食欲魔人日記 01年02月 第5週
2/26 (月)
味噌おじや (朝御飯)
味噌おじや
抹茶入り玄米茶

M井さん泊まりて、全員一緒の朝御飯。
居間に据えているソファー兼用ベッドにて、暖房つけて毛布にくるまり寝ていたM井さんは
「明け方、少しばかり寒うございました。これは御邸宅の住環境を充実させるためにも温かい毛布を購入する必要があると思われます。」
と寝起き早々敬語で言っていた。
ちなみに彼の寝ていたソファー兼用ベッドも彼が「御邸宅の住環境を……」と言いつつ無印良品のを買ってくれたものだ。

豚味噌鍋の翌朝は、味噌おじやが定番だ。豚肉の旨味を吸い込んだ、ちょっとばかりうどんのカケラなどが混入している濃いめの味噌スープにご飯を入れてくつくつ煮込む。水気がおおむねご飯に吸い込まれたらできあがり。刻み葱をぶわっとかけて、七味唐辛子をたっぷりふるとできあがり。飲んだ朝の胃袋にも優しいすばらしい朝食だ。

「ああ、美味しうございますね。」
とシアワセそうに食べていた彼は、いつもどおり遠慮のない所作でお代わりおじやもぬかりなく食べていた。むろん、私もだんなもお代わりを。

すじ肉カレー
牛乳

ちっとばかり二日酔い気味だ。しかもちーっと風邪気味だ。昼御飯は軽めにホットケーキでも焼いて食べようかと思っていた。
昼過ぎて、
「昼御飯食べましょうか?」
と声をかけたところ、息子は台所で、
「カレェ〜?」
と両手鍋を指さしている。
「カ、カレーなんですか?」
「カレェ〜!」
「このカレーなんですか?ホットケーキではなくて?」
「これぇ〜!」
息子に押し切られてしまった。

もう数日前に作ったすじ肉カレーの最後の一皿を食す。日々火を通して痛まないようにしていたこともあり、もうカレーはどろんどろんのぐっちゃぐちゃだ。じゃがいもも肉もなく、ただこってりした茶褐色のペーストがそこにある。何だか凄い。

最初はカレー粉の味が突出してとんがった感のあったカレーも、たまらなくまろやかになっている。
ちょっと辛いカレーなんだけど、息子はこれで良いらしい。カレーというものは牛すじが入ってるもんだ、と覚えてしまったらちょっとこの先マズイかもしんない。

菜の花と卵のサラダ
ロールキャベツ
ご飯
ウィンターエール、アイス烏龍茶

先日の「どっちの料理ショー」放映(タンシチューVSロールキャベツ)からロールキャベツに思いを寄せていた私たち。春キャベツを買ってきて、1個まるまる使ってのロールキャベツ作成。

トマトソースで煮るとかクリームシチュー仕立てにするとか、ロールキャベツにも色々あるらしい。でも、我が家で食べるのはコンソメスープのがいちばん好きだ。
キャベツは丸ごと柔らかく茹で、小さな葉も使ってくるくるとタネを巻く。タネは合い挽き肉に卵と玉ねぎと塩胡椒、ナツメグを混ぜ込んだ簡単なもの。こねこねこねこねしっかりこねて、キャベツにたっぷりと詰め込み、あとは湯に顆粒コンソメを溶いたスープで煮込むだけ。繊維の柔らかい春キャベツで作ると殊更に美味しいと思う。

あとは、残り物処分ということでサラダ。レタスとトマト、茹でた菜の花に半熟ゆで卵を刻んで混ぜあわせ、マカロニも加えてオリーブ油とワインビネガーでざざっと和える。卵の半熟黄身とトマトが絡んでシンプルながら味のあるサラダになった。ちょっとばかりワインビネガーが多かったようで、酸味の苦手なだんなに「ちょっとすゆいよ」と言われてしまったけれど。

突如我が家のメインマシーンが動かなくなり、緊急措置として旅行用端末で日記書いたりメール受信したりすること今日で3日目。とうとう我が家の可愛いモーモーちゃん(←Gatewayマシンだからモーモーちゃん)は梱包されて修理センターへ送られることと相成った。戻ってくるのは2週間後くらいであるらしい。ちなみに故障は停電が原因ということで、修理代は東京電力が持ってくれることに。こういうことはちゃんと言ってみるものであるらしい。
さよなら可愛いモーモーちゃん。ドナドナドーナードーナ〜(泣)

2/27 (火)
しぐれ丼 (夕御飯)
ロールキャベツ
ご飯
抹茶入り玄米茶

昨日、私が作ったロールキャベツは10個以上であった。それでも2食でなくなっちゃうのねー。残念なのねー。手間はシチューよりもかかるくせに、量的日持ちのしない食物だ。あっというまに無くなってしまう。

自宅で食べるロールキャベツはコンソメ味が好きだ。コンソメだけのシンプルな味のロールキャベツにケチャップをニョロニョロとかけて食べるのが一番美味しい。

「それじゃコンソメの味がわからなくなっちゃうじゃない」
と、コンソメ味のロールキャベツそのままを愛するだんなは言うけれど、でも私はこのケチャップにょろにょろロールキャベツを20年以上も食べ続けてきたのだからやっぱりこれが良いのである。甘いトマトの味のするくたっとなったキャベツやむちむちした肉がなんとも美味しいんだな。

バターたっぷりホットケーキ
ホットミルク

ここ数日ホットケーキが食べたくてしかたなかった。やっと今日、ホットケーキ。
砂糖抜きのものじゃなくて、ほんのり甘いホットケーキが食べたかったので、ホットケーキミックスに卵入れて牛乳入れて、のごくごく普通なホットケーキ。テフロンフライパンにバターを軽く落として、溶かしてからタネを流し入れる。表面がプツプツしたらひっくり返してあと1分ほど。茶色く丸いホットケーキが4枚できた。息子と一緒に積み上げて食べる。

