食欲魔人日記 04年08月 第3週
8月16日 月曜日
やる気のない献立の象徴、宅配ピザ
ハニートースト
牛乳

定期的に運動をするというのはすごくすごく健康に良いことだと思うけれど、でもその運動の翌日に筋肉痛で身動きままならぬ状態になるというのはいかがなものかと思う。今日は両手が全然上がらないほど、肩から背中にかけて強烈な筋肉痛に苦しめられた一日。昨日は前方にブーンとまわすエルボーの動きが案外多くて、これまでのプログラムじゃそれはあまり出てこないフリだったので一生懸命ブーンブーンと肩と肘をぶんまわしていたのだった。その動きそのままに、そこで使った筋肉だけが痛い。いやーん。

「あいったたたたぁ〜」
とぼやきながら起きると、一緒に目を覚ました息子が
「いたいの?からだいたいの?びょうきなんだったらー、寝てなさーい」
と言いながら人の肩をぐいぐいと押してもう一度寝かせてくれようとする。その動きがまた痛い。
「いったいってば〜。いたいのはねっ、肩、肩なのよぅ〜」
私はほとんど涙目だった。

だんなも昨日ジムに行ったはずなのに今日もジムなのだそうで。えらいね、とーちゃんはえらいねぇ〜と、私は脱力しながらだらだらと朝食の準備。買い置きの厚切り食パンを今日は食べよう、と、バタートーストにする。バターをじゅわっと染みこませて表面がサクサクッとなるまでこんがり焼いて、焼き上がりにハチミツをひと垂らし。手や口をベタベタにしながら1人1枚のトーストを囓った。

そして今日はやる気どん底絶好調〜。ふと手にとってしまったゲームボーイ版「MOTHER」をやり始めたら止まらなくなっちゃって、ますます今日はダメ道一直線。

ラ王 味噌味
麦茶

「ラーメン、ラーメンたべよ。おひるごはん」
やる気のない私に、息子は嬉しいことを言ってくれる。息子はここ数日、インスタントラーメンがやけに恋しくなっていたらしかった。昨日の昼御飯も、「ラーメンつくろうか?」のだんなの声に
「ラーメン?んとね、あかいきつね?」
とインスタントラーメンを名指し。私とだんなを複雑な表情にさせた。そんなに好きか赤いきつねが、の声に、満面の笑みで
「だってね、あかいきつねはとってもおいしーんだよ?」
とか言ってるし。

あいにく今の我が家に赤いきつねのストックはなくて、何種類かのインスタントラーメンが入った籐の籠を冷蔵庫の上から引っ張り出す。
「んとね、今はこの種類しかないんだけど……でも、ラーメン食べる?」
天ぷらうどんとか、焼きそばとか。息子はあれこれパッケージを眺めて、「これにしまーす」とワンタン麺を取り出した。私は味噌味のラ王を。麺をゆがいて、湯を切って("ジェット湯切り"は素晴らしいね、粗忽な私でも失敗せずに湯切りができる……)、粉末と液体のスープ入れてかやく入れて混ぜるだけ。今日はクーラーを切っていたのだけれど、我慢できなくて26℃設定でスイッチ入れてから熱いラーメンを啜った。

たまーに食べると、カップ麺ってめちゃめちゃ美味しいなぁ……。
(そして夕飯も「たまーに食べると」の王道もの……)

「ピザハット」の
 ハーフ&ハーフ(ワイルドバーベキュー・ハワイアン)
 チキンタツタ
 皮つきフライドポテト
ビール

「困った!すっごい困ったぞ。……おそろしいほどに、やる気がない!」
夕方になってから、じたばたし始める私。だんなの帰りは遅い模様。冷蔵庫には肉も野菜もある。でも、やる気がない。
「ピザか?今日はピザか?それとも寿司か?」
本気で宅配もののチラシを眺めはじめ、
「おかあさん、ピッツァにするの?おすしにするの?」
「んー、正直なところ、お寿司食べたいんだけどね、どうせ食べるんだったら宅配じゃなくてせめて銚子丸に行きたいし……ピザにしませんか?」
「ピザだったらー、ぼくはこれがいいなぁ」
息子が指さしたのはピザハットの「ハワイアン」。パイナップルがトッピングされた、このうえなくお子様向けのピザだった。ちなみに私も密かにこれが大好き。そうだな、ハワイアンにしよう、ハワイアンとー、あと、ハーフ&ハーフで肉っぽいものを……と、適当に注文。2500円以上注文すると600円引きになるクーポンがあったので、チキンタツタをつけたり息子用に缶ジュース1本取ってやったりして、結果、2100円のピザを注文したのに支払いは2000円ちょっとという事になった。インターネット経由で注文したら、更にポテトが1箱サービス。1000円札2枚で、けっこう大変なことになった。明らかに食べきれない。

「……あはは、ピザも食べきれるかどうか……」
最近のピザは、ピザ生地の縁にソーセージ詰めたりチーズ詰めたり、チーズ挟んだ二重底にしたりと大変なボリュームになっている。かといってイタリア風クリスピーピザを選択するのも宅配ピザっぽくない気がしてしまい、頼んだのは縁にチーズが巻き込まれたタイプのもの。届いたそれを見て、「食べきれないわー」と苦笑いしてしまった。

「パイナップルはー、2つ食べるでしょ。おにくのピッツァも、食べるからね」
こりゃ息子は2切れがせいぜいかな、と思って、私はもりもりとパイナップルを2つ食べて焼き肉っぽい味の「ワイルドバーベキュー」を2つ食べて、更に3つ目の肉ピザに手を出そうとしたところ、
「だいじょうぶ、食べるから」
と、息子が4切れ目に手を伸ばしてきた。どころかポテトも鶏もかなりの分量食べてくれて、残ったのはポテトが1/2量くらい。私も息子もよく食べた。トッピングのチーズがピヨーンと伸びて、縁のチーズもピヨピヨーンと伸びて、黄色い油はテラテラと光りながら下に滴って、絵に描いたような宅配ピザ。そうそうこのギトギト感が宅配ピザよね、と、ある意味感動しながら宅配ピザを堪能した。

今日は一日、このうえなくジャンクな食事。でも息子は何やら御機嫌だった。

8月17日 火曜日
今日は一日お台場でした。夜に穴子の白焼きを。
「ミスタードーナツ」にて
 クリスピースティック
 ハニーチュロ
 アイスカフェモカ

お盆はもう過ぎてしまったけれど、今日から週末までが今年のだんなの夏休み。6月に常夏の島に遊びに行ってしまったこともあり、泊まりがけの予定などは全然ないのだけれど、近場でここ行こうあそこ行こうなんてものはちまちまとある。

今日は第一弾ということで、お台場に行くことに。夏休み期間のお台場なんてゴールデンウィークのディズニーランドと同程度くらいに足を向けたくない場所なのだけれど、息子がずっとずっと「おだいば、いきたいなー」(しかもその行きたい場所が混雑必至のイベントときた……)と言っていることもあって「んじゃ、いっちょいくかぁ〜」と重い腰を上げることに。幸い、私とだんなの見たい映画の字幕版(吹替版の方は割とあちこちで見られる)もお台場で見られるということで、合わせ技一本で行く気力を沸かせたのだった。うー、きっとすっごい人なんだろうなぁ。

ちょっとぐうたら寝ていたこともあり、朝御飯を食べる余裕もなくバタバタと家を出る。家から駅までの移動時間を考えると、乗ろうとしている電車までの猶予は15分くらいしかなく、下手に家で準備して食べて片づけるよりドーナツ囓っちゃった方が早いねと駅前のミスタードーナツに。つい最近新発売になったクリスピースティックを食べてみることにした。スタンダードな、シュガーまぶしの「クリスピースティック」と、それはやけに小ぶりだったのでハニーチュロもついでに1本。アイスカフェモカをつけ、ちゃちゃっと飲みながら簡単に朝御飯を済ませた。

サクサクカリカリとした軽い食感のクリスピースティックは、パイ生地のお菓子のよう。そこそこ食べ応えもあり、1本100円ちょっとの金額もけっこう手頃。子供のおやつに1本食べさせるのにちょうど良いような感じだった。さー、お台場だお台場だ。

お台場 アクアシティ内「Hawaiian Bowl」にて
 ロコモコ \500
 モルツ \450
お台場 アクアシティ内「moumou」にて
 チョコミックスソフトクリーム \367

案の定、お台場は大変な混雑。でもきっと先週よりはちょっとは空いてるんだろうなぁこの状況で……と思いつつ、まずは夕方に見る予定の映画のチケットをおさえにメディアージュに。11時半になろうかというタイミングだったので、そのまま昼食も済ませることにした。

