食欲魔人日記 05年01月 第2週
1月10日 月曜日
えー、パンが全然見えませんが、ハンバーガー……(のつもり……)
がっちょりハンバーガー
カフェオレ
人形町、水天宮のある交差点近くの裏通り沿いに「まつむら」というパン屋さんがある。サンドイッチなどが人気のお店ということで、中に軽食コーナーもついている。いかにも「昔ながら」といった風の店構えで、店のおばちゃんおっちゃんもあったかーい感じ。パンの味も店の感じそのままに素朴な風情で、私はこの店が密かに気に入っている。前にピーナッツクリームを買ってきて、それが美味しかったんだなぁ……と、先日仕事で人形町に行った折に買ってきた。

お気に入りのピーナッツクリームと、一緒に置かれていた「バタークリーム」なるもの。ついでにハンバーガー用のバンズも売られていたので買ってきてみた。ホットドッグ用のパンとかハンバーガー用のパンというのは、パン屋さんじゃあまり見かけることがなくて、大体いつも大手メーカーのをスーパーで買ってきてしまうので、ちょっと得した気分。
「やっぱりハンバーガーでしょー」
「うん、ハンバーガー用のバンズ、滅多に見かけないもんね」
「ひき肉買って……連休中のブランチかな?」
「んだねー」
と、挽き肉やレタス、トマトなんかを買ってきた。で、今朝は起きるなりハンバーグの作成から。

合い挽き肉に、細かく刻んだ(←だんなが漢泣きしながら刻んでくれた……)玉ねぎを混ぜ混ぜ。あとはパン粉少々、塩胡椒と少しのナツメグを加えた、ごくごく普通のハンバーグ。普通じゃないのはその大きさで、パンが割と小ぶりなのに、ババーンと150g級の大きさのハンバーグを作ってしまった。大(だんな用)中(私用)小(息子用)のハンバーグをそれぞれ作って、使ったお肉は500g。がっちょりとしたハンバーガーが食べたかったのよ……。でもちょっと、やりすぎた。ハンバーガーとしての形を保てない物体を作り上げてしまった。

なるべく平べったく成形して焼いたのだけれど、でも分量が分量なのでゴロリとしたハンバーグができあがってしまう。それを温めたバンズに乗せ、輪切り玉ねぎ、輪切りトマト、レタスを用意。それぞれ好みの分量ずつ盛りつけ、思いのままにケチャップにょろにょろ絞ってから残りの半分のバンズで蓋。丸く焼いた目玉焼きも添えたら、やたらと豪華なハンバーガーになった。……これで、パンの大きさが倍くらいだったらバランス取れたんだけど……「肉とパンの塔」のようになっちゃって、皆で大笑い。

焼きたてハンバーグと美味しいパンと野菜の組み合わせで美味しくないわけがないのだけれど、自家製ハンバーガーはそりゃもうめちゃめちゃ美味しかった。
「こりゃ、かぶりつくのにも無理がある大きさだね……」
「ぼくはねぇ、ぼくのはねぇ、大丈夫だよ。ハンバーガーになるよ」
「うん、君のハンバーグは小さめにしたからねぇ」
「……あ、私もなんとかいけそう」
「おゆきさんのもねぇ、俺のより小さめだからねぇ」
明らかに無理なのはだんなのハンバーガーで、結局、全体をバラしつつ、なんとなくパンと肉と野菜を一緒に口に押し込むような形でだんなはハンバーガーを堪能していた。何事も、適度な大きさというのがあるものだということを学んだ朝食だった。やりすぎは、よくない。

日清「ジャパゲッティ」
コロッケ
りんごジュース
前回行ったジムは年末の押し迫った時期だった。そろそろ今年も始動しなきゃと、休日プログラムのボディパンプ60分コースに参加することにした。我が家最寄りのジムは、休日にはたいてい特別プログラムが組まれていて、わざわざそれに参加するような人はだいたいが「濃いめの人たち」。私もやっぱい"濃い人"なのかしら……と思いつつ、いつもの週末より明らかに参加人数が多いスタジオで、つい見栄を張っていつもよりきつめの負荷で運動してきてしまった。もう、明日明後日あたりは筋肉痛確定だ。

自分の備忘録がてらに記しておくと(再来年あたりに見返して、「うわーこんなに頑張ってたのか」と思うか、あるいは「うわーこんなにぬるい運動してたのか」と思うか……)、今日の負荷は
「中小/大小/中2/大小/中小(中)/中小/中2/中(中)」。
ランジでそのままの体勢でパタリと真横に倒れそうになったり、腹筋運動で横になったまま永遠に床とお友だちになりそうになったりしながら、なんとか完走。スーパーでだんなや息子と待ち合わせ、買い物する頃にはブランチだったはずのハンバーガーはすっかりどこかへ消えていってしまっていた。もうお腹ペコペコー。

「なんか、簡単にスパゲティみたいなのとか。冷凍食品のチャーハンみたいなの炒めるのでもいいやー」
もう、「何か喰わせろ、今すぐ喰わせろ」みたいな状態になっちゃってて、目を血走らせながらスーパーを徘徊。
「ややや、変なスパゲティ発見!」
「なんだこりゃなんだこりゃ」
「怪しいから買ってみよう!」

見つけたのは、日清の「ジャパゲッティ」なるもの。日本チックなスパゲッティなる意味なのだそうで、「アルデンテなにそれ状態」の麺がウリなのだとか。棚にはミートソース味しかなかったけれど、どうやら「ナポリタン」とか「ハヤシ」とか「たらこ」とか「名古屋式あんかけ味」(!)なんてものがあるらしい。それだけじゃ物足りないかなぁと、揚げ物コーナーで好みの揚げ物を1人1個買ってきた。私はポテトコロッケ、だんなはハムカツ、息子は蟹クリームコロッケ。それをチンして、怪しいパスタに添えつついただいた。

「スパ王」の麺みたいな、黄色いクタッとした縮れた麺に、「ミートソースって言うけど、どこにミートが!」という真っ赤なトマト味のソース。甘ったるいソースが、喫茶店で出てくるミートソースみたいな味で、妙に美味しかった。日本風スパゲティってことだけれど、案外アメリカ人もこれ喜ぶんじゃないかな、みたいな……(アメリカ人はクッタクタに茹でたスパゲティがお好き……)。「日本風」言うから、給食のソフト麺みたいなものをちょっとだけ期待していたのだけれど、それとはちょっと違ってた。ソフト麺もまた食べたいなぁ……。

昨夜の残りの ほうれん草のナムルとか、肉炒めとか
スティックきゅうり with にんにく味噌・マヨネーズ
だんな特製 麻婆豆腐 なす入り
だんな特製 豚汁
羽釜御飯
ビール(手作りボック)・麦茶
我が家には、ここ1年ほどに
「その日ジムに行ってお疲れの伴侶、及び翌日等に筋肉痛に苦しむ伴侶は労りましょう」
という不文律ができあがった。洗濯物が山になってて「手伝って欲しいなー」と思っても、筋肉痛を昼寝で癒す伴侶を温かく見守り、「……ダメ、だるくて夕飯作れない……」となれば、動ける側が適当に動く。食事の支度もできないほどに運動するなら、その運動を軽めにしておけば良いのだと思うのだけれど、なかなかそうもいかない私とだんなだった(両者共に負けず嫌い)。

