食欲魔人日記 02年06月 第3週
6/10 (月)
豚肉とピーマンの中華風スパゲッティ (夕御飯)
バタートースト
アイスカフェオレ

ごくごく普通のトーストを食べて始まった月曜日の朝。
テーブルにはバターとマーマレードとブルーベリーとリンゴとアプリコットのジャム、更に息子用にはチョコレートペースト。そしてアイスカフェオレ。

本当のところはベーコンエッグとか、ハムサラダとか食べたい感じ。で、でも暑いのである。やる気ないのである。ぐにゃ〜。

インスタント焼きそば「新 俺の塩」
水餃子のスープ
麦茶

やる気のない月曜日。仕事もあるので、一日中家でぺけぺけぺけとパソコンに向かう。一人の食事(ましてや、昼食となると)は、調理の気力が今ひとつ盛り上がらない。幸い、一昨日の水餃子スープが1人分残っていて、それを温める。あとは御飯か麺かを……と見渡して、インスタント焼きそば「新 俺の塩」を発見。確か安売りしていたやつをだんながいくつか買ってきていたのだ。
「だんな、貰うよー。貰っちゃうからねー」
と勤務先方面を向いて一応呟き、「断ったから食べちゃうよー」と1ついただくことにした。

その名のとおり、塩味ベースの焼きそばだ。黒っぽいタレをぶっかけて混ぜるものの、よくあるソース焼きそばの色はしていない。ホタテのような具とキャベツのような具が入っていて、やはりそれはジャンクな味。1分でつくって食べられるのだから文句は言うまい。「俺の塩」というネーミングは微妙にヘンで良い感じだ。

そういえば、新橋駅前にある「くいもの市場TAPA」というチェーン居酒屋の前には
「俺の角煮を食べてくれ」
なんてのぼりが立っていて、「俺の角煮、だってよ」「なんかすごいキャッチコピーだねー」とだんなと見つけて笑っていた。で、「それじゃ食べてやろうじゃないか」と先日だんな、一人でその「俺の角煮」を食べてきたらしい。
それはゆで卵も一緒に盛られていてちょっと嬉しかったけれど、肉はパサパサで味気なくて、店に対して逆に
「俺の角煮を喰ってみろぉ!」
と言いたくなるシロモノだったのだとか。「俺の××」は、なかなかどうして難しい。

豚肉とピーマンの中華風スパゲッティ
グリーンサラダ
ビール、麦茶

昨日、1kg近くあったと思われる焼き肉用の肉は、さすがに食べきることができなかった。豚トロが150gほどと、カルビが100gほど残っている。本当は「豚肉と大根の炊き込み御飯」などをやってみようと計画していたけれど、だんなから「今日は遅くなる……」との連絡が入り、中止に。では、とちゃっちゃとパスタにして食べることにする。残り物のピーマンもあったので、青椒肉絲風の中華っぽいパスタにすることに。

確か『365日やっぱりスパゲティ』という本にこんな感じのが載っていた。結婚してちょっとした頃に買った『365日スパゲティが食べたい』と共に、この人の本は何だかグッと心に響くものがある。"やっぱり"の方は、麻婆茄子のペンネとかワカメの中華風パスタとかビビンバ風マカロニ、とか、しまいには「お茶漬けスパ」とか、「どこがパスタじゃ!」と激しくつっこみたくなる品名が満載だ。どっから見ても「そりゃ、ラーメンだろ!」と言いたくなるようなものも載っている。でもこの本、妙に好きなのだった。

で、「豚バラ肉と細切りピーマンのスパゲティ」を参考にしながら作ってみる。ほとんどそれは、"青椒肉絲のパスタ絡め」という感じ。筍も必要だけどそれは無視して豚肉とピーマンで作っちゃう。
肉には醤油や老酒で下味をつけておき、中華鍋に生姜、にんにくを放り込んで炒め、肉とピーマンを炒める。更に醤油と老酒、中華スープなどで味をつけて水分多めにとろみをつけ、茹でたてのスパゲティを放り込んで絡める。仕上げにすり胡麻をたっぷりと。
母に出したところ、
「焼きうどんみたいねぇ!」
という一言が返ってきた。た、確かに……。

醤油と老酒の味の薄茶色の麺は、確かに焼きうどんそのままみたいな感じだった。赤と緑のピーマンが目に綺麗で、味以上に見た目の印象が綺麗だ。ここまで青椒肉絲味を徹底するなら、やっぱり筍も欲しかったかなぁ。じゃ、今度はビビンバ風マカロニを……(←なんか微妙に尻込み気分)

6/11 (火)
"おかーさんの、とーもろこしー" (夕御飯)
カリカリベーコン&目玉焼き
バタートースト
アイスカフェオレ

今日は暑い。すごく暑い。でも、珍しくやる気のある火曜日の朝だった。
私は目玉焼き作成。その横でだんなはカリカリベーコン作成。トースターでパンを温め、飲み物は冷たいカフェオレ。バターたっぷり塗って焼いたパンに、半熟に焼いた目玉焼きを乗せて塩胡椒をガーリガーリとぶっかけて、カリカリベーコンを時折つまみながらパンを囓っていく。目玉焼き乗せトーストを食べる度に、私はついつい「天空の城ラピュタ」のワンシーンを思い出しちゃったりなんかして。洞窟の中で食べる、きっと冷えきってるだろうパンと目玉焼きの食事なのに、あれはめちゃめちゃ美味しそうだった。

