そぼろ御飯
チョコクロワッサン
おーいお茶
午前8時。休みにしては早々に起きてまたペケペケと昨日の作業を続けている私である。だんなも起き出し、洗濯機を回してくれたりなどしていたが、
「おゆきさーーーん。朝御飯どうしよう。おなかすいちゃったよ。」
と言ってくる。うーーーーん。今、まだちょっと忙しいのよ。なるべく早めにFAX送りたいし……と私は一人パソコン前から動けない。だんなが近場のコンビニに食事を仕入れに行ってくれた。……すみません。
で、私の分はそぼろ御飯とチョコクロワッサン。なんだか凄い取り合わせだが、どちらも私の好物である。だんな用にはおいなりさん3個セットと焼きそばペヤング。息子用には胡麻だれの混ぜるだけの冷やし中華。それとお茶のペットボトルとはちみつレモンのミニペット。統一性があるんだかないんだかわからない。ていうか全然ない。食卓の光景はめちゃめちゃだ。
ま、いいか。とそぼろ御飯にとりかかる。小さめのプラスチックケースが半分に仕切られて、半分は白い御飯に甘辛いそぼろと紅生姜、もう一方には茶飯と炒り卵に枝豆が乗っている。これがなかなか、コンビニ弁当にしては悪くなくて私は好きだったりする。
板チョコ状のチョコが入った好物のチョコクロワッサンは1/3ほど息子に奪われ、そうして私は作業を続ける。
よっしゃできたぞ!今日は義父の61歳の誕生日なのでだんなの実家におでかけするのだ。いざいざいざ。
サービスターリ
なんでもだんなの実家がある千葉の稲毛には、どえりゃあカレー屋があるらしいんである。
その名も「カレーレストラン シバ」。
2000年7月号の『dancyu』、「熱いぜ!カレー」特集にてアジャンタ、デリー、ナイルレストランといった強豪を押しのけて、ぱんぱかぱーんと「キングオブインドカレー」の銀賞に輝いたこの店。だんなは十数年もその地に住んでいながらこの店の存在を知らなかったらしい。
「そんな店あったの?」
「知らない知らない、全然知らない。」
「気になる気になる、旨そうだ旨そうだ。」
「実家に行くまえに行くべし行くべし。」
と勇み向かった「シバ」。稲毛駅から降りて徒歩1分、ちょっとした裏通りに面したところにその店はあった。「シバ」の看板はあるが、なんとなく雰囲気は「カレーもやってる喫茶店」風。だけれども午後1時に客席は満員、外で待っている人も2人いる。
名物は「サービスターリ」というものらしい。なんでも凄い一皿らしい。私はこれを注文、だんなは「チキンカリーとベジタブルカリーの組合せカリー」なるものを注文。息子にはラッシーを。
さて、やってきたのは大きな銀盆。サフランライスが盛られた奥には小さな椀が3つ。1つには「ほうれん草のサグ」なる真緑色の煮込みもの、1つには「ベジタブルカレー」、1つには4種のうちから1つ選んだ「ベンガルチキンカリー」が入っている。御飯の横にはピクルスが。そして更に独特な香りがする黄色いスープもついてきた。お上品に食べるなら、これらをちまちま御飯につけたりそのまま食べたりしながら食すべきである。
が、それはここではタブーらしい。
各テーブルには小さな説明書きの紙が紙ナプキンケースに添えられている。
曰く、
「サービスターリはとにかく全部混ぜてください。」
とある。そう、サグもカレーもスープも、全部をガバッと御飯の上にかけて、ひたすらかき混ぜる。かき混ぜたら、食べる。インド版ビビンバとも言える料理がこの「サービスターリ」なのであった。へ、へんなの。
とりあえず、それぞれ1口ずつ食べてみる。スパイシーな青汁と言った風情のサグ、優しい甘味の、でもピリリとするベジタブルカレー。「甘口」と記されていたベンガルチキンカリーはクローブが香る、これまた良く煮込まれた鶏肉がドカドカと入っている。ううむ、1種類ずつ食べても旨いんですが。でも混ぜろと言いますか。そうですか。混ぜますです。うりゃうりゃうりゃうりゃ。
