食欲魔人日記 99年1月 第5週
1/25 (月)
コーンフレーク(グラノーラ) with 牛乳
ふりかけ御飯少々
いさきのアクア・パッツァ
ほうれん草とまいたけの炒め物
チーズと卵のイタリア風スープ
ビール、御飯
苺 with 練乳牛乳

昨日やる予定だったアクア・パッツァが今日になる。あさりとアンチョビとオリーブとケッパーと手作りドライトマトで、何となく本格派の良い感じである。うーん、美味しい。是非これを極めて、「お母さんの料理で好きなものなーに?」などと保育園幼稚園等々で質問された際に「アクア・パッツァ!」と息子に言って貰えるようにしたいところだ。……でもこんな事答えるガキはおそらく嫌われるだろう。

苺、「ボーダー」を見ながら楽しく食す。殺人場面なぞを見ながらスプラッタ苺の浮くミルクを美味しくいただく。……悪趣味?

1/26 (火)
牛肉の甘辛煮
御飯
炒飯
天津丼

先日から「天津丼が食べたいねぇ」と言っていただんなが作成。ちゃんとこの日の為に、以前「お歳暮解体セール」で蟹缶を買ってきていたのであった。ぬかりない。

1/27 (水)
ヨーグルト
ミルクパン
ホットミルク
大根、人参と鶏肉の煮込み
スティックサラダ
とろろ
ビール、蕪の味噌汁、麦飯

野菜の宅配で山芋がやってきたので早速とろろにし、麦御飯を炊いてみた。
うーむ、美味しい。

1/28 (木)
とろろ御飯
プリン
ミルクパン
牛乳
カレーライス
蓮根と鶏肉の蒸しスープ

夕食、「今日は酢豚と、それに合わせて中華風のスープ♪」と思ってスープを作成しているところにだんなからTEL、「今日は遅い」。
がーん……となりつつ、とりあえずスープだけは仕上げ、炊いてあった御飯と、ついでに冷凍庫から以前作ったカレーを取り出して一人もそもそと食べる。冷凍カレー、レトルトと比較すると格段にこっちの方が美味しいけど(私の手作りのやつなのだから当然なのだ、えっへん)、でも冷凍されたじゃがいもの塊というのはどうもいただけなかった。なんかべちゃっとしていて悲しい。今度から冷凍カレーにするときは具を小さめにしておくようにしよう、と誓ったのであった。

1/29 (金)
ヨーグルト
チキンサンド
プリン

今日はだんなが大阪出張にて一日留守である。「夕食、何にすべー。たまにはレトルト的なもの」と思い立ち、昼前に目の前のコンビニに向かう。食べたくてうずうずしていたプリンを購入、昼に食す。

レトルト
551の豚饅

夜は、昼に買ってきた「あ、あれ食べよ」のビーフシチュー&サフランライスをチンして食べる。一度食べてみたかったのだ、これ。
んだが、想像通りというか、想像に反してというか、全然美味しくなかった。シチューもレトルトバリバリの匂いがするし、なんか具もブキミな感じ。御飯もやっぱり超レトルトな匂いで、サトウの御飯の方が1000倍ほどましであった。うー、なんかむなしい。

で、夜11時過ぎて寒いわ胃がむなしいわで悶悶としてしまい、おもむろに冷蔵庫に入っていた濃縮甘酒を開封して温めていたところ、だんな帰宅。大阪土産の 551蓬莱 の豚饅を6個持って帰ってきた。早速食べる。
いやー、これ、大好物なのだ。確か、初めて食べたのは若かりし大学時代。Sちゃんと神戸旅行に行った帰りに買ってきたのであった。
大抵の饅頭は皮はいまいちなのだが、これは皮が(も)美味しい。なんつーか、味がある。具は玉ねぎ、長ねぎ、豚肉といった感じの、あまりてらいの無いものだけど、これもなんつーか味があって良い。付属の黄色い辛子をつけて食べてもなお良い。ああ、書いてきたらまた食べたくなってしまったじゃあないか、じゅる。

1/30 (土)
551の豚饅 1つ
鰯の燻製
牛蒡のポタージュスープ
サーモンのムニエル クリームソース
牛ロース肉のソテー
クレームブリュレと生クリームのアイスクリーム
エスプレッソ
パン
エビスビール
白ワイン Pernand-Vergelesses

