食欲魔人日記 05年08月 第3週
8月15日 月曜日
久しぶりに駄菓子買ったんです
スイカ
ぶどう

土日遊び歩いて、どろ〜んと疲れが残る月曜日。だんなもお疲れだろうに、朝早くスーツケース転がして出張に出発して行った。パンを囓って出ていっただんなを見送ってから洗濯と掃除と金魚の水槽の水替えとカブトムシの飼育ケースの掃除を。昨日の夕飯は軽めだったのですっかりお腹が空いてしまったのだけれど、息子が起きてくるのを待ってから、遅めの朝食を軽く果物だけで済ませてみた。

種なしぶどうとスイカ。
いよいよ果物屋さんの店頭には梨も並びはじめちゃって、まだお盆時期だし気温もしっかり30度あるというのに、ちょっと寂しくなってくる。夏の終わりが見えてくると、「あーあー……」という感じ。

カレーライス
茹で野菜とゴーヤーのタルタル和え
福神漬
麦茶

週末、半端に残っていたカレーは小鍋に移され、冷蔵庫に突っ込まれていた。
「昼御飯、カレーでいいかな?冷蔵庫に入ってて、ちょっと邪魔なんだぁ……」
「うん、いいよーカレーでいいよー」
息子に大賛成してもらえたので(今回のカレーは「甘口」で作ったので息子的にはとっても美味しいらしい……)、残ったカレーを2人で綺麗に空にした。

添え物に、ゴーヤー料理を食べたいなということでサラダっぽいものを1品。スライスして塩揉みしたゴーヤーと茹でたブロッコリー、にんじん、いんげん、パプリカを合わせ、タルタルソースで和える。タルタルソースはゆで卵を刻んだものとピクルス、玉ねぎ、レモン汁、マヨネーズを混ぜたもの。コーンを入れたら息子も食べてくれるかしら……と、コーンも混ぜてみた。息子、丁寧にゴーヤーだけ除けて食べていた……(ゴーヤーはやっぱダメか息子……)。

蒸し暑い今日は、一日家にこもっておとなしくお仕事。

シュワシュワペロッチョ

昨日、サンシャインシティの中を歩いていて駄菓子屋さんを見つけた。町中の駄菓子屋さんは絶滅寸前だけれど、こういうショッピングモールのようなところには「昭和の店を再現しました」的な店をよく見かけるここ最近。ミルメークが売られていたりするので、ふらふらと引き寄せられてしまった。だんなも楽しそうに棚を眺めて歩いている。

「お、よっちゃんイカよっちゃんイカ」
「これ、好きじゃなかった?ヨーグルト」
「あ〜!食べた食べた、ヨーグルト!」
なんて言いながら、狭い店内を見て歩く。駄菓子屋さんで私が探すのは、ミルメーク(の珍しいフレーバー)とキャンディーのお菓子。子供の頃、甘酸っぱい粉をつけながら食べる棒つきキャンディー(袋の中に粉とキャンディーが入ってる)が30円くらいで売られていて、私はそれが大好きだった。懐かしくてつい探してしまうけれど、これまであまり見つからなかった。

で、今回見つけたのが、写真の「シュワシュワペロッチョ」。サイダー味とイチゴ味とコーラ味、そして他メーカーの同類菓子でグレープ味もみつけてきた。
「なんか違うような気もするけど……」
と思いながら、買ってきてみた。

おやつに、息子と1袋ずつ。コーンスターチみたいな粉はやけに酸っぱくて、「やっぱり記憶のと違う……」と思いながら、キャンディー舐め舐めソーダ味の粉を舐め舐め。
だんなは結局駄菓子は買わなかったけれど、「息子と遊ぼう」とアルミの100円ゴマを買っていた。駄菓子屋は、今や子供がわくわくする場所じゃなくて大人がわくわくする場所になっている。

イシモチのグリル バターレモンソース
じゃがいものガレット
茹で野菜とゴーヤーのタルタル和え
ミルクパン
アイスティー

だんな不在で息子と2人の夕御飯。1尾100円のイシモチを買ってきたので、シンプルに塩焼きにする。焼き上がってからフライパンにバターとドライハーブあれこれ(パセリとバジルとセージとタイム)を落とし、レモン汁を軽くふったものをソースにして上からかける。あとは、じゃがいものガレット(千切りじゃがいもをパンケーキのようにバターで焼くだけ)、お昼にたっぷり作ったサラダの残り。御飯は炊かずに、先日Tさんにいただいた自家製のミルクパンをトーストして食卓に出した。

イシモチはモロモロと柔らかい身の白身魚。淡白でけっこう好きな魚だ。フォークとナイフでほぐしつつ1尾を息子と半分こしていただいた。……で、やっぱりゴーヤーは除けながらサラダを食べる我が息子。

パン、週末食べられないなと冷蔵庫にしまっていたのだけれど、すごーくすごーく美味しい。均一に気泡が美しく入り、ふわんふわんでほのかな甘さ。軽くトーストしたときのふわふわ感がたまらなくて、もりもりと食べてしまった。もう明らかに、パン焼き機にお任せして焼くパンよりも美味しい。いいなぁ……私も粉をちゃんとこねて、パン焼いてみようかな。ピザ生地程度(←ピザ生地は薄く焼くからあんまりアラが目立たない……)でヒーヒー言っている私にはまだ無理かしら。

8月16日 火曜日
台湾を彷彿とさせる、マンゴーかき氷
六本木「グランドハイアット東京」内「CHINAROOM」にて
 ランチ スペシャリティー \3150
     前菜三種盛り合わせ
     野菜と卵のスープ
     時菜蝦仁 芝海老と季節野菜の炒め
     苦瓜牛肉 和牛肉と苦瓜の黒豆炒め
     ライス
     香芒布甸 マンゴープリン
 薔薇と緑茶のミックスティー

