食欲魔人日記 01年06月 第4週
6/18 (月)
マフィンサンド (夕御飯)
だんな特製ホットドッグ
アイスティー

どうもだんなは、
「パン売り場でドッグパンを見たら買わねばならず、ホットドッグを作らねばならない」
という遺伝子情報でも持ち合わせているらしい。

週末に表参道の紀伊国屋に入った折、
「あ、マフィンが食べたいな」
とマフィンを手に取ったその直後、
「あ、あ、あ、こっちかな。こっちだな、うん。」
と彼はドッグパンに照準を合わせた。何もわざわざ紀伊国屋でドッグパンを買って表参道から千葉まで持ち帰らなくても良いではないかと思いつつ、それをやっちゃうのがだんなのホットドッグへの愛なのであった。結局はマフィンとドッグパンと両方買ってきたわけだけど。

そういうわけで、今朝はだんなが作ってくれたホットドッグ。キャベツをたっぷりのバターで炒め、軽くカレー粉ふってカレーの風味をつけたやつをドッグパンの底に敷き、ソーセージを乗せた上から更にとろけるチーズも乗せてトースターで焼く豪華なホットドッグだ。とろけたチーズと、表面1mmほどがカリッと焼けたパンが何とも良い感じ。バターの甘い香りとカレー粉の味がまた何とも良い感じ。

鶏そぼろ&卵そぼろ丼
鶏肉とごぼうの吸い物
アイスウーロン茶

今日は一日、私は裁縫していたのであった。和風の柄の巻きスカートが欲しく、でも探しても好みの柄のものは売っておらず、「ならば自分で作るのはどうか」とユザワヤ(←巨大手芸洋品店)にて沢山の布だの糸だのを買ってきたのだ。自慢じゃないけど、服を作るのは中学校の家庭科でパジャマを作って以来だ。しかもそのパジャマの襟部分は、家に持ち帰ってこっそり母にやってもらったという、情けないおまけまでついている。あまつさえ、その裁縫がメインだった学期の家庭科の成績は5段階評価で2だったような記憶もある。料理を主にやっていた学期は5だったのに。

そんな私が洋裁をやろうなどというのは、無謀きわまりないのであった。しかも最終目標は「チャイナカラーの服を作る」なのである。中学時代よりはじわじわと器用になっている(と思う、思いたい)自分の腕を信じて、とりあえず和風な青い生地にハサミを入れる私であった。
……いきなり、「できあがり線」をちょんぎってるし。「縫い代」はどこに行ってしまったのだ。ああ馬鹿。私の馬鹿。

などと七転八倒している今日の私は忙しかった。仕事の日よりも忙しい。慣れない作業に目が回る。
気がついたら1時も半を回るところで、そういえばさっきから空腹でめまいがしていたんだよなと思い出す。台所には昨夜の「きじ焼き丼」の残りのそぼろ類が残っていて、しかも炊飯器にも残り御飯がある。吸い物も残っている。
「……神の恵み♪」
とこの状況に感謝しつつ、1分で準備、3分で食事の昼御飯。

甘辛い鶏そぼろと、うっすら塩味の卵そぼろ。鶏そぼろは汁気多めにしっとり作っていたので、それが御飯にうまいこと染みてじわっと美味しい丼になった。

あああ、それにしてもひとまわり小さく切っちゃった布はどーすんだ、おい。

マフィンサンド
パック入りコーンクリームスープ
アイスカフェオレ
ハーゲンダッツのバニラアイスクリーム

午後5時半、だんなから「今日は遅くなるー」と電話があった。私はというと、なんとか1着目のスカートを作り上げた挙げ句、調子に乗って2着目のスカートを作成中だった。あとウエスト部分をバイアスでくるんで裾の始末したら完成だ。ぜーはー。保育園から帰ってきた息子はというと、ミシンの横で
「みしん?すかーと?」
と繰り返した挙げ句、
「おもしろい?おもしろい?」
と聞いてくるのだ。面白いけど難しいんです。

かくして、午後6時半を回ってスカート2着が完成した頃には真っ白に燃え尽きていた。
「すまん……息子……母は料理を作る気力がなくなったよ。」
「なくなったの?」
未だそれほど意味のわかっていない息子は優しい。あと2〜3年もしたらきっとブーブー言われることだろう。

先日買ってきたマフィンの残りをトーストして、ちょっと豪華めのサンドイッチにすることにした。バターをしっかり塗って、ハムとチーズ、レタスにゆで卵を積み上げて、最後にマヨネーズをにょろりと絞り出す。500mlの紙パック入りのコーンクリームスープも開けたら、どこか朝食のようだけどとりあえず食事っぽくなった。

紙パック入りのスープ、実は大好物なのである。夏に冷たく冷やしたやつを開けるのが何とも美味しい。コーンと生クリームの味たっぷりの濃厚なスープ500mlを息子と奪い合いつつ飲み干した。甘くて美味しいスープを飲みつつあったかいサンドイッチを食す。
「おいちーねー」
と言ってくれる息子に「手抜きですまん」ちくちく胸を痛めつつ、とりあえず食後に「……ハーゲンダッツのアイスクリーム、食べる?」なんて言ってみたりなんかして。

