を叩いて潰しておくと良いのだそうだ。

ブルースターだけで活けても充分綺麗だったけれど、ベランダのユキヤナギがちょうど咲いているところだったので、数本切ってきて一緒に活けた。同系色のわすれな草も咲いていたので、それも数本。

ちなみにだんなからは、「これ、ネタプレ〜」と、"思い通りに外出できないおゆきさんに"と、Wii版のピクミンをもらった。
母からは「これ、私とお揃い。たまたま私のとあんたのとサイズ揃ってたから〜」と、ユニクロUKのロングブラウス。
骨折だ何だでさんざんお世話になっているのに、ほんとすみません。ありがとうございます。

4月7日 火曜日
今日のお昼ごはん
「聘珍樓」の叉焼包
アイスプーアル茶

あれ朝かな?と目を覚ましたらまだ真っ暗で、でもだんなが家に帰ってきているような気配。もごもご動いていたら
「明日は7時半に起こしてねー」
とだんなから声をかけられ、
「……おっけー。……朝御飯、チャーシューまんでいいかなー?」
と答え、
「いいよー」
という返事を聞くか聞かないかのうちにまた熟睡。そのやりとりは深夜だと思っていたのだけれど、明け方の話だったらしい。朝になって起こしただんなは「帰宅が4時過ぎてたよー」と憔悴した顔だった。……おつかれさまです……。

朝御飯は、母が買ってきてくれていた「聘珍樓」の叉焼包。1パックの中に3個入っていたので、だんなと私と息子の3人で食べることにした。
「えー……朝から肉まんみたいなのは、ちょっとねぇ……」
という"前世はフランス人では疑惑"の母は、今日もパン朝食ということで。

だんなの眠い目をしゃっきりさせるには冷たい飲み物の方が良いかなとアイスプーアル茶を用意して、しっかり蒸してアツアツにした叉焼包をテーブルに。
私は肉まんよりもむしろ叉焼まんの方が好きなくらいなのだけれど、息子は「これも美味しいけど、普通の肉まんの方が好きかなぁ……?」という感想だったらしい。

甜麪醤の味がする甘じょっぱい肉がごろごろと入る叉焼包は生地の上部に十字に切り込みが入っていて、そのちょっと華やかな、生地が花のように割れている外見も好きなところ。桃まんが桃型をしているのが必然なように、叉焼包は生地のてっぺんが十字に切れているのがお約束なような感じで、あの形状を見るだけで条件反射の用に口の中にあの味が広がってきてしまう。

……中華街も行きたいなぁ……。

「Fortnum & Mason」のスコーン3種
クロテッドクリーム、杏ジャム、苺ジャム
フルーツいろいろ(苺・りんご・キウイ)
ミルクティー

週末に日本橋三越の「Fortnum & Mason」で買ってきたスコーンが3種類。他にオレンジピールとチョコレートのがあったけれど、それよりはと、スタンダードなタイプのプレーンとレーズンと紅茶の3種類を3個ずつ買ってきている。
早く食べないと風味が落ちてしまうことだしと、午前授業の息子が帰るのを待ってお昼に食べてしまうことにした。クロテッドクリームも昨日デパ地下で購入済。

お腹も空いたしこってりめの濃厚なミルクティーにしましょうと、ミルクパンで煮出し紅茶も用意して、ジャムは杏と苺。昼御飯にスコーンだけというのも何だわねと、母が苺とりんごとキウイのフルーツプレートも用意してくれた。おお、お店で食べるアフタヌーンティーセットのようだ。

ちょっと小さめサイズの上品なこの店のスコーンは、でも「オオカミの口」もちゃんと開いている「そうそう、これこれ、こうでなければ」という感じのもの。
小ぶりなものだから、母も息子も私も3種のスコーンをそれぞれ1個ずつ軽やかに平らげてしまった。紅茶味のレーズンにクロテッドクリームと杏ジャムをつけて食べるのがすごく好き。

ミックスサラダ
「CHEZ KEN」の鴨のオレンジ煮 温野菜添え
サーモンとイクラのスパゲティ
コーンスープ
ビール(プレミアムモルツ)

今日は一日私はお仕事。母は午後、「千葉にお買い物に行ってくるわ〜」と出かけていって、お総菜を買って帰ってきた。
夕御飯はパスタにしましょう、昨日のイクラも残ってるからスモークサーモン入れてクリームソースのパスタにでもする?と昼のうちに話していたこともあって、買ってきてくれたお総菜は洋風のもの。昨日のお弁当が美味しかったのか、再び千葉そごう地下の「CHEZ KEN」に寄ったらしく、今度は鴨肉のオレンジ煮を買ってきた。

買い物袋の中には1人分の鴨肉パックが2個入っていたので、その分パスタは軽めでいいなと3人分で200g弱ほどを茹でることに。にんにくは無しで、生クリーム1パックをテフロンフライパンに入れて半量ほどになるまで弱火で煮詰め、塩で調味。茹でたてのパスタを和えると同時にざく切りにしたスモークサーモンも一緒に加えて和え、皿に盛りつけたらてっぺんにイクラをトッピング。パスタが少なめだったのが良かったのか、生クリームの煮詰め加減が絶妙だったのか、今日のクリームソースパスタは素晴らしく美味しくできた。

