食欲魔人日記 03年07月 第2週
7/7 (月)
ひっさしぶりに、「牛すじ葱スパ」。おいしーよ
バタートースト
カレー
アイスカフェオレ

「カレェ〜ライスは、めちゃめちゃ旨い♪」
「特に作った次の日の朝が、旨い♪」
と、昨夜たらふくカレーを食べたのに、今朝も引き続き豚バラ肉を使ったポークカレー。カレーライスだと芸がないかなと、ボウルにカレーをよそい、バタートーストを傍らに食べた。バタートーストとカレーという組み合わせも、そりゃ"カレーライス"には負けてしまうものではあるけれど、これはこれでめちゃめちゃ美味しい。4枚切りくらいの分厚いパンにバター多めに塗ってトーストしたのがたまらなく似合うと思う。

昨夜の段階ですでに煮くずれつつあったのだけど、今日はまた一層煮くずれてしまっている豚バラ肉。脂の層が崩れてふわふわと細かくなってしまったものがカレーの中あちらこちらに漂っていて、気分は"背脂チャッチャ系"。
「……背脂チャッチャ系カレーライスになっちゃった……」
「ラーメンじゃないんだから……」
と苦笑いしながら、とろんとろんのカレーを食す。

だんなのご所望で、先週は一度しか作らなかったお弁当作成がいよいよ本格始動。今日の献立はふりかけ御飯・白菜と牛肉のうま煮・ミモザサラダ・「551蓬莱」の焼売・葡萄が2粒。明日はオムライス弁当作っちゃうぞー、私と息子の分も作って、お昼は場所は違えど家族全員お弁当だ!……と鼻息荒くしてみたのだけど、明日のお昼は私は外出する用事ができてしまった。息子と一緒にお出かけだ。しょぼん。

牛すじ葱スパ
牛肉と三つ葉のサラダ
ミモザサラダ・きのこ炒め(残りもの〜)
ビール・麦茶
葡萄(ピオーネ)

ボリュームのある朝御飯を食べてしまったので、そのままちょこちょこっとお菓子をつまんだりしただけで夕御飯に突入。
今日の夕御飯は、久方ぶりの「牛すじ葱スパ」。私とだんなの大大大好物で、「牛すじ肉って、なんて美味しいんだぁ!」と思わせてくれた料理の1つだ。確か、すじ肉料理の本(確かこの本)で見かけた料理だったと記憶しているのだけど、一度作ってから病みつきになってしまって数年前はコラーゲン摂取過多になるんじゃないかと思うほど、すじ肉をせっせと買ってきて料理していた。アメリカにはすじ肉が売ってなかったものだから(都市部では売っているらしいけど田舎町じゃあ到底無理……)、本当に久しぶりのすじ肉料理。先日船橋に行ったとき、デパ地下の「今半」で
「すじ肉くださーい」
と、奥から出してもらったそれを買ってきた。たかがすじ肉なれど、今半で扱うような牛肉の筋だからして、かなり美味しい。だんなが嬉しそうに昨日の夜から仕込みをしてくれた。

なにしろアクがすごいので、一度茹でこぼしてから焼酎でアクを取りつつせっせと煮ていく。醤油や味醂、砂糖なんかでこってり甘辛く煮つけたそれを、にんにくたっぷり香ばしく火を通したオリーブ油で、パスタと共に炒め合わせる(より詳しい作り方はこのへんに)。油というかコラーゲンというかな物体で全体がネトネトギラギラと怪しく光るこってりパスタだ。これを作るとしばらく家の中がケダモノ臭くなってしまうのだけど、そんなことどうでも良く思うほど、美味しい……ていうか、ハマる人にはハマると思う。ちなみに私の母は絶対ハマらない人。

スパゲティだけじゃあんまりかな、と残っていた牛肉をざっと茹でてざくざく刻んだ生の三つ葉と合わせ、胡麻油と醤油でざっと和えたサラダも用意。お弁当のおかずの残りとか、数日前のおかずの残りなんかも出したらテーブルの上がなんとなく誤魔化せた。
煮込んでホロホロになった牛すじ肉がたっぷり麺と絡まるパスタ料理に、ぶわっと刻み万能葱を散らし、ぶわわわっと七味唐辛子をかけて啜る。使ったスパゲティはうどんのように太い太いもので、味つけもこってり和風味。イタリア人が見たら呆れそうな料理だけど、私たちはこれが大好き〜。

7/8 (火)
糖朝(日本橋高島屋内)にて、海老ワンタン入りまぜ麺を食す
3日目のカレーライス
アイスカフェオレ

そろそろ食べきってしまわなきゃヤバいということで、今日は朝からカレーライス。2日目の朝のカレーはめちゃめちゃ旨いけど、3日目の朝になるとめちゃめちゃ旨いとそろそろヤバいの狭間くらいになってくる。朝晩火をちゃんと通していても、いや、通しているからこそ3日目のカレーはでろんでろんに煮詰まっちゃって、しかも「あと12時間放置したら確実にダメになります」なんて風情になってきちゃって……そうなるくらいならさっさと冷凍しろよと自分に思う。

「……で、冷凍御飯をチンしたわけですが。分量を見誤りまして、大盛りサイズでございます」
とテーブルに出したら、「朝からこんなに……」とだんなにほんのりイヤな顔をされた。まぁ、その代わりと言っちゃなんだけど、お弁当がちょっと軽めになっちゃったからこれでバランス取ってよ、と大盛りカレーをずいっと差し出す。もう、肉なんて「あとかたもなーい」という感じだけど、それはそれでシアワセな美味しさがある。

