食欲魔人日記 10年7月 第4週
7月19日 月曜日
香港来ました!やっぱり食べておかなきゃのマンゴープリン、まずは「欣圖軒」のもの
※ 旅行記にまとめました〜こちらからどうぞ♪ ※
成田空港内 「讃兵衛」にて
 五目冷めん \1260

取り急ぎ、推敲なしのメモ書きで〜。
 
今日から香港旅行、起床は5時半の予定……のはずが、なぜか4時前に覚醒。まんじりともせず夜明けを待つ。
 
息子もだんなも早起き、予定通りの成田エアポート行きの快速電車に乗って、一路成田へ。今回はキャセイ(CX509)便。
 
昨夜の夕食が早めの時間だったものですっかり腹ぺこ、荷物を預けた後(事前にネットで事前チェックインしておいたら、たいそう手続きがらくちんだった。カウンターでの待ち時間が全くなかった)、ターミナル内のうどん屋さん「讃兵衛」で朝御飯。
 
「五目冷めん」は海老天・ししとう天・山菜・海藻・きつねあげ・トマトの乗った「全部乗せ」みたいな内容だった。揚げ物が揚げたてだったのがすごく嬉しい。
 
免税店をひやかしつつ、定刻に飛行機は離陸。さして揺れもせず快適な空の旅。

キャセイパシフィックの機内食
 牛肉の煮込みかけ御飯
 パンとバター
 フルーツ(ピンクグレープフルーツ、メロン、パイナップル)
 よもぎまんじゅう
 ビール、烏龍茶

機内食は「和風の鶏の照り焼き」か「中華風の牛肉煮込みかけ御飯」の2択。私と母は御飯を半分ほど残し、だんなと息子は2人して見事に完食。キャセイは、以前はデザートにハーゲンダッツのアイスクリームが出てきていたから、今回もそれが密かな楽しみだったのだけれど、いつの間にかそのサービスは終わってしまっていたのね……。

香港 インターコンチネンタルホテル内 「欣圖軒」にて
 突き出し(海老のXO醤和え)
 豚肉のロースト HK$165
 帆立貝と洋梨のフライ HK$138
 しゃきしゃき野菜の炒めもの HK$165
 海老とホワイトアスパラのXO醤炒め HK$290
 骨なしクリスピーチキンの中国ハムフライ添え HK$220
 サーモン、貝柱入り卵白チャーハン HK$140
 マンゴープリン 3×HK$48
 ミニエッグタルト HK$42
 ビール(San Miguel) 3×HK$70
 紹興酒(Yue Shan Xian Diao) HK$580
 コーラ HK$60
 中国茶(烏龍) HK$20

今回の宿泊ホテルはペニンシュラ、母の希望もあって空港からの往路のみリムジンサービスをお願いしてみた。
 
飛行機を降りるなり係員が1人、税関を出たところで執事風のおっちゃんに荷物が託され、そして速やかに深い緑色(ペニンシュラ・グリーン、って言うのだそうで)をしたロールスロイスに乗り込む。でかいわー静かだわー快適だわーの40分の移動。
 
部屋は中庭を見下ろす本館のコネクティングルーム。相変わらずの天井の高さに真っ白な壁に広いバスルーム、収納力たっぷりのホワイエ。無線LAN使用無料。ウェルカムフルーツはバナナと洋梨、りんごとオレンジ。「こんなこともあろうかと」と私がスーツケースから取り出したフルーツナイフで、母が猛烈な勢いでフルーツを剥き始めた。
 
果物食べて呆けていても仕方がないので(でも洋梨は甘くて美味しかった……♪)、お買い物へ。重慶大厦の怪しい両替屋で両替しつつ、携帯電話用のSIMカードを購入しつつ、化粧品屋さん「SaSa」を覗いて、ドラッグストアの「Watsons」覗いて、スーパー「Welcome」でお買い物。スーパーの中でフツーに売られているドリアンを見て(丸ごとも売ってるし切り身も売ってる……当然ながらすごい匂い)、「いいぞいいぞ」と思う。香港だなぁ。
 
夕飯は、あれこれ協議した結果、「ちゃんと美味しい中華を食べに行こう」と、道路向こうのインターコンチネンタルホテル内の「欣圖軒(Yan Toh Heen)」に。テーブルにセットされた翡翠の箸置きや飾り皿(というか、飾り"台"?)は以前の「麗晶軒(Lai Chin Hing)」を思い出させるものだったけれど、マンゴープリンの器は翡翠じゃなくなってたのが残念。でも相変わらず、果肉たっぷりの、口の中でくしゅくしゅとろける食感のマンゴープリンの美味しさは素晴らしかった。息子が目を剥いて感動している。どうだ、旨いだろう(←何故か偉そうな私)。
 
うっかり値の張る25年ものの紹興酒などいただいてしまいつつ、同席する母も食べられそうなものをと模索しつつ(でも、一番口にあったのは野菜炒めだったみたい……←いや、野菜炒めがそれだけものっすごく美味しかったということだけども)、私とだんなの2人では選択肢に入らないかもしれないものも交えつつ、あれこれ注文。
 
豚肉のロースト:息子のリクエスト、皮目がカリッと、たまらなくクリスピーな"焼味"
 
帆立貝と洋梨のフライ:お店のオススメマークつき。ちゃんと帆立でちゃんと洋梨の味がする、なんとも絶妙な組み合わせの料理。レモンソースを添えていただく、外見は……たこ焼きみたいな。
 
しゃきしゃき野菜の炒めもの:野菜も欲しいねと。アスパラ、セロリ、さやいんげん、人参、くわい、レンコン、きくらげ……という感じ。どの食材も的確な火の通り具合で、素晴らしきシャキシャキ感。一見地味なのに目をつぶって食べても「あ、今、いんげんと人参を私は噛んでる」とわかる野菜の味の濃厚さ。
 
海老とホワイトアスパラのXO醤炒め:ホワイトアスパラが食べたかった。海老がでっかい!ぷりっぷり。アスパラも海老に負けない存在感。
 
骨なしクリスピーチキンの中国ハムフライ添え:「鴨が食べたい」という母のリクエストに、でも鴨で好みな感じの料理がなく、代わりにこちらを。「皮つき北京ダック」のような、カリコリした皮にふくふくした肉のついた鶏の盛り合わせ、ひっそりと敷かれた「中国ハムのフライ」が素晴らしく酒の肴。鶏と共に盛られた「えびせん」は、息子がすごい勢いでつまんでいた。
 
サーモン、貝柱入り卵白チャーハン:息子のリクエスト。「1人で食べるよー」とか言っていたものの食べきれず、ダーパオ。電子レンジOKの立派なタッパーに詰めてくれた。お部屋に帰ってお茶もらって食べたのだけど、パラッパラで冷めても美味しい。さやいんげん、コーンがアクセントでシャキシャキした食感。
 
ほのかにあったかい、手で持ち上げるとクシャッと崩れそうな繊細な蛋撻も良かったし、マンゴープリンは言うに及ばずだし、欣圖軒は相変わらず良い感じだった。お出かけぎりぎりに予約したところ、窓際の席に案内してもらえてそれも幸せだった。
 
でもね、お部屋に帰ってみたらターンダウンのサービスがされてなくて、夕飯前に使ったバスルームがそのままくちゃくちゃになっててちょっと悲しかった……。今度は夕飯のお出かけ時に「お部屋掃除してね」サインを出してから行こう……。

7月20日 火曜日
夕御飯〜。魚介を、卵白とミルクでとじたもの。上には蟹の卵♪
※ 旅行記にまとめました〜こちらからどうぞ♪ ※
ザ・ペニンシュラ香港内 「The Verandah」にて
 朝食ブッフェ

今日もだだ書きメモ書き(推敲なし)です。読みにくくてスミマセン。
 
起床4時。「日本なら5時だよね、常識の範囲内!」と起きてしまう。旅行先ではどうしても寝坊できない(さぁアレするぞコレするぞとわくわくがとどまるところを知らないので……)私……。
 
6時前に息子も起きてきた。約束していたので、「じゃあ朝御飯前にプールに行こう」と中央エレベーターでプールフロアへ。
 
広い広いロッカールームには広いシャワーブース(3〜4つ)と、大浴場気分で浸かれるジャグジー、サウナ。パウダールームには「ESPA」の化粧品がずらり。ふかふかのタオルも使い放題、サンダルとバスローブも用意され、水着になってぺたぺたワンフロア階段をあがってプールエリアへ。
 
深さ1.5mほどのプールは息子にはちと深めだったけど、広々として他にお客さんもおらず、最高だった。窓の外には香港島の風景がばばーんと広がり、窓際に並んだテーブルには食事のセットの支度が淡々とすすめられているところ。1時間ほどプールを堪能してお部屋に戻る。
 
今日の朝御飯は偵察を兼ねて、2階の「The Verandah」でブッフェ朝食。
明日から、私とだんなは好き勝手に粥麺専家などに行くから、おばあちゃんと息子はホテル飯を2人で食べてきてね、という事になる予定(母も息子も粥とか麺とか朝から食べられないわという人たちなので)。
 
茶葉も選べる紅茶にコーヒー、ジュースはオレンジ、パイナップル、グレープフルーツの3種類。「シェフがオムレツを焼いてくれます」サービスはなく、卵料理が少なかったのがちょっと残念。でもお粥はプレーン、ビーフ、チキン、フィッシュから選べて、ピータンや上品な揚げワンタン、細かく刻んだザーサイや葱などの薬味も豊富。ちらっと食べたけど、薄味でものすごく上品な粥だった。
 
