食欲魔人日記 01年02月 第4週
2/19 (月)
翠華樓(鶴見)にて「小龍包」 (夕御飯)
めちゃめちゃめちゃ、旨いのよ〜

納豆めし
冷茶

ああ、月曜の朝は何故にかように眠いのだろう。
自分は今日一日ろくな用事もないくせに、だらだらと布団から抜け出せない私なのであった。いかんいかん。

「朝は〜、うどんかなっ!」
などと言いつつうどんをゆがいているだんなを横に、私は好物「納豆」を冷蔵庫から出す。うりゃうりゃとかき混ぜ、添付のタレを混ぜて御飯にぶっかけるだけの納豆飯。葱もカラシも入れないけど、私はこの納豆100%の納豆飯がいたく気に入っている。だんなは「あないな腐れマメ」と言って近寄らないけど。

にんじんとえのきだけの炊き込み御飯
ハムのレタス巻きサラダ
コーンスープ
麦茶

午前中は、ちと仕事があって集中作業。夜は京浜東北線沿線、品川と横浜の中央に位置する「鶴見」駅前の超絶美味中華料理屋に喰いに行くことになっているので、昼飯は極力軽くしなければいけない。息子にもつきあわせて、御飯とスープと簡単なサラダだけの軽い昼食。

にんじんがたっぷり入った塩味の炊き込み御飯は、かなり前に作ったやつを冷凍保存しておいたやつだ。電子レンジに気張ってもらい、温めて茶碗に盛る。インスタントのコーンスープに、レタスでハムをくるくる巻いてマヨネーズつけて喰うだけのサラダも用意。冷たい麦茶も横に置いて、がぶがぶ飲みながら食事する。

なに?息子よ、物足りないって?夕方に美味しいものをたらふく喰うのだ。我慢我慢……(←鬼母)。

鶴見 翠華樓にて
 チャーシュー
 甘エビの唐揚げ
 蒸しパン
 大根餅
 蝦餃
 咸水角(ハムスイコク)
 小龍包
 春巻
 ニラ蒸し餃子
 豚肉焼売
 叉焼包
 五目炒飯
 生ビール
 マンゴープリン
 杏仁豆腐

だんなは、本日横浜方面に午後出張なのだった。だんなの業務終了時間に合わせてこちらも横浜方面へ向かい、そうして鶴見「翠華樓」で合流して夕御飯。
「翠華樓」は、横浜中華街に「翠華」の名で支店も出している中華料理店だ。実のところ、中華街の店では食べたことがないけれど「点心もマンゴプリンも本店が一番美味しい」という話を聞いて、一度行ったが最後、大ハマリしてしまった店なのだった。何せ、旨い。そして安い。しかもいつ行っても座れる。少しも気取っていない、「街の中華屋」という風情なのに、出てくる料理ときたらどれもこれも美味しいのだった。なんてシアワセなお店だ。我が家は本気で鶴見近郊に住みたいと思っているほどだ。

座るなり、ビールを注文。すぐさまビールとつまみの南瓜の種がやってくる。塩味の、パリパリする南瓜の種はほんのり甘くて食欲が増してくるようだ。

定番のチャーシューに、海老餃子、小龍包に咸水角。好物を次々注文し、季節の料理から「甘エビの唐揚げ」も頼む。ほどなくずらりとテーブルに皿が並び、なんともシアワセな光景が広がった。
表面が赤いチャーシューは、切り口から肉汁が染み出ている柔らかなもの。そのまま喰っても旨いし、小さな蒸しパンを別注文してそれに挟んで食べても旨い。甘辛いタレの味が肉汁と一緒に口に広がる、素朴な感じのチャーシューだ。

点心は、どれも400〜500円ほど。どれも丁寧に仕事がしてあって、餃子や焼売と蒸籠の間には白菜がきちんと敷かれている。どれもプリプリと艶やかで、火の通り具合も絶妙だ。週末に錦糸町のどこぞのホテルで喰った悲しいほどカピカピの点心とは雲泥の違い(って、確かにそれはバイキング料理だったけど、それにしても……)。

大根餅は大ぶりのものが3枚、こんがりと焼かれている。豆板醤が添えられて、それをなすりつけつつ喰ってもよし、醤油ひとたらしして喰ってもよし。ふわふわと柔らかく、貝柱の匂いがふわりと漂う。浮き粉の皮もプリプリな蝦餃は、皮も身もアツアツでプリプリプリプリしているし、本当にお世辞抜きで何喰っても美味しいのである。ああ、素晴らしすぎる翠華樓。交通費、片道で890円もかけてくるだけのことは……きっとある。多分、ある。

