目玉焼き
アイスカフェオレ
御飯とスープが残っている。んが、今朝は珍しいことにだんなが
「トーストにしませんか?」
と言ってきた。彼が自分からパン食を望む日が来るとは(注:彼の好みは極めて御飯寄り)、今日は雨か。雪か。雷雨か。台風か。外出予定の今日にそんな天気になったら困るので、大騒ぎするのは止めておく。
「海苔トーストが良いでーす」
とだんなは言うので、彼には普通のバタートーストを。焼き上がりに焼き海苔を1枚へろりと乗せる。私はチーズトースト。あとは1人1個の目玉焼き。塩をふったりケチャップぶっかけたりしてパンと一緒に食べる。トーストしたてのパンは、シアワセに美味しい。
明後日は、私たちの結婚記念日なのである。
つい数日前に
「そうだ、おゆきさんにプレゼントも買わなきゃなぁ」
とだんなに言われて、すっっっっっっっかり忘れていた私は
「え?どしてどして?何買ってくれるの????」
とマジボケをかましてしまった事は記憶に新しい。その後、「結婚記念日を忘れるなよ!」とかなり激しいツッコミが入ったことも明記しておかなければなるまい。
そういうわけで、ここ数日の私はほんのりうしろめたかった。明後日に迫った結婚記念日を前に、だんなへのプレゼントを探しに行く。こないだ無くしてしまった定期入れかなー。ネクタイかなー。それとも別の何か。
で、千葉駅近辺にて一人で昼御飯をもくろむ。以前、銀座店に入ったことのある「紅虎餃子房」だが、店によってマンゴープリンの味が違うらしいので再チャレンジしてみることにした。どうも私は紅虎と肌が合わないらしい。銀座で食べた名物餃子は美味しいとは思えなかったし、マンゴープリンの不味さときたら素晴らしいものだった。店員の態度も何かとムカついてしまう。人気はあるらしいけど、私はどうも好きになれない。
名物餃子のランチセットもあったけれど、880円の「中国厨師定食」なるランチセットを頼むことにした。今日のおかずは豚バラ肉ときのこの炒め。小皿1つとスープと御飯がついてくる。スープと御飯はお代わり自由。
11時45分、店に客は私とあとは子連れ客が1組だけだ。店を出る時には12時半を回っていたが、それでも客はあと2組増えただけだった。いまいち繁盛していない。
ほどなくやってきた定食は、ボリュームはたっぷり。大量の油で炒められた薄切り豚バラ肉とエリンギや舞茸などのキノコ類、そしてタケノコがテラテラと光っている。アツアツに絡んだ油が香ばしく、でもちょっとこの油は多すぎやしないだろうか。太閤園の油は心地よいけど、紅虎の油はいまひとつ心地よくない。何が一体違うのか。料理に込められた愛だろうか。
そして、その炒め物は酢が入っていてほんのり酸味があった。1口2口ならば「ああ、新鮮で良いかもね」と思うけど、おかず一皿食べるにはちょっと鮮烈すぎる味だった。炒め具合は悪くはないけど「御飯がいくらでも進むおかず」という雰囲気じゃない。小皿は刻み野菜とザーサイが乗った、胡麻油と醤油のタレの冷や奴。スープは卵のシンプルなもの。あとはややパサついた御飯。どれもこれも「ものすごーく不味いというほどのものじゃないけど、もう一度食べたいとは思えない」というレベルの味。しかも店員は、呼ぶまでカウンターから出てこない。いや、呼んでもこない。すぐ後ろの客に料理を置きに来ても、空になった私の定食皿に全く気が付かないという有様だ。
そして、ほんの少しの期待をもって望んだマンゴープリンも、「こんなに不味いマンゴープリンが世の中にあったとは」と愕然とするほど不味かった。
「マンゴープリンの素」系パウダーを混入したような、化学調味料バリバリのジャンクな味。しかも450円。
銀座で「ダメだなぁ」と思った店は、やっぱりここでもダメだった。渋谷や自由が丘の紅虎はマンゴープリンも美味しいという。でも、同じ看板を掲げるならどこも美味しくして欲しいなぁ……
だんなへのプレゼントも準備でき、結婚記念日用のシャンパンなども買いそろえ、「せ、せめて口直しに」とマンゴープリンの入ったデザートを1つ買ってきた。「お菓子な中華麺」という怪しげなアジアンスイーツだ。杏仁豆腐とマンゴープリンが層になり、上に乗るくずきりが「中華麺」を模しているらしい。チャーシューやメンマをイメージさせるためか、パイナップルやきくらげなどの飾りも豪華に盛りつけられている。
けっこう、美味しかったです。
茹でキャベツのサラダ
かぼちゃとブロッコリーのオーブン焼き
御飯
モルツ、麦茶
先日、スーパーで買い物してきただんなはキャベツ1個を買ってきたのである。「安かったよーん」と差し出したキャベツはプリプリしていて美味しそうだ。ぶった切ったりしないで、葉を1枚ずつはぎとってロールキャベツを作ることにした。まずは、キャベツ丸ごとを茹で始めることから。そのスキに塊肉の牛肉と豚バラ肉をフードプロセッサーでギャギャギャギャギャとやってひき肉作りをしてしまう(余り肉はよくこうやってひき肉にしちゃったりする私……)。
くたっと茹だったキャベツの葉を1枚取っては玉ねぎと練り合わせたひき肉を詰める。巻いては量手鍋に並べ、巻いてはまた並べ、量手鍋にぎっちぎちにロールキャベツを並べた。大きな葉で大きなロールキャベツ、小さい葉なら小さいロールキャベツ、大きさは笑っちゃうほどまちまちだ。中心部分の残りキャベツは、千切りにしてにんじん、ピーマンも合わせて塩ふって胡椒ふってマヨネーズ和えてサラダにしちゃう。ついでに薄切りかぼちゃとブロッコリーを皿に並べ、バターを落として塩胡椒して粉チーズかけてオーブン焼きに。
