食欲魔人日記 03年06月 第2週
6/9 (月)
エボダイで鯛茶漬け〜♪ (夕御飯)
カマスの一夜干し
ご飯
抹茶入り玄米茶
りんご

困ったことに、私一人が盛大に時差ボケ継続中。
だんなも息子も幸せそうな顔で寝ているのに、今日も私は午前3時半という時間に目覚めてしまい、どうにも寝付けなくてネットサーフィンしたり漫画読んだり。おかげで『20世紀少年』を1巻から最新巻まで読み通してしまった(私は漫画の新巻が出るたびに1巻から読み返したくなってしまう女……)。

魚料理キャンペーン実施中(というか、昨日届いた魚を食べきりましょうキャンペーン)ということで、だんな初出勤の今朝はカマスの一夜干し。昨日届いた魚を昨日のうちに開きにして、塩ふってナンプラー軽くまぶして網に入れ、ベランダで一晩ぷらぷらさせてみた。一晩経つと良い感じにふっくらとした干物に仕上がり、それを朝からこんがり焼いて骨ごとばりばり食べる。

私の母は「旅館の朝御飯みたいなのは大っ嫌い」という人だったので、今朝も
「朝からカマスなんてよく食べるわねぇ〜」
とちょっとばかり呆れ顔をしながらトーストを齧っている。私も子供の頃からの習慣だったので「朝御飯はどちらかというとパンの方が嬉しい」という思いが染みついてしまっているのだけど、ほぼ1年ぶりかの自家製干物は涙ちょちょぎれるほど美味しかった。生の魚をこんがり塩焼きにするのも当然美味しいものだけど、水分が軽く抜けた干物もまた格別だ。ほんの表面1mmほどのところはパサッカリッとした水気の抜けた食感だけど、中はふっくら。適度に塩気のしみたふくふくとした身が美味しくて、私もだんなもご飯を食べるのを忘れそうになってしまいつつ必死に魚をつついた。
……しかし、テレビのCMが見覚えのないものばかりで、なんだかすっかり浦島太郎。

バナナチョコカスタードクレープ

本日は郵便局行ったり銀行行ったり細々と近所での用件を済ませる。お気に入りの本屋が100mほど離れた場所に移転してしまっていたり、たい焼き屋だったところがお粥屋さんになっていたりと、やっぱりそこでも浦島太郎。

割としっかりした朝食を済ませていたので、昼はスーパーマーケット内のフードコートで久しぶりのクレープ。
「ばなな、ばななー。バナナがね、食べたいんだよー」
という息子と一緒に、私もバナナクレープ。息子はバナナチョコ生クリームクレープで、私はバナナチョコカスタードクリームクレープ。生クリームたっぷりの、ぐるりと巻かれたクレープを口の周囲をべたべたにしながら堪能し、そのまま食料品の買い物へ。
「納豆がある、冷凍じゃない納豆がある〜」
「牛乳のパックが一気飲み出来そうなほど可愛らしい〜」
「あぁぁ〜、何もかもが美味しそう……」
と目移りしながらあれもこれもと買ってきた。表皮がトゲトゲしているきゅうりがこれまた美味しそうで。

茹で枝豆
スティックきゅうりwithマヨネーズ
黒鯛の刺身・鰺のたたき(昨夜の残り)
レタスときゅうり、玉ねぎのサラダ
あら汁
鯛茶漬け
ビール、麦茶

だんなの帰りは遅くなりそうだということで、母と私と息子3人の夕御飯。相変わらず「魚消費キャンペーン」は継続中で、昨夜の残りの刺身とたたきを出し、鯛のあらで作ったあら汁に鯛茶漬け。全体的に生臭系の料理ばかりになってしまった。けど気にしない。

あら汁は、大根とにんじん入り。頭や中骨、尾鰭あたりまで全部放り込んで作った。昨夜は食べなかったエボダイは、刺身のようにスライスして、すり胡麻と醤油と少しの砂糖、卵黄入りのタレでざっと和えてからご飯に盛りつけ、焙じ茶を注いで海苔とわさびを上に添える。
自分の家で作る茶漬け(うな茶とか)はおしなべて美味しいものではあるけど、鯛茶も想像以上に美味しかった。鯛に揉みこまれた胡麻や醤油が焙じ茶に溶けて全体がほのかに茶色に染まり、胡麻の香ばしい香りがそこら中に漂ってくる。
ビール片手に枝豆つついてキュウリ齧って刺身を平らげた後の鯛茶はしみじみ美味しかった。
うー、こんなに美味しいのに、だんなはいない。今日帰ってきてからでも明日の朝でも食べられるように残しておくから、早く帰っておいでー。

6/10 (火)
秋田のおばちゃんの、ちまき (夕御飯)
鯛茶漬け
あら汁
麦茶

魚消費謝恩キャンペーン(なんだそりゃ)中につき、一昨日も昨日も今日もお魚三昧。そういえばまだスーパーの魚売り場に「あの曲」(さかなさかなさかなぁ〜♪)は流れているのだろうか。怖くてまだ確認できない。発狂するほどあの歌が苦手なわたくし……。

