食欲魔人日記 04年04月 第2週
4月5日 月曜日
誕生日ディナーだけど、あんましいつもと変わらない
「長楽」のうどん 釜玉
麦茶

「なんか、釜玉が食べたい気分なんだよなぁ……だから明日の朝はちょっと早めに起きて……」
何時間も前から、いや、前日から"次の食事"に思いを馳せてしまうのが我が家の慣例ではあるけれど、だんなは昨日の夕飯直後あたりからそんな事を言っていた。有言実行とばかり、今朝はちゃっちゃと起き出して鍋に湯を沸かし始めた我が夫。
「……おはよー……」
数分遅れてやっと起きてきた私に、
「おゆきさんも、"大"でいいっ?」
とか言うのであった。朝から元気。私は今日も筋肉痛。……いや、小でいいです、小で……。

息子はまだ起きそうになかったのでだんなと2人でうどんを啜る。1玉ちょっと分の麺が入った私のどんぶりと、あからさまにその倍近くが入っているだんなのどんぶり。どちらにも生卵をちゃちゃっと溶いたものを鍋からあげたてのアツアツの麺と絡め、とろんふわんと火を通してある。上からチャチャチャッとだし醤油をかければ、"釜玉"のできあがり。

今回使った冷凍うどんは「長楽」というお店のもので、シャキッとした四角い断面が美しい、粉の味が強く感じらえる麺だった。限りなく生に近いけれど、ところどころに火が通った溶き卵が絡まるうどんは今日もしみじみ美味しかった。卵御飯も最高だけれど、卵うどんも最高。

卵とチーズのホットサンド
牛乳 with ミルメーク(苺味)

今週から週に一度のジム通いが決定した息子。申し込みを終えて気がつけば、先週に一度参加できたはずなのに見逃していたらしい。今週何度かあるプログラムに振り替え参加できるらしいので、今日早速行ってみることにした。しっかり食べてから運動しに行かなきゃね、と、結局朝食はバナナになってしまった息子との昼御飯はホットサンド。近所のスーパーにサンドイッチ用の食パンが置かれていなかったので6枚切りのを買ってきて、執念で12枚切り相当に厚みを半分にスライスしてみた。

「あのね、入れるやつはね、ぴよーんってのびるチーズがいいな」
というリクエストが入ったので、具はチーズ、そして卵。ゆで卵のマヨネーズ和えととろけるチーズというごくごく普通の組み合わせで、チーズ多めのホットサンドを作成した。ホットサンドメーカーがジクジク音を立てながら頑張ってくれている間に、苺味のミルメークをさらさらと牛乳に溶かす。

「学校給食で、瓶牛乳によく添えられていた」というミルメーク。子供の頃から噂には知っていたけれど、でも私の通っていた小学校でも中学校でもそれは一度も出てくることがなくて、気になって気になってしょうがなかった私(とだんな)は大人になってからついにメーカーに問い合わせて箱単位で買ってしまったことがある。その数年後にはスーパーで売られているのを発見して嬉しさやら「あの苦労はなんだったんだ……」という空しさやらでショックを受けたのだけれど、気がつくと100円ショップであたりまえに見かけるようになってしまった。我が家最寄りのダイソーではイチゴとコーヒーとチョコとメロンという4種類が数十袋入りで売られている。なんてお手軽なミルメーク環境になってしまったのかしら。

だもんで、私にとっては"幻の味"だったそれは、息子にとっては学校に通う前から当たり前のように存在するものになってしまい、籐製の小さな籠に入れてあるそれを、「今日はどの味にするー?」と選びながら時々飲んでいるのだった。でも飲み過ぎちゃうとよろしくないので1日1袋限定。

じゃがいもと豚肉のシャキシャキ炒め
茹で菜の花のトンナートソース
スナップえんどうの明太子あえ
ソーセージ
鶏と根菜のスープ
鶏肉の炊き込み御飯
ビール(モルツ)

「不二家」のバースデーケーキ
紅茶

今日は私の誕生日。でもお祝いディナーは夕べの巨大ステーキだったし、だんなも早く帰ってこられるものかどうか……と、普段とそれほど変わりのない夕食作り。
「でも私の誕生日だから、私が食べたいものを食べたいように作ってみよう」
と、ちまちまとした野菜料理を中心に何品か作ってみた。

どの料理も小皿に盛りつけるようなささやかな分量で作ったのだけれど、一応のメインディッシュはじゃがいもと豚肉の炒め。ほんの1分程度炒めるだけで火が通るくらいにじゃがいもを細く長く刻み、豚薄切り肉と共に生姜とにんにくで炒め合わせる。調味料は醤油と味醂と、酢が少々。黒胡麻と白胡麻を最後にぶわっとかけるこの料理は、ケンタロウさんのレシピだったと記憶している。

菜の花はサッと茹でてから、ツナとマヨネーズと、たっぷり刻んだケッパーを混ぜ合わせたソースをかける。スナップえんどうも茹ですぎない程度に茹でてから、こちらはバターと辛子明太子、ひとたらしの醤油で和えてみた。「ソーセージがね、食べたいなぁ……」と息子が夕方の買い物時に呟いていたので、茹でてから表面をこんがり焼きつけた黒豚ソーセージ。粒マスタードを皿の隅にコテッと添える。

で、スープと御飯は同じ材料を使ったひと続きの料理。鶏もも肉を生姜と共に茹で、大根やにんじんもそこに加える。茹で汁と、鶏肉の半量ほどを一口大に刻んだもので米を炊き、残ったスープはスープとしていただく。味つけは塩と胡椒くらいで、一応タイ料理の「カーオマンガイ」(鶏の炊き込み御飯)というものを模しているはずなんだけど、言わなきゃ絶対わからないような、ごく身近な味の料理だ。スープや御飯に香菜をこれでもかと添えたら、けっこうそれっぽくなるのかもしれない。

「こんだけ用意して、だんなが帰ってこなかったら悲劇かもー」
と心配するより早く、かつてなく早い時間帯に「今から帰るー」と連絡があった。
「何か買って帰るものはありますか?」
といういつもの問いに、
「トイレットペーパー!大ピンチです!」
答えたら、「せっかくの誕生日なのに……といれっとぺーぱー……」苦笑まじりに返された。誕生日だろうが何だろうが、トイレットペーパーがピンチだというのは何よりも重大な事だ。やはりラスト1個とかなる前に買い足しておかなければならない。

