食欲魔人日記 06年6月 第3週
6月12日 月曜日
咳が出ても、熱があっても。
「BAGEL&BAGEL」の
 豆乳&枝豆ベーグル
苺ミルク

昨日通りかかったベーグル屋さん、BAGEL&BAGEL
「……黒胡椒ベーグル、旨そうだな……」
「私、枝豆ベーグル食べたい……」
思わず立ち止まってしまい、息子の「ぼく、ぼく、この6月の、げんていの、ピーチベーグル!」の一声で1個ずつ買って帰ることにした。私の選んだのは「豆乳&枝豆ベーグル」という、大豆感溢れるもの。

冷凍庫内にあまりにも苺が詰まっているのでちょっと消費しましょうと牛乳と一緒にミキサーにかけて苺ミルクにする。横両断にしたベーグルも温めて、さて、朝御飯ですよー……と声をかけると、息子の体調がやけに悪そうだった。止まらない咳と微熱。ベーグルも食べられる状況じゃなく、苺ミルクだけをコップ1杯飲んで息子はベッドに戻っていき、今日は学校を休むことになった。

枝豆がざっくり混ぜ込まれた淡い緑色をしたベーグルは、でも豆乳の存在感はそれほどには感じられず。クリームチーズを塗るよりもそのまま囓る方が美味しかった。

マッケンチーズ
アイスティー

やはり具合が悪いらしく、午前中はずっとずっとぐーぐー熟睡していた息子。「充電完了」という感じに昼過ぎにバチッと目を覚ました息子に
「……何か食べられる?ヨーグルトとか、フルーチェとか、冷たいうどんとか?」
と聞いてみれば、即答で
「まっけんちーず」
と。咳止まらないんでしょ?熱もまだちょっとあるよ、でもマッケンチーズ?気持ち悪くならない?と重ねて聞いても
「まっけんちーず」
だそうで、そこまで言うならとマカロニを茹でてチェダーチーズベースのソースを作る。

バターと小麦粉と牛乳でゆるめのホワイトソース作った鍋にせっせとチェダーチーズを皮剥き器で削って投入していたところ、お茶飲みたい……と息子が台所までぽてぽて歩いてやってきた。なんだか途方に暮れた顔をしている。

「お母さん、あのね」
「んー、なぁにー?もうちょっと待っててね、もうできるから」
「ぼくねぇ、マッケンチーズがね、本当の本当に好きなの」
「うん、知ってる」
「だからね、マッケンチーズ食べてもね、食べ終わってもね、また、すーぐに食べたくなっちゃうの。すーぐなの」
困っちゃうんだよ……と、麦茶を飲んだ息子は苦悩した顔のまま居間に戻っていき、「用意できたよー」の声にひまわりみたいな笑顔で食卓にやってきた。……面白い奴……。

鶏肉入れたり野菜入れたり、チェダーではない他のチーズをベースにしたりと色々やってみたけれど、やはり最後は「チェダーチーズ使用、他の具なし」の定番の組み合わせが一番である、という結論に達しつつある。インスタントのこんなやつは、火が通りやすいからか細い短いマカロニであることが多いのだけれど、私は普通のサイズのペンネの方が好みだなと思っている。

しっかり1人前のマッケンチーズを満足気に平らげた息子は、また静かに布団へと戻っていった。でもきっと、またすーぐに食べたくなっちゃうのね。

うどん(ひやひや)
にんじんのきんぴら
茄子と牛肉の生姜煮
麦茶

夕飯は、アツアツ御飯よりは冷たいうどんあたりが心地良いかしらと思い、冷凍うどん買ってきて讃岐うどん用のかけだしをかけ、「ひやひや」で。
「風邪はやく治るように、にんじん食べたい」
と、少々難しい注文が息子から出たので、人参多めの肉じゃがを作ろうか洋風の煮物にするか考えたあげくきんぴらにしてみた。胡麻油でちょっと柔らかめに人参炒めて、塩と少量の醤油、炒り胡麻をまぶしつける。ビビンバに添えるにんじんの炒めものが息子の大好物なので、それっぽくしてみた。あとは私用のおかずに、牛肉と茄子を醤油と味醂、千切り生姜で薄味に煮た小鉢も用意した。

明日は学校行けるかしらね。

6月13日 火曜日
グリンピースを剥きまくる昼下がり
目玉焼きトースト
アイスティー
さくらんぼ

パンを焼きたい、でも焼いている暇がなくなりつつある仕事山盛りの今日この頃。「そのうち、食パンも焼きたいんだけどなぁ……」(←でも焼き型がないのね……)と思いつつ、アンデルセンで久しぶりに食パンを買ってきたのだった。

厚切りのそれを1人1枚、今日は目玉焼きトーストにしてみる。パンはバター薄く塗ってトースターに放り込み、それを焼いている間にフライパンで半熟目玉焼きを作る。パンに焼けた卵乗せて、粗塩ガリガリ、粒胡椒ガリゴリ挽いてできあがり。

