食欲魔人日記 05年06月 第3週
6月13日 月曜日
結婚記念日のお祝いに、お魚型の杏仁豆腐
ビーフシチューがけ御飯
アイスカフェオレ
今日は私とだんなの8回目の結婚記念日。
「……おかーさんとおとーさんは、今日、けっこんしたのかな?」
「そうそう、8年前にね、結婚したんだよ」
「うわー、すごいねー、おめでとー!」
わかってるようなよくわかってないような顔をして、息子がお祝いを言ってくれた。

朝御飯は、お義母さんのビーフシチューを今日も御飯にかけちゃって。肉は更にホロホロに崩れつつあって、肉肉していて濃厚で、なんともゴージャスな味がした。

チーズトースト
牛乳
今日の夜は結婚記念のお祝いで外食する予定になっているのに、今朝起きてからやけに喉が痛い。他に風邪っぽい症状はないのだけれど喉が痛いのには困ってしまって(御飯が美味しく食べられない……)、風邪薬を飲みつつ昼間はおとなしくしていた。

正直食欲はあまりなかったのだけれど、薬を飲まなきゃいけないし……と、1枚だけ残っていたサンドイッチ用の食パンにグリュイエールチーズをスライスしたのを乗せてトーストに。飲み込むのに苦心しながらなんとか食べ終え、
「治れー治れー、せめて夕食の間くらいはー」
とベッドに突っ伏して念じていたら、夕方にはずいぶん楽になっていた。

学校から帰ってきた息子と、いざいざ新宿に。都庁近くのホテルに向かうため、都営地下鉄大江戸線に乗ってみた。滅多に乗らない大江戸線に乗った息子は、何だかとても嬉しそう。ホームがものすっごく深いところにあって、ちょっとどきどき。

新宿 「翡翠宮」にて
 平日限定グループプラン
     前菜の盛り合わせ
     大正海老の塩炒め
     牛頬肉のやわらか煮込み
     中国野菜の炒め
     まこも茸の煮込み
     点心(焼ワンタン)
     葱入り叉焼麺
 雲白肉・あわびのクリーム煮・炒飯・小龍包
 25周年記念カクテル
 瓶出し紹興酒
今年の結婚記念日はなんだかとても「中華料理が恋しいね」という気分で、だんなと2人、数週間前にあそこはどうだここはどうだと相談していた。
「……全日空ホテルの花梨は美味しいよねぇ……」
「でもあそこ、値段もいいんだよねぇ……いっそこのクラスなら、福臨門……?」
「ぎゃぼー!ダメ!福臨門、全然ダメ!」
各レストランの公式ページを見ながらディナーの価格帯を調べつつ、とりあえず「福臨門はとうてい手が出ない」という結論だけは導かれた。

花梨のあんかけ炒飯はとっても美味しいんだよねぇ……なんて話しつつ、「ここだ!」と決めたのは新宿のホテルセンチュリーハイアットの「翡翠宮」。期間限定の「中国大陸美食遊覧」というコースが何だかすごくて気になったのだった。ディナー9000円で、広東風焼き物盛り合わせ、酸辣湯、北京ダック、麻婆豆腐……と、広東北京上海四川湖南寧波香港の名物料理をひととおり食べられるというもの。予約の段階では「これだぁ!」と思ったのだけれど、席について改めてメニューを見たら
「……なんかこう、料理の流れが無節操、というか……」
「これは食べたいけどこれはいらない、てのもあるよねぇ……」
と、別のコースにすることに。平日限定の6000円のコースの内容が美味しそうで、これに数品追加していただくことにした。

息子は、
「ぼく、チャーハン!おいしいチャーハン!」
とメニューを眺めて「揚州風炒飯」なる綺麗な褐色のチャーハンと、
「あと、あと、スープのおまんじゅうも!」
と小龍包を注文。私たちのコースの料理もつつきながら、美味しい美味しいとチャーハンを平らげていた。6個やってきた小龍包も、4個抱え込んで綺麗に食べた。

センチュリーハイアット、今年は創業25周年ということで、それを記念した特製カクテルをちびちびいただきながら、クラゲや叉焼、蒸し鶏が盛り合わされた前菜、追加注文の「雲白肉(うんぱいろー)」を。雲白肉はピリ辛味強めのにんにくダレがついてくる。透けるほどに薄く切られたきゅうりと小山に盛られた香菜が添えられていた。

そして、だんなも私も大好物のあわびのクリーム煮〜。
私はずっと「あわびの美味しさ」というものが全くわからなくて、どこがどう美味しいのかさっぱりだったのだけれど、だんなは「あわびのクリーム煮」が大好物なのだそうで、
「じゃあ、美味しいあわびのクリーム煮を食べさせてやる!」
と以前、確か全日空ホテルの「花梨」に連れてってくれたのだった。とろ〜んぷるぷるとした濃厚なミルクのスープ(多分これはエバミルクがベース……?)にスライスされたあわびがぴらぴらと入った料理は、濃厚かつ上品な磯臭さにミルクの優しい味が良く似合って、幸せな味だった。ああ、確かに美味しいんだなぁあわびのクリーム煮は美味しいなぁ……と自覚してから、この料理は以来、私の好物にも。何しろあわびだもので、頻繁に口に出来るものじゃないんだけれど、口にするたびうっとりしてしまう。

今日のあわびのクリーム煮は、筍などの他の具が一切入らない、具はあわびだけというシンプルながら豪華なもの。色みを添える青野菜なども一切添えられず、ただただミルキーな色合いの楕円のお皿がテーブルの中央にどーんとやってきた。あわびは肉厚でぷるぷるもちもちしていて、そこにとろみのついたたっぷりのミルクのソース。
「あわび、いらない。シチューみたいなとこだけ、ちょびっとちょうだい?」
と、レンゲでミルクのソースをすくった息子は「おいしー!!」とはしゃいでいる。

