食欲魔人日記 07年04月 第2週
4月9日 月曜日
桜海老軍艦!春だなぁと思う。
イングリッシュマフィンサンド (卵&チーズ)
カフェオレ

「秋田からおばあちゃんがやってきた!」と、すごく嬉しそうな息子。
「今日は一緒に寝るよ?おばあちゃんと一緒に寝るよ?」
と、言い出して、昨夜は広くはない子供部屋で無理矢理一緒に寝ていた模様だ。

朝御飯は、イングリッシュマフィンの残りが2つに、コーンパンがまだ少し。
「……で?おばあちゃんと一緒に寝た息子くんはどっちが食べたいのかな?」と聞けば「コーンパン」と。私とだんなは、先日も作った卵チーズサンドにすることにしたピザ用チーズを軽く乗せてオーブンで焼いたパンで、目玉焼きを挟んだもの。パンも目玉焼きもアツアツで、ホットサンドとは違ったホカホカ感が嬉しい。

千葉 「銚子丸」にて
 春の華やぎ劇団セット
     (まぐろ、桜かんぱち、とろサーモンいくらのせ、生車えび、生たらばがに、生春巻)
 粋な江戸前3カン(づけまぐろ、こはだ、穴子)
 しらす軍艦
 生サバ
 桜海老軍艦
 あら汁、生ビール

ミルクジェラート

今日の小学校は入学式なのだそうで、式の準備に参加の必要がない息子たちは午前9時下校。
「じゃあ、お出かけしましょ、美味しいもの食べに行きましょ」
と浮き足立つ母と、もうすぐ誕生日だから何か買ってあげるよとおばあちゃんに言われて負けず浮き足立つ息子と、「……仕事……は、まぁいいか……」と呟きつつ身支度を整えた私の3人でお出かけしてきた。

電器店見たり本屋寄ったりして、私は買わなきゃと思っていたCDケースを買い、息子は家の中で飛ばすエアプレインを買ってもらい、なかなかな大荷物になってお昼御飯時。

「ぼく!銚子丸がいいなぁ!お寿司がいいなぁ!」
「……この3人でお寿司食べたら、お父さんが"俺も食べたかった!"って嘆くよ?」
「……私も、半年前でここで食べて以来だわ、お寿司」
「……だからさ、後日4人で来りゃいいじゃん……1週間くらいこっちいるんでしょ?」
「お寿司がいいなぁ!」
「お寿司、いいわよねぇ……」
左右からのサラウンド寿司攻撃に負けた私。今日の夜は焼肉予定だから、あまり食べ過ぎないようにしなきゃ、と思いつつ銚子丸に入店した。でも、生ビールとか頼んでいるのはなぜかしら。

1カンずついろいろ食べたいなぁと、今日は「春の華やぎ劇団セット」を頼んでみたり、「江戸前3カン」も食べてみたり。キャンペーン価格中だった生サバや桜海老、しらすなどの春っぽいメニューを厳選して食べてみた。……けど、セットものがけっこうな分量で、ランチサービスのあら汁も飲んだらあっさりお腹一杯に。

独特のトゲトゲサクサク感が楽しい桜海老が、今日一番幸せだったもの。コハダもカンパチも、サバも、全体的にキラキラぷりぷりしていて美味しかった。海老や蟹がそれほど好物でない母も、一緒に劇団セット取って
「ンマー、この海老はすっごいわねぇ」
と言いつつビール片手にぐいぐい食べている。ねぎとろ巻き貰うわね、あ、そうよ大トロも食べなきゃね、と、母は今シーズンも順調な滑り出しのようだった。……ていうか、毎年こっちに出てくるたび、母は本当によく食べる。

しまった、思った以上に腹一杯だ……と店を後にしてデパ地下で野菜などを買って帰宅したのだけれど、
「……ああ、ジェラート食べたいわ、デパ地下と言ったらジェラートよねぇ?」
「うん!ジェラート食べる!食べよう!」
……なんかまた、盛り上がっている人たちがいる。盛り上がっている人たちのうち、小さい人は、さっき寿司屋で私よりも皿数を多く積み上げていたような記憶もある。

食べよう!食べましょう!と盛り上がったあげく
「……で?由紀ちゃん、ジェラート屋って、どこ?」
と振り返られて、そのまま半ば呆然としながらジェラート屋さんに御案内。その後もダブルよねダブルよねと盛り上がっていた人たちは、ダブルコーンとダブルカップを前にものっすごく満足そうだった。私、シングルカップでいい……っていうか、要らないかも……と後ずさっていたら
「なんで?食べなさい」
と2人に見つめられ、そしてミルク味ジェラートシングルカップを舐める私。やっぱり多いよ、私1個も要らないよ、と言っていたら、そろそろコンビ結成でもするかのような勢いの2人が手を伸ばして手伝ってくれた。母がコーヒージェラートと小倉ジェラートという組み合わせなのはともかく、息子がラムレーズン(とバニラ)とか食べているのがちょっと驚き。私はミルクとかヨーグルトとか、白っぽい子供っぽい感じのジェラートのが好きなのよー……。

おうちで焼肉
 アメリカンビーフ、国産牛タン
 にんにくオイル焼き
 かぼちゃ、茄子、にんじん、ピーマン、長ねぎ、玉ねぎ
 ナムル(もやし、ほうれん草、ゼンマイ、にんじん)
 サンチュ
 御飯
 ビール(サッポロ黒ラベル、キリンラガー)

冷蔵庫の中に、コストコで買ってきた焼肉用米国産牛肉800g。しまったなー、母が来る前に食べ尽くすと思ったけど食べなかったなー……と思いつつ、本日焼肉を決行することに。

母好みの「にんにく抜き」なタレも買ってきた、米国産牛肉以外に国産の牛タンも150gくらいだけど買ってきた、あとは野菜山盛りに、お店で食べたのを真似た「にんにくオイル焼き」、ナムル、御飯、などなど。そうそうサンチュも忘れずに。

霜降りのようには脂の入っていない、赤身たっぷりの肉は見た目以上にお腹にスルスルと入っていく。このタレどうよ、あっちのタレはどうよとあれこれ手持ちのタレを試しつつ、焼いては食べ焼いては食べ、野菜もずいぶんなくなった。かぼちゃは1/6個分くらい、玉ねぎは1個、長ねぎ1本、茄子は2本。にんじんは、今日デパ地下で無農薬のを買ってきた、素晴らしく甘くて素晴らしく太い、一見大根のようなサイズのものだった。火を通すとすごく甘くなる。

