食欲魔人日記 05年12月 第3週
12月12日 月曜日
具沢山朝御飯。
お台場 ホテル日航東京「オーシャンダイニング」にて
 朝食ブッフェ \2,730

お台場のホテルで迎えたブルジョワジ〜な月曜の朝。宿泊したプランに朝食はついていなかったのだけれど、
「せっかくだからホテルの朝御飯行きたいわよねぇ」
「ぼくはカリカリ食べたいなんだよー」
と、ホテルの朝食ブッフェ。3人で行って7500円にもなって「どっしぇー」と思った(なんか昨日からずっと「どっしぇー」と思い続けています私……)のだけれど、内容はなかなか充実。朝から腹一杯になってしまった。

パン類は、ミニサイズのデニッシュが各種、食パンにフレンチトーストにワッフル。ムール貝とアサリのトマトソースのフジッリやハムや野菜の入ったピラフ、ソーセージにハムに生ハムにスクランブルエッグ、目玉焼き、温野菜にサラダ類あれこれ。ジュースはオレンジにグレープフルーツにリンゴにホテル特製野菜ジュース(桃とにんじんがベース)、グアバジュース。あったかいポタージュスープも用意されていた。……でも値段を思うと、もうちょっと色々あっても良いんじゃないかなー(オムレツを目の前で作ってくれるとか……)とも思う。

母と息子は大喜び。何種類もあるコーンフレークから好みのものを盛りつけ、ソーセージやスクランブルエッグと共にもりもり食べていた息子と、
「今度はワッフル持ってきましょ。あ、あとフレンチトーストも忘れないようにしなきゃ……ヨーグルト、ヨーグルトも」
と何度も何度もブッフェ台を往復して私よりたっぷりの料理をつついていた母。私も「お、ワッフル美味しい……」とついあれこれ食べてしまい、朝から全員腹一杯になってしまった。窓際の席からはレインボーブリッジが綺麗に見えて、大きな客船がゆったり動いていくのが見える。うーん、ブルジョワジ〜。

東京ディズニーランド内「トゥモローランド・テラス」にて
 テリヤキチキンバーガーセット \750

そして今日はディズニーランド!ホテル日航東京からはディズニーリゾート行きの無料送迎バスが出ているということで、ちょっとのんびりめに10時のバスに乗ってディズニーランドに向かった。平日なのにディズニーランドは想像以上の混雑。「40分待ち」「50分待ち」の表示を見るたびに「ここは、今はやめておこう……」なんて踵を返したりしながら、それでもずいぶんあれこれ乗ることができたし、パレードもちゃんと見ることができた。

千葉に住んでいるというのに、息子はディズニーランドはこれが初めて(シーも昨年冬に行ったのが初めて)。ジャングルクルーズもカリブの海賊も初めてなものだから、「プーとかバズとかどうでもいいから、楽しそうなものを適当に見ていこう」と片っ端からあれこれ乗ってきた。
カリブの海賊・ジャングルクルーズ・ウエスタンリバー鉄道・スイスファミリーツリーハウス、そしてホーンテッドマンションのファストパスをここで手に入れて、カルーセル・ピーターパン空の旅・スタージェット。

午後のパレードの前に御飯を食べちゃおうということで、ここで「ハンバーガーでいいやー」とトゥモローランドの巨大ハンバーガー屋でひと休みした。いつのまにかハンバーガー類のバンズがミッキー型になっていて、何やらすごいことになっている。ポテトにケチャップたっぷりコテコテつけて食べながら、私はテリヤキチキンバーガー、息子はチーズバーガー、母はローストビーフのラップサンド。

園内には各所にポップコーンのワゴンが出ているのだけれど、「ここはキャラメル味」「ここはハニー味」「ここはカレー味」「ここはクリームソーダ味」とフレーバーがいっぱい。最初にウェスタンランドで「バケツ入りココナッツ味ポップコーン」をおばあちゃんに買って貰った息子は、園内にいる間中もしゃもしゃと甘いココナッツ風味のポップコーンを食べまくり、食べ終わったところでトゥモローランドの「クリームソーダ味ポップコーン」と遭遇してしまい、そこにおかわり(バケツを持ってると400円でまたいっぱいにしてくれるそうで……)を入れてもらっていた。えんえんと甘いポップコーンを食べている息子に「あとで気持ち悪くなるよー」と忠告していたのだけれど、ポップコーンとは別にお昼も夜もしっかり料理を平らげていてお母さんはちょっとびっくりよ。

東京ディズニーランド内「グランマ・サラのキッチン」にて
 スペシャルセット \1,450
 (鶏と海老のクリーム煮・オムレツ・バターライス・サラダ・ブッシュドノエル・ドリンク)

午後になって、幸い夜の分の「バズ・ライトイヤーのなんちゃら」とか言う人気アトラクションのファストパスが取れたのでそれを取り、その足でホーンテッドマンションに入り、それから午後のパレード見物。息子がおおいに気に入ったらしいスタージェットにもう一度乗り、ゴーカートに乗り、トゥーンタウンを歩いて「ロジャーラビットのカートゥーンスピン」なるものに乗り、夕飯の後はエレクトリカルパレード見て花火見て、バズなんとか行ってついでにスターツアーズに寄って、そしておしまい。時間があったので「ウェスタンランド・シューティングギャラリー」にも寄ったのだけれど、これがあなた、開園当時からあるアトラクションなのに相変わらず楽しかったです。おもちゃのライフル構えて、息子と一緒に1000円分くらい遊びたおしてしまった。

夕飯は、ちゃんと座って紙皿に盛られたものじゃない料理を食べたかったのだけれど、タイミングを逃してしまって回ったお店はどこも満席。「ここなら多分大丈夫……」と向かった、スプラッシュマウンテン近くの「グランマ・サラのキッチン」は期待通りけっこう席が空いていた。クリスマススペシャルセット1450円は、鶏と海老のクリーム煮に小さなオムレツとバターライスを添えたワンプレートディッシュ。スープかサラダかの選択と、ケーキとドリンクがついてくる。今日は耳が痛くなるほどの寒さだったのだけれどレストラン内は温かく、椅子に座ってちゃんと1時間近く休憩できたのが何よりだった。クリーム煮は思った以上に美味しかったし。息子のお子さまランチは、ハンバーグに海老フライにチキンライスにポテトにゼリーにと、これも子供心をちゃんとつかんでくれる内容で、息子も満足そう。

