ミルクフランス
リンゴとクランベリーのデニッシュ
少しずつ
カフェオレ
「明日の朝御飯も買わなきゃねぇ……」
昨日の夕方、夕飯用のお総菜を駅ビルで見ながら呟いたら、息子が隣で即座に「じゃあミルクフランス!」と提案した。君もたいがいミルクフランスが好きだよねぇ……と、反対意見を述べるのもめんどくさいほど疲れていて、そのまま「アンデルセン」でお買い物。1人1本のミルクフランスはちと多いでしょうと、他にもウィンナーロールとか、季節商品の「リンゴとクランベリーのデニッシュ」とか、いくつか取り混ぜて買ってきた。1つのパンを3〜4つにカットして、適当につまめるように盛りつける。
私が選んだリンゴとクランベリーのデニッシュは多分他につまむ人もいないだろうなと、これ1個を朝御飯にすることを想定していたのだけれど、2つに切ったデニッシュはいつの間にか1つが無くなっていて、息子がもぐもぐ食べていた。ではと私もミルクフランスを1切れ貰って、結果的にあれこれ食べられて満足な感じ。
ミルクフランスは冬に食べる方が美味しい気がするのよね、なんとなく。
カキフライ&一口ヒレカツ御膳 \1500
生ビール(小) \400
これからいよいよクリスマス期間だけれど、残念ながら「家族揃って夕御飯」はクリスマス明けまで望めそうにない状況。そうなると鶏や七面鳥を焼くという感じでもないし、シチューとかかなぁ……でも息子、ビーフシチューはあまり好きではない様子だし、ついこないだハヤシライス作っちゃったし……と悶悶としていたら、だんなが
「ローストビーフ焼こうよ、だったら冷めても美味しいし、24日の夜に帰ってきたときとかつまめるし」
材料費あげるから良い牛肉買ってらっしゃい、と使命を受けた。本当は昨日カルフールで見てくる予定だったけれど、メッセからカルフールに移動する余力もなく、買い物は今日に持ち越し。
「というわけで、お母さんは千葉駅の方に肉買いに行く予定ですが、何か用事ある?なかったら午前中に一人で行っちゃうけど」
と息子に言ったら、「僕も買い物したい」と。お父さんとお母さんへのクリスマスプレゼントを買いたいから見に行きたい、と言われて、息子が学校から帰るのを待って買い物に行くことにした。
息子の買い物は無事に終わり、「めんどくさいからどこかで食べて帰っちゃおうか」と言えば
「じゃあ、上の階のとんかつ屋さんの、かつとじ煮定食が食べたい」
すごくピンポイントなリクエストを貰ってしまった。とんかつ屋さんねぇ……と言葉を濁したら
「じゃあ、ピザかパスタ」
またこう、「もっとこう、豆腐とか蕎麦とかそういう選択肢はないのかな」という選択になってきた。
「それがダメなら、地下の、あのバイキングのお店」
……ちょっと健康的な選択肢になった(自然食ブッフェの店なので野菜料理が中心)けど、でもあそこあんまり美味しくないんだよね……。
どうしましょうと考えて、結局最初のリクエストだったとんかつ屋さんを目指すことに。この季節ならもしかしてアレが?と思ったら、ちゃんとアレがメニューの目立つところに載っていた。「カキフライ」。
そうそうこれこれ、これが食べたかったのよということで、私はカキフライと一口ヒレカツの定食を。息子はかつとじ煮定食を。
小サイズの生ビール貰って、大ぶりのカキフライにかぶりついてきた。細かい衣のカキフライも好きだけれど、とんかつ屋さんならではのバサッと粗いパン粉のフライもとても美味しい。2〜3個のカキをひとまとめにした大きなカキフライにはレモンとタルタルソースもついてきたので、とんかつソースつけつつ1個食べ、タルタルソースつけつつ1個食べ。
赤だしの味噌汁と御飯、漬物も平らげて、
「なんか、とんかつとかって体温まるよね」
「ぽかぽかするよね」
と、デパ地下に寄って、私の用件だった牛肉と、ついでに明日食べられるかなとケーキも買って帰ってきた。
今日の朝は気持ち悪いほど生暖かい気温だったのだけれど、午後になると急に冷え込んできて、小雨の降る帰り道は震えるほどの寒さ。大変大変、お肉濡れちゃうケーキ濡れちゃう、プレゼント濡れちゃう、と慌てつつ小走りで帰宅した。これで雪にでもなったらホワイトクリスマスだけれど、温暖な房総でホワイトクリスマスというのは、全然望めないわねー(どころかスキー場にも雪が無い今年の12月……)。
フレンチトースト
カフェオレ
リエット用に買ったバゲットの残りがあって、「そういえば息子がフレンチトースト食べたがっていたなぁ」と、フレンチトーストにすることにした今日の朝御飯。卵料理を添えようかと一瞬思いつつ、フレンチトーストで卵液使うから卵が重なってしまうじゃんと思い直してベーコンをこんがりと焼いて添えるにとどめてみた。
美味しいバターで焼いて、仕上げにも美味しいバターを添えたフレンチトーストは格別の味。
パリパリチキングリーンスープカレー
息子は今日明日とテニス教室のお泊まり会。集合は夕方ということで夕御飯は一緒には摂れないことになるから、昼過ぎにケーキ食べがてらクリスマスのプレゼント交換をしてしまいましょうということになった。さて、夕飯はどうしよう。
「2人で飲みに行く?」
