食欲魔人日記 08年12月 第5週
12月29日 月曜日
今日はピェンロー
「ミスタードーナツ」の
 フロッキーシュー(アップル)
 揚げパンドーナツ(カスタード&ホイップ)
カフェオレ

御飯は美味しいし、和食も決して嫌いではないので、この3日間の食事はたいそう美味しいものだったけれど、でもやっぱり洋風のものも恋しくなってくる頃でもあったのであるらしい。昨日は我慢できずにお昼にチーズトーストを囓ったのだけれど、それでもなんとなく物足りなくて、夕食後にコーヒーを飲みに立ち寄ったミスタードーナツで、翌日の朝御飯を買っていくことにした。

いつのまにかやけに色々な新製品が出ていて、その中から「フロッキーシュー」なるものと「揚げパンドーナツ」を選択。ポン・デ・リングとフレンチクルーラーを足して2で割ったような感じのフロッキーシューは、確かに食感がポン・デ・リング。リンゴのソースとホイップクリームが挟まれていた。寒い中持ち歩いていた揚げパンドーナツは、少し固くなってしまっていたのが残念だけれど、どこか懐かしい揚げパンの食感。表面のざらざらしたグラニュー糖も懐かしい口当たりで、形はコッペパンだけれどサイズは食べやすい小ぶりなものだった。

カフェオレ飲みながらドーナツもぐもぐ。洗濯機では大量の洗濯物が回っている。

「びっくりドンキー」にて
 パインバーグステーキ(200g)
 洋セット
 生ビール(レギュラー)

「なんかこう!ギトギトした肉が食べたい!」
だからびっくりドンキーに行きませんか!?と、盛り上がってしまって、お昼はお買い物がてら家族皆で「びっくりドンキー」へ。ハンバーグがメインのファミレスで、ソースもスープもわかりやすい、いかにもなファミレスチックな味なのだけれど、案外これが嫌いじゃない。これまたいかにもな味のチーズがトッピングされたチーズバーグが好きなのだけれど、たまには別のにしようかなと、焼きパイナップルが乗った「パインバーグ」にしてみることに。

世の中には「料理にフルーツを入れることはけしからん」とする嗜好の人々が一定数(いや、けっこう高い割合で)存在していて、「酢豚にパイナップルは是か非か」から始まり、「ドライカレーに干しぶどうは是か非か」「そうめんにみかんの缶詰は是か非か」など、「酢豚は是だが他はダメだ」「どれもこれもダメだ」と、各自色々な線引きがあるらしい。

かくいう私も、ドライカレーに干しぶどうという組み合わせに対しては、食べられるけれどもちょっと首をひねりたくなったりする。でも、パイナップル、マンゴー、パパイヤ、リンゴあたりを肉料理などに合わせるのは普通にアリかなと思っていて、パイナップルとハムを乗せたピッツァなどは大好物。その昔、新宿にあるどこかのホテルで「フルーツカレー」なるものがメニューにあって、パイナップルやマンゴーが入っているそのカレーが私は大好きだった。

で、あったかいパイナップルの乗った、あったかいハンバーグ。なんかシュラスコ屋さんを思い出させる味だわ、と思いながら、肉と一緒に甘いパインをもりもり食べた。今日もチーズバーグを注文していた息子から、ちょびっとチーズも分けてもらってパインチーズバーグ。

扁炉(ピェンロー)
ビール(青島・キリン秋味)
日本酒(銀嶺月山 槽前酒 原酒しぼりたて)

数日家を空けていたら、家がたいそう冷え切っている。ストーブごんごんつけても一向に気温が上がらず、りゃんりゃんは「あったかーい、幸せ〜♪」とばかりに、暖かいこたつに出たり入ったり。これはもう、鍋でもして気温を上げるしかないでしょうということで、夕飯は扁炉(ピェンロー)にすることにした。

材料は豚肉(バラの薄切りが良いらしい)、鶏肉(もも肉か手羽あたりが良いらしい)、あとは白菜と干し椎茸、春雨。水で煮て、途中で胡麻油を垂らす。卓上で粗塩と一味唐辛子をふりつつ食べる。……という、シンプルきわまりない鍋料理だけれど、これが異様に美味しい。

「要するに塩と油の味だからね。……そりゃもう美味しいってやつで」
「うん、わかってはいるんだけど、美味しいよねぇ……」

半玉くらいぺろりと食べられる白菜は肉と干し椎茸の旨味を吸って、えもいわれぬ旨味がある。ツルリとした舌触りが心地よい春雨も必須だし、良いだしになっている椎茸もまた必須。豚と鶏、2種類使われる肉も、どちらか1種類だと多分味がぼやけるのだろうなと思う。

