食欲魔人日記 08年11月 第3週
11月17日 月曜日
だんなの「いってらっしゃい」ランチ
「Johan」の
 コーンパン
 ブッタークーヘン
カフェオレ

昨日は三越デパートに寄ったので、久しぶりに「Johan」のパンを買って帰ってきた。タイミング良く焼きたてのコーンパンが店頭に並んだところだったのようで、コーンパンをいくつか購入。ドイツパンフェア開催中だそうで、自分の分には「ブッタークーヘン」なるカスタードクリームを挟んだ菓子パンも1つ買ってきた。なんともシュールな表情の人型のパン「ヴェックマン」もあったりして、それもちょっと気になった。

ブッタークーヘンは充実した甘さの、見た目以上に食べ応えのあった菓子パン。Johanのコーンパンは久しぶりだったけれど、これもまた変わらず素敵に美味しかった。皮の薄くパリッとしている感じだとか、粉の良い香りだとか、Johanのコーンパンは他の店とは一線を画す美味しさだと思うんだな……。

「すし波奈」にて
 ちらし膳 \1350

だんなは今日の午後から出張予定。午前中は出勤して、午後に一度帰宅して着替えてから空港に向かうとのこと。
「だからお昼一緒に食べよう。……太閤園?」
と、出発直前の食事は美味しい中華炒め(もしくはチャーハン)という予定でいたのだけれど、だんなの到着時間に合わせてお店に向かった私の目の前には、「本日臨時休業致します」の悲しい張り紙が店頭にヒラヒラしていたのだった。……がーん。

太閤園がお休みとなったら、さてどうしよう。近くに海鮮居酒屋があるし、イタ飯屋さんもあるし……とあれこれ考えつつ、「すし波奈」というお寿司屋さんに行ってみることになった。千葉を中心に展開している、お寿司と和食のお店だ。小綺麗で値段もそこそこ良い店、という印象がある。

頼んでみた「ちらし膳」は1350円。ちらし寿司の他にあさりの味噌汁と菜の花の和え物がついてきた。海老にイカにコハダにサーモン、まぐろのづけと煮帆立とイクラと玉子焼き、と、なかなかのボリュームがありつつ、でもあんまり「魚がたくさん」という印象がなかったちらし寿司。だんなが追加でつけてもらっていた茶碗蒸しはかなり淡めな味付けで、全体的にお店の印象と同じく上品な印象のある料理だった。一品料理も色々あるし(お刺身盛り合わせとか、山河焼きとか)、夜に来ても良さそうな感じだったけれど、この界隈で寿司となるともっぱら「銚子丸」にばかり足が向いてしまうものだから、なかなか他のお店に行く機会がない現状。

このランチも美味しかったけれど、
「でもこの値段でこの内容だったら銚子丸の方が……」
「うん、銚子丸の方が……」
とやっぱり思ってしまうのだった。なかなか回転寿司を卒業できない。

ラム肉と野菜のジンギスカン風
青梗菜と豆腐の中華風スープ
羽釜御飯
麦茶

夕飯は、買い置きのラム肉を炒めて食べることに。息子と2人の平日の夕御飯はいつもと変わらずだけれど、「これからしばらくお父さんが帰ってこない」というのはそれはそれでけっこう寂しいものがある。
「手伝うこと、あるー?」
と言ってくれた息子に皿の準備や麦茶の準備をあれこれ頼みつつ、炒め物の野菜の方はすでに切ってしまった後だったので手早く炒めて食事の支度を終えた。

肉を軽く両面焼きつけて塩胡椒し、キャベツとニラともやしを加えてざっと炒め合わせた炒め物。味付けは市販のジンギスカンのたれ(ベルたれ)に少しにんにくと生姜を加えた程度のもの。御飯のおかずにするために少しだけ甘さが欲しいなと、隠し味程度にオイスターソースを垂らしてみた。
スープはラード少量で炒めた青梗菜と豆腐と合わせた塩味の中華風スープ。

数日前から息子と2人してパタポンに夢中で、
「砦行けた?」
「うん、次、風車の面」
「あのパタポン作った?」
「いや、それ作らないでね、次の段階のを一気に作った」
なんて攻略の話をやいやいしながらの夕御飯。4拍子に合わせて、四角ボタンと丸ボタンを交互にただただ押し続けるような感じのゲームなのに、変な気持ち良さがあって止められない危険なゲーム。おかげさまで、仕事していても脳裏で「ポンポンパタポン♪パタポンポン♪」というBGMがずーっと……。

11月18日 火曜日
夕飯はうどんでした
「Johan」のコーンパン
ほうれん草入りスクランブルエッグ
ミルクティー
ジョア(プレーン)

「ジョアとヨーグルトがあります。食後に出すけどどっちがいい?」
「ジョア〜!」
「うん、ジョアは美味しいよねえ」
という会話で始まった今日の朝御飯。ジョアはプレーン味とブルーベリー味があって、息子はブルーベリーのが良いとのこと。私はプレーンをいただいた。

昨日に引き続き、まとめ買いしてしまったJohanのコーンパンを温めて食べる。冷凍庫に入れてはあるけれど、場所に余裕がないので(保冷剤を一時的に外に出したりしている……)、早く食べなきゃなとオーブンに。早く食べたい感じのほうれん草があったので、軽くバターで炒めてから溶き卵を加えてほうれん草入りのスクランブルエッグにした。

今日は秋らしい涼しさで、なんでも強い寒気が南下してきているとのこと。明後日頃には冬のような気温になるらしい。
というわけで、飲み物も温かいミルクティーなど。いただきもののバニラティーと牛乳を3:1くらいに合わせてミルクティーにしてみたり。

ピータン豆腐
具沢山豚味噌うどん
麦茶

明日からちょっとイベント続きなので、今日は一日鋭意お仕事。背後でクリスマスツリーがとんでもない感じにゆさゆさ揺れていると思ったら、りゃんりゃんと一緒にかすみさんまで木登りに勤しんでいた。あのおとなしいかすみさんまで登らせてしまうとは、クリスマスツリーおそるべし。
「もういいよ、2匹でツリーの雪綿みたいに飾られてればいいよ」
と話しかけつつ……その雪綿飾りが2匹してツリーをゆっさゆっさ揺らしているのだった。楽しそうだなー……。

今日も2匹の猫に和まされつつ、夕御飯は思い切り手抜きして、うどん。週末の豚味噌鍋の残りスープが鍋に残っていて、捨てるのももったいないなと昨日朝晩火を通していた。水足して味噌も足して野菜も大根や人参などを加えつつ、うどんにする。
「夕飯、豚味噌鍋のスープでうどんにするけど、それでいいかな?」
と息子に言ったら小躍りしていた。私が「手抜きですまん」と思った夕飯は、息子にとっては小躍りクラスのものらしい。