ビールと合って止まらなくなりそうだったのが「甘エビの唐揚げ」。
大きめの甘エビが、頭から足からまるごと、こんがりと薄い衣で揚げられている。目玉もそのまま。丸い目が黒々とこちらを見ているような甘エビが、美味しそうに横たわっている。当然、頭からバリバリといただく。足から殻から全部パリパリカリカリと食べられるように揚げられたそれは、適度な塩加減でいくらでも食べられそうだった。

小龍包も、相変わらず絶品だ。白菜の上にちんまり置かれた饅頭は4個で500円。箸で不用意に持ち上げると柔らかい皮が破れてスープが出てきてしまうので、レンゲを使ってそーっとすくう。持ち上げたところに酢に浸った針生姜を何本か乗せ、そしていよいよ端からおそるおそるかぶりつく。これまた、不用意に囓ると熱いスープの滝で口の中を火傷するので、そっと皮を破いてたっぷりのスープを少しずつ啜りつつ、柔らかい皮と肉汁たっぷりのあんをじわりじわりと食べるのだ。本当は一口でえいやっと食べた方が美味しいのだろうけど、高度に猫舌の私には、このようにそろりそろりと喰うしかない。
「これだっ!これだよっ!」
「そうっ!これが真の小龍包だっ!」
「うめぇ〜」
「しあわせぇ〜」
テーブルでくねくねする怪しげな夫婦がここにいるのである。
饅頭の下に敷かれた白菜も、当然いただく。これがまた、肉汁吸ってて美味しいんだ。

五香粉が強く香る独特の咸水角も相変わらずだし、甘くトロンとしたチャーシューがたっぷり詰まったチャーシュー饅も堪能した。ニラ餃子はこれでもかとニラの香りが漂ってきて大きくムチムチとしてるし、中の具が柔らかくトロンとしている春巻も旨みがぎっちり詰まっている。ああ、本当に何喰っても美味しいのである。
「メニューください。」
「追加で、これとこれとこれね。」
と何度も頼みまくり、呆れるほど食べた挙げ句に炒飯でシメ。

600円の五目炒飯は、たっぷりすぎる1人前がスープと一緒にやってくる。プリンプリンの海老が入り、米粒はどこまでもパラパラと軽く炒めてある、シンプルだけど、600円にして絶品の炒飯だ。
「これならもう、いっくらでも喰えます。喜んで喰います。」
と、相当喰ってきているはずのだんなであるのに、炒飯の大皿を前に妙に嬉しそうなのだった。

喰って喰って、そして魅惑のマンゴプリン。
ここでは、今のところ私が日本で一番愛しているマンゴプリンが供されている。
真冬だというのに、今日のプリンも美味だった。マンゴーの果肉たっぷり、ぷるぷるで良い感じ。

はぁ〜、シアワセ。帰りにぎゅうぎゅうの横須賀線に乗らなきゃいけないとしても、そんなことは気にならないのだ。

2/20 (火)
トマトとモッツァレラチーズのサラダ (夕御飯)
バタートースト 目玉焼きのっけ
コーンスープ(レトルトもん)
牛乳
苺ジャム入りヨーグルト

パンの朝飯。
我が夫は、朝飯と言ったら白米の人だ。なんでも、子供の頃にずっとずっとパン朝食が続いていて、何度も御飯にしてくれと申し出たのにパンを出され続けてしまったことがトラウマになっちゃってるらしい。
「だってさ。妹が食べ残したような、冷め切ったトーストとか出てくるんだよ。イヤになるって。」
と彼はそう言うのだが、でも私にとっての朝飯はパンなのだ。こちとら結婚する前20年間くらいパン続きだったのだ。菓子パンも勿論美味しいし、焼きたてのトーストの旨さは炊きたての御飯に相当する……と思う。

従って、結婚後にできた我が家の文化は「御飯ばっかり、パンばっかりと決めないで、まぁ適当にやりましょうや」ということに落ち着いた。米ばっかだと私が飽きるし、パンばっかだとだんなが飽きる。うどんも喰うし、ドーナツも喰う。それで良いのだ。うんうん。

