食欲魔人日記 98年12月 第4週
12/21 (月)
コーンフレーク(グラノーラ) with 牛乳
ふりかけ御飯

先日、ダンナがテレビゲームソフトを色々と買ってきてくれ、今日になって「エリーのアトリエ」なるものをやり始める。……はまる。サルになる。しかも大猿だ。
赤子の食事のみはかろうじて作り、自分はふりかけ御飯をかっくらう。かっくらいながら、ゲーム。いいのか、これで。

目玉焼きのスパゲッティ
サラダ

サルはまだ止まらない。昼過ぎに「遅くなるかも」のダンナからのメールを読み、「じゃあ、御飯、作らなくて、いいんだ♪」とばかりに6時間以上ぶっつづけでゲームする。6時すぎ、ようよう洗濯物をとりこみ、再びゲームする。
7時過ぎ、「これから帰れそう」の電話がダンナからあり、じゃあパスタでもしますか〜っと水を沸かし始めるも、「何のパスタにするかはご主人様にご相談♪」と勝手な理由をつけて、またゲームを続ける。
しかしてお湯がグラグラ沸いているのみの状態でダンナを出迎え、目玉焼きのスパゲッティと相成った。
卵とペコリーノ・ロマーノチーズ(イタリアの羊乳チーズ。パルメザンっぽいやつ)だけが材料のシンプルなやつです。うまいのです。これが。
【本日の痩身】
前々日比マイナス600g、開始時マイナス2.2kg。
間食もせんと、ゲームし続けたらこうなった。ゲームはダイエットに最適♪(本当かなぁ(汗))

12/22 (火)
コーンフレーク(グラノーラ) with 牛乳
カステラ
牛乳

昼前に、クリスマスディナー用の仕込みを始め(3日がかりの料理なんて初めてである)、その後サルに変身する。うっきー。
で、ゲームしながら、「食いものはねぇか〜」と台所をナマハゲの如くさまよい、11月に葬式で貰ったカステラを発見。未開封だったので大丈夫だろうと開封し、ゲームしながら一切れ食べ終わったところで微妙に味がヘンな事が発覚する。どうやらさすがに悪くなっていたらしい。
一切れ食いきる前に気付けよ自分!と一人悲しく自分にツッコミを入れつつ、カステラをゴミ箱に投入した。
切ない胃袋を抱え、すれど簡単に食えるものもなく、ゲームを続ける。仕込み中の鍋からは良い匂いがただよってくるし。

クリスピーチキン
フライドチキン
ビスケット
コールスローサラダ
コーラ

昼頃、ダンナからTEL。
「サルですか?」「うっきー。」
心温まる会話の結果、本日の夕食はダンナが適当に見繕ってくれることになった。呆れられているらしい、自分。
7時過ぎに会社を出たダンナに、「ケンタが食べたい」とケンタッキーに寄ってきていただく。う〜、こういうジャンクフードってときたま恋しくなるのよねぇ、とつぶやきながら、コカコーラライト(ちゃんとコーラを買ってきて(やっぱりジャンクフードはコーラでなくては)、しかも気を利かせてライトなところがダンナのエラいところである)をぐびぐびと飲む。
【本日の痩身】
前日比マイナス200g、開始時マイナス2.4kg。
やっぱりゲームはダイエットに(以下略)。

12/23 (水)
チキンライス (冷凍もん)
鶏の唐揚げ (冷凍もん)
コーヒー
ホットドック
コーヒー

相変わらず続けている有機野菜の宅配セットの中にコッペパンが2つ入っていた(うちはパンと野菜が届くセットなのだな)。
ダンナが嬉々として「ホットドックだ!」とチープなウィンナーソーセージを買ってきて、楽しそうにソーセージをあぶり、パンを焼いてくれた。「バターも柔らかくしなくちゃ!」とか言ってバターケースをガスレンジのそばに置いた挙げ句、バターをどろどろにしてしまっていたみたいだが、まぁご愛敬だろう(バターケース、後日洗うの大変だったけどさ(苦笑))。
パンの上に切り目を入れて、バターをたっぷり塗って、レタス(本当はキャベツのバター炒めなんかが最高だけど)を挟んでソーセージを豪華2本挟みにして、上にマイユのマスタードと、ケチャップをどっぷわぁ〜とかけて食べる。ソーセージを2本にするだけで、なんか豪華。

鶏皮鍋
ビール、林檎酒、うどん

鍋の本見ていて、美味しそうだったので鶏皮と鶏ひき肉を買ってきて、今日は「鶏皮鍋」。
単なる鶏団子鍋なのだが、鶏皮を刻んでスープを取るのがコツらしい。具は白菜とせりとしめじで、ポン酢で食べる。……美味しい。
【本日の痩身】
前日比マイナス200g、開始時マイナス2.6kg。

