食欲魔人日記 07年08月 第4週
8月20日 月曜日
フォトジェニックな、葱たっぷり卵乗せ焼きそば
ハムエッグ
牛肉とわかめの韓国風スープ
御飯 with 韓国海苔
麦茶

夏休みになったらお弁当?作ったげる作ったげる楽勝楽勝!……なんて、7月の中旬の頃、私は気安くだんなにそう言っていた。
でも、実際夏休みになってみるとこれがなかなか難しい。前夜に飲んだくれて弁当の下準備どころじゃなかったり、前日あるいは当日の外出予定を入れてしまっていたり、あるいは遊び呆けていたしわ寄せで私が仕事に追われていたりと、「前夜落ち着いて弁当の仕込みをして、当日心静かに弁当作成をする(できればだんなの分に加えて、私の分と息子の分も)」という事がまだ一度しかできていないのだった。その一度は、私と息子が科学技術館に遊びに行った日で、私たちもお弁当を持って出かけたのだった。

今日は久しぶりにお弁当が作れそうな状況。でも私と息子は外出予定で、外でお弁当を食べるという展開にはならないだろうなという様子。だんなの分のお弁当だけ作って持たせて、私たちは弁当を持たずに出かけることになった。ちなみにお弁当は玉ねぎ多めに入れてみた牛丼と昨夜の残りの春雨サラダ、水菜の磯和えとゆで卵に胡麻塩ふったやつ。

朝御飯は、春雨サラダに使って余ったハムを使ってハムエッグ。韓国風のスープが残っていたので韓国海苔も出してみた。だんなのお友達が韓国旅行土産にくれたのだという韓国海苔は「ノーマル」「キムチ味」「プルコギ味」「竹味」(竹……??)の4種類。
「おお、ノーマルは確かにノーマルだ、胡麻油味だ」
「プルコギ味、なんかすごいよ、プルコギまんまだよ」
と、とりあえず2袋ばかり開けてみながら食べてみた。竹味がすごく気になるところ。

船橋ららぽーと内「洋麺屋五右衛門」にて
 ハーフ&ハーフ[B] \1450

今日は一日遊びの予定で、でも仕事の打ち合わせなども入れてしまって色々大変なことに。打ち合わせは喫茶店にしてもらったので、息子には少し離れたテーブルでニンテンドーDSでもして待っていてもらおうとその旨言い含めてお出かけした。

まず目指したのは、「"ぐるっとパス"を使いましょう」の理由もあって葛西臨海水族館

息子も私も何度目かの訪問なのだけれど、スタイリッシュな建物デザインといい、どーんと大きなマグロ水槽の存在といい、かなり好きな水族館だ。入館して最初にサメ水槽があって、大きなシュモクザメが悠々と泳いでいるのが素晴らしい。深海魚コーナーがあってギンザメや太刀魚などがいるのも素晴らしい。リーフィーシードラゴンがいるのは更に素晴らしい。……これで、クラゲの展示が「ミズクラゲ」だけじゃなかったらもっと最高なのだけれど、シュモクザメの魅力でそのへんは相殺されてしまうのだった。多分私の水族館判断ポイントは相当変な方向に偏っていると思う(そんな私が大好きなのは新江ノ島水族館加茂水族館……マンボウがいるからサンシャインも好き)。

基本的に私は水族館が大好きで、息子もそれなりに好きらしく、数度目の訪問でも楽しく館内を一周した。今日は一日慌ただしいスケジュールだからと開館直後の時間帯に行ったのだけれど、そのおかげでさほどの混雑を味わうこともなく館を後にできた。帰りの順路は入り口付近まで戻ってきてエスカレーターに乗るのだけれど、例のサメ水槽の前は大変な人だかりになっていた。

「……さて、それじゃあ昼御飯にしよう、何食べたい?」
「マッケンチーズ!……でなきゃ、クリームのスパゲティ」
「スパゲティねー」
午後の仕事の打ち合わせは、船橋ららぽーと内でということになっている。ではそちらの方面へとららぽーとに移動して、パスタ屋のリストをショップガイドで眺め、「この店になら絶対クリームのパスタはあるでしょう」ということで「洋麺屋五右衛門」に向かってみた。

店名は何度も耳にしているし、チェーン店だから店の前を通りがかることも何かとあるけれど、そういえばこの店に入るのはこれが初めてだったかもしれない。フォークじゃなく、普通に割り箸が出てきてけっこう驚いた。麺は確かにちょっと太めではあるけれど、でもミートソースなどの味が特に和風ということもなく、「……なぜ、箸?」と今更ながらに不思議に思ってしまった。

息子は「クリームソースだから、これ!」と地鶏とほうれん草のチーズクリームパスタを選択、私はどれにしようか悩んだ挙げ句「ハーフ&ハーフ」の2種類の味を楽しめるものに。お店のおすすめメニューなのだという「モッツァレラチーズとなすのミートソース」と「たらこバターと海老のレモン風味」の2種類が来るセットにしてみた。息子のにはスープとサラダとドリンクがつき、私のにはスープとドリンクがついてくる。

モッツァレラチーズの存在感で、かなりコクのあるミートソースのスパゲティと、「自分で混ぜろ」とばかりにたらこペーストが上部に盛られた、海老入りの白いスパゲティ。箸で食べるスパゲティということで、スープも少し和風に豆腐入りのお吸い物のような感じだ。疲れた体にも「しっかりした味」と感じられるほど塩気も強く、そしてにんにくもがっつり効いていた。この系列の店がにんにく強めなのは知っていたけれど、でも見過ごしていた。

「お母さん……このスパゲティ、ちょっと、辛いよ……」
大きなにんにくのかけらをガリッと噛んでしまったらしい息子が、「にんにく多い……」と悲しそうな顔になり、「クリームのスパゲティに、にんにくは要らないよ?」と更に悲しそうな顔になって呟いている。にんにくのかけらをそれなりに除けて食べていたようだったけれど、それでもちょっとつらそうだった。……確かに、イタリア料理のお店に食べに行って、ここまでにんにくが効いているスパゲティというのも(クリームソースならなおのこと)ないかもしれない。そうか、この店は息子的にはハズレだったか……(ごめんよ……)。

稲毛海岸 「粉もん屋」にて
 海鮮ミモザサラダ \680
 長田ホルモン焼 \580
 皮の塩焼 \280
 オムそば(豚) \680
 お好み焼き(ぼっかけチーズ) \880
 焼きそば(ぼっかけ+ネギ玉) \880
 生ビール 4×\480
 シークワーサーサワー 2×\390
 ドリンクバー \150
皆でむしゃむしゃ

仕事の打ち合わせも首尾良く終わり、「今からなら、夕方の回見られるね」とショッピングモール内のシネコンで「西遊記」を見てきた。以前、仕事先から「良ろしければお子さんとどうぞー」といただいていた招待券があって、夏休みが終わってしまわないうちに見に行こうと思っていたもの。

この手の映画(なんというか……芸能人が芸能人っぽいまま出ている映画、というか、「新春かくし芸大会」的な映画というか)を見るのは久しぶりだったのだけれど、これが思った以上に楽しかった。笑いのツボを心得ていて、息子は横でゲタゲタ笑いっぱなし。

