食欲魔人日記 04年06月 第4週
6月21日 月曜日
お洒落なイタリア〜ンを目指した……んだけど、
「ザ・ストランド」の
 ティーリーフ入りスコーン
 カラント入りスコーン
クロテッドクリーム・リンゴジャム
アイスカフェオレ

週末に食べましょう、と金曜日に買ってきたスコーン。土曜も日曜も食べる機会がなくって、今日の朝御飯に出すことになった。確か千葉そごうの地下にはフォートナムメイソンがあったはず……と記憶を頼りにフロアを歩いて買ってきたのだけれど、見つけたのは「ザ・ストランド」という英国紅茶のお店。2個入りの袋入りスコーンも何種類か売られていて、2種類を1袋ずつ買ってきた。

「おかーさん、これなぁに?おかし?」
「スコーンだよ。こないだお母さんが焼いてあげたじゃん……失敗したけど……で、これが本物のスコーン」
「そっかー!ほんもののスコーンかぁ!」
店頭でそんな会話を息子としていたので、店員さんが吹き出していた。

4個しかないスコーンなので、オーブンで温めたそれを上下にパカンと割って適当に皆で分けつつ食べる。クロテッドクリームをこてこて、ジャムをこてこてつけて、傍らにはアイスカフェオレ。熱い紅茶を飲む気が失せるほど、今日も朝からムシ〜ッと湿気がそこら中に溜まっている感じ。
「……やっぱりスコーンってのは、こう、湿気が少なくてカラッとしているイギリスならではの食べ物なのかも……」
なんて思いながらもクリームをこてこて。美味しかった。そしていつかはこのくらいのレベルのものを自分で焼きたいぞ。

カレーうどん
麦茶

台風が迫りつつある今日。雨は夕方まで降りそうにないけれど、風はどんどん強くなるし湿気も多いしで外出には不向きな天気。もとよりここ数日ご馳走が続いているような感があるので、
「……家でおとなしく残り物でも食べよ……」
ということにした。鍋の中には1人分ほど残ったカレーうどんのだし。よしこれを食べきるぞ、と、カレーうどんにして平らげた。

不器用な私は、カレーうどんのスープを必ず胸に飛ばす。カレーうどん以外でも、ミートソーススパゲティもまた鬼門。トマトソースのスパゲティすら危ない。
「カレーうどんはともかくとして、スパゲティのソース飛ばすなんて、はっずかしい……なさけない……」
と思いながらも、なるべく外食時には白いシャツで行かないようにしていたりするのだった。己の行動に緊張感を持たせるためには「ぜったい汚しちゃ困る服」を食事時に着用した方が良いような気もするのだけれども、私にはそんな服はない……。

今日は何度も洗いまくっているクタクタのTシャツだもんねー、問題ないもんねー、とお気楽気分で濃厚カレーうどんをちゅるちゅると。もうじゃがいももにんじんも肉もほとんど残っていない状態だったけれど、すべての味がとけ込んだようなだしの味は格別だった。そして胸には当然のように水玉模様が。あじゃぱー。

茄子とバジルのオーブン焼き
塩豚バラのバルサミコ酢ソテー
ロメインレタスのサラダ
羽釜御飯
ビール(モルツ)・麦茶

明日からだんなは台風と入れ違いになるかのように九州出張。今日の夕飯が、家族が揃う出張前の最後のチャンスだった。……出張前だから当然忙しいだろうし、帰ってこられないかもなぁ……と予想しつつも、
「今日の夕飯は、塩豚のバルサミコ酢ソテーと茄子のオーブン焼きと、グリーンサラダを予定しています」
と献立をメールしてみる。そしたら帰ってきた。作戦成功〜。

今日の夕飯のテーマは「茄子を食べよう」ということ。私がスーパーで特売茄子7本盛りだかを買った数日後にお義母さんから「茄子あげるわ、茄子〜」とまた5〜6本いただいてしまい、我が家の冷蔵庫は現在茄子がみっちみち。茄子は私もだんなも大好物だったりして、
「揚げ茄子……焼き茄子?」
と色々考えたあげくにイタリア風にオーブン焼きにすることにした。

まずはオリーブ油で薄切り茄子をソテーして、火が通ったらサービングポットに敷きつめる。その上から刻みバジルと刻みハムととろけるチーズをパラパラッとかけて、またソテーした茄子を重ね、上からバジルハムチーズをパラパラと、そしてまた茄子……と、3個刻んだ茄子がなくなるまで何段か繰り返し、一番上にトマトピューレをぺたぺたと塗り、生クリームをじょぼじょぼとかけ、パン粉をちらちらとかけ、そのまま弱火のコンロにかける。沸騰したら鍋ごとオーブンに入れて十数分、グラタンのような良い焼き色がついたらできあがり。直火にかけられて更にそのままオーブンにつっこめる素材であり大きさである鍋を使わなければいけない料理で、その点サービングポットはすっごく便利なのだった。

そして、週末に購入してそのまま塩をたっぷり揉みこんでラップでぐるぐる巻きにしてあったバラ肉の塩豚は、1cmほどの厚さにスライスしてスキレットでじゅーじゅー焼いていく。両面カリッと焼けて中まで火が通ったらバルサミコ酢を大さじ2。十数秒煮詰めたら醤油大さじ2とバターとおろしにんにくと黒胡椒を加え、更に軽く煮詰めて肉にソースがからんだらできあがり。茹でて塩胡椒しただけのじゃがいもを皿に敷き詰めて、上に肉をドカドカと盛りつけた。上品なマッシュポテトを少量と青み野菜と一緒にちんまりと盛りつければそれなりの洒落た料理になると思われるのに、大皿にどっかんどっかん盛りつけるものだから居酒屋の「今日のおすすめ品」のような外見になってしまった。とほほほほ。

今日はそれらとサラダと御飯を準備するのがやっとで、スープはなし。"酢"を入れたと言ってもほとんど酸味を感じない肉は和風なようなイタリアンなような味でこってりこっくりとしてなかなかだったし、茄子のオーブン焼きもチーズがピヨーンと伸びて良い感じ。ビールにも合うけど御飯にも合うねと言いながらもりもりと平らげた。

うー、これでしばしのお別れね。だんな、いってらっしゃーい。

さて、
「小倉及び宮崎の美味しいお店(ラーメン屋含む)」の情報をいただけると嬉しいっすー」
と昨日この日記に綴ったところ、色々な方から色々な情報をいただきました。本当に本当にありがとうございます。
「だんなだけじゃなく、いつか私も行くんだもんね!」と鼻息荒く、忘れないようにこちらのページにまとめてみました。うー、ラーメン美味しそう、うどんも美味しそう、そして宮崎ではなんといっても「チキン南蛮」!私はこれでまたひとつ、これまで知らなかった名物料理を知りました。なにはともあれチキン南蛮。
美味しそうな話ばかり、本当にありがとうございました〜。

「宮崎で、宮崎産マンゴー売られていたら、んでもって安かったら買ってくるからね」
とだんなは言ってくれたけど、チキン南蛮は食べたいわ「かしわうどん」は気になるわ「かしわめし」も美味しそうだわ(しかも美味しそうなロールケーキはあるわ魅惑的なパン屋もあるわ……)で、私はもう血迷っちゃって大変(私は今週千葉から出るする予定すらないのにね……)。

6月22日 火曜日
なっとなっと〜♪
ミニコロッケサンド
牛乳

今日からのだんなの出張、出発は7時とけっこう早いらしい。朝御飯、ちゃちゃっと一緒に食べられるといいなと、昨日ロールパンとコロッケを買ってきておいた。いつもより早起きして、朝御飯は簡単コロッケサンド。ロールパンに切り込み入れてマーガリンを薄く塗り、刻みキャベツを敷いて温めたコロッケを挟んだら、上からソースをどばどばと下品なほどにたっぷりめにかける。お供には牛乳。

