食欲魔人日記 00年3月 第5週
3/27 (月)
厚焼き卵
きりぼし大根の含め煮
春の豚汁
御飯
抹茶入り玄米茶

「3日前の豚汁と含め煮は人体に無害であるか」
が今朝の朝食における重要なファクターであった。
……なんてことはない、金曜日夜に作った料理がまぁ〜だ残っていたのである。昨夜はスパゲッティ、一昨日はお好み焼き、と豚汁と含め煮とはどうも相性が宜しくないと思われるメニューが続いてしまったのが要因と言えよう。
ま、毎日、日はちゃんと通しておいたし、問題はないのである。酸っぱくもないし、異臭もしない。OK、OK。

食べ物の腐敗なんてものは、自分の感覚が全てであろう、と私なぞは思うのだが、そうでない人も結構多いらしい。
会社の後輩、若干25歳の独身男性Sくんは、
「賞味期限が過ぎたものなんて、食べられませんよ。肉も牛乳も、勿論捨てます。」
なんて言っていた。

賞味期限が記されていない野菜などはどうやって判断するのか、Sくん。
賞味期限1週間オーバー、肉5日オーバーなんて食材を平気で使う我が家はどうなってしまうのか、Sくん。
賞味期限2年オーバーの黄色く濁ったカルピスを、飲んだことがあるかねSくん。
賞味期限は記されていないが、腐って溶けた玉ねぎやにんじんをどう思うかね。匂いを嗅いだことがあるかね、Sくん。
さぁ、どうなんだ、SくんSくんSくん。
と詰め寄った私は、イヤな先輩なのであった。あのときはすまなかった、Sくん。
でも、君のそのポリシーは、妻となる人に苦労を強いると思うぞ。

……話を戻そう。
で、今朝はせめて卵をちゃんと焼こうと、厚焼き卵を作成。
だしをちょっと多めに、醤油をひとたらし混ぜ込んで、フライパンでクレープ状に焼いてはぱたりぱたりと折り込む。更に生地を流してはぱたりぱたり。この作業は結構楽しい。卵2個では薄っぺらく切ない卵焼きになってしまうので、3個使用。それでも足りないくらいだ。

角型卵焼き器は持ってないので、テフロンフライパンが卵焼き器と化している。当然両端は薄っぺらく頼りなくなる。それでも立派な卵焼き。
ふわふわの卵焼きは、御飯に乗せても美味しくて、きりぼし大根と一緒に口の中に放り込んでも美味しくて、ちょっと嬉しい。

スワンベーカリーの
 コーンマヨネーズ
 コッペパン きなこ
Asahi Teao

6ヶ月後、海外旅行に行くことになったのである。南の島だ。バカンスだ。
そして気になるのは、冬の間、コートにぬくぬくとくるまって一層丸くなってしまった私のボディラインである。これは……やばいっしょ。
「私は4月から、ジムのアクア会員になるよ。週に3回は、泳ぐよ。」
と私はだんなに宣言したのである。

食事制限だけで痩せることは絶対に無理だと経験済だ。何度も何度も何度も何度もやった「今度こそダイエット」だの「これが最後のダイエット」だの、過去日記をさかのぼれば恥ずかしい事この上ない。も、絶対、無理。御飯減らすのは、絶っっっっっっっ対に、無理。
無理だと分かってはいても、ちょっとばかりは節制する必要があるだろう。食後のシュークリームは、あきらめる。菓子パン3個は、やめておく。
……と考えながら買ってきた、パン2つ。油ものと砂糖ものだ。……ダメじゃん。

もちもちとした、表面カリカリの楕円パンの中央に、みっしりとコーン。「特製マヨネーズで和えました」とあるそれは、ちょっとふわっとした酸味の少ないマヨネーズで和えられている。ほんのり甘いパンにこのコーンが合っていて良い感じ。

対して、初購入の「コッペパン きなこ」。
「全粒粉入りコッペパンに黒糖入りきなこペーストを挟みました」
と説明にあった。何やら怪しげな雰囲気のある、そっけない風情のコッペパンなのであった。
全粒粉入りのパンは、ちょっとモサモサ感がある。香ばしいというかちょっと苦いというか、"味のある"パンだ。このモサモサ加減は給食に出た、油っ気なしのコッペパンを彷彿とさせる。中には、きなこペースト。