8時半すぎに帰宅しただんなと「っぷはーっ!」とまずはコップ一杯のビールを飲み干し、ケチャップをにょろにょろかけた煮えたてのロールキャベツをつつく。シンプルな味のロールキャベツが美味しいと頭では分かっているけど、私はロールキャベツにはケチャップをかけずにはいられない。そこらへんを真っ赤っかにしながら食べる自分ちのロールキャベツはなんとも幸福なのだった。
御飯
冷茶
寒い日でも暑い日でも、煮込み系料理が朝にあるというのは何となく嬉しい。たとえそれが昨夜の残りであろうとも。
キャベツ1個の葉をほとんど使って作ったロールキャベツはまだまだまだまだ両手鍋の底に沈んでいる。
「僕は大きいの1つと小さいの1つ〜」
「私は小さいの2個かな」
などと言いながら、食べたい大きさのやつを自分でよそって朝御飯。
葉っぱ系野菜があまり好物じゃない息子は、怪訝な顔で「なんじゃこりゃ」という風情でロールキャベツをつつきまわしていた。横からフォークでつついて
「ほらほら、中はお団子だよ〜」
と教えてやったら、「おいちーねー」と食べ始める。だがまだ、やっぱり怪訝な顔。子供には「ハンバーグ」とか「肉団子」とか、わかりやすい料理の方が美味しく思えるものらしかった。美味しいのにねー、ロールキャベツ。
卵サンド・ツナサンド
アイスミルクティー
お仕事の日。忙しくてあまり余裕がなさそうだったので、行きがけにローソンに寄ってサンドイッチを買っていった。
コンビニのサンドイッチは、まぁまぁ食べられなくもないけれど、時々ひどいやつがある。いつか食べたものは、卵やツナの具を増量するためにマカロニがこれでもかと入っていた。ツナや卵の単価とマカロニの価格比を考えると、そりゃマカロニ入れた方が安上がりだろう。でも、卵サンドと思って口にした時に中からマカロニがぞろぞろ出てきた時はげんなりしたものだ。しかもそのサンドイッチ、パッケージから透けて見える切り口のところからは、そのマカロニが見えないように工夫されていたのだった。ますますズルイ。納得いかない。
そのサンドイッチを買ったコンビニでは、もう二度とサンドイッチは買わなくなった。ローソンのは、悪くないと思う。卵とツナがセットになった1パックのサンドイッチは、ごくごく普通に美味しかった。
それでも、どこか物足りないサンドイッチをもきゅもきゅ食べながら研究室で昼休み。
そういえば、私のボスはいつもどこで昼御飯を食べているのだろう。もしかして……学食???(想像するとちょっと怖い)
冷茶
明日は結婚記念日。昨日はデパートまで出向いて色々な食材を仕入れてきたというのに、前日の今日のおかずの材料はな〜んにも考えていなかったのである。だんなも仕事で遅いらしい。
「手抜きだねー。」
「だねー。」(←息子)
「てーぬきぬきぬき、てぬきだよー。」
「だよー。」(←息子)
”手抜き”の意味も知らない息子を相手に、怪しい「手抜きの歌」などを歌いつつ、駅前のとんかつ屋で買い物して帰る。そのうち”手抜き”の意味がわかるようになったらきっと息子は一緒に歌ってはくれるまい。
息子用に一口ヒレカツ、私用に1枚のロースカツを買い求め、帰宅。それを使ってカツ丼作成。
だしと醤油と味醂を丼鍋にはり、沸騰したところで細く切ったカツを並べる。卵でとじて、半熟になったらできあがり。どんぶり御飯にざざっと乗せて、食べるだけ。玉ねぎも入れず、三つ葉もない、これ以上なくシンプルなカツ丼だ。所要時間3分ほど。泣けるほど簡単だ。すまん、息子。
ちょっと甘さ少なめの、大人っぽいカツ丼になってしまった。空腹にどんぶり飯&揚げものの組み合わせは、それでもしみじみ美味しかった。
ロールキャベツ
アイスカフェオレ
だんな、夏の間はたいそう仕事が忙しいらしい。
「眠いよー。……なんか、喉も痛いよー。」
と辛そうに起きてきた。がんばれだんな。今日は結婚記念日だ(数日前まで忘れていた私だけど、そんなことは気にしちゃいけない)。
バターたっぷり塗って焼いたトーストに、一昨日作ったロールキャベツの残りで朝御飯。カレーとかシチューとか、煮込み系料理は不思議と飽きない。まだ飽きない。アツアツのロールキャベツに今日もケチャップをにょろにょろとかけて食す。
アイスミルクティー
午前中、夕飯用の仕入れにと近所のスーパーマーケットへ。ヨーグルトや生クリームやレモン、さやいんげんなどを買ってきた。ついでに食卓に飾ろうと、300円の薔薇の花。午後はコンロと鍋がフル回転することが予想されるので、昼御飯はミックスサンドを買ってきて簡単に済ますことにした。
ハムチーズサンド、トマト入り野菜サンド、卵サンドにポテトサラダサンド。4種類がこちゃこちゃと詰められたパックは380円。アールグレイとダージリンを混ぜて作ったアイスティーにミルクをだばだば入れて飲む。よし、午後の料理をがんばるぞー。
マサラチキンカレー
アルー・サブジ
サグ・マッシュルーム
トマトと玉ねぎのカチュンバル マンゴーチャツネ
サフランライス
チャパティ
