食欲魔人日記 04年10月 第5週
10月25日 月曜日
野菜のパスタにとろけたチーズをかけて
アップルパイ
とろけたカチョカヴァロ乗せフランスパン
紅茶(ロイヤルブレンド)
「アドナイ」の無糖ヨーグルト はちみつがけ

昨日はチーズチーズの夕御飯だったけれど、今日もチーズチーズな朝御飯から。
「やっぱりカチョカヴァロは、切って焼いてなんぼよねー」
と、スライスした直径10cmほどの丸いチーズをテフロン加工フライパンで焼いて溶かし、トーストしたフランスパンに乗せてみる。昨日、くるみのパンがあればなぁとパン屋を覗いてきたのだけれど、ふわふわ系のくるみパンしか見つからなくて、ごろっと丸いフランスパンを買ってきてみた。とろけたチーズを乗せたパンは、どっしり目の詰まったちょっと固めのパンが似合うと思う。全粒粉入りとかくるみ入りといった風の素朴な感じのがより似合う気が。

で、1人1枚のチーズ乗せパンと、それだけじゃちと物足りないかと1人1個の菓子パン。私はアップルパイ、だんなは"ミルクフランス"(ミルククリームをはさんだソフトフランスパン)、息子なクリームパン。チーズのパンにコーヒーはいまいち相性がよくなさそうだったので、久しぶりに紅茶を淹れた。久しぶりだなぁと、フォートナム&メイソンのロイヤルブレンドなど出してみたりして。

フライパンの上でとろ〜んと溶けたチーズをパンに乗せたさまは、ハイジの中に出てきたもののよう。カチョカヴァロは温めると適度に柔らかくなるけれど溶けてちぎれてしまうほどには柔らかくならないので、枝にひっかけて暖炉の火にかざしたりするのにちょうど良いような感じだ。火から遠ざけるとわりあいに早く固まっていってしまうので、熱いうちにしばし無言になって急いでハフハフと食べる。
ミルクの風味がぷんぷんと漂い、さほどクセのないまろやか〜な味のチーズ。美味しかった〜。

ピータン豆腐
キムチ
ご飯
麦茶

自分用の弁当も作っておらず、一人の昼御飯。
「なんか、辛いものが食べたい……」
と思い立ち、冷凍御飯をチン。食べちゃわなきゃいけない豆腐が1丁あったなぁ……と、冷蔵庫から出しておかずの準備。

1週間以上前に買った豆腐が冷蔵庫のちょっと奥まったところに入っていたのを見つけたのは、今朝。
「……夕飯に食べなきゃなぁ」
呟いていたら、だんなが背後から覗き込んできた。
「まーぼーどうふ」
「……へ?」
「まーぼーどうふがいいな。ほら、挽き肉もあるし」

「……今日帰ってこられるの?君が一緒に夕飯食べられるなら麻婆豆腐にするけど?」
「うんにゃ、今日は確実に遅いな。でも、まーぼーどうふ」
「……意味ないじゃん、君が食べられないんじゃ」
「でも、まーぼーどうふがいいと思うよー」
「……なんでよ……」

まーぼーどうふまーぼーどうふ言われていたので、意味もなく罪悪感を感じてしまいながら、
「でも私はピータン豆腐が好きなんだなー」
と呟いて、昼御飯のおかずはピータン豆腐。豆腐をざくざくっと手で崩して深鉢に入れ、ピータンはキッチンばさみでジョキジョキ切って豆腐の上に散らす。包丁でちょっと叩いて細かくした干し海老と、小口切りにした万能葱をかけ、あとは醤油と酢と砂糖と胡麻油とラー油で適当に作った甘辛いタレを添えたらできあがりー。ついでにキムチも冷蔵庫から出して、全体的にピリピリ辛めの昼御飯。

思い通り、きっちり辛くなったピータン豆腐をつまみつつ、箸休めにやっぱり辛いキムチをつまむ。それで茶碗に山盛りの御飯は綺麗になくなってしまった。……げふ。

野菜とチーズのスパゲティ
アイスティー

最近、スーパーに行ってもいまいち楽しくない。何しろ野菜がうんざりするほど高くて高くて、うんざりしちゃう。今日はカリフラワーが1/2株で250円、白菜は1/4株で200円、ピーマンが1個で95円という衝撃のお値段だった。チーズに似合う野菜をと思ったのだけれど、1株198円だったブロッコリーを買うのがやっとだ。しょぼーん。

夕飯の予定は、ほかほかの温野菜に塩胡椒して軽くオリーブ油をかけ、トロントロンに焼いたカチョカヴァロを添えたものと、鶏肉をハーブ焼きにしたものにしようかな……と考えていた。あと、簡単に作ったスープと炊きたて御飯があれば上等だわー、と。

んが、幼稚園から帰ってきてからずっと
「おそとで遊んできまーす!」
と遊びまくっていた息子は、5時に帰ってきてから欠食児童ぶりを爆発しまくっていた。

「おかあさん、あのね、おなかすいちゃったよ」
「……じゃあ、とりあえずビスコ食べな。御飯の前だし、2個くらい」
「おかーさん、ぜんぜんたりない。おなかすいた」
「あと2時間もしたら夕御飯だから、ね」
「おなかすいたな」
「だからもうちょっと待てってば」
「すいたなー」
「だから待ってて……」

それからずっとずっと「ひもじい」コールが続いて、1時間後にこちらが根負け。鶏焼いたり米炊いたりする間も待てなさそうだったので、とにかく早く作れるものをと、思いのままパスタ料理を作ってしまうことにした。

太めのスパゲティを茹でつつ、タイミングを見計らいながらそのパスタの鍋に次々と野菜を投入していく。最初はにんじんと玉ねぎとピーマンとじゃがいも、続いてキャベツ、にんにくの芽、ブラウンマッシュルーム、ブロッコリー。適当にパスタに似合いそうなものをドカドカ加えていき、隣のコンロではオリーブ油で薄切りにんにくと赤唐辛子、そして風味づけのアンチョビ1枚をじくじくと炒めていく。パスタが茹であがったところでそのにんにくオリーブ油の鍋に野菜もろとも麺を入れ、ざくざくっと和えてできあがり。皿に盛りつけたらルッコラを散らし、フライパンでこんがり焼いたカチョカヴァロをぺろんとトッピングし、パルメザンチーズと黒胡椒をガリガリ削ってふりかけたらできあがり〜。すごく適当だけれど、以前レストランで食べた野菜のスパゲティの味を思い出しながら作ってみた。オリーブ油とにんにくと野菜とチーズの組み合わせなら、そうそう外すことはない……と思って適当に作ったのだけれど、なかなか美味しいできあがり。

「……ほら、急いで作ったよ。どうよ」
「スパゲティだ!チーズだ!」
息子へのウケもばっちりだった。温野菜にチーズをかけて食べるという主旨からはあんまり外れないものができたから、まぁ、いいかな、と。

とろけたチーズがかかったにんじん、うまー。キャベツもうまー、じゃがいももうまー、マッシュルームもうまー。でも、「にんにくの芽」を入れちゃったことで全体が素晴らしく下卑た味になっていて苦笑い。にんにくの芽だけは、今日、2束150円とお安かったもんだから、買ってきて、料理にも入れちゃったんだなー……。

ちょっと不思議な風味は加わっていたけれど、適当に作った具沢山パスタは美味しかった。
カチョカヴァロがある限り、食卓がいつもの2割増しくらい(いや、もっとか?)しあわせ。

