食欲魔人日記 07年10月 第3週
10月15日 月曜日
麻婆豆腐が食べたいねということで
イナダと甘海老のお刺身
しらす乗せ御飯
甘海老の味噌汁
麦茶

昨日一人でお出かけしていた母、帰りにはJohanのパンを買って帰ってきてくれた。久しく食べていなかった、でも好物のチョコブレッドも袋に入っている。

でもなんだか今日は和食な朝御飯な気分、味噌汁もあるし……と、昨夜の刺身の残りを冷蔵庫から出しつつ、釜揚げしらす乗せ御飯を堪能した。真っ白でふくふくで、ほのかに塩気があるけれどその塩気でしらすと御飯の甘さが引き立つような絶妙の塩梅で、やっぱりこのしらすはものすごく美味しい。だんなが昨夜、丹念にあくを取りつつ作ってくれた甘海老の頭の味噌汁もやっぱり美味しい。

今日は仕事でおでかけだ。

レタスのサラダ テリーヌ添え
もやしのナムル
「聘珍樓」の小龍包
だんな特製麻婆豆腐
羽釜御飯
ビール(プレミアムモルツ・クラシックラガー)

「à la campagne」のバナナタルト
カフェオレ

昼過ぎに、新宿某所で仕事の打ち合わせ。せっかく新宿まで来たしと、千葉界隈では売られていないケーキ屋さんのケーキでも買って帰ろうと、à la campagneというお店のタルト数個を買って帰った。母にはブルーベリーが乗ったやつ、私はバナナタルト、あとはモンブラン(多分だんなが選ぶ用)、シュークリーム(多分息子が選ぶ用)。バボーンと大きなバナナタルトに心惹かれて買ってきたのだけれど、夕食後に食べたそれは見た目のダイナミックさとは裏腹に繊細な味の美味しいタルトだった。

夕飯は、だんなの「麻婆豆腐食べたいなぁ」という願いと、母の「そうそう、小龍包買ってきたわよー」のお土産でジャンルの一致をみて、中華な感じに。
「私、今日は一日家にいるから、食材の買い物とか外出ついでにしてくるわよ」
という母に
「じゃあ、ナムルにするからもやしを」
とお願いしたら、
「もやしだけじゃ恥ずかしいからイヤ」
とのお答え。あ、じゃあ長ねぎもお願いします……と頼んで、野菜を買ってきてもらった。麻婆豆腐の材料は週末のうちに揃えてある。

昨夜の残りのテリーヌもわずかばかりあったので、それは一口大にカットしてサラダに添えた。1切れ全てを食べきるにはちょっと重たい感じだったテリーヌも、一口サイズにすると減りが早い。
「田舎風テリーヌ、これ美味しいよね」
「フォアグラのテリーヌとかより田舎風が美味しいよね……これ、一番安かった気がするけど……」
とか言いながらもぐもぐ。

麻婆豆腐だったら俺が作るよと、帰宅してからだんながささっと作ってくれた麻婆豆腐は、母の嗜好に合わせてオイスターソース抜き、唐辛子や豆板醤は抜きの、辛さの全くない味噌味噌(そして肉肉)した麻婆豆腐。だんなの作る麻婆豆腐は息子も大好物で、
「わ!麻婆豆腐だ!……じゃあ今日はこれを御飯にかけて食べよう〜♪」
と、初手から麻婆豆腐を御飯にかけて食べていた。

麻婆豆腐、つい最近友人から中国土産にいただいた、本場四川のおっそろしく辛そうな感じの合わせ調味料がある。ビールに合いそうだなぁ、美味しそうだなぁと思いつつ、とりあえず母が帰郷して息子に別のおかずを用意する算段を整えてから作らなきゃいけないぞこれは、と思っている。寒い日に辛いもの食べると体があったまって良いのよね。あまり食べる機会がないけど、キムチ鍋なんかもけっこう好き。

10月16日 火曜日
母とラーメン
クリームパン
アイスカフェオレ

「……ありゃ、クリームパン残ってる……」
母が買ってきたもの(そして母はクリームパンは食べないから、おそらく私たち用に買ってきてくれたもの)だと思うけど、昨日買ったものじゃなさそうだから……一昨日?と思いつつ、じゃあ誰よりも頑健な胃袋を持つ私が食べちゃいましょうということで、私が食べた。だんなは、あれでどうして胃腸が繊細だ。息子に何かあっても可哀想だしと、意を決して食べてみたけどちゃんと大丈夫なクリームパンでちゃんと美味しかったしお腹も痛くならなかった。良かった良かった。

今日は一日、仕事の山と格闘。昨日の打ち合わせで内容を詰めてきたのだけれど、作業しなければいけないものは文字通り「山」になっていて、とりあえず一日このくらいとノルマを決めてこつこつやっていくことにした。スケジュール管理なんて、学生時代のテスト勉強以来かもしれない……。

稲毛 「一's」にて
 香味らーめん \700
 味付け玉子 \100
 杏仁豆腐 \100

とりあえず午前のノルマ終了!と、「家出られるよー」と母に声をかけ、ラーメンを食べに行くことにした。今日はやけに肌寒くて、2人一致で
「ラーメン?」
「うん、ラーメンだね」
と、駅近くのお店に向かってみる。

あまり個性的な感じはないものの、安心して食べられるあっさり味のとんこつラーメンや醤油ラーメンなんかもあるお店……ということで目指したお店は、いつの間にか「毎週火曜日は、夕方5時からの営業とさせていただきます」ということになっていた。

店頭にそう貼られた貼り紙を見て、
「あららー」
と呟く私たちの背後で
「ありゃりゃー」
と呟いている作業着姿のおっちゃん2人組の姿もあって、どうやら火曜日のランチ営業を取りやめたのはそう昔の事じゃないらしい。あと、母が嫌いじゃなさそうなラーメン屋さんはと考えて、そこから遠くないところにある一'sというお店に向かうことにした。以前家族で一度だけ来たことがある。

