食欲魔人日記 05年01月 第1週
1月1日 土曜日
イタリアンおせちで始まった2005年でした
「AL PONTE」のイタリアンおせち
お雑煮(秋田風)
ビール(よなよなエール)
今日は元旦。2005年の幕開けなる日だというのに、一人ちょっと早めに目が覚めた私は、テレビゲームの電源を入れてジャングル探索の続きをやっているのだった。「このへんに毒蛙がまたいるはず……」とか言いながら。数十分後にはだんなも起きてきて、背後から
「おゆきさんがー元旦なのにスネークやってる……」
と少々呆れ声。やめるよやめますよ、どっちみち皆が起きてくるまでと思ってたんだもん、とゲームの電源を落とし、お雑煮とおせち料理を食卓に並べた。

今年のおせち料理は、人形町のイタリアンリストランテ「AL PONTE」のもの。今年の春から、このお店のホームページ作成のお手伝いをしているのだけれど、数ヶ月前に
「ねぇね、ホームページにこういう機能をつけたいんだけど、その場合費用っていかほどになるのかしら?」
「……うーん、これとあれとつけるわけですよね……○○円くらい……」
「うーん、その費用はちょっとうちとしても痛いかも……」
「……なら……そうだ、おせち料理と交換ということでどうでしょう?私としてはそれで全然OKなんですが」
「おせち料理?いいよいいよ喜んで作ってあげるよ〜」
なんて会話がなされ、私のとある仕事の対価としておせち料理をいただくことになったのだった。お店は材料の原価で済むし、私は美味しいものが手に入るしで双方幸せ。

一昨日の30日、本当は申し込んだ各家庭に配達するものらしく、夜10時過ぎにうかがった店内ではスタッフ総出で料理の詰め込み作業、重箱の箱詰め作業などがなされていた。そこから1箱、「ほいじゃ、いただきまーす」と受け取り、玄関先の我が家で一番寒い場所を思われるところに昨日1日置いておいたのだった。開封するのは今朝が初めて。どんな料理が入っているかも知らないので、わくわくしながらふろしきに包まれた重箱を取り出した。

長方形の白木の重箱にはお店のロゴが印刷されていて、案外丈夫そうで今後も何か入れてあれこれ使えそうな感じ。和風の紙に料理説明書きが印刷されていて、それによると

一の重
 オーストラリア産伊勢海老と宇和海の真鯛のサフランクリーム煮
 フランス産鴨胸肉のスモーク 青トマトのモスタルダ添え
 国産牛肉と豚肉の肉団子 イタリア風甘酢煮 アーモンドロースト添え
 フランス産フォアグラのゼリー寄せ
 茨城産シャモ鶏とイタリア産トリュフを使ったロール巻き
 ヨーロッパ風キャベツの酢漬け

二の重
 北海道産帆立貝・ジャガイモ バジリコ、パセリのグリーンソース リグーリア風
 明石タコとオリーブのトマト煮込み
 国産ズッキーニの白ワインヴィネガーマリネ
 国産キノコのマリネ
 愛媛県宇和海産の墨イカの墨煮
 イタリア産生ハムとドライトマトのオイルマリネ
 赤ピーマンと黄ピーマンのトマト煮
 カリフラワーとピーマンのナポリ風マリネ
 小玉葱とイタリア産ウズラ豆の煮込み

……という感じ。
「うわっフォアグラ!」
「うぉー、これはトリュフ巻き!」
「この真ん中のでっかいのは伊勢海老かぁ……」
きゃあきゃあ言いながらあれこれつまみ、これから外出するのでお酒は控えめにして、年賀状が届くくらいの時間帯(我が家あたりは毎年11時過ぎに年賀状が届く)までのんびりあれこれ食べていた。鴨のスモークとか、それに添えられた自家製モスタルダ(フルーツなどを蜂蜜とマスタードに漬けた……チャツネみたいな感じ?)、バジルのソースで和えられた帆立やじゃがいもが特に美味しい。

日本のおせち料理も日持ちがするような豆や乾物などの日持ちがするものを多用し、醤油と味醂で濃いめの(腐らないような)味付けを……という感じだけれど、それがイタリアンに変わってもその趣向はやっぱり似ていて、ドライトマトやオリーブ、豆などの保存食になるような食材が使われていたり、酢漬けにされていたりトマト煮されていたりと、けっこう日持ちがするような内容になっていた。

「あはは、朝からフォアグラ食べるなんて初めてかもー」
なんて言いつつ、私が準備したのはお雑煮だけ。我が家のお雑煮は、私の母がよく作ってくれた秋田風(それともこれって角館風?)の、鶏肉とごぼうと舞茸入りのもの。鰹だしを薄口醤油と塩と酒で調味して、具は鶏肉とごぼうと舞茸が必須。あとはかまぼことか大根、にんじんなどは適当に好みで入り、上には三つ葉が散らされる。餅を入れずに吸い物として普段もよく作られるけれど、正月にはこれがお雑煮として食卓に出てくるのが、結婚するまでの我が家のお雑煮であり、秋田の親戚の家で年越しをする時に出てくるお雑煮でもあった。結婚してだんなにこれを一度作って食べさせたらおおいに気に入ってくれちゃったので、我が家のお雑煮はこのタイプということになった。息子が大きくなったら「我が家は千葉に住んでたのに、けっこう珍しいお雑煮食ってたんだなぁ」とか思うようになるかしら。

だんなのおばあちゃん家で
 おせち料理(う巻き・田作り・煮物・などなど)
 きんぴらごぼう
 マグロとタコのお刺身
 鶏とねぎの炒め物
 かきたま汁
 お赤飯
 ビール(エビス♪)
元旦は、だんなのおばあちゃんの家に年始の挨拶に行く……というのが毎年の慣習になっている。1月1日に電車に乗って往復4時間近くもかけて挨拶に行くのは大変だなぁ、たまには自宅から一歩も出ずにのんびりと、正月ならではのテレビ番組でも見てだらだらしたいなぁ、と思う気持ちもあるのだけれど、でもおばあちゃんの家に行くのは年に何度もない機会であるし、気合い入れて我が家3人、義妹義弟の合わせて5人で電車に揺られて保谷に住むおばあちゃん家に。

昨日の雪は、我が家あたりじゃ少しも積もらなかったのだけれど、おばあちゃん家の近くは大変な積もりよう。道の脇にはまだまだこんもりと雪が残り、日の当たらない道路ではまだ5cmくらいも薄く雪が残っている。ガードレールに積もった雪で雪玉作って息子とわぁわぁ言いながらぶつけあいつつおばあちゃん家に向かうと、縁側から「あ!来たー」とおばあちゃんとおばEさんが顔を出した。

おばあちゃんにとって息子は初曾孫で(んでもってその親であるだんなは初孫で)、子供のいないEさんにとっても息子は孫同様の存在で、もう毎日のように
「元気かなぁ、元気かなぁ、どのくらい大きくなったかなぁ」
なんて息子の事を話題にしているのだとか。いつもそうだけれど今回も大変な歓待ぶりで、「雪の上で早々にずっこけてきました……」と到着したら、20年前以上の子供服(だんなや義弟、だんなの従兄弟らが着用していたものと思われる……)は出てくるし、20年前以上の玩具(だんなや義弟、以下略)も出てくるし、到着するなりなんだか大変なことになった。出てきた子供用ズボンなんか、この時代にありえないラインを描いていたりしてね。……いや、60年代風ということで逆にある意味かっこよかったり?

御馳走も大変な分量があって、和風の超正統派おせち料理(そう、どうせおばあちゃん家で食べられると思うから我が家ではもう準備しない……)の他、マグロとタコのお刺身、おばあちゃんお手製のじっくり味が染みた美味しいきんぴらごぼうや煮物、2升ちょっと炊いたのだというお赤飯に、しめじや鶏肉の入ったお吸い物などなどなど。
「いーっぱいお食べね。いーっぱい用意するからね」
と、食卓にはもう溢れそうなほど食べ物が並んでいるのに、台所からジュージューと何やら音が聞こえてきて、鶏肉と葱を"焼き鳥"風の味付けでこんがり炒めたものもやってきた。置く場所がないから他の数個の皿の縁にバランスを取るように重ねてしまったりして。

「ほら、もっとおあがりよ」
というおばあちゃんの声に、孫一同
「い、いや、もういっぱいです……」
「初詣、行ってきます……」
と、よたよたと満腹抱えてお参りに。

神社で
 甘酒
てくてく歩いて向かった先は、伏見稲荷。この近辺じゃかなり大きな神社で、ゆえに人気もあり、境内までゾロゾロと大量の行列ができている。警官動員で「ハイ、進んでくださーい」なんて行列の整理をしているのも毎年のことらしい。

