食欲魔人日記 06年2月 第3週
2月13日 月曜日
安いソースはやっぱり安い味……
「JUCHHEIM」のミートパイ
カフェオレ

かつてはなんとなく野暮ったい印象のあった「ユーハイム」。数年前にカタカナでの「ユーハイム」の看板から「JUCHHEIM」と英文字ロゴ看板に一新して全体的に洒落た印象の洋菓子屋さんになった。特に東京駅駅前の丸ビル店はお総菜やパンも扱っていて、ここはDALLOYAU(ダロワイヨ)かTROISGROS(トロワグロ)かという感じ。総菜類 もどれもとても美味しそうなのだけれど、我が家が魅了されているのはミートパイなのだった。

で、昨日、
「あー、明日の朝御飯……丸ビル近くだよ?ミートパイ?」
「ああ!ミートパイ!」
という話になって、夕方丸ビルに立ち寄ってミートパイを買ってきた。なかなかの人気の商品らしいミートパイ、昨年末に寄った時は売り切れで買えなかった。昨日は昨日で、総菜コーナーのカウンターの上(←定位置)には並べられておらず、残りわずか5個ほどになったミートパイが他のパンと一緒にパン棚にひっそりめに並べられていて、あやうく見逃すところだった。

ない?ない〜!とカウンターの上を見て、パンコーナーをざっと見渡してがっかりしていたところで自分の目線の下のほうにちんまりと置かれていたという次第。あった、あったよ、良かったよー、と家族3人分1個ずつ買ってきた。

昨日は赤ワインを1本だんなと飲みきって、その前には食前酒と称してベルギービールを1人2杯飲んでいたしで、腹一杯だわ酔っぱらったわでへろんへろんになって帰宅した。「胃が重い〜」と思いながら寝て、朝起きても微妙に重い。空腹時にパンを買ってきたものだからミートパイの他にもチョコデニッシュなどもあったのだけれど、私はミートパイ1個にしておいた。たっぷりのカフェオレと一緒に、中までじんわり温めたミートパイ。

そぼろのようなポロポロとした挽肉には刻んだゆで卵が混ぜ込まれていて、それがなんとも優しい味で良い感じ。パイはしっかり層になったバターの香りがするものだけれど、肉部分は案外とあっさりしているのも飽きのこない魅力なのかもしれない。厚みはあるけれど直径は7〜8cmだろうか、あんまり巨大という感じはしなくて、お腹空いているなら3個くらいもぐもぐ食べられてしまうかもー。いや、食べないけどね、3個もね(安くはないし)。

最近の朝の習慣は、通勤にだんなが持っていってしまう前に数十分取り組む「えいご漬け」。聞いて意味はわかるけど綴りをちゃんと覚えていない……なんてのが露骨にわかっちゃって、非常に我ながらもどかしいというか悔しいというか。続けていたらちょっとは上達するかしらん。

ブロッコリーと鮭のクリームソーススパゲティ
ちぢみほうれん草のポタージュ
アイスティー

数日前、スーパーのオリジナルブランドの安売りパスタソースを買ってきた。2〜3人前のソースのパックがたったの88円。ミートソースと、鮭ときのこのクリームソースを
「うーん……すっごく仕事が忙しくて余裕がない時用に買うか……」
と試しに買ってみたのだった。

今日は一日仕事していて、でも「忙しすぎて余裕がない」ほどではなかったのに、息子は夕方からなぜかずーっとそのクリームソースのレトルトパックを持って歩いていて、「今日、これ、食べよ?」「食べてみよ?」と、うるさいうるさい。
「……なんで持って歩いてるんだよ……今日はこれ、食べないよ?」
「でもねぇ、ぼくねぇ、気になっちゃうんだよ」
「もっとお母さんが忙しくてさ、御飯の準備できなーい!って時に食べようと思って買ってきたんだよ、これ」
「でもねぇ、ぼくねぇ……」

真面目に仕事していた私のうしろから何度も「ねぇね?」「これ、食べないのかな?」と何度も声をかけられて根負けした。いいや、うん、今日これ食べちゃおう。遠からず食べることになっていたんだろうし。

