食欲魔人日記 04年01月 第4週
1月19日 月曜日
独特な外見の「ちぢみほうれん草」を炒め物に
肉まん
魯肉飯(ミニミニ)
プーアル茶

昨日、お肉屋さんの総菜コーナーで売られていた小さなサイズの肉まんを、
「あー!ぼくねぇ、この白いおまんじゅうが食べたいなぁ〜」
とやたらに欲しがっていた息子。いいよー、と5個入りのそれを買ってやり、私とだんなは普通サイズの大きな肉まんを買ってきた。

寒い朝、台所でしゅんしゅんと蒸籠から湯気を出させつつ蒸しものをするというのは、なかなか良い気分。魯肉飯用の煮豚がまだまだあり、しかもすんごく良い具合に煮詰まったのでそれもちらっと御飯にかけていただいた。湯を沸かしてプーアル茶もたっぷりと。

「寒い日の肉まんってのは嬉しいですねぇ〜」
「まったくですねぇ〜」
あちあちあち、と片手ずつ肉まんを移動させつつ湯気の立ったそれにかぶりつく。肉まんというと、「551蓬莱の豚まん」ばかりを最近は食べていたので、"普通の肉まん"というのは、実はすっごく久しぶり。
やっぱり551の方が好きな味かな、いやでもこの普通っぽさがけっこう良い感じじゃない?なんて言いながらぺろりと食べた。煮込んで煮込んで煮詰まった魯肉飯が、これまた絶品。

バナナ
牛乳

今日はジムの日。数日前、ン年ぶりにやってみた「ベーシックエアロ」に続いて、本日は「ローインパクトエアロ」。まだまだぬるいプログラムしか参加できないけれど、でも私が思っていたほどには私の"昔取った杵柄"的体力は衰えていなかったようで、最初から最後までしっかり動ききることができた。ををををを、良い感じに上腕二頭筋とか大腿二頭筋とか広背筋とか大胸筋がプルプルと。腹筋もプルプルと。しっかりとマシントレーニングも欠かさずに、足を鍛えるマシンで60kgをふぬぬぬぬと動かしたり、背筋鍛えるマシンで30kgをふぬぬぬぬと引っ張ったりしてきた。

もうちょっとホイホイ動けるようになったら「オリジナルエアロ」(←インストラクターの個性が出る、ちょーっと難しめなエアロビクス)とか「ボディパンプ」(ダンベル使ってわきわき鍛える独特なプログラム)とかやってみることにしようっと。……でも……体重減らないなぁ……(昨年夏から増えてはいないんだけれども……←これだけ毎日食べてて半年体重が変わってない事を喜ぶべきかもしれないけれども)。

で、昼前に気分だけはげっそりと、帰宅。ここでモリモリ食べちゃうのがなんとなくシャクだったので、1本のバナナを食べた。

ちぢみほうれん草とキングサーモンの塩炒め
ベビーリーフのミックスサラダ
お義母さんからもらったイクラ
焼き海苔・いぶりがっこ
キャベツの味噌汁
羽釜御飯
ビール(ウィンターエール)
麦茶

この季節に出てくる、ちょっと気になる野菜が「ちぢみほうれん草」。値段はあんまり安くないし、外見もなんだか黒々しくてウジャウジャッとした感じだし、ちょっと一歩引いてしまうのだけれど、でもすごく美味しい。何度か外食か何かで食べたことがあって、「すごく美味しかったなぁ」という記憶がある。

ちぢみほうれん草は、一般のほうれん草と外見からして異なっていて、束ねて売られていたりはしない。葉がくしゅくしゅっと縮こまっていて色はかなり深めの暗い緑。数株がまとめられてビニールの袋に詰められているのだけれど、1株ずつの大きさはけっこうバラバラで、へろへろーん、くしゃくしゃーんとした頼りない形状をしている。正直、あまり美味しそうには見えないんだけど、でも、美味しいんだなぁ。ここ数週間、「あ、売ってる売ってる」と思っていたのだけど値段が高くて手が出せなかったのを、やっと一昨日買ってきた。昼夜の温度差が大きい時期に栽培することで、糖度がぐっと増すほうれん草なのだそうだ。

炒めて食べるとその甘さが一層感じられるということで、安売りしていたのを買ってきたキングサーモンの切り身と一緒に炒め合わせることに。中華鍋にサラダ油を熱して薄切りにんにくを加え、その香りを染みこませるようにサーモンを焼きつける。あとはざっと洗って水気を切ったほうれん草をガバッと加え、葉がぐじゅぐじゃにならない程度にザザッと火を通してできあがり。味つけは塩だけ。ただただ塩だけ。なのに、ものごっつう美味しいおかずができあがった。

もっと野菜が食べたいなと、ミックスベビーリーフのサラダバッグも買い置きがあったのでそれを出す。あとは、お義母さんが今日持ってきてくれたお手製イクラの醤油漬け。10月頃にはいくらでも見かけることができた「生筋子」は今ではもう全然見かけなくなってしまって(生の筋子が大量に出回る季節は鮭が大量に採れる季節ということで、秋が旬なのね)、お義母さんに
「生筋子、見かけませんかー?あったら教えてくださいな、息子がもう大好きだからー」
とお願いしておいたところ、あったわあったわちょっとだけ見つけたわ、とイクラに仕立てて持ってきてくれたのだ。息子は大喜びで早速イクラを御飯にどっさりかけて嬉しそうに食べている。

しかししかし、今日の夕飯、なんといっても美味しかったのはほうれん草だった。塩と間違えて砂糖入れちゃったのかしら?と思ってしまったほどにくっきりとした甘さがじんわり舌に広がって、脂の乗ったサーモンともよく似合う。高いわー、とか言ってないで、売られているうちにせっせとこのほうれん草を買ってきて食べることにしよう。いかにも「緑黄色野菜!」という感じで何だか栄養もありそうな感じがするし。

明日から1泊2日でだんなは冬の日本海方面へ出張。息子はこれから父母会週間ということでお弁当不要の日が数日間。せっかくだから、明日は午後から下北沢にでも遊びに行こうかなー、と思っている。目当てはもちろんファイヤーキング。ごめんね息子、息子的にはつまんない外出で……(←でも、「帰りにうどん食べて帰ろうか」と言ったところ、もうノリノリ)。