「えっとー、気になるのはですね、アクアシティの中の、インドネシア料理屋さん。でなきゃ、その1階フードコートでロコモコを食べるというのもいいかなぁと思うんですが、どうしましょ」
「あー……フードコートは混んでるんじゃない?……ちょっと覗いてみて、空いてるようならロコモコにする?」
なんて会話をしながらだらだらと移動してみると、フードコートは思いの外ガラガラ。

「ハワイアンボウル」という、ちょっと怪しげなハワイ料理屋ファーストフード店で、私はロコモコを。だんなは「ウルアモコ」という、魚フライにクリームソースのかかったこれまたちょっと怪しい丼を。息子は焼きそばを。生ビールが売られてたもので、昼からついそれを1杯あおってしまいつつ、期待通りにばっちりジャンクな味のどんぶり飯を楽しんだ。もう、思った通りではあったけれど、すさまじくジャンクなお味。レトルトパックにありがちな怪しい味のハンバーグが御飯の上に盛られ、缶詰のソースみたいなデミグラスソースがどっぷりかかり、上には半熟に焼いた目玉焼きが1個。そのジャンクかげんが微妙に美味しくてそれなりにツボだったのだけれど、息子がつついている焼きそばは悲しいほどにパサパサで味気なくて美味しくなかった。

「……あぁ、なんか息子、かわいそうかも。これはほんと、美味しくない……」
と、つい気の毒に思っちゃって、食後にすぐ脇のソフトクリームスタンドでチョコソースがけバニラソフトクリームを1個。家族全員でつつきまわしてから、いよいよ息子の切望したメインイベント、「お台場冒険王」の1日券(大人1人1000円、幼児は無料)を買ってフジテレビの中に。

かつて、お台場に自転車で来られる距離に住んでいたこともあるし、ゆえに何度となくお台場にやってきてはいるはずなのだけれど、フジテレビに入ったのはこれが初めて。
「うわー、俺たち、おのぼりさんみたいじゃないか……」
「まあまあ。こういう事でもなきゃきっと中に入らなかっただろうし、いいんじゃない1回くらい?」
と、「上階へのエレベーター待ち40分」なんて行列にうんざりしながら、それでもひととおり見て回る。息子はこの、フジテレビの夏のイベントに来たい来たいと7月頭頃からずーっと言っていた。こんな感じに↓
「あのね、おだいばの、アドベンチャーキング行きたいの」
「……行ってどうするの?何が見たいの?」
「トリビアとー。伊藤家の食卓」
「……渋いチョイスだね……。ていうか、伊藤家は局違うから。フジテレビじゃなくて日テレだから。汐留だから」
「じゃあね、トリビアといいともが見たい」
「笑っていいともがいいの?それもまた、なんというか……渋いねぇ……」

ともかく息子はトリビアの「へぇ」ボタンを押すためだけにお台場に行きたいらしいのだった。混雑の中、その願いきっちり叶えた私とだんな。
トリビアブース内、そこら中に「へぇ」コーナーが作られている。これまでのVTRが流れる前のカウンターには「へぇ」ボタンが4つくらい。一応、VTRに合わせて、「ここでボタンを押してください」なんて字幕も出るのだけれど、ほとんどの人は(息子ももちろん)VTRの内容も見ずにボタンを連打して遊んでいる。スタジオを模して作られたちょっと高級めな「へぇ」ボタンスポットでも、きっちり息子は座ってボタンを連打。私はというと、球体展望台(あの、フジテレビの社屋の中央に浮かんでる、よくわからない球体……)で子供向けに放映される6分程度のアニメーションが案外面白かったりして、
「うぉ、両さん!孫悟空!ルフィ!ああチョッパーかわいい……ゾロかっこいい……」
息子も言えぬキャラクターの名前を全て言えてしまう自分がちょっと悲しくなっちゃったりして(いやでもほんと、面白かったのよ、その実写を交えたアニメが……)。

トリビアも堪能したし、初めてその球体展望台の中にも入れたし(それが展望台だということすら今まで知らなかった)、道路向こうの特設広場にも足を向けて『NIN×NIN』宣伝ブースの子供向け遊具施設でさんざん遊んだり、合間にかき氷食べたり。私もだんなも日陰で座りこむことしかできないほど歩き疲れていたというのに、息子はほとんど止まらずにロープをくぐったりハシゴを上ったり、あれこれあれこれ絶好調で忍者のごとくに遊んでいた。……そんなに動くとさ、せっかくの映画の時間に寝ちゃうことになるよー……なんて言っても、その声は全然届かないみたい。やれやれ。

お台場「京都伏水 蘂(はなしべ)」にて
 付出し 2×\250
 酒粕お造り \300
 おばんざい盛合せ \800
 合鴨ロース九条葱焼 \750
 京サラダ \850
 活穴子白焼き \950
 ソーセージ盛合せ \750
 鮪みぞれ和え \550
 京茄子の揚げ煮 \400
 せいろうどん(小) \650
 あぶ玉丼(小) \650
 生八つ橋 \400
 柚子シャーベット \400
 きき酒セット 2×\0
みんなでこんなに食べたのに、なんだか全然溜まらなかった。

さて、そんなこんなで夕方5時半から(もっと早い回があればそっちにしたかったのだけれど、上映はその回か午後7時半過ぎの回しかないそうで)、シネコンで『マッハ!』。スカパーでCMが流れていて気になっていたその映画、なんでもコンセプトが
1.CGを使いません
2.ワイヤーを使いません
3.スタントマンを使いません
4.早回しを使いません
5.最強の格闘技ムエタイを使います
というタイのムエタイ映画。

ぜーったいに特撮やスタントマンを使いません、というその気合いの入りっぷりが面白く、しかも予告で流れるのは「これが特撮じゃないのかよ!」とツッコミを入れたくなるほどのすごい技で(直径50cmくらいの鉄条網の輪をすり抜けたり、幅が20cmしかなさそうなガラスの隙間を前転してすり抜けたり、足に火がついた状態で見事な膝蹴りを繰り出したり……)、
「これはすごい!」
「これは見てみたい!」
と盛り上がっちゃって、見に行くことにしたのだった。息子まで一緒になって「マッハ、みたいなーすごいなー」なんて言ってるし。

1日にたった2回しか上映されないし、と、お台場に来るなりチケットを買ったのだけれど、そんな心配は無用のガラガラっぷり。映画が2回目の息子(1回目がDEEP BLUEで2回目がこれ……)も、今日も非常に良い子で見ていてくれた。しかもあれだけ昼間動き回ったのに、寝ないで画面に釘付けだった。

いやー、すごかったすごかった。ムエタイが元々好きというのもあるけれど、めちゃめちゃめちゃめちゃ面白かった。ストーリーは「盗まれた宝物を取り返しに行く」という非常にありがちなものだし、悪役の最期も非常にありがちなものだったりしたけれど、でもでもDVD出たら買おうと決意するほど面白かった。全編のうち7割くらいがアクションシーンじゃないかという濃厚なアクション映画で、どのシーンもいちいちすごい。ほれぼれするようなニーキックの素晴らしさとか手足がそのままヌンチャクと化したような見事な攻守の切り替えの動きとか。しかも主人公の男の子はなかなかイイ男だったし、ヒロインも可愛いし、スタッフロールの時におまけのように流されるメイキング映像も楽しかったし。だんなは上映中、2〜3回嘆息しながら
「……すげぇ……」
と呟き、息子も小声で
「すごい、すごいグルグルキックだねぇ〜」
「あの、かみのけパンチ(?)も、すごい、すごいねぇ〜」
と呟いて、悪役が全部床に伏したときには「すごい、すごい」と小さく拍手までしていた。「怖くなかったの?」と聞いたら、「ぜんぜん!」だそうで。

予告を見たときから面白そうだと思っていたけれど、実際も相当面白くて、昼間のフジテレビ巡りの疲れもふっとぶ勢いで、映画観賞後に夕御飯。クーポン持っていくと利き酒セットが無料になるということで、以前からちょっとだけ気になっていた蘂(はなしべ)というお店に入ってみた。黄桜がやっている、日本酒と肴(京料理が主)のお店だ。

メニューは一見安いようで実はあんまり安くなく、で、決して不味くはないのだけれどいまいち印象に残らない味のものが多かったお店だった。すった山芋をかけた水菜のサラダに揚げ湯葉を添えたものとか、わさび醤油で食べる白焼きの穴子とか、あと、酒の新しい香りがぷんと漂う「酒粕のお造り」あたりはなかなか美味しく、最後にだんなが食べていた「あげ玉丼」(カリッと焼いた油揚げと普通のクタッとした油揚げを卵とじにした丼もの)はとてもとても美味しかった。純米、吟醸、にごりと3種類楽しめる利き酒セットも、どれも柔らかく優しい味、でも辛さもある割と好みな味ばかり。そんな感じにそこそこ美味しかったのだけれど、空いた皿を隅に寄せたりしているのに一向に下げにこない(でも明らかに視線はちゃんとその皿の上を通っている)店員さんの色々と気に障ったビミョ〜な態度とか、結局8000円使ったのになんかいまいち食べた気がしなかった満足度とか、「あ、ここは昼御飯にあげ玉丼を食べにくるだけにしよう」なんて思っちゃったのだった。お台場はやっぱりどこもかしこも観光地。値段も味も観光地……。

