食欲魔人日記 01年10月 第1週
10/1 (月)
リコッタチーズのムース (夕御飯)
コンビーフチーズのホットサンド
ロイヤルブレンドのミルクティー

サンドイッチ用の食パンが余っている。
「ホットサンド、しようか?」
とコンビーフの缶詰を取り出したら、だんなはすごく嬉しそうな顔をした。彼はコンビーフとチーズを挟んだホットサンドが大好きなのだ。

マーガリンをたっぷり塗ったパンを、そちらを下にしてホットサンドメーカーにセットし、ほぐしたコンビーフをこんもりと乗せ、とろけるチーズも同じくこんもりと乗せる。上からマーガリン塗りパンを、今度はそちらを上にしてかぶせ、ぎゅうと押さえつつホットサンドメーカーの蓋をする。既に熱しておいたホットサンドメーカーなら5分ほどで焼き上がる。

我が家で稼働しているホットサンドメーカーは2個焼きの新しいものが1つと、1個焼きの「だんなの嫁入り道具」ものが1つ。その1個焼きのを使って、大学生時代のだんなは文化祭で「ホットサンド屋」の模擬店を開いたのだそうだ。たった1つのホットサンドメーカーがフル回転していたらしい。お客に出すのと同じく自分たちも作っては食べていたらしいけど、その時にコンビーフチーズサンドの美味しさに目覚めたのだそうだ。
「コンビーフチーズは、一番の売れ線だったんだよー」
とだんなは得意気だ。巨大な缶に入った業務用コンビーフが何缶も消費されたんだとか。

数年前に大学生がさんざん触りまくったであろうホットサンドメーカーが、今も現役でコンビーフチーズを焼いているなんて、ちょっと面白くなってくる。コンビーフのどこか安っぽい油っこさと溶けたチーズのチープな味は、「そりゃ、大学生が好きそうかもなぁ」と思わせてくれるのだった。
お供はフォートナム&メイソンのロイヤルブレンドティーを濃いめに入れて、砂糖と牛乳を入れて混ぜてミルクティー。

今日は雨で、私は風邪で、保育園の送迎に行くのがめんどくさかったりするものだから、ちょっと風邪気味の息子を休ませることにしてしまった。
おーおー、大雨じゃのう。

ピザ屋 ストロベリーコーンズの
 ピザカプリチョーザ
 ミートソーススパゲッティ
 ポテト
 ……の2000円セット
アイスティー
 

ちょっと誰かに愚痴りたいことがあって、ニューヨーク在住の友人Yとメールのやりとりをしていた。……ら、現地時間午後10時、こちらは午前11時という時に、わざわざ太平洋を越えて電話をかけてきてくれた。
「Y!?なんか背後でパーポーパーポーって」
「あー、何か騒がしいわねぇ、でもいつもの事よ」
「わー、ニューヨークの音だ〜。テレビ以外じゃ初めて聞いたよ。生のニューヨークの音だ〜。わー。」
……すっかり「愚痴」という感じでもなく、あーだこーだと真面目な話をしたりそうでもない話をしたり、1時間以上も長話してしまった。Yが支払うであろう電話代がちょっとだけ怖い。「だいじょーぶだいじょーぶ、1分10セントくらいなのよ?」って言ってたけど、今はそんなに安くなっちゃっているのだろうか。

色々面白い話を聞いたので忘れないようにメモしておこう。

  • 友人Yは、WTCに飛行機がつっこんだ直後、自宅から避難(というか出勤)するときに「一応財産は持っていこう」とラップトップパソコンは持ち出したもののパスポートは置いて行ってしまい、日本の姉に「貴女らしいわ」と誉め言葉を貰った、らしい。
  • 何かと「クール」と言われるNYの人々だけど、テロ後は妙にフレンドリーでほんのちょっとばかり気持ちが悪い、らしい。
  • NYのテロ後に届いた携帯電話の明細には「エマージェンシーボーナス:100分」と、100分の無料通話分が減算されていた、らしい。
  • アメリカの「クイズミリオネラ」の「ファイナルアンサー?」は、やっぱり「ファイナルアンサー?(Is that your final answer?)」である。みのもんたには似ていないけど濃いキャラクターが司会者である、らしい。
  • ちなみに、あちらの「クイズミリオネラ」に有名人が出る場合、その賞金はおしなべてチャリティ寄付となる、らしい。
  • 今週末にYは一時帰国する予定だが、その真の目的は「ポポペ」(=ポケットポストペット)である、らしい。
今週末、1週間だけ帰ってくるYと会えるといいなぁと思う。
しかし、国際回線使って「みのもんたが、ファイナルアンサーが」って、どんな会話をしてたんだか、一体。

家に食い物はなく、かと言って雨の中買い物に行くのもおっくうで、昼御飯は2000円のピザセットを頼んでしまうことにした。ピザ1人前とパスタ1人前とポテトがセットで2000円。「ストロベリーコーンズ」という名のそのピザ屋は、安いけど美味しくないことで定評だ。
雨の中持ってきてもらったパスタはアツアツだったけど、ピザはなんとなく冷めていた。メニューにはなかったけど、烏龍茶500ml缶が1つついてきた。

で……やっぱり、不味かった。
ポテトは何だかペショペショで、荒っぽくオリーブやらピーマンやらトマトやらがちりばめられたピザも「う、う〜ん……」と唸ってしまいたくなるような味で、更にパスタと来たら「スパ王よりも不味い、インスタントでない(はずの)パスタは初めて食べたよ」という感じのシロモノだった。麺は何だかプラスチックの棒のようで味もそっけもない。油っこさだけは秀逸のミートソースも泣けるほど美味しくない。