牛タン用に刻み葱に胡麻油をひと垂らししたものまで用意して、色々と準備万全だったのに、食事中に何度も職場から電話がかかってきてだんなはなんだか落ち着かない様子。もう少し腰を落ち着けて食べられたらねぇと言いつつ、肉は100gほど残して食べきり、野菜も綺麗にほぼなくなったのだった。

母的には、やわらか〜くて、いかにもな旨味たっぷりのこっくり国産牛の「お店焼肉」が良かったのかもしれないけど、でもコストコで買ってくる米国産焼肉用牛肉は美味しいんだよ〜、と、私たちは全体的に満足。

4月10日 火曜日
だーから、アンチョビは塩気があるよ、って言ったのにー……
ミニビビンバ
麦茶

もやし2袋とほうれん草2束はさすがに多いだろうなぁと思っていたら、さすがに多かった。冷蔵庫の中には、まだナムルがけっこう残っている。特にもやしとほうれん草がたくさん残っている。

「というわけで、朝ジムに行くならぜひビビンバを食べていってください。残っている分の半量以上平らげていただいてけっこうです」
と伝えておいたら、だんなが過不足なくナムルを消費して出かけてくれた。残りのナムルを更に半分こして、私と息子の朝御飯はミニビビンバ。母は「上京生活中はとことん美味しいパンを満喫する」のポリシーにのっとり、一人楽しそうにコーヒーとデニッシュの朝食を楽しんでいる模様だ。私と息子だけ、朝から楽しく胡麻油臭くなりながらがっふがっふとビビンバを平らげた。

御飯はほんの茶碗に半分ほどしかないのに、ナムルがたっぷりなのでボリュームのあるビビンバになった。

稲毛 「トラットリア ヴィーノ」にて
 Pranzo Pasta \980
 Pranzo Pizza \1,580
 りんごの花のムース
……を、母と綺麗に半分こ

昨日少し遊んでしまった分(そして明日にも遊びに行く分)仕事しなきゃと朝からパソコンに向かっていた私。テレビのワイドショー見ながらしばらく「あらやだー、もうやだー」とか何とかツッコミを入れていた母は「ちょっとお買い物してくるわね♪」と立ち上がった。

「お昼御飯、何か買ってこようかしら?」
と声をかけてきたので、それはありがたいサンドイッチでも……と振り返ったところ、
「あ、それよりアレよね、パンナコッタのお店行かなきゃね、あのお店の前に11時半でどう?」
30秒前に口にした言葉が綺麗に翻った内容のものが告げられた。えーと、サンドイッチじゃなく外食だそうです。

母は、駅前にある「トラットリア ヴィーノ」というイタリア料理屋さんのパンナコッタが大好物。私も大好物なのだけれど、母は相当気に入っているようで、上京するたびに必ず一度はこの店を訪れる。前回私が訪れたのは半年前。……つまり、やっぱり母と一緒に来ていたのだった。

「2人でピザ2枚とかスパゲティ2つとか取ってもつまらないしね、1つずつにしましょう♪」
でも、「本日のピザ」って「アンチョビとケッパーのナポリ風」って書いてあるよ、私はアンチョビ嫌いじゃないけど、けっこう塩辛いかも……と言ったのだけれど、結局、ピザセットとパスタセット(こちらは3種のパスタから1種を選ぶ)を1つずつもらうことにした。

980円のパスタセットは、サラダとパンとドリンクつき、1580円のピザセットはサラダとスープ、ドリンク、プチデザートつき。スープやパンも適当に半分こしながら、ピザとパスタを分け合いつつ食べた。

3種類の「本日のパスタ」から選んだのは、小海老としめじのトマトクリームソース。取り分けて食べられるように取り皿つきで、タイミングをずらして持ってきてくれたピザを平らげ、パスタを平らげた。アンチョビとケッパーのピザは、やっぱりちょっと大人っぽい味。

「あらやだ、しょっぱいわ」
「……こういうものなんだって、アンチョビのピザは、言ったじゃん」
「私、2切れでいいわね」
「……半分こだったら3切れずつだよ?」
「私、2切れでいいわ」
「そう……」

結局私の方がなんとなく多めにもらってしまいつつ、デザートは私がセットについていたミニサイズティラミスを、母が1品デザートのリンゴの花のムースを。残念ながら目当てのパンナコッタが今日のメニューにはなかったのだけれど、ティラミスもムースもほど良い甘さでふわふわとして美味しかった。

「坐・和民」にて
 モッツァレラチーズフライ \399
 ポテトオサツフライ \398
 温野菜チーズ \504
 坐和民サラダ \609
 串焼き盛り合わせ \819
 ぼんちり串 \294
 ねぎとろ巻 \504
 サーモン寿司 \504
 クレームブリュレ \399
 生ビール(中) \577
 生ビール(小) \472
 白ワインボトル \1029
 マンゴーオレンジ \472
 瑞泉ロック \451
 苺みるく \262
皆でもぐもぐ

息子は今日から給食で、夕方になってから、昨日目当てのものを見つけられなかった息子の誕生日プレゼントを探しにと、母と息子と3人でトイザラスの入っているショッピングモールにお買い物に行ってきた。地元駅に帰ってきた時には既に7時を回っていて、
「んじゃ、どこかで食べて帰る?だんな、今日は遅くなるって聞いてるし」
と、外食することに。居酒屋がいいわ、という話になって、天狗?坐?焼き鳥屋?とあれこれ相談した結果、「坐・和民」(我が家では通称「ザタミ」)に行くことにした。

最初にビール飲んで、それからおもむろに白ワインをボトルで空けて、最後「なんか、ものたりなーい」と私は泡盛ロックまで飲んでしまってすっかり酔っぱらい。適当にサラダものや洋風の揚げ物、串焼きなどを注文した。母は「魚より圧倒的に、肉がスキ」そして「和食より圧倒的に、洋食がスキ」な人なので、そういう感じの選択に。心なしか揚げ物とサラダが多かった。

「いいわねぇ、いいわねぇ、メニューいっぱいでいいわねぇ、カクテルもいっぱいあるのねぇ」
秋田には、ほんとになんにもないのよ〜?と杯を重ねるごとに御機嫌になってあれこれ話していた母。私、甘いもの要らない、その代わりお寿司食べる……と、泡盛飲みつつサーモン寿司を食べ始めた私の向かいで、美味しそうにクレームブリュレを頬張っていた母だった。