今日は11時半から六本木ヒルズでのランチの約束。郵便局に寄らなきゃいけないからちょっと早めに家を出て〜……なんて思っていたのに、あっさりと寝坊してしまった。だんなが出張中で不在なのを良いことに、親子で寝こけて気がつけば9時目前。飲まず喰わずで急いで準備して家を出た。

「夏休みの時期に一度ランチでもしましょう」
「気になるお店に行ってみましょう!」
と、Tさんと以前からお話していて、向かうことになったのはグランドハイアット東京の中華料理屋さん「CHINAROOM」。ここのマンゴプリンが美味しいと聞いていて、しかもけっこうお得なランチコースもあるということで、
「このお店が気になっていたんですが、いかがでしょうか」
とお誘いしてみた。

その気になるランチコースは「ランチ スペシャリティー」3150円(税込サ抜)。
小食(おかず)・点心・デザートが5〜10種類くらいずつリストに並び、そこから3品を選択。そして「前菜三種盛り合わせ」「野菜と卵のスープ」「ライス」がついてくる。おかずを3品選ぶのもありだし、デザート3品を頼むのもあり。

たぶん、おかず1品、点心1品、デザート1品でまとめるのが美しいのだろうけれど、お腹も空いていたのでおかず2品、デザート1品にしてみた。私が頼んだのは
 時菜蝦仁 芝海老と季節野菜の炒め
 苦瓜牛肉 和牛肉と苦瓜の黒豆炒め
 香芒布甸 マンゴープリン
Tさんが
 茄子肉片 豚肉と茄子の中華味噌炒め
 魚翅蒸餃 蒸しふかひれ餃子
 酥皮蛋撻 エッグタルト
息子のために何か一品取ってやらないと、ということで、叉焼炒飯も1つ追加した。

この充実した内容で3150円。おかず1品の分量は当然ながら少なめだったけれど、こんなに美味しくてこれだけ食べられて3150円というのはすごい満足感で、期待以上に味も良かった。料理それぞれTさんと分けあって味見しあいつつ、洗練された中華料理を楽しんだ。

ぷりっぷりの大ぶりな海老が5〜6尾入った「時菜蝦仁」は、スナップえんどうやにんじんなどが共に炒められていた。小さな生姜の小片は鳥の模様の飾り切り。あっさりとしたシンプルな塩味だけれど、綺麗にまとまった味だった。
回鍋肉に似た味の炒め物「苦瓜牛肉」は牛肉、ゴーヤー、玉ねぎが同量くらいずつ黒くコッテリした醤油味噌味で。上品な上湯のスープや御飯、ザーサイをいただきながらおかずを楽しみ、期待のマンゴプリンもうっとりしながら堪能した。見事に何もかもが美味しい。香港であんな美味しいもの食べたなぁ、こんなものも食べたなぁ……というのを、思い起こさせてくれる料理の数々だった。きっとおそろしいほどに値段は張るのだろうけれど、ディナータイムにアラカルトで色々いただいてみたいなぁ。

食事を始めようという頃、大きな地震。6階にあるお店はガタガタと縦揺れは感じなかったもののグーラグーラと派手に左右に揺れた。食事を中断するほどではなく、厨房も調理を中断するほどのものではなかったけれど、それでもかなりの恐怖感。食事の途中に携帯から確認したら、震源は宮城県、震度6弱とのことだった。……最近地震がやけに多いね。

青山 「華々美人」にて
 マンゴープリン \500
 マンゴーアイスシャワー \600

昼食後、せっかくこのあたりまで出てきたのだからと「こどもの城」に行ってみた。今日はちょうど「ウォーターアドベンチャー」とかいう息子好みなイベントが開催されているのだそうで。屋上庭園で開催されているというそれは噴水があちこちに置かれたような簡単なものなのだろうと思っていたのだけれど、ストーリー仕立ての見事なアトラクションだった。水鉄砲持って海賊になって、悪の海賊を倒しながら屋上庭園をあっちに行ったりこっちに行ったり。巨大かつ強力な水鉄砲を渡された息子は、海賊になって楽しそうに戦っていた。

「こどもの城」近くには、数ヶ月前に新しくできたアジアンスィーツの店「華々美人(ファーファーメイリン)」がある。昼御飯に美味しいマンゴプリンを食べたばかりだったけれど、4時近くになってから一度「こどもの城」を抜けてここでおやつをいただいてみた。

アジアンスィーツの店というより、マンゴーデザートの店という感じ。マンゴプリンにマンゴーかき氷にマンゴーヨーグルトに、と、あれこれマンゴーデザートがメニューに並んでいる。関西方面にも出店が続いている「華々美人」、母体はシュークリーム屋さん「ピアード・パパ」、チーズケーキ屋さん「ティオグラトン」、カレーパン屋さん「ガラムとマサラ」などを運営している「麦の穂グループ」だ。

息子はマンゴーアイスシャワー、私がマンゴプリン。台湾の「冰館」の超級芒果牛[女乃][包リ]冰(こんなの)を目指したのだろうと思われる(というか、冰館のレシピでソースを作ったのだという)マンゴーアイスシャワーは、確かにマンゴーたっぷりで練乳もたっぷりで多分にそれっぽいものに仕上がっていた。マンゴプリンも、マンゴーざくざく。

……でも、どうもマンゴーが生の果肉じゃないようで、舌に痺れるような刺激と酸味が感じられる。シロップ漬けのマンゴー果肉か、シロップ漬けでないとしても、冷凍の果肉を使ったのではないかな……という味であり、歯触りだった。生のものをその場で切って盛りつけたあの独特の香りと甘さと爽やかさからはかなり違っていて、でもこんなにマンゴーたっぷりなデザートは日本国内ではそうそう食べられないというのも事実でもあり、美味しくはあるのだけれど複雑な心境。