品揃えは「最高のものを少しずつ」という印象。しっかり熟成された美味しいチーズに、キラキラ光る小ぶりのデニッシュ(とかレモンケーキやブリオッシュみたいなちょっとした甘いもの)、生ハムや上質なサラミ、数種類のシリアル、ヨーグルト、自家製フルーツカクテル、などなど。
 
一人HK$250、だったかなー。

「海洋公園」内「The Bayview Restaurant」にて
 燻製鴨と青パパイヤのサラダ(青木瓜沙律配煙鴨胸) HK$50
 パイナップルチャーハン(菠蘿炒飯) HK$138
     ハーゲンダッツアイス(バニラ)とオレンジジュースつき
 フルーツ盛り合わせ(鮮果沙律) HK$30
 青島ビール(青島啤酒) HK$28
 
「海洋公園」内「Panda Cafe(大熊猫餐廳)」にて
 レモンライムソーダ(青檸梓梳打) HK$38

この滞在中、運の悪いことに熱帯低気圧が近づいてきている模様。週間予報では明後日以降天気が崩れていく様子だったので、「では今日、屋外を歩く日程を組んでしまいましょう」と、いずれ行く予定だった「海洋公園」に行ってしまうことにした。香港地元の、「山一つがまるっとテーマパーク」というもの。山の上と下をアトラクション風の列車とゴンドラが結び、パンダがいて水族館があってちょっとぬるめの絶叫系乗り物があったりする。イルカショーなんかもやっている。入園料は4人で(割引クーポン等を使って)HK$800くらい。
 
金鐘駅から直通のバスに乗って20分ほど。運が良く2階の最前列に座ることができて、香港島のトラムが行き交う様などを存分に満喫しながらパーク到着。午前中からなかなかの混雑……と言いつつ、午前中は個人客がほとんどで、可愛いものだった。お昼過ぎからやってくるのは、旗を持った人を先頭に怒濤の勢いで押し寄せてくる中国本土からのツアー客、そしてインド人のツアー客。くくってしまえば同じ「中国人」なのに、本土からのお客さんはすぐわかる。声が異様に大きく、傍若無人なふるまい、周囲の人の事をまるで考えないマナーの無さ、自分たちがこの世で一番エライかのようなその態度……なんだかなー。
 
「息子が楽しめるといいな」という理由もあるけれど、やってきた最大の理由は、クラゲの水族館があるということ。クラゲグッズも色々あるみたい。楽しみ楽しみ〜♪と、山の中腹の入り口から入場し、エスカレーター4つ乗り継いで山頂へ。アシカやオットセイを眺めつつ、「海洋館」(サメの泳ぐ大水槽があったりしてなかなか楽しかった)を見て、いよいよクラゲ!……の前に、クラゲ館の上にある「The Bayview Restaurant」でお昼御飯。
 
セルフサービス式のカフェテリアで、レストラン全体がクラゲモチーフでたいそう幸せな空間だった。天井の照明のデザインもなんとなくクラゲ、大きな水槽にミズクラゲとユウレイクラゲが泳ぎ、化粧室に至る壁紙の模様もクラゲ。ああ素敵……♪
 
私と一緒に料理をとりに行った母が、「あらこれおいしそ」「あとこれを食べるわ」とぽいぽいトレーに乗せ始めたので、これはヤバイ(=どうせ食べきれない)と、
「じゃあ私、一緒に食べるよ」
と私は何も選ばずに会計を済ませる。案の定鴨のサラダはちょっと辛くて「あらー、こんな味だったのー」と私が大半を食べることになり、チャーハンも「思っていたような味じゃなかったわー」と3割ほどしか食べてくれなかったので残りは私が……。
 
確かにチャーハンはターメリックの風味がちょっと強すぎる風。生のパイナップルの果肉はたっぷり、あとは海老とかパプリカ、レーズンも入っていた。店名どおり、窓からは海が見下ろせる素晴らしい展望。
 
で、クラゲ館(水母萬花筒、Sea Jelly Spectacular)に。思いのほかの混雑、お客さんのクラゲへの興味っぷりにちょっと驚く。
 
品揃え(?)は、割と普通で、サカサクラゲ、アンドンクラゲ、パシフィックシーネットルにアカクラゲにミズクラゲにユウレイクラゲ……みたいな、「えのすいで、見たことあるものばっかりだなー」という感じではあった。でも水槽が明るくてとても綺麗。暗所に強いニューカメラ(IXY 30S)の威力をここで発揮!とばかりに撮影したら、デジイチで撮るよりもずっと綺麗に撮れたりして……。
 
派手な色つき照明つけて、壁を鏡nいして、筒状の水槽にクラゲを展示しているコーナーの華やかっぷりがいかにも「中華」っぽくて素敵だった。
 
ゴンドラ乗って山の下に降りて、パンダ見て、金魚見て、バードショウ見て、ちょっと休憩。入り口ゲート近くのお土産物屋さんで、皆が呆れるほどクラゲグッズを買いまくり(だってぬいぐるみがたくさんあったんですもの……可愛いのが……あとね、ストラップとネックレスとピンバッジとTシャツ(「クラゲには脳味噌ないよ、なーんにも考えてないよ」みたいな英語メッセージつき)も……)。夕食の予約までまだ時間があるしと、山頂行きの「海底列車」というアトラクションに乗り込んで、再び山頂へ。まだ見ていなかった残りの水族館(中国長江のお魚展示)を見て、ゴンドラ(二度目)に乗って再び山を降りた。
 
しかし今日は暑い……うっかり日焼け止めを塗っていなかった、まぶたがチリチリ痛くなって慌てるほどの晴天っぷり。

「Jumbo Kingdom」にて
 鴨のロースト(脆皮焼鴨) HK$110
 組み合わせ野菜のとろ煮・中華風(會羅漢齋)
 海産物とミルクと蛋白の蒸し物 (紅梅嶺藏海珍)
 牛肉の固焼きそば
 マンゴのプディング(凍香芒布甸) HK$25
 ポメロ柑橘とミルクのムース・ケーキ(楊枝甘露慕絲蛋糕) HK$55
 ビール(サンミゲール)

これまで香港には2回来たことがあったけれど、一度も行ったことがなかった、アバディーンの水上レストラン「珍寶王國(Jumbo Kingdom)」。
 
美味しくないとは何度も聞いている。夜は電飾キラッキラのすごい外観らしい(中もすごいらしい)けど、香港ツアーに組み込まれていて、すごくがっかりな食事をした……みたいな話を何度も聞いた。ツアーじゃなく、個人で行けばそんな悪いもないらしい、なんて話も聞いた。
 
でもまぁ、結局観光旅行向けのお店なんだろうなぁとは思いつつ、でもその電飾キラキラの水上レストラン(陸からは渡し船で渡って入店する)は一度くらいは行ってみたいなと、母と息子が一緒の今回、行ってみることにした。幸い、「海洋公園」からはタクシーでほんの数百円の距離だ。
 
個人からの予約、しかもペニンシュラホテルからの予約なら、そう悪い対応はしないかなぁという期待もあって、ホテルのコンシェルジュに「予約してくださーい」とお願い。17:30に席をとってもらって、でも到着は17:00にならないくらい。渡し舟を下りてから、レストランのまわりを一周散策してからお店に入った。
 
このお店の名物は魚介料理で、でも正直なところ、「蒸し海老」とか、その他フカヒレとかアワビとかにはそれほど興味がない私たち(いや、アワビは食べたいと思ってるけど、福臨門魚翅海鮮酒家で食べようかと……)。
 
母のリクエストで鴨のローストを頼み、あとは野菜の煮込みと、真っ白なふわっふわの、魚介の卵白ミルクとじ。
 
魚介が思いのほか美味しかったけれど、あとはまぁ、「東京の高級ホテルの中華料理の方が、もっと美味しいよね……」と思われる感じの、普通な味だった。なんというか「普通においしい、不味くはない」という感じ。野菜の煮込みは、下にたっぷりのモヤシが敷いてあって、その髭根が全て綺麗に取り去られてたのにはちょっと感動したけど、シャキシャキ感がカケラも残ってなかったり。
 
デザートに「楊枝甘露」のムースがあるなぁと注文してみたら、ボリュームたっぷり、これはちゃんと美味しいのが出てきた。
 
だんだん暮れゆく海を眺めつつ、見事な電飾キラキラになったレストランを「きれいきれい」「ピカピカね〜」と眺めつつ、また舟に乗って陸地に帰還。流しのタクシー捕まえて中環まで戻り、フェリーに乗って尖沙咀に戻ってきた。舟に乗った時刻はちょうど8時で、タイミング良く「シンフォニー・オブ・ライツ」の時間帯。舟の上から両岸のキラキラが楽しめて、とてもお得な気分なのだった。
 
大変に疲れたので、明日はゆっくりする予定。

7月21日 水曜日
「廣東燒味餐廳」にお弁当を買い出しに。この魅惑的な店頭!
※ 旅行記にまとめました〜こちらからどうぞ♪ ※
尖沙咀「翠華餐廳」にて
 特脆奶油猪仔包 HK$8
 アイスミルクティー HK$10(多分)

今日の日記も推敲なしの流し書き〜。
 
起床5時(日本時間6時)、おお、とても常識的範囲内!
 
