食欲魔人日記 06年5月 第2週
5月8日 月曜日
今日はベーグル焼いてみました
カワハギの干物
ほうれん草のサラダ
インスタント味噌汁
羽釜御飯
冷茶

昨日、干物がみっちり詰まった発泡スチロールの箱が届いた。中にはカワハギの干物と、サバの干物と、そしてちょっと珍しい穴子の干物。名古屋在住のお友達が送ってくれたのだった。わーいわーいありがとうございます〜♪

カワハギもサバもぷりぷりつやつやといかにも美味しそうなものだったけれど、私としては真空パックに収められた、やや生っぽい感じの穴子の干物が気になって仕方がない。炙って食べるのが王道らしいけれど、なんでも天ぷらや唐揚げにしても美味しいらしい。日本酒に似合いそうだし、これはだんなと一緒に夕御飯食べられる日まで取っておこうと、今朝はカワハギの干物を炙って食べることにした。御飯を炊いて、少量残っていた刻みほうれん草は叙々苑ドレッシングで軽く和えて、味噌汁を作る余力や時間はなくてこれはインスタントで。

カワハギ、淡泊だけれど味のある身がみっしりと皮や骨にくっついているといった風の魚で、ホロホロと崩れることがない。皮から身をこそぐようにして御飯に乗せつついただいた。

ゴールデンウィークも明けて、今日は一日真面目にお仕事。昼前にちょっと気分転換しようかなとパンを焼くことにした。前回のミルクパンに続いて、今日はベーグルに挑戦。あのモッチモチとした不思議な食感のベーグルは、牛乳やバターを使わずに粉と水と塩とイーストだけで練り上げられる。焼く前に茹でる工程が入るのも独特で、その茹で水に「モラセス」という糖蜜を加えることであの艶やかな褐色がつくのであるそうな。

モラセスは、アメリカにいたときに眺めていたレシピに時々載っていた食材で、特にニュージャージーの郷土料理本のお菓子レシピに載っていたような。入手しづらい場合は日本だったら「黒蜜」でも代用可能だということだけれど、幸い手元にはお友達がくれたモラセスがある。瓶を見るたびに「ベーグル焼こう!焼かなきゃ!」と思っていたのだけれど、今日いよいよその瓶を開けてベーグル作りに取り組んだ。

参考にしたのはこちらのレシピ。4個分のレシピだったけれど、「どうせだったら家族の人数の3の倍数にしよう」と1.5倍量にすることにした。バターが入らないので生地は最初ポソポソとまとまりにくく、こねてこねてこねてこねまくって15分くらい必死にこねてなんとかお手本写真のようなツルリとした状態に。これを分けてー寝かせてー伸ばして丸めて輪っかにしてー……と、お手本写真は鮮やかに進んでいくのにこれがなかなか大変だった。なにしろ輪にするのが!輪にならないっていうか、穴が丸くならないっていうか、絶望的にいびつというか。私には複雑な成形は無理だわと心底感じ入りつつ(ベーグルの形状は果たして複雑なのかどうかという問題も)、それでもモラセスを溶いた湯で1分茹でてオーブンで15分ほどかけて焼き上げたベーグルは、形状はともかく色艶だけはそれっぽいものになった。

焼き上がったのを昼御飯にしようかとも思っていたのだけれど、焼き上がったのは午後2時過ぎ。なんかタイミングを逃してしまって、焼いたベーグルは明日の朝御飯にすることにした。

ハヤシさん
スティックきゅうりとマヨネーズ
茹で野菜のサラダ
根菜スープ
アイスティー

夕飯は、「ハヤシさん」。カレーっぽいものが食べたい気分で、でもずばりカレーな気分でもなくて、「何かいいレシピないかなー」と検索していて見つけた、小林カツ代さんのレシピだ。豚肉と玉ねぎとにんじんを炒め、すっかり火が通って柔らかくなってから調味料を投入してものの10分ほどでできあがる料理。調味料はウスターソースと醤油だけで、そのシンプルさが案外と美味しかったりして何度か作った記憶がある。