おやつ後、「こどもの城」に夢中になっている息子に引っ張られるようにまた城探索をし、これでもかと遊んで閉館時間(17時半)になってからようよう城を後にした。お昼の地震でダイヤが乱れに乱れているらしい電車に乗って、なんとか帰宅。

鉄火巻き・鯵と青じその海苔巻き
麦茶

ゴーヤーカルピス

午後、狂ったように遊んでいた息子は車内で爆睡、私も爆睡。電車に乗る前にデパ地下で
「夕御飯、海苔巻きがいいなぁ」
「あー……いいね、海苔巻き……」
と、巻き寿司といなり寿司を少しだけ買ってきた。あとは地元の駅ビルで野菜と豆腐でも買って……と思っていたのだけれど、眠くてだるくて忘れて帰宅。時間も遅めだったので、お風呂に入ってお寿司つまんで簡単に済ませてしまった。

そして11時過ぎて、だんなが沖縄出張から帰還。今回も山のようなお土産をスーパーやら空港やらで探してきてくれたらしい。
「はいこれ、あと、これ」と次々に出されたお土産は、

・シークワーサー味カルピス
・ゴーヤー味カルピス
・シークワーサーゼリー
・沖縄そばの生麺
・沖縄そばの濃縮だしパック
・生のミミガー(豚の耳)
・「てんtoてん」のあんだんすー
・No.1ステーキソース
・アップルマンゴー2個
・泡盛(瑞泉 十年熟成古酒 おもろ)
・泡盛(瑞泉 沖縄戦前黒麹菌使用 御酒(うさき))
・もろみ酢(泡盛屋のくじで当てたらしい……)

表面に蜜が出てきているいかにも美味しそうなマンゴーや、シークワーサー味のカルピス、初めてみた生のミミガー(明日料理しよう……♪)、旨そうな酒にうっとりしつつ、
「そして、なぜゴーヤー味のカルピスが……」
と、そこが気になって仕方がない。なぜゴーヤー。なぜカルピス。そしてなぜ買ってくるだんな(ネタとして買ったとしか思えない……)。

幸い(?)ゴーヤーカルピスは、よくある500mlパックのでかいのじゃなくて、120ml入りの小さなものが3本セットになったもの。1本はコップ4杯分ほどにしかならないらしい。2本は職場のお土産に持っていくそうなので、1本さっそく開けて味見してみた。ゴーヤー汁1%入りの、綺麗にうす緑色のカルピスは、綺麗なゴーヤー色で見事なゴーヤー臭。

「ほんのりゴーヤー風味の、フルーツ味だってよ」
とだんなは言っていたけれど……見事にゴーヤーでしたです……あの苦みえぐみそのままに、なのに甘酸っぱいカルピス。なのに後味はしっかりゴーヤー。深夜11時半にそのようなものを口にしてしまい、「なぜだ、なぜゴーヤーをカルピスに」と腑に落ちないまま今日の日記はこれで終わり。ブルーシールアイスのゴーヤー味はけっこう素直に美味しかったのだけれど、でもゴーヤーカルピスは、もう笑うしかないという味だった。……焼酎とクラブソーダででも割ったら案外美味しく飲めるかしら……。

8月17日 水曜日
今回のクーブイリチーは切り干し大根入り
ホットドッグ
アイスカフェオレ
スイカ

昨日は日付が変わるちょっと前に帰ってきただんなを出迎え、あれこれ話して寝たのは12時をとうに過ぎてから。ちゃんと起きてだんなの朝御飯を……と思っていたのに、目覚ましが鳴って一度止めてまた5分後に鳴ってそれを止めて更にその5分後くらいにやっと目を覚ますありさまだった。残っていたドッグパンでホットドッグでも作ろうと、でもいつものカレー風味キャベツ炒めを作っている時間がなくなってしまったので、簡単なチーズトッピングホットドッグの準備をした。

ロングウィンナー炒め、ドッグパンに挟んでピザ用チーズをちょっと散らし、オーブンで3分くらい。いつもよりちょっと軽めなホットドッグをアイスカフェオレと共にもぐもぐ。食後にスイカも。

チキンテリヤキサンド・ハムチーズサンド
ブルーベリークリームサンド
アイスティー

だんなが沖縄から買ってきてくれた、沖縄そばの生麺に豚の耳、その他もろもろ。
「……そりゃ、まず、豚バラを煮ることから始めなきゃねぇ……」
と、らふてぇ(豚の角煮)の材料を買いに行かなきゃということに。角煮を作ったらその肉と煮汁でクーブイリチー(昆布の炒め煮)も作りたいところであるし、ミミガーはピーナッツ味噌で和えたいから甘くないピーナッツバターも用意しなきゃいけないしで、午前中にお買い物に行こう行こう……と思いつつ、午前中はせっせとお仕事。気がつけば、12時をまわっていた。

「げ。大変大変。午後早めに肉の下茹で始めようと思ってたのに」
昼御飯の事も何も考えていなかったので、とりあえず息子と一緒に家を出た。スーパーで必要なものを買いそろえ、スーパー併設のフードコートで簡単に昼御飯を済ませる。

サンドイッチ屋さんの、2切れずつ包まれたチキンテリヤキサンド、ハムチーズサンド、ブルーベリークリームサンド。息子と2人、きっちり半分こして食べる。
このお店のサンドイッチ、お客に見せる部分の断面のところだけが不自然なほどに具沢山で、反対側はろくに具がない。
「……せこいなぁ……いつもながら……」
と思ってしまいつつ、ホイップクリームとブルーベリージャムを挟んだだけのブルーベリークリームサンドが案外と美味しかった。