6/19 (火)
鮭ハラスのおろし醤油 (夕御飯)
チーズトースト
グレープフルーツ
アイスカフェオレ

今日は……なんか暑い。雨が降りそうというほどの空模様じゃないのに、湿度ばかりが高くてじめじめじめじめする。皮膚全体に厚さ1cmほどの生温かいスライムがまとわりついているような、そんな感じ。今日の大気はかなり不快だ。

こういう日に嬉しいのはグレープフルーツ。先日、だんなの実家に行ったときに「持っておいきなさい」と紙袋にグレープフルーツを2個、ごろんごろんとお義母さんが入れてくれたのだった。ああ、ありがたい。半割りのグレープフルーツがすっぽり入る大きさのガラスの器にグレープフルーツをごろりと入れ、「グレープフルーツスプーン」を構えてわしゃわしゃと食べる。ジャリジャリしていて、どこかしっとりしている上白糖をかけて食べるのがまた美味しいんだな。

田町 まぐろ市場にて
 ねぎとろいくら丼
 味噌汁

お仕事の今日、大学の研究室には新品のレーザープリンターとノートパソコンが届いていた。先週末、歯車が1個取れたレーザープリンターを前に
「元々古かったし買い換えちゃいましょう」
と言い、更に
「そうそう、自宅用にノートパソコンも欲しかったんですよ」
と続けた教授が購入した機器類だ。広くない研究室にパソコン4台がうじゃっと並ぶことになった。

「このパソコンにいつもお使いのパソコンからMyDocumentの中身を全て移して……そう、同じ環境にしてください。あと、そちらのNECの古いパソコンからもデータをコピーしておいてください。そちらのNECのは、もう捨てます。」
とさらりと教授はおっしゃるが、その「NECの古いパソコン」はWindows3.1すら入っていないMS-DOSマシンなのである。もう10年も前にコマンドプロンプトを駆使した記憶はあるけれど、COPYだのDIRだのを再び使うことになるとは思わなかった。黒くシンプル極まりない画面を眺めつつ、BACKUPコマンドを使って地道にシャーコシャーコとデータを吸い出す今日の私。

で、昼休みは「もうパソコンの前から逃げたくなってきた……」と大学内を抜け出すことにした。私の学生時代の頃にはなかったまぐろ丼専門店が2軒、裏門のそばで火花を飛ばし合っている。昼にはサラリーマンが列をなすその両店がちょっと気になっていたので、今日はそのうちの一軒「魚河岸 まぐろ市場」なる店に入ってみることにする。都心中心に展開しているチェーン店のようだ。づけ丼だのねぎとろ丼だののどんぶりメニューが並ぶ。

固定された丸いスツールが並ぶカウンターは、大人の男の人にはあまりにも狭いんじゃないかと思う程の空間だ。肩と肩がほとんどふれあいそうな間隔のその椅子の端がたまたま空いていたので腰掛ける。周囲は、全員兄ちゃんやおっちゃんだ。女性客、ゼロ。ちょっと肩身が狭い。赤茶けた髪の兄ちゃんに「ねぎとろいくら丼と、味噌汁ください」と告げてしばし待つ。昼過ぎて店内はどんどん人口密度が高くなり、それに比してカウンターの内側で働くお兄ちゃんたちの頭も煮えてきたようだ。手は動いているけど頭はいまいち動いてくれないようで、「ご注文、何にしましょ?」と私の2つ右隣に座っている大学生らしき兄ちゃんに3度も問いかけていた。そのたびに「あの……づけ丼の、大盛り……」と気弱そうに答えるお客の兄ちゃんの背中が悲しい。

2分ほど待って、どんぶり飯がやってきた。淡い酸味の酢飯の上にはどかっとねぎとろ。その上にうりゃっとイクラ。葱なども散らされているけど、具沢山というよりは「ちょっと物足りないかな」という分量。醤油を上からジャッとかけてがふがふと食べる。男性客が多い店はどこか静かで「さっと喰ってさっと出る」空気が流れている。カウンターの奥には既に客が列をなしはじめていて、私も無言でがふがふと喰って10分ほどで店を出たのであった。払ったお金は700円とちょっと。
ううーん、普通に美味しかったけど、もうちっと充実感があったらもっと嬉しかったような。今度はもう一店にも入ってみよう。

茹で枝豆
鮭ハラスのおろし醤油
冷や奴
わかめの味噌汁
御飯
ビール、アイスウーロン茶

7/1出発に向けて、じわりじわりと香港旅行が迫ってくる。我が家の献立は「中華料理禁止令」が密かに発動中だった。かの地に行くまでよほどの事がない限り、中華料理は避けねばならぬ。和食あたりを食べまくって、中華への憧憬を募らせなければならぬ。

今日もだんなは仕事が大変なことになっているらしく、息子と二人で夕御飯。「とにかく醤油味のものが食べたい」と、昨日買ってきた鮭ハラスを焼くことにした。ハラスは肉で言うバラの部分であるらしい。テレンと脂の乗った、濃厚なところだ。鮭のハラスをこんがり焼いて、おろし醤油で食べるとめちゃめちゃ美味しい。御飯に乗せるともっと美味しい。