キャストを全然確認しないまま劇場に行ってしまったので特殊メイクが激しいラスボスが誰だかさっぱりわからなくて、声高らかにしゃべりだしたところで「うわ、"アーレ、キュイジーヌ!"の人だったか!」とのけぞりそうになったり、ナレーション部分の声が永井一郎(=波平、錯乱坊、子泣き爺、猪熊滋悟郎……)だったり、私も私で楽しんだ。願わくば、三十路の慎吾ちゃんじゃなくて、二十歳前後くらいの若かりし頃の慎吾ちゃんで見たかったなという思いも少し。SMAPがデビューした頃、「とうとうジャニーズが"年上"世代じゃなくなってきたわ」と思ったものだけれど、最年少の香取慎吾ももうはや三十路と思うと感慨深い。

4時頃からの回だったので、映画が終わるともう6時。「どっかで食べて帰りませんかー」とだんなに声をかけ、帰路途中の駅で落ち合ってお好み焼き食べて帰ることにした。

「王将……は、ちょっと食傷気味かな」
「うん、そうかもー」
「あと、駅前に"しちりん"もあるし、駅のそばにとんかつ屋もあったよね」
「しちりん!しちりんは飽きてない!」
でも、しちりんとかとんかつとかは、微妙になんか違う感じ……、と思っていたところで「粉もん屋」はどうですかとだんなが提案してくれた。お好み焼きは、良い。チェーン店の「神戸長田風」のお好み焼き屋さんなのだけれど、焼きそばは太麺だし、焼いてから出してくれるもっちりした柔らかめのお好み焼きもけっこう美味しいし、密かに気に入っている。

とりあえずビール!ビールとつまみ!と、まずはビールとサラダ、焼き物を少し。
初めて頼んでみた「海鮮ミモザサラダ」は、卵とじにした魚介炒めを胡麻ドレッシング和えサラダの上に乗せたようなもの。魚介のマリネを乗せた冷たいサラダを想像していたので、湯気もうもうのそれが出てきた時には少しびっくりしたけれど、柔らかい味でとても良い感じ。すっかり疲れたらしい息子もサラダをもりもりつつきつつ、オムそばを1人前、ほとんど綺麗に平らげていた。

大人たちもサラダをつつきつつ、ビールの肴にホルモン焼とか、鶏皮の塩焼きとか。どちらもモヤシがたっぷり添えられ、丸い鉄皿に盛られた状態で卓上の鉄板の上に乗せられる。こっくり味のホルモン焼もビールに合うし、シンプルな塩味の皮焼きもビールに合うし、
「ももも、もう1杯ですかね?」
「ビール、もう1杯じゃないですかね?」
と、席についてまだ15分も経っていないじゃないかというタイミングで2杯目を注文。最後は酸味強めのシークワーサーサワーなどいただきつつ、お好み焼きや焼きそばもしっかり食べた。

このお店の名物は「ぼっかけ」という名前の牛スジ煮込み。こんにゃくなどと共に甘辛く煮つけられていて、「ぼっかけ焼きそば」や「ぼっかけお好み」が人気らしい。それに葱乗せたり卵乗せたり、まろーんとした牛スジの口当たりや味を楽しみながら夫婦2人してぼっかけ入りのあれこれをつついて、夕飯終了。
明日もおでかけー。

8月21日 火曜日
みんながんばって作ってました
「ポンデザール」の
 クリームパン
アイスカフェオレ

どこから見ても千葉なのに「東京」とはどういうことか……と毎回思ってしまう「東京パン屋ストリート」で昨日はお買い物してきた。なんでも、期間限定で「ポンデザール」というお店が出店しているのだそうで、昨日は
「本日最終日でーす」
「テレビチャンピオン準優勝のお店でーす」
と店頭で店員さんが大声を張り上げていた。ショーケースを眺めてみると、ロールケーキがとても美味しそう。ロールケーキ買いがてら、朝ごパンもそこで買っていくことにした。

息子は大きなメロンパン(緑色してる……)、私はクリームパン、だんなには「当店おすすめ!」と札のついていたメンチカツバーガーを選んでみる。
パン生地は、私のクリームパンも、息子のメロンパンも、全体的にもっちりしっとりとした口当たり。水分が多く、かつ粘りも強い、ちょっと独特なものだった。カスタードパウダーを混ぜ込んだような、鮮やかな色合いのカスタードももったりとしていて、全体的に重量感のあるパン。ロールケーキも美味しそうだなと思いつつ、今は食べずに出かける準備を始めた。

ららぽーと豊洲内フードコートにて
 「コカレストラン」のランチセットA \1000
 シンハービール \550

今日は、息子がそれはそれは行くのを楽しみにしていた「キッザニア」午後の部に行くことになっている。楽しい楽しい超楽しい!という話は何かと耳にしていたのだけれど、公式サイトの「予約状況カレンダー」を見るたびに愕然としてしまう。何しろ週末は数ヶ月先まで、ほぼ予約がいっぱいの状況が続いている。

もちろん夏休み期間中も、毎日が予約が埋まったことを示す×印の羅列ばかりで、こりゃなかなか行けそうにないねぇと6月の終わりくらいにその表を眺めていたのだけれど、ある日ぽっかりと8月22日の午後の回に△印がついているのを見つけた。web予約は1回に限り予約の日程を変更することができるので、たまに眺めていると直近の日程に空きが出ることもある。
「この日、空いてるけどだんな行く?一緒に行けそう?」
と相談して、即効予約。「予約取れたよ」と告げてからというもの、息子は本当にここに来るのを楽しみにしていた。公式サイト見て、マップを印刷して、ここ行こうあそこも行こうとチェックしていた。

ここは完全入れ替え制で一部(10:00-15:00)と二部(16:00-21:00)に別れているのだけれど、予約すれば良いというものではないらしく、他のブログなどを見てみると「二部、3時に到着したら遅すぎた」とか「12時に着いたら既に行列ができていた」とか大変なことになっているらしい。入場自体にそれなりに時間がかかるらしいということで、たとえ予約を済ませていても「入場のための列」に並ばないといけないらしかった。何しろ今回は初めてということで勝手もわからず、
「ともかく、そういうことなら早めに行ってみる?」
と息子と2人、昼頃到着予定で豊洲に向かう。

巨大な「ららぽーと豊洲」の中で迷ってしまい、キッザニアの入り口前に到着したのは12時を少し回ったところだった。既に6組ほどが小さな列を作っていて、皆さん手馴れた風にレジャーシートを敷いて座り込んでいる。これは、並んだ方が良いのかなと私たちもその列の後ろについてみた。午前中は仕事に行っていただんなが合流してから、交代しつつお昼御飯。2時前に予約番号と引き換えに入場券が渡されて、午後4時のスタートを前に、3時半から二部の入場が始まった。

だんなと息子に先に2人で昼食を摂ってもらったので、後から私一人でお昼御飯。幸い、並んでいた行列に隣接したところにフードコートがあったので、そこで簡単に済ませることにした。和洋中イタリアン、アジアンフードにラーメンと色々揃っていたフードコートで
「お、タイ料理があるー」
とコカレストランのセットメニューを選択。豚挽き肉の炒めかけ御飯(目玉焼き乗せ)に麺がついたものだった。ついつい調子に乗って「多分キッザニアに入ったらビールとか売ってないしー」とシンハービールもつけてもらってしまい、それでも十数分で手早く済ませた昼御飯。ナムプラーをベースに味つけされた豚ひき肉は、想像以上にピリ辛味でビールがおおいに進んでしまった。