で、案の定、私は午後にヘロヘロに。スーパーに寄った折、
「……君は"またぁ〜?"って言うかもしれないけど、夕飯、麻婆豆腐はどう?」
「またぁ?……って、いや、最近食べてないよね。うん、いいよー麻婆豆腐。茄子入れようよ。麻婆茄子じゃなくて、茄子入りの麻婆豆腐」
「おっけーおっけー」
「……あ……豚汁なんかも食べたい……けど、今日の私は作れないから、今日はダメだ……やめとこう……」
「ん?いいよー、俺が作るよー」
なんて会話の後、麻婆豆腐(と茄子)の材料と豚汁の材料を買って帰ってきた。

だんなは麻婆豆腐が大好きなのに、「麻婆豆腐にしよう!」と言うたびに私が「またぁ〜?」と言うものだから、小さなトラウマになってしまったらしい。「またぁ〜?」って言ってたのは、確かアメリカに住んでいた時期で、その頃は"豆腐と挽き肉は割と簡単に買えて、手軽に作れるアジアな味のもの"という存在だったものだから、やたらと麻婆豆腐を作って食べていたのだった。別に麻婆豆腐は嫌いじゃないし、だんなが作ってくれる汁っぽくて肉っぽい麻婆豆腐の味は大好きだし、2週間に1度必ず出てくるとかじゃなかったら「またぁ〜?」とは思わないのよ。ほんとよ。

午後はちょっとだけ仕事して、だんながコントローラーを握るMETAL GEAR SOLID 3をアドバイスしがてら観戦し、その後はこたつに下半身突っ込んだまま沈没。気がつけば、豚汁が煮えて、麻婆豆腐の下ごしらえができていて、風呂も沸いていた。当然、米はちゃんと釜にセットされて水も入れられている。ありがたーくお風呂に入って、だんなが作った御飯を美味しくいただいた。全部だんなにやらせるのはあんまりだわと私も少し動いたのだけれど、皿少し出して、きゅうり刻んでマヨネーズ絞って味噌出しただけ……。

いつも少し塩味が強めなだんなの料理だけれど、今日はとっても優しい味。適度に味噌っぽく適度に醤油っぽく、辛さの少ない優しい味の麻婆豆腐には程良く油を吸った炒め茄子がざくざく入っていた。豆腐もたっぷりお肉もたっぷり。そのままビールを供にかっくらうのも良いけれど、御飯に乗せるのがとても似合う麻婆豆腐だ。豚汁も絶妙の煮え具合だった。

「あはは、なんにもしてないのに、食卓につくと豚汁が出てくるこの喜びったらないよね」
と、ありがたーくあれこれたっぷりいただいた。朝も昼もしっかり食べたのに、夜にもたまらなくお腹が空いちゃうんだからスポーツジムっておそろしい……(ボディパンプみたいな筋力トレーニングは、エアロビクス的なものより"運動後に続く脂肪燃焼"の時間が長いんだそうだけど、でもこんなにお腹が空くとねぇ……食べちゃうのよねぇ……←ダメじゃん……)。

1月11日 火曜日
厚揚げこんがり焼いて、肉あんかけてみました
バンズにバタークリームとピーナッツクリームをつけて
薄皮あんぱん
薄皮チョコパン(半分)
牛乳
連休明け、だんなは元気に早起きしてジムに向かっていった。最近、火曜の朝はボディパンプ60分コースとボディコンバット30分コースをハシゴしているらしい。「プログラムをハシゴする」という事実だけで胃液が逆流しそうなのに、そんな運動を朝7時過ぎからやってるというんだから、我が町のジムのインストラクターじゃなくても
「……よくやりますねぇ……」
と思ってしまう(↑と本当に言われたそうで)。私は本日、全身筋肉痛。鍛えるべき部位の筋肉がきっちり痛くなってるってことは、多分私のフォームはおおむね間違ってないってことで、だからけっこう嬉しかったりする。腕がだるくてキーボード打ってられないというのは困ったことだけれど。

だんなは豚汁と御飯を食べていったみたいだけれど、私と息子は残りもののパンを分け合って。まんじゅうサイズのあんぱんは1人1個、チョコパンは1個しかないので半分こ。1個だけ残っていたハンバーガー用のバンズは、トーストしてから半分こして、先日買ってきたバタークリームとピーナッツクリームつけて食べることに。食卓に牛乳だして、今日は息子の今年初登園日。

「これ、このクリームはなぁに?生クリーム?」
「ううん、バタークリームって言うんだってさー」
「そっかー」
"バタークリーム"なんてものを買ったのはこれが初めてで、人形町のパン屋さんで売られていたその白いクリームに私も息子も興味津々。ためしにと、パンにちょこっと塗って食べてみた。

バタークリームは、まんま笑っちゃうほどそのまんまなバタークリームで、昔々に食べたクリスマスケーキみたいな味がした。今時珍しいくらいの、コッテコテのバタークリーム。安っぽい味のカステラに似合いそうな、しっかり甘いクリームだった。……少なくとも、パンに塗って食べる味じゃないかなー、みたいな……。

ピーナッツクリームも、どこか植物性油脂の味がするのだけれど、これがまた案外と美味しくて、残ったバンズにコテコテ塗って食べる。さー、今日から幼稚園だー。

「ほっかほっか亭」の
 チキン竜田弁当
麦茶
今日は初日ということで、幼稚園は午前のみ。迎えの時に園室に父母が集合し、園長先生のありがたくもくだらない話を聞いた後に解散。園長先生の話とクラスの先生の話で30分ほどかかり、園を出た時には12時を軽く過ぎていて私も息子もお腹ぺこぺこ。

「……おべんと買ってかえろうか?」
「ぐーかっぷがいいなー」
「……ああ、そうだね、グーカップ」
息子のリクエストで、昼御飯は「ほっかほっか亭」。ほんのりお安めの丼飯「グーカップ」が息子はお気に入りで、メニューを眺めて
「これがいいかなー?こっちかなー?」
と悩みながら、「タコライス」を選択。私は、「チキン南蛮定食、もうないのかなー」と思いながらメニューを眺め、残念ながらその文字を見つけられなかったので「チキン竜田弁当」を。温かい弁当抱え、ダッシュで帰ってダッシュで食べた。

タコライスにはちゃんとチェダーっぽい黄色いチーズがかかってて、それが息子にはツボだったらしい。私が手伝うことなく、ぺろりと1人前を平らげた。私はおろし醤油ソースつきの鶏から揚げをバリバリと。茹でただけの"素スパゲッティ"と、ポテトサラダと刻みキャベツ、お新香なんかがついてきている。やっと息子が幼稚園に行ってくれたー!と午前中もりもり仕事していたので、こんなお弁当が最高に美味しかった。すっかり満足して、午後はだらだらー。