「家でだらだら?」
「家だったら、冷凍庫に蟹しゃぶ用の蟹があるからそれ食べちゃう?」
「いいねぇ……」
ということになって、「だったらマグロのブツとかあると嬉しくない?」と、だんなが午前中、錦糸町の「魚寅」にマグロを買いにお出かけしてしまった。昼御飯になりそうなものも見てくるよーという話だったのだけれど、帰宅の途についたらしいだんなから連絡があって「ココイチにしない?」と。
ココイチも少々食傷気味だなと思いつつ、とりあえず期間限定商品を調べてみようとwebサイトを見たところ、パリパリチキングリーンスープカレーなる魅惑的なものが載っていたので、これなら良いかなと、食べてみることにした。適当に卓上にフライドオニオンとかフライドガーリックとかホール缶のとうもろこしとか用意しておいて、各自トッピングできるようにしておいてみた。
さすが、辛いマークがついていただけあって、グリーンスープカレーはしっかりとした辛さ。グリーンカレー、あの唐辛子の辛さの中に感じるココナッツミルクの味が好きなのだけれど、ココイチのもしっかりちゃんとココナッツミルクの味がした。さらりとしたルーの中に入っているのは大ぶりのじゃがいもや茄子、人参やピーマン。フライドガーリックがめちゃめちゃ似合っていて、ついつい大量にかけてしまった。
カフェオレ
昨日、せっかく外出したからと、帰りにケーキを買ってきてみた。以前ロールケーキを買ったことのあるFACTORY Shinのもので、ちょうど3人で一度に食べられる程度のサイズの可愛らしいホールケーキ。シンプルなショートケーキのようだったし、トッピングされたサンタクロースがやけに愛嬌のある顔だったしで、他のお店のものとも検討しながらこれを選んだのだった。
苺は若干少なめ、でもクリームたっぷりという期待通りにスタンダードなケーキを6等分して、1人2切れ。ぽやーんとした顔のサンタは息子が一口で平らげていた。
プレゼント交換、息子からはキラキラ光るネイル用のストーンシールを、だんなからはノートパソコンの台(あと、少し前にデジイチ用のフィルターを既に何枚か買ってもらっているのと)を。
「おゆきさん、しょっちゅう寝っ転がってパソコン見てるから、この台あると便利かなって」
と、傾斜がつけられる(熱暴走対策によさそう……)台だ。ネイルシールは白っぽいネイルに合いそうだから、お正月につけるかなー。
で、息子へはまだ少し難しいかと思いつつ、タミヤの車両組み立てキット。だんなへは、かなり真面目に探してやっとみつけた「銀座ネクタイ」他、ネクタイ数本。銀座の町並が柄になったネクタイは、銀座の老舗のネクタイ屋さん「田屋」のもので、以前からずっと探していたのだけれど(1年に2度ほど色を変えて発売され続けているらしいのだけれど……)、これがなかなか見つからず。やっと1本買うことができて、それをプレゼントのメインにした。
息子はこれから、テニスして水泳して皆で御飯食べて広いフロアに布団敷いて皆でお泊まり(翌日は朝食後にテニスの試合、そして解散)という楽しいイベント。「パンツ忘れた!」と大騒ぎしながら荷造りしていた。
まぐろぶつ・たこぶつ
蒸し白子 ポン酢がけ
蟹しゃぶ(蟹・白菜・えのきだけ・豆腐・マロニー)
ビール(キリンラガー)
日本酒(龍力 特別本醸造 長生美禄)
息子不在の休日の夜。だったら息子が苦手なもの(で、私たちが大好きなもの)を食べようということで、結果「魚介まみれ」という事になった。「魚寅」でだんながあれこれ買ってきてくれたのが実にちょうど良くて、冷凍庫内の蟹だけだったら少々物足りないところ、雑炊も食べられないくらいお腹いっぱいになった。
「白子も売ってた!」と買ってきてくれたのはかなり大きなパックの白子、蒸籠で蒸して葱とポン酢でいただくことにして、食べきれない分は冷凍庫に。
まぐろのぶつとたこぶつは普通にお刺身として食べ、あとは汁もの代わり、野菜料理という感じで軽めの蟹しゃぶ。白菜をたっぷり切って、えのき、豆腐、マロニーなどと一緒にしゃぶしゃぶしてポン酢でいただいた。
海鮮居酒屋のメニューみたいだーと笑いつつ、でもお酒は居酒屋では飲めない感じの良さ気なものを。
以前一升瓶で「ぬる燗にすると美味しいよ」などと話しつつだんなが選んで買ってくれたのは姫路龍力(たつりき)の特別本醸造 長生美禄。上槽後貯蔵タンクで1年以上熟成させた酒なのだそうで、良い香りで飲みやすい口当たり。あまりベタベタと後を引かないところが好ましく感じるお酒だった。蟹ミソは要らないよというだんなの言葉に甘え、蟹ミソつついて甲羅に酒をたっぷり注いで、甲羅の端の方の身をちょいちょい集めて酒に浸しつつ食べた。ヒレ酒も良いけど、甲羅酒も最高だー。
麦茶
昨夜は満腹になってしまって食べられなかった、「蟹しゃぶ締めの蟹雑炊」を今朝改めて。
昨日から息子はテニス教室の合宿中で、でもあまり寂しいということもなく、でもうっかりお皿を3人分出そうとして「違う違う」と1つ片づけてみたり。
蟹の身が少し浮いていたり、白菜や豆腐のかけらも入っていたりで幸せな雑炊。当然溶き卵も入れてみた。
「あつー」「うまー」言いつつ、だんなと2人でもぐもぐ。
