麦茶
朝起きて、卵(息子の弁当用)を茹でて、パスタ用の鍋にたっぷりの湯を沸かして。「今日はおべんといらないよ」とだんなから言われていて、だから息子の分だけのお弁当をと、今日の弁当メニューはサンドイッチ。
朝御飯は、千趣会から毎月届いているさぬきうどんから、「山下」のうどん。十数分茹でたうどんを一度水で揉んでキュッと締め、それをまた湯に入れて温めてからどんぶりに。添付の濃縮だしは60ccの湯でのばして、上からぶっかける。今日は朝から冷たい雨がけっこうな勢いで降り続いていて、気温も慌てて長袖の服を出さねばならないほどに低い。さぬきうどんは"ひやひや"が好きだなぁと思っている私も、今日みたいな気候だと熱いうどんに熱いだしの"あつあつ"がしみじみと美味しく感じられる。
「……ああ、水で一度締めると、やっぱり違うね。キュキュッとするね」
「コシがシャッキリした感じで、これもいいね。釜揚げも好きだけど」
そんな事を話しながら、断面が綺麗に四角でちょっと長めなモチモチ麺を平らげた。
……雨、止みそうにないねぇ。
なすの揚げ煮
茗荷の甘酢漬け
玄米入り御飯
味噌汁(インスタント)
冷茶
一人の昼御飯。お弁当もなく、
「昨日作った茄子の揚げ煮もあるしー、御飯チンして……あ、餃子食べなきゃ、食べてレポートしなきゃ」
と、思い出して冷凍餃子を焼くことに。朝に続いて昼も千趣会ものになってしまったわと思いつつスキレットを火にかけて煙が出るまで熱する。
冷凍うどんについてきたパンフレットに載っていた「モニター募集」がたまたま目について、申し込んでみたのが半年くらい前。私、くじ運懸賞運はあんまり強くないけど、でもどういうわけか食べ物関係はけっこう当たるのよね……なんて考えながらダメもとで申し込んだら、それが通ってしまったのだった。3ヶ月前から、月に一度45個の餃子が我が家にやってきて、それを食べて感想を送信しなければならない。45個だと聞いていたけれど、なぜか昨月今月は2軒分の餃子が一気に届いていて(90個とか105個とかの餃子が一気に……)、届くなり冷凍庫がぎゅうぎゅう詰めの嬉しいやら困るやらな状態が続いているのだった。週末に1軒分の一口餃子は試食したから、もう1軒の分を早めに食べてアンケートを書かなければならぬのだ。
「とは言うもののー。……困ったぞ。ここ何年か、餃子を焼くことがなかったぞ」
スキレットをコンロにかけたところで、そんな現実に直面。「その料理をより愛するものがその料理を作るべし」の我が家の掟にのっとり、餃子を焼くのは自家製・冷凍に関わらず、ずっとずっとだんなが焼いていてくれたのだった。だんな不在の時に私一人が餃子を食べるという状況は一度もなかったので、ゆえに私は餃子を焼いた経験がここ数年、全くない。確か結婚して最初の1年か2年は私が焼いていたような気がするのだけれど、掟の成立と共に私は餃子焼きの道からは遠ざかっていたのだった。
これだけあれこれ焼いたり煮たりしているのに餃子が焼けないというのも情けないなぁ……と、だんなの行動を思い出しながらスキレットに冷凍餃子を並べていく。火は終始強火で、まずは下面にこんがりと焼き色がつくまで加熱。いーい具合に焼き色がついたら、お湯を100ccばかり一気に注いで蓋をする。蒸気で一気に蒸し上げて、シューシューの音がパチパチに変化したら蓋を取り去り、最後に風味づけに少しの胡麻油。だんなが焼いてくれるものにはちょっと及ばなかったけれど、それなりに美味しそうな焼き色のアツアツ餃子が焼き上がった。