生クリームでちゃんとソースを作ると、2人前のソースの原価は300円くらいにはなる。肉や野菜、いろいろ入れるとすぐに500円くらいになる。そのソースが88円だなんて、一体中には何が使われているんだろうかと不安になる。一応「鮭ときのこ」と書いてはあったけれど、鍋に空けてみたソースにはあんまり具らしい具が入っていなかったので、急遽冷蔵庫の中を漁って色々と具を増やしてみた。鮭味のソースに肉を入れるわけにいかないしなと、鮭を追加。ついでに緑黄色野菜をということでブロッコリーも追加。テローンと安っぽい味のソースだったので牛乳やコンソメなどなどを加えて味を調整してみたりして、結局インスタントらしい味はずいぶんと薄らぐことになった。これだけ手間かけてしまえば、いつも通り生クリーム使って作っても全然手間暇は変わらないかもー……と思った頃にはパスタも茹で上がり、いそいそとソースに和える。

昨夜のポタージュがあまりに美味しくて、今日もなんとなくポタージュスープ作成。玉ねぎとじゃがいも、ちぢみほうれん草をバターで炒めて湯と顆粒コンソメを加えて軽く煮込み、野菜が軟らかくなったところでハンドミキサーでぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃと粉砕。適度な濃度になるように牛乳足して温めればできあがり。ほうれん草が残り少なくて、親子で分けてすっかりなくなるほどの分量しかできなかった。

「……で?どうよ、美味しい?君が食べたがっていたクリームソースは」
「ん!おいっしーい!」
「……いつもより美味しい?」
「いつもとおんなじように、おいっしーい!」
"いつもより美味しい"と言われてしまうよりはいいのかな……と苦笑いしながら、簡単スパゲティの夕御飯。明日はスペアリブのトマト煮でも作ろうかなー。

2月14日 火曜日
バレンタインですよー
冷凍ワッフル
カフェオレ

朝御飯はアメリカ〜ンな冷凍ワッフル。3枚残っていたのをこんがりと温めて、息子と半分こした。丸くて薄い冷凍ワッフルは、「そうそうそう、こんなの売ってた売ってた」という懐かしい味。懐かしく思うほどには買っていなかったはずなのだけれど(当時、冷凍ワッフルよりは冷蔵の"巻いて焼くだけ"のクロワッサン生地の方に萌えていたのね……)、妙に郷愁そそられるそれに、アメリカでお世話になった先生の農場産の蜂蜜をかけてみたりして。

さて、今日はバレンタインデー。何週間も前に、
「バレンタインのチョコさ、コーヒービートとチョコベビーとマーブルチョコをよーく混ぜて、瓶に詰めたのがいいなー」
とだんなに言われて、おおそりゃ確かに幸せかもしれないなと、今年は「駄菓子チョコアソート」ということに。ぽろぽろと買い集めたチョコの封を全部開けて瓶に詰める作業はなかなか楽しかった。だんなに1個、息子に1個、私に1個、そして今日のランチに一緒することになったKさん家のお兄ちゃんにも1個。明治のコーヒービート、チョコベビー、マーブルチョコをメインにして、アーモンドチョコ(←だんな曰く、アーモンドチョコは明治最強!なのだそうで……)、森永チョコボールのビスケットとアーモンドもおまけ程度にざらざらと入れてみた。うん、美味しそう。

稲毛 「Shiba」にて
 サービスターリ \1100
 サモサ \300

お昼はぷらりと、Kさんと、Kさん家のお兄ちゃんと3人で我が町が誇る美味しいカレー屋さん「Shiba」でランチ。以前にも一度Kさんと御一緒したことがあったのだけれど、
「あんちゃんに食べさせてみたいなー、あんちゃんも好きそうだなー」
とKさんがおっしゃっていて、ではではぜひぜひ、と。