1月20日 火曜日
そうそうこれよこれ!てな感じの、さぬきうどん
肉まん
ほうじ茶

今日からだんなは泊まりがけの出張。冬の日本海へさようなら〜ってことで、朝早めの列車で出発する彼が一人先に起床して肉まんを蒸かしてくれているのであった。……妻がここは先に起き、「出張大変ね、あなた」とか言いながら甲斐甲斐しく朝食の準備をすべきなのかもしれないけれども……ごめーん……と布団の中で呟きつつ、寝ている私。もう一度うとうとし始めたところで
「奥さん。豚まん、あったまったよー」
とだんなに起こされた。あー……寒いね、今日もね。

昨日に引き続き、朝御飯は肉まん。近所の駅ビルの中華総菜屋さんで買ってきたなんてことない肉まんなのだけれども、それはそれで普通に美味しい。

「ミスタードーナツ」にて
 D-ポップ
 アイスカフェモカ

今日は幼稚園都合により、息子は午前中のみで帰ってきた。保育園ではこういうことあんまりなかったのだけれど、幼稚園は"幼稚園都合で○○"(午後はなしとか、お休みとか)というものが非常に多い。親参加のイベントもこれまた多い。子育てにしっかり手間暇かけたいような保護者にとっては良いのかもしれないけれども、それはまるで「仕事するな、パートもやめとけ」と言ってるみたいな感じで……私はちょっと、モニョモニョ。

ともかく、せっかく今日の午後が空くしだんなも今晩帰ってこないことだし!と都心で遊ぶことにした。目下ハマッている「ファイヤーキング」(アメリカの骨董ミルクグラス食器)が揃っているお店に行ってみたくて行ってみたくて、自由が丘か吉祥寺かいっそ横浜かと迷い、目標は下北沢に決定。昼御飯を食べずに一気に目指しても良かったのだけど、私も息子も腹ぺこになってしまっていたので地元でドーナツ囓ってから向かうことにした。

息子も私も「D-ポップ」を1つずつ。一口サイズのドーナツがころりころりと6種類紙箱に納められたもので、クリーム入りのとかチョコファッションとかバタークランチとか、色々な味が楽しめてほんのりお得感が味わえる。今は苺のコーティングつきのものなんかも入っていて、それがまた嬉しかった。

ちゃちゃっとそれを食べてから、いざいざ新宿経由で下北沢へ。何年ぶりだろう。3〜4年ぶりかなぁ、という下北沢。

下北沢 「SUNDAY BRUNCH」にて
 ショートケーキ
 ピーチピンクレモネード

「おかあさん、ここは、どこなのかな?」
「下北沢ってとこだよ。ここでね、お母さんはお買い物がしたいんだなぁ」
「おかいもの、したいなんだらね、どうぞ?」
「うん、ありがとね」
「いっぱいね、どうぞ?」
「うーん、いっぱいはね……お金ないからね……」
理解ある息子で良かったわぁ、と南口から出てぐるーっと一回りして北口方面へ。目当ての店は「不定休」ということで心配していたのだけれどちゃんとオープンしていて、更に欲しいと思っていた時計も買うことができた。

一番の目当ての店は「Jadeite Magic Gallery」。路地を入ったところにある古めかしい2階建てマンションの1室の、ファイヤーキングの専門店。雑誌に載っていた写真とかホームページを見てからずっとこのお店を覗いてみたいと思っていたのだった。私たちが向かったときにはお客さんは誰もおらず、ファイヤーキングについてあれこれ話して教えてもらうこともできた。ああ、この人は本当にこれに惚れ込んでこういう仕事をしてるんだなぁ、という感じ。欲しかったあれやこれやが広くはない店内にずらーりと色別に並べられている。

同じマグでも、骨董品なものだから4900円と5900円と6900円と……と細かく値段設定されていて、遠慮なく1個ずつ「なんでこれは安いのかなー?」と吟味しながら欲しいものを選んでみる。私だったら全然気にしないようなところにごくごく小さな欠けがついている翡翠色のマグが3900円。その翡翠色(ジェイド)より自分としては好みな色のターコイズブルーのマグは、未使用の美しいものが6900円。無地のマグを4色揃えて使ってみたいなぁという野望が一番にあったので、それらのマグを1個ずつ買ってきた。他にもピッカピカのディナープレートとか、先日惚れ込んで買ってしまったモザイク柄のスナックセットもあったのだけれど、「ここに来ればたいてい在庫がある」ということはわかったので頭を冷やしてから出直すことに。

あとはヴィレッジ ヴァンガード(怪しい雰囲気の雑貨屋兼本屋。独特な空気がけっこう好き)で、欲しいなぁと思っていた台所用の掛け時計で良さそうなものを1200円で見つけたのでそれも購入。アメリカンな雑貨もメルヘンな雑貨も、デザイナーの一点もの雑貨も、あれこれ歩いてこれでもかと浴びるように眺め、満悦した。いやー、楽しいなぁー……あ、息子はつまらないですか?

文句も言わず一緒に歩いてくれた息子と一緒に、一段落した頃にひと休み。
以前から好きで何度も入っていた「Sunday Brunch」という店があって、そこにしようかなぁと思ったのだけど、入ったらついフレンチトーストなんかを注文してしまいそうな予感がして2階にあるその店ではなく1階のデリっぽいところに入ることに。多分同じ系列だと思うのだけれど、一見美味しそうだったんでいただいてみたショートケーキが悲しいほどに美味しくなかった。

息子は
「オレンジーナがあるよ!これが飲みたいなぁ〜」
と生意気にもオレンジーナ(しかも最近発売されたブラッドオレンジのオレンジーナ……)を注文し、私はピーチ味のアイスクリームがトッピングされたピンクレモネードを。そしてボリュームだけはたっぷりだったショートケーキを1つ。

ショートケーキは、なんだかバタークリームのようなねっとりとしたイヤな感じに油っこいクリームが使われていた。乳脂肪じゃなくて植物脂肪といった味。ぼそぼそっとしたスポンジにそっけなく半割りの苺が2切れ挟まり、あとは隙間とかを埋めるがごとくクリームがごってり塗られたケーキだった。作りようによってはすごく美味しくなりそうなのに、何だか色々と半端な感じで……いまいち。