6月に入って、いよいよ「冷たい飲み物」の最盛期に突入しますねということで、通年用意している麦茶に加えて「水出しコーヒー」「水出し紅茶」のポットも冷蔵庫に常備されることになった。どちらも無糖の自家製で、安上がりだし旨いしで、これから夏が終わるまでアイスコーヒー、アイスティーがせっせと消費されることになる。

水出しアイスコーヒーは、これまでずっとだんなが毎回「だしパック」にコーヒーの粉を詰めて作ってくれていたのだけれど、数週間前水出し用のコーヒーポットなるものをみつけて購入してみた。紅茶版より茶こしがとても細かく出来ていて、綺麗に漉せる。こりゃ良いね、こりゃ便利だねと、すごい勢いでアイスコーヒーが飲まれている今日この頃。水出しは、コーヒーも紅茶もえぐみが無くて美味しいのよ。

冷たいラタトゥイユ
リッツ
アイスティー

今日は一日みっちりとお仕事。冷蔵庫にラタトゥイユの残りをしまっていたのを思い出して、昼は冷たいままのラタトゥイユ(これが案外美味しい……)をつまむことにした。御飯を合わせるのも妙だし、パンは朝食べたしと、添えたのは数枚のクラッカー。パリポリとリッツを囓りつつ、シリアルボウルに盛ったラタトゥイユを食べた。……うまー。

「魚久」の銀鱈粕漬け
黒豚の生姜焼き
刻みキャベツ
ポテトサラダ
さやいんげんの白和え
椎茸の含め煮
豆腐とわかめの味噌汁
豆御飯
ビール(エビス・エビス黒)

今日は私とだんなの9回目の結婚記念日。

日曜に、一山298円の鞘つきグリンピースを見つけて購入し、
「月曜の夜は、だんな帰ってくるの?豆御飯と生姜焼きでもしようと思ってるんだけど」
「う……多分帰れない……いいなぁその献立……」
「じゃあ火曜日に作ろうか?」
「うん、火曜日にしましょう」
というやりとりの結果、豆御飯と生姜焼きという献立に。気合い入れて黒豚の薄切りを買ってきた。

生姜焼きと刻みキャベツとポテトサラダ、味噌汁と豆御飯、あとはどうしましょう……とぼんやり考えながら午後もお仕事していると、
「あのねぇ〜、干し椎茸、間違ってすごい量戻しちゃったのよー。もらってくれる?食べて食べて?」
お義母さんが大荷物でやってきた。小鍋に溢れそうなほどの分量の立派な干し椎茸と、庭から切ってきてくれた花、息子用のお菓子、あれこれどっさり持ってきてくれて、お義母さんは軽やかに帰って行った。

見事なサイズのプリプリと艶やかな干し椎茸。醤油と味醂で甘辛く煮た椎茸が私は大好物なので、
「余ったら余ったで、多分他の料理に使えるはず……」
と、もらった椎茸を全部煮てしまうことに。椎茸の戻し汁に酒を加えて軽く煮て、砂糖も加えて更に煮て、濃口醤油と薄口醤油を加えて更に更にことことと時間をかけて煮て、最後に味醂で照りを出す。台所中に煮える椎茸の匂いを充満させながら、いただいた紫陽花を玄関に飾って、桔梗と撫子は食卓に飾った。わーいわーい、椎茸と花〜。

味噌汁に半丁使った豆腐の残りはさやいんげんと白和えにして(調味料は練り胡麻、薄口醤油、塩と砂糖)、コンロであれこれやっている間にグリンピースを剥きまくる。思った以上に豆は大量で、豆御飯用に取り分けてもまだ同じくらい余ってしまった。お買い得な豆だったのだなぁと感動しながら、残ったものはとりあえず冷蔵庫に戻っていただいて、塩味の御飯を炊いた。

これだけで充分御馳走だったのだけれど、帰宅しただんなが手にしていたのは、いただきものだという「魚久」の粕漬け〜!
「……焼こう、記念日だし」
「焼くか、お祝いだし」
と、いそいそと包みの中から銀鱈の粕漬け1切れ出してグリルで焼いて、それもつつきながらの夕食となった。久しぶりに食べた魚久の粕漬けは、相変わらず実に実に美味しかった。
(9年目を期に、写真のサイズをでっかくしてみました)

6月14日 水曜日
花を眺めて元気だそう
昨夜のおかずの残りフェアー
 黒豚の生姜焼き
 椎茸の含め煮
 豆腐とわかめの味噌汁
 豆御飯
麦茶
小玉すいか

豆御飯がまだたんまり残っているし、味噌汁もまだまだあるし、更には生姜焼きもキャベツもポテトサラダも……と、軒並み昨日の夕御飯が残っている今日。昨日のうちに綺麗になくなったのは白和えと粕漬けくらいのものだったのだった。そんなに大量に作った記憶はないのだけれど、いかんせん品数がちと多かったらしい。