軽くビール飲み飲み、調子に乗って昨日買ってきたばかりの山形の月山酒造の銀嶺月山 槽前酒 原酒しぼりたても出してきて、1合瓶だったものだからこれもあっさり空に。ごく淡い濁り酒で、米の甘さが感じられる丸い味わいで飲みやすい。

最後は軽く酔っぱらいながらも雑炊でシメ。肉と白菜と椎茸でなんでこんなに美味しくなっちゃうんだろうというほどに、シメ雑炊は今日も絶品だった。

12月30日 火曜日
実に綺麗な前菜でした
ピザトースト
カフェオレ

「朝御飯はパンが食べたい」
と、昨日「アンデルセン」で食パンを買ってきた。今日はお出かけで、出発予定は午前9時過ぎ。支度にかかる時間を考えると8時過ぎには御飯を食べたいところだけれど、私が7時に起きた後、息子もだんなも全然起きてこない。

「仕事のメール打っちゃいたいのにー、昨日の日記も書いてないのにー」
なのにみんな全然起きてこないよーと、とりあえずコーヒーを淹れて、ピザトーストの支度をしてオーブントースターに放り込んで、猫の世話して洗濯機回して。仕事のメールは……まぁ、帰宅してからでいいかなと、外出の準備。

冷蔵庫には、カルフールで買ってきた1kg入りほどのトマトピューレが入っている。サイズがサイズなもので、最後1/4〜1/5量ほどのところでカビが生えてしまって処分することもあるのだけれど、普通のスーパーで売られている小瓶サイズのピューレを買うよりはずっと経済的なので目下愛用中。ピザトーストにも、これを最初に塗って、塩気がないので少量の岩塩を振ってからベーコンやピーマン、玉ねぎなどをトッピングしている。今日のピザトーストも美味しくできて、朝から良い感じ。

青山 「Cucina Tokionese Cozima」にて
 バーニャカウダ
 有機野菜のテリーヌ 5色のソース
 お肉とフォアグラのパテ ラディッキオ添え
 グリル帆立の温かいサラダ 25年物シェリービネガー入りドレッシング
 牡蠣のオイルスパゲティ
 スズキのポワレ じゃがいものピュレ添え
 小鳩のグリル雑穀詰め ジャガイモのグラタン添え
 ナッツとりんごのトルティーノ
 ハーブティー

 フランボワーズピュレのスプマンテ割り
 グラス白ワイン
 グラス赤ワイン

午前中は日本橋三越に行ってだんなのお仕立てスーツを受け取ったり、銀座三越に行って取り置いてもらっていた肉を受け取ったり。開店直後のタイミングだったのにデパ地下はどこも大変な混雑で、通りかかったお店で栗きんとんと穴子のごぼう巻きを買ったりした。おせち作り中のレストランへの陣中見舞いということでクラブハリエの焼きたてバームクーヘンも自宅分含めて数個購入。午後にも買い物があるというのに、けっこうな大荷物でランチのお店に向かうことになった。

今年最後になるだろう外食は、馴染みのCucina Tokionese Cozimaで。今日は今年最後の営業日でもあって、あれこれリクエストせずに「おまかせで」と伝えた方が色々美味しいものが食べられるかなと、おまかせにしてみた(いや、ほとんどいつもおまかせなんだけど……)。

で、出てくる出てくる美味しいものだらけ。
今日はおせち料理の仕込みのまっただ中のタイミングでもあって、テリーヌとかパテとかは「これ、おせちにも入るのかなー」と想像してしまいながらどれもこれも美味しくいただいた。それぞれの料理に見合った野菜やソースを添えて供されるレストランでの食事の一皿だから、おせちとして食べるよりも当然完成度が高く、凝った前菜を食べられたのも嬉しい限り。

突き出しは、根菜がたくさんやってきたバーニャカウダ。フランボワーズピュレをスプマンテで割った食前酒をいただきつつ、パリポリつまみながら焼きたてのパンもいただく。
マンゴー(黄)、赤ピーマン(オレンジ)、ビーツ(赤)、バジルマヨネーズ(緑)、バーニャカウダソース(ベージュ)の5色のソースが水玉模様に散らされた色鮮やかなテリーヌは、茄子や蕪、パプリカや紅芯大根などを使った野菜がぎっちり詰まったもの。上から粗塩がパラッと散らされていて、他に大きな味付けはされておらず、野菜の甘さが存分に味わえる皿だった。

