食欲魔人日記 05年11月 第3週
11月14日 月曜日
ほっけほっけ、塩焼き塩焼き♪
きりたんぽおじや
冷茶

きりたんぽ鍋には、御飯を固めたきりたんぽを入れるのだから、他の鍋みたいに「シメにうどん」「シメにおじや」「シメにラーメン」といったものは本来ないはずなんである。……でも、鶏の旨味やごぼうやセリ、舞茸の風味が染みこんだスープは、御飯にとっても似合うと思う。
「……だから御飯を入れちゃうのよー」
と、今朝は起きるなり冷凍御飯を解凍し、小鍋に入れ、残ったスープをどばーっと上から注いで軽く煮込んでみた。スープにはまだまだ鶏肉やごぼうが残っていて、こうしておじやにして食べてもまだまだ残りそう。おじやに使った残りのスープはちょっと薄めて夕飯のお吸い物にでも加工することにした。

肉の脂が溶けてすっかりこってり味になったスープをたっぷり御飯に染みこませ、上からは刻み葱を盛りつける。息子は猫舌だからこの手の食べ物はちょっと苦手そうに顔をしかめながら食べている。
「……こういう朝御飯はキライですか?お父さんとお母さんは大好きなんだなぁ〜」
と聞いてみたら、
「はなまる〜!このあさごはんは、だい好き〜!」
と笑顔で返事を返してくれつつも、やっぱり顔をしかめてはふはふと食べていた。そうか、熱いか。

「MOUTOM」の
 チキンバジルサンド
 玄米入りミネストローネ
紅茶

午前中は用事を済ませにぷらっとお出かけ。郵便局行って、明日のパン買って、今日の夕飯の食材買って……とあれこれするついでにお昼御飯をどこかで買って来ようとあちこち眺めてきた。

今日買ってきたのは、いつも美味しそうで気になるのだけれどお値段も微妙にお高くて二の足を踏んでしまうMOUTOMというハム屋さんのお総菜。ピラフとパングラタンとサラダがセットになったお弁当が気になって数十秒悩んだけれど、トーストして食べるチキンバジルサンドと玄米入りミネストローネを買うことにした。家に帰ってサンドイッチをオーブンに放り込み、その間に紅茶の準備。ミネストローネは小鍋に移して温めた。

ハムやソーセージ類がメインのこのお店、それらもいかにも美味しそう(……でも安くないんだなぁ……しくしくしく……)なのだけれど、他の総菜類も手抜きのない、かなり良い感じの品ばかり。以前買ったミックスサンドはとても美味しくて、1切れ150円ほどのシフォンケーキもさりげなーく美味しい。鶏とトマトとレタスとバジルとチーズが挟まっていると思われるサンドイッチを表面にほんのり焼き色がつくまで焼いたら、パン自体もなかなか美味しいサンドイッチで嬉しかった。具沢山のミネストローネも変に気取っていない素朴な味でとても好み。

私は生のトマトはあまり好きじゃない(食べられるし、美味しいトマトは美味しいと思うけれど、トマトなら何でも美味しく食べられるというほどには好物じゃない……青臭いのはアウト)けれど、トマト味のスープは大好物。大好物のコーンスープとチャウダー系スープと並べてもミネストローネを3割以上の確率で選んでしまうだろうほどミネストローネは大好きだ。こないだ自分で作った豆入りもなかなか美味しかったけれど、玄米入りというのも美味しいわぁと思いながらもぐもぐもぐ。

チーズとサンマのコンフィwithリッツ
炒めソーセージ
豚タンスモーク入りミックスリーフサラダ
サンマのお刺身
ほっけの塩焼き
お義母さんのイクラ
かき玉汁
羽釜御飯
ビール(ギネス)

「今日は帰るぞー」とだんなから連絡があって、それじゃああれだしてこれだしてとあれこれ用意。お義母さんから貰ったサンマやほっけがあるので、それを出すことにした。お刺身用のサンマがあるのをうっかり忘れて
「今日は豚ひきとニラと春雨炒めの御飯かけだー!」
と思っていたのだけれど、それは明日に延期。

「サンマ要る?」
と言われて「はい」と答え、
「塩焼き用に頭とワタ抜いておこうか?それともお刺身用におろしとく?」
と尋ねられ即答で「さしみで!」と答える遠慮のない嫁の私。

サンマのお刺身は大好きだけれど、なにしろ身は細いは骨は細かいわでおろすのが本当に大変。身がグシャグシャになるのが目に見えてるから、もうサンマはシンプルに塩焼きにするか(めんどくさいのでワタも取らない←お義母さんは「苦いとみんな嫌がるから」とちゃんとワタを抜いてから焼く)、骨つきのまま揚げたり焼いたりと加工するかの選択肢しかない私の調理法なのだった。サンマのお刺身歓迎。大歓迎。

で、ちょっと前にいただいたほっけの一夜干しもあり、サンマと一緒にいただいたイクラもあり、全体的に魚介尽くしの夕御飯。きりたんぽ汁のスープはニラと卵を入れてかき玉汁にし、安売りしていたタンスモークはミックスリーフと一緒にサラダにした。とうに「10日間くらいなら保存できます」の保存期間を過ぎてしまったけれど、まだ微妙に残ってしまっている自家製サンマのコンフィも味見したところ全く問題なさそうだったので、それも切ってチーズやリッツと一緒に盛りつける。……と、そのへんまで献立を考えて準備をしたところで
「うぉ!酒冷えてない!」
と気がついた。