紹興酒をいただきながら、あとは少量ずつ盛られたコースの料理をいただいていく。殻ごと食べられる、揚げ焼きしたような大ぶりの大正海老の塩炒め、八角が香るこってり味の牛頬肉の煮込み、「A菜」というアブラナに似た野菜の炒め物と、シャキシャキした不思議な食感のマコモ茸の醤油ベースの煮物、そして1人2個の焼きワンタン、お椀に一杯のちょっと辛めの叉焼麺。全体的に味つけが少し強めな気もしたけれど、どれも洗練された美味しさだった。マコモ茸の煮込みの不思議な美味しさが一番印象に残った料理。

デザートは、色鮮やかな杏仁豆腐の特別プレート。「結婚記念日のお祝いなんです」と伝えておいたところ、お店側からこのデザートをお祝いに出してくれた。ブルーキュラソーで色づけされた甘いゼリーが四角皿に敷き詰められ、その上に鯉の形の杏仁豆腐。チェリーなどの果物も飾られて、ライトに照らされた青いゼリーがキラキラしていてとても綺麗。親子3人で美味しくいただいた。

カクテル飲んで紹興酒もだんなと2人で2合飲んで、すっかり酔っぱらいの私。私がふらふら歩く前で、だんなと息子は手をつないで
「おかーさん、よってるねー」
「ねー」
なんて言いながら、夜の都庁前を「マッチョーマッチョメーン♪アイワナビー♪マチョーメーン♪」とマッチョマンの歌(なぜ……)を歌いながら闊歩していた。ふらふら歩いてヨドバシカメラに寄ったりしながら新宿駅に戻り、総武線各駅停車に乗り込んだらあとは爆睡。良い結婚記念日でございましたー。

6月14日 火曜日
Tさん、ありがとー♪
「ホテルセンチュリーハイアット」のバナナマフィン
Qooフルーツオレ
数日前、だんなが「あづい"〜!」と言って寝室に扇風機を導入したのが原因なのか違うのか(毎夜数時間起動されていて、ベッドの上にそよそよ風がふいている)、昨日の喉の痛みが猛烈に悪化していた今日の朝。耳の下まで痛いような状態で、こりゃいかんなー……と息子と起こしたところ、息子までひどい声で起きてきた。
「おがあざん……ぼぐ、のど、いだーい……」
あいやー。
私も息子も発熱していて、こりゃ今日は学校もお休みねと2人で養生することになった。

朝御飯にと、昨日ホテルセンチュリーハイアットで買ってきたいくつかのパン。バナナマフィン(130円)にメロンパン(160円)、ジャーマンポテトデニッシュ(200円)、ダブルカマンベールブレッド(220円)、どれでも好きなの食べていきなねー……と朝ジム行きのだんなに伝えておいたところ、ダブルカマンベールブレッドが半分消えていた。

さてじゃあ私はバナナマフィンを食べようかな、息子はメロンパンだよね……とお皿に乗せて、ミルキーな甘いものを飲みたい気分だったので冷蔵庫に1本保存してあったQooのフルーツオレを半分こ。お互いに一口パンを食べて涙目になった。
「おかあさん、いたい……」
「いたいねぇ〜……」
一口飲み込むたびにギャーンとした痛みが喉を走って、とてもじゃないけど食べていられない。息子も私もほんの数口だけ食べて、だめだね、寝てようね、とりあえず水分だけは取ってね……と布団ひっかぶりにベッドに戻った。この冬はあまり体調崩さなかったなと喜んでいたのに、5月に喉風邪ひいて、また1ヶ月後にこれだ。情けない。

「ホテルセンチュリーハイアット」のバナナマフィン(つづき)
Qooフルーツオレ
今日はずっとずっとごろごろごろ。水分適宜とりつつ、各々食欲が喉の痛みを上回ったところで買い置きのパンを少しずつ口に運んでみたりして 。私はバナナブレッド1つを4時間くらいかけて食べ終え、息子も同じくらいかけてメロンパンを食べきった。しっとりと重めの生地のバナナブレッドは甘さ控えめでバナナの匂いがぷんぷん漂うちょっと素朴な感じのもの。少しあっためてから甘くしたホイップクリームでも添えたい味だったけれど、そんな余裕もなくて常温のまま一口一口いただいた。……ああ、悲しい……。

そんな折、午後に届いた可愛い箱。
Tさんから送られたその箱を開けると、中にはみっちりと焼き菓子が詰まっていた。わおーわおーわおー、これは結婚記念のお祝い?それとも病気見舞い?と思ったところ、中には「最近お菓子作りに凝ってるの、だから喰って!」(要約)と書かれたカードが入っていた。

そういえば先日クグロフ型を駆使して美味しそうなケーキ焼いていらしたなぁ……と思い出す。ただいまTさんダイエット(しかもとても厳しいダイエット)にチャレンジ中で、毎食「キムチおじや」のような超低カロリー食が続いているらしい。その反動でか無性にお菓子が作りたくなっちゃって〜……とは知っていたけど、我が家にお裾分けしてくれるなんて嬉しいわ嬉しいわ。届いたタイミングが色々ばっちりで、笑ってしまった。私はお菓子作りの才能は限りなくゼロに等しい(冷菓はともかく、焼き菓子は……)ので、とっても嬉しい。