うって変わって濃厚な味の皿は、フォアグラ入りのお肉のパテ。上にはパテが見えなくなるほどにたっぷりのラディッキオ(トレヴィス)のサラダが添えられ、甘い洋梨も一切れラディッキオの下に隠れている。紫色のチコリといった外見のラディッキオは、ほろ苦いところやサクサクした食感はチコリのよう。
野菜・肉の次は魚介の前菜で、グリルした帆立が中央にごろりと乗った、葉野菜の温かいサラダ。ソースに使ったシェリービネガーは25年ものの風味の良いものなのだそう。しっとりとした冷ための口当たりの皿が続いていて、ここで温かな帆立が出て口の中もほっとする感触だった。

これから歩くしとグラスでもらったワインは、私がバジリカータ州の、確か"Bianco di Fiano"という風な名前の、第一印象の口当たりは軽めなのに後から膨らむ香りが素晴らしかった白ワイン、だんながニュージーランドの「Cloudy Bay」。樽の香りがする存在感のあるこちらも美味しい白ワイン。後半は、「これ、クリスマス時期にお出ししていたワインなんです」と、Brunello di Montalcinoを1杯。残りですから、と笑って出してくれたけれど、相当お安くいただいてしまった気がする。御馳走様でした。

前菜3品に続いて、いよいよ食べるぞという感じにパスタと魚料理肉料理。パスタは大ぶりの牡蠣が1人5〜6粒も乗ったなんとも豪華なオイルベースのパスタ。イタリアンパセリが香り、にんにくの存在感もしっかりと感じられる濃厚な磯の味のするパスタだった。魚料理は一変してシンプルな感じにスズキのポワレ。じゃがいものピュレが敷かれていて、皮目がこんがり焼かれたスズキが中央に鎮座ましましていた。

「このじゃがいものピュレ、すごい手間と油だよね」
「油って……」
「いや、バターの香りがすごいじゃん?」
確かにバターたっぷりだよね、でもそれが美味しいんだけどね、などと笑いつつもぐもぐ。そろそろコース料理でいただいた方が格好良いよ?と勧めているのだけれど、「でも僕はパスタが大好きなんだもの!」と今日も息子はクリームソースのパスタを大盛りで作ってもらって満足気に平らげている。今日の息子のパスタの具は牛ほほ肉の煮込みときのこで、これまたとても美味しそうだった。

メインディッシュは、1羽丸ごと焼いた小鳩のグリル。「追加料金がかかってしまいますが、黒トリュフおかけしますかー?」と言われ、「年末だし」「忘年会だし」「今年トリュフ会できなかったし」と自分に言い訳しながらトリュフもお願いしてしまう。皿を埋め尽くすほど、ある意味下品にトリュフをたっぷり削っていただいてしまい、2皿に取り分けたものが私たちの前に。お腹に黒米などの雑穀を詰めてこんがりローストされた小鳩にはじゃがいものグラタンが添えられていた。鴨ともまた違った野生の味がする鳩肉は、脂肪分が少なくビタミンB1、B2、鉄分が多く含まれているのだそう。鉄分由来の、そのレバーのような味わいも私は好き。
「手羽からかなー」
「最後はもも肉だよね」
と、ニワトリに比べるとひよこのようなサイズの小さな骨を最後は手で持って、がしがしいただいた。

食後は、「ホリデーシーズンのデザート」みたいな華やかさがあるリンゴの入ったナッツのタルト。ハーブティーをいただく頃にはすっかりお腹いっぱいになっていた。

今年はだんなが多忙だったこともあって、数えるほどしかこのお店に来ることができなくて、来年こそはもっとたくさんお邪魔したいですと挨拶しつつお店を後に。牡蠣のパスタもたいそう美味しかったけれど、私はお肉のパテがツボだったかなー。最後の鳩も、前菜の野菜のテリーヌも最高でした。あ、「鳩とトリュフと赤ワイン」の、あの全部が口の中に入ったあの快感は、もうもうもうもう……悶絶、という感じで。

もやしの塩だれ和え
だんな特製天津飯
扁炉の残り(スープ代わり)
ビール(キリン秋味)