胡麻と味噌と酒粕がベースということもあってこってりした味のうどんなので、酢醤油っぽい味のものが食べたいなとピータン豆腐を添えてみた。ラー油と酢と醤油、少しの砂糖を合わせたタレをかけ、角切りにした豆腐と適当にハサミでちょんぎったピータン、刻み万能葱を盛り合わせる。

「明日私、お出かけするのね。夕方には帰ってくるけど、夕飯のリクエストある?何か買ってきてもいいし」
うどん啜りながらそんな事話したら、息子が即答で
「親子丼!」
だそうで。マッケンチーズでもなくラーメンでもなく親子丼ときたか、今のブームはそれか……と笑ってしまいつつ、じゃあ、遅くなったら御飯炊いておいてくださいね、と「御飯の炊き方」の復習をした。コンロに羽釜をかける手間の分、炊飯器よりちょっとだけ難しい。何度か一緒にやっているから大丈夫だと思うけど、明日は息子が炊いてくれた御飯を食べることができそうだ。

11月19日 水曜日
初めて入ったお茶漬け屋さん
「Johan」のコーンパン
ヨーグルト
紅茶

毎朝、目覚まし時計が鳴ると即座に「鳴ったぞー朝だぞー」とばかりに私を起こしにくるりゃんりゃん。

「あと5分」とか「も1回鳴るから、それまで待って」と毎回起きずにグズグズしているものだから、業を煮やしたらしい。最近は助走をつけて私の腹に飛び乗り、そこから「ニャーオ」と大きな声で呼びかけるようになってきた。うん、これなら一発で起きるね……ていうか、体重が2kgちょっとしかないから許される行為だけど、あと少し重くなったら大変なダメージになりそうだから止めてください。

朝御飯は、今日は軽めにパンとヨーグルト。ダージリンティーを淹れたのでミルクは無しで、ストレートでいただいた。
コーンパン、これで全て完食。滅多に買えないからとついつい気張って買ってしまったけれど、我が家の冷凍庫はそんなにでっかくないのでほどほどにしないと、と思った。

東京汐留ビル内 「八十八楽」にて
 鉄板焼きハンバーグステーキ デミグラスソース膳 \1200

今日は都心にお出かけ。午後から竹芝で観劇予定で、ちょっと雑貨屋なども覗きたいなと午前中早めに出発。当初の予定のものとはちょっと違ったものになったけれど色々お買い物できて、昼御飯を食べてから劇場へ。

以前から気になっていたお茶漬け屋さんがあったことを思い出し、移動途中のビルにあった「八十八楽」(こめらく)というお店に入ってみることにした。
鯖の煮付けや豚の生姜焼きなどのおかずが何種類かあり、それにもれなくお茶漬けセットがついてくる。玄米入りの御飯に、お茶漬けの具は10種類ほど(鮭に昆布に梅干しに、と色々)の中から2種類選択。だしも普通のかつおだしと豚骨スープの2種類から選べ、卓上のあられと刻み海苔は使い放題。他に、膳の上に刻み葱などもついてきた。御飯とだしはお代わり無料だそう。

「豚骨スープのお茶漬けってどんなだ」と気になってしまい、それに合わせてお茶漬けの具を「明太子」と「高菜炒め」にしてみた。おかずは、ついつい「限定10食」の文字に惹かれてハンバーグステーキに。熱い鉄板の上にアルミホイルが敷かれて、その上にマッシュルーム入りドミグラスソースのかかったハンバーグと青菜、人参のグラッセとポテトサラダが添えられていた。こちらのおかずの方は、なんというか「普通」の味。冷凍の人参を冷凍のまま短時間火を通した結果なのか、芯の部分が変な感じにグニャグニャしていて悲しかった。ハンバーグも……なんというか普通の味……。

それでも、お茶漬けの方は新鮮な感じでとても面白かったし美味しかった。豚骨スープと言ってもあっさりめの口当たりのものだったのでスープ代わりにするする飲めてしまう。明太子と高菜をバサーッと入れて啜るお茶漬けはなんだか楽しくて、ついついだしを多めに注ぎすぎてしまい、スープだけお代わりをもらってしまった。スープに葱とあられ散らしただけで飲むというのも良い感じ。

調子に乗って食べてしまって、胃袋がたぷたぷになってしまいつつ、見てきたのはマチネの劇団四季公演「解ってたまるか!」。
大がかりな舞台装置にたくさんの役者さん、大劇場でのミュージカルの劇団四季らしい劇団四季も好きだけれど、客席数500の自由劇場の芝居も好きで、時々見に行きたくなる。今回、実際にあった事件を題材にしたライフル魔立てこもりの風刺劇、主役は加藤敬二さん、ということで興味を惹かれて行ってみることにしたのだった。他にも小劇場系、色々見てみたい劇団や演目はあるのだけれど、「平日のマチネもやっている」というところはなかなか多くない。もっと色々見たいんだけどなぁ……。

「抱腹絶倒」と、どこかで感想を見たけれど、私も周囲もさほど「腹を抱えて笑う」という感じではなく、5分に1回くらいニヤリ、クスリと笑ってしまうような痛烈な皮肉やおどけた所作の連続といった風の舞台。期待していたほどの大笑いは味わえなかったけれど、それでも加藤敬二さんの演技の上手さは際立っていて、ころころと変わっていく場の空気が面白かった。

今日はなんでも開演後に「オフステージ講座」というイベントがあるそうで、この回のお客さんたちは皆無料でそれに参加できるとのこと。帰宅の時間が遅くなってしまうなと思いつつ、留守番してくれている息子に「ごめん、予定より30分くらい遅くなる」と一報入れて、そちらも見てくることにした。終演後、私服に着替えた役者さんたち7人のトークショー、最後には出演者のサイン入りポスターが当たるクイズ大会なども催された。ものすごく声の良かった警官役の牧野公昭さん、「この人かっこいいなー」と思いながら見ていた、若手警官役の朝隈濯朗さんがオフステージ講座にも出てきてくれていたのが何より。思わず楽しいものも見ることができた後は、購入したパンフレットを抱えて大急ぎで帰宅した。

「RF1」のポテトサラダ・シーフード揚げ焼売
親子丼
ビール(キリン・秋味)