12/24 (木)
コーンフレーク(グラノーラ) with 牛乳
チーズパン
牛乳
チーズ with クラコット
レバーのパテ
蔓付き干し葡萄
ビーフシチュー
マッシュポテト、人参のグラッセ、ほうれん草ソテー
シーザーズサラダ
御飯
モエ・ド・シャンドン

3日間の仕込みの成果、それはビーフシチューだったわけです。それがクリスマスイブのメインディッシュで、付け合わせはダンナからリクエストの3種類。更に先日買ってきておいたシャンパンに合わせて アロマッシモ でチーズなどの前菜は買ってきた。チーズは白ワイン、シャブリを使ったウォッシュチーズと、シェーブル(山羊のチーズ)の2種類。ついでに蔓のついたままの甘い干し葡萄。試食もしないで買ってきたけど、やたらとシャンパンに合って美味しい。結局750mlの一瓶が軽く空いてしまった。

で、3日かけたビーフシチューの話に戻ると、これは以前「王様にキッチン」に掲載された、旬香亭のレシピだったりする。

【ビーフシチューのつくりかた】

 1. バターと小麦粉を炒め合わせ、焦げ茶色のルーを作る。
 2. それを赤ワインとビーフコンソメスープで溶き伸ばしてベースにする。
 3. そこに、じっくり炒めた玉ねぎ、にんじん、セロリを投入。
 4. 更に焦げ目がつくまで炒めた牛すじ肉を投入。
 5. ハーブ類(タイム、ローリエなど)とトマト水煮缶を加え、あくをとりつつ5時間煮込む。
 6. それを漉す。シノワがあればベストらしいが、持ってないので丈夫そうなザルで代用。
 7. 翌日、そこに凧糸で縛った牛バラ肉を投入して更に煮込む。翌々日も火を通して味をなじませる。
 8. 最後に砂糖をワイン少量で溶かしてカラメル状に煮詰め、シチューに投入。

……と、大変なものだったのでした。でもめっちゃめちゃ美味しかったです。ちょっと鍋底が焦げたけど(涙)
さて、大量に出来たこれをこの先どうやって食っていくかが、問題だ。
【本日の痩身】
クリスマスイブだから、体重計には乗らない。

12/25 (金)
コーンフレーク(グラノーラ) with 牛乳
トースト
牛乳
ハヤシソースのリングイネ
コーヒー
シャンパンムース

イブに向けて煮込んだビーフシチューが盛大に残っていたので、玉ねぎと薄切り牛肉を使ってハヤシライスを作ろうという計画だった。んが、ダンナが「きっとパスタにかけるのが美味しい」とわざわざ仕事場からファックスを寄越したばっかりに(「悪かったね」ダンナ談)、私までパスタにしたくなってしまい、パスタにする。
ケーキはクリスマスケーキを銀座三越のKIHACHIのケーキ屋で予約していたものだ。23日に取りに行ったのに(んで23日当日に1/3ほど食った)、昨日はシャンパンとシチューで満腹になって食べられなかったのだ。今日になって残りを食う。旨い。
【本日の痩身】
クリスマスだから、体重計には乗らない。

12/26 (土)
ハヤシライス
コーヒー

昨日のスパゲティソースの残りで、ハヤシライス。店で出せるくらい、美味しい。いや、もう、マジに。

アップルパイ
クリームチーズパン
オニオンブレッド少々
コーヒー

新宿に買い出しに出ていたダンナが、お昼ご飯にパンを買ってきてくれた。のである。

天ぷら定食
日本酒

ダイエット成功記念に(嘘。本当は"成功したらね"の約束だった筈が、直前になってから予約して満席だったら可哀相、というので11月から予約していてくれたのだ、心優しきダンナは(涙))、念願の天ぷら屋 近藤 へ行く。以前から「天ぷらで有名な店らしい。とっても高いらしい。」という事は知っていたのだが、先日、ここの名物であるところの「さつまいもの天ぷら」を写真で見てから私は呪文のように「近藤近藤近藤」と呟いていたのであった。それは高さ10cmはあろうかという、円筒型の大きな大きな黄金色の天ぷらだった。揚げるのに20分くらいかかるらしい。うう、旨そうである。天ぷらはさつまいも至上主義のわたくしとしては、何が何でも食べたいシロモノだったんである。
ダイエットだなんて、そんな食べ物に対する冒涜はこの際、頭から滅却することに成功した。いざいざいざ。