焼き鮭に大根おろし。豆腐には鰹節と刻み葱とおろし生姜をたっぷり乗せて、ごくごく普通の冷や奴。作り置きの枝豆も並べたら、どこから見ても「晩酌にビールでしょう」という風景になってしまった。
「しょうがないよねー、枝豆に豆腐に焼き魚だもんねー」
と仕事中のだんなに聞こえるように呟いて、350mlの缶をプシッと開ける。いつもはこの350mlをだんなと2人で分けて飲んでいるので、1缶飲むのはどこかゴージャスな気分だ。

焼くことで尋常じゃない脂が染み出てきていたハラスは、ほろっと柔らかで美味しかった。ビールにも合うし、大根おろしごと御飯に乗せるのもまた何とも似合う。そういえば、息子はハラス初体験だったようで
「これ!これ!おいちーねえぇぇぇぇ。さかな、おいちーねえぇぇぇぇぇ。」
と妙に感動している模様だった。
一見、昨今はやりの「粗食」っぽい献立だったけど、実はカロリーが高かったようで。

6/20 (水)
肉詰めピーマン(ちょっと焦げちまったぜい) (夕御飯)
クリームコロネ
コーンマヨネーズパン
アイスカフェオレ

昨夜、だんなが帰ってきたのは日付が変わってからだった。だんな、可哀想。

私はというと、いつもなら寝ている時間だったけどベッドでごろごろしつつ『ジョジョの奇妙な冒険』など読み返しているのであった。帰ってきただんなと無駄話などしつつ寝たのは多分午前1時過ぎ。そういうわけで今朝はかなり眠かった。いつもより20分ほど遅く起きただんなが「寝てていーよー」と活動し始めたけど、自分一人寝てるのも申し訳ないと思ってとりあえず起きる。起きるけど、頭がボーっとして(※私は睡眠時間7時間以下でかなりしんどいのであります)、もう全然まったく動けない。ただただNHKなど見てぼぼぼぼぼーっとしている間に、だんなは自分で準備して御飯を食べてスープを飲んで、おかず代わりにかまぼこの薄切りなどをつまんで出勤していった。

夜起きて待っている妻と、毎朝ちゃんと起きて甲斐甲斐しく動く妻のどちらが理想的だろうか。両方やれればそりゃ理想的なんだろうけど、私はそこまで人間ができていないのであった。ぼぼぼぼぼー。

いつもより若干遅く息子を保育園に置いてきたついでに、パン屋で菓子パンを買ってきた。生クリームっぽい白いクリームが詰まったクリームコロネにコーンの上にマヨネーズがたっぷりかかったコーンマヨネーズパン。平日の午前中ならではのくだらぬテレビ番組など見つつ、相変わらず「ぼぼぼぼぼー」としながらパンを囓るのであった。あいやー、洗濯物もまだ干してないあるよ。

肉詰めピーマン with 千切りキャベツ
ロメインレタスとパプリカのサラダ
カレー風味のキャベツのスープ
御飯
モルツ、アイスウーロン茶

冷蔵庫内にややデンジャラスな風情のピーマンが7個ばかり入っているので、ならばと肉詰めピーマンを作ることにした。大量のピーマンを一気に食べるにはこれが一番な気がする。青椒牛肉絲などにしても6個は使わないだろうし。
パン粉を牛乳に浸したやつを少しばかりボウルに入れ、そこに合い挽き肉を放り込んでぺったぺったと練る。粘りが出たら半割のピーマンにぺたぺた詰めてフライパンで焼くだけだ。

そして、先日100円で売られていた国産ロメインレタスでシーザーズサラダもどき。
日記書き仲間のIさんのページで1週間ほど前に紹介されていた「テキトーなシーザーサラダ」のつくりかたがずっと気になっていたのだ。半熟卵やアンチョビやウスターソースが入るドレッシングは何やらとても美味しそう。ワインビネガーを使うドレッシングはちょっと酸味が強すぎるので、もっと良いドレッシングレシピはないものかと思っていたところだったのだ。

本来はバゲットを入れるのがシーザーズサラダの流儀だけど、ここは簡単に作ってしまうことにする。ロメインレタスをばりばり千切り、赤と黄色のパプリカとざくざく切って混ぜあわせ、カリカリベーコンはレンジでチンして手抜きに作り(クッキングペーパーに薄切りベーコンをくるんで数分チンするとカリカリベーコンになりまする)、具はそれだけ。沸騰してから2分ほどで引き上げたやわやわの半熟卵をボウルに入れ、すりおろしにんにくとレモン汁、アンチョビのみじん切りとウスターソース、塩胡椒を適当に混ぜる。最後にオリーブ油を上からチャーッと適当な量入れながら泡立て器で混ぜれば完成。何か怪しいウスターソースがかった色のドレッシングになったけど、味の方は上々だ。最後にパルメザンチーズの塊をガーリガーリガーリと野菜の上からドレッシングと一緒にかければできあがり。

肉詰めピーマンを焼くのは難しい。下手すると生焼けになるし、かと言って肉側を多く焼きすぎると今回のように焦げてしまうし、逆にピーマン側を焼きまくると肉が縮んでピーマンからカポッと外れてしまうのだ。最初にフライパンをカンカンに熱しないと焦げ付いてしまうし、で、なかなか上手いタイミングで焼くことができない私だった。もっと肉詰めピーマンと良好な友好関係を築きたいところである。