豚切り落とし肉を炒めて炒めて、薄切りにした玉ねぎとにんじんも加えて炒めて炒めて、ウスターソース大さじ3と醤油小さじ1で味つけ。仕上げにグリンピース(冷凍のを解凍した)をたっぷり混ぜ込んで、それをカレーのように御飯にかけるだけ。あとは適当にありものの野菜をと、今日買ったばかりのバリバリのきゅうりを出して、あとはスナップえんどう、ブロッコリー、パプリカなどをさっと茹でてオリーブ油とおろしたパルミジャーノ・レッジャーノを添えただけの温野菜サラダ、玉ねぎにんじん大根、ごぼうを入れたちょっと和風のコンソメスープ。

「おかーさーん、この料理、なに?」
「んとね、"ハヤシさん"。ハヤシがカタカナ、さんが平仮名」
「……ハヤシさん、なの?」
「そうそう、ハヤシさん」
「ハヤシちゃん、じゃダメなの?」
「んー……ダメじゃない、と思う……」

ハヤシライスより身近な感じだから「ハヤシさん」なのか、そのあたりは定かでないのだけれど、ハヤシくんやハヤシさまじゃダメなのかどうかというくだらない話で息子と盛り上がってしまいながらもぐもぐもぐ。明日は息子、遠足だそうだ。お弁当はおにぎりと鶏の唐揚げ。

5月9日 火曜日
なんとなく、青椒肉絲を注文
自家製ベーグル パイナップルクリームチーズ添え
ミルメーク牛乳(ココア味)
いちご

いつもより30分以上早く起きて、今日は息子のお弁当作り。今日は校外学習で動物園に行くのだとか。
「お弁当は何がいいですかー?サンドイッチ?おいなりさん?おむすび?」
「おむすびー!」
「おかずは?コロッケとかハンバーグとか唐揚げとか……」
「からあげー!」
そんな感じに数日前にリサーチをして、「おむすびと唐揚げ」という内容に決定した。なんでも「ごはんですよと、鮭の、おにぎりが食べたいなー」なのだそうで。

起きてまず最初に唐揚げを揚げ、そして玉子焼き作って野菜を切っておむすび握って、息子用二段重ね弁当ができあがった。唐揚げは、1切れをいつものサイズの1/2切れくらいにして子供の口に食べやすいように。野菜はきゅうりとプチトマトと茹でたブロッコリーにマヨネーズを添えたもの。おむすびとおかずで弁当箱がいっぱいになっちゃったので、デザートの苺は小さなサイズの別容器にたっぷり詰めてやった。

朝御飯は、昨日焼いた自家製ベーグルにパイナップルチーズを挟んで。綺麗な「O」にはほど遠い、「U」の先がかろうじてくっついたようないびつなベーグルになったわけだけれど、味はまぁまぁ。ちゃんとそれなりにベーグルらしいモチモチ感のあるどっしりとした生地に焼き上がっていて満足できるものだった。でも、でも、「普通に美味しい」けど「すご〜く美味しい」というほどじゃないんだな。

「え?美味しいよ、ちゃんと美味しいよ?」
とだんなは褒めてくれたけれど、
「いや、でも、この手間でこの味だったら、おとなしくBAGEL&BAGELのベーグル買ってくる方が良いかもしんない〜」
と、若干逃げ腰の私。精進あるのみ、がんばってみよう。

鶏唐揚げのサラダ丼
玉子焼き
刻みきゅうりとプチトマト
麦茶

息子のお弁当に詰めて、だんなが朝御飯にいくつかつまんでいった鶏の唐揚げ、まだいくつか皿に残っているので昼御飯はこれを食べることにした。どこかのお総菜屋さん(か、あるいはコンビニか)で見たことがあるサラダ仕立ての唐揚げ丼を作ってみることに。

御飯の上に太めの千切りにしたレタス、玉ねぎ、にんじんを積み上げて、その上に唐揚げ並べて、醤油と味醂を大さじ1/2くらいずつ合わせて一度火にかけたものを上からかける。マヨネーズを適当に添えてできあがり。唐揚げ本体にそれなりに味がついているので醤油味醂だれは唐揚げにはかけないようにしてほんの少しにしておいた。