初出勤だったというのに、昨夜は午後11時過ぎに帰ってきた我が夫。用意していた鯛茶漬けは昨日のうちに食べられることはなく、今朝になってから私と一緒にさらさら食べることになった。冷えご飯に胡麻と醤油で揉みこんだ鯛を乗せ、熱い焙じ茶をだばだばだ〜。しかも一緒に出した汁ものは"あら汁"。どこからも磯臭さから逃れることはできない幸せな献立だ。

鰻のお茶漬け、"うな茶"が大好きな我が家だけれど、鯛茶漬けも素晴らしく心に響いた。本当は新鮮な魚でそんなことするのはもったいない気もするのだけれど、生で食べて美味しいものは火を通しても加工しても美味しかったりするものだから、色々やってみては
「こうして食べてもおいし〜」
「超おいし〜」
とのたうちまわることになる。ああ、魚サイコー。お魚ステキ。肉もいいけど魚あってのお肉よね、とよくわからない事を思いつつ、朝からさらさらとかっこむ。

そして、朝から生臭な私たち。

近所の「杵屋」にて
 ミニカツ丼&ミニうどんセット

今日は息子と一緒にだんなの実家にご挨拶。
「ヘーイ!ハゥワーユー?」
とナチュラルな英語で挨拶する(挨拶しやがる)息子に目を白黒させながらもお義母さんは嬉しそうだった。しばらく話して、
「どこかお昼ご飯一緒に食べに行きましょう♪」
と言われ、目指したのは鰻屋さん。しかし、美味しいと噂されているその店は残念ながら火曜日は定休で、結局息子の「つめたいおうどん食べたいなー」の一言で近所のうどん屋さんになった。

息子にうどんを分けてやるつもりで頼んだものは、ミニカツ丼とミニざるうどんのセット。なんてことない、フツーのうどん屋さんではあったのだけど、鰹風味のだしがかかったうどんや、醤油と味醂風味たっぷりの半熟卵を落としたカツ丼が涙ちょちょぎれるほど美味しかった。

キュウリwithマヨネーズ
枝豆
茹でウィンナー
トビコとイカのわさび醤油和え
ちまき
ビール、缶チューハイ

「不二家」のモンブラン
アイスティー

今日もだんなの帰りはいまいち早くはなさそうで、しかも私はパソコンのセッティングの作業を夕方からし始めてしまい(日本に置いてきたデスクトップのメインマシンが起動しなくなっていて、あれこれした挙げ句再インストール……)、夕飯の準備をすべき時間帯にせっせとCD-ROMを入れ替えて作業している私。

「夕御飯、てきとーでいいんじゃなーい?」
という我が母の言葉にそれもそうねと頷いて夕飯の支度を母に任せてしまった。枝豆、茹でるだけ。キュウリ、刻んでマヨネーズ添えるだけ、ウィンナー、茹でるだけ。ビールのつまみになりそうなものをあれこれ準備して、トビコとイカのわさび醤油和えは私が作った。先日購入したクック&ダインの魚セットにトビウオが入ってきたのだけど、3尾のうちの1尾に卵が入っていたのだ。
「トビウオの子供ってさ……」
「確か"トビコ"ってこれのことだよね」
と、初めて見るトビウオの腹の中から出てきた物体をぷにぷにと触ってみた挙げ句、軽く塩してとっておいてみていた。刻んだイカをトビコを混ぜ合わせ、ちょっと強めにおろしワサビを加えてから醤油で和えて酒の肴に。

そして主食は、秋田に住む親戚が送ってきてくれた、ちまき。もち米を炊いてから笹の葉で三角形にくるんだもので、端午の節句に作られるものらしい。毎年旧暦の節句にあたる時期(ちょうど今頃)になると冷蔵宅急便で秋田からやってくる。笹ごとお湯で茹でて、笹を剥いてから砂糖を混ぜたきなこをかけて食べるのだ。甘いから、主食というよりは"おやつ"のような感じ。
「な、なんか、ビールの肴って感じじゃないよ……もはやデザートのような」
と苦笑いしながら、モチモチしたそのちまきを最後に2個ばかり食べた。

で、9時過ぎに帰ってきた我が夫の手にも甘そうなものが。
「いやー、おゆきさん、ケーキ食べたいなって言ってたから……」
と駅前の不二家で買ってきてくれたショートケーキとモンブランが中には入っていた。
う、嬉しい。すんごく嬉しいけど、なんだか糖分ちょっと多めな夕御飯。