マンゴラッシー
シャンパン − MOET&CHANDON BRUT IMPERIAL
C3の
ブディーノ ディ マンゴー
アイスダージリンティー
本日はインド料理な夕べなのである。
「ねーねー、記念日の夕飯は何が食べたい〜?」
とだんなにお伺いをたてたところ、
「……ムルギランチ。」
と言われてしまったのだ。
ムルギランチ。東京は東銀座の「ナイルレストラン」の名物料理だ。近所の美味しいカレー屋さん「Shiba」にも同名の料理がある。「ムルギ」とは
「鶏肉」の意だそうで、骨付き鶏肉のカレーにサフランライスとその他のおかず数種が添えられるというスタイルが基本らしい。
以前「ナイルレストラン」に行った時に、店長のナイルさんが常連客らしいおじさんたちに「5時間煮込んでいるからネー」と言っていた。私も5時間、煮込もうじゃないか。記念日ディナーにインド料理とはまた面白く、ついついあれこれと作ってしまうこととなった。
我が家で唯一のインド料理レシピが載る本『別冊家庭画報 人気の韓国&アジアごはん』(世界文化社 2000.07)を食卓に乗せて2時過ぎから料理の仕込み。メインのチキンカレーをとにかく煮込まなければならない。
まずはサラダ油で黒胡椒やシナモンなどのホールスパイスを炒め、そこにみじん切り玉ねぎを投入して茶色になるまで炒めることから始まる。せっせせっせと30分ほど3個分の玉ねぎと格闘し、そこに骨付き鶏肉とパウダー状スパイスを投入。ターメリックはじめ、カルダモンやコリアンダーやクミンやチリパウダーをどかどかと放り込む。トマトの水煮缶も加えて、あとは鍋に蓋をしてひたすら弱火で煮ていくだけ。がんばれ、鍋。がんばれ、鶏肉。
あとは、ちゃっちゃと作れるおかず系の作成。「サグ」だの「カチュンバル」だの「サブジ」だの、意味はわからないけどとにかくレシピを見ながら作っていく。「カチュンバル」とはどうやらサラダで、「サブジ」は「炒め蒸し」という料理法を指しているものらしい。塩で玉ねぎを揉みこんでトマトと合わせたレモン風味のサラダ「トマトと玉ねぎのカチュンバル」に、さやいんげんとじゃがいもを炒め蒸ししてカレー的味付けをして最後にココナッツパウダーを合わせた「アルー・サブジ」。そして、茹でたほうれん草をピューレにしてマッシュルームと共にカレー的味付けで煮た「サグ・マッシュルーム」。
全体的にターメリックでありコリアンダーでありクミンであるような、いかにもな匂いの料理が並ぶことになった。夕方、外に出てみると我が家の一帯が何やら怪しい香りのオーラに包まれている。ご近所迷惑かもしれない……。
ほとんどがカレー味だけど、生クリームが入っていたりレモンが入っていたりと、それなりに味を変えたおかずが揃った。そして、サフランライス。といだ米をシナモンやローリエと共に炒め合わせ、水につけて色を出したサフランを加えて炊飯器で炊く。カルダモンパウダー入り。
その合間にマンゴー入りのラッシーも作って冷蔵庫で冷やしておく。
で、最後の料理は初挑戦の「チャパティ」だ。材料は「アタ」という、小麦の全粒粉。細かく挽かれた小麦粉で、チャパティ用としてデパートにちゃんと売られたいた。これをサラダ油と水で練っていき、フライパンで両面焼いてから直火であぶり「プー」と膨らませる、インドのパンとしてメジャーな料理だ。
なんでもインドでは「チャパティが焼けたら女性として一人前」と言われているとか。私が一人前になれる日は来るのだろうか。
「アタ」にサラダ油と水を注いで指先でまとめていく。粉っぽさがなくなったらまとめて布巾をかけて少々寝かせ、それからピンポン玉大にちぎっては丸めてのばし、それを焼いていけば良いらしい。説明文は簡単だけど、これがなかなか難しい。
「ぷーっと膨らんだら裏返す」
って、ぷーっとならない場合はどうしたら良いのでしょうか。とほほほほ。
悪戦奮闘しながらゆっくり1枚ずつ焼いていく。焼き上がりにはインドのバター(といっても原材料は"椰子油"とあった)「ギー」を塗って重ねていく。
香ばしい薄いパンが10枚焼けたところで、だんなが帰ってきた。「ぷーっ」となったのは僅か2枚だったことは秘密だ。
かくして、インド料理な記念日祝い。結婚時に友人Pさんからいただいた普段は使わないシャンパングラスを箱から出して、ハーフサイズのシャンパンで乾杯。肉も皮も骨も、全ての組織が柔らかく煮崩れかけたチキンカレーはどこもかしこもホロホロでとても良い感じに煮上がっていた。スパイシーで良い感じ。チャパティも、味の方はそれなりに香ばしくそれっぽい味がした。こういう記念日も悪くない。
食後は、だんなが買ってきてくれた「ブディーノ ディ マンゴー」なるマンゴープリンのケーキ。ケーキ店「C3」(シーキューブ、と読む)は、なんでも「アンリ・シャルパンティエ」経営の「アメリカナイズされたイタリア」がコンセプトなのだそう。マンゴー風味濃厚な四角いケーキは、チーズムースが詰まっていてこってり濃厚だった。
私からだんなへのプレゼントは、ブルゾン代わりになりそうな麻っぽい半袖のシャツ。
だんなから私へは……どうやらお買い物が間に合わなかったらしいけど、「香港でゴルチェのバッグ買ってあげるね」と口約束をいただいているので、来月の香港旅行に御期待、というやつになりそうだ。