今日のだんなのお弁当は、オムライス。チキンライスを薄焼き卵でくるんだオムライスに、ミニハンバーグ、カレーをちょこっと絡めた茹でブロッコリーとゆで卵半個、そして葡萄。本当は私も息子もオムライス弁当を作って家で食べようと思っていたのだけど、昨夜になって急遽外出が決定したので弁当作成は1個だけになってしまった。ううう、オムライス、私も食べたかったなぁ。けっこう良い出来だったと思うんだけど。

日本橋高島屋内 「糖朝」にて
 ランチセット
 (海老ワンタン入りまぜ麺、冬瓜の煮込み、白きくらげとナタデココ入りココナッツミルク)
 香港風蒸しパン
 糖朝特製マンゴプリン

「パソコンが急に起動しなくなっちゃってー」
昨日の夕方電話を貰い、ではでは、と人形町某所に実際に拝見しに行くことになった。すみません、まだ幼稚園とか決まってなくて子供連れなんですがー……と伝えておいたら、お菓子用意して待っていてくれた。しかも
「これ。今晩皆さんで召し上がってください。わざわざ来ていただいちゃったし」
と、「鳥忠」の焼き鳥と卵焼きまで買ってきてくれちゃってるし。

いつもお世話になっているし、技術料とか貰えないなぁ……と思いつつ、確認作業。ハードディスクが認識できない。"FAT(←ハードディスクにアクセスするための目次みたいなもの……らしい)"が無いと言われる。io.sysなどのファイルも、イヤな感じに変わっているようで、
「……ウィルスのような気がします」
「はぁー……そうですか」
「誰かから送ってもらったとかどこかからダウンロードしたようなWordとかExcelのファイルを扱いましたか?……いや、それ以前にワクチンソフト、ちゃんと更新してますか?」
「あぁぁ〜そういえば期限切れちゃってからしばらく更新して……ないです……Wordのファイルも確かに……はい」
と、原因はウィルスということにほぼ決定。手間と時間とお金を少々かければデータ吸い出しも不可能ではなかったけれど、システム再インストールしましょうという話で終了した。数日後、今度は一人でやってくる事を約束して、オフィスを出る。帰国したら挨拶に行かなくちゃ行かなくちゃと思っていた方と期せずしてお会いすることができて、そういう意味では一安心。

で、人形町を出たのはもう1時半を過ぎていた。
「遅い昼御飯になっちゃったねー」
と息子を連れて行ってみたのは、日本橋高島屋内にある、香港スィーツと軽食のお店「糖朝」。先日、1号店である青山のお店に行ってきてみたばかりだけれど、日本橋にあるその2号店も気になっていたのだった。もう昼食には遅い時間だというのに、お店の前には数人の席待ちのお客さん。待つための椅子もいくつも用意されていて、案内の人も出ているほどの盛況ぶりだった。ただ、客層は青山と随分違う。あちらは若い女性がお客のほとんどだったけれど、日本橋店は、その平均年齢が2倍という感じだ。

遅めの昼御飯でもあったし、朝からカレーをがっちょり食べていたしということで今日は軽めにランチセットにすることにした。本日の副菜1品と数種類から選べるデザートのうち1品がついてきて、お得価格になっている。息子に麺を大量に奪われてはたまらんと馬拉[米羔](蒸しパン)も注文。
青山のお店も、「忙しい忙しい、ああ、忙しいったら」てな感じの接客で今ひとつ落ち着きがなかったのだけど(あの混雑ぶりでは、それもしょうがないとは思うんだけども)、日本橋のこのお店もノリは同じ。いかにも助っ人に来てます、などという感じの、いかにもなデパート勤務なおじさんが「はい、次の2名様、どうぞー」なんてやっているのだけど……"お客様をご案内"というよりは"バーゲン客をさばいている"というノリが垣間見えたりして、あまり居心地は良くなかった。開店数ヶ月後なのに相変わらずの混雑ぶりで(週末は更に更にすごいらしいし)、しょうがないかな、とは思うんだけれども……。

以前、この高島屋デパートの駐車場コーナー脇には「お粥と香港麺のお店」という名のお店があり、それが日本初進出「糖朝」の準備店だった。そのお店で食べた和え麺と、今回の麺はほとんど同じ外見。かなり固さのある独特の縮れがある黄色い麺に青菜が乗り、オイスターソースベースの甘辛いトロンと濃厚なタレがかかっている。海老あんを詰めたワンタンが数個。「よくかき混ぜて食べてくださいねー」と給仕の人がお皿を置いていったけれど、麺が固めだし、こんぐらかってるし、で、かなり混ぜにくい。かなり必死にせっせと混ぜてから、息子の小皿に取り分けてやりつつ一緒に食べた。同時にやってきた蒸しパンは、かなり油分が多いもの。手にじっとりとぬるりとした油がつくほどの蒸しパンで、黒砂糖を使ったものなのか、通常見かける黄色くぷわぷわしたものに比べると、色はかなり黒め。ちょっと気泡が大きすぎて大味な気がしたけれど、息子は目を輝かせてばふばふと食べていた。そんなに好きかね、蒸しパン……。

そして、今日も食べた糖朝特製マンゴプリン。同じお店だから味もそう違わないかと思っていたのだけど、青山で食べてきたそれに比べるとずいぶんと果肉が少ない、ちょっと物足りないものだった。食感もやや固めでポクポクしていて、それまでちょこちょこと噂で「果肉が少な〜い」「イマイチ〜」と聞いていたその内容がやっと自覚できたというか。
セットにつけてもらったデザートは「白きくらげとナタデココ入りココナッツミルク」だったのだけど、何だか甘味が半端でうすらぼんやりとした味。白きくらげも、もっと美味しい食材だと思うのだけど、「戻しきれてない乾燥海藻……みたいな?」(←キクラゲって確かキノコだけれども)と思ってしまうようなゴリゴリした食感のもの。ナタデココも安っぽい味で、今ひとつココナッツミルクと似合っていなかった。……色々と、今ひとつ。