ケーキの味だけはいただけないものだったけれど、とりあえずレモネードはすっきりと美味しくて、雑貨屋巡りにもおおいに満足して夕方4時頃新宿に戻った。ふー、疲れたね。

新宿 「東京麺通団」にて
 ひやかけ(小) \290
 ゲソ天 \150
 半熟卵天 \100

夕飯は、息子をねぎらう意味もあって彼の大好きな「冷たいうどん」を食べに行くことに。
息子が言うところの「冷たいうどん」とは、讃岐うどんのことに他ならない。「ざるうどん」ではなく「冷たいかけ」のことなのだ。どうせだったら美味しいところで美味しいもの食べたいよね、と、ずーっと行きたいと思っていた「東京麺通団」に行くことにした。讃岐うどんブームの発端となった人たちが寄り合って作ったお店なのだけれど、ほんのり漂う胡散臭さはなんのその、なかなか美味しいうどんを出しているらしい。ずっとずっと、行きたいなぁと思っていたのだ。

新宿駅、西口を出ててくてく歩いて5分ほど。50人くらいは座れそうな、なかなか広いお店だった。時間はまだ4時。かなり早めの夕飯になってしまったけれど、ゆっくり座れるから良いかもね、と食べちゃうことにした。

カウンターで「あつかけ」とか「ひやかけ」とか「ざる」とか「かまたま」を大小のサイズと合わせて注文し、うどんをいただいたらカウンターでセルフサービスになっている揚げ物とかおでんとか稲荷寿司とかおにぎりを盛りつける。レジでお会計を済ませたら、自分でだしを注いで(冷たいだしはお店でかけてくれる)テーブルへ。微妙にお洒落な雰囲気が漂っているけれど、「セルフの店よ、セルフのうどん屋だわ」とざわざわと血が踊ってしまう。

息子は当然「ひやかけ」。私も「ひやかけ」。小サイズのそれを2つもらい、
「ぼくはねぇ、おいもの天ぷら、たべるなんだよー」
「私はゲソ天ね、ゲソ天。あ、あと卵も」
ときゃあきゃあ言いながら天ぷらも小皿にとった。お会計は全部で950円くらい。

この店のゲソ天は、香川で「このゲソ天が美味しいんだよねぇ」と名高い「藤原屋」というお店のを使っているのだそうで、うどんに乗せたそれは、
「うっわー、宮武で食べたアレとおんなじだー!」
という印象だった。そうそう、こういうバリバリッとしたごっついゲソ天だったよねぇ……と、その見てくれだけで涙が出てきそうで、ああ私はこの味に飢えていたのね、と改めて自覚した。それと、これまた大好物の半熟卵天も。黄身がとろんとろんの半熟ゆで卵を天ぷらにしたもので、これがまたうどんによく似合う。

キーンと冷たく、これでもかといりこの風味が漂ってくる澄んだだし。もぎゅもぎゅっと力強い弾力があり、でも固いというのとは違う強いコシのあるうどん。断面はピシッと四角。見事なまでに、さぬきうどんだった。これで店の前が田んぼや山だったら言うことなし、という感じ。このゲソ天がもう、ずるいよ、おいしいよ……と、息子も私もしばし無言でずるずるとうどんを啜った。太いゲソがごろっと包まれたバリバリ衣の香ばしいゲソ天。呆れるほど巨大な揚げ物は、でもペロリと食べ切れてしまった。

しかし息子が一人前のうどんを喰いきるのは大変なんじゃないかなぁと息子を見ていたのだけど、もくもくと天ぷらを囓り、もくもくと麺を啜ってだしを飲み干している。ごにょごにょ呟いているので耳を近づけてみると、
「おいっし……ほんっと、おいし……」
と言っていた。香川出身な家族はおらず、親戚も四国にすらいないというこの状況で、息子にとっての「美味しいうどん」とはどうも間違いなく「さぬきうどん」になってしまっているらしい。ある意味不幸な世界に息子を連れてきてしまったようで(都内で美味しい店がそこら中にあるというわけではなく、本場というと遙か四国の地……)、息子すまん、と思ってしまう。

久しぶりに香川の匂いを感じられるうどん(とゲソ天)が食べられて、大満足なまま帰宅。戦利品もたくさん。楽しかったぁ。

1月21日 水曜日
体鍛えた後の辛い料理は美味しいなぁ〜
「木村屋」のチョココロネ
ホットミルク

だんな不在の朝。昨日は豪雪地帯の写真やら新幹線の中で買ったらしい陶器の容器入りのお茶の写真やらが私の携帯宛にちゃくちゃくと届いていた。お土産はマス寿司かなー……。

今日は息子の幼稚園の保護者会。だらだらと寝ているわけにもいかなくて、しっかり起きて息子の弁当を作ってやった。朝御飯は、昨日デパ地下で買ってきた木村屋のチョココロネ。私は(そして多分息子も)やけにカスタードクリームっぽい風味のチョコレートクリームが詰まったチョコパンは好きじゃなくて(カスタードクリームっぽいのが食べたいときはクリームパンを食べればよろしいのであーる)、しっかりくっきりチョコクリームらしいチョコクリームが入っているのが好き。「木村屋」のそれは、ほのかにレトロ感漂う、割と好きなタイプのチョココロネだ。

今日も澄んだ空気がキーンと冷え冷えとしていて、冷たいものを飲みたい気分じゃなかったのでホットミルクに。砂糖や蜂蜜や、あるいはラム酒をだばどぼ加えて飲むホットミルクも好きなのだけど、何も入れないホットミルクもほんわかと甘くて牛乳特有の乳臭さが濃厚に漂ってきて、これまた大好き。

さー、息子、幼稚園にいっといでー。私は今日もスポーツジムさ。

稲毛 「シアムハウス」の
 日替わりランチコース \1200
 (ミニサラダ・ミニトムヤムクン・春雨と魚介の炒めもの・御飯・ロンガン)

やっとジム通いの習慣が自分に身につきはじめた。常にじんわり感じられる状態になってしまった全身の筋肉痛とも仲良くなりつつある。でもまだ参加するプログラムは「ベーシックエアロ」(入門者向けエアロビクス)。我ながらまだぬるいわね……と思いつつ、2時間もジムで動いていればけっこう良い運動になるもので、今日もヘロヘロになって帰ってきた。