「Craquelin」のモンブラン
キャラメルティー

今日の夕御飯は、息子から「親子丼」とのリクエストが出ている。鶏肉さえ買って帰れば作れるし、「僕、御飯炊いて待ってるよ!」と息子から心強い提案ももらえ、それなら下手に外食にするより簡単で良いねと鶏肉買って帰宅した。駅ビルに寄るついでに総菜屋さんでサラダと揚げ焼売も買い、思いの外長い留守番になってしまった息子へのお土産にレアチーズケーキも。

御飯炊きも私と一緒に何度かやっていたから大丈夫だろうとは思っていたけれど、ばっちり良い感じに2合の米が炊けていた。サラダや焼売を息子に盛りつけてもらっている間にフライパンに「親子煮」を作ってしまい、テーブルで各自丼にして食べる形に。醤油若干少なめ、味醂若干多めで、「しょっぱくなく、ほんのり甘め」な親子煮にしてみた。

「演劇、面白かった?」
「うん、面白かった。喜劇だったんだけどね、でも……うーん、100%喜劇って感じでもなかったなぁ」
「喜劇の"き"は"喜ぶ"って字だよね、僕知ってる」
「うん、お客さんを笑わせる、笑える劇が喜劇って言うんだよ」
などと話しつつ、親子丼をもぐもぐ。いつも、鶏肉にしっかり火を通そうとするあまり煮詰めてしまう傾向のある親子丼だけれど、今日はばっちり良い感じにできていた。卵の半熟具合もばっちり。

で、食後にキャラメルティー淹れて、息子はレアチーズケーキ、私はモンブラン。息子曰く、
「このレアチーズケーキは、僕の好きな感じのレアチーズケーキじゃない。こんなにふわふわしてなくていい、もっとチーズっぽくて固いのがいい」
だそうで。モンブランの方はマロンクリームonホイップクリームonメレンゲ、というアンジェリーナ風のもの、このお店のケーキはちょっと洋酒の香りがきつめな気がする。

最近レアチーズケーキが大好きな息子、色々こだわりがありそうで、以前モロゾフで買った四角いレアチーズケーキはとてもツボだったのだそうだ。案外「しろたえ」のレアチーズケーキなんかも好みなのかもしれない。

11月20日 木曜日
今日はなんというか「女の子」な一日でした
「アンデルセン」のくるみパン
ミルクティー(ストロベリー)
みかん

だんなのいない時だからと、「試供品で貰ったフレーバードティーを色々楽しんでみようキャンペーン」を開催中。LUPICIA(旧L'EPICIER)からもらったお試し茶葉が色々あるので、ミルクティーに合いそうなものをとこの数日色々使ってみている。今日は苺の香りのストロベリーティー。濃厚な甘い匂いがするのに味の方は全然甘くないお茶というのは慣れないうちは違和感があったのだけれど、ミルクを少々加えて「いちごミルク味だ!」「うん、いちごミルク味だ!甘くないのに!」と盛り上がるのはけっこう楽しい。

昨日アンデルセンで買ってきたくるみパンを軽くトーストして軽くバター塗って、食後に大きなみかんをもぐもぐ。

麻布台「L'ESPADON」にて
 Menu Degustation \3,675
     豚のテリーヌ くるみのサラダ
     マグロのホホ肉のグリル サラダ仕立て
     季節の野菜のポタージュ
     秋鮭のポワレ キャベツのブレゼ添え レモンバターソース
     鶏胸肉のファルシー フォルスティエール風
     デザート(マンゴーのジェラート・パンナコッタ)
     紅茶

この1週間、遊びの予定を入れたいなと思っていたところ、タイミングよく友人から「ピカソ展の招待券が2枚あるのだけれど御一緒しませんか?」と嬉しいお誘いが。どうせだったら美味しいもの食べましょうランチ御一緒しましょう、と、美術館のあるミッドタウン近辺で気になっていたお店を探していて、フレンチレストラン「L'ESPADON」(レスパドン)に行ってみることにした。

ランチタイムは1000円台のお手軽なセットメニューもあるこのお店、オードブルとメインディッシュ、デザートまでつくコースは2625円のものと3675円の2種類ある。お高い方のコースは全体の分量を抑えつつ、オードブル2品にスープ、魚料理と肉料理も楽しめるという内容で、腹具合と相談して「いけそうですね」とそちらのコースにしてみることに。

このお店のシェフは、かつて銀座「マキシム・ド・パリ」の総料理長を勤めていた方。その後「ル・コルドンブルー東京校」の校長なども勤めた後に2006年、このお店を開店したという話だ。平日のランチタイムのこの時間も件のシェフはお店で働いており、馴染み客らしいフランス人のグループ客と頻繁に言葉を交わしていた。

確かに分量控えめの、でも品数はしっかりあった料理の数々。
思っていた以上になんというか「いわゆるフランス料理」で良くも悪くも大きな遊びはなく、ある程度作り置きがきくものがメニューの中心だったのが残念と言えば残念。でも、こうして振り返ってみるとそれはそれでお値打ちだったのかも、という印象もある料理だった。友人の「ビジネスクラスの機内食を食べているみたい」「フランス風の美味しいほか弁というか」というのが言い得て妙で、繊細なフランス料理の妙を体感したかったら夜のアラカルトメニューに臨んだ方が良いのかもしれない。

ひょうたん型の面白い器に盛られてきたのは、レバーがしっかりと香る豚のテリーヌと、チコリがベースのくるみ入りのサラダ。
友人も私も「この皿が一番だった」と思ったのは、オードブル2品目のマグロのホホ肉のグリルのサラダ仕立て。甘いトマトとこんがりしっかり焼かれたマグロの組み合わせはとても良かった。葉野菜とのバランスも良い感じ。

じゃがいもの存在感が強めの野菜のポタージュがやってきて、次は写真の秋鮭のポワレ。柔らかく、くったりと火を通したキャベツが敷かれ、温かいレモンバターのソースにイクラという組み合わせがちょっと面白い。日本人としては鮭を焼くなら「皮目をこんがりと、アツアツに」と思ってしまうものだけれど、さほどしっかり火の通っていない皮部分であり、温度の方は上も下も「ぬるい」感じであり、という感じで、友人曰く「ある意味ヨーロッパ風、ですよね」と。なんでも熱いと、味がよくわからなくなってしまうから、こういう「ぬるい」感じが良いという主張があるのだそう。

肉料理は、ある意味魚よりも淡泊な感じもした、胸肉のファルシー。きのこの詰め物をした、クリーム色のソースがかかった肉は一見すると(いや、写真に撮っても)帆立のような外見。しっとりと火が通った胸肉は、ソースの油分だけではなくもうちょっと肉の旨味のようなものを感じたかったように思った。