「だんなは御飯と味噌汁だよね?息子は……パンにするのかな?」
おー、とか、はーい、とかの声を背中に聞きつつ、温め治すものは温め治し、皿にパンを出し。昨日お義母さんが「ほほほほほ、これ、孫にね♪食べてね♪」と置いていったのは、苺味のコアラのマーチに、苺味のハイチュウに、苺クリーム入りのパン。孫は苺が好きだからと鮮烈に覚えてくれたらしい義母は、これでもかと苺ものを買ってきてくれたのであるらしかった。ピンク色の鮮やかな包装だらけの袋からパンを選んで取り出し、それは息子の朝御飯に。私とだんなは米の飯&味噌汁。

デザートには、週末に買ってきた小玉すいか。どうやら千葉の名産らしく、このあたりの八百屋、スーパーでは5月下旬からどこも山盛りで小玉すいかを見かける。試しに、小玉の中でもかなり小ぶりだったすいかを1個買ってきてみた。種は普通のすいかと同じくらいのサイズで、しかも個数も同じくらいという印象で、「なんだか種だらけ」という感じのあった小玉すいか。8等分に切ったそれを家族3人でわしわしと囓った。売り場のおっちゃんが「それは甘いよ〜、旨いよ!」と勧めてくれただけあって、今シーズン初すいかはとても美味しくて、甘い果汁たっぷり。だんなはカブトムシの餌にもならないレベルまで皮に迫った食べ方をしていた……。

またまた昨夜のおかずの残りフェアー……
 黒豚の生姜焼き
 ポテトサラダ・刻みキャベツ
 豆腐とわかめの味噌汁
「魚久」の粕漬け(赤魚)
しらす干し with おろし醤油
羽釜御飯
麦茶

ハーゲンダッツのアイスクリーム(アズキ)

ここしばらく(具体的には1ヶ月くらい……)色々と落ち込むことが続いていたのだけれど、今日はことさらにズドーンと落ち込むことがあって、しばらくこの日記をお休みすることにした。いや、日記自体はこうして今日も綴っているので「日記の公開をお休みすることにした」という表現が正確なところ。今日の日記が不特定多数の目に留まるのは何ヶ月後だろう。……夏休みは終わってないといいな。……夏休み前には復活したいな……。

その作業と、メールのお返事書きと、お仕事と、並行してやっていたらとうに昼御飯時を過ぎて息子が帰ってくる時間帯になっていた。
「たっだいまー!」
という息子の声に顔を上げていつも通りに「おかえりー」と応えたのだけれど、息子が不思議そうな顔になって
「お母さん!雪だるま作ろう!」
と。

え?雪だるまなんて、今、6月だけど?とハニワ顔になると
「塊魂で!みんな大好き塊魂で!」
息子が言っているのは、2プレイヤー対戦の雪だるま作りの事だった。雪のステージで2人がそれぞれ雪玉を転がし、2つの雪玉がくっついた時点で大きな雪玉が下になり、小さな雪玉が上になって雪だるまが完成する。いかに上下のバランスが美しく、かつ大きな雪だるまを作るかがポイントのゲームだ。一応、大きな雪玉を作った方が勝ちらしい。

なんで突然雪だるま……?と思いつつ、それでも息子と一緒に雪だるまを作った。ちっちゃいーだのでっかいーだのぶつかるーだのよけろーだの、さんざん騒ぎながらテレビ前の私たちは半袖姿で雪だるま作りに興じる。3雪だるまほど完成させたところで「つかれたよー」と息子を見ると
「あ、お母さんが笑った〜」
と息子はへらへらしていた。……これはどうも、元気づけてくれた……とみるのが良いのかな。まさかなぁ、と思っていたのだけれど、その後習い事に向かう息子が
「あとはね、お風呂から出たらアイスを食べる!これでもっと元気!すごーく元気!」
と言い置いて出かけていった。……やっぱりこれは、元気づけてくれている??

夕飯はリゾットかニョッキを食べたい気分だったのだけれど、まだまだ昨夜のおかずが残っていて味噌汁も飲んでしまいたいなと、昨日の残りプラス数品。いただきものの「魚久」の赤魚の粕漬けをグリルで焼いて、当初アスパラとサラダ仕立てにするつもりで買ってきたしらす干しはおろし醤油で和えた。あとは昨日の残りものをあれこれ盛りつけ、息子は肉多め、私は魚多めの夕御飯。炊きたて御飯にしらす干しをてんこ盛りにして食べた。

息子との約束通り、食後はアイス。元気でました。
(その後だんなも「おいしいもの買ってきたー!」と、チューハイとおつまみを買って帰ってきてくれました……みんな優しいなぁ……)