フードコートは入場するときに、人数分の決済用カードとグループにひとつの「reserved」札が渡される仕組みになっている。先に「reserved」の札を使ってテーブルを抑え、各自決済用カードを持って料理をもらい、退場時に札とカードをレジに出して清算する。セルフサービス式の各店舗でお金を出す必要もなく、子供でも一人で簡単に料理を注文して持ってこられるようになっていてとても便利だった。……でも、この仕組みだとついつい食べ過ぎたり飲み過ぎたりしてしまいそう。テーブルのエリアも広々とたくさんの席が用意されていて、かなり快適なフードコートだった。

そしていよいよ、何日も前から息子が綿密に計画を立てていた「お仕事体験」の始まり。
「……で、君は何をやりたいの?警察官とか?」
「警察官は、興味ないなぁ」
「パイロットが人気らしいよ?」
「飛行機もねぇ……どうでもいいなあ……電車の運転手だったら考えるけど」
「消防士は?」
「それもね、別にいい」

一応、"キッザニアにおける男の子3大人気職業"を挙げてみたのだけれど、どれもこれも「どうでもいいなぁ」という息子。「これがやりたい!」と胸を張って宣言したのは、電力エンジニア(東京電力)、建設作業員(大成建設)、ガソリンスタンドサービススタッフ(出光ガソリンスタンド)という非常に渋い選択だった。あと、免許取得してレンタカー借りたり、携帯電話借りたりしたいのだとか。

キッザニアは、ユニフォームや機材全てが2/3スケールに縮小された子供のための「職業訓練校」みたいなところで、素晴らしいのはそれぞれの職業のスポンサーが現実の企業だということ。宅配便のスポンサーはヤマト運輸で、ユニフォームはまんまクロネコヤマトのそれだ。ハンバーガーショップはモスバーガーでユニフォームは深緑色のエプロン。電力会社は東京電力なので、作業着の胸にはちゃんと「TEPCO」のロゴワッペンがついている。普通によく知る企業が子供向けにちっこくなって存在しているので、「わぁ、コカコーラだ!」「あっちはヤクルト!」と子供たちはそれだけでわくわくするものらしい。

働けばそれに応じた報酬(通貨単位は"キッゾ")が貰える。多くの仕事は1回体験すれば8キッゾ、食べ物系のお店は作ったものをお土産にくれたりその場で食べることができたりするので、5キッゾのものがほとんどだ。入場時にもれなくもらえる50キッゾと併せ、稼いだお金はデパートでの買い物に使えたり(でも50キッゾで文房具1点がせいぜいかなー程度のものらしい)、携帯電話を借りたり(8キッゾ)するのに使うことができる。ちなみに運転免許証の取得にも、レンタカーを借りるのにもキッゾが必要だ。よくできている。

いろいろと要領の良い回り方もあったのだろうけど(入園した直後には人気職業を狙うべきで、明らかに人気職業とは言えない電力エンジニアに最初に行く必要はないだろう……みたいな)、ともかく息子がやりたいようにやらせてみようということで、家族皆で楽しんでみた初めてのキッザニア。息子は「お金を稼ぐ」ことはあまりしなかったものの、

    「東京電力」で電力エンジニア体験(8キッゾ入手)
→「DoCoMo」で携帯電話レンタル(8キッゾ消費)
→「三菱モーターズ」の運転免許試験場で運転免許取得(8キッゾ消費)
→「三菱モーターズ」のレンタカーを借りて走らせる(5キッゾ消費)
→「三井住友銀行」で口座作成、キャッシュカード入手
→「モスバーガー」のハンバーガーショップでキッチンスタッフ体験(自分で作ったテリヤキバーガーと5キッゾ入手)
→「セントラルスポーツ」のスポーツクラブでファイトアタック参加(5キッゾ消費)

という感じで、充実した5時間を過ごした。何しろ、一つのパビリオンでの体験がかなり長い。各職業それぞれユニフォームを着用し、数十分のブリーフィングを受けてから「仕事」に出動する。町中を小さな警察官が走り回り(帽子と上着で見てすぐにわかる)、消防車からは耐火服を着用した小さな消防士がぞろぞろ降りてきて、小さな新聞記者がそこらで取材していたり、小さなカメラマンはパパラッチばりにあちこちの写真を撮っている。毎時0分には中央の時計台で「おもちゃの兵隊」に扮した「街時計」のパフォーマーたちがダンスを披露。2階の窓に見えるのはAvexのリハーサルスタジオで、子供達が真剣にダンスの特訓をしているのだった。ダンスの練習後、ちゃんと劇場でライブショーを行うのであるらしい。他にもマジシャン、裁判官、警備員、パン屋に歯医者に保育士にデパートの店員さん、テレビスタッフにラジオのDJ……と、本当に職業はすごい数が揃っている。いや、ともかくすごい空間だ。

作業着を着用してヘルメットや耐電グラブもつけた息子もしっかり、「ヘルメットよーし!」「ベルトよーし!」と皆で声をかけあって、専用車で「現場」へ急行し、開閉板の修理に赴いていた。ちゃんと試験を受けて立派なプラスチック製の「運転免許証」(写真入りだよ……)を作ってもらい、小さな電気自動車のレンタカーを体験。遊園地みたいな車かと思いきや、ちゃんとウインカーも出せるし「アイドリングストップ」もできる車だったらしい。交通規則を守りつつ専用エリア内を何周かした後は、レンタカーなので「ガソリンを満タンにして」返却しなければいけない。

「……芸が細かい……ガソリン満タンにして返却するんだ……」
「うぉ!レンタカーに乗ってる子供たち、ガソリン用のクーポン持ってる……」
「しかもしかも、ガソリンスタンドでガス入れたら、ちゃんと"レシート"渡されてるー!!」
変なところまで細かくて、もちろんガソリンスタンドの店員さんも子供達で、ジャンパー着た子供達が「オーライオーライ」「ありがとーございましたー!」とかやってくれるのだった。おお、車をタオルで磨いてくれてるよ。

銀行のキャッシュカードだってなかなか立派なもので、口座開設に伴い、オリジナルのお財布も貰うことができる。入金は銀行でのみ可能だけれど、入金してしまえば何カ所かあるATMでキッゾを引き出すこともできて、息子は「僕だけのあれこれ」に卒倒しそうなほどに喜んでいた。ちなみに携帯電話も、おもちゃじゃなくてちゃんと通話ができる。私とだんなの携帯の番号をレンタルした携帯電話に登録した息子は、「じゃあこれ持って一人で行って来る!」終わったら電話するからねー、と次の目的地に出かけていったのだった。

キッザニア内「モスバーガー」で
 フレッシュバーガー
 オニポテ
 ジンジャーエール

そんなこんなでいよいよ残り時間も少なくなり、8時頃に参加したのがモスバーガーのバーガー作り。1グループ6人ずつ、テリヤキバーガーを作って袋に入れ、仕事を終えた後でそれを食べることができる。トマトやミートソースが入らない分難しくないということで「テリヤキバーガー」なのだろうけれど、それでも子供達は山積みにしたレタスをどうしようとか、袋にどうやって詰めようとか、かなり苦戦している模様だった。
作成前に皆で何やら味見していると思ったら、「氷水に一瞬浸けただけのレタス」と「氷水に5分浸けたレタス」の食べ比べをして、「5分浸けた方がシャキシャキで美味しいでしょう?お店のレタスは、こうして準備してます」とか何とかレクチャーを受けていたらしい。

「これ!作ってきた!」
だから僕が食べる!と、隣接の休憩コーナーに座って「自分が作ったテリヤキバーガー」にかぶりつく息子。モスバーガーのパビリオンには併設して大人も買えるショップがちゃんとあったので、私とだんなもモスバーガーのバーガーで夕御飯ということになった。こちらはいつもの味の、フレッシュバーガーとオニオンリングとポテト、そしてジンジャーエール。