唐突だが山梨銘菓「信玄餅」をご存知だろうか。半透明の、葛餅のような小さな餅がきなこと共にパックされており、添付の黒蜜をかけて食す。
1包みに3切れの餅、ビニールのその包みが固結びになっていて、ほどく時にイーッ!となり、また鼻息できなこを飛ばしてしまってイーッ!となり、パックの中に黒蜜をかけると溢れてしまってまたまたイーッ!となるやっかいな銘菓だ。いやいや、好物なんだけどね。

その信玄餅の餅なる部分を食べた後、残ったきなこと黒蜜をねりねりして食べちゃったりするのだが(しないか?)、そのねりねりしたものがコッペパンの間に挟まっているのであった。
一口食べて、
「信玄餅……!」
と会社の片隅で呟いている怪しげな女性が私なのであった。

給食風のコッペパンに、信玄餅の"ねりねり"ペースト挟み。
何だか笑っちゃうような美味しさだったのである。

R1/Fの
 野遊び弁当風サラダ
ふきのとうの天ぷら 天つゆと塩で
ツナサラダ
鰺の一夜干し
大根の味噌汁
御飯
モルツ

せりあ亭の白米は、あきたこまちと決まっている。
私の母の出身が秋田だからというのも若干あるが、花咲農園と出会っちゃったことで、ますますあきたこまち一辺倒だ。大潟村にて無農薬で作られた米は10kg5000円くらい。この美味を知っちゃったら全然高くはないのであった。
やっぱ米は食の基本っすよ。うん。

で。昨日注文した米が届いた。精米は一昨日。到着は今日。精米したてのピカピカなお米。届いたばかりのお米に敬意を払って、今日は"美味しいご飯を食べる"がテーマの夕食。鰺の干物も買ってきた。大根の味噌汁。良い感じだ。

そして、米の入った箱には、小さなビニール袋が上に乗せられていた。「自生のふきのとうです。天ぷら、ゆがいて酢味噌でどうぞ。」とメモが入っている。土だらけのふきのとうは、開いたものあり、固いつぼみのものあり、大きさも様々だ。スーパーで売られている汚れを落としたパックものと異なり、強い土と草の匂いがする。

……やっぱり天ぷらでしょう。
と、薄い衣をつけて揚げることにする。塩と、あとはちょっと甘めの天つゆも用意。大根おろしも忘れずに。
苦さを和らげるには、じっくり揚げるべし、とどこぞにあったのでちょっと弱めの油でじっくりじっくり。外側の皮がサクサクになった、ほろ苦い天ぷらが出来た。きっとビールに良く似合う……と思ったら、日本酒の方が良さそうなのであった。開いた花の部分の強烈な苦みは大人の味だ。

そしてそして、食卓の中央で光っているのは「野遊び弁当風サラダ」だ。R1/Fの今月のサラダ、「分とく山」の野崎洋光さんのスペシャルサラダ、らしい。1800円。あまりにも高いけど、「1回だけね」と買ってきた。
"田"の形に区切られた、両手に乗るくらいのサイズの盛り合わせだ。鰻あり芽キャベツあり刺身あり、生海苔のゼリー寄せあり卵焼きあり。魚介や野菜がこちゃこちゃと盛られて、「木の芽のソース」と「くるみのソース」がついてくる。適宜つけて喰えよ、ということらしい。ほたるイカに、くるみのソース。芽キャベツに、くるみのソース。ラディッシュに、くるみのソース。何だかくるみのソースが気に入って、こればっかつけて食べてる自分である。

こんがり焼かれて表面に脂が浮き出てじゅくじゅく言ってる魚を前に、御飯をわしわし食べる。最後はもう、魚と御飯と味噌汁のエンドレスだ。
飯、飯、魚。また飯喰って、味噌汁、んでもって、飯。ああ、日本人で良かった。