もう10年ぶりくらいだった、ほんとに久しぶりのディズニーランド。子供の頃は何度も母に連れてきてもらったので「左に行けばトゥモローランド、そこの道を抜ければホーンテッドマンションは目の前だからー」とディズニーランドはさくさく歩けるのだけれど、スプラッシュマウンテン以降のアトラクションは初めてのものばかり。トゥーンタウンもバズなんとかも初めてだった。バズなんとか、光線銃持ってパキャパキャ的を打っていくアトラクションで、乗り物自体も自分が動かせるのがめちゃめちゃ楽しかった。人気があるのも頷ける面白さで、初めてで何が何やらだった私たちは、私がL-3、息子がL-2、母がL-1の成績(数字が多いほどエライ)。

実のところ、私はディズニーものがあまり好きじゃなくて(遊園地としての楽しさはわかるのだけれど、ディズニーキャラにキャーキャー言う気持ちはいまいち沸かず……だからグッズ類はまず買わない)、先日知人に「ディズニーが嫌いな人って、いないじゃないですかぁ」と言われた時に絶句してしまって「う……うう?」と爬虫類の鳴き声のような返事をしてしまったのだけれど、クリスマスシーズンのディズニーリゾートはけっこう楽しいなと思う。クリスマスツリー、クリスマスイルミネーション好きにはたまらない空間なのだけれど、でも、寒いのが難点なのよね。

皆で頬と鼻を赤くして帰ってきたのは夜10時。「花火みるよ、シューティングのアトラクションも、行くよ」と午後9時を過ぎるまで遊び倒していた息子は、帰りの電車では立っているのも辛そうなほどに疲れていたのだけれど、それでも「たのしかったー。すごくたのしかったー」とずっと呟いていて何よりだった。私の嗜好の影響なのか、着ぐるみキャラクターには見向きもしないで、パレードでミッキーマウスが目前に歩いてきて手をふってくれようともポヤーッと遠くから迫り来る巨大なフロートを眺めているような息子なのだけれど(キャラクター云々よりも、「こんなでっかいの、どうやって動かすんだろう」というあたりが気になるらしい……エレクトリカルパレードも「こんなすごいピカピカ、どうやって作るんだろう」とか思っているようだ……)、ディズニーランドはやっぱり楽しいものらしい。また学校休みの平日を狙って遊びに来ようね。これでもかとバズなんとかをやりに行こう。あと、ゴーカートと、スタージェットと。

12月13日 火曜日
クリスマスなロールケーキを食べました。モミの木つき。
バタートースト
自家製ヨーグルト with 自家製ジャム
りんご
ミルクティー

昨日は日記も書かず荷物も片づけず、お風呂に入った後は速攻で布団にもぐったのだけれど、どうにも眠くてどうにもダルい火曜日の朝。
遊ぶのには体力が必要なのね……。

朝御飯は、ハードタイプの山形パンをトーストしたものとミルクティー。食後にヨーグルトが欠かせぬ母にと用意しておいた、自家製カスピ海ヨーグルトとりんごジャム。
「しまった……野菜が全然ない……サラダもできない……」
と冷蔵庫覗いて「全然買い物行けてないしなぁ」と、母が剥いてくれたりんごをショリショリと囓った。そろそろこう、醤油味の鍋ものとか恋しくなってきたよ、私。

ソース焼きそば ・ 炒めビーフン
大学芋
ほうじ茶

2日間、仕事の全てをうっちゃらかして遊びまくってしまったので、今日の午前中は必死にお仕事。午後にはまた外出する予定になっているので、とにかく出来るだけ進めておかなきゃと朝からパソコンに向かっていた。母は母で
「銀行に用事があるし、あの靴屋さんで靴買いたいし、他にもいろいろ……」
とか言いながら近所にお出かけ。私は仕事してるから、良かったら昼御飯になりそうなものを何か買ってきてくれる?と頼んでおいたら、中華料理の総菜屋さんで焼きそばとビーフンを買ってきた。お母さま、なぜゆえに麺料理2品……?しかもデザート(?)に大学芋というのも少々謎めいている感じが。

そうか、そういえば母は「焼きそばが食べたい」なんて言ってもいたなぁ(←お台場の中華料理店で)と思いつつ、焼きそばとビーフンと大学芋を半分こ。麺にはモヤシやさやえんどう、ブロッコリーやにんじん、きくらげなんかもざくざく入っていたのだけれど、「八宝菜あたりが恋しかったよ、ママン」と思いつつ、麺に飢えていたらしい母とツルツルもりもり平らげた。割と少量サイズのパックだったもので、数時間後にはお腹が空いてしまいそう。

千葉「ラーメン劇場」内「康竜」にて
 自分仕立てネギごまラーメン \850
 餃子 \300
 グラスビール \250

そして息子が学校から帰ってくるのを待ってから、バスに乗ってワンズモールに行ってきた。お目当ては、モール内にあるトイザラス。

「おばあちゃんはね、滅多に遊びに来られないからね。お誕生日にもプレゼントあげられなかったから、なんでも買ってあげるわよー。なんっでも、いいわよー」
娘の私にも甘い母だったけれど、孫には更に輪をかけて甘い母。私が「いくつもいくつもなんて、ダーメ!本当に欲しいものを1つだけ買ってもらいなさい!」なんて言っても、「いいからいいからー」と、息子の欲望のまま買い物カートにおもちゃを持てるだけ詰め込ませているのだった。母の気持ちも分かるのだけれど、でもこんなに買っても収納するとこないし!「お母さんとお父さんはケチだけど、おばあちゃん相手だったら頼めばなんでも買ってくれる」なんて息子が妙な知恵つけるのも教育上困るし!んもーんもー……と思いつつ、結局私も両手に荷物で帰ってくることになったのだった。

買ってもらったのはプラレールのサウンドシリーズあれこれ。サウンド・スチームD51(走る音が出る上に、煙まで出るなんだかすごい機関車の新商品)をはじめ、サウンド検査イーストアイとか、サウンド連結EF63&あさまとか、サウンド223系新快速とか。サウンドサウンドで大変なことになり、帰宅後の子供部屋は機関車がうなり、「次は神田です」とかアナウンスが入り、古めかしい特急電車が連結して走り抜けていったりと異次元な空間が広がることになった。

買い物後は、ショッピングモール内のラーメン劇場なるラーメン屋フードコートでひと休み。昼も麺だったような気がするのだけれど、「久しぶりにラーメンも良いわねぇ、餃子も食べたい」の母の声に、あれこれ看板眺めて康竜という豚骨スープベースのお店で食べてきた。餃子もあるしビールもあるねと、餃子とビールも2つずつ注文。息子用にも幸い「おこさまラーメン」があった。