食べ終えた頃には、もう「受付終了」のパビリオンばかりになっていて、最後に滑り込むようにスポーツジムの最終プログラムに参加してきた。「ファイトアタック」なるプログラムは、私たちの通うジムで言うところの「ボディコンバット」そっくりなもので、
「息子息子、参加してごらんよ、これ、ジムでお父さんやお母さんが参加するのとそっくりだよ?」
「楽しいよー」
とたきつけて、息子が初めて体験することになったエアロ系プログラム。

「おおー、ジャブジャブクロス!」
「ダックしてニー!」
すごいすごい、けっこうちゃんと本格的なんだね、とガラスの外で見守るお父さんお母さんたちを前に、グラブをつけタンクトップをはおった子供達はもう疲れているだろうに元気に飛び跳ねていた。

子供も大人も楽しかったキッザニアで、案の定その魅力に虜になったらしい息子は何度も何度も運転免許証やクレジットカード、体験した職場で貰った職業カードを眺めて
「キッゾとカード集めるんだー……今度は警察官とかもやってみなくちゃ」
と新たな職業に燃えているのだった。でも、とりあえず次にやりたいのは「建設作業員」だそうで(やっぱり渋い……)。

8月22日 水曜日
美味しかったです。また買ってこよう。
「ポンデザール」の
 レーズンパン
アイスカフェオレ
葡萄(デラウェア)

昨日も一昨日も外出で、さすがにちょっとへばり気味。あと数年経てば息子は友達同士でどこかに行くことが増えていく一方だろうし、科学館や博物館は小学4〜5年くらいまでが一番楽しかろうという思いがあって、長期の休みの間は多少無理をしてでも色々なところに連れていってやりたいと思っている。そのあおりで昨日は朝6時過ぎから仕事したりもしたけれど、それもまた本望だ。なんだかんだ言って、結局は私も久しぶりの科学館などに行くことを楽しんでいる。

「……でも、疲れました……お母さん、ちょっと疲れました……」
ここ数日ぶり返してきた猛暑に対する疲労もあって、今日は一日グロッキー。息子も漢字と算数のプリントなどこなしつつ、時折キッザニアの財布を広げてはクレジットカードや運転免許証をうっとりと眺めつつ一日を過ごした。

ここ数ヶ月のうちで一番真剣な表情なんじゃないだろうかというほどの強い瞳でもって「次はいつ?いつキッザニアに行ける?」と聞いてくるので、数ヶ月後の週末にまた予約を入れてみる。ほいほい気軽に行けるほど、お安くもないし近くにある施設というわけでもないのだけれど、それでも良いかと思えるほど魅力的な場所だった。そう何年も楽しめる施設ではないから(小学校高学年には高学年なりに楽しめる職業が揃っているけれど、職業全体をまんべんなく楽しめるのは小学1〜4年くらいじゃないかなと思う)、つい財布の紐も緩くなる。

今日はまた輪をかけて暑い一日になるそうで、「節電のお願い」がテレビCMで流された。関東の電力の安定供給ができるかできないかという状況がここ数日続いていたそうだけれど、今日の猛暑でいよいよ大変なことになってしまったらしい。

朝御飯は、昨日と同じく、「東京パン屋ストリート」内のショップで買ってきた「ポンデザール」というお店のパン。息子のリクエストでレーズンがみっちり詰まった重量感のあるレーズンパンを買ってきたのだけれど、大きく3つのブロックに別れたその長細いパンを1切れずつ食べた。レーズンパンに合わせたわけではないけれど、食後に種なし葡萄。

昨日食べたパンと同じく、これまたもっちりねっちりとした独特の粘りがあるパン生地だった。
これはもう、個人の好き好きなのだけれど、私はここまでねっちりしてなくても良いかなー……と思う。Johanのパンもかなりもっちりしている系統だと思うけれど、それとはまたベクトルの違ったもっちり加減なのよね。

スティックきゅうり
レタスの玉ねぎのサラダ 胡麻ドレッシング
カツ丼
わかめの味噌汁
麦茶

銀座カクテル マンゴ

今晩はだんな、仕事先の阪神仲間と神宮球場に野球観戦だそうで、うきうきとメガホン持って出勤していった。
「お父さん、球場で同じ試合見てるよ」
と我が家もスカパーで野球中継をつけて、それを見ながら涼しい部屋で夕御飯。今日は日が暮れても暑そうだと思っていたら、試合内容も暑かった。12点も取っての勝利はさぞ球場のだんなも気分が良かったことだろう。

夕御飯は、
「なんかさぁ……お母さん、さすがに食欲ないかも……おつかれです」
「疲れてるんならねぇ!お母さんカツ丼は?」
カツ丼は大好きなんでしょ?大好きなものならいっぱい食べられるでしょ?と、「お母さんの好物はカツ丼」と正しく理解してくれている息子が嬉しい提案をしてくれた。……カツ丼、いいねぇ。トンカツはくどくて食べられそうにないけど、カツ丼ならさっぱりしてるから食べられそうだよ(←意味がわかりません)。

かといって家でカツを揚げる気力は全然わかず、夕方習い事に出かけた息子に総菜屋さんに寄ってきてもらうことにした。お金持たせて、習い事の帰り道、あそこを通ればトンカツ屋さんがあるからね?と伝えたら、きっちり「半額」シールが貼られた大きなロースカツを1枚買ってきてくれた。おお、半額でたったの200円でしたか。ブラボー。でっかいカツだったので、1枚を半分こして2つのカツ丼にする。息子の方を心持ち大盛りに。

あとは簡単に、胡麻ドレッシングサラダ(油っこいのは嫌だなと練り胡麻と酢、醤油などで適当に自作した)をかけた玉ねぎ多めのレタスのサラダ、わかめの味噌汁やスティックきゅうり。阪神が4点も先制すれば楽勝よねと台所に引っ込んで料理している間に8対1になっていてびっくりした。調子良いなぁ。

カツは4切れずつのカツ丼だったので、せめてもと卵は1人2個。甘辛く玉ねぎをしっかり煮込んでから卵とじにして、なかなか良い具合に出来上がった。
「すっごいねー、今日の桜井もすっごいねー!」
「うん、今日はアニキも調子良さそうだよね」
普通にラッキーセブンの攻撃時に息子と2人六甲おろしなど口ずさんでしまって、端から見るとどこから見ても「阪神ファンの親子」という光景を繰り広げてしまいつつ、夏バテもふっとぶ(最初っから夏バテなんかじゃなかったという話もあるけど)カツ丼を堪能した。

食事中にはとうてい似合いそうにない飲み物だなと、食後に飲んだのは銀座カクテルのマンゴー味。

とろりとわずかな粘度のあるマンゴー味のカクテルで、想像していたほどに香料の匂いはなく、自然なマンゴーの味がこれでもかと感じられる美味しいマンゴーのお酒だった。市販のマンゴーものでこんなに美味しいと感じたのは久しぶりー、と思いつつ、ちびちび飲んだ。コンセプトに千疋屋の名前が入っていることもあって前から気になっていたし美味しいという話も聞いていたのだけれど、これなら9月発売予定のグレープフルーツとグレープもとても楽しみ。冷蔵庫に入っているメロン味を飲むのもちょっと楽しみだ。

……でもこれ、フルーツジュースそのものみたいな感じだから夕飯と一緒にという雰囲気じゃないし……いっそ風呂上がり、とか?