かなり残念だったのはデザートの「盛り合わせ」で、「盛り合わせ」とメニューにはあったものの、出てきたものはほんの半スクープほどのマンゴーのジェラートと 小ぶりのパンナコッタ。
「盛られてない、盛られてないですよね、これは。盛り合わせではないですよね」
「2つが寄り添ってる感じですよね」
と、これには苦笑いするしかなく(でも味の方は良かったのでした)、かなり渋めに濃いめに淹れられたお茶と共にお食事終了。

それにしても、美しいフレンチの皿を前に久しぶりに会った私たちの会話ときたら「ベランダに虫が来て」とか「私はあの人が世界一のセクシーハゲだと思うわけですよ」なんてものだったりして。一応はネイルだヘアアクセだという話も織り交ぜつつも、でも食事中の会話のメインが虫とハゲというのはいかがなものだろう。ちなみにこの方が素敵だ、なんて話をしていたのでした。

ミッドタウン リッツカールトン東京内「Cafe & Deli」にて
 本日のアイスティー(マンゴー) \600
 シフォンケーキ \600 を半分

昼食後は青空の下、てくてく歩いてミッドタウンへ。サントリー美術館で「巨匠ピカソ 魂のポートレート」を見てきた。題目通り、自画像を中心とした人物画の展示で、油彩画のみならずペン画などの繊細なモノクロの絵が多かったのが面白い。「ピエロに扮するパウロ」を見てみたいなと思っていたので、じっくり見られてとても満足だった。多彩に変わっていく画風で、彼が何歳頃にそういう絵を描いていたのかとか、どの段階で世間に評価されるようになったのか、など、そのあたりは実はさっぱり知らないのだけれど、やっぱり彼は天才なのだなぁと。
思いの外美術展は混雑していて、でも見るべき絵はじっくり眺めてから会場を後にした。

どこかでお茶でもしましょうかと建物内をぷらぷら歩きつつ、空席があったので立ち寄ったのはリッツカールトン内のペストリーショップに隣接した喫茶コーナー。ばぼーんと大きなシフォンケーキを「美味しそうですね」と2人で眺め、でもちょっと大きすぎるサイズだから2人で半分こしましょうかと相談していたら、それを聞いていたらしいお店の方が「お2人用に切り分けてお持ちします」と言ってくださった。日替わりらしいアイスティー、今日はマンゴーの香りということでそれを。

窓から見える広場では舞台が設えてあってこれから何やらイベントがある様子。平日木曜の午後なのに大勢人がいるものですよねと話していたのだけれど、川島なおみが来て映画のプロモーションをやっていたらしい。帰りがけにちらりと見ることができたけれど、そう大柄でないものの貧相でもなく、顔が小さく華やかな存在感の人だった。そういえば今日は解禁日だそうで、ボージョレヌーボーの入ったグラスを掲げているのが見えた。

ほほー、芸能人を見てしまったなーと思いつつ(ちなみに、リッツカールトンでの隣のテーブルには某現役女優のお母様がいらしてたのであるらしい……存在感のある綺麗なおばさまが座ってるなぁ程度にしか気付いていなかった……)、刺激的だった都会の散策に諸々充電を完了させて、混雑する電車に揺られて現実世界へ帰宅。

稲毛 「串じまん」にて
 お疲れさまセット \1100
 串焼き(白レバー) \189
 串焼き(皮)\136
 串焼き(ネック) \136
 串焼き(チーズ焼き) 3×\189
 串焼き(つくね) 2×\168
 えびせん \336
 卵鶏ぞうすい \577
 お茶漬け \420

地元に帰ると、ちょうど息子の習い事が終わったところ。夕御飯の時間にしては早い時間帯だったけれど、落ち合ってそのまま外で夕御飯食べて帰ることにした。何度か行っているお気に入りの焼き鳥屋さん「串じまん」で、焼き鳥とビールのセットメニューを頼み、息子と2人で好みの串焼きを追加しつつ、最後は雑炊やお茶漬けで簡単に。

他にお客さんもほとんどいない時間帯で、頼んだものがほどなく次々並べられていく。焼きたての焼き鳥は最高だねぇと話しつつ、食事の途中でだんなからの電話もあったりしつつ、いつも夕御飯を食べ始めるくらいの時間に帰宅した後はのんびりとお茶飲んだりしていた。

11月21日 金曜日
クリスマスな横浜でアメリカンな夕御飯
「サンジェルマン」のハムチーズパン
ミルクティー(オレンジショコラ)
みかん

「ここに紅茶の小さな袋いっぱいあるから、一つ好きなの選んでいいよ」
と息子に伝えて、紅茶の準備とパンの準備。
「ミルクティーにしたいよね、何が合うのかなー」
と呟きながら、息子が居間に座り込んで紅茶の容器をがさがさやっていたのだけれど、「これだあ!」と私のところに持ってきたのは「オレンジショコラ」。オレンジチョコ味の紅茶をミルクと合わせようと申すか……けっこうアバンギャルドな感じ?(あんまり味が想像できない……)

パッケージに「ミルクと合います」のマークもないし、どうなんだろうこれは、と思いつつもこの紅茶をミルクティーにしてみた。オレンジとチョコの香りにミルクの濃厚さは思ったよりは似合わなくもなかったけれど、いずれにしても少しばかり前衛的な味。朝から面白いものを飲んでしまった。

横浜ワールドポーターズ内「L.A.S.T」にて
 ファヒータス(コンボ) \1880
 フローズンカクテル(ストロベリーダイキリ) \850

ホテルの部屋で
 「CAKE MANIA」のキャラメルバナナタルト
 アップルティー

明日から三連休。だんなはまだまだ出張中で、帰宅は日曜夕方の予定。
せっかくの連休を息子と2人家に籠もりっぱなしというのもつまらないなと都内のイベント情報などを調べているうちにOZmallのホテル予約のページに辿りついた。

8800円で泊まれるお得なプランが色々あるのは前から知っていたけれど、今日の日付の宿泊で横浜ロイヤルパークホテルの「1日1室限定 レギュラーフロア・コーナーツイン」なるものが空いているのをたまたま発見。カップル向けのプラン(というかこのサイト自体が若いカップルや女性グループ客向けなわけだけど)だろうなと思いつつ、横浜に1泊してクリスマスイルミネーション眺めつつ、翌日は中華街散策とか楽しそうだなぁと、予約を入れてみた。猫たちとの夜は毎晩幸せだけれど、たまには猫に起こされない朝を迎えてもみたい。