本日の昼食は渋谷のLa Rochelle、料理の鉄人坂井某の、あの、ラ・ロシェルだ。
私の母がクレジットカードのポイント集めだかで食事券をゲットし、私を誘ってくれたのだった。料理人がやたらとテレビ画面に出てくるような店が大嫌いである私の評価は、入店前から既にマイナス70点ほどだった(だんなならばマイナス160点ほどなのだろう、きっと)。以前読んだ恨ミシュランでのさんざんな酷評もしっかり脳裏に刻まれていたことだし。

で、店には私と母、息子が入った。予約は2人で入れており、乳児が同行することは伝えていなかった。予約当時は乳児は家に置いてくるつもりだったのだが、その後予定が狂って同行することになったのだ。店に断りの電話が必要かとも思ったが、「きっとバイキングでしょう」という予想があったので、電話を入れるのは止めてしまっていた。

入店後。いきなりタバコの匂いと煙が出迎えてくれた。うう、印象悪い。マイナス70点はマイナス80点になる。
どうやら入り口右側にバーがあり、そこで席を待つ人々が喫煙しているようだ。それにしても入り口まで煙いのはいかがなものか。名前を確認した受付の女性はベビーカーを見て不審な顔をした。目の前であからさまに、テーブル係らしい男性を呼んで相談し始める。「23番卓の○○様ですが……」なんて言っている。もしかして子供禁止の高尚なレストランだったの!?と奥を見ると、確かにピンクのリネンのテーブルクロスがかかったゴージャスなテーブルが並んでいる。バイキングじゃないようだ。バリバリフレンチだ。うーむ、まずかったやもしれん。

そこに年輩のウェイターがやってき、こちらに微笑んで、
「椅子をおよせしますので……大丈夫ですね?(注:←この疑問符が気になるところだ)」
と言って席に案内してくれた。何が「大丈夫」なのか良くわからなかったが「大丈夫です、大丈夫です。」とこちらも言いつつ、席についた。赤子はちょうど熟睡中で、これまでレストランに入っても大騒ぎすることは無かったので、騒音という点では問題無いと思われた。でも、やはり子供がいるというだけでレストランの雰囲気は一気になんちゅーか、ファミリーレストランになってしまうものだろう、やっぱり迷惑だったかな〜と回りを見渡すと、周囲の客はセーターどころかトレーナー着用のオバさん4人組、その横のテーブルはどうやら初めてらしい女性客5人組、「あなたがこっちに座りなさいよ」「いえいえあなたが」「あなたが」とテーブルの脇でわいわいやっている。そしてカップル1組、おじさん3人組、そしてまたオバさん4人組。そんな感じだ。お世辞にもレベルの高い客とは思えない。……なら子供の存在はレストランの雰囲気を大幅に下げるものではないと思うのだが、どうだろう。ここでまたレストランの印象が下がる。マイナス85点。

周囲を見渡すと、4人かけのテーブル席が20ほど。片面が窓になっており、レースのカーテンが柔らかにかかっている。窓際には植木鉢の花、そこここに観賞植物。中央の大きなテーブルに大きな飾り花。んでもって周囲の棚や隙間にはガレ的ランプやら、クリスタルのバカラ的花瓶やら、色々な飾りもの。私の偏見かもしれん、偏見かもしれんが……なんか安っぽい。全体の雰囲気、バランスというか、とってもとっても安っぽい。居心地のよいところとは……ちょっと(かなり)言いにくい(アクア・パッツァなどはめちゃめちゃ居心地良いのだ、特に装飾云々とヘンな力は入ってないのに)。しかもしかも、入り口入ったところのガラスのケースの上には坂井某の著作が並ぶ。これと一緒くたになって、お店の雰囲気が……嗚呼(泣)。さらにマイナス90点。

さて、料理はバイキングではなかった。バイキングをやっているのは隣の系列店で、ここはちゃんとしたコース料理の店なのだそうだ。今日は「招待券を持ってきた方用」のコース料理をご提供、と言っていた。決まっている内容のようだ。これはまぁ、しょうがない。
食前酒代わりのビールをちびちび飲んでいると、前菜である鰯の燻製が来た。鰯の頭が飾られている皿の中央に2切れの燻製。上に人参やレタスなどの千切りが乗せられ、オニオンリングの天ぷらのようなものも乗り、酸味のあるオイルソースがかかっている。見た目、なかなかきれい。半信半疑で口に運ぶと、香ばしくて美味しい。うぬぅ、なんか、悔しい。オニオンリングもパリパリでなかなか良い。ここでマイナス80点になった。小瓶を2つとったビール、少なくなると手早く足してくれる。うぬぅ、ここらへんのサービスは悪くない。かなり悔しい。マイナス75点。