8月23日 木曜日
ちょっと優雅なイタリアンランチ
チーズトースト
アイスカフェオレ

今日は(今日も?)お出かけ。
一度つくばでランチ会を!と数ヶ月前から友人達の中で盛り上がっていて、日程調整の結果8月も終盤にさしかかる今日と日程に決まった。半分以上冗談で「セレブの会」(全然セレブじゃない自分たちが、たまにはセレブっぽいところで飯でも喰おうじゃないか……ぐらいの意味)と名付けて都内で何度か開催されたお食事会、今回はつくばということで「セレブatつくば」とトイレのカレンダーにメモしておいたら、先日義妹に「あれ、ナニ……?おねぇ」と笑われた。ええ、セレブの会なんです、つくばで。

朝御飯は軽めに、チーズトースト。大判のスライスチーズを食パンに乗せて、しっかりめにトースト。冷たいカフェオレ飲んで、急いで準備したら出発だ。

つくば 「IL CUORE」にて
 ランチコース \3000
     前菜盛り合わせ・スープ・パスタ・お肉(orお魚)料理・ドルチェ盛り合わせ・カフェ

友人Mさんの車に乗せてもらって、一路つくばへ。つくばにお住まいのTさん宅に到着すると、すでに電車でこちらに向かっていたTさん(あら、どっちもTさん……じゃあ東京から来たTさんは、今日はOさんってことで)がTさんの家でお茶していた。「来客は久しぶりー!」特にこんなにたくさんの来客は久しぶりー!……と、常からハイテンション気味のTさんは今日はますますハイテンション気味。見ていて非常に面白かった(そして何度もそのハイテンションぶりについてからかわせていただいた)。

お昼御飯は、2台の車に分乗して向かったつくばのイタリア料理レストラン、イル・クオーレ。前菜、パスタ、メインディッシュ、ドルチェとカフェまで出てきて1580円のランチセットが非常にお値打ち、しかも美味しいのよと聞いていた。他にもフランス料理のお店などなど、Tさんにお勧めされたお店はたくさんあったのだけれど、今回は子供がパスタを喜ぶだろうということもあり、イタリアンということになった。

せっかくだからとワンランク上の3000円のコースにしてもらった今日。盛り合わせの前菜やドルチェの内容が豪華になり、スープもついてくる。お値打ち感で言えば1580円の内容の方が上だったかも、というTさんの話だったけれど、それでもとても楽しめた。前菜とドルチェ、食事の始まりと最後に豪華な盛り合わせが出てくるというのは嬉しい。

前菜は、鯛のカルパッチョ、生ハムを添えたマンゴー、クリームチーズのブルスケッタ、豚の耳などが使われたお肉のテリーヌ状のもの。角切り野菜が鮮やかに添えられたカルパッチョや、"生ハムメロン"マンゴー版が良い感じ。ブルスケッタはとても普通な感じだったけれど(食事に出てくるバゲットにブルサン塗ってトーストしました……的な)、テリーヌなどもかなり手が込んでいた。ねっとりしたマンゴーの甘さに生ハムのしょっぱさが良く似合う。果汁たっぷりなメロンを使った生ハムメロンも美味しいものだけれど、マンゴーもとても好きかも。

スープはバニラの香りをつけた新さつまいもの冷たいスープ、そしてパスタはTさんがお気に入りだという生ウニのタリオリーニ。手打ち麺にクリーミーなウニのソースと、そして角切りにされたタコがふんだんに入っていた。「イタリア料理で、タコと言えばトマトソース」というイメージがなんとなく私にはあるのだけれど、クリーミーな味とも良く似合う。ウニのソースと違和感なく混ざっているタコが美味しかった。このパスタだけ、皿たっぷりいただきたいという感じ……と、大盛りにしてもらったひき肉とアスパラのトマトクリームパスタをすごい勢いで食べている息子を眺めながら思う。

お肉とお魚からの選択のメインディッシュは、金目鯛のアクアパッツァか、東京Xのタリアータという選択。だったら2皿ずつ頼みましょうと、取り皿もいただきつつ、それぞれの料理を分け合いつついただいた。ジューシーな豚肉のグリルは薄切りにされたのがボリュームたっぷり何枚も。パルミジャーノ・レッジャーノを削ったものも散らされ、葉野菜がたっぷり添えられている。切り身の金目鯛のアクアパッツァにも葉野菜がたっぷり添えられていて、食卓は全体的に緑色になった。Oさんに言われて気が付いたけれど、そういえばアクアパッツァに葉野菜を合わせるというのは、あまり見かけない気がする。

オリーブやアサリも入り、塩気の程度もちょうど良いアクアパッツァ。大好きな料理なので、切り身のお魚で作っても美味しいなと、手頃な丸魚が手に入った時にしかアクアパッツァを作る気持ちが沸かなかった自分を反省しつつ、今度我が家でも切り身の魚でアクアパッツァを作ってみようと誓ってみた。

ドルチェは、皿によって少しずつ内容を変えた盛り合わせで、私の前に来たのはメロンのジェラート、プチシュー、ホワイトチョコレートのムース、ガトーショコラという組み合わせ。TさんMさんの皿には松の実のタルトやティラミスなどが盛られていたようだ。

都心に比べると千葉は心なしか涼しい(房総ならではの暑さはあるけれど、変に渦巻くような熱気はない)けれど、緑の多いつくばはまた輪をかけて風が気持ち良い。静かな環境にある、アクセスの良い場所とは言い難いところにあるこのお店のランチはとても盛況な様子だった。ほぼ満席の店内に驚きつつ、美味しかったねーとお店を後にしてTさん宅へ。

友人宅にて
 クワトロピザ・カルボナーラスパゲティ
 ワインたらふく

今日は夫もいないし、飲みます!と宣言していたTさん、言葉通りに次々とワインをテーブルに持ってきた。途中、皆が気に入っているお肉屋さんマルゲンミートでお買い物し、「これ、つまみになるかな?」とTさんが買ってくれたクリームタイプのチーズを傍らに、飲む飲む(主に飲んだのはTさんと私……)。アスティスプマンテに、Oさんがお土産に持っていてくれたシチリアのロゼワイン、赤ワインと、結局ほぼ2人で3本のワインを空にした。最近めっぽう酒に強くなりつつある私は、時間をかけて飲んだこともありさほど酔わず。目の前で華麗になおもテンションを上げていくTさんがひたすら面白かった。

電車でお帰りのOさんと夕方遅くにお別れして、「寂しい……人がいなくなってくのって寂しい……」というTさんと一緒に夕御飯も皆で。といっても大人たちはえんえんとつまんでいたチーズが胃にしっかり溜まってしまい、それほど食欲のない状態。子供達は2人でえんえんと元気に遊んでいた(なんか、「たたかっていた」らしい……)のでこちらには何か食べさせてあげないと、と、宅配ピザを注文した。子供好みの内容のクワトロピザに、カルボナーラスパゲティ。Mサイズピザにパスタ1つも取れば充分すぎるくらいだろうと思っていたのだけれど、息子が食べる食べる。イタリアンクラストのピザを、大人も「あら、これけっこう美味しいわ」「うん、イタリアンクラスト、美味しいよね」などと言いつつパリポリ食べて、午後8時を回った頃においとましてきた。