6/11 (水)
トビウオの塩焼き 炒め玉ねぎ乗せ (夕御飯)
クリームパン
ツナマヨパン
牛乳

そういえば菓子パンも懐かしかったのだと、昨日、近所の中では一番美味しいパン屋さんで菓子パン類を買ってきた。チョコパンクリームパンあんパンカレーパン。私の好物のいくつかはアメリカのパン屋さんでも買うことができたけれど、ずらりと並ぶその種類豊富な光景は、やはりとてつもなく懐かしい。ついあれもこれもと買いたくなってしまうところ、1人2個ずつ買ってきた。チョコ入りデニッシュも焼きそばパンも、懐かしいったらない。

「というわけで、まだ干物もあるのですが今朝はパンなのです」
と出勤前のだんなと一緒に家族全員朝御飯。
ねっちり粘度のあるクリームが入るぽてっとしたクリームパンと、クリームパンと同じようなほんのり甘さのある生地の中央にマヨネーズ和えツナが突っ込まれたツナマヨパン。
「そうそう、日本の菓子パンのサイズって、こんなだったんだよなぁ……」
と、アメリカで使っていたものより2回りほども小さなコップに牛乳なみなみ注いで飲みながら、ばくばく食べた。やばい、日本のサイズだと菓子パン2個じゃ満腹にならぬ……。

鰻入り炊き込みご飯
カレーコロッケ・メンチカツ
麦茶
アメリカンチェリー

本日は台所と居間の盛大なる模様替え。前々からやろうと思っていたダイニングテーブルの移動と、それに伴う食器棚等々の位置変更。アメリカで買ってきてしまった巨大フードプロセッサーや鋳鉄鍋の置き場作りのために、台所用の棚を1つ追加することを決意した。我が家に存在する固形物、その少なくとも3割くらいが台所関係という状態は……なんとかしたい。とりあえずベニエミックス20箱はどこに置けば良いのだろう。ううううう。買ったことは後悔していないけど、収納場所はぜーんぜん考慮していなかった。早いところ友達に配ることにしよう……。

一人家具や食器と大格闘している間、仕事が休みの母は息子を連れて遊びに行ってくれていた。昼過ぎて帰ってきたその手には、駅前で買ってきたらしいコロッケとおこわとアメリカンチェリー。食卓の上にまで洗剤だの食器だのが進出しまくっていた惨状を適当に寄せて片づけ、そういえば餅米も久しぶりだったなぁなどと思いながら鰻入りの甘辛味炊き込みご飯を食べる。そうそう、メンチカツも久しく食べていない味だった。うまー。

トビウオの塩焼き 炒め玉ねぎ乗せ
トビコとイカのわさび醤油和え
サラダ
豆腐となめこの味噌汁
羽釜ご飯
ビール・麦茶

そろそろ終盤にさしかかった"魚消費にこにこキャンペーン"。ワタを抜いて頭を落としておいたトビウオがあったので、グリルで塩焼き。似たような味のものが続いていたので、ちょっとだけ工夫しようと上から炒め玉ねぎをかけることにした。香草パン粉はたいて焼いてイタリア風に食べようかとか色々考えたのだけど、今はとにかく素朴な味のいかにも日本的な、醤油とか塩とか味噌とかいう味が懐かしくてしょうがない。玉ねぎは胡麻油でざっと炒めた後、酒と醤油とカレー粉少々を加え絡めて魚の上からかけるという、ケンタロウさんの本でいつか見たものにしてみた。昨夜の残りのトビコとイカのわさび醤油和え、サラダと味噌汁と羽釜ご飯。なんてことのない食卓だけど、ここ数日は毎回毎回「ううう、日本だ、日本の食卓だ」と密かに悦びでぷるぷるしている私。

アメリカで住むようになるまでは、「家で食べてる料理もイタリアンや中華やアジアっぽいのが多いし、和食から離れてもけっこうやっていけるわよ、きっとー」とタカをくくっていたのだけど、やっぱり和食も自分の食生活を構築する上で外せないものだったんだなぁとしみじみ思ってしまう。もう長らく使っていなかった、多分4〜5年は食料庫に入っていたと思われるナメコの缶詰(ちょっと缶を開けるのに勇気が必要だった……問題なく食べられたけど)を使った味噌汁に、「ナメコだよナメコ。なめこなめこなめこ」と妙に幸せを感じてしまったり。

6/12 (木)
蒸しかぼちゃの豚あんかけ (夕御飯)
鰺の一夜干し
なめこと豆腐の味噌汁
ご飯
麦茶

和食な朝御飯。一夜干しにした自家製の鰺の干物と、昨夜の残りの味噌汁とご飯。本当のところ、朝からだしを取って大根の味噌汁とか作る(そいでもって、大根を切る音や味噌汁ができていく香りで家族が目覚める……みたいな)事に少々の憧れとか理想に思う気持ちがあったりするのだけど、朝はできるだけダラダラと寝ていたいのである。朝御飯の準備は手早くできるに越したことはないのである。で、大概は"おかず1品+昨夜の残りもの"という形になっちゃうのだった。