1時間後、めでたくトイレットペーパーと共に帰ってきただんなも一緒に夕御飯。誕生日なのでいつもより1缶多くビールを空けて、昨日のケーキの続きもいただいた。
「……やっぱりさ、不二家のショートケーキって、妙に美味しいよね」
「スポンジもクリームもさ、すっごく懐かしいというか安心しちゃう味なんだよね」
せっかく最寄り駅の駅ビルに昨年どっさりとケーキ屋さんがやってきたというのに、結局、なんだか不二家ばかりでお買い物している我が家だった。しかもこのたび「1000円買ったら300円割引きまーす」という使用期間が限定された割引券までもらっちゃって、もしかしたらまた数日後にロールケーキとか買っちゃうのかな、みたいな……。

4月6日 火曜日
モスバーガーの新商品。なんかすごいわ。
フルーツグラノーラ with 牛乳

息子の春休みも残すところあと2日。1日くらい科学技術館とか交通博物館とか、あるいは水族館あたりに連れていってあげたいなぁと思っていたのに、あっさりと数日後には進級式だ。
「だからさ、今日は晴れているみたいだし、電車に乗ってどこかに行ってみる?」
誘ってみると、ちょっと意外な言葉が返ってきた。
「あのね、ハトがたくさんきてた、プレイグラウンドに行きたいの」

多分、幼稚園に行く途中に通る公園の事を言っているんだなと思った。丸太を組んだ割と大きな遊具があって、一周400mくらいはありそうな草地もある。幼稚園にあがる前の子供たちとそのお母さんたちの社交場のようになっていて、場所も半端に遠かったのであまり行ったことはなかった。
「公園もいいけど……電車に乗っておでかけしてもいいんだよ?」
「いーのー!あの、ハトの公園に行くのー!」
子供の意見は尊重してやりましょう、と、その近所の公園に行くことにした。

ちゃちゃっと済ませた朝御飯はグルーツグラノーラをボウルにたっぷりめに入れて牛乳だばだばかけたもの。安売りしていたときに買ったカルビー社のフルーツグラノーラ大袋2つはまだまだ大量に残っていて、容器(袋から出し入れしにくいので、駄菓子を入れるような蓋つき容器を買ってきてスコップ突っ込みシリアル入れにしてある)を開けるたびに「ふっふっふ、まだまだあるわね」とニヤニヤしてしまう。

「モスバーガー」にて
 菜摘ロースカツ
 オニポテセット(オニオンリング&ポテト、山ぶどうスカッシュ)
 モスチキン
 玄米フレークシェイク(杏仁木いちご)
……を息子と半分こ

その公園には桜も何本か植わっていて、散りつつあったけれど青空の下とても美しかった。温かい晴れた日の午前中ということもあってか、公園内はなかなかの混雑。「遊んでおいでー」と息子を送り出してから、1本の桜の木の下にあったベンチで持ってきた文庫本をえんえんと読んでいた。気がつけば、すっかり昼時。

「どこかで何か買って帰る?それともどっかで食べて帰っちゃおうか。……カレーとか、ラーメンとか……モスバーガーとか」
「モス!モスで、ポテトと、やまぶどうのスカッシュ!」

場所指定どころか食べ物指定まで入ったので、モスバーガーに寄ることにした。私も実は行きたいと思っていたので異論があるはずもない。私の目当ては、つい何日か前に発売になった菜摘(なつみ)シリーズ。パンじゃなくてレタスでくるまれたハンバーガー(もはやそれはハンバーガーじゃないんだけれど)は既に「匠味」シリーズで出ていたけれど、それがロースカツバーガーやフィッシュバーガーにも進出したのだった。どんなもんなんだろう、と気になっていた私。そうそう、それに、スープ類が去った代わりに玄米フレークシェイクも発売になったのだ。これもまた、好きなんだなぁ。

で、ハンバーガーはいらないの、ポテトだけで良いの、という息子と一緒に、ポテトセットにした菜摘ロースカツと、フレークシェイク、ポテトが奪われるかわりにと注文したモスチキンという組み合わせ。テーブルにトレイを持ってきてくれたおねぇさんは、きっちりと息子の側にシェイクを、私の側に山ぶどうスカッシュを置いていった。ごめんねぇ、逆なんだわぁ〜、と、おねぇさんが去った後にトレイを180度くるりと回す。息子は長らくモスバーガーに来るとシェイクばかり飲んでいたのだけれど、私がいつも飲んでいた山ぶどうスカッシュがやけに気に入ってしまったようで、今は彼が注文するようになっていた。交換しようね、こっちのシェイクもあげるからさー、ということで、今日は私がシェイク。

菜摘ロースカツは、パンで挟まれていたものがそのまま大きなレタスの葉5〜6枚にくるまれた、という感じのものだった。レタスが新鮮でバリバリッとしているのが良い感じ。大きくひだのあるレタスを上から抑えるようにしてシャクシャクと食べた。サラダと揚げ物を一緒に食べているような、ちょっと不思議な感じ。やっぱりパンとか御飯の味がないと「食事した」という実感がいまいち沸かないもののようで、それを食べ終わった後も「……で、メインディッシュはまだかしら?」という口寂しい気持ちが残ってしまった。寂しいのでモスチキンとオニオンリングを息子と分けつつバリバリと。杏仁プリンがトッピングされているという玄米フレークシェイクは、いまいちその杏仁の味が感じられなかったけれど、あのフレークのパリパリや果物のソースの味なんかが懐かしく美味しいものだった。

茹で豆腐の肉あんかけ
茹で菜の花のトンナートソース(昨夜の残り)
辛子明太子
鶏と根菜のスープ(昨夜の残り)
卵御飯
麦茶

息子、午後は近所の友達と何時間も外で遊んでいたらしい。私は先週末に録画した衛星放送のPPV番組、アメリカンプロレスの大イベント(WrestleMania XX)をだらだらと眺めたりしていた。4時間半以上もある番組なので、見ても見てもマッチョなお兄さんたちが続々と登場し続けて終わる気配がない。

「最近ジョンシーナも格好良いわよね(テイカーさんはまだかしら)」
「ブッカーTとRVDの気が合ってるのか合ってないのかわからないタッグもいいわよね(テイカーさんはまだかしら)」
「あー、久しぶりに生ピープルズエルボだわ♪(テイカーさんはまだかしら)」
1つの対戦が終わるたびに、「で、私が一番見たいアンダーテイカーさんの復活バトルはまだかしら?」と思っていたのだけど、テイカーさんの復活画面に至らないまま息子が
「ああ!おなかすいちゃったー!」
と帰ってきた。