今日は一日ほんと賑やかで、それでも喋り足りなかったくらい。
「今度はアレだ、またホテルでレディースプラン!」
今度は3人じゃなくて4人かな、4人で泊まれるプランあるかなぁ……などとわいわいやりつつ、どうやら「セレブ会」はまだまだ続く模様。全員に微妙な年の差があって、
「私とあなたは1歳違い……でも、ここに線(育った時代文化が違うよねという線)があるでしょ、ここにも線(育った時代文化が違うよねという線)があるよね」
などとニヤニヤしつつ、何かと「私の子供の頃は」「いーや、私の子供の頃は」という話で盛り上がったりした。でも、端から見たら全員きっとただのおばちゃん。

8月24日 金曜日
回転寿司屋でサラダを食べる……思った以上の大盛っぷりに苦戦。
ベーグルでBLTサンド
アイスカフェオレ

昨日、友人がお土産に持たせてくれたベーグルを使って朝御飯。綺麗に表面がきつね色になったベーグルで、いただいた時に
「モラセス(糖蜜)使ってるの?」
と聞いたら
「あれはねぇ、高いから……今は黒蜜で代用してるの」
とのことだった。高い事を知っていて、"今は"黒蜜を使ってるということは……、
「……あ、じゃあ、モラセスは一瓶買ったうえで、もう使い切ったんだ?」
重ねて聞いたら
「うん、そう」
普通に返事が返ってきた。……すごい。

ベーグルの生地は、オーブンに入れる前に一度茹でるのだけれど、その茹で湯に茶褐色の糖蜜「モラセス」を大さじ1〜2ほど落とすと良いとされている。うっすらと風味がつき、綺麗な茶色い色もつく。でも、一度のベーグル作りでたかだか大さじ2ほどしか使わない、けっこう大きな瓶のはずのモラセスを使い切るということは……一体何百個のベーグルを焼いたのだろうこのヒトは。

すごいなぁ私もパン作りそろそろまた始めるかなぁと思うだけは思いつつ、今日の朝はありがたくいただきもののベーグルで。無性にBLTサンドが恋しくなってしまい、ベーコンの薄切りパックを取り出して両面カリッと焼き、レタスとトマトでサンドした。味つけは塩胡椒と薄くマヨネーズ。

「ベーグルにはクリームチーズが定番」という思いがあるけれど、ごく普通に食パンを使うような感覚でサンドイッチを作っても美味しい。やはり歯ごたえのあるパンなので、ふかふかした食感を楽しむ類には向かないかもしれないけれど(ベーグルの卵サンドも普通に美味しいと思うけど、ああいうのはテーブルロールとか食パンの方がどちらかと言えばお似合いかな、みたいな)、レタスのシャキシャキ感とか塩気のあるバリッとしたベーコンにはものすごくお似合いだ。

「銚子丸」にて
 炙りとろ海鮮サラダ
 金目鯛握り
 カンパチ握り
 大トロ握り
 中落ち手巻き
 生ビール

お盆休みだった音楽教室も、今日から始動。探している本ががあって、あそこにないここにないと本屋を巡り歩いていたら7時になってしまった。だんな、今日は遅くなると聞いている。

「……食べて帰ろうか……家でパスタでも、って思ったけど、ここ最近パスタ続いている気がするし」
「じゃあ、お寿司!?!?」
「お寿司かなー」
すしーすしー言いながらいつものお店に向かって、銚子丸の店頭に「大トロ祭り」のポスターが貼っているのを眺めた後、「大トロー大トロー」言いながら入店。大トロには抗えない。いつも金皿の大トロが銀皿なんです奥さん!

大トロ広告に「炙りとろ海鮮サラダ」なる文字を見てしまい、ビールとそれを頼んでみたところ、想定していたサイズの1.5倍ほどの食べ応えのあるサラダがやってきてしまった。炙りトロにいくら、とびこなどがトッピングされたサラダで、ドレッシングは和風か人参かを選択できる模様。和風ドレッシングかけてもらったサラダには刻み大根やパプリカ、にんじんなどがレタスと共にしこたま積まれていた。最近野菜不足気味だったし、と、ビールのつまみにわしわし食べる。そのおかげで他の握りはほとんど食べられなかったけど、それはそれで満足だ。

どうせお寿司のお皿はそう枚数食べられないのだから、と、値段を気にせず特上金目鯛(金皿でした……)もらったり、絶賛割引中の大トロももらったり。カンパチもとろりと脂が乗っていて美味しかった。大トロももちろん美味しかったけれど、今日はレーンに並んでいた鮪の赤身がとても良い感じ。「これって、ほぼ中トロと言って良いのでは?」と照りのある鮪が赤身の価格で回っていたり、逆に深い赤い色が美しい赤身らしい赤身も回っていたり。最後に中落ち手巻きを作ってもらって、結局私はサラダの他は4皿ほどしか食べなかった。息子はいつも通り、玉子やお蕎麦、いくらやいなり寿司、サビ抜きの鮪やサーモンを食べてご満悦。

「おーいしかったねー♪」
「おーいしかったねー♪」
と言いつつ、今日は幾分か涼しめな空気の中を帰宅。今の息子の背の高さは私の肩より少しだけ低いくらいで、目線のちょっと下あたりに良い感じの頭があるものだから、つい意味もなくわしゃわしゃと頭を撫でたくなってしまう。今日も半ば無意識にわしゃわしゃしてしまいながら
「あと何年かしたら君は私の背を軽く超えちゃうだろうから、そうしたらわしゃわしゃできないわねぇ」
と呟いた。

年齢的に、そろそろそういう事を嫌がっても良い年頃のような気もするけどねぇと思っていたら、
「僕でっかくなっても、手ぇ伸ばしてなでればいーじゃん!」
と返された。えええ、そんなでっかくなっちゃった君を撫でてもよろしいのですか。
「もっとでっかくなっても、ジャンプしてなでればいーじゃん!」
心外だ、とでもいうような表情で息子がそう言ってくれて、「え?マジ?ホント?どうもありがとうね、そうさせてもらうよ」と吹き出してしまった。

バスケ選手ですか?くらいにでっかくなった息子を、「とどかなーい」と言いつつ横でジャンプしながら撫でようとしている自分を想像して、「やっぱり、それは変な光景だろう」と思い直す。いや、その頃になっちゃったら君、「おかん、うぜーよ」とかいうことになってるって、多分。だから今のうちにわしゃわしゃし尽くしておくのよ。

8月25日 土曜日
レバカツレバカツ、ビールに最高!
ベーグルのトースト バターとはちみつ
クリームチーズ
アイスカフェオレ
葡萄(デラウェア)

友人がくれたベーグルで、今日も朝御飯。
「やっぱり定番のクリームチーズですか?生ハムもあるし、私ははちみつかけて喰うのも良いかなと思いますが」
俺、普通にクリームチーズが良いなぁ、僕はバターが良いなぁ、などとそれぞれ好き勝手な要望を述べているので、とりあえず横両断にカットしてオーブンに入れた。

結局、だんなはクリームチーズ、息子はバター、私はバターとはちみつ、という組み合わせでそれぞれベーグルにあれこれ塗って食べてみる。息子がクリームチーズをパンに挟むにそのまま囓りだしたのを見て、あ、私もそれ良いかもーと私もクリームチーズをひとかけら。

東京オペラシティ内 「TEXAS」にて
 ハンバーグ食べ放題ランチ \1000
 生ビール \300

息子の夏休みも、残り僅か一週間。今日の夕飯は新橋でモツ鍋を!という事になっていたので、
「んじゃ、昼から出かけてどっか行く?」
ぐるっとパスで行けるところ、探してみようか」
子供向けの面白そうな企画展やってるところとかないかなと探してみて、今日は新宿オペラシティに行ってみることに。オペラシティ自体、足を踏み入れるのは私も初めてなので楽しみだ。