3/28 (火)
フルーツグラノーラ with 牛乳

ひっさしぶりに、コーンフレークの朝食。どうやらダイエット指向にしているらしい、健気な私。
コーンフレークは大概好きだが、私的にはケロッグのフルーツグラノーラがベストだ。干し葡萄が入り、リンゴやパパイヤが入り、モチモチしたりカリカリしたりサクサクしたりの歯ざわりの複雑さが好みで見つけるとついつい買ってしまう。
ここんところ見かけなくなったと思っていたら、いつのまにかリニューアルしてしまっていたのであった。

何やら赤いツブツブが入っている。クランベリーか。
そして、私好みのカボチャの種が消えていた。あれ、齧るとリスになった気分で楽しかったんだけどなぁ。

牛乳たっぷりかけて、グラノーラを食す。
そして私は2時間後には腹が空くのだ(だめじゃん……)。

ウェンディーズにて
 フライドポテト with ケチャップ
 アイスウーロン茶

午後11時、ぶったおれそうな程お腹がすいた私は客先からの帰り道、自転車をふらふらと走らせていた。
目の前にウェンディーズ。
「あああ……揚げたてのフライドポテトに、たっぷりのケチャップ……」
そう思ったらもう駄目だ。
店頭の垂れ幕に描かれたハンバーガーもフライドポテトも、"私を食べて♪"と言っている。
"私を食べて♪"攻撃にたまらなく弱い私は、そのままよろよろと入店しているのであった。

日頃の行いが良いのか悪いのか、折しもポテトは揚げたてだ。揚げ網から、どざざざざ〜っと揚げたてポテトが出てきたところだ。塩をふって、わっしわっしとかき混ぜている。ああ、それをください、今すぐに。
そして店の片隅、窓際の席でポテト食ってる私がいる。ハンバーガーは無し。ウェンディーズの、ケチャップつけフライドポテトは大好物なくせにハンバーガーはいまいちキライな私である。な、なんか独特の匂いがしませんか?ウェンディーズ。私はそれが、ちょっと。
ポテト、さくさくでんまかった。
空腹に伴って、多少のイライラも併発していた私は、平穏な心境に元どおり。

話はちょっと前になるが、こないだの日曜日である。
「綺麗にしてやるよ」
の台詞に涙した人が数千人はいたであろう、日曜午後10時前後のことである。ビューティフル・ライフの最終回である。
常盤貴子の亡骸を前に、木村拓哉が化粧を施してやるシーンである。今まで一話も見ていなかったくせに、何故か最終回だけ見ている我が家なのであった。

「女の子は、こういう台詞にグッとくるんですか?」
とのだんなの問いかけに対し、
「……おゆきさんは、"美味しいもの食わせてやるよ"の方がグッとくるねぇ。」
と答える。
すかさずだんな、声音を真似て

「美味しいもの、作ってやるよ」

と一言。
んんん。私はとっても嬉しいけど、それじゃドラマにならないよ、多分。

会社の飲み会
銀座 はせがわ にて
 ビール 浴びるほど
 日本酒「光久」 かぶるほど
 赤ワイン 我を忘れるほど

 刺身盛り合わせ
 寄せ豆腐
 はりはりサラダ
 鯛骨蒸し
 じゃこのちらし寿司
 柚子シャーベット

銀座 BIG ECHOにて
 ウーロン茶と思って飲んでしまったウーロンハイ 2杯

年度末ということで、会社の飲み会。
私の所属するシマの10人中、課長と社員2人が異動になるのであった。全員参加で、終業後にぞろぞろと銀座に繰り出す。

場所は数寄屋橋交差点のそばのビル2階の居酒屋。飲み放題コースということで、その他に一升瓶の日本酒が1本ついてくるらしい。長テーブルにぞろりと座り、宴会の始まり。
ま、最初は当然ビールなのである。瓶ビールがどかすか運ばれてくる中、くぴくぴとビールを飲み干しては出てきた料理をつまむ私。うむ、不味くはないぞ。美味しいぞ。

刺身は甘海老(←大好物♪)や鮪やタコ、鯛などなど。中央にガラスの器に入った赤黒い刺身がはいっており、「カツオだっ!」と食べてみたらば牛肉だった。牛肉のたたき、ポン酢だれに刻み葱、そしてもみじおろしが添えられていて、結構いける。大きな器に盛られた寄せ豆腐は、かつぶしや万能葱をふりかけて食べる。