今日はトースト。バター乗せて焼いたパンに、半熟目玉焼きを乗せる。塩をパッパとふり、胡椒もガリガリとかけ、パンも卵も熱いうちにフガフガと食べる。固まっていない熱い黄身が垂れてきて大変な思いをしたりもするけど、旨い。
豪華デザートつきの本日の朝食、小岩井プレーンヨーグルトに苺ジャムを乗せて食べる。

スーパーで買ってきてみた
 鶏照り焼き巻き
冷茶

午前11時、プーの手続きをしに職業安定所へ向かう。プーになった場合、「プーなんです」と宣言するだけじゃ諸々の手続きは終わらないものらしく、4週間に1度「このように私はプー生活を送っています」という申告をしに行かなければならないものらしい。面倒なことだ。しかもその職業安定所、どの最寄りの駅から歩いても最低15分はかかるというやっかいな場所にある。ますます面倒なことだ。

申請を終えて、ぽてぽて歩くともう11時半だった。巨大なダイエーが目に入ったので思わず探検。見知らぬ調味料があるかもしれない。安くてたまらない好物の食材があるかもしれない。……と思うと、ついつい初めてのマーケットには寄らずにいられない私なのであった。当然国内旅行でも海外旅行でも、スーパー練り歩きは必須の項目だ。

総菜コーナーで「鶏照り焼き巻き」なる怪しげなブツを発見したので、これを昼飯にすることにした。
酢飯ののり巻きに、細く切られた鶏の照り焼きとレタスが巻かれている。マヨネーズ味。コンビニででも売られていそうなジャンクなのり巻きだ。

御飯にマヨネーズ味の具を組み合わせるなどと、一体誰が考えたのだろう。ツナマヨおむすびは私も大好物だけど、最初に食べた人の勇気は素晴らしいと思う。そう、林望のエッセイによると、あんことマヨネーズをパンにつけて(というか"乗せて")食べると旨いらしい。その旨さのあまりに(?)「あんこまパン」という歌曲まで作ってしまったという話もあるくらいだけど……でも私には食す勇気がまだまだ、ない。

カレイとじゃがいものオーブン焼き
トマトとモッツァレラチーズのサラダ
キャベツのカレースープ
御飯
モルツ

アイスカフェオレ
ヒロタのシュークリーム

本日の気分は「魚料理、洋食風」という感じだったので、カレイの切り身を買ってきた。オリーブ油で軽く炒めたじゃがいもを皿に敷き、上に切り身を塩胡椒して乗せたやつをオーブン焼きにしたものがメインのおかず。あとは、賞味期限ギリギリだったのを発掘したモッツァレラチーズでイタリアンサラダ。

実は、私は生のトマトがいまいち好きじゃない。好きじゃないどころじゃなくて、つい数年前は生のものはカケラも食べることができなかった。克服したのはつい3〜4年前のことで、それ以来、外食で出てくるトマトは大概食べられる。……でも、自分で調理するとなると、未だにトマトの大きな塊には食指が動かないのであった。

トマトとモッツァレラチーズのサラダといったら、普通、トマトを美しく輪切りにして、それと同じようにスライスしたチーズを交互に並べてバジルを飾って……とするもんだと思う。でも、そんなことしたら私は食べられないのだ。で、トマトは内臓(←ドロドロした種の部分。私はこれが大嫌い)を取り去って、ざくざく角切りにし、チーズもバジルも細かくちぎった。トマトには塩をなじませておいて、全部合わせたところで上からオリーブ油をたっぷり。見てくれは悪いけれど、これで私も美味しく喰えるサラダになった。調味料は塩と油だけ。なのにこのイタリア国旗の色したサラダはとても美味しい。

2/21 (水)
常夜鍋 (夕御飯)
吉野家の冷凍牛丼
抹茶入り玄米茶

肉や魚、野菜が少しも冷蔵庫に入っていなくても、米と味噌と卵があれば「なんとかなるかな」と思う。特に、朝御飯における卵の地位は重要なものだった。御飯はある、スープもある、でも卵が無い、という今朝の我が家はちょっと由々しき事態だった。冷蔵庫の卵コーナーに1つも卵が入っていないという状況は、かなり寂しいものがある。昨日買ってこようと思ったけど、1パック200円という高値にビビッて買えなかったのだ。

「卵がないけど、御飯はあります。牛丼にしましょうか……?」
とだんなに言うと、心なしか嬉しそうにだんなは冷凍牛丼を水を張った鍋に放り込んでいる。私にしてみると「手抜きですまん」という心境なのだけど、彼にとっては嬉しい朝食なのであったらしかった。