「どう?こないだのコジマさんのより美味しい?ちょっと負けてる?」
と息子に聞けば、
「うん、ちょっと負けてる」
と。そりゃそうか、腕も食材も何もかも敵わないものねぇと苦笑いしたら
「負けてるけど、95%くらいまで来ている」
とフォローされてしまった。コジマさんとこの95%くらい分美味しいんだったら、もうそれで充分だわと満足な私……。

スパゲティは好物なのににんにくは苦手な母は、たとえば「カプリチョーザ」や「にんにくや五右衛門」あたりのにんにくがっつり系パスタ屋さんは、お店の入り口にすら近寄れないほど。なので、今日のにんにく抜きクリームソースパスタは案外良かったらしく、どうやって作るの?としきりに聞いてきた。見たまんまの材料以外は全く何も入っていない、本当に簡単なパスタなのです……。

ポテトのグラタンにブロッコリーの柔らか煮、人参のグラッセが添えられていた鴨肉のグリルは、いかにもフレンチな、さすがの味。細かく刻んだオレンジピールが入ったソースは鴨の焼き汁とオレンジの香りがしっかりと漂い、上には生のオレンジ果肉もトッピングされていた。せっかくの綺麗な料理、せめて綺麗めに盛りつけたいと大きなオーバル皿を出してきて3等分に鴨と野菜を取り分け、脇にパスタも盛ってワンプレートディッシュに。

4月8日 水曜日
デザートがずらりと〜♪
「Johan」のコーンパン1個
カフェオレ

「Johanでパン買うとしたら、何が美味しいの?」
と昨日母に聞かれて
「焼き上がる時間が決まってるけど、コーンパンかなぁ。チョコブレッドも名物だけど、私はコーンパンのが好きだなー」
と答えたら、そのコーンパンを大量に買ってきてくれた。店頭で焼き上がりの時間を確認して、それに合わせて再び赴き、買ってきてくれたのであるらしい。お母さま、どうもありがとう(こういう時だけ"お母さま"……)。

「こんなにフカフカのパンなのにいいの?食べ応えないでしょう?」
と、そもそも「コーン入りのパン」にはあまり興味がないらしい母は訝しげだったけれど、いやいやこのコーンパンが美味しいのです。よく似た品を駅前のパン屋さんで手軽に買うこともできるけれど、でもどちらが好みな味かと聞かれたらやっぱりJohan。私はコーンそのものも大好きだから、コーンパンはとりわけ好きな部類に入る。

2個食べちゃおうかなーと思いつつ、今日は午前中からお出かけの予定なのできっと昼は外食でそれなりの内容のものを食べることになるだろうなと1個にしておく。コーンと粉の甘い匂いが漂う軽い食感のパンは相変わらず美味。

六本木「グランドハイアット東京」内「THE FRENCH KITCHEN BRASSERIE & BAR」にて
 フレンチキッチンブッフェ \3700
 カクテル(さくら) \1000
 グラス白ワイン \1000

息子の学校は、今日が入学式。息子の学年は行事に参加する必要がないらしく、下校は8時半。登校して出欠取って帰るだけという日程だ。

「あと何日かでおばあちゃんも帰っちゃうし、明日から本格的に学校も始まるし、最後にどこか遊びに行く?」
と昨日のうちに相談して、どこに行こうかと考えていた私。都内県内の博物館美術館情報を確認して(このサイトが便利〜)、大人も子供も楽しめそうな、そして私の移動が苦にならなさそうなところはないかなと探してみた。

で、「これは楽しそう?」と思ったのが、六本木ヒルズの森美術館で開催中の「万華鏡の視覚」。
万華鏡の展覧会というわけではなく、現代美術の展覧会らしいけれど、作品紹介を見る限りでは綺麗なものが多そうだった。万華鏡を連想させる展示なのだったら美しくて楽しめるかなぁと、万華鏡好きな息子に教えてみたら「これ、行きたい!」と。ヒルズだったら車椅子レンタルもあるし、バリアフリーも完璧だろうし、高級ホテルもあるから母が好みそうなレストランにも困らなさそうだしと、向かってみたのだった。

下校する息子を待ち、それから出かけての到着はなんだかんだで11時になろうというところ。つらくなってから借りるのは大変だろうしと車椅子レンタルの手続きをしてから、混雑しないうちにランチに向かうことになった。
「やっぱりホテルのレストランじゃない?」
「ホテルかしらねぇ?」
とレストランガイドを眺めつつ、グランドハイアット東京の中華かステーキハウスかフレンチかと悩んで、フレンチの「THE FRENCH KITCHEN BRASSERIE & BAR」に。決め手は息子の「フランス料理がいい!」の一言だった。先日来、息子に変なスイッチが入っちゃってるらしい。「大人っぽくてカッコイイ!」スイッチとか、そんな感じのものじゃないかと思っている。

でも、好ましいことに、このレストランの「フレンチキッチンブッフェ」(平日のみ提供、3700円)は、オードブルとデザートがブッフェスタイル、メインディッシュは5種類から好みのものを選択というもの。パンと食後のコーヒー紅茶もついている。前菜とデザートが食べ放題、それは嬉しい!と、誰も反対するものはおらず、母も息子も私も3人でこれを注文することにした。同内容だけれど息子の年齢は子供料金(1850円)適用とのこと。ありがたい。