「ここ、何の御利益があるんだっけ?」
「んっとー、お稲荷さんは、商売繁盛じゃない?」
「ダイエットにも効くかなぁ……お稲荷さん……」
「どっちみち、お賽銭10円でその願い叶えろというのもねぇ」
なんて言いながら、私とだんなは10円、息子は5円。チャリーンとやって、ちゃんと2礼2拍手1礼して、10円でそこまで願うかというほど願をかけてきた。

人も多く集まるなら、当然のように屋台もいっぱい。ダルマとヨン様カレンダーが並べて売られていたり、「インディアンフード」なんてのれんを掲げた怪しい食べ物屋さん(看板しか見えなかったから何を売っていたかは不明)があったり、最近の屋台も色々だ。境内出てすぐのところに、熱湯で温めて売られていた瓶入りコーヒー牛乳を見つけ、あまりの寒さにそこでちょっと休憩。コーヒー牛乳の隣には甘酒もあって、私はそれを1杯いただいた。初詣にはやっぱり甘酒よねー、なんて思ったり。

あったかい飲み物をハフハフ言いながらいただきつつ、
「……で、君はどういうお願いをしたのかな?」
と息子に聞いてみれば、
「歯が、ぜんぶきれいに生えますようにって、おねがいした」
のだそうで。食い道楽として素晴らしい願い事だ。うむ。

だんなのおばあちゃん家で
 うどん
 コーヒー・日本茶
午後3時頃まであれこれおばあちゃん家で飲み食いし、それから1時間ばかり初詣に行ってきたのだけれど、帰ってみれば
「はい、おうどんね、茹でておいたから」
テーブルの上にはどどどーんと5人前くらいのうどんが茹でられ、ザルに盛られていた。

「お、おばあちゃん……」
「もう、私たち、おなかいっぱいだから……」
「さっきまでいーっぱい食べてたじゃん……」
「とても無理……うどん、無理……」
呆然と伝える孫たちに、
「じゃあみかんでも食べるかい?」
ばあちゃん、聞いちゃいない。

だんなのおばあちゃんに限らず、"おばあちゃん"という人たちはそりゃもうせっせと子供や孫たちに食べ物を与えようとする(いや、"おばあちゃん"に限らず、"おかあさん"とか"おばさん"といった人たちも、だけど)。しかもその食物の分量が、
「その子供(孫)たちが、一番食欲のあった高校時代、大学時代に摂取していた食物の分量」
を基準にしているから、そりゃもうものっすごい分量のものが出てきたりする。

んで、茹でてもらっちゃったうどんを放置して帰るわけにも行かず、6時半頃にちゅるちゅるとうどんをいただいてから帰宅した。冷たいうどんをあったかいつけ汁につけつつ食べる。刻み葱と一緒に茹でた春菊も用意されていて、きつく水気を絞ったその茹で春菊も一緒につゆにつけておあがんなさい、と。うどんと一緒に春菊をこうやって食べたのは初めてだけれど、これが案外さっぱりといくらでも食べられる味わいでとっても美味しかった。今度我が家でも真似してみよう。

帰りには、たーーーーっぷりのお赤飯と一緒に煮物やきんぴらごぼうもお土産につつんでもらい、大きな袋を抱えて帰宅した。今朝のおせちもまだまだあるし、これから2日くらい、本気で料理しなくても済みそうな感じ。おばあちゃん、どうもありがとう。

1月2日 日曜日
おばあちゃんの煮物。つやつやふくふく。
おばあちゃんの
 お赤飯
 煮物
 きんぴらごぼう
鶏肉と舞茸とごぼうの吸い物
抹茶入り玄米茶
昨夜、だんなのおばあちゃん家からたーんとたっぷりいただいてきた食べ物数々を食卓に並べて、かなり遅めの朝御飯。
「やっぱり今年もいっぱい貰っちゃったねぇ……」
と呟きながら、赤飯を温め、煮物を温め、きんぴらごぼうも温める。

何年か前までは、それでも我が家のお正月料理をと手をそれなりにかけたお煮染めを作ったりかまぼこや伊達巻きを用意したりしていたけれど、元旦の昼と夜はおばあちゃん家で食事するので自分の家のは朝につまむしかなく、じゃあその翌日以降ははと言えば、いただいてきたものを食べなきゃと品数がどんと増えて一向に消費できないことになり、結果作った食べ物を全部食べきる前に腐らせてしまったりした。だからもう、あんまりお正月料理には気合いを入れないことにしている。今年は、雑煮用のお吸い物をたっぷり作っただけ。たまには家族だけでのんびりと、どこにも出かけない元旦を……と思う気持ちもあるけれど、これはこれで美味しいものをあれこれいただけて結果的には私はらくちんできるので……幸せなのかも。

昨日はお餅を入れてお雑煮にして食べたお吸い物と一緒に、ごま塩パラパラふったお赤飯を並べてテーブルに。おばあちゃんの煮物、今年は里芋と筍とこんにゃくと椎茸を干し貝柱、昆布と一緒に炊いたもの。テラッテラにいーい色に煮含められていて、きんぴらごぼうと同様にいい色をしている。どこをどうすればこうなるのか、味のしっかりと染みた煮物やきんぴらは本当に美味しくて、今日も朝から御飯がおおいに進んでしまった。大鍋にたっぷりめに作ったお雑煮用のおつゆも、あとわずか。

駄菓子ぽりぽり

「不二家」の
 ショートケーキ
 苺のカスタードパイ
カフェオレ

「今日……駅ビルオープンするんだよねぇ……福袋とか、あるかな?」
「ああ、おゆきさん"生ケーキが食べたーい」とか言ってたっけ、そういえば?」
そうそう生クリームの味がなんか恋しくなっちゃってたのよそうなのよ、なんて話をして、午前中は、最寄りの駅高架下のショッピングモールにお買い物。「成城石井」にちょっと似た風の、輸入ものとかこの近辺じゃそこそこ高級めな食材を扱っている「北野エース」というマーケットがあるので、そこで食材福袋とか出ていたら欲しいなぁ、なんて思っていた。

残念ながら、期待の福袋はなし。洋菓子屋さんの福袋はいくつかあったけれどいまいち食指が動かなくて、雑貨屋さんの3000円福袋だけ1個買ってきてみた。「不二家」の福袋もあったけれど、巨大なペコちゃん人形とお菓子のセットということで
「……ケーキは入ってないのね……」
と、ちょっとがっかり。

「んじゃ、ケーキ買って帰ろう。みんなショートケーキかな?」
「うん、私、ショートケーキと苺のカスタードパイ」
「……2個ですか?」
「ええ、2個なんです」
昨夜、だんなのいびきがあまりにうるっさくて、疲れていたのに寝ていられず、布団から抜け出して居間で3時半までゲームしていた私。「だんなのいびきに耐えた事へのねぎらい」とかいう名目で、ケーキ2個ゲットー。おやつの時間にコーヒー淹れていただいた。

「おかーさんは、なんでケーキ2こなの?」
「2個なのよ」
「俺に、一口ちょうだいよ」
「はいよー」
「おかーさん、ぼくにもちょーだい」
「はいよー」

カスタードパイはだんなと息子の口にも入れてやり、今年の初ケーキは不二家のショートケーキ。いつものやつより何十円かお高めの、上に苺が2粒乗った豪華なショートケーキだった。不二家の生クリームの味、けっこう好きなんだわ。全体的な甘さの具合とか、苺の混ざり具合なんかが「これぞ"ショートケーキ"という単語を聞いたときに思い浮かべるショートケーキ」という感じがして、とても好き。カスタードパイは、チョコ風味のスポンジの上にこってりたっぷりのカスタードクリームが乗り、ホイップクリームと共に苺もしっかり飾られていた。これもシンプルな味でとてもステキー。

イタリアンおせちの残り
伊勢海老のサフランソースのタリアテッレ
ビール(よなよなエール)

和風おつまみ色々
にごり酒

昨日ちょこちょこつまんだイタリアンおせち。仕事の対価としていただいた「AL PONTE」のおせち料理は野菜が主体でイカや魚などの魚介もふんだんに使われたものだった。肉団子や鴨肉、シャモやフォアグラも使われいていて、肉っ気も充分。

「まだまだ残ってるけど、重箱で出すのは美しくないから大皿に各自分盛りつけましょー」
と、20種類近い料理のあれこれを1人1枚の大皿にちょこちょこ盛りつけてみた。マリネやトマト煮などの水分少なめなものはそのまま盛り、墨イカの墨煮とタコの煮込みは別小皿に。肉団子は温めてから小さなココット皿に入れ、クラッカーや薄切りパンと一緒にフォアグラのゼリー寄せやチーズを食卓の中央に置いた。で、「オーストラリア産伊勢海老と宇和海の真鯛のサフランクリーム煮」は「パスタソースとしてもご利用いただけます」と書いてあったので、外出ついでに買ってきたタリアテッレを茹でて絡めて食べることに。