1時間ばかり、昨夜の日記などつけているところで息子も起床。2人でこそこそと打ち合わせして、今日もプールに行くことに。受付のおねぇさんらにすっかり顔を覚えられて「Wellcome back」と言われる。途中で母も見学に来て、「あらーこの椅子いいわーとってもいいわー」とデッキチェアにごろごろ。
 
朝御飯は別行動。
私とだんなは外のお店に食べに行くことにして、母と息子は2人でホテル御飯(昨日と同じブッフェ)。
 
粥麺専家も良いけど、昨日の朝ホテルでお粥ちょびっと食べちゃったところだしね、と向かってみたのは地元の喫茶店、というかファミレス、ホテルから徒歩圏内にある「翠華餐廳」というところ。
 
だんなは「鮑魚火腿絲火粉 配:西煎雙蛋、牛油方飽」HK$25、私は「特脆奶油猪仔包」HK$8。飲み物は?と聞かれて、私はアイスミルクティー、だんなはアイスレモンティー、おそらく各HK$10(=最後のお会計が$52だったので)。
 
注文してものの数分でやってくる料理、私のは、「大きなコッペパンを横に両断して、バターこってり塗ってトーストし、上からコンデンスミルクをどばどば〜とかけたもの」、だんなのは「スープに浸るハムと鮑の切り身乗せマカロニ、別皿で目玉焼き&バターをサンドした食パン」という内容。パンも甘いがミルクティーも甘い。かなり濃く淹れた紅茶に牛乳たっぷり、シロップもたっぷり、という風。食べても飲んでも口の中が甘いような朝御飯。
 
帰りにスイーツのテイクアウトができるかなあと「杏花樓」に寄るも、朝食メニューのみで他は頼めないとのこと。隣にあった「澳門茶餐廳(Macau Restaurant)」で 葡撻(Portuguese Egg Tart) HK$7を4個買ってホテルに戻ってきた。
 
今日は熱帯性熱帯低気圧が接近中とのことで、天候が崩れ気味の一日。午前中はホテルでだらだらして午後にお買い物しませんかと再びプールに向かったら、大変な豪雨になっていた。雨でけぶって、すぐ向こうの香港島の対岸がまるで見えないくらい。
 
こりゃ午後のお出かけもちょっと無理かなぁ……。

ペニンシュラ香港内「嘉麟樓(Spring Moon)」にて
 蜜汁燒肉排(Barbecued pork ribs with honey) HK$90
 燕窩灌湯餃(Bird's nest dumpling in supreme soup) 3×HK$68
 筍尖鮮蝦餃(Steamed shrimp dumplings with bamboo shoots) HK$52
 蔕子燒賣(Steamed siu mai with scallops) HK$62
 叉焼酥(Baked barbecued pork puffs) HK$62
 雞絲春卷(Spring rolls with shredded chick chicken) HK$62
 鮮肉小籠包(Shanghainese-style steamed pork dumplings) HK$62
 玉米竹笙餃(Steamed vegetarian dumplings with sweet corn and bamboo fungus) HK$62
 香芒凍布甸(Chilled mango pudding) 2×HK$45
 杏仁豆腐(Chilled soft almond jelly) HK$45
 中国茶(普洱) HK$88

というわけで、お昼もホテルから出ずに「嘉麟樓(Spring Moon)」で飲茶を楽しむことにした。
 
プーアル茶飲みながら、点心メニューからあれこれ、最後に杏仁豆腐とマンゴープリン。息子は朝食ブッフェで張り切りすぎた(パンを5個食べたとかなんとか……)そうで、デザートも要らない、と、焼売と小龍包くらいしか食べなかった。大人たちはおおいに絶品点心を楽しみまくる。
 
燕の巣入りのスープ餃子、海老がプリップリの蝦餃、上品な味の焼売に、相変わらず絶品だった、サクサクのチャーシューパイ。「これ食べてみたい」と私が選んだ「玉米竹笙餃」は、浮き粉の皮でコーンやキヌガサ茸などをくるんだまん丸な可愛い餃子。シャキシャキした、餃子らしからぬ歯ごたえでとても面白かったし美味しかった。
 
最後に炒飯あたりをいただいても良い感じだったけど、「アフタヌーンティーに行かない?」という話も出ていたのであとはデザート。コーヒーカップに固められたマンゴープリン(杏仁豆腐も同様)は、マジパンで作られたお店のマーク入り。エバミルクなしのとてもシンプルな外見だったけれど、甘い果肉たっぷりの、とろける食感。一昨日の欣圖軒のマンゴープリンのマンゴーは少し酸味があったので(マンゴーそのものが酸っぱいというより、まぶしたレモン汁がちょっと多めだったです、みたいな感じ)、一昨日のより美味しく感じるくらいだった。杏仁豆腐もシンプルながら、すごく「ちゃんとした」味のするもの。
 
お店のスタッフは目配りができているようで今ひとつ周りが見えていなかったりして(しかも注文一つスルーされた……伝票にも載ってなかった)、「あれあれ?」という印象が少し。

ペニンシュラ香港内「The Lobby」にて
 半島下午茶(The Peninsula's Classic Afternoon Tea) For two persons HK$398
 ダージリンティー HK$58

午後になると、雨がもう大変な感じになってきた。
 
出かけるどころじゃないねと、稲光まで見え始めた外を窓から眺めつつ、お部屋でのんびり。3時になる頃に「30分後くらいにアフタヌーンティーにうかがいたいんだけど」とフロントに電話したら「どうぞどうぞ」ということだったので、だんなと母と3人でロビーまで降りていった(息子はまだ腹一杯だと、部屋でお留守番)。
 
予約を受け付けてくれない、ペニンシュラの名物アフタヌーンティー。だから連日午後2時を過ぎるとロビーには長い行列が出来るのが一つの名物。宿泊客は予約を受け付けてくれる(突然行ってもすんなり席に案内してくれるらしいけど)のが特権で、昨日一昨日とロビーの喧噪を目の当たりにしていた私たちは
「行列せずにその噂のアフタヌーンティーを楽しめるなら」
と行ってみることにしたのだった。さすがにガッツリランチの後で1人1つのセットはきつかろうということで、3人で2人分。アッサムやダージリンなど、多くの種類の中から選べる紅茶は「Peninsula Afternoon」というそれらしい名前のブレンドティーにしてみた。ミルクティーにして美味しい感じの好みの味のお茶。
 
「A selection of finger sandwiches and savoury pastries, home-made Afternoon Tea pastries, freshly baked raisins scones, Devonshire clotted cream and strawberry preserve and your choice of teas from The Peninsula Tea Collection」
 
と紹介されていた「三段トレイ」は、2人分で3つのレーズンスコーンとクロテッドクリーム、ストロベリージャムが下段に。中断は梅肉のような味の甘酸っぱいパイ、キッシュ風のしょっぱいタルト、卵とハムのサンドイッチ、キュウリとクリームチーズのサンドイッチ、サーモンサンド。上段はフルーツケーキにカシスとチョコのケーキ、苺のミニロールケーキ風、パッションフルーツとチョコのムースのケーキ、ピスタチオのマカロニ2個。更に途中で、「こちらもセットのお料理です〜」と、コーヒー味の真っ白なムース(上にコーヒー味のグラニテをトッピング)までやってきた。
 
「全てが2の倍数ずつ」というわけでなく、サーモンサンドが1つだったり、ケーキも1切れずつのものが多かったりという2人分のセットの内容。ちょうど母がスコーンが好きでだんなが嫌いで……という好みの違いがあったので、適当に皆で分けつつ(でも私は1人前をきっちりいただく感じで)紅茶飲み飲み楽しんだ。天井近いテラスではクラシックの生演奏。パッヘルベルのカノンに、ボレロに……と馴染みのある曲が次々、のんびり演奏されていた。
 
この荒天だというのにやっぱりフロアの端には行列ができ続けている。案外と地元のお客さんらしき人たちも多く、行列に堪え忍ぶのが割と得意な日本人だけでなく、欧米人らもたくさん並んでいたのがちょっと以外。
 
私はスコーンを2個分担当してすっかり満腹になってしまい、ケーキの多くはだんなに手伝ってもらったので全てのものを味わったわけではないけれど、ケーキはしっかりと甘く濃厚なクラシックな味。パイやタルトは心地よい食感にサクサクパリパリとしていたし、いかにも伝統的なという風なアフタヌーンティーセットだった。

「廣東燒味餐廳」の
 燒味雙拼飯 HK$30
 新鮮燒肉 半斤 HK$55
 [青見][青見]油菜 HK$15

食後は、強風吹き荒れる中、道路向かいのシェラトンホテルの建物内にある「MILANO」というオーダーバッグ、オーダー靴屋さんに母のリクエストで。
1足、日本円で19000円、数日後までに間に合わせて作ってくれるとのことで、母と一緒に私も一足お願いしてみた。ベースの形はこれね、でもこれは踵が細すぎるからこっちの感じにしてね、色はこれで……とあれこれ決めて、採寸。明日仮縫いにもう一回来てください、だそうだ。
 
なんとなく天気も落ち着いてきた感じに見えたので(でも遠出するのもちょっと天気がわからないしで)、「新港中心」にある雑貨屋さん「GOODS OF DESIRE」を覗きに行って、その足でその更に向こうのショッピングモール「海港城」へ。ロクシタンがあるんだよ、あとゴルチェのショップもあるし、あーアレッシだ!Pylonesだ!と、おおいに萌えた。しかも今は夏の割引セール中。「30%OFF」などという文字を見てはいちいちときめいてしまったけれど、いかんせん、「海港城」は広大すぎた。真面目に眺め歩いたらたっぷり1日かかりそうだ。
 
散策している間に、すっかり7時過ぎに。大人たちはさっぱりお腹が空かず(特に私が)、ホテルのルームサービスも頼みつつ、焼味弁当を買って帰りましょうということになった。お気に入りの「廣東燒味餐廳(Cuangdong Barbecue Restaurant)」に赴いて、御飯の上に好みの焼きもの2種類を乗せた「燒味雙拼飯」を1包みと、単品で焼肉(豚バラの皮側をカリッと焼いたもの)を半斤、油菜の炒めも1包み。
 
その手のものが苦手な母と、「スパゲティ食べたいなー!」という息子には、ホテルで別途カルボナーラスパゲティとグリーンサラダを注文して、あとは買ってきたビールやジュースで乾杯。
 
小さな花も飾られた、それは綺麗なテーブルセットを作ってくれて、息子が「すごい!レストランまんまだ!」といたく感激していた。
 
パルミジャーノ・レッジャーノ別盛でやってきたカルボナーラもたいそう美味しそうだったけれど、私とだんなは「焼味うめー!」「やっぱこれ食べておかなきゃ悔いが残るよね!」となんだか別世界な感じに。油でテラテラ光る炒め物の下にはオイスターソースが適量敷かれていて、それを絡めて食べるのが、もうたまらなく美味しかった。半斤分、たっぷり入った「燒肉」も食べ応えがあったし、しょっぱい葱だれを絡めて食べる鶏も相変わらずの美味しさ。お弁当に添えられた野菜がキャベツなのも、甘味があって好きだった。
 
で、うっかり、またもやお腹一杯に……。明日は節制しようかな、と、心にもない事を書いてみた。節制しません。きっとまたあれこれ食べます。まだ甘いもの屋さんとか行ってないのよー、滿記とか杏花樓とか義順とか糖朝とか!