8月18日 水曜日
ババーンと、迫力のデザート
南国グラノーラ with 牛乳

だんなの夏休み2日目。今年免許の書き換えをしなきゃいけないだんなは
「せっかくだし、この夏休み中に書き換えてくるわー」
と、朝早く起きてふらりと幕張の免許センターに出かけていった。ならば、ならば幕張でお昼御飯食べようよ、ホテルのランチブッフェ行こうよ、その後さぁ、葛西臨海水族館行こうよ私行ったことないしー、と一気に一日の予定を組み立てる私。え?ホテルのランチブッフェ行くの?と苦笑いしただんなは
「君、なんだかんだ言って、君のお母さんとそっくりじゃん」
と言っていた。いや、なんか、母からの刷り込みができちゃったのか、なんか幕張というとランチバイキングに行かなきゃなー、という感じがしちゃってね……。

かくして、だんなが出かけて行った後、家でいそいそとあちこちのブッフェプランの内容を眺めてみたり、幕張に直通で行けるバスの時刻表を調べてみたり。ちょっと早めに出てアウトレットショップモールを眺めるのも良いかもね、と、早めに家を出ることにした。

昼御飯は、かくしてたらふく食べることが確定しているので、コーンフレークを息子と一緒にごくごく軽く、もさもさと。昨日の夕飯はやっぱり物足りなかったようで、今朝起きた時にはギュウギュウにお腹が空きまくっていたのだけれど、ぐっと我慢してバスに乗った。息子もバスに乗るなり
「おなかがすいちゃったなー、もー」
なんて言ってるし。

幕張 「ホテル・ザ・マンハッタン」のランチブッフェ \2000
 タコのマリネ・海老とブロッコリーのタルタルサラダ・茄子の広東風・マカロニサラダ
 グリーンサラダ・コーンスープ
 クリームソースのスパゲティ・ラザニア・夏野菜のカレーライス
 鶏肉のトマトソース・牛ロース肉の韓国風・鮭のハーブ焼き・肉団子
 シュークリーム・ティラミス・いちごのバタークリームケーキ・パンナコッタ・ぶどうのゼリー
 フルーツカクテル・すいか・メロン・オレンジ・パイナップル
 オレンジのクレープシュゼット
 中瓶ビール \750
などなどなどなど。

昼間近、無事に免許の更新が終わっただんなと合流。アウトレットモールでサフランの球根が欲しいなと思ってしまったり、1本700円もする代わりにとても精巧な造花に惚れてしまったりしながら、でも何も買わずにランチブッフェに向かう。目指したのは、以前も行ったことがある「ザ・マンハッタン」の2000円ランチバイキング。なんだかんだ言って、幕張でいくつか行ったランチブッフェの店の中ではここが一番美味しくて、また行きたいなと思っていたお店だった。一応事前に連絡を入れ、席を予約しておく。

それほどお高い食材は使われていないものの、どれもなかなか手がかかった料理ばかり。どれも食べやすい味で、かといって安っぽすぎるということもなく、良い具合に楽しめるブッフェの内容は去年と変わっていなかった。最初は冷前菜のコーナーから一口ずつ前菜を盛り合わせて持ってきて、サラダとパンもテーブルに。温かいコーンスープも啜ったら、いざいざと温かい皿を持ってスパゲティや肉料理をあれこれつつく。

前菜からデザートまでほどよく品数が揃って、ちょっと子供向けの味わいのクリームソースのパスタあたりは息子の心を鷲掴みにしたらしく、スープ数杯と共にせっせとお代わりして食べていた。劇場のようなステージがついた宴会場は天井が高く妙に煌びやかで、スポットライトを浴びる料理もどことなく誇らしげな感じ。お皿を下げたりする給仕の人たちの気配りもなかなか良く、とてもとても堪能できた。しかもここ、デザートも美味しいんだな。現に、だんなはブッフェでデザートにはほとんど手を出さないのに、今日は皿に3個も4個もケーキやプリンを盛りつけて嬉しそうに食べている。しかもお代わりまでしている。

そうそう、こんな感じだったのよ、けっこう美味しかったのよー、と思いつつ、でもどうしてもどうしても気になっちゃうのは他のテーブルの人たちの動向。席に案内されるなり、前菜もメインもすっとばしてケーキを皿にてんこ盛りして「キープ」しておく、一見お上品な身なりのおばさま方(しかもそのケーキを残す……大量に……)。別に皿をあれこれ使ってもお店は文句言わないのに、なーぜかアツアツのラザニアの脇にスイカとパイナップルを盛りつけて去っていく、お嬢さん。

そのあたりは端から眺めて「スマートじゃないなぁ」と思うだけで実害はなーんにもないから良いのだけれど、今日つくづく閉口したのがすぐ隣のテーブルにいた母親と幼児2人の親子連れ。これは人間ではなく猿の子供なんじゃないかと思う、大変な大騒ぎぶりだった。2歳くらいの男の子と4歳くらいの男の子は、もう全然じっとしてない。そわそわと席を立ったり座ったりするくらいならまだ良いのだけれど、フロア中に響くような声で
「おかぁさーん!スープ、スプーンでのんでてもいーいー?」(上の子)
「おかーちゃーん!」(ハモるように、下の子の絶叫)
なんて叫んでくれる。その声に対して「ちょっと静かにしなさい」を言うどころか、30m彼方から
「いーわよー!」
なんて叫ぶお母さん。口先だけではお母さんは子供たちに「ちゃんとしなさい」とかは言うんだけれど子供たちはもう全然言うことを聞いたりしないで、下の子はほふく前進で他のカップル席のテーブルの下をくぐって遊んでいたり、上の子はステージに上がって走って給仕の人に止められていたり。ここは幼稚園じゃないんだから。ディズニーランドでもないんだから。

そんな年頃の子供をお母さん1人で世話するのはすっごく大変なことだろうとは思うけれど、多少の同情の余地はあるのだけれど、でもだからといって「私1人で子供達を見てられないわよ。こっちはがんばってるんだから大目に見なさいよ」とばかりに堂々と"そういう状態"の子供たちをランチブッフェとはいえホテルのレストランに連れてくるのはどうかなぁと思っちゃったのだった。ファミレスやファーストフード店でもこれは顰蹙だろうよ、という子供たちだったのだもの。ちゃんと何十分か座っていられて、大声出さずにおとなしく食事ができるようになってから連れて来ようよ、と言いたい。私たちのテーブルの隣にも父母と息子(息子と多分同い年くらい)の親子が食事していたのだけれど、こちらは目で見てはじめて「あ、子供、いたんだ」と気づくほどにすごく静かに慣れた態度でブッフェ料理を楽しんでいただけに、そのギャップが強烈だった。でもそのおとなしい子供はずーっと素麺だけをモリモリモリモリと食べていて、それはそれで「なぜ君は、そんなに上品に素麺ばかりを……」という感じで面白かったりしたのだけれど。

「……まぁ、君は、すっごく良い子というほどでもないけどな……酷くはないよな」
と息子を見ると、クリームのスパゲティを平らげた後にフルーツの小山に格闘しつつあるところだった。もりもりと、よく食べている。

ここのブッフェは、月変わりでシェフが目の前で調理する1種類のデザートがあるのが売り。今月は「オレンジのクレープシュゼット」で、オレンジのソースを煮立たせた銅鍋に扇形に畳んだクレープを並べ、上から熱したコワントローを垂らしてフランベするというもの。高く掲げたレードルからコワントローが垂れると蒼い炎がポッポッと飛び、それがおばちゃんらや子供たちに大好評だった。夏休みシーズンということもあってか子供連れはけっこう多く(でも心底うるさかったのはその例の親子だけ……)、うきうきと銅鍋の前に集まる子供たちにコック帽をかぶった若きパティシエ(?)さんが
「はい、みんな念じてねー。"燃えろー"って言ってくれないとね、火がつかないんだよ」
なんて子供達の相手をしてくれて、
「燃えろー」
「もえろー」
「ひをふけー」
と、子供たちは大喜びだった。ほんのり洋酒の香りが利いたオレンジ味のクレープにはひとすくいのバニラジェラートが添えられて、息子はそれを2皿平らげた。大人っぽい味だけれどアルコールはちゃんと飛んでるし、とても上品な香り。デザートが美味しいブッフェは、なんだかとっても得した気分になれる。