注文してみた「自分仕立てラーメン」なるものは、麺の堅さ、味の濃さ、特製辛だれの添える分量等々をチェックシートに記入して「自分の味」を作ってもらうというもの。更に「辛子高菜・博多ねぎ・きくらげ・特製メンマ・半熟たまご・有明のり・豚の角煮・揚げにんにく」から好みの具を4種選択してトッピングしてもらう。ねぎと胡麻はたっぷりトッピングされているらしかったので、卵と海苔、豚の角煮と揚げにんにくを選んでみた。

私は豚骨ラーメンが大好物で、豚骨ベースの、あの白濁スープであればたいてい美味しくいただけちゃうので「ここのラーメンはいまいち……」と思うことはそんなに頻繁にないのだけれど……ここのラーメンは、正直あんまり美味しいとは……思えなかった。

このお店、なんでもなかなかの人気店らしいのだけれど、豚骨ならではのコクとかまろやかさとか甘さとかほのかに漂うケダモノ的な香りとか(←ほのかじゃなく強烈に漂うのも好きだけど)、そういうものがほとんど感じられなくて、白濁したただのしょっぱい汁飲んでるみたいな、そんな感じ。胡麻とねぎはむせかえるほど入っていたけれど、角煮も卵もなんだか冷え冷えとしていて、これもなんだか悲しかった。餃子も中がアツアツじゃなくて、噛みしめると半端にぬるい。一味唐辛子や中国薬味、漢方食材などを練り合わせた「辛だれ」なるものも、なんだか「単に辛いだけ」で、切なくなるほどイマイチなラーメンだった。このお店に入店してしまったタイミングがたまたま悪かっただけなのかしらん。それとも私のラーメンの好みが偏向しているのかしら。……悲しい。

母と息子はそれほど悲しくなかったようだけれど、それでも各自スープは飲み干すことはなく、店を後にしたのだった。
以前だんなは、「あぁ、一蘭のパクリの店か」と、店名を目にしただけで「ここ、なんか嫌。入りたくない」と言っていたのだけれど、ああだんな、君の目は間違ってなかったよ。すぐ隣にあるもう1軒の豚骨ラーメン屋の方がずっとずっと美味しかったよ。出張先で元気でやってるかなー……。

「マダムボンボニエール」の
 シュークリーム ・ クリスマス仕様ロールケーキ
紅茶

午後5時になるかならないかの時間帯に夕飯を済ませてしまった私たち、
「あとでお腹空きそうだね」
「美味しいケーキでも買って帰ろうね」
と、地元の駅ビルでケーキ買って帰ってきた。息子のリクエストでシュークリーム、そして美味しそうだったクリスマス仕様のロールケーキを1本。8時を過ぎた頃に、シュークリームを1人1個と、薄めにスライスしたロールケーキを紅茶と一緒にいただいた。

千葉エリアにおいて「なかなか美味しい」と評判のある「マダム・ボンボニエール」の洋菓子。ケーキのサイズはどれも小ぶりで、宝石箱のような可愛らしさのあるお店だ。ものによっては洋酒が強めに香るものもあるけれど、はっきりとした甘さがあるケーキはどれも小さいながらも食べ応えがあって良い感じ。苺が中央に巻かれたロールケーキには色鮮やかなフルーツがトッピングされ、モミの木の飾りがついていた。

明日の朝はパン、多分昼にもパン。……夜はちゃんと自炊しよ……。

12月14日 水曜日
母、1年ぶりくらい。私、数ヶ月ぶりくらい。
「アンデルセン」のカスタードデニッシュ
ヨーグルト with 自家製ジャム
りんご
カフェオレ

都心大満喫中のマイママン。「パン、買って帰る〜?」と昨夜立ち寄ったパン屋さんで、楽しそうにブルーベリーデニッシュを購入している母だった。私もつきあってカスタードデニッシュを1個。息子にはメロンパン。

現在同居しているおばに気を遣って、毎日毎日和食の朝御飯で日々をはじめているのだという私の母。大のパン好きコーヒー好き紅茶好きであるのに毎朝味噌汁の匂いで始まるのにほとほと飽きているようで、
「そうそう、この匂いよ、この匂い。これが朝の匂いよ〜」
と、コーヒーメーカーの横で今朝も嬉しそうにしていた。

息子の登校を見送った後は、いそいそと準備して母と私の2人でお出かけ。今日の目的地はららぽーと

船橋 TOKYO-BAYららぽーと「東京パン屋ストリート」内「アトリエ・ド・リーブ」にて
 デニッシュ(ノア)
 カフェオレ

「ららぽーと行きたい、ららぽーと行きたい」
と、ずっと言っていた母。とあるアウトドア系カジュアルウェアショップに行きたかったそうで、そのお店の服でも買いたいのかなと思っていたところ、
「ほら、この鞄この鞄、由紀ちゃんにお似合い♪」
「このフリースはね、孫に似合うなと思っていたのよー」
と、秋田から持ってきた通販カタログにしこたまチェックをつけて、娘と孫のためにこれでもかと買い物をしたのだった。母自身のハイネックシャツやプリントブラウスも買ってはいたけれど、私が買ってもらったのはどのアイテムよりもお高い(というか買い物合計金額の半額以上を占めていた)革製のワンショルダーバッグ……もー母ったらー……もー……ありがとう。

母念願のその店を最初に訪れた後は、ショッピングモール内の雑貨屋さんを眺め歩き、ユニクロなども覗き。途中、東京パン屋ストリートの脇を通りかかったので、
「ここ、すごいんだよー。パン屋さんがいっぱいあるんだよー。まぁちょっと、寄ってみようよ」
とメルヘンチックな内装のそのエリアに足を踏み入れてきた。明日の朝用に「青い麦」という店のパンを買い、
「あ〜!ここの、このパン美味しそう……」
と母が足を止めた「アトリエ・ド・リーブ」という店の近くでちょっと休憩。アプリコットとバナナとカスタードクリームのデニッシュを母は頬張り、私はクルミやナッツ類がトッピングされたデニッシュを頬張った。休日にはあちこちの店が行列になるパン屋ストリートも今日のこの時間はガラッガラ。週末に1時間待ち当たり前の佐世保バーガーのお店も「待ち時間5分」とかいう状態だった。

そして両手にはいつのまにか大荷物。

船橋 TOKYO-BAYららぽーと内「かつ藤」にて
 ミックスB ロースかつ・天然大海老フライ \1260

うろうろと何時間もショッピングモール内をさまよい歩き、12時を過ぎたところで「お昼にしましょう〜」と、階上にあるレストラン街へ。私の想定では「おそらく母はグラタンとかドリアとか、でなきゃスパゲティあたりが恋しいはずー、洋食屋さんを目指せば問題ないはずー」というあたりだったのだけれど、母がぴたりと足を止めたのは
「ああ……とんかつなんてしばらく食べてないわねぇ……」
……とんかつ屋の前だった。