元旦にそのまま食べても美味しかったけれど、伊勢海老のサフランクリームを和えたパスタはすんごく美味しかった。鮮やかな黄色のソースは生クリームたっぷりという口当たりで、ホロンと崩れる鯛や大ぶりなのに大味じゃない伊勢海老とよく似合う。色鮮やかな茹でいんげんなども添えられていて、息子が
「おせちりょうりは……クリームのスパゲティ?」
なんて言いながらがつがつと食べている。うーん、おせち料理にクリームのスパゲティは、分類されないかなー……(とか言ったら、イタリアンおせちは全部「反則」になってしまうのだけれど)。

残ったおせちをつまんだだけでは案外と物足りなく、
「にごり酒飲もう!」
と小瓶サイズのにごり酒を冷蔵庫から出し(新潟の物産展で試飲して美味しかったから買ってきた。銘柄は……忘れちゃった……←瓶捨ててきちゃった……)、じゃあ酒の肴もちょっと出そうか、あれもあったよねぇなんて言いながらばたばたと夕飯第二弾を準備。残りもののかまぼこやお刺身、いぶりがっこに燻製比内鶏に……とあれこれ並べて、今度は雰囲気一変して和風の飲みに。
ビール、1人1缶しか空けてないし、にごり酒もほんの300mlちょいのサイズの瓶だったというのに、すっかり酔っぱらってしまってぺろんぺろん。
いい正月だなぁ〜。

1月3日 月曜日
しんぼうたまらん!とスペアリブ食べに行きました
「白川」のうどん 釜玉
抹茶入り玄米茶
1人起き出した午前8時。昨日の夜、いーいところ(ボス戦目前、最後の盛り上がりというところ)でゲームを中断していたので、起きるなり密やかにポチッとゲーム機の電源を入れ、うきうきと続き。途中、息子が起きてきて
「うわぁ!すごい、すごいことになっているねおかあさん!」
と背後から声援を送ってくれ、その1時間後くらいにだんなが起きてきて
「……佳境、ですか?」
と。

そうそう佳境なんです、スネークさんが最後の戦いをね……と解説しつつ、
「ここ、背景が白っぽいからやっぱり白い迷彩服の方がいいでしょ……だったらやっぱり顔も白く塗るべき?」
と、手持ちのフェイスペイント(←敵陣の中に一人潜入していくというゲームなので、暗い倉庫内だったら顔を黒く塗ったり、水の中進むなら青っぽく塗ったりして敵にみつからないようにしなければならない)から「OYAMA(女形)」なる、"志村けんのバカ殿"そのものみたいなメイクを選択してあげたら、これが効果抜群だったのだけど、代わりにその後の「感動のエンディング」のほとんどがそのままバカ殿のまま進んでくれちゃって、なんかもうエンディングの感動台無し、みたいな……。

最後の戦いの後、えんえんとムービーが続いちゃって、だんなと2人
「うぉー、そうだったのかー」
「おぉっそういうことか!」
なんて口あけて見ていたら、すっかり時間が経っちゃって11時頃に。慌てて冷凍うどんを茹で、釜玉にして簡単な朝御飯にした。

先日届いた千趣会のさぬきうどんは、「白川」というお店の冷凍うどん。優しい歯触りの好みな感じのさぬきうどんで、釜玉にするのが似合うような気がする。溶き卵をどんぶりに入れ、茹でたてのうどんを入れたらざっと混ぜて(あんまり必死に混ぜると卵が泡立っちゃって、いまいちな事に)、黄身が適度な半熟状態になるくらいにしたら、上からだし醤油をピャーッとかけ、も一度ざっと混ぜてからいただく。刻み葱や揚げ玉を上からふっても美味しいのだけれど、せっかく先日作った自家製揚げ玉(大晦日、天ぷらやるついでに揚げ玉をちょっとだけ作っておいた)をかけるのも忘れる勢いで食べてしまったのだった。

ホットサンド(こんたまちー)
牛乳
「……デパートでも見に行く?福袋とかー……」
「んー……ここらのデパートはもう昨日からやってるしねぇ……特に何もないかもー」
「そっかー……」
三が日最終日もいまいちやる気なく、ゲームしたりごろごろしたりの一日。「これじゃなんか、あんまりだ」というので夕方にお出かけすることにした。

昼過ぎにほんのりお腹が空いたので、ホットサンド。我が家定番の「こんたまちー」(コンビーフ&卵&チーズ)の具を用意しようということになり、サイパンあたりで買ってきたものと思われる、アメリカ製のでっかいコンビーフ缶を空けて使ってみる。ほのかにレトロな赤っぽいパッケージはかわいらしいけれど、隨分脂っけの多いコンビーフ。中央あたりには、煮こごりみたいな巨大な脂が埋もれていて、「ひぃ〜」と言いつつそれを除去し、いかにも脂っぽい塊は除けるようにして使ってみた。……でも、ホットサンドメーカーにセットしたパンの隙間から溶けた脂が垂れてくるほど濃密な脂っこさで、ちょっとびっくり。

お供に牛乳。寒いと牛乳の消費が遅くなるよねぇ、なんて言いながらコップにたっぷりいただいた。

幕張 「OUTBACK」にて
 ストリップロインステーキ&ハーフリブ セット \2,390
 クリームブリュレ \600
 ビール(FOSTER) \590
 ビール(ハーフ&ハーフ) \600
では幕張に行きましょう、と、最寄り駅からバスに乗ってカルフール前まで連れてって貰おうと思っていたのに、年始3日間は海浜幕張へのバスは運休とのことで、駅前バス亭で少なからずショックを受けている私たち。
「……バス一本で行けると思ったのにー」
「……しょうがない、電車とバスを乗り継いで行きますか……」

バス運休だなんて聞いてないよー……といきなりへこたれてしまいながら、それでも幕張に行ってみた。1月3日のカルフールは案外と混雑。「そろそろこういうものが恋しいでしょう?」と言わんばかりにカップラーメンが特売になっていたり、普段着やスポーツウェアの福袋があったり、「1万円分以上入ってます!」なんて書かれたLEGOの3千円の福袋(ブロックが3箱分入ってるらしい)があったり。福袋も、ドーンと大量に置かれていると案外興味がなくなってくるもので、けっこう冷静に
「ふーん、5千円の子供服福袋ねぇ」
「……こっちはティファールの鍋専用福袋なんだってさ」
とがさがさと売り場を徘徊。結局福袋は1個も買わず、洗剤買ったりパスタ買ったり。

で、夕飯はカルフールのすぐ近くにあるステーキ屋さんOUTBACK。今日は外食しようかという話になったときに、だんながすかさず
「アウトバック……?」
と呟いたためここになったのだけれど、でも私もここしばらく、無性にコテコテのバーベキューソース味のスペアリブが恋しかったりした。正月早々そういうところに行くのもなぁ……と、私は言葉には出さなかったのだけれど、だんなの「アウトバック……?」の声に、そうそうそうだよねアウトバック行きたかったんだよねと一も二もなく賛同。

「リブだリブだー」
「ステーキだー」
とお店に向かったら、これまた案外と混雑していた。店員さんの数に対してお客の方があからさまに多いという感じで、注文した飲み物がやってくるのにもいつも以上に時間がかかる様子。

オージービーフを使っている、オーストラリアな内装(カンガルーとかブーメランとかコアラなんかが多用されている)のお店なので、ここはオーストラリアのビール「FOSTER」を。
「俺は、リブアイステーキとリブのセットにしよう」
「ほいじゃー、私はストリップロインのステーキとリブのセットにしよう」
夫婦してスペアリブつきのステーキセットにし、息子はいつもどおり「マカロニチーズ」。けっこうなボリュームのサラダをつつき、昼御飯が遅めだったのにステーキとリブ両方食べきれるかなぁ……なんて不安に思っていたにも関わらず、いざ料理がやってきたらちゃらちゃらっと簡単に食べられてしまった。
「あれ?いつものステーキだけのセットより全然簡単に食べられちゃったよ。……デザートも食べていいかな?」
ってくらいに余裕だった。

「ストリップロイン」は、日本で言うところのサーロイン。リブアイは、あばら(リブ)に近い部分の肉。どちらも適度に脂が乗ってて美味しい部位だ。だんなはリブアイが、とってもお気に入り、らしい。

ハーフサイズのスペアリブは、骨はたかだか8本というところで、骨の長さも10cmくらいと、けっこう小ぶり。骨が案外と重量も体積もあるので、見た目ほどには食べるところがないお肉だ。甘辛いバーベキューソースがコテコテと塗られていて、焼いた肉よりビーフシチューに入っている肉に似た感じの歯触り(下処理に一旦煮たり蒸したりしているからだと思う)。1本ずつざくざくナイフで切ってはそれを両手で持ってワシッと食べるので、せっせと指先をナプキンでぬぐいながら食べる。アメリカだったら、各テーブルにドーンと巨大なキッチンペーパーのロールが置かれていたりするので、それを遠慮会釈なくたっぷり使ってそこら中拭きながら食べる。