午後は酷暑の中、コンロごんごんフル回転させながら今日の夕飯および明日の夕飯の仕込み。

ミミガー(ピーナッツ味噌和え)
クーブイリチー
らふてぇ 厚揚げ・ゆで卵
羽釜御飯
自家製梅酒

「沖縄そば」に、「らふてぇ」は必須じゃない。らふてぇ入りの沖縄そばは「らふてぇそば」と言われ(同様にスペアリブを煮たのが入ると「ソーキそば」になる)、別に必須のトッピングというわけじゃないのだけれど、沖縄そば用のスープに「豚の茹で汁」が必要なのだった。

沖縄料理を作るときに毎回参考にしている『しあわせの沖縄料理』(岩谷雪美 パルコ出版局 2000年 07月)によると、沖縄そばのスープは豚の茹で汁1に対し、かつおのだし汁2を用意せよ、とある。あとは塩と醤油で調味。手元に沖縄そば用濃縮スープはあるのだけれど自分で作った方が圧倒的に美味しいので、沖縄そばの用意となると、せっせと豚バラを茹でるところから始めてしまうのだった。そして我が家では毎回「沖縄そば・らふてぇ・クーブイリチー」がセットになる。

バラ肉をたっぷりの湯で下茹でし、その間に別鍋にたっぷりの昆布と鰹節のだしを用意する。空いたコンロではミミガー(豚の耳)を茹で、ゆで卵を作り、食卓には切り干し大根や昆布を水に浸したボウルが並ぶ。下茹で後の豚バラ肉は泡盛と砂糖と醤油と味醂でコトコトと時間をかけて煮込んでいく。途中、肉を取り出して、甘じょっぱい煮汁と共に、昆布を炒め煮して「クーブイリチー」に。

本当は、あらかじめ細く刻まれた昆布を使うのがらくちんなのだけれど、今回は手元に日高昆布がけっこうな分量あったので水で戻してから包丁でザコザコ刻んでみた。今回の具は昆布と肉の他にはこんにゃくと切り干し大根。切り干し大根をクーブイリチーに混ぜるのは一般的ではないような気がするのだけれど、『しあわせの沖縄料理』にそのように載っていたのでその通りにやってみることにした。ひじきや切り干し大根などの煮物がちょうど恋しいなと思っていたところだったので、ついつい大量に作ってしまった。

ミミガーは下茹で済みなものだったので軽く湯通ししてから刻みキュウリと混ぜ、ピーナッツ味噌で。甘くないピーナッツバターと味噌を3:2くらいの分量で合わせ、だしで伸ばしつつ味醂なども加えてそれっぽい味にしたものを和え合わせる。

あれこれ作り、らふてぇも無事に煮え、沖縄そばのスープも用意できて、もう完璧。……でも、出張明けのだんなが夕食までに帰ってこられるわけもなく、そばは明日に延期になった。今日は御飯炊いて、らふてぇはらふてぇとして食べることに。途中、厚揚げとゆで卵も鍋に入れて一緒に煮てみた。クーブイリチー、ミミガーと共に沖縄色の夕御飯。

作ったのはこれがもう4〜5回目のはずだけれど、今日の息子はらふてぇに夢中。らふてぇに夢中というより、らふてぇの汁の染みた厚揚げに夢中、というか。
「これ、この、ふわふわ。おかわりできる?」
「ん?ふわふわ?……ああ、これ、厚揚げね。厚揚げ」
「そう、その、あつあげ。おかわりできる?」
「できるよー、いっぱいあるよー」

クーブイリチーもミミガーもしっかり食べつつ、味噌汁代わりに沖縄そば用のスープに葱を散らしたものを啜りつつ、息子は厚揚げを3切れ食べた。御飯もお代わりして、今日も食欲大全開の我が息子。そして明日は沖縄そば。

8月18日 木曜日
飲みのシメに沖縄そば♪
らふてぇ 厚揚げ
クーブイリチー
スープ
御飯
麦茶

昨日仕込んだ沖縄料理のあれこれ。遅く帰ってきただんなは結局昨夜は一口も食べられなかったので、今朝の食卓に出してみる。夕飯にもこれらを出す予定なのだけれど、クーブイリチー山のように作っちゃったしなー……ということで。

煮込んだ翌日のらふてぇは、もうとろんとろんのぷるんぷるんに味が染みている。一緒に鍋に入れておいた厚揚げとゆで卵もとても良い色。同様の味が馴染んだクーブイリチーを御飯のお供にしながら、沖縄そば用のスープを吸い物代わりにお味見程度に並べた。

今日はお昼頃からプールに行く予定。しっかり食べてから行かなくちゃ。

「サイゼリヤ」にて
 緑野菜の冷たいスープ \149
 採りたてきゃべつのトマトスープ煮 \499
 チーズフォッカチオ \159
 ドリンクバー \120

「一緒に遊びましょう!」
「夏休みだし、いっそプールとか!」
と、ご近所の友人Kさんと盛り上がる。今日はKさんと娘さんのなっちゃん、私と息子の4人で公営のプールに。

大人2時間300円というお安さと聞いていて、「じゃあたいした設備じゃないのかな?」くらいに思っていたのに、なんのなんの。大人用の25mプールに、一周200mくらいはありそうな流れるプール。子供用の浅いプールも3〜4個あり、ウォータースライダーも2つ。かなりな混雑だったけれど、楽しく泳いで(流れて?)きた。開閉される天井で、この季節は半屋外プールになっているけれど、寒くなると屋内プールになって通年通して営業されるそうで。ここのところすっかり運動不足だったので、大人用プールでざっぱざっぱと何百メートルかせっせと泳いでみたりした。

