食欲魔人日記 09年11月 第4週
11月23日 月曜日
「長芋届いたし!」ということで、牛タン。
ホットサンド(ベーコンキャベツ&チーズ)
カフェオレ

休日なれど、今日は月曜日で萌えるゴミ……じゃなかった、燃えるゴミ収集の日。今日ゴミを捨てないわけにはいかない、と、7時頃に起き出してがさがさゴミをまとめて捨ててきた。ついでにマフィアのお仕事やって、自分のお仕事もやって、家族が起きてくるのをのんびりと待つ。
 
昨日あたりからいよいよ居間のガスストーブも本格的に使い出しているところ。猫たちは「あら、なんか空気があったかくなったわ」「なんか上にいる方があったかい気がするわ」とばかりに、パソコンの上に乗ろうとしたりプリンタ台の上に乗ろうとしたり、ここ数週間の定位置だったこたつ周りから、更なる高みを目指そうとうろうろしている。……おとなしくこたつ周辺で寝ていてください。キーボードの上はちょっと止めてください……。
 
朝食は、ホットサンド。だんなが「ベーコンキャベツを挟もうと思います!」とサンドイッチ用のパンと共に材料を買ってきてくれたもので、
「キャベツたっぷりの方がいいよね。で、ベーコンもたっぷりの方がいいよね」
と盛大に塩胡椒で炒めたベーコンキャベツを溶けるタイプのスライスチーズと共にみっちりホットサンドにしてくれた。だんなが鍋をふるっていた間、私はこてこてパンにマーガリン塗りなどを。
 
シャキシャキした歯ごたえが心地良かったホットサンド、
「キャベツとベーコンとチーズだから、これは何サンドですか?」
「きゃべち」
「それじゃベーコンの存在が感じられない。キャベーチー、じゃないと」
「チーベーキャ」
「キャチーベー」
なんかどれもしっくりこないねぇ、なんて話しながら、いつもよりはあっさり味なホットサンドをもぐもぐ。マヨネーズ味のも美味しいけど、マヨネーズ味じゃなくてもホットサンドは美味しい。
 
午前中もなんとなく仕事を続けてしまって、注文書を書かないうちに届いてしまった、今週の野菜「ベジタS」。
 人参400g ・ 長芋200g ・ ピーマン130g ・ レタス1玉 ・ 青梗菜1束 ・ 菜の花1束 ・ 早生温州みかん450g
という品揃えで、みかん3kgを別に注文してしまっていたのに10個ほどのみかんがセットに入っていて、廊下に置いたみかん箱がなかなかゴージャスな事になってしまった。昨日、注文したのを忘れてうっかりスーパーで買ってしまったし。
 
で、「たくさんあるからたくさん食べていいよ」と言ったけど、言ったけども、夜になって居間のゴミ箱を見てびっくり。一体何個食べたんだい、息子……。

味噌バターコーンラーメン
麦茶

午前中、息子の突然のリクエストで、親子でモノポリー大会。
一度始めると長いんだよねこのゲーム……と、はじめて、じわじわと各自「はい、これでオレンジ独占〜!」「僕はここにホテル建てちゃうよー」と着々と独占し家を建てて、ぎゃあぎゃあ騒ぎながらの1時間半ばかり。
 
結局、緑のペンシルバニア通り枠を独占して家をぼかすか建てていた私の勝利で終わった。途中、泣きそうなほどのジリ貧状態でだんなの枠に止まってしまい、
「おゆきさん600$だよ?払えないの?じゃあその手持ちの鉄道3つでいいや」
と、せっかく揃えた鉄道3つを冷淡に奪っていっただんなは悪魔に見えた。
 
お昼御飯は、もやしを挽き肉を炒めたのを乗せた、味噌バターコーンラーメン。
昨日、だんなが「明日の昼御飯はラーメンにしませんか?」と、ホットサンドの材料と共に、もやしや挽き肉などなども買ってきてくれていた。「ラーメンにしませんか?」は電話で聞かれたので、
「あー……じゃあ、味噌ラーメンがいいな。味噌バターコーンラーメン」
と返事をしたものだから、私の分は味噌ラーメン。だんなと息子はとんこつ醤油ラーメン。
 
コーンは私と息子が2人で使い、バターを入れたのは私だけ(とんこつ醤油にはバターって感じじゃないよね……)。しっかりめの味の味噌ラーメンがこの寒さにはたまらない美味しさで、先日合羽橋で買ってきたコーンすくいが大活躍だった。

塩揉み白菜
牛タンの塩焼き
お刺身(ブリ・マグロ・鰺たたき)
おでんの残り(やっとこさラスト)
羽釜御飯
ビール(よなよな・インドの青鬼)

今日届いた長芋、さっそくとろろかけ御飯にして食べたいなぁと、「とろろ御飯と言えばこれでしょー」と、おかずは牛タンの塩焼き。
 
白菜ときゅうりと人参の塩揉み添えて、あとは唐辛子味噌とテールスープがあれば仙台の牛タン屋さんの定食のような感じになる。が、テールスープを煮ている時間もなく、牛タンと塩揉み白菜の他は、お刺身あれこれと、汁物代わりにラストのおでんで。ビールは先日届いた「インドの青鬼」を冷やしておいた。
 
長芋は、適当に大根おろし器ですってすり鉢であたろうかと思っていたのだけれど、ふと思い出して出してみたMicroplaneが大活躍。
 
以前レストランの仕事絡みで、「おひとつどうぞ」と貰ってきたその巨大なおろし金は、えらく使いやすくて重宝している。パルミジャーノなどの固いチーズも細かく綺麗に、力要らずですりおろせるし、レモンの皮などのすりおろしにも便利。だからといって長芋はどうよ、と思わなくもなかったのだけれど、試しに使ってみたら、ざくざくと細かく綺麗に手早くおろせてしまったのでとても満足したのだった。がさばるけど、何かと重宝するので出番の多い調理器具の一つ。
 
おろした長芋は鰹だしと薄口醤油、ひと垂らしのしょっつるを加えてのばしておき、御飯にたっぷりかけて啜るように食べた。胡椒ガリガリ挽いた牛タンと塩控えめで幾分サラダっぽい白菜とよく似合う。
 
一尾150円だったんだよー、とだんなが買ってきてくれた鰺は、たたいて胡麻油と塩を軽く混ぜてから御飯に乗せて食べた。
明日のお昼はかなりの御馳走が待っているので今日の夜くらいから節制しようかと思いつつ、うっかり美味しくあれこれ食べてしまった夕御飯。

11月24日 火曜日
拳骨サイズの白子の前菜。迫力!
うどん あつあつ
抹茶入り玄米茶

そういえば、けっこううどんがあるんだよー……と、常温保存のうどんを引っ張り出して、
「この2玉入りのうどんの賞味期限が間近だわ……」
と、「はりや」の麺を茹でることに。
 
本当は、茹でた後に水で締め、ちょっと甘めのだしはつけつゆ用ということになっているけれど、この寒さで冷たいざるうどんというのはいかにも寒々しいなと、湯でやや薄めにのばしただしを温かいうどん(茹でて、一度水で締めたものを再度湯に戻して温めた)にかけることに。
 