シリアルとポテトくらいしか食べていないまま遊び狂ってきたのだから、相当に空腹らしい。まだ6時過ぎだというのに、
「ごはん、ごはん、ごはんたべよう!……がまんできないから……バナナたべてもいーい?」
キャンディはどうかな?チョコはどうかな?と、家中ありったけの食べ物を持ってきそうな勢いだったので、急いで御飯の支度。だんなは今日、遅くなりそうだという話だった。

「えーと、冷凍御飯がいっぱいあるね。……チンして……親子丼とか?」
「たまごのごはんがいいと思いまーす!」
「あー、はいはい、卵の御飯ね」
悩んでいるとすかさずリクエストが飛んでくるので、何も考えずリクエストに応じてやる。生卵ぶっかけ御飯に、私は明太子も添えて。おかずは軽く茹でて温めた豆腐に、醤油と味醂で甘辛く煮て薄くとろみをつけた合いびき肉のあんと刻み葱を盛りつけたもの。昨夜のスープや茹で菜の花も余っていたので、十数分でひととおりの食べ物をテーブルに並べることができた。ちゃちゃっと準備したことを思えば上出来の内容だ。

「いーっぱい、たまごごはんを食べてもいーい?いーっぱいぱいぱい、食べてもいーい?」
卵御飯は、子供用のちっこい茶碗に作っても溶き卵が白身しか入っていかなかったり溢れそうになったりしてうまくいかないんである。だから最初から私も息子も小どんぶりを使って、通常の"大盛サイズ相当"の御飯を前にしていた。当然卵は1人1個。その、息子にしてみれば通常の2倍3倍くらい入ったどんぶり飯をかっくらいながら、そんなことを言う息子だった。

「……は?おかわり、するの?これと同じ量、また食べるの?……おかあさんの、分けてあげようか?」
「分けるのは、いいの。おかわりして、たまご、もう一つ食べるの」
「……スープも豆腐も菜の花も、ちゃんと食べられるね?」
「ん、がんばるー」

本当に息子は食べきった。多分1合近くはあったんじゃないだろうか。2個の生卵を使ったどんぶり飯を2杯平らげ、おかずもちゃんと平らげ、
「あ、"いとーけのしょくたく"がはじまっちゃうな」
とか言いながら居間に戻って御機嫌にテレビ見てたりするのだった。おかあさんはびっくりさ。伊東家の食卓を楽しみにしていたという事実にもちょっとびっくりさ。

4月7日 水曜日
薄切りラム肉をこってり味で
日清 具多 「七枚入叉焼麺」
麦茶

昨夜だんなが帰ってきたのは午前1時近く。日付が変わる頃に
「ぎりぎり終電に乗れた〜」
というメールがあり、夜更かししていた息子と共に
「……もう寝てよ。お父さん帰ってくるけど、あと1時間はかかるから。ね?」
「いやーだ。おとうさんに、おかえりなさいって言うのー」
などという会話の後、結局だんなの帰りを待っていたのだった。いや、息子はその十数分後に
「やっぱ……もう……だめだ……だめみたい……」
とか呟きながら布団に倒れ伏してしまったので、「おかえりなさい」を言えたのは私だけだったけれど。

一応、私の中の"理想の妻像"というものは、夫がどんなに遅く帰ってきても「おかえりなさい、おつかれさまー」と出迎え、しかる後に翌朝は夫より早く起きて完璧なる朝食を整えているというものだったりして。それが無理でも次善として、夫より早く寝てしまっている代わりに朝は完璧に朝食を……というのが私の頭にはある。そういう理想はあるのだけれど、
「おつかれー。おかえりー」
と夜更かししてだんなを出迎えた翌朝、誰よりも遅くまで寝ているというのが現実。

「うー……おはよ……な、なんか作る?」
「んーにゃ、いいのよ。寝てなさい」
「……いってらっしゃーい……」
意識朦朧のなかでだんなを見送り、その何時間か後に
「おかあさん?あさですよ?」
「うー……なに?あさ?おはよ……」
幼児に起こされている私。ええ、来週からはがんばります。誰よりも早起きします。明日から息子の幼稚園が始まるし、来週からはお弁当も始まるし。

私は学生の頃、周囲にいた「睡眠時間は1日4時間で全然平気な人々」を目の当たりにして「高校時代の今は無理でも、社会人になったらきっとそういう体になってるのよ」と思っていたのだけど、今でも全然無理だ。寝てていいよと言われたら9時間くらいは余裕で寝ていられる。1日の睡眠時間が6時間切ったら途端に夕方に猛烈に眠くなる。こんなに寝るのが大好きで、人生かなり損しているような気がしないでもない。でも、今日は寝るのよ。ぐー。

そういう母親の都合で朝食をすっとばされた息子は、健気に一人で昼食の算段をしていた。
「おなかすいたからー、カリカリじゃなくて……おかしもダメで……」
私が洗濯機を動かしたりしている間に、あれこれガサガサとやっていた。数分後には
「おかあさん!これをみつけました!」
手には「赤いきつね」。あー、見つけちゃったか、それを見つけちゃったか……と苦笑いして、湯を沸かしてやった。何をどうしたもんなのか、息子は「赤いきつね」が大好き。

さて、「赤いきつね」は1個しかないので、私は私の食べるものを探さなきゃいけない。カップラーメンを入れてある籠をがさがさと探り、あーこれはだんなが買ってきたのを私が食べちゃってまただんなが買ってきたやつだわ、これをまた食べちゃったら夫婦間に亀裂が入ってしまうかも、えーと、こっちも確かだんなが食べたくて買ってきたやつで……と色々考えつつ、結局手にしたのは日清「具多」の「七枚入叉焼麺」。麺の他に真空パックの具の袋と顆粒スープと液体スープがついてくる。具は湯に浸して温めて、顆粒スープは湯を入れる前にカップに入れて、液体スープは食べる直前に……と、いろいろめんどくさい。

7枚のチャーシューが入っているのがウリの具沢山インスタント麺なのだけれど、その肝心のチャーシューはいかにもな真空パック入りの食べ物といった風にグデンテレンとした、「……どの破片とどの破片で1枚になるの?」といった風情なもの。それでも「ん……けっこう、旨いかも」とか思いながら食べちゃう自分がいるのだった。息子はフォークと箸を駆使してすごく真剣な顔つきで巨大油揚げと格闘中。