ジムから帰ってきたのは午前11時。保護者会は午後1時から。2時間の余裕があったのだけどタイミングの悪いことに昨日自転車がパンクしてしまったのだ。自転車屋さんにパンクした自転車を押していって修理を頼み、あとは銀行行かなきゃだわとか、幼稚園で履くスリッパがなかったんだわとか、めんどくさい用事が細々と。ひととおり用事が済むと、保護者会まであと40分というところだった。ホカ弁とか買って帰って家で食べるのも微妙な時間帯だし、ファーストフードに行くにはちょっと時間が余っちゃうかなというところ。近所で何か食べるかー……と考えて、以前一度行ったタイ料理屋に行くことにした。辺鄙な場所にある割には、けっこう本格的な味がして、ランチセットの価格と内容のバランスも良かったなぁという印象がある。一人でぷらーっと向かってみた。

今日の日替わりおかずは、春雨の炒め物とのこと。ミニサラダとミニサイズトムヤムクンと、日替わりおかずに御飯とデザートがついて1200円のランチセットを頼んだ。私が今日の最初のお客で、店内はガランとしている。さっそく厨房から調理の準備に入った様々な音が聞こえてきたのだけど、「ダンッ」とか「バキバキッ」とか「ゴキョッ」とやけに大きな音が……。春雨戻したりトムヤムクン作ったりするのにあの音は出ないよなぁ……と興味津々待っていると、ぶつ切りにした殻つきの蟹がどっさり入った炒め物が出てきた。他にも海老もごろごろ入り、魚介たっぷりという風情。シャキッとした食感のセロリや筍も心地よい、なかなか美味しい炒め物だった。春雨にジュワッと染みた甘辛い味に御飯が進む。

相変わらずガツンと辛いトムヤムクンに唇も舌の喉もヒーヒーいわせてしまいながら、デザートに出てきたシロップ漬けロンガン2粒を味わいつつゆっくりと舐め食べた。うん、やっぱりこの店、けっこう美味しいかも。けっこう好きかも。

魯肉飯 生卵かけ
キャベツの味噌汁(残りもの)
麦茶

富山「青山総本舗」の「鱒の寿し」
富山「源」の「ぶりのすし」
ほうじ茶

自分が「女性」であり「お母さん」であるくせに、「女性の集団」や「お母さんの集団」がすごく苦手な私。保護者会も、まぁそんなもんかなーという内容で、特に得るものも感じられずに帰ってきた。

今日の夜にはだんなが帰ってくる。富山で押し寿司その他を買ってくれたらしいので待っていようかとも思ったのだけど、9時を過ぎそうだったので先に軽く食べていることに。先日作った魯肉飯の残りを軽く御飯にかけ、ちょっと味が染みすぎて辛くなってしまったので生卵も混ぜてしまいつつ、ぐちゃぐちゃな外見になったそれを、
「お、お、お、案外いけるじゃん」
「おにくのごはん、おいしーねー、おかあさん」
なんて言いつつわしわしと食べた。これが夕飯1回目。

そして2時間後くらいに無事に富山出張から戻ってきただんなと一緒に2回目の夕御飯。
買ってきてくれたのは、「青山総本舗」なるお店の「鱒の寿し」と、「源」なるお店の「ぶりのすし」。「源」というお店の方は、デパートの駅弁フェアどころかそのへんのスーパーでも時折買えちゃったりする「ますのすし」で有名なお店だ(あの、四辺がぺこっとへこんだ、マスのイラストつきの白と青の箱に入っているマスの寿司……)。なんでも、マスの寿司よりブリの寿司の方が美味しいと言われているのだとか。

「食べたことないでしょ?俺もないから、買ってきたー」
と買ってきてくれたブリの押し寿司。かぶら漬けなども一緒に押されていた白い魚肉の寿司は、マスよりさっぱりしているような食感なのにこってり脂も乗っていてすごく美味しい。かぶら漬けの存在感も良い感じ。

夜10時近いというのに、がさがさと押し寿司2種をバリバリ笹ごとカットしてベリベリとそれを剥がしつつ、しっかりと食べてしまった。お土産はもうひとつあって、「蟹」♪ これは鍋かなー。蟹しゃぶかなー。わくわく。

1月22日 木曜日
富山のマス寿司とブリ寿司。おいしー。
富山「青山総本舗」の「鱒の寿し」
富山「源」の「ぶりのすし」
抹茶入り玄米茶

昨日の夜、富山から帰ってきただんな。マスとブリの押し寿司をお土産に買ってきてくれ、昨日のうちに半分食べてしまった。今日の朝御飯は、その残り半分を。

何枚もの笹の葉にくるまれた平たく薄い寿司を、プラスチック製のナイフでバリバリと笹ごと切っては葉をぺろりと巻いて食べていく。全体に漂う独特の酸味に、ぺちゃんこになった薄い魚肉。ブリ寿司には薄切りかぶらの漬物が乗っていて、シャリシャリとした食感が心地よい。……押し寿司は美味しいなぁ、もう大好き。結局昨夜と今朝の2回で寿司はなくなってしまった。

母の郷里の秋田にはハタハタのなれ鮨というものがあって、発酵して軟らかく崩れた米粒が絡みつき、そのクセはちょっと強め。母は地元なのにそのなれ鮨が大嫌いなのだそうだけど、私はそれも大好物だ。……私はもしかして、臭いものが好物……?

蟹クリームコロッケ
バタートースト
牛乳

幼稚園は保護者会週間ということで、午前のみの保育。人数が多いので年少年中年長をそれぞれ分けて3日間に渡って保護者会が行われるのだ。今日は年長組の保護者会なので息子は午前で帰宅。私は今日の午前中はずっと仕事をしていたので、お昼御飯を何か考えなきゃねー、と帰りにスーパーに寄ってきた。牛乳も買おうかなーとか、安い花があったら玄関用の正月っぽい花と入れ替えようかなーとか、色々考えながらスーパー内を歩き回る。

「あー……昼御飯、何食べる?何食べたい?」
スパゲッティでも茹でようか……と私が口を開くより先に、息子が
「こーっち!」
と手を引っ張って迷いなく総菜コーナーに私を引っ張っていった。
「これ!」
と立った前の棚にはコロッケの山。「くりーむのコロッケがいいの」指定も加わった。

そこまで明確な「食べたいもの」があるなら、まぁそれでいいかー、と蟹クリームコロッケ(1個100円)を2つ。サンドイッチ用の食パンが家に残っていたので、それを軽くバタートーストして共に食べることにした。