かくして盆上には具も汁も渾然一体となった、なにやら緑色のような茶色のような赤いような黄色のような、要するに良くわからないごちゃ混ぜ御飯が私の前に展開することになる。うえぇぇぇ、何だか凄い。でも……旨いじゃないか。混ぜちゃうなら、そういうようにスパイスを調合でもすれば同じ味になりそうなものだけど、4種合わせた御飯は4種合わせただけの複雑な味にちゃんとなっているのであった。やや青臭いサグの香りも、野菜の旨味たっぷりのカレーの味も、スパイシーな鶏肉も、それぞれきっちりその味を保ったままにぐちゃぐちゃになっている。要するに、やっぱりビビンバの旨さに通ずる複雑なる美味がそこに存在しているのであった。うーん、深いぜインド料理。
そして、これにはチャイがついてくる。今の季節はアイスにて供される。
銀盆とお揃いの、ステンレスのカップに入ったチャイはミルク感たっぷりで濃厚。キリリと冷えていてこれがまたたまらない。
だんなの地元で、思わぬ名店を知ることになってしまった。今度から、だんなの実家を訪れる時にはここに寄るのが定番になりそうだ。
枝豆
茹でいんげん・カマンベールチーズ
卵豆腐
フライドポテト
刺身盛り合わせ・ウニ・帆立
お義母さん特製お赤飯
ビールたっぷり
だんなの実家にて、お義父さんのお誕生日会。私たちは銀座の「ビゴの店」のケーキを持っていき、義妹もシュークリームの箱を抱えて大学から急ぎ帰宅し、ついでに義弟も仕事先から新幹線に乗って帰ってきた。嬉しそうなお義父さんを前に、宴会。
山のような枝豆をつまみつつ息子の面倒をみつつビールを飲む。結局主にやってるのはビールを飲んでいるということになっている私。
たっぷりの酒の肴をたいらげて、それでも最後にお義母さん手製の赤飯をたらふく食べてしまう
。私、赤飯がそりゃもう大好物。餅米料理の中では、いや御飯料理の中で一番好きかもしれないお赤飯。デパートのおこわ屋などでも、山菜おこわや栗御飯を押しのけて、いつも買いたくなってしまうのが赤飯なのだ。義弟も赤飯が大好物なのだと聞いている。従って、私と義弟の相乗効果なのか何なのか、だんなの実家やだんなの祖母宅に行くと大抵いつもお赤飯が出てくる。嬉しいことだ。
圧力釜で、わーっと炊いたらしい赤飯は色艶綺麗でたっぷりの小豆も美味しかった。ちょっと柔らかめでもちもちねちねちした赤飯、ううう、たまらなく美味しいです。シアワセです。
目の前で義妹もニコニコと料理を食べている。
その義妹が、ニコニコしながらこう言うのだ。
「おねえのホームページ、見たよー。日記も読んだ。もう、講義のたんびに笑い堪えながら読んでるの。もう講義の時の習慣だねっ!」
とのこと。何でも大学のある講義の課題に「何でもいいからホームページ見て、それについてレポートしなさい。サイトの管理者にその許可をちゃんと取ること!」というのがあったとかで、「おねえのページ、使っていい?」と言われて快くOKした記憶がある。一体こんな個人のサイトで何をレポートするのかは大いなる謎だ(マンゴプリンの研究してました、とかって書くのか?もしかして)。
「こないだの焼き肉、すっごくたくさん食べてて、もう、びっくりしちゃったよ!」
とつい最近のネタにまでツッコミが入る。
あう。読んでますか。そーですか。なんだか照れちゃうね、ねえちゃんは。
そういうわけで、Aちゃん、読んでますかー?また遊びに来てね。君がファンの変人"M井さん"を呼んでおくから。
本日、中華料理に関するサイトを運営しているSさんと2人オフ会。
私は一人、昨日から喜びつつ緊張していて、緊張の余り眠れず、空が明るくなるころまでUOをやっていたなんて、情けないことこの上ない。
午前8時半起床、睡眠時間は4時間。
横浜中華街にて一緒にお昼を食べることになったので、私は一人早めに中華街に赴く。目当ては当然マンゴープリン。
久しぶりの中華街は、季節も夏ということがあってマンゴープリンが溢れていた。そこにもここにもマンゴープリン。外で食べられそうなものは、買うなり速攻その場で食べる。イマイチなのあり旨いものあり、結局待ち合わせまで3つも食べてるし。
鶴見にある大好きな飲茶店、翠華樓の支店である「翠華」にも行ってみる。1階の喫茶コーナーでは中国茶が工夫(くんふー)式で飲めるらしい。時間もあったので、一人普耳(プーアル)茶をすすることに。「凍布甸」なる名前のマンゴプリンもあったので、当然これも。