サフランライス
アイスティー
月曜日に作ったロールキャベツであったけれど、木曜日の今日になってようやく全てが無くなった。もしかしてちょっと作りすぎたのかもしれない。
「昨日のサフランライスがあるよー」
「……ロールキャベツとサフランライスって、なんか違うんじゃない?」
「でもでも、食べちゃえー」
と、ロールキャベツとサフランライスを食卓に並べ、いまひとつ調和のとれない食卓となった。煮込まれすぎてキャベツがとろけそうにモロモロになったロールキャベツもまた美味し。
これぞステーキ丼 \1000
アイスティー +\200
朝から雨。一日中、雨。だが今日は、津田沼の巨大手芸洋品店「ユザワヤ」へお買い物に行く予定だったのだ。雨にめげずに家を出る。
昼御飯は、雨の中飲食店探しをするのも面倒と、ユザワヤ隣のビル内にあったロイヤルホストに入ることにしてしまった。店頭にあったステーキ丼の案内にちょっと目がくらんでしまった、という事情もある。
メニューを開くと、目立つところに写真が載っていたステーキ丼。正式名称は「これぞステーキ丼」なのであるらしい。1000円で吸い物か味噌汁、それにサラダがついてくる。更に200円プラスでドリンクつき。アイスティーをつけてもらって、料理が来るまでグビグビ飲んで待つ。あああ、なんかただのアイスティーじゃなくて果物系フレーバーティーな味がする。ここのアイスティーは「トロピカルアイスティー」みたいなやつが出てくるんだったっけか。どうも私は香料ものが苦手で、フレーバーティー系はアップルティーなどの数種類を除いてあらかた飲めない。紅茶屋「マリアージュ・フルール」は鬼門だ(だって店頭からあからさまなフレーバーティー臭が……)。
「アイスコーヒーにでもすれば良かった……」
と思いながら紅茶を飲みつつ数分、ステーキ丼がやってきた。私好みなレア状態に焼かれたステーキが御飯の上に乗っている。ホースラディッシュとクレソンが添えられただけの、シンプルなステーキ丼だ。吸い物はお麩だけが浮かび、サラダはポテトサラダが乗ったレタスやきゅうりのもの。
醤油とバターの味、それにほんのりドミグラスソース系の味もするステーキ丼だった。茶色く甘辛いタレが御飯にしっかり染みている。思っていたよりなかなか美味しいステーキ丼で、一人窓際の席でどんぶり飯をわしわしとかきこんだ。充実したお昼御飯だ。
昨夜の夕飯の残りものに加え、それに合わせてエスニックっぽいおかずを作った夕御飯。
豚のバラ肉があったので、「……角煮かな。ナンプラー入りで。」と以前にも作ったことがあるベトナム風豚の角煮を作ることにした。簡単だけど、なかなか美味しい。御飯にかけても美味しい。
【 豚の角煮ベトナム風のつくりかた 】
出典:『小さなモンダイ』(太田垣晴子 NHK出版 2000.12)
|
↑こんな感じ。
呆れるほど簡単だ。レシピ本というわけじゃないけれど、太田垣晴子さんの『小さなモンダイ』の中には素敵な料理がいっぱい載っている。ちなみに
「ニョクマム、にんにくを抜いて、かわりに老酒、ネギ、八角を入れると中国風になる。」
のだそうだ。しかも
「日持ちするし安価だし!!」
と太田垣晴子さんが「んまーい」と感動するイラストがついている。確かに旨い。めちゃめちゃ手間のかかる本格角煮も美味しいけど、私はこれはこれで大好きなのだ。卵の存在が妙に嬉しいのよね。
かくして2日続いてエスニックな夕御飯。
結婚記念日の昨夜、私へのプレゼントのお買い物が間に合わなかっただんなは今日、色々買ってきてくれた。マリ・クレールのリュックにコムサデモードのカードケースに聞き慣れぬブランド名の夏っぽいチョーカー。どれも、「こんな感じのが欲しいなー」と言っていたものを探してきてくれたらしい。
「"ミハエル ネグリン"ていうブランドだって。」
「み、みはえるねぐりん?」
「"雑誌とかにも最近載ってるんですよー"って店員さんに言われたよ。」
「ほほー。そうかー。」
って、夫にアクセサリーブランドを教えてもらってどうするんだ、私。渋い金茶のオリエンタルチックな金具に青い石がはまったチョーカーはなかなか可愛らしかった。有り難く使わせていただくことにしよう。
カボチャとココナッツのポタージュ
御飯
麦茶
朝は大概眠くてバタバタしていてやる気もいまいちで、従って本意ではないものの毎朝目玉焼きになっちゃうのである。
「た、たまにはスクランブルエッグとかオムレツとかにしようかな……」
って、どうして卵料理から離れられないのか、自分。どうも「朝は卵」という先入観があるらしい。
最近発売されたマギーの液状コンソメを溶き卵に少々落とし、生クリーム垂らして塩ふって、それを箸でぐりぐりかき混ぜながらフライパンで焼く。牛乳とか生クリームを入れたスクランブルエッグが私の好みだ。
カボチャを煮て潰してピューレにして牛乳入れたポタージュは、ついついエスニック気分の継続でココナッツミルクパウダーを入れてしまった。ココナッツの甘い香りが漂うちょっと怪しいスープ。
白い御飯にはいまいち似合わないポタージュであり卵料理であったりしたけど、気にしない気にしない。
ピーナッツバターサンド
コーンマヨネーズパン
午後の紅茶ストレート