他にも「アルプスの少女ハイジ」のシチューとかチーズ乗せパンとか、「カリオストロの城」でルパンと次元が2人で喰ってる肉団子のスパゲティとか"血が足りねぇ、じゃんじゃん持ってこい"のシーンで喰ってる肉とかパンとかチーズとか……って、全部、宮崎駿作品になっちゃうのはどーしてでしょうか。

チーズパン
マロンデニッシュ
何故か柿ピー
何故かグレープフルーツサワー

本当は出勤日、でも、教授から「風邪をひいてしまいました」と連絡があり、出勤は無しになってしまった。あっちの仕事はなくなったけど、こっちの仕事が山ほどあって、今日は自宅でパソコンばかり触っている一日になった。
今日は母も休みで、掃除も息子の送迎も何もかも、母にお任せ。昼御飯もお任せ……と思っていたら、何だか面妖な光景が食卓に広がっていた。ななな、なんですか、なんで酒が出てるんですか?

「あのね、グレープフルーツ味のものがどうしても食べたくてね〜、でも果物もジュースもないの。だから」
「だから、昼から酒なの?デニッシュとチーズのパンなのに?」
「うん、だからね、ほら、柿ピー。おつまみ」
「……」
テーブルの上には、甘ったるそうなデニッシュと、牛乳と一緒に喰ったら旨そうなチーズのパンと、そして柿ピーとグレープフルーツサワーが並べられているのであった。何しろデニッシュと柿ピーを同じ空間に持ってきちゃいかんだろう。デニッシュとチューハイという組み合わせも凶悪だ。でも、まぁ、暑いし、サワーを飲みたくなる気持ちもないではなく、そうして二人で「デニッシュ喰いつつチューハイを傾ける」という展開になった。

「甘くなくて、美味しいわねー」
「いや、美味しいけどね、酒よ酒。昼の酒は酔うのよ(私は仕事してるのに〜)」
「だーいじょうぶよぉ〜これっくらいで酔うわけないでしょぅ〜?」(←もう酔ってるし)
かくして午後の仕事の効率は半減しまくったのであった。だから言ったのに〜。

枝豆
茹でとうもろこし
グリーンサラダ
鶏肉のオーブン焼き
羽釜御飯
ビール、麦茶

息子はここ1ヶ月ほど、「となりのトトロ」にはまっている。北島マヤの如くにセリフを覚えて一人芝居をしている。私が目の前にいるというのに、「お母さんが死んじゃってもいいのね!(←サツキの台詞)」「やーだー!(←メイの台詞)」「メイのバカ!もう知らないっ!(←サツキの台詞)」(そして走り去るサツキを演出)などというシーンを一人で熱演しているのである。息子よ、君の母は私だ。死んだら困る。とっても困る。

そして、トトロ必須のキーアイテムは「とうもろこし」だ。とうもろこし1本あったら、息子はこれまた
「やだもん!おかーさんのとうもろこしだもん!」
と延々と一人芝居を繰り広げてくれる。今日、私の母が保育園に迎えに行ったところ、息子にせがまれたらしく、出始めのとうもろこしを3本買って帰ってきた。もちろん1本は、しっかりと息子が胸に抱えて帰ってきた。

「お、とうもろこし買ってきたの?」
と聞くと、
「だめだもん!おかーさんにあげるんだもん!」。
だから、その"おかーさん"ってのは誰なんだよ!と思いつつ、
「だから、おかーさんにくれるんでしょ?おかーさんにちょーだい?」
とにこやかに聞いてみたところ、舐めるように下から見上げて「えぇぇぇ〜?」と不満気に言われてしまった。彼にとっての"おかーさん"は、どうやら七国山病院に入院してなきゃいけないらしい。

かくして、
「おかーさんにあげるんだもん!」
「だから、茹でなきゃ食べられないって言ってんだろ、このクソガキ!」(←荒んできてます)
「くそがきじゃないもん!」
「じゃー、メイちゃんか!明日っからメイちゃんって呼びまくるぞこのクソガキ!」
などと暴言吐きまくりながらとうもろこしを茹でることになった。

ちょっと細めのとうもろこしは、それでも粒がしっかり詰まっていて、すごく甘かった。もはや野菜じゃないみたいなこってりした甘さがあって、ただ茹でただけなのにそれはやたらと美味しかった。
他のおかずは、枝豆とか塩胡椒して焼いただけの鶏肉とか、セロリや玉ねぎ、トマトもたっぷり入れたグリーンサラダ。
息子は、嬉しそうにとうもろこしと格闘中。1本分をぺろりと食べて、
「これで、おかーさんのびょうき、なおるかなぁ?」
とのたまった。
だから、その"おかーさん"って一体誰よ!私は病気じゃないってば。

6/12 (水)
焼き肉丼半熟卵乗せ (昼御飯)
トースト
グレープフルーツ
アイスカフェオレ

昨日、「グレープフルーツが食べたくて」という理由で、昼御飯の食卓にグレープフルーツ味の缶チューハイを出すという面妖な行動に出た母は、夕方ホンモノのグレープフルーツもちゃんと買ってきた。
「明日の朝ね。食べようね」
と昨日の夜に念押ししてきて、今朝は今朝で、いつも食事の支度が出来てから部屋から出てくるというのに、今日に限っては10分くらい早く出てきて
「ね、グレープフルーツね。ね。ね」
とまた強くリクエストされた。我が母、昨日から怪奇グレープフルーツ女になり果てている。