10月26日 火曜日
これ以上なく満腹になったランチ……バイキングは危険……
食パン ピーナッツバターぬりぬり
牛乳 with ミルメーク(コーヒー味)

今日はお昼にがーっちょりとブッフェ料理を堪能する予定なので、朝は軽めに。
「あー……だんなはカップスープ飲んでいったか……パンも食べてったかな?」
と台所に残った食器で、朝ジムに出かけていっただんなの朝食を推理して、私と息子も食パンを。チーズはちょっとお休みしようということで、食パンにピーナッツバターをコテコテ塗って食べた。お供にミルメークを溶かした牛乳を。

「おかあさん、どれにするの?」
「んー……コーヒー……にしようかな」
「ぼくはね、いちごにするんだよ」
ミルメークの定位置である籐かごから、がさがさと各種フレーバーのミルメークを息子が発掘してくれた。
「ピーナッツバターも、だしまーす」
と、冷蔵庫からピーナッツバターも出してくれ、最近の息子はほんとに色々とお手伝いを自らしてくれる。してくれるのはいいんだけど、ピーナッツバターを出すときにその上に積んであったスライストマト入りミニボウルをひっくり返してくれちゃって、「こういうときはこういうところに注意するんだよ」とその時々に教えつつ、お手伝いスキルアップをはかってみたりして。早く完璧なお手伝いができるようになれよー……。

ほのかに甘みのついたパステルカラーの色をした牛乳を飲みつつ、「金谷ホテル」のピーナッツバターを塗った食パンをもりもり。素直な味の美味しいピーナッツバターで幸せ。これがなくなったら、今度は帝国ホテルピーナッツバター買ってみるんだー(←なぜホテルものピーナッツバターばっかり……)。

稲毛 「四季のさんぽ道」にて
 ランチブッフェ\1,400

さて、今日はWeb日記書き仲間Kさんとランチ。

「昼飯喰いましょー」
と数日前からメールであれこれ相談していたのだけれど、1時前には解散しなくちゃということで、お店に悩む。12時開店のカレー屋さんに行くのは厳しいし、千葉駅近辺もこれというお店が思い当たらないし、「寿司?銚子丸?」「うん、銚子丸?」という話に。
すーしーすしすしー、銚子丸はね、うちはいつも稲毛海岸の方のね……と言おうとして、思い出した。
「そうだ!Kさん、バイキング行かない?ランチ1400円はちょっと高いけど、でも寿司より安上がりでお腹いっぱい!」
で、バタバタと決まって向かったのは数週間前に家族で行ってみたオーガニックなブッフェ料理専門店「四季のさんぽ道」というお店。

平日はどれくらい混むのかわからないし、どうやらお店が開くのは11時で、料理が食べられるようになるのは11時半からであるらしい。一応11時から入っておきましょうかね、と、雨の中Kさんの車に乗せてもらってお店に向かった。私たちが本日のお客第1号。少しずつ総菜がブッフェ台に並んでいくのを横目で見ながら、店内に飾ってある販売物(ブッフェ台に無造作に置かれている醤油やケチャップ、ジュースなんかを買って帰ることができる。あと、お皿なんかも)を眺めてみたり、飲み物は既にいただけるようになっていたので、あれこれ飲みつつ待ってみる。

このお店、とにかく飲み物の種類が豊富。コーヒーは数種類サーバーに用意され、温かい飲み物はポットに日本茶だ中国茶だ紅茶だと10種類くらい、冷たい飲み物はジュース類にお茶類に豆乳に、と、これも10種類くらい。
「あのですね、このにんじんジュースとトマトジュースが、あちらで1本900円くらいで販売中なんですよ〜」
なんて事をごにょごにょ言いつつ、お高いものから飲んでみたりして。食前に野菜ジュースを飲むというのは、スープ飲むみたいな感じで食欲が異様に沸いてくる。

にんじんジュースもトマトジュースも、どちらもものすごく濃厚。にんじんジュースはリンゴ入りで、けっこうはっきりとした、でも優しい甘さがついている。トマトジュースは……見事なまでのトマトのジュース。コップに入れて飲むんじゃなくて、野菜スープに入れたりロールキャベツのスープに使ったりしたら美味しかろうなぁという感じだった。まんまトマトなので、美味しい不味い以前に「うわぁ、トマトだ」、という……(私はここ5年くらいにトマトが食べられるようになったけれど、元々はトマトが大っ嫌いな子供だったもので……)。

おしゃべりしながら「今度、たんぽぽのお茶もらってきてみよう……」「私はりんごジュースでも飲むかなぁ」なんてパタパタと何種類かの飲み物を試し飲みしているうちに、11時半になった。いつのまにかお客さんも10人以上が入っていて、その後は続々と増える一方。雨の日の平日でもなかなか人気があるお店らしかった。

料理はだいたい「家庭料理」に位置づけられるようなもの。でも、豆腐は「三之助」(おいしい)、柚子醤油は「馬路村」(これまたおいしい)と、マヨネーズは「松田」(これまたチョーおいしい)とあれこれこだわりがあって、立派な和風皿に盛りつけられた料理はどれもピカッと光っていて、いかにも美味しそう。実際、なかなか美味しい。
「天ぷら、揚げたてでーす」
「混ぜ御飯、ただいまできあがりましたー」
なんて続々とアツアツの料理が出てきて頻繁に入れ替わるのも、美味しさの1つだと思う。

今日は最初に和風、次に洋風、最後に胃袋の隙間に詰め込むように好きなものを……と、何回もテーブルとブッフェ台を往復して料理を堪能した。これでもかってくらい、食べちゃった。
今日食べたのは、ポテトコロッケ、鶏の唐揚げ、鶏肉の甘酢和え、天ぷら(さつまいも、かぼちゃ、にんじん)、野菜と小魚のかき揚げ、グリーンサラダ、水菜とリンゴのサラダ、厚揚げと水菜のサラダ、冷や奴、こんにゃくのお刺身、春雨サラダ、小松菜の炒め物、じゃがいもの胡麻炊き、ごぼうのあんかけ、たらこスパゲティ、チリスパゲティ、中華風きのこのスパゲティ、梅しそ混ぜ御飯、チャーハン、野菜のスープ、ホワイトシチュー、チーズのピザとベーコンのピザ、パンとリンゴジャム・ブルーベリージャム、そして最後に黒糖のぜんざい。飲み物も、豆乳飲んでみたり薬草茶飲んでみたり、あれこれあれこれ試してみた。コロッケもほんの一口サイズになっているし、少しずつ取れば全種類食べるのも夢じゃない、というくらいの品揃え。でも全てを口にするのはなかなか大変だから、品揃えは豊富なのだと思う。

「あー、せりあさん、キムチ美味しいよ。……梅干しもいーい感じに酸っぱくてー」
Kさんも雑穀飯傍らにキムチつついたりして、せっせと席を立ってブッフェ台と往復している。ブッフェ台方面から「○○ができあがりました〜」と声がかかるたんびに、2人でそっちの方をキラーンと見つめちゃったりして。
今日は揚げたてサクサクのさつまいもの天ぷらをいくつも食べられたし、かき揚げもできたてのを口にできたしで、大満足。どこか給食を思い出させるような、懐かしい風情のクリームシチューには、今日は角切りにした豚バラ肉がごろりごろりとこれでもかとたっぷり入っていた。