……さて、明日は何食べよう(そろそろ胃がお疲れ……)。

4月11日 水曜日
今日は肉焼き大会!!
「551蓬莱」の豚まん
麦茶

母が山陰山陽旅行の帰りに大阪で買ってきてくれた「551蓬莱」の豚まん。いよいよ朝食に蒸して食べようかねと冷蔵庫から出して、昼食に重いものが待ちかまえているだんなと私は1個ずつ、息子は2個、合計4個を湯気の立つ蒸籠に入れる。「朝から豚まんなんていやーよー」という母はマイペースにデニッシュとコーヒー。

「びっくりしたわー、大阪で、この袋持った人ばっかり、新幹線に乗ってくるんだものー。……有名なの?」
母は551蓬莱を知らなかった。私は結婚してからだんなに初めてこのお店を教えてもらったから、母が知らないのも道理かもしれない。美味しいんだよ?何というか、すごい、懐かしいような馴染み深い味なんだよ?と説明しつつ、豚まんもぐもぐ。玉ねぎの優しい甘さが、肉あんのスープと共に口の中にじゅわっと広がる豚まんは、相変わらずの美味しさだった。息子はきっちり2個完食。

「Cucina Tokionese Cozima」のバーベキュー大会
 パスタサラダ
 サザエ、サーモン
 鴨、羊、アイスヴァイン、耶馬渓豚ロース
 玉ねぎ、じゃがいも(インカの目覚め)、パプリカ
 イカカレー
 ビール、白ワイン、赤ワイン

そして今日は、Cucina Tokionese Cozima主催のバーベキュー大会。これまで何度か同じ企画が持ち上がっていて、でも去年申し込んでみたその日がよりによって悪天候で中止になってしまった、(私たちにとって)悲劇的過去のあるアウトドアスペシャルイベントだ。都内某所の公園のバーベキュー広場で、あれこれ焼いてあれこれ食べるらしい。ソフトドリンクもビールもワインも飲み放題ですよ〜、と聞いて、いつか参加してみようねとずっと楽しみにしていたのだった。で、だんなと2人で申し込み(だんなは一日休暇……の予定だったけれど、激ジョブで午後には仕事に戻らなきゃいけないそうで……)。

「というわけでね、今日のお昼は出かけてくるから、もし君の方が帰りが早くなっちゃったら留守番しててね」
バーベキュー大会に行って来るからね、と息子に伝えておいたところ、
「たくさん食べた人が、勝ち?」
と素敵な言葉を返された。そうそう、たくさん食べた人が勝ち(違います)。

でも、今日のランチは本当に「たくさん食べた私たちは勝ち」てなばかりに、大変な御馳走尽くしの数時間になった。こことそっちのテーブルは自由に使ってくださいね、とシェフKさんに教えてもらい、陣取ったところはよりによって「ドリンクコーナーのすぐ脇」で、私は白ワインと赤ワインを両方抱えつつ、午後から仕事だから俺は飲めない……とちょっと残念そうなだんなを後目に魚介には白よねー、鴨なら赤よねー、と春の風を身に浴びつつ昼間から幸せに酔っぱらってしまうことになった。

そして出てきた、すんごい御馳走。炭火で焼いた肉や魚がメインディッシュなのだけれど、最初にサザエ(でっかいのが1人1個!)、そして鴨に骨つきの羊に、豚のすね肉(これだけ事前に下茹でされたお肉だった)、こんがり皮目を焼いたサーモン、最後のトドメにシェフお気に入りの耶馬渓豚のロースの巨大な塊肉のグリル。

こちら焼き上がりましたよー、と、スタッフの方が次々目の前に持ってきてくれる。1個ずつアルミホイルにくるんで、最初から網の上に乗っていた物体は玉ねぎやじゃがいも。パプリカやにんにくも焼かれて、それらも次々やってきた。セルフサービスの前菜は、フジッリを使ったあっさり味のサラダ。前菜つまみつつ酒を飲みつつ肉や魚が焼き上がるのを待ち、焼き上がったそれらがアッツアツのまま良い具合に目の前にやってくる。
「うわぁ、バーベキューでこんな肉食べたことないよ」
というほどに、豪華な具材ばかりだった。火を通すほどに脂に甘みが増すような耶馬渓はもちろん、ほんのりローズマリーの香りをつけたラムラックのジューシーなことといったら!ケダモノ臭さがほのかに感じられる、しっかりとした歯ごたえのある鴨の旨さと言ったら!

「……で、何気なく玉ねぎとじゃがいもとにんにくがすごい美味しいわけですよ……」
最初のうちこそ、「火の勢いが足りませんね」「乾いた木の枝でも拾ってきましょうか」と一緒になって準備していたのだけれど、後半は「いいなぁシェフ……一家に一人欲しいなぁ……」と心から思いつつ、すっかり座り込んで飲み食いに専念していた。

「……でね、最後は、カレーなんです」
鍋に湯を沸かし、密閉された袋の中には、ちょっと不思議な御飯と、そして一見「トマト煮?」のようなカレー。イタリアンのシェフなのにカレー?でもパッと見トマト煮みたいですね、と皆して鍋のそばにわいわいと集まると
「いや、この色でしょ?でも食べてみるとびっくりするほどカレーなんですよ?」
と楽しそうなシェフ。

ちょっと工夫してみました、というライスはひよこ豆の押し麦、玄米入りのもの。わざと少しオーバーボイル気味にしたんですよ、という、モチモチ感が楽しめる御飯にかけるトマト色のカレーは、でも本当にしっかりとカレーだった。ターメリックの色合いはほとんど感じられないのに、しっかりとカレー味。具はパプリカと、そしてイカ。ワタごと煮込まれた、濃厚にイカの風味が漂う、野菜の優しい味も感じられるカレーで、お店ではリゾットではない「御飯もの」はまず食べられることがないお客さん一同は大喜びだった。もっとお代わりしたかったけど……もうすっかりお腹一杯で、軽く一杯しか食べられず。

今日の写真の、でーっかい耶馬渓豚も、皆その頃にはすっかり満腹で数切れずつしか口にできなかったため、
「じゃあ残りはお持ち帰りください♪」
と、1人分ずつホイルにくるんで、各自お持ち帰り。帰って開けてみるとじゃがいもや玉ねぎも一緒に包まれていて、長く続いた今日のランチの幸せなのだった。