なんてことない味のスーパーの総菜コロッケ。それでもちゃんと温めてちゃんと皿に盛って、温かいパンを添えればちゃんと美味しい。

北海道シチュー コーンクリーム
ベビーリーフのサラダ
バターロール

1月に入ってからずっと寒い日が続いていたので、いつか絶対シチューを作るぞー、と思っていた。あ、こりゃ旨そう、というシチューのルウも買って、台所の目立つところに置いていた。
今日、だんなは飲み会(今頃、新年会だって……)で遅いらしい。じゃあシチュー1品作ってたーっぷりそれを夕飯に喰うかー!と、夕方になって肉や野菜を刻み始める。息子がめざとく観察して近寄ってきた。

「おにくと、じゃがいもと、にんじんだー。……きょうは、なに?なに作るの?」
「んー……シチュー作ろうかな、って。カレーの方がいいかな?」
「うわーい!シチューだぁ!ねぇね、この"ほっかいどうくりーむしちゅー"作るの?」
「そうそう、それ作るの」
「ほっかいどうくりーむしちゅーの、こーんくりーむを作るの?」
「……そんな、CMの説明台詞みたいなこと言わなくていいから……」

息子は、クリームシチューの箱がずーっと気になっていたらしかった。ハウスのCMを見ては、「いつかこれ、ぼくんちでも食べるんだなぁー」と楽しみに待っていたらしい。そんなことならもっと早く作ってあげれば良かったよ……と苦笑いしながら、鍋にどっさりのシチューができた。鮭とか帆立を入れたクリームシチューも悪くないと思うし、牛でも豚でも良いと思うのだけど、やっぱり鶏肉が一番それっぽいし一番美味しいかなぁと私は思っている。んで、人参やじゃがいもをざくざくっとこれでもかと大きく切るのが私は好き。1口で食べるにはちょっと苦しいくらいの大きさの材料をごろごろ入れた「北海道シチュー コーンクリーム」はめでたく数十分後にできあがった。牛肉や豚肉をじっくり煮込んで作るカレーよりも、鶏肉のシチューは手早くできあがるから嬉しいねぇ。

久しぶりのシチュー、私もすんごく美味しく感じたけれど、息子は更に喜んでいた。おいっしーおいっしーと息子用のシチュー皿にたっぷり2杯平らげた。私も大人用のシチュー皿にたっぷり2杯。

「んで?冷たいうどんと、クリームシチューと、どっちが好き?」
息子に聞いてみた。
「……どっちでも!」
「"両方好き"って時はね、"どっちでも"じゃなくて"どっちも"と言う」
「どっちもー!……おかさんは?つめたいうどんと、シチュー」
「どっちも好きー」
「……へへへへへ」
「ふへへへへ」

シチューの他はパンとサラダだけ。シンプルだけどあったかくて美味しい夕飯だった。
シチューがあると翌朝がまた嬉しかったりするのよね。

1月23日 金曜日
カニ!!
2日目の「北海道シチュー コーンクリーム」

本日だんな、「有給休暇をちゃんと消化しましょうキャンペーン」の一環でお仕事お休み。息子と私が起きてもまだ眠り続けていたので、だんなはそのまま寝かせておいて私と息子は昨夜のシチューの残りを食べた。豚汁とかシチューとかカレーとか、あるいは鍋料理の残りとか、そんな煮込み系料理をした日の翌朝はちょっとリッチな気分になる。

パンをつけることもないか、と、シチューだけをたっぷりよそってたいらげた。
「シチューだぁ……んふふふふん」
息子は今日も御機嫌。好物のシチューが朝御飯ということで、輪をかけて御機嫌だった。……今日はこの先、彼にはもっと御機嫌な事が待ち受けていたわけだけれども。

稲毛 「Shiba」にて
 ムルギランチ
 アイスマサラチャイ

子供がいない午前中、仕事休みなだんなと2人どうしましょうということで、目指したところがスポーツジム。最近ちょっと脳味噌が筋肉化しつつあるだんなと私だ。
「おゆきさん、ボディ系いいよボディ系。ボディパンプにボディアタックにボディコンバット……」
「いーやエアロが最高よ。今日はローインパクトエアロ、いつかはオリジナルエアロ……」
同じスポーツジムにいても、私とだんなは動き方が全然違うということが、今回よーくわかった。一緒にいるのに、一度として並んで一緒に何かをするということがない。まるで仲悪いみたいだ。

私はゼンマイ仕掛けのようにちゃかちゃかと運動しまくる。軽くストレッチをしたらあまり休憩は挟まずに一気に筋トレして、そのままエアロビクスなどのプログラムに出てしまう。だんなは、みーっちりストレッチして、みーっちり筋トレして、その後はそれはそれはストイックにランニングマシンで走り続けたりするのだ(そしてボディパンプに出たりする)。多分、だんなの方が運動としての効果は私よりも高いのだろうけれど、私にはそんな粘っこいトレーニングはできそうになく……。で、だんなが筋トレしたり走ったりしている間、私はローインパクトエアロに出てクルクル回ったりしているのであった。それでも運動を終えて出るタイミングはおおむね同じ。

「……チャーハン食べに行く?」
「ヤダよせっかく運動したのに、そんなに油っこいものー」
荷物抱えて昼飯にと目指したのは、ちょっと久しぶりのカレー屋さん「Shiba」。我が町が誇る、やたら有名なカレー屋さんだ。シャバシャバとした水っぽいカレーを出すお店で、クローブをはじめとしたスパイス臭がぷんぷん漂うものが多い。12時過ぎると一気に満席になってしまうので、
「満席だったら別のお店に行こう……」
と早足で店を目指すと、満席直前の席にぎりぎり滑り込めた感じだった。

いっつも「サービスターリ」(この店名物ぐちゃ混ぜカレー)を食べるのも芸がないしなぁ……と、今日は「ムルギランチ」を注文。ムルギランチというと、東銀座にある「ナイルレストラン」というお店のものが有名だけれど、この店のそれだって負けず劣らず美味しいと私は思っている。

ステンレス製の大きな楕円のお皿、隅にこんもりと卵やグリンピースがたっぷり入った炒飯が盛られ、上からは野菜の大きな塊がざっくり入ったベジタブルカレーがどっぷわぁ〜と。カレーの下には骨がツルリと抜けるほど煮込まれた鶏のもも肉が1本、そして皿の残りの領域を埋めるのは、スープのようにシャバシャバした水っぽい褐色のカレー。酸味強めなベジタブルカレーをもう1つのカレーを混ぜつつ御飯に絡めて食べると、なんともいえない美味しさがある。スパイシーなのだけれど、私の知っているカレーの味とはちょっと違うぞ、みたいな。