「コロッケサンドのソースなんだから……」
「当然"チョウシ屋"のソースを使うわよね」
と、使ったのはチョウシ屋のオリジナルソース。築地寄りの銀座、裏通りに面した小さな肉屋さん「チョウシ屋」は、昔ながらの懐かしさを漂わせるお店で、コロッケやカツが販売されている他にコロッケサンドや牡蠣フライサンドを店頭で作ってくれる。肉ものじゃないけれど、ピーナッツバターサンドやジャムサンドも作ってくれる。パンは食パンとコッペの2種類から選ぶことができて、5年ほど前、銀座で働いていた私はそれはそれは頻繁に
「すみませーん、ピーナッツバターサンドとコロッケサンド、両方食パンで!」
なんて注文をしては昼御飯を楽しんでいた。もうしばらく行っていないなぁ。

で、いつのまにかその店オリジナルのソースも売られるようになっていて、更にはミニサイズしかなかったそれに大瓶が登場するようにもなった。先日一人でチョウシ屋のコロッケサンドを食べに出かけただんなが、「おみやげー」と買ってきてくれたのが、大瓶入りチョウシ屋のソース。嬉しいけど、私としてはそのソースをかけるコロッケも欲しかったなー、なんてなー……(そのうち買いに行こ……)。

そしてだんなをお見送り。行ってらっしゃーい。

たくあん青のり納豆丼
わかめスープ(インスタント)
水菜のおひたし
麦茶

数日間は息子と私の2人だけかー……昼に美味しいもんでも食べに行っちゃおうかな?という気持ちもあったのだけど、仕事はまだ終わってないし、いまいち近所に「これ!」という行きたいお店も思い浮かばないということで、ここは好物の「納豆飯」にすることにした。

作ってみたのは「たくあん青のり納豆」なるもの。数日前に図書館で借りてきた『ケンタロウのごはんがうまいこの一品』(集英社 2004.03)という本に載っていたレシピで、「お、これ、美味しそうかもー、食べてみたいかもー」と思っていたものだった。ボウルに刻んだたくあんを入れ、炒り胡麻と共に納豆を入れ、醤油を垂らしてチャッチャと混ぜたら御飯に盛りつけ、あとは青海苔をかけるだけ。たくあんも納豆も胡麻も青のりも御飯にはよく似合うものだから、きっと不味くなることはないだろうという組み合わせだ。……で、我が家には普通のたくあんはなくて、秋田名物「いぶりがっこ」(桜で燻製したたくあん←大好物♪)しかないものだから、これを使ってみた。作ってみたら、これが笑っちゃうほど納豆の風味と似合わな〜い……。

納豆と胡麻、青のりの組み合わせは程良くそれぞれの風味が絡み合ってすごく爽やかで良い感じ。そこに、ごく普通のたくあんが混ぜられたのなら、きっとそれぞれの味がほどよく調和するんだろうなぁと思うのだけど、いぶりがっこはクセがありすぎた……。燻製臭と納豆の独特な匂いが混ざって、えもいえぬ香りが。
「……しまった、この挑戦は微妙に失敗だった……」
と思いながらもカツカツと御飯を平らげ、久しぶりの納豆にそれでも満足だった私。

鶏肉とコーンといんげんのクリームソーススパゲティ
茗荷と帆立のピリ辛サラダ
ビール(モルツ)・アイスティー

フルーチェアジア(杏仁フルーツ)

実に珍しいことに、息子に
「今日のゆうごはんは、クリームのスパゲティにして?」
とリクエストされる前に
「今日の夕御飯、クリームのスパゲティにしてあげよっか?」
と提案してみた私。昨日開封した生クリームは早めに使い切ってしまいたいし、鶏肉も半端な量残っているし、クリームソースのスパゲティをするにはちょうど良い状況だったりした。息子はもう、大喜び。
「まだ作らないの?」
「まだ、ゆうごはんにはならないの?」
と、午後3時頃から催促された。

手元に少量残っていたさやいんげんをざくざく刻み、ついでに1本80円で特売していたとうもろこしも1本の1/3ほどを身を芯からこそげとる。パスタ用の湯が沸騰したのと同時くらいに深鍋を火にかけて、バターを溶かして鶏といんげんとコーンを炒め始める。適当に表面の色が変わったらパスタのゆで汁ちょっと入れて鶏肉にちゃんと火を通し、それから生クリームをどぼどぼどぼーっと加えてトロンとするまで煮詰めていく。あとは適当に塩胡椒して茹でたてのスパゲティを絡めればできあがり。

そしてサラダにともう一品。数ヶ月前に買った雑誌に載っていたレシピを今頃になって整理していて、「お、これ美味しそう」と思ったものを作ってみることに。

刺身用の帆立を50℃ほどの温度に温めた塩入りの紹興酒(で、4倍くらいに水で薄める)に入れて"半生"状態に火を通し、薄切りにした茗荷と一緒に皿に並べて盛りつける。上から醤油と胡麻油と酢を2:1:1の割合に、それに梅干しを細かく刻んだのと山椒の粉と七味唐辛子を混ぜ合わせたタレを添えて食べる……というもの。
我が家には梅干しは常備されていないので(何しろ家族全員が苦手な食べ物……)梅干しは除き、代わりにザクロのビネガーを隠し味に加えてみたりした。盛りつけた後、仕上げにこれでもかーっと山椒と七味唐辛子と黒胡椒を皿に上にかけたら、全体的に黒っぽい粉が散った良い感じの皿のできあがり。いかにも酒のおつまみという感じで、残っていたロメインレタスのサラダも添えつつ、適当に全体を絡めながらいただいた。

パスタにはめちゃめちゃ感動されたものの、帆立のサラダは息子にめちゃめちゃ不評だった。
「これ……いらない……」
と涙目で茗荷を外され(確かに、子供に茗荷は辛いかも……)、
「このタレもね、ちょっとからい……」
と、ソースを必死に払い落としながら帆立を食べている。「なんで、ほたてをおいしくならないように、しちゃうのかなおかあさんは……」と小声で言っているのが聞こえてきた。……美味しくならないようにしちゃってすみません……。いや、でも、大人のお母さんにとっては「また作ろう!」と思えるほど充分美味しかったのよ。

「いっぱいいっぱいごはん食べたら、フルーチェつくってくれる?」
と息子から更なるリクエストが出され、帆立もパスタも全部食べられたなら作ってあげるよと約束する。台所の棚には、数日前に「おいしそー」と買ってきた、"フルーチェアジア"の杏仁フルーツ味とマンゴーミックス。150ccの牛乳加えて混ぜるだけ。先に食べ終わった私が準備をして冷蔵庫に入れておき、息子が食べ終わるのを待って、食後にフルーチェ。

それは確かにフルーチェの味だったけれど杏仁豆腐っぽい風味があって、なかなか美味しかった。「2〜3人分」と書かれていたけど、でも2人でぺろんと完食。他の普通のフルーチェより分量が少ない感じ?(溶かす牛乳も、多分普通のは200mlだったはず)

6月23日 水曜日
上出来上出来ステーキ丼
南国デザートグラノーラ with 牛乳

我が家で愛用されまくっているカルビー社の「フルーツグラノーラ」。現在は期間限定で「南国デザートグラノーラ」なんてものも売られていて、息子は最近それをポリポリポリポリ食べている。たまには私もシリアルの朝御飯にしましょうかねー、と、私は初めての南国デザートグラノーラをスープカップにざらざらと入れた。息子にも同じスープカップにざらざらと。