餃子定食の完成でーす、ぱちぱちぱち、と小さく呟き、チンした御飯とインスタントの味噌汁と、あとは茄子とか茗荷とかを冷蔵庫から出して食卓に並べる。一人でダイニングテーブルについて食事するのはちょっと寂しいので、一人飯の時は大抵居間のちゃぶ台で。午前中は消していたテレビをつけて、麦茶のポットを脇に持ってきて、クピクピ麦茶飲みながら食事した。醤油と味醂と酢と砂糖と豆板醤のタレにつけこんだ茄子の揚げ煮が、昨日から更にこっくりと味が染みていてめちゃめちゃ美味しかった。
水菜とイイダコのサラダ
コーンスープ(インスタント)
アイスティー
プリプリと大きな大量の茗荷は、まだまだ冷蔵庫に。ここぞとばかりに茗荷料理を致しましょう、と、今晩は冷製パスタにすることにした。本当ならこんなに涼しい日じゃなくて、汗の噴き出るカーッと暑い日の方が冷製パスタは似合うのだけれど、あまり気にせず作ることにする。幸い、材料のアジも安売りしてたし、ついでに1パック200円のイイダコもサラダにできるかなと買ってきてみて、今日はほのかにイタリアンな夕御飯。美味しくできたのに、だんなは激ジョブで一緒に食べることはできなかった。しょぼん。
アジと茗荷のパスタは、イタリアンの料理人日高良実さんのレシピだったと思う。アジは3枚におろしてから塩をしてしばらく置いてから身をそぎ切りにし、きゅうりと茗荷は千切り。それらをあわせて風味の良いオリーブ油をかけておく。パスタ(ごく普通のスパゲッティを使っちゃったけど、本当は細めのものがいいはず……)は表示より1分ほど長く茹でてから流水で冷まし、更に氷水にさらしてキーンと冷やす。しっかりしっかり水気を切って、アジや野菜と和えればできあがり。もっとこう、繊細な外見の、イタリアンのコースで2口分ほどちんまりと出てくるような上品なレシピだったと思うのだけれど、できあがったのは、麺は太いは魚の切り身も大きめだわ、キュウリも茗荷もザクザク大ぶりだわの、何やらバボーンと大雑把な料理だった。……うーん、おかしい。私の考えていたものと、なんだかちょっと違う。
イイダコは、ざく切りにした水菜と合わせて適当に調味。オリーブ油かけて、ザクロのビネガー(バルサミコ酢に似ていて、風味が良くてとっても美味しい。友人のアメリカ西海岸土産)かけて、あとは塩と胡椒と少しの砂糖で調味。ちと酸味が物足りなかったので、先日料理に使った残りのシークワーサーをキュキュッと絞って果汁を加えてみた。隠し味に数滴の醤油も垂らして、かくしてイタリアンだかなんだか微妙な風味のサラダに。
こういう料理にはあっさりしたコンソメスープが似合いそうだなと思ったのだけれど、息子に
「ねぇねおかあさん。こんど、あのスープ飲もうって、やくそくしたよね?」
と食事前にリクエストされ、コーン味のカップスープを出すことになった。
見かけはちょっとビミョーだったけれど、アジの冷製パスタは思った以上に美味しかった。味つけはオリーブ油と塩だけで何も変わったことはしていないのだけれど、アジと茗荷の組み合わせはとても良く似合う。キュウリはシャキシャキ茗荷もシャキシャキで、口当たりもすてき。久しぶりにアジを買ってきて頭を落として内臓掻き出して3枚におろして……という作業をしたけれど、思いの外すらすらとさばく事ができてちょっと満足。あとは、中骨のところを透けるような薄さに3枚におろせると格好良いんだけどな。涼しくなってきたことだし、丸魚買ってきてせっせとさばいて技術向上に努めたいところ(夏場は、魚を素手でベタベタ触りまくるのはよろしくないかしらと、魚屋さん任せにしていたの……)。
ハムチーズパン1/2個
ホットココア
しまったー。昨日、だんなの分も含めて3種類のパンを買ってきてあったのに、
「朝御飯は、パンがあるからね」
の一言をだんなに伝えるのをすっかり忘れてしまっていた。ジムに向かうであろうだんなのために、ちゃんとハムチーズパンを買っておいたのになぁ……とほほほほ。