6/21 (木)
日本橋高島屋で買ってきた「らふてぇ」 (夕御飯)
卵御飯
カレー風味のキャベツのスープ
アイスウーロン茶

今日はばたばたと支度して外出の準備。新宿に行き、大量のマンゴプリンを収穫してくるのが今日の目的だ(←いや、別の目的もちゃんとある筈なんだけど……)。
なのに、こういう日に限って家族全員寝坊してしまうのは、日頃の行いが悪いからだろうか。8時になる直前に起きただんなはバタバタと「朝御飯は、マクドかどこかで済ませるわー」と出勤していき、私は息子と「ちゃちゃっと喰っちまおうねっ」と生卵ぶっかけ飯。

焦る日の朝は卵ぶっかけ飯が有り難い。白い御飯はねちねちもちもちして起き抜けの喉をいまいち通っていってくれないけれど、生卵を絡めた柔らかい御飯はさらっと食べられる。手抜きですまん!と心中息子に謝りつつ、いそいそと外出。

新宿 SPICE HEAVENにて
 スペシャルカレーランチ
 マンゴプリン
 マンゴーラッシー

本日の目的地は西新宿にあるパークタワー。コンランショップやインテリア系ショップが詰まった「OZONE」内で開催されているモビール展に、高校時代の同級生が作品を出展しているらしい。ついでに久しぶりのOZONEも色々覗いてこようというのが今日の目的。決してマンゴプリン探しが主目的じゃない……はずだ。多分。

10時半の開館直後に到着し、ぷらぷらと歩き回る。昼御飯はそのビルの地下食堂街に行ってみることにした。確か中華料理店に豪華マンゴプリンがあるらしいと、以前OZONEの情報誌で読んだ記憶がある。その店の前に行き、重厚そうな入口の前にあるメニューをめくると、しかし「マンゴプリン」の文字はない。
「いらっしゃいませ」
と白髪まじりの店員さんがこちらを向いたので、思わず
「あの……1ヶ月ほど前にこちらで美味しいマンゴプリンがある、と情報誌で読んだのですが」
と尋ねてみる。悲しいことに、止めてしまったのだそうだ。
「いまひとつ注文がなかったものですから……はい」
とのこと。平皿に美しく盛られたマンゴプリンはとても美味しそうだったのに、残念なことだ。

仕方がないのでそのままぷらぷらと地下飲食店街を再び歩く。「SPICE HEAVEN」というインド料理屋の店頭でカレー弁当などと共にマンゴプリンが売られているのをすかさずチェック。御飯はじゃあ中で食べようか、とそのお店に入ってみることにした。
カレーやサフランライス、ナンやサラダが食べ放題のランチブッフェをやっていたが、これからマンゴプリン数個を食すことを考えて慎ましくカレーセットにすることにした。好みのカレー1種を選び、ナンとサフランライスとサラダがついてきて970円ほど。10種類ばかり並ぶカレーメニューの中から「スパイスヘヴン特製海老カレー」を選択してみた。どうも「特製」という文字に弱い私。「10名様限り」とか「期間限定」とか「当店おすすめの」なんて文字にもちょっと弱かったりする。

やってきたのは、大皿にどかんと乗ったナンとサフランライス。にんじんの千切りがたっぷり乗ったサラダと、銀色の器に入った白っぽいカレー。カレーの中にはピーマンや玉ねぎなどと一緒に海老がごろごろ。サフランライスの横には玉ねぎの真っ赤なサラダとチャツネともちょっと違う赤いピューレ状のものもついていた。

カレーは、程良く辛かった。生クリームたっぷりという感じのもったりしたカレーは「スパイス天国」な店名に比していまいちスパイシーじゃなかったけれど、プリプリの海老が沢山入っていてそれが嬉しかった。カレーをサフランライスにぶっかけて食べ、ナンを浸して食べ、ついでにスプーンでそのまますくって食べ、15分ほどの昼飯終了。

食後は店頭で150円のマンゴプリンと100円のマンゴーラッシーを購入し、ビル内のベンチコーナーで一人デザートタイム。ちょっと風味が淡いマンゴプリンだったけれど、150円と思えば上々なのかもしれない。

新宿 パークハイアット東京内 THE PEAK LOUNGEにて
 マンゴープディングとココナッツタピオカソース
 アールグレイティー

食後、再びぷらぷら歩きつつ、パークハイアットホテルのケーキ売り場を覗いてみた。ここで売られているマンゴプリンは絶品だ。数年前は夏の間しか売られていなかったと思うけれど、最近は春秋あたりも長期間売られるようになってきた。人気があるらしい。

「そういえばロビー階のラウンジにもあると昨夏聞いた記憶が……」
と思い出し、試しにと41階ロビーフロアに行ってみることにした。あるある、「マンゴープディングとココナッツタピオカソース」1200円なりが。

つい30分ほど前に別のマンゴプリンを喰ったことはどこへやら、ソファーに座って曇天の下のビル街なぞを眺めつつおやつタイム。まだ1時過ぎで「おやつ」も何もないものだ。
薫製臭いお茶をすすりつつ、マンゴー果肉やアロエたっぷりの豪華プリンをありがたくいただく。持つだけで砕けてしまいそうな華奢なグラスに入ったマンゴープリンはいつもながら濃厚で滑らかでふわふわしていて絶品だった。ああ、シアワセ……。