なんでもこれ、ココナッツミルク風味なのだそうである。しかもマンゴーとかパパイヤとかパイナップルとかキウイも入っているそうである。好きなものしか入っていないような(……あ、でもキウイだけはちょっぴり苦手だ)グラノーラで、
「うぉっ、確かにこれはココナッツ味!」
と喜びながらかっこんでしまった。あー、これはマンゴーだわ、わかるわわかるわ、とシリアルの中を探ってつついてみたりして。

「吉野家」にて
 いくら鮭丼セット \450

本日、息子はスポーツジム、私もスポーツジム。午前数時間しこしこと仕事して、
「うぉっプログラム開始まであと40分!」
と慌ててバッグ持ってジムに向かう。15分前にはジムに入っていたいし、それ以前に30分前には食事を終えていたいし、
「普通のお店は絶対ムリ……ココイチもムリ……あとはハンバーガーか豚丼?」
自転車こぎこぎ、結局目指したのは吉野家だったりした。

心の中はキムチ乗せの豚丼、それに半熟卵もつけちゃおう、という欲望一色で自転車を止めたのに、メニューを見ていて
「ふーん……いくら鮭丼はセットで450円かぁ……食べたことないしなぁ……ふーん」
と、半ば無意識にそれを注文してしまったり。どうもいくらが食べたい気分だったらしい。

御飯の上にそぼろ状の卵を混ぜてあるような鮭、ぺろっと1枚シソが乗って、その上にイクラがこんもり。味噌汁と漬け物ついて450円という価格で
「ん……おいしい……かな……普通に」
という印象だった。鮭に卵を混ぜちゃうところが、「ツナサンドのツナは高価だからマカロニを混ぜちゃうんだよ」というコンビニのサンドイッチ(こういうのがあったの……ショックだったの……ごくごくフツーのツナサンドが食べたかったのに)みたいなトホホさを感じさせて、ほんのりと悲しい。

「やっぱり次は豚丼にしておこう」
と静かに店を出て、その30分後にこれでもかと動く。今日参加したプログラムはボディパンプで、ボディパンプはつい最近「新曲」なるものが発表されていて、その新曲はめっちゃめちゃきつかったりするのだった。心もち曲も長めで、1時間の予定が5分以上オーバーしての終了。いっそいでシャワー浴びて着替えて息子の幼稚園に向かったのだけど、門をくぐったところで「せんせーさよーなら、みなさん、さよーなら」の声が聞こえてきた。先生と息子が手をつないで立っているのが見えて、ダッシュでお迎え。「僕だけおかあさんが来ない」とかって状況ってのは切ないのよねー、ごめんよ息子。

和牛のステーキ丼
茄子とじゃがいもの味噌汁
ロメインレタスのサラダ
麦茶
アメリカンチェリー

夫のいない夕飯2日目。美味しそうな魚でも買って帰ろうかな、いっそ今日もスパゲティかな、なんて思いながらスーパーを覗き、「50%引き」のシールつきのステーキ肉を見つけてしまった。見事にサシの入った肉で、元々の価格は2000円くらい。でかいけど、薄いよなぁ〜?とパックを横から眺めてみたりして、でも、
「これは……これは、"ステーキ丼をしなさい"という神様からのお告げ!?」
と判断。ステーキとして食べるにはいまいち物足りない分量だけれど、多分ステーキ丼をするならぴったり。これ1枚で息子と私2個分のどんぶりを余裕でカバーできそうだった。で、お買いあげ〜。見切り品を探して歩くまでのことはしないけど、見つけたら迷わず買っちゃう私。んで、見つけると嬉しくなっちゃう私。

そういうわけで、夕飯メインディッシュはステーキ丼。あとはさらさらっと茄子とじゃがいもの味噌汁を作り、ロメインレタスをちぎったサラダを用意して、いざいざ御飯の炊きあがりに合わせてステーキをスキレットでジューッと。

とにかく薄〜い肉なので、
「これはアレだ、ステーキを焼くと思わず、焼き肉をすると思って焼けば良いのだ!」
と判断して、ごく軽く両面を焼きつける。煙が出るほどあたためたスキレットにしばらく室温に置いておいた肉を乗せたら30秒くらい。ひっくり返したら、10秒くらいしてすかさずバターと醤油、醤油が焦げつかないようにと酒も投入。肉にざっとそのタレを絡めたら肉はざくざく切って御飯に盛りつけ、タレは軽く煮詰めて御飯と肉にぶっかける。トッピングは白髪葱と刻んだ茗荷を合わせたもの。はっきりくっきり、上野の「黒船亭」というお店のものを真似している。ただ、そのお店はトッピングに白髪葱と刻んだシソを使っている。シソは手持ちがないし、シソよりは茗荷の方が好きなのでつい茗荷を使ってしまった。

あまり深く考えずに作ったステーキ丼だったけれど、これがもう、めちゃめちゃ上出来だった。肉の断面は生ではなくて、でも見事な薔薇色。バターこってり味の醤油ソースもちょうど良い味になっていた。脂がコテッと乗った肉がたまんなく美味しい。とろけるような柔らかさで、実際口の中でとろ〜んと溶けていく。

「……おいしい!おいしいね、どうよ息子、美味しいでしょ?」
「うん!すっごくおいしい!またこんどつくってくれる?このおりょうりはね、ぼくだいすき!あしたもつくろう!」
息子にもとっても好評だったし、私もまた明日にでも作りたい気分なんだけど、でもこれをもう一度作るにはもう一度50%引きの肉を探さなきゃぁなんないのよ……。むつかしいわね。

6月24日 木曜日
野菜不足と思われる夫のために
ピーナッツバターサンド
牛乳 with ミルメーク(ココア)

梅雨もあけてないのに、なんで毎日こんなにこんなに暑いかなぁ。

「うー、アチアチ。トーストとか目玉焼きとかって気分じゃないね、こうなっちゃうと……」
と、今朝はロールパンにこてこてとピーナッツバターを塗ったもの。そのへんのスーパーのそのへんに売られていた非常に適当な感じのピーナッツバターは、見かけは白っぽくてふわりとして美味しそうだったのに、実際食べてみるとピーナッツの味は薄いし甘さもあるんだかないんだかはっきりしない微妙な感じだし、ネトネトと脂っこいだけでいまいち美味しくなかったのだった。ちょこちょこと使っていたのだけど、これでやっと使い切る。ああ、やれやれだわー。

「おかあさんおかあさん。サンドイッチといっしょに、ミルメークぎゅうにゅうはどうですかー?」
と息子に提案されて、いいねいいねそりゃいいね、とココア味ミルメーク混入の牛乳を用意。いくつものフレーバーを小さな籠にまとめてあって、「ほれ、好きなものを選びなさい」とできるようにしてあるのだけれど、毎回毎回真剣に「コーヒーもいいなー」「いちごも……捨てがたい」と真剣に悩んでしまう。今日は息子と私とお揃いでココア味。ココア味が一番溶けにくいような気がするのだけど、気にしない。

さて、次のピーナッツバターは、いっそ紙製のケース入りの"いかにもな"やつにしちゃおうかな。あの、チョコクリームとかいちごジャムとかとシリーズになっているやつ。

目玉焼き丼
麦茶

ここ数日の暑さで建物もいーい感じにぬくまってきたのか、もう家中どこにいても暑い。冷房をつける気分じゃなくて、扇風機を背後にしょって巨大なグラスにこれでもかとたっぷりの麦茶を入れて飲みながら仕事。2〜3杯お代わりしていたら、昼にはお腹がたぷたぷになってしまった。

