食欲魔人日記 06年1月 第4週
1月23日 月曜日
はらいたに、うどん
「クーロンヌ」の
 マヨコーン
 クリームパン
 かつサンド1切れ
カフェオレ

昨日、つくばで寄ってきた素敵なパン屋さん「クーロンヌ」。「おやつ代わりにつまむかね?」と買ってきたかつサンドをうっかり食べ忘れていたので、それも含めて朝御飯用に買ってきたのを出したり、温めたり。私の分はクリームパンとマヨコーン。息子はクリームパンとメロンパン、だんなはチョコデニッシュとかつサンド。本当はクリームパンがもう1個あったのだけれど、それはだんなの明日の朝御飯にしましょうということになった。

「志のあるお店は良いよね」
「あのお店は志がある感じだったよね。……おぉ、クリームパン、うま!」
「こっちのチョコパンも旨いよー」
しかも安かったよね、山のようにパン買ってかつサンドも買って1500円弱だったよね……と、うっとりしながらパンをもぐもぐ。コーンたっぷりのマヨネーズ味のも美味しかった。ぶあっついカツの挟まったかつサンドの味もなかなか。

このお店、更に気になったのが、レジ脇でコッペパンを売っていたこと。コッペパンそのものも買えるのだけれど、ジャム、ピーナッツバター、バター、あんこなど好みのものを塗ってもくれる。ダブル(2種塗り)もOK。
「ここは……ジャムとピーナッツバターでしょうかやはり」
「いやー、あんことバターが旨いと思うよ、うん」
などと話しつつ、結局コッペパンは買わずに来たのだけれど、あれ、美味しそうだったなぁ。

きりたんぽスープのうどん 卵入り
麦茶

と、朝にそんなにがっちょり食べておきながら、でも昨夜から私は体調不良。昨日の夕飯後に突然下腹が痛くなりはじめ、ついでに腹も微妙に下り気味。じわ〜じわ〜と波のある鈍い痛みに耐えかねて痛み止めを飲み、昨日はかなり早めに布団に入った。今朝もやっぱり痛いしついでにだるいしで、朝御飯後はこんこんと寝ること数時間。昼間にぐーぐー寝られるということは、それだけ疲れが溜まってたんだろうなということなのだろう。年明けから毎週末に遊び歩いているしなぁ……(そして今週末はスキーという大イベント)。

朝御飯にたんまり食べたら案の定腹痛が悪化したので、夜はごく軽くにしておこうと思いつつ、でも息子にはちゃんと食べさせてやりたいと色々考えて、うどん。昨夜のきりたんぽ鍋のスープが肉や野菜と共にまだたっぷり残っていたので、そこに冷凍うどん入れて煮てしまうことにした。大根や人参も加え、芹の代わりに三つ葉をトッピング。ついでに卵を割り落とした。

「わ!うどんだね、うどんはおなかに、いいよね?やさいも入っているから大丈夫だね?」
息子もなんだか喜んでくれて、2玉茹でたうどんのうち1.4玉分ほどを息子の器に入れてやって私は0.6玉分ほどを。

私は卵を潰さないように食べつつ、最後の方で黄身をつるんと啜ったのだけれど、息子は早々に卵をぐしゃぐしゃにスープに溶かして食べていた。
「卵ぐしゃぐしゃにしたら、カレーの味っぽくなった!」
などと面白い事を言われつつ、息子ももぐもぐ、私ももぐもぐ。

「お母さーん……」
「ん?」
「お母さんはー、どんな食べ物が、好き?」

食後にお茶飲みながらそんな話を振られて、
「ん。カツ丼」
とか即答する私は、きっとかなり回復しているんだと思う。

1月24日 火曜日
早く仕事を一段落させたいなー……と、宅配弁当
「クーロンヌ」の
 ミニ肉まん
 メープルロール

本当は昨日のうちに食べておきたかった、「ミニ肉まん」がある。つくばのパン屋さんで買ってきたそんな名前のパンは、饅頭じゃなくて、どちらかというと「揚げパン」や「カレーパン」の仲間のような感じ。ほんの2口分ほどの可愛らしいサイズで、固めのパン生地に包まれて一度揚げてあるような感じ。中にはもちろん、肉まんの肉っぽいものが詰められているのだろうなという外見のパンだった。

「……あり?だんな、こっちは食べていかなかったんだな……じゃあ君と私で食べちゃおうか」
と、全部で3個あったミニ肉まんを温めた。誰が2個食べても良いように、同じお店で買ってきた「メープルロール」(ロールケーキじゃなくて、凹凸のある円筒形の型で焼かれたデニッシュ生地のパン)を少しスライス。両方テーブルに出したところ、息子がぐわーっと「ミニ肉まん」を両手に取ったので、息子がミニ肉まん2個ということになった。私はミニ肉まん1個に薄くスライスしたメープルロール。

優しい甘さのメープルパンは、このお店に連れてってくれたMさんが勧めてくれたもの。断面が丸というのがまた可愛らしくて、まだまだ残る続きは明日の朝に食べることにしよう。

「ガスト」の
 チキン南蛮弁当
 温泉卵のシーザーサラダ
麦茶

昨日ヒーヒー言っていた腹痛も今日はだいぶ良くなって(でも大事をとって昼間はヨーグルトをちょびっと食べるだけにしておいた)、今日は数日分まとめて、怒濤の勢いでお仕事お仕事。
この度複数の相手先から「flashって作れないのー?」「作ってくれないのー?」「作ってー」と打診があって、それじゃあやってみるかととりあえずヨドバシカメラで廉価版flash編集ソフト(3000円くらいの)を先日買ってきた。んが、ソフトの扱い方は簡単だったのだけれど、やりたいことの半分もできなくて、「やっぱしmacromedia社のじゃないとダメか」と挫折。3万円弱の出費を覚悟して「Flash Basic 8」をインストールすることになった(とりあえず今はトライアル版で試用中)。

これがもう、泣けるほど難しい難しい難しい。先週末のうちに解説書を何冊か買ってきてはいたのだけれど、用語の1個1個がまずわからない。
「"インスタンス"って、なんですかー?」
「この画面の、この白いポッチは何の意味があるんですかー?」
と、久しぶりにパソコンで頭を抱えることになった。ああ……私の目指す目的地までどのくらいかかるのやら。