今日はちょうど某大学の合格発表があって、「あと、あと2分でねー、携帯で確認できるの」と、携帯電話を握りしめたKさんと合流。合格が発表された嬉しい席に同席できて、「お祝いランチ」にもなってめでたしめでたし。3人でそれぞれこのお店名物の「サービスターリ」を食べてきた。5〜6種類のカレーから1品選び、それにベジタブルカレー、サグ(青菜のペースト状の煮物)、ダールスープ(豆スープ)がついてくる。大きな銀の盆に盛られたサフランライスにそれらのカレーや煮物全てをばしゃばしゃとかけていただく、「カレー版ビビンバ」のような、なんというか独特な食べ物だ。スープだけ、とか、サグだけ、とか、ベジタブルカレーだけ、なんてのを少々味見しつつ、適当に混ぜる配合を変えながらもぐもぐもぐ。トマトや茄子やピーマンがしっかり歯ごたえの残る状態で混ぜられた酸味強めのベジタブルカレーと、クローブの香り漂う肉のカレーの相性がすばらしく良くて、合わせれば合わせるだけ奥の深い味が楽しめる。

サービスターリをぺろりと平らげた後に、おもむろにメニューをじっくり眺め始める私たち。
「サービスターリは独特だけどねぇ……普通のカレーも美味しいよ、ほら、組み合わせカレーとかあるの」
「おおー、旨そう〜!」
「サモサもねぇ……きっと旨いと思うよー」

サービスターリだけではちょっと物足りなかったらしいお兄ちゃん、「サモサ、食べてみたい!」だそうで、私もお相伴して追加注文してみた。何年か前まではカレー一品出てくるにもすごく時間がかかって、忙しいランチタイムは「カレー以外のつまみものの注文は勘弁!」という感じだったのだけれど、改装して支店もできて従業員も増えて、ずいぶん厨房の環境が良くなったらしい。ものの数分でナンの生地で挽肉入りポテトのカレー風味を包んだような「サモサ」がやってきて、それには不思議な味のチリソースが添えられていた。トマトがベースなのだけれど、梅のような果物の味もする。甘くて酸っぱくて、サモサにつけると良い香りが口中に広がった。

ナチョス
スペアリブとキャベツのやわらか煮込み
水菜とベーコンのサラダ
羽釜御飯
ビール(モルツ)

アーユルヴェーダをベースにした、「多少の風邪や胃の疲れはふっとびます」というカレーをランチに楽しんだにも関わらず、夕方になってずどんと調子が悪くなってしまった私。どうも先週の授業参観とか週末のお出かけあたりで悪い菌を貰ってきたようで、昨日から微妙に体がだるかった。カレーも食べたしなんとかなるだろ、と思っていたのだけれど、喉痛い、熱出てきたみたい、どうしましょうと。

それでも今日はだんなが早く帰ってこられる日と聞いていたので、おかずを1品用意した。だんなには「サラダっぽいもの、何か買ってきてくれる?」と連絡しておいて、スペアリブをことこと煮込む。

オリーブ油で薄切り玉ねぎを1個分炒め、トマトのホール缶を1缶分崩しながら投入。そこに全面こんがりとフライパンで焼き付けたスペアリブを1kg分ほど入れ、湯をひたひたに注いでことこと煮込むこと1時間くらい。適当に切ったキャベツも1/2個分ほど加えてキャベツが軟らかくなるまで煮たら、生クリームが1/2カップほどと風味づけにE.V.オリーブ油をひとたらししてできあがり。スペアリブとキャベツのトマトクリーム煮といった風の優しい味の料理ができた。

「なんかねぇ、葉野菜のサラダが食べたかったのに全然なくてさー」
とだんなが買ってきてくれたのは、水菜とベーコン。閉店前の総菜屋さんにはろくなものが残っていなかったとのことで、八百屋と肉屋に寄ってきてくれた。ベーコンをカリカリに炒めて水菜に散らし、手持ちのドレッシングをあれこれかけて。具合悪いけどビールは飲みたいのよねと、肴にナチョスも用意した。

バレンタインデーで、だんなも一緒の平日の夕御飯で、今日はあれこれとても楽しかったのにやっぱり不調治まらずの私。
「もう寝なさいおゆきさん」
「そうだよ、お母さん、もうねなきゃ」
と夫と息子に促されて、昨夜は早々に布団に向かった。うとうとしている耳に
「ぼく、お手伝いするよ、お皿、はこぶよ」
「ん、ありがと」
なんて会話が遠くから聞こえてきて、体調は最悪ながらなんだかとても良い気分。