またこのブッフェは来たいけど、あの親子にはもう遭遇したくないよ……落ち着いて食べられなくて、すっごく迷惑だった。

「牛角」にて
 ネギタン塩 \630
 カルビたれ \550
 ギアラ塩 \450
 うちハラミ塩 \550
 バジリコチャック (無料)
 ねぎすじ焼き (無料)
 お子様焼肉セット \580
 キムチ盛り \490
 にんにくホイル焼き \390
 ごはん(小) \170
 ハーフ冷麺 \390
 ハーフ牛角クッパ \390
 牛角アイス \180
 デカバニラレッド \290
 シークワーサーサワー 3×\100
 生レモンサワー \100
 ピンクレモネードサワー \100
 赤いオレンジジュース \100
 コカコーラ \100
……昼にあれだけ食べて、夜もこんなに……

幕張での豪華ランチの後は京葉線に乗って葛西臨海水族館へ。ちゃんと事前にホームページを見て確認していたはずなのに、どこをどう見落としていたのか、「毎週水曜日は休館です」の駅の看板に愕然とし、そのまますごすごと反対ホームに入ってきた電車に乗って帰ってきた。
「すいぞくかん、今日は行けないの?お休みなの?」
と、息子もとっても悲しそう。ううう、ごめんね。かあちゃんも悲しいよ。生のクラゲを見たくて、ここ数日ずーっとうずうずしているんだよ。来週あたり、ぷらりと行ってみるかねぇ。

「ああ……じゃあ、おとなしく家に帰るか……今帰ると、他の曜日に振り替えようと思っていた息子のジムにも行けるねぇ……。行く?ジム」
「うん、じゃあね、ジムに行ってくるー」
ちゃっちゃと頭を切り換えてくれた息子に感謝して、帰るなりすぐに支度して息子をスポーツジムへ。運動が終わった後はだんなと待ち合わせして、5時オープンの「牛角」に行ってハッピーアワーの100円ドリンクをやけ酒風に飲みながら焼き肉をつついた。
……なんで昼にバイキング行って、夜にこんなもの食べてるんだろうね。我ながらすごく謎。
どうやらだんなは
「平日に休んでいるうちに、平日のドリンク100円を堪能しに行きたい!」
と思っていたようで、水族館がポシャッた直後に「じゃあ、夜は焼き肉かな」と本気の笑顔で呟いたのが理由だ。そんな、本気の笑顔で言われたら行かないわけに行かないじゃないか。ていうか反対する理由もないし。

ハッピーアワーは5時から6時半まで。その間に注文したサワー類とソフトドリンクが1杯100円になる。
「まあね、昼にあれだけ食べたんだから、軽めにね」
「さらさらっとね」
なんて言っていたのに、食べた食べた食べた。クーポンだなんだと肉2皿が無料になり、そのほかに4皿。息子はロースやソーセージ、厚切りベーコンなんかがセットになった自分だけの焼き肉セットをもりもりと喰らい、最後はちょっとさらっとハーフサイズの冷麺とかクッパとか。最後には、大好きな牛角アイス(バニラアイスにきなこと黒蜜をトッピングした信玄餅味のアイス)も堪能。

お会計は、なんと5000円でお釣りが!思ったよりたっぷり食べたし、ドリンクなんか合計7杯も飲んだのに、たったの5000円!
100円ドリンクの威力ってすごいなぁ……と感動しながら、満足しまくって帰ってきた。
そして明日もね、食い倒れの一日予定……沖縄料理のすごい人と、台湾料理のすごい人のおうちに遊びに行くのだ。にやにや。

8月19日 木曜日
沖縄そばを御馳走になったよ。うまうまうま〜♪
バタートースト
アイスカフェオレ

今日は一日、大遠征。1年くらい前から
「良かったら遊びに来て来てー、沖縄料理作るからー」
とお誘いいただいていたお友達のTさん家に、いよいよ「じゃあお言葉に甘えて!遠慮なく!」と一家で押し寄せることにしたのだった。場所は筑波。そこから車で数十分の距離には、この春に赤ちゃんが産まれたMさん家もある。赤ちゃん見せてもらいたいし、沖縄料理も食べたいし、と合わせ技一本でうきうきと東京駅から高速バスで筑波に向かった。えっとー、オフ会とかいう感じじゃなくて、「突撃お宅の昼御飯!」みたいな?

「おなか、空かせてきてくださいねぇ」
と言われていたので、朝御飯は2枚を3人で分ける形でバタートースト。だんなの分には焼き海苔を1枚ぺろりと乗せてあげた。
昨日、ブッフェ行って焼き肉食べたはずなのに、朝になるともうちゃんとお腹が空いてるのよ……おかしいわよね。ちったぁ夏バテでもしてくれよ私の胃袋、って感じ……(いや、でも今日はバテたらいかんのよ)。

Tさんちで
 ドゥル天
 ジーマーミー豆腐
 クーブイリチー
 ミミガーとキュウリの和えもの
 ラフテーそば
 レアチーズケーキ・マンゴー
 ビールとかグアバジュースとかシークァーサージュースとかコーヒーとか

んで。ちょうど昼過ぎに到着する形で、つい数ヶ月前にお引っ越しされたばかりの、Tさんの新居に。お互いの近況はお互いの日記で把握しているとはいえ(これが、下手に疎遠な長年の友人とかよりよっぽど詳しいんだ……Web日記をつける者チェックする者の気持ち悪さというかくすぐったさというか、笑っちゃうほどに)、顔を合わせるのは初めてなわけで、なのに
「君はさ、マッケンチーズが大好きなんだよね?ちゃんと知ってるんだよ〜」
「うん、ぼくはね、マッケンチーズ、だいすきなんだよ?」
なんて事を話していたり。はじめましてはじめましてこれは怪しいお土産ですー、なんて挨拶をして一緒にテーブルについた後は、食べて話して話して食べて、あっという間に3時間くらい過ぎてしまった。

ぽちぽちと沖縄料理をお店で食べるようになり、その独特なメニューもだいたい理解できるようになった今年の夏だったけれど、沖縄出身の人が作る沖縄家庭料理を食べるのはこれが初めて。「ジーマーミー豆腐」(落花生のお豆腐。胡麻豆腐に似てるけど、もっと軽くて私は胡麻豆腐よりも好き)なんて、市販のものを購入するのが普通と思いきや、生の落花生で豆乳を作って、お芋の粉を加えて固めて作るのだとか。おろし生姜を添えて、甘辛いタレをかけていただいたそれは、すごく優しい味がした。生姜がとっても似合うのね。

テーブルの中央には渋くてごつい、素敵な焼き物の器に入った、ミミガー(豚の耳。ずっとミミ↓ガー→という発音だと思っていたら、ミミ↑ガー→なのだそう)のさっぱりとした味の和え物と、スープを取った後の豚バラを使ったのだという、クーブイリチー(昆布の炒め煮料理。椎茸なんかも入っていた)。どちらもやっぱり優しい味。お店で何度か食べたミミガーは、これでもかと大量のピーナッツバターを和えたような味がして、それはそれで少量つつくには美味しいけれどたくさんは食べられないなという味だったものだから、ほのかに辛くて適度に甘くて、キュウリがたくさん混ぜられたミミガーはいくらでも食べられそうな味だった。御飯が恋しくなってくる豚の脂がコテッと絡まったクーブイリチーも、箸が止まらない。

「これはー、ドゥルドゥルした食感だから、ドゥルワカシーと言います。それを丸めて揚げたものだから、ドゥル天」
「どぅる……てん」
「そうそう、ドゥル天。えっと……この本に」
「おおー、"ドゥル天"」
食感の残る大きさのお芋(田芋。山芋にちょっと似てる)がごろごろ入った、表面がサクッとして中がもちっとしたお団子も。息子は食べたことがないものばかりだろうー、と見ていると、そのドゥル天を1個食べて、も1つ食べて、「これはおそば?」てな顔をしながらクーブイリチーをツルツルと食べ、ミミガーは不審な顔をして避けつつ、一緒に和えられたキュウリをもりもり食べていた。

そしてメインディッシュに、めちゃめちゃ手がかかっていそうな沖縄そば〜。豚の皮つきのバラ肉でことこととスープを取って、それを鰹だしと合わせて、塩とか泡盛とかあとは隠し味に市販のソーキソバのスープなどもちょいと加えたのがスープになる。透明で一見すると魚介のだしのような印象なのだけれど、しっかりと豚の味。そこにクネッとした独特の食感の麺を入れ、沖縄のかまぼこ入れて紅生姜入れて、ねぎ添えて、豚の三枚肉(の甘辛煮?)を添えると一般的な「沖縄そば」、ラフテー(角煮)を添えると「ラフテーそば」、スペアリブの甘辛煮を添えると「ソーキそば」。どれも豚を入れることに変わりはないのだけれど、そんな感じにちゃんと別れているらしい。