「ああ……おいしいなぁ……」
「野菜高いし、ここぞとばかりに食べておきましょ」
なんて言いつつせっせせっせと箸を動かしていたら、会話がちっとも弾んでいないことに気がつく。
「……ヤバい……前、ジンギスカン食べ放題ご一緒したときに、"今度はゆっくりと話ができるところで"とかって言ったのに……」
「……ダメでしょー、ここバイキングだし」
「ですよねー……うん、とりあえず食べよう……」
と、苦笑いしながら、なおもせっせせっせと。1時間くらいで、もうイヤっというほど食べてきた。Kさんも気に入っていただけたようで、何より何より。開店直後に入ると、どれも温かで美味しい料理が多くて、いいなぁ。今度も開店直後を狙って来よう。で、席はなるべくブッフェ台の近くで。

自家製ピザ
 クワトロフォルマッジョ(モッツァレラ・カチョカヴァロ・スティルトン・パルミジャーノレッジャーノ)
 テリヤキ(照り焼きチキン・ブラウンマッシュルーム・ダイストマト・薄切りにんにく・ピザ用チーズ・ルッコラ)
ラムネ

野菜は高いし、いつもと変わらぬ値段のものといったらじゃがいも・玉ねぎ・にんじんくらいだったりして、じゃあいっそ今晩はカレーにしちゃおうかなぁと考える。が、そういや週末に作ったピザ生地の残りがあるんだっけ、と思い直して、今日は息子と2人で自家製ピザ第2段。肉っ気が欲しかったので、鶏肉を小指の先ほどのサイズにコロコロ切って炒め、醤油と味醂を絡めて軽く煮詰めておいた。

冷凍庫にしまっておいたのは、きちんと丸く伸ばし、それを平皿の上に乗せておいたピザ生地。その凍って固まったまんまのをオーブンに入れれば良いのだけれど、皿より生地が大きくて端の部分が皿に沿ってくるんと巻き込まれてしまっていたから、ちょっと大変。無理に取ろうとすると割れちゃうし、しょうがないのでしばらく室温に置いて柔らかくすることにしたら、ベタベタした感じになってうまいことピザストーンの上に滑らすことができなくなっちゃって、色々と「あれ?ベタベタ……ぎゃー、くっついちゃうし!」とオーブンの前でパニックに。結局、少しも丸くない、ドヨーンとした楕円形の怪しいピザになってしまった。まぁ、ドヨーンとしてても味は悪くないはずだから許してよ、と。

今日も「おなかすいたー」と息子が熱唱してくれたので、ちゃちゃっと作れるものを1枚目にと、前回も作ったチーズだけのピザを最初に。少量残っていた「アドナイ」のモッツァレラと、まだまだ残っているカチョカヴァロ、それに手持ちの青カビチーズとパルミジャーノを心の向くまま適当にヒラヒラポイポイとトッピングして焼くだけ。しっかり余熱をしておいたピザストーンの威力はすばらしく、オーブンぎりぎり上段にセットして焼いたら数分でサクッパリッの素敵な食感に焼き上がった。2枚目は生地がドヨーンと重なってしまった部分ができたけれど、そこはそこでパンのようなふかふかな食感になって悪くなかったし。

ものの数分で1枚目のチーズピザを息子と半分こしてハグハグと平らげてしまい、続く2枚目にボリュームのあるものを。マッシュルームやトマト、にんにくを照り焼きチキンと一緒に散らしてみた。チーズは市販の普通のピザ用チーズ。焼き上げてから最後に刻んだルッコラをバサッと乗せた。

「ピザ〜、ピッツァ〜、うれしいな。ぼくはね、ピザがだいすき!なんだよ?」
準備をする脇でびよんびよんと意味もなく縦に飛び跳ねていた息子は、そのままの勢いでピザをきっちり半量食べて「ごちそうさまでした」。シュワシュワしたものが飲みたくて、冷蔵庫からラムネを出して飲んだけど、これがまたピザに妙に似合っちゃって楽しかった。

食後、「ピザおいしかったなぁ〜」などと息子が呟いていたので、
「……君はさ、チーズがいっぱい乗ったチーズだけのピザがいいの?お肉とか野菜が乗ってるのがいいの?」
と聞いてみたら、
「どっちも!」
だそうで。もう、ピザなら何でもよし!って感じ……?

10月27日 水曜日
ざっくり、とろーり、なめらか〜の、「アドナイ」のヨーグルト
「Bakery BETHESDA」の
 食パン
 チョコロール
バターとかピーナッツバターとか
カフェオレ
「アドナイ」のヨーグルト(加糖)

「今日、雨だから雨の日サービスで10%オフだったの。せりあさんの分も買ってきたのよー」
と、昨日、Kさんからパンをいただいた。「BETHESDA」(ベセスダ)という名前の都賀にあるそのパン屋さん、食パンが美味しいのよー、とのこと。Johanのチョコブレッドにも似た、チョコ生地とパン生地を合わせた風のぐるぐる渦巻き状のパンもいただいたので、それと一緒に食パンをトーストせずそのまま食卓に出してみる。

「わぁ〜、はなまるの、パンみたいだねぇ〜」
と息子は子供らしい歓声をあげて、早速ぐるぐる渦巻きチョコパンにかぶりついていた。Johanのそれより甘さは控えめ。チョコの味もちゃんと感じられて、でもお菓子っぽくない味わいだった。ふかふかで美味しい。
白いトーストしていないままの食パン(これを我が家では"素パン"という……)には、思い思いにバター塗ったりピーナッツバターをつけてみたり。粉の味がする、素朴な優しい味のパンだった。食パン1袋と、ロール状のごろっとしたチョコパン2個で300円しないとか。いいないいな。

デザートには、「アドナイ」のヨーグルト。テーブルにガラスの器とスプーンが出されていたのを見ただんなが
「これは、ヨーグルトだね?ヨーグルトを出すつもりだね?」
嬉しそうに言うので、
「加糖にしますか?それとも無糖の?」
と聞いてみる。無言でゆっくり、右手の人差し指と中指を揃えて伸ばし、鼻の下にあてがうだんな。
「……カトちゃん……カトー……」
がくーっと脱力しながら、私はよろよろと冷蔵庫に加糖ヨーグルトを取りに行った。だんなは椅子に座って、
「無糖だったら武藤敬司だから……」
とか呟いている。だからさ、ネタやらなくていいから。朝から。武藤敬司(プロレスラー)の真似とかされても、私わからないから。

牛乳の匂い濃厚な美味しく冷たいヨーグルトをペロペロ舐めながら、
「おゆきさん、これ日記に書くんだ……絶対書くんだ……」
と、だんなは呟いていた。おゆきさんに書かれる前に俺が書くぞ……とも言っていたけど、私も書いちゃうもんね。
加糖ヨーグルトは、カトちゃんペ。(くだらぬ……まったくもって、くだらぬ……)

フランスパン with カチョカヴァロのステーキ
アイスティー

今日はいきなり涼しくなった。厚手のトレーナー1枚じゃふるえが来るくらいだったので慌ててハイネックの薄手のセーターなんか出してみたりして。今日はジムに行こうと準備していたのだけれど、午前中からなぜかトイレと親密な関係になってしまっていた私。「ピューレどころか、水です」という苛烈な腹下しに悩まされていて、30分おきにトイレと部屋を往復する羽目になっていた。……朝御飯の前から既に腹は下っていたし、でも昨日の夜に変なもの食べた記憶はないし……これは、もしかしたらお腹に来る風邪?