自分で作る牛丼よりは醤油と味醂の味がかなり薄い、相変わらず独特の吉野家の牛丼だ。これを「臭い」と言って嫌う人もけっこういるらしいけど、私は美味しいと思うぞ。はぐはぐ。

吉野家店舗で食す注文の仕方として「つゆだく」「汁だく」(つゆたっぷり)、「ねぎだく」(玉ねぎたっぷり)なる隠語があることは知っていたけど、更に「とろだく」なるものもあるのだと、つい最近だんなから教えてもらった。「とろ」は肉の脂身のこと。バラ肉の部分をたっぷり乗せた牛丼が「とろだく」なのだそうだ。店員さんが一生懸命より分けてくれちゃうらしい。困った注文だ。
その「とろだく」は築地発祥のメニューだそうで、築地店(一号店)「とろだくで」「とろ抜きで」という注文が普通に交わされているらしい。

更に、得意げにだんなは続ける。
「あたまの大盛」は「肉を大盛、御飯は並」(値段は大盛)
「並軽め」は「肉は並で、御飯を軽め」。
「シロ」は御飯だけ。
たかが牛丼(されど牛丼)ひとつに、よくこうも注文が複雑になるものである。

「だからね」
だんなは続ける。
「"あたまの大盛、つゆだくねぎだくと、シロちょうだい"というのもありなわけ。」
それって、つゆたっぷり葱たっぷりの大盛の具を並の御飯の上に乗せたやつと、白い御飯を1つ下さい、ということですかい。さっぱりわかりませんがな。

ロールパンの卵サンド
アップルカルピス

ロールパンを買ってきた。
ゆで卵を作ってマヨネーズと和え、レタスと一緒にパンに挟んで卵サンド。ほんのり甘いロールパンのサンドイッチは、食パンのとはまた違った美味しさだ。

それと、我が家に何故か沢山あるカルピスシリーズよりアップルカルピス。「とよのか苺カルピス」だの「白凰桃カルピス」だの、林檎だのぶどうだのオレンジだのはちみつレモンだのと、やたら種類豊富に出ている最近のカルピスだ。企業に踊らされて全部買っている我が家もどうかと思う。
初めて封を切ったアップルカルピスは、カルピスとアップルジュースを混ぜたような、そのまんまの味。

常夜鍋
御飯
モルツ

この冬、葉っぱものはたいそう高値であった。白菜もほうれん草も小松菜も全体的に高価格なものだから、なかなか手が出せずにいた。別に安値のところを探して歩いていたわけじゃないけど、ほうれん草1束で300円近くするとさすがにちょっとげんなりする。
それが、最近ちょっと安くなりつつある。1束158円くらいでちょっと嬉しい。気分的にモリモリ食べられる感じで、わさわさ買ってきた。

土鍋に昆布入れて水入れて、それを熱しただけのところにしゃぶしゃぶ用の豚肉とほうれん草をただただ放り込んでいく。適当に煮えたところを「ミツカンごましゃぶ」をつけて食べる。高級そうな胡麻だれを買ってみたり、すり胡麻をふってみたりと試行錯誤したことがちょっとだけあったけど、どうやら「ミツカンごましゃぶ」が一番美味しいらしいという結論に達したらしい。

肉茹でて野菜茹でて、甘味の強い胡麻味のたれをたっぷりつけて食す。最後にうどんやおじやを楽しめないのだけが残念だけど、「夜を通して食べられる」からと「常夜鍋」の名が付いたとおり、エンドレスで食べられそうなお鍋なのだった。

2/22 (木)
すじ肉カレー (夕御飯)
チーズトースト
キャベツのカレースープ
アイスカフェオレ

チーズトーストは、チーズだけを乗せるんじゃなくて、ちょっとばかりバターを塗っておくともっと美味しい。今朝はスライスされていない食パンをえっさえっさと分厚く切って、とろけるチーズをペロッと1枚乗せてチーズトースト。作り置きのカレー味のスープも温めた。

納豆丼
冷茶

こないだから、私は作りたくて仕方のない料理が一品あった。その名も「納豆丼」。
発端は、先日購入した一冊の書物『小さなモンダイ』(NHK出版)。作者は大田垣晴子。色々な雑誌で1〜2ページの連載を持っている、エッセイストともイラストレイターとも漫画描きともつかない人だ。ピグマで描いたような落書きチックな絵と文字にハマって著作を全部買っている私なのだった。