少しのんびり準備して出かけたので、オペラシティに到着したのがちょうど昼御飯時。どこかで軽く御飯でも……と地下食堂街をざっと眺め歩き、だんなが
「おおっ!」
と嬉しそうに足を止めたのが「ハンバーグ食べ放題」の看板の前だった。TEXASというそのお店、日曜祝日限定(今日は土曜日だけれど、なぜか開催中だった模様)で60分間ハンバーグが食べ放題。サラダとライスがついてきて、ハンバーグのソースはドミグラス、テリヤキ、おろし醤油の3種類から選ぶことができる。ハンバーグは180gのを、次々注文することができるようだ。

「180g……2個がせいぜいかなぁ」
「僕、この1つ全部食べるので良い?」
「俺は3ついけそうだけどな」
各自目標を掲げつつ、ハンバーグのお昼御飯。何しろ大人1000円、小学生は500円。大変お得な感じだった。

ハンバーグ自体は、とりたててすごく美味しい!……というほどのものではなかったけれど、アツアツの鉄板に乗せられて出てくるのは嬉しい。添えられていたのはコーンだけだったけれど、お代わりするたびにそのコーンはきっちりと添えられて出てくるので、最後は「芋が添えられてなくて良かった、本当に良かった」と心から思ったりした。

「食べ放題」とはいえ、出てくるものは180gの普通に一人前のハンバーグなので、普通の胃袋の人はせいぜい2〜3皿が限度というところ。ぺろりと3皿食べきっただんなを内心「すごい」と思いつつ、私は2皿なんとか食べきった、という状況だった。さっぱり味なら食べられるだろいうということで、私は最初の一皿をおろし醤油で、次の皿をドミグラスソースで。入店した時にガラガラだった店内も、ちょうどビル内の会社の昼休みになったのか、休日出勤らしいサラリーマンたちがわいわいと大量に押し寄せてきていた。

食後は予定通り、オペラシティ内の美術展などを見て歩く。東京オペラシティ アートギャラリーの企画展「MELTING POINT」と、NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)で開催中の「サウンド×イメージ」展を立て続けに見て歩いた。

前者はかなり前衛的な展覧会。不思議なオブジェや、空間全体が作品になっている、靴を脱いでぺたぺた歩く白い道、二重になった薄いネットが低い位置に張られて、ネットに開けられた窓から顔を出せるようになっているもの……など、不思議な造形物が色々あった。「ぐるっとパス」を使って無料で入場できたからこそ見ることができたけれど、この展示物で900円……と思うと、なかなかすごいものがある。

後者は「キッズプログラム」なる子供向けの展示で、こちらの方が私たちにとっての今日のメイン。思った以上に「触って楽しめる」ものが多く、こちらは息子も大喜びだった。「およぐことば」という作品は、水面に向かっているマイクに向かって言葉を発すると、その言葉が光の文字になってプールに漂うというもの。センサーのついた専用のひしゃくでその文字をすくいあげると「の」の文字が海苔巻きのイラストになったり、「り」の文字がリンゴのイラストになったりする。声が雲になるものも楽しかった。雲は反対側に流れ、流れきるとその方向にあるスピーカーからその雲になった声が聞こえてくる。

「おおー、"わ、わ、わ、わ"だと小さい雲がたくさんできるんだ」
「途切れさせないで話し続けるとでっかい雲になるよ」
と、大人も普通に楽しんでいる。今回の企画展とは関係ないオープンスペースも、似た感じの触って楽しめるものが色々と。微妙に不便な場所にあるけれど、また来たいと思える、とても楽しい場所だった。

西新橋 「もつ福」にて
 名物レバカツ
 土日祝祭日限定2000円コース
 生ビール、焼酎ロックいろいろ

自宅で
 おいしいもの(カクテルチューハイ)

夕方になって向かったのは、西新橋のもつ福
「こんな企画やってるらしいよ」
と少し前にだんなが教えてくれたのは、この店で開催中の「モルツ生ビール飲み放題90分一本勝負」なるもの。

「うう、生ビール、しかもモルツ……」
「それがたったの871円!」
「2杯も飲めば普通にモトが取れるよねぇ……」
この季節なら普通に4杯くらいは飲めそうだしね、行ってみる?……と調べていたら、今度は「土曜、祝祭日限定の2000円コース」なる案内と目があった。これまたなかなかお得な内容。飲み放題と2000円コースの両方を注文するのはダメなのだそうで、家族会議の結果「だったら焼酎飲みながら2000円コースで良いんじゃない?」ということになった。

2000円コースの内容は、一品料理から2品選択、もつ焼きから1人3種類選択、もつ鍋は1種が全員分の量で、そしてシメのちゃんぽんつき。子供用のメニューは1575円で、「タラモサラダ、レバカツ、オムレツ、唐揚げ」の盛り合わせにハーフサイズのもつ鍋とちゃんぽん、ドリンク、デザートという内容だった。

「もつ福」は都内に何店舗か展開しているお店で、博多が本店というわけではなさそうなのだけれど、塩味のもつ鍋とレバカツがとても気に入ってしまい、丸ビル店などに何回か足を向けている。入店して最初にビールと共に楽しむレバカツの美味しさときたら、「生きてて良かったー!」と天を仰いで万歳したくなるような感じで、実際今日もそんな感じ。薄いレバーは臭みがなく、独特の苦みもなく、ソースがどっぷり染みていて、でも衣はカリカリ。噛むたびじゅわーっとソースが染み出てくることになんだか懐かしさすら感じてしまいつつ、掘り炬燵式の畳の客席で早々から腑抜けになってしまった私たち。ビールもう一杯、そしたら焼酎……とあれこれ酌み交わしつつ、2000円コースでこれでもかとお腹一杯になった。

私が選んだもつ焼きは「しろ(小腸)、れば(レバー)、がつ(胃袋)」。全部「塩」で焼いてもらった。レバカツ同様、とろりと柔らかく臭みのないレバーも、コリコリしたシロも、どこかもっちりとした歯ごたえのあるガツも良い感じ。一品料理は「もつ福サラダ」と「和牛モツ炒め」にしてもらって、全体的にモツモツした夕飯になった。味噌味の、キャベツやニラと炒めたモツ炒めもビールに似合う。

お子さまランチ然に、一皿にあれこれおかずが盛られてきた息子も嬉しそうに、まずはレバカツから手を伸ばしている。
「……あれ、レバカツ食べてるの、君」
「うん、これ、美味しいよ?」
「普通のお肉とはちょっと違うんだけど、大丈夫なんだ?」
「うん、これ、すごく美味しいよ?」
唐揚げでもオムレツでもなく、レバカツに最初に手を伸ばした息子を「すごい(……これは酒飲みになりそう)」と思いつつ、けっこうな分量があったタラモサラダやオムレツも綺麗に息子は平らげていた。ごろりごろりと大きいのが3つも4つも盛り合わされていた唐揚げはさすがに全部食べきれず、これは包んでもらって持ち帰ることに。