鰺はグリルでこんがり焼いて、骨を取るのがめんどくさくて骨つきのままバリバーリと頭としっぽだけ残して齧っていく。だんなは丹念に背骨を外し、ついでに皮も外しながら食べているのに、その向かいに座る妻は構わずバリバーリバリバーリと食べていくのだった。ああ〜、魚は旨いねぇ。

「モスバーガー」にて
 てりやきチキンバーガー
 オニポテ(オニオンリング&フライドポテト)
 チキンナゲット
 山ぶどうソーダ

掃除したり片づけしたり。今日も仕事が休みの母が、
「お昼ご飯、ハンバーガーでも食べに行く〜?」
と言い出したことで、そうだそうだモスバーガーは懐かしいぞ久しぶりだぞ嬉しいぞ、と親子3世代3人でモスバーガーに向かってみた。
知らないメニューが増えている。夏期恒例のシェイク類も出ている。「煮込みハンバーグセット?なんじゃそりゃ?」とハニワ顔になりつつも、目当てはなんといってもてりやきチキンバーガー。アメリカのハンバーガーはとてもとても美味しかったけど、てりやきチキンバーガーにはお目にかかることがなかった。テラテラした甘辛い味つけの鶏肉に、レタスやマヨネーズ。学生時代からの大好物だ。

てりやきチキンバーガーのオニポテセットと……おかーさんは?焼き肉ライスバーガー?……じゃ、それもオニポテセットで。フランクフルトとナゲットと……
と、調子に乗って注文したところ、お会計が2400円くらいになってしまった。モスバーガーは安くはない店だと知ってはいたけれど、お会計2400円なんて、もはや全然ファーストフードという感じじゃない。でも後悔はしないの。てりやきチキンバーガーが食べたいのよー。

「……うっ……バーガーが小さい……ドリンクもMサイズなのに何だか小さい……」
と内心呟いてしまいつつ、それでも久しぶりのモスバーガーは泣きが入るほど美味しかった。シャキシャキレタス。テラテラ味の鶏肉。口のまわりがベッタベタになりそうな照り焼きだれとマヨネーズ。

蒸しかぼちゃの豚あんかけ
サラダ
鶏肉と豆腐の吸い物
羽釜ご飯
ビール、麦茶

さすがに魚続きだったので肉が恋しくなってきた。帰国後初めてスーパーで買ってきた肉は、"豚ロースの薄切り肉"。薄切りよ薄切り。嬉しいわぁ〜、と地味に感動しながら買ってきた。しばらくは豚薄切りや牛薄切りが美味しくてたまらないに違いない、と自分の欲望に忠実に豚肉を購入。ついでにかぼちゃも買ってきた。

夕食のメインディッシュは、蒸しかぼちゃの豚あんかけ。一口大に切って蒸したかぼちゃの上から、醤油と味醂でさっと炊いた豚薄切り肉に片栗粉でとろみをつけ、ぶっかける。本当は早めにかぼちゃの仕込みをして冷蔵庫で冷たく冷やしたところにアツアツの豚のあんをかけるのが美味しいと思うのだけど、だんなの帰宅1時間前くらいからぶわーっと一気に準備をしたため全体的にアツアツな料理になってしまった。

そういえば、明日は結婚記念日だ。
1998年、1年目の結婚記念日から書き始めたこの日記なので、これで日記は丸5年、結婚生活は丸6年続いたことになる。
「えー?おゆきさん、お昼にモスバーガー行っちゃったの?僕は"モスはおゆきさんと一緒に行こう"って昼に行かないようにしていたのに……」
と、夕食時、捨てられたヤクザのような顔(どんなだ)で私を見上げてきた我が夫。ごめんごめん、週末にでもまた一緒に行こう、と笑う私に、
「あんたたち……もう何年も一緒にいて、よく変わらないで仲良しねぇ」
未知の生物を見るような視線を向ける我が母だった。うーん、私もだんなも相当短気で喧嘩っぱやいのに、何で飽きもせず仲良しなんでしょうねぇ。不思議だわ。

6/13 (金)
結婚記念日なので、ほんのり豪華に鯛の中華風サラダ
目玉焼きトースト
アイスカフェオレ

長かった一週間。今日は金曜日で、そいでもって6回目の結婚記念日。明日外食してささやかにお祝いしようねー、ということになっているので今日は地味に一日を過ごす予定。
朝御飯は、バタートーストと目玉焼き。アメリカで市販されていたものより一回り大きく厚ぼったい日本の食パンは、白色が鮮やかでふわふわとしている。トーストしてから軽くバターを塗り、半熟に焼いた目玉焼きを乗せてから塩胡椒して齧る。日本での食事が一回一回過ぎる度に、「あー、日本だ、やっぱり日本だ」という気分が少しずつ増えてきて、帰国直後に感じた違和感(我が家の天井が低いなー、とか、調理台が低いなー、とか肩まで湯船に浸かると久しぶりすぎて水圧で息切れしそうになるなー、とか)もどんどん消えていく。嬉しいような、つまらんような。