結局、昼頃までトイレと仲良し状態だったので、ジムは断念。
胃腸に優しいものを食べるべきだったのだけれど、
「……でも、チーズたべたい……」
とカチョカヴァロと厚めにスライスしてテフロン加工のフライパンにペロッと入れる。「薄切りチーズ」なんてかわいらしいもんじゃなく、見た目は「チーズのステーキ」という感じ。買い置きのフランスパンもスライスしてこちらはオーブンで薄く焼き、熱してとろけさせたチーズを上にばふんと乗せて食べた。パンよりチーズの断面積の方が大きいくらいで、パンからチーズがふんだんに溢れこぼれてしまったけれど気にしない。

……もしかして、お腹壊したのって、「チーズの食べ過ぎ」???

ポークカレー (マースカレーゴールド中辛 使用)
コンビーフ入りコールスローサラダ
豆腐とコーンのスープ
発泡酒(サントリーダイエット生)・麦茶
「アドナイ」のヨーグルトかけパイナップル

レタスは1玉300円くらいになってきた。じわりじわりと野菜の価格は元に戻りつつあり、でも数日前から
「じゃがいもや玉ねぎは変わらない値段なんだよね……だとしたらカレー作るしかないじゃんねぇ」
と思ってしまっていたので、カレー熱が収まらない。カレー用の豚肉を買ってきて、スタンダードなポークカレーを作ることにした。ただし、今回のルーはちょっと変わったものを。

先日、名古屋在住のお友だちが「えびせん食べますー?」とえびせん他色々面白いものを送ってくれたもののひとつが、 愛知が誇るオリエンタルのカレールー、「マースカレー ゴールド」の中辛。レトロな風合い漂うパッケージも良い感じだし、溶けやすいフレークタイプというのもちょっと変わっている。名古屋近辺に住む人のみならず、根強いファンがいるメーカーだ。話には聞いていたけど、手にするのはこれが初めてだった。

なにしろ初めて使うルーなので、奇抜な事をするのはやめようと、ごくごくスタンダードな作り方でスタンダードなカレーライスを。軽く塩胡椒を揉みこんだ豚肉とにんじんとじゃがいもを炒め、水を加えて沸騰させてアクを取ったら蓋をして弱火でじくじくと煮込んでいく。ルーを溶かす10分前くらいに一口大に切ったじゃがいもを投入し、その後にサラサラとしたしっとりとしたフレーク状のルーを溶かす。更に弱火でちょっと煮込めばできあがりー。カレーに添えるトッピングに、温泉卵とさっと茹でたほうれん草を用意してみた。

それと、残りものの豆腐をコーンと一緒にスープにし、これまた残りもののキャベツはざく切りにしてにんじん、きゅうり、玉ねぎと一緒に塩揉みしてからマヨネーズでざっくり和え、ついでにコンビーフもちょっと加えてみたコールスローも。

準備が整って「よっしゃー」と思っていたところで、久しぶりにだんなが夕飯に間に合う時間に帰ってきた。週末以外では久しぶりに一緒に食べる夕食がカレーライスというのもどうかと思うけれど、ともかく今日はカレーライス。だんなから「豚味噌鍋が食べたいなー」とリクエストをいただいたけれど、その連絡はカレーの仕込みを始めてからいただいてしまったので、有無を言わせずカレーライス。

初めてのオリエンタルカレーは、始めてなのに懐かしさを感じる味だった。小麦粉たっぷり、もっさりとした舌触り。いつも使っている「こくまろ」「とろける」などに比べると、同じ中辛でも甘さ控えめという感じ。かといって辛さが強いということもなく、食べやすい。これはやっぱり前回のマトンカレーには使わなくて良かったかも……と思いつつ、スタンダードな具の懐かしい味のカレーを堪能した。とろける黄身の温泉卵と、ざっくり混ぜたほうれん草も良い感じ。

そして食後は、今日スーパーのカットフルーツコーナーで買ってきたパイナップルを軽くほぐして無糖の「アドナイ」ヨーグルトをかけたもの。加糖は無糖のにただ糖分を加えただけのものということだけれど、無糖の方がちょっとサラサラ、加糖の方がとろ〜んと糸をひくような粘り気がある。どちらもそれぞれ好みな味だ。

……これで、せめて1瓶500円くらいで近所で買えたりするなら頻繁に買いたくなるところだけれど、330ml入りの瓶が6つで送料込み4500円(1瓶あたり750円)となると、やはり思い切ったお買い物になってしまう。そのへんの居酒屋や喫茶店などで怪しいヨーグルトデザートを500円出して食べるよりは遙かに美味しくて遙かに幸せになれるけれど、でも1瓶750円……。ぐちゃぐちゃ思いつつ、でも次も意を決して買っちゃいそうな気がする。

10月28日 木曜日
鯛をスキレットでカリッと焼いてみました
2日目のカレー チーズ入り
バタートースト
牛乳
パイナップル

今日は久しぶりにちょっとだけ早起きして弁当作り。だんなから「木曜日はお弁当があると嬉しいなー」と言われていたのだった。今日の弁当のメインディッシュは鶏肉よ。

30分ほどでだんなの分と息子の分のお弁当を作り、残りの"私の分"は弁当箱に詰めずに小皿に盛りつけてラップしておく。これだけ涼しくなると、弁当箱に詰められた冷たい御飯よりもチンしたあつあつの御飯が恋しくなるもので、今日の私のお昼は弁当おかずを小皿に盛りつけていただくことにした。

朝御飯は、昨夜のカレーをシチュー皿に少量よそってスープのようにして。カレーの上にはピザ用チーズを少々かける。パンは、昨日と同じ「Bakery BETHESDA」の食パンをバターたっぷりのトーストにした。トーストとカレーは、ものすんごくよく似合う。そりゃ白い御飯にかけるのが最高だけれど、2日目のカレーをトーストと一緒に食べるのも、それはそれで密かな楽しみなのだった。

2日目の「マースカレー」は、何やらますます懐かしい風味。なんでも、業務用にかなり広く出回っているカレーだそうで、感じる懐かしさは「学校給食や社食のカレーに使われいたルーかもしれない」というちゃんとした下地があるのであるらしい。うん、どこかで食べた気がするのよねー……スキー場のロッジとか。

「……残りはカレーうどんですか?」
「カレーうどんですかね……でも、冷凍うどん買ってこなきゃだわ」
そんな事言いつつ、朝からカレー臭い私たち。

おうちで弁当
 鶏肉とにんにくの芽の中華風炒め
 コロッケ
 コールスローサラダ
 ふりかけ御飯
豆腐とコーンのスープ
麦茶

今日の息子は、幼稚園イベント「おいもほり」。
朝から
「お芋、いも御飯にするってことで良いかしら?」
「……コロッケがいいなぁ〜」
「さつまいもは……あんまりコロッケにしないよ。いも御飯じゃなきゃスィートポテトとか」
「……コロッケがいいなぁ〜」
「だから、コロッケは〜」
なんて熱い議論を交わしていた息子は、おにぎり弁当を持って楽しそうに幼稚園の門から建物へ駆けて行った。

「もう、お芋掘りは終わったかな?」
と思いつつ、昼御飯の準備。料理は全部お弁当に入れたものと一緒だけれど、小皿に入れたおかずは温め、御飯もアツアツにチンする。昨日のスープも温めたら、かなりちゃんとした昼御飯になった。