6月15日 木曜日
ナポリピッツァ♪(白いのはモッツァレラチーズですよ)
コーンフレーク(苺味) with 牛乳
小玉すいか

だんなは本日出張だそうで、かなり早い時間に出発していった。朝御飯は息子と2人、コーンフレーク。
「いっちご♪いちご♪いちご味〜」
と歌いながらザバザバとコーンフレークを深皿にあける息子に
「私にもちょっとください……ちょっとで良いから」
と私の皿にも入れてもらい、デザートに小玉すいか。

苺コーンフレーク、期間限定ものだと言うので先日もカルフールで探してみたのだけれど、あっけなく消え去っていた。残念……。

人形町 「PIZZA DA BABBO」にて
 ピッツァ サルシッチャ(自家製生ソーセージ)
 ピッツァ マルゲリータ
 ピッツァ フンギ(ブラウンマッシュルーム)
 ピッツァ オリベッラ(一口モッツァレラ、フルーツトマト、ルッコラ)
 ピッツァ リピエノ(リコッタ、モッツァレラ、サラミ、トマト)
 赤いサラダ
 ナポリ風アサリのスパゲッティ
 焼き野菜盛合せ
 スペアリブのグリル
 ドルチェ盛合せ
 アイスティー・グラスワイン

諸事情あって、今日は人形町でランチピッツァ。で、諸事情あって(←しつこい)、「胃袋担当」の友人を3人ほど連れていって、お店の選択で出していただいたピッツァあれこれ、料理あれこれをたらふくいただいてきた。続々と出されるピッツァの数々、食べ終わる頃は皆大変な満腹状態に。皆さん、どうもありがとうございました。

見栄えのするものを、ということでお店に選んで出していただいたピッツァは5枚。そして前菜にスパゲティに、ボリュームたっぷりのメインディッシュにドルチェの盛り合わせ。ピッツァ5種類は「ここはピザ食べ放題屋じゃないんだから」という豪華っぷりだった。

まずは自家製生ソーセージ(腸に詰めない、細かく崩した肉団子状のソーセージ)を散らしたもの。マルゲリータ(モッツァレラチーズ、トマト、バジル)にソーセージを足しただけ、といった感じのシンプルな1枚で、続く1枚が超定番の、そのマルゲリータ。ブラウンマッシュルームを全面に散らした「フンギ」に、ルッコラを中央にうず高く盛りつけた「オリベッラ」。そして、三日月型をした外見も美しい「リピエノ」。2つ折りにしたピザ生地の間にチーズが閉じこめられた、見た目も味も楽しい1枚だった。
どれもこれも美味しかったけれど、「リピエノ」がすごーくすごーく好みな味。チーズはどれも空輸したイタリア産チーズなのだそうで、モッツァレラのとろけるような牛乳のコクと滑らかな舌触りがたまらなかった。

店名にもある通り、ピッツァの専門店ではあるのだけれど、パスタやメインディッシュも各種あるらしい。出していただいたパスタはトマト入りのボンゴレで、今日のメインディッシュはスペアリブのがっつりとしたグリル。肉汁染み出る美味しい肉の下にはじゃがいものピュレ、たっぷりの焼き野菜が添えられていた。更に、写真映えする「野菜のグリル」に「赤いサラダ」。ビーツや赤いパプリカを使った本当に真っ赤なサラダで
「うわっ!……美しい……」
「すごいね、サラダでこういう色っていうのも綺麗ね……」
と、皆で見入りながらも皿は綺麗に空になっていった。

ドルチェはコーヒー味のムース、ティラミス、ゼリー寄せにしたマチェドニアの盛り合わせで、その皿も平らげ終わる頃には小雨も降ってきた。しとしと雨が降る中、「柳や」の鯛焼き買いつつ、皆でお茶などもしつつ、のんびりと帰宅。それにしても……お腹いっぱい。今度はピザ好きの息子とだんなも連れてこなきゃ。

ドライフルーツ(レーズン、マンゴー、いちじく)
茹でアスパラ アンチョビマヨネーズ添え
アイスティー

そして、夕方になっても夜になってもお腹いっぱいの私。されど息子の御飯は必要で、
「……お母さん、まだまだお腹いっぱいだから、君の分だけ作るね。……どうしようかな?」
鶏肉あるし卵もあるから、親子丼と、何かサラダと、あとはおみそ汁っていう感じかなーと呟きながら台所に向かうと、背後からそっと忍び寄っていた息子が
「まっけんちーず」
と呟いた。うわぁ。

「……ついこないだ食べたじゃん、マッケンチーズ」
「……でも、すーぐに食べたくなっちゃうんだよ……」
「それにしたって、ついこないだ食べたじゃん」
「だってさ、ぼくの御飯なんでしょ?ぼくだけの御飯なんでしょ?じゃあぼくが選んでも、いいでしょ?」
「……一理あるわね……」
しょうがないなぁと冷蔵庫のチーズを確認してみているうちに、息子は自力でパスタ用の鍋出して水入れて塩を取りだそうとシンクの棚に手を伸ばしていて、その情熱に負けた。息子にマッケンチーズ、あとは鶏肉とズッキーニをオーブン焼きにして、茹でたアスパラに刻んだアンチョビ混ぜたマヨネーズを添えたものも用意した。パスタと肉料理は息子の分、私はアスパラつまんで、あとは買い置きのドライフルーツをつまんでお茶のんでおしまいにした。