私は、前回も食べた「香味らーめん」なるものを。にんにくと玉ねぎ、海老と鰹節を揚げたものを醤油ラーメンのスープにトッピングした、素敵に香ばしいラーメンだ。太麺もリクエストできるけれど、何も言わなければ縮れのない細麺で供される。麺の量はやや少なめ。

母は青じそを刻んだものがトッピングされる塩ラーメンにして、バターとコーンを乗せてもらっていた。どちらもチャーシューが1枚、あとは刻んだ長ねぎ、万能葱が乗るくらいのシンプルな内容で、私は玉子を添えてもらった。そうそう、このお店、すじ肉とこんにゃくを煮たのがけっこう美味しかったような……と思い出しつつ、でも今日は頼まないことに。焼酎や梅酒の品揃えも豊富だ。

ベースとなるスープの味はかなりあっさり味で、すごく印象に残るという風ではないのだけれど、でもポリシーのある、がんばってる味というのが感じられるラーメンで私はこのお店がけっこう好き。久しぶりに食べに来て、ああやっぱり好きかもと思った。
ランチタイムで行列になることはなかったものの、常にお客さんが続々とやってくる状態。最後に1つたったの100円のデザート、杏仁豆腐を母と1個ずつ注文して平らげてきた。100円なのにけっこうしっかりとした分量で、これまた満足。

「しゃぶしゃぶ どん亭」にて
 しゃぶしゃぶおかわり自由コース(極上牛ロース)
 生ビール(ジョッキ)
 シークワーサーサワー

「しゃぶしゃぶねー、しゃぶしゃぶも食べておかなきゃねー」
と母が先日から言っていて、だんなも「おお、しゃぶしゃぶいいなー」とか言っていたのである。じゃあ今日行く?だったら夕飯の支度しなくて済むから私も楽なんだけど、と提案したら、誰も反対する者はいなかった。仕事帰りのだんなと駅で待ち合わせて、向かったのは食べ放題のお店どん亭

ポン酢や胡麻だれの味がけっこう好みで、薬味などもちゃんとお代わりを持ってきてくれるのが嬉しいお店だ。安めのコースは牛肉が見事な赤身なのだけれど、その赤身っぷりが、逆に胃にいくらでも入るような感じで悪くない。今日は「いいめのお肉食べちゃいましょ!」ということで、食べたことのない”極上牛ロース”の食べ放題コースと相成った。非食べ放題のセットメニューで2,180円の極上牛ロース。私とだんなは食べ放題にすると3,980円になるけれど、年齢別に料金が設定されていて、息子と母は食べ放題で2,880円。母と息子は、ほんの色をつけた程度の値段で食べ放題になっちゃうのだった。

「あらぁ……私も安いのね」
「舐められてますよ、お母様」
「この年齢の人はそう食べないって思われてるんでしょうね」
「あらぁ、そう、安いの」

私も舐められたものね、という感じで、母も値段に負けじとよく食べていた。極上牛ロースに加え、特選牛ロース、牛ロース、鶏肉、豚ロース、野菜盛り合わせ、御飯、お新香、サラダバーも食べ放題。ビールのアテにサラダは最初の1皿だけもらって食べたけれど、あとはかなり真面目に極上牛ロースばかりを食べていた。味見程度に豚と鶏も2種を1皿に盛ってもらって、それだけつつく。野菜は最初からどどーんと人数分がやってきてしまうので、それは必死になって食べた。白菜、人参、水菜、えのき、豆腐、マロニー、ふっというどんなどなど。

もう少し食べられるかなと思っていたのだけれど、さすがに最近胃がお疲れだったらしい。人数分に来た最初の肉を全員で平らげたのに加え、鶏と豚を盛り合わせで1皿、牛を追加で2皿持ってきてもらってだんなと2人で食べていたらすっかりお腹いっぱいになってしまった。

10月17日 水曜日
これは「酢もつ」
「Johan」のチョコブレッド
カフェオレ

チョコブレッドがまだまだあるな……ということで、今朝はチョコブレッドをスライスして、お供にカフェオレ。まだ冷蔵庫に自家製水出しコーヒーは常備されているけれど、近頃はめっきりホットコーヒーの出番が増えてきた。母が冷たい飲み物はあまり好まないから、尚のこと温かいコーヒー続きだ。

「坐・和民」にて
 酢もつ \299
 玉子と有機野菜の坐和民サラダ \599
 有機野菜の秋グラタン \499
 カニクリームコロッケ \399
 串焼盛合せ \799
 ねぎとろ巻 \499
 クレームブリュレ \399
 杏仁豆腐 2×\299
 ビール・梅酒
あたりをもぐもぐ

母は一人、近くの大型ショッピングモールにお出かけ。私も行こうと思っていたのだけれど、仕事もあるし微妙に風邪気味でもあるしで外出は控えることにした。久しぶりに静かな昼間、仕事もずいぶんはかどった。

夕飯は、だんなが仕事で遅くなりそうだという話だったので、母と息子と3人で外食に。
「私、あそこもう一度行きたいと思ってたの。和民……だっけ?あの、靴脱いで上がるお店」
母が言っていたのは、坐・和民という、小洒落た内装の和民のこと。個室っぽい薄暗い空間がなんだかんだで居心地良く、前回母を連れてきたところ母も気に入ってしまったらしかった。料理は、まぁ……和民だ。

こういう居酒屋みたいなの?いいわよねぇ、やっぱりあっち帰るとこういうお店ないのよ、バイキングのお店もね……と、串焼だグラタンだサラダだと、あれこれ皿を前に並べて嬉しそうだった母。これ「ぼんぢり」ね、美味しいよ、と、串焼盛合せに入っていたぼんぢりを初めて目にしたらしく、興味深そうにつついていた。