車椅子で乗り付けたのに、こんなにスタスタ歩いて本当にスミマセン、という風体で、もう松葉杖ついてブッフェ台を往復するのもめんどくさいわと、杖なしでブッフェ台をせっせと往復。メインディッシュがどの程度のボリュームかわからなかったので前菜は1回、デザートはしっかり2回いただいてしまった。給仕の方も「前菜はもう1皿お召し上がりになりますか?」と聞いてくれてからメインディッシュを用意してくれるので、うっかり前菜のおかわりしに行って帰ってきたらメインディッシュもやってきていてまぁ大変、という事にはならないようになっている。

メインディッシュ、私と息子は「肉だよね」「やっぱり牛だよね」と、「オーストラリア産牛フィレ肉のポワレ ソースポアヴルヴェール」で。母はこれまた肉で、「甲州ハーブ鶏腿肉のバニュルス煮込み」。他の選択肢はノルウェーサーモンのグリル、白身魚と帆立と海老の皿、「野菜のピラフとミートソース」というこれもこれでちょっと気になる皿、といった感じだった。

席に案内していただく時に、外に見えたテラス席が実に気持ち良さそうだったので、ブッフェ台には遠かったけれど息子のたっての希望でテラス席でいただいてきたランチ。テラスの下には「さくら坂」が広がっていて、レストランの敷地内の植え込みの向こうに散り際のピンクの花がちらちらと見えていた。良い陽気で風もあるけれど強すぎるということもなく、とても良い感じ。調子に乗って「さくら」というカクテルを食前酒に注文して、その後ステーキに合わせて赤ワインもグラスでもらってしまい、昼からすっかり良い気分になってしまった。

メインディッシュのボリュームは少々軽め(厚切りだけれど、肉は2切れ)。でも前菜もデザートも手抜きのないものばかりで、デザートコーナーの一角にチーズが揃っているのもすごく嬉しかった(だから赤ワインを貰ったというのもある……)。スープも1種類ながら、よく冷えたヴィシソワーズが用意されていたのもまた幸せ。それぞれ仕事のしてある野菜系の前菜が7種類ほど、肉や魚介の前菜が7種類ほどといった感じだった。

ローストチキン、ローストビーフ、ローストチキン、蛸のマリネに白身魚のパイ包み焼き。海老の冷製にはタルタルソースや各種ドレッシングが添えられるようになっていて、大ぶりなのに柔らかなアスパラのロースト、甘いトマトのサラダなどなど。で、前菜コーナーの中央には、大きな塊の生ハムごと飾られていた、手切りでサーヴされる生ハムも。その隣には熟れたメロンも並べられているという用意周到さで、たんまりと「生ハムメロン」を堪能してしまった。

「息子さん息子さん、生ハムはメロンと一緒に食べると"んま〜い"ですよ?」
「マジでか?やってみる!……んま〜い!なんじゃこりゃ!!」
「これ、"生ハムメロン"っつってね、ONE PIECEにも出てきた料理だよ。ほらアーロン戦の後、ココヤシ村の宴会でサンジが食べててルフィが"それ何だ!メロンの上にハム乗ってた!"とかなんとか言ってくるシーンがあってさー……結局ルフィは見つけられなくて食べられなかったんだけど」
そんなシーンを覚えている私もどうよと思いつつ、息子はすごく感激したらしい。生ハムメロン!最高だ!フランス料理最高だ!(いや、生ハムメロンはむしろイタリアンなんだけどね……)と、また変なスイッチが入ってしまった。メロンが見事に甘くてねー……それがまた良かったんだな。

黒レンズ豆を乗せたミニキッシュ、甘い玉ねぎや茎ブロッコリーなど、野菜がたっぷり添えられたメインディッシュも、見事なミディアムレアな焼き上がり。サシの少ない赤身のしっかり詰まった感じの、でも柔らかな肉はとても好みなものだった。

で、デザートは紅茶飲み飲み、まずは少量残しておいた赤ワイン傍らにロビオラ、カマンベール、コンテなどのチーズあれこれとハチミツ、薄切りレーズンパン、ドライマンゴーやレーズンなどのドライフルーツを。四角い形のケーキ類は、どれも2口くらいで食べきれるほどの小さめサイズで、苺のショートケーキ、バナナを挟んだモンブラン、レーズン入りのカラメルムースのケーキ、美しく積み上がっていたプロフィットロールなどをいただいた。小さなチョコファウンテンもあったので、おかわりで苺とバナナとミニマドレーヌのチョコがけと、バニラアイスクリームも。丸く小さなタルトもいくつかあって美味しそうだったし、お腹が限界で食べきれなかったケーキもまだまだたくさん。

美味しかった美味しかったまた来たい!と、今日は何のために六本木に来たのかちょっとわからなくなりながら、午後は予定通り森美術館を目指した。

モンドールとレーズンパン
れんこんチップ
水菜と大根、九条葱のサラダ
3種のソーセージ
マグロ・スモークサーモン・イクラ
いかなごのくぎ煮
羽釜御飯
ビール(プレミアムモルツ)