福臨門魚翅海鮮酒家の
 炒飯弁当
 チャーシュー
 蒸し鶏の塩だれ
 大根餅
日本橋高島屋で買ってきた
 らふてぇ
アジアン・デリの
 冷やし中華
モルツ、アイスウーロン茶

福臨門魚翅海鮮酒家の
 マンゴープリン
パークハイアット東京の
 マンゴープリン
資生堂パーラーの
 マンゴープリン

今日の立ち寄り地、最後は日本橋。日本橋高島屋には福臨門魚翅海鮮酒家の唯一の売店があるらしい。日本橋高島屋のケーキショップ探検も兼ねて、日本橋高島屋地下街をくまなく歩く。福臨門の弁当、総菜類を適当に買い求め、ついでに「沖縄フェア」をやっていた一角で沖縄の豚の角煮「らふてぇ」も購入。マンゴプリンも2個ゲットして、すっかり大荷物にて帰宅したのだった。

夕飯は、食卓にずらっと並べたテイクアウトもの各種。パックのまま並べるのは何やら寒々しい気分になってくるので、ひととおり皿に綺麗に並べ変えてみる。らふてぇもあっためた。大根餅もフライパンで焼いた。チャーシューもさらっと温めた。ついでに、駅前のテイクアウト中華屋にて、だんなに冷やし中華を買ってきてもらった。バランス取れてるようで、いまいち取れてない気がする本日の夕食。

福臨門のテイクアウトものは、そりゃもう高かったけどそりゃもう美味しかった。炒飯弁当は中に生石灰入りの底があって、箱についている紐を引っ張ると即座に熱い水蒸気がぶわわわわーっと吹き出してきて炒飯が温まる仕掛けになっている。何だかすごい。蓮の葉にくるまれた細長い米の炒飯は、貝だの蟹だのが盛りだくさんで旨味たっぷり、やたらと美味しい。とろっと柔らかなチャーシューも素晴らしいし、貝柱の味がじわじわと染みてくる大根餅もシアワセに美味しかった。

そして、店のおっちゃんに
「泡盛と黒砂糖でね、ことことことこと煮たんだよぅ〜」
と言われて買ってきた「らふてぇ」のこれまた旨いこと旨いこと。三枚肉の脂はテラテラと怪しく光り、茶色く染まった肉も脂も崩れそうで何とも良い感じだった。甘辛い角煮は甘さがかなり強くて、でも案外にさっぱりとしている。御飯で食べるというよりはビールだの日本酒だのを片手に(いや、泡盛を片手に、かな)いくらでも食べられそうなのだった。ううう、らふてぇ、美味しい。

そしてデザートにマンゴプリン3連発。1日でマンゴプリン5種類を食べた自分に、ちょっと唖然。

6/22 (金)
柚子胡椒風味のきのこのリングイネ (夕御飯)
グレープフルーツ砂糖抜き
麦茶

「甘いものを食べ過ぎても、酒と同様、二日酔いになる。」
今日は新たな一つの真理を前にして憂鬱な私である。

昨日は確か、マンゴプリン5個を1日に食べた筈である。寝る直前まで「おなかいっぱいー」とぐらぐらしながら眠ったのであったが、朝起きると顔はむくんで足は重く、心なしか身体まで重い。微量の頭痛と吐き気の自覚もあり、ほとんど二日酔いと同じ状況なのだった。要するに、糖分取りすぎなのだ。

「ぎもぢ、わるいよ……」
とげんなりしながら朝はグレープフルーツ半個。いつもかけてる砂糖は抜き。今日は一日、砂糖絶ちをしようと心に決めた朝であった。

苦酸っぱいグレープフルーツは二日酔いにも気持ち良いけど、糖分取りすぎの日の翌日にも心地よかった。水分たっぷりの果肉をシャクシャクこそげながら味わって食べる。ああ、酸っぱいのって美味しいなぁ。苦さもまた良し。

大学学食 カフェテリアにて
 鶏照り焼き丼

本日、お仕事。研究室にやってきた新ノートパソコンを教授と一緒にあれこれといじくる一日。
「マウスが……ないんですね。お、こりゃなんですか、これは上手くいきませんねぇ〜。」
と教授は初めて前にする「タッチパッド」に困惑を極めていた。モニターのポインターが不安げに動くばかりで一向に目的地へ向かえない。
「……マウス、買ってきてくださいね。」
と3000円をぺろりと渡され、購買部へマウスを求めに行きがてら、昼飯は学食で済ませることにした。

昼休みも半分を過ぎた頃の学食は、それでも学生の天下だ。そこここに留学生らしき外国人のグループだとか、職員らしきおっちゃん4人組などもいたりはするけど、私などは少しばかり肩身が狭い。ショーケースの中のメニューを眺めつつ「王者ラーメン」(←どこがどう"王者"なのかいまいち不明な一品だ)と「カツハヤシ」と「ごまだれ丼」と「鶏照り焼き丼」のあたりで悩む。結局「鶏照り焼き丼」にすることに。

この学食のどんぶり器は妙に巨大で洗面器のようだ。顔がすっぽり入るほど黒い器に御飯が盛られ、海苔や葱と一緒にざくざく切られた鶏肉がどかっと乗せられる。テラテラ光るタレもたっぷり。お代は530円。ぎりぎり外に出て食べるよりは安いかな、という程度の価格だ。