「ぼくのはー、メロンパンでしょ。おかあさんのはー、おいものパンでしょ。……これは?」
「うん、これねー。お父さん用に買ってきたんだけど、"これがあるから食べてってね"って言うのをすっかり忘れてたんだよ」
「あらまぁ。どうしましょー」
「食べちゃいましょう」
「うん、たべちゃいましょー」
誰も止めるものもおらず、息子と私の2人でだんなの分のパンを半分こして食べてしまう。
スイートポテトが詰まったパイと、チーズとハムのパン。今日の涼しさもかなり本格的で、1年ぶりくらいな気がするホットココアを作って添えた。甘さのついていないココアと砂糖をマグカップに入れ、ほんの少しのお湯を入れてしっかりと練って溶かす。ホーローの鍋で沸かしたミルクをたっぷり注いでよーっくかき混ぜてできあがり。久しぶりに作ったら加減がいまいちわからなくてちょっと甘さ強めにできあがってしまった。甘〜いホットココアにモハモハモコモコした口当たりのスイートポテトパイ。なんとなく味の味。
アイスティー
弁当なしの、一人の昼御飯。サンドイッチ用のパンが余ってるなー、でもホットサンドって感じじゃないよねぇ……と、今日はBLT(ベーコン・レタス・トマト)サンド。薄切りベーコンをフライパンにぎゅうぎゅう押しつけながらカリッと焼いて、バリバリちぎったレタスと薄切りにしたトマトと一緒にパンに挟む。ちょっと固くなりかけていたパンはバターをしっかり塗ってトースターでこんがり焼いた。ベーコンはなかなか良い具合にバリバリに固く焼き上がり、そのバリバリのベーコンをバリッと焼き上がったパンに挟んで野菜もたっぷり。塩胡椒だけで食べても美味しいけど、ちょろっとマヨネーズも絞ってみた。
ペロッと薄い肉一枚でしかないのに、ベーコンはインパクトのある味で本当に便利。ひじきを炒め煮するときにちょっと加えるとコクが出るし、きんぴらごぼうに入れたりすることもある。シンプルにベーコンエッグも美味しいしね。
茗荷のバター炒め
茄子の揚げ煮・茗荷の甘酢漬け
「魚久」の粕漬け(金目鯛・鱈)
さつまいもと油揚げの味噌汁
栗御飯
ビール(モルツ)・日本酒(一の蔵・すず音)
メロン
午後に立ち寄ったスーパーで、今日はさんまが80円。
「安っ!……しかも、でっかいなーブリブリしてるなー……」
その場でだんなに連絡して
「今日、帰れそう?さんまが安いんだけど、君の分はどうしようかなと思って」
と聞いてみる。
「うーん……今日も忙しいから、多分無理」
という返事。しょぼーんしょぼーんと、しょうがないので私の分と息子の分、2尾買って帰ってきた。いよいよ野菜や果物の品揃えは秋から冬へという感じになりつつあって、栗やさつまいもがお買い得。大根もお買い得。コテコテに秋っぽいものを食べたい気分だったので、栗もさつまいもも買ってきた。
で、栗は茹でて剥いて栗御飯に。
そういや生栗を買って調理することってこれまであんまりなかったわと、剥くところでいきなり挫折。どうすりゃいいんだこりゃ、と天を仰ぎたくなるほどに皮が上手に剥けない。鬼皮もハサミでチョンというわけにいかないし、渋皮はどうやっても手じゃ剥けないし。
「あはは……ペロッて簡単に剥けるもんじゃないのね、これ……」
と、慌ててGoogleで検索して「60度くらいのお湯に5分つけると鬼皮は簡単に剥ける」ということを学習する。渋皮は、ナイフでこそぐのが結局一番早いらしい。10個くらい剥くうちになんとかコツがつかめてきて、40粒ほどの栗をなんとか1時間ほどかけて剥き終える。そのうちの1/3ほどを、今日の夕飯に栗御飯でいただくことにした。栗は塩と味醂を軽くまぶして数十分おき、餅米を1/6ほどの分量混ぜた白米に混ぜて炊きあげる。自分で剥いた栗はかなり不格好ながら、なんとか栗御飯のできあがり。栗の残りは明日お菓子にするか、鶏肉と一緒に甘辛く煮ておかずにするか、どっちかにしよう。