で、今日はラフテーそば。甘辛くコテコテに煮込まれた豚バラ肉が涙ちょちょぎれるほど美味しかった。しかもこの肉、皮つき。皮つきの豚バラ肉は、アメリカに住んでいたときにアジア食材店で売られていて、ここぞとばかりに買いまくって調理していた(そう、皮つきだということでわざわざ日本の友人に泡盛を持ってきてもらってラフテーを作った……)のだけれど、日本のお肉屋さんじゃまず見かけない。皮つきの豚バラは、独特のプリプリトロトロ感があって、食感も良いしそこの部分の独特な甘さも最高。とろんとした舌触りがなんとも美味しかった。

食べて食べて、しっかりあれこれ食べて、デザートに手作りレアチーズケーキに
「せりあさん、マンゴーも食べたい?」
「たべますー♪」
と、ちゃっかり沖縄マンゴーまで剥いてもらって、すっかりあれこれ御馳走になってしまった。

あれこれ食べながらも話題は食べ物の話ばっかりで、面白かったのは
「あ、私ね、ゴーヤー苦手なの。沖縄の夏はね、ほんとーにゴーヤーばっかりで……毎年つらかったなぁ……」
というTさんのカミングアウトを聞けたこと。ああ、沖縄の人でもゴーヤーが苦手な人もいるんだ、タイや韓国の人が辛いものを普通に食べられるように、沖縄の人はゴーヤーを普通に食べるんだと思っていましたよー、と言ったら、
「だって、苦いじゃないですかゴーヤー。あとねー、ヘチマみたいな瓜を煮たりして食べるんだけど、それもねぇ……」
だそうで。ゴーヤーは苦くても堪えて喰え!みたいなものかと思っていたので、なんかちょっと、私の気分が軽くなった。いや、最近はその苦さがかなり前向きに好きになってきているんだけど、最初はほんとに「なんじゃこの苦い食べ物はぁ!」と思ったことを思い出す。

ケーキ食べた後は、エキスポセンターで1時間ちょっと遊び(筑波万博の展示物が残っていたり、物理などの体験ゲームコーナーみたいなものがある。息子も萌えたが、案外に大人も萌えた……)、
「ここね、チョコレートケーキが美味しいです」
とお勧めしてもらった「Fresson」(フレッソン)というケーキ屋さんでチョコレートケーキとロールケーキを買ってきて、お別れ。帰りには車で次のお宅まで送っていただいてしまい、何から何までお世話になっちゃった。

会っている間、割と上品(?)な話題に終始していたので、最後の帰り際になって、
「しまった、Tさんに会ったらインターネットのほにゃららな話とかしようと思っていたのに、忘れちゃってた」
と車中で話をふってみる。
「なぜ!?なぜ、一体どうしてですか?」
「いやー、顔文字とか、日記けっこう出てくるし。あ、この人はけっこうディープに読んでるだろ、絶対、と」
もう、そこから大変。車の中なのに(Tさん運転してるのに)、ゲタゲタ笑いながら
「○○だったら××でしょ、まったく△△なんてありえねぇ〜」
「ほんとほんと、ありえねぇ〜」
なんて、最初の「どうもはじめまして」な雰囲気はお互いどこかに飛んでいた。文章から感じるTさんは、実物より2段階くらいはっちゃけた風に感じられた(というか、実物が文章の印象よりもずっと落ち着いた知的な方だった)けれど、そのあたりでもうすっかり「ああ、文章と実際がぴったりだわ」なんて思ってしまったのは秘密。

どうもありがとう、Tさん。また遊んでやってねぇ〜。

Mさんちで
 海老すり身のはさみ揚げ
 水餃子
 豚しゃぶサラダ
 タピオカ入りココナッツプリン
 「Fresson」のチョコレートケーキ
 ビールとかお茶とか

「というわけで、沖縄のえらい人のところからやってきましたー」
と、夕方から、子育て真っ最中のMさん宅に。産まれて5ヶ月の女の子をたっぷりいじくらせてもらってきた。今日はだんなさんの帰宅は遅いという事だったのだけれど、
「せっかく近くに来るから、赤子の顔だけでも見させて〜」
となだれこんだあげくに、「いやいや、そんな事言わないで、だったら御飯も食べてってよ」という言葉に甘えて夕飯までゴチに。赤子の機嫌次第だから簡単なものしか作らないから!と宣言してもらっていたので安心していた(そうじゃなければ、3〜4日がかりで山のような料理を準備しかねない人……)だけれど、なんかすごく大量の水餃子とか用意されてるし、続々と揚げ物が揚がってくるし、なんかデザートとか作ってるし!びっくりだった。

赤子、とってもとっても可愛い可愛い。私もだんなも格別に「子供好き」というわけではなく、正直言うと子供は苦手な部類に入るのだけれど、仲良しの友人夫妻の子供となると、やっぱり違う。
「うわー、やっぱり写真どおりね、だんなさんそっくりだねー」
とか言いながら、ピンク色でふわふわした赤子をたくさんだっこさせてもらった。首が座って、仰向けに寝かせておくとくるりとうつぶせができるようになったくらい。

「かわいいねー、いいこねー」と言うとヘラッと見事な笑顔を見せてくれて、西原理恵子の漫画で読んだ
「娘は上手いぞ。気をつけろ」
というフレーズが頭をよぎる。ほんと、すごいよ。娘は上手くやる。赤ちゃんの頃は顔だけじゃ性別なんてほとんど判別つかないのに、「ああ、やっぱり女なんだなぁ」と思わされた。なんかね、違うのよね。息子と娘だと笑顔の感じとか色々なものが。

Mさん家では、男の子も切望されているらしい。鉄分多め(鉄道大好き)なだんなさんが
「男の子だったら"小テツ(こてつ)"にするのに」
と言っているらしい。で、我が家は我が家でだんなが
「女の子いいなぁ、女の子、欲しいなぁ」
なんて言っている。でも、Mさん(大変な難産だった)も私(大変な安産だった)も2人して、
「もうあんなつらい思いはイヤ。妊娠中つらいのも、産むつらさも全部イヤ」
と言っている。いいじゃん、うちの息子は確実に"小テツ"になってるしさぁ、Mさん家の娘さんは可愛いしさぁ、お互いちょくちょく会ってそういうつもりで接すればねぇ?なんて話してみたり。

私はずっと赤子にデレデレしていたので、息子がやきもち焼いて変な言動になったりして……と内心用心していたのだけれど、
「あかちゃん。あそぶ?これであそぶ?」
とおもちゃを持ってきてくれたり、泣きそうな赤子の横でずーっと「いないいないばあ」をやっていてくれたり、それはそれは良い"お兄ちゃん"ぶりを見せてくれた。な、なんか一人っ子とは思えないぞ。なんか偉いぞ。息子は私が思っているよりずっとずっとしっかりしていたらしくて、それはなんだかとても誇らしかった。

夕御飯は、たーっぷりの水餃子(焼き餃子も美味しいけれど、モチモチした水餃子もとっても美味しい。Mさん家のは優しい味)に、豚シャブと生野菜の胡麻ドレッシングサラダ、海老のすり身をサンドイッチ用の薄い食パンでサンドして揚げたもの。香ばしくてサクサクで美味しかった。デザートには、
「うーん……なんにも見ないで作ったんだけど……ビミョーかしら……?」
と出してくれたタピオカが底にたっぷり詰められた、ココナッツミルクと杏仁の味のプリン。確かにちょっとビミョーな風味な気もしたけれど、でもそれは単に甘さが少ないだけなようにも思われて、
「甘くすると、変わると思うよ。……カラメルかけるとか?」
「ああ、メープルシロップある」
「……うん、合うんじゃない?合うよ。甘くすると美味しいよ」
なんて言いながらたっぷりいただいた。濃厚なチョコクリームと濃厚なチョコスポンジが層をなして、上にこれまた風味豊かなクリームが絞られた「Fresson」のチョコレートケーキもどっしりがっつりと美味しかった。

なんだかんだで、おいとましたのは10時過ぎ(乳児がいるのに……ごめん……)。
「添い寝する時、暇だから漫画読むじゃない?もうさすがに読むものなくてー」
なんてMさんが言ってたので、
「ガラスの仮面貸そうか?まだ完結してないのだと貸してもモヤモヤしちゃうよねぇ……BANANA FISH とかYASHAとか、あと、巴がゆくとかBASARAとか……少年漫画や青年漫画もいっぱいあるけど。MONSTERとか?」
段ボールにみっちり詰めて送るわよ今日のお礼に、と、所有漫画をざざざーっと上げてみる。えっとー、送るものは、やじきた学園道中記と、BASARAと、OZ。あとは隙間ができたら色々詰めちゃおう。