業務用の「照り焼きのタレ」などと記されたでっかいボトルの中に入っているような、何ともいえずチープな味のタレの照り焼きだった。たっぷりの白髪葱と海苔があるから何とか美味しく食べられる、という感じ。
洗面器大の器を抱えてがふがふ平らげて、そいじゃUSBマウスでも買ってこよう。

柚子胡椒風味のきのこのリングイネ
ロメインレタスのサラダ
アイスティー

数日前に、安売りしていたキノコ類を大量に買ってきた。エリンギにしめじ、舞茸とえのきだけ。だんなは飲み会だという本日の夕飯は、そのキノコを使ったクリームパスタにすることにした。幸い使いかけの生クリームも残っている。

先週末に青山アクアパッツァで食した柚子胡椒の味のキノコのパスタがめちゃめちゃ美味しかったので、何とかそれに近づいてみようじゃないかというのが目標だ。柚子胡椒と生クリームなんて一見全く合わないように思えるけど、食べてみたらこれがさっぱりしていてたまらなく美味しかった。後味がピリピリとしびれるほど入った柚子の香りは、生クリームと不思議と良く合っていたのだ。

まずはバターで薄切り玉ねぎを炒める。そこへキノコ類をうりゃっと放り込んでしばし炒めて全体的にくたっとさせ、そこに生クリームを投入して沸騰させる。数分煮詰めてドロリと濃度のあるソースにして、そこへ小指の先ほどのたっぷりの柚子胡椒と塩少々を放り込んでかき混ぜる。茹で上がったリングイネをそのソースの中に放り込んで、ざっとかき混ぜたらできあがり。彩りに万能葱をハサミでちょんぎりつつかけて、アツアツのところを息子と二人で、いただきます。

ピリピリと舌全体に広がる辛さはお店で食べたのと同じくらいの感覚で、とても良い感じにできあがった。キノコがくたくたしすぎていまいち美しい外見になってくれなかったり、茹で汁が最後に少々混ざりすぎてソースがさらさらになってしまったりと、まだまだまだまだ向上の余地はある。あるんだけれども、自分なりに上々の出来映えのパスタになった。

柚子の香りが常に鼻の周囲をふわふわ飛び交っているようなパスタは、麺と同量ほどのきのこがたっぷり入っていてどことなくヘルシー。ロメインレタスをざくざく千切って和風ドレッシングをぶっかけただけのサラダをつつきまわしながら、息子としばし無言でずるずる食べる。
「美味しい?」
「おいしーねー」
「……辛く、ない?」
「……からーい」
そ、そうか、辛かったか。そりゃまた悪かったな、息子よ。

6/23 (土)
太閤園(稲毛)にて、回鍋肉定食 (昼御飯)
パークハイアット東京の
 バナナブレッド with クロテッドクリーム
アイスカフェオレ

新宿のホテル、パークハイアット東京のケーキ類はどれも相当に美味しいけれど、籠に入れてさりげなく売られている「バナナブレッド」900円也が私の大好物だ。"ブレッド"と名がついているけれど、実のところは「バナナパウンドケーキ」で、ホイップクリームをつけて食べたりするともう最高に美味しいのだった。木曜日にそれを買ってきた私は、店員さんに「賞味期限は22日(←昨日だ)となっております。」と言われたにも関わらず、冷蔵庫にそれを保存して賞味期限切れの今日になって食べている次第。

しかも、添え物としてナカザワのクロテッドクリームも購入してきた。生クリームの何倍も濃厚なクロテッドクリームをぺたくたつけて、朝から食べるバナナブレッド。かなり幸せだ。

もう、全体的に「ばななばななばななばなな」とバナナが香るパウンドケーキは、ふわっと洋酒らしき香りがしてしっとりしている。冷たいクリームをなすりつけて食べると、バナナでクリームで砂糖で小麦粉で、なんとも良い感な口の中になるのだった。天気も悪くないし、とりあえず洗濯をしよう。

稲毛 太閤園にて
 回鍋肉定食

いよいよ香港旅行が1週間後と迫った現在、自炊も外食もとにかく「中華料理は禁じ手」ということに一応なっている。だが、私たちはどうしても太閤園に行きたかった。なんてことはない、ご近所の中華定食屋である。フカヒレのなんちゃらとかアワビのなんちゃらなんて料理は一切ない、ラーメンとチャーハンとその他炒め物の定食がメインの、本当にごくごく普通の中華定食屋である。しかしながら、近隣住民の心を掴んで離さないこの店は、「御近所にこういう店があって、ほんっっとーに良かったぁ〜!」と絶叫してしまいたくなるほどの旨い定食屋なのであった。

何しろ港区で長く働き、銀座の旨い寿司屋だの何だのを知り尽くしている齢60のお義父さんも
「うん、あそこのホイコーローなんか、美味しいな、うん。炒め物類がね。」
と言っちゃうような店だ。とにかく愛されている。昼と夜の数時間ずつしか営業しない店であるのに、開店すればいつも客がみっしりだ。

「ここの回鍋肉喰っておかなきゃ香港旅行にも行けないよ」
全く良くわからない理由で開店直前の11時55分に店に到着する勢いで出向いた一家なのであった。今日は私が回鍋肉定食、だんなは大盛炒飯、そして餃子を1皿。