薄切りラム肉とにんにく芽の炒め
ピータン豆腐
火腿玉米濃湯
羽釜御飯
麦茶

苺 with コンデンスミルク&牛乳

来週は丸1週間、だんなは出張。その準備やら何やらで今週は忙しいらしくて気分はほんのり母子家庭。ちとさみしい。

「さみしいけれど、飯は作らなきゃいかんのよー」
と、先日安売りしていたのを買ってきたラム肉の薄切りを冷蔵庫から取り出した。ラムの薄切りなんて売ってるのが珍しくてつい買ってきたのだけれど、さてどうやって食べよう。
「なんかこう、コテッと下品な味にして食べたい感じ……」
と玉ねぎと一緒ににんにくの芽をざくざくと切る。オイスターソースや醤油で炒めようかしらね、と肉のパックを改めて見たら、モランボンのジンギスカンのタレのパックが肉と共に入っていた。あ、そうそう、こんな感じ、こんな感じの味のが食べたかったのよねぇ〜と、ありがたくそれを使わせていただくことに。

そう、我が家がよく使うスーパーで売られている肉のパックには冷しゃぶのタレやら焼き肉のタレやら生姜焼きのタレやらが入っていることが多いのだけれど、今日みたいなのは例外で、たいていはごみ箱に直行することになってしまう。あとでいつか使うわよねと思っていても一向に使う機会なんてやってこないから捨てているのだけれど、そんなタレはいらないから20円でも安くしてくれるといいのになぁ……と思う私。納豆のタレと辛子もいらないなぁ〜とか、いろいろもやもや思うところがあるのだった。……あ、でも、温泉卵のタレはいつもありがたく使っているので必要なのよー(←わがままだなぁ……)。

ともかく今日はジンギスカンのタレを大活用。ラムと一緒に薄切り玉ねぎとざく切りにしたにんにくの芽をざざざっと炒め、おろしにんにくも投入し、最後にそのタレをジワーッとかける。理想な具合のこってりコテコテな炒め物ができあがった。昨日の豆腐の残りをピータン豆腐として食卓に出し、スープは台湾で買ってきたクノールのインスタントもの。「火腿(ハム)玉米(コーン)濃湯(スープ)」という品名のそれは、水を加えて沸騰させ、溶き卵を混ぜるだけというもの。粉末状のそのスープの素にはフリーズドライのハムとコーンがどさどさ入っていて、ジャンクな味なのだけれど悪くない。

「……おいしいですか?」
「おいしいでーす!スープが、とっても、おいしいでーす!」
「そう、良かったわー。……でもそんなに感激されちゃうと、それはそれで複雑な心境……」
などという会話を交わしつつ、全体的にジャンクな雰囲気漂う夕食を平らげた。もっとラムは匂いが強いかなと期待していたのだけれど、それほどでもなくていまいち物足りなかった。こってりこてこての味つけは御飯にすごく似合って美味しかったけれど。

そして食後にたっぷりの苺。

4月8日 木曜日
久しぶりの自家製ピザは大成功♪
バナナ
牛乳

「……起きますかー?ぎりぎりまで寝てますかー?」
「……ぎりぎりまで寝てまーす」
「そうですかー」
非常にやる気のない会話で始まった、息子の幼稚園登園日。昨夜やっぱり日付が変わった頃に帰ってきただんなは出勤寸前まで布団にこもり、朝御飯はパパパッとバナナ1本。私もそれにつきあってバナナ1本。息子はフルーツグラノーラ。

私の実家では、私が子供の頃から「家にバナナがある」という状態が継続するということはほとんどなかったのだけれど、だんなの実家ではお義父さんが1日1本食べるとかでその状態があたりまえなのであるらしい。
「バナナ、こないだいーっぱい買ったから1房あげるわね♪」
とお義母さんからお裾分けされることも多かったりして、そうしているうちに、我が家も「バナナがあって当たり前」の家になりつつある。息子がおやつや朝食代わりにもりもり食べるということもあるし、ちょっと小腹がすいたときにバナナは便利。ジムに行く前にぺろっと1本食べていくとか。

串カツ
バタートースト
オレンジジュース

息子もとうとう年長組。真新しいクラス帽を持って登園した息子を昼間際に迎えに行くと、年中からの仲良しさんユウナちゃん(バレンタインに超本命チョコをくれた可憐な美少女・仮名)も同じクラスだった。早速今日からいちゃいちゃしている。いいねぇ、青春だねぇ。

「……今日の夜は、ピザ作って焼こうか」
「いいねぇ、ピッツァ〜。チーズいっぱいね。チーズのピッツァ、つくってね」
"今晩はピザ"の提案が息子に受け入れられたので、幼稚園帰りついでにお買い物。チーズのピザがいいなら、じゃあいっそ4種チーズのピザでも作ってみようかと青カビチーズやモッツァレラを買ってきた。

昼御飯は安売りしていた串カツ(1串40円!)と目が合ったのでそれを2本。息子にはコロッケを2個。とんかつソースをシャバシャバかけつつ囓りながら、傍らにはバタートースト。これまた安売りされていた1パック100円のオレンジジュースもテーブルに出した。

1串40円の串カツはさすが40円といった風で、豚肉よりも明らかに玉ねぎの方が巨大なものが刺さっていたカツだった。肉屋のお総菜だったそれは、衣はサクサクで肉もほどよく柔らかく、"異様に玉ねぎが大きい"以外は良い感じ。……ああ、大阪チックな串揚げ屋さんにまた行きたいぞ。ソースは二度づけ厳禁、そしてキャベツは食べ放題。

自家製ピザ
 4種のチーズ
 ベーコンと半熟卵
ビール(モルツ)

私は、一昨年から昨年にかけてのアメリカ滞在時に自家製ピザの美味しさに目覚めた。おそろしいほどの火力がある電気オーブンで焼いた生地はパリッパリに焼き上がり、しかもこれでもかと巨大な生地もゆったり入るオーブンの容積だった。生地を発酵させるときはバスルームの電熱線使用の暖房をつけておけば、完璧な状態で仕上がってくれた。

でも、帰国してから作ろうとして、自宅の電気オーブンの機能の限界にがっくりきてしまったのだった。250℃が一応の限界値だけれど、庫内が狭いのでオーブンのドアを開けるとすぐに温度が下がってしまう。2分で焼けていたものが何分たっても焼き上がらず、家族でつついて3枚くらい焼いて食べたい日には食事時間にどれだけ費やせば良いのかわからないほど時間がかかった。もうダメだ〜……と思ったのだけれど、スキレットでピザが焼けるらしいと知って一度試し、「これならうまく行くかも!」と何かをつかむことができた。いざいざ、と準備万端整えてピザ生地の作成から。