「良くかき混ぜてくださいね〜」
とやってきたはりはりサラダは、大根や人参などに餃子の皮を揚げたようなものであるとか、揚げビーフンのようなものが層になっている。胡麻風味のドレッシングと、底にはマヨネーズソースが敷かれていて、これをざくざくとかき混ぜつつ食べる。おお、ぱりぱりしていて面白いぞ。しかもビールに合うぞ、うまいうまい。

「鯛骨蒸し」は、鯛のアラをえのきやほうれん草と一緒に蒸したものだ。これまたポン酢で食べる。なにやらポン酢系が多い、今日のテーブルである。
なんだか食べまくっている自分なのであった。
一番端の席を陣取ったのを良いことに、課長の挨拶中に鯛の目玉を口の中で転がしたりなぞしているのであった。こらこら、人の話を聞けって。

うっすら酔いが回ると食が進む。
「酒飲んじゃったら飯なんて食えねぇよ」
と齢53のMさんなどはおっしゃるが、そんなこたぁない私。幸い日本酒もワインもそんなに悪いもんじゃなかったのを良いことに、
酒飲んで刺身。ビール飲んでサラダ、ワイン、ワインで魚蒸し。とチャンポンも良いところだ。

かくして二次会のBIG ECHOでもどんちゃんは続き、午後11時半、お開き。
気がつくと、新入社員のH君は寮に戻れない事態になっていた。コップ1杯のビールで真っ赤になって気持ち悪くなってしまうという彼は、その十倍くらいの酒を飲ませられてしまったらしい。しょうがないので今日のメンバー中、最も飲み会の場所の近くに住んでいるということで我が家へ連れて帰ることにする。
お父さんが「連れて帰ったぞー」とへべれけの同僚を連れて帰る図というのはテレビや漫画に登場するが、お母さんがそれをやっちゃうのは珍しいかもしれない。

「あのねぇ、だんなー。H君がおうちに帰れなくなっちゃったから、連れて帰るよ。」
と日付の変わるちょっと前、迷惑極まりないだろう時間帯に家に電話を入れると、だんなは快く了解してくれた。
「悪いっすよ。お泊めいただくなら、ケーキの1つでも持っていかないと悪いっすよ。」
と尚も銀座の街中をふらふらとうろつこうとするH君を
「いいからいいから。こっちついておいで。ほらほらほら。」
といざなって帰路につく。
ほてほてと歩く身長186cm、ボート部所属の体育会系H君は大きな犬のようだった。うーん、番犬。という感じ。

3/29 (水)
だんな特製炒飯
だんな特製牛ひき肉とワカメのスープ
麦茶

吐き気はない。でも、胃がいつもより15cmばかり上にある気分だ。ついでに脳みそは私の頭上30cmあたりを浮遊している感覚がある。
あまりベストコンディションとは言えない水曜日の朝である。軽度の二日酔い状態だ。
でも、朝食はチャーハン。牛肉入りのスープ。普通に食べられちゃう自分であった。

昨夜、急遽宿泊することになった"大型犬"H君もまた、居間のソファ兼用ベッドで健やかに朝を迎えた。
H君、同じ体育会系同志だからか、何やらだんなと馬が合っている模様だ。
だんなが中華鍋をうりゃうりゃとふるう様を見、
「すごいっすねぇ!すごいっすねぇ!……うぉぉ、窓から外が良く見えるっすねぇ!」
と何やら色々な方向に感動している。感動指向なH君なのであった。

というわけで、家族3人プラス1人で4人の朝御飯。
卵と葱だけが入るシンプルな卵炒飯と、昨日作ってくれていた中華スープ。炒めた牛ひき肉がたっぷりと、わかめが入る、ごま油の香りのスープだ。ん、美味しい。

会社へ向かう道のり、
「先輩のだんなさん、すごいっすねぇ!頭良くて料理もできて、すごいっす!天は2物を与えずと言うけど、あれって嘘っす!いやぁ、いいなぁ。羨ましいっす!」
と「すごいっす、すごいっす」を連発しまくっていた。
そのH君、1ヶ月前に香港で開かれた国際大会で銀メダルを取ってきてるんである。……君も充分、すごいっすよ。うん。