厚揚げの肉きのこあんかけ
レタスの湯引きピリ辛
鶏肉とブロッコリーのタルタルサラダ
缶詰(牛肉の大和煮・オイル漬けわかさぎ・オイル漬けししゃも)
2日目の豚汁
羽釜御飯
日本酒(黒帯純米五年熟成)
「封を切ったばかりの旨い間に日本酒飲んじゃいません?ついては片口に酒入れて冷やしておくように」
とだんなから連絡が。その時点での今晩の献立は、「にんにく風味の豚生姜焼きと刻みキャベツ」あるいは「肉じゃが」を予定していたのだけれど、それで予定変更。日本酒の冷やには何が合うかなぁとあれこれ考え、厚揚げに醤油味のあんをかけることにした。

厚揚げは魚焼き用のグリルでこんがり焼いて、一口サイズにカット。中華鍋に刻みにんにくと刻み生姜を熱し、細かく切った豚薄切り肉を炒め、そこに残りものの舞茸も投入。水と醤油を加えてひと煮立ちさせ、片栗粉でとろみをつけ、最後に刻んだ万能葱をざっと混ぜたら厚揚げの上からかける。多分、ビールより日本酒に合うおかずができたかなー、と。

あとは冷蔵庫の中身と相談して何品か。ちょっと古くなっていたレタスは塩とサラダ油をちょっと加えた湯でざっと火を通し、引き上げてから揚げにんにくを散らして「叙々苑」の醤油味ドレッシングをだばだばと。胡麻油やラー油で手作りのタレを作っても美味しかったのだけれど、ちょっと時間的余裕がなかったのでドレッシングを使ってしまった。

そして、お総菜屋さんの「海老とブロッコリーのタルタルサラダ」をちょっと真似して、鶏肉とブロッコリーといんげんを使ったタルタルサラダ。材料を茹で、崩したゆで卵と共にマヨネーズで和えるだけ。塩を適当に加えて、あまりマヨネーズマヨネーズした感じにしない方が私は好み。

……なんか、野菜がメインのいまいち物足りない食卓になっちゃったので、
「焼き鳥か何か買ってきてー」
と帰宅途中のだんなにお願いしていたのだけれど、だんなうっかり忘れて帰宅。
「うーん、牛肉あるから炒めようか?」
「うーんうーん」
夫婦してしばし頭を抱え、
「そういえば、"もしものときに"用の食べ物、いろいろあったじゃん!今まさに、もしものとき!」
ってんで、牛大和煮の缶詰出してみたり、オイル漬けのわかさぎやししゃも(オイルサーディンのわかさぎ版とししゃも版)を出してみたり。優しい味の日本酒をくっぴくっぴと飲みながら、品数多めの夕飯をたっぷり楽しんだ。

やっぱり厚揚げと日本酒は似合うわぁ、レタスにも似合うわぁ、このオイル魚がまたなんともー、なんて箸を進めながら2合分ほどのお酒を空けたら、すっかり酔っぱらい。
「えへへ……ぜんぜん……ぜんぜん……酔ってるにゃ〜……」
とか言いながらそれでも食後の食器を片づけようとしていたら、包丁にスラッと手の指を滑らせてしまった。
「わ!切れた、切れたよ」
「わぁ!あったりまえじゃん、おゆきさん。んなことやってたら切るって」
「み、みず、みず」
「だめだめ濡らしちゃ。乾かすようにしなきゃ。ほら、まずオロナイン塗って」
「け、けっこう痛いよ」
「はいはい、ほら、バンドエイド巻くよ」
わたわたしている間に、指にはバンドエイドが巻かれ、その後の中華鍋洗いなんかはだんなが交代してくれた。
これからは、酔っぱらってないときに包丁は片づけるようにしよう。

1月12日 水曜日
あんきも!(←はまってるらしい……)
おもち
 磯部巻き
 きなこ餅
抹茶入り玄米茶
今日から息子はお弁当持参。だんなもここしばらく、何かにつけて
「俺の弁当は?弁当、作って欲しいなー」
と言い続けていたので、今朝は早起きして親子3人分の弁当を作成。だんなが昨日のうちに、朝6時過ぎにストーブが点くように設定していてくれたので、起きたら部屋はほんのり暖かかった。……でも、台所はさむーい……。

久しぶりのお弁当は馴染み深い優しい味のものをと、親子丼。昨夜のうちに作っておいたおかず数品を詰め終わる頃には、午前7時を回るところだった。今日の朝御飯は餅にしましょー♪と、餅5枚をコンロにセット。弱火にかけておいて、だんなと息子を起こしに行った。
「あっさでっすよー。起きてくださーい」
「……はーい……」
「……」
「息子さんもー、起きてくださーい」
「……はぁーい……」

「餅焼いてまーす。醤油ですか?きなこですか?あんこですか?」
「俺、2個とも醤油……」
「ぼくー、きなこー」
「あいよー」
それぞれの希望を聞いて、だんなには磯辺巻きを2個、息子にはきなこ餅を1個、私は磯辺ときなこを1個ずつ。年末にたんまりもらったお餅も、だんだん残り少なくなってきた。このままじゃ、一度もあんころ餅やってないのに餅がなくなってしまいそう。あんころ餅(こしあんや粒あんで和えるだけ)もいいけど、自分家で煮て作るお汁粉も最高。……うんざりするほどの砂糖が入るから、なかなか思い立って作れないのだけれど、自分で作るサラサラッとした小豆の粒がそのまま残るお汁粉は美味しいんだなぁ……(そのうち作ろう……)。

おうちで弁当
 親子丼
 鶏肉とブロッコリーのタルタルサラダ
 白菜とにんじんの塩揉み
麦茶
親子3人分の弁当を作るときは、弁当箱の大きさは変われど、内容はほぼ一緒。息子の分はおかずのエリアを少し少なめにして、プチトマトやイチゴやリンゴを詰めてあげたりするくらい。今日の献立は「親子丼」で、御飯が冷たくなっちゃうこの時期にも、汁の染みた御飯はそれなりに美味しく食べられるんじゃないかなー、という思いで作ってみた。

添え物は、昨夜のサラダと、白菜を塩揉みした一夜漬けもどき。昨夜作ったサラダは、茹でた鶏肉とブロッコリーといんげんをゆで卵とマヨネーズで和えたものなので、親子丼の材料とかぶりまくることこの上ない。なーんにも考えずに昨日作り、なーんにも考えずに「明日のお弁当にも入れちゃおう♪」と取り分けておいて、今朝そのタッパーを開いて「……げっ、材料どころか色合いまでなんか似てるじゃん!」と愕然としている私。いかんなぁ。

三つ葉たっぷりの、モザイク模様みたいな親子丼に、やっぱりモザイク模様のようなブロッコリーサラダ。白菜の単色じゃちとつまらないなとにんじんも一緒に一夜漬けにして混ぜてしまったら、全体的に色合いがガチャガチャした外見のお弁当になってしまった。一ヶ月近く弁当作りから遠ざかっていたから、いまいち勘が戻っていないらしい。「色」が全てじゃないけれど、弁当にはいつもの食事以上に「色」を考える必要があるので、毎回色々と勉強になる。毎回似たような色の弁当なんだよなぁ、なんて家族に思われたら悲しいし、かといってあまりに奇をてらったものも食欲沸かなくなりそうだし。