今朝は霧雨が降っていたけど、息子たちは中止にならずにちゃんと動物園行けたのかなー今頃お昼御飯食べてるのかなー……とぼんやり思いながら、残っていた端っこの玉子焼きなどもつついてみたり。

数時間後には、いつも通りに元気な息子が
「たっだいまー!動物園、行ってきたよ!ふれあってきたよ!」
と空の弁当箱ひっさげて弾丸のように帰ってきた。ふれあい広場でネズミ(ハムスター?)触って、レッサーパンダが立ち上がるところも見てきたんですって。良かったねぇ。

稲毛 「太閤園」にて
 青椒肉絲定食 850円
 餃子
 ビール

今日は夕方までキツキツに仕事があって、あーもう店屋物かな、それとも駅前で何かお総菜を1品2品買ってきて……と思いながら
「ねーえ息子?夕飯に何かリクエストは?」
とパソコンに向かいながら声をかけた。

「んとね、ラーメン食べたい」
と。それじゃラーメン屋さん行こうかと返したら
「ううん、ぼくね、太閤園のラーメンがいいの」
だそうで。それじゃ6時半頃になったら食べに行こうか混まないうちにね、と話していたら、だんなから「今日は帰るー」と連絡が。太閤園に行こうという提案に誰からも異論が出されることがなく、お店で合流してビール飲んで餃子つまんで定食食べて帰ってきた。

私はここしばらく太閤園づいていて(母を連れて行ったり、Kさんと一緒に行ったり、息子と2人でも行ったり……)、「新しいメニューを色々頼んでみましょうキャンペーン」が心のうちで展開中。だんなは超定番メニューの茄子野菜炒め定食を頼み、私は青椒肉絲定食を。ピーマンと筍と豚肉が均等に配分された、実に良い感じの青椒肉絲だった。何度か酢豚は頼んだことがあったけれど、そういえば青椒肉絲は初めてだったのよー……と言いつつ、だんなの茄子野菜炒めと交換しながらもぐもぐ。

地味な存在ながらこのお店の餃子も実はすごく美味しくて、キャベツの甘さを感じる優しい味のもの。自家製らしいラー油を醤油と一緒に餃子にこてこてつけながら飲むビールは最高に美味しかった。

5月10日 水曜日
みんな大好きブロッコリー
自家製ベーグル はちみつ&クリームチーズ
カフェオレ

先日焼いたベーグルは6個。
「2日続きだけれど朝御飯ベーグルでもいいですかー?」
と夫と息子に尋ねると「いいですよー」ということだったので、今日もトーストして1人1個のベーグルを。市販のものよりちょっと小ぶりでかなりいびつで、でも一応ベーグルに見えなくもないくらいにはベーグルな感じのベーグルだ。今日はプレーンのクリームチーズを塗って、蜂蜜を一周ピャーッと垂らしてからかぶりついた。

ベーグルを焼いた日に買ってきたクリームチーズはペースト状の柔らかなもの。「カロリーはバターの1/2!」なんて書いてあったけど、でも明らかにバターの倍量以上を塗ってしまっているから、健康的とはとても言えない……。明日の朝御飯は和食にしよう。

サンドイッチ屋さんのテリヤキチキンサンド
アイスティー

ゴールデンウィーク前からこっち、全然運動していなかったのでジムに行ってきた。プログラムの時間にタイミングが合わなくて今日は水泳だけ。1時間くらい泳ぎまくってから帰り道テリヤキチキンサンド1袋を買って帰ってきた。断面は(断面だけは)ボリュームがあるように見えるサンドイッチは、それでも手頃な価格だしレタスもちゃんと挟まっているしで悪くはない。
もう喉が乾いちゃって喉が乾いちゃってアイスティーは大きなコップで2杯一気飲み。