生ハム乗せミックスリーフのサラダ
牛肉とアスパラのオリーブ油焼き・耶馬渓豚のグリル
パン(エピ)
トースト with クリームチーズ&トマトジャム
ビール(サッポロ黒ラベル)

で、す〜っかり満腹の午後。バーベキューです、と伝えておいたら、「じゃあ私もお昼にしっかり食べておこうかしら」と母も午後遅めの時間に千葉駅付近でブッフェランチを堪能していた模様。私も母も「夕飯は軽くて良いね」という気分になっちゃったのだけれど、息子にはちゃんと食べさせなければいけないので、焼肉用の残った牛肉をアスパラと一緒にオリーブ油で軽めの塩炒めにして、お昼のお土産肉も並べてみた。ミックスリーフのサラダに生ハムとりんごを添えて、あとはパンとビール。息子には「551蓬莱」の焼売もつけてやった。

夕飯で面白かったのが、「トマトジャム」。

イタリア食材屋さん「Casa dell'Albero」というお店で扱っているちょっと風変わりなコンフィチュールの数々、トマトにサボテン、スイカ、といったものを、お店のオーナー氏からいただいて(この日記を長らく見てくださっていたのだそうで、よろしければお試しください、と……ありがとうございます♪♪♪)、今日、試しに「トマトジャム」を開けてみたのだった。トマトのペーストとかではなく、「トマトジャム」材料にはちゃんと「砂糖」の文字も見える。

スイカのジャムやサボテンのジャムというのも初めて聞いたけれど、「トマトのジャム」というのも、聞いただけでは味の想像が全くつかない。カリッと焼いたパンにリコッタチーズと共に添えると美味しいですよ、と伺っていたので、リコッタチーズを探したのだけれどよりによってデパ地下のチーズ屋さんで品切れだったりして、今日のところはクリームチーズで代用して試してみた。本当に甘く、でもしっかりトマトで、初めての味。爽やかな酸味と嫌みのない甘さが感じられ、そういえば元々トマトはフルーツに近い野菜だし、と改めて思わされる味だった。チーズの風味と甘いトマトが良く似合って、素焼きしたスティック状のパイとかに添えても美味しいかも。

面白いねぇ、ちゃんとトマトだねぇ、と、母と2人で盛り上がっている隣で、息子はもくもくと生ハムサラダを堪能している。
「このおかず、主に君のだからね、牛肉とアスパラの炒めもの」
と皿を息子の前に置いてやると、
「んー、僕ね、お肉だったらこっちの方が美味しそうだと思うよ?」
迷うことなく人差し指を一直線に「耶馬渓」に向ける息子だった。……うん、そっちの方が、断然美味しい。ていうか、良くおわかりで……。

4月12日 木曜日
皿が小さく見えます……が
チーズトースト1/4切れ
アイスカフェオレ

さすがに連日、ちょっと(ちょっと?)食べ過ぎ。朝にちゃんと食べておかないと昼前に動けなくなってしまうなと思いつつ、でも全然食欲がなくて、息子の分に焼いた厚切りトーストの端っこを少しだけ分けてもらうことにした。アイスカフェオレ飲みつつ、トースト囓って、そして急ぎ外出の準備をする。今日は母と一緒にミッドタウン方面にお出かけ。……きっとすっごい混雑なんだろうなぁ……。

赤坂 リッツカールトン東京内「カフェ&デリ」にて
 モッツァレラとトマトのパニーニ \600
 本日のデリスープ(野菜のトマトスープ)\800
 本日のアイスティー(さくらんぼ)\500
 シュークリーム \500

あの、なんていうの?新しいヒルズだかどこだかに出来た美術館のモネ展を見に行きたいんだけど、……と数日前に母に言われ、それはこの美術館のことだよね?と調べてみたらやっぱり国立新美術館で開催中の大回顧展モネのことだった。開催されたのは、ほんの先週末からのこと、きっと混んでるだろうなぁ、でも数日ずらしたところでやっぱり混んでるんだろうなぁと今日一緒に行ってしまうことにした。

うねるような不思議なデザインの建築物で、窓が大きく明るい造り。2階ではポンピドー・センター所蔵作品展が別途開催中で、今日のところはモネ展だけ堪能してきた。予想通りになかなかの混雑だったけれど、それでも開館直後を狙って行ったのが幸いしたのか1枚1枚の絵をそれなりにじっくりと鑑賞することができた。

パリのオルソー美術館所蔵の「つみわら」の絵(10年位前にパリで見てきた記憶がある)とアメリカのボストン美術館所蔵の「つみわら」の絵(5年前にボストンで見てきた記憶が……)が並んで飾られていたりして、「あ、なんか、どっちも見たことある」と何だか嬉しかったりした。

美術館を出ると、そろそろお昼御飯時。
左を見上げるとミッドタウン、右を見上げると六本木ヒルズという状況で
「ミッドタウン、行ってみる……?まだまだすごい混雑だと思うけど」
「んー、まぁ、行ってみましょうか?新しいホテルとかあるんでしょ?」
「あー……確か、リッツカールトンだっけ?出来たの……」
きっと混雑してるからホテルでランチというわけにはいかないと思うよ、と話しつつ、それでも初めての東京ミッドタウンに足を踏み入れてみた。わあ、大混雑(←予想通り……)

ビルの最上階部分に位置するリッツカールトン、フロントは45階にあるそうで、レストランも2つ、そのフロアにあるらしい。ダメもとで「予約はないんですが」と訪れてみたらやはりどちらも予約でいっぱいで、ショッピングモールの「ガーデンテラス」を歩いてみても、どこも大変な混雑状態。

このままではランチ難民になっちゃう、と、通りすがりに「あ、ここ軽食はあるんだ」とチェックしていたリッツカールトンのデリで一休みすることにした。テイクアウト可能なパニーニやサラダの包みが冷蔵ケースに並んでおり、いくつかあるテーブルで店内で食べていくこともできるようになっている。パティスリーショップも兼ねていて、ケースには美味しそうなケーキやデニッシュ類もたくさん。

母はスモークサーモンとほうれん草のニョッキのグラタン、私は「本日のスープ」、そして2人でつまむつもりでモッツァレラとトマトのパニーニ。ニョッキとスープ、それぞれに小さなパンもついてきたので、パニーニがなくてもけっこうなボリュームになってしまった。でも、2人してすっかり空腹だったのでもりもり食べる。もりもり食べるあまりに、
「……私、食後にあの、でーっかいシュークリーム食べようかなぁ」と言う人がいたり(私だ)、
「フルーツサラダもあったわねぇ……私、あれもらってくるわね」と言う人がいたり(母だ)、