クリスマスイブなれど当然だんなはお仕事で、せめてもと和牛すき焼き肉使ったすき焼き丼をお弁当に作ってみる。
たこと水菜のナムル風
麦茶
これから家を空けることが多くなる時期だというのに、ついうっかり買ってしまった、タイムセール半額売りだった黒毛和牛のすき焼き肉。見事なサシの入った、1切れが大きな肉は、それはそれは綺麗な肉だった。思わず「300gください!」と買ってきてしまったのだけれど、今日の夜はローストビーフだし、明日の夜はローストチキンだし、私は一体この肉をどうしたかったんだろう私は……と頭を抱えつつ、とりあえず1/3量ほどはだんなのお弁当にしたのだった。それにしても見事な肉だ。完全無欠にすき焼き用だ。
「というわけで、私たちもすき焼き丼にしちゃいましょう」
と、関東風にフライパンに醤油と味醂と酒と砂糖と少量の水を合わせて煮立てて、肉と玉ねぎとマロニー(昨夜の残り……)と水菜を適当に入れて煮てみた。温泉卵も用意しておいて、それらを御飯の上に盛りつける。だんなのお弁当に詰めたs残りの、たこと水菜のナムル風も小鉢に盛って、ほぼだんなのお弁当と同じ感じの私たちの昼御飯。
滅多に買わないクラスの立派なお肉は、そりゃもうゴージャスな味がした。夕飯も黒毛和牛のローストだったりするけれど、調理法が違うから気にしないことにする。
にんじんのグラッセ・茹でブロッコリー
ローストビーフにんにくポテトと共に グレービーソース
Padonniのファルファッレを入れたチキンコンソメスープ
バゲット
スパークリングワイン(Martini Brut Cuvee Speciale)
レアチーズケーキ
カフェオレ
今日は午前中から息子と2人でレアチーズケーキを作り、昼からは鶏ガラでチキンコンソメスープの仕込みに入り、常温に出しておいた和牛ブロック肉を夕方ローストビーフに。仕事をしたり年賀状を作ったりしながら、絶え間なく一日中料理していたような一日だった。
せっかくの美味しい和牛、美味しく焼きたいなぁということであれこれ調べて、以前雑誌(「ELLE a table」)に載っていたジョエル・ロブションのレシピを参考にすることにした。オーブンに入るサイズのフライパンを用意せよという事だったので8インチサイズのスキレットを使うことにして、まずは塩胡椒した肉を直火でカンカンに熱したスキレットで全面綺麗に焼き色をつける。皮を剥いて一口大に切ったじゃがいもと、薄皮のついたままのにんにく数片を肉の周りに散らし、バターも入れる。1kgほどの肉に対して100gものバターということだったけれど、さすがにそんなに大量のバターを入れる勇気はなく、肉も1kgほどの大きさはなかったので、半量ほどにとどめてみた。溶けたバターを何度か肉やじゃがいもに回しかけた後は、220度に熱したオーブンで25分くらい。5分おきくらいにせっせと鍋底の油を全体に回しかけつつ、焼き上がったら30分ほどしっかり休ませたらできあがり……なのだそうだ。
「220度って言われても、うちの小さいオーブンじゃ開け閉めしている間に簡単に温度が下がりそうだし」
と、250度に設定して、あとはレシピのまま焼いてみる。6割は素材の良さ、3割はレシピの良さ、あとの1割弱くらいは私の腕(だといいなぁ)……という感じで、焼き上がった肉はそれはもう見事な感じだった。縁の1cmほど以外は全体が綺麗にロゼ色になっていて、でも赤い肉汁はほとんど全く出てこない。せっせと油をかけていたせいか、表面もしっとりと少しもパサつかずに焼き上がった。
スキレットに乗せたままある程度休ませた後は、肉と野菜を取り出して、スキレットに赤ワインと湯を加えて鍋底をこそげながらグレービーソースの作成。息子も食べるしと、心持ち甘くした方が良いかなとハチミツを隠し味程度に加えてみた。
午後中アクをせっせと取って作っていた澄んだスープにはPadonniの華やかなストライプ柄のファルファッレを別茹でして加え、あとは合間に用意した人参のグラッセと茹でブロッコリー。
「どうよ!"骨のついた肉のやつ"じゃないけど、すっごいお肉用意したよ!」
息子に焼けた塊の肉を見せたら、歓声を挙げていた。心もち厚めにスライスして、グレービーソース添えて、あれこれ盛りつけて「いただきます」。美味しい!この肉、すっげ美味しい!と息子にも好評だった。
意外にも、好評だったのはグレービーソース。
「なんかね、旨味がある。すっごい旨味がある」
と、ソースをいたく気に入ったらしい息子が、バゲットにじゃぶじゃぶ浸して食べている。ワインのアルコール分は飛んでいるだろうけど、でもそれ以上にバターが多いソースなんだけどなぁ……(鍋底に残ったバター、そのままソースに使っちゃったので……)と思いつつ、でもそこまで喜んで貰えたなら何より。
だんなも今日は9時前には帰ってきて、ローストビーフやスープなどを一通り食べさせることができて、食後は皆で自家製のレアチーズケーキ。