ブロッコリーと牛肉のオイスターソース炒め
レタスのサラダ
ソーセージとグリンピースのスープ
羽釜御飯
麦茶

息子と2人の夕御飯、
「今日はなにかなー?今日の夕ごはんはなにかなー?」
昼間の私以上に汗みどろになってジムから帰ってきた息子は、「今日の夕ごはんは、チャーハンか卵ごはん〜♪」と、勝手に今日の献立を歌にしている。いや、チャーハンでも卵ごはんでもないから……と苦笑いしつつ牛肉を冷蔵庫から出してブロッコリーを切る。今日はブロッコリーと牛肉のオイスターソース炒めにするのよ。

そういえば昨日の夕飯も中華炒めだった気がするけれど、うっかりそれを忘れて中華味の炒めもの。中華炒めは事前に肉の下味をしっかりつけておく事が多いけれど、牛肉の下味には水を加えるレシピが多い。この料理のレシピも「牛肉に塩胡椒、醤油とサラダ油と水、重曹、片栗粉を揉みこんでおく」とあって、面白いなぁと思いつつそのとおりにしておいた。そしてその肉を炒め、下茹でしたブロッコリーを合わせてから醤油とオイスターソースと砂糖、スープを合わせたタレで炒め合わせる。

スープは豆入りのがいいなぁと思いつつ、冷凍庫の奥でひからびかけていたグリンピースを使ってしまうことに。たっぷりの玉ねぎとソーセージと一緒にコンソメ味のスープにした。御飯炊いてサラダも作って、息子の前には生卵と醤油も用意してやって卵御飯を食べられるようにしてあげた。

ブロッコリーは、息子にとても気に入られている野菜。一時期スーパーに行くたびに「今日はブロッコリーかわないのかなー?」と言われてしまうほどに息子はブロッコリーに夢中だった。私もカリフラワーよりもブロッコリーの方が好きなものだから、冷蔵庫の中にはだいたいいつでもブロッコリーが入っている。パスタの具にもなるし炒めものや煮物に加えると色も良いしで重宝重宝。

5月11日 木曜日
ぬぅ、これが噂の匠味十段……
サバの干物
刻みきゅうりのにんにくドレッシング和え
ソーセージとグリンピースのスープ
御飯
冷茶

いつ食べよう早く食べたいと思いつつ冷蔵庫にしまわれている干物各種。今日はだんなも一緒に朝食を摂れそうだなとサバの干物を焼くことにした。先日のカワハギは1人1尾にしたけれど、さすがにサバは巨大なので家族で1尾をつつくことに。私にとっては「干物といえばアジとホッケ」っという貧困な発想しかなくて、魚屋さんでもまじまじとどんな種類があるのか見たことがなかった。サバの干物というのもあるのねぇと、開きになった巨大なサバをグリルでじくじくと。

サバは脂が乗っている魚ではあるけれど、干物になってもその脂は抜けることがなく、すんばらしくジューシーな干物だった。焼いているうちに骨のあたりのくぼんだところに「油溜まり」ができるほど。染み出た脂を一度振り落とすように皮目を上にして、焼き目をつけてからまたひっくり返して、全体的にこんがり良い具合に焼き上げた。昨夜の残りのスープに、何か青いものが欲しいなと刻んだキュウリを叙々苑ドレッシングで和えただけの小皿も用意。

脂の乗ったホッケもたいそう美味しいけれど、サバの干物の格別だった。ホロホロと柔らかくほぐれていく身と、部分によってはちょっと脂が落ちてサクサクとした舌触りの皮部分。だんなと息子は魚の皮が苦手だそうだけれど、私は皮の部分も大好きで、焼けた皮と身をそりゃもう美味しくいただいた。サバ大好き。シメたのも焼いたのもサバミソも大好き。サバは秋から冬の魚という印象があるけれど、なんでも産卵(5〜6月)直前の春も美味しいのだとか。

「モスバーガー」にて
 匠味十段
 オニポテセット(オニポテ・アイスウーロン茶)