食後は神保町でスキー用品など見つつ、錦糸町で洋服見つつ食材買いつつ、もう大変な大荷物になって帰宅。先日のスキーで「帽子がきついよ」「手袋がボロボロで、もう濡れてくるよ」と息子のグッズがあれこれ可愛そうなことになってしまっていて、一通り買い替えることになった。スキーウェアももうそろそろサイズアウトしそうなので、これも新調しなきゃねぇ……成長する子供のものは、何かと大変だ。私のウェアなんか、もう10年単位で使っているものなんだけど。私のと同じ耳あて(ゴムで繋がってるタイプのラビットファーもの)が良いと探した耳あても、同じものが見つかってめでたしめでたし。

夕飯は、「天津丼にでもしようか」と、ちょうど剥き身のタラバガニが手頃な価格で売られていたので、これを。
「帰ったら、私は買い物荷物を冷蔵庫とかに片づけるからね、君はお風呂つけて、その後お父さんと洗濯物を畳んでくれる?あとは買ってきた服とスキー用品をあけて、全部タグ切って自分の分は片づけて」
と息子にもあれこれ仕事を指示しつつ、6時半過ぎに帰宅した後、そのままの勢いで片づけて入浴して御飯準備して食事して、「今日は疲れたねー」と動けなくなった。

「天津飯は俺が作るよー」
とだんなが今日も頑張ってくれた蟹玉は、今日も絶妙なふわふわの焼き上がり。大きな蟹がごろごろ入っていて、これまた年末気分が盛り上がる感じだった。
早いもので明日は大晦日。年始用の食材のお買い物、まだ終わってないから明日はお買い物に行かないと。
そして今頃筋肉痛で二の腕とかが痛いのは一体どういうことかと。

12月31日 水曜日
だんなが鋭意、角煮を仕込み中(隣で私は牛すじ煮込み仕込み中)
バタートースト
カフェオレ

猫には大晦日も正月も関係ないらしく、今日もいつも通りに7時前にりゃんりゃんに起こされた。がんばって寝ていようと思ったのだけれど、「トイレに行きたい……かも」と思い始めてしまったら寝てもいられず、そのまま起床。ほどなくだんなも起きてきて、私が息子の冬休みの勉強を見ている間に「コーヒー淹れようね」「パンはバタートースト?チーズトースト?」と、ささっと食事の準備をしてくれた。

気がつけば私だけバタートーストで、だんなも息子もチーズトースト。チーズの下にはバターも塗ってある「バターチーズトースト」なのだそうで、私は自分で「バタートーストがいいなー」と言ったはずなのに、だんなと息子の皿を見て「それもいいな」と思ってしまったり。

昨日買ってきた肉あれこれの仕込みに入りたいけれど、「そういえば生姜がなかったんだ!」と、午前中早々にだんなと2人、近所のスーパーにお買い物に。大晦日ともなると、さすがにスーパーの人気もまばらといったところ。

「吉野家」の
 牛丼(大盛)
 半熟玉子
麦茶

「クラブハリエ」のバームクーヘン
カフェオレ

だんなが一昨日、突然に「大晦日に角煮を煮ようと思います」と宣言したのだった。
30日に出かけるついでに受け取れるし、「東京X」取り置いてもらおうかな、と、あちこちのデパートに電話をかけはじめ、バラ肉の在庫を確認していた。「あ、ありますか?じゃあ1kgくらい……」と電話の繋がっただんなの背後で「2kg!2kg!」と叫んだのは私だ。

「……最新号の"おいピータン!!"に触発されましたか?」
「いや、読んだけど、されてないよ?"煮たい"というより"角煮が食べたい"という欲望が沸いて来ちゃってさ」
とのこと。

「のだめカンタービレ」の漫画が掲載されている雑誌KISSを毎号読むようになって1年くらい経つけれど、お気に入りの漫画の一つが「おいピータン!!」。何かと食べ物の話が多いギャグ漫画で、最新号の話が「年末を利用してなにか煮ます!」と、主人公カップルが豆と鍋用の手羽先を煮る話なのだった。

で、実のところ触発されたのは私の方だったらしく、昨日デパ地下の肉売り場で、げに美味しそうな牛すじパックを見つけてしまって「だんな!これも!これも買いましょう!私煮るから!」と、牛すじ1kgも追加で買ってもらう展開に。何しろ場所が銀座三越というだけあってか、売り場に並ぶローストビーフ用の牛肉などは素晴らしく美味しそうなものばかり。そんな肉を扱う店の牛すじなので、不味かろうはずがないのだった。