で、その『小さなモンダイ』には20数種類のレシピが載っている。「豚の角煮ベトナム風」だの「韓国風カボチャの味噌汁」だの、実に簡単で旨そうなのが載っていて、最も心惹かれたのが「納豆丼」だったという次第。
豚の挽肉を炒め、納豆も加えて軽く混ぜつつ炒め、そこへ醤油を垂らして葱の小口切りを散らし、アツアツの具を御飯の上に乗せるというもの。御飯の上には周囲にぐるりとレタスのざく切りを敷くらしい。何だかとっても美味しそう。

「やるなら、フライパンを匂いが取れるまでしっかりと洗ってね!」
と納豆嫌いのだんなに言われつつも、だんなが出勤している平日昼間にチャーレンジ。納豆を混ぜつつ炒めると、当然のようにねばねばねばねば糸引いてくるわけで、それにも負けずにチャッチャと炒めて醤油を垂らして葱を混ぜる。

シンプルな納豆御飯も美味しいけど、アツアツの納豆丼もまた格別だった。肉が混ざることでコクも出て、とっても良い感じ。レタスのしゃりしゃりしたざく切りと一緒に口にすると、"タコライス"喰ってるような気分になってこれまた良し。
うう、美味しかったぁ。ありがとう大田垣晴子。

すじ肉カレー
レタスと揚げにんにくのサラダ
チーズと卵のスープ
御飯

自家製マンゴープリン

我が家では、牛のすじ肉が大変に愛されている。 捨てるような部位なので肉屋で注文するのはちと恥ずかしいけど、しっかり下準備して煮込むとコラーゲンたっぷりという感じのゼラチン質の塊になる。ケダモノ臭いところもまたそそられちゃう。最寄りのスーパーで、800gほどの牛すじを買ってきたので、今日は時間かけてしっかり仕込み。

醤油味で煮込むも、味噌味で煮込むも、カレーにするも、下ごしらえは共通だ。
まず鍋に熱湯を沸かし、牛すじを3分ほど軽く茹でる。表面の色が変わったらザルに取り、湯でしごき洗いしてアクや汚れを一度綺麗にする。鍋も洗って再び肉を入れ、焼酎をひたひたにたっぷり注ぎ、長ねぎの青いところと、生姜や月桂樹の葉などの匂い消しを投入し、あとは強火でガーッと小一時間煮る。水分が減ったら適宜お湯を足しつつ、やわやわと柔らかくなったら下準備はおしまい。

私的に、牛すじ肉料理のバイブルじゃなかろうか、と勝手に思っている本が『SUJI MADNESS - 男の料理 すじ肉』(マガジンハウス 西川治/著)だ。1冊丸ごとすじ肉料理ばかり。呆れるほどすじ肉料理ばかりが載っている。
今日はそれに載っていた「すじ肉カレー」を。

玉ねぎを3個薄切りにして、それをせっせせっせと炒めて茶色くするところから料理の開始。根性入れて茶色い玉ねぎにしたところで、一口大に切った牛すじを投入。続いて赤ワインを1/2本盛大に投入。沸騰させてワインを充分蒸発させたところで水をひたひたに。そこへカレー粉とチリパウダーと唐辛子を放り込み、ぐつぐつと気長に煮込む。そろそろ良い感じになってきたらじゃがいもを入れ、じゃがいもに火が通ったら市販のルウを混ぜ込む。肉のエッジがやわやわと曖昧になった、トロトロのカレーの完成。このカレーを御飯と一緒に炒めてしまい、生卵1個パカンと上に割り落とすと「青春すじ肉カレー」となる。何が青春だか良くわからないけど、気分は確かに青春だ。

付け合わせに、粉チーズを入れ、卵を割り入れたコンソメスープ。揚げにんにくをたっぷりふったレタスのサラダ。しかもデザートにマンゴプリンも自作した。ご馳走だ。

我ながら良い感じにトロトロに煮込むことができたすじ肉カレー、根性入れて作っただけあって絶品だった。ゼラチン質がとろとろ〜んのほにょほにょ〜ん、だ。とろけた玉ねぎととろけた肉と、ごろんごろんのじゃがいものカレーは、だんなも私もおかわりしちゃうほど美味しかった。