息子があんまり最近レアチーズケーキレアチーズケーキとうるさいので、「ゼラチンで固めるケーキだし、けっこう簡単に家で作れちゃうよ?冬休みにでも作ってあげようか?」と約束していたので、今日作ってみたのだった。ちょうどテニス合宿から息子が帰ってきた時に仕込みを始めていたので、そのまま生地の混ぜ込みなどを息子にも手伝ってもらう。
とにかく「後で息子1人でも作れるように」と材料や手順が簡便なレシピをということで、いくつかの候補の中からケンタロウさんのレシピを選んでみた。生クリームやヨーグルトがけっこうな量入る、チーズそのものは若干少なめのあっさりタイプ。ねっちりもっちりとした舌触りのババロアみたいなレアチーズケーキは、これまた息子に好評だった。
今日は朝から晩まで美味しいものだらけ。
まぐろのすき身丼
豆腐とえのきの味噌汁
麦茶
だんなが錦糸町の「魚寅」で買ってきてくれたまぐろ色々。「少しだけ売ってたよ」と、美味しいすき身も買ってきてくれた。
スーパーや宅配寿司、デパ地下の魚屋などですら、多く扱われるのはサラダ油入りのねっとりとした気持ちの悪い口当たりの「ねぎとろ」ばかりの中、このお店のすき身は本当に"ただのすき身"で実に美味しい。きちんと酢飯を用意して手巻き寿司などにすれば絶品だろうなと思いつつ、でも炊きたて御飯に乗せるだけでも幸せな味がする。常に冷蔵ケースに並んでいるわけではなく、行けば買えるものではないので、見つけるとラッキーとばかりに買ってしまう品の一つだ。
というわけで、今朝はそのすき身を使ってすき身丼。せっかくだからと、少し早起きして朝から御飯を炊いてみた。
御飯が炊けるのを待ちがてら、鍋の残りの豆腐とえのきを使った味噌汁を用意して、だんなの弁当おかず用に作った厚揚げの煮物も味見程度に出してみる。
変にベタつかない、油っこくないねぎとろを乗せた御飯は朝から格別の味だった。
麦茶
今日も大きな予定はなく、家で仕事したりのんびり夕飯の仕込みをしたり。
昼御飯は、昨日大量にとった鶏スープを使ってラーメンにすることにした。鶏ガラでスープをとろうと決めた時に、美味しそうな中華麺も買ってきている。鶏スープだから豚より鶏を乗せたいよねと、細切りにした鶏肉をさっと茹でて水菜と共に乗せることにした。
「で?ラーメンは醤油ラーメン?それとも醤油ラーメン?」
「何?塩ラーメンとの2択じゃなくて、醤油と醤油の2択なわけ?どんな2択?薄口醤油と濃口醤油?」
じゃあ、塩じゃなくて醤油にするかな……と、息子のリクエストにお応えして、鶏のだしに醤油と塩と少々の酒を加えて適当に調味。鶏油もあったので少し加えたら、あっさり味ながらもなかなかそれっぽいラーメンスープになった。
「んー……でも、なんかこう、ひと味足りない……」
ラーメンスープは、かなり強めに塩を入れないと締まらない味になるのは承知の上で、でも「吸物以上」の味付けにしていくことはなかなか勇気が要るもの。いつもなんとなく薄味になってしまいがちで、でも塩が足りないというだけじゃなくて、やっぱりこうひと味足りないんだなぁと呟きながらツルツル食べていたら
「そんなことないよ?美味しいよ?」
と息子がフォローしてくれた。
「うーん、不味くはないんだけどねぇ。……太閤園のより美味しい?」
「うーん、そう言われると……太閤園の方が美味しい……」
「だよねぇ」
息子が大好きなラーメンを出すお店の名前を挙げると、やっぱりそれには敵わないそうで、じゃあ今度は更に気合いを入れて「ゲンコツ」でも買ってくるかなと思ったり思わなかったり。
コーン入りのジャーマンポテト
ロティセリー風チキン
ロックフォールとハチミツの香りのリゾット
アップルタイザー
レアチーズケーキ
カフェオレ
クリスマスと言ったらチキンでしょう!と、でも丸鶏を買ってもだんなと一緒に御飯を食べられない可能性が高いから、今年は骨つきの鶏ももを2本買ってきた。煮てもいいし、シンプルにスキレット焼きでも良いし、と考えながら手持ちのレシピをあれこれ探したら、『BAGEL&BAGEL オリジナルレシピ集』に「ロティセリー風チキン」のレシピが載っていた。強めの塩水に肉を漬けてから焼くという手順は、アメリカで見たレシピブックにも載っていた方法で、そういえばカルフールなどで見かける鶏の丸焼きは、そうやって作るところが多いと聞いたことがある(カルフールの作り方がそうかは知らないけど)。一度試してみるのも良いなと、挑戦してみることにした。
まずは昼頃に、あらかじめ漬け込み液を作って冷ましておく。水カップ1に対して塩と砂糖が大さじ1強といった分量で、更に粗挽き黒胡椒やタイム、オールスパイス、ローリエなどのハーブ類も加える。あとは、骨つきの鶏もも肉だったら、漬け込むのに1時間、焼くのに1時間。バットに液を敷いて、表面に竹串で軽く穴をあけておいた肉を両面適当に返しながら漬け込み、その後軽く水分を切った肉をオーブンで焼いていく。皮目を上にして、220度の設定で入れっぱなしで60分。途中ひっくり返したりする必要もないらしく、かなり簡単に出来上がった。