おかずは、鶏肉をコロコロサイコロ状に切り、ざく切りにしたにんにくの芽とそれと大きさを揃えて切ったにんじんを炒め合わせたもの。塩味ベースで炒め、少しだけオイスターソースを加えて風味づけ。昨夜作ったコールスローサラダと、息子のリクエストで買ってきたスーパーの総菜コーナーのポテトコロッケは、ほとんどを息子とだんなのお弁当箱に詰めちゃったので、私にはほんの小さな1かけを。

「うん、けっこういい味じゃなーい」
と自分で自分を褒め称えつつ、にんにく臭い鶏肉をつまみながら御飯をかふかふかっこんだ。お弁当箱の蓋あけて、いきなりにんにくの匂いが漂ってびっくりしちゃわなかったかしら、2人とも……。にんにくの芽を炒めたのは冷めてもけっこう美味しいから私はついお弁当おかずに使ってしまうのだけれど、思春期を迎える頃になったら息子に、「おかん、それやめてよー臭いからさー」とか言われちゃいそうな気がする。

鯛ときのこのスキレット焼き
イイダコのおぼれ煮
ほうれん草のポタージュ
玄米御飯
アイスティー

「おいもほり、たのしかったー」
と帰ってきた息子は、でもさつまいもを持って帰って来なかった。昨年は2本ばかりヒョロリとした芋を持って帰ってきたので今年も、と思っていたのだけれど、今年は園で調理して幼児たち皆で食べることになったらしい。ちぇー、芋御飯にしようと思っていたのになー。

芋御飯に合わせてほうれん草と油揚げの味噌汁に、鯛を焼くか煮るかして和風にしよう……とあれこれ食材を買っておいたのに、肝心の芋が来なくてちょっとショボン。イイダコをトマトソースで煮込もうと思っていたので、それに合わせてイタリアン寄りの夕飯にしてしまうことにした。

イイダコは、薄切りにんにく、赤唐辛子、刻んだ玉ねぎと炒め合わせて、水煮缶のトマトを加えて数十分コトコト煮込んでいく。「イイダコのおぼれ煮」という料理名のこのレシピは、先日Tさんに教えてもらったものだった。レシピいただいてから、いつか作ってみようとイイダコの安売りを待っていたのだけれど、昨日8匹ほどパックになったそれが200円ちょっとだったので「これは買い!?」と。

醤油と味醂で甘辛く焼きつけようかと思っていた鯛の切り身は、シンプルにスキレットでこんがり焼いちゃうことにした。しっかりめに塩胡椒して皮目からじくじく軽く焦げ目がつくように焼いていき、裏返す段階で適当にほぐしたしめじと舞茸を投入。白ワイン注いで少しだけ風味づけして、あとは塩胡椒以外の調味料は加えずシンプルに。皿に盛りつけてから、ベランダのローズマリーをぶちっとちぎってきて1枝飾った。

そして、味噌汁予定だったほうれん草はポタージュに。バターで薄切り玉ねぎ、長ねぎ、じゃがいもを炒めて水加えてコンソメ加えて20分ほど弱火で煮込み、ざく切りほうれん草を加えて更に煮込む。全体的にグダグダに煮崩れたところでハンディーミキサーを鍋の中に突っ込んでギャギャギャギャギャと細かく粉砕。あとは牛乳加えて、塩で味調えて、最後にバター1かけら落としてできあがり。スープは緑だわタコは真っ赤だわ、玄米御飯は黄色っぽいわと、何だかすごい色合いの夕飯になった。でもメインディッシュはちょっと地味。

ちょっと洒落た食卓になったけれど、息子と2人きりというのがちょっと寂しい。
一応、息子の分もナイフとフォークを出してやったのだけれど、
「……おかーさん、切れない」
と言われ、「いただきます」の2分後くらいに息子の皿の魚を一口大に切ってやることに。更に、
「……おかーさん、スープがへんな色」
とダメ出しまでされてしまう。えー、ほうれん草のポタージュだよー……綺麗じゃん。飲んでくれよー。

きっちり、「自分の好きなものから食べる」習慣の息子は、御飯と魚ときのこを最初に平らげて、それからイイダコのトマト煮(どうもトマト煮込みがちょっと苦手らしい……タコもいまいちお好きでないらしい……)と、「へんな色のスープ」をゆっくりゆっくり口にしていた。でも、数十分後にはどちらも完食。
「……まずかったですか?」
と聞いてみたらば
「ん、ふつーだった」
だそうで。タコも柔らかく美味しく煮えてたし、ほうれん草のポタージュもまろやかな味でかなりイケてたし、でも「ふつー」だなんて、ちょっと悲しい。……まぁ、全部ちゃんと平らげてくれたからいいや。

10月29日 金曜日
あんきもぐんかん。
3日目のカレーライス 玄米御飯で
イイダコのおぼれ煮
ほうれん草のポタージュ
アイスカフェオレ

だんなが夕御飯を食べられなかった日は、朝御飯に出して似合うものならなるべく翌朝の食卓にも出すようにしている。昨夜はイイダコが美味しく煮えたし、ポタージュもたっぷりできたので朝食に出すことにした。少量残ったカレーライスを玄米御飯にかけ、カレー皿じゃなく小ぶりのシチュー皿に盛りつけてテーブルに。軽めのランチでもおかしくないような、ちょっと豪華な朝御飯になった。

カレーはすっかりグズグズに煮えちゃって、肉もモロモロに砕け散る直前という感じ。それが美味しいのよねー、なんて言いながら朝からカレーをもりもり食べる。息子には不評だったイイダコとポタージュも、だんなには大変に好評だった。でも、確かに真っ赤なタコのトマト煮と色鮮やかな緑色のスープが一度に食卓に出ると、「なんじゃこりゃ」って印象かもしれない。……今度はちゃんと料理の色合いも考えて献立を考えよう。

薄切りフランスパンとカチョカヴァロのステーキ
アイスティー

7月から居間の水槽でたゆたっている我が家のペットの金魚「アドン」と「サムソン」。
どちらもリュウキンという種類の、金魚らしい体型の金魚で、食欲旺盛、病気もなく、いつも元気に泳いでいる。んが、より丸っこい体型の「アドン」が水面にぷかぷか浮かびがちになってしまった。どうも餌を与えると悪化するようで、最近は朝に1回フレークタイプの餌をごく少なめ(1分もすれば金魚たちに食い尽くされてなくなるくらい←一般的には2〜3分で喰いきる量、とある)にとどめていたのだけれど、なのに食後数分後にはぷかーっと浮かび始め、それから3〜4時間は本人(?)が必死に水底目指して潜ろうとしても尾鰭の方からふわわわわ〜んと浮かび上がってきてしまうのだった。しょうがないわという風情で、背中を上に腹を下に(不自然じゃない体勢で)水面に浮き続けるアドン。一般的にこういう症状を「転覆病」と言うらしい。

転覆病の治療には、「金魚の水に塩を入れる」とか「水をあっためる」なんてのが有効らしい。水温が低くなると浮かびがちになるらしく、熱帯魚のようにヒーター入れて27℃くらいにしてやると良いのだとか。
「ヒーター……金魚ごときにヒーターまで買わなきゃいかんのか……」
と、昨日あれこれ調べ考え、今日の昼のうちにホームセンターでも見て来ようと思っていた。買ったばかりのヒーターをいまいち綺麗じゃない水槽に突っ込むのも何なので、昨日は水槽の1/2量の水の入れ替えと、ついでに水槽の掃除もちょっとやっておいた。……そしたら、今朝になったらアドン、すっかり転覆の気配がなくなっている。サムソンと一緒に、こちら側に顔を向けて「餌くれ」アピールを水槽内でヒラヒラとやっていた。あの、ぷっかぷっか浮かび上がるあの様は、「水を替えろ」のサインだったのかしら……謎。