それで6時間くらいパソコン画面を睨み続け、夕方になってやっと何かを会得した気分になった。なんとかやりたいことの1/3くらいの工程が理解できて、なおも必死でパソコン睨んで午後6時半。
「息子、ごめん、ほんっとごめん。ちょっとお母さん今いっぱいいっぱいだから、夕御飯何か取ろ?こないだポストに入ってたガストのでいいからさ、何か選んで?」
と、労力ゼロの夕飯にさせていただいた。でもおかげで、ばんざーい、やっとボタンが1つまともに動いたよー!(←すごく低レベル……)

息子はコーンスープつきのお子さまセット(ハンバーグやポテト、唐揚げがついてきていた)、私はチキン南蛮弁当、それと温泉卵を乗せたシーザーサラダは息子と半分こ。自分用にカップスープのひとつでも準備しようと思いつつ、そんなことすら忘れてしまって、食前も食後もえんえんと仕事していた。でも、今になってやっと「2〜3週間はお時間いただかないと、多分作成できませーん」と言っていたものが、これなら1週間かからないで作れるかもという感触に変わってきたので、良かった良かった。

1月25日 水曜日
ポークソテー定食。
「クーロンヌ」のメープルロール
カップスープ(コーンクリーム)
牛乳

「寒いね」
「カップスープでも入れようか」
「いいねぇ」
「きつねうどん」
「……へ?」
「ぼく、きつねうどん」
「お母さんたち、カップスープの話してたんだよ。きつねうどんは、うどんじゃん、スープじゃないじゃん」
「でも、ぼく、きつねうどんが食べたい。食べる」
「……と言われてもー」

さぁ今日も起きるぞ起きるぞ、でも寒いねぇ……と布団の中でもごもごと蠢きながら、そんな話をしている家族。息子はどうにもこうにも「きつねうどん」の気分だったようで、まぁそれもありかなと、息子にはきつねうどんを用意することにした。

お湯をたっぷりわかして、カップスープときつねうどんの準備。きつねうどんの香りの中でパンとスープの朝御飯というのもちょっと妙だったけれど、息子がすごく満足そうにどん兵衛を食べていたので、まぁ良いかなと。私とだんなは、スライスしたメープルロールを軽く温めて、あったかいパンとあったかいスープを楽しんだ。しっかし……寒いね。テレビでは今年のガス消費量が尋常じゃないということを放映していた。

「ラ・ピラミッド」のマロンケーキ
ダージリンティー
自家製ヨーグルト with はちみつ

お正月に購入した、お菓子の福袋。小袋入りの焼き菓子はぽつぽつと食べてもう残っていないのだけれど、「大物」が2つ残っている。丸いチョコレートケーキと、直方体のマロンケーキ。賞味期限は2月半ばとなっていて、そのうち食べればいいやー、なんて思っていたのだけれど、さすがにそろそろ開封すべきかと、あけてみた。お昼とおやつの間の時間帯に、軽くつまむ。

ほんのり洋酒の香りのするマロンケーキはしっとりとした口当たりで、なかなかの美味しさ。ダージリンティー淹れて、ついでにまだ微妙に違和感が残る「胃腸対策」で自家製ヨーグルトにはちみつ垂らしたものも用意して、それぞれ軽くつついた。

……本当は今日、ジムに行く気満々だった私。午前中にぐわーっと仕事した後に、
「あと30分したら行かなきゃだから、ちょっと休憩〜」
とこたつに肩まで入って休憩して、気がついたらそのまま2時間ほど時を飛び越えてしまっていて、気分萎え萎えの昼ご飯になっちゃったのだった。しまったよ、我が家のこたつはタイムマシン機能(時間は戻れず、飛び越し専用)があったんだったよ。

レーズンバターwithリッツ
チャンジャ・キムチ・壺漬け
ポークソテー
刻みキャベツ・クレソン・プチトマト
マカロニサラダ
豆腐とわかめの味噌汁
羽釜御飯
黒ホッピー

苺 with コンデンスミルク&牛乳

先日、つくばの肉屋で買い物してきたとき、素晴らしく美味しそうな豚の肩ロース厚切り肉を買ってきたのだった。
「君、来週何曜日か早く帰ってくる?だったらその時用に3枚買っておくし、そうじゃなかったら息子と私の分だけ買うことにするけど」
「3枚、3枚買っといて。絶対何曜日か帰ってくるから!」
などという会話の結果、「今週は絶対何曜日かに早く帰ってくる」という取り決めがなされた。水曜日だったらなんとかなりそうということで、本日はポークソテー。トンカツにしてもいかにも美味しそうな肉だったけれど、ここはポークソテー。

「帰ってから焼くから、筋切りだけして冷蔵庫から出しておいてー」
と言われたので、そのようにしてから他の料理を準備しつつだんなの帰りを待った。

テーマは「ポークソテー定食」。旨い飯と味噌汁は外せないなと、息子の好物の豆腐とわかめの味噌汁を準備。ポークソテーには千切りキャベツも欠かせないなと1/6個分ほどを刻んだキャベツも用意。あとはどうしよう……と少し考えて、マカロニサラダ。マカロニとじゃがいもを一緒に茹で、塩揉みした玉ねぎ、にんじんと合わせてマヨネーズ和え。ごく普通のマカロニサラダを作って、あとは冷蔵庫内のクレソンとトマトを添えることにした。酒の肴にチャンジャやキムチ、レーズンバターを少々。

我が家のポークソテーは、ウィスキーバターの味。私たちが結婚する直前か直後くらいに出た、『dancyu』発行の家庭料理ムックがあって、それに載っていた作り方だと思う。料理初心者にも扱い易い内容の本で、ハンバーグやマ麻婆豆腐やミートソースなどなど、結婚後1〜2年はずいぶんこのムックにお世話になり続けてきた。今もその本に載っていた作り方で作っている料理も少なくなくて、そのひとつがポークソテー。塩胡椒してこんがり焼いた肉にウィスキー注いでフランベしてアルコールを飛ばし、最後にバターを落として軽く煮詰めてソースにする。ウィスキー独特のこくがたまらなく美味しくて、ケチャップもソースも入らないちょっと大人な味のポークソテーだけれど、これがいつのまにか「我が家の味」になっちゃったのだった。