スワンベーカリーの
 ランチボックス
 (シチューパン、ブランデーキャラメル、ミニドーナツ、ミルクティー)

「軽いものを食べよう。おそばとか。」
と会社を抜け出す午後0時。
なのになぜ、パン3種類の入った袋を抱えて戻ってくるのか、自分。

もしかしたら菓子パンはJohanより美味しいんじゃないか、と密かに思って贔屓にしている「スワンベーカリー」にはランチボックスがある。
日替わりで3種類のパンが紙袋の中に入っており、森永のパックドリンク1つが選べて400円。定価の2割引きほどで、結構お得だ。今日の袋の中身は「シチューパン・ブランデーキャラメル・ミニドーナツ」とあった。前者2つは大好物だし、ミニドーナツも一度食べてみたかったものだ。迷わずいただく。"フルーツ牛乳""コーヒー牛乳"などが並ぶ中から、ドリンクはミルクティーを。

菱形のデニッシュ生地の中央にふわりとしたマカロニ入りのシチューが入るシチューパン。相変わらず生地はさくさく、ぽあ〜んと濃厚なバターの香りがする。この周囲に漂うバターの香りをかぐと、一体どれほどの量が入っているのかと少々不安になる。でも油っこくなく、サクサクと食べられるシチューパンはやっぱり絶品だ。
「ブランデーキャラメル」はキャラメルが練り込まれたマーブル状のもちもちしたパンだ。中にはブランデーが強く香るレーズンがたっぷり入っている。レーズンは甘いけど、この洋酒の香りはちょっと大人向けの菓子パンだ。
お気に入りの2つのパン、相変わらず美味しくて私はシアワセになってしまう。

そして、「ミニドーナツ」は全然"ミニ"じゃなかったのであった。いや、1つ1つは確かにミニだが、そのミニドーナツが7個も8個も9個も、紙製のパックに詰まっている。
うおぉ、軽いデザートだと思ったら、めちゃめちゃヘビーなデザートじゃないか。驚きつつも、何故か顔が笑っている私。いかんいかん。昨日ダイエットを誓ったのではあるまいか。
グラニュー糖がたっぷりまぶされた揚げドーナツは、幼き頃に家で母が揚げてくれたものと良く似た味がした。表面はカリカリと、ちょっと舌にザラザラするような感じで、中はほっこり。大きさも案外いい加減で、簡単に口に入る大きさのものがあったかと思うと、一口ではちょっと厳しいものもある。親指の先ほどのものもある。このいい加減さが、何やら愛しくもある。

ハヤシライス
にんにくとじゃがいものポタージュ
よなよなエール、アイスカフェオレ

翠江堂の
 いちご大福
抹茶入り玄米茶

昨夜の疲れはまだまだ健在。
「楽させていただこう」と、冷凍保存してあった手作りドミグラスソースを使ってハヤシライス作り。切り落としの安売り牛肉を玉ねぎと一緒にバターでしんなり炒め、ドミグラスソースをぶっこんで火を通せば出来上がり。甘味の薄いソースなので、甘味の強いポルト酒を煮詰めてトロンとさせて鍋に混ぜる。あ、出来上がり際に冷凍グリーンピースをひとつまみ、パラリと散らせばいっそう洋食屋風になるな。味はなんてことないけど、このグリーンピースの存在感は侮れない。

これだけでは手抜きすぎるかも、と思ってスープも作る。
大きなにんにく1/2個とじゃがいも1個、玉ねぎ半個。これをサクサク包丁で切って炒めてスープを入れて、煮込んで潰して牛乳入れたらできあがり。にんにくじゃがいもポタージュ。
だんなが研いでくれた、良く切れる包丁でサクサク調子よく切っていたら、親指の第一関節をなでてしまった。
「やばいっ!」
と思っても、もう遅い。一呼吸置いて、白い傷口から血がぴゃーっと出てきてしまった。考えることは
「あ、あ、あ、玉ねぎが血に染まっちゃう。それは避けなきゃ〜」
流水に左手を突っ込みつつ、しばし呆然とする。不覚。
擦り傷よりは、切り傷はまぁそんなに痛くない。不幸だったのは、"切った"んじゃなくて"削いじゃった"ということか。
えぐい話でごめんなさい。