もう飽きるほど作っているマッケンチーズだから目をつぶってもできるわ〜……なんて思っていたのに、どういうわけか今日は大失敗。ホワイトソースが足りなかったのか、小麦粉がソースにちゃんと馴染んでなかったのか、材料はどれひとつ傷んでなかったにも関わらず、チーズが変に分離したような、油分と固形部分が分かれてしまったような「失敗マッケンチーズ」になってしまった。チェダーチーズは、手持ちの全部を使ってしまったので作り直すわけにもいかず。

「……ごめん、ほんっと、ごめん、なんか失敗マッケンチーズになっちゃった」
「だいじょうぶだよ?ちゃんとマッケンチーズだよ?」
気にしないよー、と、息子は肉や野菜と共にマッケンチーズも綺麗に平らげてくれたのだけれど、全部食べ終わってから
「やっぱり、ちょっと失敗?」
と呟かれた。ええ、失敗です。すみませんでした……。

6月16日 金曜日
ああ、デンジャ〜。
ポテトサラダトースト
アイスカフェオレ

厚切り食パンが残ってて、そういえば冷蔵庫にはポテトサラダもちょびっと残ってたんだった……と、今日はパンにサラダを乗せて。バタートーストに冷たいポテトサラダを乗せて食べるのは、私の母がしょっちゅうやっていた食べ方で、子供の頃の私は
「肉っけもないし、甘くないし、とくに美味しくなーい」
と思ってたのだった。今食べるとしみじみ美味しいのは、私が年を取ったということかしら。

ポテトサラダは食パン2枚分ほどはなかったので、
「君は?サラダ食べたいなら分けるし、あとは目玉焼きとか、でなきゃジャムとかピーナッツバターとか」
と息子に聞いてみたところ、「じゃあ、ジャム!」と、バタートーストに葡萄味のジャムを塗って食べていた。母が遊びに来ていた時にあれこれ揃えたジャムも、残りはあとわずか。

明治屋の季節折々に発売されるマイジャム・ヌーボーが大好きなのだけれど、いかんせん瓶が巨大すぎて使い切るのが大変。目下のところ、明治屋オリジナルのマンゴージャムが私のお気に入りだったりする。変な香料の匂いがなくて、このマンゴージャムは本当に美味しい。

「柳や」の鯛焼き
牛乳

夏も間近で腕を出して外出する季節まであと少し。ちょっとは体を引き締めなきゃと、ジム通いをまた習慣づけようとここ最近がんばっている。昨日山ほどピッツァを食べてきたこともあって、今日も気合い入れてジムに行ってきた。運動の途中でつらさのあまり般若のような表情になりつつ、ボディパンプに精を出す私。

平日昼間担当のイントラ氏は、かえすがえすも「陽気なサド」という感じで、今日も「明るいけど、楽しいけど、つらい曲ばっかり」というセレクションで突っ走ってくれた。スクワットが「The Race」(Captain Jack)でチェストがオペラ座の怪人で、バックが「Heaven」(DJ Sammy & Yanou feat.Do)、トライセプスが「Campione」(E-Type)でアームカールが踊るさんま御殿(「Walk This Way」(Aerosmith))でランジが「As The Rush Comes」(Motorcycle)で、肩が「I Get Up」(INXS)。ここ何ヶ月かさぼり気味だった割には、14kgのダンベルしょってのスクワットが完走できたところを見るとさほど筋力は衰えていなかったようで何より何より。

今日はひたすらに肩の運動がつらくて、それまで50分近くさんざんあちこち痛めつけた後という状態で

腕立て伏せ20回くらい
サイドレイズ(片腕2.5kg)いっぱい
ショルダープレス(片腕2.5kg)もっといっぱい
→とどめの腕立て伏せ20回くらい
(リンクはダンベル体操のだからボディパンプの動きとはごく微妙に違いますが)

などという流れで、最後の腕立て伏せは涙目になるわ、体中から汗じゃない嫌な液体が滲み出てくる気がするわで、ちょっと大変な事になっていた。

で、あまりにも疲れて、お昼の食べ物を買う気力もなく帰宅。御飯を食べる気もしない、パンもちょっと違う気がすると家の中をうろうろ歩きまわり、
「……そうだ、糖分を取ろう……」
と、昨日買ってきた人形町「柳や」の鯛焼きをトースターで数分あっためて食べた。