せっかく豆腐花とか、ココナッツミルクにフルーツ入れたデザートとか、香港の美味しいデザートが広まる契機になれそうなお店だからして、もうちょっと頑張って欲しいなぁ〜なんて思っちゃったのだった。とりあえずお客さんがもうちょっと少なくならないと無理かもしれない……。

人形町「鳥忠」の
 焼き鳥(もも葱・地鶏つくね・横丁やき・レバー・地鶏いかだ)
 卵焼き
ビール

日本橋をちょっとプラプラしてから帰宅。だんなは今晩飲み会だということを良いことに、
「焼き鳥、いただいてきちゃったよー。あと、卵焼きも」
「あら、じゃあ夕飯はそれで決まりということに」
「な〜んにもしなくて良いね♪」
とビール傾けつつだらだら夕飯。

人形町、甘酒横丁にある鳥肉屋さん「鳥忠」は密かにずっと気になっていたお店だった。ずらりと並んだ鶏肉の山も気になるし、その脇に並べられた何種類もの焼き鳥もすごく美味しそうだったのだ。卵焼きも美味しいらしいと聞いていて、でも高そうだなぁといつも店の前を通り過ぎるだけのお店だった。ありがとう、ありがとうオーナー!と感謝しながらぺろりと食べる。

どれも肉の味がしっかりと感じられる美味しい焼き鳥だったけれど、面白かったのは「横丁やき」なるもの。正肉や皮、レバーに砂肝にきんかん(母鶏の胎内から出した卵ね……)がぶすぶすぶすーっと串に刺さって焼かれたもの。ねっとりした、苦みの中に甘さのあるレバーや、コリコリしたちょっと不思議な食感のきんかんが妙に美味しかった。鶏の臓物はなかなか家じゃ食べられなかったりするので、悦びを感じつつ美味しくいただく。

だしがしっかりしみこんだ卵焼きも、じゅわっと染み出る甘めのだしが美味しいものだった。息子は「卵のごはんが、食べたいなんだよー」とリクエストして卵御飯を食べながらおかずに卵焼きをつつく、という妙な光景を繰り広げていたりして。

7/9 (水)
たまにはネギトロ丼とかね
「木村屋」のあんぱん・くりーむぱん
牛乳

真面目に続いている、我が夫用のおべんと作成。今日はちょっと手抜きさせてもらおうと、通常のおべんと起床時間より30分遅くまで寝ていた。昨日いただいてきた人形町の鶏屋さん「鳥忠」の焼き鳥がまだまだ残っているので、これを温め直して「焼き鳥丼」にしてしまおうという目論見で、御飯の上に串を抜いた焼き鳥をねぎまレバーつくねその他綺麗に並べ、同じお店の卵焼きを添える。更におかずにと、塩味の手羽も串抜いて詰める。あまりに黄色や茶色といった同系色に偏りまくった外見になってしまったので、せめてもとブロッコリー茹でて隅っこに詰めた。準備時間10分のおべんと作成、終了。手抜きでごめんねだんなー(いや、でもあの焼き鳥本当に美味しかったし!)。

朝御飯は、木村屋のあんぱん。昨日の夕方、混雑する日本橋のデパ地下の木村屋コーナーで買ってきたものだ。私は粒あんのあんぱんが好物だ。更にクリームパンも購入し、
「あんぱんが5個、クリームパンが3個あります。……好きなもの好きなだけどうぞー」
とテーブルに出した。だんなはあんぱん2個、私は1個ずつ両方を。お供は当然牛乳だ。「あんぱんには牛乳」、これだけは私もだんなもどうにも譲ることのできない黄金の組み合わせだ。日本茶も悪くない。カフェオレなんかも良いかもしれない。でも、やっぱり「あんぱんには牛乳」。ミルメーク使用も特例として認められなくもないけど、素牛乳がやはり好ましい。

独特のねっちり感のある生地に、素朴な味の粒あんの、小ぶりなあんぱん。これまた素朴な味のクリームパン。菓子パンは美味しいなぁ。

プチ焼き鳥丼
麦茶

昨夜たらふく食べて、だんなのお弁当にもぎゅうぎゅう詰めて、それなのにまだ残っている焼き鳥。嬉しいねぇ良かったねぇ、と私のお昼御飯も焼き鳥丼になった。手羽が1つ、レバーが1串、つくねが半串。ちょっと物足りないけれど麦茶傍らに、あつあつ御飯にそれを乗せて食べる。うみゃ〜。

ネギトロ丼
冬瓜と干し貝柱の中華風スープ
牛すじの煮込み
きゅうりの磯和え
「鳥忠」の卵焼き
枝豆
ビール・麦茶
葡萄(ピオーネ)

近所のスーパーに夕方行ってみたところ、マグロのたたきパックが安売りされていた。
「ん〜、"とびきり美味しそう!"ってんじゃないけど……安いし」
と、その大きなパックを買ってきた。で、刻み葱をたっぷり混ぜ込み、ネギトロ丼。炊きたて御飯に盛りつけて、醤油をチーッと垂らしてかっこむことに。週末に煮た残りの牛すじ煮込みに、さっぱりした添え物をと、きゅうりと海苔を和えた酢の物。残り数切れの卵焼きも出し、ビールのお供に枝豆。