「……ま、ホームセンターには行かなくて良くなった、と」
と、昼御飯はなーんにも考えずに好きなものを思うさま食べることに。そろそろ硬くなってきたフランスパンの最後の1切れを、カチョカヴァロのスライスと一緒にフライパンで焼いちゃうことにする。

フライパンにバターを落とし、そのバターの真上にパンをばふっと蓋するように乗せ、バターを染みこませつつ焼いていく。そのすぐ脇にはまん丸の断面の、スライスした厚さ5mmほどのカチョカヴァロをぺろっと1切れ。焦がさないように弱火にして様子を見ながらパンとチーズをあっためていく。適当に火が通ったところで、パンの上にべろんとチーズ乗せて、できあがりー。今日のも、明らかにパンの断面積よりチーズのそれの方が大きくて、「チーズを乗せたパン」というより「パンを敷いたチーズ」のようになってしまっている。すてきすてき。

熱したモッツァレラほどの粘るようなのびやかさはないけれど、どっしりと重量感のある、「びよん」といった擬音が似合いそうなチーズ。ツンとくる強い風味も、むわっと口から鼻に押し寄せるような匂いもないけれど、素朴なチーズらしいチーズの味がする「アドナイ」のカチョカヴァロは今日もしみじみと美味しい。

千葉 「銚子丸」にて
 銚子あじ
 本まぐろ中落ち軍艦
 マカジキ
 とろサーモンあぶり
 あんきも軍艦
 煮穴子握り
 バチマグロ
 やりいか
お茶

夕方は、息子の音楽教室。そろそろ、「毎週楽しく教室に行く」だけじゃ真剣に追いつかなくなってきて、最低でも週に2度くらいはちゃんと練習して行かなきゃいけないようになってきた。いよいよ両手で別々のことを弾くことが要求される段階になってきて、聞いている方もちょっと楽しくなってきた。これまではドレミーとかミファソーとかドドドーてな単調な感じだったし。

教室が終わって外に出ると、この季節はもう暗くなり始めている。
「ちょっとね、ヨドバシカメラでお買い物したいものあるんだ……寄っていい?」
「うん、いいよー」
と、教室帰りにヨドバシカメラでお買い物。

1年くらい悩みに悩んで買った、愛用中のデジカメCanon IXY DIGITAL L(後継機種が本日発売予定だそうで)は動画も撮影できるのだけど、これまで「デジカメの動画モードなんて、たいしたもの撮れそうにないし」とこれまで触りもしていなかった。……が、先日の息子の運動会、おもしろ半分に走る息子の動画など撮ってみたら、これが案外綺麗で案外楽しく、音声もばっちり入っていて思った以上に良いもので、びっくり。これなら旅行先とか、水族館で心ゆくまでクラゲの動画を撮影するとかしたいかも(←それかい……)と欲望が渦巻いてしまい、32M程度のメモリーカードじゃ物足りないわと大容量カードを買い求めに来たのだった。512Mで1万円ちょっと。これで、これまでの15倍以上の写真を撮れるし動画もどっさり撮ることができる〜♪

つい他にもあれこれ見てしまい、お店を出た頃には日もとっぷり暮れて私も息子も空腹だった。まだ5時半を過ぎた頃ではあったけれど、やけにお腹が空いてしまって、
「おかあさん、ぺこきゅ〜……」
「ぼくも、ぺこきゅ〜」
「……どっかで食べて帰っちゃう?」
「うん、どっかでたべてく」
なんて会話の後、2人で手つないでフラフラと回転寿司屋銚子丸に入ってしまった。軽く食べて帰ればいいやとか考えていたのに、2人で食べて食べてお会計4600円くらい。ちょっとたまげた。

「今日のおすすめ」にあったマカジキや、あん肝の軍艦。綺麗な薄紅色のバチマグロや、口の中がネカネカするほど脂の乗ったサーモンを炙ったものなど、回転寿司らしいものを食べたり魚らしい魚を食べたり。今日はとろんと柔らかく口中でとろけそうなアジとか、イカが美味しかった。今日のマグロは、まぁ普通かな、という感じ……(時々おっそろしく美味しいマグロもぐるぐる回ってたりするときもあるんだけど)。

今日はそれより何より、息子がせっせとよく食べた。いつもは「回っているもの」だけにご執心で、玉子と稲荷寿司とあとせいぜいイクラを食べれば満足していたのに(その代わり、玉子を3皿食べたりする)、今日はメニューを眺めて
「この、"おこさまマーク"って、ぼくが食べたらうれしいもの?」
「これは、からくないものなの?」
なんてあれこれ私に聞いてきた後、店中に響く大声で
「すみませぇん!ぼくに、マグロをくださぁい!ワサビ入れないでくださぁい!」
とか注文し始めた。

「すみませぇん!ツナサラダ、くださぁい!」
「すみませぇん!ごちそうさまでしたぁ!」
と、息子、回転寿司を大満喫。最初に茶蕎麦の皿を取ってチュルチュルと啜った後、立て続けに玉子握り、稲荷寿司、マグロ、ツナサラダ、イクラを口にして満足そうだった。うわ、この人6皿も食べてるよ……(しかもジュースと杏仁豆腐まで)。

「あー、お腹いっぱいになっちゃったよ」
「ぼくもねぇ、おなかいっぱいで、おいしかったぁ」
「……君、すんごくよく食べたもんねぇ」
「おーなかいっぱい♪のぞぞぞ〜♪」
「お、何の歌?新曲?」
「"おなかいっぱい"の歌だよ」
「そっかー」
息子の作詞作曲による新曲を拝聴しながらとろとろと帰宅。ああ、明日もきっとたらふく食べることになる予定なのに、今日もなんだかしっかり食べちゃった……。

10月30日 土曜日
馴染みの店「太閤園」で酢豚を食べる
稲毛 「太閤園」にて
 酢豚定食 \780

今日は夜、水道橋で飲み会。
「そうそう、船橋東武の催事場にへんこが来てるってよ」
「……あー、買いに行くかー」
「じゃあ、適当に外で御飯食べて、そのまま船橋へ……」
と、起きるなりだんなとごにょごにょと相談し始め、「もう朝御飯もミスドかどっかで外で食べちゃえ」という話に。

まだ時刻も10時前で大変に余裕のある週末のスタートとなったわけだけれど、その直後、「さすがに今日は寒いよね……」と息子の冬服を引っ張り出し始めてしまったところ、おおいにハマる。つい、もう来年は着られそうにない夏服の整理とか、保存しておいたは良いけれどもう着られそうにない冬服の整理などを始めてしまい、すっかり1時間コースの片づけモードになってしまった。こうなると、出るに出られない。
「ちょっと待って、あと20分……」
なんて言いながらがさがさがさがさ大量の服と格闘していたら、昼間近になった。

「どうせだったら、12時の開店待って太閤園(たいこうえん)に行く?」
「太閤園久しぶりー。うん、いいかもいいかも」
と、「近所で軽めに朝飯&船橋あたりで昼飯」の予定を「近所でがっちょり昼飯」に変更。空腹抱えて、開店直後の太閤園に駆けこんだ。どこにでもあるような店構えの、小さな中華定食屋さん。身近な食材しか使われていないし、混雑しているときは料理が出てくるまでめちゃめちゃ時間がかかるけれど、でもたいてい満席の「近所で評判の中華定食屋さん」という感じ。私もだんなも(だんなの実家の皆様も)ここの料理が大好きだ。