オヤジが一人で鍋をふるう店なので、しばし待たなくてはいけない。しばし待つと、湯気がほこほこと立つ料理が続々と届き始める。回鍋肉は(というか炒め物全て)、表面にまんべんなく油がキラキラと絡んでいる。焦げ茶色の味噌だれが皿の底に広がった、その周囲にまで油の層がじわじわと広がっているような、「この料理のカロリーの半分は油です」的なこってり系炒め物だ。なのにそれほど油っこくはないのがここの炒め物のミラクルだ。灼熱の表面温度と戦いながら、ひと箸ごとにフーフーしながらピリリと辛い味噌炒めを食べる。キャベツもピーマンもシャキシャキ、豚バラも大きいものがごろごろ入ってとても良い感じだ。ちょっと塩辛いくらいの味付けが「飯を喰えぇ!白米を喰っておけえぇ〜」という感じで、定食としてこれまたよろしい。

開店直後には未だ空席があった店内も、12時15分も過ぎるともう満席。4人がけのテーブルに相席も当たり前となってくる。今日も期待を裏切らない炒め物はめちゃめちゃ美味しかった。これで香港に心おきなく行けるというものだ(←なぜっ?)。

いしもちのアクアパッツァ
ロメインレタスとパプリカのサラダ
ヴィシソワーズもどき
御飯
モルツ、アイスティー

今日は、魚屋さんで「いしもち」なる魚を買ってきた。アサリも安かったし、ついでに家には喰っちまわなきゃいけないプチトマトがあるしで、「アクアパッツァ」を作ることにした。イタリア語で「狂い水」を意味するこの料理は、イタリアンリストランテの店名にもなっている。そこの料理長、日高良実さんはイタリアでの料理修行中、このワイルドな漁師料理に魅了されて、帰国後に同じ名前のリストランテを開店したのだ。

そもそもは、漁師が船の上で作る料理なのだそうで、「海水で保存食(オリーブとかアンチョビとかケッパーとかドライトマトとか)と一緒に魚を煮る」という非常にシンプルなものなのらしい。それをそのまま日本人のお客に食べさせるにはちょっと工夫が必要なのではということで、魚にこんがり焼き色をつけたり、ドライトマトを自家製にしたりと、工夫を凝らしてお店の名物料理となったと聞いた。それほど難しくない上に、磯臭いスープやトマトやオリーブのバランスが何とも言えず美味しい料理だ。

作り方は、大雑把に言ってこんな感じ(きっちり作ってみたい向きには『素材を生かしたイタリア料理』(日高良実/著 柴田書店 1995)だとか『別冊家庭画報 人気のイタリアン』(世界文化社 1995)あたりに載っておりまする)。

  1. プチトマトにてドライトマトを作る。120℃くらいのオーブンで1時間ほど、横に両断したプチトマトをひとつかみほど、並べて焼く。余裕があったらその後に天日にさらして干しておくともっと美味しい。瓶詰めなどの既製のドライトマトも使えるけれど、プチトマトで作った方がこればっかりは絶対美味しい。
  2. フライパンをカンカンに熱して、ワタと鱗を落として塩をしっかりすりこんだ魚を置き、両面こんがりと焼く。魚はカサゴとかスズキとか白身系なら何でも。
  3. そこにアサリをがばっと投入。量は買ってきたパック丸ごと、適当に。そこに水を1カップ弱威勢良く投入。ジュワーッと盛大に水が跳ねてくるので頑張って避ける。
  4. すかさず、先のドライトマトとオリーブ3粒くらい、ケッパー大さじ1くらい、刻んだアンチョビ1枚分くらいを投入。量は適当。沸点を上げるために魚の上からオリーブ油を少々垂らし、きっとその頃グラグラ言い始めている水をお玉ですくっては魚の上からかけてやる。「焼き煮」のような状態でしょうか。
  5. 水分が適当に少なくなったら、完成。最後にまた少々のオリーブ油をかけてやり(風味づけ)、彩りにパセリなどかけてやったら完成。

てな感じ。量は一応1人分が見当です。

本来ならイタリアンなおかずを作ったら、本当ならパスタだのリゾットだの、あるいはパンなどを添えた方が本格なのだろうけど、アクアパッツァに関しては実は御飯が譲れない。煮汁は魚とアサリの旨味をたっぷり吸った「磯煮汁」のような感じになっていて、それをケッパーだのドライトマトだの崩れた魚の身などと一緒に御飯にぶっかけて食べるのが恐ろしく美味しいのだ。さすがにリストランテで「す、すみません、一膳の御飯を……」なんて言えないので、いつもはパンに染みこませて食べているスープだけど、我が家なら構うことなくスープをぶっかけて御飯を食べられる。ここは心おきなく、たっぷりの魚とスープを御飯にぶっかけて食べねばならぬ。

小ぶりだったので1人1尾買ってきたいしもちは、ふくふくとして美味しかった。御飯に乗せたらなお旨かった。
お供はロメインレタスとパプリカをざくざく刻んで市販のドレッシングをぶっかけただけのサラダと、冷たいジャガイモのスープ「ヴィシソワーズもどき」。じゃがいもをコンソメで煮て、バーミックスで潰して牛乳入れて冷たくしただけのおそろしく簡単なスープ。