それと、冬瓜がちょっと安売りされていたので試しにと買ってきてみた。中華料理店などで夏になるとよく見かける冬瓜。透き通るように水っぽい、「いかにもウリです」という味の冬瓜は、かなり好みなのだけど、そういえば一度も買ったことがなかった。
「だしでふくふくに煮たりすると美味しそうだよなぁ……こう、大きくごろりとしたやつを含め煮にして……」
などと色々考えたのだけど、結局めんどくさくてスープに加工しちゃうことに。干し貝柱(熱湯に十数分浸してからそのまま煮込むという乱暴な事を……←本当は一晩水に漬けておくと良い感じにホロホロになる)と一緒に、一口大に切ってさっと蒸した冬瓜を煮込んでいく。塩で軽く味つけて、最後に溶き卵。適当に作った割には、ちゃんと冬瓜のほにょほにょした食感が楽しいスープになってくれた。やっぱり冬瓜は大ぶりに切ってじくじくと味をしみこませた方が美味しいかもとは思いつつ。

何だか魚介が恋しいなぁと思っていたところのネギトロ丼はちょっとシアワセだった。ビールと枝豆も美味しいし。

7/10 (木)
豚の塩焼き 炒め玉ねぎのソース (夕御飯)
海苔トースト
アイスカフェオレ

今日も朝からおべんと作成。今日は私も息子も外出予定はなかったので、家族3人分のお弁当を作ってみた。弁当箱のサイズは全員違うので、だんなにはこのっくらい詰めてー、息子にはきゅうり少な目にしてー、なんてやりながら朝からちまちまと菜箸を駆使して詰めていく。ちょっとばかり寝坊してしまったので、ひととおりのお弁当準備が整う頃には「あー、さっさと朝食の準備もしなきゃ、もー」という状況になってしまった。もうちょっと余裕のある朝を迎えたいものだと毎日のように思っているけれど、いざ朝になるとどうしても布団とむつまじき仲になってしまう。

ちょっと手抜きな朝御飯は、そうして「海苔トースト」になった。バタートーストに、ぺろりと一枚焼き海苔を乗せるだけのものなのだけど、バターと海苔とパンという組み合わせが微妙に美味しい。今日は超厚切りのトースト1枚の食べ応えある量だったので、それと飲み物だけの簡単朝御飯。

おうちでお弁当
 鮭の混ぜ御飯 かつお沢庵添え
 ひき肉と茄子の炒め煮
 きゅうりの磯和え
 フルーツカクテル・葡萄
麦茶

今日は仕事したり仕事したり仕事したり。お弁当があって、ほんっとーに良かったぁと思いながら、12時過ぎに息子と一緒に弁当箱の蓋をぱかんと開けた。以前から、だんなの弁当を準備する脇で
「ぼくもね、おべんとが食べたいなんだよー」
と呟いていた息子だったりしたので、ダイニングテーブルに2個のお弁当箱が置かれていた今朝は、かなり嬉しかったらしい。

「これ、ぼくの?こっちも、ぼくの?」
と2つの箱を抱え込んで、何やらブツブツと「いま、いっこ食べてー、お昼に、もういっこ食べる……」などと不穏な事を言っている。こらこら、君一人のものじゃないんだってば、と朝御飯にはパンを食べさせたところ、数十分おきに
「おべんと、まだかなー?」
とパソコンに向かう私の顔の前にぐりぐりと顔を寄せてきたり。昼食の準備をしなくて良くなったのは嬉しいけれども、微妙な弊害が生じてしまった午前中だった。

今日のお弁当は、鮭の混ぜ御飯。お弁当としてではなく、夕飯などでもちょこちょこ作っている混ぜ御飯だ。焼いたか茹でたかしたシャケをほぐして、胡麻とか胡麻油とか海苔とかと一緒に混ぜたもの。おかずは、オイスターソースと豆板醤をベースに味をつけた、ほんのりピリ辛の炒め物。茄子を揚げる感じに多めの油で炒め、それを除けてからひき肉を炒め、オイスターソースや醤油や味醂や豆板醤や日本酒などをぼいぼいぼいと放り込んだ後、茄子を戻して絡めて完成。適当に作った割には、後でだんなから
「今日のおかず!アレ良かった!アレ好き!ああいうの、お弁当にいいよねぇ〜」
と嬉しそうに言われたのだけど、何しろ適当に作ったのでもう一度全く同じ味のものを作れるかどうかはちょっと謎。あとは昨夜の残りのきゅうりの和えものと、最後の隙間にフルーツカクテルと葡萄を1粒。

お弁当の料理というものは、普段の料理とは違う気の使い方が必要で、苦しくもあり楽しくもある。汁気があまり出るものはいけないし、味はちょっとだけ強めの方が良いみたいだし、彩りも考えなきゃだし、少量だからって1種類の野菜だけを使ったりすると面白みも味も単調になってくるし。……かといって、冷凍食品を使うのは、どうも気が進まないし(きんぴらごぼうとか、ひじきの煮物とか、小分けされた便利そうなものがいっぱい売られてはいるんだけどねぇ……)。いろいろと、難しい。

豚の塩焼き 炒め玉ねぎのソース
卵豆腐
枝豆、スティックきゅうり
じゃがいもといんげんの味噌汁
羽釜御飯
ビール、麦茶

数日前に、安売りしていた黒豚の煮込み用のお肉を買ってきてしまったのだった。ただ単に安売りされていて目についたから買ってきたのだけど、よく考えたら角煮作ったりカレー作ったり、豚の煮込みはここんとこ色々とやっているんである。ポトフという感じでもないし、ボルシチもこの蒸し暑い中食べたくないし、中華風の煮込みってもなんだかなぁ……と豚肉とにらめっこして固まり続けた5分後に、
「うん、焼いて喰っちゃおう」
と決意した。塩ふって焼いただけでもけっこう美味しそうな肉だ。さすがにそれじゃ物足りないかと、炒めた玉ねぎに調味料ぶっかけて軽く煮詰めたタレをかけることにした。確か、ケンタロウさんの本で見た作り方だったような。