「……で、私たちは、なぜに大晦日にこんなにケダモノ臭くなっちゃってるんでしょうね?」
「……我が家らしくてよろしいんじゃないでしょうか……」
2人並んで、大鍋で豚バラの下茹でを、隣の中鍋で牛すじの下茹でをしている私たち。我が家らしいと言えば我が家らしく、昼御飯も非常に我が家らしく「吉野家」という選択になった。なんでも今日で使用期限が来てしまう牛丼の無料券があったのだそうだ。

でも牛丼はちょっと久しぶり……と、密かに嬉しく思いつつ、半熟玉子を乗せた牛丼をもぐもぐ。ダイニングテーブルで牛丼を食べている間も、近くからすじを煮ている焼酎の匂いなどが漂ってきて、本当に我が家はなんで大晦日にこんなにケダモノ臭くなっているのかと。

豚の角煮・すじぽん
お刺身色々(まぐろ・サーモン・カンパチ・帆立)
玉子焼き・いたわさ
日本酒(英勲 生詰 純米大吟醸)

「小諸そば」のざるそば

牛すじは2回ほど茹でこぼした後、焼酎と水を同量ずつ合わせた中でひたすらことこと弱火で炊いていく。豚バラ肉は下茹でした後に一口大に切り、全面を酢と醤油を合わせたタレを絡めつつ焼き付けて、それから醤油や砂糖の味付けで煮ていく。角煮はこの「焼き付け」の工程が非常に重要で、家中が煙臭くなるけれど焼き上がった豚バラ(それが今日の写真)はそれだけでとっても美味しそう。

豚肉もすじ肉も煮始めるまでは色々と面倒だったけれど、あとは時間が作ってくれる料理なものだから、午後はのんびりパタポンやったりネットサーフィンしたり狩りしたり(やっとミニサイズディアブロスが出た!大金冠のイャンクックも!)、料理していた以外は非常にだらだらしていた一日。

夕御飯は、「あとでお蕎麦茹でるからね」と、前半はだらだらと冷酒飲みつつお刺身つまんだり出来たての角煮やすじぽんをつまんだり。どちらもとても美味しく煮えていて、殊に角煮の美味しさときたら身悶えして床をバンバン叩きたくなるほどのものだった。東京Xは、鹿児島の黒豚「バークシャー種」と中国の「北京黒豚」、「デュロック種」を掛け合わせた黒豚に近い特性のある豚なのだそう。何度か買ったことがあるけれど、肉質が柔らかく、脂身も嫌味な味がせず、デパ地下などでそこそこ手軽に購入できる銘柄豚の中では美味しいものだと思う。できたての角煮は肉も脂も同様に柔らかでほろんほろん。どこもかしこもとろけるような口当たりだった。

夕飯のメインは肉じゃなくて蕎麦だしね、と、それぞれ軽くつまむにとどめておいて、あとは昨日錦糸町で買ってきたまぐろのぶつとか、今日買い足してきた数種類のお刺身とか。お酒は京都の英勲齊藤酒造の生詰純米大吟醸。果物のような、いかにもな吟醸香がふわりと漂ってくる丸い味のお酒だった。これからお蕎麦茹でなきゃなのに、鶏も揚げなきゃなのにと思いつつ、ついつい4合瓶を8割ほど空けてしまう。

結局なんとなくお腹いっぱいにもなってしまって、午後10時頃にお蕎麦だけ茹でて、恒例の「かしわ天」は抜きで、ざる蕎麦で年越しを。
今年の蕎麦は、30日に錦糸町のお店で買ってきた「小諸そば」のもの。

私は一度も食べたことがない日本蕎麦のチェーン店だけれど、だんなはゲーム「MOTHER2」の「好きな食べ物」に「もりセット」(ざるそばとミニ天丼のセットなんですって)と入力するほど、昔から小諸そばがお気に入りなのであるらしい。「ここの年越しそばセット、前から気になっていたんだよねー」と、今年はちょうど30日に外出予定を入れたこともあって、買ってきてみることにしたのだった。3〜4人前の生そばと麺つゆセットで600円。

思ったよりもずっとちゃんと「日本蕎麦」だった、甘さ控えめのだしも美味しかったお蕎麦。
「うん、だしも蕎麦も笑っちゃうほど小諸そばの味だー」
とだんなは嬉しそうだった。

今日は「羞恥心」が出るということで、息子が「紅白歌合戦見たい!」とのリクエスト。それも良いねと、ずーっと紅白歌合戦を流しっぱなしの大晦日らしい大晦日の夜になった。今、「ゆく年くる年」も始まって、いよいよお正月な気分が盛り上がってきたところ。