毛利庭園で散りぎわの桜を眺め、森美術館の展覧会を見(綺麗なものもあったけれど、7割くらいはよくわからない「うーん……」な感じのものだった……)、展望台と、これは私も息子も初体験の「スカイデッキ」も堪能してきた。なんでもオープンエアの展望施設としては日本一の高さの展望台なのだとか。地上238mということで、東京タワーを見下ろす高さではないはずだけれど、目線より下に東京タワーが見える風な眺めは新鮮だった。360度遮るものもない眺望というのも素晴らしい。

スカイデッキへの移動は30段ほどの階段を上らなければいけないということで車椅子は展望台フロアに預け、頑張って自分の足で上がってきた。安全上の理由から、デッキに持ち込めるのは携帯電話とカメラだけ、あとはビル内入り口のコイン返却式ロッカーに入れてから専用エレベーターに乗るというものものしさで、でも行った甲斐があったねー、と、私と息子は大はしゃぎ。展望台は好きな割に少しばかり高所恐怖症の気がある母は、「高いわー……壁も屋根もないわー……」と、ちょっと脅えてしまっていた。壁と屋根のある通常展望台フロアまで降りてきてようやく「あらー良い景色だわねー」と景色を堪能する余裕が出てきたりして。

残念ながら目当ての展覧会こそちょっとがっかりな感じだったけれど、お昼も皆楽しかったし今日は快晴、展望台もおおいに堪能できたしで、疲れてフラフラになりながらも笑顔で帰宅。車椅子に乗っていた私(自分でこげる自走式で大変に助かった)もすんごく疲れたのだから、母と息子の疲労も相当なものだっただろうなと思う。すっかり遊びほうけて夕方のラッシュ時とぶつかってしまったので、無理は止めましょうとグリーン車乗って帰ってきた。

夕飯はありもの中心、帰り際に買い足したサラダを添えて、適当に。
昼が重かったし疲れちゃったしで「御飯炊いたけど、でもそんなに要らな〜い」な気分だったのに、関西に住まう友人が送ってくれた"いかなごのくぎ煮"をちょびっと口にしたら、止まらないようになってしまった。これは御飯要るよ、たくさん要るよと、茶碗にしっかり御飯よそって「くぎ煮ライス」を堪能。
母が選んで買ってくれた、「R1/F」の鶏ささみ入りの水菜と大根のサラダがすごく美味しかった。白醤油のドレッシングがよく似合う和風の味で、九条葱が良いアクセント。

4月9日 木曜日
写真撮って気付いたけれど、揚げ物ばっかりだ……
「Johan」のコーンパン
ソーセージ入りオムレツ
苺・りんご
牛乳 with ミルメーク(ココア)

昨日も食べたコーンパン、残り4個。今朝はオムレツでも焼こうかなとフライパンを取り出して、
「今朝はオムレツとコーンパンにしようと思うけど、コーンパン何個食べられそう?」
と息子に声をかけた。

「オムレツ!」
「いや、オムレツは作るよ……コーンパンを何個食べるかって聞いてんの」
「パンは2個!」
「了解〜」

相変わらず人の話を聞いていない息子に脱力しつつ(せっかちなのか宇宙と交信しているのか、たとえば"AとBの間にあるCを持ってきてください"と指示すると迷いなくAとBを持ってきたりする……男の子はそういうもんだと半ば諦めている私……)、オムレツ必須、パンは2個、私のを入れて3個……と呟きつつオーブンにパンを放り込んだ。

寝不足続きのだんなはなるべく遅くまで寝かせてあげようということで、最近、
息子と私の朝食準備→息子送り出す→だんなの弁当準備→だんなの朝食準備→だんな起こす→だんな送り出す→母、自分で用意して朝御飯食べる
という感じになっている朝。今日みたいにオムレツ用意したりすると、弁当準備とかちあって台所はけっこうぐちゃぐちゃ。私と息子のオムレツはソーセージ入り、お弁当にソーセージを使ってしまったのでだんなのオムレツはチーズ入り。

ソーセージ入りのオムレツはそこそこうまいことできたのだけれど、チーズ入りの方はチーズが卵液から溢れる形になってしまって仕上がりはちょっと残念な状態に。本当に私はオムレツが苦手。
ホテルの朝食ブッフェにオムレツコーナーがあると毎回かぶりつきで見ているのに、あのような絶妙の固まり具合のふわりとした形状のオムレツはなかなかうまいこといかない。具が入ると更にダメな感じになっちゃうんだなぁ。

「坐・和民」にて
 有機野菜の照焼チキンシーザーサラダ \499
 チーズフライ \399
 鶏の唐揚 \499
 かにクリームコロッケをトマトソースで \399
 なすの浅漬 \299
 黄身とろ牛つくね \499
 ぷりぷり海老のフルーツマヨがけ \499
 お茶漬け(鮭) \399
 若ぶり巻にぎり \399
 ふわとろプリン \299
 ちょこっと苺と白玉ぜんざい \399
 ビールとかサワーとか焼酎とか
……えらいこと食べました……