というわけで、息子が学校から帰ってくるのを待ち、横浜に移動。
思ったよりも早く移動できて、午後5時頃にチェックアウトできた。

街側の部屋ということで残念ながら観覧車やベイブリッジは見えない方向だったけれど、50階を越える高さの部屋からの眺めはそれだけで素晴らしいもので、紫色に暮れゆく空に富士山が綺麗なシルエットになって浮かび上がっているのが正面に見えた。部屋の照明を消して、しばし息子と2人で部屋からの暮れゆく街の写真撮影に励んでみたり。

夕食食べがてらイルミネーション見物を兼ねて散策しましょうということで、夜景を眺めながらのんびり歩いて向かってみたのはワールドポーターズ方面。ショッピングモールを軽くぷらぷら見て回った後、いかにもな感じのアメリカンなダイナー「L.A.S.T」で夕御飯にした。期せずして目の前には観覧車が見えて良い気分。

息子はチキンアルフレッドパスタとノンアルコールカクテルを1つ、息子がカクテルならと私もフローズンストロベリーダイキリを注文して、料理はファヒータを。ビーフファヒータとチキンファヒータ、ビーフとチキンの盛り合わせの「コンボ」の3種類があったので思わずコンボにしてしまう。

家で時々「素」を使ってファヒータを作ることはあっても、店で食べるのは日本ではこれが初めてだったのかもしれない。丸い鉄製フライパンの上でジュージューと音をたてて出てきたのは、肉と野菜がそれぞれ別個に炒められたものだった。野菜は玉ねぎとパプリカ、そしてハラペーニョ。ハラペーニョも一緒に炒められていたようで、見た目以上に全体がビリビリと辛い炒め物だった。これにトルティーヤが5枚ついてきて、サルサを添えつつ肉野菜を巻いて食べるようになっている。

基本的に塩胡椒味の炒め物だったこのファヒータ、私の記憶の中のファヒータの味とはちょっとばかり異なっていたけれど、トルティーヤに包んで口にすると、なんだか懐かしい味わい。息子のアルフレッドパスタは、「そこまで親の敵のようににんにく使わなくても」というほどににんにくが強く香り、ファヒータと共に、ちょっとばかり"なんちゃって"TEX-MEXの匂いが漂う料理なのだった。アメリカ人はガーリック好きだけど、あえて「ガーリックアルフレッド」としてメニューに載せる店はあっても、普通はここまでアルフレッドソースにガーリック混ぜたりはしない……と思う。せっかくのクリームソースパスタだったけれど、息子の好みとは違っていたようで、選択間違っちゃったかなと反省。

帰りがけ、「ここのケーキが美味しいらしいよ」と、「CAKE MANIA」というお店のケーキを買って、途中のコンビニでお茶も買って、行きとは別のルートを歩いてクリスマスイルミネーションを眺めながらのんびりホテルの部屋へ帰還。

今回泊まったコーナールームは全体が三角形をしている部屋で、ベッドルームの広さこそ物足りない感はあったけれど、洗面台が2つ並んだバスルームは壮観の一言。大きなバスタブの横には夜景が見える窓がついていて、シャワールームも床近くに別途蛇口がついてお風呂椅子と桶が用意されていた。家からLUSHのバスボムを持参していたので、きゃあきゃあ言いながら息子と交代で泡風呂も堪能。窓つきの大きなお風呂は楽しいなぁ。きっとまた明日の朝も入ることになりそう。

入浴後に買ってきたケーキも食べる。でも調子に乗って2人なのに3個も買ってきてしまって(息子はフレッシュオレンジのレアチーズタルト、私はキャラメルバナナタルトとショートケーキをどうにも絞りきれなくて「いいや両方買っちゃおう!」と……)、案の定全ては食べきれず、ショートケーキは明日食べることにした。

息子曰く、「このレアチーズタルトはすごく美味しい!オレンジも似合っていて丸!」だそう。人気商品だというバナナのタルトは上にも中にもこれでもかとバナナが詰まっていて、しっかりとしたタルト生地とクリームの分量のバランスや甘味の調和がとても良かった。確かに美味しいケーキ屋さんで、地元にあったらしょっちゅう通ってしまいそうだ。ケーキバイキングもやっているようで……いいなぁ……。

11月22日 土曜日
10年ぶりくらいに訪れた飲茶屋さん
横浜ロイヤルパークホテル内「シリウス」にて
 朝食ブッフェ

朝6時20分、平日週末に関わらず同じ時間にきっちり目を覚ます息子が起き出して、「パタパタパタッポン♪」とゲームを始めた音で私も目が覚めた。猫が起こさなくても普通に息子に起こされている朝。「たまには猫に起こされない朝を」という、今回の横浜お泊まりのコンセプトはもうグダグダな感じになっている。

夜景が綺麗なのでカーテンを閉めずに寝ていたため、部屋の中は既にかなり明るくなっていて「あれ?朝?夜明け?」と、思いがけず夜明けを堪能することに。日の出の方向とは逆を向いている部屋だったけれど、雲一つ無い青空に富士山が浮かび上がってくるのが良く見える。この界隈はベイブリッジ側の方が良い部屋という位置づけのようだけれど、富士山が真正面に見えるというのもとても素敵。息子は「富士山が丸見えだ!」とはしゃいでした。丸見えの富士山。その言葉良いねと思わず笑ってしまう。

窓のある浴室で朝風呂も堪能して、レストランが開く時間の7:00になると同時に朝食を摂りに70階のレストランに向かった。

朝食ブッフェは、目移りするほど種類が豊富。そうでなくてもブッフェ式の朝食はしっかり食べてしまうのに、想定以上にお腹一杯食べてしまった。
目の前でシェフが焼いてくれるオムレツは、脇のカウンターにチーズやオニオン、ハム、葱などが入った容器が並んでいて、お客が自分で小さなココットケースに好みの具を盛るようになっている。シェフに盛りつけた具を渡すと、それを使ってオムレツを焼いてくれるのだった。

サラダにフルーツ(オレンジ、グレープフルーツ、パイナップル、ライチ)、ハムやベーコン、スパムやウィンナーなども並び、デニッシュや食パンに加えてパンケーキも。スープは2種類、ジュースは3種類ほど、そして目の前でミキサーにかけてくれる野菜ジュースが数種類あったのも面白かった。
野菜ジュースは「トマト・人参・ヨーグルト」「リンゴ・白菜」「小松菜・セロリ」の3種類で、ミキサーにかけ、グラスに注いだ後、炭酸水で割ってくれる。試しにと「リンゴ・白菜」のをもらってみたけど、見事に「リンゴと白菜」の味だった。美味しいかどうかは……「健康に良さそうだなぁ」という感想、という感じで……。