とんかつ……私もしばらく食べてないかも……と2人で店頭メニューの前で足が固まってしまい、でも、
「他のお店も……一応見てみよっか」
「うん、他に食べたいものあるかもしれないし」
と、レストラン街を更にうろうろ。母の足が再びびたっと止まったのは、「しゃぶしゃぶ食べ放題」の看板の前と、「名物、きのこのパイ包み焼きクリームスープ」の看板の前。どれもこれもドカーンガツーンという類の内容で、笑ってしまった。

「由紀ちゃんは、とんかつとしゃぶしゃぶ食べ放題ときのこのパイ包み焼き、どれがいーい?」
「いやー……食べ放題じゃなくていいよ……食べ放題はやめよう……ていうか、好きなの選んでいいよ、私はいつでもまた来れるんだから」
「そーうねぇ〜」

パイ包み焼きの写真の前で「これも捨てがたい……」とさんざん悩んだ私たちだったけれど、結局
「とんかつ久しぶりだし」
「とんかつ専門店なんて本当に久しぶりだし」
とか言いながら、とんかつ屋に突撃。
「ロースよね、やっぱりロースよね」
「ロースじゃないとね」
と、数年前に還暦迎えている母と一緒にロースかつ(しかも大海老フライつきミックス)定食を注文しているのだった。ママン、今日も大食らい。すばらしい。

とんかつは嬉しい。揚げたては超嬉しい。キャベツ御飯味噌汁無料お代わりもかなり嬉しい。……でも私はそろそろ野菜も恋しい。せめてキャベツだけでもせっせと食べて食物繊維を摂取しようと、キャベツだけお代わりいただいてもりもり食べた。卓上にはとんかつ屋ならではのドロリと濃厚な、甘さのあるソース。きっちり脂のついたロースかつをバリバリ食べて、見事な巨大っぷりだった海老フライもしっかり食べた。味噌汁は、もやしやキャベツまで入っている豚汁。御飯も味噌汁も、山盛りキャベツ2山も全て平らげる頃には、すっかり腹一杯になってしまった。

あはは……来週は必死でジム通いよ……。

おうちでチーズフォンデュ
(パン・じゃがいも・人参・ブロッコリー・かぼちゃ・パプリカ・鶏肉)
ミックスサラダ
ビール(サッポロ生)

「野菜、食べたいよー。そろそろ野菜野菜したものが恋しいよー」
「そうね、確かにね」
と大荷物で帰宅して、私はスーパーに買い物に行ってきた。「チーズフォンデュ……作ったら、食べてみたい?」と聞いたら母がすごい勢いで頷いていたので、それ用の野菜をあれこれ。じゃがいも、人参、ブロッコリー、かぼちゃにパプリカを揃え、サラダ用にはセロリ、ピーマン、きゅうり、レタス。母にサラダ作りを手伝ってもらいながら、私はチーズフォンデュの準備をした。

本当はこんな感じに、エメンタールチーズやグリュイエールチーズをベースに、白ワインでそれらチーズをのばしたソースを用意するチーズフォンデュ。今回は息子も一緒に食べるのだしと白ワインの代わりに牛乳を使うことにし、チーズは手持ちのセミハードタイプのものをあれこれと適当に。小鍋にそのチーズソースを作っておき、卓上にバーニャカウダ用のポットを出してチーズフォンデュ鍋の代わりにした。ティーキャンドルで温めるバーニャカウダポットは本来用意すべきものよりもかなり小ぶりなサイズなので、適宜小鍋からチーズソースを足しながらせっせと温めせっせと食べる。

野菜、パプリカだけは生のままにして他は歯ごたえが残る程度に茹でておいた。鶏肉も一口サイズに切って茹でておく。固くなりつつあったハードトーストの山形パンがあったので、フランスパンの代わりにそれをざくざくと角切りに。玉ねぎやセロリやピーマン、にんじん、きゅうりの薄切りがどっさり混ざったレタスのサラダもテーブルに並べ、「そうそう、こんな感じのが恋しかったのよー」と、チーズソース添えつつビールを供に。

自宅では初めてだったチーズフォンデュは悪くない出来映えだった。
「パン、おいし……お肉も、おいしー」
と、野菜も含め息子はすごい勢いでチーズフォンデュを堪能していたし、具はどれも均等に綺麗になくなった。野菜をこれでもかと切ったら、さすがに最後は少し余った。チーズソースも余ったので、ココットケースに移して冷蔵庫にしまっておいた。
……でも、明日も明後日も明々後日も、夕飯は外食になりそうなのよねぇ……どうしよう、残りの野菜……(朝御飯!?)

12月15日 木曜日
ママン大好きパンナコッタ
バタートースト
「青い麦」のチョコブレッド・ストロベリーブレッド
ミックスサラダ
りんご・苺
ミルクティー

パン食続く12月の3週目。皆様いかがお過ごしでしょうか。だんなはいかがお過ごしかなー……。

今日の朝御飯は、
「これ、このパンねぇ、秋田で夢にまで見たわー、こんな美味しいパン、売ってなくて」
と母絶賛の、「アンデルセン」の長期熟成食パン。厚切りにしてバタートーストにした。それと、昨日船橋ららぽーとで買ってきた、ミニサイズのチョコブレッド、ストロベリーブレッド。

Johanのチョコブレッドによく似た、でもサイズは小さなチョコブレッドと、そのチョコがそのまんま苺ジャムになったような綺麗なピンク色をしたストロベリーブレッド。私と母はお味見程度にそれらの甘いパンをつまんだだけだったけれど、息子がストロベリーブレッドにいたく感動していたようだった。お供は少量のお湯で茶葉を煮出して牛乳をたっぷり注いで沸かした、濃厚なミルクティー。お茶っ葉はお気に入りの「Mitsu Tea」のディンブラ。ミルクティーにするとほんとにほんとに美味しくて、惜しみなくたっぷり茶葉を使ったミルクティーにした。デザートはりんごと苺。

稲毛 「トラットリアヴィーノ」にて
 ランチセット
 (グリーンサラダ・ほうれん草とイクラのクリームパスタ・パン・紅茶)
 アールグレイのパンナコッタ

私は仕事をこなす午前中、母は
「ちょっとお買い物に行ってくるわねー♪」
と、電車に乗ってデパート巡りに出かけていった。ママン、今日もパワフル。今日も元気。今日も食べる気満々。

「お昼は戻ってくるから、駅の前の、あのレストラン行かない?パンナコッタが美味しいお店」
と誘われて、お昼に駅で待ち合わせした。久しぶりに向かったのは「トラットリアヴィーノ」という地元のお店。手頃な価格でなかなか美味しいイタリアンが食べられる。ディナータイムのメインディッシュにはイベリコ豚なども用意されている、本格的なお店だ。