7月22日 木曜日
「羅富記粥麺専家」にて
 皮蛋鹹痩肉粥 HK$24
 肉片粥 HK$24
 油条 HK$7

今日も推敲なし流し書き(きっと最終日までこの調子……)。スミマセン。
 
本日の起床は5時。なにがなんでも「日本時間の6時には目が覚める」状態になっているらしい私の肉体。息子は起きるかなー?と思いながらパソコンに向かってみるも、さすがの息子もお疲れらしく7時頃まで爆睡だった。なので今日は「朝のプール」はお休み。
 
朝御飯は本日も別行動で、私とだんなは街に繰り出し、母と息子は2人でホテル飯。台風接近中とのことで(警報は「レベル3」)、ホテルの入り口ドアなどには土嚢的なものが積まれるなどのものものしい風景。それでもまだ雨も風もさほどではなく、「これならお粥食べに行けるかも!」と、スターフェリーに乗って中環へ、そこからトラムに乗って上環方面を目指した。
 
で、朝御飯は大好きなお粥屋さん「羅富記粥麺専家(Law Fu Kee Noodle Shop)」。
私は大好物の「皮蛋鹹痩肉粥」(塩漬け豚肉と皮蛋の粥)を、だんなは「肉片粥」(胡麻油をまぶした薄切り豚肉の粥)を。油条つけてもらって、それはHK$7。「蠔油時菜 HK$14」(青菜炒め)も添えたかったけれど、それは10:30以降の入店じゃないと頼めないのだそうだ。
 
しょっぱすぎず薄すぎずの絶妙の塩加減のトロトロの粥の中にはざっくり刻んだ(というかハサミでちょんぎった)皮蛋と、軽くほぐれた豚肉がたっぷり。だんなの方の「肉片」は豚の柔らかな厚めのスライス肉が入っており、肉にまぶされたほのかな胡麻油の香りが良い感じ。揚げたてというわけではないけれど、サクサクカリカリの食感の一口大の油条が粥に似合って最高だった。
 
食後は、徒歩圏内にあるお茶屋さんがもうすぐ営業を始める時間帯だったので、上環方面に向かっててくてく歩く。乾物街で干し貝柱(砕けているタイプの安価なもの)を1斤$228で購入、「林奇苑茶行」というお茶屋さんで普洱や龍井などをどっさり購入。うきうきとお部屋に帰還。母と息子は2人でプールに行っていた。合流して30分ばかり泳ぐ。
 
11時からオーダー靴の仮縫いに。オーダーした通りの形や踵の、でも素材はデニム、みたいな靴を試着。ものの数分でチェック完了。履き心地の良い靴ができるといいなー。

「糖朝」にて
 煎北門f蔔糕 HK$16
 鮮蝦咸水角 HK$16
 揚州炒飯 HK$60
 原汁柱候牛筋撈麺 HK$45
 瑤柱鮮蝦水餃麺 HK$38
 鮮芒果凍布甸 HK$20(無料)
 鮮芒果西米露 HK$24
 茶 4×HK$2

佐敦方面にお買い物に行く流れで、お昼御飯は皆で「糖朝」に。
 
9年前とはすっかり様変わりし、2階がメインの広々としたお店はすっかりメニューも写真入りでファミレス的になっていた。甘いものメニューも相変わらず豊富だけれど、それ以上に粥や麺のメニューのボリュームがすごい。そして行列こそないものの、すごい混雑。
 
JCBのクーポン使って、マンゴープリンが1個無料。母と息子は五目炒飯を半分こ、だんなは水餃子入りのつゆ麺、私は牛すじ煮込み乗せの和え麺。こってこてのいかにもな味に煮込まれた牛すじ肉は、煮くずれる直前のプルプル感を保っていてとても美味しかった。揚げたての咸水角、しっかり味のついている大根餅もお手頃価格で安心して食べられる幸せ。
 
でも炒飯のボリュームが侮れないほどあって、私もだんなも手伝っているうちにすっかり満腹に。
マンゴープリンと、追加注文した「鮮芒果西米露」マンゴータピオカを皆でつつきあう。タピオカココナッツミルクにマンゴーをたっぷり混ぜた風のマンゴータピオカ、母曰く「マンゴープリンよりこっちが美味しい」とのこと。果肉たっぷりで、ゆるめにゼラチン加えて固めてある風のデザートで、確かにとても美味しかった。
 
マンゴープリンは「そうそうこれこれ、これがマンゴープリンのスタンダード!」と改めて思った、可愛いハートの型で固められた、エバミルクがけのもの。果肉たっぷりでクニュクニュモチモチとした食感の心地よさも変わらず。
 
食後は皆で「百佳超級市場」に寄り道しつつ、「裕華國貨」に。正骨水や百合油を買いつつ、上階の茶器売り場でだんなが蓋碗、母が小さな中国茶用ティーセットをお買いあげ。歩き疲れたらしい母と息子はここでホテルに帰還して(地下鉄に乗るのはその2人ではちと難しいということでタクシーで)、私とだんなは更に北上。「雙魚茶館」で20年もののプーアル茶買って、「玉器市場」で翡翠のピアスとネックレス買って、上海街で1つ35円ほどの調味料入れやマンゴプリン型を購入。調理器具街だと聞いてはいたけど、ほんとにまんま「合羽橋」の風景で笑えてしまった。
 
いよいよ雨が降り始めたので、急ぎ地下鉄に乗って帰還。尖沙咀に着いてみると、ものすごい豪雨になっていた。スターバックスで買ったフラペチーノとお土産もの袋を死守して、最寄りの地下鉄出口からペニンシュラアーケードのドア目指してダッシュ。

「鹿鳴春」にて
 什錦冷盤(Variety Cold Dish) HK$失念
 乾燒四寶(Crispy Bamboo Shoots Salted Cabage Smoke Chicken & Mushrooms) HK$70
 烤北京填鴨(Barbecued Peking Duck) HK$280
 ビール(サンミゲール)

なんとかぎりぎり、散策中にずぶぬれにならずに済んだよー、なんて苦笑いしつつ部屋に戻ると、それはもう大変な豪雨になってきた。香港島側のビルに雷がどっかんどっかん落ちるのまで見え始め、外は雨でけぶって視界が悪くなる一方。
 
近場のレストランで夕食にしましょう、では北京ダックの「鹿鳴春」ではどうでしょう?と、ホテルのコンシェルジュ経由で7時に予約を入れてもらおうとしたら、「満席なので9時からじゃないと受け付けられません」とのこと。じゃあ明日行こうと聞いてみてもらえば「明日も同様に9時以降じゃないと」とのこと。いつも混雑の人気店だけど、そこまで予約が入れられないとはびっくりで、すっかり北京ダックを食べる気満々だった私たちはたいそう悩む。
 
何しろ雨もものすごいので、「もう諦めてホテル内で食べちゃわない?」という話も出つつ、
「いやいや、でも、この豪雨だよ?案外キャンセルが出るかもしれない。7時頃に"今行けば席あるか、キャンセル出てないか"って聞いてみるのも良いかもしれない」
と判断して、6時40分くらいにお店に直接予約の電話を入れてみた。
「ここ、英語があんまり通じないんだよー」
と困惑しながらだんなが頑張ってくれたところ、「うん、4人で……7時から」なんて英語のやりとりがぽつぽつ聞こえ、「予約!できちゃった!」と。想像通り、この荒天で予約のキャンセルが出たらしく、じゃあ行こうすぐ行こう雨降ってるし雷鳴ってるけどでも行こう!と、傘を持って徒歩7分ほどの距離にある「鹿鳴春」に向けて歩き出した。道路はかなりあちこちびしゃびしゃ、でもだんだん雨も弱まってきていた。
 
1羽買いの北京ダックは1羽HK$280。肉をつけて目の前でカットしてくれるダックの他、クレープ状の皮と、ものすごく大雑把に切られた長ねぎときゅうり、海鮮醤もセットになっている。それだけでも充分なボリュームなので、あとは小さなサイズで前菜盛り合わせと、野菜の炒め物1品を注文。余裕があったら最後に炒飯か麺類でもと思っていたけれど、そこに到達できないくらいお腹一杯になってしまった。
 
ここの冷菜盛り合わせはちょっと面白い感じ。いわゆる「クラゲ・チャーシュー・蒸し鶏」みたいなものではなく、放射線状に綺麗に盛られたそれらは湯葉であったりセロリであったり、牛すね肉を煮てスライスしたものであったり、ハムっぽい何かであったりタンっぽい何かであったり。中央にはこんもりと、やけに太いクラゲがボボンと盛られているのだった。
 