ビール冷えてない、日本酒は1本獺祭のにごりがあるけど昨日も日本酒飲んだしなぁ……チューハイやホッピーに氷入れて飲むのもありだけどー……と悩んだ末に「酒買ってきてください」と帰宅途中のだんなにメールを出した。……ら、なぜか黒ビール買って帰ってきた。ほっけやサンマにギネスって合わないんじゃないかい?ギネスが恋しくなったのはわかるけどー……なんて言いながらグラスに注いだのだけれど、これが奥さん、不思議とけっこう似合います。旨い、旨いよギネスと和食も悪くない。サラダはコンフィやチーズは元々似合う食べ物だったということもあって、思った以上にギネスが美味しくいただける夕御飯だった。途中でほんのり肉っけが足りなくなって
「こないだのソーセージ、余ってる?」
「余ってるよー」
「炒めて食べていい?」
「いいよー」
なんて、ソーセージ炒めて食べはじめてしまったのは御愛敬。

ホッケは皮の、サメにも似たゾリゾリした肌触りがけっこう好き。
最近魚屋さんでは丸のままのタラやキンメダイを良く見かけることができて、
「うひょー、いかにも深海魚っぽーい、すてきーかっこいー」
と、ホッケの皮と共に私の心をうきうきさせてくれるのだった。魚屋で萌える私はちょっと変な人でしょうか。

11月15日 火曜日
ニラ食べて、風邪退散〜!退散〜!
ベーコンチーズパン
カフェオレ

朝起きたら、声がデーモン小暮になっていた。
「あ"〜?あ"れ"?あ"れ"?ふはははは、我が輩はな〜」
地を這うような低音で声を出してしばし遊び、「あー、風邪が悪化した〜」と憂鬱な気分に。

どうも先週から治りのキレの悪い風邪をひき続けていて、「運動すれば治る〜!」とジムに行ってみたり、「滋養を多めに摂取すれば治る〜!」とステーキがっちょり食べに行ってみたりしていたのだけれど、どうにもキリッと治らない。どころか今朝は明らかに悪化してしまっていて、
「だめじゃん……全然だめじゃん……」
と、とりあえず部屋あったかくして今日はおとなしくしていることにした。

朝御飯は、昨日買ってきたベーコンチーズパン。朝ジムに向かっただんながコーヒーサーバーにたっぷりのコーヒーを満たして行ってくれたので、それをいただきながらオーブンであっためたパンを囓った。……さて、おとなしく寝ていよう。

ニラと春雨、豚肉炒めかけ御飯
かき玉汁
豚タンスモーク入りミックスリーフサラダ
麦茶

おとなしく寝て寝て、夕御飯。お母さん、ちょっと具合が悪くてねー……と息子に行ったら、なにやらパソコンに向かってぺけぺけと文章を打ちはじめた。
「メール送ったから。ファイル作ったから。見てね。ね」
とベッドににじり寄って来るので、私のメールボックスを開いたら「これ見てー!」というタイトルのメールが息子から入っていた。
本文に「ぐあいわるいひとーみてー!」とだけあり、添付に「やさい.txt」というテキストファイル。

からだのちょうしをととのえるたべもの。
レタス。
にんじん。
きゅうり。
キャベツ。
たまねぎ

と書いてあって、笑ってしまった。そうそう、そういうの摂らないといけないのよね。
「野菜は身体の調子を整えるんだよー」
「かぜも、なおる?」
「うん、治る治る」
「おなかいたいのも、なおる?」
「うん、治る治る」
なんて普段会話しているのをちゃんと覚えていたようで、「レタスとにんじんときゅうりとキャベツとたまねぎを食え」と言ってくれるのだった。

「……でも、なんか今日はニラって感じなのよね。ニラ」
と、夕飯は「これも身体の調子を整えてくれるよ」と言いながら、ニラと春雨と豚肉の炒めかけ御飯。胡麻油で豚ひき肉を炒め、多めにおろし生姜とおろしにんにくを投入して塩胡椒、オイスターソース、醤油で味をつける。最後に水で戻した春雨と刻んだニラを加えて炒め合わせればできあがり。それを御飯の上にかけて……というこのレシピは、多分ケンタロウさんの本に載っていたものだった。

あとは昨日の残りのかき玉汁と、サラダと麦茶。
「ごめーん……ちょっと、これだけ用意するのがやっとでした……」
と、息子と2人、こたつに入って夕飯を食べた。

たまたまつけてテレビでは「お笑い芸人歌がうまい王座決定戦スペシャル」とかいうのをやっていて、ちょうど長井秀和とレイザーラモンHGが対決するところだった。
「あ!長井秀和だ!」
「あ!レイザーラモンだ!」
と、2人して画面に釘付けになってしまい、
「わからないかなぁ、長井秀和の魅力が〜。かっこいいじゃん、声がいいじゃん(←けっこうツボ)」
「お母さんこそ、レイザーラモン、おもしろいのに、わからないかなー?」
「わかるよー、お母さんもレイザーラモン大好きだもん」
「あ!フォー言った、フォー!」
「おー、腰振った〜!」
と、長井秀和とレイザーラモンHGの素晴らしさについて語り合いながら甘辛味のニラと肉と春雨を。

なんでもレイザーラモンHGは「子供に見せたくない芸能人アンケート」でぶっちぎりのトップになってしまったそうだけれど、私は母親を名前で呼び捨てにするような「クレヨンしんちゃん」とかの方がよほど嫌なんだけどなぁ。フォー言いながら腰振ってるくらい、かわいいものだと思うんだけどなぁ。