ランチタイムには1000円弱のランチセットがある。日替わりパスタ3種類からの選択と、サラダ、パン、食後の飲み物がセットになっている。私はほうれん草とイクラのクリームパスタのランチセットにし、母は
「クリームのがいいわねぇ……でもほうれん草とイクラはねぇ……」
とメニューを眺め、単品のカルボナーラを。それにドリンクとサラダのミニセットをつけ、食後にはパンナコッタを1つずつつけてもらった。

お手頃価格のランチセットのパスタだけあって、具はちょびっと少なめ。イクラはてっぺんにチョボリと乗せられ、ほうれん草はまばらにパスタに絡んでいる。でも生クリームたっぷりのソースは濃厚で美味しかった。

食後のパンナコッタ、今日はアールグレイティーの風味のもの。ちょっとクリスマスを意識したのか、ハーブの葉と苺、そしてクルミと細切りのパイが飾られていた。表面には甘いカラメルソース、パンナコッタ生地はミルクティー色、濃厚な味。パンナコッタは、作り方を知ってしまうと恐ろしくて食べられなくなってしまうデザートのひとつなのだけれど(同じ分量の生クリームを一気飲みするのと同じかと思うと……)、でもとても美味しくてとても大好き。いつものプレーンなものとはまた違った味のパンナコッタもまた、美味しかった。

幕張プリンスホテル内「Le Soleil」にて
 ディナーバイキング \3,700
 生ビール

東京に住んでいた頃の母はそれほどまでに食べ歩きの日々じゃなかったし、だいたいそれほど大食らいでもなかった。家であれこれ変わった夕御飯を作って食べていたわけでもなく、夕御飯は毎日「美味しいパンと、ハムとサラダとビール少し」くらいがあれば満足していた風だった。んが、ここしばらくの田舎暮らしに相当ストレスを溜めていたようで、毎日せっせとよく食べる。週明けには秋田に帰らなければいけないそうなので、短期間にあれこれ楽しまなくちゃと、毎日予定を詰め込んでいる私たちなのだった。

んで、今日は夕方になって幕張にお出かけ。クリスマスシーズンゆえ、幕張エリアもあちらこちらがキラキラとイルミネーションが光っていてとても綺麗だった。アウトレットモールをぷらぷらして、少しだけお買い物。私はジム用のショートパンツを購入し、母もやっと「自分のもの」をあれこれ購入。服と雑貨を細々買い求め、紙袋いくつかぶらさげて、夕食はバイキング。

幕張のバイキング、私はホテル ザ・マンハッタンのランチブッフェがお気に入りなのだけれど、今週は息子の下校時間が早めだったことから幕張ランチはちと難しいねと夕食バイキングを探してみたのだった。もっとあちこちでやっているかと思いきや、クリスマス直前のこの時期はあまりディナーブッフェを開催しているところはなくて、数少ない選択肢から決めたのは幕張プリンスホテルの「Le Soleil」というブッフェ専門のカジュアルレストラン。インターネットから予約すると、大人料金4200円が3700円になるということで、昨日のうちに予約しておいた。

6時に訪れると客席はまだまだガラガラ。ガラガラどころか、私たちが本日最初のお客さんのようだった。冷たい前菜が5種類ほど、温かいおかず類が7種類ほど、そしてカレーに、おでんに、豚汁に、自分で麺をゆがいて作るミニラーメン、ケーキ各種にフルーツ各種。

サラダのレタスの切り口がほんのり茶色に変色していたり、フルーツプレートのりんごが「いつ切ったんだ」というほどに茶色くなっていたりと、「……え?」と少し引いてしまう部分もあったのだけれど、目の前で切ってくれるローストビーフがあったり、目の前で焼いてくれるステーキコーナーがあったり、蟹の足がこれでもかと積まれていたり、しゃぶしゃぶコーナーがあったり(←自分で肉や野菜を茹でる)、巨大なパルミジャーノ・レッジャーノの中をくりぬいてボウルにしたところに茹でたパスタを和えて作ってくれるパスタコーナーがあったりと、「目玉」もあれこれ揃っていて、内容はなかなか充実。生ビールいただきつつ、まずは冷菜と茹で蟹にかぶりつく私だった。

ブッフェ台には、昨日の夜食べたばかりの「チーズフォンデュ」の用意も。竹串とパンと野菜が並べられ、とろ火で温められたチーズソースが鍋にたっぷり。
「昨日のより、こっちの方が、うれしいな。なんでかって言うとね、ソーセージがあるからー!」
と、「ソーセージじゃなくて、チーズソースの味はどうなのよ」とつっこむ私をよそに、息子は今日もせっせとブロッコリーやカリフラワーやじゃがいもも山盛り持ってきてチーズフォンデュを食べまくっていた。

和牛(でも、もも肉で、とっても薄い……焼き肉用の肉のよう……)のステーキを目の前で焼いてもらい、ローストビーフも切ってもらい、しゃぶしゃぶコーナーで豚の薄切り肉をしゃぶしゃぶしたりして、「今日は軽めにしておこう……お腹いっぱいになりすぎないように……」と節制していたにも関わらず、ずいぶんあれこれ口にした。野菜類がいまいち充実していなくて、フォンデュ用の茹で野菜に塩胡椒して持ってきたりしながら、ビーフシチューや帆立のグラタン、鴨の燻製などももしゃもしゃと。ティラミスやプリン、各種ケーキが揃うデザート台の一角にはアイスクリームの用意もあって、でもプラスチックのペナペナした容器に入った「いかにも業務用です」的なそれは、先日ミスターデンジャーで出てきたのと同じ会社のものと思われるもので、
「おそろいだ……ミスターデンジャーとプリンスホテルがおそろいだ……」
と苦笑いしながら抹茶アイスクリームを最後に食べて、食事終了。

寒い寒い中、あちらこちらのイルミネーションを眺めながらバスに揺られて帰宅。駅前の電光掲示板をじーっと見ていた息子が
「明日は、ドキドキ、だってよ?」
と私を見上げてきた。
「え?何が?何がドキドキ?」
聞いてみると、
「ほらほら、明日の天気。はれ、ドキドキ、くもりって」
と。

電光掲示板には「晴ときどき曇」と書かれていて、母と2人で
「ちがうちがう、それ、"ときどき"ね、"ときどき"」
「ドキドキって、何が起こるんだろうねぇ〜キャンディとかチョコとか降ってくるのかしら」
大笑いしながら、手をつないで帰宅した。明日の天気はドキドキ、らしいよ。