これまでパン焼き機に生地の発酵までを任せてみたり、オーブンのパン生地発酵モードで発酵させてみたりしたのだけど、いずれも微妙にいまいちな出来だったので、基本に立ち返ってアメリカで作っていた分量通りに材料を合わせ、手でこねてみた。強力粉500gに対して、300ccのぬるま湯に小さじ2のドライイースト、小さじ1の塩、大さじ1のオリーブ油を加えて混ぜ合わせる。しっかりこね回したら生地を丸くまとめて表面にオリーブ油を塗り、生地を入れたボウルの表面にラップをびっちりかけてから発酵。27℃前後の温かい場所に置けば良いということだけれど、この季節、「ここよここよ、ここがいいわ♪」と突っ込んだのは弱めにつけた"こたつ"の中。そしたら、非常に良い状態に発酵が進み、1時間後には2〜3倍にんぷーっと膨れた生地ができあがった。

薄焼きの小ぶりなピザを作ろうということでピザを6等分し、1枚1枚丸くのしていく。ここで息子がうきうきとした顔で手を洗い、
「ぼくも、ぼくも、おてつだいするなんだよー」
にじりよってきた。空気を抜いて丸くまとめた生地を手のひらでぎゅうと押したり、その後麺棒でのばしていく工程が彼には楽しくてしょうがないらしい。

手早く作業しないと生地が乾いてしまうので、できれば私一人でちゃっちゃと作業したいところなのだけれど、
「ぼくも、ぼくも、ぺたんてやって、のばすのばす」
テーブルのフチに手をついてずーっとぴょんぴょんと飛び跳ねているので、一緒に作業。
「はい、じゃ、ここでペタンってやってね」
「はい、ぺたん」
「そしたら、おかーさんがちょっと直すから、麺棒でぐるぐるってやってのばしてね」
「はーい、ぐるぐるー」
4本の手がわちゃわちゃと入り組んでしまい、ピザ生地作ってるというよりは餅でもこねているような気分になってきた。15分くらいかけて、なんとか6枚のピザ生地をのしあげた。

まずは4種のチーズのピザ。4種類のチーズは、自分の好きなものを好きなように乗せれば良いとも言われるけれど、一般的なのはモッツァレラとパルミジャーノ・レッジャーノ。それと1種類は青カビものにすると全体が引き締まって良いらしい。青カビをゴルゴンゾーラにして、残りの1つをタレッジョ(風味の強いウォッシュチーズ)あたりにすれば全てがイタリアのチーズで揃えられたりするので美しい……らしい。

でも、今日のは呆れるほどバラバラ。ハードタイプのものしかなかったモッツァレラは「西ドイツ産」という表示がついていて、パルミジャーノはイタリア産。青カビはスティルトンというイギリスのもので、残りの1種類はイタリアの「プロヴォローネ」というセミハードタイプの個性の強いものだった。適当に買ってきたり、家にあったのを使った結果このような事に……。

さすがに息子がイヤがるかしらと青カビチーズは少なめにし、モッツァレラを少々多めに使うことに。あらかじめ熱しておいたスキレットに生地を乗せて弱めの中火で2分ほど、焼き色がついたら裏返し、すぐに具を散らして、今度は蓋をして(スキレットと同じ素材でできている蓋もきっちり温めておく)2分くらい。チーズが全てとろんと溶けたらできあがり。

これまでの失敗を教訓として焼いたピザは大成功だった。薄い生地はカリッパリッと良い食感で、チーズも程良く溶けている。スキレットのままテーブルに出したら、ずっとアツアツパリパリのまま最後まで食べられて、それもまた良かった。

で、4種チーズのピザを食べている間に別のスキレットでもう1枚。こちらは、先日外食で食べた「ひき肉と半熟卵のピザ」を真似してみることにした。ひき肉はなかったので、ベーコンで代用。ベーコンをあらかじめじっくり炒めておき、ピザ用チーズと共にそれを生地の上に散らし、焼き上がった後に3分だけ茹でた超半熟ゆで卵をパカンと割り落としてぐじゃぐじゃと広げればできあがり。多分、お店で食べたのもこんな風だった……と思う。

スライスしたゆで卵を乗せたピザも美味しいけれど、卵の黄身がとろ〜んと広がるピザというのも美味しいもので、しかもまだ熱い鉄板の上で、食べ進む間に残りのピザの卵がじわじわと半熟状になっていく。チーズとベーコンと卵というシンプルきわまりない組み合わせだけれど、すごく美味しかった。4種チーズのピザも、そりゃもう美味しかった。

ピザ生地はまだ4枚(伸ばした状態で冷凍庫に放り込んだ)ある。
生ハムとルッコラもいいなぁとか、トマトソースを作ってアンチョビ散らしてオリーブ散らしていかにもな具沢山ピザもいいなとか、あっさりめにすれば朝御飯にもなっちゃうかしら、とちょっとわくわくする私だった。……とりあえず、明日の昼御飯もピザかな……(照り焼きチキンピザかな……ゆで卵乗せて……)。

4月9日 金曜日
今日もピザ焼き。ちょっと不格好だけど気にしない。
とろけるチェダーチーズ乗せトースト
牛乳

夜は「おかえりなさーい」と何とか目を覚まして一言告げ、朝は声も出せずに布団からひらひらと手をふっていた私。だんなは深夜遅くに帰ってきて、今朝はジムに行くということで(こんなに忙しいのに、でも早起きしてジムに行くのね……そんなに好きなのねボディパンプが……)早起きして出かけて行ってしまった。一言も会話できなかった。しょぼん。

でも、色々と電波は通じていたようで、
「2切れ残ったから、良かったら朝に食べて行きなさいな」
という意味で卓上に置いておいた昨夜の自家製ピザの残りは綺麗に平らげられていて、
「ゴミ、ここまでまとめておいたから、良かったら出して行ってくれる?」
という意味で台所にまとめておいたゴミ袋も消え失せていた。でも、でも電波はある1点のみにおいてうまく伝わってくれていなかった。

731だか531だか(キリンの903でした……いい加減な私の記憶……)を買ってきたのは、だんな。試しにと買ってみたらしいのだけど、
「これ、けっこう旨かったよ。何本か買ってきたから、おゆきさんもジムに持っていっていいよ」
と言ってくれていたのだった。で、今日の午前中にジムに行こうと思っていた私は、昨夜のうちにそれを1本冷蔵庫の目立つところに突っ込んでおき、「明日はこれを持っていこう♪」と冷やしておいたのだった。

で、いざジムに行こうと準備を始めると、それが消え失せている。
だんなが持っていったことは明白で、
「ちがうのーだんなー。こればっかりはだんな用に冷やしておいてあげたわけじゃなくて、私の分……」
苦笑いしながら手持ちのボトルにダバダバダ〜とCONTREX詰めて準備した。この点のみにおいて、今日の電波はうまく届かなかったらしい。