詰められていたのは、キャラメルマーブルケーキ・アプリコットとサワークリームのケーキ・プラムとココナツのクッキー・ごまバターサブレ。綺麗に 1つずつラッピングされていたのを一度皿に盛りつけて撮影などしていたら、瞳に輝きが戻ってきた息子が
「あ!おかしだ!」
と覗き込んだ。問答無用でサブレをもぐもぐ食べはじめて「おいしー」とか呟いている。気がつけば半分残ったカマンベールブレッドもなくなっているし、ジャーマンポテトブレッドも一度ビニールを開封して「食べちゃおうかな」と逡巡した後が見えた。……も、もう楽勝で快癒ですか?息子さん……。私もとっとと喉の痛みだけでも回復させて美味しくケーキをいただかなくちゃ。

だんな特製 皿うどん
麦茶
息子と私、今日は風邪でダウンしてるのー……と連絡しておいたら、だんなが早々に帰ってきてくれた。帰り際にスーパー寄ってあれこれ買ってきてくれ、
「皿うどん作るぞー」
と帰るなり台所に立つ。あー、わたくし、うずら卵の殻でも剥きましょうか、それとも野菜を……と台所をうろうろしていたら
「病人はおとなしく寝てらっしゃい」
と追い払われた。

しょうがないので、今日届いたばかりの2005年4月号『ダ・ヴィンチ』(のだめカンタービレ大特集号←ということを最近知ってバックナンバー取り寄せた)をぺらぺら読みつつベッドで夕御飯を待つ。
「おまいら、飯ができましたよ」
の声にふらふらと食卓に移動すると、私の千秋先輩がパリパリ細麺に野菜と肉と魚介たっぷりのあんをかけてくれていた。……いや、千秋先輩というより、これは……裏軒のオヤジ……?私のダーリンは、裏軒のオヤジ……?(わからん人にはさっぱりわからん話でごめんなさい)

当初「夕飯なにが食べたい?」のだんなからのメールに「冷たくてツルツルしてるのがいいなー」と答えた気がするのだけれど、目の前にあるのは熱くてゴツゴツしているいかにも痛い喉によろしくなさそうなものだったりして、でも皿うどんは私の大好物だったりして。しかもご丁寧に、うずら卵は水煮缶じゃなくて生のを茹でて殻剥いたやつだし、ヤングコーンまで入っている!(←重要) あとは、豚肉とかミックスシーフードとかキャベツとか。

どうやら私の舌は真っ白(=病人の舌)で、喉もそうとう腫れているらしいとだんなから観察所見をいただきつつ、でもめげずに皿うどんを完食した。ああ、料理のできるだんなでありがとう。優しいだんなでありがとう。たとえYシャツ姿で下はパンツ一丁というイカした出で立ちで料理をしてくれたのだとしても、あなたは私の千秋先輩。

ごわごわの麺はそのまま食べるとちょっと怖いので、スープに浸して柔らかくしてからせっせと食べる。肉も魚もしっかり胃に入れて、風邪薬ちゃんと飲んで、「これでどうだー」とばかりにキョーレオピン(滋養強壮剤。すっごく臭いけどすっごく効く)も飲んでみた。これで明日には治ってる、はず。

6月15日 水曜日
えーい、喉痛、どっか行け!(というわけで、シチュー)
薄切り食パン with チョコスプレッド
アイスカフェオレ
喉風邪は朝がつらい……ということで、今日も朝から悶え苦しんでいる私。泣けてくるほど喉が痛い。夜も熟睡できないうえに苦しいから悪夢ばっかりだし、まいったまいった。

「……まだつらそうだねぇ……」
だんなが率先して起きて、朝御飯にホットサンドを作り始めてくれた。私の分も作ってくれようとしたのだけれど、こんがり焼けたカリカリのパンは今の私には凶器としか思えなくて、ホットサンドはつつしんで辞退。

で、私はサンドイッチ用の薄切り食パンに、チョコスプレッドコテコテ塗って食べることに。私が「これ美味しそう!」と買ってきたチョコスプレッドは目下息子ばかりが消費していて私の口にはあまり入ることがなかったのだけれど、久しぶりに口にしたらこれがめちゃめちゃ美味しかった。確か、ホテルオークラのチョコスプレッド。クーベルチュールチョコ使用のなんともゴージャスな味のチョコスプレッドだった。

皿うどん(昨日の残り)
麦茶
完全回復した息子(早いなぁ……)は元気に登校。私一人がダメージを抱えて、今日もおとなしくしていた。昨日注文したばかりなのに今日の昼前には早々に届いてしまった本をベッドで読み読み。

昨日、数ヶ月前の号の『ダ・ヴィンチ』を読んでいて、近日に怪談専門誌『』の3号が出るという記事を見て、「なんとそんなに魅力的な本が!」とバックナンバーの在庫のある通販サイトを探して(愛用している楽天booksもamazonも扱いがなかったからもう大変……)、bk1で頼んだのが昨日の午後。1号2号の2冊が今日の昼前に届いてびっくりしてしまった。おっそろしく早い。

そう、私は深海魚やクラゲと並んで「怪談」がめちゃめちゃ好きで(←つくづく良い趣味とは言えない……?)、『新耳袋』シリーズ『東京伝説』シリーズ『「超」怖い話』シリーズあたりは余さず読んでいる(で、秋冬の間出てた本を買い忘れていたので昨日注文した、と……)。
ちなみに私の超お気に入りの怪談本は

怪談徒然草』(加門七海/メディアファクトリー/2002)
「三角屋敷の怪」がとにかくすごい……
文藝百物語』(井上雅彦・東雅夫/角川書店/2001)
すごい面々での百物語の一夜の記録。「三角屋敷」がここでも語られる。
よからぬ話』『よからぬ話(2)』(Tono・うぐいすみつる/朝日ソノラマ)
これは漫画。サラリとした画風なのにその内容はリアルでおそろしい。