そろそろ御飯の朝食とかうどんの朝食とかが恋しくなってきたなと思いながら、今日もパンの朝御飯。バター塗ったりマーマレード塗ったりした厚切りパンと、冷たい飲み物と、そして母待望のグレープフルーツ。
やっぱり赤いやつより黄色いやつのが、グレープフルーツは美味しいように思う。我が家に"グレープフルーツスプーン"が2本しか無かったのを「あちゃー」と思いつつ、ギザギザのないスプーンなんかも出しちゃったりして。

焼き肉丼 半熟卵乗せ
麦茶

いよいよ梅雨到来。朝からじゃんじゃか雨が降っていて、息子の保育園への送迎がものすご〜く、億劫になってしまった。仕事はあるので、息子は保育園に行ってくれた方が集中できるはずではあるけど、送迎にかかる時間とか、外に出るために着替えなきゃいけないよなとか、髪の毛も、もうちょっと何とかしなきゃならんよなとか、とにかくめんどくさいよな、とか、諸々考えると「家から一歩も出ないで息子と一緒に家にこもってる方がマシ」という結論に達してしまった。で、息子は起こさずに起きるまで眠らせ続け、私はペロペロの普段着でお仕事。息子は10時過ぎに起きてきた。

息子にとっては朝御飯兼昼御飯。私にとっては昼御飯。冷蔵庫に、焼き肉をやった時の牛肉の余りがあったので、それを使って料理することに。脂の乗りまくったカルビは「バター&醤油でステーキ丼にすべし」という以外のなにものでもない感じで、心の赴くままに理想の焼き肉丼を作るべく動き出す。

牛脂を鉄のフライパンにさっと溶かし、塩胡椒した牛肉に一気に焼き目をつけて火を通す。焼き上がったところで火を弱めて醤油をジャーッと流し、それが沸騰したところで、その脂の溶けた醤油と共に肉を御飯に盛りつける。本当は温泉卵でも欲しいところだけど、時間がかかるので超半熟のゆで卵で代用。沸騰してから3分ほどだけ火を通した卵を割り落とし、白髪葱を飾り、胡麻をふって黒胡椒もガリガリとかける。そして片隅に、バターのかけらをころっと添えて、即座に「いただきます」。卵や白髪葱は、本当はバターじゃなくて醤油と味醂の組み合わせの方が似合うかも、と思いつつ、ついついバターを乗せてしまう。

バター溶かしつつ、御飯と肉を絡めつつ、卵をつついて黄身を絡ませたりしつつ、どんぶりの中が何だか凄い色になっていくのに比例して美味しくなっていく感じ。息子も
「おにく?たまごの、おにくの、ごはん?」
と言いながら、「
「ねぎはー、からいから、いらないのよー」
と白髪葱を避けまくりながらわしわしと食べていた。
たくさん残ってるような気がしていた牛肉は5切れほどしかなくて、息子との配分はかなりシビアな戦いになったことは、ヒミツ。

枝豆
茹でとうもろこし
グリーンサラダ
コロッケ屋さんのカレーコロッケ・チーズコロッケ
千切りキャベツ
ビール、麦茶

雨降りなのでやる気もでない今日、仕事に出ていた母に「コロッケでも買ってきてたもれ」とお願いして、駅前のコロッケ屋でいろいろ買ってきてもらってしまった。カレーコロッケにチーズコロッケにカボチャのコロッケ。いろいろあるのに、何故かスタンダードな「じゃがいも&ひき肉」のコロッケが、ない。あれが基本なのにー。あれが一番食べたいのにー。
だんなとは、そのへん言葉にせずともその想いのたけは伝わるものだけど、実の親とは、そのへん微妙に好みが異なる。難しいことだ。

ここんとこ、毎日仕事が大変で大変で大変なだんなは、今日も帰りが遅いらしい。
で、手抜きして、昨日の枝豆の残りと、昨日のサラダの残りと、昨日のとうもろこしの残りと、そして今日のコロッケ。自分でやったのは、じゃかじゃかと千切りキャベツを刻んだくらいで、ビール飲みつつくっちゃべりながらそれらを平らげた。
明日は結婚記念日だったりするんだけど、だんなはあの通り忙しそうだし、私も出勤日だし、さてさてどーしようかなー、と、悩み中。

6/13 (木)
AcquaPazza(広尾)にて「アイナメのアクアパッツァ」 (夕御飯)
自家製パンで、コロッケサンド
アイスミルクティー

昨夜のコロッケ、カボチャ味のとカレー味のが1個ずつ余っていたので、「じゃあ、コロッケサンドだな」と、昨夜パン焼き機をセットしておいた。
そして朝、焼きたてのパンを薄切りにせんと四苦八苦する私。ああ、そうだった、焼きたてのパンはめちゃめちゃふわふわで切りづらいんだった。早めに焼いて冷ましておくんだった。そう思っても、目の前のパンはアツアツで、仕方なく10分ほど冷ましてから苦労しながら薄切りに。

パンにうっすらバターを塗って、コロッケを置き、上には山盛り刻みキャベツ。とんかつソースをだばだ〜とかけたら、バターを塗ったもう1枚のパンを乗せ、ぎゅうと押さえてからかぶりつく。これでもかとキャベツを挟んだら、これでもかと食べにくくなった。口を限界まで開け、手でパンとコロッケをぎゅうぎゅう押しながら口に入れる。焼きたてのパンはコロッケの存在感に比べると今ひとつふわふわすぎて、頼りなかった。でも、美味しいな、うん。