息子と2人の朝御飯、人形町のパン屋さんで買ってきたピーナッツバターを食べてからというもの、ピーナッツバターがお気に入りになったらしい息子はスーパーに行く度に
「ねぇね、ピーナッツバターがなくなっちゃったから、あたらしいの買おうよ?」
とリクエストを重ねていた。根負けして昨日、ジャムやらチョコスプレッドやらが並ぶ棚を見たのだけれど、ライトタイプピーナッツバターだの、ホイップピーナッツバターだの、昔なつかし紙製ケース入りのピーナッツバターだのと、何種類も置かれている。適当に選んで大手メーカーのライトタイプとかいうのを買ってきてみたのだけど……なんか、いまいち美味しくなかった。ピーナッツの香りが薄くて、なんか微妙に苦くて、ライトという割には変にねっとりしすぎ。ハズレだった。

「……こないだのピーナッツバターほど美味しくないんだけど、良いかしらん?」
「いいよー。いいのよー。ピーナッツバターぬるのよー」
ということで、息子はピーナッツバターを塗った食パン、私は「それはちょっとヤだな」とチェダータイプのとろけるチーズを食パンに乗せてトーストに。以前マカロニ&チーズを作ろうとチェダーチーズを探した時に、そのとろけるタイプのものしか見つからなくて買ってきたものだ。ハンバーグにこのチーズを乗せてバンズに挟んだら、マクドナルド気分が楽しめそうだなといった風の鮮やかなオレンジ色のチーズで、普段買ってくる黄色のとろけるチーズとはちょっと風味が違って、それはそれで美味しい。ほのかにアメリカーンな味。

自家製ピザ 照り焼きチキン&アスパラ&卵
オレンジジュース

今日を過ぎれば、来週から息子はしばらく弁当持参の日々になる。帰宅時間が遅くなり、その分私はゆっくりスポーツジムに行けるということになる。今日はあんまり時間の余裕はなかったけれど、午前中にスポーツジムに行ってきた。久しぶりにエアロ系の運動をして、マシンジムで筋力トレーニングもして、へろんへろんになって汗みどろのままシャワーも浴びずに息子を迎えに。

「おなかすいたよー!」
「……おかーちゃんもね、めっちゃめちゃめちゃめちゃお腹空いた……」
必死で自転車こいで急いで帰宅し、帰宅するなり昼食の準備。昨日作ったピザ生地がまだまだ残っているので、1枚焼いて食べることにした。本日の具は照り焼きチキン!

照り焼きチキンピザはまだそう何度も作ったことがなくて、まだ「これ!」という作り方に至っていないのだけれど、自家製ピザの具として大好きなもののひとつ。今日は小さめの一口大にコロコロ切った肉を炒めることから始めてみた。火が通ってから醤油と味醂をジャッと注ぎ、軽く煮詰めてから片栗粉で強めのとろみをつけてみる。スキレットで焼いていたピザ生地の一面がこんがり焼けたら裏返し、その上に急いでピザチーズを敷き、鶏肉を散らし、軽く茹でたミニアスパラを並べ、スライスしたゆで卵も乗せ、上からたらたらっと照り焼きのタレをところどころに落とす。最後に表面にパラパラッともう一度ピザ用チーズを薄くかけて、熱しておいた蓋をして加熱。チーズが溶けたらできあがりだ。

昨日今日とスキレットでピザを焼いてみて、しっかりとコツは掴めた。これならほんの4分もあれば焼き上がるし、スキレットに類似するものが我が家にはいくつかあるので、スキレットごと食卓に出しても2〜3枚続けざまに焼いていくことができる。スキレットごとテーブルに出せば食べ進んでも冷めないし、生地も最初から最後までパリパリバリバリととても良い感じ。唯一の難点は、具の上からは火が当たらないので具に美味しそうな焦げ目をつけるのは不可能ということ。これも、"スキレットで生地を焼いてから、仕上げは魚焼き用のグリルに入れる"とかすれば解決するらしいのだけど、でもそれだと生地のサイズにかなりの制限が伴うし……悩むところだ。

「高出力のオーブンがないと自宅でピザは無理かなと思っていたけど、大丈夫でしたー。いぇーい。かんぱーい」
オレンジジュースで乾杯して、急いで具を並べたために外見がいまいち美しくなくなってしまったピザをざくざく切ってハフハフ言いながら食べる。ゆで卵の黄身はヨレヨレになっちゃったし、アスパラも放射状に綺麗に並んでいるようで並んでいないし、鶏肉もいまいちかたよって散らばってるし……だったけれど、何千円も払って食べる宅配ピザよりずっとずっと美味しくできた。食べ際に刻み万能葱を散らすと、これがまた似合って美味しいんだわ。
……明日もピザかしら……(明日もかい)

牛たま
温野菜の海苔マヨネーズ添え
ワカメのスープ
羽釜御飯
ビール(モルツ)・麦茶
いよかん

今日は無性に緑黄色野菜が食べたい気分。

あ……茹でてとっといた菜の花があるな。これ温め直して、ブロッコリーも茹でて……あ、ミニアスパラガスもあったんだ……と、菜の花・ブロッコリー・ミニアスパラガス・キュウリを出したら全体的に真緑色の皿になってしまった。キュウリは刻むだけ、それ以外は茹でて刻むだけ(もしくは刻んで茹でるだけ)。添えたのは、お花見のときにいただいてきた海苔マヨネーズ。業務用粒マスタードの瓶らしきものに入っていた海苔マヨネーズはこれでもかと大量で、しばらく日持ちもしそうなので今もこうしてせっせと使わせてもらっている。ペースト状になるように水を加えて練った焼き海苔をマヨネーズに混ぜただけ、みたいな感じなのだけれど、素朴に美味しい。まずはこれで1皿。

もう一つのメインディッシュは、「牛たま」。ムック本で見かけたケンタロウさんのレシピだったかどうか、牛肉を胡麻油で炒めて、醤油と味醂と酒と砂糖を同量くらいずつ合わせたタレをまぶしつけ、皿に盛りつけてから最後に生卵の黄身をパカンと割り落とし、混ぜ混ぜして食べろ!というものだった。すき焼きみたいで美味しいかもね、と牛薄切り肉をじゃかじゃか炒めて作ってみる。最後にすり胡麻をパラッとかけた。