当初は「とにかく何か軽く食べて、他の場所で本格的なランチにしても良いし」くらいの感覚だったはずなのに、きっちりデザートまでここで食べることになってしまった。ニョッキやパニーニがメニューに並ぶところをみるとイタリアンのようだけれど、ケーキケースには「ブラウニー」の文字があったり、マンゴープリンがあったりしていて、厳然たるイタリアンという風でもない感じ。きちんとトーストされた温かいパニーニのサンドもスープも、どちらも想像以上にシンプルな味だった。

そして、今日の写真にも選んだ、巨大な巨大なシュークリーム、1個500円。
ケーキ屋さんのシュークリーム、昔々のその昔、体が小さかった頃は「以前両手で持っても余りそう」なサイズだったのに、気がつけば「両手に普通に乗る」サイズになり、実にあっけなく「片手の平」サイズになってしまった。自分が子供の頃のシュークリームって、体感的にこんな大きさだったよなぁ……というものが具現化したサイズのものがショーケースに入っていて、私はそれが気になって気になってしょうがなかったのだった。いや、しかしデカいよ、これ。嬉しいけど、普通じゃないよ。

「まぁ、いいや。普通じゃないサイズのシュークリームを、私は食べる」
と、料理を全て平らげた後に改めてこれを買ってきて、両手でわしっと掴んでわしわしっと食べた。ごっついサイズのシュー皮の中には、これでもかとしこたまな分量のカスタードクリームがみっちみちに大量に詰まっている。幸せ……だけど、クリームが重い。手にずしっと来る。比喩ではなくて持って「重い」と感じたクリームなんて、人生初体験かもしれない。

「……うん、わかったよ。シュークリームは、あの普通のサイズのシュークリームが、多分一番美味しいんだ……」
知りたくもなかった事を知ってしまいつつ、両手も口もクリームで汚してしまいながら、半ば必死になって食べたシュークリーム。皮は少しばかりバリッとした強さが感じられるもので、クリームはさほど固くない、ふわっとしたもの。洋酒が香る、上品な味のクリームだった。……すっごい、お腹一杯……。

「福臨門魚翅海鮮酒家」の大根餅、叉焼、鴨の炭火焼き
「海南鶏飯」の海南飯
チーズいろいろ
スティック野菜 with バーニャカウダソース・マヨネーズ
生ハムとグラナ・パダーノを乗せたミックスリーフサラダ
ビール(サッポロ黒ラベル)
白ワイン(バルザック)

あまりゆっくりもしていられないね、息子も学校から帰ってくるし……と、慌ただしくミッドタウン内のショップを気になるところだけ眺めつつ、乗り換えついでに東京の丸ビルでお総菜買って帰ってきた。

「そういえばまだ中華料理食べてないわ」という母が嬉しいかなと、福臨門のお弁当屋さんで叉焼や炭火焼きの鴨を買い、その店のすぐ横に期間限定でオープンしていた「海南鶏飯」(この店よ)で蒸し鶏の海南飯(他に揚げ鶏も選べた)を1パック衝動買い。母の大のお気に入りのワイン「バルザック」(ソーテルヌより、少し軽い印象の貴腐ワイン……でも、すんごく甘い)も1本買って、中華とシンガポール飯と、そしてワインに似合うもの……とあれこれ用意したら、洋だかアジアだかよくわからない食卓になってしまった。でも美味しいものばかり。

ミッドタウン内のDEAN&DELUCAでグラナ・パダーノを細かくおろしたパッケージが売られていて、面白いなと買ってきたのだけれど、これが生ハムを乗せたサラダによく似合う。息子用にスモークチーズ、ワインのつまみにカマンベールもスライスして、たくさん用意したスティック野菜にはバーニャカウダソースを添えた。にんにくが苦手な母にはバーニャカウダソースはきついかなと、マヨネーズもその脇に。

甘辛い叉焼や、スイートチリソースなどが添えられた蒸し鶏にチーズとワインは、それでも不思議にけっこう似合った。

4月13日 金曜日
IKEA自慢のミートボール、だそうです
「リッツカールトン東京」の杏のデニッシュ
グレープフルーツ
カフェオレ

毎日毎日お出かけが続いているので、今日は朝ジムに向かうだんなと同じ5時半起きでお仕事をし始めてみた。
幸い、でーっかい仕事ひとつが4月頭に終わったところだったのが幸いして、朝晩にせっせと仕事をすれば昼間はお出かけできる状況が続いている。先に一人朝食のパンを囓る横で、仕事を始めたのだけれど、横でだんなが「ん?」という顔をして固まっていた。

だんな用に買ってきたのは、一見チーズトッピングのベーコンパン……だったのだけれど、「ほら、おゆきさん」と見せてくれたその断面にはかぼちゃのかけらが見えていた。更に食べ進んだところで再び「んん?」という声が聞こえ、そちらに目をやると、今度はさつまいものかけらが……。
「ベーコンが乗っていた」のは間違いなかったのだけれど、なんとそれはかぼちゃとさつまいものパンなのだった。……不思議なパンでごめんよだんな。

その不思議パンともども、私たちの朝食も、昨日食事したついでに買ってきてみた「リッツカールトン東京」のパンたち。女子供の分は、ブルーベリーに洋梨に杏といったフルーツのデニッシュばかりだ。色とりどりでとても綺麗。でも小ぶりでお高い……。

相変わらず飽食気味だから私は1個でいいよと杏パンをもらってもぐもぐ食べた。母は洋梨デニッシュにいちじくのパン、息子は洋梨デニッシュとエピ。今日も母と息子は絶好調の模様だ。

「IKEA船橋」にて
 ミートボール(10個)
 スモークサーモンマリネ
 パン(クリスプブレッド)
 スウェーデンビール

今日行ってみたのは、私もこれが初めてのIKEA船橋

優れたデザインと機能性を兼ね備えたホームファニッシング製品を幅広く取り揃え、より多くの方にご購入いただけるよう出来る限り手ごろな価格でご提供すること
をビジネス理念に掲げているスウェーデンの家具屋さんで、確かに、テーブルセットなどが驚くほど安かったりする。日本の家屋の間取りや部屋の広さを入念に計算した家具を揃えているとのことで、手頃なサイズのものが多いのも嬉しかった。2階のショールーム形式の家具スペースは、「この部屋そのまんまお持ち帰りしたいかも」というものが沢山。母と2人「いーわねー」「いーわねー」言いながら歩く。