遅めのお昼御飯は、帰り道にあった「サイゼリヤ」で。ピリ辛味のトマトスープにキャベツとウィンナー、小さなハンバーグが入った煮込み料理と、添え物にフォッカチオ、冷たいスープ。1品1品が異様に安いイタリアンなファミレス「サイゼリヤ」は、安いゆえについついこれもあれもとオプションでつけちゃって(安いゆえにセットメニューなんかはないのね……)、たっぷり食べてしまった。息子もスープとカルボナーラスパゲティで御満悦。

車で送ってくれたKさんたちとちょっと我が家で一休み〜……と思ったのだけれど、あまり時間もなくてバタバタとお別れ。
また一緒に遊んでやってね。

チャンジャ
枝豆
白身魚のサラダ
らふてぇ 厚揚げ・ゆで卵
クーブイリチー
ミミガー(ピーナッツ味噌和え)
ミミガー(ポン酢和え)
沖縄そば
ビール(長期熟成エビス)
泡盛(瑞泉 8年熟成古酒 白龍)

今日はだんな、「沖縄そば」に合わせて早く帰ってきてくれるとのこと。昨日作ったあれこれに加え、何品か追加で用意してだんなの帰りを待つ。

クーブイリチーやらふてぇを作るのに参考にした『しあわせの沖縄料理』に載っていた「ウイキョウと白身魚のフレッシュサラダ パイナップルドレッシング」を作ってみようと材料を買いに行った。レタスやトマト、玉ねぎなどのサラダ野菜にパイナップル、白身魚のお刺身、そしてあとはウイキョウ……なのだけれど、ウイキョウ、どこを探しに行っても売られていない。別名「フェンネル」、ふわふわとした香りの良い葉っぱは今日に限ってどこにも売っておらず、サラダの重要な風味づけであろうウイキョウは抜きで白身魚のサラダを。

ドレッシングはパイナップルとバルサミコ酢、オリーブ油(そして本当ならウイキョウの葉も加える)をミキサーにかけたもの。鯛のお刺身の薄切り、野菜(そして本当ならウイキョウの葉も)を合わせたところにドレッシングを添えてできあがり。パイナップルの甘酸っぱさが夏らしい、カルパッチョのようなサラダができた。

ミミガーは、昨日作ったピーナッツ味噌和えの他にさっぱり味のものも恋しいなということでポン酢和えを追加で1品。すっかり味が馴染んだクーブイリチーなどを冷房ゴンゴン効かせた居間のちゃぶ台に並べ、1杯目の酒はキーンと冷えたエビスビール、そしてその後は泡盛をロックで。酔っぱらったらそのまま寝ちゃって良いように、私も息子も、仕事から帰ってきただんなも、全員入浴を済ませてから夕飯に臨んだ。

並べたあれこれをつまみながら、だらだらと酒飲み。息子の分の沖縄そばだけ先に出してやって、
「お父さんもお母さんも、おそば食べないの?まだ食べないの?」
なんて言われてしまいながら、だんなと二人のんびり晩酌していた。今日は昼にたっぷり動いたし、喉も乾いて酒が格別に美味しい。

すっかり酔っぱらってから台所に戻り、パパッと沖縄そばの準備。麺は湯通しする程度で大丈夫だし、スープもアツアツだし、あとは薄切りかまぼこ、刻みねぎ、らふてぇなどをトッピングするだけ。ヨレヨレしながら居間に戻り、額に汗してシメの沖縄そばを堪能した。
飲んで食べて、そのまま予定通りズドーンと就寝。

8月19日 金曜日
マグロ買ってきて、丼にする
ヨーグルト グアバソース

昨日のプールがそれはそれは楽しかったのか、疲れ果てたらしい息子はぐーぐーと気持ち良さそうに熟睡している金曜日の朝。
私はそれなりに早く起きて仕事を始めたのだけれど、息子は一向に起きる気配がないので先に簡単に一人飯……というか一人ヨーグルト。

いただきもののグアバ、果実のままで半分ほど食べていたのだけれど、少し目先を変えたいなということで果肉をミキサーにかけ、レモン汁と砂糖を加えてソース状にしてみたものがある。それをヨーグルトに添え、ちと甘みが足りなかったので蜂蜜をかけ、食べてみた。独特の南国の花のような芳香のあるグアバは今の季節に良く似合う。ミキサーにかけた果肉をそのままジュースとして飲みたいなとも思っているのだけれど、ジュースとして一気飲みしてしまうのはなんだかもったいない気がして、なかなか。ちびちびとヨーグルトに添えながらありがたーく食べる。……このソースを少量、サイダーで割ったりするのも美味しいかもしれない。

沖縄そば
クーブイリチー
麦茶

「充電完了!」といった風情で9時半頃に起きてきた息子。午後には音楽教室があるけれど、それまでは今日は特に予定もなくて息子は日記をつけたり、私も日記をつけたり、仕事もしたり。

昼御飯は、まだ半端にスープも麺も残っているということで再び「沖縄そば」。卵色のモチモチとした麺と鰹と豚の味のするスープは、こってりしているようで案外あっさりで、馴染み深い味。今日もらふてぇとかまぼこをトッピングしていただいた。まだまだ余っているクーブイリチーも食卓に出して、額に汗して真昼の沖縄そば。

私は一度だけ、小学生の頃に沖縄に行ったことがあるのだけれど、当時は「沖縄名物料理」なんてさっぱりわからず(同行した母もそういうものに全く興味がなく)、結局ホテルでバイキングの朝御飯食べて、夕飯はステーキか何か食べて……という感じで終わってしまった記憶がある。
今行ったなら、本場の沖縄そばに、本場のゴーヤーチャンプルーに、一度も口にしたことがない「中身汁」(豚モツのスープ)、あれこれ食べ歩くのになぁ……と。ああ、あと「豆腐よう」も(←大好き……)。
来年あたりは沖縄に遊びに行きたいものです。

白身魚のサラダ
塩和えミミガー
夏野菜のスープ
まぐろのユッケ丼
チューハイ(レモン)