「上手く焼けなかったらゴメン」と、クリスマスの夕食だというのに挑戦的なレシピ選択だったのだけれど、これが実に良い感じの焼き上がり。あの、スーパーで売ってるみたいな(という表現はなんだか不味そうだけど)、表面が少しばかり乾いた感じにパリッとした、でも中はしっとり肉汁たっぷりな、いかにもそれっぽい「鶏のもも肉焼き」になってくれた。塩水に漬けたおかげか全体がまんべんなく適度な塩味で、ほのかなハーブの香りも化学調味料臭くない自然な風味。60分もかけてじっくりやけば、骨の際がまだ赤いなどという悲しい事態にもならなかった。
「お!正解正解大正解!このレシピ選んで正解!」
「お母さんこれ美味しい!」
と、わいわい言いながら骨つき肉にむしゃぶりつく夕御飯。息子曰く、「昨日の牛肉よりこっちが美味しい」のだそうで、それはそれで微妙な心境だった(材料費1/5以下よ……)。
肉に添えたのは、簡単に作った(単に塩胡椒で炒めた)ジャーマンポテト、そして残った鶏のスープを活用したいなということでシンプルめなリゾット。玉ねぎとにんにくと米をオリーブ油で炒めて鶏スープを足しつつ炊いて、最後に風味付けにモンドールとロックフォールをひとかけずつ落としてほんのひと垂らしハチミツを入れたリゾットを作ってみたのだけれど、自分的には「塩加減もチーズの存在感もばっちり」という具合だったにも関わらず、こちらの方は息子に不評。元々「おじや」「雑炊」の類はあまり好きではないのだそうで(中華粥は好きじゃない、豚味噌鍋の翌朝のおじやも「なんでうどんにしないのかなー」という感じらしい)、「微妙だなー」という顔つきで食べていた。
それにしても昨日も今日も「肉焼き」は大成功で、これからローストビーフはジョエル・ロブションのレシピに感謝を捧げつつ、ローストチキンはBAGEL&BAGELのレシピに感謝を捧げつつ、これを作り方の基本にしていくつもり。とりあえずだんなに、このローストチキンを食べて貰わなければ。
うにイクラにぎり
天むすにぎり
味噌汁
今日から数日、スキー旅行。年末にどこかにスキーに行きたいねという話になって、あちこち調べた結果「やっぱり蔵王?」ということになった。雪質は文句ないし(というか最高だし)、ゲレンデも広くて楽しいし、何と言っても温泉が素晴らしい。あの硫黄臭い温泉に入りたいねと、前に行って快適だった宿の空きを確認して予約を入れてみた。
朝御飯は、我が家定番の「ほんのり屋」のおにぎりを1人2つ。列車が出るまでまだ時間の余裕があったので、味噌汁もらって駅構内の椅子に座って平らげてから新幹線ホームに向かった。
季節商品らしい「うにイクラ」なるおにぎりを貰って、寿司ネタみたいだわと笑ってしまいながら濃厚な味のそれをもぐもぐ。定番の天むす(天むすだけど、サイズは他のおにぎりと同様、大きめ)も外さずもらって、甘い天つゆが絡んだ海老天をくるんだおにぎりを堪能した。
玉こんにゃく \100
カツ丼 \750
生ビール \500
今年は雪不足で、各地のゲレンデはなかなか営業できずにいるところが多いとか。つい数日前に、草地が丸見えの湯沢のゲレンデの風景がテレビで放映されていた。蔵王も「なんとか全面滑走できるけど、でも草見えてるとこあります」という状況だったらしいけれど、この週末に爆弾低気圧がやってきているらしい。昨夜から降り続いていたらしい雪で、福島あたりから車窓の外はずっと雪景色(しかも天候は吹雪だ……)だった。山形駅を降りても雪、バスに乗ってゲレンデに到着すると更に雪。めちゃめちゃ寒い。
「吹雪の中のスキーはヤダよー」
「も、今日は温泉入る。それでいい。"この旅行は温泉旅行でした"ということで全然問題ない」
ヘタレな私たちと、「いや、滑るよ!俺は滑るよ!」とゲレンデを前にとっても元気な我が夫。
とりあえず荷物置いて、昼御飯の時間だしねと宿近くの定食屋さんで、皆揃ってカツ丼食べた。山形と言ったらこれだ!の玉こんにゃくも1人1串。本当は1串3個のはずだけど、お店のおばちゃんが「1個ずつおまけですよぅ」と1串4個ずつ刺したこんにゃくを持ってきてくれた。こんにゃくつつくならこれもねとビールも頼み、「おつかれさまー」「って、まだ何も疲れることしてないけどね」と、とりあえず乾杯。
こんにゃくもカツ丼も、添えられた味噌汁も全体的に薄めな味付けの上品な味のお店だった。カツ丼に椎茸が混ざっているのがちょっと面白く、こんにゃくは薄味ながら味がしっかり染みていて良い感じ。
食った分は動かなきゃねと、身支度整えてスキーレンタルの手続きして、とりあえず今日は「慣らし」だと下の方のリフトに何度か乗ったのだけれど、雪は降り続いて視界は悪いし、めちゃめちゃ寒いし、私と息子は早々にやる気を減退させて、「お風呂入ろう」「うん、宿に行ってお風呂に入ろう」と早々に下山した。だんなはそれから何本か滑っていた模様。元気だなぁ……。
洋皿(きすのムース包み焼き、ムール貝)
お造り(サーモン、湯引きホタテ)
焼物(サワラの田楽、きゃらぶき、ライム)
煮物(マグロの揚げだし 南瓜、人参)
鍋(ラム肉の鉄板焼き)
酢の物(炙りサバと木の芽辛子酢味噌)
お椀(豚汁)
食事(白米 県産はえぬき)
香の物(青菜漬け、さくらんぼ漬け)
デザート(りんごケーキ、いちご)
山形地酒セット(樽平・一耕・銀嶺月山) \1,000