肉を炒めたそのフライパン、肉を出したところにちろりと油垂らして薄切り玉ねぎを投入してせっせと炒め、醤油とか酒とか味醂とか砂糖とか生姜とか胡麻などを合わせた調味料をぶわっと投入し、味が濃くなりすぎない程度に火を通したら肉の上からぶっかける。炒めて甘くなった玉ねぎに醤油の味が染みて、良い感じの御飯のおかずになった。

明日は仕事も兼ねてまた東京へ。シャバだわシャバ、今度は新宿伊勢丹とか行っちゃおうかなぁと、ちょっとおのぼりさん気分の私。

7/11 (金)
AcquaPazza(広尾)で、「穴子と夏野菜のジェノベーゼ」 (昼御飯)
納豆御飯
じゃがいもといんげんの味噌汁(昨夜の残り)
冷茶

今日は盛りだくさんな予定の一日。今週もこれで終わりかぁと思いつつ、今日も早起きしてだんなのおべんと作成。今日の献立は、親子丼にポテトサラダ、いんげんのおひたしに、残り1個の「551蓬莱」の焼売、隙間に葡萄。もっとこう、ぱぁーっと弾けたようなお弁当(どんなだよ)を作りたいなぁと思いつつ、割と普通のお弁当になってしまう。……今度、インドカレー弁当でも作ってみようかなぁ。ココナッツミルク入りのカレーにタンドリーチキン、ライスプディングに、別添でナン。「チンして食べてねー」なんて手渡しても、だんなの職場を妙な匂いで充満させてしまうような気がしなくもない。こう「超中華」とか「超アジア」とか「超イタリアン」な、お弁当っぽくないお弁当にチャレンジしたいところだ。

朝御飯は、昨夜の残りの味噌汁を片づけちゃおうと、御飯を温める。だんなは卵御飯、私は納豆御飯。朝から口から指からねばねばしてしまったので、外出前には念入りに歯磨きと手洗い顔洗いを励行。

広尾 「AcquaPazza」にて「お昼のコースB」\3,800也
 美味しい野菜のバーニャカウダ
 アンティパストミスト
    (鮑と海老のマリネ・鶏とチーズの燻製・ズッキーニのグリル)
    (茎ブロッコリーと生ハム・焼きとうもろこしのパンナコッタ)
 本日のプリモピアット(穴子と夏野菜のジェノベーゼ)
 本日の肉料理(沖縄島豚のグリル 空豆のピュレ添え)
 デザートの盛り合わせ
    (パンナコッタ キウイのソース・パッションフルーツのセミフレッド・ドライフルーツのタルト)
 プティフール
 ハーブティー

今日は先日の続きで、ウィルスに汚染されたパソコンの復旧作業にと某所に向かう。息子がいてはさすがに仕事にならないので、仕事が休みの母に見ていてもらうことにし、一人で外出。予定の作業の全てを終えることはできなかったけれど、次の約束があって、広尾にあるAcquaPazzaに向かった。

日高良実さんが総料理長を務めるAcquaPazza系列店の中で、このお店だけが唯一「お子さまお断り」。息子を連れては来られない店なので、お仕事のお話ついでにここぞとばかりランチを堪能していくことにする。数種類あるランチコースから3800円のBコースにしてもらい、白ワインをちびちび飲みながら料理を堪能。どの料理も「純正イタリアン」というのとはちょっと違う、日本の旬の食材をうまくつかったものばかり。最初に出たのは"つきだし"代わりのバーニャカウダ。小さなカブや人参、これでもかと濃い香りが漂うイタリアンパセリに、にんにく風味のオイルソースが添えられている。野菜は基本的に生のものばかりで、パリポリパリポリ音をさせながら野菜を食べる。土の香りが強く漂う美味しい野菜ばかりだけど、数年前に初めて西麻布にあった頃のこのお店に来たときに
「トマトがこんなに美味しかったなんて!」「この人参の甘さったらどうよ!」
と感動したその味ほどのインパクトはなかった。季節柄とか色々な要因があるのかもしれないけれど、舌が肥えたとかそんな理由じゃなくて、インパクトは今ひとつ。

そして少しずつ盛り合わされた、6種類の前菜プレート。そのまんまデザートとして出しても違和感ないんじゃないかという、焼きとうもろこしの甘い甘い(でも砂糖の甘さじゃない)パンナコッタとか、トマトとオリーブ油、香草が絡まる一口大の鮑と海老。香ばしい鶏肉とチーズの燻製に、蟹肉の風味がするフレークが乗せられたズッキーニのグリル。しゃきしゃきとした食感の、歯ごたえを残して茹でた茎ブロッコリーに生ハム。どれも洗練された見た目の、洗練された味。かつてはけっこう素朴な、ともすれば田舎っぽさが漂う前菜類があったものだけど(そしてそこがかなり好きだったのだけど)、随分洗練されちゃってすっきりしたなぁ……と思う。

そしてパスタにメインディッシュ。3種から選べる"本日のパスタ"から選んだものは、穴子と夏野菜を絡めたジェノベーゼソースの全粒粉のスパゲティ。浅黒い麺にバジルのソースがこってりと絡まり、パプリカやきぬさや、ブロッコリーや茄子、オクラなどがざくざくと入っている。ほろほろになった柔らかい穴子もたっぷりと。ふくふくした穴子の香ばしさや甘さがざらっとした風情の全粒粉の麺に似合っていて美味しかった。
メインディッシュは沖縄の島豚。香ばしく焼かれた肉が一口大に切られ、ほんのりバルサミコ風味の黒々としたソースがかけられている。肉の下には薄緑色をした、空豆のピュレ。脂部分もむちむちと甘く香ばしく美味しい沖縄島豚は、大好きな豚肉だ。島豚があります、と言われると、つい牛より羊より島豚を選んでしまう。