家にたどり着いたのは日付が変わるか変わらないかの頃で、さすがに息子ともどもヘロンヘロンに疲れての帰宅となったけれど、今日は一日、楽しかったぁ。料理上手のもてなし好きなTさん、Mさん、今日はほんとにありがとう。

8月20日 金曜日
5カンで500円の、旬握りセット
クーブイリチー
水餃子
海老すり身のはさみ揚げ
御飯
アイスプーアル茶

今週は火曜から木曜までずーっと遊び呆けたあげくに昨日は午前様。さすがに疲れて、今朝はだらだらとちょっと遅くまで寝こけていた。それでも一番早く起きたのは私で、昨日お世話になったお二方にお礼のメールを入れて、昨日の分の日記書き。25cm四方の立方体の水槽に入れてやってから絶好調な体調を維持していると思われる金魚たち(アドンとサムソン)に餌をやって、ぼへーっと眺めていたりしたらだんなが起きてきた。昨日もあれだけ食べたのに、朝起きるときっちり空腹になっている自分がちょっとイヤ。

昨日は、行く家行く家で
「これ、持って帰ります?」
「残ったの、よかったら持って帰る?」
と声をかけていただき、「わーい、いただきまーす」「……こっちも、もし"余っちゃって困っちゃう〜"というなら是非いただいていくけどー!?」なんて返事をしてわちゃわちゃと色々いただいて帰ってきた。Tさん家からは、クーブイリチー(と、沖縄の実家になったというシークァーサーとかソーキソバのスープとか)を、Mさんちからは、水餃子と海老すり身のはさみ揚げを。これだけあったら、あとは白い御飯でお腹一杯食べられそうな感じで、電子レンジを活用しまくって食卓にずらーりと並べた。どれも御飯が進むおかずで美味しいわー。

昆布の炒め煮「クーブイリチー」は、一晩たって味がなじんで、なんだかますます御飯の友な味わいに。豚バラ肉の他に椎茸とかこんにゃくなんかも入っていて、
「つまりさ、これって、このへんで食べるところの"ひじき煮"みたいな位置づけなのかな?ひじき煮には油揚げ入れたりこんにゃく入れたり人参とか椎茸入れたりするじゃん?御飯のおかずだし、味も比較的似てる」
「あー、そうかもね。こういう昆布はあんまりこのへん(←千葉とか東京とか)じゃ食べないけど、要するにひじき煮みたいな感覚かもね」
なんて言いながら、もぐもぐと。

来週早々には小学校時代からの友人と一緒に、またもや沖縄料理屋さんに行く予定。色々味を覚えたら、家で作りまくるぞー。とりあえず、皮つき豚バラ肉を買ってきてラフテーから(←また、そんな肉っぽいものから……)。

「Fresson」のロールケーキ
アイスカフェオレ

今日の午後は、息子のピアノ教室。
「どうせ千葉行くならさ、寿司行かない?ここんとこなんかずっとお寿司が恋しくて。どうせだったら息子のピアノ教室風景を君も見ていくが良いよ」
「うん、いいよー。暇だし」
と、だんなも一緒に行くことが決定。ついでに、ただの「見学」じゃなくて、息子の脇に、いつもの私の代わりについていただくことに決定。

「じゃあね、最初のお歌の振り付けを教えまーす」
「え、やだよ、俺も踊るの?」
「そうよー、踊るのよー。はい、ちゃんと見てー。"パッパカパッパッパー♪パレード♪"」
「やだよ、おゆきさんやってよ、いつも通りに」
「だめよダメダメ。"パッパッ♪いろんなおーと♪""音♪"はこのポーズね、あとね、"人♪"のポーズと"歌♪"のポーズが」
「うわぁ、イヤだよぅ」
「ぐだぐだ言うなー。私も心底つらいけど毎週これをやってるんだぞー」

だんなに踊り指導をしながら、出かける前に軽くおやつを。昨日、筑波で買ってきたロールケーキをサクサク切って1人1切れ。アイスカフェオレをクーッと飲み干してから出かけた。
「Fresson」(フレッソン)というそのお店、なんでも「オーボンヴュータン」でかつて働いていたパティシエさんが開店したお店なのだとか。こぢんまりとした可愛らしいお店で、カウンターの背後の棚に並んだあれこれの焼き菓子はどれもこれもとても美味しそうだった。

私の理想よりもちょっとだけクリームが少なめなロールケーキは、でも思った以上に美味しいものだった。良い材料を使っているんだろうなぁとはっきりわかる上品な味で、甘さが控えめすぎない程度に淡く、でも乳脂肪はたっぷり、という感じ。カステラとシフォンケーキを足して2で割ったような柔らかいスポンジ生地でくるまれたホイップクリームは余計な具やら香料やらは加えられていなくて、「そうそうこれこれ」と頷きたくなるシンプルな構成だった。一見そっけない感じなのに、かなり美味しいロールケーキに満足満足。だんなは振り付け、覚えたかな?

千葉 「すし銚子丸」にて
 季節の5カンにぎり
 ねぎとろ軍艦
 穴子・ウニ
 関サバ・中とろあぶり
 生サンマ
 トロとんにぎり
 うずら納豆
 イクラ手巻き
 あら汁
 ビール
などなど。

ぷーぷー言いながらもだんなは一緒に音楽教室に行き、
「おとうさんと、いっしょに音楽教室したいなぁ?」
の息子の言葉に観念したように一緒に「パッパカパッパッパー♪」と歌い踊っていた。私も脇で見学。「おかあさんといっしょ」系なものが照れくさくてどうしようもない人種(私とだんなが含まれる)にとっては、音楽教室はなかなかに過酷な場だ。

教室の後は、ヨドバシカメラ寄ったり100均ショップ覗いたりして、夕方5時頃に回転寿司の銚子丸へ。今日は私がおごってやろう、という話になっていて、
「ドーンと食べちゃってください!でも金皿は1人2枚まで!ただし茶碗蒸し、あら汁、ビールの注文はオッケーです!」
「おお、茶碗蒸し、可、ですか!」
「可、です!」
別に茶碗蒸しなんて、そんなに高い品じゃないはずなんだけど、そんな事を言って盛り上がる私たち。
「ぼくもね、おなかすいちゃったぁ」
なんて息子は不穏な事を呟き、その言葉通りに今日はやたらとよく食べた。財布の中には、印刷してきたクーポンが家族3人分(ちゃんと1人200円引いてくれて、600円割引に)。

ここには、その日の入荷やおすすめによって内容が変わる「季節の5カンにぎり」というものがある。毎回毎回、ある程度食べ進んでからメニューそのその文字を見て、「しまったぁ、これを最初に注文すれば良かったぁ」なんて思ってしまうのだけれど、今日はビールと共にこれを1人1皿注文。内容はわかしとか金目鯛とか、「今日のおすすめ」として黒板に記載されていたものがほとんど。トロンと脂の乗っているものばかりで、口の中でホロホロ溶けていく食感がたまらない。

ぺろりと1皿食べた後は、
「これ取ったらおゆきさんも半分食べる?」
「うん、食べる食べる。息子さぁ、これ取ったら1個食べない?私も食べたいんだけど」
「たべる、たべるよー」
なんてやりとりしながら、個数は少なめ、種類は多めの方向で。今日もよく食べた。回転寿司ならではのイロモノも、つい手を出してしまった。今日のイロモノナンバー1は、「トロとんにぎり」。豚トロの焼き肉でも乗っているのかと思ったら角煮の薄切りを乗せた寿司。"小僧寿司"あたりにはトンカツ巻きとかチャーシュー巻きみたいな怪しい巻物があるけれど、そんな感じのほのかにジャンクな味だった。けっこうツボで美味しかった。そういうのが美味しいわと思っている限り、しばらく回っていない寿司屋には行けそうになく……(ダメじゃん……)。

8月21日 土曜日
なんだか突然、カレーライス
ざるそば
麦茶

だんながおおいにハマッているネット麻雀ゲーム「MJ2」。なんでもこの週末に大会が行われるのでそうで、本番に臨んでわくわくしている夫は先週なんとかその予選を勝ち抜いていた。
「津田沼でできるから、津田沼行こうっと♪」
「ぼくもー、ぼくもついてくー」
「……あー、私も津田沼、行こうかな。まんが喫茶、行きたいと思ってたんだよね、うちの近所にはろくなのがないし。息子も、ゲーセンでだんなの横に貼り付いてるより私と一緒にまんが喫茶行く方が多分楽しいっしょ」
ということで、今日はたらたらとゲーセンとまんが喫茶という、「学生じゃないんだから」みたいな場所にお出かけ。