そして何より驚いたのが、日本語併記のメニューで「竹の子・高菜・椎茸・スモークチキン入り野菜の炒め物」と書かれていた料理。「野菜の炒め物が食べたい」と、これを選んでみたのだけれど、中国語名の「乾燒四寶」がなるほどという風の、パリッパリに乾燥したサクサクホロホロの"揚げもの"的料理がやってきたのだった。深緑色に、戻していない乾燥わかめのような外見になった高菜と、見た目はまるで同じ風の"茶色いフライ"状になっている筍と椎茸、チキン。
「なにこれ〜?」
と、選択を誤っちゃったかしら私たち?と、だんなと目配せしたのだけれど、それは杞憂に終わったとっても美味しい料理だった。
 
椎茸も筍も味が濃厚で、見た目はそう変わらない風なのに「あ、これ椎茸だ」「こっち筍だったよ」と食べていてちょっと楽しくなる感じ。サクサクに揚がった高菜はちょっと強めの塩気がついていて、ビールにたまらなく似合う風味になっていた。あらやだ、これとっても美味しいわ、と、あっさりとお皿は空に。
 
そして目の前に恭しく北京ダックがやってきて、2枚の皿にざっくざっくと肉つきの皮を切り分けてくれた。余るほどのクレープ状の生地と、小皿にたっぷりの海鮮醤。「どうやって食べるの?」と息子がおっかなびっくり巻いているのを背後で心配そうに見ていて店員さんが、「これもかけるのよ」とばかりに、上からだばだ〜と海鮮醤を乗せてくれた。全体的にものすごく無造作なのだけれど、マメにテーブルを見てくれていて、テーブルにこぼれようが料理にちょびっとかかろうが気にしない感じで、お茶やらビールやらをだばだばだ〜と注いでくれる。9年前に来た時もこんなだったから、きっと何十年もこんな感じなんだな。
 
やっぱり北京ダックは肉がついている方が幸せだよねと改めて思いつつ、ダックは綺麗になくなった。昼に続いて、この店もJCBカードの支払いで特典があるのだそう。デザート無料ということで出てきたのは、あんこ巻きクレープみたいなものだった。アツアツでこんがり焼き色がついていて、皮はほのかにサクサクとクリスピー。巻かれているのは小豆のこしあん。
 
これで「けっこうお腹一杯」が「すっかりお腹一杯」になってしまって、
「でも甘いもの別腹だし……どっかで甘いもの食べて帰る?」
と言ったら、皆に「何を言っているの貴女は」という顔をされてしまった。
 
いやね、だってね、糖朝はめでたく行けたけど、私まだ滿記も杏花樓も義順も行ってないのよ。大変な事なのよ、もうすぐ帰国だというのに。

7月23日 金曜日
「福臨門」の蝦餃。さすがだなぁ……の美味しさでした
ホテル内「The Lobby」にて
 窩蛋伴火腿沙巴翁汁配英式烘餅 HK$105

今日も起床は5時になるかならないかの頃(日本時間だと6時になるかならないかの頃だから気にしなーい)。
 
さすがに息子もお疲れの様子で、今日は朝プールに行けそうな時間に起きてきたものの、「プールは……今日はいいやー」とベッドでごろごろしていた。
 
3泊連続で「The Verandah」の朝食ブッフェに行っていた母と息子もそろそろ飽きてきた様子で、
「なんか、別のが食べたいわー」
「僕、オムレツとか食べたい」
などと言っている。
 
だったら、まだ行っていない、「The Lobby」の朝御飯に行ってみる?セットメニューになるけど、と、今日は4人で1階ロビーで朝御飯をいただいてみることにした。
 
アフタヌーンティーの時間帯は行列で満席で賑やかで大変賑やかな雰囲気だけれど、朝と晩は本当に静かな、ちょっと張りつめた空気さえ感じるロビー。パンと卵料理とコーヒーと……なんていうセットメニューしかないのかしらと思っていたけれど、アラカルトメニューも充実。味噌味の「Soba」なんかも載っていた。
 
セットも良いな美味しそうだなと思いつつ、アラカルトメニューに「Eggs Benedict」があったので私とだんなはそれを注文。
 
アメリカ発祥の朝御飯メニューで、横半分にカットしてトーストしたイングリッシュマフィンの上にポーチドエッグそれぞれ乗せて、オランデーズソース(卵黄とバターがベースでレモン汁やビネガーを加えた、こってりとろりとして少し酸味のあるソース)をかけたもの。やたら酸っぱいソースがあったり、「なんか、全体的にぐじゃぐじゃ……」な感じのものができてしまったり、パンはサクッと、卵はトロリとという加減がなかなか難しそうな料理だ。少なくとも、ポーチドエッグが綺麗に作れない私にはこれを作れる自信が全くない。
 
母は「半島早餐(Traditional Peninsula Breakfast)」HK$250。フレッシュジュースかフルーツの盛り合わせ、シリアル、卵料理かフレンチトースト、自家製の盛り合わせにコーヒー紅茶、というものを、息子はチーズとハム入りのオムレツと英国式風トーストを。
 
8枚切りより更に薄いくらいの耳なしのパンをこんがり焼いて、紙ナプキン立てのようなレター立てのような専用スタンドに立てられたトーストにちょっと感動。フランスパン生地の、断面が大きなパンをたっぷり2切れ焼いたフレンチトーストも、そして私たちのエッグスベネディクトも、なんとも上品な出で立ちだった。
 
静かなロビーで濃いめに淹れた紅茶を飲み飲み、「フレンチトーストなのにパンもついてきたら食べきれないわ」という母からレーズンロールを1個貰ったりしながら、ちょっとのんびり朝御飯。
 
7時頃はけっこうな土砂降りだった雨は、食べ終わる頃には雲も高い位置になり天候も落ち着いてきた様子だった。今日は香港島散策できるかなー。

灣仔 「福臨門魚翅海鮮酒家」にて
 魚翅灌湯餃 3×HK$120
 筍尖鮮蝦餃 2×HK$55
 鼓汁蒸排骨 HK$55
 蚧皇蒸燒賣 HK$50
 雞絲蝦春巻 HK$40
 家郷咸水角 HK$50
 福建炒飯 HK$190
 酥皮蛋撻仔 2×HK$40
 鮮奶椰汁糕 HK$40
 香芒凍布甸 2×HK$50

天候は落ち着いたようで、結局今日は一日、一度も傘が必要にはならなかった。ちょっと風が強くて曇天続きだったけれど、むしろ気温が低めで(最高気温は31度くらい)、日差しもなく歩きやすかったくらい。
 
まずは地下鉄で「金鐘」へ移動して、香港公園内の「茶具文物館」へ。ちらっと併設のギフトショップ(売られている茶葉などは、昨日訪れた佐敦のお茶屋さん「雙魚茶館」と同じもの)と、樂茶軒」も覗いてきた。中国茶用のシンプルな茶こしが可愛かったので、台と共に購入、計HK$58。
 
トラムに乗って「銅鑼灣」に向かい、またまたお茶屋さん「三思堂」へ。細い細いビルの21階にある小さなお茶屋さんで、オーガニックの"青茶"の普洱を購入。通常プーアル茶は「黒茶」に分類されるけれど、こちらは自然に(?)発酵させているものなのだとか。1枚HK$15というお手ごろ価格だった陶器製のオリジナル茶托も買ってみた。だんなはだんなで有機紅玉觀音茶を買ったり、空気を抜いて保存できるお茶缶を買ったり。
 
手持ちの携帯電話で予約を入れつつお昼にと向かったのは(またトラムに乗った)、福臨門魚翅海鮮酒家の本店。
 
トラディッショナルな中華料理を好む母も同行していることだし、福臨門には連れて行ってあげたいなと思っていた。さすがにディナータイムに訪れる勇気(というかお金)はなく、気軽に点心を楽しめるランチに。
 
海老蒸し餃子に、蟹子入りの焼売、そしてフカヒレ入りスープ餃子。揚げ物点心から春巻と咸水角もいただきつつ、シメに福建炒飯、デザートに蛋撻やマンゴプリン、と、ひととおり楽しんできた。点心だから比較的お手頃価格とはいえ、やっぱり高級ホテルのダイニング並かそれ以上という感じの値段設定だ。
 
でも、大ぶりの海老がプリップリと惜しみなく入った蝦餃は素晴らしかったし(あまりに美味しくてお代わりを所望……)、これまた海老盛りだくさんのサクサクの春巻き、「隙のない」風に作られた上品な咸水角などは「さすが」という感じ。母は苦手かもしれないけれど、でも私たちがこの料理好きなのよねと頼んでしまった豆鼓蒸し排骨は、にんにくの香りも若干控えめな食べやすいもので、「あらーこれ美味しいわね、とても良いわ」と母が喜んでいた。
 
スープ餃子は、フカヒレ云々よりも(ぶっちゃけ、「燕の巣」に続いてフカヒレの美味しさも今ひとつわかっていない私……)、色々な旨味が凝縮したスープの味に感動。蟹肉もたっぷり詰まった餃子で、さすがのリッチな味だった。
 
作るのに時間がかかる旨注意書きがあった蛋撻は、温かいものがやってきた(3つでHK$40……150円くらい、なかなか強気のお値段)。
他のホテルなどでは「私たち4人だから、3個セットだけど4つにしてくれる?」なんてお願いすると「Certainly」(もちろんですとも)って感じで持ってきてくれるのに、ここ福臨門はそういう融通がきかなくて、だから蛋撻の注文は2皿(6個)にした。私とだんなが2個の蛋撻をもぐもぐ食べる。
 