「……さて。一人の昼御飯なわけですが……」
と、サンドイッチが食べたい気分だけどパンはもうないのよね、麺を茹でるのもめんどくさいのよね、かといって卵御飯とか納豆御飯ってのも何だかなぁ……とあれこれ考え、ちょっと久しぶりの気がする「目玉焼き丼」。目玉焼きを乗せただけの御飯だけど、なんてことないのにこれが美味しい。しかも今日はハムがあるのでエッグ丼と、ほのかにゴージャス。

まずはハムを片面こんがりと焼いて、ひっくり返したら卵をパカンと割り入れる。蓋をして弱火にして、じくじく火を通せば白身がプルンと固まって黄身は表面に薄い膜の張った半熟状に。それをあったかい御飯の上に乗せて、黒胡椒ガーリガーリ挽いて醤油をひとたらしすればできあがり。簡単簡単。

で、居間の座布団に座り、やっぱり扇風機をしょったまま麦茶を傍らにガツガツとかっこんだ。御飯にとろんと染みこむ黄身の感じとか、チリッと焦げたハムの塩辛さなんかがしみじみ美味しい。卵御飯も大好きだけど、目玉焼き丼もやはりはずせない美味なのだった。だんなは今頃、ラストラーメンかしら。

ナチョス
レタスとひき肉のエスニックサラダ
茄子とセロリのカレー炒めかけ御飯
海老団子のスープ
ビール(モルツ)・麦茶

今日の7時過ぎにだんなは帰ってくる。どうせ数日九州ラーメンばっかり食べていたのだろうし野菜不足は目に見えているので、なるべく野菜をたっぷり摂れる料理をとあれこれ考えてみた。汗かいて帰ってくるんだからビールが美味しく飲める料理で、野菜も食べられて、それでもって九州で食べてきたものとバッティングしないもの。

「……エスニック料理だったらバッティングしないでしょう、いくらなんでも。うむ」
と、サラダとスープを作り始めた。

安売りされていた剥き海老は卵白とナムプラー、おろしにんにくや塩胡椒と一緒にフードプロセッサーでギャギャギャギャギャとペースト状に。顆粒鶏ガラスープを溶かした湯に干し椎茸や干し海老、天津冬菜(中国の漬物。チャーハンの隠し味に使ったりするとうまー)をちょこちょこと加え、海老すり身をスプーン2個でお団子にして入れていく。スープの味付けはナムプラーと塩胡椒。

んで、サラダ。レタスを細切りにし、ざく切りトマトと合わせてレモン汁と胡麻油とおろしにんにくで調味。豚挽き肉を生姜と一緒に炒めてオイスターソースとナムプラーと砂糖でこってりした味をつけ、それを野菜をざざっと混ぜたらできあがり。仕上げにピーナッツをぱらぱらとかける。
参考にしたのは、数日前に図書館で借りてきた『ケンタロウの121レシピなんでもありッ!』(学習研究社 2004.06)に載っていた「レタスとひき肉のエスニックサラダ」というもので、それによると春雨が入り(家にあると思ったら無かった……)、香菜がトッピングされる(探したけど売り切れだった……)ので私が作ったものとはかなり違った物体が写真で掲載されている。あれがない!これもなかったし!とバタバタしながら作ったのだけれど、レタスがもりもり食べられたという意味では良いのかな。味も不自然ではなかったし。香菜がなかったのはとてもとても残念なことだったけれど、でも残念がるのはどうせ私だけなのだ。

そして茄子をたっぷり食べようと、揚げ焼きにした茄子をセロリ、豚肉と炒め合わせてオイスターソースと豆板醤とカレー粉で炒め合わせたものをぶっかけた御飯。カレーの味だけれどオイスターソースのコテコテさが舌に残る中華な味のカレー炒め。これも多分ケンタロウさんの本に載っていたもので、いい具合にセロリと豚肉が少量ずつ残っていたので作ってみた。

ビールのつまみには、ナチョス。買ってきたトルティーヤチップを皿に盛り、上からピザ用チーズをドバーッとかけて、トマトやオリーブを刻んだものを散らす。お店で食べるとハラペーニョを刻んだものも大量に乗っていたりする。それをオーブンで数分、チーズが溶けるまで温めたらできあがり〜。

と、ここ数日のやる気のなさを取り戻すようにがんばってあれこれ作って、作り終えたところでだんなが帰宅。

「これ、宮崎観光ホテルの冷や汁パックね。こっちは、仕事場で会った人に"これおすすめ"って言われたチーズ饅頭。焼酎は2本、"黒霧島"と"蒼い永劫"ってやつ。旨かったんだよー、試飲させてもらって買ってきたんだけどさ。でさ、定価1300円のが1000円になってて、でもクソ高いなと思いながら買ってきた宮崎マンゴーの箱ね、これ。あと……クール便はまだ届いてないよね?あんなかにボンサンクのロールケーキとシロヤの練乳パンと、揚子江の豚まん入ってるから……」

すごいすごいすごい。だんなったらパーフェクト!「あの店とこの店は近いから……」てな感じにドドドーッと商店街を歩きながら購入したり空港を散策したりして買ってきてくれたものであるらしい。今回のお土産はたいそうゴージャスだった。私、自分で作ったもの以外の冷や汁を飲んだことがないのでそれも嬉しいし、焼酎も嬉しいし、しかも「もしも売られてて、しかも安かった買ってくるからね」と言われていたマンゴーまで!わーいわーい。マンゴプリンに加工しちゃうのはもったいないから、正統派に美しく格子に切っていただくよ。

出張の話を聞いたり、だんな不在中のこちらの報告をしたりしながら、ナチョスつまんでビール飲んで中華風カレー炒めぶっかけ御飯をガツガツと。ナチョスはちょーっとオーブンに入れすぎて軽く焦げたところができちゃったり、野菜が摂れたのは良いけど全体的にちょーっと油っこかったかなと思われるところがあったりしたのだけれど、でも家族が揃う夕飯は格別だった。

6月25日 金曜日
卵は1人3個だよ
「アンデルセン」の
 クリームチーズデニッシュ
 メロンパン
 を、息子と2人で半分こ
牛乳

昨日の夕方、「美味しい食パンでも買って行こうね」と駅ビルのパン屋さんに寄ってきた。食パンを買うはずだったのに、今回も
「わ〜、チョコパンにしようかな、クリームのにしようかな」
とこれ以上なく輝く眼差しで棚を舐めるように見ている息子。「今日はー、食パンを買うんだよ……」と言う私も、「お、これ、おいしそ」とつい棚のデニッシュに目を向けちゃったりして。

で、結局息子は「これ!これ、たべてみたい!」とメロンパンを選択した。ごわっとしたビスケット状の生地が表面で格子模様を描いている、いかにもなメロンパン。
「でも……1個はたべきれないかもなぁ……」
と呟いているので、
「じゃあ半分こしましょう。こっちの、ちょっと小さなクリームデニッシュのパンを買うからさ、それと一緒にお母さんと半分こ。どう?」
息子はその提案に乗ってくれた。ジムに向かう予定らしいだんなには、小さなカレーパンを。

メロンパンは、私好みの超正統派だった。クリームが中に詰まっていたりメロン風味だったりするメロンパンは「おいしいかもしれないけど、ちょっと違う……」と私は密かに思っている。

メロンパンは、そのカリッとした表面の生地に入るひび割れがメロンのようだからその名がついたとか、あるいは逆に、わざと高級果実のメロンに似せるような模様をつけたパンを作ってその名をつけたのだとか諸説あるらしいのだけど、少なくとも「メロン味だからメロンパン」というものではなかったらしい。私の記憶にあるメロンパンは、ちょっと甘さのあるポソポソとした食感のパンの表面に、カリッサクッとした歯触りに砂糖のジャリッとした甘さと食感が感じられる黄色い生地がかぶさっているというもの。メロンパンといえばそういうものを想像してしまうので、最近の流行の品にはなんとなく違和感を感じてしまうのだった。