ほんのり物足りない分量だったけれどリブは堪能できたし(骨が倍くらいの長さがあって、本数は16本くらいあると「リブ喰ったなー!」という充足感に包まれます)、ステーキもきっちり200gくらいは食べられたし、満足満足。ちゃっかりとクレームブリュレもいただいて(でも、これはイマイチだった……トッピングの生クリームはいかにもな植物性油脂の味がしてベタベタしたし……)、すっかり御機嫌になって脇のゲームセンターでメダルゲームに興じてから帰宅した。

長かっただんなの年末&正月休みも、今日でおしまい。明日から出社だそうで、私も明日からは本腰入れて仕事に戻らなくちゃだわと……決意だけは……(決意だけか)。

1月4日 火曜日
地味な外見だけれど、美味しいんです
「カルフール」のミニチョコパン
カフェオレ
今日から仕事はじめ。火曜日の今日、だんなにとっては「ジムはじめ」の日でもあるようで、早速今日から早起きしてスポーツジムに向かって行った。……がんばるなぁ……。

朝御飯は、昨日カルフールで買ってきた、ミニサイズのチョコクロワッサン。
「おかーさんはなんこ食べますかー?」
「うーん、2個かなぁ……いや、3個……?」
「ぼくはねぇ、2こでいいんだよー」
なんて会話を息子としつつ、かわいらしいサイズのチョコパンをもぐもぐと食べた。ジムに出発する前にコーヒーを淹れて飲んでいっただんなは、私と息子の分のコーヒーもちゃんと残していってくれていた。だんなの優しさに感謝しながら、もぐもぐ。

きなこのお餅
鶏肉と舞茸とごぼうの吸い物
麦茶
だんなもお仕事していることだし、と、私も今日からお仕事始め。「午後は気持ちがダレるしね」とか言いつつ、気分転換に始めたゲームが気分転換で終わらなかったりしたけれど、とりあえずお仕事もがんばった。

「昼御飯は餅にしようと思います。シンプルに醤油つけて海苔巻いて食べる、お雑煮にして食べる、あんこつけて食べる、きなこつけて食べる、さてどれがいいですかー?」
私はあんころ餅かきなこ餅がいいなぁと思っていたのだけれど、一応息子に聞いてみる。 
「きなこって、なぁに?」
「え?きなこ知らない?……ほら、おかあさんが、牛角行くといつも食べてるアイスにかかってるじゃん……」
もうちょっと良い説明はないものかと思いつつ、でもそう言ったら息子はわかってくれた。

焼いたままの餅に砂糖を混ぜたきなこをかけてもうまいこと絡まらないので、焼いた餅を湯にとぷんと漬けて表面を濡らしてからきなこをまぶしつける。砂糖を多めに入れるのもいかにもな味になって美味しいけれど、今日はちょっと砂糖を少なめに。残っていた雑煮用の吸い物を温め、甘さ控えめきなこ餅と一緒に食べた。

……しかし、きなこ、買ったは良いけれど餅に添えて食べる以外にいまいち使い道がない。大昔に「きなこミルク」なんてものが流行ったなぁ……なんで思い出しつつ、いよいよ消費に困ったら牛乳に入れて飲んじゃおうかな、なんて思ったり。

フォアグラのテリーヌとかチーズとか
おばあちゃんのきんぴらごぼうと煮物の残り
三下鍋
きゅうりのXO醤和え
いくら
白菜の味噌汁
羽釜御飯
ビール(手作りビール・ボック)
冷蔵庫の中には、まだ煮物とかきんぴらごぼうとか、フォアグラのテリーヌといったものが残っていて、それらを全部食べ切るような適当なおかずを数品作ろう……と、夕食の指標を定めてみる。醤油味醂味も少々飽きたし、かといって「肉!」というのは昨日食べちゃったし、コッテリ味系もちょっと勘弁だし、とあれこれ考え、大好きな「三下鍋」を作ってみることに。

なんで「三下鍋(さんしたなべ)」というのか謎なのだけれど、陳健一さんの料理話のエッセイ本に載っていたレシピだったと思う。鶏肉とにんじんと鶏肉を鶏スープで煮込んだだけというシンプルなものなのだけれど、鶏の旨味を吸った大根がめちゃめちゃ美味しく、しかも簡単とあって、大根が安くなる時期が到来するとシーズンに何度か作っている料理だ。

適当に顆粒鶏ガラスープを加えた水を沸騰させ、そこに紹興酒とサラダ油を加える。"だし"になる干し海老をざらっと加え、あとは拍子木切りにした大根とにんじんと鶏肉を加えて20分くらい中火で煮込んでいく。大根が柔らかくなったら、塩と砂糖(砂糖の分量は塩よりちょっと多いくらい)で味を調え、煮汁を水溶き片栗粉でとろみをつけてできあがり。味つけは塩がベースの簡単なものなのに、鶏の味と干し海老の味と野菜の味が溶け合って、とても優しい味のする美味しい煮物だ。「鍋」と言うからには土鍋か何かに作るべきかしらと思いつつ、毎回大皿に汁ごとよそって、食卓で適当に小皿に分けて食べている。スープを多めにするのも汁物っぽくなって美味しそう。

あとは塩揉みしたきゅうりをXO醤と胡麻油でザッと和えたおつまみと、白菜をこれでもかと入れた味噌汁。久しぶりに白い御飯を炊き、冷蔵庫の中のあれこれもテーブルに出し、ビール飲みながら「お正月のなごり」みたいなものをつまみまくる。おばあちゃんの煮物も平らげ、きんぴらごぼうも平らげ、おせちの最後の残りもつまみ終えたら、「ああ、正月ももうおしまいかー」という気分が盛り上がってきてしまった。ちょっとさびしい……。

1月5日 水曜日
クリームソースのパスタって写真が難しい……(ちょっと失敗……)
磯辺巻き
抹茶入り玄米茶
お正月はやっぱり餅よねということで、今日の朝御飯は磯辺巻き。年末に、秋田の親戚がお餅をどっちゃり送ってくれた(軽く50枚くらいあったから、半分くらいだんなの実家にお裾分け〜)ので、まだまだまだまだ冷凍庫の中にお餅が保存されている。1日1回くらい食べる気でいないと、消費しきれないまま春になっていそうでちょっと怖い。

前回油断していてあっさりお餅を焦がしてしまったので、今日は失敗しないぞとガスコンロの前から極力動かずにじわじわと両面返しながら焼いていく。醤油に浸して海苔を巻いて、できあがり。……そういえば、秋田の親戚(従姉妹たちとか)は、醤油と砂糖を半量くらいずつ混ぜたやつに餅を浸して食べていたり、醤油とマヨネーズを半量くらい以下同文、なんて食べかたをしていたっけ。私はシンプルな醤油味のが好きだわ。

ホットサンド(卵チーズ)
アイスカフェオレ
今日は水曜日、息子の通うジムはさっそく今日からレッスンが始まるらしく、
「幼稚園はまだだけど、ジムは始まるそうです」
「そっかー、ジムかー」
いまいちやる気のない私と息子は、それでも運動前に何か食べていかなくちゃねと、ホットサンドを作ることに。創意工夫のないような、これ以上なくシンプルな味のホットサンドが恋しい気分だったので、具はゆで卵のマヨネーズ和えとチーズの2つだけ。

「ぼく、チーズおおめがいいなぁ〜」
「私は、卵多めの方が好きなんだなぁ」
なんて話しつつ、じゃあ左側が君のね、右のがお母さんね、なんて言いつつホットサンドメーカーに具材をセットして焼きあげた。なんとなく、「ホットサンドは朝御飯」というイメージがあるのだけれど、昼に食べてもやっぱり美味しい。チョコペースト挟んだりするのも美味しいと聞いているけれど、なかなか勇気が出ないんだよねぇ……。

鶏肉と舞茸のクリームソースタリアテッレ
レタスと水菜のサラダ
コーンスープ
アイスティー
本日のジムでの息子レッスン内容は「鉄棒となわとび」だったらしい。私にとっては「体育2大苦手種目」(それにマラソンを入れれば3大になるのよ……)だったりするので、どこが楽しいのか全くわからないのだけれど、息子は
「はぁ〜、今日もたのしかったぁ〜」
と、何やら幸せそう。夕飯の材料を一緒に買って帰ってきた。だんなは新年会で遅くなるそうで。

「何食べたい?……って、聞かなくてもわかるけど……」
「クリームのスパゲティ!」
「……だよねぇ……」
「あとね、コーンのスープ!」
「……だよねぇ……」

息子は数日前にマカロニチーズをOUTBACKで食べたばかりな気もするけれど、クリームのスパゲティは確かにちょっと久しぶりだったので作ってあげることに。タリアテッレの残りがちょうど2人前ほどあったので、それを茹でて使うことにした。平べったい幅広のパスタ「タリアテッレ」は、私の大好物。好物なんだけれどスパゲティよりも値段がお高い事が多くて、しかも保存が妙にがさばるので(まっすぐな棒状じゃなく、ぐるぐるっと丸めたような形で売られていることがほとんど)、あんまり買うことがない。今回は残りもののがちょうど160gほどあったので、それを使っちゃうことにしたのだった。