ステンレス製の皿がかなり巨大なので、そこにちんまり盛られた炒飯は一見すると少なそうな印象があるのだけれど、実はすっごくボリュームたっぷり。食べきる頃にはすっかり満腹になっていた。食後には独特なマサラティーをアイスで1杯。マサラティーとはスパイスを効かせたミルクティーのことだけれど、このお店のは生姜がどっさり入っている。「生姜の風味がするな」どころじゃなく、「うわ!生姜だ!」という感じ。あからさまに生姜の味がして、生姜の辛さが牛乳にじんわりとなじんでいる。なのにほんのりと甘くてなんとも不思議な味がする。初めて飲んだときは「うわ!なんじゃこりゃ!」とびっくりしてしまったのだけど、今ではこのマサラティーが大好物。「マサラティー……」と脳裏で唱えるだけで、舌の根に生姜ミルクの味が蘇ってくるようになってしまった。

富山土産の、蟹!
牛しゃぶサラダ 胡麻ドレッシング
彩ひじき
羽釜御飯
ビール(ウィンターエール)

「サンルイ島」のロールケーキ(バニラ・ショコラ・抹茶)
カフェオレ

午後、息子を幼稚園に迎えに行くと、息子と仲良し(どのくらい仲良しかというと、「けっこんするんだよ」とか宣言しちゃうほどの仲良し)なユウナちゃん(仮名)が息子と見つめ合ってヘラヘラと笑っている。

「やくそく、したの」
などと呟いているので、なになに何を約束したのかなー?と聞いてみると、ユウナちゃんの家に息子が遊びに行く約束をしたのであるらしい。車で来たので連れていきますねー、帰りはお送りしますから、とあちらのお母さんもぜひぜひ、ということだったので息子を託して帰ってきた。近所の子供たちとは遊んでいるけど、誰かの家に(しかも女の子の家に1人で!)遊びに行くのは、息子、初めてだったはずだ。だいじょぶかなー……とぼんやり心配しながら待っていたら、笑顔の息子が帰ってきた。「いってくるから!」とユウナちゃんと手を繋いで去った時は私を振り返りもしなかったのに、お母さんと一緒に息子を送ってきてくれたユウナちゃんとバイバイするときは何度も何度も振り返っていた。……フクザツな心境。

「これ、もらったなんだよ」
と、手にしていた可愛いイラストつきのビニール袋の中には、ハート形のキーホルダーと、ラメが入ってキラキラしている4色の小さな折り紙が入っていた。これ、きっと、ユウナちゃんの宝物なんだろうなぁ、と思うと、そう思うだけで私の顔がニヤけてしまう。そうそう、綺麗な折り紙とか、何枚も大切に袋にまとめて取っておいたよなぁ、と自分の子供の頃を思い出す。あと数ヶ月で幼稚園もクラス替え。万が一同じクラスになれたとしても、その後、息子とユウナちゃんの通う小学校は別なものになってしまうんだなー……。それはそれで、これまたフクザツな心境。

息子の小さな恋物語は置いておいて、今晩のメインディッシュは蟹!だんなが富山出張の折、
「やっぱり北陸はカニかなー、って……」
と蟹のぶつ切りパックを買ってきてくれたのだった。既に火が通ったものだったので、改めて軽く蒸して温めてから食べることに。ポン酢やかぼす酢をちらりちらりと垂らしつつ、大きな塊の蟹肉をほじくってはツルリと食べた。ちゃんと食べやすく殻に切り込みが入った足の肉はみっちりとしてるし、蟹味噌もちと物足りない分量ながらちゃんと入ってたし、2人で食べるには充分な食べ応えがある蟹肉だった。「かにはね、いらないの」という息子は今晩もシチューをずるずる啜っている。

蟹肉の他は、ベビーリーフミックスを使った牛しゃぶサラダ。胡麻のドレッシングを添えた。そして、「彩ひじき」。明日、友人の家で牡蠣&鍋の会(牡蠣鍋の会ではなくて、牡蠣と鍋の会)をすることになっていて、そこに持っていこうと今日のうちに作ってみたものだ。たっぷり出来たので今日もつまむ。

「彩ひじき」とは、ひじきや切り干し大根や大豆や人参や蓮根、じゃがいもなんかを甘辛く煮つけたもの。ベーコンも入るので、割とこってりとした味わいで、大好きな料理だ。もう何年も前に「R1/F」で売られていたサラダで、美味しいなぁと何度も買っていたのだけどその後『サラダなら、まかせなさい!』(世界文化社 2000)という本にそのレシピが掲載された。以来、お客さんが来たりするときに何度か作っているのだけど、おふくろの味的な料理なのにけっこう洒落てもいて、とっても便利。ひじきや切り干し大根や豆が一気に摂れて体にも良さそうな印象があるし。

デザートは、今日届いた、「サンルイ島」のロールケーキ。何度か焼き菓子を買ったことのあるお菓子屋さん「サンルイ島」で個数限定のロールケーキを出すということだったので、思わず先日注文してしまったのだ。

ちょっと小さめな可愛らしいサイズのロールケーキが3本入って約3000円というのは安いのか高いのか微妙な価格だったけれど、シンプルな構成のバニラも、スポンジにもクリームにもたっぷりチョコの風味が感じられるショコラロールも、小豆がスポンジに散らされて濃厚な抹茶味クリームが巻かれた抹茶ロールも、それぞれとても美味しかった。スポンジはどれもふあふあで、牛乳の乳臭さが感じられる濃厚な生クリームもすごく良い風味。クリームと生地の分量のバランスも程良くて、かなり私の好みのツボにはまったロールケーキだった。いつも注文できるわけじゃない、というのがちょっと悲しい……。ちまちまといただくことにしよう。

1月24日 土曜日
友人の豚バラ煮込み。……うまー。
「讃岐家」のうどん 釜玉
ほうじ茶

数日前に届いた「千趣会」の冷凍さぬきうどんシリーズ、今回は「讃岐家」というお店。
「……かまたま、かなー」
「うん、かまたま、だなー」
と、パスタ用の鍋にたっぷりの湯を沸かして冷凍うどんをグラグラと茹でた。