今日のメインディッシュは魚がいいなー……ということで、夕方魚屋さんを見てきた。マグロのサクが安くて、小さなサクが2つパックになったものを買ってくる。酢飯作って鉄火丼も良いし、づけ丼も悪くないし、でも沖縄そば用のスープもミミガーも昨夜のサラダも残っているしそれに似合うものが良いなぁとあれこれ考え、「ユッケ丼」を。

マグロは角切りにし、刻んだ長ねぎと合わせる。味つけは塩がメインで、酒と醤油と砂糖と炒り胡麻と胡麻油と豆板醤を適当に。ちょっと濃いめの味にしておいて、それを炊きたて御飯の上にこんもり盛りつける。中央をくぼませて卵の黄身を落とし、海苔と胡麻を散らしたらできあがり。息子も食べるものなので(それに私も辛いものはあまり得意ではないし)、豆板醤は隠し味程度にしておいた。コチジャンベースの、いかにもなユッケの味のバージョンもあるのだけれど、私はちょっとさっぱりめの、この塩と胡麻油の味のが好き……かな。

スタンダードなピーナッツ味噌和え、昨夜はポン酢和えと加工したミミガー。既に下茹でしてある「あとは味をつけるだけ」の状態のミミガーをだんなが買ってきてくれたので、取り分けながら毎回食べきれるくらいの分量で調理してきた。今日はシンプルな塩味がいいなということで、ミミガーと茹でたもやしとスライスキュウリを少量の胡麻油と塩で軽く揉んでみた。まだ残っていた沖縄そば用のスープにはいんげんや茄子、人参、ブロッコリー、枝豆などを入れて野菜のスープに。

マグロは、息子の「好きな魚」1、2を争うほどの好物らしく、今日の丼もやたらと好評だった。
「たまごだねぇ〜、たまご、のってるねぇ〜」
なんて言いながら、黄身を魚と御飯にまぶしつつ、スープもサラダも綺麗に皿を空にしていた。

8月20日 土曜日
久しぶりに渋谷の茶藝館へ
渋谷 「かにチャーハンの店」にて
 塩だれパイコーチャーハン かに味噌汁付 \580
 海鮮卵とじちゃーはん かに味噌汁付 \780
 かにちゃーはん かに味噌汁付 \580
 餃子 \270
 中華風ネギとり \250
 かにクリームコロッケ
……を適当に家族で分けつつ。

今日は渋谷にお出かけ。軽く朝御飯食べて、現地で軽く昼御飯食べて……と思っていたのだけれど、昨夜の帰宅は2時を軽くまわっていただんなをぎりぎりまで寝かせておいてやろうと、遅めの出発。とりあえず渋谷に向かわなきゃと、何もお腹に入れずに
「お腹すいたー」
「……チャーハン喰いに行かない?蟹チャーハン」
「ああ……いいねぇ……蟹……」
などと会話しながら、渋谷交差点に到着。空には雲一つなく、今日も暑い……都心は輪をかけて暑い。

暑さにめげず、向かったのは「かにチャーハンの店」。以前どこかでこのお店のチャーハンの写真を目にして(ここでした)、「いつか行ってみよう」と言っていたお店だ。店名どおり、かにチャーハンのお店。ビルの3階にある小さなお店で、食券制。

「ぼくね、ぼくね、かにクリームコロッケ!あとね、チャーハンも」
「両方かい……」
「……コロッケ定食とかあるけど、チャーハンも食べたいわけね?」
「うん!そう!」
じゃあコロッケ単品にして、このチャーハンと、あと餃子と、そうそう「ネギとり」っての美味しいらしいよ……と、食券機のボタンをポチポチ押しまくり、今日も昼からがっつり食べてしまった。ちょっと前までは「チャーハン大盛にして、その大盛分を息子に分ける」くらいでちょうど良かったのに、最近の息子はチャーハン1人前をしっかり平らげてしまうまでになっている。

私とだんなは「月替りチャーハン」なるメニューから、「塩だれパイコーちゃーはん」と「海鮮卵とじちゃーはん」。塩だれ〜は、卵と葱のチャーハンの上に排骨(豚肉の唐揚げ)が乗り、いんげんやにんじん、玉ねぎなどが入った塩味の野菜あんがかけられたもの。海鮮〜は、同じく卵と葱のチャーハンの上に、たらば蟹、赤海老、イカなどが入ったふわふわの卵焼きがトッピングされたもの。店名物の蟹肉入りのチャーハンは息子の前に。

厨房をぐるりと取り囲むカウンター席が並ぶお店。ひたすらに鍋をふるうチャーハン担当の若いおにいちゃんの仕事っぷりが四方八方から見えるようになっている。炒めっぷりもお見事だったけれど、やってきたチャーハンもなかなかお見事。さほど油っこくないのにパラパラホロホロとしたチャーハンらしいチャーハンだった。塩味控えめでさっぱり味。チャーハンには蟹の足入りのお味噌汁もついてきて、卓上の蟹スプーン使ってゴショゴショと蟹の身をほじって食べる。息子のチャーハンには身をほぐした蟹肉がこんもりと。すんごく美味しい!とびっきりの美味!……というほどではなかったけれど、でもかなり満足なチャーハンをいただいて家族一同満腹になった。そしていざいざBunkamuraへ。

渋谷 「華泰茶荘」にて
 家蔵プーアル茶(15年熟茶) \840
 ジャスミン茶のエッグタルト

で、1時開演の「blast!」を見てきた。「エンターテイメント性を高めたマーチングバンド」という感じのこの舞台、衛星放送で放映されていたCMを見て「お、見たいぞ見たいぞ」と思っていたのだった。「これなら息子も楽しめるはず〜」と一家で鑑賞。楽器投げるわ、トランペット吹きながら側転するわ、腹筋が見事に割れたナイスバディのおねぇちゃんが踊りまくるわの、たいそう面白い舞台だった。息子も目を輝かして見てくれていたようで、何より。