でも結局、大きな家具を買いに来たわけではなかったので、1階の雑貨を扱うフロアで超特売カーテン生地を買ってみたり、小さなラグマットを買ってみたり、食器を数個買ってみたり。買い物を終えた頃には母も私もすっかり疲れて、腹ぺこになっていた。店内にはセルフサービス式の大きなフードコートがついている。名物は「ミートボール」だとか。

で、食べてみたミートボール、レギュラーサイズで10個入り650円。更に5個盛り15盛りと選ぶことができて、皿にはじゃがいもと褐色のクリームソース、そしてリンゴンベリージャムが添えられてやってくる。パンはセットにはなっていないので、レジの近くにあるカウンターで1つ30〜50円ほどのパンを好みでトレイに乗せる。ドリンクはホットとアイス、それぞれカップを購入すれば飲み放題。

私はミートボールが食べられればそれで良いわと思っていたのだけれど、母がなんだか嬉しそう。
「ま!スモークサーモンねスモークサーモンね、これ食べましょう」
「ビールがたったの150円ですって!飲みましょう!」
「ベジタリアン向けって……?つまりお野菜料理よね、これください!」
前菜コーナーでけっこうな量のスモークサーモンをトレイに乗せ、瓶ビールもトレイに乗せ、そしてメインディッシュコーナーで「じゃがいもと玉ねぎ、パプリカの塩炒め」的な大きな皿もトレイに乗せ、そろそろトレイはいっぱいです……という状況になってから
「んまぁ!ローストビーフ!食べるわよね、由紀ちゃんも食べるわよね?」
と肉コーナーに突撃している。……ママン、それ、多分、多すぎる……。

ローストビーフは、数切れの肉とフライドポテトが1皿に盛られたもの。確かにビールの肴になったけれど、でもテーブルの上は食べ物がずら〜りと並ぶことになって、そして予想通りに
「スモークサーモン、あと食べてね」
「こっちのローストビーフも、もう良いわ」
とかなんとか、私のトレイのエリアに魚や肉が移動してきたのだった。……だから、多いよって、言ったのにー。

ミートボールは、香辛料臭いということもない、食べやすい味のもの。ソースもジャムも、1階の売り場で購入可能な品らしく、たとえばソースはこんな商品。まろーんと優しい味のソースで、子供に好かれそうな味だ。サーモンも柔らかくとろんとした口当たりで美味しかった。

自分が食べようと予定していたものプラス、サーモンやローストビーフもけっこうな量食べることになって、目を白黒させながら完食すると、食後のコーヒーを美味しそうに啜っていた母が
「……美味しそうなタルトもあったわねぇ……」
とか言っている。丁重に「それは止めよう」をかけ、大きな紙袋を持って帰宅した。普段の秋田の食生活がよっぽど鬱屈しているのか、上京してくる母は毎度のことながら、本当にすごい。

千葉そごう内 「壁の穴」にて
 ナスのミートソース
 Aセット(ほうれん草と卵のサラダ・ナッツのタルト・アイスティー)
 生ビール、グラスワイン

今日は息子の音楽教室。だんなは激ジョブだそうで、終わった後に母と待ち合わせて3人で夕食を摂って帰ることになった。たらこスパゲティだったら我が家でも容易に作れるはずなのだけれど(そして味も大差ないと思うのだけれど)、息子は「壁の穴」のたらこスパゲティが大好物。

「金曜日、外食するとしたら何が良い?」
と聞いてみれば
「たらこスパゲティ、大盛り!」
と返された。母も「あら、スパゲティ、いいわねぇ」とのことで、デパートのレストランフロアにある「壁の穴」に向かう。

サラダとデザート、ドリンクのセット「Aセット」をそれぞれパスタにつけて、ビール飲み飲みグラスワインも飲み飲みしながらの夕御飯。母は「ウニとシソのスパゲッティ」を選択、私は茄子入りミートソースを選択。息子は言うまでもなくたらこスパゲティ(大盛)。

「昔さぁ、土曜日に学校から帰ってくると、よく壁の穴のミートソースの缶詰でスパゲティ用意してくれてたじゃん。あれが、すんごく美味しかったんだよねぇ……今はもう、お店の味も缶詰の味も違うんだけどね。いや、これもちゃんと美味しいんだけど」
「……そうだったかしら?今は口が肥えたから同じ味なのに美味しくなく感じてるだけなんじゃあないの?」
「……いや、あの時食べたミートソースが、ほんっとに美味しかったんだよねぇ……」
"美化された思い出"ってやつかもしれないけど、あの味のミートソースが恋しいんだよねぇ、なんて話ながら、目の前のは目の前でちゃんと美味しいミートソース。茄子入りのミートソースって、茄子は旨いわミートソースも旨いわで、私は大好き。

4月14日 土曜日
フォーシーズンズ丸の内で羊を食べる
スコーン(プレーン・ティー&ウォルナッツ)
クロテッドクリーム、苺ジャム、パッションフルーツカード、ミルクジャム
ミルクティー

昨日の夜、デパ地下でスコーンとクロテッドクリームを買ってきた。

母はスコーンとクロテッドクリームが大好き。
秋田の家の近所で売られているものではないので、上京するたびに食べるのを楽しみにしているのだった。私が学生だったころ、母とおおいにこれにハマッてしまって、毎週末のようにスコーンとクロテッドクリームを買っていたのを思い出す。当時は中沢のクロテッドクリームは500g近く入った巨大なパッケージのものしか売られておらず、賞味期限内にその巨大なパックに入ったクリームを全てを食べることは到底不可能で、「なんで小さなサイズのはないんだろうね」とずっと母と話していた。今はヨーグルトのカップほどの手軽なサイズのものが出ていて、けっこう容易に買うことができる。

久しぶりに買ったスコーンを温めて、牛乳多めの濃厚なミルクティーとジャムとクロテッドクリーム。手持ちのジャムがあまりなくて、ちと似合わないかと思いつつDEAN&DELUCAで買ったパッションフルーツカードなども出してみる。

この、パッションフルーツカードが案外とスコーンに似合って美味しかった。レモンカードに良く似た酸味のあるクリームだけれど、パッションフルーツ独特の花のような芳香が自然に漂ってきて心地良い。「クロテッドクリームとパッションフルーツカード」という組み合わせも不思議に良く似合っていた。やっぱり、揚げ玉散らすだけよりかき揚げとかの方が嬉しいのね私たち……。