他の料理は簡単ながら、久しぶりに作ったアクアパッツァはしみじみ美味しかった。最後の最後のスープまで御飯に染みこませてきっちり食す。ああ、シアワセ。

6/24 (日)
ヨコイのスパゲッティ-「ミラカン」 (夕御飯)
パークハイアット東京の
 バナナブレッド with クロテッドクリーム
アイスカフェオレ

大好物のバナナブレッド及びクロテッドクリームが冷蔵庫内に入っていて、今朝の私も御機嫌だった。昨日6割ほどを食べてしまっていたので残りは2人分というところ。だんなが「俺は卵御飯食べるからいーよー」と言ってくれたので、私と息子がバナナブレッド。今日もこてこてとクロテッドクリームをつけて食べる。

バナナもたっぷり入っているけど、クルミもたっぷり入っているこのケーキは香ばしさもあって本当に美味しい。ねっとりどっしりしたクロテッドクリームは、スコーンにももちろん似合うけれどもパウンドケーキ系につけても涙ちょちょぎれるほど美味しいのだ。生クリームより遙かに高いカロリーの事を考えても別な意味で涙がちょちょぎれそうになるけど、そっちの方面のことは考えない事にする。

ストロベリーコーンズの
 マルゲリータ
 シーフードナゲット
 スティックポテト
ダイエットコーク

昨日、我が家のポストに大変怪しげなピザ屋のチラシが入ってきた。店名を「ストロベリーコーン」という。掲載されたどのピザもピザハットだのドミノだのシカゴだのの大手ピザ屋よりも2〜3割安い価格帯で、その若干安っぽく感じられる写真と共に大変怪しいピザ広告だった。
思わず気になって注文してしまうではないか(←なんでだ)。

ただでさえ安いピザが、キャンペーン中ということで「マルゲリータ」はMサイズ1180円。ナゲットとポテトのセットをつけて、届くまでの30分弱の間にダイエットコークも買ってきた。

やってきた真四角のピザはたっぷりのチーズに輪切りのトマトがまんべんなく敷き詰められたもの。確か「マルゲリータ」はバジルとトマトとモッツァレラチーズの具であるのが基本である筈だけど、バジルの影はなし。ところどころちょこちょことちりばめられた青海苔のような物体が一応乾燥バジルなのであるらしかった。値段がチープだけあって、見かけも非常にチープだ。そして、味も。

トマトとチーズの味ばかりがするピザは、そのどこか安っぽい風味のチーズの味とも相まってチープそのものな味だった。「チープそうだね」と言いつつ注文した私たちの期待通りの味だったりして、「チープだ、チープだよ、美味しいよ」と矛盾しているのかしていないのか良くわからない感想を述べ合いつつ四角いピザを次々と食べる。ピザ屋のピザを食べたい時ってのは、大体にして油っこくてジャンクな味のものを食べたい時だったりするので、実はこういうチープな味は大歓迎なのであった。シンプルな味なのもとても良い。
冷凍ものを揚げただけのようなポテトとか、怪しい蟹肉の味がするシーフードナゲットとか、もう全体的に「ジャンク率100%」な味の昼飯だった。もう、ジャンク大好き。

ヨコイのスパゲッティ - 「ミラカン」
シーザーズサラダ
アイスカフェオレ

夕方6時、だんなの高校時代の友人Tさんが、その彼女さんを連れて我が家に遊びにやってきた。夕食は、みんなで名古屋名物あんかけスパ。……と言っても、ソースから自分で作ることはできないので、「ヨコイ」の真空パック入りレトルトソースを使うのだけれど。同じく「ヨコイ」製の太い太いスパゲティを茹で、茹でた後に水で締め、それをたっぷりのバターで炒める。その脇の鍋で玉ねぎ、ピーマン、ウィンナーなどを炒めて、それを皿に盛りつけた麺の上にどかんと乗せる。ついでに半熟に焼いた目玉焼きも。麺の周囲、皿の縁に沿ってソースを敷けばできあがり。

ついでに、まだまだ冷蔵庫に入っているロメインレタスとパプリカでシーザーズサラダ。卵黄とアンチョビとパルメザンチーズをたっぷり入れたドレッシングを作り、レタスに絡めて大皿に乗せ、食卓へ。そう広くない食卓が皿でいっぱいになった。

初めて見る「あんかけスパ」を前に、Tさんの彼女さんは
「お、面白いですね……味も……」
と若干の当惑も交えながら綺麗に食べてくれた。

片栗粉でとろみをつけたような、独特の「あんかけ」的な粘度のあるソースは、ミートソースのようなケチャップのようなピリリと辛い不思議な味だ。バターで炒めた麺と共に、炒め野菜ともすごく良く似合う。ついでに牡蠣フライとかナゲットとか海老フライとか白身魚のフライとか、その手のフライものとも相性ばっちりだ。

名古屋に住む人は、あんかけスパ屋が町中に当たり前にありすぎるので(←漫画喫茶のメニューにもあったりするんだ、これが)、これが名古屋以外の地域に皆無のパスタ料理なのだと知らない人もいるとかいないとか。
味噌煮込みうどんよりも、ひつまぶしよりも、きしめんよりも、実は「あんかけスパ」が名古屋名物の中で最も好きな私たちかもしれない。