「どっちの料理ショー」、本日はタンシチューVSロールキャベツ。
6対1の圧倒的勝敗に私も倣ったわけじゃないけど、私の好みはタンシチュー。だんなの好みはロールキャベツ。遅めの夕食を摂りながら、話題はもっぱら
「このタンがぁ!すごすぎるぅ〜」
「ああ、牛テール入りのロールキャベツなんてずるすぎぃ〜」
てな感じである。自分たちも今、絶品のすじ肉カレー喰ってるのに、画面に釘付けというのはどうかと思う。

「僕はね、ロールキャベツが大好きなんですよぉ〜」
などと言ってるだんなだが、彼、本日のランチは、番組中タンシチューの紹介で出てきた東銀座の「銀の塔」だったらしい。ミックスシチューで、大きな肉とタンが3切れずつくらい入っていたそうな。うらやましすぎ。

2/23 (金)
自家製マンゴープリン (夕御飯)
2日目の牛すじカレー
チーズと卵のスープ

シアワセな2日目のカレーで朝御飯。
昨日、ただでさえトロトロの黒々としたカレーであったのに、今日は殊更に黒々と煮詰まっている。じゃがいもは煮崩れて崩壊寸前だし、玉ねぎはもうカケラも残っていない。肉も繊維が崩れる寸前という感じ。それがまたたまらなく美味しいのよねぇ〜。

ダブルチーズトースト
アップルカルピス

「昨日から米の飯が続いているのでパンを食そう」と食パンを棚から取り出した。
薄くバターを塗り、本日は豪華2枚乗せのチーズトースト。パンの隅々までみっしりとチーズが乗ったトーストは何やらゴージャスな雰囲気を漂わせている。

チーズが溶けたアツアツのトーストと、あとは最近マイブームのフルーツカルピス。ブームもなにも、冷蔵庫に詰まっている「蜂蜜レモンカルピス」だの「白凰桃カルピス」だの「とよのか苺カルピス」だのを何とかしなければならないというのが現状だったりしたけれど。

ほっかほっか亭の
 あなご飯
 とん汁
抹茶入り玄米茶

自家製マンゴープリン

本日の午後の私は不幸だった。
東京から千葉に転居して1ヶ月、どういうわけかここは停電が多かった。大雪の夜をはじめとして、パシパシと1分ほどの停電がこれまで4回ほど起こっている。今日は5回目と6回目の停電があった。

1時間半、セーブもしないでやり続けたテレビゲームを「さて、そろそろセーブして夕食の支度をしようか」と思ったところで突如の停電。MDプレイヤーの時計も電子レンジの時計もダイヤルアップルーターの時計も見事にリセットされる。起動中のパソコンも勿論突如の強制終了だ。半べそかきながら消えたゲームデータを諦め、時計をセットし、気を取り直したところで米をとごうとしたところで2回目の停電。立ち上がったばかりのパソコンは再び画面が真っ暗になり、セットした時計類も全てパァ。やる気もパァ。

「これは、神が何もするなとおっしゃってるのだ」
と、全ての仕事を放棄してだんなの帰りを待つ。「夕食、買ってきてたもれ〜」とお願いすることも忘れずに。

だんなは、ほっかほっか亭の弁当を買ってきてくれた。穴子を甘辛く煮たやつが混ぜ込まれているあなご飯。鶏の唐揚げが入っていたりする弁当をたいらげて、唯一手製のマンゴープリンを食す。
コンデンスミルクたっぷりの、ミルキィなマンゴープリンが食べたかったので、使ったレシピは栗原はるみさんのもの
ぷるぷると柔らかいミルク感たっぷりのマンゴープリンはなかなか良い出来でありました。

2/24 (土)
【今日の一枚】
食事写真は撮れなかったので、せめて玄関に飾ってる花なぞを……
モスバーガーの
 てりやきチキンバーガー
 ミニチキンサラダ
 モスチキン
 コーンスープ
 メロンソーダ

なんということだ。昨夜の停電が原因かどうか(いや、多分原因なのだと思う……)、先月買ったばかりのパソコンからWindowsMEが立ち上がらなくなってしまった。何度やってもエラーになる。朝から
「スキャンディスクをかけて〜」とか
「Win98の起動ディスクで〜」などと一生懸命作業してくれていただんなだけど、
「……ダメ。やっぱりフォーマットだわ。」
とかなり最悪な事態になった。わ、私の仕事道具が……。(今は携帯用のLibrettoで日記だけは書いている状態)

そのようなことで朝からバタバタしている我が家は、朝食がファーストフードとあいなった。モスの冷めない距離に済んでいる幸せを享受したい。しかもこのモス(って、どこのモスもそうかもしれないけど)電話オーダーができる。しかも、注文した品を受け取りに行くとき、「お電話代です」と10円玉を返してくれるのだ。素晴らしいぞモスバーガー。