胃袋もかなりいっぱいになったところで、最後にドルチェの盛り合わせとプチフールの皿が。ドルチェはねっとり濃厚なパンナコッタにキウイの果肉がシャバシャバとたっぷり入るソースが添えられたもの、パッションフルーツの独特の香りが強いセミフレッド(冷凍庫で固めてつくる冷たいケーキ)に、ドライフルーツ入りの洋酒の香り漂う食感固めな素朴なケーキ。最後のプチフール小皿には甘酸っぱいホオズキのチョコがけや果汁をグミ状に固めた一口菓子、ビスコッティ、マカロンなどなど。久しぶりにお店の人とも会えて、シアワセな数時間だった。……でも、食事は1人で食べるよりも、一緒にいて楽しい人と一緒にするに限るなぁ。1人の御飯はちょっと寂しい。

新宿伊勢丹「KIHACHI CAFE」にて
 トリオ・デセール(マンゴプリン・マロンのクレームブリュレ・白胡麻のブランマンジェ)
 グレープフルーツアイスティー

何やら盛りだくさんの今日は、もう一つ予定があって、
「午前中の仕事がちゃっちゃと終わったら、打ち合わせがてら新宿でお会いしましょう!」
とTさんと約束していたのだった。
めでたく午後3時には新宿に出られそうだったので、Tさんと新宿で待ち合わせ。伊勢丹デパートの地下を、ちょっとぷらぷらしてみたいんです、と言っていたら、それにもおつきあい下さった。待ち合わせ場所に、
「暑いですー、へろへろでっすー」
といきなり疲れて現れた私に、じゃあじゃあ早速どこかお店に入って……と、行ってみたのは昨月オープンしたばかりの伊勢丹内「KIHACHI CAFE」。

無国籍料理というスタイルで始まったKIHACHI、今はチャイナだイタリアンだカフェだと盛大に手を広げていて、何だかよくわからないチェーン店と化している。そこそこ洗練された味で、美味しいか不味いかで言えば美味しいとは思う。でも、なんとなーくどこに行っても居心地がよろしくなくて、安価とは到底言えない価格設定だらけということもあって、あんまり足は向いていなかった。でも、この店にはマンゴプリンがあるらしい。

「なんだかね、最近オープンしたらしいです。3種選べるデザートプレートがあって、その中にマンゴプリンが……」
デパート内を歩きながら話す私に、
「せ、せりあさん、伊勢丹にちょくちょく来ている私よりも詳しいし……」
とTさんが笑っている。
平日の午後、それでも数人の入店待ちのお客が並ぶ、広くはないカフェの店頭で待つこと数分、席につけた。メニューには、件の「トリオ・デセール」という10種類以上のデザートから好みで3種類を選ぶスタイルのデザートも確かに載っていた。マンゴプリンも、ちゃんとある。KIHACHIらしく、胡麻を使ったデザートとかアールグレイ風味のフレンチトーストとか、果物のタルト、それにサラダやサンドイッチ類もメニューにはあった。

「"料理すること"を仕事にしている人間としては……」
「あ、やっぱり"これは興味深い、面白い食材の組み合わせだ"とか気にして注文しちゃうもんですか?」
「気にならなくもないけれど……でも、結局は自分の食べたいものを食べちゃったりしますよねぇ〜」
「そうそう、そんなもんですよねぇ〜」
だらだらと甘いものをつつきながらの打ち合わせとか、くだらないおしゃべりとか。マンゴプリンは、ケーキショップで購入したKIHACHIのそれと、ほとんど同じものだった。クリーミーで滑らかな、果肉も入ったバランスの良い洋風寄りのマンゴプリン。

食後はそのままデパ地下を、マンゴプリン求めてぷらぷら。
「デパ地下を歩くコツとかって、あるんですかね?」
とTさんが一緒に歩く中、
「いーえ、コツなんて!ケーキ売り場をだーっと一直線に行って、果てに来たら折り返して次のブロックを帰ってくる!絨毯爆撃するだけです!」
笑いながらざっかざっかとデパ地下を歩き、
「ふふふっ、こういう風にデパ地下歩いたことないから新鮮で面白いですね」
「けっこう、"おお!これは!"みたいなものもありますよね」
と、最後には、冷凍じゃない生の果実を売っているのを初めて見たマンゴスチン、それに、Tさんお勧めのチョコレート屋さんのチョコレートも購入して帰宅の途についた。今日は何だか美味しいものだらけー。

「柿安ダイニング」の
 牛切り落としメンチカツ・じゃがいものシャキシャキサラダ
「アンデルセン」の
 くるみパン・チェダーチーズブレッド
ビール

本日、だんなは飲み会。それじゃあ夕飯は適当でいいやと適当に伊勢丹デパ地下で見繕って帰ってきた。メンチカツにじゃがいものサラダ、ビール飲みながらつまむのに美味しそうなパンを数種類。テレテレな服に着替え、クーラーをがんがん効かせてからのんびりあれこれつついた。レタスのサラダでも作ろうか、それとも野菜料理でも……と思っていたのだけど、帰宅は7時前。しかも私はもとより母もあまり食欲がないということで、本当に軽い夕御飯。ころりとボール状のメンチカツ(できたてですよぅ!○個限定ですよぅ!と店頭で盛大に宣伝していたやつ)に、ちょっとシャキシャキ感が残るじゃがいものサラダ。オーブンで軽く温めたチーズブレッドと、くるみざくざくのパン。