今日のお昼は母と別れて、私とだんなは池袋で観劇だ。

飯田橋 「越後そば酒房 笹陣」にて
 かき揚げ天丼・ざるそばセット \861

観劇前に何かお腹に入れないとねと、乗り換えついでに駅ビルのお蕎麦屋さんで蕎麦を啜る。
「なんかさぁ……麺類食べたいんだけど、熱いのは嫌なんだよねぇ……今日、あっついじゃん」
「ああ……冷やしたぬきとかね」
「そうそう、冷やし中華とかね」
そう話しながら歩いていたら「冷やしたぬき」の文字があるお蕎麦屋さんを見つけ、でもなぜかかき揚げつきのざるそばとか頼んでいる私たち。

だんなは桜海老とせりのかき揚げとざるそばのセット、私はミニサイズのかき揚げ丼とざるそばのセット、息子は冷やしきつね。「冷やしたぬき」という案は華麗に消却処分されてしまった模様だった。

かき揚げはカリッと好みな具合に揚がっていたし、蕎麦もちゃんと美味しかったしで、ちょっと嬉しかった昼御飯。

丸の内 「フォーシーズンズホテル丸の内東京」内「EKKI BAR & GRILL」にて
 前菜:本日の「築地市場」から 新鮮な魚介の盛り合わせ
 前菜:バルバリー産鴨むね肉のロースト オレンジマスタードのドレッシングで
 メイン:仔羊のソテー バルサミコソース ローズマリー風味のトマト マッシュポテトと共に
 デザート:苺のクープ タラゴン風味のマスカルポーネ 苺のグラニテと共に
 生ビール
 スパークリングワイン(GREEN POINT)
 アッサムティー

今日の観劇はサンシャインシティ、キャラメルボックスの「まつさをな」。最近の若手の役者さんたちはおおむね皆達者で、安心して見ていられる時代劇……だったのだけれど、戦いの動機の他諸々の設定が、旧作の「TRUTH」に酷似していて、それがなんだかなぁ……という感じ。ゲストの役者が楽しみだというのも何なのだけれど、劇団☆新感線の粟根まことさんは相変わらずの素晴らしい役者さんだった。役者さんそれぞれ素晴らしかっただけに、もう少しあらすじがなんとかならなかったのかなー、と。

そして夕方、母と合流して向かったのが、フォーシーズンズホテル丸の内内のダイニング、EKKI BAR & GRILL

「あんたの誕生日、過ぎたでしょ?お祝いしてあげるから、どっか良いとこ予約しときなさい」
と数日前にお達しがあり、あれこれ調べて決めたお店だった。母の言う「良いとこ」は「それなりにお高く」て、「夜景が綺麗」だったりして、「雰囲気がよく」て、そしてもちろん「美味しい」というところ。気になるお店や以前行って美味しかったお店はあれこれあるものの、そこに更に「小学3年生の子供を連れて行けるところ」「帰宅するのに何度も乗り換えたりしなくて良いところ」となると、選択肢はぐっと少ないものになる。

やっぱり東京駅近辺、新宿駅近辺あたりがありがたいんだよねぇ……ホテルダイニングだったら母的に言うことなし、って感じかな、と、パークハイアット東京、マンダリンオリエンタルなどを調べつつ、フォーシーズンズにしてみたのだった。唯一のダイニングEKKI BAR & GRILLは、「ニューヨークコンテンポラリースタイル」の料理だそうで、ステーキや鴨、魚介などのグリル料理が中心らしい。クラブケーキやマンハッタンクラムチャウダーなどのメニューも嬉しい並びで、お子さまメニューもあるとのこと。

前菜はけっこうなボリュームがあるということで、2皿とって皆で分け合う形にした。最初に、突き出しのミニサイズのガラスの器が各自の前にやってきて、その中には4色の色とりどりのトマトのマリネにルッコラのジェラートを添えたもの。ルッコラ独特の胡麻の風味がそのまま残るほのかに甘さを感じるジェラートは間違いようもなく「ジェラート」で、そのシャリシャリした食感のものをトマトに絡めつつ食べる。上質のバルサミコ酢が絡んだトマトも自然な甘さを感じるもので、最初のほんの一口のお皿から素晴らしく良い感じ。

バルバリー産の鴨肉のローストに甘酸っぱいオレンジ風味のマスタードソースをかけたもの、そして「魚介の盛り合わせ」は大きな才巻海老をボイルしたもの、キビナゴのマリネ、タコのガーリック煮、白魚のフリットにサザエ、帆立などなどの盛り合わせで、1つ1つの素材に丁寧な仕事が感じられるものだった。タコは素晴らしく柔らかいし、綺麗に重ねられて並べられたキビナゴはアクセサリーか何かのよう。ビネガーやカクテルソースなどの3種のソースもやってきていて、ついつい海老などにカクテルソースを添えたくなる私たち。全体的に、「盛りつけの美しさ第一」ではなく、料理の美味しさを大前提にした上での洗練された盛りつけ、外見が楽しめる料理になっていて、その程良いたっぷり加減のボリュームと共に、何から何まで楽しめる食事になった。ライトダウンした店内(ここしかダイニングがないので、宿泊者の朝食もこのお店で供されているそうだ)もゆったりした席の並びで落ち着ける。

で、ボトルでとったスパークリングワインを舐め舐め、メインディッシュは私は羊のグリルを。だんなはスズキで、母は仙台牛サーロイン。息子はお子さまメニューから、オムライスを選択し、ふわんと大きなオムレツがチキンライスの上に乗ったオムライスを無言で平らげているところだった(無言だということは、きっとすんごく美味しいということなんだろう……)。

羊と共に火を通したのだろう、柔らかく火が通ったにんにくとペコリス、そして丸く固めてあるマッシュポテトが添えられた、3つの大ぶりなラムチョップが乗ったお皿。「こんなに臭みのない羊は初めてです」というほどに独特のケダモノ臭さを全く感じない 、でもしっかりと「味」のある肉で、オーダーの「ミディアムレアで」に完璧に通った火の通り具合。母の頼んだ牛肉も、だんなの頼んだスズキも、少しだけ味見させてもらったのだけれど、どのメインディッシュにもそれぞれの料理に合わせた野菜料理が添えられていて、それがそれぞれ綺麗で美味しそうだったのが印象的だった。