今日の給食は「秋田スペシャル」だったのだという息子。「ハタハタとねぇ、きりたんぽ汁が出たよー」と喜んで帰ってきた息子の話によると、献立表に載っていた「漬物」は普通の黄色いたくわんだったのだそうで。やっぱりそこは「いぶりがっこ」を添えて欲しいよねぇなんて話しつつ、息子は大人ときっかり同じに盛りつけたおかずの皿を全部綺麗に平らげた。肉も1枚、山盛りのキャベツとげんこつ大のサラダもそれは綺麗に平らげてくれて、お母さんは今日もびっくり。

デザートは、タイムセール1パック380円のを買ってきた苺。まだちょっと甘さ控えめな苺だったので、練乳と牛乳かけて、いちごスプーンでつぶして食べた。

1月26日 木曜日
どんぶりサイズのカルボナーラ。もう大変。
目玉焼き御飯
豆腐とわかめの味噌汁(昨夜の残り)
抹茶入り玄米茶

今日は久しぶりに和風朝食。鮭でも焼いて卵焼きでも添えて……と思っていたのだけれど、あまりの寒さに充実したおかずを食べたい気分でもなくなってしまったので、「卵御飯」にすることにした。ただ、生で食べるにはちょっと不安な鮮度の卵だったので、今朝は「目玉焼き御飯」。

なんてことはない、目玉焼きを乗せただけの御飯なのだけれど、でもこれが生卵をかけた御飯とはまた違った美味しさがあって、私は昔から大好き。黄身がゆるゆるの目玉焼きにして、その黄身を箸で軽くつついて潰したところに醤油を垂らし、御飯と適当に混ぜながら食べる。

「さむいね」
「今日も超〜さむいね」
などと言いつつ、久しぶりの目玉焼き御飯は久しぶりの美味しさだった。そしてたっぷり残っていた味噌汁も消え失せた。

バターロール
ハウス 3種のきのこのクリームシチュー
牛乳

午前中仕事の合間に、「リクエストの本が入ったでよー」と連絡のあった図書館に本を取りに行き、ついでに少しばかり買い物。牛乳などを買ったついでに明日の朝御飯用のパン、ついでに私の昼御飯も。パン屋でバターロールを1個だけ買い、スーパーのレトルトスープコーナーで最近気になっているカップスープを買ってきた。今日の選択は、ハウスの「3種のきのこのクリームシチュー」。顆粒のスープベースとフリーズドライの具のパックをそれぞれカップに入れ、お湯を注いで速攻かき混ぜたら3分放置でできあがり。仕事も詰まっていたので、買い物から帰って仕事しながらさらさらっと食べた。

「シチュー」と書いてはあったけれど、それほどに「ちゃんとシチュー」なものができあがると期待していなかったのでちょっとびっくり。ちゃんとトロ〜ンマロ〜ンとしたとろみたっぷりのシチューができて、きのこの味がちゃんとしていたのにも感動しながら、つるつると食べた。この手のインスタント食品は本当にすごい進化を遂げてるねぇ……大昔は、「全然溶けないコーンスープ」なんかもあったのだけれど、今はこんなにトロトロなシチューも出来てしまう。

幕張 「カプリチョーザ」にて
 スモークサーモン、サラダ仕立て
 スパゲティ カルボナーラ
 カンパリオレンジ

息子が帰宅するのを待って、今日は一緒に幕張にお出かけ。この週末にスキーに行くことになったのだけれど、まだ微妙に足りないものがあるので、アウトレットショップを見に行きたいなと思っていたのだった。
「一緒に行きたい?行きたかったら君が帰ってくるの待ってから出かけるし、行きたくなかったらお母さん昼間に一人で行ってくるし」
と息子に相談して、(本当のところ、息子がいない昼間は仕事していたいから、出かけるなら息子と一緒がいいんだなー)と思いつつ返事を待つと
「いいよ、ぼく、一緒にいったげる」
とありがたーいお返事をいただいた。そうですか、つきあってくれますか……ありがと。

息子が帰るのを待って、息子が宿題終わらせるのも待って、それから一緒に幕張にお出かけ。目当てのスキー用品買ったり、息子の服が異様に安かったので買ってみたり、なんだかんだで大荷物になった。すっかり日も暮れてお腹も空いたので、何か食べて帰ろうということに。

「……で?何食べたい?アウトバックは、マッケンチーズがメニューから消えちゃったんだよねぇ……」
「じゃあねじゃあね、カルボナーラスパゲッティ食べたい!いっぱい食べたい!」
「んー、じゃあ、イタ飯屋さんかー……」
"山盛りのカルボナーラ"が食べられるお店、この近くで……と考えて、ピンと来たのが「カプリチョーザ」。あそこのWサイズパスタはイヤんなっちゃうほど大盛りだ。これなら絶対息子も満足できるはず!と、アウトレットモールのすぐ向かいのビル内にあるお店に向かってみた。

歩き回ってすっかり疲れ、私はカンパリオレンジを息子はコーラを注文して、メニューの相談。カルボナーラは確定でしょ、あと何かサラダ……スモークサーモンのサラダあるけど、これなら食べる?どうする?と息子と相談して、スモークサーモンのサラダとカルボナーラWサイズを注文した。

だんな曰く、
「最近、息子がおゆきさんの"相手"になるようになったから、夜遅く帰らなきゃいけないときにちょっと安心していられるようになった」
そうで。確かに、妻が一人だけでぽつーんと家で待っていたり、世話をしなきゃいけない、会話のできない子供と2人だけで家にこもっていたりするより、今の状況は安心できるものらしい。小学生になった息子は、ちゃんと話し相手にも食事相手にもなってくれる。

「って……うわ!でか!」
「お母さん!すごい、でっかいよ!」
スモークサーモンのサラダもなかなかのボリュームだったけれど、でもやっぱりWサイズのスパゲティは大変な分量だった。想像の1.5倍量くらいあって、親子2人で青ざめる。これは大変大変……と小皿に取り分けて、まずは1杯ずつ。そしてお代わりして各々2杯目。私は更にお代わりしてごく軽めの3杯目……で、もうフォークが動かなくなった。絶対私、乾麺で110g以上は食べたと思うんだけど、まだ器の中には小皿にたっぷり1杯分は残っている。うわ、どうしよう。「頼んだものは残しちゃいけません」が我が家の鉄則だけれど、これはさすがに……多いかも。