といったところ。他にも「猿夢」(2chオカルト板が初出)とか、「生き人形」(稲川淳二の超有名なエピソード)とか、身の毛がよだつ好きな話はこれでもかとあるのだけれど、そんな私に『幽』はたいそうツボだった。執筆陣は「そっち系」の人がこれでもかと揃っているし、さりげなーく大田垣晴子や諸星大二郎、高橋葉介らが漫画を書いていたりして。ああ、怪談怪談こんなに怪談……と、具合悪いのに具合悪くなりそうな内容のものを一心不乱に読んでいた。でも、心霊写真やホラーやスプラッタが好きというわけじゃないのよね(文章はいいけど映像ものはてんでダメ、「呪怨」なんてCMも直視できない)。ホラーよりは「X-FILES」みたいな宇宙人だUMAだ超能力だというのが好き〜。

そんなこんなで雨の一日、誰に邪魔されることもなく、養生しながらひたすら怪談に取り組んでいた。『幽』は雑誌としては1500円という価格はありえないほどお高かったけれど、この内容なら納得かなぁと(でも、もっと紙の質は良くして欲しい……)。

お昼御飯は、1人前分残っていた昨夜の皿うどんの麺に、ちょうど1人前分くらい残されていた昨夜のあんをかけて。昨夜、だんなが
「わざと多めに作っておいたからね、明日の昼、中華丼にでもして食べなよ」
と、わざわざ残るような分量で用意しておいてくれたのだった。

ああ、すごいすごい、だんなやさしい、だんなすごい。
ありがたーくありがたーく、中華丼にしようか皿うどんにしようかしっかり考えて、「喉が痛くても麺食べたいやー」ということで皿うどんでいただいた。私の大好物のヤングコーンがまだまだどっさり残っていたあんを全部かけ、ゆっくり食べる。中華スープと醤油とオイスターソースがベースの味は、いわゆる「八宝菜味」で、皿うどんの麺についていた添付のスープは一切使ってないらしい。この「なんとなく適当な中華味」を作るのがだんなは実に上手なのだけれど、私はいまいち上手く作れない。

チキンクリームシチュー キャベツたっぷり
チーズトースト
アイスティー

Tさんちの焼き菓子いろいろ

あまりにも喉が痛いので、風邪薬じゃなく痛み止めを飲んでみたり、酢を入れた水でうがいしてみたり、お茶でうがいしてみたり。あと、「はちみつ大根作って舐める」とか「ねぎを喉に巻く」とかいうのも試すべきかと思いつつ、それ以前に医者に行った方がいいんじゃないか私(でも雨だしつらいし……)。

それでも我慢すれば飲み食いはできる状態なので、めげずに食事だけはしっかり摂ろうとがんばってみる。今日のだんなの帰りは遅そうなので、息子の食事の支度もしてやらなきゃなと、食べやすそうなチキンクリームシチューに。涼しい日だからシチューも許されるだろう、と、鶏肉と玉ねぎとにんじんとキャベツを煮込んでみた。クタクタになったキャベツがとても恋しくて、心もちキャベツ多め。じゃがいもは煮くずれてシチューがもっさりした口当たりになってしまいがちなので、今回は入れなかった。チーズをつまみたい気分だったので、お供にチーズトースト。あとはサラダでも……と思ったけど、サラダにできそうな食材が残ってなかった。

「ごめーん、シチューとパンだけになっちゃった……」
「いいよー、シチュー好きだからー」
息子に「……これだけ?」と言われるの覚悟でテーブルに出したのだけど、シチューは息子の好物ということもあって、さしたる不満が出ることもなく、御機嫌に夕御飯を食べてくれた。クリームシチューにキャベツを入れるのは、案外と美味しい。コーン入れるのも美味しい。コンビーフ入れるのもすごく好き(でも鍋にこびりつくからあんまりやらない……)。

食後は、昨日Tさんからいただいた焼き菓子色々、少しずつ切って盛り合わせて全種類あれこれもぐもぐ。甘さ控えめなプラムとココナツのクッキー、バターの香りがふわふわ漂う胡麻のサブレ。マーブルケーキはキャラメルのほろ苦さが程良く感じられて、冷たく冷やしておいたアプリコットとサワークリームのケーキはさっぱりと軽めのチーズケーキのような味。うまー、うまかったデスTさん!

はー、好きな怪談に囲まれて(明日にはまた文庫がどっさり届くらしい……)、美味しいお菓子がたくさんあって、これで喉さえ痛くなければ最高に幸せなのに。……明日もひどかったら近所の医者に行ってこようかしら怪談持って……。

6月16日 木曜日
……せめてベランダの紫陽花でも
チキンクリームシチュー
バタートースト
アイスカフェオレ
夜遅くに帰ってきたため、昨夜のシチューは食べられなかっただんな。じゃあ朝御飯はシチューだなー……と、朝御飯はシチューとトースト。サンドイッチ用薄切りパンのトーストと、スープボウルによそったシチューを家族3人おそろいで。

昨日87イターくらいだった喉の痛さが、今日は68イターくらいになったのだけれど、まだまだ固形物を飲み込むのがたいそう苦しい(いや、液体も苦しい……)。もしかしてウィダーインゼリーを3食飲み続けていたりすれば2日くらいで喉の痛みは全快してたのか?と思いつつ、痛い痛いと思いつつトーストを囓ってしまう私。そしてちっとも治らない……。

インスタント塩カルビ焼きそば
麦茶
やっと喉痛以外の症状がすっきりしてきたので、今日はお仕事しつつ、でもジム行ったりは止めておいて仕事の合間に怪談読み読み。昨日届いたのを読んでいたら、今日新たにまた5冊くらい届いてベッドルームに怪談本が山積みになった。

昨日届いた怪談専門誌『幽』には加門七海さんの「怪談徒然日記」が数ページずつ連載されているのだけれど、これが実に面白い。

某月某日
冬の夜。
カーテンで隠れた窓の向こうから、女の声がした。
「あけて」
もちろん、開けない。
(『幽』vol.2 「怪談徒然日記」加門七海 p252より)