この店で美味しいのは、なんといってもチャーハン。そして「野菜炒め」「肉野菜炒め」「茄子野菜炒め(肉入り)」と3段活用のバリエーションのある炒め物。この店に来るたびについついそれらばかりを注文してしまうので、今日は絶対別のものを食べてやるぞと決意してメニューを眺めた。
結果、私は「酢豚定食」780円、だんなは「肉ニラやさい炒め定食」730円、息子はいつも通りにチャーハン\650。オヤジが1人で鍋をふるっているお店なので、注文した全ての料理が同時に出てくるなんてことはありえない。最初に息子のチャーハンが来て、次に私の酢豚が来て、最後にだんなの炒め物が来て、各自アツアツのところをガツガツと食べた。

この店の全ての炒め物に共通しているのだけれど、写真のように油がいーい感じに表面に膜を作ってテラテラとしている酢豚がやってきた。チャーハンも大変に油がたっぷり使われているようで(でも不思議とそんなにギトギトネカネカしていない)、米粒一つ一つに油膜が張っていて、十分経ってもなかなか冷めないというありさま。炒め物類も、皿の底部にドーナツ型の油膜が薄くできていたりするのだけれど、でも不思議とその油っ気がイヤな感じじゃないんだな〜。

初めて食べたこのお店の酢豚は、やはり大変に美味しかった。揚げた豚肉を甘酢あんで絡める酢豚、豚の揚げ衣がベシャベシャになってしまうと悲しいほどに美味しくなくなってしまうのだけれど、ちゃんと最後までサクサクカリカリの衣の食感が楽しめた。その他の具はざっくり大ぶりのにんじん、玉ねぎ、ピーマン、そして何故かキュウリ。ケチャップの味じゃない、酢と醤油と砂糖の味のかなりさっぱりした味の酢豚だった。甘ったる〜い酢豚はあんまり好きじゃないので、これもまた嬉しい。

そしてだんなの前には、モヤシがたっぷりの豚肉とニラと白菜、にんじんなどの炒め物。「肉野菜炒め」「茄子野菜炒め」シリーズは味噌とも醤油ともつかない、知ってる味なのに再現ができない味なのだけれど、ニラ炒めは醤油ベースのシンプルな味つけ。これまた、シンプルなのに御飯の進む良い味だった。息子は息子で1人前のチャーハン(これまた茶碗3膳分くらいありそうな)を「ぜんぶ食べる。ぜんぶ食べられる」と、1/4ほどを私とだんなに分けてくれた他は1人で食べきってしまった。
「おとうさんの作ったチャーハンと、このチャーハン、どっちが美味しい?」
とだんなが聞いてみれば、口をもぐもぐさせつつ無言で目の前の皿を指さしていた。

昼食後は、予定通り船橋東武へ。
なんでも「にっぽんの味」とかいうイベントが開催中なのだそうで、そこに我が家で愛用している京都の胡麻油屋さんへんこ山田が出店中なのだった。ここの胡麻油、値段はスーパーで売られているそれよりお高いけれど、これをナムルにひとたらし、焼き餃子の仕上げにひとたらしすれば、自分の料理の腕が2〜3段階上がったような錯覚を味合わせてくれる幸せな油だ。油というより「調味料」として使えるような感じ。
「豚味噌鍋用の練り胡麻買っておかなきゃ」
「ラー油もあんまりないよ」
「あと、胡麻油も……1缶買っとく?」
ずらーりと胡麻油や練り胡麻すり胡麻、ドレッシングなんかが並んだブースの前で、あれこれあれこれお買い物。ずっしりと重い胡麻製品抱えてその後ずっと歩くことになった。

その後は、チェーン漫画喫茶media cafeでダーツやったり漫画読んだり。私は本を読むのがやたらとトロくさく、漫画喫茶で漫画を読むのはものすごく非効率なのだけれど(古本屋でその本買ってきて読む方が絶対安上がり……)、読んでみたいと思っていた『BLACK CAT』を先日からせっせと読んでいて、最終巻までやっとあと3冊。長い道のりだった……(そして続きが気になる)。

水道橋 「台南担仔麺」にて
 富貴耳 \450
 泡菜 \250
 ザーサイ \250
 香腸 \250
 やみつきレモンダック \680
 鶏皮バリバリせんべい \550
 [虫可]仔煎 \550
 水餃子 \600
 香菜 \500
 葱油淋鶏 \600
 大根餅 \550
 家郷茄子 \650
 茄子の黒酢炒め \650
 手羽先の南乳風から揚げ \550
 肉味噌かけご飯 \250  担仔麺(卵入り) 5×\280
 台湾ビール 3×\500
 生ビール 2×\450
 台湾花雕(8年もの) 2×\2800
 ウーロン茶 \350
 コーラ \350
大人4人、子供1人でよく食べました……。

夕方5時、水道橋。今日は"某有害物"撲滅委員会第一回例会ということで、DちゃんHさん&我が家3人で飲み会。麻布の方の台湾料理屋さんに行ってみようとか色々相談していたのだけれど、結果、我が家が何度か行ったことのある台南担仔麺に行くことになった。土曜の夕方5時なんて時間に混雑することはあるまい……と思って予約もせずに行ったのだけれど、案外と客席は埋まっている。しかも帰り際にマスターがそそそそ、と寄ってきて、
「あのね、これから年間くらいまで、週末はかなり団体のお客さんが入る予定なんですよ。多い時は50人くらい入っちゃったりして、そうするとお席の用意ができなかったりするから、一報入れていただけると。雨の中なんか、駅から歩いて来られて満席だったら申し訳ないんで」
だそうだ。

Dちゃんズはちょっと遅れてくるとのことで、先に豚の耳(富貴耳)とか腸詰(香腸)、野菜の酢漬け(泡菜)、ザーサイなんかを注文してポツポツと食べて待つ。2人が合流してからは、クワーッと揚げ物とったり餃子取ったり、あれこれあれこれ食べてしまった。だいたいが小皿でやってくるので、手羽先の唐揚げなんかは1人1本だったりするけれど、それにしてもけっこうよく食べた。お2人とも飲んべぇなので、つい台湾紹興酒のボトルを2本も空けてしまったりして。

バリバリに揚げた鶏皮にスイートチリソースを添えたものとか、肉味噌を乗せた香菜、腐乳の風味のする手羽先の唐揚げなんかはもう何回か食べたことのあるお馴染みのもの。今回は[虫可]仔煎(台湾でも食べた、牡蠣入りの卵焼きでケチャップ状の甘辛ソースがかけられている)や茄子炒めもいくつか食べてみる。

最高に美味しかったのが、家郷茄子と茄子の黒酢炒め。前者は甜麪醤風甘辛味で、後者はねっとりとした黒酢味。黒酢は、でも少しも酸味なんかがなくて、こっくりした甘さがある。どちらもザッと油通ししてから炒められた皮を剥いたざく切りの茄子の料理で、
「茄子、うまー」
「……ほんとにうまーい」
と、全員からにょきにょきと箸が突き出されていた。最後は当然担仔麺。全員が卵入りで、片手にすっぽり収まるくらいの小さなラーメンをちゅるちゅると啜った。