2月15日 水曜日
テーマは「滋養」
角煮カーポ
アイスウーロン茶

昨夜は9時前に早々に布団に入って9時間以上も寝たのだけれど、どうにもすっきりしない朝。深夜になって震えがくるほど寒気があって、しかも関節があちこち痛くなってきて「これはもしやインフルエンザ?」とずっと脅えていたのだけれど、幸い高熱が出るには至らず、熱は38度弱というところ。それでも起きあがるのは全然無理な体調だった。この冬はこれで3度目の風邪……情けない。

「ダメ……全然ダメ……」
何か胃に入れておきたいけど食欲いまいちないしなぁと布団の中でうだうだしていたら、だんなが氷枕を作ってくれた。ヒヤヒヤー気持ちイイーとまたうとうとしていたら、今度は足下に湯たんぽが突っ込まれた。出社を1時間遅らせて、食材買ってきて「あとはここにうどん入れて煮ればすぐ食べられるからね」とたっぷりの長ねぎと豚肉を入れたうどんだしの用意もしておいてくれた。

何かお腹に入れるといいよ、と一緒に買ってきてくれたのは冷凍の角煮カーポ。蒸籠で蒸してくれたそれを1個だけお腹に詰めて、薬飲んで布団に戻った。風邪ひきに角煮??と少しばかりびっくりしたのだけれど、でも「肉まんの皮」状のふわふわした生地に甘い肉が挟まったそれは思った以上に食べやすくて、ナイスセレクション。

「おゆきさん、何だったら食べられそう?」
の問いに
「カツ丼なら」
と答えたのは、ネタですから。多分。(でもカツ丼なら食べられるわね……)

豚とほうれん草のうどん
アイスウーロン茶

今日は一日中布団の中でおとなしーく過ごしていた。昼御飯を用意する気力も食べる気力もなかったので、トイレに起きたついでに「自分用バレンタインチョコ」の瓶から数粒のチョコをもぐもぐと食べてみたり。

だんなが昼御飯に食べると良いよと準備していってくれたうどんだしはたっぷり2人前以上はあったので、それを夕御飯にすることにした。豚肉と長ねぎ入りのだしにちぢみほうれん草もたっぷり入れ、テーマは「滋養」。いっそ卵も落とそうかと思ったのだけれど、それはやりすぎかしらと卵はパスした。

「お父さんがお母さんを、こう看病していた」のを良くみているのか、
「お母さんお母さん、ひえぴた、はる?はったげようか?」
「おふろはね、やめておいたほうがいいと思うよー。はいったら、すぐねなきゃだめなんだよ」
「日記は、明日でもだいじょうぶじゃん?」
と、息子が一生懸命私をお世話しようとしてくれているのが嬉しいやら、笑っちゃうやら。金曜は都心で仕事の打ち合わせがあるし、明日中にシャキッと治しておきたいところー。

2月16日 木曜日
肉どっさりの麻婆豆腐
「アンデルセン」の長期熟成食パン
スペアリブとキャベツのやわらか煮込み
アイスティー

まだいまいち本調子じゃないのか、息子とだんなが起きたことに全然気付かない朝。私を起こさないように2人でひそひそと行動している気配が感じられて、それに甘えて朝はのんびり寝させていただいた。

それでも体はずいぶん楽になってきたので、今日は一日無理にならない程度にお仕事再開。昼御飯には一昨日作ったスペアリブとキャベツの煮込み(というか、もはや「キャベツの煮込み」……肉がない……)が少量残っていたので、それを食べようかなと考えていた。

「あー、あのトマト煮込みだったらパンが似合うよなー……パスタ入れて煮ちゃうより、パンだよなー」
と思い至って、欲しい本の発売日でもあったことから小雨降る中ちょっとだけ外出。午前中に焼き上がったばかりの湯気が出そうなパンを1斤買って、明日の朝御パンになりそうなものも買って帰ってきた。