Bunkamuraを出ると、ちょうどおやつ時。マークシティーの近くにある「華泰茶荘」という台湾のお茶屋さんに寄って、3階の茶藝館で一休みした。テーブルに竹製の茶盤と湯沸かし機能つきポットが置かれ、選んだお茶に合わせて茶壺や茶海、茶杯が並べられる。私は15年もののプーアル茶、だんなは通常1200円のものが1000円の「今月のおすすめサービス品」だった東方美人茶(極品香)を。息子は「冷たいのがいいなぁ」ということで、アイスティー(もちろんこれも中国茶)を。ちょうど3個がセットになっているらしかったので、エッグタルトも1皿いただいた。

この暑さに最近すっかり温かいお茶に御無沙汰だったのだけれど、ちゃんと淹れて飲むお茶はやっぱり美味しい。ちっこい茶壺に何回もお湯を注ぎながら、久しぶりの美味しい中国茶をたっぷり飲んでしばしだらだらしていた。1階の茶器茶葉コーナーも割と手頃な価格のものが多いし、あまり頻繁には来られないけれど大好きなお店だ。

銀座 「Favori」にて
 ムール貝のワイン蒸し(L) フリッツ大 \2900
 自家製レーズンバター \650
 スモークサーモン \850
 ビール(Hoegaarden White 370ml) 2×\800
 ビール(Floreffe Double) \900
 ビール(Jever Pilsener 400ml) \900
 ビール(Guinness 285ml) \600
みんなでもぐもぐ。

ちょっと渋谷をぷらぷらしていたらもう6時。
「家に帰ってビールでも……」
「……って、冷蔵庫に冷えてないよ、確か」
「……じゃあ、銀座でベルギービールでも飲んで帰る?」
「飲む飲む!行く!」
と、銀座に行き、ベルギービールがこれでもかと揃うという「Favori」というお店でムール貝つまんでビール飲んできた。

ここはベルギーの生ビールが飲めるお店。ギネスの生も飲める。まずは「Hoegaarden White」(ヒューガルデン・ホワイト)という、オレンジの皮を漬け込んだ白ビールを1杯ずつ。次に、チョコレートのようにこってりとした味わいの黒いビール「Floreffe Double」(フローレフ・ダブル)、最後にお気に入りの「Guinness」(ギネス)。あんまりお安くはない店だったけれど、
「わーいわーいベルギービール」
「わーいわーい、美味しいよ」
と、たらふくビールを楽しんでしまった。

柑橘系の味ビールというと日本の「よなよなエール」を思い出すのだけれど、Hoegaarden Whiteは更にカラッと突き抜けるような爽やかさのあるビール。でも軽いわけじゃなくてコクもある味わい深いビールで、とても好みな味だった。この季節にはとりわけ良く似合いそう。

そしてテーブルには、だんなが「これを食べなきゃ!」と注文してくれた、山盛り(1kg!)のムール貝。フリッツ(フライドポテト)とフランスパンがついてくる。追加料金300円払ってフライドポテトを大盛サイズにしてもらい、もりもり食べながらビールをぐいぐい。
ムール貝は、みじん切りにしたセロリとにんにく、そしてバターを散らしてワイン蒸しにしたもののよう。身が大きくてプリップリで、皿の底に溜まったにんにくバター風味の貝のスープがものすんごく良く味。パンにそのスープを染みこませて指をしゃぶるようにしながら貝もスープも堪能した。

……なんだか私は猛烈にお腹が空いちゃって、
「レーズンバターもらってもいいですかー?」
「ぼく、スモークサーモンたべたいなぁ」
「だよねぇ、スモークサーモンも食べたいよねぇ〜。それももらっていいですかー?」
ああ、あと、牛肉のビール煮も気になるし、カジキマグロのモッツァレラチーズ焼きも気になるし……と、あれこれ食べたくて仕方がない。だんなに
「おゆきさんおゆきさんっ……そんなにお腹空いてるなら、最後にラーメンでも食べて帰る?じゃんがら近くにあるよ?」
と助言されるまで、有り金全部使う勢いで飲み食いしてしまうところだった。ああ、危ない危ない。

自家製レーズンバターも、好みなレーズンの入りっぷりで(レーズンの隙間にバターが入ってるようなレーズンたっぷり系はあんまり好きじゃない……バター多めのが好き……)、とっても美味。肉厚のスモークサーモンも堪能して、ビール3杯でいい気分に酔っぱらって店を後にした。

銀座 「九州じゃんがら」にて
 つけちゃん 味玉子入り \850

そしてふにゃふにゃと銀座の裏通りを新橋方面に歩く。
「あれー?この角じゃなかったっけ?」
「いや、もう1つ奥でしょうよ」
なんて言いながら、あみだくじを辿るようにヨレヨレと縦横に進む。新橋にほど近いところに「九州じゃんがら」があって、久しぶりのじゃんがらのラーメン。つけ麺があったので、玉子入れてもらって食べてきた。

8時を過ぎたじゃんがら、周囲の飲み屋以外の店は軒並み閉まっていて、じゃんがらの店の部分だけが明るく見え、常に行列が5〜6人という具合だった。だんなは「こぼんしゃん」(にんにくがっつり)、私はつけ麺の「つけちゃん」。温かい醤油味のスープにチャーシュー、メンマ、キャベツなどがどっさり入ったスープに冷たい細麺を浸して食べる。真夏の酔った夜、シメのラーメン。御機嫌なまま帰宅して、御機嫌なまま布団に入った。