「よぉーし!ここはぼくが!がんばるぞぉ!」
息子が毅然と立ち上がった。巨大などんぶり状の器に入ったスパゲティの残り全部を自分の皿に取り分けて、
「だいじょぶ。食べられる」
と、少しずつ食べていく。すごいすごい、息子すごい。息子頼もしい。うへー、すごいねー、すごいね息子ーとびっくりしているうちに、息子はゆっくり最後の1本も啜り終えた。Wサイズのスパゲティ、めでたく親子で完食。下品なほどにたっぷりのクリームソースで和えられたスパゲティは、強めににんにくの匂いが漂い、厚切りベーコンもたっぷり。濃厚で美味しかったけれど、それゆえ食べ応えもあった。すごくあった。

「も、もうもう、ぼく、お腹ぽんぽん……すっごく、お腹いっぱい……」
「大変にお腹一杯になっちゃったね……やっぱりあの店はお父さんと行かなきゃダメだ」
「でも、ぼく、がんばったよー」
「うん、すごくがんばった。えらいえらい」
戦友を褒め称える気分でお互いぽんぽん肩叩きつつバス乗って帰宅。

バスの中で、
「お母さん、かつどんが好きなんだよね?他に好きな食べ物は?」
「……カツカレー」
「ぼくねぇ、ぼくねぇ、マッケンチーズでしょ、クリームのスパゲティでしょ、チーズのスパゲティでしょ、次がたらこのスパゲティでしょ、次はトマトのスパゲティでしょ」
「スパゲティ以外のもの出しなよ……人の事言えないけどさぁ、私も……」
などという会話をしたあたり、まだ私(と息子)の胃袋には余裕があったということかしら。

1月27日 金曜日
コロッケ&チョウシ屋ソース
ハムチーズパン
カフェオレ

朝5時半過ぎ、息子の甲高い声で目が覚めた。
「あー!お父さん、お父さんに会えたー!やったー!」
などという声と共に、だんなの「まだ寝てなよ、早いよ、まだ早い」なんて声も。朝ジムに向かうだんなの起床は午前5時半。それにつきあってしまうと私が昼間うまいこと働けなくなるので布団の中からお見送りしている(見送りするだけの覚醒すらできないことも多々……)。息子もいつもは食事して登校できるぎりぎりの時間まで寝ているわけだけれど、今日はたまたま朝早く目が覚めてしまったのであるらしい。

あー、だったら6時からポケモンやってるよ?見れば?と、私もいつもより30分以上早く起きて、だんなを見送りつつ、こたつに移動。スカパーで数日前に1話からの放映がスタートした(で、月〜金の毎日放送……)ポケモンアニメを一緒に見た。早起きして時間があったものだから今日の放映の第3話に続いて第1話、第2話も見て、朝からポケモン漬け。ピカチュウは第1話から可愛かった。
「あー、あれ、ギャラドス。こっちはコイキングだよね?」
と、普通の他のポケモンの名前も覚えつつある自分がちょっと悲しい。

朝御飯は昨日買ってきたパン。チーズがしっかり溶けるまでハムチーズパンを温めて、だんなが淹れていったコーヒーでハーフ&ハーフの牛乳たっぷりカフェオレを。スィートポテトパイが残ったのだけれど……しょうがない、これは昼に食べちゃおう。

スイートポテトパイ
ホットミルク

御飯のおかずにするのがなかなか難しいのであまり買うことはないのだけれど、さつまいもは好き。スイートポテトも好き。スイートポテトパイになると、更に好き。久しぶりに訪れたパン屋で見つけたので思わず1つ買ってきたのだけれど、朝御飯にはちと重いなぁと残っていたのだった。仕事の合間のお昼御飯にホットミルク入れて、砂糖は入れずにラム酒を2滴くらい落として、オーブンであっつあつにしたスイートポテトパイを。

「……なんか、またまたおやつみたいな昼御飯になってしまった……」
と思いつつもぐもぐと食べた。久しぶりのスイートポテトパイは、なんてことない店のなんてことない品なんだけどしみじみ美味しかったりして。

チーズフォンデュコロッケ・肉じゃがコロッケ
「R1/F」の
 シャキシャキポテトのサラダ
 卵と海老のサラダ
根菜入り ベビーリーフのサラダ
コーンスープ
羽釜御飯
麦茶

明日から1泊2日でスキー旅行。息子がそれはそれは楽しみにしていて、何週間も前から指折り数えて待っている。……けど、荷造り全然できてないのよね。
「なので!帰ったら速攻荷造りするので!夕飯はすぐに食べられるものにしよう。食べて帰ってもいいけどー……」
「んー、かってかえるといいと思うよー」
「だよね、買って帰ろう。何がいい?」
「んー」

そんなこと話しながらデパ地下をぷらぷらして、
「これだー!」
と息子が足を止めたのは「ズワイガニのクリームコロッケ」の前だった。うわ。

「んー……いいよ……これ1個でいい?2個くらい食べる?」
「じゃあね、あと、これ」
「チーズフォンデュコロッケ……これまたヘビィだね」

揚げもの屋さんの前であーだこーだと話し合い、コロッケを4個購入。
「後はサラダだね」
「だね」
とサラダ屋さんに移動して、
「じゃあ2人でせーので、どのサラダが食べたいか指さしましょう」
で、私は卵と海老のサラダ、息子はシャキシャキポテトのサラダを選択。

なんか似たような色合いだねぇと言いつつ、それらのサラダもも100gずつ買ってきた。緑の色の食べ物が全然ないので、ベランダ栽培のベビーリーフを適当にひっこ抜き、その何株かは大根か蕪のような綺麗な白い根菜だったので、それもスライスして葉と一緒にサラダにした。

帰宅して御飯炊いて、ちょうど飲みきれるだけの分量のコーンスープをミニサイズのコーン缶使って作り、簡単な夕御飯。先日だんなが東銀座の「チョウシ屋」(コロッケサンドがすごーく美味しい、お肉屋さん)でオリジナルソースを買ってきてくれたので、それを適当にかけながらコロッケを食べた。「肉じゃがコロッケ」にはしっかり糸こんにゃくまで入っていて、「チーズフォンデュコロッケ」は温めたコロッケの内側からとろけたチーズがこぼれてくる。ちょっと変わったコロッケを前に息子ももりもり夕飯を平らげ、
「ゲームボーイいるでしょ、そうがんきょうも、必要でしょ」
などと言いながら旅行の荷造りを一緒にした。