さつまいもは、味噌汁に。長ねぎと油揚げと一緒にゴロッと大きく切ったさつまいもを煮て、味噌は心もち多めに溶いて濃いめの味に。まだまだどっさりある茗荷は、薄切りにしてバターで炒めてちらっと醤油をかけて御飯の供に。あとはさんまを焼けばいいや……とおおむね準備を整えたところで、だんなが帰ってきてくれた。なんでもお昼に銀座の「魚久」で御飯を食べてそうで、お土産に銀座店限定の粕漬けセットを手にしている。
「粕漬け、焼いて食べるじゃ!」
「……さんまもあるけど?」
「でも、これも焼くのだ!」
「うん、そうだね」
と、さんまを焼いたコンロで引き続き粕漬けも焼いていく。早々にビールを飲み干した後は「すず音」(まるでジュースのようにくいくい飲める発泡の日本酒)を開けて、金目鯛の粕漬けを焼いては呑み、鱈の粕漬けを焼いては呑み。さんま用の長皿から完全にしっぽがはみ出てしまうほどの大きさの旬のさんまも最高に美味しかったけれど、魚久の粕漬けもやっぱり最高に美味しかった。漬けられ、適度に水気が抜けてキュキュッとした歯ごたえになっている魚の切り身は、でも口の中でとろけてしまう柔らかさ。上品な酒粕の香りがぷんと漂ってきて、800円のこのパック(鮭と鱈と金目鯛とイカのセット)1つでこんだけ幸せな気分が味わえるなら安いものかもしれない。
期せずして、酒の席になってしまった今晩の夕御飯。バターがジュワッと染みた茗荷の炒め物も、ビールが美味しく飲める味(茗荷をどっさりいただきました、と先日の日記に書いたら、バター炒めにすると旨いですよーと教えてくださった方がいたのだった。どうもありがとう〜)。クタッとしているから何個でも食べられてしまう。
さんま食べて栗食べてさつまいもも食べて日本酒飲んで、いよいよ夏は遙か彼方に過ぎ去った気分。あと1回くらいは食べておきたかったなと思っていたけど、もう果物屋さんから桃も消えてしまった。今度は梨が消え去る前にせっせと食べなければ。
アイスカフェオレ
なんだか最近、やたらと眠い。寒くなってきて布団の暖かさが身に染みているのかもしれない。今日はだんなもお弁当を作ってもらいたそうだったのだけれど、
「……ダメ、起きられない……」
と断念した。息子には栗御飯のおにぎりその他ちょこちょこ詰めた適当なお弁当を作成。お弁当を作るのはそれほど嫌いじゃないけれど、でも毎日絶対ということになるとこんなにめんどくさいもんなのだなぁ……と、春になって小学校に入学することを母の私はそれはそれは待ち遠しく思っている。ああ、保育園はどこも給食で楽だったなぁ。
そんな感じに今朝は腑抜けていたので、朝食もその腑抜けが全面的に押し出された内容に。昨日買ってきた小ぶりの食パンのようなテーブルパンを厚めにスライスしてバタートーストに。腑抜けているので卵料理とか温かいスープを用意するのもめんどくさく、
「ねむいね」
「うん、ねむい……」
とかなんとか言いながらカフェオレとバタートーストだけの朝御飯になった。たまにはこんな朝御飯も良いけど、でもこれだと午前10時頃にはお腹がぺこぺこになっちゃって、もう。
豚丼大盛
やる気がいまひとつなく、しかも雨まで降ってきてますますやる気のなさに拍車がかかる今日だけれど、水曜はスポーツジムに行くことにしてるのだ。がんばって気力をふり絞り、傘さして外出。
運動前に何か胃に入れておかなきゃ途中で燃料切れになっちゃいそう、と、寄っていったのはいつもの吉野家。並盛豚丼に卵とキムチをつけて……と注文しようとしたのだけれど、白い御飯の方をお腹いっぱい詰め込みたい気分だったので卵なしキムチなしで大盛を。まだ昼には早い時間の吉野家は、他にお客が誰もいなくて貸し切り状態だった。