お仕事の日。昨日と今日はイヤになるくらい雨降りまくりだ。大学に向かう途中の道路から見える東京タワーも、大展望台の上の特別展望台は雲の中でさっぱり見えない。こういう日に東京タワーに上ったら、ある意味楽しいかもしれない。そんなことを考えながら「昼休みの外出はイヤだわぁ」とコンビニパンを買っていくことにしてしまった。ローソンに寄り、ピーナッツバターサンドとコーンマヨネーズパンを購入。
で、雨の窓を眺めながらのんびり過ごすはずだった昼休みの予定であったのだけど、午前11時過ぎに研究室のレーザープリンターが壊れるという事態が発生。プリントアウト中にいきなり3枚ほどの紙を吸い込んだかと思ったら、歯車が1個取れてしまった。
「先生、先生、プリンターが壊れましたっ!」
報告すると、
「ああ、じゃあ、買い換えましょう。」
……はぁ?あの、その、多分修理すれば簡単に直るんじゃないかなーっと……。
「いやいや、もうそのプリンター古いんです。買っちゃいましょう。5万くらいですかね?10万あれば足りますか?」
いや、だから修理は……。
「昼休みにでも、生協に行ってみてくださいね。」
……はい。(←押し負けた)
結局、雨の中生協に行く羽目になっているのである。昼休み、甘いパンと甘くないパンをアイスティーでむぐむぐと平らげて、坂を下ったところにある生協へ。値段と性能を比較検討して、CANON製レーザープリンタ\39800なりを買い求めることにした。教授の承諾なしの即決即買い。教授の金銭感覚はちょっとステキなのだった。
鰻の肝焼き
水菜のおひたし
モルツ、麦茶
「シンプルに、塩鮭に御飯あたりの夕飯を食べたいぞー」
と帰宅前に駅前でお買い物。目当ては鮭のハラス(←魚版バラ肉みたいなもので、非常に脂っぽい。でも焼いて御飯に乗せると超旨い)だったけど、いつもあるコーナーに今日に限ってブツがない。その場所には「鰻3匹800円!」なんて文字と茶色くテラテラと光る物体が山盛りになっているのだ。「肝焼き5本260円!」なんて文字も。食欲魔人の神様に「今日は鰻にしとけ」と言われたような気がして、いそいそと蒲焼き及び肝焼きを買ってきた。
安い鰻は「ひつまぶし」にするに限る。「おひつ」もないし、あまり「まぶし」にはなっていないけど、万能葱と海苔とワサビとだし汁があれば立派な「ひつまぶし」だ。
炊いた御飯に鰻のタレを混ぜ込んでおき、鰻は短冊切りに。家で一番深さのある巨大な器に御飯を詰めては鰻を挟み、ミルフィーユのように鰻と御飯を重ねていく。で、そこから適宜、茶碗によそって食べる。鰻も御飯も渾然一体となった、見かけはあまり上品じゃない料理だけれどもこれがなかなか美味しい。
一膳目はそのまま鰻と御飯を食べ、二膳目はその御飯に刻み海苔とみじん切り葱とワサビを乗せて香りを楽しみつつ食べる。三膳目は二膳目のそれに更にだし汁をかけて食べて「うな茶」に。
前回2合ほどの御飯で作ったときは「もう一膳食べたいな」というくらいの量であったので、本日は3合の御飯でひつまぶし。我が家最大級の器に溢れるほど入った御飯で、今日は呆れるほど沢山のひつまぶしを食べることができた。そのまま、そのまま、薬味乗せ、薬味乗せ、うな茶、うな茶、うな茶。……もしかして7膳喰ってますか私。
だんなは
「……なんか、今日は多いよ。ちょっと多いよ。」
と5〜6膳でギブアップ。私はもくもくと7膳食べ(でもお茶漬けするときは"盛り"が少ないし、うん)、恐ろしいことに3歳児の息子は3膳喰っていた。私が言うのもなんだけどさ、息子よ、あんたちょっと喰いすぎ……。
冷茶
薄曇りの天気ながら、今日は雨は降らないようだ。梅雨の時期では「お出かけ日和」と言えるかもしれない。
「朝御飯、どーする?」
という会話が、いつのまにか
「外食、どこに行く?」
に発展し、
「久しぶりに皆で青山アクアパッツァに行こうか」
という話にまとまった。
何しろ、私は一人で平日にふらっと行き、だんなも一人で平日にふらっと行き、あまつさえ彼は職場の同僚女性と共に二人でふらっと行ったりなどしているのである。「たまには家族で行かねば、変な家族と思われるかも」と一家で行くことにしたのであった。一報入れて、「子供連れて行きます。ごめんなさいごめんなさい、ご迷惑にならないように目立たぬ席でひとつ、お願い。」と話しておく。
というわけで、「とりあえず腹に何か入れてから」と買い置きカップラーメンを各自発掘。JALの機内で出されている「ですかい」シリーズカップヌードルは、サイズも小ぶりで非常に良い感じだ。だんな秘蔵の「らーめんですかい」を1ついただくことにした。日清と共同開発で作られているというカップヌードルは、メンマやコーンなどの具がたっぷり入っていて、小さめながら充実感がある。飛行機の模様になっている小さなナルト状の具が入っているのがまた可愛らしい。和風醤油味のカップヌードルをずるずると啜り、じゃあ出発しましょう(でももう12時過ぎてんじゃん……)。
前菜盛り合わせ
キノコのクリームソースパスタ 柚子胡椒の香り
沖縄島豚のシンプルなロースト ジャガイモとルッコラを添えて
グラススプマンテ
桃のコンポート
エスプレッソ
午後1時半、青山アクアパッツァに到着。