てな感じ。
この人の怪異怪談系のエッセイ本などはけっこう読んだ。本によってその文体がいまひとつしっくりこなくて気に入らなかったりもするのだけれど、語り口調の怪談や対談などには楽しいものが多い。この方は「見える」人で、「見える」のがあたりまえで、その見えているものを淡々と語っていて、変にワーキャーしないのが好みなポインツであるらしい。……そうよねぇ、もちろん開けないわよねぇ。

……と、そんな楽しいことをやっていて、お昼御飯。喉は相変わらず痛いし、簡単に済むならその方がいいわと、手持ちのカップ麺食べちゃうことにした。先日、お義母さんが大量にくれた塩カルビ焼きそば。レモンの味もするスッパ辛い塩味焼きそばで、案外分量が多いわと思いながらさらさらっと作ってさらさらっと食べた。こういうのに入ってる「肉」って、一体なにものなんだろう。ビーフジャーキーみたいなもの??

チキンクリームシチュー コーン追加
茹でブロッコリー with マヨネーズ
御飯
アイスティー
シチューはどっさり作ったしだんなは激ジョブで帰ってこないし、息子には申し訳ないけれど夕飯も朝御飯に引き続き、シチュー。そのまんまじゃあんまりかなと思ったので、冷凍のコーンにお湯かけて解凍して(凍ったまま入れると、なんか全体が冷凍臭くなっちゃうので)、それをシチューの鍋に多めに加えてみた。息子はそれであっさりと大喜び。

今日は喉の痛みが案外とひかなくて、他に何か一品作ってもほとんど食べられそうになかったので、ブロッコリーをいつもより少しばかり長めに茹でて柔らかくしたものを少しだけ用意して、マヨネーズを添えた。シチューは私の皿だけ具を細かくして、なんだか私だけ離乳食のような状態に……(悲しい……)。

そんなわけでまだ喉周辺は不調続きだけれど、でも炊きたて御飯はしみじみ美味しかった。シチューに御飯というのも何だかヘンだけれど、
「ふりかけかけてもいーい?」
「うん、おかず他にないから、いいよー」
「たまごだよね」
「うん、たまごだ」
息子と2人、"のりたま"ふりかけをサラサラサラサラかけていただいた。ああ美味しい、御飯が美味しい。そして明日はもっと美味しく食べたい……ものだ。

6月17日 金曜日
のど痛いけど、やけ酒。梅酒ロック。
中華風冷やし烏龍茶づけ 蒸し鶏
麦茶
先日、カルフールをぷらぷらしていて中華風冷やし烏龍茶づけなる永谷園の愉快な新製品を見つけた。冷やし茶漬け。しかもウーロン。へんなのへんなのへんなの〜……と、蒸し鶏味のそれを1つ、貝柱味のそれを1つ買ってみた。1つのパッケージに2袋入り。冷たい御飯にこの茶漬けの素をかけ、冷たい烏龍茶を注いで食べる……らしい。

今日も喉が激しく痛いままだったら今日こそ医者だと思っていた(本当は昨日もそう思っていたのだけれど近所の耳鼻咽喉科が木曜休診……)ら、一昨日より昨日、昨日より今日は確実に痛みが引いてきているので、もう大丈夫かな?という感じ。固い煎餅は止めておきたいけど、でも濡れ煎餅なら大丈夫だぞー……というくらい。まだ「違和感」じゃなくはっきりと「苦痛」だけれど、でも喉が痛いことを忘れていられる時間は長くなってきた。

それでも一応、喉に負担をかけないようにと、この冷たいお茶漬けを朝御飯にしてみることに。息子には
「それよりはカリカリがいいなー」
と言われてしまったのでコーンフレークとヨーグルト。

茶漬けの素は、いつもみたいな緑色の粒じゃなくて薄茶色の粒がたくさん入っていて、パサパサした布きれみたいな鶏肉(のようなもの)とかザーサイ(のようなもの)とか、そしてアラレの代わりにパリパリした食感のクコの実がいっぱい。手持ちの烏龍茶を濃いめに淹れ、グラスに氷を満たした中に一気に注いで冷たくし、それを御飯の上からかけた。そこそこ風味の良い烏龍茶を使ったはずなのだけど、お茶の風味よりもお茶漬けの素の風味が明らかに強くて、これはもしかして水をかけてもそれなりに美味しくなるんじゃ?という思いがけっこう強めによぎる。

甘酸っぱいクコの実がとても良いアクセント。水気の抜けたスナック食感のクコの実はデザートに乗せても似合いそうで、よく杏仁豆腐などに添えられたブヨブヨしたクコの実よりこちらの方が嬉しいなぁと思ってしまった。鶏肉は水を吸わせてもやっぱり微妙にパサパサしていて味気あるのかないのか判然としなかったけれど、でも、冷たいお茶漬けというのは暑い日の朝とか、夏の飲みのシメとかにはけっこう嬉しいかも。

……もしかして、いつものお茶漬け海苔も冷たくして食べたら美味しい!?と思ったところ、どうやら美味しいらしいです。いいわぁ鰻茶漬け……。

最後のチキンクリームシチュー
一人の昼御飯、半端に残っていたシチューを食べちゃおうと、それだけを。もう具も残り少なくて、肉もコーンも野菜類も全体的に細かくなっちゃって「チキンクリームシチュー」というより「コーンチャウダー」に限りなく近いものになっていたものをさらさらっといただいた。
千葉 「麦と葡萄」にて
 おつまみセット \980
 梅酒テイスティングセット
今日は息子の音楽教室。いよいよ左手と右手をバラバラに動かさなきゃいけない段階になっていて、自宅の練習がどんどん必要になっているのだけど……今週は明らかに練習不足だった息子。エレクトーンを前にくにゃくにゃしていた。
「練習がつらいとか、嫌だとか言うならピアノを習うのは止めたほうがいいよー……止めてもいいよー」
と言うのだけれど、でも本人は「やる」と。うん、じゃあ、がんばれー。