スペアリブとキャベツのトマトクリーム煮込みは、すっかり味が染みて煮くずれちゃって、汁気もほとんどキャベツに吸い込まれて「キャベツのトマト煮」のような感じ。じっくり火を通したちりめんキャベツが甘くて美味しくて、切っただけのほかほかの食パンを傍らにもぐもぐ食べた。ん、おいしー。

だんな特製 麻婆豆腐
だんな特製 中華風コーンスープ
羽釜御飯
ビール(モルツ)

スポーツジムに行ったりはさすがに無理そうだけれど、家の中くらいは普通に活動できるようになった今日。夕飯も当然自分で準備するつもりだったのだけれど、
「麻婆豆腐が食べたいので、材料買って帰って作るよー」
とだんなから連絡があった。ありがたくお言葉に甘えて、だんなが食材と共に帰ってくるのを待っていた。ひき肉、豆腐と共に帰ってきただんなの手には卵もあって、
「コーン缶はいっぱいあったよね?中華風のコーンスープも作ろう」
と。わーい、ばんざーい。

私が用意したのは御飯を炊く準備だけ。あとは「おゆきさんはこたつでおとなしくしてなさい。ね」と居間に追いやられて、仕事帰りのだんながパパパパパーッとおかずとスープの準備をしてくれた。だんなの作る麻婆豆腐はひき肉がたっぷり。甜麪醤もたっぷり。でもあまり「味噌!」という感じはなくて、醤油やオイスターソースの味も漂う、辛さのほとんどない肉味噌状の麻婆豆腐だ。御飯にかけて食べると、すごーく美味しい。

「今日ねー」
「ん?」
「午後だらだらしてたら、熟年離婚の特集やってたよー。チェック多いと危ないって、"夫と2人でいるのが苦痛だ"とか"私が具合が悪くて寝ていても夫は無関心だ"とか"夫と2人での食事や旅行は嫌だ"とか」
「ほー我が家に何の関係が?」
「関係ないけどねー」
「ないけどねー」
"熟年"になったらどうなるかわからないけどねー……とニヤニヤしつつ、風邪の諸症状もそろそろおとなしくなりそう。

2月17日 金曜日
なんにも撮れなかったので、マンゴスチンオブジェ群など
「アンデルセン」のクリームデニッシュ
ミルメーク牛乳(ココア味)

昨日、軽くふらつく頭を抱えてパン屋に行って、「これが食べたーい」と私が選んできたのはクリームデニッシュだったらしい。
「クリームパンよりクリームは少ないけど、パン生地がデニッシュだもんねぇ……こっちの方がポイズンだよねぇ……」
と、昨日の己の選択を振り返りつつ、朝御飯。

たまには牛乳が飲みたいな、ミルメークがいいなと、息子と一緒にミルメークの籠をがさがさと漁って、私はココア、息子はメロン。久しぶりのミルメークは久しぶりの独特の甘さでたまらない美味しさだった。

霞ヶ関 「霞ヶ関別亭 桂」にて
 おまかせ丼ぶり(うに丼)

完全な本調子とはいかないながら、今日はお出かけ。霞ヶ関近辺で打ち合わせということだったのだけれど、駅からすぐの場所で食事できるところということで指定されたのが弁護士会館の地下飲食店だった。そんなところに立ち入るのは初めてで、「え、そんな建物、一般人でも入れるの……?」と戦々恐々しながら向かったところ、地下鉄構内から直結で入れたビルの地階はごくごく普通の飲食店街。指定されたレストランは八重洲富士屋ホテルが経営している和食のお店だった。

意識も目も口も仕事の方に向けられるメニューにしようと、選んだのは「おまかせ丼ぶり」。日替わりのメニューらしく、今日の丼は「うに丼」だった。酢飯の上にたっぷりのうにが盛りつけられ、切り干し大根の煮物と上品な味のお吸い物、お新香の小皿つきで1200円。ぷりぷりのうにが期待以上に美味しくて、会話しながら「おお、美味しいわ」と心中呟きつつ、もぐもぐもぐ。充実したランチで、充実した話もできた。