私の骨折来、家の事をやってくれていた母。私のギプスも取れて1週間経ち、明日の検診を終えたところで秋田に帰ることになった。

「じゃあ、最後の夕御飯だねぇ……どっか食べに行く?」
「幕張とか?」
「なんでそう、母は幕張ばっかり……」

そういえば、普通の居酒屋っぽいところは行ってないんじゃなかった?などと話して、チェーン居酒屋和民系の「坐・和民」(我が家では通称"ざたみ")に行こうということになった。個室っぽく区切られた席が多く、テーブル間に取られた空間もたっぷりめで落ち着いて飲食できるのが嬉しいお店。いかにもな居酒屋メニューと豊富な飲み物、雑多な印象ではない店内の雰囲気は母もけっこう気に入っているらしい。

じゃあ夕飯はここで、ということになり、今日の昼間は、都内の美術館散策をしていた母。息子の給食も始まり、久しぶりに静かになった我が家で、私は心おきなく仕事をしていた。

夕方になって息子が下校し習い事に行き、母が帰り息子も帰り、一気に家の中がにぎやかになったところで夕飯にとお出かけ。テニス後でお疲れの息子がチーズフライや鶏の唐揚げを次々とリクエストし、サラダにコロッケ、茄子の浅漬け。あれも食べようこれも食べようと注文していたら、けっこう大変なことになった。揚げ物メニューが色々あって、揚げたてのが出てくるのが嬉しいよねなどと話していたところで、気付けばテーブルが揚げ物だらけ。チーズフライは息子がほとんど平らげてしまった。

御飯ものを食べるよりはおつまみを食べたいしと、終盤に「黄身とろ牛つくね」(牛つくねの照り焼きに生卵の黄身を絡めながら食べる)や「ぷりぷり海老のフルーツマヨがけ」(海老のグリルにフルーツ入りの甘いマヨネーズをかけて食べる、とびこのトッピングつき)なんてものを頼んでしまい、重いその内容にますます満腹に。つまみがあるならお酒もね、お酒があるならつまみもねと、相乗効果で私も母もけっこう飲んだ。私はビール飲んでサワー飲んで最後に調子に乗って焼酎ロックまで飲んでしまってすっかり良い気分。

「デザート頼みましょうよ。私、このぜんざいね。あんたどうするの?」
「ん〜……じゃあ何か食べようかなぁ」
「この"ふわとろプリン"にしなさい」
「ええ?指定なの?」

"どれ食べる?"って質問じゃないんだ、固定なんだ……と苦笑いしつつ、それでもいいかと、「ふわとろプリン」。柔らかめプリンの上にホイップクリーム、てっぺんに砂糖をふってそれをバーナーで焦がして……という感じのもので、見た目以上に甘かった。すごかった。

4月10日 金曜日
桜エビのピッツァ。そうか、そういう季節なんだ……
「聘珍樓」の肉包小
麦茶

昨日都内に出かけた母が、「あんたたち、これ美味しいって言ってたから〜」と、聘珍樓の饅頭類をまた買ってきてくれた。先日も食べた叉焼包と、あとは小さめサイズの肉まん「肉包小」。今日はその「肉包小」を蒸して食べることにした。

スタンダードな感じの、筍、玉ねぎ入りの肉まん。椎茸やくわいなども歯ごたえが感じる程度に混ぜ込まれていて、聘珍樓らしい高級感のある肉まんだった。
今日はやたらと暖かくなる1日なのだそうで、でもアイスプーアル茶を準備するのが間に合わず、お供は常に用意してある麦茶で。

今日は病院、母は荷造りなどがあるだろうしと、一人でバスに乗って行ってみることに。
松葉杖利用者にとってノンステップバスではないバスの乗り口降り口は恐怖の対象なのだけれど、もう階段は(階段じゃなくても)、松葉杖は片手にまとめて抱えて、両足で大地を踏みしめ進むべーし、という歩行が可能になってきているので全く問題もなく無事に病院に到着することができた。

お医者さんにも
「……もう松葉杖なしでも歩けるでしょ?歩けてますよね?じゃあどんどん杖無しで歩いちゃってください、次回はゴールデンウィーク前に」
と、数分の診断で「経過良好」のお墨付きをいただけた。でも、昨日スクワットしようとしたら右足と同じようには柔軟に動かない左足というのを改めて自覚したので、左足首のリハビリはリハビリでちゃんとやらなくちゃなと。とりあえず関節温めて風呂場で少しずつスクワットかなぁ……。

稲毛 「Trattoria Vino」にて
 パスタセット \1050
 パンナコッタ
 一口ビール
 グラス白ワイン

母が上京すると、必ず一度は食べに行くのが、地元駅前にある「Trattoria Vino」というイタリア料理屋さん。かなりまっとうな味のものを色々出してくれ、土地柄もあってか値段は手頃。鮮魚を使ったメニューも多いし「イベリコ豚のグリル」などもあるし、薄焼きのピッツァ類もとても好み。デザートに度々登場するパンナコッタも絶品だ。

でもこのお店、ビルの2階にあって移動手段は階段だけ。その階段も、「この町で一番怖い階段、それはここ」と言いたいほどに段の奥行きが狭くて急なもの。母が来てくれてからこっち、「いつかここで食べようね」と話していたけれど、私の足がこれではお店を目指すことが物理的に不可能なのだった。