「ま、不味いね……」
「まじーねー」
と息子と2人ニヤニヤしながらそれらをつつく。

小僧ずしのにぎりパック
いなり寿司
抹茶入り玄米茶

リコッタチーズのムース
カフェオレ

だんなは帰りが遅いらしい。鶏手羽先の買い置きがあったはずなので、「それをタンドリーチキン風にしてー、で、チャパティでも焼いてー」と思っていた夕御飯だが、手羽先が傷んでいたことが発覚して、計画が真っ白になってしまった。「かくなる上は、カップ焼きそば……?」と食料庫をにらんでいるところに、「今日はやっぱり早く帰れそう」とのだんなからの連絡。「おねがいっすー、おねがいっすー」と、夕飯を買ってきてもらうことにした。

「ケンタで"油淋鶏サンド"買って帰るよー」
と最寄り駅から電話してきただんなは、それから数分後
「"油淋鶏サンド"は4日からだったやー」
と悲しそうに報告してきた、続けて
「小僧すしで買って帰るよー」
と、結局お寿司のパックを沢山抱えて帰ってきた。私にはまぐろやらイカやら穴子やらイクラなどなどの詰まったにぎりパック。だんなはとろろ蕎麦もくっついたセットもの。息子と一緒にいなり寿司もつつきながら、お茶も飲みつつお寿司の夕飯。カップ焼きそばよりかは余程マシだ。

食後は寿司とは似合わないとも思いつつ、昨晩作ったリコッタチーズのムースの残り。クルミを散らして、ハチミツとメープルシロップを混ぜたソースもちょっとかけて、皆でぺろっと食べた。
牛乳の濃い味とヨーグルトやチーズの酸味がほんのり漂うふわふわのムースは今日も美味しい。そしてきっと、またリコッタチーズを見つけてしまったら買ってしまうのだ。

10/2 (火)
牛肉と玉ねぎの炒め (夕御飯)
たぬきうどん(あつあつ)
煎茶

そろそろ「鍋だ!」とか、「熱いうどんだ!」などと思える季節になってきた。10月だし。
昨夜寝る前に、
「……明日の朝は、うどんだな。」
「……あつあつ、だな。」
と交わしてはいたけど、今朝のだんなは起きるなり、いつもはそれから10分以上ももごもごと入っている布団をとっとと抜け出して鍋に湯を沸かし始めた。今朝の彼はうどんに燃えていた。

ヒガシマルの顆粒だしをどんぶりに入れて湯を注ぎ、そこに茹でた冷凍うどんを熱いまま放り込む。刻み万能葱をふり、揚げ玉も散らし、今日は"あつあつ"のたぬきうどん。

香川に本場のさぬきうどんを食べに行き、「もう抜けられんようになってしもた」な状態になって帰ってきたのが昨年の12月初旬だ。私もだんなもそろそろうずうずと、「ああ、また香川に行きたい……」と悶え始めている。
私がキーボードを叩いている背後に近寄り"ビジネスプラン"のパンフレットをひらひらさせて「……たかまつ。」と呟いた、先日のだんな。
「10月下旬から11月までは、何だか仕事が入るらしいから、それ以外なら行けるけど?」と答えてしまう妻。
香川はじわじわと私たちに近づきつつある(いや、私たちが香川に近づきつつあるのか……)。

コンビニの
 タラコおむすび
 牛カルビおむすび
烏龍茶

今日はお仕事。何だか無性にカレーライスが食べたくなり、
「そういえば、ちょっと怪しいバーっぽい店で"ランチカレーライス500円"なんて看板を見たよなぁ……」
と職場近くの、少々気になっていた怪しいバーに行ってみようと思った。

んが、今日に限って何だか入口のあたりが混んでいる。あり?いつもヒマそうなのに今日に限って私はカレーと出会えそうにない。12寺を過ぎていて、どうやら定食屋や蕎麦屋も丁度今がピークの様子。ああ、モスバーガーまで行列している。
10月にしては暑いとも言える陽気であまり外を歩く気もせず、
「たらこおむすびでいーやー……」
とコンビニでおむすび2個を買ってきた。

ビニールをパリパリさせてパリパリの海苔を巻いて食べる正三角形のおむすびは、不味くはないけどどこか味気ない。好物のタラコと牛カルビを両手に持って「どっちから食べるかなー」と考えて、牛カルビからいくことにした。好物は後から食べるのだ。

野菜のコロッケ・白身魚のフライ・チーズはんぺん
牛肉と玉ねぎの炒め
かぼちゃのポタージュ
御飯
モルツ、麦茶

さつまいもの飴煮
抹茶入り玄米茶

私がちょっと帰宅が遅く、だんなはちょっと早めの帰宅の今日、午後6寺半を過ぎてからの夕食の準備はちょっとあわただしかった。
とりあえず米を炊く。残り物だったかぼちゃをスープにしてしまい、お義母さんから山のように貰ってきたさつまいもはデザート代わりにと飴炊きにしてカボスをギュッと絞っておく。おかずは、だんなが牛肉と「ビールのつまみ〜♪」とフライの安売りセットを買ってきてくれた。早速フライを温めてビールで乾杯。