しかし、ランチの最低価格が1260円(←この丼もの)だというのは、さすが弁護士会館というか、さすが富士屋ホテルというか。

「アンデルセン」のミルクフランス
ミルクティー

ランチミーティングから急いで帰宅して、息子を迎えて音楽教室へ。
3週間ほど前に捻挫した息子の足もほぼ完治して、体育や外遊びの許可もお医者さんからいただけたものだから、ここ数日息子はせっせと遊びまくっている。私が体調崩している間に彼なりにお手伝いしたり気遣いしてくれたりして疲れも溜まっていたのか、音楽教室から帰るなり、私のコートにくるまってこたつに足突っ込んで昼寝(というか、もう夕寝というか夜寝というか……)し始めてしまった。

スパゲティにでもしようかなと思っていたので一人先に食べるのもなと息子を待つことに。7時過ぎても8時過ぎても一向に目を覚ますことなく、人のコート握りしめたままへらへら笑いながら寝ている息子。長時間こたつで寝かせるわけにもいかないと、8時半を過ぎたところで
「あの……息子さん息子さん?起きて夕御飯食べるかさ、ちゃんとパジャマに着替えて布団で寝るかした方がいいですよ?」
と声をかけた。食い意地の張った息子なら「ごはん食べる!」と飯を選択するだろうと思ったのだけれど、
「うん……ちゃんときがえて、ねるね……おやすみぃ〜」
とベッドに直行してしまった。……え?夕飯は?夕飯、スルーですか?……マジ?

急遽「一人飯」になってしまったのだけれど、もう8時も半を過ぎようとしているし今からスパゲティを茹でて食べるのもなぁと、朝御パンの残りのミルクフランスを囓ることに。あったかいミルクティーの準備だけしっかりやって、静かなうちに仕事もしちゃおうと仕事しながらパンを囓って紅茶を飲むという平日の昼御飯以上にやる気のない金曜の夕御飯になってしまった。
だんな早く帰ってこないかなー「美味しいもの」買ってきてくれないかなー。
(↑今日は「美味しいもの」非携帯でした。妻電波、うまく送信できなかった……)

2月18日 土曜日
酢豚つまみつつ、宴会。
「王将」にて
 餃子 2×\160
 鶏の唐揚げ \525
 酢豚 \525
 揚げそば \493
 焼きめし \420
 お子さまラーメンセット \504
 生ビール 2×\483
家族でさんざん飲み食いして1人1200円くらい。

何日か前、だんなは仕事の打ち上げで、都内の「王将」に行ってきたらしい。飲み放題、餃子食べ放題、大皿料理が5種類やってきて2500円くらい、という、大変な内容だったのだそうだ。それは安い〜、幸せ〜、と当初の想定以上の大人数で宴会してきたのであるらしい。
いいなーいいなーそれいいなー、王将いいなーと呟いていたら、「じゃあ週末に行こうよ」と誘われた。今日は昼から飲んだくれ。

昨夜夕飯も食べずに早々に寝てしまった息子は当然ながら今朝早く目を覚ましてしまい、あっちをうろうろ、こっちをうろうろ。私もつられてしまって早めに起き、簡単に朝御飯を食べさせてやってから私は本を読んだり仕事をしたり。だんなが起きるのを待ってから、王将の開店に合わせてお出かけした。

王将初心者(?)の私は初めて知ったのだけれど、王将は店によって細かなメニューが違うらしい。ソフトドリンクが全然ないお店があったり、と思えば種類豊富で1杯が100円だったり、あるいは子供用メニューがあったりなかったり、なのだそうだ。今回行ったお店は、「お子さまセット」が充実。ラーメンかチャーハンの選択に、肉団子、ウィンナー、海老フライ、デザート、ジュース、お菓子とおもちゃがセットになって504円。「お菓子とおもちゃ」は5種類ほどのスナック菓子とおもちゃ1つがビニールの袋に詰められた大変なものだった。

開店直後に店に入ると続々と席が埋まっていって10分後には満席になり、行列もできた。「お子さまセット」効果だけではないと思うけれど、客層は家族連れが大半。
「ビールだよね」
「ビールでしょう」
と、生ビール注文して、適当に単品をあれこれ注文して、昼から飲んだくれてきた。