このお店のシェフKさんは、だんなと同い年だ。それが判明してからというもの、何となく全体的に仲良しさんになってしまっている。料理も空間も、最高に居心地の良い店なので、私もだんなもこのお店が大好きだ。
「アラカルトメニューも丁度リニューアルしたばかりでして」
と勧められた「沖縄島豚のロースト」をだんなと一緒にメインでいただくことにして、あとは前菜・パスタ・ドルチェとカフェの2500円のコースをくっつけて貰うことにした。パスタは自家製ソーセージのオイルパスタやタコのプッタネスカ、きのこのクリームソースなどがあるとのことで、3種の中から1種類ずつ選択することになっている。息子用にとシンプルなカルボナーラも作ってもらうことにした。美味しい店のシンプルなパスタ料理は、一体どのくらい美味しいのかとても気になる。一度で良いから「アーリオオーリオペペロンチーノ作ってください」とか「カルボナーラ作ってください」とか言ってみたかったのだ。快くOKされ、しかも
「今日はですね、カルボナーラのスペシャリストが厨房にいますので……」
という言葉までついてきた。カルボナーラのスペシャリテとは、一体どんな料理人なのか。料理長のKさんも一目おくほどカルボナーラが美味しいのか。とても気になる。
気になりつつも、前菜の盛り合わせをつつきつつグラスで貰ったスプマンテをちびりちびりと飲む。
前菜は7種類ほどが皿に2人前盛られてきて、それをだんなと二人でうりゃうりゃと分け合って食べる。茄子のマリネや詰め物をしたイカのトマトソース、稚貝のカルパッチョ野菜のソース、牛タンのシュークリーム、自家製ツナとエストラゴンのマリネ、などなど。どれも小さく食べやすく、細かいのにしっかり仕事がしてあってとても良い感じだ。エストラゴンの香りが漂う旨味のある自家製ツナなんか、食パンに乗せて山盛り喰ったらさぞ美味しそうだ。
「だんな、シュークリーム好きだから牛タンのそれ、あげる。」
「じゃあおゆきさんには海老入りのカボチャをあげる。」
と1個しかないものは譲り合いつつ、息子にもちょこちょこと分けてあげつつ前菜を綺麗にする。
次なる品はきのこのクリームソースパスタ。柚子胡椒を効かせているという。エリンギやしめじなど数種類のきのこが大ぶりにざくざく入ったパスタには、上からパラリと刻み万能葱がかかっている。漂ってくるのは鮮烈な柚子の香り。クリーム色の濃厚そうなソースから柚子の香りが漂ってくるというのは何だかとても不思議な感じだ。口にすると、口の奥から鼻に抜けるような、柚子胡椒特有のツキーンとくる辛さが強く立ち上る。柚子の香りとその唐辛子の辛さがじわりじわりと主張する、でもトロリこってりと濃厚なパスタだ。これが何とも不思議な調和を醸し出している。すっごく、美味しい。口にすると濃厚なのに、いくらでも食べられそうな気持ちになってくる。
そしてそして、息子のカルボナーラだ。普通のベーコンではなく、「僕はベーコンじゃなくて、豚肉です」みたいな妙に肉っぽくてジューシーな短冊状の肉がごろりごろりと入っている。「お子様向けに、胡椒は控えておきました」というパスタはねっとりと黄色に光り、口にするとチーズと卵黄のこってりした味が口中に広がった。黄身のその半熟の固まり具合とか、程良く香るチーズの味が何とも良いバランス。これまで、「ウチのカルボナーラって美味しいじゃなーい」なんて言っていた自分が阿呆だったと思い知らされるような、「これがプロのカルボナーラ」という味のシロモノだった。めっちゃめちゃ美味しい。だんなの自家製ソーセージ入りパスタもガツンと効いた唐辛子のさっぱり味がたまらなかったけど、何しろこのハイレベルなカルボナーラに打ちのめされた。ああ、今日も美味しい、美味しいぞアクアパッツァ。
そして、銅鍋ごと運ばれてきた豚肉のロースト。じゃがいもやにんにく、キノコなどが鍋の底に入り、その上に骨付き豚肉を置き、更にその上から下が見えないほどたっぷりの生のルッコラがかけられている。小さな桃のコンポートつき。この桃の果肉をこそげてソースにしつつ、豚を食べれば良いとのことだ。切ったところから肉汁がポタポタ垂れてくる噛みごたえがある豚肉はシンプルな塩胡椒の味。そこに一緒に焼かれたにんにくの香りがふわんとまとわりついている。一緒に焼かれたじゃがいもやにんにくは逆に肉の脂を吸っていて、どこもかしこもホクホクになっていて、これまた何ともシアワセな添え物になっている。付け合わせのサラダ代わりのルッコラをもりもり食べつつ、
「肉だ肉だ。」
「ガツンと肉だよ。」
「骨のところは私がいただくよ、ほほほ。」
と肉だ肉だと言いながら豚肉をたらふく食べた。最後は骨にもしゃぶりついて堪能してしまった。
のんびり2時間ほどかけたお食事、最後はKさん自ら持ってきてくれた「今日のドルチェです」との桃の丸ごとコンポート。
まだ市場に出回り始めたばかりの桃だろう、丸ごとの白い桃がジュースの固まりのように煮込まれている。冷たい桃の周りには、その煮汁から作ったのだというシャーベットが飾られている。白ワインの香りがふわふわと漂ってくる果肉にナイフを入れると、そのままくしゃっと潰れてしまいそうな感じ。苦心しながら果肉をこそげとってはシャーベットと一緒に口にする。爽やかな甘さと香りが鼻から頭に抜けていくようなふわふわとしたデザートを、種までしゃぶりつついただいた。うう、今日もやっぱり美味しいっす、たまらないっす。いつも美味しい美味しいと騒いでいるけど、本当に美味しいのだ。私たちの舌がKさんの作るものに合っている、というのも多少はあるかもしれないけど、でもそれにしたって美味しいのだ。