今回、色のセンスはいまいちな弁当だったけれど、味はまぁまぁ。しっかりめに味をつけた親子丼とマヨネーズ味のサラダ、シンプルな塩味の野菜はなかなか良い組み合わせだった。こってりめに味をつけた豚肉料理にじゃがいもを添えるとか、焼き肉のタレで炒めた牛肉にほうれん草のお浸し添えるとか、見た目もステキで味もステキな組み合わせを、自分でもどんどん見つけて行きたいものだと思う(←そういうところ、『ドーンと元気弁当』ケンタロウ/著 文化出版局 1998.05 はとても参考になる弁当本♪しかもどれもガツンとしていて美味しそう〜)。

まぐろいくら丼
あんきもポン酢♪
水菜のおひたし
3日目の豚汁
日本酒(黒帯純米五年熟成)
麦茶
だんな、今週は帰りが遅いらしい。仕事が……というのもあるけれど、週末にお呼ばれされてる同僚の結婚式で寸劇をすることになり、その練習をしなきゃならないのだとか。なんでも女装するらしい……。

「……そのイクラを食べちゃわなきゃだよね……マグロでも買って帰るか……」
年末にアメ横で買った2パックのイクラがまだ残っていて、それをなんとかしなきゃなぁとずっと思っていた。かなりきつめの塩がされていたイクラだったので(それはイクラというより、塩漬けスジコをほぐしただけ、みたいな……)、まだ悪くはなっていない様子。それでもさすがに食べなきゃいかんと、まぐろの切り身とたたきがセットになったパックを1つ買ってきた。同じ売り場にあった「あん肝」にもフラフラと引き寄せられてしまい、220円ほどだった小さなパックも1つ。
「んもう、しょうがないなぁ〜、あん肝なんか買っちゃったら、日本酒飲むしかないじゃなーい」
とか言いながら、今日は一人で飲んだくれてしまった。日本酒一人でくっぴくっぴ飲るなんて、多分これが初めてだ。

あん肝、本気で下ごしらえすると数日かかったり、そうでなくても数時間かかったりするらしいのだけれど、私は非常に適当に。夕方に買ってきたあん肝は、夕食の時間まで酒に塩を加えた中に浸しておく。水気をざっと切ったら、今日は蒸し器で5分。レシピによっては「1〜2時間蒸して脂を落とせ」とあったり「生で食べちゃえ!」とあったり色々なのだけれど、私は「ぎりっぎり生っぽさがある」くらいが多分好みなので、前回の15分から大幅に短縮してみた。あとは刻み葱ふってポン酢かけるだけ〜。1塊のあん肝、全部小鉢に盛りつけたらあまりにも下品な外見になっちゃったので(ああいうのはちょびっと盛りつけるから上品なのだなと悟る)、改めて小さめの青い片口出して盛ってみる。……うん、やはり3切れくらいに抑えておかなければ、なんかこう「いかにも内臓」という感じ。写真撮った後、その小鉢の中身を日本酒片手にぺろりと食べ、小鉢を抱えるように全部食べちゃった。狙い通り、「ほのかに生」なあん肝に仕上がっていたので、これでお腹下したら自己責任ということで……。

で、あとはまぐろいくら丼。酢飯にはせず、炊きたての御飯に揉み海苔を散らし、まぐろといくらをトッピング。刻み葱を散らしたら、醤油をピャーッと回しかけ、すっかりいい具合に煮詰まった豚汁の残りを脇に添えた。

「わぁ!おいしそう!」
息子もおおいに喜んで、ちょっと多めに盛りつけた御飯をまぐろと一緒に綺麗に平らげてくれた。めでたくいくらも無くなった。私もゆっくり酒とあん肝を堪能してから、ちょっと軽めにさらさらっとまぐろいくら丼を平らげた。

息子は今日も良い子にお浸しも味噌汁もちゃんと食べたし、私はお酒でポッポポッポしちゃって水分と甘いものが恋しいしで、これからお風呂はいったら「雪見大福」食べるのよ。ふふふ。

1月13日 木曜日
ターツァイの造形美。美しいなぁ……。
カヤトースト
カフェオレ
昨日に引き続き、今日も元気にお弁当作り。でも、私は今日出かけてしまうから、私の分の弁当は必要ないんだなー……と、今日は2人分。茄子とパプリカと牛肉を甜麪醤と醤油で炒め合わせたものがメインのおかず、そして、茹でた水菜を巻き込んだ卵焼きと塩揉みきゅうりがサブおかず。詰めた白い御飯にはパラッとふりかけをかけ、隅っこにいぶりがっこを2切れ3切れ。今日も和風寄りなお弁当になった。

だからなんとなくパンが恋しくて、朝御飯はカヤトースト。卵っぽい黄色みがかったペーストはココナッツの香りがする、シンガポールの名物「カヤジャム」を薄切りパンのトーストにこてこてと塗り、塩気のあるバターを厚めにこそいで、もう1枚のパンで挟む。「Ya Kun Kaya Toast」という店のオリジナルカヤジャム、小さな瓶が2つセットになってきたものを買ってきてあるのだけれど、1瓶目がこれであっさりと空に。2枚のパンでそのジャムを使い切り、もう2枚のパンはラッフルズホテルで買ってきたカヤジャムを挟んでみた。2種類のジャムは、色も粘度も似た感じで、味もさほど違わない……気がした。よく見たら賞味期限をあっさり過ぎていたけど、気にしない〜。

ほのかに、ぽわぽわとココナッツが香る甘いペーストは、でも口当たりのねっとり感と裏腹に、案外とあっさり。バターの塩気がものすごくよく似合うので、使うバターは無塩じゃなくて加塩のもの(要するに普通のもの)に限る。油っこいペーストじゃないので、バターの油がこれまた良く似合う。4枚のパンで作ったカヤトースト("カヤサンド"って感じだけど、一応名前はカヤトースト)はそれぞれ3等分して、家族で分け合って食べた。
……あ、せっかくコーヒー淹れたのに、コンデンスミルク入れて飲むのを忘れたわ……(シンガポールのコーヒーは練乳だばだば入れて飲むのよ)。

人形町 「浜町藪そば」にてゴチランチ
 せいろ
 はなまきそば
このたび、某レストランのオーナー氏が経営している某医院のホームページを作ることになって昨年末から何度か打ち合わせをしていたのだけれど、今日は一応「形になったよ」の報告と、それに伴う新アドレスでのメール送受信の設定を行なうためにその医院へ。副業に(いや、それとも本業なのか)にレストランを経営して成功させちゃう人だからそりゃもうすごい切れ者なんだけれど、仕事は基本的に「おまかせ」で任せてくれる、私としては嬉しいお客様。好みの波長が合っているのも幸いしているのだと思う。

「えー……こういう医院のホームページっていうと、よくあるのが"ウサギさん""クマさん"の世界なんですが……」
「あ、やめましょ。そういうのは」
「……ですよね。ではそっちは排除の方向で」
「メールアドレスもね、公開しません。メールフォームもいらない。めんどくさいですから」
「おっけーでーす」
そんな感じで、少々大人向けのページができた。ちょっととっつき難い印象になったけれど、それもまぁあの方っぽいかなと。