12月16日 金曜日
揚げドーナツにメープルシロップかけてソフトクリーム添えて……(ポイズンの塊)
ハムエッグ
バタートースト
苺・洋梨・りんご
カフェオレ

今日も洋風朝御飯。昨日は輸入物をあれこれ扱う(プチ高級めな)スーパーで、フランスのエシレバターと、ちょっとお高いボンレスハムを買ってきた。まだ旬には早くてお高めな苺と、そろそろシーズン終了の洋梨も買ってきて、美味しいものだらけの朝御飯。

母お気に入りの食パンにエシレバターを塗ってトーストにし、半熟に焼いたハムエッグ。たっぷりのコーヒーと、たっぷりの果物。

「ビクトリーカフェ」の
 ピリ辛焼肉サンド
 エッグサンド
 カクテルフルーツサンド
カフェオレ

「由紀ちゃん、あんた、ジムはどうしたのー?ちゃんと行ってるのー?」
と、昨日母からツッコミが入った。いやーいつもは水曜日に行ってるよー、と答えたら
「あらー、なんで行かないの、行きなさいよ」
と。いや、水曜日はお出かけしてたじゃんよー……と、今日運動してくることにした。昼になるのを待っていつものジムでいつものプログラム。先週も運動できなかったので2週間ぶりになってしまったボディパンプは、60分が終わる頃には腕もろくに上がらないようになっていた。

運動が終わったところで母と待ち合わせ。スーパーでお買い物していた母と地下フードコートで落ち合って、
「ケンタッキーフライドチキンとかー?」
「……やめようよ……揚げ物はやめようよ……運動してきたのにそれはないよ……」
と、あれこれ話し合って「ま、軽くにしとこうね」とサンドイッチ屋さんのサンドイッチをいくつか購入。ピリ辛味の韓国風焼肉と卵と野菜がサンドになったボリュームたっぷりのを1つ、卵サラダたっぷりのを1つ、そして母が「これもー」と手にしたキウイ、苺、バナナなどが入ったホイップクリーム和えのフルーツサンドを1つ。2切れずつパックになったサンドイッチ3種を母と半分こした。

具沢山のサンドイッチが嬉しい、運動後のお昼御飯。

千葉 「串家物語」にて
 串揚げバイキング \2,625
 飲み放題 \1,050

「おばあちゃんに、ぼくの、おんがく教室、見てもらいたいなぁ〜?」
という息子のリクエストに応えて、今日は母も一緒に音楽教室。今週はあちこち遊び歩いてしまってすっかり練習不足だったけれど、それでもなんとか1時間がんばった。

教室後は、どうせだから教室近辺で食べて行くことにしてしまおうと、
「ママン……串揚げとか、興味ある?食べたい?こないだ行って、けっこう楽しかったんだよ、美味しかったし」
と私が誘って"串揚げバイキング"に。別にバイキングの店である必要はなかったのだけれど(昨日もバイキングだったし……ねぇ……)、好きなものを好きなように自分の手で卓上で揚げるその店が案外楽しかったので、母滞在中に一度連れてきたいなぁと思っていたのだった。

そのお店は串家物語。都内中心にあちこちに店舗を持つチェーン店で、串揚げの品揃えも豊富なら、サラダやお茶漬け、おでん、豊富なデザート類などなどが女子供の心をぐっと掴む内容になっている。だし汁と共に鮭フレークや鰹節、胡麻、漬物類や昆布が揃う"お茶漬けバイキング"コーナーがさりげなく嬉しい。

サヨリにキスにサーモンに帆立に海老、肉も牛豚鶏と更に羊も。野菜類も、芋類やかぼちゃなどをはじめ、椎茸やエリンギやししとう、玉ねぎなど、なかなか豊富だ。息子はスモークチーズとウィンナーが特にお気に入り。甘い特製ソースにウスターソース、ポン酢にすだち酢におろし醤油にチーズソースにとあれこれタレが揃っているのも目先が変わって良い感じ。

飲み放題プランをつけてしまったので、生ビールやサワーやカクテル類を2〜3杯いただいてしまいつつ、ねり粉とパン粉をせっせとつけつつせっせと揚げる。お昼のサンドイッチなんかはあっという間に昇華してしまっていたので、食事を始めた時はもうめちゃめちゃに空腹。肉よりも案外魚のフライが美味しくて、サーモンやキスをたっぷり食べてしまった。サラダもしっかりいただきつつ、合間ににんにく胡麻油和えのキュウリなどつまんで口直ししながら、90分の時間制限きっちり楽しんできた。

「あぶらっこーい」と嫌がるかなとも思った母は、私の想像以上に食べる食べる食べる。
「由紀ちゃん、これ、美味しいわ。すっごく美味しいわ」
と、何を食べているかと思ったら一口サイズの「鯛焼き」だった。体長7cmほどのかわいいサイズの鯛焼きは、衣をつけずにそのまま揚げられる。あったかくなったあんこがたまらないのだと、気がつくとそればっかり食べている母だった。
「色々食べてる?案外肉より魚が美味しいよ?」
と声をかけると、
「んーん、魚食べない。私、お肉食べる」
と返し、牛や豚や鶏をひたすら揚げている母。

デザートは、揚げ鍋の中でンプーッとふくれていく揚げドーナツの揚げたてのやつにソフトクリームを添え、メープルシロップをかけたもの。
「キャー、由紀ちゃん、なんてもの食べてるの!」
「鯛焼きをン個食べたお母様に言われたかないよ……私、他に甘いの食べてないもの」
「ぼくはねぼくはね、ソフトクリーム3つ食べたよー?」
とんでもなくポイズンなデザートを前にきゃあきゃあと騒ぎつつ、しっかり平らげてしっかり満足〜。

相変わらずとんでもなく危険なお店だったけれど(串揚げがこれでもかと楽しめるうえにお茶漬けだソフトクリームだ揚げドーナツだと色々揃うのが何しろ危険……)、母も満足してくれたようで何よりだった。楽しかったー楽しかったー言いながら、油臭くなって帰宅。帰る頃にはお店はほぼ満席の盛況ぶりだった。他のお客さんにもミニ鯛焼きは大人気だった模様。

12月17日 土曜日
タン〜♪イベリコのタン〜♪
バタートースト
ツナパン
苺・洋梨・りんご
ミルクティー

母が上京してきて1週間。今日はシメの大イベントということで、観劇&イタリアンディナー。チケットが取れた後にだんなの出張が入ってしまい、
「もしもこっち来るなら、一緒に演劇見に行く?興味ないなら友人誘うとかするけど」
と母を誘ってみた。劇団四季以外の観劇なんてもう何年も見てないという母と一緒にキャラメルボックス。……楽しんでくれるかなぁ……。