最初にサラダとハムをもらってきてフレッシュジュースを飲み、オムレツ焼いてもらって温野菜、ベーコンと共にパンケーキも1切れ。
「御飯と味噌汁」などの和食メニューが一切が無い代わりに、その場で作ってくれるニョッキとフォーがあった。トマトソースのニョッキをもらってきた後は、薬味が豊富に用意されていた中華粥コーナーで、ピータンと香菜たっぷりのお粥もいただいて、そんな感じですっかりお腹一杯。

息子はというと、彼もオムレツを焼いてもらっていて、しかもオムレツの脇には卵料理コーナーからスクランブルエッグまで盛りつけてきている。「オムレツのスクランブルエッグ添え」という大変にわけのわからない皿になっていたけれど、息子は満足気にそれをつついていた。にしても、それは卵食べすぎ……明日から卵は少し控えなければ……。ちなみに息子の選んだ具はハムとチーズ、私はハムとチーズとオニオン。

フルーツの他、デザートには杏仁豆腐にオレンジ煮のバナナ、ナタデココ、ヨーグルトなども。アイスクリームまであったものだからオレンジシャーベットなどをもらってきてしまい、朝8時にして満腹になってしまいつつ部屋に戻った。昨夜のケーキも1つ残っているというのに、ちょっと食べ過ぎ。

横浜中華街 「萬珍樓點心舗」にて
 竹筍蝦餃(海老蒸し餃子) \660
 小籠包 \700
 鮮蝦焼賣(海老シュウマイ) \660
 鼓椒牛肚(牛モツのトウチ蒸し) \600
 咸水角(五目餅揚げ) \700
 煎蘿蔔[米羔](焼き大根餅) \700
 杏仁豆腐 山桃シロップ \600
 杏仁フルーツポンチ \550
 プーアル茶 \450

ホテルのチェックアウトは午前11時。何時になるかわからないけれど、きっと朝食ブッフェではしっかり食べてしまうだろうなとあらかじめ予想していて、中華街の飲茶屋さんを午後2時に予約してある。この連休中は中華街でも何やらイベントがあるらしく、きっとかなりの混雑だろうなと思ったので予約しておいたのだった。

中華街に寄る以外は特に予定もないので、チェックアウトぎりぎりの時間まで部屋でごろごろ。息子と一緒にベッドにごろごろしながらPSPで通信ゲームをしたり、残ったケーキを食べたりのんびりとしていた。で、10時半を過ぎた頃にチェックアウトして、隣接のショッピングモール内の「ポケモンセンター」など覗きつつ、中華街に移動。食事の予約までは3時間ほどもあったので、普段見ないようなお店もじっくり眺め歩くことができた。

備忘録がてら、寄って買い物したのはこんなところ

チャイハネ
中華街を歩くと必ず一度は店の前を通りかかる、やたらと店舗数があるアジア雑貨屋さんチャイハネ。手頃なピアスがないかなーと寄ったら、息子のツボに入ったらしい。楽しそうに店内を眺めて歩いた後、「僕も指輪一つ欲しい」と。ユニセックス向けの指輪も確かに複数種類飾られていて、あれこれつけてみた結果、龍の爪を模したごついのを1個買ってやることにした。私もネックレスを1つ購入。ネックレス1200円、指輪600円。

花文字屋さん
名前の漢字などを、華やかな色使いで龍や鳳凰などの形で描いてくれる「花文字」、つい先日王将に食事に行った時に、とても綺麗な「餃子の王将」「歓迎光臨」の花文字が壁に飾られているのを見て、「あ、綺麗かも、いいかも」と思ってしまった。通りかかった露店のお店で、「1文字500円でイーヨ」と言われ(本当は1文字800円)、「お母さんの名前、3文字なの?じゃあ2文字分の料金でイイヨ」と更に安くしてくれ、名刺サイズのカードを作ってもらうことに。それぞれ名前の漢字で作ってもらい、2枚で2100円。パンダがいたり金魚がいたり、蝶に龍に鳳凰に竹にと、私の名前が大変賑やかなことになっていた。玄関先やその他人目に留まるところに飾ると良いらしい。

露店のアクセサリー屋さん
道路脇でテント張って店を出していたアクセサリー屋さんで、アジアンチックなチャラチャラピアス、3つで1000円。

鴻昌
たまたま通りかかったこのお店、焼き豚が1本1260円でサイズもそこそこ、美味しそうだったので買ってみた。焼豚1本1260円、腸詰1本1260円、美味しいと良いなぁ。

頂好食品
いつも油条を買っている頂好食品で、冷凍すれば良いかなと油条4本、大きな蛋撻2パック(1パック2個入り)、日持ちするミニ肉まん10個入りパックを購入。2200円。

翠香園
市場通りを歩いていて、たまたま目に付いた翠香園というお店で肉まんを購入。5個入りパックで……いくらだったか失念。確か5個で1000円か1250円あたりだったのではと思う。なんでも生地に天然酵母を使っているのだとか。

永楽製麺所
やはりここには寄らねばということで、永楽製麺所。チャンポン麺2食入り294円を2パック、伊府炸麺2食入り557円、超ちぢれ麺5食入り557円。この連休中にモツ鍋して、チャンポンで締めるんだ、と野望を抱く。

萬珍樓
昼食後に萬珍樓の売店で、食事中に使ってみて美味しかった「香辣脆」を買ってみた。豆板醤のように唐辛子だけが尖った辛さという風でもない辛味調味料で、色々使えそう。お店の人には「蝦餃につけると美味しいです」とお勧めされた。

大珍樓
いわゆる普通の焼売が食べたいと息子にリクエストされ、帰りがけに大珍樓売店でお買い物。肉まんと豚まん(肉まんは塩味、豚まんは醤油味なのだそう)があったので1個300円のそれを3つずつ買ってみた。あとは12個入りの豚肉焼売1000円也。

そんな感じで、最後は「私はどれだけ肉まんが食べたかったんだろう」というほどに肉まんだらけな荷物に。日持ちがするものも取り混ぜて、なるべく長く楽しめるようにしてみた。麺も12月頭まで保つものが多いから、平日の夕御飯などに淡々と消費しようかと。