患者さんのいない昼休み時間の医院内を写真撮影させてもらって、さぁそれじゃ帰りましょうかと腰を浮かせたら
「そば。食べません?そば」
お誘いいただいた。そば!いただきまーす!と、以前にもご一緒させてもらったことのある「藪そば」に。
「2つ、ですからね」
「はい、2つ、ですね」
せいろ1つとか汁もの1つじゃ物足りないですよということで、「2つ」頼むのが基本なのだそうだ。先生はせいろと鴨せいろ、私はせいろと、汁そばの「はなまき」なるものを。

「あの、事務室に新しい写真が増えていたみたいなんですが。室内で、大きな魚を抱えてらした写真、あれは何の魚ですか?」
「ああ、あれ、鯛ですよ。真鯛」
「鯛!?大きくないですか?体調1mくらいあった感じですが……」
「うん、前にね、いーっぱい採れたから、一番おっきいので記念撮影したの。棺桶みたいなクーラーボックス2つも持っていったのに、入りきれないほど釣れてねぇ……」
釣りの話をすると途端に嬉しそうな顔になるオーナー。事務室にはでっかいマグロやカジキマグロの釣果との記念撮影がいくつも並んでいる。……確か、レストランを作ったのも、「この釣った魚、もったいないから誰かに食べさせた〜い」から始まったんじゃなかったかな。

ダイナミックな釣りの話を聞きつつ、優しい味のせいろを啜り、続いて焼き海苔とわさびがトッピングされた汁そば、「はなまき」を。江戸らしい、しっかりとした味の汁が寒い日には特に美味しく感じられた。

五目かた焼きそば
ターツァイのにんにく塩炒め
ビール(よなよな)
そろそろここ1週間ほど続いていた仕事の山の片づいてきた……と思いたかったのだけれど、家に帰ればまた留守番電話とかファックスとかが入っていて、あれこれ追われるうちにすぐに夕方に。幸い、今日の夕飯はわりあいとちゃちゃっと出来る内容のものが予定されていたので、材料だけ切って準備してから仕事に戻った。

今日のメニューは、かた焼きそば。11月頃に中華街に行ったときに買ってきた「かた焼きそば」用の揚げ麺、賞味期限が2005年3月ということで「ま、いつでも食べられるしー」と買ってきたのだけれど、さすがにそろそろ食べなきゃなと。

「というわけで、君が帰ってこられるようなら、今日の夜はかた焼きそば〜」
「うん、今日は帰れるよ……多分。シーフードミックスあるよね?」
「ありまーす」
「豚肉も……」
「ありまーす」
「あとは、白菜かキャベツ……」
「それも両方ありまーす」
「じゃあ、俺が作ってやろう」

そんな会話が交わされ、だんなが作ってくれることになった。何しろ、「なんとなく適当な味の中華炒め」を作らせると、私よりだんなの方があきらかに上手い。八宝菜とかあんかけ焼きそばとか、あんかけ丼みたいな味の「なんとなくそれっぽい中華味」がそりゃもう見事にそれっぽい味になるのだ(スープとかオイスターソースとか使うらしいんだ……)。

具は冷凍シーフードミックス(海老とイカと貝類)を解凍したものと、豚肉、うずらの卵(缶詰のやつ)、冷凍"中華野菜"(くわいとかさやえんどう、にんじん、きくらげなんかがパックに詰められている)、刻みキャベツ。刻んだり解凍したりして準備しておいて、そして私は「ターツァイ」をバラしにかかった。

通年売られているけれど、冬になると恋しさが一層増す中国野菜「ターツァイ」。冬と夏ではその育ち方が違っていて、夏は上に向かって青梗菜のようにシャキシャキと伸びていくけれど、冬には地べたに貼り付くようにペターッと平たく育っていく。冬の葉は深緑の葉の色が一層濃くなって、茎も固く、そして甘くなる。この冬のターツァイをにんにく炒めにするのが、大好き。八百屋さんでは、いかにもがさばる感じにごわごわっと積まれて売られているけれど、その同心円状に詰まった葉の美しさに、見かけるとついふらふらと買ってきてしまうのだった。なんでも、大きいものは1.5kgほどの大きさになっちゃうとか。火を通してもあまりクシャッとならない野菜なので、1.5kgもあった日には食べきるのに何日かかかってしまいそうだ。

味は、青梗菜とほうれん草を足して2で割ったみたいな感じ。甘さがあって濃厚な色をしているので「ちぢみほうれん草」に似ているところもある。少しばかりアクのある野菜だけれど、その強い味がいかにも栄養ありそう!って風で、それもまたお気に入り。実際、カルシウムやビタミンも豊富らしい。

「そういうわけで、ターツァイも炒めて食べよう〜」
と葉をざくざく切ってざくざく洗って水に放してパリッとさせておいたら、だんながそれも炒めてくれた。にんにくと唐辛子でシンプルな塩炒め。香りづけにババッと酒をふり、少し水気が残る状態のを器に盛りつける。平行してあんかけ焼きそばも完成し、中華な感じの夕御飯をいただいた。

うずらの卵は1人2個。手でバリバリと軽く崩しつつ盛りつけたパリパリ麺に具沢山のあんをたっぷりかけて、麺をやわやわとさせながら平らげた。適度に汁気を含んだ麺も、パリパリバリバリなところも、どっちも好き好き〜。

1月14日 金曜日
白子軍艦、食べてきました。ちょっとお高い皿でした。
「田村」のうどん あつあつ
「明日はお弁当なくていいですかー?」
「いいですよー。だったらジム行くし」
なんて、昨日の夜の段階でそんな話になっていたのだけれど、
「……やっぱ、明日のジムはやめとこうかな」
のだんなの一言で、じゃあ弁当も作りましょうかという事に。なんにも下ごしらえしていなかったので、今朝起きてからバタバタっと作ってしまった。こういうときは、「ボリュームたっぷりご飯もの」がやっぱり便利。使ってしまわなきゃいけない鶏肉と卵をなんとかしようと、今日はオムライス弁当にした。

朝御飯は、あったかいうどん。「田村」のうどんを湯がく程度に茹で(大体が生麺(←12分くらい茹でなきゃいけない)で届くのだけれど、今回は茹で麺(←ほんの数分、湯がくだけ)だった)、添付のつゆを薄めて丼に満たし、トッピングは刻み葱だけの"すうどん"。当然ながらお店で食べるものとは味も風味も異なっているのだけれど、でもあの店独特のイリコくさ〜いだしの味をなんとか再現しようという心意気が感じられて、美味しくいただいた。

おうちで弁当
 オムライス
 蒸し人参・蒸しブロッコリー with マヨネーズ
アイスティー
今日は11時半からのプログラムに参加すべく、ジムに行く予定。11時10分には遅くとも家を出たいということで、そして帰宅時間は多分1時過ぎ。一体いつ昼御飯を食べれば良いんだろう……と悩んだ挙げ句、「そりゃ、運動の後の弁当が美味しいでしょう!」という結論に。ジムバッグにあれこれ詰めて、水着も装着して、その上からジーパン履いてTシャツ着て……と準備万端整えて「さー、あと5分で家を出ましょう」というところに仕事の電話がかかってきた。すぐ終わるかなという内容だったのでそのままお話していたら、ついでにあの話もこの話もと話が広がり、受話器を置けたのが15分後。もう絶対プログラムに間に合わない時間になっていた……しょぼん……。