好みだったのは、「秋の特撰料理」のひとつだった、「酢もつ」なるもの。茹でた砂肝やハツをポン酢で和えたさっぱりしたおつまみで、ポン酢がかなり甘めなもののようでとんがった酸味がほとんどない。ビールのアテに最高で、箸がずいぶん進んだ。

「あら、デザートにクレームブリュレあるじゃないの、クレームブリュレ」
私頼むから、あんたたちもデザート注文すると良いわと母に言われたのだけれど、私はけっこうお腹いっぱい。息子が杏仁豆腐を選んだので、
「じゃ、じゃあ私、クレームブリュレと杏仁豆腐、一口ずつ貰えればいい……」
と逃げようとしたのだけれど、
「何言ってるの、1人1個食べればいいでしょう」
と母に押し切られてしまって私も杏仁豆腐を1個、最後に食べた。

ああ、だんながこの場に居れば、山のようだったサラダも、1個多かったなと思いながら食べたねぎとろ巻きも綺麗に食べてくれたんだろうなと思いつつ、もうすっかりお腹いっぱい。

……明日のお昼は和食らしいです。

10月18日 木曜日
豪華お弁当を食べて観劇に
「聘珍樓」の海鮮肉まん
アイスプーアル茶

「あんたたち、こういうの朝御飯に食べるんでしょー?」
と、母が買ってきてくれた聘珍樓の肉まん。袋にはでっかく「海鮮肉まん」と書かれていて、肉まんは肉まんでも、魚介があれこれ入ったものであるらしい。かなり巨大な、ずっしりと重い肉まんを15分蒸してから食卓に出した。蒸したらなおのこと重くなった感じが。すごい肉まんだ。

中にはでっかい海老や貝柱。紅ずわい蟹なども入っているのであるらしい。あとは普通の肉まんと同様に豚肉、玉ねぎ、椎茸、筍、くわいなどなど。全体的にざっくりとした具で、とても食べ応えがある肉まんだった。聘珍樓の肉まん、中身はかなり好みな味なのだけれど、皮が少しばかり味気ない(塩気も甘味もほとんど感じない)ことだけが、ほんのりと物足りない。

お供に、アイスプーアル茶をコップにたっぷり。もうすっかり夏は過ぎ去ったけれど、なんとなく習慣になってしまって、冷蔵庫には麦茶と共にアイスプーアル茶もまだまだ常備されている。

竹芝 ホテルインターコンチネンタル東京ベイ内「分とく山」にて
 旬彩弁当 \4,043
 鮑磯焼
 生ビール(グラス)

今日は母と2人、マチネの観劇。せっかく上京した母に芝居の一つでも、と思い、劇団四季のWEST SIDE STORYのチケットを取ってみた。三島由紀夫の「鹿鳴館」とか、新作の「ウィキッド」も上演中なのでそれらも良いかなと思ったのだけれど、多分母の好みはWEST SIDE STORYかなと。以前映画で見たことがあるので筋は知ってるという母、それなりに楽しんでもらえたようで何よりだった。

場所は、竹芝の四季劇場。新橋界隈で昼御飯を食べるもよし、汐留でもよし、と思いつつ、結局ぎりぎりまでゆっくりできる場所が良いねと竹芝でランチということになった。
「そういうことなら、劇場の近くにホテルインターコンチネンタル東京ベイがあるけど」
と告げたら、ホテル大好きな母のこと、「じゃあここにしましょう!」と。和食が良くない?と、ホテルのレストラン案内を眺めた後、「分とく山」に行ってみることになった。

昼から会席というのもねということで、一番お手頃な価格だったお弁当を注文してみた。予約も要らないかなと(もし満席だったらだったで他のレストランの選択肢もあるということもあって)予約の電話も入れずに向かったのだけれど、お店はかなりの混雑。カウンター席は多少空きがあったけれど、海の見えるテーブル席は軒並み予約済みという状況だった。

横長の陶器製二段重の器に詰められたおかずは、ほんの一口ずつながら手の込んだものばかり。二段重の器以外には、鰹のお刺身、赤だしの豆腐の味噌汁、御飯、漬物盛り合わせが盆に乗せられ、そして茶碗蒸し的な容器に入れられた具沢山の澄まし汁が後からやってきた。私には「鮑磯焼」も。

なんでも分とく山は「あわびの磯焼き」なるものが名物なのであるらしい。名物だというのは後で知ったことだったのだけれど、メニューに「鮑磯焼つきお弁当」という項目があって、鮑料金をプラス1500円だか2000円だか払うと食べられるということなのだった。
「あらぁ、由紀ちゃん鮑好きなんでしょ?つけなさいよ」
つけなさいそうしなさい、と母に言われて、私だけ鮑をつけてもらったのだ(つけなさいよと言った母は貝類は好きじゃない……)。

実のところ、お弁当自体は「涙ちょちょぎれるほど何もかも美味しかった」という感じではなかった。鰹のたたきも特にこれという感慨はなく、恭しくやってきた貝と刻み野菜の吸い物もあまり具材の旨味を生かしきれていないスープで、家庭料理の域をさほど出ていないよう(端的に言って「家でも作れる」というような……)にすら思った。

海老の天ぷらに緑や赤の色つき素麺を砕いたものを衣にしていてとても華やかだったり、その後ろの白身魚の天ぷらはあられを衣にしていたりと、とにかく手は込んでいる。でも、茄子の田楽をはじめとして「料理のトッピングに茶色のピュレ状のものを塗っている」という外見のものが複数あったり、せっかく綺麗なのにどこか惜しい、と思うところがちらほらとあったのだった。