あとはインスタントのワカメのスープ、羽釜で炊いた炊きたて御飯。息子は御飯に焼き海苔を巻いては食べ、巻いては食べ、合間にキュウリとブロッコリーを食べ、そしてまた海苔御飯を食べ、そして合間に肉を食べ……という感じで、もりもりと今日もよく食べた。
デザートに、いよかん。息子……薄皮剥かないの?そのまま食べるの?……ふーん……(そして私は薄皮をせっせと剥く)。

4月10日 土曜日
初めて食べた生白魚の握り。うまー。
千葉 「銚子丸」にて
 カツオ
 びん長まぐろ
 にしん
 白魚
 いくら
 穴子
 生ほたて
 ねぎとろ
 うに手巻き
 無料味噌汁・お茶

だんなは明後日から、丸一週間出張なのである。出張先は遠く海外。だから、
「1週間離れる日本の味をこの週末に味わっておこうねー」
という事になっているのである。日本の味と言えば、寿司!出張先は日本食屋も少なくない地だし、けっこう素敵なチャイナタウンも擁しているところなので、切羽詰まったら(でもきっと美味しいステーキ食べたりハンバーガー食べたりして切羽詰まらないんだろうな、きっと……)どうにでもなるところだと思うのだけど、でも寿司は食べておかなければならぬ。

本当は、「回転してない寿司屋」に行こうという話もあったのだけど、細々した買い物ついでに千葉駅近くの「銚子丸」に行ってしまった。イロモノ握りもたくさんあるけれど普通の握りも普通に美味しく、しかもけっこう安い。お気に入りのお店だったりした。

遅めの起床の後は朝御飯も食べずに11時開店のその店の開店直後に入店する。開店直後の時間帯は、回ってるものといったら玉子とイカとサバと子供用のジュースだけ、といった風だったりするので、
「カツオくださーい」
「こっちはホタテと穴子〜」
とせっせと店員さんに声をかけて握ってもらうことになる。結局今日は回ってるものは、私は1つも取らないまま終わってしまって、回転寿司だか何だかわからないことになってしまった。息子はジュース取って玉子取って稲荷寿司取ってまぐろも取って、最後にはメロンまで取って御満悦。

150円のカツオやまぐろ、今日一番高かった1皿の「うに手巻き」、どれも魚は分厚く大きめで、ほんのり大きめな握りは食べ応えがある。
「おお〜、穴子がふくふくで美味しいよ」
「じゃ、俺、次に穴子もらおう……生帆立、1個食べる?」
「食べるー、じゃ、私のイクラを1個どうぞー」
と、だんなの皿から1カン貰ったり私も1貫あげたりしながら次々と皿を手に取った。

初めて食べたのは生白魚の握り。長さ5〜6cmの半透明のピチピチしたその魚は何度かスーパーや魚屋さんで見たことがあるけれど、買ったことはなかった。火を軽く通した白魚を入れたスパゲティは外食で食べたことがあった気もするけれど、生のものを食べたのは、多分今日が初めて。キュキュッとした歯ごたえでツルリとした舌触り、ほのかに感じる甘み。すご〜く美味しかった。
「白魚……いいなぁ……」
私は白魚が気に入ってしまって、今度は買ってきて家で何か作ってみようと思ったのだった。旬の魚だしね。

稲毛「天狗」にて
 大根サラダ
 肉豆腐
 バターコーン
 鶏串カツ
 ポテトフライ
 鶏から揚げの和風ソース
 厚揚げ豆腐
 ミニづけ丼
 カツとじ煮セット
 ビア・ブラウン(中)
 ビア・ブラウン(大)
 シークァーサーサワー
 クリームソーダ
 パイナップルジュース
 杏仁豆腐のマンゴーソースがけ
 黒蜜がけきなこアイス
……を、家族3人で(食べたなぁ……)

ぽろぽろ買い物して帰宅して、だんなは「1週間ジムに行けないしー」と夕方スポーツジムに出かけていった。私と息子は留守番しながら、
「夕飯どうしようか?」
なんて言いながら待つ。野菜はあれこれあるし、あとは肉か魚があれば何かできそうだなぁ……と思っていたのだけれど、息子の
「ねぇね、杏仁豆腐があるお店(←多分、何度か行ったラーメン屋さんの事)に行こうよ」
の一言でラーメンが恋しくなる。
「じゃあ、お父さんに"杏仁豆腐のあるお店に行きたーい"って訴えてごらん?」
と作戦を立てて、家で待って夜7時半。汗みどろのだんなが帰宅した。

「おとーさんおとーさん、杏仁豆腐のあるお店に行きたいなぁ」
「杏仁豆腐かぁ……それよりさ、コーンとポテトとコーラとアイスがあるお店はどう?」
「えぇー、コーンとポテトォ〜?」
「……いや、イヤなら杏仁豆腐のあるその店でいいけど……」
だんなが言うお店は、居酒屋の事だ。確かに居酒屋の味は出張先じゃ味わえない(いや、味わえるかもしれないけどわざわざ行くのもなぁ……という感じだろうし、何しろ高いだろうし)ものだよね、と、夕飯は近所のチェーン居酒屋「天狗」に。

ここ2〜3年、夜の居酒屋であっても、定食をさらっと食べて帰っていく人の姿を多く見かけるようになった。今日も隣のテーブルでは男女2人組が静かに丼ものをかっこんでる脇で、
「鶏カツ食べよ、鶏カツ〜」
「まず、大ジョッキからだな……」
「ぼくはねぇ、ポテトとコーンと、あとあと、クリームソーダ〜」
「クリームソーダ!?飯喰いながらクリームソーダ!?……まぁ、たまにだし、いいか……」
とか言いながらあれこれ注文。居酒屋は久しぶりで、ちょっとわくわく。怪しいカクテル頼んじゃおうかなとか、やっぱりサワーかしらね、なんて盛り上がる。

で、今日も良く食べた。串カツ食べても鶏から揚げはやっぱり食べたくなっちゃうわよねー、とか、サラダサラダ、サラダ食べよう、とか、最後にサラッと(?)厚揚げ食べよう、とか、2〜3品注文しては平らげ、また2品ほど注文しては平らげ、ということを繰り返す。最後にしっかりミニサイズのづけ丼食べている私も人のこと言えないけれど、だんなはカツの卵とじ煮に御飯と味噌汁のセットなんか注文しちゃって、つい数時間前のジムでの運動の成果を見事に帳消しにしていた。デザートは、メニューに載っていて息子が喜んでいた杏仁豆腐(のマンゴーソースがけ……ちょっと不思議な味だった)と、私はバニラアイスにきなこと黒蜜をかけ、粒あんと白玉を添えたもの。