一度着た水着を、濡れてもいないのにまた脱ぐというのは何とも空しい感触で、一度着用した以上やっぱり洗うべきか、それともどうせ明日明後日には着ることになるだろうからこのまま「ジム袋置き場」に置いておこうかと考えることすら、空しい。結局、この悔しさをバネにしようと(?) 、ジム袋置き場にポヘッとその水着を置いておいた。くそぅ。

かくして、タモさんの顔見ながら、一般的時間帯にめでたくお昼御飯。冷蔵庫から巨大なハインツのケチャップボトルを取り出してきて、ニューッと盛大にかけつついただいた。王道っぽくハートマークに絞ってみたり。調子に乗って「LOVE」とか絞ろうとして、非常にいかがわしい外見になてきたのでやめた。

作ってすぐに食べるオムライスなら、卵はできるだけ半熟に……としなきゃいけないのだけれど、お弁当オムライスは、チキンライスを薄焼き卵でくるむような感じで。鶏肉と刻み玉ねぎとピーマン、ミックスベジタブルに塩しながら炒め、御飯加えて更に炒めて、最後にどっさりケチャップ加えつつ炒め合わせる。できあがったチキンライスを好みの分量弁当箱に詰め、それをまな板の上に敷いた薄焼き卵の上に美しくひっくり返し、卵でくるんで成形しながら再び弁当箱に戻す……なんて事をして、「一面黄色」なオムライス弁当を私は作っている。あまり余裕がなくて、隅っこには、レンジでチンして柔らかくしたにんじん(塩ふった)とブロッコリー(すみっこにマヨネーズ絞った)を添えただけ。

私的には激しく手抜きだったのだけれど(プチトマトとコールスローサラダと一口サイズのコロッケなんかを添えたかった気分)、だんなと息子はすっごく喜んでくれたらしい。息子は、幼稚園の先生に「みてみてー、今日のおべんとう!」とその喜びを伝えに走って知らせに行ったのだそうだ。

「あとねあとね、カツ丼も好きなんだよ。でーっかいお肉とねぇ、卵がのったごはんなんだよ。おかあさん、知ってる?」
帰り道、自転車乗りながら息子が話しかけてきた。カツ丼はねぇ、お母さんも大好きなんだよ。何しろ「カツ丼は別腹」って格言があるほど、美味しいものとされているんだよ。知ってるもなにも、何度か作ってあげたじゃーん!……とツッコミ入れつつ、寒風吹きすさぶ中、帰宅。

千葉 「銚子丸」にて
 季節の5カン盛り
 穴子の柳川風
 ほたるいか軍艦
 うずらねぎとろ
 穴子
 白子軍艦
 中とろあぶり
 ビール・お茶
午後は息子の今年初のピアノ教室。一応ぼちぼちと練習していたのだけれど、ついに両手で別々のものを弾くという事態になった(と言っても、"カエルの歌"的簡単なメロディーの曲に、左手をドーソードーと合わせるくらいのものだけど)ので、各生徒はもう、かなり泣きが入っている。中には、「子供はそんなにピアノも歌も好きじゃないのに、お母さんが必死で連れてきている」みたいな子供もいて、毎週小さな母子バトルが繰り広げられていたりして。

「はぁ〜……おなか、すいたね」
「ね、おなかすいたね。おかあさん」
「何食べる?今日、お父さん遅いって言ってたし、君が好きなもの作るよ。ただし、最近食べたばっかだからクリームのスパゲティとマッケンチーズは無しの方向で」
「……クリームのスパゲティはダメなの?」
「うん、ダメなの」
「……マッケンチーズもダメなのね?」
「うん、それもダメなの」
「そっかー……」
ピアノが終わって午後5時前、そんな話をしながら千葉駅前をぷらぷら。数秒後に目を輝かせた息子、パアァァァと明るい笑顔になって、
「そうだ!おかあさん!スシ!」
と高らかに宣言した。

「……すし?」
「うん!スシ!おすし屋さんはね、ここまっすぐ行ってね、あそこにあるんだよ」
「……うん、場所は知ってるけどさ……」
「ぼくは、おすしが好きなー」
「うん、お母さんも好きなー……」
「じゃあ、おすしね。おすし」
スシスシ言われると、私も行きたくなっちゃうんである。私もスシ好きだし。

結局、息子に誘われるままにお気に入りの開店寿司屋「銚子丸」に行ってしまった。

でもさ、君、銚子丸行ってもいつも玉子とイクラと、あとせいぜいマグロくらいしか食べないじゃない……と言ったら、今日は果敢にあれこれつまんでいた息子。玉子とツナサラダをもぐもぐと平らげ、目の前を通り過ぎる茶蕎麦に「それ!たべるぅ!」と手を伸ばし、初体験だろう「かんぴょう巻き」を、「なんかね、これ、おいしそうだね」と手にしていた。

私は、ビール一本貰ってしまって、一人晩酌していーい気分になりながら(最近飲んだくれてるなぁ……)、まずは季節の5カン盛り。ブリとマグロとイクラとぼたん海老とシマアジが1つずつ盛られて、金皿(525円)金額。手軽に色々楽しめるので、最初はこれを頼むことが多い最近。ぺろぺろっとそれをいただいてから、小鍋でやってくる「穴子の柳川風」を注文し、それからもホタルイカ頼んだり、白子軍艦頼んだりと、何だか酒飲みな品ばかりを食べてしまった。コリプリッとしたホタルイカも、つやつやプルリとした白子も、どちらも思った以上に良い感じ。ただ、今日の穴子はイマイチで、小骨がやけにザクザク口に刺さってきた。シマアジも、なんだかザリザリ……。そこらへんは、客単価2万円とかのお寿司屋さんじゃなくて回転寿司なので、同じ魚でもその時々で味が違うのはどうしようもないのかなと。黒板に書かれた「今日のおすすめ」の魚はたいがい美味しいものが揃っているので、いつもこのあたりから注文して食べている。ホタルイカも白子も美味しかったぁ。

「はぁ〜、食べた、食べたねぇ」
「ぼくもねぇ、おなかぽんぽんになっちゃったんだよ」
「"おかあさんがお寿司屋さんに連れてってくれたよ"って、日記に書いてよー。お金ないけど連れてってくれました、って書いてよー」
半ば酔っぱらいながらそんな事言いながら店を出る。

「おかあさん、お金ないの?」
「ないのよー……。今は、いーっぱいお仕事してるから、来月はちょっとお金増えそうだけどね」
「今、お金がないのは、ドラクエいっぱいやってたから?」
「……う、うぐぅっ」
息子は時々、心臓に突き刺さる事を言ってくれる(ええ、そうです、その通りよ……)。