「じゃあ……ドーナツでも食べる?マクドとか」
「うーん……ドーナツは最近頻繁に食べてる気がするし……マクドもねぇ」
「うどん、うどん……いや、蕎麦にしようか。日本蕎麦」
「うんうん、日本蕎麦良いね日本蕎麦」
蕎麦を提案しただんなが、さっそく鍋を出して湯を沸かし始めてくれる。私は洗濯機を回しがてら、ベランダの花に水やり。最近手入れを怠っていたのでサフィニアの花がらを摘んだりオリーブの鉢に生息している芋虫の退治をしたりしている間に、いつのまにかだしの準備も刻み葱の準備も揚げ玉の準備も全て終わっていた。蕎麦猪口はちゃんと冷凍庫で冷やされていて、色々と完璧。

氷水で冷やしたキンキンに冷たい麺を皿に盛りつけ、朝食はざるそば。麺に揉み海苔をドバーッとかけ、つゆには刻み葱と揚げ玉をザラーッと入れ、存分に啜る。夏といったら冷たい蕎麦とか素麺とかが定番だけれど、ざるそばは久しぶりな気分。おいしかったぁ。

まんが喫茶で
 カルピス・アイスココア・コーンスープ
 たけのこの里・キャラメルコーン・かっぱえびせん

「Fresson」のロールケーキ
アイスカフェオレ

「さぁさおゆきさん。早く行こ。ほら、早く準備して」
妙にだんなにせかされつつ、朝食後(といっても11時過ぎ)にいそいそと準備して津田沼に。
「俺はこの建物だから。君たちのまんが喫茶はこの向こうでしょ?じゃ、後でね」
会話もそこそこに、だんなはゲーセンに消えていった。何をそんなに焦ってるんだろうねぇ、と、息子と2人、これが2人して初めてのまんが喫茶体験。

「えっと……ペア席っていうのがあるんですか?じゃあその席で……パソコン、ついてますよね?」
「はい、ついてございます」
「禁煙席でお願いできますか?」
「ペア席は、全て喫煙席です」
「そですか……。支払いは帰りでいいの?」
「はい、お帰り時に。こちらのレシートお持ちください」

勝手がわからず、右往左往しながら席番号の書かれたレシートを受け取って小さなブースに。3人くらい座れるソファの前には大きなテーブル、DVDとPS2が接続されたテレビが1台とパソコンが1台。ちゃんと低い塀で囲われていて、入り口にも目隠しがついている。食べ物は持ち込み自由でソフトドリンクは飲み放題。息子と2人、
「コーンスープまであるね」
「コーラがありましたぁ!」
なんて言いながら飲み物を貰ってきて、私はいざいざと、目当ての漫画を探して歩く。

どうしても読みたかった本、それは『ナース・ステーション』(島津郷子 集英社)。先日遊びに行った際、Mさんちで借りてきた本だ。おもしろそうだなと借りてきたは良いのだけれど、途中ポツポツと巻の抜けがあって、1冊でなんとなく読み切り形式にはなっているけれどその空白がどうにも気になっちゃって、「このキャラとこのキャラの確執はどうなってるの?で、この主人公はこの後どうなっちゃうの?」と気になりまくり。本を買ってしまうほどの熱意はないのだけれど、でも気になってしょうがないので、まんが喫茶に来ようと思ったのだった。なのに、目当てのその本はなかった。がっくり。
ン万冊の所蔵があるらしいのに、その本はなく(その作者の別の短編集はあった)、しょうがないので一度読んでみたいと思っていた週間少年ジャンプ連載中の『BLACK CAT』(矢吹健太朗 集英社)をごっそり持ってきて読み読み。確か19巻くらいまで出ていたはずだけれど、3時間で7巻までしか読めんかった……(私は遅読の人……)。

座ってしばらくした頃、
「MJ2、満席だよー。だから早く来たかったのにー」
と、だんなから泣きのメール。「まだ空かないよー」「やっと座れたよー」と着々とメールが届く中、私はジュース飲みながら、コンビニで買ってきたお菓子を息子とつまみつつだらだらと漫画読み。息子はその間、漫画は読まずにずーっとネットサーフィン。
「あ、グーグルのーツールバーがあるじゃない」
とか言いながら、自分で"disney"とか"shockwave"とか入力してゲームサイトを見つけて遊んでいた。遠からず
「リネージュしたいな」
とか
「ファイナルファンタジーのー、ネットのゲームがやりたいなんだよ」
言い出しそうで、ちょっと怖い。ネットゲームは……もうちょっとタイピングが早くなってからにした方がいいぞ、と言うことにしておこう。

そんなこんなで3時間後にまんが喫茶を出てゲーセンにだんなを迎えに行くと、だんなもちょうど最後の1戦を戦っているところだった。少しだけ待って、お互いの成果を話しつつ帰宅。
私や息子は小袋入りのかっぱえびせんやら何やらをポリポリ食べていたのでそれが昼御飯代わりになっちゃったけど、だんなはペットボトルのお茶1本でゲームをし続けていたらしいので、帰宅してから残っていたロールケーキを1切れずつ。かっぱえびせんもキャラメルコーンもすごく久しぶりに食べたんだけど、美味しいわ、相変わらず。

「ひごもんず」の焼き餃子
「ぎょうざ屋五右衛門」の焼き餃子
豚バラ肉のカレーライス うずら卵のフライ乗せ
ゴーヤーの胡麻ドレッシング
クーブイリチー・壺漬・チーズ
ビール(モルツ)・麦茶

夕御飯、いまひとつ何を食べたいかというアイディアも沸かなくて、あーだこーだと相談しながら駅ビルでお買い物。特売品の真空パック入りナンを見つけ、
「あ、カレーいいかも」
「カレーならね、豚バラのがいいな。豚バラ」
「……魚介とかじゃなくて?」
「うん、魚介じゃなくてー、鶏でも牛でもなくてね、豚バラ」
豚バラ豚バラ言いながら、塊の豚バラを買ってきた。買ってきて、肉を一口大に切ってから粗塩と粗く挽いた黒胡椒、カレー粉をまんべんなくまぶしつけてダッチオーブンで焼き付けていく。いつもよりちょっと細かめに切ったにんじんと玉ねぎも加えてよーく炒め、あとは水を加えて蓋をしてことこととひたすら煮込む。ルーを加えたら、バターも1かけ落としてできあがり。

煮込み始めたところで、クール便の箱が2つも届いた。中には、冷凍の餃子が全部で90個。
「……あれ?モニター商品の餃子だよね?……なぜ、2ヶ月分も一気に?」
と思いながら片づけようとしたのだけれど、我が家の冷凍庫には餃子が90個も入る余裕はない。ぎゅうぎゅうと詰めたもののすぐに扉が開いてしまう不安定さで、結局30個ほど焼いて食べることにした。

先月から1年間、我が家には千趣会から餃子が毎月届くことになっている。「モニター募集」の広告を以前見かけ、「やーらせてー」と応募してみたら、あっさりそれが通っちゃったのだった。餃子は好物なので、とっても嬉しい。美味しければ、なお嬉しい。でも、冷凍で届く餃子は生の手作り餃子とはやっぱり勝手が違うもので、なかなか上手に焼けなかったりするのだった。先月は鍋底にくっつけちゃったりベタついちゃったりとちょっと散々だったけれど、今回は前回の教訓も生かしてかなり上手い焼き加減に。
「うん、くっつかないように油はちょっと多めにしてね、加える湯も多くしたよ」
と、我が家の"餃子焼き担当者"は言っていた。

モチモチした皮が独特な「ひごもんず」のニラ風味の焼き餃子と、肉がもっちりねっちりとした味が濃厚な「ぎょうざ屋五右衛門」の焼き餃子。餃子なんて似たようなものなのに、2つの店のを並べて食べてみるとくっきりはっきり違うもので、
「こっちは皮がプリプリね」
「うん、でもこっちの"肉!"って味の方はかなり好きだな。好みだな。これは美味しい」
とか言いながらもりもりと。餃子食べてビール飲んで、もう1缶飲んで、その後にさらさらっとカレーを食べるという変な献立になった。餃子が届くとわかっていればカレーじゃなくてあんかけ御飯とかにしたかもしれないけれど、まぁこんな事もあるさ。