食後は、食事中にボーリングの話が盛り上がり、酔っぱらった頭をふらふらさせながら後楽園のボーリング場に。さらっと2ゲームやって、プレッシャーに弱い事が判明したDちゃんをその他全員でいたぶり、ギャラリーやライバルがいると燃えるタイプのだんなは4回連続ストライク(フォースとか、フォーバーガーと言うそうで)を成し遂げたりしていた。私はひっさしぶりのボーリングかつアルコールでぐにゃぐにゃで50点とか60点とか(←元々下手くそだけど、それにしても悲しいほどに酷い)。
次回の例会には、遙か太平洋の彼方からも会員がやってくるみたいで、楽しみ楽しみ。次回は鍋か焼き肉かなー。

10月31日 日曜日
今期初の豚味噌鍋〜
「サンマルクカフェ」のチョコクロ
カフェオレ
「アドナイ」の無糖ヨーグルト

昨日、水道橋駅と台湾料理屋を往復する道すがら、行きに
「……ちょこくろー……」
と呟いていただんなは、帰り道には
「うん、買っていこう、チョコクロ〜」
と呟いて店の奥に消えていった。チョコクロワッサンが恋しかったらしく、「おみやげ5個セット」の箱を持って店から出てきて、何やら嬉しそう。

サンマルクカフェというチェーンコーヒーショップの名物が、このチョコクロワッサンなのであるらしい。ほんのり小ぶりで、大ぶりの板チョコがバボーンとゴージャスにクロワッサン生地によって包まれている。だんなも私も、このお店の"チョコクロ"を食べるのは初めて。箱に「1個につきレンジで15秒チンすると美味しいですよ」と書かれていたので、その指導のとおりに15秒チンして食べてみる。

クロワッサン生地がほわんと温かく、チョコも熱いと感じるほどではなく適度に柔らかい。元々チョコクロワッサン及びチョコデニッシュは大好物だけれど、ここのはチョコ含有量がたまらなくたっぷりで、幸せな味だった。こってりしているけど、甘さはそれほど強くない。チンせずにチョコが固いままバリバリと食べるのも、それはそれで美味しかった。

5個のクロワッサン、当然私とだんなが2個ずつで息子が1個、と息子以外の誰しもがそう思っていたのに、ぺろっと1個のクロワッサンを食べた息子が
「2個めはね、15分チンするんだよー」
なんて事を呟きながら(15分!?)テーブル中央に置いた箱にじわじわと手を伸ばしている。
「あー、だったら、お父さんに残り1個あげてさ、お母さんと半分こしよ。ね?」
という私やだんなのアドバイスも聞かず、2個目のクロワッサンも(15秒チンして)ぺろりと完食。しょうがなしに、私とだんなが残りの1個を半分こした。

どうやら、次回のチョコクロは、ちゃんと1人2個の合計6個を購入しなければならないらしい……。

今期初豚味噌鍋(白菜・豚バラ肉・うどん)
発泡酒(サントリーダイエット生)
日本酒(本醸造一人娘 茨城山中酒造店)

だんな、日曜日だというのに今日はお仕事。
「夕飯までにはなんとしても帰ってきたい!」
と鼻息粗く出勤し、私と息子は微妙な空模様かつやけに冷え込む空気の中、おとなしく家でお留守番。「あなたもわたしもポッキー♪」と歌いつつ2人でイチゴポッキーなどつまんでいたりしていたのだけれど、昼過ぎにお義母さんが魚介持ってやってきた。

「魚屋さん行ってきたのよ。だから、はいこれ生すじこね。さんまも3尾あげる。あと、ほら、パック入りの牡蠣〜」
目の前にドカドカドカッと魚介が積まれ、ありがたくいただく。お義父さんの車を待たせっぱなしだということで、お茶を出す間もなくお義母さんご帰還。息子と2人、車のところまでお見送りに行った。

「おじーちゃん、ばいばーい」
「お、なんだ、顔見せたと思ったらもうバイバイか」
「そうよねぇ。おうちに、遊びに来る?」
「うん!いくー!」
「おおそうか、じゃあ乗りなさい」
「はい、荷物ちょっと寄せてね」
「じゃあね、おかあさーん」
「ほほほほほ、じゃあまた夕方にでもね」

お見送りということで、サンダルつっかけたままだった私と息子。目の前十数秒でそんな会話が繰り広げられ、口を挟めず唖然としている間に、息子はおじいちゃんの車の後部座席におさまって、そのまま手をヒラヒラこちらにふって連れて行かれてしまった。寒風吹く中、サンダル履きで取り残される私。
「……なんだったんだ……」
息子が遊びっぱなしだったパソコンやゲームを片づけ、「まぁ……いいか……」とやけに静かになってしまった居間でだらだら読書などしていたら思いの外だんなが早く帰ってきてくれた。

6時過ぎには息子も帰ってきて、夜は今シーズン初の豚味噌鍋。買い物をしてきてくれただんなによると、白菜が1/4株で200円だったり、万能葱が1把298円と、大変なお値段だったらしい。でも、ここ数日ずっとこれが食べたかったのよね〜、と、かつてなくお高い原価の高級豚味噌鍋。

事前に酒粕や仙台味噌や練り胡麻、醤油、酒、砂糖、にんにく、生姜などなどを火にかけ、練って練ってケチャップ状になった"練り味噌"を作ることで始まるこの豚味噌鍋は、我が家の冬の定番料理。結婚した最初の冬か次の冬だかに、ムック本に載っていたレシピを「これは美味しそう!」とだんなが作り始めたのがきっかけだった。以来、一冬に2回あるいは3回くらい味噌練りしては、その冬にせっせと豚味噌鍋を堪能している。本来の鍋仕立てにする以外にも、風邪気味のときに鍋焼きうどんにしてみたり、モツ煮込みの調味料にしてみたりと、あれこれ遊べる味噌なのだった。

具は、一応「白菜と長葱としゃぶしゃぶ用の豚バラ肉」というのが基本なのだそうだ。でも、きのこ類も似合うし、かぶや人参、大根なんかもすごくよく似合う。味噌に似合うものなら、たいてい何でも似合う。今日は、基本ということで白菜と豚バラ肉(ただししゃぶしゃぶ用じゃなくて、普通の薄切りのバラ肉)で。

最初は発泡酒をクワーッと飲み干し、続いて、いただきものの茨城のお酒一人娘を酌み交わしつつ、久しぶりの豚味噌鍋。今回は酒粕が「菊姫大吟醸」のものを使っているのだけれど、まろやかな味の美味しい酒粕なので練り味噌もやっぱり美味しい。練り味噌の材料は酒粕がけっこうな分量を占めているので、スーパーで普通に買える板状の酒粕よりも、デパ地下や酒屋さんで買えるペースト状のふわふわし酒粕を使うのが圧倒的に美味しくできる。今回も、だんなが「おいしくおなりーおいしくおなりー」と呪文を唱えながら練り上げたそうなので、材料の良さと相まってすごく美味しい練り味噌になっていた。

「白菜入れまーす」
「肉も入れまーす」
「もっと入れちゃえー」
と、肉と野菜をさらっては更に次の肉と野菜を投入して……と、食べて食べて、750gくらいの肉が消え失せた。白菜も1/4玉、うどんは3玉食べきった。スープと共に具を器によそって、刻んだ万能葱をかけては七味唐辛子をパッと散らし、ひたすら食べていく。最初から最後まで同じ味わいの(ポン酢や胡麻だれを添えるわけでなし、味に変化はない……)鍋なのに、酒を飲むのも忘れてしまうほど美味しい鍋料理。今年はこれから何回食べられるかしら。冷凍うどん、山ほど用意しておかなくちゃ。