朝から何だか満腹になり、そして出勤。今日は5年目の結婚記念日で、多忙なだんなも今日は仕事を早く切り上げてくれるとか。幸い私の母は仕事が休みで、「いーわよ、記念日なんだからどっか外で食べてくれば?子供みてるし」と言ってくれたこともあり、急ぎレストランの予約をして、久しぶりに2人で御飯を食べることにした。

コンビニの
 中華つけ麺
麦茶

本日、お仕事。外は雨。しかも朝御飯のコロッケサンドが胃にズシンと溜まっていて、夜は豪華お食事予定。昼御飯は全体的にやる気も食欲も不足気味で、出勤途中にコンビニで何か買ってくことにした。
その昔、コンビニで売られていた蕎麦は、全部がニチャッと固まっちゃってて、味気なくてゴムみたいな食感で、それはそれは美味しくなかった記憶がある。最近は少しはマシになってきた。一口分くらいずつ小分けになってて、食べ安さもマシになった。今日は「中華つけ麺」なるものがあったんで、それを買ってきてみた。甘辛いタレの肉味噌を入れ、胡麻かけたりしながら麺をつけつつ、食べる。けっこう美味しいじゃないか、と思いつつ、ずーるずーる。

冬には木の隙間から東京タワーが綺麗に見えた研究室は、今は銀杏の葉が密度濃く繁ってきていて東京タワーは少しも見えない。雨の音と鳥の声と、外から聞こえる学生たちの声と、そして周囲からは本の匂いがしてきたりして、なんとも幸せな空間なのだった。真夏はこれでもかと暑くなるけど、今日は気候もいい感じ。

広尾 「Acqua Pazza」にておまかせフルコース
 小鮎のコンフィ きゅうりのソースとトマトサラダ添え
 アオリイカと空豆のソテー からすみがけ
 カジキマグロの炭火焼き
 ツナとケッパーの自家製フジッリ
 アイナメのアクアパッツァ
 沖縄の島豚バラ肉の「農民風」 焼き野菜とグリーンソース添え
 国産マンゴーのムース ミモザ風 コリアンダーのアイスクリーム添え
 エスプレッソ
 スプマンテ : Opere Brut N.V. (Opere)
 白ワイン : Gewurztraminer Lunare '99 (Terlano)

広尾「The Place」にて
 カクテル:ボヘミアンドリーム

結婚記念日、今日の予約で気軽に行けるところ……と考えて、結局馴染みの店に予約を入れた。広尾の「アクアパッツァ」、料理長やスタッフさんたちとは馴染みだけど、昨年秋に開店したこの店に入るのは2度目だったりした。
お店からのプレゼントです、とハーフサイズのスプマンテをいただき、それを舐め舐めメニューの相談。「久しぶりにアクアパッツァのアクアパッツァを食べたいなぁ」と、魚料理はアクアパッツァにしてもらうことにして、後はおまかせでお願いすることにした。移転してから、値段が若干安くなった。おまかせコースでも1万円。確か西麻布時代は2人で食べてワインとって4万円くらいだったなぁ……と思うと、2割くらい安くなった感覚がある。お客としては嬉しいことだけど、反面、お客さんに若い女性が隨分と増えていて、内装もサービスも「リストランテ」なのにキャハハハと女性の甲高い笑い声が響いていて、雰囲気は「トラットリア」……みたいな。敷居が低くなったのを喜ぶべきか、悲しむべきか、微妙な心持ちだ。

最初に来たのは「小鮎のコンフィ」。カラッと揚げられた15cmほどの鮎が1尾盛られ、薄い生ハムがかけられている。甘いトマトと、下にはキュウリをさらりとピュレにしたソース。キュウリの夏っぽい青臭さが鮎と似合っていて、スプマンテも進む進む。とろけるハムに、中からジュースがトロトロ出てくるトマトも良い感じ。
そして、シンプルな盛りつけの次の皿は「アオリイカと空豆のソテー」。半生の状態で火を通されたプリプリのイカと、コリコリとした空豆の上に、細かく砕いたからすみがパラパラっとかかっている。味つけは塩と上質のオリーブ油だけ、といった感じの見た目も味もシンプルな料理だけど、豆の匂いとかイカの甘さとか、そういうものがいちいち美味しかった。

ハーフサイズのシャンパンが早々になくなり、ワインリストを眺め「……わからない」と早々に匙を投げて、相談して決めてもらう。
「んとね、白で、キーンと冷やして美味しいやつで、香りが豊かで個性的なものがいいなぁ……」
と伝えたところ、「Gewurztraminer Lunare」というものを紹介された。「Gewurztraminer」というイタリア語らしからぬ綴りの言葉は、ドイツの葡萄の品種らしい。この品種独特の甘い芳香のワインなんです、と紹介されたそのワインは、突き抜けるような甘い香りがした。なんでも「ライチの匂い」と称されるものらしい。確かに、そんな感じ。そして喉を落ちるときは軽さがあって、その後にピリピリとした胡椒に似た刺激が舌の根にじわーっと広がってくるような、個性的なワインだった。個性的なワインが大好きな私たちは、飲む飲む。ワイン1本空けることは最近はなかったのに、食事が終わるまでにすっかり空にしてしまったのだった。