「だってあの店の階段、手すりもないじゃん。それがまた怖くてさ」
と言っていたら、諦めきれない母が偵察に行ってきたらしく、
「手すりあったわよ。なんか綺麗になってたから、新しくつけたのかも」
と。手すりさえあれば、今の足なら上れそうだねと、病院帰りに母と駅前で待ち合わせてお店に行ってみたら、確かに手すりがついていた。階段まわりの壁紙などが新しくなっていたから、手すりも最近つけられたのだと思う。これなら大丈夫〜と、お店に入った。

日替わりの3種類のパスタから選べる「パスタセット」はサラダとパンと食後のドリンクつきで1050円。日替わりのピッツァとスープが組み合わされた「ピッツァランチセット」はサラダと食後のドリンク、ミニデザートもついて1680円。今日のピッツァは「桜エビと有機ネギのピッツァ」だそうで、これは美味しそうねと母がピッツァランチを、私は「モッツァレラチーズとバジリコのトマトソーススパゲッティ」でパスタセットを。

うっかり「一口ビール」をもらってしまい、それじゃ足りんとグラスワインまでいただいてしまいつつ、ピッツァもパスタも分け合いつついただいた。今日のスープはミネストローネ。タリアテッレが少量入ったミネストローネはトマトの量が軽めのあっさりしたもので、中にはキャベツがたっぷりだった。ミックスリーフのサラダにはパルミジャーノがかけられて甘いトマトが添えられている。

桜エビのピッツァは、綺麗なピンク色をしていてほんのりとガーリック風味。ふわふわとした白髪葱もたっぷり乗っていて、軽い食感の生地に似合った軽やかなピッツァだった。細かくちぎられたモッツァレラチーズがまんべんなくトマトソースと共に麺に絡んだパスタは、上に少量のバジルソース。

デザートは、ミニデザートのティラミスに加えて追加でもらったパンナコッタを共に母と半分こして、
「最後に食べられて良かったね」
「やっぱりこれ食べて帰らないとね」
と、満足な昼御飯。まだ電車に乗るには早い時間だしねと夕飯の食材の買い物を手伝ってもらって一度家に帰り、1時間ほど休んだところで母は元気に帰っていった。

「そうそうこれ貰っていかなきゃ。1つちょうだいね」
と最後にペニンシュラブティックの福袋に入っていた常温保存可能なマンゴープリンを1つ鞄に入れ、「また来るわね〜」と去っていった母。「病院食には耐えられない、退院したらあれもこれも食べたい」と騒いでいたけれど、もう何も食べられませんってくらいに御馳走責めな日々だった。食事の支度は私も少しはしたけれど、掃除洗濯猫トイレ、そのあたりは全て母におまかせの1ヶ月で大変に助かった。色々どうもありがとう。
……さ、それじゃあ今日の夕飯から粗食に戻すかな……。

茹でキャベツ
鰆の塩焼き
生桜エビの生姜醤油
いかなごのくぎ煮
豆腐と油揚げの味噌汁
羽釜御飯
麦茶

ものすごく久しぶりな、息子と2人の夕御飯。
ごくごく普通な感じの塩焼きの魚が食べたいなと、鰆を買ってきた。生食用の桜エビも売られていたので、昼にピッツァで食べたにも関わらずそれも1パック。鰆は魚焼きグリルで塩焼きに、桜エビはおろし生姜を添えて醤油かけるだけで。鰆の下には、茹でてごく軽く醤油をかけたキャベツを敷いた。炊きたて御飯と、だしをとって作った味噌汁、友人がくれた"いかなごのくぎ煮"。玉こんにゃくも用意しようかなと思ったけれど、ここまででけっこうなボリュームになったので止めておいた。

「あ、この魚好き〜♪」
と、くぎ煮を御飯にたっぷり乗せて食べ始めた息子は、でも小鉢に盛られた生桜エビには不審な顔。1匹つまんでしげしげと観察した後、
「目もある!足もある!手もついてる!」
うわーっと呟いて顔から遠ざけ「これはダメ、これはダメです、なんかダメです、ごめんなさい」と。くぎ煮も、普通のしらす干しなども全然大丈夫(むしろ好物)なのに、エビはなんかダメなのだそうだ。目が合っちゃう感じなのだそうだ。……まぁ、エビはちょっと、見た目怖いよね……。

久しぶりに塩と醤油と味噌の味の夕御飯。桜エビ、私は大変美味しくいただきました。

4月11日 土曜日
「お誕生日クーポン」を使いに
だんな特製オムレツ
バタートースト
カフェオレ

長かった感のある今週も、やっと土曜日に。
今日からは母もいないので、朝から洗濯機まわして花に水をやって、我が家のどこが怖いってベランダへの出入りの段差が怖いのよねーと思いながら屋内とベランダを数往復。だんなが起きるのを待って、少し遅めの朝御飯にした。

買い置きの食パンをバタートーストにして、だんながオムレツを作ってくれた。が、だんなには珍しくオムレツの返しを失敗してしまい、ちょっとばかりがっかりな外見のオムレツに。某ネガティブホロウをくらった某海賊団のように「ダメダメだ……いっそサバなどに踏まれたい」と落ち込んでいただんななのだった。何もサバに踏まれなくても……ちゃんと美味しかったし……。