学生時代には「一人で入るのなんて、恥ずかしいー」と、興味があったのに全然入れなかったこのお店だけれど、今はもう近所の店もどこのお店も、たとえ築地にある第一号店でも一人で入れると思う。こういうのは一度入ってしまえば後はどうってことないもので、
「たくましくなっちゃったわねぇ……」
なんて内心呟きつつ、たくましく大盛豚丼をかっこんだ。ああ、早く牛丼が復活しないかな。やっぱりあの味が懐かしい。
コールスローサラダ
茗荷の甘酢漬け
さつまいもと油揚げの味噌汁
玄米入り御飯
麦茶
オレンジ
昨日の晩、苦労して苦労しまくって剥いた栗がまだまだどっさり。安売りの手羽元肉を買ってきてあったので、
「これと栗を甘辛く煮付けたらきっと美味しい〜」
と、適当に煮付けてみることにした。鍋に薄くサラダ油ひいて煙が出るまで熱したら、手羽肉を全面よーっく炒める。しっかり焦げ目がついたら、栗を加えて水を加えて、醤油と酒と味醂を同量ずつ入れて、あとは中火で炊いていく。こういう煮物は生栗じゃなくて甘露煮の栗を使っても美味しいし、実はそっちの方が私は好きなのだけれど、今日は生栗を美味しく調理してみよう、ということで。20分ほど火を通したら、いい感じにテラッと煮詰まった。
今日は確実にだんなは遅いということだったので、昨夜の味噌汁を温めて出し、御飯も冷凍ものをチンするだけで。おかずと御飯と味噌汁だけじゃさすがに食卓が寂しげだったので、刻みキャベツと玉ねぎとにんじんときゅうりを塩で揉んでサラダ油と酢と少しの砂糖でざっと和え、少しのマヨネーズで風味づけしたコールスローサラダも準備。茗荷の甘酢漬けも出して箸休めにぽりぽりつまみながら、甘辛こってり味の煮物を息子と一緒にばくばく食べた。骨つき肉は、食べるところは少ないけれど「肉食べてるぞ」感がすごく高まるので時々無性に食べたくなる。スペアリブとかラムチョップも大好物だけれど、鶏の手羽肉も格別だ。手羽先もいいし、ちょっと食べるとこ多めの手羽元も大好き。
「おかーさん……手がね、べったべた……」
「うんいいよ、手で食べちゃいな。おてふきいっぱい出しておくから」
最初は濡らしたタオルで手を拭いていたのだけれど、途中からそれでは手のベタベタがぬぐいきれなくなってキッチンペーパーで手と口をごしごし拭きながら手羽肉を囓り、食卓の上は情緒もへったくれもなくなってしまったのだった。
デザートには、息子にせがまれて買ってきたオレンジを1個。
「オレンジ、たべたいなーたべたいなーたべたいなー。おねがいしまーす、おねがいしまーす」
と何度も頼まれて買ってきたのだけれど、聞けば箱入りのチョコ菓子よりフルーチェよりもオレンジが良いのだとか。オレンジは甘くて美味しかったけれど、でも私はチョコ菓子とかフルーチェの方がオレンジより好物だから、息子の嗜好にちょっとびっくり。
食パン
アイスカフェオレ
オレンジ
今日は朝からお弁当作り。日付が変わってから帰ってきただんなとは昨夜全然話はできなかったのだけれど、パソコンの画面に
「シャワー浴びたいから7時前に起こしてー」
というメモ書きが。そっか、お風呂入れんかったかー、と風呂のスイッチを入れて温めてから弁当作成。作り置きのものも使って、今朝準備したおかずはたったの1品。簡単にできあがった。
だんなが風呂から上がるのを待って、フライパンでベーコンをじくじく炒める。上に卵を割り落として半熟の目玉焼きにし、昨日も食べたふわふわ食パンを添える。たまごはいらないー、と言われた息子には、ピーナッツバターを塗ったそのパンを。カフェオレ飲んで、昨夜の残りのオレンジ食べて、ちょっとだけのんびりした朝御飯が楽しめた。でも、スーパーで買ってきたパンじゃなくてパン屋さんの美味しいパンが食べたいな。……今日買ってこようかしらん。