今日は一日真面目に仕事して、息子が学校から帰ってくる前に夕飯の買い物行って昼御飯も何か買ってこようと思っていた。が、今日はやたらと帰宅の早かった息子。1時を少し過ぎたところで「ただいまー!」と帰ってきて、私はまだ何も買っていない何も食べていない状況だった。
「……あー……夕飯のお買い物行かなきゃなんだ。で、お母さんまだお昼も食べてないんだ。買い物一緒に行く?お母さんがお昼食べる間、一緒におやつでも食べる?」
と息子を誘って2人で外出。午後2時というすごく半端な時間にモスバーガーに入ると、「匠味販売中」のポスターと目が合った。

おお、匠味。売り出した最初の頃に家族で食べに来たことがあったけれど、その1回以来まだ一度も食べていない。そうそう匠味十段というのもあれから増えたんだったねぇ……とポスターを見ていたら食べたくなってきてしまった。午後2時からの販売だから、普段はまずこんな時間にこの店を訪れない。夕飯に響きそうだなぁと思いつつ、匠味を食べられるチャンスは滅多にないのも事実だったのでこれも良い機会かなと注文してみることにした。幸い店内は全然混んでなくてあまり待つ必要もなく、10分ほど待ったところで恭しくそのブツがテーブルにやってきた。私の前だけに和紙製のランチョンマットが敷かれ、ステンレス製のフォークやナイフも並べられ、なんだかすごいことになっている。おやつにフローズンケーキバーを買ってやった息子も、
「うお!なんだこれーなんだこれー」
と興味津々。

やってきたのは、先日我が家で作った自家製ハンバーガーに負けず劣らずのボリュームの物体だ。
下からレタス、トマト、玉ねぎ、ハンバーグ、ベーコン、卵と大変な勢いで積み上がっていて、しかも小皿に入った和風ドミグラスソースも添えられる。バーガーには既にマヨネーズとケチャップも間に挟まっているそうだけれど、お好みでこのドミグラスソースをかけることで完成するバーガーなのだそうな。ウヒョー言いながらそのソースをかけて、上からぎゅうとパンを押さえつけて、頬やら顎やらをベタベタにしてしまいながら巨大ハンバーガーを食べてきた。1個1000円のハンバーガーと思うと、なんかこう、お腹よりも胸がいっぱいになっちゃいそう。

ドミグラスソースは、見事な味噌味だった。味噌は味噌でも八丁味噌。「うわぁ、味噌だ……」と思いつつ、その組み合わせはそんなに悪いものじゃなくて、程良いアクセントになっていた。肉は分厚く、トマトはもっと分厚く、ベーコンと卵が入ったとても私の好みなタイプのハンバーガーだったのだけれど、やけにスパイスが効きすぎていたような気も。一度試しで食べる分には良いけど、普通の「匠味」はともかく「十段」はもう食べなくてもいいかなー……という感想ではあった。でも密かにずっと気になっていたものをやっと口にすることができて満足。

とんこつ醤油ラーメン
もやしのナムル
麦茶

匠味十段を食べた後、息子と一緒にスーパーでお買い物。
「……なぁんかね、なんでか、ラーメンが恋しい気分なのよね……」
と呟いて、直後「あ、違う。やっぱ今のなし」と後ろを歩く息子を振り返った。そうそう、ラーメンが恋しくなったのは先日息子がやたらと旨そうに醤油ラーメンを食べていたからで、それはたった2日前の話なのだ。だから今日ラーメンというのはやめようね、今のなしね、と息子に言おうとしたのだけれど、既に息子の目がキランキランに輝いていた。
「ラーメン!ぼく、ラーメン食べる!夕飯ラーメン!」
……あああ。しまった。失言。

ラーメンの事は忘れることにして、おかずに良さそうな肉や魚や野菜はないかなとひととおりスーパー内を歩いたのだけれど、いまいちこれというのはみつからず。息子は背後で
「今日、ラーメンでしょ?」
「ラーメンじゃないのかな?」
「ぼくはしょうゆが好きだけどー、みそや、塩でもいいんだよ?お母さんの好きで、いいんだよ?」
とずっと私に呪いの言葉を浴びせかけてくる。ああもういいやと麺コーナーで東京とんこつ醤油のラーメンの2人前パックを籠に入れた。卵とほうれん草は家で茹でることにして、あとはモヤシも籠に入れる。メンマとチャーシューは麺コーナーの小分けパックのを買ってしまうことにした。あとは、焼き海苔たくさん添えたら息子はきっと幸せ。