帆立のクリームコロッケは息子用。野菜のコロッケは私が8割だんなが2割、白身魚は半分こ。だんなが大好物だというチーズはんぺんは、私も1口貰ったけど……どこが美味しいのか、いまひとつわからなかった。ふやふやへにゃへにゃとした頼りない食感のはんぺんそのものが、私はいまひとつ好きになれない。魚が原料なはずなのに魚の味がどうもしないのも謎だ。チーズが挟まりフライになったチーズはんぺんを、それでもだんなはとても幸せそうに喰っていた。ぬぅ、夫婦の小さな溝発生。

フライを平らげたところで、だんなが中華鍋をふって牛肉と玉ねぎを炒めておかずを作ってくれた。
「味つけは、何にしますかー?」
と聞いたところ、
「焼き肉のタレじゃないっすかー?」
という単純明快な返事が返ってくる。そう、炒めた肉と野菜に焼き肉のタレをぶっかけて絡めただけの炒め物は、実はすごく美味しい。御飯が通常の1.5倍の速度で進んでしまいそうな勢いだ。冷めても案外いけるので、お弁当のおかずにもバッチリだ。
我が家お気に入りの「赤と黒・中辛」で味付けた牛肉に、最後に胡麻をパッパとふって食べる。簡単だけど、胃袋充実の夕御飯。

10/3 (水)
肉詰めピーマン ドミグラスソース (夕御飯)
メンチカツ
かぼちゃのポタージュ
御飯
麦茶

朝から「メンチカツ」とは、ちょっとヘビィだ。昨夜だんなが安売りフライセットを買ってきてくれた、その中に入っていたのが2個のメンチカツ。夫婦の思惑が意外と通じやすい我が家であるが(通じ合うと「ナイス電波!」と讃えあう)、昨夜は不幸なことに、
夫 「メンチカツ2個入ってるんだよー。明日の朝はメンチカツサンドかなぁって〜♪」
妻 「あ……ごめん、パン、喰っちまったよ……」
という悲しいやりとりがなされたのは記憶に新しい。メンチカツサンドにできなくてすまんな、メンチカツ。

朝食に「メンチカツサンド」ならそれほど重く感じないけど、「メンチカツと御飯」になると一気にランチっぽいヘビィな響きになってしまうような気がするのは私だけだろうか。玉ねぎも入る、ちょっと柔らかめのメンチカツは案外と美味しかった。朝からとんかつソースとお友達だ。

胡麻豆腐
卵御飯
わかめと長ねぎの味噌汁
さつまいもの飴煮
麦茶

今日は1日、自宅作業のお仕事。Illustratorで案内地図の画像などをペケペケと作っていた。
連続3時間近くモニターを見続けて、ふと気が付くと目の周りがシパシパとする。「……つかれめ」と判断して、昼飯にすることにした。

昨夜炊いた御飯に生卵ぶっかけ、の簡単な昼御飯。冷蔵庫から胡麻豆腐を取り出し、昨夜作ったさつまいもの飴煮も並べ、「これは味噌汁があると良いなぁ」と超簡単味噌汁を作ることにした。

椀に梅干し大の味噌をころんと入れ、顆粒だしの素を少々入れ、乾燥ワカメと刻み葱も放り込み、その上から熱いお湯をダバダーと注ぐだけで作った自家製インスタント味噌汁。市販のインスタント味噌汁と、やってることは変わらない。葱が生だからちょっと風味が良いくらい。自分用の一杯の味噌汁を作るには簡単だし安上がりだし、ちょっと気に入ってしまったのであった。またやってしまおう。超手抜きだけど。

肉詰めピーマンのドミグラスソース with 千切りキャベツ
かぼちゃのポタージュ
御飯
モルツ、麦茶

ちょっと前、私とだんなの買い物がバッティングしたことがあった。私がピーマンを買った翌日、一人でマーケットに行っただんながまたピーマンを買ってきてくれてしまったのだ。現在冷蔵庫に入るピーマンは12個くらい。手っ取り早く消費するには、
「……肉詰めピーマンだろう♪」
と、ひき肉を買ってくることにした。

刻み玉ねぎと合い挽き肉を混ぜ合わせてねりねりし、半割りにしたピーマンに詰めていく。調子に乗って詰めていたら、ピーマン8個で計16個の肉詰ピーマンができることになった。「……こりゃ、他のおかずはいらないなぁ」と、千切りキャベツだけを添えることに。

8時半、だんなが帰宅してから2回に分けて肉詰めピーマンを焼いていく。肉の面をこんがり焼いて、裏返してから蓋をして弱火でじくじく焼いていたところ、だんなが
「半分の方、ドミグラスソースかけませんか?」
と食料庫からハインツの「ちょっとだけデミグラスソース」を発掘してきた。70gほどの小袋に分けられたドミグラスソースは使い切れるサイズでなかなか便利だ。

半分はこんがりと普通に焼き、残りはドミグラスソースを和えたものに。とんかつソースと「どろソース」(←神戸のピリ辛ソース)と「つけてみそかけてみそ」(←名古屋の味噌ソース)を食卓に出し、各々好きなものをかけつつ食べる。だんなは「つけてみそかけてみそ」に御執心だ。

昔はあのピーマンの苦さがなんとも苦手だった肉詰めピーマンだけど、今はとても美味しく思う。ドミグラスソースが絡んだちょっと甘いものも捨てがたいし、基本のとんかつソースも外せない。そして、千切りキャベツに「つけてみそかけてみそ」も案外と似合うのだ。
なんだかソースまみれの夕御飯。