偉そうな事を言ったところで、でも母も私も和食というものを食べつけていないという事実が多々あるもので、
「由紀ちゃん、これは何かしら」
「……食感はイカ、だよね。イカだよ、多分」
「このイカのようなものについている黄色のものは何かしら?」
「卵だと思うよ、錦糸卵みたいな味するもん」
じゃあこれはイカのようなものに卵のようなものを添えたものなのね、と合点して食べていたりして、なんともあやふやなのだった。
……いや、でも、やっぱり、あんまり感慨のなかったお弁当なのだった。

それでも、名物なのだという鮑は美味しかった。舐めるように食べ、これに関しては大満足。
一口大にカットされた鮑の身は柔らかく蒸されていて、それが肝のソースで和えられている。鮑の殻を器にして、そのたっぷりの肝ソースと共に鮑を納め、上にチーズと岩海苔を乗せてからオーブン焼きにした……という感じ。

こちらにレシピが載っていたのを帰宅してから見つけたのだけれど、それを見るとチーズのトッピングはスタンダードなものではないようだ。でもそのチーズの存在が不思議と岩海苔と鮑の磯臭さに似合っていて、私はとても好みだった。まろ〜んとした甘苦い肝の味に、日本酒が恋しくなる。

カウンター席で会席を食べていたお客さんのところには土鍋で炊いた御飯がやってきていて、
「そうか、会席だと御飯が土鍋炊きになるのか……」
と少しだけ羨ましくなりつつ、食事のシメはレモンのジュレをかけた洋梨だった。こういうところも、「すごく凝った会席なのに食後の甘味は"切っただけのメロン"」というありがちな悲しさから外れていてとても良い感じだったのだけれど……やっぱり、微妙に消化不良というか欲求不満気味だったお昼御飯なのだった。

カマンベールチーズ
もやしのナムル
ミックスリーフときのこのサラダ
豚肉の生姜焼き 刻みキャベツ
自家製いくら・釜揚げしらす
豆腐とわかめの味噌汁
羽釜御飯
ビール(プレミアムモルツ)

演劇の方はたいそう楽しかった。派手なダンスに登場人物全員常に走ってます的な全編通しての躍動感。

アメリカ版ロミオとジュリエット……というような話だというのは知っていたのだけれど詳しい筋を知らなかったので、あの人が死んだこの人も死んだという展開に今ひとつついていけず、
「え?今、プスッて刺しちゃっただけで死んじゃったの?」
「え、これも、バーンって一発拳銃で撃たれただけで死んじゃったの?」
と少しばかり思ってしまったり。

これが週間少年ジャンプあたりの登場人物だったら「俺がこんなんでやられるかァ!」とか「こんな刃物でオレが倒せるとでも?」なんて余裕で復活してしまうところだけれど、そこは生身の人間なのでどうしようもなかったらしい。結局最後は悲劇という、切ないお話だった。

帰宅は6時を回ろうという頃合いだったけれど、今日は家で食べたい気分だわと、急ぎ帰って味噌汁と御飯の準備をした。買い置きの豚薄切り肉があったので、生姜焼きにして刻みキャベツを添える。地元駅まで戻ってきたところで「明日の朝のパン買って帰るわねー」と母が別れて買い物に走ってくれて、きのこのサラダとミックスリーフを買ってきてくれたのでそれも出した。

冷蔵庫に入っていたありもののあれこれも出したら、食卓はそこそこ華やかに。
「俺、今日の昼は天ぷら屋さんで天ぷらだった」
「私たち、豪華和風お弁当だった」
「僕、骨つきの魚が出たけどがんばって食べてデザートおかわりした!」
各自それぞれ今日は美味しいランチだったようで、その健闘をたたえ合いつつ、豚肉の生姜焼きの売れ行きがとても良かった。息子がもりもり食べている。

生姜焼きなら俺が作ろっか?と、先日の麻婆豆腐に引き続いて今日もだんなが鍋をふるってくれたので、なんだか私は最近全然料理をしていない気分。今日の生姜焼きもこっくり味で美味しかった。

10月19日 金曜日
生まれて初めて食べたんです、トッポギ
バタートースト
アイスカフェオレ

昨日、だんなが天ぷら屋さんの揚げ玉をお土産に持って帰ってきた。ランチに行ったお店でもらってきたのだそうで、いかにも香ばしく美味しそうな揚げ玉だった。

「だから、金曜の俺の朝御飯は、揚げ玉乗せたうどん♪」
と、だんなはジムに向かう前に揚げ玉を乗せたうどんを準備して食べていったらしい。私たちもそうしようかなと思ったのだけれど、意外な事に息子からは
「んー、うどんよりは、バタートーストかなー」
と言われてしまったのだった。ほー、うどんよりバタートーストの方が好みなんだ……(逆かと思ってた……)。

自分一人だけうどんの準備をしてもなということで、私も息子とバタートースト。「バターたっぷり!」とのリクエストだったので、息子の分の食パンにはバターを多めに塗ってやり、私の分は心もち少なめに、うっすらと。

手切りしたパンの厚さを微妙に変えたので、「薄い方が私」と思いながらオーブンに入れたのだけれど、トーストし終わってみたら同じくらいの厚みになってしまっていてどっちがどっちかわからなくなったのだった。……多分、息子のパンは息子に、私のパンは私に渡ったと思うのだけれど、それにしては噛み締めるとバターがジュワッとするバタートーストに出来上がっていて、こりゃもしかしたら逆だったかも、と。

稲毛 「トラットリア ヴィーノ」にて
 ピッツァランチ(スモークサーモンとリコッタチーズのピッツァ)
 一口ビール

昨日のお昼、豪華お弁当を食べながら母が言うには
「あとはねぇ、韓国料理食べたいわねぇ」
ということなのだった。中華料理は上京するたびに、一度は食べに行ってるでしょ?だからね、今回は韓国料理って気分なのよねぇ〜……と。韓国料理食べたら、今回はもう思い残すことないから秋田に帰るわねー、と言っている。