7/12 (土)
「うまいラーメンショップ」にて、葱つけ麺 (昼御飯)
「アンデルセン」のデニッシュブレッド
アイスカフェオレ

今日は晴れなんだか雨なんだか、微妙な天気。しかし、めちゃめちゃ蒸し暑い。
「あつーい、あつーい、あーつーいー」
と、ベランダの花やハーブに水をやり、それからだらだらと朝御飯。昨日、新宿伊勢丹で買ってきたデニッシュブレッドに、たっぷりの濃いめのコーヒーを氷を満たしたピッチャーに一気に注いでつくったアイスコーヒーに牛乳いれてアイスカフェオレ。

「……パン、ちょっとオーブンで焼こうか?」
「いんやー、そのまんまで、いーんじゃない?」
「……バターでも出そうかー?」
「いんやー……そのまんまで、いーよ」
「……素パンでいいの?」
「うん、生パンでいいよ」
と、これは素パンだ素パン、いや、表現としては生パンの方が相応しいのではないか、などとくだらないことをだんなと話しながらもぎゅもぎゅと食べた。素パンでも生パンでも良いけど、要するにトーストしないバターも塗らない、ただそのまんまの食パンの事でしかなかったりする。

稲毛 「うまいラーメンショップ」にて
 葱つけ麺 定食(餃子・御飯つき)

「なんかさ、こう、ぎっとぎと系のラーメンが恋しい気分……」
「あそこ行く?近辺じゃそこそこ美味しい部類に入る"うまいラーメンショップ"」
「あー、だんなの実家の方向だったっけ。じゃあちょっとお義母さんたちに顔見せて……」
と、昼過ぎてぷらぷらとだんなの実家へ。無類のラーメン好きの義妹に「行く〜?」と言ったらば、想像通り「いくいく♪」とついてきた。義弟も一緒に、計5人でそのラーメン屋さんに向かう。

ラーメン業界の事はさっぱり知らないのだけど、派手こい看板に大きな文字で「ラーメンショップ」、その文字を両側から挟み込むように「うまい」の文字が書かれた、通称「うまいラーメンショップ」はチェーン店であるらしい。電車に乗ったりしてまでわざわざ食べに行く味ではないとは思うけど、近所にあると思うと手軽だしそこそこ美味しいし、けっこう好きなお店だった。ラーメンを定食にすると餃子と御飯がついてくる。

猫舌の私はつけ麺を。キムチつけ麺、海苔つけ麺など何種類ものメニューがある中から、葱つけ麺を。だんなは、この店では一番のお気に入りだというチャーシュー麺を。息子がどうせもりもり食べるだろうと、私もだんなも定食に。

そうして、私の前にやってきたのは2個のどんぶりだった。通常サイズのラーメン丼より一回り小さな丼にはかなり濃いめの味の熱いスープ。胡麻油の香りがぷんぷん漂ってくるそのスープの脇には、通常サイズどんぶりに入った、冷たく締めた麺。上には麺を覆うようにたっぷりに刻み葱が積まれていて、葱を絡めた麺というか、麺が絡まった葱というかな物体になったそれを熱いスープにしゃばしゃば浸しながら食べる。つけ麺に限らず普通のラーメンもかなり油っこさがあって、でもその油っこさはスープに入れた肉や骨から染み出てきたものというよりは……何だか後から加えたような風味がほのかに感じられちゃったりなんかして。やっぱり電車に乗ったりしてまで食べに行く味ではないわなぁと思いつつ、もうちょっと近くにあったらもうちょっと頻繁に来ちゃうかしらなどとも思っちゃうのだった。
近所に美味しいとんこつラーメン店が欲しい……。

稲毛 「天狗」にて
 枝豆
 揚げだし豆腐
 バターコーン
 牛ハラミの鉄板焼き
 鶏唐揚げの和風だれ
 焼き鳥(串2本)
 タコ刺身
 とろろざるそば
 すきやき定食
 生ビール(中)×2
 シークァーサーサワー
 はちみつレモンハイ
 コカコーラ
……を、家族3人でせっせと飲み食い

鼻の頭に汗みっちりかきつつラーメンを食べた後は、だんなの実家でごろごろだらだら。今日は本当に蒸し暑くて、夕方早めの時間に家に帰る頃には顔も身体も全体的にベッタベタになり果てていた。ちゃっちゃとシャワーを浴びてしまうと、クーラーがんがん効かせた部屋で少々へばる。あー、夕御飯もなぁ、火とか使いたくないし、大体こう、ビールをきゅ〜〜〜っと飲みたい気分……と、
「……やるきなーい。ビヤホールとか居酒屋いきたーい。まだ日本帰ってからそういうところ一度も行ってなーい」
と駄々こねて駅前にあるチェーン居酒屋「天狗」に向かうことになった。母を誘うも、「出るのはめんどくさいからー」とパスされ、家族3人で。

私にとってもだんなにとっても、「天狗」はほのかに懐かしき青春の味、だったりする。大学時代、サークルで飲み会というと大概「天狗」が使われていて、確か巨大なおにぎりとか、オレンジの皮に入ったシャーベットとか、そういうものがあったような記憶がある。さいころステーキも大好きだった。当時、飲み会で使われる居酒屋チェーンの中では比較的こざっぱりとした傾向にあった事もあって、本当に何かというとこの店が使われていた。

「さーすがにこの年になるとさ、渋谷や新宿にありがちな"すえた匂いのする居酒屋"って行かなくなっちゃうよね」
「天狗はまぁ、この手の中じゃこ綺麗だし、値段もちょっと高めだしね」
息子にバターコーンや揚げだし豆腐を小皿にぽいぽいとってやりつつ、「ビールビール♪」「サワーサワー♪」とジョッキでぐいぐい飲んでいた。