さて、明日の夜には息子、
「スキーもっともっとやりたい」
となっているのか、それとも
「スキーもうヤだ。怖い。痛い。やんなくていい」
となっちゃうのか。前者だったら、秋田のおばあちゃんたちが「スキー、そこら中でできるよー家の前でもできるよーおいでー」などと大喜びしそうだけどなぁ。

1月28日 土曜日
お昼はカツ!
東京駅構内「ほんのり屋」の
 天むす
 焼きたらこおむすび
 鶏の唐揚げ
お茶

「ぼく、スキーしてみたい」
数週間前に息子が呟いて、じゃあそろそろゲレンデデビューしてみましょうかという話になった。

「してみたい」とは言うものの、3時間くらいスキー靴履いたら「もうイヤ、二度とスキーしたくない」と言うかもしれないし、ゲレンデ行ってみたところで吹雪でスキーどころじゃないかもしれないし、移動時間があまり長くても疲れてしまいそう……と色々考えて、息子の初ゲレンデは苗場ということに。苗場プリンスホテルだったら、スキーが最悪全くできなくても子供向けの雪上遊具施設なんかもあるらしいしねと、ここに決めた。

たっぷり2日遊べるように、今日は5時半起床の強行軍。何も食べずにさっさと家を出て、東京駅でおにぎり買って上越新幹線に乗った。
JA運営によるお米ギャラリーが運営するこのおにぎり屋さん「ほんのり屋」、だんなが愛用しているお店であるらしい。スタンダードなおかかや昆布や鮭に加え、「穴子そぼろ」とか「天むす」(名古屋のあの小さなやつじゃなくて、普通のおにぎりの中に大きな海老天が……)なども揃っていて良い感じ。3個入りの可愛らしい唐揚げパックもあったのでそれは2ついただいて、
「全部で唐揚げ6個だから」
「1人、2こずつだね?」
「そうそう、2個ずつね」
などと言いつつ車内でいただいた。

大きすぎず小さすぎずの適度な大きさのおにぎりで、開店直後に買ったせいか、どれもまだふわふわと温かい。一般的天むすの2倍以上の食べ応えがある「天むす」も、大きなたらこが2切れ入っていた「焼きたらこ」もとても美味しかった。

苗場プリンスホテル内「ステーキ&スイーツ ニューヨーク」にて
 ポークカツレツランチセット \1800
 生ビール(小) \520

「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」をまんま体験して(本当に、トンネルのこちらは積雪0cm、あちらは積雪1mという感じで……)到着した越後湯沢駅は大変なことになっていた。必死の除雪の後が見えるそこそこには3mほどの雪が積もっている。そこら中に「雪の壁」が出現していて、しかもまだまだ降り続いている。長野や福島などのスキー場にこれまであちこち行ったけれど、電車を降りた駅前からこんな風景だというのは初めて。雪の多い年の秋田でも、これほど積もった光景は見たことがなかったほどの積雪量で、ホテルの送迎バスに乗ってスキー場を目指す道のりで雪の壁が更に分厚く高くなっていく。今日は朝から夜まで絶え間なくもつもつと雪が降り続けていた。雪時々吹雪、という感じ。悪天候に、頂上付近へ行くゴンドラやリフトはほとんどが止まっていた。

そしてレンタルスキーを借りて、いよいよ息子、初スキー。「足、きゅうくつ」「それに、おもいよ」と想像以上の重装備に脅える息子に「はい、まずスキーの付け方と外し方」「次は歩き方」「次は転び方」「次は坂を歩いて上ってみましょう〜」と基本中の基本をゲレンデ麓の初心者コーナーで教え始めたのだけれど、思い通りにスキー板が扱えないわ「スキーはすべるものなのに、なんでぼくはぜんぜんすべれないのか」で不満顔になりはじめたため、ファミリーゲレンデ脇の短いリフトに乗せちゃうことにした。とりあえず坂の上まで連れて行って、ファミリーゲレンデの中ほどに作られている柵に囲まれた初心者コーナーで特訓。「ハの字にして、足の内側に力を入れると止まるから」の説明と実践で今日一日は終始したけれど、でもリフトは4回も乗って練習できたし、おおいに実りある1日だった。

お昼御飯は、その初心者コーナー近くのレストランで。ハンバーグセットを頼んだだんなと息子、「やっぱりスキー場に来たらカツ食べなきゃ」という理由でポークカツレツセットの私。生ビールの小サイズを貰ったら520円もするのにほんの180ccくらいしか来なかったことに愕然としたものの、サラダと野菜のスープと御飯のついたセットはけっこう食べ応えがあった。ケチャップベースのソースが添えられたカツは、パプリカと炒めあわせたオイルベースのパスタつき。

「あのさぁ、スキー場のロッジの飯ときたら、カツカレーとかカツ丼は必須だよね」
「ん、そだね」
だんなは共感してくれる。

以前だんなが1人で日帰りスキーに行った時、
「今日俺、何食べたかわかる?」
「カツカレー」
「……なんで知ってるの?俺、今、めちゃめちゃ驚いているんだけど」
「いや、カツカレー食べない?普通に。カツカレーでしょ。スキーと言えば」
「……そう?そういうもの?」
なんて会話を繰り広げたことがあるくらい、カツカレー(とカツ丼)はスキー場におけるスタンダードだ。でもそのスタンダードがこのレストランにはなかったのがちょっと悲しい。明日こそカツカレー(もしくはカツ丼)。

苗場プリンスホテル内「桃李」にて
 蒸し鶏の前菜
 にんにくの芽と牛肉の炒め物
 豆腐と蟹肉の煮込み
 卵ととうもろこしのスープ
 五目炒飯
を、家族で取り分けて。

午前中は泣きそうな顔で「スキー……やってみたらね、ちょっと苦手かなーってね、思いはじめたよぼく……」なんて言っていた息子、夕方になる頃にはスピードや「滑ること」への恐怖もかなり薄らいできたのか、そこそこ楽しそうに果敢にスキーに取り組み始めていた。一回ちゃんとインストラクターに教えてもらう機会を作った方が良いのではと思ったのだけれど、「学校は、イヤ」だそうで、器用に後ろを向いてボーゲンできるだんながずっと息子の修行相手になってくれていた。