「このメロンパンは!正統派です、オッケーです!」
「おっけーなの?」
「オッケーなんです!」
息子は何がオッケーなのかはわからない風だったけれど、美味しそうにメロンパンを平らげていた。

稲毛 「高円寺ナイルカレー」の
 ハンバーグカレー 茹で卵トッピング

自宅で
 マルセイバターサンド
 チーズ饅頭
 白桃アイスティー

今日はイベント盛りだくさん。午前中には息子の「プール参観」があった。
温水プールつきの息子の幼稚園では学期ごとにプール参観日が1日くらいあるのだけれど、仕事が重なったり当日に体調崩したりと、参観できたのは今日が初めて。息子は全然泳げないものだと思っていたのだけれど、ちゃんと顔を水につけてほんの1秒くらいの"けのび"をすることはできて、それを見ることができた母はちょっと嬉しい。

だが、だが息子よ、"自由遊び"の時間中、プール中央に置かれたミニ滑り台で遊ぶたび、そのてっぺんに仁王立ちして両手を高く掲げたあとに「ローブ!バーン!ダーン!」のかけ声と共に親指を己の脳天に向けて振り下ろす動作はいかがなものか。それと、「キャンユーディディッ!サッカー!」とか言いながら中腰になって目の前で片手をピラピラさせる動作もいかがなものか。私はその動作がRob Van DamBooker Tの真似であることは瞬時に理解できたのだけれど、でもそんな事がわかる人はこの場にはきっと他にいない……。毎週プールでそんな小ネタを繰り広げているのかと思うと、苦笑い(それとも今日のそれは参観にきてくれたお母さんへの特別サービス?←でもそんなサービスもいらない……)。

さて、プール参観を終えた後は、前々から「行こうね!」と約束していた、Kさんとのカレー屋ランチ。我が家からほど近いお気に入りのカレー屋さん「高円寺ナイルカレー」に一緒に向かい、帰宅してから1時間半ほど我が家でたらたらとくっちゃべっていた。

ほのかに甘くて辛さも苦さもない、優しい味の真っ黒なカレー(←そんな色合いなので、初めて食べる人は割とギョッとしてしまう)。やっぱり優しし味のコールスローもついてきて、メニューはポークカレーにチキンカレーにハンバーグカレーに海老フライカレーなどのカレー類(ルーの味は一緒)、そしてカレースパゲティに、カレーソースかケチャップがかけられる(そして御飯もチキンライスかえびめしが選べる)オムライス。アルコールも置いてあるけれど、でも肴のようなものといったらサラダくらい……という、とにかくカレーがメインの小さなお店だ。カレーの味そのままに、経営するご夫婦のお人柄も温かくて良い感じ。お店の雰囲気も落ち着いていて素敵なのだった。

「うーん……私は軽くしとこうかな。ポークカレーにゆで卵にしよう」
「じゃあ、私がハンバーグカレーにしちゃいますね。ハンバーグお裾分けしましょう〜」
と、「でもゆで卵は必須よね♪」「ですよね♪」とか言いながらそれぞれ注文。
「うわ!黒い!」
とKさんは期待通りの反応を示してくれた。
相変わらず、肉汁たっぷりのこんがり焼かれたハンバーグは美味しかったし、カレーのじわっとくる旨さもたまらない。うまうま。

そして、我が町二大カレー店のうち1軒をやっと紹介できた喜びのままぽてぽてと帰宅し、L'EPICIER白桃ティーを淹れてみる。手作りのお菓子でも出したかったところなのだけれど、今の我が家にはちまちまとお菓子が冷蔵庫に詰まっていて、
「北海道のバターサンドと宮崎のチーズまんじゅうでございます〜」
と、南北の銘菓を出してみる。どちらも冷蔵庫で保存してあったのだけど、そしてバターサンドを冷蔵庫に保存するのは何ら問題がなかったのだけど……チーズ饅頭は冷蔵庫に入れちゃいけなかったらしい。

「あっはっは、スミマセン、チーズ固まってます……冷蔵庫はいけなかったらしい……」
「いや……でも、うん、チーズですよね。確かにチーズの味が」
「うん……けっこう、美味しいですよね、うん」
そんな事言いながらもぎゅもぎゅと。

お互いに子育ての大変さを愚痴ってみたり、Webページ制作の難しさを語ってみたり、昔懐かしい漫画の話をしてみたり。ほんの数時間だったけれど、あれこれ話せて楽しかった。
……で、いつも絵日記を拝見して「すっごい変わり者だよなぁ……"宇宙人"とKさんが言っちゃうのもムリない、かな……いや、でもさすがにちょっと誇張とか脚色とかあるでしょコレは……」なんて思っていたKさんのだんなさん話は正真正銘真実で、まだまだまだまだ逸話は残っているらしい。Kさん、もっと聞かせてください、楽しすぎ……(いや、妻の身からすれば笑い事ばかりじゃないんだろうけど、でもでも)。

魚介のかた焼きそば
海老団子のスープ
麦茶

楽しいランチ&おしゃべりの後、息子を迎えに行ったらすぐにピアノ。ピアノを習い初めてそろそろ2ヶ月、とうとう左手と右手で同時に「ド・ド・ド」と鍵盤を叩くところまでやってきた。片手だけなら「ドレミ・ミレド」とか「ドレミファソ」とか。ああ、黒鍵が登場したりヘ音記号が登場したりするのはいつの日か。

だんなは遅いらしいということで、ピアノ後デパ地下でお買い物。
「今日は母ちゃんと君と2人だけの夕御飯になるわけだけどさ、……何食べたい?」
「マッケンチーズ!」
「……君に聞いた私が間違ってたよ」
「マッケンチーズ!」
「ついこないだ作ったじゃん、もう」
「マッケンチーズ!」
「それは今度ね……じゃあせめて、お蕎麦にしてあげよっか?」
「おそばー?」

話しながらたどり着いたのはそごうの地下にある「永楽製麺所」の売店。細いの太いの、様々揃った中華の生麺が購入できるこのお店は、昔から大好き。ほっそいほっそい麺を使って汁麺に仕立てたりすると、スーパーで買ってきた材料で作ったものとはひと味違う本格的なものになる。

「ほらほら、このお蕎麦は揚げてあってパリパリなんだよ。こういうの好きでしょ?」
「すきー」
「じゃあ、これでもいい?イカとか貝とか入れてあんかけにしてあげるから。卵も入れちゃうよー」
「うん!それなら食べる!」
息子の快諾もいただけて、"伊府炸麺"を2玉購入。「あとは具をかけるだけ」状態のこんがり揚げられた麺で、これを使えば自宅で簡単にかた焼きそばが作れる。かた焼きそば、大好き。うずらの卵が1皿に3個くらい乗っていればもうサイコー。

帰り道、魚屋さんに寄って"3パック1000円"セールをしていたイカと帆立と剥き海老を買ってきた。それと具はキャベツとにんじん。麺にスープがついてきたので、それを使って簡単に作ってしまうことにした。カンカンに熱した中華鍋で具をザカザカッと炒め、湯で溶いておいたスープを加えて軽く火を通したらできあがり。あとは皿に盛りつけたパリパリ麺にかけるだけ。味つけなど全く不要で、「これって……料理と言えるのかしら……」と笑っちゃうようなものだったのだけど、でもうずら卵が3個乗った麺はこれ以上なく魅惑的。2玉のパリパリ麺はすぐになくなった。

……さて、ついさっき、小倉から数日前にだんなが送ってくれたロールケーキとかその他諸々があるのだけど、食べちゃおうかしらどうしようかしら(だんなは帰らないし、ハリーポッターは面白いし……。