卵御飯
鶏肉と豆腐の吸い物
麦茶

朝御飯に目玉焼きを焼いて気付いたのだけど、
「そうじゃん、生卵、もう心おきなく食べられるんじゃん!」
と、昼御飯間近の時間に冷蔵庫内の卵をしげしげと眺めてみたりする。
「卵御飯……食べるか……」
呟いていたら、息子がそそそそーっと寄ってきて
「うん、おかーさん、卵ごはんなんか、いーんじゃない?」
と嬉しそうに言った。そうだ、息子は私以上に卵御飯が好きだったんだっけ。

じゃあ、卵御飯でいいね、とちょっとたっぷりめに御飯を用意した。幸い昨夜の残りの吸い物もあったので、卵御飯と吸い物で簡単昼食。1人1個の卵を使って、どんぶり一杯くらいずつある御飯を一緒にわしわしと食べた。

茄子と牛肉の生姜煮
鯛の中華風サラダ
わかめと油揚げの味噌汁
羽釜御飯
ビール、麦茶

結婚記念日の夕食だけど、今日は地味飯。
「ま、明日外食しますし」
「明日は派手飯ですからねー」
「今日は地味飯、ということで」
と、渋い色味の和風夕食になった。

メインのおかずは生姜を大量に放り込んだ茄子と牛肉の煮物。味醂や砂糖は少なめにして、醤油メインの味も渋めに煮付けた。サラダは、鯛の切り身を使って中華風に。水菜と鯛、白髪葱を盛りつけて刻みアーモンドを散らす。大根や人参の千切りや揚げた餃子の皮を一緒に盛りつけても美味しいんだよなぁと思いつつ、ちょっと手抜き。胡麻油と醤油、酢や砂糖を混ぜ合わせた甘酸っぱいタレをかけて、全体をざざっと軽く和えてから食べる。味噌汁と御飯も準備して、ここしばらく続いている今日も和風な夕御飯。

牛肉は300gくらい入っているパックを丸々使ったし、茄子も3〜4個入っている。あたりまえの分量であたりまえに作ったはずなのに、ここ数日の自炊で感じていることは、「なんだかおかずの量がえらく少ない」ということ。
「……ま、これまで"ポンド"単位で買い物していたのがグラムになったわけですし」
「野菜の大きさからして違いますしね」
と苦笑いしながらも、ここでおかずの量を増やしてもあまり良いことはなさそうなので「アメリカンサイズになっちまった胃袋を小さくしましょう計画」ということでしばらく我慢しようということになった。でも未だに1リットル牛乳パックの小ささには今ひとつ納得がいかぬ。

6/14 (土)
Cucina Tokionese Cozima(南青山)にて、初体験のイベリコ豚♪ (昼御飯)
コーンマヨパン
アイスカフェオレ

日本に帰ってきて今日でちょうど一週間。まだまだ生活を立ち上げるためにやらなければいけないことは山盛りだけど、今日はぷらぷら出かけることにした。結婚記念日のお祝いの食事もあるし。

昼はこれでもかとお腹を空かせてレストランに行こうねと、昼遅めの予約にしていたにも関わらず、パン1個で軽く済ませた朝御飯。近所のパン屋で買ってきたのはカレーパンとチョコツイストとコーンマヨパンで、各自好みのものを前にアイスカフェオレを傍らに食べる。
温度はさほどでもないはずなのに、湿度が高すぎるのか今日は気持ち悪いほど体がベタベタするイヤな天気。うー、体にカビ生えそう。納豆にでもなりそう。

Tさんのスタジオで
 お手製杏仁豆腐
 アイスティー

昼食の予約は午後1時半。じゃあその前にご挨拶に寄っていこう、と目指したのは料理研究家Tさんのスタジオ。1年ほど前からホームページ作成のお手伝いをしていたりして、渡米中もこまめにメールのやりとりをしていた。何度も何度も何度も焼いていた自家製ピザのレシピも、この先生からいただいたレシピだった。最近色々な雑誌で名前を拝見するようになったのだけど、料理の腕はもちろん、とても可愛らしく面白い人なので、もっともっともっともっとブレイクすればいいのになぁ〜と私は密かに(いや、おおっぴらに)応援している。

だんなも息子も一緒に連れて、「1年ぶりです!」とスタジオにご挨拶。ここしばらく激務が続いていると聞いていたので心配していたのだけど、お元気そうでほっとした。何度かやってきたことがあったスタジオだけど、ここに来るたびに猛烈に我が家の片づけをしたくなる素敵な空間だ。決して広すぎるということはないマンションの一室だけど、整然と整ったキッチン設備に、大きなダイニングテーブル。季節に合ったテーブルクロスの上には、華美すぎない花がすっきりと飾られている。ちょっとご挨拶するだけのはずだったのに、腰を据えてしばらくおしゃべりしてしまった。
「これからお食事なんですよね。お出しするのも逆に悪いかな、と思ったのだけど……」
と、いただいたのは冷たいお茶とお手製の杏仁豆腐。実は、予約時間前に空腹で倒れるかもという程に空腹極まっていたので、とてもとても嬉しかった。