それにしても蔵王の温泉は最高。硫黄臭ぷんぷんのトロリとした強酸性の湯が惜しみなくかけ流しになっている温泉を「そうそうこれこれー!」と宿に入って早々に堪能し、あとは夕飯まで部屋でごろごろしていたり。狭い畳敷きの客室は我が家の居間の広さとそう変わらず、「猫たちは元気かなぁ」と思ってしまう。この週末かなり寒くなるようで、うまいこと暖をとってくれると良いなと思いつつ。スイッチ消してきたけど、こたつの中はあったかいと思うよー……2匹でぴったりくっついていれば充分暖かいとは思うけど。
驚いたことに、息子が今回の部屋に案内されてすぐに「あ、こないだ泊まったの、ここの部屋だよね」と、隣の部屋を指さした。この階だっけ?で、この場所の部屋だっけ?と考えても今ひとつ思い出せない。「絶対この部屋だよ」と言われて、各部屋につけられた部屋名を確認して、見覚えのある部屋名に「そうだ、この名前の部屋だったね」と思い出した。以前から、ホテルに泊まるたびに部屋の場所や番号をすぐに覚えてくれるので「あれ?何階のお部屋だっけ」「23階だよお母さん、2311号室だよ」といった感じで度々重宝していたけど、その記憶力が1年も続いていることにちょっとびっくり。
食事は「館内に一斉放送、放送聞いたら食堂に来てね」というスタイル。
放送を聞いてから食堂に向かうと、8割ほどのテーブルが既に埋まっていて、食卓には料理がずらりと並べられており、お椀だけが着席後にやってくる。多すぎず少なすぎず、洋風の皿も取り混ぜての食事はいかにもな内容ではあるけれど味は悪くなく、今日はジンギスカンに豚汁にと好きなものが色々あったのが嬉しかった。
昨年もいただいた、100mlほどの冷酒グラスが3つセットでやってくる地酒セットをいただいて、
「やっぱり銀嶺月山が美味しいよね」
などと言いつつ、くいくい飲みつつあれこれつつく。卓上の固形燃料で焼かれるジンギスカンが、ちゃんとミニサイズのジンギスカン鍋になっていて楽しかった。何切れもないお肉だったけれど、焼き肉用のやや厚めのラム肉をジュージュー焼いてはキャベツやもやしと一緒に食べる。
「やっぱり、こっち来ると御飯の味が違うんだよ……」
と、だんな。我が家の御飯が美味しいのは当然としても、都心の定食屋さんのランチなどで口にする御飯は今ひとつなところが大多数で、でもお米の生産地に来ると簡素な宿の食事でも、ゲレンデの食事でも、御飯が美味しいのに感激するらしい。やっぱり水が違うからかね、などと話しつつ、今日もだんなは御飯をおかわり。
食後は「8時だョ!全員集合年末SP!!」なるものをテレビで流して昔懐かしいコントに息子も大笑いしながら、最後まで見られずに午後9時就寝。
爆弾低気圧はまだまだこれからという感じで、明日も荒天になりそうだ。
鰆の塩焼き・にんにく味噌
温泉卵
青菜のお浸し
山菜のおひたし・マカロニサラダ・昆布の佃煮
焼き海苔・納豆
漬物
豆腐となめこの味噌汁
御飯
お茶
スキー宿の朝御飯は、完全無欠の「和」の内容。焼き魚と納豆と焼き海苔なんていかにもだよねと笑ってしまう品揃えで、でも御飯が進んでしまうことこのうえない。
そういえば納豆を食べるのは久しぶりで、納豆嫌いのだんなからも1パックもらってしまった私は、盛大に納豆御飯にして食べた。納豆を食べてしまうと他に何を食べてもねばねばしてしまうので、魚や卵は前半に食べてしまってからの、後半の納豆堪能タイム。
今日もやっぱりあまりよろしくない天候で、窓から見える建物の屋根には昨夜から降り続いた雪が十数センチは積もっている様子だ。粉雪がずっと降り続いている。で、すっごく寒そう……。
玉こんにゃく \100
なべやきうどん \800
生ビール \500
昨日と同様、今日もめちゃめちゃ寒い(しかも吹雪……)だろうなと、息子とスキーに行くようになってから一度もつけていなかった、鼻から下を完全ガードするフェイスマスクをびちっと装着して、下着はダマールを着用し、それでスキー場に向かったのに
「ダメ、ダメです。全然ダメ」
という状況。防寒対策ぬかりなしで、一応寒さは感じないものの、山は雲の中といった感じでたいそう視界が悪く、そしてサングラスに容赦なく雪の粒が突き刺さってくる。見えないからとサングラスを外せば、すぐに睫毛と眉毛が凍りつく。現に、ニット帽からはみだした髪の毛が数十分で見事な「春雨」状態になり、しばらくしたら「刺身のツマ(大根の)」みたいになった。
それでも一応根性でゴンドラに乗り、山頂に一番近いリフトまでは乗ってみたのだけれど、見事な樹氷が堪能できる「樹氷原コース」はブリザードの世界。なんとか家族はぐれないまま、ゆるゆると滑りながら「下山」して、お昼御飯を食べたところで今日の私と息子のスキーは力尽きて終了。本当、スキーを堪能というより、レジャーじゃなく……訓練、みたいな。修行、みたいな。
今回レンタルしたスキーブーツは履きやすくて、何より雪質は最高。これで天気が良ければ言うことなかったのだけれど……天気ばかりはどうしようもない。
昼御飯は、息子の「昨日行ったお店に行って、またカツ丼食べたい!」とのリクエストで、下山ついでにゲレンデ前にある昨日行ったお店にもう一度。今度は私は鍋焼きうどんにした。