「……焼肉屋さんとは違うの?」
「石焼きビビンバっていうの?あれ食べたいの」
「石焼きビビンバだったらたいていの焼肉屋さんにあると思うけど……」

焼肉屋さんは店中が焼肉臭いからそれが嫌なのかな、サムゲタンとかクジョルパンとか食べたいのかなぁ……私、サムギョプサルっていうの食べてみたいけど、あれは焼肉のジャンルだよね、きっと……と、母の話を聞いて頭を抱えつつ、「焼肉屋ではなく韓国料理屋さん」ということでお店をあれこれ調べてみた。以前行った赤坂の韓国料理屋さんが美味しかったわねぇと母は言うけど、調べてみればその店もきっちり「焼肉屋」さんだ。

結局、遠出するのも何だしと、幸い千葉そごうの中に韓国料理屋さんがあったので、今日の夜そこに試しに行ってみることにした。メニューの感じとか見て、韓国料理屋というのがけっこう好みな感じだったらより本格的な店に次回行ってみるのも良いじゃないかということで。

で、韓国料理を夜に控えた今日、昼には
「あそこ行きましょ、パンナコッタが美味しい、あそこ」
と母に誘われ、10日ほど前に行ったばかりなような気がする地元のイタメシ屋さんに行ってきた。手頃な価格ながら、イベリコ豚のグリルがあったり、美味しい薄焼きピッツァを出してくれたり、自家製ドルチェも日替わりで数種類揃えている良い感じの店だ。ランチデザートで以前は毎回のように用意されていたパンナコッタが、ここ1年ほどは乳製品の値段高騰があってかすっかり見かけなくなったのが本当に残念。このお店のパンナコッタは本当に美味しいのにな。

母はカルボナーラスパゲティのセットメニュー(サラダとパン、デザートと食後の飲み物つき)、私は「本日のピッツァ」のセットメニュー(スープとサラダ、一口デザートと食後の飲み物つき)にして、適当にお互い味見しながらいただいた。「本日のピッツァ」は、スモークサーモンとリコッタチーズだそうで、トマトソースつきか、あるいはルッコラを添えてトマトソースは抜きの感じのもののどちらかかなと想像していたのだけれど、やってきたのは想像と全く違うピッツァ。「そこまでがんばらなくても……」と少し思ってしまうほど、独創性に溢れたピッツァだった。

ほうれん草が練り込まれていると思われるピッツァ生地は、若草色をしている。トマトソースは抜きで、スモークサーモンとリコッタチーズをトッピングして焼かれており、焼き上がった後に大量に刻みレタスをピザ生地の上に盛りつけているのだった。更に上からマスタードとレモン汁で味を調整したと思われるさっぱり味のマヨネーズソースが格子模様にかけられている。本当のところ、レタスよりもルッコラの方が似合うのだろうなと思いつつ、そこはランチ価格の設定上ルッコラは使えなかったのね……という感じだった。

野菜の甘さが感じられる緑色の生地は香ばしかったし、スモークサーモンもたっぷり。でも、リコッタチーズにマヨネーズという組み合わせはちょっとばかり「?」な感じで、食べ終わる頃にはその味に少し飽きがきてしまったのが残念だった。本日のスープは、ショートパスタ入りの白いんげん豆のポタージュ。風味の良いオリーブオイルが少量垂らされていて、デザートのミニティラミスともども、どれもちゃんと手のかけてある美味しいものだ。

母のセットにはミニじゃないデザート(複数の選択肢から選べる)がついていて、かぼちゃのワッフルケーキを頼んだ母は満足そう。かぼちゃ入りの生地でかぼちゃクリームをくるんだ秋っぽいデザートで、母は何度も
「良いわねぇ、あんたん家から、歩いてこういう店に来られるっていうのが、良いわよねぇ……」
美味しいものだらけで幸せよねぇ……と呟いていた。

いや、歩いて来られるけど、でもほんと、滅多に来ないのよ、そこまで外食たくさんしてないし、そもそもできないよ……と、今日も私は苦笑い。母は「年に1度か2度のフェスティバル」気分でここ数週間を過ごしているようだけれど、それは私にとっても同様だ。

千葉そごう内 「韓式炉端いふう」にて
 ナムル盛り合わせ
 いふうサラダ \630
 蒸し豚 包み野菜添え \1100
 屋台風トッポギポッカ \680
 特選チヂミ \800
 ネギチヂミ \750
 プルコギ(小) \1800
 石焼カルビピビンバ \1200
 ビール・マッコリ・柚子マッコリなど

夕方、音楽教室を終えた息子を連れて母と合流し、1時間ほど駅近辺をぷらぷらしてから仕事を終えて帰ってきただんなとも合流し、今夜は韓国料理屋さん。韓国料理専門店というのは、まるっきり初めてというわけではないけれど、片手の指で足りるほどしか経験がない。ベトナム料理、タイ料理、沖縄料理あたりの方がまだたくさん来ている感じだ。だからメニューを見ても「おおー、なんだか色々あるなぁ」という感じだった。

カセットコンロを使って食べる鍋ものやプルコギなどはあるけれど、焼肉屋のような雰囲気とは違うこのお店、チェーン店で韓式炉端 いふうという名前のお店だ。

韓国のどぶろく「マッコリ」が、普通のと「生」の2種類あるのが面白く、どう違うのかなと、だんなと2人1種類ずつ注文して飲み比べてみたりも。
「生」の方が、より乳酸菌発酵が進んでいるという感じで、酸味が強めで濃厚な味わい。どろりとした粘度も高いように思え、私とだんなはさっぱりした口当たりの(でも酸味は軽めな)普通のマッコリの方が好みかなという結論に達したりした。