気が付くと3時半を回ろうかという時間で、お客も他にほとんどいない状況だった。
「今日もご馳走さまでした」
とお会計を済ませつつ、厨房から出てきてくれたKさん及び童顔のマネージャーSさんと少々雑談。2週間後から香港に行くんですよ、なんて話をしていたところ、Kさんが
「え、僕も本当は今月末に行く予定で……でも行けなくなって。」
と話が盛り上がってしまった。ここはイタリアンリストランテだというのに、何故か中華料理の話で盛り上がる。
「リージェントホテルの麗晶軒が何しろ美味しくて」
「いや、僕も昔行ったんですが、ラストオーダー後の時間だったのにどうしても食べたくて"1品で良いですから!"って無理な英語で言って行ったことがあって」
「いやー、何しろ眺めもよくて」
とやいのやいのと語り合う。
「香港のマンゴープリン情報を、是非帰国後に教えてください」
とSさんに言われつつ、お店を後にした。
香港のマンゴープリン情報を報告したら、もしかしてマンゴープリン作ってくれるのかなぁ。どきどきどき。
遅い昼飯後、だらだらと表参道散策。紀伊国屋(←本屋じゃなくて、食材屋の方)に入ってしまったら、サルガッソ海域のごとく脱出できなくなってしまった。
「ややややや、欲しいと思っていたスパイスがここにはこんなに。」
「ああ、オレンジーナの瓶入りはおろか缶までもが!」
「いやーん、見たことないマンゴプリンが!」
「こっちには3個798円のイカしたチーズが!」
ともう大騒ぎだ。結局、いつもの生活じゃ入手しえなかった品々を5000円もお買い物。しかし、野菜も肉もめちゃめちゃお高いこの店で、普通に買い物している人々というのは一体どんな人なのだろう。私の前にレジに並んでいたおばちゃんは、「2万6千800円です」なんて値段を言われていた。おお、恐ろしい。何しろスーパーだというのに、店員さんがそれはもう美しく袋に商品を詰めてくれるのもまた恐ろしい。入店するだけで、プチブルジョワ気分を味合わせてくれる紀伊国屋はやはり危険な店なのだった。分不相応、という感じ。
そのまま巨大な紙袋抱えて更に表参道を歩く。マンゴプリンが美味しいらしい、「DESSERT COMPANY」なる店に寄り道をした。
この店、去年入ったことがあるけどいまいち気にくわない店なのである(その感想はこのへんに)。1年経って入ってみたけど、やっぱりどこか気にくわなかった。ただ単に、私たちがこういう「小洒落た系」の店がキライなだけ、というのもあると思う。
「いらっしゃいませぇ〜」
と客だかスタッフだかいまいち不明な格好をしたひょろりと背の高い青年が声を出し、椅子や机は怪しく光る銀色のもの。「キッチュでチープ」を目指したらしい食器類はいまいち「貧乏くさい」という印象しかいただけず、その出てくるデザート類も「素人くさい」を通り越して「おままごと」という感じ。美味しい美味しくないで言えばぎりぎり「美味しい」の範疇かな、という感じの品々ではあるけれども、「香港のデザート屋さん」を目指したにしては、そのデザートの味への心意気や愛がいまひとつ伝わってこない店なのだった。
……とは言うけど、多分、今の表参道(道端に326もどきみたいな人々が路上で詩を書きまくって売ったりしてるような)じゃ私らの方が異端なのだろう、お店は大繁盛の模様だった。
美味しい!って感じじゃないんだけどなぁ。しくしくしく。
もう夕方遅いという時間に甘いものまで喰っちまったもので、すっかり満腹なのである。
「夕飯は、さっぱりだな。」
「うん、軽くだな。」
「さっぱり、軽く、天ぷらそばというところかな。」
なんだか全然「さっぱり」でも「軽く」でもないような気がしないでもないけれど、ともあれ天ぷらそばなのだった。
新宿に出て、デパ地下で天ぷら盛り合わせを購入。家で蕎麦を茹で、天ぷらを温めて、ごくごく手抜きな天ぷらそばにした。かき揚げやイカ天、海老天にかぼちゃにさつまいも、そして、ちくわ天。あれこれと皆で分けながら天ぷらを蕎麦つゆに浸して囓りつつビールを飲む。天ぷらの油が溶けて甘さが出た蕎麦つゆが、何とも美味しいのだ。
3玉茹でてもりもり食べた天ぷらそばは、やっぱり全然「さっぱり」でも「軽く」でもなかったけれど、満足だった私たち。
しかもデザートのまたマンゴプリンとか喰ってるし。
アイスティー
昨日、我が家にしては珍しいことに「マフィン」を購入してきた。平べったい円形のパンで、表面が粉をふいている、ちょっと塩気のあるパンだ。
「ソーセージとか挟むと美味しいよねぇ。」
とだんなが言い、一緒に大きなソーセージも買ってきた。薄切りのそれをフライパンでこんがり焼き、トースターで温めて両断してバターを塗ったマフィンに挟む。ついでにスクランブルエッグも挟んで、ソーセージエッグマフィン。
子供の頃の私は、この表面が粉っぽいパンがあまり好きではなかった。母が大好きでしょっちゅう買ってきていたけれど、私は「マフィンはヤだからロールパンや食パンを買ってー」と別のパンを一緒に買ってもらっていたのだ。