栗御飯
牛肉とピーマンのオイスターソース炒め
茄子の揚げ煮
プチトマト
麦茶
今日のお弁当は、一昨日炊いた栗御飯。栗御飯にそこそこ似合うおかずってどんなのだろう……と考え、牛肉とピーマンをオイスターソースで炒めることにした。牛肉と茄子を生姜と一緒に甘辛く炊いたものにしようかなとも思ったのだけれど、"茄子の揚げ煮"を詰めようと思っていたので茄子ものは断念。
御飯詰めて、牛肉炒め詰めて、脇には茄子の揚げ煮を添える。私と息子の弁当は小さめだけれど、だんなの弁当箱にはまだまだ隙間があるな……と、昨夜煮つけた手羽と栗の煮物も詰めた。全体的に茶色っぽい色合いのおかずばかりになったので、彩りにプチトマトを1個。栗御飯の上からは黒胡麻をバラバラッとかけた。
餅米を混ぜて炊いた栗御飯は、冷めてもそれほど固くなっておらずに美味しく食べられた。牛肉とピーマンのオイスターソース炒めとも、そこそこ味が似合っている。今日もまた、いまいち子供っぽくない外見の弁当になってしまったけれど(その分、息子の分だけの弁当を作る日はコーンと卵のサンドイッチとか唐揚げとかを詰めているわけだけど)、ちゃんと息子は食べてくれたかしら。今日のピーマンはパキパキとした食感のある、かなり分厚くかなり苦みが感じられる、強〜い味のものだったけれども、残さず食べたかな?
牛タン焼とろろ定食(1.5) \2100
今日は午後から仕事先の溜池の事務所に顔を出す予定。んが、いつも息子をみていてくれるお義母さんの都合が悪く、今日はどうも時間がかかりそうで幼稚園の延長保育を頼んだとしてもその時間内に帰って来られるか怪しいところ。ならばいっそ、と、
「……今日、お母さん仕事なんだけどさ。……ついてくる?お母さんの会社、見たい?」
「ついてくー。見たいー」
ということになった。"会社"とか"オフィス"という表現はとても似合わない小さな事務所。事務所というより「アジト」という感じ。人も、多くて数人、私が行く時には大抵ボスが1人とかバイトの学生君が1人とか、下手すると誰もいないか……というような場所だ。スーツなんて着ている人は誰もいなくて、ボスは「GUAM」なんてでっかいロゴの入ったテレテレのTシャツ着ていたりする、なんともヌル〜イ雰囲気の会社なのだった。で、「夏休みとか、お子さん連れてきちゃってもいいよー」と以前からボスにも言われていたので、じゃあ連れていっちゃおう、ということに。
珍しく、今日の事務所には学生くん2人とボスが1人。今、携帯用の占い有料サイトを手がけているのだけれど(携帯用のホームページデザインなんてやったことないよ……)、その占いのロジックをどうプログラム化するのかについてあれこれあれこれ話し合う。途中、近くに事務所のあるその占い師さんも事務所にやってくる。生年月日からその人の道筋を言い当てる占い(というか診断?)なのだけれど、なんと息子が持つ数が「999」の「選ばれし者」だということが判明した。なんか、選ばれし星の下に産まれたのだとかなんとかで、政治家とか指導者に多く出る数なのだとか。
「君!君、すごいよ。私と握手しようっ!」
「え……?あくしゅ……?」
「はい、握手、握手」
いきなり占い師の先生(ちなみにこの先生も999なのだそうで……)に手を取られて戸惑っている息子。「ぜひ、お母さん(私だ)とお父さん(だんなだ)の生年月日も」と言うのでお話したところ、私の「数」もそこそこすごく(191で、色で示すと金と銀で構成されたものなのだそうで……)、だんなの「数」と併せてなんちゃらという数を出すと、これがまた「999」になって、
「産まれるべくして産まれたお子さんです」
なんですって。名前もかなり良いんですって。もうわけわからない。