メープルシロップはかけずに、無塩バターだけをぺたくたとつけて食べる。ほんのりほんのり甘くって、ちょっとシアワセ。

しぐれ丼
青菜の味噌汁
冷茶

冷蔵庫の中からそろそろヤバい牛肉が出てきた。美味しそうな霜降りの薄切り肉だ。すき焼きした時の残りの肉であった。「どうしましょう」と牛肉と数秒目を合わせ、「牛丼にして食べて♪」という牛肉の声が聞こえた(私の腹の中からの声じゃないかという説もあり)ので、今日は牛丼。

卵も大量にあったので、普通に牛丼ではなく、「しぐれ丼」なるものにする。
味醂と酒を鍋に入れて一度煮飛ばし、そこへ牛肉をヒラヒラ入れて醤油も垂らす。しゃぶしゃぶのようにさっと火を通し、炊きたてのご飯にその肉を盛る。鍋に残る醤油のつゆに溶き卵を流し入れ、さっとかき混ぜて半熟になったら汁ごと丼に流し込む。最後に揉み海苔をたっぷり散らしてできあがり。見ためは茶色くてあまり美しいものじゃないけど、卵入り牛丼「しぐれ丼」は柔らかで優しい甘さで良い感じ。

少々手抜きかと思いつつ青菜の味噌汁も用意して待っていたところ、顔色の悪いだんなが帰ってきた。風邪らしい。帰りの電車の中で一気に具合が悪くなってしまったようで、丼もいつもの1/3量くらい、すなわち常人の1/2量くらいしか食さなかった。ああ、何だか痛痛しいわ。

2/28 (水)
天津丼 (夕御飯)
卵御飯
青菜の味噌汁

昨夜「風邪ひいた……」と具合の悪そうだっただんなは、そのまま大ダメージを抱えて今朝も布団に突っ伏していた。仕事は当然お休みだ。不憫なことだ。

だんなはそっと寝かしておいて、息子と一緒に静かに朝御飯。
この地域に越してきてからというもの、時折1パック88円なんて値段で卵が売り出されるものだから冷蔵庫の中はしょっちゅう卵で満ちあふれることになってしまう。つい数日前に卵が18個冷蔵庫の卵ケースにみっちり並んでしまったので、一生懸命消費する。一生懸命使わなければならないようなら買わなきゃよいのである。まだまだ修練が足りない。

ともあれ、その卵でもって卵御飯。溶き卵に醤油を垂らしてえいやっとご飯にかけ、黄色くぐちゃぐちゃになった飯を食す。

さぼてんの
 ロースカツ弁当
冷茶

だんなは医者に、私と息子は買い物に。銀行へ行き郵便局へ行き本屋に行きなどしていたら帰りはすっかりお昼時になってしまった。だんなにはおじやでも作ってあげようと、自分ら用にはとんかつ屋のお弁当を買ってきた。私はロースカツ弁当を。息子にはコロッケ2つ買ってご飯を息子と半分こ。

カリッと揚がったとんかつに、少量だけどキャベツがついている。プチトマト1個に卵焼き、ツナポテトサラダが詰められ、ご飯の上には昆布の佃煮。
風邪がモロに胃腸にきている(っちゅーか、今年の風邪は胃腸に来るやつらしいのだとか)だんなの前でフライものなんて悪いかと思いつつ、とんかつを囓る。

だんなはうどんを1杯、つるつると啜った後ぶっ通しで寝に入ってしまった。私は一人、発売日本日に買ってきたばかりの漫画『MONSTER』および『センチメントの季節』(←エロ本……)を読みふける。相変わらず面白いわー。

天津丼
手羽先のスープ
冷茶

マーケットで、旨そうな蟹のほぐし身をみつけた。
「カニチャーハン?」
と思って手に取り、
「……天津丼。」
と結論つけて籠に放り込み、買ってきた。

「天津丼なら喰えますか?」
と風邪ひきだんなに尋ねたところ、「ああ、もう喜んで!」とのこと。甘酸っぱいタレのかかった卵ふわふわのご飯なら風邪でもなんとなく喰えそうだと思ったのだった。

まずは手羽先のスープを作る。鶏ガラスープに手羽先を放り込み、ついでに椎茸や筍(←天津丼材料の残りだ)も放り込み、葱を散らしてことこと煮込む。鶏がほろほろに柔らかくなったら完成。骨つき鶏肉ごろごろのスープは、なんとなく精がつくような気がする。

して、天津丼だ。レシピを漁ると、蟹と卵だけ使うもの、タレは酸っぱくもなく甘くもなくシンプルな醤油味のもの、などなど種類は多岐にわたっている。私は具が複雑で、タレは甘酸っぱいものが好きだ。しかもそのタレは酢豚のようにケチャップ味がしないものの方が好ましい。結局、具はこのレシピ、タレはこのレシピ、と色々なところをつなぎつつ作ることにする。

具は蟹肉と葱、椎茸と水煮筍。全部細長く刻んで合わせておき、それを一度サラダ油でさっと炒める。それを溶き卵と合わせ、塩胡椒したやつを中華鍋で1個1個半熟に焼いていく。
タレは酢と砂糖と醤油を合わせてスープでのばしたもの。グリーンピースも必須だ。

ちっと半熟を過ぎて完熟に固まっちゃった卵だったけど、蟹たっぷりで柔らかくてしみじみ旨かった。だんな、明日は治るかなぁ。明日の夜は観劇予定だのに、大丈夫だらふか。