ふんわり柔らかく固められた優しい味の杏仁豆腐は、ほんのりアマレットの香り。バナナと胡桃が飾られていて、ベージュと白と薄黄色の色合いも美しかった。お茶はプーアルとキンモクセイのお茶のブレンド。こういう場に来るたびに、「そうかー、おもてなしとは、こうやってするのか」と色々学んでいるはずなのに、我が家にお客が来ると、なぜか
「あ、お茶そこだから、セルフサービスで」
「今日は串揚げだよー。あ、自分で揚げてね。そこコンロ」
「はいビール」(←缶ごと渡す)
と、なんというか雑駁とかいい加減というか「全然もてなしてないじゃないか」というかな展開になってしまう。うーん。

南青山 「Cucina Tokionese Cozima」にて
 トマトの一口スープ・焼きとうもろこしのピュレ
 本マグロのタルタルと旬の野菜
 ホワイトアスパラの半熟卵添え
 トリッパと豚足のコロッケ サルサ添え
 鰺と青唐辛子のアーリオオーリオスパゲティ
 イベリコ蓋の炭火焼き 豆のサラダ
 マンゴーソルベ
 自家製マンゴーピュレのスプマンテ割り・ガスウォーター
 エスプレッソ

で、昼御飯は南青山にある「Cucina Tokionese Cozima」。ここもまた、私がホームページ担当をしている(というか、このお店のホームページを作っているのがきっかけとなってTさんのお話をいただくことができた)お店。
「聞いてください!アメリカでバケモノみたいなサイズのブルスケッタを食べたんです!」
なんてくだらない話題も含め、渡米中マネージャーさんとあれこれメールのやりとりをしていた。ここ1年くらいでぐんぐん有名になってきたお店で、ここ数週間ばかりはテレビにもちょこちょこ出るようになってお客が倍増してしまっているらしい。数日前に「何時でもいいんですけどー……席も隅っこで全然構わないんですがー……」と予約をしてみたら、なんとか大丈夫だった。
シェフのKさんと我が夫は同い年。「これが美味しい」と思うものがかなり似ているようで、いつ来ても何を食べても、「そうそうこういうのが食べたかったのよー」というものを食べさせてくれる。ここしばらくは、一番のお気に入りのお店だった。今日の料理はおまかせで。

私がマンゴープリン狂いだということはお店の方々にすっかり知られてしまっていて、マンゴーで始まってマンゴーで終わった食事だった。最初に出てきたのはふわんと甘いマンゴーのピュレをスプマンテで割った食前酒、最後に出てきたのはマンゴーの風味濃厚なシャクッとしたソルベ。食前酒の直後、小さな皿に乗せられたきたのは、ほんの一口分の小さなグラスに入ったトマトのスープと、スプーンにひとすくいの焼きとうもろこしのピュレ。

私もだんなも昔はトマトが嫌いだった。今は普通の顔をして食べられるけど、それでも、ハンバーガーに挟まっていたりするのは全然平気でもトマトだけをがぶりと齧るのはけっこう勇気が必要だったりする。トマト特有の青臭い匂いとグジュッとした種の部分が口に広がると、気持ち悪くなることがまだ多い。
でも、このトマトのスープは少しも青臭さや生臭さがない。適度に塩気がついていてほんのり酸っぱくほんのり甘く、トロトロとした濃厚なスープになっていた。トマトの味が口から鼻からもわもわと顔の下半分に漂うのに、少しも気持ち悪くならない美味しすぎて逆に不自然に感じられるほどの美味しさだった。そして、ひたすら野菜の甘さが舌に広がる焼きとうもろこしのピュレ。ほんのり粒が感じられるピュレが、とうもろこしの後味をこれでもかと残して口の中で溶けていく。
「……うー……美味しい〜」
「こういうの、アメリカじゃ食べられなかったです……いや、都市部なら食べられるのかもしれないけど、少なくとも住んでいた町ではこういうのは食べられなかったです……」
と、一口目からプルプル小刻みに震えてしまう。

もう、そこから先はめくるめく美味の世界だった。オリーブ油と塩胡椒でざっと和えたような、ざっくり大きめに刻んだ本マグロのタルタルの上には海ぶどう。周囲には生のもの、軽く火を通したもの、それぞれ下ごしらえをした野菜が並べられている。白い白いアスパラガスの上にはおろしたチーズがたっぷりと、そして半熟に焼いた目玉焼きが乗り、更に次の皿はコロッケ。トリッパと豚足が入れられたほんのりケダモノ臭い小さなコロッケの周囲にはトマトが甘くピリッと辛いサルサが盛られ、上には水菜がたっぷりと。イタリアンのようなそうでないような、そしてやっぱりイタリアンなような、皿ごとの印象がかなり違う料理がどんどん出てくる。今日の席は1階の奥の方。メインダイニングである地階では誕生日パーティーをしている最中のようで、時折拍手の音などがパラパラと聞こえてきていた。夜にゆっくり時間をかけた豪華夕食も素晴らしいけど、昼から美味しいものを皿を重ねてゆっくり食べるのもなんとも幸せ。