「……これってさ、牛角のパクリ?」
「まぁ、牛角がオリジナルなのかどうかはわからないけれども……」
「流行ってるのかしら、信玄餅アイス……」
とか言いながら、信玄餅の味のするアイスをしっかり食べる。私、信玄餅味が大好きじゃけぇ。

4月11日 日曜日
タコサラダ。簡単な割に好評でした。
自家製ピザ
 4種のチーズ
 照り焼きチキン
アイスティー

「……明日からアメリカ行く人に、ピザもどうかなって思うんだけど」
「まぁ、アメリカでピザは多分食べないと思うし?」
「そうだよね……うちのピザはアメリカンピザじゃなくてイタリアン寄りだと思うし」
というわけで、朝昼兼用の本日一回目の食事は、自家製ピザ。先日6枚作った皮は、まだ3枚残っていた。4種のチーズピザも照り焼きチキンピザもなかなか美味しかったので、それをもう一回だんなのために作ってみることに。

4種のチーズはモッツァレラとパルミジャーノとプロヴォローネとスティルトン。何だか我が家には現在うじゃうじゃと小さなパックのチーズがいくつもあるのだけれど(で、どのチーズも匂いがけっこうすごいので、全部まとめて100均で買ってきたタッパーに放り込んで密閉して保存している……)、先日つい「オーダーチーズ・ドットコム」で「春のお得な福袋」なるものを注文してしまった。あと10日くらいしたら、何個届くかわからない未知な内容のチーズが(だから福袋……)ばばばーんと3000円分届く予定なのだけれど、一体何が来るのだろう。かなりわくわく。

青カビチーズがちょっと多めでちょっと大人な味の4種チーズのピザと共に、具沢山の照り焼きチキンピザ。ころころサイズの甘辛味の鶏肉を散らし、茹でたブロッコリーを散らし、ゆで卵を散らし、スライスマッシュルームを散らし、ピザ用チーズを山盛り。非常に美味しくできあがった。今日の生地もパリッパリ。いぇーい。

「不二家」のスイートロール
カフェオレ

天気の良い暖かうららかな日曜日だったけれど、今日は私もだんなも仕事まみれ。私は昨日の朝にデータを貰っていたちょっとめんどくさい仕事を「まぁ、早めに片づけちゃうかねー」とえんえんとやっていて、だんなは
「うぉー、出張先で発表する資料がまだ仕上がってないー」
という状態だったりして、2人でそれぞれパソコンに向かっていた。外には出たけれど、近所のスーパーで魚介を買ってきたくらい。

「あーもー!……甘いもの、食べようかー」
「ロールケーキでも食べようかー」
と、冷蔵庫から取り出したのは「不二家」のスイートロール。先日、「1000円買ったら300円割引したげるからね♪」という期間限定の割引券を貰っていたので、それを使って800円のロールケーキと100円のカスタードプリン2個を買ってきたのだった。700円ちょっとでロールケーキとプリンが買えて、ちょっと幸せ。何度食べても食べ飽きぬ、私とだんなのツボに入ったロールケーキだったりした。いや、「また食べたい、もっと食べたい」と思うロールケーキはこれまで何度も出会っているのだけれど、自転車数分で買ってこられる手軽さはかつてないものだから、ついフラフラと店の前を通るたびに
「あぁ〜、ロールケーキ〜」
と引き寄せられてしまうのだ。割引券もあったことだし。

「……でもさ、最近食べ過ぎな気がするよね」
「自覚してるんだ……」
「こう食べ飽きないのもヤバいからさ、2〜3本ロールケーキ買ってきて、"一度に1本喰い"とかやったら……"もうしばらくいらない"って気分になって良いかも……」
「やれよ。止めないから」

どうでも良い会話をしながら、たっぷり厚切りにしたシンプルロールケーキ。長さは15cmあるらしいけれど、3人で食べるには微妙に物足りなかったりする(5等分くらいにした分量がほどよいんだけど3人で2回食べることはできないし、かといってきっちり6等分にカットするとそれはそれで物足りないし……)。長さ18cmくらいだとちょうど良いんだけどな、と思うのだった。

かじきまぐろのハチミツだれ丼
しじみの味噌汁
タコと水菜のサラダ
卵豆腐
缶チューハイ(グレープフルーツ)

しばし海産物山盛りの日本から離れるということで、夕飯は魚介づくし。かじきまぐろが安売りされているのを見ただんなが
「またアレ作ってよ、はちみつ醤油丼」
と言いだし、じゃあしじみの味噌汁でも作ろうかね、刺身用のタコも安いね、とあれこれ買ってきた。豆腐が食べたい……と豆腐売り場に去っただんなは
「やっぱり卵豆腐にしましたー」
と、6個パックセットの巨大袋を持ってきたり。魚介尽くしの夕飯は最近ご無沙汰だったので新鮮な気分で、何品か作ってみた。

メインディッシュは、かじきまぐろの丼もの。サラダ油を薄く塗ったスキレットに切り身を入れてこんがり焼いて、仕上げにバターと醤油と蜂蜜(分量比は9:6:1くらい)を落とし入れてサッと煮絡めてから汁ごと御飯にぶっかける。仕上げにバラッと刻み万能葱を散らすというこの料理は、確かケンタロウさんのレシピで、バター醤油が染みた魚臭い御飯が妙に美味しくて、我が家のお気に入りの一つだったりした。切り身の魚なら、けっこうどんなものでも合いそうな料理だ。

タコと水菜はシンプルにアップルビネガーとオリーブ油で。ぶつ切りにしたタコと、ざく切りにして数分冷水にはなしてシャキッとさせておいた水菜を合わせて、風味の良いエクストラヴァージンオリーブ油とアップルビネガーと塩胡椒と、少しのおろしにんにくでざっくり和えてみた。薄くオイルの層ができた淡泊な味の水菜とタコは案外とさっぱりとしていて、すごく簡単な上に美味しくできた。こういう和食だとビールより缶チューハイが似合ったりするよねぇ、なんて言いながら1缶を半分こしてだんなと缶チューハイを酌み交わしつつ、卵豆腐つついたりサラダをつついたり。

はぁ〜、明日から1週間、息子と2人で1週間。カレー作って4日くらい食べ続けちゃおうかしらとか、この機会に朝食と昼食にマイクロダイエット飲みまくってダイエットしてみるというのはどうかしらとか(←無理……絶対無理……性格からして無理……)、密かに考えることはあるのだけれど、多分淡々といつも通り過ごすんだろうなとも思う。とりあえずスポーツジムはせっせと行こうという方向で。