「いいよ、おゆきさんは久しぶりのスキー楽しんでおいでよ」とだんなが言ってくれたので、私は8年ぶりくらいのスキーを息子とだんなの様子を見ながらすぐ脇のゲレンデで滑っていた。ああ、スキー、ご無沙汰だけれど楽しいなぁ。ブランクの長さも自分の年齢も考えず「うっきゃっきゃっきゃっきゃー♪」とゲレンデを暴走していたら、体中が痛くなってしまった。

夕飯は、「なんか中華料理が食べたいね」とホテル内の中華料理店へ。
「八宝菜のようなものが食べたい」
「でも、この豆腐と蟹の煮込みも気になるんだよねぇ」
「じゃあ、塩味系で味が似てるから、八宝菜じゃなくてこっちのにんにくの芽炒めはどうか」
「スープもつけると息子が喜ぶよ」
だんなと話し合い、生ビールも1杯ずつ注文して、中華料理らしい中華料理を堪能した。そうお安くないだけあって味はちゃんと美味しかったのだけれど、その美味しさが「高級中華の美味しさ」じゃなくて「地元の中華料理店的美味しさ」だったのに、ちょっと苦笑い。
塩味ベースの優しい味のあんが、蟹肉やブロッコリーと一緒にたっぷりかけられた豆腐の煮込みがさりげなく美味しかった。

ここ2日早起きが続いていた息子は、夕食の途中で「もうだめ、もう眠い……」と限界を訴え、でも部屋に戻ると「あ、なんか、目がさめたかも」と言いつつゲームしたり、今日の日記をつけたり。だんなは「ナイター行ってきまーす」と出かけ(昼間はずっと息子の相手をしてくれてたからねぇ……)、私が一人で「ねむいーねむいー」と唸っていた。
「ぼく、日記つけちゃったよ?お母さんはなんでねてるのかな?代わりにぼくが書いちゃってもいいのかな?」
と、半分寝ていた私の耳元で息子が囁いて、私が寝ぼけながら「いいよー」と答えたところ、今日の分の日記が空欄になっている私のファイルにいつのまにか

ゴメンゴメンおかあさんねてしまったので、
かわりに、
ぼくがかきます。
今日、
すきーへいって、
いろいろタイミングとかやった。

なんて文章が書き残されていた。
スキー一色だった今日、息子の日記もスキーのことばかり。明日もスキー、がんばろう。

1月29日 日曜日
今日もカツ!
苗場プリンスホテルで朝御飯
 パンケーキ・レーズンロール
 スクランブルエッグ・ハム・ウィンナー
 サラダ
 ヨーグルトがけフルーツポンチ
 オレンジジュース・牛乳

昨日の吹雪の一日とうってかわって、今日は見事な晴天。雲一つない苗場のスキー場は、朝からなんとも良い色に輝いていた。ではではさっそく、と、7時に起きて朝食を摂りに行き、さっさとチェックアウトして今日も一日スキー。

朝御飯は、予約したホテルプランの中にセットされていたブッフェ形式のもの。最寄りの会場に行ってみたら和食洋食両方が幾分中途半端な品揃えで用意されていた。後になって見渡したところによると和食側に鮭やししゃも、肉じゃが、佃煮にふりかけに納豆に……とあれこれ「御飯のおかず」が並んでいて、和食の方が良かったかなという気も。でも最初にパンケーキを目にしてしまったものだから、「パンケーキでしょ、あ、スクランブルエッグとハムとウィンナー……」と洋食セットを揃えてしまったのだった。野菜ものがレタスのサラダしかなかったので、それをたっぷりめに。デザートの果物類も缶詰のフルーツポンチしかなくて、それにヨーグルトをたっぷりかけていただいた。

昨日の"修行"はさぞつらかったかと思いきや、案外と息子はやる気満々。
「さ、スキーしよ。すぐ行こ。……まだ?」
と早々に準備して、私たちをせかしていた。

苗場プリンスホテル内「清津」にて
 ヒレカツソース丼

「俺、昨夜思う存分滑って来られたから、好きなように滑ってきていいよ」
と今日もだんなに言われ、最初に1本、ゴンドラで山頂付近まで上って一気に下まで降りてきた。いい天気、昨夜遅くまで降り続いた雪で雪質もサイコー、今日は暖かでとても良い気分。楽しいなぁ、楽しいなぁ〜と息子たちが特訓しているエリアまで戻ってくると、息子のボーゲンが格段の進歩を遂げていた。何かと会得したらしく、「ハ」の字にしたスキーをそのままキープしてするすると滑っていく。危ういながらも止まれるし曲がれるようにもなっていた。

ああ、これなら、だんなみたいに「後ろ向きにボーゲンして息子のサポート」という器用な事をしなくても付き添ってあげられそう、と、息子の教師役をだんなと交代。良い天気ですんばらしい景色だから君も行っておいでよと交代して、今度は私が息子の練習相手になった。息子と一緒に3回リフトを乗って降りてきたところでだんなと合流。もう1回リフトで上ったところで、
「またうまくなったよー、お父さん、見て見てー」
とばかりに滑ったところで……息子、こけた。頭から前のめりになるような形で転んじゃって、「あ、これは痛い」と思ったのだけれど、思った以上に悪い体勢だったらしい。右膝をしこたま捻ってしまったようで、それから痛い痛いと言い始め、結局息子のデビュー戦はこれで終了となった。腫れてもこないし赤くなってもいないのだけれど、ちょっと心配。

息子のリタイアに伴ってだんなも着替え、「でもおゆきさんは滑っておいでよ、お昼に合流しよう」と言っていただき、ほんのり後ろ髪を引かれつつも1時間ほど自由に滑らせてもらってきた。これまでは1本滑るごとに「だいじょうぶかなー?」と様子を見に行っていたので、この1時間は本当に思う存分。あっちの4人乗り乗っちゃうぞー、そしたらあっちの隅まで移動して、この2人乗り乗ったらまたこっち乗ってーと計画を立てて、苗場のゲレンデをあっちこっち移動しまくって滑っていた。こんなに良い天気なのにリフト乗り場は昨日よりも空いていて(昨日はあまりの悪天候に運行休止リフトが山のようにあったので、動くリフトに集中していた)、滑ったら乗る、滑ったらまた乗る、4人乗りのも他に人がいなくて1人で乗っちゃうという状態だった。この1時間で、私もヨレヨレ。足をかっくんかっくんさせながら集合場所のレストランに向かった。