続いてきたのは牛蒡のスープ。薄茶のクリーム色のスープだ。口にする寸前に牛蒡の香り(匂い、ではなく)が良い感じに立ち上り、美味しい。舌触りも滑らかでグー。中に牛蒡を細かい賽の目にして甘辛く煮たものも入っており、これはちょっと下世話な味になっているけど、その甘さが私は好きだった。うぬぅ、下世話なくせに。悔しい。マイナス65点。赤子はずっと爆睡しており、母と楽しく会話する。

ここで、ビールが無くなりワインを頼む。リストを希望すると、すかさず年輩の、どうやらソムリエのような男性がやってくる。リストをかかげて来るも、すぐに手渡してはくれず、「グラス、フルボトル、ハーフとございます」と言ってくる。そんなのワインを注文する側からすれば当然の種類なのだが、どうやらサイズ別にリストが別れているらしい。……なんか、めんどくさい。例えば好きなワインがあるとして、それが用意されているサイズを頼みたい時はどう注文をつければ良いのだ。と思いつつ、「とりあえず、ハーフを」と言うと「ハーフ用のリスト」を目の前に出された。「白で、辛口の方ので、香りが良い手頃な値段の」と注文をつけると、2つのワインを指さされた。シャブリと、Pernand-Vergelessesというやつだ。飲んだことないので後者にしてみた。かなりの辛口ワインだったが、魚には合いそうで、これはなかなか美味しかった。
でも、ワインは自分でリスト見ながらゆったり選ぶのが私は好きだなぁ。助言も有り難いけど、最初から最期までずっとリスト持って側に立っていてくれなくても、いいのに。ここは"客との会話を大切に"と思ってくれてそうしているのだろうか。……ちょっと違わないか?マイナス70点。

次。魚料理で、鮭のムニエル。上には青菜がちらちらと舞っている。青菜はクセの無い味だったので、ルッコラなどではなく、ほうれん草かあるいは小松菜か。どうでも良いが、食材がなんか、安そうなものばかりだ。しょうがないけど。タダだし。ナッツの混じるクリームソースの味は良かった。鮭そのものも脂が乗っていて美味しかったし。ワインをがぶがぶ飲んでいると速やかに足してくれる。うーん、こういうところは、良いのに。マイナス55点。

最後のメイン、肉料理は牛ロース肉のステーキ。マデラ酒のソースがかかっており、クレソンと、ほうれん草入りラザニア肉包み、のようなものが添えられている。肉は薄かった。薄かったからしょうがない。しょうがないけど、焼き加減が、ちょっと熱入りすぎじゃない?という感じだった。不味くないけど……いまいち。
ここで赤子の目が覚めた。入店前から眠っていたので「ここはどこ?俺様は何をしているの?」てな感じでキョロキョロする。ラザニアを口に放り込んでやると美味しそうに食べた。そーか、美味しいか。良かった良かった。マイナス60点。

で、デザート。母はコーヒー、私はエスプレッソを頼み、ほどなくデザートの皿と共にやってきた。モザイク模様のついた煌びやかな皿の真ん中に白いココット皿。中には美味しそうな焦げカラメルの光るクレームブリュレが入っていた。上には真っ白なアイスクリーム。ぬー。美味しい。どちらも私好みのツルツル滑らかとーろとろ、というやつだ。ああ、私はこれに弱いのだ。子供も美味しいらしい。「よこせよこせ」と訴えるので、子供抱えながら自分と子供の口にデザートを放り込む。でもクレームブリュレというやつは特に「好き好き加算値」が加わるので、余程不味くなければ美味しいと思ってしまうのよねー(意地悪)。実際、ニューヨークグリル(パークハイアットホテル)とかアトーレ(ホテル西洋銀座)とか、万惣(銀座松坂屋)とかの方が美味しいと思うし。結局変わらずマイナス60点。