揚げ玉をパラッと散らし、刻み万能葱も添えて、2玉を3人で分ける風にしたら良い感じの軽めの朝御飯になった。
今日のお昼はガッツリ豪勢ランチの予定ということで、軽め軽めに。

四ッ谷 「北島亭」にて
 "4品好きなものえらんでフルコース" \10500
     スクランブルエッグと塩漬いくらの一口タルト
     アンチョビ入りミニクロワッサン
     尾崎産生カキのマリネ フランボワーズの香り・サラダ添え
     真鱈の白子のムニエル・トマトソース添え
     柳がれいのボン・ファム風 グラタン仕立て 自家製ヌイユ添え
     特選和牛ランプ肉のステーキ エシャロットバターソース
     葡萄・苺・チョコレート(トリュフ)
     ブランマンジェ
     ほおずきの飴がけ
     ハーブティー
 白ワイン

今日はだんな、お仕事お休み。
ちょうどイタリア料理研究家のT先生と「どこか美味しいものでも食べに行きましょうか」という話も出ていたところで、「では北島亭に御一緒しませんか」ということになった。
 
数ヶ月前に私が友人たちと行ったお店で、Tさんもお誘いしたのだけれどあいにくその時はタイミングが合わず、そして「このお店、絶対だんなが好きそうだわ」と強く感じたお店でもある。全体的にボリュームたっぷりなお店なので、私とだんなの2人がいればTさんが食べきれない分お手伝いできそうな感じもするし、幸いこの3人なら「この食材はダメ!」というものもないしで、数日前に慌ただしく出した提案ながら「行きましょう!」と速やかに。
 
地に両足をどしんとつけたような「男のフランス料理」という表現がぴったりという風のこのお店の料理、全体的に塩気が強い印象もあるけれど、私は前回来て、最高に気に入ってしまった。四ッ谷という立地のちょっと雑多な裏通りにひっそりある佇まいも、そう広くはなく簡素な印象のお店のしつらえも、それは「お洒落して女友達と優雅な午餐を」という趣向には向かないかもだけれど、お客もお店も「美味しいもの食べるぞ!食べさせるぞ!」という匂いが感じられてとてもいい。
 
ランチメニューで一番値が張るコースが、メニューから冷前菜、温前菜、魚料理、肉料理、デザートを好みのもの選べる「4品好きなものえらんでフルコース」10500円。ただし、温前菜、魚、肉は、テーブル全員が同じものを選ぶ必要がある。
 
テーブルには、「本日の特選食材」を乗せたバットがやってきて、それは見事な牛ランプと鶏、白子やウニが乗せられていた。
「今日は、なんといっても牛ランプ肉がオススメです」
との説明付きで、今日は羊か鴨かしら、とグラグラ揺れていた頭が「じゃ、じゃあ牛ランプで」という気分になってくる。魚料理はあまり選択肢がなく、柳ガレイか帆立貝柱のポワレかの2択。ここはオススメのカレイにしてみた。
 
後から思うと、魚:柳ガレイ、肉:牛ランプという組み合わせは前回とまるっきり同じだったわけだけれど、でも後悔はないの。次こそは平常心を保って(?)羊か鴨にするつもりだ。
 
お昼だし、食前酒はいただかずにワイン1本を3人で通しで飲むくらいでちょうど良いのでは、と、1本いただきつつ突き出しのフィンガーフードをつまみつつ、各自選んだ冷前菜を交換しつつ。
 
小皿に盛られた突き出しは、「スクランブルエッグと塩漬いくらの一口タルト」、そして定番の「アンチョビ入りミニクロワッサン」。さっそくお酒が恋しくなりそうなそれら、タルトは大口開けて一口でいただいてしまった。醤油味ではないイクラが、良い感じに磯の味がしてふわふわの卵とよく似合う。サクサクした食感のクロワッサンも、食欲をそそるアンチョビの塩加減。
 
せっかく別々のものが選べるからと冷菜はそれぞれ違うものにして、少しずつお味見。私は一度「和牛タルタルステーキ」を選んだのだけれど、あいにく品切れということで「尾崎産生カキのマリネ フランボワーズの香り・サラダ添え」に変えてもらった。同じソースと野菜を添えた、だんなの皿は「あかざえびのマリネ」。Tさんはこのお店の名物の一つである「生ウニのコンソメゼリー寄せ カリフラワーのクリーム添え」。
 
私の皿には、大きな殻つきの牡蠣が3つ(3つも!!)ゴロリと並んでいた。殻の下には敷物のように海藻が置かれて、牡蠣の脇には葉野菜のサラダ。全体的に良い塩梅のビネガーの酸味が漂い、トマトや紫玉ねぎが飾られた乳白色のソースのかかった牡蠣はプリンプリンでしかも大ぶり。なのに味が濃い。
牡蠣が3つもあったので、だんなに1つ分けつつ、ちゃっかりアカザエビを1切れいただいた。味のベースは同じだけれど、海老となるとまた違う印象。とろけるような柔らかな口当たりの海老もたいそう美味しかった。
 
そして、"今日の写真"にした白子のムニエルは、圧倒されるボリューム。小柄な女性の拳骨1個分、という分量の白子は表面がクリスピーに、中は半生にトロリと、でも全体的にはアツアツの絶妙の火入れ加減。たっぷりのイタリアンパセリが散らされて、エシャロットのコンフィがトマトソースと共にかけられていた。このエシャロットが、エシャロットそのものからの味だろう甘さが感じられて、白子もエシャロットもとろけるような口当たり。
 
こういう前菜は、「ああ、あと2口くらいあれば、いや、バケツ一杯食べることができれば幸せなのに」と思うことが度々だけれど、今日は口一杯ほおばっても、まだ同じくらいの分量がお皿の上に残っているという幸せを味わえた。この大きさの白子を食べきってなお、「まだいける、まだ食べたい」と思わせてしまうのだから、すごい料理だと思う。
 
そして魚料理、「柳がれいのボン・ファム風 グラタン仕立て 自家製ヌイユ添え」。柳ガレイは1人半身。添えられた菜の花の下にこっそりカレイの肝を焼いたのも潜んでいて、カリフラワー、自家製ヌイユも添えられる。「ヌイユ」とは平たい手打ちパスタで、タリアテッレよりは細く薄く、あくまで「添え物」という風な麺。魚の下、パスタに絡ませるように敷かれたソースは綺麗な卵の黄身色をしていてトロリと濃厚、このソースだけはこのコースの中でひときわ塩が強く感じられて、もう少し塩控えめの方が好みだったかなぁ……と思わせられた。ふわっと口の中でほぐれるような魚の身は、これまた実に素敵なものだったのだけれど、いかんせん直前の白子の皿と、続くランプ肉の印象が強すぎた。
 
メインディッシュが強く印象に残る食事は満足度も高くなりがちだけれど、今日はまたその最たるもの、という迫力の肉料理、「特選和牛ランプ肉のステーキ エシャロットバターソース」。
 