サンチュやえごまの葉を盛り合わせた「いふうサラダ」に、唐辛子ダレを添えた蒸した豚バラ肉に葉野菜とキムチを添えた「蒸し豚包み野菜添え」、そして、多分これが初めてだった「トッポギ」も食べてみた。

「トッポギ」は韓国の餅のこと。「ポッカ」は炒め物という意味……らしい。餅は、穴の空いていないマカロニのような形状をしていて、それに甘辛い唐辛子味噌だれがじんわりと絡んでいた。一緒ににんにくの芽も炒められていて、かなりこっくりした味わい。外見は知っていたから、その味もなんとなくは想像できていたのだけれど、ビールにしこたま似合う味で美味しかった。御飯的なものというより、おやつみたいな感じ。

どうやら、母が恋しかったもののひとつが「チヂミ」であったようで、とりあえずこの店のオリジナルらしい「特選チヂミ」も注文してみた。豚肉や魚介が入った具沢山なチヂミだったのだけれど、母は一切れ口にして「……違うわねぇ」と。

母が想像していたのは、もう10年以上も前に私と2人で旅行した、韓国の石焼きビビンバ専門店で食べたチヂミだったのであるらしい。あの店のは確か、すごく卵卵した感じのもので、「葱入りの薄焼き卵焼き」的な料理だった。あの卵たっぷりの、葱(とかニラとか)たっぷりな感じのものを想像していたようだったのだけれど、やってきたのは卵焼きというよりお好み焼きに近いもの。小麦粉(かなりモチモチしていたから米粉なのかも)を多用したような、もっちりねっちりした粉もの的な焼き物だったのだった。これはこれで胡麻油の香りにすごく似合って表面はパリパリと香ばしく、悪くない。

「でもね、私が食べたいのはこういうのじゃないのよ……」
と、続けて「ネギチヂミ」なる、葱がメインのチヂミも頼んでみたのだけれど、これまたやっぱり小麦粉っぽいもので、母にはちょっと残念な結果に。次回はじゃあ、卵焼きっぽいチヂミが食べられるお店を探しておくよということで、シメに石焼きのカルビビビンバを皆でつついて終わりにした。

金曜の夜ということもあってか、お店はかなりの混雑で、どのテーブルもとても賑やか。いかにもな乳酸菌発酵の味がするマッコリは、アルコール度数もそこそこ(6〜8%くらいらしい)だけれど、量を飲んでもあまり後に残らない酔いで、私はとても好き。今回、マッコリを使ったカクテルも色々あって、柚子茶とクラブソーダで割った「柚子マッコリ」なるものも飲んでみたのだけれど、これも好みな味だった。

10月20日 土曜日
鶏手羽の素揚げ。シンプルだけど美味しい。
バタートースト1/2枚・チョコブレッド
煮出し紅茶
柿・梨

旅行も行ったし、見たいもの見たし、食べたいものも食べたから、じゃあ私はそろそろ秋田に帰るわねー……と、母は昨日のうちにとっとと今日の列車の指定席を取ってきてしまった。もう少しゆっくりしていけば良いのにと思うのだけれど(で、願わくば、美味しいもの食べ歩くのももう少し密度を薄くしてもらえれば)、さっさと荷物をまとめてこれは宅急便で送ってね、私、到着しても電話なんてしないからね、などと言っている。

11時には家を出るわねという母と一緒に、今日は最後の朝御飯をだんなと3人で一緒に食べた。息子は今日、土曜日だけれど登校日でいつも通りの時間に早々に登校済みだ。9時頃にゆっくりと、煮出し紅茶(鍋に少量の湯を沸かして紅茶葉を軽く煮出し、牛乳をたっぷり注いで沸騰直前まで温めて作るミルクティー。要するにチャイだけどスパイス類は入れない、砂糖は入れるけど、そんなに大量には入れない←インドのチャイは、そりゃもう甘いらしい……)を用意して、母好みの厚切りパンのトーストを準備した。今回使ったバターは、買ったばかりのカルピス特選バター。このトーストなら美味しくないはずないでしょう、と、ばばーんと出した。

3人分カットできるほどの量、食パンが余ってはいなかったので、私とだんなは1枚のトーストを半分こして、チョコブレッドも1切れずつ。

「CoCo壱番屋」の
 豚しゃぶカレー ほうれん草トッピング
麦茶

「ただいまー」と昼前に帰ってきた息子、おばあちゃんが寝ていた部屋がすっかりガランとしてしまっていて、かなり寂しそうな顔になっている。お昼御飯は、宅配便の集荷待ちで外には出られないねということで、カレーの宅配を頼んでしまうことにした。「今日の夜、常夜鍋とか良くない?」という会話が頭に残っていたためか、つい頼んでしまったのは「豚しゃぶカレーのほうれん草トッピング」。まんま常夜鍋の具の組み合わせだ。今夜の常夜鍋選択肢が消えてしまった。だんな、ごめん……。

息子はいつものチーズカレー(いつのまにかハーフカレーも卒業して大人と同じサイズだ、辛さだけは甘口だけど)、だんなはハンバーグカレーの1辛。それぞれ好みなものを好みな感じに頼んでいて、辛さも全員別々というのもカレー屋さんの宅配ならではで、「うぉー、今日の1辛、なんだかすっごく辛いねー」などと言いつつもぐもぐ食べた。

ここ数週間のフェスティバルっぷりにちょっとお疲れ気味で、今日は一日のんびりと交代でテレビゲームしてみたり昼寝してみたり漫画読んでみたり。

やみつき塩キャベツ(風)
きのことミックスリーフのサラダ
ほうれん草のおひたし
鶏手羽元の素揚げ
しらす乗せ バター醤油御飯
ビール(キリン秋味)・カクテルチューハイ