「スキー場来たからには、カツ丼食べなきゃだよー。でなきゃカツカレー」
と昨日から言っていたのに、なかなか出会えないカツ丼及びカツカレー。今日こそはと食券制のレストランに入ったのだけれど、ここにあるのも 「ヒレカツソース丼」という微妙に違うものだった。悲しみにくれながら、他のレストランに行く気力もなくて、ヒレカツソース丼で妥協。味はそれなりに、悪くもないものだったのだけれど、脂っけのないヒレカツに甘じょっぱいソースが絡んで刻みキャベツと共に御飯に盛られたそれはやっぱり「カツ丼」とは似て非なるものであり、ああ、残念……。

ドミノピザの
 クワトロ・ジャイアント
ビール(モルツ)

遅めの昼御飯の後は私もスキーを止めて、家族でだらだらとゲームコーナーで帰宅までの数十分を過ごした。ホテルの送迎バスを使って越後湯沢駅に戻り、新幹線で帰宅。息子の足の具合も良くはならないようで、しょんぼりした息子を連れて無理しないようにゆっくりと帰ってきた。どこにも寄らずに買い物もせずに帰ってきて帰宅は8時半。どこかで何か買おうか、急いで炒め物でも作ろうかとあれこれ相談したのだけれど、怪我人の
「ぼく、ピザが食べたい」
の一言で、宅配ピザに電話をすることになった。ものの30分ほどでドミノピザがクワトロ・ジャイアントを届けてくれたので、それを軽くつまみながらビールを1缶。

「学校、行けるかなぁ」「ジムもこれじゃ、行けないね」「このまま治らなかったら、どうしよう〜」とずっと眉毛がハの字になっちゃっている息子を宥めつつ、照り焼きチキンが乗ったものやガーリックしこたまかけたサラミトッピングのものなどをサクサクと囓る。

「スキー、楽しかった。また、行きたい」
と言いつつ、でもお風呂に入る元気もなく食後は布団に直行した息子。明日、朝一でお医者に連れて行く予定。すぐに治るといいねぇ……。

1月30日 月曜日
ぶたみそなべ。
磯辺餅
ほうじ茶

「捻挫だったら夜に熱が出るかも」と運動部出身の義妹にアドバイスされて、はらはら息子を見守った一晩。明け方に
「トイレ行きたい……けど、一人じゃいけない……」
と起きあがって来た他は、息子に体調悪化は見られなかった。……でも、一晩寝て復活というわけにはいかなかったようで、やっぱり歩くのはダメらしい。朝一番で整形外科に行くことにした。

朝御飯は、残り4枚となっていた切り餅を焼いて、磯辺に。醤油まぶして海苔巻いただけのシンプルな餅に、ほうじ茶添えて家族でこたつにすっぽり収まって食べた。病院終わったら学校に行けるかしらねぇ、息子。

苺サンド
卵サンド
ハムサンド
オレンジーナ

整形外科で、レントゲン撮ったり触診したり。幸い骨にも靱帯にも悪いところはないようで、「捻挫でしょう」と診断されて、湿布貼られて包帯ぐるぐるにされて帰ってきた。とりあえず、明日また病院に行くということと、2〜3日は安静にしておくほうが良いでしょうと助言を受けて。息子は人生初めての包帯体験をすることになって、給食と体育と休み時間が至上のわんぱく坊主は安静を強いられることになった。これでスキーが大嫌いになるかと思いきや、「また、行く。楽しかったし」と、案外と強気だ。

「で?昼御飯と夕御飯にリクエストある?足痛くて大変だから好きなもの作ってあげるよ」
病院からの帰り道、息子に聞いてみたら「マッケンチーズ」と即答かと思いきや、
「んとね、夜はぶたみそなべで、昼はサンドイッチがいいな」
と。
「サンドイッチはね、ほら、ようちえんの時にお母さんが作ってくれた、いちごが入ったやつ」
更に細かい指定が入った。ああ、息子はやっぱりちょっと不安な心持ちなんだなーと理解して、息子の望みのものを作ってやることにした。

息子に数十分留守番頼んで駅ビルにダッシュしてあれこれ買い物。苺にハム、卵。夜の豚味噌鍋は一人ひとつの小鍋に鍋焼きうどん風にしてやろうと、ちぢみほうれん草やきのこも買い込んだ。あとはパン屋でサンドイッチ用のパンを買えば買い物終了。最後に寄ったスーパーでオレンジーナを見つけて、これも2瓶買ってきた。

そして久しぶりのサンドイッチ作り。生クリームを泡立てて砂糖を軽くまぶしておいたスライス苺と一緒にサンド。ハム3枚くらい重ねたハムサンドと、あとは卵サンド。息子の皿には苺サンドを増量してやった。久しぶりの苺サンドと久しぶりのオレンジーナ。不自由そうに座る息子と静かな昼御飯。自家製苺サンドはすごーく美味しかった。

豚味噌鍋
日本酒(大吟醸原酒 菊水麗流)

「不二家」のショートケーキ
カフェオレ

だんなも息子が心配らしくて、今日は早く帰ってくるとのこと。「小鍋仕立て豚味噌うどん」にする予定だったのだけれど、家族3人なら鍋囲む方が効率的だわと、
「帰ってこられるなら肉と野菜買ってきてー。鍋にしましょ」
と伝えておいた。豚肉、白菜、万能葱、そして不二家のケーキと共にだんな帰還。

息子が幼い時からずっと我が家の冬の定番である豚味噌鍋。でも、これまで息子は特に豚味噌鍋について意見を述べたりそれを希望したりということはなかったのだけれど、この冬になって突然「ぶたみそなべ、食べたいなー」とか「ぶたみそなべ、おいしいなー」などと口にするようになった。今日の夕飯も息子の希望で実現している。とうとう息子もこの味の虜になっちゃったかと苦笑いしながら、今日は1/4株分の白菜をざくざく切った。肉は600gほど。うどんは2玉。

「肉、入れていい?」
「お肉、もっと食べていい?」
と、膝から上は元気な息子、夕飯ももりもりとよく食べていた。私とだんなは菊水の大吟醸原酒「麗流」を1合半ばかりちびりちびりと。だんなのお友達が以前くれたそのお酒は、原酒ブームの我が家にとても嬉しい1本。キリッと辛くてまろ〜んとしたコクがあって、でもヤバいくらいにするすると飲めてしまう危険なお酒だった。