Tさんが「私、それほどいただけませんから、私の分半分くらいをこちらのご夫婦のお皿に乗せていただく感じで……」と、献立を決めるときの「どのくらい召し上がれますか?」のお店とのやりとりで交わされた言葉通りに、私の皿には「どーん」、だんなの皿には「どどどーん」と、前回以上のボリュームの肉が鎮座ましましていた。断面が綺麗なロゼ色なのに赤いドリップが出ることはほとんどなく、シンプルに添えられたじゃがいものガレットは手抜きのない味。無愛想な風にごろりと置かれた巨大な唐辛子は「万願寺唐辛子」だそうで、シャキシャキした歯触りとほろ苦さが良い箸休め(フォーク休め?)になってくれた。
 
この肉がもう、赤身なのにしっとりとしていて柔らかく、脂ぎっているところのない素晴らしいもの。魚の段階で食べきっていたパンを1個追加でいただいて、そろそろ腹具合も8割強に達している頃だというのに、最後の1切れまで大変美味しく食べてしまった。ここ数日、「ステーキみたいな、がぶっと食い付くような肉食べたい!」と密かに思い続けていたので、野望叶って、という気分。
 
食後は10種類ほどから選べるデザートメニューを見ながら、最初のおつまみにと葡萄、苺、トリュフチョコレートが小皿に盛られてやってきた。葡萄も苺も大粒で甘く、畳みかけるような料理の後のシンプルな果物というのがさりげない存在で嬉しい。
 
デザートは、Tさんが日替わりメニューからモンブランを、私とだんなは定番メニューのブランマンジェとクレームキャラメル。他にも美味しそうなデザート色々あるのにプリンでいいの?とだんなに聞いたら、「来るたびに上から順々別のを頼むからいいんだ」だそうで。「次回」も遠からず来る気満々という風で、誘った私はしめしめという気分だった。
 
デザートも、料理に負けずしっかりとした分量で、そしてしっかりとした甘さがあるのが幸せ。真っ白なソースに真っ白なムースという風のブランマンジェには洋梨のコンポートとベリー、ミントの葉が添えられていた。最後の最後には黄色い食用ほおずきの飴がけ。トマトと葡萄を足して2で割ったような、食感と酸味、甘味がある。このあたりで特盛肉を食べただんなとTさんは2人で「もうダメ、おなかいっぱい……」と倒れそうになっていたので、私が一人でほおずきをもぐもぐ食べていたりした。甘い物は……別腹なのよ。
 
で、帰りがけにシェフ自らお見送りに出てきてくださり、お土産に「みかん」1人2個。このお店の「帰りがけにお土産」は恒例のものなのだそうで、夜には「パンとみかん」などになったりするとか。なぜみかん?なぜ1人2個?と、だんなの分合わせてみかん4個で若干重くなった鞄を抱えて、ワイン1本ですっかり良い気分になって帰路に就いた。新宿あたりぷらっと歩くかなと思っていたのだけれど、だんなも存外お疲れの様子だし、何より雨も遠からず降ってきそうということで。

スパゲティ "若者のアイドル"風
ビール(サッポロクラシックラガー)

私が1人暮らしだったら、あるいはだんなと2人暮らしだったら、「今日の夕飯は何も要らないね」となるところだけれど、我が家には育ち盛りの息子がいる。
 
昼食後じゃ絶対夕飯の献立なんか考えられないだろうねと、ランチに向かう行きの電車の中で
「夕飯どうするー?今決めておかないと、昼食後は考えられなくなると思うよ」
なんて、ぽつりぽつりと相談しながら向かっていたのだった。「パスタはどうだ、分量調節できるし」ということで、冷蔵庫内のありものを検討した結果、「"若者のアイドル"風」ということに。
 
和風パスタ屋さん「壁の穴」の名物料理で、大ぶりに切ったソーセージやピーマン、しめじ、トマトなどが入る。味つけは、オイルベース……というか「塩ベース」。シンプルながら美味しいパスタ料理だ。
 
で、しめじはないけど舞茸あるし、人参と玉ねぎも使いさしのがあるし、と、「肉3kgセット」に入っていたイングリッシュソーセージを炒めてスライスしつつ、人参、玉ねぎ、ピーマン、舞茸、トマトなどを使ってだんながささっと作ってくれた。味付けは日本酒、昆布茶とフルール・ド・セル。
 
大人は1人パスタ80gにも満たないくらいのごく軽い分量にして、むしろ「麺入りのソーセージ炒め」的になった皿を前に軽くビールで「迎え酒」状態。

11月25日 水曜日
息子の好きなものをと。
「Paul」のパン・オ・ショコラ
カフェオレ
みかん

ここ数年で新宿のデパ地下とか、駅ビルとか、あちこちで見かけるようになった「PAUL」というパン屋さんがある。密かに気になっていて、でもしばらくフランス料理の巨匠「ポール・ボキューズ」の関係のパン屋さんだと思っていた。なんでも、フランスで最も有名なブーランジェリーのひとつらしい。パリに200店舗以上あるとか。
 
なかなか美味しいと聞いて、昨日四ッ谷の駅ビルのお店で買い物してきた。朝御飯用にパン・オ・ショコラを2つ(私とだんな用)、チョコにそれほど愛着のない息子にはリンゴのパイを1つ。私用のおやつにカヌレも1個。
 
パン・オ・ショコラはともかくリンゴのパイは温めた方が良いかなとオーブンの余熱をはじめたところ、起きてきた息子が
「なんか具合悪い……頭痛いし気持ち悪い」
と。
 
熱もないからインフルエンザという風でもなく、でも無理に登校させても「朝の健康チェック」で早退勧告されちゃうだろうなと学校はお休みすることになった。午後からでも元気になったら登校しなよ、と声をかけるも、おとなしーくベッドに戻っていったところをみると不調はけっこう本格的なのであるらしい。リンゴのパイも後で食べる、と寝室に引っ込んでいった息子を案じつつ、だんなと2人で朝御飯にした。
 
適度に水分を残しつつもサクフワした心地よい食感の生地は控えめながら良質の粉とバターの香りが漂ってくる。均一に巻かれたチョコレートも上品な味で、美味しいパン・オ・ショコラだった。私はもっと、サンマルクカフェの"チョコクロ"の如くにチョコがバボーンと入っているのが好きではあるのだけれど、とてもバランスの良いパン・オ・ショコラに、だんなは
「おお……俺の理想のパン・オ・ショコラに近い」
とのこと。
 
「アレですか、おフランスの朝御飯ってこんな感じですか」
カフェオレずるずるずーと啜りながらだんなに聞いたら
「……うん。まぁ、こんな感じ。これと、あと冷たいハムとかが何枚か、って感じ?」
「あー、冷たいチーズとかね。あったかいものコーヒーだけだよね、みたいなね」
「そうそう」
「……いいなぁ……
「……いいか?」
 
私はパンが大好きだから、パンが本場の国で毎朝パンなんて幸せなことに思えるのだけれど、だんなに言わせると「3日くらいが限界だよ……あったかい御飯とか恋しくなるよ」だそうで。
「せめてうどん!あったかいおつゆ!って気分になっちゃうものかしらねぇ」
私の言葉にそうそう、と頷いただんなが、気付いたように
「そうか!カップ麺持っていけばいいんだ!」
と悟りを開く叫びを発していた。……えー。