1月15日 土曜日
久しぶりに、家餃子!
「神戸屋」の
 チョコデニッシュ
 ハムカマンベールパイ
カフェオレ
昨日、夕方にだんなから電話があって何かと思えば
「今、神戸屋の前通ってるんだけど、朝ごパン、いるかなー?」
ということで。わーいわーいおまかせします、何か買ってきてくださいまし、とお願いしていたのだった。銀座の晴海通り沿いにお店があった頃は通りすがりにちょこちょこ買い物することもあったのだけれど、いつのまにかそのお店もなくなってしまい(テナントとして入っていたビルが老朽化のため改築するそうで……)、だからなんとなくご無沙汰だった神戸屋。「神戸屋スペシャル」という名前の食パンがふんわか甘くて、トーストにするよりそのまま白くふわふわのところをかぶりつきたくなっちゃう美味しさだ。私の母は「あそこの食パン、甘すぎるのよね」なんて言ってたけど、私はその甘さも好きなんだなぁ。

……と、神戸屋スペシャルに思いを馳せていたら、だんなはちゃんとそれを1.5斤買ってきてくれた。あとは1人1個のチョコデニッシュ、だんな用にミートパイ、私用にハムカマンベールパイ。今日はだんな、同僚の結婚式にお出かけということでほんのり早起きだ。

「……ふーん、ちょうどお昼御飯の時間帯に披露宴なんだ」
「うん、だから帰りは多分夕方?」
なんて言いながら、オーブンであっためたパイと、ほんのり塩気を感じるデニッシュ生地のチョコデニッシュをもぐもぐと。「神戸屋スペシャル」もそうだけど、この店のデニッシュ類もいかにも「バターたっぷり使ってます」的な味がして、どっしりとお腹に溜まる。あっためてとろけたチーズがハムと絡むパイ囓ってコーヒー飲んで、
「……で、だんなはこれを朝御飯に食べて、昼にフルコースのフレンチを食べるわけだ……」
と、だんなをお見送り。なんでもローストビーフとか食べてきたらしいですよ、奥さん。

ナチョス
りんごジュース
「牛乳買いに行かなきゃ……でも、寒いし、雨だし……」
と、今日は息子と2人、家の中でごろごろごろ。これでいっそ雪になってくれれば少しはわくわくするものを、ってくらいの今日の寒さに家の中もしんしんと冷えてくる。でもでも、牛乳買いに行かなきゃいけないんだけどなぁ……と思っていたら、明治乳業の宅配勧誘のおっちゃんがやってきた。サンプルで3種類くらい、瓶入りドリンクを各家庭に配ってるらしい。
「……サンプルは嬉しいけど、でも我が家、きっと取りませんよー。いつも近所で2パック300円の牛乳買ってるから……それ並に安かったら考えるけど」
「……そりゃ無理だ、奥さん」
「でしょー?」
なんて話をしつつ、でもサンプル品の牛乳とかプルーンドリンクとか飲むヨーグルトとかもらっちゃった。でもきっと宅配は頼まない。ごめんよおっちゃん。

朝御飯にけっこう胃に溜まるパンを食べちゃったので、昼御飯はかなり遅めに午後2時近くなってから。パリパリしたものをつまみたくて、思案しながら台所をうろうろし、「ナチョス」を見つけた。よしよしこれだ!と瓶入りタコス用サルサを引っ張り出し、とろけるチーズも準備し、オーブンのスイッチを入れる。

トルティーヤチップ(ハードタイプのタコスの皮をバリバリ砕いたようなもの)に、トマト(生だったりソースだったり)かけてチーズかけて、あとは輪切りのオリーブとか輪切りのハラペーニョなんかも散らしてオーブンで焼いたものが「ナチョス」。サワークリームが添えられて出てきたりする。トルティーヤチップと言えば、そのまんまサルサをつけて食べるものだと以前は思っていたのだけれど、アメリカンな感じのステーキ屋さんとか、コテコテな風情のダイナーなんかでこの「ナチョス」を食べてすっかりハマッてしまった。ビールに良く似合う超簡易版ピザ、みたいな感じ。カリカリサクサクしたトルティーヤの歯触りととろけるチーズの口当たりが快感で、ビールやコーラが止まらなくなっちゃう美味しさだ。

「……というわけで、久しぶりに作ってみましたー」
テーブルに出したら、息子に絶賛された。私はテレビゲームやりながら、右手の指先だけでチップをつまんでポリポリ。いつのまにかもう4周目をやっている METAL GEAR SOLID 3 は、ついに「Extreme モード」なる最高難易度のモードに挑戦中。1匹しかいなかったはずの軍用犬が3匹も出てきたり、敵兵がやけに賢くなっていたりと、何だか大変なことになっている中、私の操るたどたどしいキャラクターがたどたどしく敵地に乗り込んで任務を果たそうとしている。あはは、さっそく敵に見つかって銃撃戦になってるよ……リセットリセット。

ナチョスは、「夕飯にビール片手につまむもの」というイメージがあったのだけれど、昼にまたーりつまむのも悪くないわ。

自家製焼き餃子・水餃子・スープ餃子
だんな特製 炒飯
ビール(手作りボック)

バームクーヘン・結婚式のお引き菓子ちょこちょこ
アイスティー

今朝、パンを食べながら
「今日の夕飯……どうしようかねぇ……」
「久しぶりに餃子でもしようか。冷凍のは食べてるけど、皮買ってきて作る餃子、ご無沙汰だし」
「……いいねぇ〜」
「あ!はい!ぼく!いい考えがあります!」
「はい、なんでしょう息子さん」
「ちゃーはんがいいと思います!」
なんて会話を。

チャーハン……チャーハンはいいねぇ、餃子と炒飯の組み合わせはステキだよね、ということで、夕飯は餃子。最近すっかり水餃子の美味しさに目覚めてしまったので、水餃子もどっさり作ることにした。披露宴帰りのだんなに白菜や肉を買ってきてもらって、夕方せっせと餃子作り。我が家の餃子は『文琳の中華・点心』(河田吉功 大海社 1997年 )に載っていた焼き餃子のレシピが基本になっているのだけれど、かつては「白菜を一度茹でて、それをフードプロセッサーにかけて細かくしてから布にくるんでぎゅうぎゅう絞る」というやり方だったのが、ここ数年は「白菜を生のままフードプロセッサーにかけ、それに塩をしてから布にくるんでぎゅうぎゅう絞る」というやり方に変わった。どちらのやり方でも、生の野菜を加えるよりは水分が少なからず抜けるので、変にバシャバシャしていないもっちりとした餃子ができあがる……気がする。

今日は、64個の餃子を作成。最初に20個茹でて、30個ちょっと焼いて(もとい、だんなに焼いてもらって)、ビール飲み飲みつつき始めたのだけれど、息子がえらい勢いで水餃子を食べていく。今日は「水餃子」と「スープ餃子」の両方を楽しめるようにと、醤油ベースのスープを用意して(もとい、だんなが用意してくれた……)、茹で餃子を適当に温めたスープに放り込みつついただいた。調味料なしの、湯で茹でただけの水餃子にポン酢や柚子胡椒をつけて食べるのも最高だけれど、このスープに入れた餃子がめちゃめちゃ美味しくて、気がつけば息子は3個、4個、5個とひたすら水餃子をスープに突っ込んでもくもくと食べている。