11月16日 水曜日
ねぎを煮て、ねぎを乗せる
バタートースト
カップスープ(コーン)
みかん

風邪治らず、まだ不調。こう、切れ味すっきり治る風邪の特効薬はないものか……と思いながら、今朝はトーストにカップスープ、せめてものビタミン摂取にと甘い甘い福岡のみかん(←本当に甘い……幸せ……)。

咳が出てくるようになったのは回復とみてよいのかしらと困惑しながら、厚切りトーストを準備する。だんなはその間にスープカップにスープの素を入れてあれこれ用意してくれた。何も言わなくても私と息子の分はコーン(自分の分はポタージュ)を用意してくれていて、コーン好きの女子供は甘い黄色のスープを飲むのだった。

味噌煮込みきしめん 葱増量
麦茶

午前中は仕事したりメールしたり録画したDVDを見たりしつつ、昼前に
「やっぱ寝とこう……」
と食事はせずに布団に入った。そのまま息子が帰宅してその息子がジムに行って帰ってくるまでぐーぐーとどっさり昼寝。たくさん寝たおかげで楽になったような、いまいちなってないような。

「お母さん、お母さん、だいじょぶ?」
と近寄ってきた息子は、夕飯について色々提案してきてくれた。
「お母さんかぜならね、てんぐに行ってー、あったかいもの食べない?」
最初は外食の提案だった。行ってもいいけど、でもあんまりお金ないしなぁ……と渋ると、
「じゃあ、ぼく、サラダつくってあげようか?ぐるぐるするの、ぼくできるから」
と、今度はサラダスピナーをぐるぐるするジェスチャーをしている。

ああ、「野菜は身体の調子を整える」って覚えているから野菜を食べさせてあげよう、自分が作れる野菜の料理と言えばサラダだから……と色々考えて提案してくれたのだなぁと感動しつつ、
「あー……そうね、レタスがあるからサラダ作れるけど……うどん作ろうか、あったかいの」
と布団から抜け出して、手持ちの宮きしめんの味噌煮込みきしめんを引っ張り出す。八丁味噌味のだしできしめんを煮込み、鶏肉とにんじんと大根も一緒に煮込み、
「煮た葱と生の葱と両方食べたい……」
と、煮込んだ葱の他に刻んだ葱もトッピングしてみた。

明日はボージョレ・ヌーボー解禁日。
「買ってくるからねー、その日は早く帰ってくるから」
とだんなが言ってくれているし、とっとと風邪治さなきゃ。明日はワイン。

11月17日 木曜日
解禁日!
チーズトースト
カフェオレ
みかん

今日は11月の第3木曜日で、ボージョレヌーボーの解禁日。「今年もそんなお祭りの季節かー」とぼんやり思っていたのだけれど(←わざわざ買いに行くほどの情熱はない私……)、だんなが
「通勤途中にワイン屋あるし、買って帰るよ?それ口実に早く帰る予定だし」
と言ってくれた。わーいわーい酒だ酒だと、風邪のことは忘れることにした。もうすっかり全快というわけじゃないけれど、病人気分でだらだらしていても気が滅入るだけだったので、体調の悪さは忘れる方向で。

朝御飯は、昨日に引き続き「アンデルセン」の長期熟成食パンを厚切りにして、今日はチーズトーストに。
「チーズトーストが食べたいので作ろうと思いますが、君たちは普通のトーストの方が良いですかー?」
と聞いてみたら夫も息子も「チーズの〜」と同じものを所望してくれたので、ピザ用チーズをみっちり敷き詰めたチーズトーストを家族分作った。

チーズトーストやピザトーストは、四角く薄く成形されたとろけるチーズよりも、シュレッドタイプのチーズを使う方が好み。あの薄いやつはサイズが微妙に小さくて、厚さも微妙に物足りなくて、つい2枚重ねとかしたくなっちゃう。

コロッケサンド
クノール スープパスタ(なすのアラビアータ)
アイスティー

ボージョレヌーボーと聞いて、
「じゃあ夕飯はやっぱ肉……鴨とか食べたいなぁ……いっそ鴨鍋なんか似合うかも……?」
なんて考えていたのだけれど、朝御飯を食べながらだんなが言うことには、
「ミートソースしよ、ミートソース!鍋いっぱい!」
だそうで。

確かにミートソースは赤ワイン使って作るし、軽い赤ワインに良く似合う食べ物なのでそれも良いかと、夕飯のメインディッシュはミートソースに決定。買い置きのブロッコリーをサラダにしようかなと、「ブロッコリーと海老のタルタルサラダ」(←総菜屋さんR1/Fの商品の真似)をしようかと。
「ほいじゃー、挽き肉と、海老と……あと適当にお買い物してくるかね」
と午前中遅めの時間、2日ぶりに家を出てお買い物に行ってきた。

最初にパン屋さんで明日の朝用のクリームパンを3個買い、美味しそうなバゲットが1本160円だったのでそれも買い、ついでに200円くらいだったコロッケサンドもお昼御飯用に1個購入。食パンにサンドされた2切れのコロッケサンドを手にして
「……なんかスープみたいなのも食べたい……」
と、スーパーで肉や魚や牛乳を買うついでにクノール社のスープパスタ「なすのアラビアータ」なるものを買ってきてみた。ここ数年、すごく具沢山な感じのインスタントスープがあれこれ出てきていて一度買ってみたいと密かに思っていた。朝御飯などに気軽に出すにはお値段が若干お高いし、夕飯に出すのも何だかなぁ(ちょっと空しい)という感じで一度も買ったことがなかった。ほうれん草クリームのなんちゃらとかざくざく野菜のなんちゃらと色々な種類があったのだけれど、とりあえず今回は「なすのアラビアータ」で。お湯を注いで15秒ほどぐるぐるかき混ぜ、3分放置してできあがり、だそうだ。