レタスとキュウリのサラダ
ブリのマリネ
菜の花を添えたチキンクリームシチュー
羽釜御飯
麦茶

いつも通り昼過ぎにはケロッとした顔で起きてくるんだろう、と思っていた息子は、午前中はしっかりと眠り続け、昼頃にふらりと
「……今度はお腹空いて気持ち悪い……」
と起きてきた。朝御飯スルーしちゃったもんねぇと、
「朝食べ損ねたリンゴのパイあっためる?そんな気分じゃなかったらヨーグルトあるし、でなきゃうどんとかも用意できるけど」
と返事したら、「パイ食べたい、僕のだし」と。
 
ならばとミルクティ淹れて、息子が朝昼兼用になったリンゴパイを囓っている横で、私はカヌレを食べていた。おお、カヌレも美味しいぞいいぞポール。また見かけたら寄るよポール。
 
……で、夕御飯には、せめて息子が好きそうなものをということで、チキンクリームシチュー。最初はグラタンでもするかなと材料を買いに駅ビルに行ったのだけれど、八百屋さんでペコロスが大量に入って198円だったのを見つけてしまって
「……これは煮込み料理?ポトフ……というよりシチュー?」
と方向転換。グラタン用に買った鶏もも肉も、八百屋で籠に入れたマッシュルーム(これもグラタン用)もそのままシチューに入れられるなと、そのままペコロスと共に買ってきた。
 
冷蔵庫には、ラーメンに使った残りのコーンのホール缶の残りだとか、2個の蕪だとかもあったので、それも使ってシチュー作り。ペコロスの薄皮を剥くのが大変に面倒だったけれど、10個ほどのペコロスを剥きまくって、上下を切った丸のままで鶏と炒めてシチューにした。あとは人参、じゃがいも、蕪、マッシュルーム、コーン。最後の最後に別茹でにした菜の花も添えて、いつも以上に具沢山なシチューになった。
 
月曜に食べた半端に残っていたブリとマグロの刺身は、マグロはづけに、ブリは軽く塩しておいていた。洋風のマリネだったらシチューと合わせてもおかしくないかなと、Tさんに教えてもらったレシピを参考に、刻み野菜(きゅうり、パプリカ、トマト、玉ねぎ)をビネガーとオリーブ油であえたものをブリに添えて冷たい小さなおかずに。月曜に届いた立派なレタスもざくざくちぎってサラダにした。
 
ちょっと遅めに帰ってきただんなはあいにく一緒の食卓にはつけなかったけれど、息子もだんなも
「シチューおかわりー」
「おかわりー」
とせっせと食べてくれて、市販のルウを1箱使ったシチューは半分以上があっという間に消え去った。
 
息子はそれなりに元気ではあるけれど、夕飯前も熟睡していたところをみると好調とは言えない様子。
午後2時3時あたりにがさがさ廊下からみかん箱を探る音が聞こえてきて、またみかんが減っていたようで、どうも「妖怪みかん童子」が出没していたようでもあるけれども。

11月26日 木曜日
さー食べよう早く食べよう!と、袋をがさがさ
ミニづけ丼 いくら乗せ
抹茶入り玄米茶
みかん

先日の連休最終日、月曜に食べたマグロとブリのお刺身。残ってしまったものは、ブリには塩をして昨日マリネにして食べ、マグロの方はだし醤油と味醂を合わせた漬け地に浸して「づけ」にしておいた。1人3切れほどしかないけれど、それを軽く盛った御飯の上に載せて、づけ丼に。
 
本当は、共に余っていたとろろもかけて「山かけ丼」にする予定だったのに、とろろの存在をすっかり忘れ去ってしまって、自家製いくらと揉み海苔をまぶしての丼にしてしまった。しまったなー……とろろかけて食べようと思ったからこそ「づけ」にしておいたのに。
 
廊下に置かれた5kg弱ほどのみかんは、先日来我が家に出没している"妖怪みかん童子"がえらい勢いで消費しているけれど、まだ残っているうえにこの週末にも更なるみかんが届くことになっている。もう家族全員妖怪になるしか、と、私も朝からみかんを1個。

「ケンタッキーフライドチキン」の
 オリジナルチキン
 ナゲット
 フリフリポテト(コンソメ)
 コールスローサラダ
 ビスケット
チキンクリームシチュー
ビール(サッポロ黒ラベル)

昨日か今日の新聞の折り込みに、ケンタのクーポンがついてきていた。
「おぉー、ケンタ……クリスマス近いもんなぁ」
とまじまじと見ていたら、案の定フライドチキンが食べたくなってきた。
 
モンスターハンターのスキルに「火耐性+10」とか「火耐性-10」とか「寒さ倍加」とか「寒さ無効」とかいったものがあるのだけれど、私の装備(=普段着?)にはきっと「ケンタ耐性-10」とか「ケンタ倍加」とか、そんなものがついているのに違いない。
 
どこかに「ケンタ耐性+10」とか「ケンタ無効」とかいうスキルの装備はないのでしょうか。具体的には、広告を見ても「あ、ケンタ食べたいかも」と心が揺らがないスキル。一度食べるとしばらくはいいやって気分になるのに、また1ヶ月もするとムラムラきてしまうのだからやっかいな食べ物だ。
 
ともかく、「ケンタいいなぁ……」と夕方改めてクーポンの紙広げて、「でもわざわざ買いに行くのもめんどうだなぁ」と諦めようとしたら、息子がひょいと横から覗き込んできて
「あ、ケンタいいね。ケンタ食べたい」
と。ああ、この子もきっと「ケンタ耐性-10」とかついているんだ。
 
「うーん、でも買いに行かないといけないからねぇ、めんどくさい。君、行ってくれる?」
「うーん……大変……かな」
「だよねぇ。うん、ケンタ止めよう。我慢できなかったらまた考えるとして、今日はちゃんと何か作ろう」
 
ケンタ止め!と一度は決めて立ち上がったのだけれど、そこで息子が
「お母さん諦めちゃダメ!なら僕行くから!買ってくるから!」
と雄々しく立ち上がった。立ち上がってしまった。えらいぞ息子。
 
じゃあね、このセットと、こっちのセットと、ポテトもつける?と息子と相談しいしいクーポン数枚切り取って、単品注文するものをメモに書いて、
「ジュースは横のスーパーで好きなペットボトル買ってくればいいよ」
と息子を送り出した。
 
しばらくして届いたメールによると
「チキン作るって。ってなことで10分間待てって。お詫びにドリンク貰っちゃった。」
だそうで、息子はサービスにメロンソーダをお店の人にもらったのだそう。
 
で、それを飲み飲みチキンが揚がるのを待って買ってきてくれた。コールスローやらビスケットやらも頼んだからけっこうな大きさの袋になって、
「僕の自転車じゃ、籠に入らなかったよ!籠に乗るサイズだから大変だったよ!」
と耳を真っ赤にして帰ってきた。おお、ごくろうさん。しかし、揚げるのに時間がかかるからジュースサービスって、私は一度も経験ないなー。良かったねぇ、息子。
 