10/4 (木)
きのこクリームの手打ちパスタ (夕御飯)
ミスタードーナツの
 カスタードクリーム
 バタークランチ
カフェオレ

数日前まで、何日間かの「全品100円」セールをやっていたミスタードーナツだけど、ついうっかりと100円セールを逃してしまったのである。「あー、買っときゃ良かったなー」と思い始めると猛烈に食べたくなってしまうわけで、昨日の夕方買ってきてしまった。何だかお店の思惑通り、という感じ。

だんなの大好物の「エビグラタン」と「エンゼルクリーム」は売れ筋らしく、夕方に行くともう売り切れていたりする。今回はエンゼルクリームは残っていた。あとはだんな用にカレーパン、私にはエンゼルクリームと良く似た外見のカスタードクリーム、好物の黄色のポチポチがまぶされたバタークランチ、息子には一口サイズのドーナツが6個セットになったやつ。

そろそろアイスコーヒーではなく、熱いコーヒーが恋しい季節で、熱いコーヒーをサーバーにお代わり分も作っておいてがぶがぶ飲む。我ながらお子さまだなぁと思うけど、コーヒーと牛乳をハーフハーフで混ぜたカフェオレ(というかコーヒー牛乳というか……)が私は大好きなのだ。がぶがぶ。

田町 魚がし鮨にて
 うに丼 \800

今日はお仕事の日。大学も今週からようやく夏休みが終わったようで、構内は学生で溢れかえっている。この2ヶ月の静かさを懐かしく思いながら、12時過ぎに大学を出た。学期の最初なものだから、学生の出席率も高いらしい。大戸屋も吉野家もモスバーガーも行列している。

「あまり学生が入りそうにないところ……」
とぷらぷら歩き、寿司屋が目に入った。「本日のランチ」でうに丼が800円。小皿と椀がついてくるらしい。「これだ!」と入店し、カウンターの隅っこに腰掛けた。学生はほとんどいないけど、近隣のサラリーマンでかなり混んでいる。
温泉卵が入った小皿と、ワカメと長ねぎの味噌汁がやってきた。ほどなくうに丼もやってくる。巨大な塗りのどんぶりに、1合くらい入ってんじゃないかというくらいの寿司飯。海苔を敷き詰めた上に、キュウリの薄切りとウニがどかんと乗っている。イカの刺身が少しと、ガリと沢庵も何故か山盛り添えられていた。これで800円ならかなり嬉しいかもしれない。

ウニ独特の、アンモニアに似た生臭さが少しばかり感じられたそれは、そのへんのスーパーで買ってくるウニよりも「ちょっとばかり良いかな?」と思うくらいの味だった。まぁ……安いし。小皿に醤油を入れてワサビを軽く溶き、ウニの上からぶっかけた後にわしわしと食べていく。本当に1合くらい入ってんじゃないかという御飯の量だ。食べても食べても御飯が減らない。うひー、と思って食べていると、正面方向から煙草の煙と匂いがぶわんと漂ってきた。

寿司屋に煙草と香水は御法度だと思う。「そんな無粋な事するの、誰よ!?」と思って見渡すと、カウンターの向こう、私の正面に立っている店の主人らしきオヤジがふかしているのであった。ついさっきまでウニをいじくっていた手で。ちょっと一服したらまた寿司握るんだもんね、というその手で。
店内で煙草をふかす客を怒る店主は見たことがあるけど、客の前で堂堂と煙草をふかす店主は初めて見た。ある意味、貴重な体験かもしれない。

一服終えたオヤジは横の蛇口で手をちゃちゃちゃと濡らすように洗い、ざっと手ぬぐいで指先を拭った後、おもむろにランチ握りのセットを作り始めた。
……なんだか食欲がなくなっちゃって、一生懸命食べようとした御飯の最後の3口分ばかりを残して、私は店を出たのであった。「料理人は煙草を絶対吸うな!」とは言わないけど(いや、本当は言いたいんだけど)、せめて隠れて吸って欲しかったわ……。

※2001年11月28日追記※

後日、この日記を見たとのことで、「魚がし鮨本店」からメールをいただきました。
丁寧なお詫び文と共に「客前でのタバコに関しては一切禁止とします」とありました。
日記の中の一文に反応していただいたことに、驚くやら嬉しいやら、またそのうちふらっと行こうかなという気になりましたです。

きのこクリームの手打ちパスタ
手羽とクレソンのスープ
アイスカフェオレ

先週末に打った自家製パスタがまだ1回分残っている。麺の状態で小麦粉をたっぷりまぶしておいたやつをキッチンペーパーでくるんでビニールで包んで冷蔵庫に入れておいたのだ。

今日はきのこを沢山買ってきた。しめじと椎茸とえのきとエリンギを使って、クリームパスタにすることに。
バターで玉ねぎの薄切りを炒め、きのこを投入。塩胡椒して適当に炒めたら、生クリームを投入して軽く煮詰める。ついでに柚子胡椒を小指の先ほど。柚子胡椒と生クリームは妙に似合う。たっぷり入れて柚子柚子したパスタも美味しいけど、隠し味程度に放り込んでも唐辛子とは違うピリ辛感が良い感じ。
7分ほど茹でた自家製パスタをクリームソースと混ぜ合わせてこんもりと盛りつけたらできあがり。