母は立方体のが3つ、どどんと盛られたココナッツプリンを、私はいつものマンゴープリン、だんなと息子は2人で1つのマンゴープリンを最後にいただく。
 
ガラスのボウルに固められたプリンは、とてもシンプルな外見。
エバミルクはなく(エバミルクをつけないお店、9年前より断然増えた)、表面に濃度のあるマンゴージュース(ピュレというほどの濃さでもない)がかけられている感じ。果肉ごろごろで濃厚で、ミルク感は控えめだからマンゴージュースを囓っているような印象のプリンだった。こういうのも美味しいなぁ。
 
午後は「ガラクタ市に行くよー」と地下鉄数駅乗って「上環」へ。
 
キャットストリートを散策して、ターコイズのブレスレット2つとペンダントヘッド(まとめて値切ってHK$200)を買ったり、行列のできる蛋撻屋さん「泰昌餅家」で蛋撻(1個HK$5!安!)を買ってみたり。
 
トイレ休憩と水分補給にと、通りかかった「杏花樓」でひとやすみ、私は「楊枝甘露」HK$27を食べたりした。マンゴー+柑橘(ポメロ)+ ココナッツという組み合わせの妙が楽しめる楊枝甘露、滞在中に食べたいなと思っていたので良い機会だった。ほろ苦酸っぱ甘い、不思議な組み合わせ。
 
今日は午前中からてくてく歩いて(しかも上環あたりは坂だらけだし)すっかりお疲れ。中環駅前の「上海灘」をちらりと覗いて尖沙咀に戻るも、
「私!一人で化粧品とか見ていくから皆さん先に帰ってて!」
とやる気十分なわたくし。
 
あとクッキーも見ていくから!と言うと、もう疲れてヘロヘロのはずの母が「私も化粧品とクッキー見る〜」と乗ってきて、結局2人で、1時間ほどのお買い物タイムを続行。北上して「雅施化粧品中心」という化粧品屋さんで試供品サイズのナイトリペア(エスティーローダー)とかターンアラウンドコンセントレート(クリニーク)とか買い込んで、店員さんの口車に2人で乗ってしまってスイスメーカー(SwissBorn)のパックとかBBクリームをアホみたいに買ってしまった。ん、でも、安いかも。
 
あとは重慶大厦の3階にある「Jenny Bakery」でクッキー缶買って(ちょっと驚くような場所にあって、驚くような販売方法だった……)、うっかりさまよい歩いた重慶大厦内のそのフロアでネイル屋さんみつけてOPIネイルを3本衝動買い(1本HK$100……あら安いわ〜)。あとこれを忘れちゃダメ!と、ペニンシュラブティックでXO醤(HK$290)を1瓶買って、やっと部屋に帰還した。
 
ああ、両手にぶら下がるこの買い物袋の重み……シアワセ……。

九龍酒店内「龍逸軒 (Loong Yat Heen)」にて
 BBQ Platter HK$168
 Oyster Port HK$168
 菠蘿咕嚕肉 (Sweet and Sour Pork with Pineapple) HK$108
 Sauteed Veg HK$78
 Shr.Pork Noodlr HK$98
 香芒布甸 (Chilled Mango Pudding) 2×HK$32
 中国茶(普洱) 4×HK$20
 ビール(San Miguel) 4×HK$48

さて、今日の夕飯については、特に考えていなかった私たち。
 
「なんかさ……東坡肉(トンポーロー)みたいなの食べたくない?杭州料理ってジャンルになるから、あんまりお店ないみたいなんだけどさぁ……」
と熱心にネットサーフィンして調べ始めるだんなと、
「ねぇ、私、初日の夜、調子悪くてあんまり食べられなかったじゃない?もう一度最初のお店(=欣圖軒)行って、マンゴープリンとか食べたいんだけど」
と主張する母、
「僕はねぇ、もうあまり歩きたくないし、電車とか乗らないで食べられるところがいいなぁ」
などという息子。私の意見は、割と息子に近かった。なるべく歩かないで、でも不味くはないところー。高級中華は昼に堪能したから、あまり高くない(お洒落しないでも良い)ところー。
 
で、「じゃあ九龍酒店の中華料理屋さん、行ってみる?」ということになった。「九龍酒店」はペニンシュラのすぐ裏手にあるホテル。かつてはペニンシュラの系列店、狭くて安価だけどサービスはペニンシュラ、というホテルだった。
 
地下には「環龍閣」という、シンプルで庶民的な雰囲気の中華料理屋さんがあって、そこのマンゴープリンがこれまたすごく美味しかったのだ。
 
でも、現在は「九龍酒店」はペニンシュラ経営を離れて別のオーナーに譲渡され(ホテル自体の名前は変わらず)、レストランも地階から2階へ、店名も変わってすっかり様変わり。オーナーが変わったんじゃ、当然味も変わってるだろうけど……と、でもネットで調べたこのお店のマンゴープリンは、独特な形状の器(翡翠じゃないけど深緑の石製の、壺のように上部がすぼまった形の容器)をそのまま使っているみたいで、なかなか美味しそうに見えた。
 
ダメでもともと、目の前のお店だし試してみようか?と、「30分後に行くよ」と簡単に予約して、ゆる〜い格好でお出かけ。笑っちゃうほど不味かったら、それもそれで思い出になるでしょうということで、気持ちの方もゆるゆるで。お店の名前は龍逸軒 (Loong Yat Heen)。すぐ隣にはオイスターバーと、朝から夜までブッフェをやっている大きなレストランがあり、ブッフェレストランは団体観光客でそれはもうすごい混雑。中華料理店の方はお店も小さく(円卓が10個くらいしかない)、でも窓際の席は全部埋まっている状態だった。
 
メニューもろくに控えなかったうえにメニューにないものもいくつか注文したから品名がさっぱりだけど、バーベキュー盛り合わせ(チャーシューと鴨かアヒルか、どっちか)と、牡蠣の土鍋蒸しポートワイン風味(本当は牡蠣フライを注文したつもりだったけど、メニューページの同じ場所に掲載されていた土鍋蒸しと間違えられたっぽい。結果オーライな美味しさ)、あとは日本人にお馴染みメニュー「酢豚」。
 
メニューの数はそう多くはなく、スタンダードメニューが1冊(これは日本語併記)と、季節ものメニュー1冊(これは中国語メイン、英語併記)をああでもないこうでもないとだんなと相談してみる。「この人たち、選べないのかしら?」とばかりに、女性スタッフが「ここにコースあるよ」「こっち、冬瓜のスープ。おすすめ。4人分持ってこようか?」などと教えてくれたけど、「そうじゃないんだー」と、好みのものを筆談併記でお願いしたりしてみた。
 
煮物系が多い野菜料理メニューだったので「炒めたものが食べたい」と、「空心菜を、塩とガーリックで炒めてよ、ガーリックは少しで良いんだけど(←母が苦手だから)」とお願い。固焼きそばが大好きな母と息子のために「ディープフライドヌードルが食べたいの。"肉絲"かけて」ともお願い。どちらもお店の人に「合点承知!」とばかりに頷かれ、見事にリクエスト通りのメニューがテーブルに並ぶことになった。
 
私とだんなはともかく、「ごくごくフツーの中華料理」がちょっと恋しくなっていたところだったらしい母と息子は大喜びで、「この固焼きそば美味しい!」「この青菜炒めも美味しいわねー」ととても好評。酢豚も、黒酢ではなくケチャップがちょびっと入った赤いもので、笑っちゃうほど馴染み深い味だった。子供の握りこぶしくらいのサイズがある巨大な岩牡蠣のポートワイン煮は私とだんなしか食べない料理だったけれど、これも中はふっくら、表面は衣をつけて揚げ、サクッとした衣の食感が残るもの。ジュウジュウ音をたてる土鍋に入った牡蠣はシェフズリコメンドのうちの1つだったこともあって、すごく良い感じだった。ボリュームたっぷりのこの牡蠣料理がHK$168(2000円しないくらい)だから、けっこうお手軽価格のお店でもあった。
 
全体的に美味しかったけど、でも、残念ながらマンゴープリンの方は「ああ……やっぱり環龍閣とは違うお店になっちゃったんだなぁ」という感じ。器こそ環龍閣時代のものと同じだったけれど、それだけに、ちょっと固くてちょっと薄い味で……のプリンには「そうじゃないんだよぉ〜違うんだよぉ〜」という気持ちが盛り上がってしまった。けっして不味くはなく、日本で食べれば「普通に美味しい」くらいの味なのだけれど、香港には美味しいマンゴープリンがたくさんありすぎるのよね。
 
「余力があったらワンタン麺でも食べに行く?」と言っていたものの、疲れもあったし「さすがに食べ通し過ぎる」と自重して、部屋に戻った後は昼間に買った蛋撻を囓って終わりにした。
 
アルミの型に入った「泰昌餅家」の蛋撻、おっそろしく美味しくて、深夜23時頃に悶えていた私たち。プリン生地がクシュクシュトロトロ、で、パイ生地部分はクッキーのような口当たりでサックサクなのだ。

7月24日 土曜日
最後の飲茶は「陸羽茶室」にて。揚げ餃子?がすごくツボでした
中環 「陸羽茶室」にて
 点心9品 計HK$288
 お茶 4×HK$22

「朝7時半に最後の食事の予約入れたからね」
と昨日母に伝えたら、
「え?夜じゃなくて?朝?7時半?」
と、すごい顔をされてしまった。飲茶だよと言ったら、その困惑の度合いは更に深まったらしい。いや、だって、飲茶ってむしろ夜にはやっていないんだよ、朝からお昼、午後はせいぜい2時3時くらいまでしか食べられないのが普通なの、と説明しても「でも……朝から餃子食べるの?」と釈然としない顔をしている。
 