家に常備してあるモスバーガーのメニューを見てあれこれ注文。気が付いたら、私のオーダーはチキンだらけになっていた。バーガーにサラダに揚げ鶏だなんて、私はそんなに鶏肉が好きなのか。

久しぶりのてりやきチキンバーガーは、やはり美味しかった。レタスたっぷり、マヨネーズたっぷり、口の回りがてりやきのタレとマヨネーズで汚れてしまうのもまたならではだ。

かすてら
抹茶入り玄米茶

小雨の降る今日、外出はせずにひたすらパソコンのデータ復旧に努める。再インストールしても起動後に動かなくなる。「fdisk」からしっかりインストールしても、途中からいきなりsafeモード選択画面に突入するようになる。んもぅ、私のパソコンはダメダメだ。

よれよれしてきただんなと、「甘いものでも喰おう」とカステラをさくさく切る。日本茶とカステラって何と良く似合うのだろう。カステラはやはり、牛乳でもなく紅茶でもなくコーヒーでもなく日本茶でなければならないと思う。

稲毛 牛角にて
 豆腐のサラダ
 サンチュ
 ねぎタン塩×2
 中落ちカルビ
 ガーリックカルビ
 ハラミたれ×2
 ピートロ塩焼き
 葱焼き
 玉ねぎ焼き
 じゃがいもバターホイル焼き
 にんにくバターホイル焼き
 石焼きビビンバ
 生ビール、ライチソーダ
 やきもちアイス

「焼き肉を喰おう〜!」と近所の焼き肉屋に行ってみることにする。チェーン店の「牛角」は人気店のようで、平日休日問わず夜は行列している。店頭の紙に名前を書き、携帯電話の番号を書いておくと順番の時に呼んでくれるというシステムで、私たちは6時半ころに家を出て本屋をぶらぶらしていた。20分ほどで電話が鳴る。

1皿は400〜500円程度。「ガーリックカルビ」だの「ねぎ味噌カルビ」だの創意工夫が見られる品が多い。調子に乗った次々と注文し、そして大変な量が皿に並ぶことになった。壮観だ。

店内は女性向けのさっぱりした内装で、店員の態度も良い。けっこう人気のある進出しまくりのチェーン店だということだ。
まずは、タン塩でビールを一杯。焼き肉屋にきたからにはビールでありタン塩である。摂理である。
「タンには味をつけてありますので、焼き上がりにこちらの葱をつけてレモンを絞って召し上がりください〜っ!」
と元気の良い店員さんが持ってきたのは、小皿にこれでもかと山盛りしてある刻み葱の山だった。刻み葱にサラダ油をまぶしたような感じで、葱の表面がキラキラと光っている。それに8つ割にした生のレモンがこれまた小皿に山盛りだ。この"これでもか"具合はかなり嬉しい。牛タンをさっとあぶって葱乗せてレモン絞って喰う。1人前5枚検討、2皿があっというまに無くなった。

刻み玉ねぎがたっぷり入ったような感じの巨大な豆腐サラダをつまみつつ、カルビ、ハラミといった黄金コースに向かう。中に「ピートロ塩」なる聞き慣れない品も1つ。「ピー」は「P」であり、すなわちPig=豚であるということだ。豚のトロの塩焼き、という具合。牛肉の色にはない乳白色の肉を、こちらは中まで火を通して食べる。ややコリコリと弾力があるプリプリした淡泊な肉は牛とはまた違って旨い。

「ガーリックカルビ」なるものもある。小さな金属の器にバターのかけらとスライスにんにくが入り、それは網の上で温めてバターを溶かしておく。カルビにはおろしにんにくがたっぷりとまぶされていて、その焼き上がりに溶かしバターをつけて食べるというもの。これまた目先が変わっていてけっこういける。
何を喰っても期待以上には美味しくて良い感じだ。

喰った喰ったの計700gの肉とたっぷりの野菜。デザートもしっかり喰った。
「やきもちアイス」なるものは、小さな餅を炭火で焼き、それをアイスクリームと一緒に食べるというもの。バニラアイスクリームにはメープルシロップがかかっていて、あつあつの餅をアイスクリームと共に口に入れると何やら奇妙な食感だ。悪くない。