ワインを舐め舐め、前菜3皿目は「カジキマグロの炭火焼き」。皿の一番下には滑らかなごぼうのピュレが敷かれ、その上にこんがりと焼き目をつけた九条葱。柔らかに焼いたカジキマグロの上には甘くジュースたっぷりのトマトのソース。ゴボウは少しも泥くささがなくて、不思議とワインにも似合ったりした。歯を入れるとモロモロと崩れそうなカジキマグロの脂の乗り具合も心地よくて、ぺろりとたいらげる。
前菜3皿の次に、パスタが1皿。捻りの入った面白い形状の「フジッリ」という自家製の麺に、マグロとケッパーを粗めのペースト状にしたソースが絡む。大粒のプリプリしたケッパーがこれでもかとたっぷり入っていて、ちょっと素朴なその見た目の料理は、やっぱりどこか素朴な味がした。

そして、いよいよメインディッシュのアクアパッツァ。
やや小ぶりのアイナメが1尾まるごとこんがりと焼かれ、ドライトマトやケッパー、アサリやオリーブにまみれてやってくる。目の前でさくさくと骨を外し身を取り分け、2人分の皿に盛りつけてくれる。頬の肉もしっかり盛りつけて、煮汁も全部取り分け皿に。だんなと二人「あああ、御飯にかけて食べたい……」と内心思いつつ、フォークとナイフを両手に持ち、パンを囓りつつアクアパッツァのアクアパッツァを堪能した。魚の身はホロホロで、その魚の旨味とか諸々の素材の味が溶けた煮汁がまた魚の鍋料理の煮汁も似ていて良い感じ。手順もなんとなく覚えたし、我が家で作るそれもそれなりに美味しいとは思うけど、毎回お店で食べる度に「やっぱり美味しい〜、全然敵わない〜、なんでぇ〜・」と悶えてしまうのだった。塩はけっこう多くした方が良いみたいだし、オリーブ油も実はたっぷり入っている感じ。「家でも美味しく作りたいなぁ」と、思わず研究しながら食べてしまった。私たちの後ろのテーブルでは、3人組のお嬢さんたちが、金目鯛のアクアパッツァを食べていた。人数が多くなると魚も大きくなって、一層壮観だ。

そして2皿目のメインディッシュは、沖縄島豚のグリルだった。
皮つきの三枚肉が脂身もこんがりと焼かれ、茄子やパプリカのグリルと共に色鮮やかに盛られている。そして緑色鮮やかなイタリアンパセリの味がするソースが添えられていた。脂身はほどよく脂が抜けて表面はカリカリと、でも噛みしめると肉汁と溶けた脂がじゅわ〜っと口中に広がってくる。これまで「盛りつけ少なめかな?」「お腹に余裕、ありそうだね」なんて言いながら食べていたのに、この一皿でいきなり胃袋が充実した。肉の脂を絡めつつ食べる、こんがり焼かれた野菜がまた美味しかった。幸せ幸せ。

そしてメニューから選んだドルチェは
「国産マンゴーのムース ミモザ風 コリアンダーのアイスクリーム添え」。
ふわふわとしたマンゴーのムースに角切りの生の果肉がたっぷりと盛りつけられ、周囲にもマンゴーのソース。ミントの葉を細く細く切ったものが散らされて、ムースに対して皿の対角にはココア味のビスケットを添えたコリアンダーの味のジェラートが盛られている。マンゴーマンゴーしたボリュームもたっぷりのドルチェもしっかり堪能してエスプレッソを飲み、そして2時間ちょっとのお祝い夕食が終わった。

この店には、いつ来ても料理長の日高良実さんがいる。広尾にこの店ができるまでは「一体シェフはどこの店にいるの?」なんて言われていたこともあったらしいけど、今は「ここが自分の居場所」と決めたらしい。今日も厨房でせかせかと動いているのが席から見えていたけれど、帰る時には見送りに出てきてくれた。
「結婚記念日なんですって?おめでとうございます。あ、ここの2階は行ったこと、ありますか?一杯飲んで行きません?」
と一緒にエレベーターに乗り、2階のバーに連れていってもらってしまった。このビル、地階が「アクアパッツァ」で、1階がカジュアルな雰囲気の「アクアヴィーノ」、そして2階のバー「THE PLACE」も同じグループだ。開店前に見に来たことはあったけど、営業中にやってきたのは初めてだった。

薄暗い店内には大きなカウンターがババーンと広がり、真っ白な座りやすそうな椅子が並ぶ。シガーバーとか、趣を変えたソファーセットがいくつも並び、片隅には大型液晶テレビでイタリア戦が放映されていた。客は少なく、静かなバーだ。
テレビの正面のソファー席に落ち着いて、日高さんの奢りでカクテル1杯いただいた。こ、今度は友人連れてちゃんとお金払って飲みに来よう。

「ロングカクテルでちょっと甘めの……あ、オレンジジュースが入っているようなのが嬉しいです」
とリクエストしたらば、「ボヘミアンドリーム」という、初めて耳にする名前のカクテルを作ってくれた。アプリコットのリキュールにオレンジジュース、ジンジャーエールが入っているらしい。
オレンジジュースの入るカクテルと言えば、スクリュードライバーとかテキーラサンライズとか、そのくらいしか口にしたことがなかった。ほんのり甘くて爽やかで、炭酸が入っている分テキーラサンライズより好みだった。今度はショートカクテルでも傾けたいものだ。女友達誘って飲みにこようかな。