もう何年ぶりかに食べたマフィンは、もちもちと独特の食感で、思っていたより相当美味しかった。うっすら塩味がソーセージや卵と良く似合う。
シューアイス(ストロベリー)
サイダー
今日は父の日なのである。この近隣にいる「父」と言えば、徒歩10分の距離にあるだんなの実家のお義父さんだ。「近所だしね」とお土産持ってお昼頃にふらりと行くことにした。
実は、お義父さんは昨月末に入院し、先週に退院してきたばかり。以前から持っていた胆石除去の手術をしたばかりなのであった。今はだんなの実家で療養中だ。作務衣を着たお義父さんは、手術前より隨分弱って見えた。「父の日のお土産」というよりはすっかり「病気お見舞い品」という感じ。
持っていったのはケーキ屋「銀のぶどう」で買ってきた新商品、「冷やしてとまと」「つめたいきゃろっと」なるゼリーの小さな箱。店頭で試食させてもらったトマトのゼリーはツルンと柔らかくて爽やかなトマトの味と香りがした。ほの甘いけれど、しっかりとした野菜の味がする。これなら消化にも悪くないかと4個だけ買って持っていた。
1時間ほど上がっていろいろお話。ヒロタのシューアイスをお義母さんが出してくれたので、皆でわきゃわきゃと食す。
「ほら、こんな傷がね」
とお義父さんがぺろりと見せてくれたお腹には、漫画に出てくるように横線が一定間隔で走る傷(+++←こんな感じの)が斜めにざっくり走っていた。傷だの血だのにあまり抵抗のない私も「うひー」と背中に冷や汗。すっかり肌表面の温度が下がった状態で辞去したのだった。
冷茶
だんなの実家から、スーパーマーケットに寄り道しつつ、帰宅。
「昼御飯、何食べようか。」
「冷やし中華?」
「冷やしタンタンメン?」
「かた焼きそばとか。」
と麺売り場であれこれと思案し、そういえば昨日は3食麺を食べていたというのに「汁なしチャンポン」なるものを買ってきてしまった。
麺とスープのセットで、具は自分で準備せねばならないらしい。キャベツとにんじん、ピーマンに玉ねぎ、豚肉と帆立を用意して、具沢山の炒めチャンポンをだんなが作ってくれた。私は「チャンポン」や「皿うどん」といった長崎料理にあまり馴染みはないけれど、だんなは平日の昼御飯に近くのチャンポン屋などに良く行くらしい。
「普通、"皿うどん"ていうのは、麺がパリパリなのね。」
「ふんふん。」
「"やわさら"っていうチャンポンの麺にあんかけの具、というパターンがあって、」
「ふんふん。」
「それとは別に、同じ"やわさら"でも具と麺を炒めているやつ、というパターンもある。」
「ふんふん。」
「"ながさき"っていう店ではあんかけなのよ。」
「ほー。」
「"長崎飯店"は、炒め系。」
「なるほどー。」
と期せずして長崎麺料理レクチャーが開講された。だんなはチャンポンも皿うどんも大好物であるそうだ。
肉や貝、野菜もたっぷり入る焼きそば然とした炒め麺は程良い旨味でなかなか美味しかった。味はチャンポンのどこか磯臭いようなスープの味を凝縮したような感じ。
そういや、私はちゃんとした「皿うどん」なり「チャンポン」なりを食べたことがなかったのだった。いつか専門店へ行ってみたいものだ。
きじ焼き丼
鶏肉とごぼうの吸い物
モルツ、冷茶
以前、だんなが不在の時に「きじ焼き丼」を作ったのだったが、だんなはこれが大層悔しかったらしい。
「きじ焼き丼、いーなー、いーなー」
とあれから言われまくり、しまいには先日の結婚記念日に「何が食べたい?」と聞いて「きじ焼き丼」と返されたというエピソードまでできてしまった。さすがに「結婚記念日に、どんぶり飯というのはいかがなものか」と私に却下されたのであったけれど。
というわけで、だんな待望のきじ焼き丼。1人1枚の鶏肉を買ってきて、更にそぼろ用の肉も買ってきた。準備はそれなりに大変だ。小鍋にだし少々に塩に砂糖に味醂に醤油ひとたらしを張ったところに溶き卵を入れてぐりぐりしながら卵そぼろを作り、更に別の鍋で醤油と味醂を主に使って甘辛く味つけた鶏そぼろも箸でぐりぐりかき混ぜながら鶏そぼろを作る。それができたらフライパンをカンカンに熱して鶏の固まり肉を焼いていかねばならない。
多分、鶏を美味しく食べるには炭焼きとか網焼きとかにするべきなのだろうけれども、きじ焼き丼をするには、焼いて出てきた鶏の脂も使いたい。だからフライパンでじくじくと焼いていく。両面こんがり中まで焼けたら、鍋肌から醤油と味醂をジャーッと流し入れ、煮詰めて絡めながら更に1分ほど。アツアツに焼けたところをざくざく切って、そぼろを飾った御飯の上に並べていく。途中でフライパンに放り込んでおいたししとうも良い感じに焼けている。
そして最後、煮詰まった醤油と味醂と鶏の脂の甘辛いタレをスプーンでこそげつつ盛りつけた鶏肉の上からかければできあがり。溶けた脂がツヤツヤと光るタレがこの丼には必需なのであった。
枝豆とビールも準備し、更に「鶏尽くしだけど」と鶏肉入りの吸い物も用意して、午後8時過ぎのちょっと遅めの夕御飯。
甘辛く焼けた鶏肉は、今日も香ばしく美味しかった。前回ささやかめだった鶏肉は本日巨大でどんぶりから溢れそう。待望のきじ焼き丼を前にしただんなは
「旨い!旨いよ、もうもううますぎー」
といたく感動しながら食べていた。
そ、そんなに食べたかったのか、きじ焼き丼……。