予約した昼食のお店は萬珍樓點心舗
まだそう「飲茶」とか「点心」とかいう言葉が一般的ではなかった頃にできた萬珍樓の支店で、点心専門店というのがとても新鮮だった。他に比べるお店も数多くなかったというのもあると思うけれど、開店当時は神がかった美味しさがあって、飲茶好きの母と何度も来た記憶がある。その後すっかり人気店となってしまって予約は取れないし店頭には行列ができるし、比例して接客も悪くなる一方で更には味も落ちて……とあまり良い具合には回らないようになってしまった。そんなこんなで、もう10年くらい足を向けていなかったお店。

今日は息子と2人のランチで、大皿料理を食べられる状況にはなく、息子も喜びそうなメニューといったら点心かな、でも食べ放題のお店とかじゃなくて良いし、落ち着いて美味しいもの食べられたら良いんだけどな……ということで、久しぶりにこちらに来てみることにしたのだった。

腸粉がとても美味しいイメージがあったこのお店。相変わらずメニューには腸粉が数品掲載されていて、どれも気になったのだけれど、息子は口にしそうにないしお腹も膨れそうだしというので断念。代わりに大好物の咸水角と、豆鼓蒸し1品は外さないぞと心に決めて息子と一緒に注文する品を決めた。基本の蝦餃と小龍包、息子のリクエストで海老焼売と大根餅、そして咸水角と牛モツの豆鼓蒸し。プーアル茶をお湯を注ぎ足してもらいながらくいくい飲んで、飲茶6品ですっかり満腹になった。余裕があったらチャーハンでも、なんて言ってたけれど、全然無理。

……で、点心の方は、どれも安心して食べられる安定したレベルのものだった。小龍包だけスープの量が物足りず、あまりにも上品な味だったこともあって、「もうちょっと存在感のある小龍包だと良いのだけれどな」という印象があったけれど(でもそれは私がケダモノ臭い小龍包が好きだという好みの問題だと思う)、海老がプリップリの蝦餃も、揚げたての餅と中のほのかに甘い肉あんのバランスが絶妙だった咸水角もうっとりするような美味しさだった。接客も気持ちよく、天井の高い広々とした空間も良い感じ。

そして、なんと言っても美味しかったのは豆鼓蒸しの牛モツ。しっかり下処理したハチノスはプリプリプルプルで少しも臭みがなく、豆鼓風味に甘辛く蒸されたこの皿は期待以上に美味しかった。この皿のためだけに「すみませんビールください」と言いたくなる。辛いのは、おそらく豆板醤ではなくて、香辣脆なのだろうなと思った。点心につけつつ食べたけれど、上品な深みのある辛さで使い勝手が良さそうな調味料。アサリに紹興酒かけてこの香辣脆添えて蒸したりしても、すごく良いおつまみになりそうだ。

「チャーハンは無理だけど、デザートは食べる?」
「食べるー!」
ということで、微妙に味が違うのだという杏仁豆腐を2種類貰ってみることにした。いわゆる「普通の杏仁豆腐」風の、菱形にカットされてフルーツと共にシロップに浮いている「杏仁フルーツポンチ」と、四角い豆腐状の塊の杏仁豆腐に山桃の深いピンク色のソースを添えた「杏仁豆腐 山桃シロップ」と、それぞれ交換しながら食べてみる。フルーツポンチの方は少々水っぽく、そして固く、でも杏仁の香りはちゃんと漂う杏仁豆腐。山桃シロップの方は生クリームが混ざっているような濃厚なとろりとした食感で、口の中でクシュッと溶ける柔らかさ。どちらも美味しかったけれど、私は山桃シロップの方が好きだったかな。

油条も買ったし、近日中に中華粥をしないとねと1束150円の香菜も買って、いかにも中華街帰りですという紙袋をいくつも下げて夕方自宅に戻ってきた。
横浜は遠くないのに(我が家から快速乗りっぱなしで1時間で行けるのに)、行くとついつい大仕事になってしまう。

小岩井カマンベールチーズカレー を息子と半分こ
麦茶

昼食が午後2時からだったこともあって、夕飯は軽くで良いねということに。息子も私も両手に荷物で途中で食材の買い物などはとてもできず、一度帰ってからまた買い物に出る気力もなく、
「あ、そういう時こそ、レトルトカレーじゃない?」
と、1袋開けて息子と半分こすることにした。

小岩井農場のカマンベールチーズカレーは、息子好みのカレーらしい。一度現地でお土産に買って家で食べたところ「これ美味しい!超美味しい!」と騒がれ、その後地元のスーパーでも売っていたので(高かった……)買って食べた。で、先日、明治屋で「3個買ったら1500円」といった特売をしていて、思わず購入。レトルトカレー1人前で788円もするのだから、かなり気合いが入った品だ。そうそう買えない。

帰宅して御飯炊いて、入浴も早めに済ませて、猫に餌もやって(お留守番ありがとうということで、今日は冷凍しておいた鶏レバーとむね肉を茹でて刻んであげた。「レバーだ!」と猫まっしぐら)、ストーブつけて暖かくした居間でささっと夕御飯。

多少寒くとも、また寂しくても、猫2匹一緒にいるのだからよろしくやっているだろうとは思っているけれど、帰宅した時のりゃんりゃんの喜び様を見ると「出かけててゴメン!」と思ってしまう。前に飼っていた猫は、外出から帰ると「なんで自分を放っていくんだよ、もー」という怒りの方が先に来るという感じだったけれど(ものすごい勢いで文句言いながら御飯を食べ、その晩は非難するように鳴き続け……)、りゃんりゃんは「帰ってきた帰ってきたわーい」という風に、さして鳴きもせずにひたすらすり寄ってきてゴロゴロ喉を鳴らしている。片づけやら何やらで色々立ち歩いているのに、なんとかして膝に乗ろうとしてきたり、自分の御飯もそこそこに、私にぴったり隣に張り付いてみたり。

かすみさんはかすみさんで「あら、帰ってきたのね」程度のそぶりなのだけれど、それでも物言いたげに控えめに「ニャン」と話しかけてきて、こちらも可愛らしいこと、このうえない。「猫に起こされない朝を」なんて言って外泊してスミマセン……。

11月23日 日曜日
おみやげいろいろ。
「翠香園」の肉まん
プーアル茶

昨日横浜中華街で買ってきた大量の肉まん、一番日持ちがしないのは翠香園のもので、3日以内にお召し上がりください、と言われて買ってきた。5個あるから3個はだんなと一緒に食べる用に残しておき、息子と2人で1個ずつ今日の朝御飯に食べてみることに。