それでもホテルの洋食ブッフェにはそろそろ飽きがきているところだったようだし、せっかくの最終日だしということで、皆でぞろぞろ7時にホテルを出て、地下鉄乗って「中環」へ。てくてくと5分ほど歩いたところに、超老舗の「陸羽茶室(Luk Yu Tea House)」がある。これでもかと日本のガイドブックなどでも紹介されているのに相変わらず日本語も英語も今ひとつ通じない、常連客を大事にしている、「観光客が来ちゃってスミマセン」という気分になってしまうお店。でもその排他的な空気を含めてこの何とも言えない雰囲気はたまらなく魅力的で、良い値段がするものの点心の数々は「伝統の味」という風でこれまた魅惑的。
 
給仕はおっちゃん、お客も(常連客はおしなべて)おっちゃん、という、おっちゃんだらけのお店なのだった。若い女性客(いや、若くない女性客も)、子供なんかがやってくるなら、それはほぼ間違いなく私たちみたいな観光客という感じ。
 
今回は2階に案内してもらい、壁際の茶器コーナーからステンレスのポットに入れられたプーアル茶がやってくる。ふるめかしいロゴ入りの食器が並べられ、これまで伺ったいくつかのお店で観察した作法を真似つつ「洗杯」(お茶で茶碗や箸を洗うの)をやってみたり。そうこうしているうちに、階上から駅弁売りみたいな格好でトレイを肩にかけたおばちゃんらが「ハーガゥシュ〜マイ♪」などと料理の名前を歌うように言いながら降りてくるのだった。観光客とみると、抱えたトレイの蓋や蒸籠の蓋を開けて中を確認させてくれる。これくださいとジェスチャーすると、卓上に置かれたスタンプ帳にぺたりと判を押して点心をテーブルに乗せてくれるのだった。
 
今回、ワゴンサービスのスタイルも含めてこういう形の飲茶屋さんには来なかったから、とても新鮮な気分。ついつい、来るもの全部「あ、これもください」「それもください」と言いたくなってしまう。揚げ物は、ちょっと冷めてるのが多いし、お腹も膨れちゃうから避けないと……と思いつつ、つい揚げ餃子とかもらっちゃうのだった。
 
いただいたのは9品、
・浮き粉の皮の蒸し餃子(お肉と香菜?)
・ミートパイ(チャーシューパイではない。ひき肉使った、むしろカレーパイみたいな)
・蟹玉子乗せ焼売
・蝦餃
・野菜の甘酢だれがけ揚げ餃子
・具沢山の大饅頭(角煮や茹で卵が入ってる。超美味しかった〜!)
・揚げ胡麻団子(4人で食べるとわかるなり、2個盛られたそれをハサミで半分に切ってくれた)
・蛋撻(陸羽に甘いものはないと思っていたのに、まさかの蛋撻。これまた絶品!)
・蟹卵乗せ焼売(美味しかったのでもう1回)
という感じで。
 
大饅頭は、13年前に友人と初めて香港に訪れた時に口にした思い出の味。鶏肉に豚肉に角煮に野菜に玉子に、と、とにかく具沢山でたいそうなボリューム。ちぎりつつ皆で分けていただいた。……もう1個頼んで、お土産に包んでもらえば良かったかなぁ。(で、最後に空港とかで食べるの)
 
ささっと済ませた朝食だったのでまだ時刻は8時を過ぎたばかり。ホテルに戻らなきゃいけない時間までまだ余裕があるねと、ちょっとばかり坂をのぼって、昨日訪れた蛋撻屋さん「泰昌餅家」にもう一度。朝7時半からやっているこのお店、今朝も店頭には既にお客さんが訪れていて、中国本土からやってきたらしい観光客の彼らは2箱3箱と盛大に蛋撻を包んで貰っているところだった。次々焼き上がる蛋撻を待って、私たちもお土産にいくつか購入。
 
ステンレス製のタルト型で焼かれた蛋撻はまだアツアツで、それをお店のおばちゃんが手際よくぽいぽい型を下に落としながらアルミの型に入れ替えていくのだった。

空港内 「恒香桟」にて
 海南雞飯套餐 HK$78

ホテルに戻って9時、数十分時間をつぶしてから、向かいのシェラトンホテル内のショッピングモールにある「Milano」のオーダー靴を受け取りに行った。水曜に頼んで土曜の朝に間に合ったよ!と驚きつつ履かせてもらうと、あつらえたように(いや、あつらえたんでした)ぴったり。9月には新宿ヒルトンホテルで受注会やるのだそうだ。
 
日本語が達者なおねぇさんが
「雑誌のキリヌキとか、持ってきて、言ってくれたら、そのトオりに作るからネー」
バッグもあるよ、靴の型はとっておくからメールでも注文できるヨー、と、その日本のイベントのチラシを一緒に入れてくれた。
 
チェックアウトまで、あと数時間。
 
息子は最後のプールを堪能するべくだんなと一緒にスパに行っていたので、私も靴を受け取ってから合流して最後の水泳。今日がラストデーなんだよ、と、馴染みになったスパの受付のおねぇさんにしょんぼり顔で伝えると「あらまぁー残念ー」みたいな事を返してくれて「最後までエンジョイしてね」とにっこり。
 
この、たまらなく快適なスパとプールが使い放題だったのは本当に嬉しかった。いつ行っても誰も入っていない、あったかいジャグジーも「お風呂だー!」という感じだったし、ふかふかの大判タオルも使い放題。いつ使っても「シャワー室の床がびしょびしょ」とか「誰かの髪の毛が洗面台に散らばってる」なんてことは絶対になくて、常に「あなただけのために用意しました」みたいな感じで化粧品やブラシが並べられているのだった。ああ、幸せだったなぁ。
 
チェックアウトは12時で、3時過ぎの飛行機に乗るにはそのくらいのタイミングで空港に向かい始めなければいけない感じ。町中で昼食を摂る時間的余裕はちょっとなさそうで、
「だから、空港でワンタン麺食べない?」
というだんな(=ローカル麺料理好き)と、
「せっかくだから、最後にホテルでサンドイッチでも食べていかない?」
という母(=洋食好き)の意見がぶつかり合う。
 
でも、どのみちホテルで食事ができる余裕はなかったので、「じゃあテイクアウトでサンドイッチ1つ頼みましょう」とルームサービスに電話してみた。
 
「半島烘七穀包公司三文治配生菜、番茄、雞肉、火腿、煙肉及香草煎蛋伴炸辣薯角」
Traditional Peninsula Club with lettuce, tomatoes, slow-cooked chicken, shaved bone ham, bacon and herb-fried egg, served on toasted seven-grain bread with chilli chips
はHK$170。to go したいの、包んでお部屋に持ってきてね、とお願いして数十分後、紙袋に恭しく納められたクラブハウスサンドがやってきた。プラスチックのケースに綺麗に収納され、もう1つ別のパックにはホテルメイドらしきポテトチップスもついてくる。プラスチックのお皿とカトラリーなども用意され、とても幸せな包みが手に入った。
 
それを持ってエアポートエクスプレス用の無料バスに乗り込んで、九龍駅から空港まで数十分。復路もオンラインチェックインを済ませていたのでスムーズに手続きを終えることができ(何より、エアポートエクスプレスに乗るときに大きな荷物は全て預けられるから本当にらくちん)、空港に到着して「さて、まだ2時間くらい余裕があるぞー」ということになった。
 
空港には、有名チェーン甘味屋さん「許留山」もあるし、ちょっと離れたターミナルには「杏花樓」もある。「ここ、化学調味料を使ってないのがウリの、ワンタン麺とか食べられるお店だよー」と、ここ行ってみない?とだんなが提案して、「恒香桟」に入った。幸いなことに洋食系メニューも豊富で、サンドイッチなども揃っている。
 
母はフルーツサラダとミルクティー、だんなはワンタン麺、息子は醤油ラーメン、と、各自それぞれ。私は卓上のポップ札にムラムラしてきてしまって、「海南雞飯套餐」を頼んでしまった。シンガポールチキンライス海南飯、「配 香噴噴油飯、老火例湯 送 香滑紅豆冰」とある。
 
鶏スープに鶏スープで炊いた御飯に、酢漬けの野菜に蒸し鶏、ソースは2種類生姜ベースとチリベース。送(Free)と書かれていた「香滑紅豆冰」とは、粒あん入りのコンデンスミルクジュースの事だった。グラスに入った飲み物がやってきて「なんじゃこりゃ?頼んでないよ?」とよくよくみればセットとのこと。練乳の味がするジュース(というより、水に練乳溶きました、みたいなもの)の底に粒あんが沈んでいて、要するに「小倉ミルク氷」が溶けた味なのだった。やたらと馴染み深い味で苦笑いしつつ、息子が手をのばしては「うま!なにこれ!」とか言いながら飲みまくっていた。
 
最後の最後に、手元に残った香港ドルで「奇華餅家」のパイナップルケーキを自宅用にお買いあげ。町中歩いていて「いつか買おう」と思いつつ忘れていたのよね。2時半頃、予定より少し早く搭乗開始、でもちょうどその頃降り始めた豪雨の影響で出発に遅れが出たらしく、30分ほど遅れての離陸になった。

キャセイパシフィックの機内食
 チキンのすき焼き煮風
 パンとバター
 フルーツ(ドラゴンフルーツ、メロン、スイカ、緑のリンゴ)
 チョコレートバー
 アップルジュース、白ワイン

日本時間夕方6時頃に供された機内食は、チキンのすき焼き風煮かビーフカレーかの二択。ビーフカレーの注文が多いらしく、「ビーフの場合は少々お時間いただきますが……」と言いながら乗務員さんがギャレーと客席をせっせと往復しまくっていた。息子は「カレーだぁ!」とカレーを選択した挙げ句、「思ったより辛い……けっこう辛かった……」とちょっと涙目。
 