じゃこ天いろいろ
うどん(ひやひや)
麦茶

特に予定のないこの週末。のんびりメールボックスの整理をしていたら、来週で期限の切れる「OUTBACK」のバースデイクーポンのお知らせを見つけた。誕生日の前後数週間が期限のこのクーポン、持参して2000円以上飲食すれば(つまり誕生日の自分の誰かを連れていって一緒に食事すれば)、誕生日の当人はステーキ1人前を無料でいただける。バースデイサービスのある飲食店は多々あれど、このお店のサービスはかなり太っ腹だ。

ちょうどがっつりステーキを食べたい気分でもあったので、
「これ……よくない?ステーキ良くない?」
と、皆に声をかけ、夕方早めの時間に出かけようということになった。ついでにカルフールでお買い物も。

そういうことで、お昼は軽めにしておこうと、2人分のうどんを3人で分けて食べることに。
先日「せとうち旬彩館」で買ってきたうどんから、今日は「松岡のさぬきうどん」を。薄い色の濃縮だしは良い感じにいりこ臭いもので、麺もシコシコキュッキュと良い感じ。

「"松岡"は宮武系だよね」
「そうだっけ?そっかー宮武かぁ」
なんて話しながらうどんを買ってきたのだけれど、そういえば2002年に香川までちゃんと食べに行っていた店だった。あのゲソ天乗せながら食べたいところだわと思いつつ、旬彩館で買ってきたじゃこ天も温めつつ、うどんには天かすも添えつつ。

「OUTBACK」にて
 オージーチーズフライ
 アウトバック・スペシャル 200g
     ハニーブレッド・シーザーサラダ
     ガーリックマッシュポテト・コールスローサラダ
     バースデイデザート(バニラアイスクリーム)
 生ビール(ハイネケン)
 フローズンカクテル(ストロベリーレモネード)

で、夕方になってから幕張にお出かけ。念のためにとまだ松葉杖持参だけれど、カルフール内のお買い物は松葉杖はカートに乗せてしまって、カートを押して歩いていた。カートがあれば買い物も問題なく、あとは自転車がこげれば日々のお買い物ももう不自由しないかも(でもその自転車が問題だ……)。

安売りしていた肉をいくつかと、明日の夕飯用にと鰹のたたき、野菜や調味料の類も買い込んで、それからレストランに移動した。

息子はハンバーガー、だんなはリブアイステーキ、私はバースデイ特典ステーキの「アウトバック・スペシャル」をそれぞれ注文。
「サラダはシーザーサラダ、ステーキに添えるのはマッシュポテトとコールスローで」
「かしこまりました。ステーキの焼き加減はいかがしましょう?」
「ミディアムレアで〜」
とつらつらと注文し、だんなもだんなで
「サラダのドレッシングはいかがしましょう?」
の問いに、何も見ずに
「ランチドレッシングで」
などと答えるものだから、テーブル担当のお兄ちゃんが
「ご注文、すごくスムーズにいきました」
早く終わってびっくりです、みたいな事を言っていた。

ステーキを頼むと問答無用でサラダかスープ、ステーキの添え物のサイドディッシュ2種類がついてくるから、それだけでけっこうなボリューム。それに加えて、来客全員に供されるハニーブレッドもあり、ほのかに甘いそのパンもとても好きな味(お代わり無料だけれど、他の料理でお腹いっぱいになってしまって毎回お代わりには至れない……)。久しぶりだしねとうっかり「オージーチーズフライ」まで頼んでしまって、小腹が空いていたところだから思いっきりビール飲み飲みポイズンきわまりないポテトにくらいついてしまった。

フライドポテトを深皿にこんもりと山にして、上からシュレッドチーズとベーコンを散らしてオーブンで焼き、チーズが溶けたところでテーブルにやってくる「オージーチーズフライ」は、最強(最恐、かも)の揚げ芋料理。ほんとにオージーがこんなの喜んで食べてるのかと思うのだけれど、危険なだけにたいそう美味しい。添えられてくるチーズソースをつけて食べるのがまた美味しい。このお店の前菜と言えば「ブルーミン・オニオン」の方が有名だったりして、そちらも無論美味しくて大好き。ええ、揚げ物はたいてい大好き……(ダメじゃん……)。が、最近はもっぱらオニオンではなくチーズフライばかりの我が家だ。

レギュラーサイズのビール飲み飲み、続いてフローズンカクテルのレモネード(ウォッカ入り)を飲み飲み、がっつりとした厚切りのステーキを堪能してきた。かつては「1ポンドのプライムリブ」などにもかぶりついていた私だけれど、この年になるともう無理、全然無理。300gどころか、今回の200gのステーキがちょうど良くて、おかげさまで最後まで美味しく、ポテトも添え物も平らげることができた。ふわふわとした食感のガーリック風味のマッシュポテトがこれまたうまー。セロリの香りのちょっと甘めなロールスローもまた、懐かしさを感じる味でうまー。

食後にもバースデイサービスのデザートがあるということで、長く細いキャンドルを立てた、ものすごい量のホイップクリームを乗せたバニラアイスがやってきた。歌も歌います、とのことだったけれど、「もういい年ですんでー」とそれは辞退。大きなアイスは家族3人でいただいて、お腹いっぱいで帰宅した。