最後にはそれぞれデザートもいただいて、そしてすっかり良い気分になった。濃厚な苺のコンポートにマスカルポーネチーズがベースのクリームを添え、これまた濃厚な味の苺のシャーベットを添えた、ルビー色の私のデザートに、キッズメニューから苺のシャーベットを選んだ息子。だんなはコーヒー風味のクレームブリュレで、母はパイナップルソルベを沿えたバナナのケーキ。

4月15日 日曜日
多分初体験の「テーブルバイキング」。大変がんばりました。
スコーン(カラント、キャラメルメープル)
 クロテッドクリーム、苺ジャム、パッションフルーツカード
カフェオレ
りんご

特に予定のない日曜日。だんなと息子は焼き海苔乗せたバタートースト、そして私と母は昨日と同じくスコーン&クロテッドクリーム。

スコーンにはアプリコットジャムをつけるのが好きなのだけれど、昨日外出ついでに見つけることができなくて、昨日と同じく苺ジャムとクロテッドクリーム、そしてパッションフルーツカードを食卓に出した。ひそやかに、パッションフルーツカードがお気に入りの私。

今日はだんなの淹れてくれたコーヒーをお供にしてスコーンをぱくぱくと平らげ、食後にりんごを数切れ。今日はゆっくり休めるねとだんなと2人コーヒーの続きを飲んでいたら、母がすすすと近寄ってきて
「今日はあなたたち、何も予定がないの?なら、お昼か夜か、どこか食べに行きましょうよ、最後に」
と誘われた。母は明日、秋田に帰る予定。私の方も、今日の昼か夜かはどこかのホテルのバイキングにでも連れて行ってあげるべきかなぁと思っていたところだった。

昨日も豪遊だったし、今日はあまり遠出したくないねぇと、調べるエリアは幕張のホテル街。週末のブッフェの開催は、あるようでなかなか無くて、行きたいところが今ひとつないねぇとあれこれ調べているうちに、だんなが
「これ、良くない?」
と、中華料理のオーダーバイキングを見つけてくれた。

そういえば、今回の母の滞在では中華料理店は行かなかったねということで、この店に行くことに決定。早めの夕食にしようかということになり、朝食後は何も食べずに夕食を迎えることになった。

ホテルスプリングス幕張 内 「翠嵐」にて
 テーブルバイキング 大人5,250円 小学生3,675円
     什景冷盤:冷菜の盛り合わせ
     蒸しズワイガニ
     蟹肉魚翅:フカヒレとカニ肉のスープ×3
     油淋鶏腿:ヒナ鶏の唐揚げ特製ソースかけ
     乾焼龍蝦:伊勢海老のチリソース
     青椒牛肉:牛肉とピーマンの細切り炒め
     炒八宝菜:八宝菜
     香炒羊肉:ラム肉の香り醤油炒め
     [女乃]油双鮮:小海老と紋甲イカのクリーム煮
     上海炒麺:上海風やきそば
     蟹肉炒飯:カニ入りチャーハン
     杏仁豆腐×5
     蜜果茘枝:ライチ×3
     酥炸麻球:あん入り胡麻団子
 生ビール、白ワイン
などなど。食べました……。

レストランの予約時間より少し早めに幕張に到着し、アウトレットモールをぷらぷら、駅近くのビル内の雑貨屋さんなどもぷらぷら。飲み口の部分の塗りが少し剥がれて気になっていた自分用の湯飲みの新しいのを買ったりしてから、向かったのは「ホテルスプリングス幕張」の2階にある中華料理店、「翠嵐(すいらん)」。

このお店のバイキングは、バイキング専用メニューから好きなものを注文し、持ってきてもらう「テーブルバイキング」「オーダーバイキング」「テーブルオーダーバイキング」などと言われるタイプのもの。ディナー時は大人5250円で、選べる料理は80種類。フカヒレメニューとスープ類、デザートだけは1人分の分量で注文できるけれど、他の料理は人数分が1皿の分量になるそうだ。で、前菜の盛り合わせと蒸しズワイガニが問答無用でやってくる。

「最初に蟹ってのが……わかりやすいよね」
「蟹はお腹膨れるもんね……うん、普通に食べられるし嬉しいけどね」
と、最初に生ビールもらいつつ、テーブルについてすぐにやってきた前菜と蟹をつまむ。前菜はチャーシューと棒棒鶏、クラゲに辣白菜、キュウリの甘酢漬け、といったところ。蟹をパキパキ剥きながら、これ食べたいねあれ食べたいねと皆で話しつつ、母の好物の青椒牛肉やこの店名物なのだという伊勢海老のチリソースなどを持ってきてもらうことにした。実のところ、あまり美味しいと思ったことはないのだけれど、「せっかくだから」と、フカヒレのスープも1人1つ(息子は普通に卵とコーンのスープ)。

大人が3人なので、料理が全部「3人前」の分量でやってきたのだけれど、思ったよりも少なめだったのがありがたい。母は青椒牛肉いっぱい食べてね、私ラム肉の方もらうしね、と、適当に「得意なもの」を沢山皿に盛らせてもらいつつ、ずいぶんたくさん平らげた。味は、全体的に少し強めな印象ながら、安心して食べられる味のものが多い。奇をてらうことなく、スタンダードな「日本の中華料理」という感じだ。
醤油系の味のものがおおむね塩辛く感じるものだったので、「小海老と紋甲イカのクリーム煮」あたりがしみじみと美味しく思えた。ちなみに、フカヒレのスープにはほとんどフカヒレが入っていなくて、それはほんのり拍子抜け……。

最後は蟹肉入りのチャーハン(息子が盛大によく食べた)と共に上海焼きそば(だんなが盛大によく食べてくれた)。その頃には私も母もかなりお腹いっぱいで、しっかり大ぶりの蟹肉が乗ったチャーハンも、オイスターソース風味の上海焼きそばもあまりたくさんは食べられなかった。

でも、デザートはしっかり食べる女たち。小ぶりな容器でやってきた杏仁豆腐をぺろっと食べてお代わりし、母は更にライチを2皿食べたり、私は調子に乗って揚げ胡麻団子を1つ最後に食べてしまったり。そりゃもう大変にお腹一杯になっちゃったのだった。

「いいわねぇ、やっぱり都心の方に住むといいわねぇ、こんな店いっぱいでねぇ」
と、上京するたびに母は言うけれど、でもその度に
「いや、こういう外食は2〜3ヶ月に一度くらいよ?」
「この1週間はね、普段の生活の半年分くらいに相当する食べっぷりだから」
と、私は真剣に言い返すようにしている。いやもうほんと、胃が重いです。