昨日と同じカツ丼を「これが美味しかったんだー」と食べ始めた息子は、でもだんなの頼んだチャーシュー麺や私の鍋焼きうどんも気になったらしい。結局全員であれこれ交換して食べることになった。今日も当然、「玉こんにゃく」は1人1串。このお店のは、「辛子つけます?」の声に頷くと、こんにゃく1玉1玉に辛子がなすりつけられていて、ちょっとすごい外見になっている。良く煮えていて美味しいのだけれど、昨日うっかり辛子つきのをもらってしまった息子(今日の写真は、その昨日の玉こん)は、涙目になって辛子を除けていた。
先付(冷や汁)
前菜(合鴨松葉、いかわらび、ロブスターサラダ)
お造り(甘海老、カンパチ、ほっき貝)
焼物(虹鱒の西京焼き あさつきの酢味噌)
煮物(凍み大根と鰊の炊き合わせ)
皿(ローストビーフジュレ掛け レタス)
鍋(山形牛のしゃぶ)
揚げ物(牡蠣の磯辺揚げ ししとう)
お椀(鱈汁)
食事(白米 県産はえぬき)
漬物(さくらんぼ漬け、青菜漬け)
デザート(メロン、みかん)
冷酒(男山 つららぎ)
もう午後はのんびりしましょうということで、早々に引き上げて宿のお風呂に入り、1時間ほどしてだんなが帰ってきたところで、今度は外のお風呂に行ってみることに。ゲレンデ近くに「新左衛門の湯」なる小綺麗な露店風呂があったよねと、ここに行ってきた。これが見事な露天風呂で、屋根のない広い空間に1人用のかめ風呂が3つ、源泉をブレンドした「四・六の湯」、源泉100%の「最上高湯」が配置され、雪が積もる中震えながら各風呂を目指さなければいけない状態になっていた。扉を開けたらすぐお風呂じゃないんだね、歩かなきゃいけないんだね……と、粉雪降り続く中、必死の思いで露天風呂に。広くて清潔で使い勝手の良いお風呂屋さんだったけれど、この露天風呂の堂々たる露天っぷりにびっくりだった。
お風呂から帰ってくるとなんだかんだで、もう夕方。3人でしばしゲームなどした後、食堂に向かった。
今日の献立は、ローストビーフがあったり山形牛のしゃぶしゃぶがあったり。各テーブルには、ちゃんと印刷された「今日の献立」の紙がちゃんと置いてあるのが面白い。いくつかは記載の内容と変わっているようだったけれど(冷や汁がいわゆる冷や汁でなくてホタテの煮浸しみたいなものだったりとか)、焼き物あり煮物ありの品数豊富な事は変わらず。今晩は小さな冷酒のボトルをもらって、「1人1合もないねぇ」などと話しつつちびちび飲んだ。
今回はかなりぬるめのスキーだというのに、でも上半身が地味に筋肉痛。
ここの温泉は筋肉痛にも効くと思うけれど、びっくりするのは1ヶ月前に包丁で切ってしまった指の傷がここ数日でものすごく回復してしまったこと。既に綺麗にくっついてはいたのだけれど、「これは見事な包丁傷です」という外見だしやはり切った部分の皮はまだ薄くて触ると痛いし、という感じだったのに、ほんの昨日今日で見た目も若干綺麗になったし、触れた時に感じる違和感がかなり少なくなってきた。蔵王の温泉はやっぱり最高。
鰤の照り焼き・海苔の佃煮
温泉卵
青菜のお浸し
ひじき煮・ポテトサラダ・たらこ
焼き海苔・納豆
漬物
豆腐とわかめの味噌汁
御飯
お茶
「昨日はサワラっぽかったけど……」
「今日はブリっぽいね」
「あと、マカロニサラダじゃなくてポテトサラダだ」
「たらこもついてる」
使っているお皿が一緒で、献立の構成もほぼ一緒なので、2回目の朝御飯ともなると「間違い探し」みたいになってくる宿の朝御飯。今日はたらこがついていて、息子が大喜びだった。今日も御飯が進むおかずだなぁ……と思いつつ、でもたらふく食べても動けなくなるので私は1膳で。
爆弾低気圧はまだまだ元気な模様で、今日も朝から曇天の雪模様。最終日くらい天気が良くなるかなという期待は甘かったようで、むしろ一番寒く、一番過酷な天候になっていた。
「夫と息子が晴れ男だからさぁ、だからあんまり"天気が悪いかも"とかって思わなかったんだよねぇ」
「うん、俺もそう思ってた」
「あれでしょ、"ゲレンデ雪が少ないんだってなぁ、滑れるか心配だなぁ"って思ってたんでしょ」
「うん、思ってた思ってた」
「雪雲召還したのはお前かー!」
「"積もってるといいな"とは思ったけど"滞在中降ればいい"とは思ってないよ!」
天候の悪さをだんなのせいにしながら、とりあえず今日もゴンドラに乗ってみた。降りたら今日も吹雪だった。
チーズトースト
ビール
今日は本当の本当に過酷な天候で、「と、とりあえず麓に行こう」と滑り出したは良いけど、10m先の視界もあやうい感じ。時折たたきつけるような風も吹いて、だんな・息子・私の順につかず離れずの距離を保ちつつゆっくり滑るも、ともすると置いて行かれそうになってしまう。上も下も左も右も白くて、前に行く2人のスキーウェアの色だけが空中に浮かんで見えるような状況で、だんだん三半規管が変になって気持ち悪くなってきてしまった。うう、今日も訓練とか修行とか、そういうジャンルのスキー行軍だ。