せっかくの揚げたてチキン、これは速やかに食べないとねと、まだ6時を少し過ぎたくらいのタイミングだったけれど、我慢できずに袋をがさがさ開いて卓上に一気に広げた。10個ナゲットの割引クーポンもあったから、ナゲットあり、「フリフリポテト」ありで、昨夜のシチューも出したらかなりゴージャスな光景に。
 
そもそもは「昨日の残りのシチューにも合いそうだし」という理由もあってケンタにしたのに、息子は「肉ー!ビスケットー!ポテトー!」と、シチューやコールスローあたりには目もくれずにそれらのものを平らげまくり、
「あ……シチュー、食べられそうにないや……」
と、好物なはずのシチューは手つかずのまま鍋に戻すことに。ケンタの魔力おそるべし。シチューの魅力をも超えるらしい。
 
私は、そのあたりは大人なので、ちゃんとシチューやコールスローも堪能しつつ(ケンタのコールスロー大好きなのよね……)、肉2つとビスケット、ナゲット2つ3つを美味しくいただいた。
 
肉はまだ温かくて、ポテトも湯気が立つほど。懐かしい味のコールスローを「そうそうこの味」と噛みしめながら、手をベタベタにしてフライドチキンを堪能した。お呼びでないのにりゃんりゃんが
「お呼びですか?」
「いい匂いがしますね、とてもいい匂いですね」
「僕の分はないのですか?」
とばかりに左から右からこたつの中から大騒ぎ。どうやら猫科の生き物にも「ケンタ倍加」のスキルがついているらしかった。

11月27日 金曜日
XO醤炒め。大珍樓のXO醤を使ったですよ。
コーンフレーク with 牛乳
みかん

ここ1年半ばかり連日深夜帰宅が続いていただんな、やっとこさ人間的な時間に帰宅できる程度には仕事が落ち着いてきたらしい。既に退会していたスポーツジムに再入会したのだそうで、「復帰1日目ー!」と元気に早起きしてジムに出かけて行った。私もすっかり運動はご無沙汰気味で、せめてプールにでも行くかなぁ、と思ったり……。
 
で、私はうっかりしていて、今日の朝御飯はホットサンドを予定してしまったのだった。作るのに時間のかかるホットサンドではジム前に食べていってもらうこともできず、「ごめーん……朝御飯は、どうにかしてください」と、だんなを送り出すことに。
 
ホットサンドを明日に回すと、私と息子の朝御飯も「じゃあうどん茹でる?それともパンケーキでも焼く?」という感じになり、息子と相談の結果「コーンフレークでいいんじゃない?」ということになった。
 
コーンフレークもなんだかんだでご無沙汰で、使いさしのシリアルは既に湿気てしまっているものも。ストロベリー入りのあるよ?こっちはプレーン、とコーンフレークの箱をいろいろ出してみた結果、息子も私もココア味のを器にあけて牛乳かけていただいた。コーンフレークを平らげた後の牛乳がココア味になるのが幸せ。

チーズ(モンドール) クラコット
青梗菜と豆腐のXO醤炒め
豚肉炒めがけ千切りキャベツ
豚肉とじゃがいもと舞茸の味噌汁
羽釜御飯
ビール(サッポロラガー)

今日は午後に息子の学校の行事があって、午後にまともに仕事を始められたのは夕方4時を過ぎてから。
 
予定のある日に限って普段来ない類の依頼が来るのはいつものことで、あらあら画像作成、あらあらcgiの設定変更、週末は出かけちゃうし……と次々やっていたらあっという間に6時半を過ぎてしまった。いつも以上に早く「これから帰るよー」とだんなから連絡も入って、急ぎ献立を考える。
 
毎日の食事の支度、「これとこれを作ろう」という事だけでも決めておけば余裕をもって動けるのだけれど、夕方になってから「何を作ろう?」からやろうとするとなかなか大変。今日は(今日こそ)あっさりめに「青梗菜と豆腐のXO醤炒め」を作ろうということだけは考えていたものの、「XO醤だと辛いかしら、息子用に薄切り豚肉でも使った料理をあと一品?あと汁ものどうする?」と数分で慌ただしく考えて台所に移動した。
 
今日の夕飯のメインは、一応「青梗菜と豆腐のXO醤炒め」。青梗菜と水切りした豆腐を、豆腐を崩さないように炒め合わせ、味つけはたっぷりめ(青梗菜2株と豆腐1丁に対して大さじ2弱)のXO醤と風味づけ程度の醤油、紹興酒、塩少々。調子に乗って紹興酒を注いだら、ちょっと汁汁した感じの「炒め煮」になってしまった。冷蔵庫には何種類かのXO醤があって、「大珍樓のと、台湾土産のがある……どっちがいいかな……」とスプーンでちょっとすくって味見しつつ、じわっとした辛さのある大珍樓の方のを使ってみた。
 
「なんとなく中華風の味付けに思えなくもない」という乱暴な理由で作ったのは、太めの千切りキャベツに豚肉炒めをかけたもの。ケンタロウさんのレシピで、「豚薄切り肉を使っても良い」と添え書きがあるけれど、本当は豚ひき肉を使うことになっているレシピ。胡麻油でにんにくと生姜を炒めたところに豚肉を加え、塩胡椒しながら炒めつつ、酒をふって飛ばし、ナムプラーと砂糖、醤油で甘じょっぱく調味する。汁ごと刻みキャベツの上に肉を乗せたら、「胡麻油を好きなだけ」かけて、全体を和えつついただく……というものだった。
 
これが簡単な割になかなか美味しくて、「サラダ」的な位置ではなく立派なおかずの一品になった。私は千切りキャベツが大好きだから、なおのこと「こりゃ美味しいわー」と。
 
半端に残っていた舞茸は、これまたケンタロウさんのレシピで、豚肉、じゃがいもと共に合わせて具沢山の味噌汁に。豚と舞茸からしっかりスープがとれるので、味噌は若干控えめにしてすり胡麻も加えつつ調味する。全体的に味が淡めというわけではないのになんとなくあっさりした感じの献立になったので、せめてもとビールの肴用にチーズも出した。
 
最近また少しずつ機会が増えてきた「家族皆の夕御飯」に息子は始終はしゃぎ気味。そんな食事中の会話は「温かい空気は上の方に行くのに、なんで山の上は雪が積もるほど寒くなっちゃうのか」という、なかなか難しい内容だったりして。

11月28日 土曜日
今日は水族館にお泊まりでーす
ホットサンド(こーんたまちー)
カフェオレ

サンドイッチ用の食パンがあったので、今日の朝御飯はホットサンド。
「久しぶりに"こんたまちー"(コンビーフ+卵のマヨ和え+チーズ)がいいなぁ」
とだんなは言っているけれど、あいにくコンビーフの買い置きがない。コンビーフ、安売りのタイミングでまとめ買いしようと思っているのだけれど、これがなかなか安売りされないのだな……。
 
コンビーフないよ、と探しながら呟いたら
「じゃあ"こーんたまちー"(缶詰のコーン+卵のマヨ和え+チーズ)でいいかな?」
とのこと。コンビーフとコーンは、語感は似ているけど語感だけじゃん、全然違うじゃん!と苦笑いしながら、ともかくも「こーんたまちー」。
 