甘さの全然ない皮は薄くパリッとしていて、たっぷりのあんこは私の好みの粒あんの鯛焼き。1個ずつ別れた鉄型で焼かれているので、端っこにほんのりと焦げもあって、それがまた香ばしくて良い感じ。アツアツのところをくるんでもらって持ち帰ると、家ではちょっとフニャッとなっていたりもするのだけれど、やっぱりこのお店の鯛焼きは私の好物だなぁと今日もしみじみ感じられた。
夜にはだんなと合流してがっつりと肉を食べに行く予定なので、まだまだお腹は空いているけど、軽めに軽めに。

東あずま「Mr. Danger」にて
 2000円セット(デンジャーステーキ400g・ポタージュスープ・ライス・サラダ)
 生ビール \350

亀戸から、東武亀戸線に乗って2駅ほど。「東あずま」という駅から歩いて数分のところに、素敵なお店Mr.Dangerがある。プロレスラー松永光弘氏の経営するステーキ屋さんで、「現役プロレスラーでもあり試合のある時はリングで、試合のない時は厨房で自ら柔らかいステーキを焼いております」と謳っているとおり、素晴らしい二の腕をお持ちの松永さんがせっせとステーキを焼いている姿を厨房に臨むことができる。

いわゆる「B級グルメ」と言われるジャンルの食べ物だと思うけれど、ひたすらにがっつりとしていて、お安くて、なんともい〜い感じの店なのだった。何がすごいって、ここに載る「デンジャーパーティー」がものすごいのだけれど、未だ一度も直に目にしたことはない。実際に入店する人数の3割減くらいの数で注文しても全部は食べきれないという噂のあるパーティーメニューだ。大食らいの友人たち連れて一度はこれに挑戦してみたいねぇと話しつつ、今日は親子3人でつつましやかに(!?)定番の400gデンジャーステーキを食べてきた。息子は更につつましやかに、150gのハンバーグ。

おすすめの2000円セットは、名物のデンジャーステーキの400gサイズと、選べるスープ(辛口のデンジャースープか、ポタージュスープか、ライスにかけて食べられるカレーか)、大盛も無料のライスとポテトサラダという内容。御飯は普通・中盛・大盛とあって、中盛がよそのお店の大盛サイズ。大盛は推して知るべし……というボリュームだ。デンジャーステーキは、基本的にはおろしにんにくを全体にこてこてと塗られ、仕上げに角切りバターがてっぺんに落とされてやってくる。にんにく無しも、もちろん頼める。

中ジョッキなのにたったの350円の生ビールをくいくい飲みつつセットのサラダつついて数分待つと、鉄板にじゅうじゅうと、肉!にんにく!バター!添え物のコーン!うずら卵とにんじん!と、今日も相変わらず大変に迫力のある料理がやってきた。値段から察せられるとおりに上質な肉というわけではなく、それなりにスジもあるし霜降りでもない肉を使っているのだろう。それを叩いて叩いて叩いて繊維を崩したような、ちょっと独特の食感がする。卓上には梅、胡麻、甘口、辛口の4種類のソースがあり、それを小皿にとってぺたぺたと適当に肉につけつつ食べるのだった。言ってしまえばなんとも下卑た味、なのだけれど、それがたまらなくツボというか。

相変わらずの不思議な柔らかさの肉に、バターだにんにくだコテコテ味のソースだといつも通りの洗礼を受けて、今日も皆で腹一杯。コーンスープやポテトサラダ、お子さまサービスのアイスクリームなどなど、そのあたりは「いかにも業務用加工食品使っています」という感じではあるのだけれど、そのへんひっくるめて
「ああ、デンジャー、ああもうデンジャー」
と、うっとりしている私たちだった。
久しぶりのデンジャーステーキ、うっとり〜。

6月17日 土曜日
今日は角煮など作ってみたり
「シェ・リュイ」の
 ツナパイ
 クリームパン
アイスカフェオレ

昨日の夜、乗換駅の亀戸でお買い物。我が家あたりじゃ見かけないパン屋さん「シェ・リュイ」があって、そこをちらりと眺めてきた。ミートパイ、アップルパイなどのパイものが多めで、全体的にボリュームたっぷりなパンが多いような印象。買おうか買うまいか迷いつつ店内の棚を眺め歩いたところ、「人気No.2、クリームパン」の文字が目に入った。

このお店の名物のひとつであるらしいクリームパンは、まるで蛋撻のような面白い形状をしている。お椀型のパン生地の中央にクリームが盛られるように詰まっていて、普通に想像する「クリームパン」とは全く違う外見だった。これがやけに美味しそうで、
「……うん、これ、買おう」
「あ、俺もそれ」
「ぼくもそれー」
と、家族全員それを1個ずつ。あとは思い思いに好みのものを選択し、私は小さめサイズのツナパイをトレイに乗せた。いかにもバターたっぷりといった風のパイ状生地の中央にツナペーストとちょこりと絞られたマヨネーズのパン。

クリームパンは期待以上の美味しさ。ふわふわもちもちとしたパン生地の上に乗せられたクリームはバニラビーンズたっぷりで、濃厚かつもったりとした好みな舌触りのものだった。クリームがくるまれたクリームパンよりも、生地に対するクリームの量が多いようで、カスタードクリーム好きにはなんともたまらないクリームパンだった。もっと我が家に近いお店はないのかしらと思ったのだけれど、どうやら亀戸が最寄りなのであるらしい。