テーブル毎にたっぷりの湯が入った薬缶がオイルランプにて温められ、1杯分のみ煎れられるちいさな急須を繰りつつお茶を飲む。一歩外を出るとたまらないほどの湿気と熱気が襲ってくるけど、冷房の効いた店内で飲む熱いお茶はとても美味しい。独特の埃臭さというかアクのようなものがある普耳茶、だけど甘くまろやかで美味しい。
さー、待ち合わせだ待ち合わせだ。大珍樓へゴー。
上湯双旦浸菜
(ピータンとアヒルの塩卵の露紫スープ通し)
白灼肚[火大]
(上ブタモツの湯引きねぎ生姜和え)
例湯
(大珍樓特製お袋のスープ)
牛[月南]陳村粉
(牛バラ肉の重ねパスタ)
芒果布甸
(マンゴプリン)
生ビール、普耳(プーアル)茶
午後1時半、お互い初対面であるSさんと無事に会うことができ、二人で大珍樓別館にてお昼御飯。
中華料理の(しかもかなりマニアックな)サイトの管理者ということでSさん、造詣深い深い。料理詳しい詳しい。
「これね、珍しいですよ。」
「これ、イケました。」
と色々アドバイスいただきつつ、いくつかの料理を注文。広東家郷料理がコンセプトらしいこの別館、料理は全て食べたことのないものだらけだ。「上湯双旦浸菜」など、ピータン好きの私は涙ちょちょぎれそうなほど好みな料理だ。わーいわーい。
どれもこれも、食したことのない美味だった。
オイルランプに乗せられてくる鍋入りの「上湯双旦浸菜」は色鮮やかな黄色いスープに砕かれた卵と野菜がたっぷり入っている。ピータン独特の匂いが全体的に染みていて、塩卵の風味と相まってやたら旨味のあるスープに青菜たっぷり、という一品。
真っ白で綺麗なブタのモツは匂いもあまり無く、葱や生姜の千切りがたっぷり乗ったやつをそれごと酸味のあるタレでいただく。白濁した、何やら色々手間暇かけて煮込まれた風な「例湯」なる特製スープ。おしゃべりも進むし、食事も進む。美味しい料理は、やっぱりシアワセになっちゃう。だんなや友人と中華料理店に行くと、なんとなく馴染みの料理や、あるいは本で見た料理、好物ばかりを優先させてしまうものだけど、色々教えてもらいながら初めての料理にチャレンジする機会はあんまりないのでそれもまた貴重な体験だ。
「牛[月南]陳村粉」という料理が、これまた珍しいらしい。飲茶で言えば「腸粉」のような、モチモチした練り物の料理。日本ではあまり作ることのできる料理人がいないとかで、このお店でも中国から来た料理人がこれを作れるということでメニューに載るようになったものだとか。確かに私も他の料理店のメニューでは見たことのない料理だ。
餅と言うには食感が軽く、かと言ってクレープと言うにはモチモチしすぎているような、麺のような餅のような、ネチネチモチモチとした食感のプヨプヨした塊がこの「重ねパスタ」。煮込まれたバラ肉が甘辛いタレと共にかかっている。この牛肉でまた、ビールが進む進む。
Sさんは、魅力的な女性だった。
気っぷの良い口調や語り口は話していて気持ちが良い。お互いにあるジャンルに特化したサイトを運営していることから、その運営の難しさや掲示板管理のめんどくささなど、話のネタは全然尽きない。「変なメールが来るんですよ」と笑いあったり「こういう困ったちゃんにはどう対処すれば良いか」なんてことを話してみたり、中華料理の奥の深さや、納得いかない料理店が世にはびこっている悲しさを語り合ったり、いつのまにか時間は午後3時半をまわっていた。
店を出て、中国茶のお店「緑苑」に寄り、普耳茶や100g8000円もする「半天腰」という名前の青茶を買ってみたりする。桜木町でSさんと別れて、私は一人クィーンズイーストを散策。そこでもマンゴプリンを2個ゲットして、帰宅はすっかり7時前になっていた。
充実したーーーーー。
帰るなり、速攻デジタルカメラの画像処理をし始める私。
洗濯物も畳まれてお風呂も洗われていて、お留守番隊だっただんなと息子に感謝感謝。
夕食、どうしましょうかねー。私もまだちょっとお腹いっぱいでどうも作る気力も沸かないし……と結局小さめの宅配寿司を取ることに。ウニやイクラ、ねぎとろや穴子を美味しくいただく。
で、デザートはまたマンゴプリン。まだ喰うかね自分。
脳味噌までマンゴプリンでいっぱいにしながら、マンゴプリンページの更新。ううう、まだ冷蔵庫に6種類も残ってるよ。どうするよ、おい。