教室が終わって、本屋をぷらぷらして、そしてお酒が恋しくなった。そういえばここしばらく(といってもほんの3日ほどだった)ビールとも御無沙汰だったなぁ……と思い出したら無性にビールが恋しくなった。
「あー……お父さん、今日は飲み会だって言ってたから、私たちも飲みに行っちゃおうか?」
「いく!おかーさんと飲む!」
「……何飲むの?」
「ジュース!か、コーラ!」
「よーし」
と、千葉駅近くをぷらぷらぷら。そういえばそこの店のクーポンどっかに入れてたんだわ……とがさがさやって、梅酒のテイスティングセットの無料券を発掘し、「麦と葡萄」なる店に行くことにした。カジュアルな、お手軽価格の"イタ飯"のお店だ。

メニューを見ると、中ジョッキの生ビールと10種類のうちから3種のおつまみを盛り合わせてもらうセットが980円。まずはビールだなとこれを頼み、息子はカルボナーラスパゲティとマンゴージュース。ビールを早々に飲み干して、今度は梅酒のテイスティングセットをくいくい飲んで1時間ほどで帰ってきた。

ビールとも梅酒とも相性の良いおつまみ、息子もつまめそうなおつまみ……とオニオンリング(サルサつき)・鶏の唐揚げ・冷やし茄子の生姜風味の3点盛りにしてもらった。オニオンリングと唐揚げがビールと息子対応、茄子は梅酒用。3種も選べるとなると、それぞれすこーしずつやってくるのかなー……と思い、足りなかったら後でおかず1品くらい追加するかと思っていたら、大皿になかなか盛りの良い品々がやってきた。唐揚げは3個、でもオニオンリングはガバーッとひとつかみ、冷えた茄子は1個分くらい。充分だった。

喉の炎症にアルコールはよろしくないのかな……と思いつつ、ここ数日のモヤモヤを吹っ飛ばすべくビールを1分くらいで飲み干して、
「あの、あのあの、このクーポン使えます?」
と梅酒セットの紙をぴらぴらさせてみたら、使えるとのこと。赤ワインで作った梅酒とか白ワインで作った梅酒とか、日本酒で作った梅酒とか、あれこれあれこれ10種類ほどの梅酒がリストに載っていて、それを好みで3種類飲ませてくれるらしい。イロモノ梅酒よりも、長期熟成梅酒なんて梅酒のほうが嬉しいなぁと、オーク樽で寝かせた梅酒、無濾過の梅酒、長期熟成の梅酒の3種類(名前忘れちゃった……)を選んでみた。広口のショットグラス風のグラス3個に梅酒がたっぷり、氷が1個ずつ。

梅酒を飲み比べるなんてことをするのは初めてで、
「おー、これは……甘さ強め……」
「おーこれは……アルコール度数たかめー」
なんて思いながらあれ飲んだりこれ飲んだり。オーク樽熟成の梅酒の風味が何だかウィスキーのようで最高に美味しかった。息子に唐揚げやオニオンリングを分けてやり、代わりにスパゲティをちょっともらって、息子が食事を終える頃には私の酒飲みも一段落。梅酒をロックで飲むのはいつもの事だけど、早いペースで飲みきったのですっかり酔っぱらいになってしまった。

「おいしかったおいしかったー」
「おかあさんもおいしかったー?ぼくもおいしかったー」
「いぇーい」
「いえーい!」
と、息子と手つないで、駅前で配られていた風船もらって(←市長選挙に行ってね風船)、ふわふわしながら帰ってきた。

喉の完治まであとわずかー。

6月18日 土曜日
なんだか勢いで、さくら水産。
「ミスタードーナツ」の
 チキンからあげパイ
 ポン・デ・八穀あずき
 クリスピースティック
 ミートボールスープ
 フルーツティー グレープフルーツ
朝、私はちょっと怒っていた。昨夜飲み会だっただんなは日付がとうに変わった頃にべろんべろんになって帰ってきて、風呂にも入らずベッドに直行。そこまでは良かったのだけれど、ベッドに転がるなりものすっごい音量でいびきをかきはじめた。え?まだ眼をつぶってから5秒も経ってないんですけど?と唖然とする私の脇でゴーゴーゴーゴーすっごい音が鳴り響き、数分後、私はそこで寝るのを諦めた。子供部屋の布団はちょっと薄い(←暑がりな息子用)なんだよなぁ……と思いつつ、子供部屋で就寝。いまいち寝た気がしなかった。

んもーんもーんもー、そんな事ならだんなの帰宅を待っているんじゃなかったー……と、
「おゆきさんは……なぜ息子のベッドで寝ているの?」
と寝ぼけ顔をしているだんなにムガーッと怒っている土曜の朝の私だった。

一度8時頃に目を覚ましたものの寝足りなくてもう一度寝てしまい、目覚めると10時過ぎ。一日の半分を損したような気分になりつつ、あれこれ細々したものを片づけて、
「……お腹空いたね」
「ドーナツ食べに行く?ほら、復刻マグ受け取りにいかないと」
と言葉を交わして近所のミスタードーナツにお出かけ。以前「復刻版マグカップキャンペーン」のときに引換券を受け取ったのだけれど、マグカップが品切れということで「5月31日以降に引き取りに来てくださいねぇ」と言われていたのだった。