大きなボウル(最近買った、ファイヤーキングのバターボウル……)に卵を3つ割り落としてほぐしておき、そこに茹でたての麺をざざっとあけて絡めたら、いーい感じに半熟に火が通ったふわふわの状態に。あとはだし醤油をチャッとかけて軽く混ぜ、ツルツルと啜るのみ。あんまり混ぜすぎると卵が変に泡立っちゃって口当たりがいまいちになるし、反対に混ぜるのが遅すぎると卵に少しも火が入らずに「ゆで麺の生卵あえ」になってしまうので、好みな具合にするのはほんのりと難しい料理だったりする。今日はとってもよくできた。

「あーあーもう、アメリカの家庭でホットケーキのタネ入れておくような器なのに……うどんなんか入れちゃって……」
と苦笑いしてしまったけれど、でもミルキーな色合いの耐熱ガラスの器に卵の黄色とうどんの白はとてもよく似合う。

「ミスタードーナツ」にて
 D−ポップ
 ポン・デ・マロン
 ホットチョコラテ

今日はMさん家で牡蠣&鍋のパーティー。だんなの高校来の友人ご夫婦宅だ。友人が結婚してから疎遠になってしまうという話はけっこうある事だけれど、結婚してから逆に家族ぐるみで親しくなっちゃうこともあるわけで、我が家とMさん夫妻は何だかすっかり仲良しさんだ。

午後3時頃にうかがいまーす、ということになっていたので、軽く腹ごしらえしてから向かうことになった。
「余命少なき牛丼を食べていくか……」
「あー、いいね、牛丼……でなきゃドーナツとか?」
「ぼく!ぼく!ドーナツがいいなぁ!ミスタードーナツが、いいなぁ!」
「あ、でも、牛丼の方が……」
「どーなつがいいなぁ!」
「そうだね、牛丼が……」
「6つはいってる、ちっちゃいのがたべたいなぁ!」

頑固な息子は「もう絶対ドーナツ屋に行くんだもんね」という気分になってしまったらしかったので、ドーナツ屋に寄ることになった。最近お気に入りの、6種ミニドーナツセットの「D−ポップ」を私も息子も1個ずつ。それだけではちと物足りなかったので「ポン・デ」シリーズのマロン味。だんなは
「……いまいちだろうな、と思ってはいたけど……やっぱり劇的にイマイチだったわ……」
と、化学調味料味ぷんぷんの天津麺を啜っていた。ここの飲茶シリーズは実はそんなに美味しくないのに、何故どうして「やっぱりイマイチ……」とか言いながら食べるのだろう我が夫は。
「いや、このイマイチさ加減が妙においしい」
とかわけのわからないことを言っている。

ミニエンゼルクリームやらミニバタークランチやらミニチョコファッションやらが詰め合わせになっているD−ポップは今日も美味しい。一度飲んでみたかった「チョコラテ」は、ドーナツの味がわからなくなりそうなほどに甘くてなかなかすごいものだったけれど。

Mさん家にて
 燻製鴨とモッツァレラチーズとトマトの前菜
 オイルサーディンのリエット・アボカドのディップ・クラッカー
 生湯葉 生姜醤油添え
 私が作った「彩ひじき」
 マカロニグラタン
 蓮根の海老あん挟み揚げ
 豚バラ肉と厚揚げの煮物
 豚味噌鍋
 ビール・ソーテルヌワイン・そのほか色々

さて、本当は牡蠣が届くはずだったのだけど、悲しいことに手違いで牡蠣はなしということになってしまった。あとヶ月半もしたら赤ちゃんが産まれるMさんの、「里帰り出産いってらっしゃい会」だったのでそれはちと残念だったのだけど、でも、
「あー、でも、けっこう食べるもの作ったから大丈夫かも」
というMさん。

「んとね、豚味噌鍋の他にはね、リエット作ったでしょ、ディップもひとつ……グラタンと、蓮根の天ぷらと、あと豚肉も煮てみた……」
「充分だよ!」
「ていうか、牡蠣が来てたら全然食べきれないよ!」
そう、Mさんは料理が大好きなのだった。「いっぱい食べてくれる人が遊びに来てくれると嬉しい」と、いつもいーっぱい料理を作って待っていてくれるのだ。

牡蠣が来なくてもしかしてちょうど良かったかもしれないねぇ……と、午後6時頃から夕御飯。豚味噌鍋用の味噌は、我が家から持参した。あと、お土産に私の「彩ひじき」も。そして食卓の上はカセットコンロの周囲を皿が埋め尽くすけっこう大変な状態になった。大御馳走だ。

燻製鴨とモッツァレラチーズとトマトをスライスして、美味しいオリーブ油をチャーッとかけた前菜。オイルサーディンとガーリック入りのチーズで作ったのだというディップに、生クリーム入りのふわんとした綺麗な緑色のアボカドのディップはクラッカーに添えつつ食べる。息子用にとわざわざ準備しておいてくれたマカロニグラタン(息子に「グラタンだよ?」と言ったら「んー、いらなーい」という返事だったのに、「グラタンってね、要するにマッケンチーズだよ?」と言い換えてみたら食べる食べる食べる……)、サクサクッとした食感の蓮根の挟み揚げ、そして豚バラ肉と厚揚げをル・クルーゼの赤い鍋でことこと煮込んだ甘辛い煮物。そして、Mさんもすっかり気に入ってくれたらしい豚味噌鍋。

ちょうど空腹になったところだったこともあり、口数を減らしてしまいつつすごい勢いで料理を食べてしまった。息子はマカロニグラタンの他に、オイルサーディンのリエットがお気に入りになったようで、クラッカーにそれをてんこ盛りにしてバリバリと食べ続けている。豚味噌鍋のうどんもしっかり食べていた。

「んー、料理はね、独身時代からしてたよー」
というMさん、台所道具はどれもやたらと使い込まれているし、生姜の皮をくるくるっと剥く動作なんかもすごく堂に入っている。料理をし始めたのは結婚してからだった私は、すごいなぁすごいなぁすごいなぁと、いつも感心して見ているのだった。私より年下とは思えない年期の入りっぷりだ。しかも!何作ってもすごく美味しいし!