コーンも卵もマヨネーズもチーズも全部黄色なものだから、パンの上に具を重ねたらちょっとびっくりするような色合いになった。マヨネーズを心もち控えめにしたので、塩気が少し物足りなかったかも。とろけるチーズがこぼれてきそうなホットサンドを堪能した後は、お出かけの準備。エアマットよーし、着替えよーし、クラゲピアスよーし。

「新江ノ島水族館」にてブッフェ夕食
 春雨サラダ、レタスのサラダ
 オリーブ、ハム、チーズなどのピンチョス
 グリルチキン、ハム
 いなり寿司・各種おにぎり・サンドイッチ類
 フルーツ、ケーキ盛り合わせ
 グレープフルーツジュース、コーヒー
 などなど

昼頃に家を出て、東京駅の「GranSta」でお買い物した後は一路藤沢駅経由で片瀬江ノ島駅に向かう。
今日は「新江ノ島水族館」の「スペシャルお泊りナイトツアー 大人の女性限定!クラゲヒーリングナイト」に参加の予定で、1泊2日の水族館お泊まり。
 
GranStaで腹ごしらえでもしようと思っていたのだけれど、お目当てのリゾット屋さんには行列ができているし他に駅構内にこれというお店も見つからず、ならばと早めに藤沢に向かったもののこれまた「ここにしよう!」というお店が見つからず。結局、本屋などをちらりと覗いた後、そのまま江ノ島に向かうことにした。
 
息子と2回ばかり参加したことのある「えのすい」宿泊イベント、今回は「大人の女性限定」ということで、息子もだんなも誘えない。友人に声をかけようにも、「水族館(今回は殊にクラゲ)が好き」「土曜の一夜、家族を置いて参加できる」「雑魚寝上等!」という条件はなかなか厳しいものがあるわけで(特に「雑魚寝」がね……)、単独参加も覚悟していたところ、1人の友人が「私行きます!楽しそうじゃないですか!」と言ってくれた。雑魚寝どころか「いや、私"野宿萌え"なんで……」と、大変に心強い。なんですかその「野宿萌え」って。
 
午後3時半に受付を済ませた後は5時まで館内を自由行動。その後は各種イベント食事就寝全て閉館後の水族館で体験して、翌日午前9時にイベントが終了するまでは禁酒禁煙、緊急の場合を除いて水族館を出ることはできなくなる。東京駅で買ったお菓子とお茶もバッグに詰めて、最初の受付で大きな荷物を預けた後は1時間ばかり館内を散策。
 
団体行動が始まる再集合後は、
17:00〜 2階ロビー、クラゲホールにてクラゲに関するレクチャー
19:00〜 大水槽前でブッフェ夕食
20:15〜 デザート食べながら「特別ナイトダイビングショー」観覧
20:30〜 3班に分かれてナイトツアー、その後就寝準備&自由行動
23:00〜 就寝
という感じ。
 
翌朝は
06:30〜 起床、身支度、自由行動
07:30〜 ロビー、デッキで朝食
08:00〜 イルカと握手、記念撮影(写真はプレゼント)
09:00〜 アンケート記入、解散
2日目も水族館に入館可能。
という流れになる。
 
基本的には親子でのイベントツアーと同じだけれど、
・就寝時間が若干遅め、その分自由時間多め
・「参加証授与」の代わりにイルカの握手写真を記念品として
・夕食が親子イベントより圧倒的に豪華、その分参加費用が高め
・人数が抑えめなので親子イベントよりも就寝時の1人分スペースが広め
・「全員での集合写真」の代わりに、参加グループ毎の記念撮影に。どちらも希望者に販売制。
 
といったあたりに違いがあり、全体的にきちんと「大人の女性」に配慮したものになっていたのが嬉しい。親子イベントでの、「お父さんたちの大いびき」が聞こえないだけでも、非常に熟睡できる一夜になって良い感じ。ちびっこがたくさんの賑やかな夜も楽しいけどね。
 
夕食前のレクチャーでは、
「いつもクイズ大会をするのですが、それとは違った趣向で……皆さん、クラゲに触ってみたいですか?」
と。触りたい、触りたいです!と、参加者の半数以上が手を挙げて、急遽クイズ大会は「ミズクラゲを触ってみようのコーナー」に変更になった。
 
丸いフチのヒラヒラした部分から出た細い触手部分に毒があるとのことで、「皮膚が弱い方はビリッとするかも」とのことだったけれど、
「口が上向いてるよ」
「逆さにしてあげたほうが良くない?」
と、私と友人が2人でぐにょぐにょとクラゲをつまんでいじって逆さにしたりして。固めのナタデココのような、中央部分は案外とゴリゴリと固いクラゲは、でも見た目通りのクニュクニュしたゼリー状の部分がほとんど。クラゲの子供にあたる「プリヌラ幼生」を抱えたメスのクラゲもいたりして、間近で見る違いが楽しかった。
 
ミズクラゲをひととおりつついて触った後は、クラゲファンタジーホールに移動して、展示されたクラゲを見ながらの説明を受ける。
現在、クラゲホールの中央には「ミズクラゲのグラスツリー」を展示中。水を満たしたワイングラスでタワーを作り、そのグラス1つ1つの小さなミズクラゲが入っているというもの。ふわふわと小さなクラゲが各グラスに漂う様は実に綺麗だけれど、いかにも窮屈そうで、クラゲにしてみれば少し苦しそうな環境。
 
「この環境だとクラゲはどのくらい生きていられるのですか?」
と聞いてみたら
「弱る前に交換しているので、どのくらい生きられるかというのはわからないのですが……でも中2日〜3日くらいで出してあげる感じです」
とのことだった。クラゲツリーのお世話は、想像以上に大変みたい。
 
その他、自分の備忘録がてら、伺った話からメモ残し。
 
水族館に展示されているクラゲの入手ルートは「館内で産まれ、育てたもの」「近海で採取してきたもの」「ショップなどから購入したもの」「他の水族館から譲り受けたもの」などがあるが、個体数で言えば館内で育てたものが一番多い。「パシフィックシーネットル」などは日本の海にはいないものなので他から入手することになるが、例えば「パシ〜」はアメリカのモントレー水族館からポリプ(クラゲの姿になる前身にあたる、岩などに付着するイソギンチャク様のもの。クラゲに比べると飼育、運搬が容易)を譲り受けたものだそう。
 
クラゲの餌にはクラゲが使われることもあり、他の餌に比べて「よく育つ」というデータもある。弱って死にかけたミズクラゲなどが使われたりする。
 
また、食用クラゲとして「エチゼンクラゲ」「ビゼンクラゲ」などが使われている(乾燥させて塩漬けにし、戻して調理する)が、他のクラゲも基本的には食べられる。この水族館のクラゲ飼育員さんは「この水族館のクラゲは全種類食べてますね」とのことで、「生食してます」とのこと。クラゲは体の90%以上が水分なので、基本的には「海水の味」だが、食べて美味しかったのは「パシフィックシーネットル」。
「いい海水の味がしました……」
って、それはクラゲの味なのかしら。
 