朝御飯は、ここ定番の洋風朝御飯。
「カフェオレにするー?濃厚なミルクティー?それともあっさりミルクティ?」
と聞いてみて、「今日はあっさりめのミルクティーが良いわ」と答えがあったので、今日は煮出さないタイプのあっさりタイプのミルクティー。秘蔵のMitsu Teaの紅茶とフォートナムメイソンのロイヤルブレンドがすごい勢いで減っていくけれど、普段はそれほどそれらばかり飲んでいるわけじゃないのでこれも良い機会だわと盛大に茶葉をポットに入れた。

今日のパンは「Johan」のパン・カレのトースト。久しぶりにツナをトッピングしたパンも1個買ってきたのでトーストはちょっとばかり控えめな分量で。果物もたっぷり。

池袋 「AGIO」にて
 ロメインレタスのシーザーサラダ
 半熟卵とパンチェッタのピッツア ビスマルク風
 生ハム、ほうれん草、卵、チーズを包んだカルツォーネ
 カスタードプリン
 サンペレグリノ・アイスウーロン茶
を、皆でもぐもぐ。

演劇は午後2時からということで、劇場のあるサンシャインシティ内で昼御飯。
「そういやピザを食べてなかったわねぇ〜」
「あ〜!ぼく、ぼく、ピザ食べたい!」
「そうねぇ、ピザねぇ〜」
と話しながらかつてないほどの混雑ぶりだったサンシャインシティ内を歩き、何度が入ったことのある「AGIO」という三笠会館系列のイタリアンレストランに入った。デザートのカスタードプリンが美味しいお店。石釜で焼くピザも良い感じ。

ピザは1枚くらいにしておいて、ごく軽くの昼御飯にしておこうねと母と話していたのだけれど、息子が何やら食べる気満々。
「ぼく、これね!たまごと、ぱんちぇった、乗ってるやつね!」
とメニューを指さして「あと、あと、冷たいお茶!甘くないのね〜」とか注文を固めている。こりゃ相当量食べそうだなと、その半熟卵のピザの他に、半月型の包みピザ、「カルツォーネ」を取ることにした。シーザーサラダが恋しくて、それもひとつ。サンペレグリノも1本。

ロメインレタスの葉っぱ丸ごとが盛られたシーザーサラダは、目の前で巨大な(というか、カットされていない1個丸々のサイズの)パルミジャーノ・レッジャーノを削ってトッピングしてくれる。
「これ、なんてサラダ?なんて葉っぱ?……へぇ〜、そーなのぉ〜」
と母は興味深そうにレタスをつつき、そして大きなピザがテーブルに2枚やってきた。

とろんとろんの半熟卵がトッピングされたチーズたっぷりのピザと、チーズは控えめだけれどハムとほうれん草と卵の組み合わせが絶品なカルツォーネと。卵のピザは予想どおり息子が7割方平らげ、母は母で
「卵のより、こっちの包んであるピザの方が私は好きだわねぇ……」
と、カルツォーネを中心に。私はそれぞれの減り具合を見ながら適当に2種類のピザを食べていた。ん、どっちも美味しい。

けっこう時間的余裕もあったので食後にしっかりプリンもいただいて、その足でサンシャイン劇場に向かった。

今日の観劇は、キャラメルボックスの2005年クリスマス公演「クロノス」。『クロノス・ジョウンターの伝説』という梶尾真治の原作つきの舞台で、「いつものキャラメルボックス」とは違う舞台だったわけだけれど、これが逆に母には良い感じのようだった。それなりに笑いも入ってキャラメルボックスらしい部分もあり、小説原作らしい畳みかけるような流れもあったり。最終的には救いのない話だったのだけれど、原作を読みたいなぁと思わせてくれるお芝居だった。私は今回の主役を張っている菅野良一という男優がめっちゃめちゃ好きで(背は高くないし、滑舌も良いとは言えないのだけど……なんか良いのよねぇ……沖田総司役をやったことがあって、それが最高でした)、久しぶりに舞台に立つその人の姿もかなり嬉しいものだった。

2時間の観劇終わって
「やっぱりお芝居って長いわねぇ……疲れちゃったわぁ」
と呟いた母は、でも「あの、あの黒い服の人、声が良くて上手だったわねぇ」とそれなりに満足そうにしていたので何より。

広尾 「ACQUAPAZZA」にて
 Aコース \7,000
       シマアジのカルパッチョ
       牡蠣とルーコラのスパゲティ
       イベリコ豚のタンのやわらか煮 赤ワインソース
       葡萄のスープ仕立て フローマジュブランのムースとバルサミコを添えて
       ハーブティー(洋梨)
 チーズ盛り合わせ
 スプマンテのブラッドオレンジジュース割
 白ワイン(Malvasia Bianco)

夕飯は、ひっさしぶりのアクアパッツァ。今年中に一度は行きたいなぁと思い続けていて、今日の観劇後にだんなと息子と行こうと計画を立てていたのだった。で、だんなは行けなくなっちゃったけど、母に「行ってみたい?」と誘って連れて行くことに。

頻繁に行くCozimaよりも幾分(いや、かなり?)シックな店内で、お客さんも落ち着いた年代の方たちが多い。息子は隅の方の席に座らせてあまり他のお客の目に入らないようにしてやって、私と母はAコースで、息子はクリームソースのスパゲティと、デザートを単品で。

Aコースは、前菜・パスタ・メインディッシュ・ドルチェをアラカルトメニューから選択する形のプリフィクススタイル。メニューに記載されているものの他、旬の白トリュフをトッピングした、白トリュフのための料理のいくつかが別紙で渡され、更に口頭で「本日入荷の食材を使ったメニュー」の紹介があった。さんざん悩んで悩んで、前菜はシンプルな料理をということでシマアジのカルパッチョ、パスタはメニューに載っていない牡蠣とルッコラのスパゲティ、メインディッシュはひと目見て「これだぁ!」と思った、
「イベリコ豚のタンのやわらか煮 赤ワインソース 赤しまインゲンの蒸し煮とニンニクピューレを添えて」
という料理を。イベリコイベリコ♪イベリコのタン♪

全てはイベリコを美味しく食べるため〜という感じに他の料理は魚介で攻めて、ここはどっしりした赤ワインも恋しかったのだけれど母の好みのワインを優先することにしようと、
「軽すぎず、重すぎず、フルーティーな白ワイン」
という内容でリクエストして、葡萄のイラストのついた綺麗なラベルの白ワインを1本。ちびちびと飲んで、最後はドルチェの前にチーズも少しだけいただいて、ワインもすっかり楽しんだ。