お昼になって、とりあえずそのスープパスタの用意をしつつ、アイスティーを淹れてコロッケサンドを皿に盛りつける。ごろんとでっかいコロッケが挟まったサンドイッチは、コロッケに負けないほどのボリュームの刻みキャベツがどっさりと挟まっていて、ソースと共に少量のマヨネーズも添えられている。

このパン屋さん、以前は何のお店が入っていたか思い出せもしないバス道路沿いの小さな一角のテナントとして入ったお店で、場所もそれほど目立たないのでどうなることかと思っていたのだけれど、もうオープンして1周年くらいになる。甘さ控えめのクリームパンがなかなか美味しくて、サンドイッチ類も具沢山野菜たっぷりでしかもお安く、いつもの買い物エリアからはほんのり離れているのだけれど、時々自転車漕いでクリームパンを買いに行っているのだった。今日かったフランスパンも、表面バリッ中はふわふわの粉の香りがする十二分に美味しいものだった。今度はフランスパンもここに買いに来ることにしよう。

……で、3分待ってできあがった「なすのアラビアータ」。フリーズドライの茄子がちゃんと茄子になっていて驚きだった。とろみのあるスープもそれっぽく、最初は物足りない大きさだったフジッリ(ねじりパスタ)が数分かけて食べているうちにもこもこと巨大化していったのに衝撃を受けつつ、「あ、けっこう旨いかも」と思いながらもぐもぐもぐ。近年のインスタント食品の発達技術に小さな衝撃を感じつつ昼食を済ませた。

チーズ盛り合わせ ガーリックトースト
ブロッコリーと海老のタルタルサラダ
ミートソーススパゲティ
ワイン (Beaujolais-Villages Nouveau Chateau de Chenas)

洋梨
リモンチェロ

予告どおり早めの帰宅だっただんな、手には2本のボージョレヌーボー。
「ジョルジュ・デュブッフのやつ試飲したんだけど、あんまり旨いと思えなくて。で、こっちがいいかなーって、けっこう高かったけど買ってきちゃった〜」
と、手にしていたのはシャトー・シェナのボージョレヌーボーと、もう1本、そのワイン屋オリジナルのボージョレヌーボー。ボージョレヌーボーと言えば華やかなラベルのイメージがあるのだけれど、他のフランスワインと変わらない渋いラベルのワイン。でも中身は葡萄の味がそのまま残っているような軽やかないかにもなものだった。くっぴくっぴ飲んでしまって、だんなと2人、軽やかに1本飲み切った。

他のパスタソースはともかく、ミートソースはなぜか中華鍋で作られている我が家。玉ねぎや挽肉をじっくり炒める工程が中華鍋だとやりやすいということで、今日も玉ねぎと牛ひき肉を中華鍋でざっくざっくと炒め、買い置きの赤ワインをじょぼじょぼじょ〜と注いでアルコール分をとばしつつ煮詰め、ちゃんと酸味が飛んだところでホール缶のトマトを手でぎゅうぎゅう潰しつつ鍋に加える。リクエスト通り、大変な量のミートソースができあがった。テーブルにパルミジャーノ・レッジャーノとおろし金をちゃんと置いて、サラダの用意も。

「茹でた海老とブロッコリーをゆで卵とマヨネーズで和えただけ」のような感じの「ブロッコリーと海老のタルタルサラダ」、今日はマヨネーズを自作してみましょうと、卵と白ワインビネガー、オリーブ油、粒マスタード、塩胡椒、おろしにんにくを使って作ってみた。買ってきたフランスパンは薄切りにしてバター塗ってトーストして、ガーリックパウダーをぱらぱらっとかけてガーリックトーストに。手持ちのチーズを適当にプレートに並べ、ワインにそれなりに似合うようにそれっぽい夕御飯にした。

ワイン抱えて早く帰ってきてくれただんな、どうも私の風邪が伝染ってしまったようで
「喉痛い……ちょっとだるい……」
となんだかつらそう。ワイン飲むだけ飲んでそのまま息子と一緒にベッドに直行してしまったので、私は一人のんびり食事の後かたづけしたり、一人で長めに入浴したり。なんだか飲みたりないと、一人でリモンチェロ(こんなの)引っ張り出してロックにして、いただきものの洋梨剥いて一人食後酒に突入した。果物とリモンチェロはお似合い。アルコール度数が40度くらいあるお酒で、冷凍庫でガチガチに冷やして飲む(←凍らない)のが一般的らしいけれど、冷凍庫に余裕がないので今は常温に置かれている。ロックで飲んでも美味しいわー、ちょと強いけど美味しいわー。今日は酒飲みな夜。

11月18日 金曜日
風邪ひきの昼御飯じゃあない……
「かのん」のクリームパン
カフェオレ

「私ねぇ、なんかものすっごくクリームパンが恋しいんだけど。買ってきていいですかいいですか?……意義なき時は沈黙をもって答えよ」
「意義あーり」
「えええ〜?」
「え、いや、"意義なきときは沈黙をもって"って言われたら、とりあえず山田康雄の声で"異議あり"って……」
「いいから、ルパン三世の真似しなくていいから」
「いや、おゆきさんが最初に真似したんだし」