ともあれバタバタしつつもスープが完成。漉してないので、ちょっとじゃがいもやにんにくのかけらがツブツブと入っているスープになった。牛乳たっぷりの中に、にんにくの甘さとあの匂いがほわ〜んと混じっている。思っていたより美味しくなった。

デザートはいちご大福。
この間、せっかく美味しいいちご大福を買ってきたのに会社の冷蔵庫に放置して固くしてしまった愚かな私。八丁堀で会議があるというだんなが、帰り際に同じお店に寄って買ってきてくれた。ふくふくの大福3個。今日は柔らかいまま、テーブルに並んだのであった。
でっかいでっかい甘い苺の周囲に薄い色のあんこ。その外側には薄い薄いやわらかな皮。
この分量といい、甘さのバランスといい、本当に本当にここのいちご大福は絶品である。1個180円なり。ちと高い。

だんながその店に入り、
「ここのいちご大福、美味しいんですってねぇ〜」
と言ったところ、店のおばちゃんは"ありがとうございます"と言い、その後に
「冷蔵庫に30分くらい入れて、お風呂上がりに召し上がると美味しいですよ。」
とつけ加えたのだとか。風呂上がりに、冷えた大福。
おばちゃん、それはいかんよ。それは旨そうだよ。

↓下。
「せりあさんがお気に入りの道具を教えてください」
というメールを頂戴したので、私自身の記録も兼ねてぽつぽつやってみることにしてみた。でも私の意見なんて参考にならないすよ。料理歴はまだ3年ちょいくらいだし。


【私の好きな道具たち − やっとこ鍋】

photo

「やっとこ」で掴んで持つ、「持ち手のない行平」といった風情の鍋。
一度テレビか何かで見て、そのフォルムに惚れてしまったのだった。
「プロが使う道具なんだよねぇ……」
との店の人のイヤミにも負けず合羽橋にて購入。
サイズ様々、10cm前半から20cm台まで。我が家には15cmと18cm、21cmの3つがある。

持ち手の無い鍋ゆえ、揺すったり持ったりするときは「やっとこ」でえいっと持ち上げる。
これがなかなか持ちやすく、握力は使わない。上に持ち上げる力でちゃんとガシッと固定する。
三ツ口コンロの我が家では、とても重宝。持ち手がないから邪魔にならずに味噌汁や小さな煮物が奥のコンロでできあがる。しかもオーブンにも入る。なんだったら食卓に出しても良い。
しかも、安い。全部買って7000円くらい。
素晴らしい鍋じゃないか。
多重構造式の外国製の鍋も良いけど、日本にもちゃんと「取っ手取り外し鍋」は存在しているのだ。


3/30 (木)
フルーツグラノーラ with 牛乳

息子が熱をだし、私は急遽会社をお休みだ。
だんなは、
「朝御飯、ゆっくり食べなよ〜。僕は朝マックにでも行くから。」
と心なしかわくわくしながら早めに家を出ていってしまった。
そんなに食べたかったのか、朝マック。

いつもより1時間近く遅れて目を覚ました息子と一緒に、朝御飯。
フルーツグラノーラを自分用に出していると、「それを寄越せ」と意思表示。で、彼にも分け与えてみる。牛乳の入らないシリアルを、両手で鷲掴みにしてもしゃもしゃと喰っていたが、私がミルクをかけているのを見ると、コップの中の牛乳をシリアルボールにどざざざと入れて真似している。 真似してばかりの小猿のような息子である。

シリアルに牛乳ぶっかけて食べるのは、美味しい。でも、素早く食べないとシリアルが"くたくた〜ぁ"とやる気無く萎びて行ってしまう。歯ごたえのあるシリアルが好きな私は、牛乳かけてもクタクタしないフルーツグラノーラが一番好きなのであった。
お、息子がボールを両手で抱えて一気飲み体制だ。
シリアル一気飲みは……やめとかないか。息子よ。