そして、11時過ぎに帰宅。スプマンテに白ワインにカクテルまで飲んだ私たちは、すっかり良い気分になっていた。
「ふー、ふふふー♪」
「酔ってないよー♪」
「ぜーんぜん、酔ってないよー♪」
「記念日だー」
「6年目だー」
と酔っぱらい二人、お手て繋いで帰宅した。これからも毎年楽しく祝えるといいねぇ。

6/14 (金)
南瓜のたたき肉あん (夕御飯)
有楽町「レバンテ」のあんぱん
牛乳

昨日、だんなは「昼に銀座に出たから」と、有楽町にある昔ながらのビヤホール「レバンテ」のあんぱんを買ってきてくれた。有楽町の駅のそば、交通会館の向かい側にある、煉瓦の壁の古めかしいお店だ。ホテルオークラの系列会社が運営するお店で、私がかつて会社勤めをしていた時にその会社の担当をしていたのだった。
「あんぱんがね、名物なんです」
「ほんっとーに、美味しいんです」
「木○屋なんてメじゃないです」
と、その会社に行ったときに社員の皆さんに寄ってたかって勧められて、それを契機に「レバンテ」にちょくちょく訪れるようになった。いつのまにか、だんなも良く使っているらしい。ローストビーフのランチなんかがあって、そこらへんも名物らしい。

家族4人、1人1個のあんぱん朝飯。お供はコーヒーでも紅茶でもなく日本茶でもなく、ここは絶対に「牛乳」でなければならない。夏冬に関わらず、それは冷たい牛乳でなければならない。これが私とだんなの共通見解だったりする。
大人の握り拳くらいの大きさのあんぱんは、薄めの皮の中に粒あんがぎっちりと詰まっている。木村屋のそれは、もちもちとした皮はほんのり甘くパンの中に収まるあんこもほどほどで、「パンの中にあんこ」という感じ。対してこちらは、「あんこをくるんだパン」というところ。甘さは控えめだけど、素晴らしき食べ応えがあるのであった。

カレーパン
お好み焼きパン
アイスティー

今日は母も仕事が休み。私がパソコンに向かって仕事をしている背後で床掃除をし、壁を拭き、網戸を拭き窓を拭き、これでもかと掃除をしている。休みの日くらいゆっくりしていれば良いのに、どうもこの母は止まると損だとばかりにいつもせかせか動いている。そして私に「パソコンの前ばっかり座って」と小言を言うのだ。そんな事言われても。私の仕事はパソコンの前にいなきゃできないし、腹筋鍛えながらできるものでもないのだ……。

そして母、今日はカレーパン及びお好み焼きパンという、これまた妙な組み合わせのパンを買ってきた。何か作るのもめんどくさいしね、とそれを両方あっためて半分こして囓ることにする。
お好み焼きパンには、いっちょまえにキャベツが盛られていた。キャベツと、お好み焼き的小麦粉の生地と、肉らしき断片と、あとはかつおぶしと青海苔と紅生姜がパン生地の上に乗っている。味はお好み焼きだけど、食感はパンだ。ちょっと不気味だった。

枝豆
茹でとうもろこし
グリーンサラダ
南瓜のたたき肉あん
母特製 豚汁
羽釜御飯
ビール、麦茶

昨日、私とだんなが夕飯外食している間、母が息子を見ていてくれた。帰ってみると、大きな鍋にたっぷりと豚汁が作られていた。ちょっと嬉しい。大根と人参とごぼうと豚バラ肉、そしてじゃがいもと絹さやが入っている。使った味噌の味のせいか、ちょっとばかり甘い豚汁。

だんなは本日職場の飲み会だそうで、よって、シンプルな夕御飯。南瓜の買い置きがあったので、それをおかずにすることにした。薄切りにした南瓜をレンジでチンして柔らかくし、そこに醤油と味醂と砂糖の味付けで煮た薄切り豚肉にとろみをつけて、ぶっかける。南瓜そのものを甘辛く煮るより、こっちの方が南瓜の味がしっかりと感じられる気がして、私はこれがけっこう好きだ。いつもコテコテに甘辛く南瓜を煮てしまう母に、これを作って食べさせたところ
「……ん、美味しいわね。でも、私はあのポクポクに煮たのが好きだわぁ」
と遠回しに却下されてしまった。……くそぅ。

枝豆に、とうもろこしに、プチトマト満載のサラダ。豚汁だけは冬っぽいけど、あとは真夏な食卓だった。

6/15 (土)
「キムチでやせる」の焼きそば&キムチ (昼御飯)
8枚切りパンのハムエッグホットサンド
アイスミルクティー

6月だというのに、ここ数日は妙に肌寒くて良い感じ。暑がりな私とだんなは「快適だ!」「すばらしい!」と御機嫌だった。そして、今日、8枚切りのパンがたっぷりあったので、ちと厚めかとも思いつつホットサンドにすることにする。

マーガリンをこてこて塗ったパンをホットサンドメーカーにセットし、買い置きの厚切りロースハムを1枚。そしてマヨネーズで和えたゆで卵をてんこ盛り。あとはもう1枚のパンで蓋して、いつもより厚みのあるそれをホットサンドメーカーでぎゅうぎゅうとプレスして焼いていく。本当は、とろけるチーズが入るともっと美味しい。