満腹しながら、小雨のなかよろよろと自転車こいで帰宅。
「fdisk」までかけてフォーマットしたハードディスクは、またも見事に不具合をおこしてくれた。あーららー……(泣)

2/25 (日)
純米 塩原回顧(みかえり)の滝 (夕御飯)
うまかった……
納豆うどん
抹茶入り玄米茶

午前9時半、いつもより少々早めの起床の週末。
目的は10時からのインターネットおよび電話にてのチケット取得。目的は「宝塚」。実はヅカファンとはほど遠い私であるが、今世紀最初のベルばらとあってはとても観たい。かなり観たい。結果は惨敗だったけど、挑戦した我が週末に悔いなし。

朝食は、うどん。美味しいと教えてもらった納豆うどんにチャレンジする。うどんを茹でて、水でキリリと締め、混ぜた納豆をどかんと乗せる。だし醤油をかけて、上から刻み海苔をパラリと。
ねばねばねばねばするシコシコ麺に絡むたれと海苔。ご飯とはまた違う奇妙な食感だった。うむ、悪くない。

北海わっぱ飯
ほうじ茶

今日の午後はお客人が多数来ることになっている。鍋料理の材料買い出しに、昼頃ぷらぷらと近所の安売りマーケットへ。
折しも「駅弁フェア」なるものをやっており、「北海わっぱ飯」なるウニたっぷりの丼ものを購入し、帰宅。だんなは鶏そぼろの乗った釜飯を買っていた。ほうじ茶入れて、冷めてもならではの美味しさがある駅弁を食す。

酢飯の上に、ゆがいたようなウニのそぼろ。錦糸卵に甘辛く煮染めた帆立が乗っている。900円もしたわりに味わいはいまひとつだったけど、とりあえず満腹。

チョコミルフィーユ
紅茶

午後3時半。だんなの大学時代の後輩にあたるJさん及びその彼女さんがお菓子の箱を持ってやってきた。しばし皆で話しつつお茶。話題はJさんの勤めるアニメ会社サンライズの業界話からアニメ、パソコン関係のディープな話に及び、私も話の70%方にしかついていけなかったけど、彼女さんは頭の中が真っ白になってしまっていたらしい。

アルミの包み紙にくるまれたチョコレート味のミルフィーユはこってりした甘さで軽い食感が美味だった。Jさんとだんなはエスプレッソを飲み、女性陣は紅茶を入れた。
午後5時半、最後の来客M井さんはまだ来ない。

牡蠣の中華風サラダ
豚味噌鍋
うどん
ウィンターエール、純米大吟醸 塩原回顧(みかえり)の滝

苺乗せマンゴープリン

午後7時前、最後の来客M井さんがやってきた。Jさんはだんなの後輩で、M井さんはだんなの1年先輩だ。同じサークルで仲の良かった面々だということだ。
息子を入れて6人もの人数がテーブルを囲むということは滅多にないことで、椅子が足らない分をソファーベッドでカバーしつつ食卓を作る。

やはり冬ならこれでしょ、の豚味噌鍋と酒の肴に牡蠣のサラダ。
白髪葱を大量に作り、刻み生姜を混ぜ込んでおく。その半量を皿に盛り、その上に湯通しした牡蠣を乗せ、更に葱の残り半量を盛りつけて、てっぺんに香菜を。上から煙が出るまで熱したサラダ油とごま油のミックスしたやつをジャーッとかける。タレは顆粒の鶏がらスープを濃いめの溶かした中にオイスターソースとXO醤を混ぜたのを添えて、浸しつつ食べる。突然レシピを見ながら作った割にはビールに似合うつまみになった。

酒は実家が酒屋のJさんが土産に持ってきてくれた「純米大吟醸 塩原回顧(みかえり)の滝」。
純米らしいまろやかな味の柔らかい味の酒だった。淡い甘さで喉ごしが良いのでいくらでもクピクピと飲める。旨い。
車で来たJさんと、酒に弱いというその彼女さんは結局酒は一口も飲まず、私とだんなとM井さんでひたすら酒を酌み交わしつつ皆で鍋をつつく。

濃いめに練り味噌を溶いて作った鍋は今日もいくらでも食べられそうな勢いだった。5人の大人で800g強の豚肉をたいらげ、1/2個の白菜を消化した。

Jさんたちが真っ赤な車で帰っていった後、M井さんは例によってお泊まりだ。
1升の半分ほどを飲んだ我々3人はちょっと酔っぱらっていた。ふにゃふにゃ。