茄子とひき肉のココナッツカレー
にんにくとじゃがいものポタージュ
アイスカフェオレ

昨日の残りのにんにくのポタージュを温める。
一晩たって、スープと具がなじんで良い感じになっている。にんにくの香りたっぷりの濃厚なスープ。
これに合わせて……と冷蔵庫冷凍庫食料庫を漁ってみたら冷凍した手製のココナツカレーが出てきた。ひき肉と茄子、ココナツクリームがたっぷり入る白く濁った緑色のカレーだ。クミンやコリアンダーのパウダーがたっぷり入った異国の香りのさらりとしたやつだ。
「ぴったり〜〜〜♪」
とそれを解凍し、ぽってりと厚い陶器のボールによそった御飯の上からたっぷりかける。周囲にただようココナツの香り(とスープ鍋から漂う強烈なにんにくの香り)。

今度の息子の「それを寄越せ」攻撃はスープがターゲット。
分けてやると、飲む飲む飲む。お代わりを2度せがまれて3杯のにんにくスープを飲み干した彼は満足そうに午睡におちた。私のカレーも10口以上奪われた。
そして幸せそうな顔をして寝る息子の口からはにんにくの匂いがするのだ。うわー、にんにく臭い幼児だなんて、ちょっとイヤかも。

千切り南瓜のサラダ
軍鶏肉のスモーク
茄子とピーマンのオリーブ油炒め
キャベツのカレー味スープ
御飯
モルツ、アイスカフェオレ

だんなの実家から貰った「軍鶏肉のスモーク」を食すことにする。真空パックになったそれは小さめの若鶏がまるまるスモークされている。ぷりぷりとした肉が美味しそう。冷蔵庫から出した鶏をそのまま大皿の中央にでん!と置き、周囲に野菜の炒めを添えることにする。
ピーマンと茄子、トマトが買い置きされてあったのでオリーブ油で炒めて塩と胡椒、醤油をほんのひとたらし、最後にパルメザンチーズをパラパラをふりかける。緑と赤で、何となくお皿、華やか。

南瓜も発掘されたので、千切りにしてゆがいてサラダにすることにしよう。シャキシャキしたサラダの方が嬉しいので、ゆがくのはほんの10秒ほど。薄切り玉ねぎ、南瓜、カリカリに炒めたベーコンを層にして皿に飾り、ドレッシングはマヨネーズをスープで伸ばしてマスタードと醤油と塩胡椒で味つけちゃう。

スモーク肉は大層美味だった。せっかく美しくフォークとナイフを食卓に並べておいたにも関わらず、骨付きまるごとの肉に困惑して
「足、もいじゃえ〜」
「手で剥いちゃえ〜」
とかやっている我が家である。雰囲気ゼロ。塩気がちょっと強めで香ばしい。鶏肉の皮が大好きな私は、肉の少ないところも皮だけ剥いて食べてしまう。油で揚げているわけじゃないのに、表面にうっすらと油で光る、ぷりぷりの肉だった。お義母さんに、感謝。

3/31 (金)
目玉焼き
キャベツのカレー味スープ
たくあん
御飯
抹茶入り玄米茶

目玉焼き、作成。
なんだかとっても久しぶりな気がする目玉焼き。
やっぱり半熟が好みだ。白身が固まったあたりでフライパンに水を注いで蒸し焼きにするのが好ましい。表面はうっすらと固まって、中はとろんとしたやつを、御飯の上にそのままドカンと乗っけて、ぐりぐり黄身を潰して醤油を垂らして食べる。
生卵使った「たまご御飯」もイケるけど、目玉焼きご飯もかなりイケるのよ。

目玉焼きを焼いている間、横に立っただんなはサクサクとたくあんを切っている。
たくあんと御飯と、目玉焼き。……なんだかカレー味のスープは浮いてしまっているような気がするが。まぁいいか。

茅場町 LATINOにて
 ハヤシライス

茅場町 翠江堂
 いちご大福
緑茶

午後1時15分、人形町にてお仕事の約束。
ならばと昼休み前に会社を出て、向かうのは茅場町のLATINO。狭い狭いカレー屋さんだ。4人がけのテーブルが4つほど、カウンター席には5人ほど、これだけで店はぎゅうぎゅう詰めになってしまう小さな小さなカレー屋さんだ。
先日は思わず「本日のカレー」を食べてしまった。
今日こそは、こないだ食べられなかった甘い甘いハヤシライスを食べるのだ。ぐっと拳を握りしめて店のドアを開ける私。