「まだパスタが来ないよね」
「……ってことは、ここまでが前菜?」
と目を白黒させ始めた頃、パスタが出てきた。ほぐした鰺の身が入り、青唐辛子が入ったアーリオオーリオスパゲティ。息子は
「あのね、クリームのスパゲティが食べたいなんだよー」
とのことで、息子にはホロホロ鶏が入ったクリームソースのスパゲティ。よほど美味しいとみえたのか、私やだんなが味見させてとフォークを出すのを睨みつけながら、息子はホロホロ鶏のスパゲティを静かに勢いよく平らげはじめた。結局1人前をほとんどぺろりと平らげる。

で、メインディッシュは、念願のイベリコ豚。噂だけは随分聞いていて、先ほど会ったTさんからも
「せりあさん!Cozimaに行ったらイベリコ豚です!絶対絶対召し上がってください!」
と、以前から「こんなふうに美味しくて」「あんな感じに調理したものが出てきて」と色々聞いていた。食べられるかなぁ大丈夫かなぁとずっと思っていたのだけど、めでたくそのイベリコ豚がメインディッシュでやってきた。黒胡椒がピリッと効いた肉の横には豆も添えられたたっぷりの葉野菜。

なんでも、「イベリコ豚」、ここしばらくフランス料理界・イタリア料理界あたりですごいブームになっているとか。イベリコは、スペインのイベリコ半島の地名から来ている名前で、黒毛の豚品種なのであるらしい。以前から生ハムの原料として使われていたそうで、森林の中で放牧されどんぐりなどを食べて育つ豚さんだとか。(詳しくはこのあたりに)
最近、日本にその肉が入ってくるようになって、美味しい美味しいとあちらこちらで珍重されているらしかった。

目の前にやってきたのは、そのイベリコ豚を炭火でグリルしたもの。オリーブ油にハーブなどを加えた特製のソースを塗りながら焼き、最後に軽く燻製したという豚肉は、切り口から肉汁がじわっと持ち上がってキラキラと光っていた。大きく切られた3切れの肉はけっこうボリュームがあったけれど、
「……う、もっと食べたい」
「こ、この肉なら今この段階で450gくらいは食べられそうかも」
と呻いてしまうほど、美味しい。肉質はけっこうずっしりと重く、歯ごたえもある。脂身がぷるぷると柔らかく甘く、全体的に肉汁たっぷり。日本のサシの入った牛肉のステーキを食べてきた後にアメリカのステーキを食べ、「確かに固いけど、でも"味"はアメリカの肉の方が総じて美味しいよね……」と感じた時のような感覚と似ていた。肉そのものの強い味がなんとも心地よくて、しばらく無言で必死に肉を食べてしまった。イベリコイベリコ。ぶあっつく厚切りにしてトンカツにして食べたら最高だろうな、と思ってしまう(でもすんごく高そう……ハムの塊肉が20万円以上するとか……)。

入店が遅かったこともあり、私たちが今日のランチ最後のお客。食後にシェフのKさんともしばらく語り合い(ガンボスープの旨さとか、生牡蠣とカクテルソースの絶妙な相性とか、アメリカでしか見かけないアルフレッドソースについてだとか)、お店を後にした。

一口いなり寿司
R1/Fのローストビーフサラダ、30種の野菜のサラダ
ビール

遅い昼食、レストランを出たのは既に4時になろうという頃で、その後ちらっと新宿でお買い物して帰ってきた。夕食を作るほど空腹感も気力もないし、と新宿タカシマヤの地下で買ってきたのは一口いなり寿司とサラダ2種類。くわーっとビールをがばがば飲みながらローストビーフのサラダや青じそドレッシングの野菜たっぷりサラダを食べる。胡麻が混ぜられた御飯を包んだ一口サイズのいなり寿司も一人数個ずつ食べ、クーラーの効いた我が家の居間でだらだーら。
やっぱり都会はええのー。

6/15 (日)
旨麺(稲毛)にて、揚げニンニク入り叉焼らぁめん (夕御飯)
冷凍牛丼
麦茶

だんなの親友、M井さんからの電話で始まった日曜日。その電話で起きたわけではなかったけれど、8時半頃に目覚めてからひたすらベッドで漫画を読みふけっていたりして、電話の音でやっと布団から抜け出したのだった。
「おはようございます。M井でございます。……息子さんとお話してさしあげてもよくってよ」
まわりくどい表現をしているけれど、生まれた時から見ていた息子の成長ぶりが気になっていたらしい。行く行く言っていて、こちらも来い来い言っていて、結局アメリカに来なかった友人M井さん。お詫びに(?)焼肉を奢ってもらうことになっているのだけど、メールでのやりとりじゃもどかしくなって(いや、寂しくなって)電話をくださったらしい。可愛い人だ。