だんなも私も、2人揃って「アルコールが体内に入ると御飯が美味しくてしょうがなくなる」タイプなものだから、
「唐揚げにビール!もうサイコー」だの、
「タコのコリコリ感がもう、やっぱりビールにサイコー」だの、
「あー、この内臓臭さ漂うハラミ焼いたのなんかも、サイコーだよねぇ」
だのと、注文が止まらないようになる。最後には、とろろざるそばとすきやき定食まで注文し、ぺろりと平らげて帰宅した。
ビール1杯チューハイ1杯だったのに、それでもぺろんぺろんに酔っぱらってしまい、この日記も書かずにそのままだらだと沈没。なんだか堕落気分な週末になってしまった(しかも日曜もこの調子だし……)。

7/13 (日)
まぐろのユッケ風 ビールに似合うのよー (夕御飯)
「アンデルセン」のチェダーチーズブレッド・くるみパン
「Johan」のコーンパン
アイスカフェオレ

ここしばらく、「土曜に外出、日曜は飽きるまで寝ている」ということが多かったものの、今日は7時過ぎに目覚める私。もうちょっと建設的な事をすれば良いのにと思いつつ、皆が起きるまで静かにテレビゲームなどしていた。今日は……天気悪そうね。

買い置きのパンが少しずつ半端に残っていて、更に昨日お義母さんからお裾分けしてもらったJohanのコーンパンもあったので、今日は全てを軽く温めてテーブルへ。1種類ずつが家族分ほどの分量がなかったので、3種類パンをどかんと大皿に盛りつけ、「さぁー、食べろー」と出したら、なかなかの迫力になった。

Johanのコーンパンは、やっぱり美味しい。焼き上がり時間目指してデパートに行ったりしなきゃならないので、それがめんどくさくてあまり買えずにいるのだけど、もちっとした生地も甘いコーンも表面の粉っぽさもかなり好みだ。

「銀だこ」のたこ焼き
烏龍茶

遅い朝食の後は、ちまちました買い物の用事があって近所に外出。
「駅前の!"銀だこ"の!一皿無料券があります!」
とだんなが誇らしげに財布から1枚のスタンプカードを取り出したものだから、ではではと帰りにそこに寄って食べていった。

かつて私が勤めていた会社の近くにあった「銀だこ」、その時にはおにぎりセットとかたい焼きなぞもあったりして、かなりせっせと通っていた。いつの間にか添付のマヨネーズの種類がやたらと増え(胡麻マヨネーズとか梅マヨネーズとか)、あちらこちらでこの店を見かけるようになり、我が家の近くの駅前にも2年くらい前にオープンした。表面がカリッとした独特のたこ焼きは「たこ焼き」というより「銀だこのたこ焼き」という感じではあるのだけど、あれはあれでけっこう好み。タコもでっかいのがごろごろ入っているし。

「美味しく召し上がれますようにー」
という声と共に渡されるたこ焼き、そのフレーズも会社近くで買っていた5年ほど前から変わっていなかった。毎回毎回ずーっとずーっと「何だかヘンなフレーズだなぁ……」と思っていたのだけど、変わらず続いているということは、私が思っているほど奇妙なセリフではないのかもしれない。私は「美味しく召し上がれますように」と言われるたびに、「貴方の幸福を祈らせてください」とか「世界人類が平和でありますように」なんていう文章が映像と共にもややややんと浮かんできてしまって、「宗教じゃないんだからー」と一人勝手な想像に苦笑いしてしまう。日本語として間違っていないとは思うのだけど、でもなんだか……もにょもにょもにょ。

ひっさしぶりの銀だこのたこ焼きは、相変わらずのまん丸、表面カリカリのもの。ぶわっと青海苔と鰹節が散っていて、アツアツで、美味しく召し上がれましたです、はい。

マグロのユッケ風
玉ねぎと牛肉の"焼肉のたれ"炒め
茹でとうもろこし
羽釜御飯
ビール・麦茶

今日は午後遅くからずーっと雨。だんなは最近購入したジャンク品のパソコンをあれこれといじり倒していて、我が家にある数台のパソコンが全て起動してなにがしか動いている。棚に並んだ周辺機器の小さなライトがぺっけぺっけと点滅しまくっていて、横で眺めていて
「うぉー……銀河鉄道999の……機関車内部みたいな」
とか呟いて、だんなにちょっと呆れられた。そういう例えはいかがかと。

さきほど寄ってきたスーパーで安売りしていたマグロのぶつ切りを、ビールの友にとユッケ風に。一口大に刻んだマグロを醤油とオイスターソースと砂糖と豆板醤をざっと和えたタレで揉みこんだ後冷やしておいて、刻みキュウリと共に盛りつける。中央に卵の黄身を落として完成。キュウリ以外にも、しそとか茗荷とかにんにくとか貝割れ大根とか散らしても美味しいだろうなぁと思いつつ、手近な材料がキュウリだけだったのでキュウリだけ。それと、焼肉のたれで炒めただけの玉ねぎと牛肉。

「……焼肉のたれで炒めるだけなんて、……何だか手抜き?もうちょっとなんとかすべき?」
「いや、でも、それが美味しいんだよねぇ。あの味を傍らに御飯食べたい気分」
「そう言われると懐かしくなってきちゃったような」
と、たれよたれ、焼肉のたれなのよ、と冷蔵庫内から発掘したのは賞味期限が10ヶ月前に過ぎ去った開封済の「赤と黒」。昨年の今頃、日本を発つ前から存在していたそのたれがそのまま庫内に残されていたものらしい。

「匂い、よーし」
「味、よーし」
「ま、賞味期限過ぎて1年は経過してないし、大丈夫!」
と、全く根拠のない事を呟きつつ、ヤバくなっていたら家族皆で倒れようねと小さな決意を胸に肉を炒めた。とりあえず、食後数時間経過して、誰も吐き気も腹痛も訴えてないので大丈夫だったようだ。