具は冷蔵庫に残っていた鶏肉と舞茸。ごぼうをそこに入れて作っても美味しかったのだけれど、今日はごぼうではなくさやいんげんを加えてみた。いんげんはパスタと一緒に鍋で茹で、鶏肉と舞茸は少しのサラダ油で炒め合わせてから生クリームをダバダバ加えて軽く煮詰める。塩と胡椒で適当に味をつけ、最後にパスタといんげんを和えればできあがり。なんてことない料理なのだけれど、生クリームの煮詰め加減が案外と難しく、やけにシャバシャバした水っぽいソースになってしまったり、やけにこってりと濃厚すぎるソースになってしまったり、日によって全然違うものになってしまう(それは私の腕が悪いから……しょぼん……)。今日のは、ちょっと水分を飛ばしすぎなできあがりで、しかもパスタが水分をよく吸うタイプのものだったみたいで、全体的にソースが足らないような外見になってしまった。でも、息子には大好評。

「それでは、材料をよういしまーす」
「つぎに、スパゲティをゆでまーす」
と、脇で実況しながら調理の応援をしていた息子は、きゃあきゃあ言いながら喜んで食べてくれた。息子は乳製品の申し子のように、乳製品ものが大好き(牛乳と生クリームとチーズがなかったら世の楽しみが半減って感じがする……)。

1月6日 木曜日
見かけはアレですが、美味しいのですバクテー。
薄皮パン3種
カフェオレ
「三色パンが食べたいなぁ……久しぶりに……」
なんて思いながら昨日スーパーを散策していて、疑似三色パンが楽しめる特売品を見つけてしまった。5個ずつセットになっている、薄皮粒あんパン、薄皮クリームパン、薄皮チョコパン。1個が大福くらいの大きさで、で、1袋100円のそれに「20%OFF」(賞味期限ギリギリってやつで)のシールが貼ってある。わーいわーい、250円くらいで三色パン5個分楽しめちゃうもんねー、と、買ってきてみた。ヤマザキの菓子パン、買うのはすごく久しぶりかも。

「というわけで、三色パンが食べたかったのです」
と、3つの袋それぞれ開けて1個ずつパンを取り出し、各自の皿に盛りつける。
「……いっそ、3袋全部いっぺんにあけて大鉢に盛りつけて、ロシアンルーレット状態とか?」
「やめれ……」
「んじゃ、3種類ちゃんと皿に乗せるけど、どれがどれだかわかんないようにしちゃうとかー」
「それもやめれ……」
ふざけていたら、「もう奥ちゃんにはやらせない……」とか何とか呟きながら、だんなが自分で自分の皿にパンを乗せてしまった。奥があんこでしょ、右がクリーム、よし、とか言っている。
だいじょうぶだよ、あんこが一番重いでしょ……で、チョコがどうやら一番軽い。

世の中には色々な三色パンがあるそうだけれど、私が好きなのはチョコとクリームと苺ジャムの三色パン。あんパンも決して嫌いではないのだけれど、でもあんパンを食べたい時はあんパンだけを牛乳傍らに頬張りたい気分だったりするので、三色パンには混ざって欲しくない……なんて我が儘な事を考えていたりして。

だんなも私も3種類のパンを1個ずついただき、じゃあ息子が起きたら同じように3個セットのパンを作ってやろう……と思っていたのだけれど、息子が起きる前に私は仕事を始めてしまい、それが波に乗ってしまった。1時間後くらいに起きてきた息子が
「ぼくのパンも、ある?これ、食べてもいいの?」
と背後から聞くから、何も考えずに「いいよー」と返事したら、十数分後にクリームパンだけが3個一気に消滅していてお母さんはびっくりさ。

キャラメルコーン
牛乳
「ダメじゃーん、クリームパンだけ一気食いしたら、三色パンできなくなっちゃうじゃーん」
「えー?……だってね、ぼくね、クリームパンがだいすきなんだよぅ」
「好きなのはわかってるけどー、でもねぇ……まぁ……いいや……」
チョコパン3個とあんパン3個が残ってしまい、それをお昼頃にちょっとつまんだら昼御飯はなんとなくそれで終了。おやつの時間に、先日おばあちゃん宅でもらってきたキャラメルコーンを食べることにした。

我が家では滅多にスナック菓子は買わないのだけれど、時々だんなの実家やだんなのおばあちゃんの家からザザザーッとお菓子をいただくことがある。いつだったか「駄菓子詰め合わせ」(チョコボールとかうまい棒とかマーブルチョコレートとかアポロとか……)をザザーッともらっちゃったときは、食べるのに3ヶ月以上かかっちゃったのだった。……いや、まだ一部が残っていたかも……。

息子幼き頃、「たまごボーロとか、やっぱりあげると喜びますよね」と言ったら最後、業務用みたいな巨大なたまごボーロの大袋を2つもいただいてしまって途方に暮れたこともあった。最近はやっとその変な加熱ぶり(=孫あるいは曾孫への超〜溺愛ぶり)が落ち着いたみたいで、帰り際に「ほら、これ持っていきなさい」とスナック菓子を1袋渡してくれるくらいの状態に。……で、お正月にいただいてきたのがキャラメルコーンだった。ふふふ、キャラメルコーンはね、お母さんも大好きなんだよ〜(←スナック菓子はいらないとか言いつつ、しっかり狙ってるし)。

「ねぇね、おかあさん、キャラメルコーンにね、お豆が入ってたんだよ」
「……ああ、そうそう、入ってるんだよね。口直しにね」
「お豆は……ハズレ?」
「いや、ハズレじゃないよ、別に。イヤなら食べなくていいけど」
「そうか、ハズレじゃないのか……」
そこで何故か残念そうな顔になっている息子と、豆を適当に除けたり食べたりしながら、甘いクシュクシュ食感のお菓子をパリポリ。ひっさしぶりに食べたけど、キャラメルコーンってこんなに甘いお菓子だったのね。私の今の味覚にはかっぱえびせんの方が美味しく感じるなぁ……(ってことは、昔大好きだったチョコフレークなんかも甘くて食べられないということになってるのかしら……)。

バクテー
白菜と鶏肉の胡麻ソースサラダ
キャベツのレモンナンプラー炒め
羽釜御飯
ビール(よなよな)
プーアル茶
数日前に買ってきた1kgのスペアリブで、今日の夕飯は「バクテー」(シンガポールの、スペアリブの煮込み料理)。
先月シンガポール旅行に行った折、ちょっと前までシンガポールに住んでいたAさんが
「バクテーの素、我が家にいっぱいあるので、もし購入を考えるくらいなら差し上げます〜!」
と嬉しい事を言ってくださったのだった。ありがたーくいただいて、それが昨年末に2種類×2袋の「バクテーの素」(BAH KUT TEA SPICES)が届いたのだった。わーいわーい。

Aさん、もう何年も前から私の日記を読んでくれていて、時々メールで「こんなん旨いんです」「こんな食べ物ありましてん」みたいなやりとりを続けていたのだけれど、一昨年あたりになって、そのAさんが私の高校来の友人Nさんの親友であるということが発覚。同窓会か結婚式かで再会したAさんとNさんが
「最近、ある人のWeb日記読んでて。せりあ由紀さんって言ってね……」
「え?せりあちゃん?その名前の人、私すっごく知ってるんだけど」
みたいなやりとりの末に、「AさんがずっとやりとりしていたのはNさんの友達でもあるせりあちゃん」であることがわかっちゃったのだった。いやぁ、世界は狭い。

手元にあるバクテースパイスは2種類。とりあえず、「一見パッケージはお洒落に見えるけど、でも怪しい」方を使ってみることにした。パッケージの表には日本語で「シソガポール スタイルバークツテイー」(←シンガポールじゃないよ、シソガボール……)と、やる気があるのかないのかわからない文字が記されていて、裏の説明文も大変に意味不明。

なべに水6杯(約1500ml)を沸騰すせてから、シンガポールスタイルバークツテイー香料を1袋そのままいれる、そして、1キロの豚肉又は鶏肉、2コのにんにくをたお。肉がやわらかくまで40分ほど煮込む。熱めうちにめしあがてください。