そんな、お好きな人にはたまらない話を伺った後は、吹き抜けの大水槽前に移動してのブッフェ式での夕御飯。
近隣のレストランのケータリングサービスのようで、ウーロン茶、ジュース類も飲み放題。食べ物は炭水化物類が多い印象で、サンドイッチが5種類ほど、鮭やゆかりなどの混ぜご飯のおにぎり、いなり寿司。細く長い楊枝に刺されたピンチョス類や、サラダも数種類。肉や魚などのおかず類は若干少ない印象だったけれど、トマト味のスープもあったりした。
 
何しろ女性だらけということで、殺到することが容易に予想できるデザート類は、1人分ずつを盛り合わせにした形でフルーツや焼き菓子が手渡しで。
 
きちんと参加者人数分の椅子やテーブルも用意され、デザートタイムに合わせて「ナイトダイビングショー」も行われた。大水槽内にカメラを持ったダイバーが入り、水槽内に1匹しかいないという魚を撮影して大画面に写してくれたり、参加者のリクエストを聞いて魚を探してくれたり。
 
その後は参加者3班に分かれての、暗い水族館内を歩くナイトツアー。私たちの班の担当は獣医さんとのことで、ペンギンやアザラシ、イルカのコーナーで熱く語ってくれた。ナイトツアーの最後に寄ったのが、通常は入ることができないクラゲの飼育室。想像していたよりはずっと狭い、10m×5mほどの広さの部屋には所狭しと水槽が並べられ、大量のミズクラゲやアカクラゲなどが飼育されていた。小さなビーカーにも1つ1つ「オワン」「タコ」などとラベルが貼られて、中には「どこからもみてもプランクトンです」というサイズのミニクラゲがたくさん。壁の一ヶ所に「要望及び改善点」みたいな表が貼られていて、
 
クラゲホール全般:クラゲは「生物の状態」と「水槽のきれいさ」が生命線と思う。そこは妥協しない方がいい。
アマクサクラゲ:生物と周囲のコントラスト悪。クラゲがよく見えない
ミズクラゲ:光の赤みが強すぎる
 
といったものが書かれていたのが興味深かった。常に「水族館に来てくれたお客さんに、どれだけ楽しんでクラゲを見てもらえるか」が考えられているんだなー。
 
ツアーの後は各自好みの場所に寝床を作り、23時までは自由行動。私たちはアカクラゲの正面に持参したエアマットを広げ、1人2枚配られた毛布をセット。なんと友人はデジカメを新調してきていて、私のみならず友人も一緒にクラゲを撮影しまくっていた。私は新しく購入した"じゃじゃ馬"の単焦点レンズを、設定変えつつ試行錯誤。クラゲ撮影は本当に難しい。半透明だし見ため以上によく動くし、水槽は暗めなものが多いし。
 
結論としては、
・"明るいレンズ"の威力は確かにすごい
・撮影モードの「夜景撮影」を活用してもいい
・「絞り」「感度」「シャッタースピード」は、「第一にこれを重視」というものはなく、水槽やクラゲの動きの激しさによって重視するものを変えるべき
という感じ。感度を上げれば良いというものでもなく、絞りを開放にすれば良いというものでもない……と。
 
真面目に撮影を繰り返しつつ、GranStaでうっかり買ってきた、常温保存可能な「Fiarycake Fair」のカップケーキを夜のおやつに友人と。いちご味、チョコオレンジ味など半分こしながらいただいて、クラゲに囲まれて眠る楽しみを満喫しつつ、毛布にくるまっておやすみなさい。
 
クラゲホールは「グラスツリー」への対処もあって(あまり気温を上げるとクラゲが溶けちゃうのだそうで……)若干低めの気温設定ということだったけれど、半袖シャツの上にスキー用の厚めのフリースを着て毛布にくるまれば充分温かだった。すっかり熟睡。

11月29日 日曜日
手前も奥も、どこまでもしらす。
「新江ノ島水族館」にて
 カメロンパン・クルミパン
 オレンジジュース・紅茶
 バナナ・ヨーグルト

クラゲに囲まれて水族館で過ごした一夜、午前6時前、健やかに起床。起床時間の30分前にぼんやりと水槽たちに弱く照明がつけられたのに気がついて、こっそり化粧室に移動して混雑する前に手早く身支度。他の人が起きだした頃には「あとはエアマットを畳むだけ」くらいの状態になっていたので、朝食までの時間にまたクラゲの写真撮影。結局撮影したクラゲ写真の枚数は300枚以上。……7割以上は失敗写真だろうけれど、「奇跡の1枚」があることを祈りつつ。
 
朝食は、これまでの宿泊イベントと同じく、パンとバナナ、ヨーグルト、飲み物のセットだった。
売店でも売られているカメ型メロンパン「カメロンパン」と、小ぶりのくるみパン。タカナシのヨーグルトとオレンジジュース、セルフサービスのコーヒー紅茶、バナナも1本。
 
この季節でさすがに肌寒くはあったけれど、外で食べた方が気持ち良いよねと外のベンチで海を見ながらの朝御飯にした。
波が若干高めで良い感じなのか、海にはサーファーが何十人も見え、寒空の中元気にサーフィンを楽しんでいた。メロンパンうまー。
 
食後はイルカプールに移動して、バンドウイルカと握手して記念撮影。朝食を摂ったロビーに戻ってアンケート用紙に記入したら、楽しかったイベントも終了だ。あっというまの一晩だったけれど、今回もとても楽しかった。
 
私の感覚では「つきあってもらった」友人もこちらの想像以上に楽しんでいたみたいで、
「もしまた次、"大人の女性限定、イルカヒーリングナイト"とかあったら一緒に来る?」
と聞いたら
「また来ます!つきあってくれますか?」
との返事。私がつきあう側なんですか?と笑ってしまうほど、満喫してくれていた模様だった。良かった良かった。

江ノ島 「たこ島」にて
 たこの吸盤湯引き \600
 しらすづくし御膳 \1800
 釜あげしらす丼(黄身) \900
 江ノ島ビール \650
友人と半分こ

イベント終了後は、昨日の営業時間内は見ることができなかったコーナーを再び見るために水族館に逆戻り。1時間ばかりぷらぷらした後は、
「猫見に行こう!」
「しらす丼も食べたい〜」
と、大きな荷物を水族館に預けたまま、江ノ島まで行って来た。
 
「エスカー」乗って上まで行ってから下までてくてく歩きつつ、そここにいる猫たちを愛でて今度は「猫写真」を撮影。参道の射的屋さんに寄り道したり、お土産物屋をひやかしたりしつつ、お昼は「たこ島」でしらすをしこたま堪能してきた。
 
あいにく今日は、しらす漁ができずに生しらすは食べられないとのこと。それでも「釜あげしらす」は食べられますよということで、
「どうします?」
「丼はねぇ、とにかくすごいボリュームだから、単品料理のおかずと合わせて半分こくらいでいいと思うよ……」
と相談しつつ、かき揚げ食べたいね、この定食美味しそう!と、結局丼と御膳を注文することに。
 