キャベツたっぷりニラたっぷりごぼうたっぷりのもつ鍋も相変わらずで、シロとハツ、センマイと共にせっせと食べた。初めて目にした時はその外観にかなりびっくりした「センマイ」も、今は普通に美味しく食べられる。なんといっても好きなのは「シロ」だったりして、「シロのみ、おかわり」があったら最高なのにと思いつつ、今日はおかわりどころじゃなく満腹になった。野菜とモツの旨味がしこたま溶けたスープでのシメちゃんぽんは当然全部平らげて、顔赤くして帰宅。早めの入店だったので最初こそ店内はガラガラだったものの、気がつけば少人数向けの別コーナーの畳席は満席状態になっていた。若い人がたくさん来ているところを見ると、どうやら最近もつ鍋ブームが再到来中のようだなと改めて思った。美味しいもつ鍋屋が、またたくさん出来てくれると嬉しいなぁ。

んで、帰宅して数時間後。
風呂上がりに「焼酎飲んだ後って猛烈に喉が乾くのよね」とコップに麦茶注いで一気飲みしていたら、
「……"おいしいもの"、飲む?」
とだんなが言った。こういう時の"おいしいもの"は、大概冷えたチューハイなどを指していることが多い。少なくとも、ソフトドリンクであることはない。

「……あー……飲みたい……けど」
今、ここで更にアルコール飲んだら元も子もないんじゃない?と苦笑いしたら、
「せっかくアイスボックス大量に買ってきたからさー」
とのこと。そういえば数日前、冷凍庫開けたら呆れるほどのアイスボックスが詰まっていてどうしようかと思ったんだった。だんなは(そして私も)、甲子園球場で売られていた「カクテルチューハイ」(アイスボックスを1パック全部カップに入れ、そこにチューハイをガーッと注ぐ)のがいたく気に入ってしまい、何かというとそれを再現して遊んでいるのだった。

「あ、カクテルチューハイは良いです。それなら良いです。野を渡る風のようです」
カクテルチューハイ大歓迎!と、結局夜11時過ぎてそんなもの半分こしながら飲んでいる私たちだった。つまみは用意しなかったのよ、さすがにね。

8月26日 日曜日
美味しい豚肉を雲白肉に
「アンデルセン」のココナッツパン
アイスカフェオレ
葡萄(デラウェア)

閉店間際のパン屋に駆け込み買ってきた、今朝のパン。甘ったるい系は食べたくなかったし、かといってしょっぱい系も「カレーパン」とかは遠慮したく……という感じで、しばらく悩んで決めたのがココナッツパン。ココナッツフレークが表面にまぶされた、少し甘いパンだった。たらふくモツ鍋を食べた後での買い物だったので、パンも1人1個と控えめな分量だ。

そろそろ夏の猛暑は去ったかと思いきや、昨日に引き続き今日もじわっと蒸し暑い。なかなかクーラーが消せない……と思いつつ、ほのかに甘いココナッツ風味のパンをもぐもぐ。私とだんなはデザートに10粒ばかりデラウェアをつまんだのだけれど、葡萄好き(というより"種なし葡萄好き")な息子はえらい勢いで両手を使ってもぐパクもぐパク皮ごと食べていた。一度に一房を余裕で食べきる勢いで、そんなに好きならと最近葡萄を良く買っている。

だんな特製 ナポリタンスパゲッティ
アイスカフェオレ

「お昼……パスタかな?」
「んー……パスター……」
「あんかけ、とか?」
「んー……あんかけー……」
「あ、ナポリタンもいいかも?」
「いいかもー……」
「……奥さん、やる気ないね?」
「……ごめん……」

今日は眠いわだるいわの一日で、私の状況をわかってくれているだんなが
「じゃあ俺、買い物してくるわ。昼、ナポリタンで良いでしょ?」
と、あとは卵?牛乳?野菜も適当に見てくるよとスーパーに走ってくれた。非常にピンチな状況だった(どのくらいピンチかというと、明日の午後くらいから大変なことになってしまうだろうくらい)トイレットペーパーも買ってきてくれた。お手間かけます……。

だるいながらも何かしなければと、私は一日DVDの整理。撮り溜めた番組をDVDに焼いたり、焼いたDVDのラベルを作ったり、それをファイルに整理したり。凝り性なもので、DVDラベルも公式サイトなどから画像を落としてきてPhotoshopで加工して……と色々めんどくさいことをしている。古い映画だったりするとなかなか大きなサイズの画像も見つからなかったりして大変だし、逆に新しい映画は映画で公式サイトが総flashだったりして「ロゴだけの画像が欲しいのに」と四苦八苦することになったり、なかなか楽な事にはならない。ポスターとかDVDのパッケージなどが見つかると簡単に作業できたりして。

そうこう居間でバタバタしている間に、だんなが手早くナポリタンスパゲティを作ってくれた。具はいつもどおり、ベーコンと玉ねぎとピーマン。ケチャップがこっくり絡まった濃厚な味で、だんなの作るナポリタンスパゲティはすんごく美味しいけれどその味の秘密は「人には言えない量のバター」にあったりするらしい。

「やっぱり粉チーズ必須よね」
「これがないとね」
ナポリタンにはパルミジャーノ・レッジャーノとかじゃなくてこれじゃないとねとクラフトの粉チーズを食卓に出して、バサバサかけながらいただいた。どこか懐かしい喫茶店のような味のするナポリタンスパゲティは時々すごく恋しくなる。

空心菜炒め
茹でもやし添え雲白肉
豆腐としめじのスープ
羽釜御飯
ビール(Bass Pale Ale)

つくばに遊びに行くとたいてい寄らせてもらうお肉屋さんで、今回も和牛ほほ肉とか豚スペアリブとか牛すじ肉とか、色々お買い物してきた。これらは冷凍ものだったので冷凍庫に入れておき、今晩は一緒に買ってきた薄切り豚バラ肉を調理することに。薄切りと表現するにはちょっと厚切り気味な、暑さ2mmほどはある肉なので、これなら雲白肉っぽく食べるのが美味しいかなと思われた。ブロックのバラ肉を茹でてスライスするのが本当は良いのだけれど、この美味しい肉だったら「ただ茹でて食べる」が充分美味しいかなと。

大皿に薄切りきゅうりを並べ、今日は茹でもやしも添えてみる。肉は茹でてから常温に置き、あまり冷やしすぎない程度に粗熱を取ったもの。タレは刻んだ葱と生姜とにんにくに醤油とXO醤、酢、醤油、胡麻油、ラー油などを加えたもの。ラー油やXO醤をはっきり味がわかる程度に入れた代わりに、砂糖も心もち多めにしてみた。「唐辛子系の辛さのにんにくだれ」といったものだけれど、でも少し甘さを感じるくらいに調味した方が美味しいように思う。

「雲白肉だって言ってたから、空心菜も買ってきたー」
と、スーパーで空心菜を見つけてきてくれただんなが空心菜炒めを作ってくれ、あとは御飯とスープ。肉を茹でた茹で汁が良い味のスープになっていたので、刻んだ豆腐としめじを放り込んで味を調えてみた。今日のビールは、以前安売りされていたのを買ってきた、バス ペールエール。コクもあるのに爽やかな口当たりの、すっきりした苦みのビールだ。「ペールエール」はよなよなエールが同じスタイルなのだとか。よなよなは独特の柑橘系の味がするけれど、確かに似た系統なのかもしれない。

上面発酵のビールが「エール」で、下面発酵のビールが「ラガー」だそうだけれど、詳しいことはあまりよく知らない。でも、地ビール屋さんなどで飲むペールエールやアンバーエール、ヴァイツェンなどはとても好きな味のものが多いので、「エール」の文字を見ると少なからずわくわくする。今日も雲白肉つつきつつ、ついつい2缶空けてしまった。