「よーし、何でも注文していいぞぉー、今日は俺のおごりだー♪」
とだんなが笑顔で渡すメニューには、最も高いメニューでも海老チリの\640だか\680という文字だ。安いよねぇ、笑っちゃうくらい安いよねぇと苦笑いしながら、遠慮なく500円の酢豚とか注文させていただいた。

お安い酢豚にお安い揚げそばは、安いだけあって肉や魚が少なめで野菜多め。でもそこが良いのよね、そういうのが恋しかったのよと、野菜多めの料理をばりばりと食べてきた。息子は昨日からずっとラーメン♪ラーメン♪と言っていて、お子さまラーメンセットに取り組んでいる。
「あのね、ラーメンの夢みたの。あとね、きのう、学校行くとちゅうでラーメンのにおいがして、すっごくおいしそうだったの」
と息子は言っていて、それはそれはラーメンが恋しかったらしい。美味しそうにラーメンを平らげ、苦手なはずの海老フライも綺麗に平らげ、お子さまセットを完食ついでにチャーハンも1/3量くらいごっそり平らげた。夕食も食べずに寝たので私の風邪を伝染しちゃったかなと心配だったのだけれど、今日は朝から元気で何より。

食後はぷらぷらとお買い物して、帰宅。

ラフテー
ブリの照り焼き
ほうれん草のおひたし
玉子焼き・もろきゅう
チャンジャ
大根と油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール(モルツ)

午後は猛烈に眠くなって、ひたすら昼寝。早起きしたところにビール飲んじゃったものだから、それはそれは気持ちよく安らかに4時間も寝てしまった。明日は沖縄そばを食べよう!と豚バラ肉を買ってきたのだけれど、そのラフテーの仕込みもうっちゃってこんこんと熟睡。6時に目覚めると、だんなも横でぐーぐー寝ていた。寝ていたんだけど、台所のコンロにはラフテーができあがり、別鍋に豚の茹で汁や鰹だしがちゃんと入っている。おお、素晴らしい。だんな、どうもありがとう。

夕飯は魚が良いねと美味しそうなブリを買ってきた。ほうれん草も買ってきた。照り焼きとおひたしと、大根の味噌汁と御飯でいいねー……と言いつつ簡単に準備を始めたのだけれど、残っていた玉子焼きを出したり、刻みきゅうりに味噌とマヨネーズ添えたり、チャンジャも出して……とあれこれテーブルに並べていたらけっこうな御馳走になった。できあがったばかりのラフテーも、ビールの肴に小さな2切れ。

醤油と味醂の和食の味がそろそろ恋しくなってきたところだったので、甘じょっぱい照り焼きもおひたしもしみじみ美味しかった。

2月19日 日曜日
だんなのリクエストにより、沖縄そば
「サンジェルマン」の
 コーンパン
 クリームパン
カフェオレ

昨日、おもいっきり空腹な時に買ってしまったパン各種。焼きたての香りがぷんぷん漂ってきたコーンパンに引き寄せられて、
「あ、あ、あ、美味しそう……コーンパン、美味しそう……これ、食べたい……」
と、たまたま立ち寄ったスーパー内の「サンジェルマン」に引き寄せられてしまったのだった。

サンジェルマンは、私が子供の頃に住んでいた町の最寄り駅の駅前にあったパン屋さん。小中学生の頃は、一週間に3日くらいこのお店のパンを朝御飯に食べていた記憶がある。ツナとマヨネーズが乗ったパンが大好きだったんだよなぁ……と棚を見渡したのだけれど、残念ながら思い出の品は見つからず。私はコーンパンと共にクリームパンをトレイに乗せた。

私やだんなと同じく空腹だったらしい息子は
「あのね、いっぱい食べたいの。いっぱい食べたいのがあるの。買ってもいい?」
と。一体何がそんなに食べたいんだと聞けば、コーンパンと、レーズンパンと、メロンクリームパン(メロンパンが横両断になって、間にホイップクリームが塗られている)だそうで。メロンクリームパン以外はそれなりに日持ちもしそうだしよろしいんじゃないでしょうか?とその3種類を買ってやった。だんなはだんなでタルタルソースがけ白身魚のフライが乗ったパンなど選択していて、全体的にごっつい感じ。