ラーメンだけというのもあんまりだなとモヤシのナムルも用意して、それをばりばり食べつつこってり味の濃厚な醤油ラーメン。確か行列ができる店とかなんとかいうシリーズの麺だったけれど、太く緩い縮れ麺が割と好みな感じだった。お店で食べるより心もちほうれん草多め。海苔も多め。

5月12日 金曜日
新デジカメのデビュー戦(うーん、いまいち……)
あずきバターパン
ミルクパン
カフェオレ

スーパーに寄ったら息子好物のポケモンパン(パンが好物なのか、オマケについてくるシールが好物なのかはさておき……)が20%引き。今週は時価製パンが続いていたなとちょっと菓子パンが恋しい気分。息子にイチゴ蒸しパンを買ってやり、同じく20%オフだったあずきバターパンとミルクパンを籠に入れた。

あずきバターパン、普通のコッペパンにあんことバターが挟まっているものかと合点していたのだけれど、実際は「あずきを混ぜたコッペパンのバターサンド」で、「……あんこじゃない……」と微量にショック。ミルクパンが予想よりもいまいち美味しくなかったことにもちょっとショック。また週末にでもパン焼こうかな。

千葉 「銚子丸」にて
 季節の5カン握り
 ローストビーフ握り
 かにみそ軍艦
 穴子握り
 生ビール

今日は息子の音楽教室で、新しいカメラを持って外出。秋に海に旅行することになって、もしかしたら夏にも行けるかもしれなくて、「だったら海やプールに持って入れるデジカメが欲しいなぁ」とここ1週間ほど探していたのだった。最新のものを買う必要もないなと手頃な価格のものをあれこれ調べ、そして入手したのがPENTAX Optio WPi、色は青。ここ1年ほど愛用中のIXYと違って、やたらと撮影モードがあるのが面白い。「料理」とか「夜景」とか「キャンドルライト」とか「スポーツ」とか。

今期から息子の音楽教室の開始時間が遅くなって、終わる頃にはすっかり日も暮れている。通りかかった銚子丸の店頭に「生ビールはじめました!」のポスターが出ていて、
「あー、生ビール〜」
と足を止めてしまった。そういえばお腹も減ったねぇと寄り道して息子と2人で寿司夕飯。

いつもの「季節の5カン握り」を注文して、さっそく新しいデジカメの「料理」モードで撮影してみたのだけれど、やっぱりホワイトバランスは手動で変更しなきゃいけないのねーとか、マクロモードに切り替えなくても勝手に機械側がシャコシャコ動いてくれたりだとか、まだいまひとつ使い勝手がわからず。慣れるまでしばらく持ち歩かなきゃダメかしら。

季節の5カンはアジにイサキに甘エビ、マグロ、イクラ。あとはイロモノ系のローストビーフ握りとか、蟹の身とみそが乗ったかにみそ軍艦とか。最後は穴子をもらって終わりにした。

「ぼくねぇ、ぼくねぇ、今日はいっぱい自分で注文するよー!」
という息子は、板前さんに
「すみませぇん!かっぱまきをさび抜きでー、あと、サーモンをさび抜きでー、1個ずつ、おねがいしまぁす!」
などとせっせと注文してはしっかり食べていた。相変わらず玉子焼きも大好物で、「たまごー♪おそばー♪」と息子は今日も回転寿司を満喫しまくっていた。私の注文が軽めだったせいもあるけれど、最後に数えた皿は息子の方が私より2皿多かったのだった。

5月13日 土曜日
しゃぶしゃぶですよー
黄金配合パンケーキ
カフェオレ

料理研究家、大川雅子さんレシピのパンケーキは「黄金配合のパンケーキ」と呼ばれているらしい。あとは牛乳、卵を混ぜるだけの状態のパンケーキミックスは大川雅子さん経営のカフェで扱っていた事もあるそうだけれど、何年か前にそのレシピが雑誌に掲載されたのだった。バターミルクパウダーを使うその配合は、軽い食感でしっとりしているけれどふわふわでもあり、確かになかなか良い感じ。生地がちょっと柔らかめなので「まんまるに、綺麗に分厚く」というできあがりにはならないのだけれど、卵料理やベーコンを添えても似合うようなパンケーキに焼き上がる。今朝は久しぶりにそのパンケーキを作って焼くことにした。