かなり遅めの朝御飯。もう昼御飯も一緒ということでいいよねと、けっこうお腹いっぱい、しっかり食べてしまった。だんなは冷やし中華とドーナツとコーヒー、私はドーナツ3個にスープにアイスティー、息子までドーナツ3個、キッズ用のドリンクを2杯。ただいまキャンペーン中のタオルセットを速攻で引き替えられるだけのスクラッチカードをもらってしまい、しかも10ポイント溜まったら○○プレゼントという別のポイントも溜まってしまって、タオル貰ったりレジャーシート貰ったり復刻マグを受け取ったりとミスドグッズをごっそりいただいてくる事になってしまった。

新発売のチキンからあげパイ(激しくジャンクフードな味だった……)と、お気に入りのポン・デシリーズからあんこを挟んだきなこ風味のもの、やっぱりお気に入りのクリスピーシリーズからシンプルなスティック1本。それにスープまでつけちゃってちと多かったかしら……と思ったけれど、息子は隣の席でD-ポップを平らげ、ストロベリーリングを平らげ、最後にカスタードクリームを口中ベタベタにしながら3種類綺麗に食べきっている。ああ、息子もドーナツ3個一気食いできるようになっちゃったのか……という部分に驚いてしまいながら、それぞれ「もう夕方まで何も食べなくていいやねー」というほどにあれこれ食べてきた。

そんな風にバリバリ食べていたけれど、まだ喉は微妙に痛くて、でももう風邪薬を飲んだりもしたくなくて(効いてないし……)、帰りにマツキヨでお買い物。「喉の痛みにはこれが良いですよー」と、教えていただいた「排膿散及湯」(そりゃもう劇的に効くそうです)という漢方薬を昨日からあちこちで探しているのだけれど、マツキヨでもやっぱり扱っていなくて、しょうがないのでとりあえずと「のどぬ〜るスプレー」を買ってきた。喉の奥にこんなの命中させないといけないのか……と何回か挑戦してみたけれど、見事に何回も失敗。
「うえー!まずいまずい、美味しくなーい!」
とぎゃーぎゃー騒ぎつつ、でもそれでほんの少し喉は楽になった。

千葉 「さくら水産」にて
 魚肉ソーセージ 2×\50
 あぶりサンマ \150
 イサキ刺身 \280
 あじの叩き \280
 マグロ中落ち \280
 マグロ \280
 もつ煮 \280
 牛肉コロッケ \280
 蟹クリームコロッケ \200
 焼き鳥(塩) \180
 きすの天ぷら \280
 オニオンスライス \80
 にんにく丸揚げ \180
 若鶏の唐揚げ \350
 ポテトフライ \250
 おにぎりセット \300
 鮭茶漬け \280
 生グレープフルーツサワー 2×\0
 巨峰酒ソーダ \280
 ホッピー 3×\280
 コカコーラ \0
 りんごジュース \180
親子で、おなかぽんぽんやー
今週は買いたいものもないし、お金もないから家でおとなしくしているのよー……としばしおとなしくパソコンに向かったり花の世話したり本を読んだりしていたのだけれど、急に「プリントサーバーを買いに行こう!」ということになった。メインマシンとつなげてあるプリンター、何がどうしちゃったのか、メインマシンからプリントすると直後にマウスが動かなくなる、LAN上の他のマシンからプリントするとメインマシンがフリーズする……といった、奇怪な現象がもう何ヶ月も続いている。

だましだまし使っていたのだけれど、
「もうダメだ!」
「これはさ、プリントサーバーを別に立てなきゃいけないんだよきっと……」
「お高い?それってお値段がお高い?」
「いや……6千円くらいじゃん?せいぜい」
「そっかー……」
と、急ぎプリントサーバーを買い求めにお出かけ。そのまま飲みに行っちゃうことになった。べろんべろんに酔ってもかまわないように、家で夕方お風呂入っちゃってからすっきり着替えて千葉のヨドバシカメラに向かう。

めでたくプリントサーバーも購入でき、息子は息子でムシキングを堪能して、その後
「じゃあ、サクスイ行きましょ」
「ん、サクスイで飲みましょ」
と、てくてく歩いてさくら水産へ。ホッピー280円、刺身は180円や280円という驚き価格のおっそろしくお安い居酒屋だ。
安居酒屋にも関わらず、しっかりクーポン持参して、サワーとソフトドリンク家族1杯ずつ無料にしてもらってしまった。

「あ、私、イサキ食べたいイサキ」
「ぼく、カニクリームコロッケー」
「あと、中落ちだろー、魚肉ソーセージもいるだろー」
と、それぞれ好き勝手にあれ食べたいこれ食べたい、ええい安いから全部頼んじゃえ思う存分!……なんてやってたら、テーブルの上は大変なことになってしまった。息子はおにぎり持ってコロッケ囓ってまぐろの皿抱え込んで大変なことになっている。

飲んで飲んで食べて食べて、プリントサーバー代と同じくらいの金額を飲み食いしてしまった。コロッケも天ぷらも冷凍のを揚げました〜って感じだし、焼き鳥はゲル状の大変に怪しい塩ダレがまとわりついていて、お世辞にも「美味しい」とは言えないものもあるのだけれど、そのマズウマさがたまらないというか、なんというか。
「うぉー、怪しいタレだー」
「うまー♪」
「ていうか、デリー♪」
着色料コテコテのプヨプヨした実に怪しい(そのくせ昔懐かしくもある)魚肉ソーセージなんか2皿も食べてしまいながら、喉にじわーっと染みるホッピーが快感だった。ホッピーと魚肉ソーセージとオニオンスライスの組み合わせがもう、最高で。