中華街、散策しながら食べるものと言えば肉まん(あと、甘栗とか?)で、そこら中に蒸したてのものが売られているし持ち帰り用の冷蔵冷凍のパックも売られている。しばらく来ない間に、やけに町中に「チャンピオンの店」とかいう黄色の派手な看板の肉まん屋さんが増えていたけれど、金ピカの衣装を身につけた複数人の「チャンピオン」の写真を掲げている店構えはとても上品な印象とは言い難く、あまり買う気にはなれなかった。あと、これまたあちこちにある「江戸清」も、私にはピンとこないお店の一つ。

買うなら聘珍樓のが外さない味で私には好みで、あとは大珍樓の点心類が昔からの馴染みの味なこともあって買いたくなる。以前食べた「同發」のも美味しかったので、そちらで買おうかなと思っていたのだけれど、歩いていた市場通り沿いにあった「翠香園」の店頭の張り紙にあった「天然酵母の肉まん」という文字に興味を惹かれてしまった。あまり目立たぬ文字で「どっちの料理ショー」と「はままるマーケット」に出ました、的な事が書いてある。仰々しい「チャンピオン」の文字にちょっと疲れていたところだったので、ほの暗い売店で密やかに売られているその肉まんを買ってみることにしたのだった。

サイズは心持ち小ぶりの肉まん。蒸籠で指定の12分蒸したら、良い感じに皮がふわっふわになった。天然酵母について語れるほど天然酵母のパンなどを口にした経験はないのだけれど、心地よい食感の生地は嫌みのない優しい味わい。中に詰まった肉あんもまた、とても優しい味だった。端から囓っただけでほわんと周囲に野菜の香りが広がっていく。

「野菜の匂いがする!」
「うん、キャベツみたいな野菜の匂いがするよね」
と口にして、ああこれは長ねぎの香りと甘さだ、と気がついた。びっくりするほど大量の長ねぎが混ぜ込まれているようで、長ねぎ由来の甘さが強く漂う肉まんは香りも味もとても上品。塩気もきちんと効いているので物足りない感もない。「みっちりと肉、たっぷり肉汁」の方向ではない肉まん、とても美味しかった。

「小僧寿司」のばってら
抹茶入り玄米茶

この数日遊び歩いていたので食材の買い置きもなくなり、冷蔵庫の中はすっかり空。
だんなも帰ってくるしと、あれこれたくさんお買い物してきた。たまたまパスタやトマトの水煮缶も安かったものだから買い物袋は大変な重さに。昼御飯も考えなきゃいけなかった〜……と、手っ取り早く「小僧寿司」で手巻き寿司などを適当に見繕って買ってきた。

息子はいなり寿司とツナ巻き、私はばってらのパック。
なんとなくお寿司っぽいものが食べたかったので買ってきたのだけれども……スーパーの総菜売り場と大差ない味のばってらだったものだから、猛烈に銚子丸が恋しくなった。

千切りキャベツ
ポテトサラダ
豚肉のにんにく生姜焼き
豚汁
羽釜御飯
ビール(キリン秋味)

夕方にはだんなが帰ってくる。
「やっぱり"これが日本だ"って感じが良いよね……」
と、いただきもののコシヒカリを研いで、豚汁作って、あとは豚肉のにんにく生姜焼き、千切りキャベツとポテトサラダ。
いかにもな日本の味ということでは焼き魚と吸物と根菜の煮物、といった傾向も考えたのだけれど、だんなの嗜好は「生姜焼き定食」的な方向じゃないかなぁと。

豚汁の仕込みを終えてポテトサラダも平行で作り終え、「あとは御飯炊いて、その間に千切りキャベツの準備して肉炒めれば大丈夫」という頃合いになったところでだんなが帰ってきた。治安の良くない土地だからと、「お土産は期待しないでね」と言われていたけれど、スーツケースの中には、たくさんのあれこれが。息子は外国の硬貨をお土産にもらって大喜びだった。

・ピンガ(サトウキビのお酒。広く飲まれてる品ということで「Ypioca」というもの)
・ビール(NOVA SCHIN ・ SKOLの2種類)
・チョコレート(Garotoというメーカーのと、LACTAというメーカーのチョコウエハース)
・パネトーネ(レトロな柄の大きな缶入り。ドラッグストアで500円くらいだったらしい)
・Ariscoの調味料色々(粗塩にハーブやにんにくが混ぜ込まれている万能調味料)
・石鹸(亀の甲羅のコラーゲン入りの石鹸……美容に良いらしい)
・石鹸(プロポリス入り、こちらも美容にどうぞって感じらしい)
・プロポリスそのもの(スプレータイプ。喉が痛い時にシューッとやると良いらしい)

酒やビール、お菓子と、私が「もし買えたら買ってきてー」とお願いしていた調味料の類は予想できたお土産だったけれど、プロポリスや亀の甲羅入り石鹸というのにはちょっとびっくり。亀石鹸はダイアナ妃御用達だったそうで、ブラジル訪問の際にプレゼントされたのが気に入って以来、本人自らお取り寄せしていたのだそう。しみやしわ、乾燥、老化を防ぐ……と。なんかすごい石鹸だ。

Arisco使うの楽しみだなー、とりあえずもやし炒めあたりから挑戦してみようかしら。色々種類があったのだそうで、「塩+ハーブ+唐辛子」「塩+ハーブ」「塩+玉ねぎ+にんにく」とか、色々。「フェジョン」や「フェジョアーダ」にどうぞ、とあるけれど、私はそのどちらも食べたことがない。豆の煮物なのだそうだ。

ピンガは以前シュラスコ屋で飲んだことがある。そのままロックで飲んでも悪くないけれど、「カイピリーニャ」にするのがお勧めだとか。カットした大きめのライムをグラスに入れて砂糖も加え、そこに氷と冷えたピンガを注いで混ぜつつ飲む。砂糖は粉砂糖に似た「専用の砂糖」があるそうで、それも買うかい?と勧められたそうだけれど、「いや、日本の気候じゃそういう砂糖は湿気で溶けちゃうから」と購入は止めてきたのだそうだ。
行ったことのない国のお土産というのは、本当に面白い。

夕御飯は、今日も少々上品めな味になってしまった豚肉の生姜焼き。これでもかと大量の刻みキャベツを添え、いつもの味のポテトサラダも脇に盛りつけた。
こういう夕御飯はそういえば私も息子も久しぶりな感じで、息子は生姜焼きを御飯の上に乗せて丼にして食べていた。
「それ、マヨネーズ添えると良くない?」
「ちょっとだけね添えると美味しいよね」
と、マヨネーズも添えつつ。