薄力粉とバターミルクパウダー、ベーキングパウダー、塩と砂糖を合わせて泡立て器で空気を含ませるようにしゃかしゃかと混ぜ、そこにショートニングも混ぜてしっとりとした「パンケーキミックス」を作る。この段階で冷蔵庫に保存すれば半年くらいは保存できるそうなので、今回2倍量で作って半量を冷蔵庫に移しておいた。あとは卵と牛乳を混ぜて焼くだけ。

レシピの1単位で焼き上がったパンケーキは8枚。薄焼きなので1人3枚くらい食べてもちょうど良いところで、だんなと私が3枚ずつ、息子が2枚を平らげた。添えたのはバターとはちみつ。

だんなの実家で
 しゃぶしゃぶ♪
 菜の花の胡麻和え
 焼酎たらふく
 苺

昨夜は大変に痛飲をしてきた我が夫。終電も過ぎた時間に深夜バスで帰宅して、だから昼間はずっとぐーぐー寝まくっていた。私は私で急ぎの仕事をいただいちゃって、今日は一日パソコンとお友達。もう夕方という時間にだんなが起きてきて、「お腹空いたから、どっかで早めの夕御飯でも食べに行く?」と話していたところでお義母さんから「今日、夕飯食べにこなーい?」と電話があった。義弟夫婦が遊びに来ているそうで、よければ一緒にどうぞー、と。喜んで喜んで〜……と遊びに行ったら、今日はしゃぶしゃぶ。ばんざーい。

お義母さんとお義父さんはすごく仲良しで、今日も2人で楽しそうに台所に立ってあれやこれやと準備してくれている。私は皿を運んだり、肉を大皿に盛りつけたり。「由紀さん、これ盛りつけてねー」と渡されたいくつかの牛肉の包みのひとつには6千円ほどの値段がついていて、鼻血が出そうになった。こんなサシたっぷりのしゃぶしゃぶ肉、うちじゃ買わないというか、買えないというか。
「ろくせんえん!ろくせんえんのおにくです!」
うぉー、とか、キャー、とか、すげー、とか、我が家と義弟夫婦で盛り上がり、お義父さんは
「ん、焼酎だな。今日は焼酎でいいかな?」
と酒盛りの準備を始めている。たっぷりの牛肉に、黒豚に、ほうれん草に葱に、あとは稲庭うどん。8人でわいわいと賑やかに食卓を囲んだ。

「この稲庭うどんにね、タレとかスープとか添えないで黒胡椒だけで食べるのも旨いんだよ」
と、お義父さん。ほー、そうなんですかーと答えたら
「覚えてない?銀座で皆でしゃぶしゃぶ食べた時にそうやって出てきたじゃない」
と。だんなも横で「そうだったそうだった」と頷いている。

「銀座で皆でしゃぶしゃぶ」は、もう10年近く前のこと。私とだんなの結納前の、両家初顔合わせで行ったお店だった。仲居さんが一から十まで、肉や野菜に火を通すのも各自の皿に盛りつけるのもやってくれちゃうすごい店で、緊張しまくっていた私は「お肉がすんごく美味しかった」以外の記憶はあまり残っていない。「そうか、覚えてないのかー」とお義父さんが眉毛をハの字にして苦笑いしたので、
「ほら、あのときはそりゃもう緊張してましたから。今なら大丈夫だからもう1回連れてってください」
と冗談半分に伝えてみたり。

で、今日もすっかり酔っぱらって帰宅。10年前のあのときは、まさかお義父さんと飲み仲間のようになるとは想像していなかったわ。

5月14日 日曜日
自家製皮で餃子作って焼きました
「ミスタードーナツ」の
 D-ポップ
 ポン・デ・黒糖
アイスカフェオレ

朝御飯はドーナツ。昨日の夕方買い物に行ったついでにミスドに寄ってお買い物してきた。案外と保守的嗜好の息子はいつでもD-ポップと苺味のドーナツで、それにつられて今日は私もD-ポップ。お気に入りのポン・デシリーズから、黒糖を選んでみた。