お昼がやや遅めだったこともあってか、夕方になっても今ひとつお腹が減らず。買い物に行ってみて献立考えようかと、だんなと2人で近所のスーパーに行って来た。

「あー……手羽の素揚げとか、どう?俺たちは御飯とかなしでさ、ビールと手羽揚げ」
息子には御飯と味噌汁出してやってさと、手羽元12本入りパックを買うことにした。きのこのサラダが冷蔵庫に残ってるし、あとは「茹でただけのほうれん草」とか、「市販の塩だれと胡麻油で和えただけのちぎりキャベツ」とか、そんな感じで良いじゃないかと、ゆるい感じの晩御飯。

素揚げの手羽は、だんなのお母さんが何かと作ってくれていたおかずなのだそうだ。私の母は、手羽元は唐揚げにはしてくれたけれど素揚げというのは経験がなくて、でも作ってみるとすごく美味しい。塩胡椒して、ただ揚げただけの手羽元なのだけれど、余計な味つけや衣がない分、いくらでも食べられてしまえそうな危険な味がした。食欲が刺激されるあまり、予定していなかった御飯も、冷凍庫から冷凍御飯を取りだして解凍してたべてしまう始末。しかも、息子が「今日はバター醤油御飯にしていい?」なんて言い出すものだから、家族全員バター醤油御飯を楽しんでしまう始末だ。

バター醤油御飯、作り方(と言って良いのか……)は簡単。御飯にバターひとかけうずめて、溶かしながら全体に絡め、醤油を少量ピャッと上からかけてできあがり。
「……しらす乗せたら、けっこう美味しいと思わない?」
「ああ、絶対美味しいね、合うと思うよ」
ほら、やっぱり似合った、やっぱり美味しい〜と、バター醤油御飯にしらすを乗せ、あまつさえ
「おいしい!おいしすぎる!世の中のしらす丼を出す店は、皆バター醤油御飯にすれば良い!」
などと口走ってしまいながら、シメの御飯までしっかりもぐもぐ。美味しうございました……。

そうそう、最後に備忘録がてら。
鍋奉行」なる土鍋、めちゃめちゃ可愛いです。めちゃめちゃ好み……。
お揃いのとんすいやレンゲまであるらしいです……)

10月21日 日曜日
チキンライス食べて、いざキッザニア
揚げ玉入り 冷やしぶっかけ
麦茶

冷凍庫にしまってある、天ぷら屋さんの美味しい揚げ玉。数日前にだんながランチで行ったお店で貰ってきたのだというそれを美味しいうちに食べてしまいたいねと、今日の朝御飯はうどんということになった。加ト吉の冷凍うどんを茹でて水で締め、冷たくした麺に冷たいだしをかけて、刻み万能葱と揚げ玉をたっぷり散らす。お供に冷たい麦茶。
なんてことない外見の揚げ玉なのに、それはやっぱりすごく香ばしくて美味しくて、ついついバサバサたっぷりかけてしまうのだった。

息子、土曜登校の代わりに明日がお休み。なら日曜夜に少し夜更かしすることになっても大丈夫でしょうと、数ヶ月前からキッザニア東京の予約をしてあったので家族で行くつもりなのだけれど、息子はここ数週間の疲れが出てきたようで少しだるそうな様子。キャンセルする?と聞けば「絶対イヤ」だというし、だんなが一足先に会場前で並んでいてくれることになった。私と息子は入場の1時間前に着くようにすれば良いねと、ゆっくりめに出発。

ららぽーと豊洲内「FOOD CIRCUS」にて
 海南チキンライス \850
 タイガービール \550

子供のための「大人のお仕事体験テーマパーク」といった感じのキッザニア、今回はこれで2回目。前回作った銀行のキャッシュカードも運転免許証も再び使えるとあって、私たちもけっこう勝手がわかってきたということもあって、効率良く色々遊べた。

相変わらず大人気のキッザニア、完全入れ替え制の1部が終わって2部の入場を待つ頃の時間帯はそこら中がごった返している。入場のチケットは事前に予約してあるけれど、人気のある職業はすぐに1時間待ち1時間半待ちになってしまうので、入場する順番は早いに越したことはないという状況。だから入場前に何時間も前から順番待ちの行列ができてしまうのだった。というわけで、だんなが早めに並んで場所を取ってくれていたのだった。どうもありがとう〜。

入場前に腹ごしらえしておかなきゃねと、隣接するフードコートでかなり遅めの昼御飯。ラーメンにスパゲティ、ホットケーキにタイ料理インド料理とあれこれ選択肢が豊富なフードコートで、今日は私は海南飯を。茹で鶏(蒸し鶏)に醤油だれや生姜だれを添えつつ、鶏スープで炊いた御飯と鶏スープをセットにする全面鶏味だらけの「茹で鶏定食」といった感じのシンガポール名物料理が、私は大好き。

見た目よりボリュームのあった鶏もも肉が嬉しかった。香菜を上に乗せてくれ、3種類のたれはカトラリーと共にセルフサービス。チューブボトルに入った醤油だれと、スプーンつきの深皿に入ったチリソースと生姜だれを適当に皿に添えて持ってきた。スープはしっかりにんにく風味。

息子は、「あんまりたくさん食べられない気分なんだー」とミニサイズの醤油ラーメンを平らげて、それから5時間ひたすらに園内で遊びまくったのだった。

キッザニア内「PIZZA-LA」にて
 ピザ(イタリアーナ)
 ポテト・竜田ナゲット
 コーンスープ
 ジンジャーエール

2ヶ月ぶりのキッザニア、つい数日前に「出版社」というパビリオンが増えたらしい。なんと提供は集英社。集英社と言えば週間少年ジャンプ、週間少年ジャンプと言えばONE PIECE。(強引ですね……)