6月26日 土曜日
驚きの味、サニーパン
小倉 「シロヤ」のサニーパン
アイスカフェオレ

今日は合羽橋にお買い物予定。目標は「コテコテのパフェグラスを購入すること」と「カルピスバターをいっぱい買ってくること」。鍋も食器も食材も、業務用のがこれでもかと何でも手に入る合羽橋は、どんなテーマパークよりも楽しいところだ。わくわくとつい早起きしてしまって、だんなと息子が起きるのを待つ。

朝御飯は、だんなの小倉土産のかわいいパン。「シロヤ」という昔ながらのパン屋さんは安くて美味しいと小倉の人気店だそうで、そこの名物は「サニーパン」というものらしい。この日記を読んでくださっている方に教えてもらって、
「だんなだんな!練乳入りのパンだって!1個たったの60円!すてきー、食べたいよー……」
買えたら買ってきてくださいな、とお願いしていたところ、他のお土産数点と一緒にクール宅急便で送ってくれちゃったのだった。ありがとう、ありがとう。

噂のそのパンは、バターロールほどの大きさ。バターロールの生地よりはフランスパンの生地に近いカリッパリッとした歯ごたえが表面にあって、中はふんわりと柔らかい。そして内部の中央に空洞が形成されていて、そこからトロリとこぼれる練乳が。
当初、だんなに「練乳入りのパンだよ」と教えていたところ、彼は「練乳入りって……つまりパンの生地に練乳が混ぜ込まれているわけだろ?」と合点してしまって自分用に1個買ったのを現地で囓ったところ、トロリとこぼれた練乳に
「うぉっ!練乳が!素の練乳が!」
と驚いてしまったのであるらしい。だから練乳入りって言ったのにー、と、その話を聞いて笑った私も、いざそれを目の当たりにすると
「うぉ!練乳が!」
と驚いてしまうのだった。まさかこんなにこぼれてくるとは思わなんだ。

練乳がタプタプと染みこむ生地は優しい甘さで、素朴な美味しさ。もう何十年も前から変わっていない風の、素敵な味だった。
いいなぁ、こんなパン屋さん、近所にあったら3日に1度は買いに行くのにな。

で、だんなは1個半、私は2個半、息子は1個平らげる。「俺はあっちで食べてきたからね」というだんなはマルセイバターサンドを1個もぎゅもぎゅと食べていて、全体的に甘ったるい朝御飯。

入谷 「入谷食堂」にて
 肉しょうが焼き定食

さて、そうしていざいざ合羽橋へ。最寄りは田原町、あとは上野、入谷、浅草あたりからも歩いて行けたりするのだけれど、どの駅からもそこそこ歩かなければ道具街に辿りつけない。できるだけ合羽橋のそばに到着し、歩く距離を少なくできるようにと(何しろ道具街を歩くだけで疲れ果てる……)、錦糸町からバスに乗って道具街の北端を目指してみた。そこから道路を挟んで左右に広がるお店をあちこち覗きながら南下して田原町の駅を目指すことに。

厨房器具(おっきなガス台とか調理台とか)の専門店を外から眺めて「うひょー、格好いい!」と盛り上がるのも良いし、テーブルや椅子などの内装品を扱う店の品揃えを目にして「いっそ我が家を居酒屋風に……?」と妄想してみるのも楽しいし、他にも看板だけを扱う店とかユニフォームだけを扱う店など、店頭から中をちらりと覗くだけでもとても楽しい合羽橋。でも自宅用のものを買うなら、調理器具と食器、食材のお店を巡るのがメインになる。基本はプロ向けとはいえ、どの店も個人客を扱い慣れていて"いかにもな冷やかし"でなければおおむね親切。で、調理器具と食器と食材の店だけを眺めても、本気で1軒1軒眺めていると5時間あっても足りなくなるのが合羽橋なのだった。

道具街の北端に到着したのが12時過ぎ。息子の「おなかすいたよー」の声に、そういや朝にパン食べただけで買い物するのは無謀だったわね、とか、そういえばお腹空いたかもね、という話になって、急遽食べ物屋さんを探してみる。最悪、目に入ったビルの中にある中華ファミレス「バーミヤン」でも良いや……と思いつつ、小綺麗なのれんのかかった定食屋さんを発見、その名も"入谷食堂"というその店に入ってみた。いかにも近所で働いていますみたいなおっちゃんらが絶え間なくやってきていて、いかにも美味しそうな感じ。"本日の定食"は鰹のたたきと茄子の小鉢、漬け物、御飯と味噌汁で700円くらいだった。

「いいかもいいかも!」
「おいしそうかも!」
とのれんをくぐり、私はしょうが焼き定食を、だんなはその日替わり定食を。単品の御飯と味噌汁もあったので息子用にいただいて、おかずを分けつつ皆でハフハフとあったかい御飯をかっこんだ。店はおじいちゃんとおばあちゃん、そしてその息子夫婦でやっているような小さなもので、年中さんだという小さな女の子が店の中をパタパタと歩き回っていた。メニューもいかにもな内容で、アジフライとか海老フライとかトンカツとかカツ煮とかホッケの塩焼きとか。

「ひゃー、コッテコテのこういう定食って、もしかしたら久しぶりかも」
と嬉しくなってしまいながら、こってり甘めに味つけられた生姜どっさりの厚めの肉を堪能した。刻みキャベツが添えられ、別の深皿にレタスとトマトとキュウリとゆで卵のサラダも。優しい味のワカメと豆腐の味噌汁にたっぷりの御飯、大根とキュウリの漬け物。卓上には熱い緑茶が置かれていたのだけれど、もうすぐ食べ終わるというタイミングに小さなコーヒーカップに入ったアイスコーヒーを出してくれた。表面にちらっと生クリーム。下町っぽい定食屋さんで、しみじみと旨かった。満足〜。

そこから2時間半ほど、歩いて歩いて眺めて眺めて、目当てのもの以外もたっぷりお買い物してきた。そろそろ「お皿だったらここのが好み」「食材だったらこことここを覗けば欲しいものは手に入る」とわかっているので、さほど寄り道せずに好きな店だけを転々と。それでもたっぷり2時間半かかった。

前回来たときとさほど違いはないのだけれど、寄ったお店と買ったものはこんな感じ。(買い物した順番に上から書いたので、北から南へという並び)

プロパック
8階建ての合羽橋ではけっこう目立つ白いビル。思わずお弁当屋を開店したくなっちゃうような充実のパッケージ用品の品揃えは見ているだけでも楽しく、1階の業務用食材の品揃えもなかなかのもの。
業務用1kgおろしにんにく、業務用1kgおろし生姜、ベーコンビッツ (価格失念)

食器のキャニオン
ケーキショップ「銀のぶどう」系列の洋食器屋さん。けっこう洒落た品揃えでシンプルな白い皿の類が充実。今回はお買い物はしなかった。

お鍋の博物館
合羽橋の中央部、南北どちらから歩いてもほどよく疲れた頃にこの店があり、そして店内には無料でいただけるコーヒーと水とお茶のディスペンサーが!(そして休憩用の椅子やテーブルも!)更にはなぜかお煎餅なんかも置かれていて、「どうぞどうぞ、休んでいって〜。お茶飲んでってー、お煎餅もあるよー」と店員のおっちゃんらが声をかけてくる。店名から察せられるとおり、鍋の品揃えはすさまじく、でも私たちは3階の食器コーナーがお気に入り。店員さんも、とっっっても親切かつ丁寧で居心地の良いお店。念願のパフェグラスはここでゲット〜。
パフェグラス:580円×3、マンゴープリン型:1100円