パスタに肉っ気がないので、スープは手羽肉を煮ることにした。ちょっとだけ鶏ガラスープの素を入れた湯で手羽をガーッと煮て塩だけで味をつける。食べる間際になってざく切りにしたクレソンをぶわっと入れて軽く火を通したら完成。クレソンは生で食べると固かったり苦かったりするけど、スープにしてしまうと案外と美味しい。適当に煮たクレソンは茎の固さもちょうどよくて、私は大好き。スペアリブとか手羽先とか、骨のある肉を適当に煮たスープの味と良く似合う。ナンプラーで味つけてみたり、紹興酒入れてみたりするとまた美味しいらしい。

ほんのり柚子の香りがするきのこのパスタは、いかにもな秋っぽい味がした。もちもちした幅広のパスタは、保存する時にちょっとギュウと押してしまったものだから、ラーメンのような縮れがあちこちにできていたけど、そのクネクネ感も悪くない。

で、明日はカツオ一匹が我が家に届く予定らしい。
クック&ダインで戻り鰹売っててさー!」
と夕方、だんなからの電話で私の携帯電話が鳴ったのだった。
「……まさか、1匹まるごとじゃないよね?」
「いや、まるごと1匹だよ♪」
「あ、あっそ……」
「で、俺、、明日帰り遅そうなんだけどね♪」
……どうしろっちゅーねん。

10/5 (金)
鰹のタルタル丼韓国風 (夕御飯)
ツナ卵パン
きなこの揚げコッペ
カフェオレ

今日は一日、ちょっと大きなお仕事があるのだ。気合い入れてがんばるぞー!……と起床すると、息子が発熱しているのであった。38℃はないし、本人はいたって元気だけど首筋がホカホカとする。「……今日は私も忙しいし、かまってあげられないけどね」と申し訳なく思いつつ、息子の保育園は休ませることにした。

朝御飯は、昨夜だんながパン屋に寄って買ってきてくれたパン。ひょうたん型のパンの半分にツナ、半分にゆで卵が乗ってマヨネーズがかけられているやつと、揚げたコッペパンのきなこをまぶしたやつ。
「ツイストドーナツと、揚げコッペがあったんだけど、おゆきさんはこっちがいいかなー?って」
「うん、それで正しい」
「そいでもって、砂糖まぶしのと、きなこまぶしのがあったんだけど、おゆきさんはこっちがいいかなー?って」
「……うん、それも正しい」
と、きなこ揚げコッペを買ってきただんなは「ナイスセレクション!」とちょっと得意気だった。給食で食べたものよりちょっと細くてちょっと固くて、それでも懐かしい揚げパンの味がした。あのふわふわでギトギトな給食の揚げパン、また食べたいわぁ。

手羽とクレソンのスープの中華麺
麦茶

午前中からずっと50枚以上の諸々の写真を加工し続けていたら、ちょっと気持ち悪くなってしまった。1時を過ぎて、ちょっと遅めの昼御飯。

昨晩作った手羽先とクレソンのスープがまだ余っていたので、ここに乾燥の中華麺を放り込んでしまうことにした。握りこぶしほどの乾麺をそのまま熱したスープに放り込むと、数分で綺麗にバラバラになって1人分の汁麺になる。「鴨蛋麺」と書かれたそれは、やや黄色っぽい細い細い蕎麦だった。
ちょっと苦みのあるクレソンをかみ締めつつ、両手で骨をつかんで手羽をわしわし食べながら息子と二人、麺をすする。
「おそば?おそばー」
と、息子は「おそばーおそばー」と言いながらずるずるとえらい勢いで麺を喰っていた。私もそうだけど、どうやら息子も熱で食欲が落ちないタチらしい。こういうのも遺伝なのかしらん。

鰹のタルタル丼韓国風 麦茶

今日の午前中、だんなが通信販売で購入したカツオが1尾、どかんと我が家に届いたのである。体長40cmはあろうかという、ブリブリと太った鰹だ。
「……どうしろっちゅーねん」
と悪態をつきつつ、とりあえず夕方、さばいてみることにした。

これでも、鯵は隨分と上手にさばけるようになった。鯖も1回3枚におろしたことがある。しかし、こんなに巨大な魚は初めてだ。
「基本構造は一緒なんだから、同じように頭落とせばいいんだろ、うん」
と包丁をふりかぶっても、でかい魚だから骨もでかいわけで、包丁もすんなり入ってはくれないのだ。
しかも、切ったエラの奥の方から、ドピーッと黒っぽい血まで大量にでてきたり。巨大な魚は血液も大量だ。普通の生活してれば「両手が血まみれ」なんて事態は滅多におこらないはずだけど、今の私の両手は血に染まっている。しかも何とも魚臭い。かなりイヤな気分だ。

こうなってくると、「料理している」なんて気分には全くならず、「生き物の死体をバラしている」という気分以外の何物でもなくなってくる。
「どーして、この骨が切れないんだよ、くそっ」
なんてぎりぎりと包丁を骨に食い込ませていたりなんかすると、バラバラ死体遺棄事件の犯人にでもなった気分だ。
……でも、今は私が血だらけになって魚をさばいているけれど、この作業を毎日毎日お仕事でやってる人もいるわけである。スーパーでパック詰めになった食材を見てもいまひとつ感慨はわかないけれども、自分がこうしてやってみると、「生き物殺して喰ってるんだよなぁ、私たち」と、妙に神妙な気持ちになってきてしまう。魚1尾でこうなんだから、例えば牛肉の製造過程を生きてる牛さんのところから見学でもしたら、人生観が変わってしまうような予感がしたりして。