いずれも「すごいボリューム」ということになってしまい、「口いっぱいしらすを頬張っても、まだまだまだまだしらすがあります」というお昼ごはんになった。「しらすづくし御膳」は嘘偽りなく「しらす尽くし」で、かき揚げに卵とじに茶碗蒸しにと、何もかもがしらす入りの、「しらす豆腐・たたみいわし・釜しら・茶碗蒸し・卵とじ・しらすかき揚げ・おしんこ・ご飯」という内容のものだった。
 
さくさくに揚がったかき揚げも良い感じだったけれど、ほんのり甘めのだし汁の「卵とじ」が美味しかった。碗にご飯と共に盛りつけて雑炊風にするといくらでも食べられそうな感覚で、しらすの優しい甘さも際立つ印象。丼にも御膳にも野菜がそこここに添えられていてさっぱり食べられるのも良かった。
しかし……大変にお腹一杯。お腹一杯すぎて「お土産に買って帰ろう」と店頭で売られている釜あげしらすのパックを眺めて、「だ、大じゃなくて小でいいよね……」と、大サイズのしらすパックと目線が合わせられなくなってしまったくらい。

だんなまーさ特製 ミートソーススパゲティ
レタスのサラダ
ビール(TOKYO BLACK)

あれこれ遊んで、帰宅はすっかり遅くて6時半。
 
だんなと息子は2人でもよろしく楽しくやっているのは知っていたので心配なぞはしていなかったけれど、
「おゆきさんおかえりー」
「お母さんおかえりー」
「にゃー」
「お風呂入りたいでしょ?沸いてるから入っておいで」
「りゃんりゃんがねぇ、お母さんいないって夜鳴いてたよ!」
「あ、お風呂洗ってくれたの息子だよ」
「にゃー」
と、出迎えられると、「ああ、家っていいなぁ」と思う。
 
遊んで帰ってきたというのに、
「夕飯、ミートソーススパゲティ作ってあるよ。冷蔵庫の中の残っていた豚肉と鶏肉は昨夜と今朝で食べたから」
あと、スーパーであれとこれとそれを買ってきて冷蔵庫に入れてあるよー、と、諸々の家事が滞りなく片づけられていることに感激。こう寒いとストレスもないけれど、そういえば昨日はお風呂に入っていなかったのでした、と、さっそくお風呂に入ってきた。はぁー家っていいなぁー。
 
夕飯は「まーさ(=だんなの○番目の人格(?) まーさ・すちゅわーと。チョップドオニオンを作ることから料理をはじめ、主にミートソースしか作らない、作れない)ががんばりました」とのことで、ミートソーススパゲティ。いつも通り、肉肉しくてトマトトマトした美味しいミートソースが煮えていて、昼が重かった私は若干軽めの盛りでお願いした。
 
お供には"よなよな"のほろ甘苦いTOKYO BLACK

11月30日 月曜日
スペアリブ、いつもバクテーばっかりなので思い立って「ソーキ汁」
イングリッシュマフィンサンド(はむたまちー)
カフェオレ
ヨーグルト・みかん

昨日、息子と買い出しに行ってくれていただんなが、朝御飯用にとイングリッシュマフィンを買ってきてくれていた。ハムも卵もあるので、今朝はそれでトーストサンド。チーズを乗せてオーブンで焼いたマフィンに、半熟に焼いたハムエッグを挟んだ。
 
「おお、黄身が見事に半熟だ」
とだんなが言ってくれたとおり、とろりと柔らかい黄身がこぼれるほどでもなく、良い感じに柔らかに目玉焼きが焼けた。
「おおほんとだ、見事な"半熟卵風"だ」
と呟いたら、「"風"じゃなくて」と苦笑いまじりのツッコミが。
 
週末にみかんが1箱届いてますますみかんみかんしている我が家の廊下、朝からさっそく1つみかんを食べた。あとはヨーグルトと。
 
今日は月曜、野菜が届く日。今日の「ベジタS」は
 聖護院大根1個 ・ セレベス3個 ・ ブロッコリー1個 ・ 水菜1束 ・ 小松菜1把 ・ 長ねぎ1束 ・ りんご(ふじ)1個
という内容だった。
 
聖護院大根、調理して食べるのはこれが初めてかもしれない。蕪のような形の丸い大根で、ずっしりと1kgくらいはありそうなサイズだった。「セレベス」は、里芋のような外見の、ただし1個が小ぶりのりんごくらいと大きめサイズの芋。京都では「頭芋」と呼ばれる芋だそうで、ぬめりの少なく、でも粘り気のある里芋様のものだとのこと。ほぼ里芋と同じ調理法で良いとのことだけれど、せっかくだから何か洋風の味付けのものにしてみたいかも。

しらすを乗せた水菜のサラダ
茹でブロッコリーのにんにくチーズ小鉢
ソーキ汁
羽釜御飯
ビール(琥珀ヱビス)

買い置きのスペアリブ、当初は「バクテー?」と思いながら買ったものだけれど、「1本ずつに切り分けたスペアリブ=バクテー」「塊のスペアリブ=バーベキュー」というマンネリな図式をなんとかしたいなと、レシピを漁って「ソーキ汁」を作ることにした。
 
「ソーキ」は沖縄の言葉で「スペアリブ」そのものを指す言葉なので、「ソーキ汁」はまんま「スペアリブ汁」、スペアリブの煮込み料理だ。手持ちの沖縄料理のレシピ本を見ながら、スペアリブの下ゆでをし、聖護院大根も下ゆでをし、ゆるゆると午後のんびりかけて煮込んでみた。
 
材料はだし用の昆布と大根、スペアリブ、そして食べ際に乗せる青菜(今回は届いたばかりの小松菜を使用)。鰹だしとスペアリブの煮汁を半々に合わせて煮汁にするのは「沖縄そば」と同じ感じで、味付けは醤油、塩、酒。まずはレシピ通りに作ろうとやってみたのだけれど、
「塩が……中さじ2。……中さじ2??」
 
水分1リットルに対して塩が20cc入るというのはいかにも多そうで(だって大さじ1より多いわけで……)、加減しつつ入れようかなと思いつつも結局レシピ通りに。案の定、かなり塩辛さが強い仕上がりになって、でもその塩辛い煮汁はさほどの量にはならなかったから、「汁もの」というよりは「煮物」に近い料理になった。啜って飲む汁ではなく「煮汁」と思えば、この塩加減でも悪くはないのかもしれないけれど……でもやっぱり少し薄味で汁気が多い方が好みな味に仕上がった気がする。
 
スペアリブはたんまりあるのでこれをメインのおかずにして、あとは届いた水菜やブロッコリーで簡単なサラダを。
 
ブロッコリーは少し柔らかめに茹でてシーザーサラダ用のドレッシングをかけ、スライスしたゴーダチーズとローストガーリックを散らした小鉢に。水菜はプチトマト、薄切り玉ねぎと合わせて、江ノ島で買ってきたしらすを乗せてサラダにした。
 
ほろりと柔らかく煮えた大根が美味しかったし、届いたばかりの水菜やブロッコリーも良い味。月曜は「野菜届いたー!さっそく食べなきゃー!」とわくわくしながら料理をしていて、今日はなんとなくうまく活用できる料理があれこれ作れたので、なんだかとても満足できた。