と、毎日このようにくだらない会話をしているわけなのだけれども、とりあえず沈黙をもって異議なしということで昨日クリームパンを買ってきたのだった。ルパン三世がとりわけ大好きというわけでも、宮崎駿の猛烈なファンというわけでもないのだけれど、でもどういうわけかだんなも私も「カリオストロの城」が大好き。めちゃめちゃ好き。ストーリー展開の素晴らしさも画面の美しさも世にもかっこいい峰不二子(あんなに活躍するお役立ちの峰不二子は他で見たことがない……)も、とにかく全体的にツボなのだった。なにしろ、ここまで台詞のほとんど全てを覚えてしまっているものは他にない。「聞ぃ〜ちゃった聞ぃちゃった、お宝目当ての結婚式ぃ!偽札作りの伯爵の、言うことやること全て嘘〜♪」あたりの口上も全部覚えている。ああ、なんて無駄メモリ。

そんなだから、「意義なき時は沈黙をもって」と口にしたが最後
「あー、銭形のとっつぁんがね、"大変だぁ、これは偽札だぁ!"って」
「そうそう不二子ちゃんがカメラ持って追いかけてね」
「奴はとんでもないものを盗んでいきました、あなたの心です」
「"はい……!"ってね」
「"はい"じゃないだろう、クラリス」
「そこが良いんじゃないかクラリス」
と話は広がり、結局最後は「クラリスは可憐でイイ!」という方向で話が収束するのが常だった。そんなに好きですかクラリス。「おじさま!」の一声で御飯3膳くらいいけるほど好みですかクラリス。声優の島本須美さん萌えの夫は、クラリスが至高のキャラクターなのであるらしい。

と、そんな会話をするほど昨日は元気だったのに、今朝起きてみるとヨレヨレのダメダメな我が夫。風邪がすっかり悪化してしまったようで、私の具合が良くなっていくのと反比例するように体調不良になってしまっている。せっかく買ったクリームパンも「半分でいい……」と、こってりどっしりカスタードクリームが美味しいクリームパンを半分だけぽそぽそと食べてベッドに戻ってしまった。だんなの残したクリームパンは、息子と私で半分こ。こんなに美味しいのになー、だんな、残念。

「王将」にて
 Aランチ 2×\735
 餃子(金曜特売) 3×\160
……を、だんなともぐもぐ。

……と、そんな容態で朝御飯もろくに食べられなかったくせに、病院行って帰ってきただんなは
「おゆきさん、提案があります。王将で餃子喰いたい」
とか言っているのだった。はぁ?体調不良なのにお出かけ?わざわざ電車乗って最寄りの王将にまで?と唖然としていたら、
「まぁ聞け。最後まで聞け。それでだな、帰りに白菜と豚肉買ってきて、今夜は豚味噌鍋にするのだ!」
とふんぞり返っている。いや、白菜と豚肉だったら、私が行ってフツ〜に買ってくるし……と思ったのだけれど、だんなの迫力に気圧されたのか、つい
「ん……いいよー、うん」
と頷いてしまった。そんなわけで、「帰りに白菜と豚肉買ってくる」を口実に、餃子の王将を目指してしまった。今日は金曜日で、6個210円の餃子が50円引きの160円になっている。

「あー、私これにしよ、Aランチ」
「……それいいなぁ、俺もそれ。あと餃子頼もう。……3皿くらい?」
「……喰えるかなぁ……うん、まぁ、3皿で」
と注文したAランチ。私は「小ぶりのチャーハンに半ラーメンのセット」くらいのつもりでいたのだけれど、
チャーハン・鶏肉の油淋ソースがけ・ミニラーメン(王将or東京)
がセットになって735円のそのランチはばっちり普通のサイズのチャーハンがセットになったものだった。普通のサイズのチャーハンと、3切れの甘酢がけ鶏の唐揚げ、そしてこればかりはちゃんとミニサイズだったラーメン。そして3皿分18個の餃子。病人が食べるような分量のものじゃなかった。

白濁するスープのラーメンに、卵と葱とチャーシューのシンプルなチャーハン、ケミカルな味のタレがかかる揚げ鶏に、焼きたての香ばしい餃子。だんなの青春時代の一角を担っている味なのであるらしい。私は初めてこのチェーンに足を踏み入れたのがほんの数ヶ月前だったりするので懐かしいもなにもないのだけれど、毎度「安くてすごいなぁ……」と思っちゃうのだった。この定食こそ735円だけれど、でも餃子3皿つけて1人1000円いくかいかないかくらいだというのはなかなかすごい。

でもさすがにボリュームのあるランチに餃子3皿はヘビィで、
「……う……ちょっと多いかもー」
「チャーハンなら手伝うよー」
「じゃあ、レンゲ2杯分手伝ってくれる?」
と病人にチャーハン押しつけつつ(更に餃子1個も押しつけつつ)、大変にボリュームのある中華ランチを平らげた。しっかり栄養取って休息して回復しようっていう、だんなの本能が求めたランチだったのでしょうか。ああ、お腹いっぱいだよー。

豚味噌鍋(豚バラ肉・白菜・長葱・うどん)
ブロッコリーと海老のタルタルサラダ
中華風春雨サラダ
ビール(モルツ)