で、今朝、思いっきり二日酔いになっていた私。喉乾いたなー焼酎美味しいなーしゃぶしゃぶも美味しいし楽しいなー……と昨日はいつになく大変な量のアルコールを飲んでいたらしく、母の日の今日、朝からどよ〜んとした気分だった。ああ、ドーナツ1個で良かった、というかドーナツじゃない方が良かった……とほんのり昨日の選択を後悔しつつ、氷どっさり入れたミルク少なめのアイスカフェオレをお代わりしつつドーナツを囓る。D-ポップは私の好きなオールドファッション系の生地のものが多くて、それが嬉しい。

ポップコーン
自家製丸パン1個
サンペレグリノ

今日は義妹が泊まりに来る予定。お義母さんお義父さんが2人でしばらく旅行に出るそうで、その間よろしくねーとお願いされた。じゃあ今日は餃子にしようかと、市販の皮と自家製皮でそれぞれ水餃子と焼き餃子を作ることにして、粉ものついでにパンも焼くことに。酒が残った午前中はどうにも動く気力が沸かなかったけれど、午後はずっと粉と戯れる1日になった。

焼いたパンはハンバーガーを作った時のと同じリッチ生地の丸パンで、レシピの倍量の材料で16個のパンを焼き上げた。朝御飯にサンドイッチにして食べようと焼いたのだけれど、焼きたての粉の香りがなんとも心地よくて、焼けたばかりのところを1人1つ。その直前に「小腹が空いたね」とポップコーンとサンペレグリノでおやつにしていたのだけれど、パンも囓って胃袋がけっこう充実してしまった。

それにしても、パン作り、楽しい。パン作りは難しいものでそう簡単にシロウトさんがこねて焼いて作れるはずはない……と頭のどこかで思っていて、だからこれまでいまいち手を出す気になれなかった。やってみたら案外と簡単で、期待を遙かに超える美味しさで、電気オーブンでもそれなりに焼ける。今のところのお手本本、『みかさんの手づくりパンのある楽しい食卓』(門間みか・主婦と生活社・2005/10)を眺めて、そのうち食パン型のも作りたいなぁとか、次はフォカッチャかなぁとか、夢と野望は膨らむ一方。コッペパン焼いてホットドッグ作るのも楽しそう。

自家製餃子(焼き&水)
真鯛の中華風サラダ
羽釜御飯
ビール・麦茶

午後一番にパンを焼いた後は強力粉と水で餃子の皮をこねこね。粉に水混ぜて馴染ませて、簡単にひとまとめにしたところで30分ほど寝かせると粉に水がしっとりと馴染んでこねやすい状態になる。で、こねてこねてひたすらこねて、伸ばして棒状にしたのを小さく切って、2カップの粉で50個ほどの餃子の皮ができあがる。あとは1個ずつ伸ばしてタネを包めばOK〜……という状態になったところで義妹が「お世話になりまーす」とやってきた。

私が粉と格闘している間にだんなが餃子のタネを用意してくれた。今日はニラ抜きにんにく抜きの白菜たっぷり餃子だ。水餃子は自家製皮のものだけを使い、焼きは市販の皮と自家製皮両方を。食卓に醤油やラー油やお酢なんかを並べ、ビール片手にもりもり食べた。今日のサラダは真鯛のお刺身の薄切りとコーンフレークを散らした中華風サラダ。ブロッコリーのスプラウトや千切りにしたにんじん、きゅうり、パプリカも混ぜてちょっと派手目のサラダにした。

もっちもっちした自家製の皮は、どちらかと言うと焼くより茹でた方が美味しく感じられるのだけれど、こんがり焼いたものも格別。全部で100個近く作った餃子はさすがに余って冷凍庫行きになったけれど、自家製皮のは全部綺麗になくなった。