ゲレンデにはそれなりには人がいるはずなのに(ゴンドラも満員だったし)、でも視界の悪さにいつコース外に飛び出してもおかしくなくて、「これは普通に遭難できるなー」と緊張しつつ、やっと見慣れたリフトがあるゲレンデまで戻ってこられた。這々の体といった風情で、最寄りのロッジに逃げ込んでお昼御飯。
ここ数日和風の食事が続いていたし、どうにも牛乳とかチーズとか生クリームとか(乳製品ばっかり……)が恋しい気分。ラーメンとかカレーとかいう気分ではなくて、
「あ、トーストある……チーズトースト食べたい」
と呟いたら、だんなが「それでいいの!?」と少しびっくりした声を出していた。息子も「トーストかぁ……」と呟きつつ、「一口ちょうだい?」とか言っている。
だんなも息子もラーメンだったので、それを脇から少しずつもらいつつ、息子には厚切りトースト1枚が4等分になったチーズトーストの1切れを分けてあげた。
「ラーメン全部食べたら、チーズトーストも注文していい?」
と息子。チーズトースト、めちゃめちゃ美味しかったらしい。
キムチ盛り \735
ユッケ \840
さくらセット(ロース・カルビ・サンチュ・ミニ冷麺×2) \2625
上カルビ \892
骨付きカルビ \1575
サガリ \997
玉子スープ \315
ライス \210
生ビール 2×\577
昼食後は、嵐の合間の一瞬の晴れ間。雲は切れないまでも、雪も風も一瞬止んで、その間に最後の滑りを数本楽しんだ。何しろ雪の状態は最高なので、天気さえ良ければ最高に楽しいスキー。息子も私も「すごーい、きもちいー」「雪ふかふかー」ときゃっきゃきゃっきゃ笑いながら初級者コースを数回滑走し(だんなは一人もうちょっと上まで行っていたり)、今回のスキーは終了した。
宿に帰って温泉に入って身支度整えて、夕方に山形駅へ。以前行って美味しかった、駅前ビルに入っている「冷麺さくら」に寄って山形牛の焼き肉を。
その名の通り、冷麺が名物のお店だけれど(手打ちの冷麺なのだそう)、手頃な値段で上質の山形牛を味わえる素敵なお店。駅に至近で夕方の半端な時間も営業しているのが有り難く、去年寄って感動して帰ってきたのだった。写真の「上カルビ」はこの見事な肉で900円弱。そうガツガツ食べなかったせいもあるとはいえ、親子3人で食事して(ビールまで飲んで)1万円でお釣りが来た。
色々セットもあって、前回同様頼んだのは「さくらセット」。他のセットは地鶏や魚介の焼き物もついていたのだけれど、「肉よね」「ここに来たら牛肉よね」ということで、魚介抜きのセットを選択してとにかく牛肉を食べてきた。大好きなホルモンも頼むことなく、骨付きカルビとか、サガリ(横隔膜の一部だそうなので、内臓肉ではあるけれど、食感も味も正肉っぽい)を追加注文しては焼いて食べる。骨付きカルビは丁寧に下処理してあって野性味溢れる感じがほとんどなく、柔らかで絶妙な厚さで、なんとも素敵な舌触りだった。
息子は玉子スープと御飯を、私とだんなはシメにセットに含まれるミニサイズの冷麺を。「全然辛くないのより、ちょっと辛いくらいのが美味しかったよね」と、私は小辛、だんなは中辛。中辛は小辛に比べると驚くほどスープが赤かったけれど、辛さの方は見た目ほどではなく、でもじわっと来る辛さ。スープの酸味などを味わうには小辛の方がバランスが良いかなーと私には思われた。トッピングにリンゴとカクテキ、牛すね肉(っぽい部位の)煮込み、ゆで卵。
美味しい焼き肉食べて、お土産に小さな瓶の日本酒もちょっとだけ買って、あとは新幹線で寝て帰るだけー……という状況になったのだけれど、ここで乗るはずだった便が運休になったとの案内が。数十分後の別便に振り替えられたものの、その便も出発予定時間に「ただいま車両は新庄に止まってます」とのアナウンス。肌寒い待合室でじりじりして待つよりはと、「新庄から山形までは40分くらいかかるみたいだし」と駅ビルに移動してしまったところ、十数分後に「新庄始発ではなく山形始発に変更になり、列車がホームで待機してます」という状況に変化して、山形駅構内を荷物抱えて猛ダッシュする展開になっちゃったりした。なんだか、もう大変。
今回の爆弾低気圧は本当にすごいものだったらしく、大雪と強風で列車のダイヤに乱れが生じ、更には倒木だ雪崩だで新庄-福島間はかなり大変なことになっていたのだそうだ。当初乗る予定だった便の20分後の新幹線は、途中何度か止まりつつも30分遅れの発車、1時間遅れの到着で夜10時頃に東京駅に到着。帰宅してからニュースサイトを検索すると、「その程度の遅れで、今日中に無事に帰ってこられて良かったのかも」と思えるほどの事態だったようだ。
帰ると猫たちが「帰ってきたー!」と大騒ぎで(大量に置いていった餌がもう空っぽだよ……なんでだ……)、慌てて餌を出したり部屋に暖房入れたり軽く床掃除したり。家の中はすっかり温度が下がっていて、りゃんりゃんは「その荷物はなんだ」「その変な匂い(多分温泉の硫黄の匂い……)はなんだ」と荷物の匂いを一通りチェックした後で、私の布団に入ってきて脇で寝始めた。ベッタベタに甘えてくるりゃんりゃんに「留守にしててごめんよー」と謝りつつ、家の中は外よりましな気温とはいえ今度外出時用にペット用の安全ヒーターとか買っておいた方が良いかなと思う次第。