クリームパンは可もなく不可もなく、という味だったのだけれど、コーンパンはすんばらしく美味しかった。コーンパンはJohan最強と思っていたのだけれど、サンジェルマンのもすんばらしい。しっとりもっちりした塩味のパンにコーンの甘さが全面に染み渡っていて、温めると粉とコーンの香りが立ち上る。うんうん、これは美味しい〜と御機嫌になりつつ、もぐもぐもぐ。

クーブイリチー
らふてぇそば
じゅーしぃ
ビール(モルツ)

今日は週末なれど、息子の音楽教室で「発表会のための特別練習」を。普通、音楽教室は女の子の率が圧倒的に高いと思うのだけれど、息子のクラスはどういうわけか女の子が0人。男の子だけが並んでピアノの前でラララ〜と歌を歌い、エレクトーンを弾くという面白いことになっている。男の子ばかりということを活かした元気な曲がいいねとサンバアレンジの曲を弾くことになったのだけれど、これまで体験したことのないリズムに全員が軽くパニック気味だ。ばちっと決まったらこれ以上なくかっこいい曲になるんだけどなー……がんばれるかなー……がんばれよー……。

特別練習はそう長い時間ではなかったのだけれど、なんとなくバタバタした1日。夕御飯は、昨日だんなが仕込んでくれたらふてぇを使って、沖縄料理をいくつか。

角煮を煮たなら作らねばならぬのが「クーブイリチー」。刻み昆布を甘辛醤油味で炒め煮するのだけれど、角煮にした肉とタレがあると最高に美味しくなる。今日は切り干し大根と人参、油揚げを入れてみた。角煮のたれを中華鍋に熱し、刻み昆布と切り干し大根、適当にみじん切りにしたにんじんと、細切りにした油揚げ、細かく切った角煮を投入。本当はこんにゃくも入れると良いのだけれど、うっかり忘れてしまった。適当に味を染みこませるように全体を馴染ませたら、鰹だしをひたひたに足して昆布が軟らかくなるまでことことと煮込む。

角煮がたっぷりあったので、更に今日は一度作ってみたいと思っていた「じゅーしぃ」(炊き込み御飯)を。いまいち、これというレシピが見つからなかったので、いくつかのホームぺージと写真などを見て、やや自己流に作ってしまった。
米を研いで羽釜に入れ、干し椎茸の戻し汁を100ccくらいと、あとは鰹だしと豚の茹で汁を半量ずつ合わせたもので米の分量に合った水位に調整する。そこに刻んだ角煮とみじん切りにしたにんじん、戻して刻んだ干し椎茸を加え、「……あ、刻み昆布も入れるって書いてあった……」と思い出して、クーブイリチーの鍋からおもむろに昆布だけを少しだけ羽釜に移してみた。あとは炊くだけ。

そして沖縄そば。鰹だしと豚の茹で汁がベースになったスープに独特な黄色の太麺(←沖縄食材屋さんで安売りしていた時に買ってきて、冷凍保存しておいた)、茹でたほうれん草とらふてぇをトッピング。スープは案外とあっさりしていて、でも角煮が乗ってコテコテもしている優しい味のおそばだ。昨日も息子はラーメンを食べたはずなのだけれど、
「あー!ぼくねぇ、こういうおそば、食べたかったんだよー」
と絶賛してくれた。

昆布もりもりつつきつつ、予想以上に美味しくできあがったじゅーしぃは茶碗にほんの少しだけよそって堪能しつつ、メインの沖縄そばをしっかりたっぷりいただいた。見た目以上に胃袋で膨れる沖縄そばは、1袋1人前で充分腹一杯になる。黄色い麺を啜り終える頃にはすっかりお腹一杯になっちゃって、そして羽釜にはじゅーしぃがどっさり残った。……これは明日の朝御飯かなー……。