本間商店
業務用食材が充実していて素敵!カルピスバターはたいていここで購入。大袋入りの中華鶏ガラスープなんかもここで買ってくるのが定番。
YOUKIの甜麪醤(500g):550円、カルピスバター(無塩):750円

ウインドサンプルまいづる
合羽橋に"サンプル"ショップは数あれど、一番好きなのがこのお店。「合羽橋に来たらそのつど1個、レンゲマグネットを購入しましょう」キャンペーンを私は密かに実施中。今回はカレーレンゲマグネット!
レンゲマグネット:2300円

Dr.Goods
輸入物のお洒落な調理雑貨が並び、他の店ではあまり見かけない若い女性がたくさんやってきている。雑誌で見かけたような品もよく見かけ、眺めるだけで飽きないけど、でもあんまりお安くはない……。
ガーリックピーラー:300円、ガラスのミニ容器:120円×2

陶庵やぶきた
センスの良い和食器が並ぶ。ここで扱う"たこ唐草"の食器が私的にはかなりツボ。手頃な価格が多いのも嬉しい♪
たこ唐草の丸取り皿:262円×3、たこ唐草の角皿:500円×2、来客用御飯茶碗:200円×2

和の器田窯
「キャニオン」と同じく、銀のぶどう系列。こちらは和食器を扱うお店で、これまたセンスの良い品揃え。今回は焼酎関連の商品が充実していて、私はたこ唐草柄の徳利に釘付けさ……。今回はお金が尽きて購入は見送り。

そんなこんなで、疲れ果てて田原町にヨレヨレと到着。もうすっかり夕方だった。あー、なんて充実したお買い物。大満足〜。

稲毛 「牛角」にて
 キムチ \390
 やみつき塩キャベツ \290
 ネギタン塩 \630
 ねぎすじ焼き 無料
 中落ちカルビ(味噌) \390
 にんにくさがり \590
 ピートロにんにく醤油 \490
 上ミノ塩 \550
 豚タン塩 \390
 サンチュ \390
 にんにくホイル焼き \390
 ごはん(中) \220
 お子様焼き肉セット \580
 牛角クッパ(ハーフ) \390
 冷麺(ハーフ) \390
 白玉きなこアイス \180
 牛角アイス \180
 デカレンジャー 杏仁豆腐いちごミルク \290
 グラスビール 2×無料
 生ビール 2×\490
 夏みかんサワー \390
 柚子サワー \390
 コカコーラ 無料
を、皆でがつがつと、これでもかと。

「夕飯……何にしましょ。……ぎょうざ?」
「ぎょうざ?」
「そう、ぎょうざ」
でも疲れたよー、やる気ないよー、などとあれこれ話しつつ、我が家最寄り駅までなんとか到着。「白菜が安かったら餃子にしようね」と八百屋に寄ったら、見事白菜は高値だった。だめだこりゃー、とそのまま帰ってきて、結局焼き肉屋に行っちゃうことに。焼き肉屋で散財することを考えたら1/4玉150円くらいの白菜でピーピー言うことは全く理にかなっていないのだけれど、この際気にしないことにする。いいの、焼き肉食べたかったの。サンプルショップで見事なカルビのレプリカを見てしまった時から気分は焼き肉だったのよー。

我が家最寄りの牛角は、最近"デカレンジャーのおまけつき子供向け商品"が売り出されていて(全国どこでもそうなのかしらん?)、お子様カレーとかお子様焼き肉セットとか、お子様杏仁豆腐(5色から選べるソースつき、デカレンジャーカードつき)とか、あれこれあれこれ新商品が出ている。「お子様焼き肉」で満足そうな息子を傍らに、私たちはタンだスジだカルビだピートロだミノだと今日もおおいに食べまくった。肉の味もわからなくなっちゃうほどのおろしにんにくで和えられた肉も、どこかジャンクな味の揉みだれも、やっぱり妙に好みだったりして、何しろ家の近所ということで、「自宅からぷらりと焼き肉」のときは牛角ばかりな我が家。今日もまぁとにかく、よく食べた。登録会員の無料1品サービス、満席だったための空席待ちの特典ドリンクをありがたくいただきつつ、「生中ください!」「夏みかんサワー追加で!」「あとあと、ミノの塩だれもお願いしまーす」なんてよく注文してよく食べた。

そして酔っぱらったあげくに"恐怖にんにく臭男"、"恐怖にんにく臭女"になって帰宅。……あ、明日はジムに行こうと思っていたのに、このままじゃ大迷惑かも……。

6月27日 日曜日
甘い甘いあま〜いマンゴー
小倉 「揚子江」の豚まん
宮崎の完熟マンゴー
アイスプーアル茶

本日の朝御飯は、だんなの出張土産の豚まん。小倉にある「揚子江」の豚まんが美味しいらしい!ということで買ってきてもらったのだった。クール宅急便で送られ、冷蔵庫で保存されていた豚まんを取り出し、さて蒸籠に入れよう……と思ったら、1個の蒸籠に1個の豚まんでみちみちになってしまう。
「うっひょー、でっかいなー」
とニヤニヤしながら十数分シュンシュンと蒸してみた。

その間に湯を沸かし、プーアル茶を濃いめ濃いめに淹れてから氷を満たしたピッチャーに注ぎ入れてアイスプーアル茶。プーアル茶は普通ホットで飲むものだけど、冷たいプーアル茶もとっても美味しい。独特のかび臭さというか埃臭さのような匂いは変わらずあるものの、こってりした味のものを食べる時には他のどんなお茶を飲むよりも口の中がさっぱりするのでお気に入りだ。豚まんには、やっぱりアイスプーアル茶。

豚まんはほわんほわんに温まった。ぷにぷにふわふわとした弾力のある柔らかい皮で、
「ぼく、こんなにおっきいのはね、食べられないからー……半分にして?」
と言う息子のために包丁を入れてみたところ、中からバシャバシャ〜というほどに大量の肉汁があふれ出てきた。まるで小龍包だね、なんかすごい豚まんだね、と驚きながら、私とだんなも端から囓って食べてみる。裏紙を剥がすときにちょっと空いてしまった穴から、タプタプと光るスープが見えて、本当に小龍包みたい。具にはざっくり切られた玉ねぎがどっさり入っていて、ふわふわと優しい食感の豚肉のあんが美味しかった。なにしろ、とってもジューシー。

「うわ!すご!美味しいかも!」
「うむ。……だが、日本じゃぁ2番目だ」
「ええー?美味しいじゃん。君が551蓬莱の豚まんを愛してやまないのはわかるけれども!これはこれで!」
「うん、いや、美味しいよ、これも。すっごく」
ほのかにジャンクさ漂う551蓬莱の豚まんは私も大好き(で、だんなは多分私よりもその豚まんが大好きなのね……)なのだけれど、それとこれとは全然味が違うわけで、私はこちらもとてもとても美味しく思えた。大きすぎない程度に大きなそのボリュームも素敵だし、全体的にふわふわと優しい味が漂うのもまた素敵。1個170円とお手軽価格なのもまた素敵。

そしてデザートには、宮崎産の完熟マンゴー。これまた出張のお土産で、空港でみつけて買ってきてくれたのだそうだ。ほんのちょっと黒いキズがついていて、そのため1000円の特売価格だったのだとか(キズものなのに……1000円……)。うやうやしく緩衝剤にくるまれて、箱詰めされている1個のマンゴーは、箱の蓋を開けただけで甘い匂いが漂ってくる。