そういうわけで、今日の夕飯は今シーズン初の豚味噌鍋(レシピはこちら)。美味しい酒粕が出てくるシーズンになると作り始める練り味噌はちょっと手間だけれど、この練り味噌さえできてしまえばあとは白菜と葱と豚肉(と好みの野菜あれこれ)を用意するだけで出来るお手軽美味しい鍋料理。もう長らく食卓にのぼり続けている「我が家の味」のひとつだ。我が家が編み出した料理でもなんでもなく、その昔に河出書房から出ていた料理ムック本に載っていた、「とらたつま」という新宿の割烹料理屋さんの名物鍋のレシピなのだけれど、もう5年以上も我が家で親しまれて続けている鍋料理なのだった。酒粕もどっさり入っているし、白菜も大量摂取できるし、あったかいし、多分風邪には良い……はず。

今日はさすがに酒を控えめにと、だんなにはグラス1杯のビール、私はその残りのロング缶の分と自分の分のロング缶でたっぷりのビールを抱えて、野菜と肉をつつきまくった。仙台味噌をベースにはしているけれど、酒粕も練り胡麻もおろし生姜もおろしにんにくも醤油も酒も入る練り味噌なので、普通の味噌を想定した量の倍くらいの分量を湯に溶きつつスープにする。薄い(できればしゃぶしゃぶ用の)豚バラ肉と白菜をどかどか入れて食べると、箸が止まらなくなる美味しさなのだった。元のレシピに書いてあったことを遵守してたいてい豚肉と白菜をメインにしているけれど、でもきのこなんかもすごく似合うと思う。

いつも良く食べる息子は、今日はまた輪をかけてえらいこと食べていて、うどんはおそらく1玉以上平らげた。よっく食べるなぁ……と思っていたのだけれど、食後に
「あのねぇ今日ねぇ、いかめし出たの。……ぼく、それ、苦手で、食べられなかった……」
とすごく悔しそうにカミングアウトしてきた。

御飯が詰まったイカが、なんとも苦手だったのだそうだ。ちゃんと食べきった人もいたけれど息子はどうにも食べきれなくて、「初めて給食残しちゃった」敗北感と同時に「初めて給食のお代わりができなかった(息子のクラスの約束では「お代わりは、最初にもらったものを全部食べてからする」となっているのだとか)」屈辱も味わうことになっちゃったらしい。

「あのね、スープがね、ラーメンみたいなおそばの入ったスープだったの。すごく美味しかったのにー、おかわりできなかった!」
とそれはそれは悔しそうで、だからお腹も空いちゃったのか夕飯はとにかくえらいこと食べた。食欲がいまいちなさそうで、いつもの5割ほどの分量しか食べずに「ごちそうさまー」とだんなが去っちゃったにも関わらず、
「お肉!まだあるね?食べるよ食べるよ〜」
と、せっせと肉をさらって食べていた。そして600g買ってきた肉は綺麗に消え去ったのだった。息子、すごい。

11月19日 土曜日
蟹がキター!
味噌うどん
麦茶

昨日の鍋のスープの残りやら具の残りやらが色々あるので今朝は味噌おじや……と思いきや、冷凍庫に冷凍御飯がほとんどない。御飯を炊いて炊きたてのところを入れるのも何だかなぁという気がするし、ならばうどんで良いやと鍋に冷凍うどんを3玉入れた。

「うどん?うどん?ぼくねぇ、冷たいうどんがいいなぁ〜」
と近寄ってきた息子は、
「あ、ごめん、この鍋の残りにうどん入れるんだよ、だからあったかいうどんになるよ」
と私の声を聞いたところで
「それならいいよ〜ん♪」
と踊りながら去っていった。

これまで、「息子は豚味噌鍋を、嫌いではないが、それほど好きでもないのではないか」と勝手に思っていたのだけれど、実のところ、あの味がめちゃめちゃ大好きだったのであるらしい。
「ピェンローよりすき。すきやきより、すき」
と告白されて、「そんなに豚味噌鍋、好きだったのかー」と朝から私は驚いている。

で、できあがったうどんに刻み万能葱をピャーッと散らして、心おもむくまま七味唐辛子もばさばさっと振り入れ、「今日は、さぶいね、めっちゃさむいよ」とか言いながらあったかいうどんを平らげた。やっぱりこの味噌鍋の味の秘密は酒粕だ。身体ぽかぽか。

「モスバーガー」で
 ブロッコリーとポテトのスープ セット \760
 (スティックデニッシュ・アイスティー)

昨日に引き続きだんなは風邪で体調不良のようだし、私は私で昨夜と今朝に急ぎの仕事がドカーンドカーンと降ってきたので泣きながらお仕事。昨日の深夜とか今朝とかに依頼を寄越しておいて「日曜の午前中までにお願いします♪」とか「月曜にはできあがっていたいのでよろしく♪」というのはちょっとあんまりだ……と思いつつ、それがなんで3件も4件もあるんでしょうか神様。しかも昨夜突然降って沸いた仕事上の大きなトラブルもあって、その対応に午前中は丸つぶれ。午後になってようやっと本来の仕事ができることになって、今日は10時間くらい作業し続ける羽目になった。

「まだダメ〜、全然ダメ〜」
とシオシオになりながら作業していたら、だんなが
「じゃあ買い物ついでに美味しいもの食べてくる?……なんだろ、美味しいものって」
となぐさめの提案をしてくれた。美味しいもの、美味しいもの、近所で美味しいもの……と考えている脇で、
「モスバーガー!」