「あ、ヤバい、めっちゃ美味しい……」
「しかもするする飲めるよね、これはヤバい」
「軽くにしとこうね、お互い仕事もあることだし」

だんなは仕事を持ち帰ってきているし、私も今日の昼間はほとんど仕事にならなかった(気合い入れて9時間くらい仕事する予定が、2時間もできてない……)ので、夕食後に仕事をすることになっている。4合飲み干せそうな勢いのところ、ごくごく軽くにしておいて、夕飯も腹7分目くらいに抑えておいた。でも食後にケーキ。「病院でちゃんと良い子に診てもらったんでしょ?」とお見舞いにだんながケーキを買ってきてくれて、息子は嬉しそうに苺ロールケーキを食べていた。おばあちゃんからもお見舞いに苺を貰い、今日の息子は苺まみれ。

1月31日 火曜日
中華風混ぜ御飯、具沢山。
「アンデルセン」の
 クリームチーズデニッシュ
 ツナフランス 1/2個
カフェオレ
メロゴールド

引き続き捻挫息子の朝。腫れるかもしれないからと、昨日に引き続き今日も病院においでと言われている。確かに、日曜の夜あたりはそうでもなかったのに、昨夜包帯を代えた時には右膝が一回り大きく腫れてしまってきていた。こりゃ今日も全然動けないかなと思いきや、ひょこひょこと歩いている息子。昨日はアザラシのように床を這って移動していたのに、今日は右足を軽く引きずるだけでとっとことっとこ移動している。

「ぼくねぇ、あんまり痛くなくなったよ」
「おー、良かったじゃん。でもまだあんまり歩かないようにしなよ、今日も学校休もうね、一応」
「走れるよ?」
「走らなくていい」
「ジャンプできるよ?」
「ジャンプせんでいい」
「せーので、跳ぶよ?」
「だから跳ぶなって!跳んじゃだめ!」
「初めての捻挫」の痛さに慣れたというのもあるかもしれないけれど、すっかり息子は気力を回復したらしい。

朝御飯は、昨日買ってきたパンを。久しぶりにクリームチーズデニッシュが食べたくなって「アンデルセン」で買ってきた。だんなはウィンナーロール、息子はメロンパン、そしてフランスパンにツナが詰まったものをだんなと半分こ。

デザートは「メロゴールド」という、おっそろしく大きな柑橘系のフルーツを。昨日お義母さんが息子の見舞いにと持ってきてくれた品のひとつで、1個が1kg近くありそうな本当にでっかい果物だ。普通のグレープフルーツの3倍くらいはありそうなサイズで、なんでもポメロとグレープフルーツの交配種なのだとか。味はグレープフルーツに一番近いかな。苦みが少なくてさわやかな甘さがあって、水分多め。美味しかったけれど、家族3人で1/2個も食べれば充分というほどの巨大さだった。

豚味噌うどん
麦茶

腫れてはいるものの、すっかり回復傾向になり始めた息子の足。「なりふりかまっていられない」とばかりにおとなしく"お姫さまだっこ"されていたのが、プライドも復活したようで「もう、だっこしなくていいからね。歩けるからね」と手助けを拒否するようになった。自分の足で病院の診療室まで歩いていって、
「あー、歩けるようになったんだねぇ」
と病院の看護婦さんたちにも声をかけられ、今日は湿布を取り替えて簡単な触診をしただけで診察は終わった。このまま様子見て週末くらいに見せに来てね、と。とりあえずはひと安心。明日には送迎してやれば学校に行けそうだ。

昼御飯は、昨日の豚味噌鍋の残りのスープにうどんを入れて。豚肉や白菜もスープの中にまだまだ残っていたけれど、そこにほうれん草ときのこも入れて具沢山な味噌うどんにした。私のどんぶりには刻み万能葱をしこたまかけて七味唐辛子もふり、茶色く染まった肉と白菜とうどんを啜る。豚の旨味や野菜のだしが溶けたスープは昨夜から格段にまろやかになっていて、舐めるように最後のスープも飲み干した。

食後、食器を片づけていると息子が土鍋を洗ってくれようとしている。
「わ!いいですいいです。今日はお手伝いしなくていいよ」
「でもー、ぼくも、何かする」
「……じゃあ、テーブル拭いてきてもらおうかな」
はーい、と良いお返事で手伝いをしてくれた息子。よっぽど暇をもてあましているようで(外で遊べないし、膝ついてプラレールとかで遊ぶのも無理だし)、自主的に漢字の勉強したり、昼食後すぐだというのに日記を書いたりしていた。

挽肉と筍、きのこの混ぜ御飯
クレソンのナムル
わかめのスープ
麦茶

ちりめんキャベツとトマトと肉団子のスープでも作りたいなー……と思って材料を買ってきてはあるのだけれど、なんだかそんな気分じゃなくなった。醤油味系の御飯が食べたい気分。冷蔵庫に保存されていた茹で筍を食べてしまおうと、挽肉ときのこを炒め合わせた混ぜ御飯にしてしまうことにした。ケンタロウさんのレシピだ。

中華鍋に胡麻油を熱して、葱と生姜とにんにくを炒め、挽肉加えて炒めたら刻んだ筍と椎茸を投入。味付けは醤油とオイスターソースと塩胡椒。しっとりとした炒め物ができあがったら(これ、レタスにくるんで食べても美味しそう……)、あったかい御飯に混ぜてできあがり。サラダにするつもりで買ってきたクレソンは、「そのままじゃ辛くて息子が嫌がりそう」と、さっと茹でて胡麻油と塩で和えてナムルにした。スープはインスタントの中華わかめスープ。

オイスターソース味の挽肉炒めは思った以上の分量ができあがってしまって、具と御飯がほぼ同量ずつあるんじゃないかというできあがりになってしまった。それでも具が余ってしまい、一部は冷蔵庫に。この残りはレタスでくるんで食べるか卵焼きの具にするかにすることにして、15分くらいで用意した簡単な夕飯を済ませた。うう、昨夜2時まで仕事した(←昨日仕事を持ち帰ってきただんなと2人、息子が寝た後にひたすら仕事してた)のに、まだまだまだまだ終わらない……。