てなとこで店を出たのでした。ふりかえると、つくづく安い食材使っているのが見え見えで悲しい。確かにソースの類やスープは美味しかったので手は抜いていないと分かるのだけど。でもここまで見え見えだと、やっぱり悲しい。
大体、店の客。土曜日の昼間にコース食べる客が、リピーターと思える人はほとんどいなかった。ほとんどが「初めてなんですぅ。坂井鉄人のお店なのね、どきどき♪」という人ばかりのようで、この客層からこの店がどのような店か、というのはわかるようなものじゃあないか。というわけで、マイナス70点の印象で入った店は、結局マイナス60点だったのでした。
でも、「結構美味しかったから、夜に来てみたいわね♪」と母が言っていたので、母のおごりでまた来るかもしれません(爆)
おごりなら来るな、わし……(そしてだんなはきっと来ないのだ)

余談。店を出たところ、入り口にうろうろするオバさんが一人。入り口にある案内パンフを手に持ち、その横の坂井某の著作を手にとり、うろうろ。
「ここが、坂井さんのお店……ふーん、そう、ああ、なるほど……。」
などと言っていた。いきなりこちらを見ると、
「今、お食事されてたの?」
と尋ねてくる。ええ……と返事をすると、
「ええ、今ね、ここがどんなお店かな……ってちょっと見に来たんですの。今、ちょっとお茶だけ……って風に、行きませんわよね」
などとおっしゃってくる。んなの、客である私に言われてもリンダ困っちゃう。
「いやぁ、今ランチタイムみたいですからねぇ。満席だとさっきウェイターの方が言っていたので、無理じゃないでしょうか。」
とお答えしておいた。ついでに、
「とっても、美味しかった、ですよお。」
とも言っておいた。いや、オバさんが、そう言われるのを期待していたみたいだから(←惡魔)。
いやぁ、面白かったです。

さて、このお店。「二度と行かねぇこんな店」に入れたいのはやまやまなのですが、決定打に欠けるので(中途半端に美味しいんだよ、これが……)、保留。いえ、決して「好きな店」など、ましてや「愛するお店」には入らないのは当然なのですが。ええ、私の矜持が許しませんとも。

ダージリンティ
モンブラン

食事後、久々に来た渋谷を母と二人でぶらぶらしつつ、夕飯のお買い物などをする。ついでに母が何を思ったかホールの(と言っても小さなやつだけど)モンブランをクローバーというケーキ屋で購入。持って私の家にくっついてきた。
いつもいつも「痩せろ痩せろ」と煩いくせに、いつもいつもケーキなどを買うのは、何故なの?お母様。娘は不思議でなりませんわ。
……とは口には出さず、うきうきとケーキを切って紅茶を入れるゲンキンな私。久しぶりのクローバーのケーキ(学生時代に住んでた町にあったので、良く買っていたのだよ)は美味しかったです。

モンブラン
きなこボール
コーヒー

友人の結婚式に出ていただんなが帰宅したのが8時過ぎ。私も昼から豪勢なものを食べていたので、だんなのお土産、ミスタードーナツと、母が買ってくれたモンブランで済ませる。夕飯じゃなくて……夜のおやつ、って感じだねぇ、こりゃ。

1/31 (日)
チョコファッション
レーズンロール
コーヒー

昨日だんなが買ってきたミスドのドーナツと、昨日私が買ってきたベノアのパンをコーヒーと共に食べる。ドーナツ、いいなぁ。

たこやき
餃子
豚饅
御飯

羅列すると何だかなぁというかんじだが、遅めの朝御飯を食べた後、歩いて15分ほどのマーケットに家族でお買い物に行き、帰りに喉が乾いてジュース飲みつつマーケット前で売っていたたこやき1パックを分けて食べる。んでもって、帰宅後に、昨日買ってあった「宇都宮の餃子」なる餃子を温めて、更にだんなが買ってきた蓬莱の豚饅の最後の2つも温め、ついでに御飯も炊いて、それらを食べる。そんな状況だったのだった。……と書いても、やっぱり何だかなぁという感じがするのは何故だろう。

酢豚
ナムル
ビール、中華コーンスープ、御飯

先日来、「酢豚、酢豚、酢豚♪」と何故か全面的に酢豚が食べたかったのだが、やっと作れた。
酢豚に絶大な愛のあるわたくしが鍋をふるう。豚肉は2度揚げしてあるし、あんもきっちり計量スプーンで計って入れた。したら、とっても美味しくなった。とりあえずそこらの中華料理店には負けてない感じである。だんなに星3つをいただく。うーむ、確かに、美味しい。