世の中に美味しいイタリアンのレストランは数ある中、私とだんなは「Cucina Tokionese Cozimaが一番肌に合うのよね」と思っていたりするのだけれど、久しぶりのアクアパッツァはさすがだった。さすがの美味しさだった。どの料理にも隙がなくて、メインディッシュのイベリコ豚のタンの美味しいこと美味しいこと。脂のしっかり乗った、とろけるようなシマアジのカルパッチョも、レアに火が通ったぷりっぷりの牡蠣のスパゲティもそれぞれとっても記憶に残る味だったのだけれど、何しろイベリコ豚タンが。

イベリコ豚の生肉が輸入されるようになったのはここ数年の話だそうだけれど、イベリコ豚のタンが日本にやってくるようになったのは今年からなのだそうで、初めて食べるイベリコのタン。甘く赤ワインで煮込んだタンはほろっほろのとろっとろで、皿の上ではちゃんと形が整っているのに、ナイフを入れて口に運ぶととろけていってしまう。赤ワインのソースで煮込んだインゲン豆もホクホクした食感でソースの味が染みていた。牛乳で何度も茹でこぼしたのだという甘いにんにくピューレが添えられている。

私の選んだものも美味しかったけれど、母の頼んだカプレーゼと比内鶏のレバーのソースのリガトーニ、鴨肉のグリルもまた最高に美味しかった。
「ちょっと由紀ちゃん、これ食べてみなさい」
と母が皿を押しやってくれるのでそれぞれ少しずつ味見させてもらったのだけれど、臭みが全くなく、ほのかに苦く甘い比内鶏のレバーが極太のリガトーニに絡んでいたセコンドピアットがすんばらしく美味しくて、
「おいしー、おいしー超おいしー」
と、皆満足。息子に作ってもらった自家製サルシッチャとちりめんキャベツを使ったのクリームソースのスパゲティも、息子はものも言わずに一気に平らげていた(味見もさせてもらえなかった……)ところを見ると、きっとすごく美味しかったのだろう。

夕方ちょっと早めの時間からのんびり食事して、帰りは奮発してグリーン車に乗って帰宅して午後10時半。母が秋田に帰る日も近い。

12月18日 日曜日
だんな、おかえりー
「カフェ・ラ・ミル」のスコーン
 クロテッドクリーム・自家製りんごジャム・あんずジャム
洋梨・りんご
ミルクティー

一週間強の出張を終えて、やっとやっとだんなが帰ってきた。朝早くに成田に到着し、「お風呂つけておいてー」の一報と共に無事到着のメールが届いた。いやー、良かった良かった。行った場所が場所だったから(←出発前に予防接種しなきゃいけないような場所……)、密かに心配だったのよ。息子も大喜び。おつかれさまでしたー。

だんなは着陸の直前に朝御飯が機内で出てしまったそうなので、朝御飯は洋風に、母と一緒に。
昨日池袋のカフェ・ラ・ミルにちらりと寄った時に店頭で売られていたスコーン2種。プレーンなタイプのと、チョコチップ入りのを、
「ごめん……焼こうと思ってたけど、なんかバタバタしててちょっと無理っぽいー」
と、朝御飯用にと買ってきてみたのだった。チョコチップじゃなくて干し葡萄入りの方が好みなんだけどねー……なんて言いつつ、風呂上がりのだんなには日本茶を用意して、私と母と息子は濃厚なミルクティーで。

秋田には当然のように売られていない、久しぶりのクロテッドクリームをコテコテとつけながら、1人2個のちょい小さめなスコーンをぱくぱく食べて、朝御飯終了。今日の昼と夜は和食にしましょうねー。

「銚子丸」にて
 寒の訪れ劇団セット
     (本マグロ中トロ・寒ヒラメ・寒ブリ・生ボタン海老・あんきも軍艦・真タラ白子ポン酢)
 つまみ大トロ
   アンコウの唐揚げ
 中落ち軍艦・なめろう軍艦
 シマアジ握り・寒ブリ炙り握り・スズキ握り
 中落ち手巻き
 生ビール

そういうわけで、「だんなさまお疲れさまでしたスペシャル」ということで、早速向かった銚子丸。確か、一家でアメリカから帰国した直後に行ったのも銚子丸だったはずで、そんなに好きですかこの回転寿司屋が……という私たちだった。いや、でも本当に美味しいし。安いし。行く時々によってトロの美味しさ加減が違ったりするのは御愛敬ということで、それでもたいてい「この値段でこの味のものが食べられるなんて幸せだわぁ〜」と感じさせてくれて、満足いっぱいで帰宅することになるのだった。

今日は母が御馳走してくれるということで、
「これ、食べていい?一回食べたいと思ってたんだー」
と、遠慮なく、季節限定ものの「寒の訪れ劇団セット」なる6貫セットの1100円の豪華セットを頼んでみたり。白子ポン酢にあんきもに、ヒラメにブリに中トロにと、全体的にとろっとろぷりっぷりしているものの組み合わせな6貫(白子ポン酢は小鉢に盛られたものなので5貫と1鉢というべきか)セット。大人3人、長〜い角皿を前にして、生ビールかっくらいながらあれこれお寿司をつまみまくった。

「おゆきさん、これ1つ食べる?」
「あー、母、これ1個食べない?」
なんて、お互いに2貫の寿司を1つずつ分け合いつつ、今日も種類を色々と。レーンをぐーるぐる回っていた、金ピカの皿に盛られた、おつまみ用の切り落とし大トロが気になっちゃって気になっちゃって1皿もらって皆をつついたり、シメにマグロの中落ち手巻きもいただいて。

時差ボケ佳境のだんなはともかく、昼からのビールで私と母もすっかり良い気分になってしまって、午後は大人全員布団に倒れ伏してしまったのだった。

豚味噌鍋
 (白菜・長ねぎ・豚肉・うどん)
ビール

だんなお疲れさまキャンペーン第二段ということで、夕飯は我が家おなじみの豚味噌鍋。定番どおりに白菜と長ねぎ、豚肉はバラの薄切りと、しゃぶしゃぶ用のももを半々くらい用意した。肉はちょい少なめ、白菜は1/2株、どっさり。

「あらー、豚肉のこのお鍋って美味しいのねぇ」
という母と、
「そうそう、この味が恋しかったんだよー」
というだんなと、でもその2人を凌駕するほどに食べまくっていたのは他ならぬ息子だった。うどんもきっちり1玉以上食べ、
「おにく♪おにく♪おにく♪」
と、豚肉を中心に口にしながらも野菜もしっかり平らげて大人を驚愕の縁に立たせたのだった。