ざるそば
海老かき揚げ
麦茶

今日は一日、予定もなくのんびりと。駅近くのスーパーマーケットで「ムシキング大会」なるものが開催されるとのことで、息子とだんながそれに出かけて行き、私は家で一人豚バラブロックを大鍋に入れてことこと煮込む。

昼御飯は、天ぷら買ってきて簡単にお蕎麦にすることにした。先に角煮の準備を進めた方が良いねと、蕎麦を茹でる前に角煮の仕込み。下茹でしたバラ肉を一口大(目指す角煮サイズ)に切り分け、醤油と酢を合わせたものをざっとまぶしつけてから中華鍋で全面をこんがりと焼きつける。全ての面に良い感じの焼き色がついたら、醤油100cc、砂糖100g、たっぷりの水を煮立たせたところに次々入れていき、あとは鍋に蓋してひたすら煮ること数時間。もう何年も前に覚えた脇屋友詞さんのレシピの東坡肉だけれど、何種類か試してみてこれが一番好みな味にできあがったので、我が家で角煮と言えばもっぱらこの作り方を実行している。

「私、肉切って調味料まぶすからね」
「じゃあ俺、それ炒めて鍋に入れりゃ良いのかな?」
一人でも作業できる内容ではあるけれど、2人でやる方がらくちんだし間違いがないので手分けしてせっせと「あとは角煮、煮ていくだけ」の状態までもっていった。角煮が煮始められた横で、改めて鍋に湯を沸かして蕎麦を茹でる。

私とだんなは長ねぎと海老のかき揚げ、息子はさつまいもの天ぷら。そろそろ茹でた麺を冷やすのに氷が要る季節だねぇと言いながら、氷を使わなかった今日は"キーンと冷たいというほどには冷たくない"という、ちょっとだけ微妙な温度のお蕎麦になった。我が家の人間は誰も彼も夏バテとは無縁だったりするけれど、それでも冷たい麺類が恋しくなる季節はもうすぐやってくる。

アスパラガスとじゃこのサラダ
さつまあげ各種(黒豚入り、山ごぼう入り、枝豆入り、五目ピリ辛)
豚肉の角煮
中身汁
羽釜御飯
黒ホッピー

「奥さん奥さん、美味しく煮えてきましたよ」
「奥さん奥さん、ちょっとだけ味見しますか?俺と1切れを半分こ」
「奥さん奥さん、ほらぁ〜見てよ、実に旨そうっ!」
仕込みを始めたのは私の方であったはずなのに、家中に角煮の良い匂いが漂いはじめてからは、もっぱらだんなが鍋のお世話をしていてくれた。

今日は色々とおかずがあって、角煮の他は、だんなが出張先で買ってきてくれたさつまあげ(黒豚入り、枝豆入り、山ごぼう入り、五目具の七味唐辛子入りの盛り合わせ)、それにTさんからいただいた、沖縄の「山羊汁」(その名のとおり、山羊肉を煮込んだスープ)と「中身汁」(豚モツのスープ)もある。今日は中身汁の方をいただくことにして、テーブルの上は九州土産と沖縄土産、そして角煮という南国感溢れる組み合わせになった。全体的に渋茶色の夕御飯になってしまったので、せめてもと茹でアスパラとしらす干しを和え、醤油とマヨネーズと少量のわさびで和えたサラダも一皿。

だんながマメにお世話してくれた角煮は、実に実に美味しく煮えた。本当はこれ、明日花巻(というかマントウ?)にくるんで食べるつもりで煮たものなのだけれど、本日のメインディッシュとしてえらい勢いでなくなっていく。練り辛子添えつつ食べたら、たまんなく美味しかった。

6月18日 日曜日
ぶたパンを焼こう(そして数十分後、鼻血豚の悲劇が)
角煮饅頭
アイスプーアル茶

Mさんからいただいた、台湾土産の饅頭(マントウ)。ふわんふわんで、でっかくて、「花巻」に似ているけど微妙に異なる中華蒸しパンだ。これは絶対角煮が合うねと、だから今回この饅頭に合わせようと角煮を煮ていたのだた。

煮込んだ翌朝の角煮は、昨夜から輪をかけて味が染みこんだような感じで、すっかり美味しくなっている。温めなおして深皿に盛り、適当にほぐしながら蒸かした饅頭に挟んで食べた。