店は銀座の並木通りから路地に入る、やたらと分かりづらい場所にあった。地図で確認してから行ったにも関わらず、場所がわからなくてそのブロックをうろうろと歩き、ようやく発見。
店に入るとカウンターのみの12席は私達の席以外は満席になっていた。すごく狭い店内に壮年の夫婦や3人組の女性などが座っている。奥の席に案内されて、メニューを見る。8000円、10000円、15000円コースの他は別注文らしいが、肝心の値段は書いていない。……怖い。10000円のコースと、念願のさつまいもの天ぷらを別注文し、日本酒を熱燗で貰うことにした。日本酒は「日本酒」というだけで銘柄は選べないらしい。少しばかり悲しくなるが、白木のカウンターに、曇りの無い綺麗な調理場。なんとなく心躍ってしまうってものである。

最初に来たのは突き出しであるところのもずく。熱燗で乾杯していると、前菜の小皿が出てくる。タラコを酒と刻み生姜で和えた蒸しもの(和えもの、か?)は酒と合ってなかなか良い。貝も程良く火が入ってぷりぷりと美味しかった。ああ、でも日本酒がちょっと甘い。思い切り辛い酒が好きな私はちょっとばかり物足りない……とか言いながら既に1合空けてしまう私たち。
更に前菜もう一品。蕪の蟹肉あんかけ。
やわやわにダシで煮た蕪に、細かい蟹肉がたっぷり入ったあんがたっぷりかかっている。うう、旨い。天ぷら以前にこんな美味しいのでてどーすんだ、近藤。美味しくいただく。やっぱり酒に合う。

んで、いよいよ天ぷら。胡麻油で香ばしく揚げられたブツがちょいちょいと目の前にやってくる。天つゆが徳利付きでやってきて、生姜つき大根おろしと塩、すだちが添えられる。
 ・海老の足
いきなり最初に「海老の足」である。まるで調合アイテムのようだ、海老の足(すみません、エリーのアトリエが抜けてません、ワタシ)。強張った海老の足は見かけはイマイチだけどカリカリと胡麻油が香ばしく、サクサクと食べられた。美味しい。海老の足のくせに。
 ・海老
次は海老本体が来た。1本目を塩でいただき、2本目は天つゆでいただいてみた。
うんめー。めちゃめちゃうんめー。一体、今まで天ぷらだと思って食べていたのは何だったのだ!と思うような衣のサクサク感がたまらない。中の海老はプリプリだし。美味しい天ぷらはやっぱり塩が良いのね、と実感する。天つゆも少しばかり甘みの強い、だしの味が効いているものでとても良い。
 ・アスパラ
1本まるごと、15cmほどの長さのアスパラである。私の中指位の太さの、"まぁご立派"なアスパラだ。
 ・蓮根
厚めに切った蓮根が来た。塩と良く合う。揚げ油である胡麻油の香りがふんわぁ〜と漂ってきて、たまらんす。ああ、天つゆにどっぷわぁ〜とつかて御飯と食っても旨いやもしらん。……やらなかったが。
 ・きす
私の大好物、鱚の天ぷら。魚が肉厚でほわほわで、んで衣はサクサクで、美味し〜、めっちゃめちゃ美味しい〜。このころ、ダンナと「本当に美味しいと、"美味しい〜"としか言えないのね」などと話し合う。まぁとにかく美味しい。
この頃、揚げ油をおもむろに取り替える主人。おお、一斗缶から胡麻油がドプドプと投入されるではないか。
 ・しいたけ
ポテッと肉厚の、とても良い香りのしいたけ。うう、これも天つゆにどっぷわぁ〜とつけて(以下同文)。
 ・めごち
初めて食った、めごちの天ぷら。白身で淡泊な味。鱚より油っこくなく、良い感じ。でもやっぱり鱚は最高す。
 ・くわい
かぶのような形状の、2つに割られたものがやってきた。中はホクホクのでんぷん質で、「里芋?……違う」「くり、みたいな」「この茎がついてなければじゃがいも」「くわい?」「知らんぞ、くわい」とひそひそ話した後、"くわい"だという事が判明。旨いじゃないか、くわい。
 ・穴子
そろそろ胃の調子が出てきたな〜というところで、脂たっぷり穴子が登場。塩で食う。美味しい。天つゆで食う。……やっぱり美味しい。築地場内の洋食屋で食べる、油ギットギトの穴子のフライも美味しいけど、天ぷらはやっぱり違うのぉ。
それはそうと、カウンターの彼方に座っている女3人組、皿に天ぷらを残したままでペチャペチャと話している。ええ〜い、くっちゃべってる暇があったら美味しいうちに食わんかぁ!寿司屋と天ぷら屋で食べ物を前にダラダラするなんぞ、サイテーである。残すならワタシに寄こせ。ぷんぷん。
 ・玉ねぎ
ミニ玉ねぎ。「熱いですよ」と注意を受けつつ、楊枝が刺されたそれを、ハフハフと喰らう。玉ねぎの何処にこんな甘さが控えておったのだぁ!とびっくりするくらい、甘い。ダンナ曰く、これはうちらが店に入ってきたあたりから揚げられていたのだとか。ん〜、仕事人の仕事ですねぇ……。
 ・茄子
小茄子。なんか可愛い野菜が続く。ううー、茄子と油って合うのよねぇ〜と、一向に胸焼けの気配すらない。天ぷら揚げの技術なんだろなぁ。
 ・さつまいも
ここで、念願のさつまいも。高さ10cm、直径10cm(以上はあったと思われる)位の"山吹色のもなか"状の物体が目の前にやってくる。注文するときに、「ひとつ」と言われ、「ええ〜、ひとつで良いのぉ〜」と心中不満タラタラだったのだが、1つで良かったと心から安堵する。店員さんに目の前で2等分にしてもらうが、とにかくでかい。割ると綺麗な黄金色。うう、わしはこの、山吹色のもなかが大好きでのぉ……と某時代劇の悪代官のようになってしまうが、まぁ仕方ない。ああ〜ん、ほくほくしていて、濃厚に甘く、さりとて周囲はサクサクで、たまらん。家でも作れるかなぁ……無理かなぁ……。
・天茶
ここで、天ぷらはおしまい。店主に
「この後、かき揚げで最後になりますが、天茶、天丼、あとは白い御飯が出来ますが」
と言われ、一も二も無く天茶にする。だって、食べたことないし。美味しいと聞いてるし。
かき揚げは帆立貝柱がたっぷり入ったものだった。それが少量の御飯の上に乗せられて、どんぶりで出てくる。急須入りのお茶ときゅうりや大根の浅漬けが添えられる。天茶用のお茶は、だしの味がして、しかも山葵の香りがする。これを御飯にぶっかけて、サラサラと食す。
うう〜うまい〜。この世にこんなに旨いものがあったなんて。鯛茶漬けも相当美味しいと思ったけど、これはそれ以上だ。帆立が〜美味しい〜、山葵の風味も〜たまらん〜。あと3膳はいけますねっ!と拳を握りしめてしまう位、美味しい。
・メロン、苺
で、御飯終了。デザートはメロンと今シーズン初めて食べる苺。はぁ、美味しかったです。御馳走様。