私はむしろ醤油味のものの方が恋しくてチキンを選択して、「サラダとかがついてないのは短い距離の路線だからかなー?」と思いながら、案外軽めなボリュームの夕飯を平らげた。
 
予定通りの着陸だったらタイミングよく総武線快速に乗って帰れたはずだけれど、到着が遅れたこともあって数分の差で1時間に1本の快速を逃す羽目に。「千葉に住んでるのになかなか帰れナーイ……」とぼやきながら(京成も通ってるけど我が家からは微妙に不便で……)出発ロビーのスターバックスで数十分の時間つぶし。無事家に到着できたのは11時を回った頃だった。
 
キャットシッターさんに頼んでいたから大丈夫……と思いきや、帰ってみるとなぜかかすみさんの姿がない。りゃんりゃんの方は私の母の声を聞いて「知らない奴がいるーいるぞー」とばかりにベッドの下で脅えた声を出しながら、「巨大な何かがあるー!」とスーツケースに不審気な目線をくれつつ出てきたけれど、かすみさんの方は影も形もさっぱり。
 
閉めておいたはずの浴室の網戸が少し開いていたところをみると(で、窓辺に置いてあった浴室小物類が下に落ちていた)、浴室の窓から脱走しちゃったのかな。もちろん網戸の前にあるガラス窓もちゃんと閉めて鍵かけて出かけたけれど、その窓には小さな換気窓がついていて、小柄なかすみさんならぎりぎり通れるだろうサイズ。
 
かすみさん、浴室換気窓にジャンプ
→通り抜け成功なるも、窓と網戸の隙間に挟まる態勢に
→通行人がみつけて、網戸を外からずらしてやる、もしくはかすみさん自力で網戸を動かす
→脱走成功
という流れかなぁなんてだんなと相談しあい、でも家の近辺からは声も姿も確認できなかったので、とりあえず様子見。彼女の事だからお腹が空いて、この家に人間の気配が戻ってきたことがわかれば帰ってくると思うのよね……。ペットシッターさんの報告から、23日までの御飯の減り具合は「2匹いた状態」だと思われるから、脱走は昨日一昨日あたりの出来事のはず。
 
「……で、君は脱走しなかったんだ?」
とりゃんりゃんに問えば、荷物を出したばかりのスーツケースに寝そべって
「この!この巨大な荷物入れに!何を詰めてどこまで行ってきた!?」
と、プリプリ怒っていた。声が涸れるまでひとしきり鳴いて不平不満を訴え続けた挙げ句、「ま、このくらいで許してやるにゃ」とばかりに夜は私の脇腹にべったり貼り付いて寝ていたのだった。長いこと留守にしちゃってホントスミマセン……。

7月25日 日曜日
このクッキーがウマーだったのでした
チャーシューパイとチキンパイ
アイスウーロン茶

日本に帰ったは良いけど、姿が見えないかすみちゃん。
 
りゃんりゃんの方は「不在の件については許してやる。だから甘えさせろ」と言わんばかりにゴロゴロニャンニャン、ベッタベタに甘えまくりで私の脇腹にひっついている。
「……君が本気で鳴いたら、かすみちゃん心配して帰ってくるよ?本気でお母さん探してよー」
と訴えても「しりませーん」という顔をしている。
 
つい心配で早起きしてしまうも、この季節だと6時頃にはとうに明るくなって(しかも蒸し暑くなって)いて、かすみちゃんの姿は見えなかった。うーん、どこ行っちゃったのかなぁ。
 
朝御飯は、チャーシューパイとチキンパイ。オーブンで温めて、適当に皆でわけつつ軽くつまんだ。サクサクホロホロのクッキー的な食感の生地がとても良い感じ。

「泰昌餅家」の蛋撻
「Jenny Bakery」のクッキー
アイスカフェオレ

今日は一日洗濯。とにかく洗濯。当初は「ホテル滞在中の中日あたりに、ホテルのランドリー頼んで洋服洗っちゃわない?」などと言っていたのだけれど、天気が悪くてそれほどには汗みどろにならなかった(というかホテルから出ずにプールで楽しんだりしていてそもそも洋服着ていなかった)時間がけっこう多くてランドリーは1回も使わず。
代わりに洗濯物の量は大変な事になってしまい、洗濯機と衣類乾燥機をそれぞれ3回回す羽目になった。
 
それにしても千葉、熱い。「暑い」じゃなくて「熱い」。猫もいるしと空調つけっぱなしで家を空けていたにも関わらず、(我が家のエアコンがポンコツということもあるけど)室温は普通に30℃近くあり、今日はそこから一向に室温が下がらない。日差しがある分、香港よりむしろ暑く感じるくらい。
 
「話には聞いてたけど……」
「こりゃ暑いわ……」
と、「今日はお寿司を食べに行こう」ということになっていたのに、外に出られる気がしない。お寿司は日が傾いてから行くことにしましょう、でもお腹も空くからちょっと何かつまみましょう、ということで、昨日はるばる「泰昌餅家」から持ち帰ってきた蛋撻をつまんだ。ついでにと「Jenny Bakery」のクッキーも出してみる。
 
話によると、「これはジェルである」という扱いを受けて機内持ち込みを断られることもあるという蛋撻。全然知らずに「これ、崩れやすいから大事に持って帰らなきゃ」とばかりに、手荷物用のミニカートに入れて持って帰ってきてしまった。めでたく没収されることもなく、美味しい蛋撻は帰宅するなり冷蔵庫に。
 
焼きたてはふっくらと中央も盛り上がっていた蛋撻は、冷蔵庫に一晩入れたら中央部分がすっかり陥没。でも冷たくプルプルしたプリン部分の美味しさは冷たくしてもまた格別で、皮部分は変わらずサックサクのままだった。うーんやっぱり美味しいな。すごく美味しいな。
 
「こっちもうまいよー?」
と息子がパリポリ食べていたのはJenny〜のクッキー。
 
見本品もなし、ショーケースには何もなし、という状況で(夕方遅めの時間帯だったから、かもしれないけども)売られていて「本当に大丈夫かなぁ……美味しい店なのかしら」と訝しがりながら買ってきたクッキーは無造作に4種のクッキーが丸缶に納められていた。スーツケースに入れてしまったので、砕けるほどではないけれど、細かなクッキー屑が散ってしまっている状態。ちゃんと手荷物にすれば良かったな……。
 
ショートブレッド、バタークッキー、コーヒークッキー、オートミールレーズンクッキーはそれぞれ「なんとなくコーヒー」「なんとなくレーズン」みたいな曖昧な違いではなくて、くっきりはっきり違う味なのが好ましい。どれも口に入れるとサクサク崩れていく絶妙な食感で、確かにこれは美味しかった。1缶HK$60という値段のお手頃さ(とシーズン毎に変わるらしい缶の可愛さ)がまた良いのだろうなー。

「銚子丸」にて
 まぐろ一座
 生クジラ握り
 イワシ握り
 ブリ握り
 サンマ握り
 金目鯛握り
 ネギトロ手巻き
 ブリュレ
 生ビール、冷酒
などなど。

おやつにあれこれつまんだとはいえ、4時近くなってすっかり空腹。この半端な時間帯ならそう混雑もしていないだろうし、と、「我が家でお寿司と言えばここ」の「銚子丸」に行ってきた。なんと、こんな時間でも店内は満席に近く、食べている間に入店待ちのお客さんが並び始めるほど。
 
ちょうど「本まぐろ祭」という魅惑的なフェアをやっているところだし、こう暑いとお寿司みたいなものが恋しくもなるよねぇ、と、マグロを存分に楽しんできた。母はいきなり「大トロください」と初手から飛ばしている。
 
1皿980円の「まぐろ一座」は、大トロ、中トロ、上赤身、上赤身の炙り、トロ沢庵巻きの盛り合わせ。
日替わりのお勧めはイワシにブリにキンメにサンマ、それに「生クジラ」と好みなものばかりで、いつも以上にレーンから皿を取らずに「すみませぇん」と声をかけて握ってもらうばかりの食事になってしまった。
 
ついに今シーズンのサンマ漁が先日解禁になったということで、でもまだ家の食卓に出せる価格でもないし(こう暑い時にサンマの塩焼きを食べたいかというとまた微妙なところだし)、口にするのはこのお寿司が初めて。イワシもサンマもトロリと脂が乗っていて、青魚ならではの艶と匂いを堪能した。やっぱりサンマは美味しいわぁ。
 
ビール飲んだら日本酒にしましょう、と、お酒もつい重ねてしまって、でも食後にきっちりデザートも。
アメリカンチェリーを息子と一緒にパクパク食べていた母、
「コーヒーゼリーもあるの?私コーヒーゼリーも食べたい」
と。
「ブリュレもあるんだよクレームブリュレ。食べたいけど私はもうお腹一杯だしなぁ……」
「あらブリュレいいじゃない食べなさいよ」
「だから私お腹一杯なんだってー」
「私が一口食べたいもの。だから注文しなさい」
命令形で来たよーと苦笑いしながら、そういう仰せであればとブリュレをもらった。ねちねちもちもちした、やけにみっちりと重い食感のブリュレで、でも変に薄いとか香料臭いということもない、美味しいもの。
 
銚子丸はデザートも美味しいのが多いのが良いよねーと息子の方を見ると、今日の息子はマグロの赤身や玉子を堪能しつつも、蕎麦もらったり唐揚げもらったりと「回転寿司ならではメニュー」を思う存分楽しんだ後だった。息子は「お寿司屋さんが好き!」と言うけれど、それは「"いわゆるお寿司屋さん"が好き!」という意味じゃなくて、「銚子丸が好き!」という意味なのだろうなぁ、と思う。回っていないお寿司屋さんに行きたいと思いつつ、今日もついつい銚子丸。