「にんにくをたお。」ってナニ……?「沸騰すせて」って……。しかも、「Consume before」の文字の下には「この日付けの前に済ませる」と書いてある。もうツッコミどころ満載で、見ているだけで楽しい食材。
ともあれ、レシピはおおむね理解できたけれど、問題は「2コのにんにく」が「2かけ」なのか「2塊」かわからないところ。中国語の説明には「2只整粒蒜頭」とあるし、英語では「2 pieces of large whole garlic」とあるし、これは多分、「2塊」なのだなと理解することにした。もう1つのバクテーの素の作り方には「蒜頭12粒」「12 pieces of garlic」(こっちには日本語訳はついてない)とか書いてあるし、相当な量入れるのがおそらく正しいやり方なのだろう、と。

初めて作るバクテーであるし、とりあえず書いてあるとおりにやってみた。ダッチオーブンに1500mlの湯を沸かし、バクテーの素と2塊分の薄皮剥いたにんにくと、スペアリブを一度にうりゃ!と放り込む。ただし、「40分ほど」と言わず、4時間ほど蓋してぐつぐつ煮てみた。一応、せっせとアクも取ってみた。夕方には、もうトロントロンのホロンホロンになり、そして台所と言わず家中に怪しい異国の香りが立ちこめた。一体何が入っているんだか、「そうそう、確かにシンガポールの屋台街でこんな匂いしていたよ」という匂い。なんでも成分は「胡椒粒(ペッパー)、鹽及特別香料(塩及び特別な香料)」なのだそうで、全く不明だ。怪しスギルー(楽しい〜♪)。

本来、バクテーは労働者階級の朝御飯なのだとか。白い御飯傍らにスープを啜り、肉を囓り、中国茶で脂を流すがごとくゴブゴブと飲みつついただくのだそうだ。美味しいバクテー専門店は昼過ぎには閉まることが多いとか。……なので、何を一緒に用意すれば良いんだか見当がつかなかったのだけれど、とりあえずナンプラー味のものがいいかなとサラダっぽいものを2種類用意した。白菜を生のままざくざくと細切りにして、醤油とおろしにんにくを揉みこんでおいた一口サイズの鶏肉を炒めて熱いうちに白菜と混ぜ合わせる。本当はピーナッツをすりばちでゴリゴリやって作るソースは、
「でもピーナッツないし……松の実使うのも変だし……だったらやっぱり、練り胡麻で代用?」
と、練り胡麻とナンプラーと醤油と砂糖と酢を混ぜ合わせて、なんとなくそれっぽいアジアなドレッシングを用意して、白菜サラダにかけつつ食べる。

バリバリちぎったキャベツは干し海老と一緒に胡麻油で炒め、ナンプラーと少しの砂糖と、輪切りにしたレモン(……が本来のレシピなのだけれど、レモンがないからすだちで代用……)で味つけ。すだちは皮ごと輪切りにしたのを加えたので、苦みとかが出ないうちにジャジャッと和えるだけで火を止めてお皿に盛りつけた。白菜のサラダもキャベツの炒め物も、今日初めて挑戦した料理。バクテーと共に、もしも美味しくできてなかったら目も当てられない状況になっていたのだけれど、どれもこれもステキに美味しくできて、大満足な結果になった。

なにしろ、ともあれ、バクテー。にんにくくっさいスープはちゃんと適度に塩味がついていて、胡椒の辛味がほのかにピリッと効いている。醤油を仕上げに垂らしても良かったのだけれど、もうこのままで味がちょうど良かったので、澄まし汁のような状態のまま食卓に。煮込み過ぎちゃったくらい、モロモロホロホロに肉が溶けるような感じになってしまっていて、骨をつつくだけでスルリと肉が剥がれてしまう。さっぱりとしたサラダや炒め物が案外と良い口直しになって、1kgもあったスペアリブはえらい勢いでなくなっていってしまった。2食分くらいはできるかなと思っていたのだけれど、もう1人前ちょいくらいしかない、という感じ。

「これに御飯!御飯浸すと旨いよおゆきさん!」
「ぼくもやってみようーっと。……おぉ!おいしいね、おとうさん!」
「ん?どれどれ……ふおぉぉぉぉ〜」
元々、テールスープみたいなものが大好きな私たちなので、「上品なテールスープににんにくしこたまぶちこんで、かなり下品な感じにしました」みたいなこの煮物料理はかなりツボ。いや、にんにくしこたまぶちこんで下品な味にしちゃったのは「バクテーの素」じゃなくて私の所業なんだけど、でも、こりゃ美味しいや。シンガポールの屋台街で食べたのも美味しかったけれど、でも私はこっちのにんにくぶちこみ系の味の方が好きだなぁ。

このスパイス、骨付き鶏肉とか使っても美味しく食べられるのであるらしい。適当な野菜をぶちこんでも美味しそう。ちょっとアクを取る手間以外は、コンロまかせの非常にらくちんな料理なので、残りのスパイスもたっぷり堪能しようと思います。ありがとう〜Aさん。

1月7日 金曜日
七草粥だよーん
七草粥
麦茶
一昨日、スーパーをぷらぷらしていて「七草粥セット」が売られているのを発見し、
「おお……もうそんな時期か……そうだよなぁ……」
と398円のパックを1つ買ってきた。買ったのが一昨日だったので、シナシナになったら悪いなとショットグラスに水入れて、生け花のようにモサモサ葉っぱを活けておいた。……うーん、どっから見ても雑草だよなぁ……。

買ってきたパックは、どうも「なずな」(ペンペン草)が多かったみたい。
「まず……すずなとすすしろは、かぶと大根だからこれとこれでしょ。せりもわかるでしょ、はこべは多分これでしょ……うぉ、ごぎょうとほとけのざが、どっちがどっちかわからんけど、なんかとっても貧相……残りは全部ペンペン草……?」
青々としていいなと思って買ったのだけれど、なんかほとんどペンペン草だったみたいな感じ。ちょっと……悲しい……。

ともあれ、ちょっと早起きして冷凍御飯をチンしてお粥にしてみる。一応野草ではあるし、一度湯通しとかする方がいいみたいなのだけれど、ざっと洗っただけでザクザク刻んでお粥に混ぜちゃう。根菜だけ御飯と一緒に軽く煮込んで、最後に葉っぱをざっと混ぜて軽く火を通してできあがり。お粥というと、つい干し貝柱を混ぜたくなったり、胡麻油を垂らしたくなったりと中華寄りな加工をしたくなってしまうのだけれど、ぐっとこらえて塩だけで調味。正直、そーんなに美味しいものでもないし、お粥は昼前には猛烈に腹が減るしであんまり良いことはないのだけれど、でも、これ食べないと正月が終わった気がいまいちしないのだ。

大きめの茶碗に粥をよそって、各自1杯ずつ。案の定、11時には猛烈に腹が空いた。粥はやっぱり力が出ないな。やっぱり朝食はバクテーみたいなものじゃなきゃな。(え?)

ホットサンド(つなたまちー)
バクテーの残り
麦茶
今日はもう、ゲームには少しも手を出さず、真面目にストイックに真摯にお仕事。どう整理していいんだかわからない仕事の資料があれこれあって、とりあえず簡単に片づきそうなものからどんどんやってみる。「仕事は仕事をしているときにやっている」という法則があるかのように、そんなタイミングで
「あのね〜、うちの店のパソコンがね、なんかインターネットにつながらなくなっちゃったんだよぅ」
なんて電話があったりして、急遽明日見に行くことになったり、ついでにじゃあ仕事の話もしなくちゃと資料を作らなきゃいけなくなったり、久しぶりに頭から煙が出そうなほどがんばった。

息子がちょこちょこ様子を見に来ては、
「おかあさん、お仕事してるね?」
「お仕事すると、お金がもらえるのね?」
「お金もらったらー、ぼくよりお金もちになれるかもよー?」
なんて囁いて去っていく。ええ、私の今の財布の中身は、お年玉ですっかりぬくまっている息子の懐よりも寒いですから。寒風吹き荒れてますから。……くそう〜。

ちょこまかと周囲で遊んでいる息子に、
「おかあさん。おなかすいた」
と言われてみれば、12時を過ぎたところ。とりあえずあるものを簡単に食べようと、ホットサンドを作って昨夜のバクテー傍らにもぐもぐ食べた。なんか異様な組み合わせになったけれど、気にしない(いや、でも案外と似合ったよ)。

ホットサンドの具は、卵とツナとチーズ。ツナをマヨネーズで和える工程もめんどくさくて、パンの上にゆで卵散らし、缶詰開けただけの状態のツナ散らし、その上からにょろにょろにょろ〜っとマヨネーズを直接かけちゃう。あとは適当にとろけるチーズをトッピングして、上からぎゅうとパンで抑えてホットサンドメーカーをセットしたらできあがり。バクテーは昨日の残りをそのまま温める。

2日目のバクテーも、涙ちょちょぎれるほど美味しかった。私と息子のスープカップに入れたらそれだけでなくなっちゃうほどの分量しかなくて、あっさりと消え失せた。スペアリブは一応1kg買ったのだけれど、一体どこに消えちゃったのだろう(まぁ……スペアリブは骨がかなりごっついからね……)。鍋底に残ったにんにくの塊を惜しみつつ舐めて、ハフハフとバクテーを平らげた。スペアリブ、もう大好き。