と跳ねている人がいる。

「ん〜、こないだ行けなかったから、カレー屋さん?」
「モスバーガー!」
「そうねぇ……」
「モスバーガー!モスバーガーがいいなぁ!」
「あとどっか、あるかなぁ……」
「モスバーガー!モスバーガー!モスバーガー!」

結局、私とだんなが二言三言会話する間に「モスバーガー!」を10回以上連呼されて、それに根負けしてしまった。チーズバーガーとかストロベリーシェイクとか、フライドポテトとか、そのあたり諸々が息子の心をモスバーガーに引きつけてやまないのであるらしい。

今日はスープが恋しい気分だったので、「ブロッコリーとポテトのスープ」。先日、我が家の良く行くモスバーガーが「緑モス」(メニューが多く、食器が基本的に陶器やガラス製、喫煙席と禁煙席がきっぱり分かれている……とかいう特徴があるらしい)に進化して、サラダメニューやスープメニューが増えた。気になっていたスープ類からひとつ、「ブロッコリーとポテトのスープ」を選択して、セットメニューで飲み物とスティックデニッシュをつけてもらう。ファーストフードじゃないメニューのような内容で、陶器の大皿に陶器のボウルが乗せられ、大皿には層状になったパイ生地状の細長いスティック状のパン。外見もファーストフードっぽくなかった。

ブロッコリーの緑色が美しいポタージュスープには野菜がごろごろ。密かにコーンや豆も入っていた。
さー、美味しいもの食べられたし、仕事しよ……。

ずわい蟹 with 三杯酢
蟹味噌
ウィンナー入りバターコーン
いくら
豆腐とわかめの味噌汁
羽釜御飯
日本酒(獺祭 発泡にごり酒)

夕飯は、蟹!!!今日の午前中に届いた、蟹!

義弟の結婚式の引き出物にもらってきたカタログギフト。
「自らお金出して買わないものってことで……防災用のラジオとかどうよ?」
「それよりも、これでしょー。クレープメーカー!」
「そんなもの買ってどーするの!?んなにクレープばっか焼くのっ!?」
「焼くよー、あれば焼くよー」
だんなと2人、喧々囂々話し合い、結局「食べ物にしよう」という結論で落ち着いた。肉とか缶詰とか調味料とか色々あったのだけれど、注目したのは「蟹」。分厚いカタログには蟹商品が5〜6種類あって、その中から1つに絞るのもまたなかなか大変だった。選んだのは、ずわい蟹の足だけのンkgセット。それが今日、やってきた。

半日かけてじくじく溶かし、一緒に箱の中に入ってきた蟹酢を添えつつ食べる。小さな容器に蟹味噌も詰まっていたので、それを舐めながら日本酒も舐める。獺祭(だっさい)のにごり酒を開け、テーブルにはペティナイフやキッチンばさみ、蟹フォークなどをずらりと並べ、蟹を食べては酒を飲み、味噌を舐めては酒を飲みと、だらだらしつつもエキサイティングな夕御飯を堪能した。風邪だったはずのだんなも元気に、
「こっちおゆきさんの取り分?じゃあこっちが俺ね」
と蟹の足の本数をきっちり等分しながらバリバリと殻を手で砕いている。

大人ばかりが嬉しい料理を食卓に並べても……ということで、蟹に対抗(?)して、息子用にはウィンナー入りのバターコーンを。淡々とバターコーンをつつき、いくらを乗せた御飯を食べる息子を前に
「見て見て見てよ!ズルーッととれたよー!身が!」とか「うひょー、口いっぱいに!蟹の身が!口中に!」と、大人たちは妙にエキサイトしまくっていた。身がみっちり詰まった蟹食べるなんて、本当に久しぶりで、もー。

……そして今日も日本酒4合を空にしてしまったのだった。ああ、仕事はまだ残っているのに……。

11月20日 日曜日
大勢でいろーんなパスタを食べてきました(なんだかデジカメ不調です……)
チリドッグもどき
カフェオレ

今日はだんなも私もお出かけ。だんなは筋肉イベントに行くことが以前から決まっていて、「それじゃあ私たちもどっか行っちゃおう」と、私と息子は筑波で友人たちとランチ会の予定を入れた。だんなの出発に合わせて、朝7時に目覚ましをかける。

朝御飯は、先日作ったミートソースを使ってチリドッグもどき。ドッグパンにこんがり焼いたソーセージを挟み、たっぷりのミートソースをかけてカイエンヌペッパーをぱらぱらっと。とろけるチーズもトッピングして、オーブンでチーズが溶けるまで焼けばできあがり〜。

本来のチリドッグは、もっとトマトやピーマンの入ったお肉少なめのものだったり、キドニービーンズがたっぷり入っているようなものだったりするのだけれど、我が家のチリドッグはたいていこの自家製ミートソースを使っている。ソーセージで肉肉していて、とっても旨い〜。

つくば 「クァトロ・アネッリ」にて
 おすすめ昼食コース \1650
 葉野菜たっぷりサラダ \200

で、訪れたツクバシティ。行きは常磐線経由で行ったのだけれど、息子に
「ねぇね、つくばエクスプレスはなんで乗らないの?」
と世にも悲しそうな声で突っ込みが入ってしまったので、帰りはつくばエクスプレスに乗って帰宅する約束をした。