今日はだんながべろんべろんでも、私も一緒にべろんべろんだから、いびきかかれても大丈夫〜かきかえす〜。

6月19日 日曜日
久しぶりのソーミンチャンプルー
胡麻だれ 稲庭うどん
冷茶
今日は良く寝た。しっかり寝た。ここしばらく喉が痛くて熟睡できなかったせいもあって、朝刊を配達しに来るバイクの音などにいちいち目を覚ましていたのだけれど、今日は熟睡。非常にすがすがしく目を覚ました。喉の痛みは、また階段を3段4段と下がっていくように治ってきていて、とりあえず「強めの違和感」くらいに落ち着いていた。やれやれやれ。

「……さて、何食べましょう」
「……うどん……」
「あんまりないよ」
「……パン……もないんだよね……」
「うん。ない」
「じゃあ、カリカリ」
「カリカリもねぇ、もうほとんどない」
昨夜、今朝の食事の事なんかな〜んにも考えないで飲んだくれて帰ってきたので、笑っちゃうほど食料がない。

「あ、じゃあ、蕎麦茹でよう、蕎麦」
「あ、いやいや、だったら稲庭うどんがあるよ、確か」
だんなと2人、がさがさと台所のあちこちをひっくり返しつつ、秋田で買ってきた稲庭うどんを茹でることに決定。同じお店で買ってきた胡麻だれと醤油だれを出して、各々好きなようにつけて食べる。

角館ではけっこう有名らしい、「佐藤養悦本舗」というお店で買ってきた稲庭うどん。胡麻だれはほのかに酸味も感じられる(りんご酢が入っているらしい)胡麻胡麻した濃厚なもので、そのままうどんにつけて食べるとちょっと濃いめ。かといって薄めてしまうと白濁してしまって何だか違う気がするし、でもパッケージには「そのままつけて食べろ」とも「薄めろ」とも書いてなくて、ちょっとばかり謎めいたつけだれなのだった。醤油だれは、つけだれの場合はストレートでそのまま使ってねと書いてある。それでもどちらもやっぱり濃いめの味つけで
「……濃いよね」
「ん、ちょっと濃いかな」
「これが東北の味ってやつなのかな」
「うんうん、そうかも」
などと話しながらつるつるつる。

角館出身の作る母の手料理は、今から思うと味が濃いめだった気がする。母の作る茶碗蒸しが大好きだったのだけれど、外食で口にする茶碗蒸しはどれもやけに薄味で、子供の頃の私にとってはつまらない味だった。今は「そういうものなんだ」と思っているからうっすら味の茶碗蒸しも、しっかり味の茶碗蒸しもどちらも美味しいと思えるけれど、でも本当は醤油の味がする茶碗蒸しが好き。

「高円寺ナイルカレー」のポークカレー
アイスカフェオレ
「ナイルカレーが恋しい……」
「あの黒いカレーが食べたい……」
先週あたりからだんなとそんな話をしていて、じゃあルーを買ってきて家で食べようかということに。朝、軽めにうどんをつるつる食べていたので、12時を過ぎるのを待って、だんながお店に向かってくれた。

大きなテーブルが1つ、あとはカウンター席だけの小さなカレー屋さん「高円寺ナイルカレー」。テイクアウト用にも作ってくれて、御飯とカレーをそれぞれ発泡スチロールの容器に詰めてくれる。が、鍋やタッパー持っていって「ルーだけもらう」というのもアリだ。ポークカレーのルーは1人分たったの400円。

「安いよね」
「それでいいのかって思うよね」
400円のルー3人分はたっぷりあって、肉もごろごろ入っていて、それを家で炊いて待っていた炊きたて御飯の上にかけて食べる。ゆで卵も1人1個。

このお店のカレーはびっくりするくらい真っ黒で、サラリとしていて、野菜の味がするのに溶けてしまったようで歯には何も当たらない。ほのかに甘くて優しい味で、私のお気に入りでもあるけれども、なんと言ってもだんなのお気に入りなのだった。
「これはカレーじゃないんだなー、ナイルカレーのカレーなんだなー」
とか言いながら山盛り御飯を更にお代わりして食べている。ナイルカレー、唯一最大の欠点はアレだね、食べ過ぎちゃうことだね、いやいやそりゃカレーという食べ物の欠点でしょ……という、よくわからない結論を導き出しながら、念願の黒く甘いカレーを口にできてとても満足な私たち。

ラムともやしの炒め物
ソーミンチャンプルー
えびせんべい
御飯
発泡酒(サントリー マグナムドライ)
冷蔵庫の奥の奥に突っ込んでいたままの羊肉がある。ちょうど1週間前にカルフールで買ってきたもので、焼き肉のタレを揉み込んである肩ロース肉と、美味しそうなスペアリブ。買った直後に体調を崩してしまって、食べられないでいた。氷温室で半分凍った状態になっていたので保つかなぁと思ったのだけれど……スペアリブは思いっきりダメだった。あああ、塩焼きにしようかなスープにしようかなと楽しみにしていたのに、やっぱりダメでしたかそうですか。……あああ、私のスペアリブ。ごめんよスペアリブ。

味付き肉の方はまだ大丈夫だったので、今日はそれをもやしと玉ねぎと炒めて。じゃあ酒だね酒と発泡酒冷やして、だったらソーミンチャンプルーみたいなのが食べたいねぇとツナ入り素麺の胡麻油炒めも用意。いただきもののえびせんも出した。

「んじゃ、俺は素麺茹でようか?」
「いや……ラムの炒め作ってくれた方がいいなー私ソーミンチャンプルー作るし」
「あいよー」
中華鍋2つ並べて、2つのコンロでだんなと一緒に炒め物作成。同時にできあがったアツアツの料理を肴に、晩酌を楽しんだ。歯応えのある肉もモリモリ飲み込めるようになって嬉しい限り。明日は食材色々買ってこよう。