「ドミノピザ」の
 トリプルミルフィーユ 冬のクワトロ \1950
コカコーラ
htmlファイルを20個くらい更新して、画像ファイルを30個くらい作って、それでも終わらない仕事にちょっと燃え尽きる。合間合間に気分転換にメール書いてたりしたんだけど、仕事がパソコンに向かうことで、気分転換もパソコンに向かうことじゃ、全然気分が転換されない。

「はぁ〜……夕飯、どっか食べに行く?それともカレーかピザか届けてもらおうか」
だんなは今日飲み会だそうで、気力とか時間とか仕事の残りとかを天秤にかけながらそう言うと、
「バターコーンかなー(←天狗だ)、やきにくかなー(←牛角だ)、サイゼリアかなー」
なんて呟きながらぐるぐる歩き回った息子が
「そうだ!ピッツァにしよう!」
と結論を出した。ピザ屋……確か最近チラシが入ってきて、25%オフ券がついてたような。そうそう、ドミノピザ

Mサイズ及びLサイズピザがどれでも25%オフなのだそうで、期間限定の「ミルフィーユ」とかいうピザにしてみることにした。イタリアンクラフトの生地3層の間に、トリュフ風味のチーズが入っていたりする、なんだかごっついピザだ。4種類の具が楽しめる「クワトロ」にして、2600円のそれがクーポンで1950円。外に買いに行くのも面倒だわと、コーラも1本。

初めて食べた、ミルフィーユピッツァは、多分これが最初で最後に味わう味なんだろうな……という味がした。確かに微妙にトリュフっぽいんだけど、そのトリュフっぽさが、ファーストキッチンのポテトにまぶされても違和感のない味(要するに香料コテコテの化学調味料味)。逆に変なクセが舌に残っちゃって、シーフードとかバジルとかにんにくとか、それぞれ内容を変えた具が乗っていたはずなのに、どれも似たような味がした。正直言って……いまいち……。

3切れくらいで「もう……いらない……」と思いつつ、私は根性でそれから半切ればかりを平らげ、息子は2切れを食べたところで「おなかいっぱい」だそうで。冒険しないで、おとなしくチーズとか卵とかサラミとか乗ったごくごくフツーのピザにすれば良かったなぁと思いつつ、コーラだけは腹一杯飲んでしまった。
くそぅ、仕事が終わったら(いや、それ以前に明日外出したら)美味しいもの食べてくるぞー。扱っている画像が美味しそうな料理の写真ばっかりだから、余計につらい。

1月8日 土曜日
特選ランチは、揚げ物山盛りでした(←嬉しい)
薄切りパンのトースト 焼き海苔乗せ
カップスープ(コーンクリーム)
牛乳
昨日、午後11時半近くに「次の快速で帰りまーす」と連絡があったのに、帰るはずの時間になっても全然帰ってこない。
「……こりゃ……寝過ごしたかな?それとも……オヤジ狩りの被害にでも?」
なんて思いながら、待ちきれずに先に寝てしまった。30分以上遅れて帰ってきたらしいだんなは、やっぱり寝過ごして終点(と言っても次の駅だけど)まで行っちゃったとか。

そんな状況だったので、今朝はゆっくり寝かせてあげたかったのだけれど、でも今日はお仕事に行かなければならない日。だんなも一緒に行くことになっているので、お風呂のスイッチを入れて簡単に朝御飯の準備。あまり時間もなくて、薄切りパンにバターを塗ってトーストにし、そこに焼き海苔を1枚ぺろっと乗せて出した。あとはお湯を沸かして、カップスープを1人1杯。だんなはお気に入りのポタージュ、私と息子はお気に入りのコーンクリーム。いっそいで準備して、いっそいで出かけた。目的地は人形町〜。

人形町 「小春軒」にて
 特選盛り合わせ \1300
年が明けたら仕事の話をしましょうと約束していたAL PONTE。タイミングが良いというか悪いというか、数日前に
「あのねぇ、急にインターネットに繋がらなくなっちゃったのよー」
という電話があったのだけれど、色々話を聞いても、どうもその理由がわからない。電話で伝えられるだけの対処法をお教えしてみたのだけれど、どうもダメそう。それがダメとなると、私が行って端末を見てもあまり役に立ちそうにない……ということで、我が夫に一緒に来て貰うことにしたのだった。多分、ソフトウェアの使い方については私が強いけれど、機器の設定とかハード的な問題についてはだんなの方がずっと詳しい。

「うーん……私の夫に見させれば、多分解決できると思うんですが……その場合、家族全員3人で押し掛けることになっちゃうんですが……よろしいですか?」
「ああ、いいよ、全然いい。どうぞ、いらして。パソコンなおして〜」
とのことで、ずらずらと3人で開店前のレストランに。

んで、めでたくトラブルは解決し、有意義な仕事の話もたっぷりできた。やっぱり私では解決できなかったトラブルだったようで、でもだんなはものの10分ほどでパパパッと直しちゃった。えらいえらい、さすが我が家のLAN担当。

ちょうどお昼時に仕事が終わったので、
「定食みたいなの食べに行こうか?」
「うん、なんかさぁ、揚げ物が恋しいんだよねぇ」
なんて言いながら人形町界隈をぷらぷらと。大昔に私が1人で入ったことがある、小さな小さな洋食屋さん(というか揚げ物定食屋さん?)。今日もうんざりするほどの大行列が作られている「玉ひで」の前を通り過ぎた先にある、いかにも古めかしい外見のお店だ。

「私、私、特選盛り合わせとかいうのでもいいかなぁ?……ていうか、今日の昼は私がおごってあげよう♪」
休みの日にだんなを駆り出しちゃったしというのもあって、今日のランチは私のおごり。だんなは海老フライとカツの盛り合わせ、息子はコロッケ。どちらも御飯はついてくるけれど、味噌汁はお新香は別料金。4人がけのテーブルが4つほどと、あとはカウンターが数席だけの小さな店は今日も大混雑で、前回と同じく「相席あたりまえ」という状態だ。私たちのテーブルには、同時に1人客のおっちゃんが席についた。

特選盛り合わせ、特選というだけあって、とっても豪華。海老フライにミニサイズのコロッケ、白身魚のフライ、帆立のフライ、串刺しにされたカジキマグロのバターソテーと、イカリングのソテーが数切れ。小さなカツまで乗っていた。さりげなーく添えられたポテトサラダがやたらと美味しくて、あとは千切りキャベツとレモンが1切れ。そして、微妙に物足りない分量の、平皿に盛られた御飯。

1300円の定食と思うとなかなかの値段だけれど(味噌汁を頼むと150円増しというのも……)、でもとっても豪華。メンチカツ定食とかコロッケ定食にしておけば750円ほどになる。だんなの定食もちょっと豪華に1300円。

なんてことない揚げ物なのに、どれもとっても美味しかった。ほろっと崩れる口当たりの白身魚のフライとか、プリップリの帆立のフライ。そんなに脂っこくないのにフクフクと柔らかな食感のカツに、一見目立たない存在なのにやたらと美味しいカジキマグロのソテー。んで何よりもコロッケがめちゃめちゃ好みな味だった。お肉たっぷり。じゃがいももどっさり。

「うわぁ!この、このコロッケは最高だぁ!」
必死で箸を持ちながら、サイズ大きめのコロッケにソースバシャバシャかけて息子が喜んでいる。そりゃもう美味しかったらしく、コロッケ全般たいてい嬉しそうにしている息子だけれど殊更の喜びようだ。
「ぼく、コロッケ美味しくて良かったねぇ」
「えへへ、コロッケ、おいしいです。うれしい」
同席になったおっちゃんは、メンチカツ傍らにビールの小瓶を貰っていて(それがまためちゃめちゃ旨そうなんだなぁ)、おいしいおいしい言っている息子に、話しかけてくる。玉ひでは行きましたか?いやぁ、あんな行列じゃあねぇ、なんて話を少し。

この同席の窮屈さも下町って感じで、ロゴがかすれちゃって読めなくなりつつあるお皿と共に、なんかいい具合の昼御飯が堪能できてしまった。満足満足(でも、御飯があまりにちょびっとでちょっと物足りない……)

きりたんぽ鍋(きりたんぽ・鶏肉・せり・ごぼう・長ねぎ・舞茸・白滝)
ビール(手作りビール・ボック)
みかん・中国茶
先日、スーパーの野菜コーナーで「きりたんぽ」と「きりたんぽ用比内鶏スープ」を発見。ちょっと安かったので、
「いいないいな、きりたんぽ鍋、いいなー」
と買ってきてみた。冬になるときりたんぽ鍋の材料があれこれ出回るのが、ちょっと楽しみな私。自分の郷里の食べ物が、近くのスーパーで簡単に買えるというのは嬉しいことだ。ついでに、一緒に「いぶりがっこ」(秋田の、いぶしたくわん)なんかも棚に並べてくれると嬉しいんだけどなー……こちらはあんまり見かけない。