M井さんと長電話した後は先日ホームセンターで買ってきた大量の荷物が届いてしまったりして、朝からちょっとバタバタ。荷物を片づけている間、だんなが
「朝御飯……どうしよう。ラーメン食べたいなぁ……いや、冷凍庫に吉牛の素がまだ入っていたな……」
と冷凍庫をがさがさやって牛丼の準備をし始めてくれた。アメリカにいる間、あの味に焦がれて焦がれて焦がれた挙げ句に
「ニューヨークか西海岸まで車を走らせてさ、牛丼買ってモーテルで冷凍してクーラーボックスに突っ込んでテネシーまで持って帰る……」
なんてバカ丸出しのことまで考えた事がある懐かしの味、吉野家だ。帰国してから、まだ一度も食べに行っていなかった。だんなの職場まわりにもお店が無いらしく、だんなも帰国後初めての吉牛(でも冷凍ものだけど)ということになる。

私が棚板や土台に使う煉瓦と格闘している間、台所で
「うぉっ、これでは"特盛"になってしまう……」
「うん、並はこんな感じだな……」
と不穏な独り言が聞こえてきた。ちゃんと有田焼っぽいどんぶりを棚から出し、それらしく盛りつけられた牛丼が朝御飯。朝から微妙にヘビィだ。

「ケ、ですね」
「ケ、ですな」
「いただきまーす」
「いただきまーす」
と、牛丼を前に手を合わせる。"ケ"とは、我が家の(というよりだんなの)隠語で吉野家のこと。"家"の字をケと読んで、いつのまにか「ケ」という一言がその店を表す言葉になっちゃったらしい。

賞味期限の事などは全然考えていなかったけれど、昨年の今頃からずーっと冷凍庫に入りっぱなしだったことになる牛丼は、それでも問題なく食べられた。やっぱり吉牛好きなのよ。美味しいのよー。

ポップコーン
アイスティー

今日は義妹が遊びにやってきた。おしゃべりしたり、おみやげ渡してみたり、渡米中の写真を見せたり。遅めの朝食(しかも牛丼)を摂った後だったので昼御飯はいいやねー、などと言っていたのだけど、息子が空腹に耐えきれなくなってきてしまったのでレンジで作るポップコーンを皆でぱくついた。
ポップコーンは止まらない……。

稲毛 「旨麺」にて
 揚げニンニク入り叉焼らぁめん(パイタンベース)
 ミニ排骨飯
 絶品杏仁豆腐
 ビール

朝から言っていたのだけど、今日はとてもラーメンが食べたい気分。しかもとんこつラーメン濃いめのやつが食べたい気分。我が家の近所にはとんこつラーメン専門店はなく、けっこう美味しいラーメン屋さんは日曜休み。
「駅前の"旨麺"(うぃめん)かな」
「まぁ、手軽だしね」
と、夕方家族でぽてぽてと出かけてみた。遠くにあったらわざわざ行かないだろうなという位の味だけど、徒歩で行ける距離にあるラーメン屋と思うとなかなか手頃でなかなか美味しいラーメン屋さんだ。夏の時期は蒸し鶏の冷やし中華などもあるらしい。担々麺や排骨麺があって、こってり味が恋しいときにはちょっと嬉しいお店だった。

ラーメンに150円追加してセットにすると通常価格350円の杏仁豆腐がついてくる。シロップにココナッツミルクの味が漂うツルリとした水っぽい杏仁豆腐は、中華デザートのそれを想像すると「これは違うだろう……」という気がしてしまうけれど、ラーメンの後に食べると妙に美味しい杏仁豆腐だ。ラーメンとセットで食べられるミニ排骨飯もじわっと濃いめの味がついた揚げ豚肉がけっこういける。

私はとんこつスープの叉焼ラーメン、だんなもとんこつスープの排骨麺。それぞれ杏仁豆腐やら餃子やらをセットにして、私はトッピングに揚げニンニクもつけちゃったりして、食卓を食べ物だらけにして麺を啜った。

太めの黄色い縮れ麺に白濁したスープ。厚切り叉焼が5枚に、メンマに長ねぎ、海苔と茹でほうれん草、そしてうじゃっと上から積まれた揚げニンニク。ほのかにケダモノ臭いスープからはこれでもかとニンニクの匂いが漂って、乙女には不向きな匂いと油っこい湯気が周囲に漂っていく。まぁ私は乙女じゃないしねー、とずぞぞぞぞーっと臭いスープに浸った麺を啜る。うー、ラーメンラーメン久しぶり。福岡あたりの、こってりギトギトな、店の換気扇から気持ち悪いほどのケダモノ臭が漂ってくるようなお店のラーメンが懐かしいなぁ。とんこつサイコー。