職業は現在「漫画家」があるそうで(「編集者」というのが今後増えるような雰囲気だった)、「ONE PIECE」か「チョコミミ」(←りぼんで連載中の少女漫画)の原稿かを選んで、途中まで出来上がっている原稿を仕上げて本にするまでがお仕事らしい。ブースの中の子供達は手塚治虫チックな上着を着て、ペンを持って原稿に取り込んでいるのだった。室内の棚にはズラーッとONE PIECEの単行本、壁にはONE PIECEの大判カラーリトグラフ、そして一角には原作者尾田栄一郎さんの直筆ルフィの色紙。キッザニアでそんな光景を目にするとは予想だにしていなかった、お母さんのスイッチが変な方向に入っちゃって、しばらく大変だった。

「むむむ、息子、漫画家やろうよ漫画家。漫画家になるといいよ、君」
「んー……イヤ、かな……」
「イヤ言わないで、漫画家やろーよ。お土産に、自分が書いた漫画貰えるんだよ?ONE PIECEの表紙だよ?」
何だったらベタとトーン手伝うわよお母さん得意よ?とまで口走りそうになりつつ、でも息子は漫画家は嫌だそうで、結局そのパビリオンはスルーしたのだった。

漫画を描くと言っても漫画の1ページ部分、ルフィの黒目が入っていないのでそこを自分で入れるとか、ベタを入れるとか、セリフを考えて入れるとか、そのくらいのものらしいけど、でも楽しそうだ。できあがった「自分の原稿の本」はちゃんとお土産に持たせてくれる。今日子供達が取り組んでいたのは第一話のルフィが一人で出航するあたりのシーンだったけれど、室内に積まれていた原稿にはアラバスタ編のラストシーン(麦わら海賊団がビビの前で"仲間の印"を掲げるところ)の1ページもあったりして、お母さんは萌え萌えだった。……いや、すみません……。

親が子供にやってもらいたい職業と、子供がやりたい職業は違うものよねぇ……と遠い目になってしまいつつ、本日息子が体験した職業は4種類。途中しっかり携帯電話もレンタルしたりして、借りた電話で連絡取りつつ、適当に息子に付き添ったり離れて休憩したりしながら楽しんだ。

職業は、どれも体験すれば「お給料」が貰えるのだけれど、それとは別におまけのようなおみやげがいちいちついてくるのが心憎い。どれも「おまけ」と言うにはレベルが高く、子供が喜びそうなものばかりで本当に良くできているテーマパークだ。今日、息子がやっていたのはこんな感じ↓

警察署
男の子三大人気職業の一つ、らしい。ジャケットと帽子を着用して「おまわりさん」になって、園内で起きた窃盗事件について聞き込み、鑑識作業をしたりする。息子は「警察手帳係」になったようで、誇らしげに「けいさつです!」と名乗りをあげていた。おみやげに可愛いつくりの警察手帳。

エンターテイメントショー
「1日1回だけのショーに出ませんかー」とスタッフに誘われて、参加することに。クラウンの服装をした子供たちが手旗信号の文字を覚え、バックヤードで練習の後、劇場で他の演目と共に披露。ショーの模様はDVDにしてくれ、おみやげとして無料で貰える。

宅配センター
クロネコヤマトの宅急便。ネコマークの、あの緑色のジャンパーと帽子を着用。「車で配達」と「台車で配達」の2グループがあり、息子は待ち時間が少なかった「台車で配達」を体験。指定されたお店に集荷に行ったり、配達に行ったりする。おみやげは、自分で配達した荷物の伝票。クロネコヤマトのマークが入って「ゴルフプレイ日」「お届け日」「お届け時間帯」などすごくリアルにできているのにキッザニアマークがちゃんとついている。

フォトスタジオ
ソニー提供の「カメラマン」体験。カラフルなメッシュのベストを着て、ソニーのロゴの帽子をツバを後ろにしてかぶる。巨大な一眼レフカメラを渡され、園内を撮影して歩いた後、ブースに戻って自分で選んだ1枚だけをプリントアウトして品評会。持ち帰り用の台紙には、グループ全員の記念写真もついていて、これまた素敵なおみやげ。

途中、なんとか取れたフードコートのテーブルについて、ピザーラのピザで夕御飯。食事の選択肢はモスバーガーとピザーラ、あとはR1/Fのデリくらいしかなく、休憩できる椅子もあまり多くないのがこのテーマパークの最大につらいところ。今日は幸い、「そろそろお腹が空いてきたし、疲れてきた……」というタイミングで運良くテーブル席につくことができて、息子がお仕事をしている間にピザ屋に走ってあれこれ買ってくることができた。決められた3種類のピザが常に用意されているので、それを1切れずつとスープ、ナゲットなどなどで慌ただしく夕御飯。

警察官の息子もなかなか格好良かったけれど、宅急便やカメラマンの服装がお似合いで、見ているこちらもたいそう楽しかった。どれもこれも楽しかったようで、何より。じっくり職業一覧を見てみると、パソコンを使ってポスターを作ったりするような息子好みのものもあったりして、帰宅後早速次回の予約(と言っても取れたのは来年の2月の週末……)を入れたのだった。

園内では元気に動き回っていた息子、けれど体調は万全とは言えなかったようで、帰りの電車の中ではぐにゃぐにゃになっていた。乗り換えのほんの5分ほどの間でも意識が飛ぶように寝てしまう始末で、お風呂にも入れずベッドに沈没。それでも帰りの電車の中、職業を体験するごとに貰える「お仕事カード」を何度も何度も眺めていた。全部制覇するなら、avexのスタジオで踊ったりするのもやらなきゃいけないらしいよ、息子……。