4月12日 日曜日
角煮と鰹。
「marond」のカレーパン
カフェオレ

千葉界隈に多く展開しているパン屋さん「marond」。このところ、駅ビル内にある大手チェーンのパン屋さんばかり利用していたけれど、母が「ここの栗乗ってるデニッシュが大好きなのよー」と何度か寄っていたこともあって、昨日久しぶりにこのお店でカレーパンを買ってきてみた。正直言って、少々あか抜けない感じがあるものの、種類が多くて値段も手頃な菓子パンや総菜パンがたくさん売られているパン屋さん。菓子パンはしっかりと甘く、総菜パンは具沢山、密かにコロッケが美味しかったりする。

1人1個買ってきた大ぶりのカレーパンをオーブンでしっかり温めて、カフェオレ傍らに朝御飯にした。
昨日今日と「春らしい」を通り越した気温の高い週末で、
「そろそろアイスコーヒーの季節だねぇ……」
「冷蔵庫の場所作って、アイスプーアル茶とかも用意しなきゃねぇ……」
なんて話しながらアツアツサクサクのカレーパンにかぶりつく。ボリュームのあるカレーパンにしっかりした分量のカレーフィリング、辛さはマイルド、食べやすいカレーパンだった。

インスタントボンゴレスパゲッティ
アイスカフェオレ

テレビで野球観戦しつつ
 じゃがポックル
 チョコレート
 発泡酒(冷製SAPPORO)

牛乳や卵を買わなきゃということで、午前中はスーパーに。俺が一人で行ってくるよとだんなが言ってくれたのだけれど、そろそろ自転車にも乗ってみようということで、おっかなびっくり自転車にまたがってみた。乗り降りに少々ふらついてまだ少し怖いけれど痛くはない。これならなんとか平日は一人でも買い物にも行けそうで、息子も手伝ってくれるだろうし問題はなさそうだねと、週明けからの生活の見通しもついた。まだ走ることはできない(早足もちょっと無理)ものの、これで普通の生活は送れるようになったかなという感じ。

昼御飯は、買い置きのパスタソースで簡単に。
予約でいっぱいの店のボンゴレ」が見切り品で半額ほどになっていたのを数週間前に買ってきていたので、賞味期限が過ぎる前にと使ってしまうことにした。白ワインの香りが強く漂うアサリたっぷりのサラリとしたソースで、麺に絡めて和えた後に別添のドライパセリをかけるようになっている。適度な塩味もついて、「パスタに和えるだけ」で適度な味になるのはありがたかったけれど、味の方は、割と普通な感じ。

で、午後はテレビで野球観戦しつつ、発泡酒飲んだり北海道土産の「じゃがポックル」つまんだり。
とうとうはじまった野球のシーズン、今日はデイゲームの巨人vs阪神だ。

もうすぐ始まるよという時間なのに、
「うー、なんか、猛烈に美味しいものが食べたい、具体的には角煮とか食べたい、作りたい」
とうずうずし始めただんな、「ちょっと豚バラ買ってくる!」と一人買い物に出てしまい、帰宅するなり角煮の仕込みをし始めた。

3回表の阪神の攻撃あたりからは家中に肉が煮える良い匂いが漂い始め、試合の方は取ったり取られたりで非常にハラハラする展開に。最後は延長12回にまでもつれ込み、結局同点のまま試合は終わってしまった。

熱狂的な"虎"を夫に持つ我が身としては、「まためんどくさい季節が始まっちゃったわぁ……」と思うところだけれど、先日はその夫もいないのにうっかり関東開幕戦をテレビで流してしまい、そしてうっかり金本三打席連続ホームランなど見てしまい、
「ちょ、ま、きゃあ!」
と騒いだ挙げ句、だんなもいないのにその後試合終了まで一人テレビの前に座して「このーいーちだにかーけろー♪」と桧山の応援歌など歌って応援していた始末。端から見たら、私も普通に「熱心な阪神ファン」なのだろうなと、そろそろ自覚した方が良いのかもしれない。

茹でそら豆
冷や奴
だんな特製 豚肉の角煮
鰹のたたき
新玉ねぎのスライスとブロッコリースプラウト
いかなごのくぎ煮・海鮮キムチ・韓国海苔
羽釜御飯
ビール(ヱビス)

試合は負けたけれど、角煮は大変美味しく煮えた。夕飯は、昨日カルフールで買ってきた鰹のたたきと豚の角煮。

鰹のたたきは下に新玉ねぎの薄切りとブロッコリースプラウトを合わせたものを敷き、上には万能葱、小皿に別添でおろしにんにく。かけるのはここ定番の「旭ポンズ」。野球も始まったし気温も高いしと、なんとなく夏っぽく、冷や奴や空豆が食卓に並んだ。

厚切りにした、そろそろ季節到来の鰹も、こっくり強めの味に煮えた角煮も、どちらもビールに御飯によく似合う。
鰹がたくさんあるしなぁと御飯は控えめにしたのだけれど、御飯のおかずになるものもあれこれ出してしまったので、ついついたっぷり食べてしまった。