8月21日 日曜日
久しぶりのタコス
メロンパン
アイスカフェオレ

本日日曜日。目覚めると10時。ここしばらく、週末でも早起きしてしまう日が続いていたので久しぶりの大寝坊だ。息子よりだんなより遅く起きたのも久しぶりのことだった。

朝御飯はメロンパン。駅前に最近新しくメロンパン屋さんがオープンしたのがずっと気になっていて、そのお店で買ってきてみた。プレーンなメロンパンが1個130円くらい、そして抹茶・ストロベリー・ココナッツなどなど6種類ほどあるフレーバーメロンパンが1個150円。
「……うわー、ストロベリー味のメロンパンだってよ」
「あ!ぼく、その、ストロベリー味ね」
「……いきますか。ストロベリーいっちゃいますか」
「うん、いちご、ぼく、好きだし」
息子は果敢にストロベリー味。私とだんなはプレーン味。

お皿に出したメロンパンは、ものすっごく巨大だった。直径20cmくらいあるんじゃないかという、赤子の顔なら隠れてしまいそうなほどの大きさ。もうそれ1個でお腹一杯になりそうだったので、カフェオレだけ添えてもぐもぐと朝御飯兼用昼御飯。表面のビスケット生地のサクサクっぷりや、パン生地のふわふわした食感が心地いい。ちょっと甘めだけれど、とてもスタンダードなメロンパン。息子の食べる綺麗なピンク色をしたメロンパンも何やら美味しそうで、「次はココナッツ味だな」と密かに決意する私だった。

マンゴーかき氷

「夕飯はタコスにしませんか?」
と盛り上がる。買い置きのコロナビールと目があってしまったらしいだんなが、
「なんかね、"いつまで私をここに放っておくの?"って言われた気がする……」
と、「だからメキシコ料理でも食いましょう」ということに。トルティーヤ焼いてファヒータも用意して、思う存分タコスを食べようということになった。

おやつにマンゴーかき氷。だんなが沖縄で買ってきてくれたマンゴーは、表面に蜜が染み出てきている見事な完熟ぶりだった。数日前の朝御飯に1個剥いて食べ、「マンゴプリンにでもしようかなぁ……でもなんだかもったいない……」とふんぎりつかずに冷蔵庫に突っ込んでいたのが残り1個。今日もやたらと蒸し暑く、マンゴーかき氷にするのが良いかなぁと、皮を剥いて果肉を刻むs。マンゴーパフェも魅惑的だったけれど、この暑さだとかき氷の方が恋しいかなと。

器の底に、各自それぞれみぞれシロップ(だんな)、カルピス醍醐味(私)、カルピスマンゴー味(息子)を敷き、氷をガリガリ削っていく。上からは、角切りにしたマンゴー果肉と、マンゴーの種のまわりを絞りとって作ったマンゴー果汁をかけてできあがり。原価1杯400円くらいという、ゴージャスなマンゴーかき氷ができた。

甘い甘いマンゴーは、それだけでかき氷のシロップになってしまいそうなほどの甘さと香り。数ヶ月前から私を魅了してやまない醍醐味カルピスがこれまた危険なほど似合っちゃって、うっとりしながらいただいた。ああ、国産マンゴーってなんでこんなに美味しいのかしらん。

ナチョス
タコス
ファヒータ
ビール(コロナ)
種なし葡萄

夕方から、だんなと2人せっせと夕飯の支度。タコスの"皮"(トルティーヤ)は市販のハードタイプの他にソフトタイプのも用意しちゃいましょうと、小麦粉を塩、溶かしバター、湯でせっせとこねて丸めてちぎって伸ばして焼き上げる。その皮に巻いて食べる具は、タコミート(タコスパイスで炒め煮にした挽き肉)と千切りレタスと角切りトマト、シュレッドチーズ、タコソース、そしてビーフファヒータ。以前買った「ファヒータミックス」という合わせ調味料が残っていたので、牛もも肉と玉ねぎ、ピーマン、パプリカをそのスパイスミックスでだんなが炒めてくれた。

そして今日はアボカドディップも用意。この間「MOS's-C」で食べたナチョスにアボカドディップが添えられていて、それがやたらと美味しかったので真似してみることに。アボカドの身をくり抜いてスプーンで混ぜて柔らかくし、そこに刻み玉ねぎと塩、レモン汁を加えて混ぜ混ぜ。

そして更に、だんなのリクエストでナチョスも用意。トルティーヤチップを平皿に平たく盛りつけ、タコソースを適当に落としてとろけるチーズをトッピングし、オーブンで5分ほど。チーズが溶けたところでアボカドディップなどをつけながらいただく。オリーブやハラペーニョをたっぷり散らすと更にそれっぽくなるのだけれど、今回は手抜きしてタコソースとチーズだけでオーブンに入れた。

そんなこんなで、テーブルの上にはお皿がいっぱい。野菜に肉にチーズに炒め物にとあれこれ並べ、ハードタイプの皮やソフトタイプの皮を好きなように手にとって、好きなように具を巻いて食べる。ライムをキュッと絞ったファヒータにチーズとアボカド添えてソフトトルティーヤで巻いたり、スタンダードにレタスとトマトとタコミートとチーズとタコソースをハードシェルに詰めて囓ったり。

「……あービールって、まだ冷えてたっけ?」
「そりゃありますよ奥さん〜、ちゃんと1人2本冷やしてあるよー」
「じゃあ飲もう。うん、飲もう」
と、コロナもお代わりしてしまいつつ、久しぶりのメキシカンな食べ物を堪能した。……あ、どうせだったらお米のジュース(オルチャタ)とかも作ってみるべきだったかしら。せっかく味を覚えてきたいろんな国のいろんな食べ物も、1年2年と御無沙汰するとどんな味だったのか忘れてきてしまうのが悲しい。シナモンの効いたお米のジュース「オルチャタ」、これが不思議とスパイシーなメキシコ料理に似合って美味しかったんだな。