「豚バラの煮込み、うまー」
「この厚揚げのテラテラ感!」
「ああ……こんな奥さん、私も欲しいよ」
味覚が「美味しい」「美味しくない……かも」という曖昧な2極しかない(「すんごく美味しい」と「ちょっとだけ美味しい」の違いがあんまり明確じゃない……)Mさんのだんなさんなので、我が家が拉致して持って帰りたいくらいなのだ。

「遅くなって帰るの大変でしょ?泊まっていきなー」とのお言葉に甘えて、今日はMさん家にお泊まり。
「じゃー、食べたらカラオケだね」
とか言いながら11時過ぎまでカラオケに行き、風呂に入れた途端にソファに倒れ込んで寝てしまった息子をそっとベッドに移動した後、更に親たちは夕飯の続きを飲み食い。寝たのは午前1時を大きく過ぎた頃だった。

1月25日 日曜日
お疲れの胃に、ネギトロイクラ丼。
Mさん家で
 昨日の鍋の続き
 昨日の総菜消費の続き

昨日は久しぶりに酒飲んで夜更かしして、一家で外泊。
「夜遅く帰るの、大変でしょ?男衆は居間に転がしておけばいいしさ、私たちは布団あるし、泊まっていってー?」
という話だったので、では居間でうだうだ転がって寝よう、と思っていたのに、Mさんときたらふかふかの羽布団をごっそり用意して(実家から持ってきて)待っていてくれたのだった。あーもう、出産間近の妊婦さんがお布団干したりしてなくていいから!あーもう、お布団もひくから!私たちがひかせていただきますから!とわたわたと私とだんなが動く中、細かく動き回るMさん。

目が覚めたのは8時過ぎ。まだ皆寝ていたので一人日記の更新作業などしてみたりしているうちに、皆がぞろぞろ起きてきた。Mさんのだんなさんを見かけないと思っていたら「朝のおさんぽ」に出ていたようで、手には一眼レフのデジタルカメラ。
「……あー、また、電車の写真を撮っていたんですかー」
私がそう言ったらば、
「う。……そうとも、いう」
とうろたえた後、
「俺だけが知ってる撮影ポイントだと思っていたのに、今日は先客がいてさぁ。お互いにびっくりしちゃったよ」
だそうで。そう、彼の趣味は鉄道写真撮影。

で、昼間近になった頃に食事。昨夜の豚味噌鍋がまだまだ残っていたので、白菜も豚肉も残っていたものをたーっぷり投入し、うどんもドカドカ放り込む。
「2玉?3玉?」
「……とりあえず2玉かな」
「あ、息子が起きてきた」
「……じゃあ、あと1玉だ」
と、どんどん煮詰まってコッテリ味のスープになっていっている鍋でうどんをくつくつ煮立て、ボリュームたっぷりの朝御飯。昨夜の残り物もたくさんテーブルに出て、皆揃ってよく食べた。えへへー、これで豚味噌鍋ファンの増殖に成功。たぶん。

食後はしばしマターリしてから、
「あのねあのね、あの店のロールケーキがけっこう美味しかったんだよ」
と、以前マンゴプリンを御馳走になったことがある筑波のケーキ屋さん「La Cote d'Azurl」(コートダジュール)に皆でお買い物に。「我が家のロール」なる名前のシンプルなロールケーキは1本500円と手頃な値段で、更に「こくまろチーズケーキ」(1個150円)と「まゆ卵」(1個120円)なるお菓子も購入。ケーキがどれもこれもキラキラピカピカしていて、これまたとっても美味しそうだったのだけど、長距離持ち歩くのは大変かなと断念。電車を2回乗り換えつつ、のんびりと帰宅した。

今度Mさんに会うときは、赤ちゃんが一緒なのねー。楽しみだわ。ごちそうさまでした。

ネギトロイクラ丼
鶏肉とゴボウと舞茸の吸い物
抹茶入り玄米茶
ビール(ウィンターエール)

「サンルイ島」の抹茶ロールケーキ
「La Cote d'Azurl」のまゆ卵
カフェオレ

昨夜も今朝も豚味噌鍋というこってりどっしり重たいものを食べてしまった(豚味噌鍋が重いというより、それに入った豚バラ肉を昨日も今日もたっぷり食べたのが敗因……)ので、夕飯はさっぱりと油っけのないものが食べたい気分。
「ネギトロ丼とか食べたいなぁ〜」
「あー、わかるわかる。魚屋さん見ていこう」
「ぼくはねぼくはね、イクラのごはんがいいなぁ〜」
「あー……じゃあ、イクラも見ていこう」
と、帰り道、魚屋さんを覗いてビンチョウマグロのサク1本とイクラのパックを買ってきた。生すじこをほぐして作る自家製イクラはすっごく美味しいのだけど、もうこの季節、生すじこは全然見かけられない。あれはやっぱり秋だけのお楽しみなのねぇ、と、割高感溢れるイクラを買ってきたのだった。

我が家ではおなじみの、鶏肉とゴボウと舞茸を入れた吸い物を作り、その間、だんなにマグロをドカドカと叩いてもらった。柔らかく細かく砕いたマグロに、刻み万能葱をたっぷり混ぜる。炊きたて御飯の上に揉み海苔敷いて、ネギトロ盛って、上からイクラも乗せちゃって、醤油をチャーッと垂らしつつかっこんだ。そうそう、このさっぱりさが懐かしかったのよ〜、とか言いつつ、ビンチョウマグロはすごく脂が乗っていたし、イクラも低カロリーなものではないわけで……実はさっぱりしていないのかもしれない。けど気にしない。

食後は、半端に残っていた「サンルイ島」のロールケーキを、息子がバニラ、だんながショコラ、私が抹茶を担当して平らげる。この3種のロールケーキセット、我が家では好みがきっちり3等分に別れた。だんなは圧倒的にショコラが好き、私は抹茶とバニラが美味しくて、でも抹茶の味の方に感動、そして息子は最初からバニラ一辺倒。安くはないロールケーキだったけれど、3種類一気に食べられるのはほんのり得した気分になれた。

更に、今日買ってきたばかりの「La Cote d'Azurl」の「まゆ卵」というお菓子。ふわんと気泡たっぷりの丸っこい生地の間にクリームが挟まったそれを、息子が一目見て
「これ!これが、かいたいなぁ〜」
とリクエストしてきたので3人分買ってきたものだったのだけど、これまたクリームがいーい感じに乳臭さぷんぷんで上品な甘さで、濃厚なのに軽い食感で、とっても好みな味だった。クリームを挟む生地は「ブッセ生地」というもの。

「……ナボナみたいだね」
「……あー、ナボナね、うん、ナボナ。"高級ナボナ"って感じだ」
なんて言いながらカフェオレ傍らにもぎゅもぎゅと食べた。飲んで喰ってお菓子まで平らげて、また来週からせっせと運動しなきゃ、って感じ……。