友人Mさん御一家とMさんの妹さん、そしてTさんと一緒に向かったのは緑豊かな公園近くの「クァトロ アネッリ」というイタリア料理屋さん。美味しいのよ、ボリュームたっぷりでお得なのよ、いつか一緒に行きましょうね〜……とお誘いいただいているうちに、なんと近々閉店予定であることがわかり、閉店前に一度は行きましょうということになったのだった。楽しみにしていたレストラン詣でが「閉店記念」みたいになっちゃったのはとても残念。料理もすごく美味しかっただけに、それもとても残念だった。この分量で2000円のランチだなんて、東京近郊じゃ考えられないお得な内容だ。

おすすめの1650円ランチコースは、日替わりの前菜(今日は魚のカルパッチョ)か葉野菜のサラダを選択し、何種類もの中から選べるパスタが1品、日替わりの肉料理か魚料理、ドルチェ3種の盛り合わせに食後のコーヒー紅茶もついてくる。サラダは追加料金200円でもつけられるということで、前菜にパスタにメインにドルチェに、更にサラダもつけて……と大変に豪勢な内容になった。

取り皿を出してもらって、メインディッシュは魚と肉を半分ずつ、パスタも日替わりの4種の他に1皿追加で足してもらい、
「このトマトソースのはみんな取りました〜?」
「あ、これ1皿しかないから、こっちでさっさと取って向こうに渡そうね」
と、やいやい賑やかにやりながらいろんな味を楽しんだ。なんだかとってもお得な気分。

メインディッシュは舞茸のフリットやブロッコリー、いんげん、じゃがいもなどが添えられた見た目も綺麗な手の込んだもので、鶏肉のディアボラ風と白身魚(スズキ?)のグリル。ランチコースの一品としては充分すぎるほどにボリュームのあるメインディッシュで、それなのにパスタも1皿100gの乾麺を使っているそうで、これまたかなりのボリューム。食いしん坊にはとても嬉しいボリュームたっぷりのコースだった。

あれこれいただいたパスタは、茄子とベーコンのトマトソース、きのこベースのクリームソース、ツナときのこのオイルベース(このオイルが、オリーブ油じゃなくバターを使ったこっくり味)、生クリームのトロリとした口当たりがすばらしいトマトクリームソース、そして息子が「いちばんこれがおいしい!」と絶賛していたゴルゴンゾーラチーズのソース。塩加減も火の通し具合もばっちりで、みなさん本当によく食べた。

忘れられないのがサラダのドレッシングで、ほのかに甘く酸味もほどよく、練り胡麻の香りがただよう洋風なのにちょっと和風な感じのもの。ここでその作り方を紹介していただいているので、今度ぜひ作ってみなければ。ほうれん草が入っているから、クリーミーな色合いに緑が混ざるとても綺麗な色のドレッシングだった。

たっぷりの食事のお供は、ボージョレ・ヌーボー。ワイン持ち込み可(持ち込み料なし!)なんですよと聞いて、
「じゃあ、何か持ってって飲もうか」
「この季節だったらボージョレヌーボーじゃん?」
と相談の末、Mさんがタイユバン・ロブションのを買ってきてくれた。ヌーボーにしてはちょっと重めの、フルーティーだけどずっしりとしたワインは杯を重ねるごとに美味しくなる感じ。

ドルチェはコーヒー風味のパンナコッタ、レモンのジェラート、パイナップル。みんなでこれでもかと腹一杯になって、
「我が家でお茶しません?ワッフルを焼くわ〜」
とのTさんのお申し出に
「いや、ワッフルは無理〜」
「む〜り〜……」
と苦笑いしながらぞろぞろと皆でT邸にお邪魔してきた。

Tさん家で
 ワッフル・洋梨
 ジャスミンティー

Tさんのお宅にお邪魔するのはこれが二度目。ガラス器でジャスミンティーいただいて、
「ここで食べるのは無理だろうから……持って帰って?生地いっぱい作ったから」
と、買ったばかりのワッフルメーカーでせっせとワッフル焼いてくれるTさん。そして焼き上がるそばから「おいしい〜」と次々食べていく我が息子。おかしいなぁ、焼いても焼いても焼き上がらない……と困惑しながら、結局Tさんは12枚くらいのワッフルをひたすら焼き続けてくれたのだった。1枚は食べきれないねと、大人たちも焼きたてのワッフルをちょこちょこつまんでいただいちゃったりして。

串揚げ(玉葱・エリンギと豚肉のチーズ巻き)
御飯
麦茶

すっかり長居してしまって、おいとましたのは5時を過ぎてから。
「いかーん、まだお腹いっぱいだー」
「夕飯はいらないねぇ……」
などと大人連中は会話して、「でも子供はそうもいかないわよね」と子供たちに食べさせる総菜を求めて駅前のデパートへ。我が家は息子の
「あ、これがいい!」
のリクエストに応えて、串揚げ屋さんでうずらウィンナーフライとかポテトフライを買うことにした。私もほんの数串欲しいなと玉葱フライとかエリンギと豚肉のチーズ巻きフライとか。

想像以上にバビューンとかっとばす「つくばエクスプレス」に初めて乗り込み、秋葉原までは行かずに武蔵野線に乗り込んで我が家を目指すとほんの1時間ちょっとで最寄り駅に帰ってくることができた。
「つくばエクスプレス、たのしかったー。赤ちゃんと遊べて、たのしかったー」
と、Mさん家のお嬢さんと遊べたのが楽しかったらしく、ご機嫌なまま息子は串揚げと昨夜の残りの味噌汁とふりかけ御飯をもぐもぐと。私も少しだけお相伴して3口分ほどの御飯と2本の串揚げをいただいた。