精神世界に頭はトリップしつつ、
「あああ、目が合うような気がする……」
と鰹と目が合ってるような気分に総毛立ちながらなんとか頭を落とし、なんとか内臓を掻き出し、なんとか3枚におろすことができた。巨大魚は、レバーを焼いて食べたりしても美味しいらしいんである。「あんこうの肝」が美味しいように、鰹の肝も案外といけるらしい。皮をパリッと焼いて食べたり、胃袋を酢醤油で喰ったりしても良いらしい。しかし、内臓にかまうような余裕がない、鰹解体初体験の私。血に濡れた鰹の半身をざっと水洗いして鮮度が落ちないように急いで冷蔵庫にしまい、まな板や包丁の血糊を洗い落として気が付いてみると、内臓はすでに三角コーナーの中にぶちまけられていた。あああ、すまん鰹。

でも、こんなに大きな魚だから頭や中骨は非常に勿体ない。とりあえず頭を半分に割ってみようと苦戦してみて結局割れず、結局頭を丸ごとと、ぶつ切りにした中骨は「あら煮」にしてしまうことにした。一度熱湯をかけて生臭さを抜いて、酒と水を半々に入れて沸騰したところに放り込む。山盛り出てくるアクを適当にすくったところで醤油と味醂と砂糖を入れて、しばらく炊いてみた。

せっかく鰹が届いたというのに、だんなの帰りは遅いのである。「自分で注文しておいて、何で帰ってこないんじゃアホンダラ」と毒づきながら、息子と適当に喰っちまうことにした。おそらく明日は鰹のたたきなんだろうな、と予想して、今晩は軽く丼ものを。いつか作りたいものをとパソコンのデータにしてあるレシピデータベースから「かつお」と検索して発見した、タルタル丼韓国風なるものを作ってみることにした。

【鰹のタルタル丼韓国風のつくりかた】

材料 (2人分)
鰹(または鮪)1さく
長ねぎ1/2本
2個
<調味料>
 醤油大さじ1
 豆板醤(またはXO醤)小さじ1
 砂糖小さじ1
 塩・酒各少々
 胡麻油小さじ2
 炒り胡麻適当
海苔・炒り胡麻 仕上げ用に適量

  1. 調味料の材料をボウルに入れ、みじん切りにした長ねぎとぶつ切りにした鰹(細かく叩いても美味しそうだし、ざくざくと大きめに切ってもそれはそれで美味しい)を加えて軽く揉みこんでおく。
  2. 黄身がかなり柔らかい半熟の状態になるように、目玉焼きを焼く。
  3. どんぶりに御飯を盛り、1を盛りつけ2を乗せて、仕上げに刻み海苔と胡麻を散らして完成。
参考図書:何かの本に載っていたのは確かだけど、どの本だったか忘れてしまいました……

初めて作ったこの丼もの、これがもんのすごく美味しい。多分、新鮮な鰹も美味しかったんだと思う。鰹に乗っている脂と胡麻油のこってり感と、卵の黄身が全体的に良い感じにからまって、ユッケにも似た味がする。適当に放り込んだXO醤の辛味もとても良い感じ。鰹は魚の匂いが強いものだけど、嫌な生臭さは全くなくて、トロンと柔らかい身があったかい御飯の上にのっかった味も歯触りも何だかやたらと心地よかった。鰹じゃなくても、マグロでも美味しくできるらしいです。

刺身は何でも食べるというわけじゃない息子も、
「おおおー、おいしいぃねぇぇぇ」 とふがふが言いながら鰹の乗った御飯をわしわしと食べていた。こ、これが美味しいってわかるんかい……生意気なやつ……。

10/6 (土)
戻り鰹のたたき (夕御飯)
稲毛 高円寺ナイルカレーにて
 エッグカレー

10時、起床。今日はスキャナーとコンピューター本を買いに行く予定だ。
「朝御飯、どーするー?」
「あら煮があるけど、それって朝御飯って感じじゃないしねー」
「……カレーはどうだろう」
と、近所のカレー屋に行くことにした。千葉にありながら、何故か「高円寺ナイルカレー」という店だ。近所にありながら、この地に越してきて早や10ヶ月、「ちょっと気になるんだけどね……」とか言いつつ入ったことのない店だった。「お持ち帰りもできます」の文字に、テイクアウトカレーを買ってきて初めて食したのが先々週のこと。これがすこぶる美味しくて、「なんだこれ、ものすごく美味しいじゃん!」ということで、本日改めてお店の中で食べてみることにした。

インターネットで調べてみると、これが「知る人ぞ知る」という穴場的店であるらしい。こんなページもあった。予習してから洗濯物なぞ干し、11時半の開店を待ちかねたように向かう。

何だか、ものすごく良い感じの店だった。夫婦でこぢんまりとやっているらしい店はこの上なく清潔で、どこもかしこもマスターのセンスが感じられるような作りになっていた。6人座れる大きなテーブルが1つと、あとはカウンター席が6人分ほど。テーブルも椅子も木製で、調味料台もナプキン入れも、全て木製の同じようなテイストでまとめられていた。壁に数枚のジャズらしきレコード。冷たい印象が全くないお店の中から「いらっしゃいませ」と中年をちょっと通り越したくらいのおばちゃんがニコニコと出てきた。メニューはカレーばかりが並び、カレーソースがかかるスパゲッティだとか、ハヤシライスと海老めしが選べるオムライス(で、ソースもケチャップかカレーか選べる)などもある。サラダが2種類と、ドリンクが数種類。夏にはラムネも出しているらしい。