じゃがいもを入れなかった今回のカレーには、お肉屋さんの総菜コーナーで買ってきたうずら卵のフライを乗せて。
「これにね、茄子を揚げたのを添えようと思ったんだけど、茄子、冷蔵庫の中で"昔茄子だったなにか"に変化してましたー」
「うずら卵に茄子添えて、チーズも出すの?……それ、まるでココイチじゃん……」
「……やっぱり?なんかさ、ココイチのカレー文化に毒されてるんだよね、最近」
元々カレーにゆで卵を乗せたりするのは好きだったのだけれど、最近はチーズが必須になってきたりコーンや茄子や揚げにんにくなんかも添えたくなってきてしまって大変にヤバイ。もう一歩進むと豚モツとか納豆とかオムレツみたいのを乗せたくなってきそうで、それもまた怖い。
じゃがいもが入っていない、玉ねぎやにんじんの細かいのが入るカレーはいつもよりトロンと滑らかで、それもまたほんのりココイチ寄りだった。そんなに好きか、ココイチ……。

8月22日 日曜日
あんかけ焼きそば。麺は皿うどん用。
だんな特製 あんかけ焼きそば
麦茶

今週の色々の遊びの疲れが出たのか、今日の私たちは異様によく寝ていた。いつもの週末なら私は8時には目が覚めていたのに、今日は気づけば10時。だんなに至っては11時近く。更に息子に至っては、あやうく午前が午後になっちゃうところだった。
「息子さん息子さん?それ以上寝てると"アウト"ですよ、"アウト"」
と言いながら息子を起こす。昨日はそんなに遅く寝たわけじゃないし早起きもしたわけじゃなかったのに、目玉がとろけるんじゃないかという勢いでぐーぐーと皆して、一体どうしたことだろう。

ちなみに「アウト」とは、起床が正午過ぎになったときにそう言われてからかわれ呆れられる、だんなの実家の文化。
「あー、昨日の土曜はヤバかったよー」「え、なに?アウトだった?アウトだったの?」とか、
「こないだの週末はダメだったね。アウトだったよ」なんて風に使われているらしい。

正午も過ぎてから、今日1回目の食事。昨日、
「なんか、中華風のあんかけ御飯が食べたい」
「あんかけかぁ……俺は、あんかけ丼というよりあんかけ焼きそばの方がいいな」
なんて言いながら材料を買ってきたのだった。駅ビル内にあるちょっと高級めなスーパーには伊府麺の揚げたやつの玉売りもあったのだけれど、それはちょっと割高だし理想よりちょっと太め。同じ売り場に皿うどん用の麺も置かれていて、そちらの方がそれっぽかったので2袋買ってきた。麺と共に袋に入っていた顆粒の調味スープは使わずに、だんなが材料ざかざか炒めて作ってくれる。

具は、豚肉と冷凍庫内に入っていたブラックタイガー、そしてやっぱり冷凍庫内に入っていた中華ミックス野菜。それと、忘れちゃいけないうずらの卵も1人1個。なんとなく買っておいた中華用のミックス野菜だったけれど、これがなかなか便利だった。くわいやきくらげ、ベビーコーンなんかが入っていて、かなりそれっぽい。肉と魚介が両方入るのが中華風のあんかけならではで、その肉や魚や野菜の味が染みたスープがカリカリパリパリの麺に染みこんでいく。
「うーん……ちょっとスープ少なめだった?」
と、"我が家のあんかけもの担当"のだんな(←なんかどんどん担当が増えていってるぞ……)がいまひとつ納得のいっていない風の口調で言っていたけれど、あまりベショベショと水気が多いのも麺のパリパリが損なわれるのでこのくらいでいいかな、と。

ICE GUY

だんな、今日は職場の同僚さんたちと阪神戦を見に行く約束をしているのだとか。
「今日もちょっくらネット麻雀やってから行くわ!」
と、焼きそば後にちゃっちゃと出かけてしまった。今日がだんなの夏休み連休最終日。楽しんできてねぇ〜、とお見送り。

日曜だけれど息子と私はどこかに出かける予定もなく、
「図書館、行こうか?本返さないといけないし」
「うん!いくいく〜」
と、自転車こいで図書館に。私はクラゲの図鑑とか深海についての本を手にし、写真が綺麗だった和食器についての本なんかも借りてみる。製本術についての本も面白そうかな、と1冊。

自分の分のカードを持ち、自分の手さげ鞄を持って
「じゅっさつ借りて、いいの?10こ借りていいのね?」
うきうきと児童本コーナーに消えてった息子は5分ほどして
「10こ借りてきたよー。でんしゃのご本、いっぱいあったよー」
と、電車の本ばかりを10冊借りてきて御満悦。「関西の特急」とか、「東海の電車」とか借りて、もうなんだか大変なことに。

今日はさほど気温も高くなさそうだったはずなのに、帰ってみると蒸し暑くて汗だらけ。夕飯までは間があるし、買い置きのアイスを1個ずつ食べた。最近は、私の大好きなカルピスボトルアイスが見つからなくて、仕方なしに買ってくる"次点"のICE GUY(アイスガイ)をガリガリと囓る。青くてシャリシャリのソーダ味。おいし。

2日目のカレー チーズ入り
ナン
スティック野菜のサラダ バジルマヨネーズ
アップルティーソーダ
山梨の葡萄(ピオーネ・ロザリオ)

だんなは今頃野球観戦。息子と2人の夕食は、昨日作ったカレーを出すことにした。特売していた真空パック入りのナンを昨日買ってきてあったので、ナンをオーブンで温め、カレーはスープボウルに注ぐ。カレーに沈めるようにピザ用チーズを2つまみほど入れ、それを溶かしてピヨーンとさせつつナンにコテコテつけて食べた。キュウリとにんじんをスティックに切り、ベランダのバジルの葉を摘んで刻んでマヨネーズに混ぜ込んだものを添えて。

割とどこででも買えるけれど、「Martinelli's」のりんごジュースは私の好物。以前、そのスパークリングバージョンがあったのを買ってきておいてあったので、それを息子と半分こ。りんごの味が濃厚なのは良いのだけれど、プレーンと同じくスパークリングもやっぱり甘さが濃厚で、途中からアイスティーをブレンドしてアップルティーソーダにしながら飲んだ。リンゴソーダを紅茶で割ったりオレンジソーダを紅茶で割るのはほのかに甘くて爽やかで、なかなか美味しいと思う。アップルソーダはかなり濃厚に甘かったのでアイスティーで倍に薄めたくらいでちょうどよく飲めた。

煮込まれて煮込まれてトロントロンになった2日目のカレーはナンに添えて食べるにもぴったりで、とろけるチーズが嬉しかった。でも、今回のカレーは調子に乗ってカレー粉を肉にまぶしまくったので、ちょっと辛くなっちゃったような気がする。息子には少々酷なカレーだった。

デザートは、山梨から届いた葡萄。
去年も葡萄をお送りいただいた、"奇特な山梨県人"さんが今年も「露地もののお盆明けの最大級なものを!」とお送りくださったのだった。そろそろ果物屋さんの品揃えが桃やスイカから梨や葡萄に代わってきた今日この頃。ブリブリと大粒の葡萄も増えてきたなぁ〜美味しそうだなぁ〜と涎垂らして見ていたのだけど、いただいたのはこれまた大変にゴツイ葡萄だった。1粒1粒が膨らみきって張り裂けそうにムチムチと光っていて、そのサイズは1粒が梅の実か小粒のプラムかというくらい。

「うーわ、これは3粒くらいで腹いっぱいになりそうな……」
と思いながら、ツルリと剥ける皮をはいで食後にポイポイと口に入れた。巨峰にマスカットを交配したというピオーネは、すごい大粒なのに種なし。口いっぱいに含んだそれをそのまま噛んで飲み込めるというのはなんだかすごいことだ。ピオーネはフレッシュな赤ワインに似た香気を持つ、どっしりとした甘さの濃厚な甘さ。"ロザリオ"という名前だというマスカット色の葡萄は、ロザキという品種とマスカットオブアレキサンドリアという品種を掛け合わせた味と香りのバランスの良い品種なのだとか(←調べてみた)。ホワイトグレープジュースそのままみたいな味わいの軽い感じの、でもしっかりとした甘さ。どちらもそれぞれ美味しくて、「あー、レストランでデザートに加工されるのは、こっちのピオーネみたいな味のが多いような気がするな」なんて思ったり。ピオーネが美味しいのはもう知っているのだけれど、ロザリオという葡萄の美味しさが新鮮だった。マスカットも上品な味がするけれど、更にもっと高貴な味、というか。

去年もやっぱりできなかったけれど、今年もとてもじゃないけど加工品にはできない(ゼリーにしたりタルトにしたり)ほどの美味しさ。旬の本当に美味しい果物は、どんなに加工しても元の美味しさには叶わない気がして、だからなかなか果物を使ったお菓子作りに挑戦できない私。叩き売り状態の苺をジャムにしたり、見切り品のいちじくをコンポートにしたりというのはできるけれど、高価な国産高級フルーツとなると、なかなか。

葡萄は明日も美味しくいただきます。奇特な山梨県人さん、ほんとにどうもありがとう。