具たくさんのホットサンドは久しぶりで、感動的に美味しかった。厚みのあるパンでも表面さくさく、中ふわふわで良い感じ。

「キムチでやせる」の
 焼きそば
 キムチ
アイスコーヒー

先日、ネットショップ「キムチでやせる」で「焼きそばセット」をだんなが注文したのだが、その焼きそばが大層気に入ってしまったらしく、だんなはいつのまにか再注文していたのであった。

昨日届いた、麺8玉、キムチ500g、タレやら何やらのセット。段ボール箱を開けた途端に家中がキムチの匂いで充満してしまった。キムチは嫌いじゃないけど、何しろこの匂いが困りものだ。牛乳も卵も肉魚までキムチ臭くなってしまう。で、ジップロックでしっかり二重に封印して、冷蔵庫で保存。さっそく今日の昼御飯にこの焼きそばを食べることにした。ついでにキムチも。

袋に入った1人前の麺は、何だかとても少なく見える。これをたっぷりの熱湯で数分茹でていくと、麺は茶色く深い色になり、太くツヤツヤとたっぷりの量になる。これを肉や野菜と炒めつつ、添付のニンニク風味の甘辛いタレをかけて絡めれば、完成。その麺のシコシコキュッキュ感も良い感じだけど、ちょっと甘さ強めのタレがまた確かに美味しいのであった。私も美味しいなぁ、とは思うけど、だんなに至ってはハート鷲掴み状態のよう。何でも、普段は大きな事は言わないこのお店の担当者が「"今までの焼きそばと同じ味じゃないか"と言われたら代金を返金してもいい」とまで豪語している自信作の焼きそばなのだそうだ。

む〜。確かにクセになりそうかも。ちゅるちゅるちゅる。
しかし、サイトの上に方に「美味しい!」と張られてるカエル女のバナーが、ニシオノユウコさん作のものだったりして、5年前くらいから(私がホームページを作ろう!とインプレス社の雑誌を買ったときにこの方のgifアニメが特集されていて、その時から)密かにファンだった私は思わずのけぞってしまっりなんかして。ああ、カエル女さま……。いつ見てもステキ……。

茹で枝豆
肉野菜炒めのサンチュ巻き
母特製 豚汁
秋田のおばちゃんの、節句ちまき
ビール、杏味缶チューハイ

本日、だんなは友人M井さんたちと飲み会ということで出かけて行った。母と息子と3人で、野菜多めの酒盛り夕食となった。

そして今日、母の郷里の秋田から母宛に"ちまき"がいくつも届けられた。旧暦の5月5日端午の節句はちょうど今頃の時期になる。その祝いにと、その年に芽吹いた笹の葉でちまきを作って食べるのが母の郷里の習わしだ。具は何もはいっていない、餅米を軽くついただけのようなちまきで、それを葉ごと軽く茹でてから砂糖を入れたきなこをまぶして食べるのが基本的スタイル、らしい。母の従姉妹であるそのおばさん宅から、そのちまきは毎年のように届いていた。……けど、届くのが20個単位くらいだったりして、美味しいは美味しいんだけど食べきるのが大変だったりもする。今回も竹の皮にくるまれたそれが20個ほど箱に詰められていた。冷凍したり冷蔵したりと、大騒ぎだ。

で、結局、きなこはつけずに、御飯としてそのちまきを食べちゃうことにする。おかずは、肉野菜炒めのサンチュ巻き。大量買いして余っていた焼き肉用のサンチュに、刻みきゅうりと、肉や野菜を炒めたものを一緒に巻いて食べる。生姜とにんにくを炒め、豚肉と一緒に茄子と玉ねぎ、赤いパプリカをみじん切りにしたやつをザクザクと炒める。塩を強めにきかせつつ、醤油と紹興酒、鶏がらスープで味をつけ、とろみを強めにつけて皿に盛る。ほの甘い醤油味のその肉炒めはサンチュに巻いても美味しいし、最後にはちまきにぶっかけて食べてしまった。

ビールだの、チューハイだの傾けつつ母から聞くのは、「田舎はやっぱり大変よ〜」ということばかりだ。最近は雪が少なくなったとはいえ雪下ろしに毎年十何万円もかかったり、村社会はまだまだ健在で、暇だからと図書館や喫茶店に入り浸っているとすぐに町中の噂になる。ファーストフードのチェーン店もなく、美味しいケーキ屋もイタ飯屋もない。広い庭の一角で野菜を育てていると、カモシカが食べにきたりもするらしい。長い間東京暮らしをしていた母には、やっぱりあっちのは退屈な生活なんだろーなと思う。

6/16 (日)
空心菜のにんにく炒め (夕御飯)
マクドナルドにて
 さっぱりカルビ
 フライドポテト
 マックナゲット
 ジンジャーエール

今日も割合と涼しく、良い感じの気候。
どういうわけだか、私は無性にマクドナルドの「さっぱりカルビ」を食べてみたいと思ってしまう朝だった。8時過ぎに目が覚めた私は、一人のんびりネットサーフィンなどしてみたり。

10時間近になって起きてきただんなに
「さっぱりカルビが食べたいんですが」
と申請してみたところ、
「俺も、どういうわけかマクドナルドに行きたいと思ってたんだよー」
と快諾され、息子は当然
「ポテトとコーラ、たのんでもいい?ポテトとコーラがいいなぁ〜」
と行きたがらないはずもなく、そうして回し始めた洗濯機をほっぽらかして近所のマクドナルドに食べに行った。