マンゴーは大別してフィリピンマンゴー(表皮が黄色い)とメキシコマンゴー(表皮が赤い、アップルマンゴーとも言われる)に分けられるのだけれど、日本国内で作られているのはメキシコマンゴー。
完熟すると表皮が赤くなるこのマンゴー、箱の中には全体が赤く熟れたいかにも美味しそうなものが入っていた。……さすがに、こんな美味しそうなマンゴーをマンゴプリンとかに加工しちゃうわけにはいかないわね……と、フルーツ屋さんの喫茶店で出すように、3枚におろしたマンゴー(マンゴーには平たく大きな種が入っているので、3枚におろして左右の実を食べ、中央の部分はナイフでこそげたりしゃぶったりする)に格子型に切り込みを入れて皮つきのまま出してみた。

「うわっ!甘!」
「すっごーい、すごいよ、甘い甘い甘い!」
「こんな甘いマンゴー、食べたことない!」
それは、とんでもなく美味しいマンゴーだった。1000円でこんなに美味しいんだったら、巷に出回っている1個5000円のマンゴーなんかは一体どうなっちゃうんだろうというほど。酸味なんかは全っ然なくてとろけるように甘く、なんともいえない花のような独特の芳香がそこら中に広がっていく。果汁たっぷりで繊維質もほとんどなく、果肉そのものが高級菓子か何かのよう。半個500円と思うと贅沢だけど、500円のケーキに負けない美味しさだった。ああ、こんなに美味しいマンゴーはやっぱり加工しないでそのまま食べなくちゃ……という感じ。

「いやーん、おいしっおいしっ超おいしっ」
と、種のまわりもむしゃぶりつくし、更には皿に残った果汁をべろんべろん舐めていたところ、
「うわ、奥さんが大変にすごいことをしている……」
とだんなが怯えきっていた。そう、マンゴーを前にすると私は妖怪になりますのよ。

小倉 「ボンサンク」のロールケーキ(プレーン・チョコ)
アイスカフェオレ

先週はなんだかんだで1度しか運動できなかったので、今日は「ボディコンバット」に出るべく、午後はスポーツジムに。豚まんとマンゴーは美味しかったけれど、さすがにそれを食べただけでは体は動いてくれそうにないので、運動前に軽く腹ごしらえして行くことにした。

食べたのは、これまただんなの出張土産、小倉の「ボンサンク」(和菓子の「石村萬盛堂」というお店の洋菓子ブランドなのだとか)というお店のロールケーキ。クール便で送られてきて冷蔵庫でずっと保存してあるとはいえ、購入から4日も経過してしまっている。箱の中の説明書きには「本日中にお召し上がりください」の文字が書かれていて、「すみませんすみません4日も経っちゃって」と、内心ロールケーキに謝罪しながらサクサクとカット。買ってきてくれた当の本人にとっては、これが口にする初めての機会なのだけれど、私と息子は一昨日の晩、だんながまだ帰ってきていないときに1切れずついただいてしまっている。特に一昨日から風味も変わっていないようで、今日も美味しくいただけた。

嬉しいことに、好みな具合にクリームがたっぷりのロールケーキ。しかもシンプルこのうえない。なんでもお店には「プレーン」「チョコ」の他に「抹茶」「フルーツ」とあったそうで、基本は「生地に何らかのフレーバーがついて、クリームはシンプルなホイップクリーム」というものばかりだったとか。フルーツだけが、プレーンのロールケーキのクリームに色々なフルーツが入っているものだったそうな。

クリームが綺麗に「の」の字を描いているふんわりと柔らかいケーキは、スポンジがカステラ的。しっとりと、きめの細かいふわりとした生地はそれでも案外と食べ応えがある。そしてクリームは固めに泡立てられたどっしりとしたもの。全体的にミルクや卵がたっぷりといった風で、素朴かつ存在感のあるロールケーキだった。「いくらでも食べられる」というのとは違うのだけど、「あー、ロールケーキ食べたなぁ〜、美味しかったなぁ〜」としみじみ後味を楽しめるような、そんな味。チョコロールケーキも優しい味で(かと言って甘すぎなくて)好みなものだった。ああ、ロールケーキは美味しいなぁ。

枝豆
イカのタラコ和え イクラ乗せ
高知の鰹のたたき(茅焼き・松葉焼き)
いぶりがっこ
大根と油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール(モルツ)・焼酎(碧い永劫:宮崎 落合酒造 )

アメリカンチェリー

予告通り、午後は1時間みっちりとボディコンバット。60分なら10曲で、ウォーミングアップの曲から始まって最後は腕立てや腹筋運動を含めた筋力トレーニングとクールダウンの曲で終わるプログラムだ。「コンバット」の名の通り、パンチだサイドキックだジャブだアッパーだと、格闘技の動きがずーっと続くレッスン。私は、参加するのはこれでまだ3回目くらいだけど、今日もめちゃめちゃきつかった……。

「アッパーアッパー、エルボー、ニーキック2発で2発目はジャンプです!」
なんて指示のとおりに、"目の前に憎い奴がいるかのように"全力でビシビシパンチを繰り出していく。私の性分には普通のエアロビクスよりもこちらの方が合っているようで、毎回ぐでんぐでんに疲れるけれども「あー、楽しかった」と思えるプログラム。……でも、息子の幼稚園送迎なんかの都合上、出られるのは土日に限られていて、たくさん参加したくとも週に1度が限界なのだった。だんなが金曜の朝にうきうきと出かけているのは、このボディコンバットに参加するためだったりする。

運動するとビールが美味しい。ビールでなくとも酒が美味しい。

今日のメインディッシュは高知の鰹のたたきと決まっていて(友人宅に先日赤ちゃんが産まれ、その内祝いで"鰹のたたきセット"をいただいたのだった)、宮崎で買ってきた焼酎もあるしねと、夕飯は「飲んだくれメニュー」に決定。早めに入浴を済ませ、1缶を半分こしたビールをだんなと一気に煽った後、焼酎をチビチビ飲みながら魚介メニューを堪能した。「茅焼き」「松葉焼き」と2サクセットになっていた鰹は薄切りにして水にさらした玉ねぎの上に盛りつけ、刻み万能葱とおろしにんにくを添えつつ添付のたれでいただく。数日前に買って残っていたイカはタラコでざっと和え、イクラをちょこんとトッピング。「焼酎には案外合うかもね」と、秋田の漬け物「いぶりがっこ」も冷蔵庫から出し、日曜の夜にだらだら1時間半ほどかけて夕飯を楽しんだ。

開封した焼酎は「蒼い永劫」という洒落た名前のもので、"まろやか"という表現がとても似つかわしい、優しい味のお酒だった。多分お湯割りにするのが一番美味しく飲める方法なのだろうなと思ったのだけれど、蒸し暑さに負けて、ロックで。氷をたっぷり満たしたグラスに焼酎をチョボチョボ注ぎ、溶けた氷で薄めながらチビリチビリと飲んでみた。ガツンとくるような刺激のほとんどない、ツルツル飲めるお酒で非常にヤバい。
「……魚介に合うね」
「鰹に合うね……」
と、小さめのグラスで飲んではいたけれど、ついクイクイとお代わりしてしまって、だんなも私もすっかり酔っぱらってしまったのだった。香ばしい鰹がトロンと甘くて美味しくて、それもまた酒が進んでいけなかった。

「朝は小倉の豚まんでー、宮崎のマンゴーでー、おやつに小倉のロールケーキ?んで夜は高知の鰹と、秋田のいぶりがっこ!なんかさー、"食いしん坊万歳"みたいだよね、今日の献立」
「また焼酎が美味しく飲める夕飯を作ろう!おゆきさん、君はモツ煮と角煮を作っておきなさい」
「……このクソ暑いのに両方ですか?」
「両方です!」
両方は……大変そうだなぁ……(でも焼酎を美味しくいただくためと思うとなぁ……)。