客は既に6人。テーブルに4人、2人とついている。1人の私はカウンターの隅に腰を下ろす。背の高い椅子からは、3畳ほどしかない調理場が良く見える。この狭い厨房に入っているのは4人。てきぱきと来るべき昼のラッシュに備えている。デリバリー用のパックの準備も着々と進んでいるらしい。
メニューを見ると、本日のカレーは「ブラックチキンカレー」とある。ぬぬぬ、美味しそうじゃないか。
しかし、その下には「極辛」の文字。「中辛」でもなく「辛口」でもなく、「極辛」。すごすごと今日の予定であるハヤシライスを予定通りに注文する。

刻みパセリがふわふわ浮くチキンスープをすすりながらハヤシライスが来るのを待つ。
大皿に平たく盛られた御飯の上には干し葡萄。真っ茶色のどろりとしたハヤシソースがステンレスの容器に入って目の前に並べられた。ふわりと漂う甘い香り。この店唯一の「甘口」と記されたハヤシライスは、本当にこってりと甘い。

とろけて繊維のうっすらとした塊だけと化した玉ねぎと、比較的形の残る玉ねぎと入ったソースの中の肉は、やはりホロホロと煮崩れている。私的ハヤシライスの好みは、苦みも強い大人寄りの味ではあるが、この甘いハヤシライスも胃に浸みる。ソースの上にちょろりと垂らされた生クリームも良い感じじゃないか。

グラスにはレモン水。
辛いカレーに対応してか、各テーブル、カウンターの2ヶ所にも水入りポットが置かれている。中にはレモンのくし切りと、良くみるとミントの葉も沈んでいた。いいなぁ、こういう感じ。

最早定番となりそうな次のルートは、そこから歩いて30秒ほどの和菓子屋さん、翠江堂だ。もう、ここのいちご大福の「虜」どころか「奴隷」と言っても差し支えない、今の私。もう注文も、お手のものだ。
「いちご大福、4つ下さい。で、1個はすぐに食べるので、3つのパックにしてください。」
と頼む。包み紙にくるまれた3つ入りのパックの上に、1つちょこんといちご大福。途中の自動販売機でお茶缶も買って、隅田川沿いのベンチに向かう。

永代橋の良く見える川沿いで、お茶缶を開けて大福の包み紙をはぎ取る。
この店のいちご大福、一番美味しく食べるのは買ってすぐに食べることだ。大口開けていちご大福にかぶりつく。ああ、相変わらず大きな苺。甘い苺。あんこは甘く、皮はふくふく。
にやにやしながら食べていたら、道行くおっちゃんと眼が合ってしまった。……あ。

ドミノピザの
 チキテリ、ツナ・スペシャルのハーフ&ハーフ
 サラダ フレッシュネス・ガーデン
 ポテトフライ
 アップルパイ
モルツ
コカコーラ・ライト

翠江堂の
 いちご大福

だんなはどうやらピザが食べたくてしょーがないようだった。
「プロ野球開幕戦でしょ。ピザとビール、あと枝豆があったら最高っすよ。」
そういう論理らしかった。
で、野球観戦しながらピザ。
「かっとばせー!新庄!」
とか叫びながら、ピザ。そう、だんなは阪神ファンである(私も)。

Mサイズのハーフ&ハーフのピザに、ポテトフライのL、サラダ。飲物はコカコーラライト!……と、野球観戦にはこれでしょう、のモルツ。んんん、完璧じゃん。……で、なぜアップルパイがあるのかね。(「だっておゆきさんが食べるかなぁ〜って」だんな・談)

そんなこんなでドミノのアップルパイは初めて食べたけど、結構好みな味だった。マクドナルドのホットアップルパイより私の好みだ。上は網状になったパイの中にリンゴの甘煮。バターの香りが濃厚で、メープルシロップをかけて食べるところが、また何とも。

しかし。
ピザの食後のアップルパイの食後にはいちご大福。いくら何でも食べすぎじゃないか、自分。