期間限定「さっぱりカルビバーガー」と、ポテトとジンジャーエール。ついでに5個入りナゲットも皆でつつく。現在、少しずつ通勤車内で読み進めている(座れるとすぐに寝てしまうので、一向にページが進まない……)『ファストフードが世界を食いつくす』(シュローサーエリック/著 草思社 2001.08)によると、米国における鶏肉消費の第2位がマクドナルドなのだとか(当然1位はケンタッキーフライドチキン)。言うまでもなく牛肉消費は1位。その均一化された味についての言及などを読んでいると、二の腕がぞわぞわしてきてしまう。読んだ瞬間にはジャンクフードはもう食べるまい、なんて思ってしまうんだけど、そして決してマクドナルドのそのバーガーがめちゃめちゃ美味しいと思っているわけじゃないんだけど、でもどうしても1ヶ月に一度くらいは足が向いてしまうんだなぁ。

さっぱりカルビは、確かにさっぱりしていたけど、味もなんだかメリハリなくて「おや?」という感じだった。やっぱり私はダブルチーズバーガー(と月見バーガー)が好き。

冷凍うどんで「釜玉」
麦茶

遅い朝御飯を食べたあと、マーケットで軽くお買物して帰ってきた。時間は午後1時。
窓全開にしてごろごろごろごろしていたのだけど、2時からTBSで「絶品!最強のパスタ!?さぬきうどん」などという1時間半番組を放映していたものだから、ついつい居間で正座して見てしまう。

番組には、「団長」(←『恐るべきさぬきうどん』の著者)は出てくるわ、「さぬきうどん巡礼八十八箇所」の制覇ドキュメントは出てくるわ、東京から和伊中の料理人連れていって新しいうどん料理を生み出させるわ、なかなか盛りだくさんで面白いものだった。何より、あの香川のあのお店がこれでもかと出てくる。
「あの店頭の風景は"がもう"だ!」
「あのカウンターは"田村"だ!」
「あの店頭のあの感じは"谷川"だ!」
と、店とうどんが映る度に「ああ〜、また行きたい〜」「うおぉ〜、旨そう〜」と悶える私と我が夫。近所の店はほとんど知らないくせに、香川各地の美味しいうどん屋の名前はどうしてすぐに出てきてしまうのだろう。

かくして、かの地で最も有名な店のひとつ、「山越」の名物うどん「釜玉」が画面に出てきた時には「辛抱たまらん!」と鍋で湯を沸かしはじめ、冷凍うどんで我が家も「釜玉」作って啜っていたのであった。アホだ。

どんぶりを湯で温めておき、うどんが茹で上がる直前にどんぶりの湯を捨てて卵を1個、割り落としてほぐしておく。茹でたてのうどんを放り込み、上下を返すようにざざっと絡め、あとはだし醤油をチーッとかけて食べる。刻み万能葱と、ついでにすり胡麻なんかもかけちゃったりして。
冷凍うどんの味はやっぱり冷凍うどんの味で、画面に移るうどんのあの味あの香りとはほど遠かったけど、なんとなく臨場感溢れていて美味しく思えたような気もした。

ちなみに、イタリアンのシェフは讃岐うどんをにんにくとアンチョビを入れたオリーブ油で炒め、モッツァレラチーズを添えていたりした。そ、それもまた、なんだかすごく美味しそうかも。(いや、でも、やっぱりあのうどんには魚臭いいりこだし!)

枝豆
肉野菜炒めのサラダ菜包み(昨日の残り)
空心菜のにんにく炒め
雲白肉
じゃがいもと豚肉の味噌汁
羽釜御飯
ビール、麦茶
自家製マンゴプリン

先日、フィリピンマンゴーが4個398円で、「これは良い!」と買ってきた。生クリームとエバミルクも揃え、夕方からマンゴー2個使ってマンゴプリンを作ってみた。いろいろな作り方を見ながら作ったそれは、もうほとんどオリジナルレシピ状態だったけど、ものすごく良い出来だった。

夕飯のおかずは、「さっぱりしたものが食べたいね」と、雲白肉(ウンパイロー)。豚バラ肉(←どこが"さっぱり"なんだかな)を塊のまま茹でて、ゆであがったやつをスライスしてキュウリの薄切りと一緒に皿に盛り、刻み葱がたっぷりの醤油ダレをぶっかけて食べる。XO醤やラー油を入れたタレはほのかにピリ辛で、ビールと御飯の良い友になる。本当は刻み生姜や刻みにんにくもこれでもかと入れたりするけど、母がにんにく嫌いなのでこれはにんにく控えめに。

豚肉を茹でたスープは捨てずに、その豚肉を少量細かく切ったものと、じゃがいものぶつ切りを入れて茹でちゃう。塩を効かせて、味噌をいつもの味噌汁よりもちょっと薄めに溶いてみたりして、「味噌汁」というよりは「味噌スープ」みたいなものに。

そして、中心が空洞になった中国野菜「空心菜」の炒め物。こちらは、3かけ分ほどのにんにくをこれでもかと効かせたものにしちゃう。塩と鶏がらスープで味をつけて炒め、最後にオイスターソースをちらっとかけたりして。だんなが炒めてくれたそれは、香港の粥麺専家で粥のお供に出てくるような、いかにもな味のものだった。

夏は生で食べたり、サッと火を通しただけで食べられる野菜が多くて、けっこうシアワセ。甘いトマトでガスパチョ(←スペインのトマトのスープ)作ったり、冬瓜で中華スープ作ったり、小さな野望がいろいろある。