「でもね、うちの息子の名前、姓名診断で"変人奇運の相"って出てたんですよ。それ見て、"これだ!"と思ったわけですが」
と笑いながら伝えると、
「そう、それでいいんですっ!」
と太鼓判を押された。ふーん、この子が指導者の星の下ねぇ……「きっと早くに家を出ますよ」と言われたけど、なんだかなぁ……。
「あなた、あなたのお父さんとお母さんの生年月日も持ってきてくださいよ。来週?来週いらっしゃるの?お待ちしてるから」
最後には私の父母の生年月日を持ってくることも約束させられ、妙にカリスマオーラがもわもわと漂っていらっしゃった先生に無料でたーっぷり占いの世界の講義をしていただき、なんだか得した気分。悪い事は言われなかったし、「すごく悪い」とか「すごく良い」とかって極端な結果はなんだかそれだけで得した気分。でも、母はともかく、父の生年月日なんて私知らないわよ……母に電話して聞くのかなぁ、うーん。
そんな色々と愉快な事もあって、結局事務所を出たのは6時半も過ぎた頃。だんなに電話して、
「今、事務所出たけどー。帰れそう?帰れなさそう?夕飯だけでも一緒に食べる?」
と御連絡。溜池から新橋方面に向かって銀座線2駅分の距離を息子と一緒にてくてくてくてく歩き、途中だんなと合流して夕食だけ一緒に摂った。
「どこ行きたい?近くに和幸があるけど。揚げ物が恋しいって言ってなかった?」
「でも、和幸はヤダよー。せっかくこっちまで来たんだから、ならではってものを食べたいよー」
「……うーん、この界隈は夜には閉まっちゃうお店が多いんだよね……」
ごにょごにょ相談しつつ、連れてってもらったのは仙台に本店のある牛タンのお店、味太助の分店。仙台の牛タンと言えば、厚切りにしたタンを塩焼きにして塩揉みキャベツのような漬物を添え、味噌をつけた唐辛子を添え、テールスープにとろろの麦飯、という組み合わせを思い出す。そこはそういうそのまんまの組み合わせの料理が食べられる店。私はここに来るのは初めてだ。
だんなはタンシチューのセット、私は牛タン焼きのセット。たん焼き1.5人前と和風テールスープと麦めしと漬物、とろろがセットになって2100円。たん焼きが1人前になると1700円だ。あんまりお安くはないけれど、食べ応えのある満足な内容のセットだった。息子はスモークタン1皿と、どんぶり麦飯を1膳。
シコシコキュッキュとした、独特の柔らかいゴムのような歯触りの厚切り牛タン。塩味がガツンとついていて、1切れで御飯が2口くらいいただける。箸休めに漬物と唐辛子の味噌漬けも良い感じ。白髪葱をこれでもかと散らしたテールスープは淡泊と感じるほどに油っ気が抜けていて、すごくあっさりしていた。刻み海苔が散らされた淡い優しい味のとろろをどんぶりに入った麦飯にたーっぷりかけていただく。牛タンととろろ麦飯って、なんでこんなに似合うのだろう。美味しいわ美味しいわ、と1.5人前のタンをばくばくつまみ、だんなにタン焼きを分ける代わりにシチューも一口。ほろんと口の中で溶けていく牛タンもそれはそれで美味しかったけど、でもシチューは東銀座の「銀の塔」の味の方が好みかな。あそこもしばらく行っていない。
だんなはこのまままた職場に戻るということで、ビールも飲まず、デザートも摂らずのちゃちゃっと済ませた夕御飯。
「えー?おとうさん、またお仕事いっちゃうの?ぼくといっしょに、かえらないの?」
「うん、お父さん、お仕事なんだよ」
「おうちでお仕事すれば、いいじゃない?でね、つかれたらね、ソファーでねればいいじゃない?」
「……お父さんは、お母さんと違っておうちじゃお仕事できないんだよー」
「え〜〜〜〜」
せっかくお父さんと夕御飯が食べられたのに……とショックが隠しきれない運命の星の下に産まれた幼児を引きずって、新橋から満員電車に揺られて帰宅した。