餃子を軽く食べたところで、これまただんなが作ってくれた炒飯。焼き豚と卵と長ねぎを入れたシンプルな炒飯で、我が家の炒飯の隠し味に使われているのが「天津冬菜」。中華料理の得意な(というかプロの)友人が教えてくれた、白菜のお漬物。これを最初に油でざっと炒めて、炒飯の具の一部にするとなんとなーくプロっぽい味になる……気がする。でも、近所の中華定食屋さん「太閤園」の炒飯は、そんなもの少しも入ってなさそうなんだけど、めっちゃめちゃ旨いんだなぁ。蟹が入ってるわけでもなし、なんてことない風の焼き豚と卵と葱、そしてナルト(!)が入っている炒飯なのだけれど、さすがのだんなもなかなかその域までは到達できないらしい。
「要はね……油の量?これだってね、かなーり入ってるんだよ、でもあの店のあのツヤにはならないでしょ。あれはね、絶対お玉1杯以上の油が入っている!」
だそうで。

今日は全体的に炭水化物と蛋白質と脂質の夕御飯。サラダ作ろうと思っていたのに、たっぷりの餃子を前に舞い上がっちゃって、サラダ作れませんでした。(ダメじゃん……)

食後は、だんなが出席してきた披露宴のお引き菓子。新婦のお母様が焼いたのだというバナナのケーキと、1切れ入っていたウェディングケーキは洋酒漬けフルーツいっぱいの濃厚なもの。そして「アンリ・シャルパンティエ」のバームクーヘン。それぞれ1口サイズに切り分けてアイスティーと一緒にいただいた。

1月16日 日曜日
あんまり寒いので、豚味噌鍋にしました
「神戸屋」の神戸屋スペシャルのトースト
カップスープ(コンソメ)
カフェオレ
「あー……今日も雨ー、しかも昨日より強く冷たい……」
朝起きて、今日も引き続き雨の空模様にちょっとがっかり。雪が降ってもおかしくないほど気温も低く、ジムに行く気がモリモリ失せていく。もう今日のジムはいいやー……(←ダメだなぁ私)。

朝御飯は、金曜日にだんなが買ってきてくれた「神戸屋スペシャル」。卵とミルクとバターがしこたま入っているような、ほのかに甘いデニッシュ食パンを軽くトーストして、バターこてこて塗って食べた。これでもかと厚切りにして焼いたパンはモチモチとした歯ごたえで、しっかりと食べ応えがある。日本の食パンはモチモチした歯ごたえで、それは米を愛する日本人が編み出したパンの食感なのだ……なんて話をどこかで読んだことがあるのだけれど、確かに他の国で食べる食パンはもっとパサパサしていたかなという気もする。……デンマークの食パンは、デニッシュ食パンだったりするのかしら。

「CoCo壱番屋」のチーズカレー・うずら卵フライトッピング
麦茶
冷たい雨に負けず、だんなはスポーツジムに出かけて行った。
「お買い物行きたくないんでしょ?じゃあジムの帰りに寄ってくるから……夕飯の材料と、あとは牛乳と……あとは弁当の材料?」
さんざん動いた後に、重い買い物袋を両手にぶら下げて帰ってきてくれた。1つの袋には、ココイチのカレーが!ばんざーい。

運動後でお疲れのだんなは「とんかつカレー」という、分厚いとんかつが別添になったカレーを。私はお気に入りのチーズカレーにうずら卵フライのトッピング。息子は辛くないお子様カレー。
「うずらの卵、1個くれる?」
「なら、とんかつもくれる?」
「もちろんー」
と、仲良く具を交換こ。今日もやっぱりルーと御飯がたっぷりで、そしてお腹一杯になった。辛さが選べるこの店のカレーだけれど、私は「普通」で充分辛い……。

息子のカレーにはウィンナーやミニハンバーグと共に一口ゼリーやお菓子(ビスコかキャラメルかの選択で、今日はキャラメル)がついてきている。食後にあれこれ片づけしていたら、息子が
「はい、おとーさんと、おかーさんにもキャラメル〜」
とキャラメルをお裾分けしてくれた。一人っ子の私は、こういうときに「誰かに自分の分のお菓子を分けてあげる」なんてことがものすごく難しい事だったのに、息子は自ら進んでお裾分けしてくれる。優しい子に育ったなぁ……(私の息子とは思えないなぁ……)。

豚味噌鍋(豚バラ肉・白菜・長ねぎ・うどん)
ビール(よなよな)・麦茶
あまりの寒さに、今日の夕御飯は我が家の冬の定番「豚味噌鍋」。冬のはじまりに、だんなが練って練って練って作ってくれた味噌も、今回これで全部使い切ってしまった。仙台味噌がベースだけれど、酒粕や練り胡麻や生姜やにんにく、酒や醤油で練り上げる味噌で作る鍋は、体がぽかぽか温まって冬には最高の御馳走になる。

この鍋料理、結婚して多分最初の冬に、当時出るたびに買っていた河出書房の料理ムック本「王様のキッチン」シリーズの「鍋料理」特集に掲載されていたものだった。
「これ!この鍋旨そう!絶対旨そう!」
と吠えて、だんなが作ってくれたのが最初。以来気に入ってしまって、秋も終わりに近づくとうきうきと美味しい酒粕を入手せんと活動し始める我が家だ。

この河出書房の「王様のキッチン」シリーズ、めちゃめちゃ楽しくて毎号がいちいちツボだったのに2年くらいで発行が止まってしまってすごく残念。ひたすら餃子ばかり載ってた号とかひたすらシチューの写真が並ぶ号とかあって、ほんとに楽しかった。96年〜98年頃に発売されていた本らしい。この頃は『dancyu』も毎号買って読んでいたのだけれど、いつのまにかタイアップ記事みたいなものがじゃんじゃん増えちゃって、『dancyu』の購読も「たまーに気になる特集だけ」という買い方しかできなくなってしまった。……最近、うきうきするような雑誌って少なくなったなぁと、思ってしまう。

ともあれ今晩は豚味噌鍋。最初に数十分、練り味噌を溶いた湯で白菜をごとごと煮込んで芯の部分をやわらか〜くしてから、食卓のカセットコンロに移動。今日はしゃぶしゃぶ用の豚バラ肉を使って、肉も白菜もおおいにたっぷり楽しんだ。息子は途中で投入してやった1玉分のうどんを全部1人で平らげて御満悦。根菜入れても美味しいし、きのこ入れても美味しいし、かまぼことか鶏肉入れて「鍋焼きうどん」仕立てにしても美味しいのだけれど、でも、我が家ではついつい白菜と豚バラ肉のストイックな組み合わせを毎回選択してしまう。今度風邪ひいたら、小さな土鍋に1人分うどん作って食べることにしよう。安く買った1人用の土鍋が人数分揃っているのに、「それ、ネットオークションに売りに出した方が……」というほどに出番がなかなかやってこない。いつか、このミニ土鍋で煮込みうどん。風邪ひいてなくても煮込みうどん。