具は、スタンダードに鶏肉とごぼうと舞茸(←いつもの吸い物の組み合わせ……)、せりと長ねぎと白滝。買ってきたスープで鶏肉を軽く煮ておいて、あとは土鍋で各種の具と一緒に煮込むだけ。刻み葱とか薬味とかはかけずに、そのままひたすらもぐもぐといただく鍋だ。せりや舞茸などの、匂いの強い食材を多く使うので、全体的にいい匂いが漂ってくる鍋だ。昔はこの匂いがあんまり好きじゃなかったのだけれど、今は大好き。

「これ、おだんごじゃないの?」
「うーん、まぁ、お団子みたいなものかな。これ、御飯なんだよ」
「うどんは、ないの?」
「うどんは入れないなぁ……」
「そっか、おだんごでもうどんでもないんだ……」
息子は、「きりたんぽ」の存在に、ちょっと不審な表情を見せている。「じゃあ、ひとくちだけ」「あと少しだけ」と、それでもちょこちょこ食べていた。鶏肉は大量に食べていた。

昨年末にビール工場の講習に参加して作ってきた手作りビールを1人1本空けながら、今シーズン初のきりたんぽ鍋。2枚かな、いや、3枚必要かな……なんて言って買ってきた鶏肉はやっぱり余ってしまって、残ったスープと共に、明日の朝はおじやかなー、っと(溶き卵を落とすと美味しいかなー、っと)。

1月9日 日曜日
塩ラーメンにはバターとコーンが必要なのねん
きりたんぽ鍋の残りでうどん&おじや
麦茶
昨夜の残りのきりたんぽ鍋。スープもまだたっぷりあるし、その中には肉も野菜もまだ入っている。
「……ごはんかな……卵入れて……いや、でもうどん?」
あれこれ考えて、とりあえずうどんを入れて食べることにした。冷凍うどんはあと2玉。3人でつつくにはちと物足りないかも……と思いつつ、とりあえず2玉のうどんを茹でてみた。どんぶりにスープ満たして、土鍋に残った肉と野菜をちょこちょこ入れて、最後に割り落として軽く火を通した卵と一緒に盛りつける。鶏の旨味がたーっぷり染みこんだスープは、舞茸の匂いとせりの匂いとごぼうの匂いがすっかりついていて、うどんのだしとしてはちょっと不思議な味。それでも、そんなスープを含んだうどんは、ごっつぅ美味しかった。半熟に火が通った卵を潰すと、また美味しい。

「……でも、やっぱり物足りないね」
「少し御飯がないとね……」
と、麺をおおむねさらったところで、冷凍御飯をチンしてスープに入れて5口6口。そんな朝御飯がしみじみ美味しく感じる、今朝の寒さだった。冷え込むねぇ……。

稲毛 「満帆」にて
 塩らーめん(\650)
 バタートッピング(\100)
 コーントッピング(\100)
この週末、特に私たちの予定はなし。私が仕事を抱えていることもあって、近所に買い物に行く以外の事は特にせず、まったりまったり。夕飯の食材を買いに行くついでに、昼御飯は初めてのラーメン屋さんにいってみることになった。

「満帆」という、北海道ラーメンのお店。1年ほど前まで別のラーメン屋さんだったのだけれど、気がついたら別のお店に変わっていた。店頭から中をちょっと覗き込み、席がおおむね埋まっているのを見て、
「……どうかな?」
「……まぁ、一度、入ってみない?」
と、のれんをくぐる。お店の一番人気は味噌ラーメンとのことで、だんなはそれを大盛りで。私は塩ラーメンにバターとコーンをトッピング。塩ラーメンにはやっぱりバターとコーンよね。その他には、醤油ラーメンとかタンメンとかつけ麺とか、けっこう豊富なメニューがある。豊富なメニュー展開のラーメン屋はあまり信用できない気がする(←目玉商品がないのかなー、みたいな気が……)んだけど……でも、店内は家族連れとか1人客とか、ひっきりなしにお客さんがやってきている。

最初に、だんなが注文した餃子セット(餃子5個、漬物と半ライスのセット)がテーブルに。野菜たっぷりの餃子は自家製らしく優しい味で、パリッと焼けた皮が良い感じ。醤油を垂らした漬物はちょっと塩辛かったけれど、これも手作りらしき味がした。

で、塩ラーメンはなかなかの味。ほのかにケダモノ臭い白濁したスープはほのかに磯臭さもあって、でもシンプルな味。若干太めの縮れ麺の上にはメンマとチャーシュー1枚とワカメ、そして追加トッピングしてもらったバターとコーンが乗っている。あまり上品な食べ方じゃないけれど、スープの熱で柔らかくなったバターをそのまま囓っちゃうのが、私は密かに大好きだ。もうちょっとコッテリしている方が私の好みだけれど、でもこの近辺で食べる塩ラーメンの中じゃ美味しいほうかも〜、と、わくわくしながらいただいた。

んが、隣の席の息子は
「このラーメン、おいしくないね」
と呟いている。大盛りにしてもらっただんなの丼から、少し取り分けてもらって味噌ラーメンを啜っていたのだけれど、空腹なはずなのにあんまり箸が進んでいない。私もちょっとだんなから分けてもらったのだけれど、味噌ラーメンと言いつつあまり味噌の味がせず、胡椒と唐辛子のピリ辛さばかりが目立つなんとも物足りない味のラーメンだった。せっかく味噌ラーメン専用の極太麺を使っているみたいなのに、その太い麺に絡むだけのスープの濃厚さが少しもないというか。

ああ、こりゃ確かに美味しくないねぇ……君は正直だ……と、息子には私の塩ラーメンをコーンも添えて分けてやった。こちらは「これは!すごくおいしい!」だそうで。子供は正直……。

ユッケ
あん肝 ポン酢
ほうれん草のナムル
牛肉とわかめの韓国風スープ
羽釜御飯
ビール(よなよな)
日本酒(黒帯純米五年熟成)
麦茶
「ユッケが食べたいねぇ……」
と、牛のもも肉を買ってきて、
「あんきも!あんきも売ってるよ!」
と、400円ほどだったあん肝を1つ買ってきた。生肉やあん肝が恋しかったりと、何故か精のつくものが恋しい私。自分の家で生肉を食べるなんて、衛生上大丈夫かしら……なんて以前は思っていたけれど、数ヶ月前に試しにと一度ユッケを作ったらくせになってしまった。それでも、一回目は国産牛肉を買ってきたのだけれど、今回はこだわりなくオーストラリア産のもも肉。どんどん敷居が低くなっていっている(これで一度腹痛でもおこしたら、ぐーんと敷居がまた上がるんだろうけど)。

肉は生のまま食べるのだし、と、あん肝はさすがに軽く火を通すことに。酒に塩を加えた中に数十分漬けておき、漬け汁を少し残して捨ててから蒸し器にて強火で15分ほど蒸す。粗熱取ってからスライスして、刻み万能葱とポン酢を添えてできあがり。

ユッケは、肉を細かく叩いてからよーく冷やしておき、食べる直前に薄口醤油と胡麻油を同量ずつ、そしてその分量の1/3量ずつの砂糖とヤンニョムジャンを加えて和える。胡麻油の香りをしっかりつけて、適度に辛く適度に甘い味をつけたら皿に盛り、刻んだりんご、炙って粗く砕いた松の実、すり胡麻、刻み万能葱などをぶわーっとかけて、あとは卵の黄身を割り落として全体をよーく混ぜながら食べる。

「なんちゅーか、こう……」
「酒の肴というかなんというか、すごい組み合わせですよね我ながら……」
ビールを1缶ずつ空けつつ、でもこりゃやっぱり日本酒だというので、日本酒もおもむろに飲み始めたり。だんなが牛肉とわかめの韓国風スープを作ってくれたのだけれど、そのスープとごはんになかなか手が出せないほど、だらだーらと生肉と魚介の肝で時間を過ごしてしまった。

……今回思い知ったけど、ユッケは一度にそんなに大量に食べるものじゃあないみたい。300gちょっとのユッケを作ったのだと思うけれど、途中でさすがに「もういらない……」という限界がきて、酒を飲み終わったところでそのまま炒めて御飯の供にしちゃうことにした。
「……炒めるならさ、せめてリンゴは取っておかない?」
と私は言ったのだけれど、だんなは
「いーんじゃない?ほら、バーモントカレーもりんごとはちみつたっぷりだしー」
だそうで。2人してすっかり酔っていたので、その言葉にたいして疑問も感じず、「それもそーだねー」とユッケそのまんまをフライパンで炒めてしまった。ちょっとは味を変えたほうがいいかなと、焼き肉のたれを少しだけ垂らしてみたりして。