そうそうそうそう、これですよ〜……という感じの、完全なる旨さの角煮饅頭。角煮の煮汁もしっかり受け止めてくれる饅頭は今日もすんばらしく旨かった。

自家製ぶたパン
アイスティー

だんなは筋肉イベントだそうで、雨が降る中出かけていった。この天候じゃ遊びに行くという気分にもならず、私と息子は家でおとなしくおとなしく。

「……夕飯さぁ、粉からパスタでも作ろうか、卵たっぷりの生地作ってさ、クリームのスパゲティ。……でなきゃ、ニョッキとか」
「ニョッキって、なに?」
「じゃがいもと小麦粉で作る、お団子みたいなやつ。美味しいよ」
「じゃあニョッキ作る!いっしょに作る!」
と息子と話がまとまった。パスタを作るつもりでいたのだけれど、ニョッキだったら幾分簡単にできる。じゃあパンも焼いちゃおうかね……と呟いたら
「ぼくもパン作る!ぼくねぇ、くまパン作る!」
と、これにも息子が乗ってきた。今日の午後はひたすら粉にまみれることに。

今日のパン作りは計量から息子も参加して、ああでもないこうでもないとバタバタしながら生地を練る。1次発酵が終わったら、2単位分作った生地の半分はいつも通りの丸パンにして、残りを4等分にして「これで好きなもの作って良いよ」と息子に託した。

くまー♪くまー♪と鼻歌歌いながらこねこねこねこねパン生地触って、なんとか耳らしきものも作って、
「……目は、どうしよう?」
と、息子。
本当は干し葡萄あたりが良いのだけれど、葡萄はなくて(←ほんとはあった、すぐそばにあった、忘れてた……)、
「……やっぱり黒っぽいのがいいよね?」
「チョコはどうかな?」
と話し合う。で、マーブルチョコとかチョコボールとか、コーヒービートとかチョコベビーとか、バレンタインデーの時の瓶詰めの中身がまだ少量残っていたので適当に見繕って、成形してみた。焼いているうちに溶けるかなという懸念はあったけど、もしかしたらなんとかなるかもという希望を抱きつつ、目の位置にチョコベビーをぎゅうと押し込んでみたりして。息子が3体のクマを作り、丸パンを成形し終わった私は残りの生地でブタを作ってみた。何を思ったか鼻の位置に赤いマーブルチョコとか押し込んでみているし。何も赤じゃなくても。

……で、オーブンで焼くこと十数分、やっぱりチョコは溶けた。色々学んだ。

・マーブルチョコは、厳禁(表面のコーティングがどろどろになってパンダ目に)
・チョコボールも厳禁(コーティングが溶けると共にチョコ自体が下に落ちてスプラッタな様相に)
・チョコベビーは案外いける(ブタの目は何ら問題なかった)
・コーヒービートも案外いける(クマ1体の目は無事だった)

ブタの鼻のマーブルチョコがなかなか悲劇的な状況になっていて、すっかり「鼻血ブタ」になっていた。せめて黒いチョコにすべきだったな、私。

それでもパン自体は美味しく焼けたので、粗熱が取れるのを待ってぶたパンとくまパンを1個ずつ食べた。
今度はちゃんと干し葡萄をぬかりなく用意して、新たな造形に励んでみよう。トトロパンとか、アンパンマンパンとか。

具沢山のじゃがいものニョッキ ゴルゴンゾーラのソース
茹で鶏と水菜のサラダ
アイスティー

パンを焼いた数時間後、今度はニョッキ作り。じゃがいも茹でてマッシュして、塩胡椒ナツメグ、卵黄と小麦粉を加え合わせて平たいお団子にして茹でていく。これまた息子がせっせと手伝ってくれて、フォークの上で転がして凹凸の模様をつける成形も一緒にやってくれた。大人の手と子供の手で作るから大きさはまちまちで少々どころじゃなく不揃いのニョッキができたのだけれど、気にせず茹でる。脇の鍋では生クリームを沸騰させてゴルゴンゾーラチーズを溶かし、軽く煮詰めてソースの準備。合わせる野菜は、事前にグリンピース、スナップえんどう、さやいんげん(豆ばっかり……)、アスパラガスを軽くゆがいておいた。

このレシピ、Tさんに教えていただいたもので、本当は筍と空豆という春野菜を使ったもの。今は筍というシーズンではないしと、手持ちの野菜をあえて色を一色に揃えてひたすら緑の具にしてみた。もっちりと大ぶりなニョッキには空豆の方が確かに似合うかなと思われたけれど、グリンピースやスナップえんどうの組み合わせも、なかなか。じゃがいもと卵黄の色でほんのりクリーム色にできあがったニョッキにゴルゴンゾーラのソースを絡めて野菜も和え、ボリュームたっぷりの一皿になった。

肉っ気のない料理になったので、水菜と玉ねぎのサラダには裂いた茹で鶏を混ぜて。
「……なんか、今日は色々作ったね」
「今日は"つくる日"だったね、お母さん」
「そっか、"つくる日"か。なんかこう、"匠の一日"って感じ?」
「……たくみ?」
「そう、たくみ」
そんな事話しながら、ニョッキをもぐもぐ。息子は「マカロニとは、ちがうんだねぇ」と興味深そうにニョッキをつつきまわしていた。