ほのぼのとしたイラスト調の1枚紙のメニューを見て、私はポークカレーにゆで卵が添えられた「エッグカレー」を注文。だんなは海老めしのオムライスをカレーソースで。カレーにはもれなくコールスローサラダと福神漬がついてくる。

コップはデュラレックス、カトラリーはヘンケルス。お皿は全て同じ材質の、素朴な感じの素焼きのものだ。どれもこれも、特段にお洒落というわけでもないけど温かみのある使いやすいものばかり。カウンターの奥に見える調理場もものすごく清潔で、奥ではホームページに載っていた顔のご主人がせっせと調理しているのが見えた。

スパイスのツンとする香りはほとんどしない、黒くて深い味の甘いカレーだ。炒めて炒めて炒めた玉ねぎのような野菜の味がして、柔らかい肉がころんころんと入っている。綺麗に薄切りになった卵がずらりと飾るように並べられたカレーは、お店で食べてもやっぱり美味しいのであった。
これでもかとスパイスの効いたカレーは、同じく近所に「Shiba」という名前のところがある。美味しいカレーが徒歩圏内で食べられる我が家の立地がしみじみ嬉しくなってしまったお昼御飯だった。

テイクアウトもできるけど、容器代がルーと御飯それぞれに30円ずつかかってしまう。
「……鍋持っていったら、容器代抜きで入れてくれるかなぁ?」
「あ、それってすっごく安上がりでしかも嬉しいかも」
と、「鍋持ってカレーのルーテイクアウト」を密かに野望にしてしまう私たちだった。やる気のない夕食に、鍋持ってカレー屋へ。いつかやってみたいものだ。

千葉 千葉駅構内 NATURAL STATIONにて
 マンゴーココナッツスムージー

電車に乗って、千葉駅へ。千葉駅へ着いたならば構内に出る前についつい寄ってしまうところがある。伊藤園が経営しているジュース屋さん「NATURARL STATION」がそれだ。1杯380円で「白いバナナミルク」だの「いちごミルク」だの「巨峰ジュース」などが飲める。砂糖も水も使わないというポリシーと聞いたけど、どれも優しい味でしみじみと美味しい。

今日飲んだものは「マンゴーココナッツスムージー」。たまらなくマンゴーとココナッツの風味ばかりがする、この季節にそろそろ不似合いなほどのトロピカルな味だった。だんなの巨峰ミルクと、息子のいちごミルクを適当に交換して飲んだ後は、おニューのスキャナーを買いに行こう。

千葉 千葉そごう地下1階 タカノフルーツパーラーにて
 マロンワッフル
 ミルクティー

100円ショップを眺め、本屋を散策し、無事に新しいスキャナーも7980円で購入できた(←売り場で一番安いやつ買ってるし……)。
「足が疲れたねー」
と、疲れた時には甘いものが一番と、パフェを食べにタカノフルーツパーラーに行くことに。で、結局「あ、これ美味しそ美味しそ〜」とか言ってパフェよりカロリーがあるかもしれないワッフルなぞ喰っているのである。

ミニマロンパフェもついているマロンワッフルは、疲れもふっとぶ甘さの充実したボリュームのものだった。オレンジのような柑橘系の味がする白いムースの上にバニラアイスクリーム、その上にマロンクリームと甘露煮の栗と渋皮つきの栗が盛られたミニマロンパフェ。ワッフルは2切れがマロンペーストを挟んだもので、1切れはカスタードクリームと栗が添えられている。メープルシロップもついてきている。何を囓っても幸せに甘くて嬉しい。

粒あんと抹茶のアイス(←とメニューにはあったけど、あれは「抹茶氷」だ……)が盛られた上にバニラアイスや生クリームやマロンペーストがてんこ盛りの、だんなのマロンパフェもとても旨そうだ。息子のプリンアラモードも見逃せず、結局家族全員でお互いの皿をつつきまわすことになった。

戻り鰹のたたき
鰹のあら煮
豆腐と油揚げの味噌汁
御飯
モルツ、ポーターエール、抹茶入り玄米茶

本日、夜のメインディッシュは昨日私が半泣きしながらさばいた戻り鰹だ。
「必死になって解体したのに、だんな帰ってこなかった!」
と訴えたら、
「俺だって帰ってきたかったさ!」
と300回くらい言った後
「俺だって届いたその日に鰹食べたかったのに!」
と5000回くらい言っていた。一番悔しかったのはだんな本人であったらしい。

というわけで、さばいてから1日経っちゃったけど、改めて戻り鰹。やっぱりたたきよね、と表面をざっとあぶって氷水に落とす。スライスして皿に並べ、刻んだにんにくをぶわっと散らし、更に大量に刻み万能葱をぶわわわわっと散らす。酒と味醂を煮切ったところに醤油を入れてかぼすを絞って柚子酢を入れたタレも用意。中骨などのアラは、醤油と味醂と砂糖で煮てみた。刻み生姜も添えて、かくしてテーブルの上は鰹だらけに。

生臭さのない鰹は今日もトロンと美味しかった。「もったいないし」と血合いも切り取らずにざくざく切ってしまったけど、これも全然気にならない。甘ささえ感じられるようなパツンパツンの鰹は体長40cmほどの小さめのものだったとはいえ、半身をぺろっと食べられるくらい美味だった。息子もかつてなくハグハグと真剣に鰹を食べまくっている。「うまいねー、うん」とか言いながら。