店で話している客の話を聞いたところ、この店の主人は「山の上ホテル」にいた人なのだとか。無愛想というより無口なシャイでありそうな店主は良い感じだった。

んで、この後、自宅で赤子の面倒をみてくれている母にお土産〜っと事もあろうに銀座三越の ドゥリエール でミルクレープを買って帰宅するのだった、私たちは。
帰宅後、母と3人でミルクレープを紅茶と共に食す。天ぷら食って、食後にケーキ。油と炭水化物一緒に取ると、とっても体内に蓄積されるものらしい。ものらしいけど……アフター・ザ・フェスティバルなのである。はっはっは(泣)
【本日の痩身】
計り忘れたの。いいの。忘れたの。忘れたんだってば。

12/27 (日)
ビーフシチュー
フォカッチャ(ミート、海老グラタン)
コーヒー

昨日、ダンナが新宿で買ってきてくれたフォカッチャを食べつつ、最後のビーフシチューを食す。
いきなり朝から満腹である。

ソフトプリン
カフェオレ
アーモンドクリームのミルフィーユ
茶 (ペニンシュラ)

こうして書くと何なんだという昼御飯(というよりおやつまみれ)。
何のことはなく、朝御飯が遅くて「昼御飯、いらない」とダラダラしていたところ、午後から高校時代のお友達SちゃんRちゃんが遊びに来て、先日購入しておいた 銀のぶどう のソフトプリンを皆で食べ、しかる後にシスターズがお土産に持ってきてくれた「菓乃実の杜」のケーキをまた皆でいただいたという次第。数時間内に甘いものたくさん食べられて、なんつーか幸せである。実はまだ冷蔵庫にいただいたケーキの残りがあるのだ。明日食べるのが楽しみなのだ。ふっふっふ。Sちゃん&Rちゃん、ありがとー(^_^)/

常夜鍋
うどん

「常夜鍋をしよう!」と豚肉とほうれん草を用意する。
で、鍋にそれらをぶっこんで、火が通ったところで胡麻だれ(ダンナ曰く、ミツカンの"ごましゃぶ"が一番良いらしい)をつけつついただく。なんつー簡単な鍋料理なのだろう。なのに旨い。「ケーキでお腹いっぱいだし」とかいいつつ、何故か400g以上あった肉がキレイに消え失せる。きっとこれは我らの腹まわりに戻ってくる運命なのだろうが、そうならない事を祈りたいところ。
【本日の痩身】
クリスマス後夜祭……もとい、I井シスターズとの忘年会だったから、体重計には乗らない。 (もうそろそろ悪あがき)