「ビールが進むっすー」
といつもは1缶でやめておくビールを速攻で2缶飲み干し、
「御飯も旨いっすー」
と夫婦して御飯をお代わりして食べてしまった。

実は、明日には鮪のカマが届くらしいのである。
……きっと鰹より大きいんだろうなぁ……どうしよう。

10/7 (日)
けんちん汁(もどき) (夕御飯)
アンデルセンの
 パンプキンパイ
 ツナフランス
アイスカフェオレ

昨日、外出ついでにアンデルセンの菓子パン類を買ってきた。いつも思うけど、パン屋さんはどこでもいつでも包装過多だ。1個1個丁寧にビニールに入れるだけならまだしも(いや、これだってしなくていいと思う時が多いけど)、紙袋に入れてみたり、薄紙にくるんだ後にビニールに入れてみたり、とそれはそれは大変そうだ。昨日もチョコデニッシュやらチョココーティングのパンやら、チーズがかかったやつやらツナ入りフランスパンやらを、1個1個丁寧に袋に詰めてくださった。ありがたくビニールをパリパリと剥がしつつ日曜の朝御飯。

いつも買ってしまうクリームチーズパイをいつも通りトレイに乗せようとして、その横のそれに目が奪われてしまったパンプキンパイ。かぼちゃの種が上に散らされて、中には甘いかぼちゃのペーストがみっしりと詰まっている。
もう1個は、フランスパンの生地の中にツナとマヨネーズが詰められたもの。普段、なんとなく柔らかいパンばかり買ってしまうけど、フランスパンのカリカリの表面はとても美味しく感じる。今回は、「ちょっと固くなったところをフレンチトーストにするのよー」と、フランスパンの塊も買ってきた。明日の朝はきっとフレンチトーストだ。うふふー。

だんな特製あんかけ焼きそば
麦茶

デパ地下に行くとついあれこれと買ってきてしまうけど、昨日もパンの他に揚げ麺などを買ってきてしまった。永楽製麺所の、袋に2玉ずつ収められたパリパリ揚げ麺だ。ベビースターラーメンの巨大な塊のような。袋には、「そのまま食べても美味しいです」なんてことが書いてある。麺そのものに塩などの味はついてないけど、おせんべみたいでこれが結構旨い。

崩さないようにそっと平皿に入れた麺の上からは、だんなが作ってくれた魚介とキャベツのあんをぶっかける。海老やむき身のアサリ、冷凍シーフードミックスのイカやら貝やらもたっぷりと、ついでにキャベツもたっぷりだ。
汁が染みてやわやわとなった麺もまた良いけど、パリパリのままの麺をバリバリと喰らうのもまた楽しい。

……しかし、パリパリの麺をもしゃもしゃと食べていると、鼻からあごまでカリカリの麺が触ってベタベタになってしまうのだった。箸で細かく割ってしまうとそのカリカリ感が半減してしまうから、ベタベタになりながらも麺を囓りまくる。大人ですら汚してしまうのに、子供に至っては言わずもがな、で、ふと横に座る息子を見ると顔の下半分が壮絶にギトギトになっていた。それでもニコニコしながら美味しそうに食べていたから、まぁ……いいか。

鰹のたたき
鰹のあら煮
ほうれん草とコンビーフのオーブン焼き
けんちん汁(もどき)
御飯
モルツ、冷茶

先日、ネットオークションで、だんながマグロのかしらを1250円で落札した。今朝冷凍便で届いたそれは、息子がかぶったら「怪奇まぐろ男」が誕生してしまいそうな大きさのもの。なんでも、届いたままの発砲スチロールのケースに収めたまま常温に置き、やわやわと溶かしていくと良いらしい。その後、焼く。……で、それは届いてから10時間くらいたった夜になっても一向に冷凍のままなのだった。今晩はまだ食べられそうにない。

すっかり魚づいている今日この頃、今晩も昨日に引き続き鰹のたたきとあら煮だ。
切り身で残していた鰹を前に、
「別の料理にしようか……」
「竜田揚げなんかも旨いらしいぞ」
などと話し合った結果、「それでもたたきが一番好きなのよね、困っちゃうわよね」と、結局昨日と同じたたきになった。葱とにんにくをぶわっとぶっかけて食べる香ばしい鰹が、やっぱり一番美味しいと感じてしまう。

鰹が若干残り少なかったので、ビールの肴代わりにほうれん草のオーブン焼きも用意する。ほうれん草とコンビーフをフライパンで炒めた後に小さなグラタン皿に敷き、上に卵を1個落としてオーブンで10分ほど。白身と黄身が適当に固まったところで胡椒をガーリガーリとかけて食べる。

そして、寒くなってきたこれからが美味しいけんちん汁。
当初「豚汁しようか?」と言っていたものの、冷蔵庫に肝心の大根が残っておらず、
「じゃあ、豆腐入れちゃえー」
「ついでにじゃがいもと玉ねぎも入れちゃえー」
「油揚げも入れちゃう?」
などと好き放題に具を切り刻んで作ったけんちん汁もどきだ。豚肉をサラダ油と胡麻油で炒め、ごぼうとにんじんと玉ねぎとじゃがいもを放り込んで炒める。ごぼうが無ければ、このままカレーに移行してしまいそうな鍋を中を見つめつつ、水を注いで煮ていく。味噌を溶いた後に、豆腐を手で適当にぐしゃっと砕きつつ加えたらできあがり。具沢山の椀に、七味唐辛子を散らして食べるのがあったかくて何とも美味しい。

ここ3日魚を食べ続けだけど、明日の夜はいよいよ「マグロのかまの炭火焼き」になる予定。どうやって焼くんだろう、しかし。