食欲魔人日記 09年03月 第2週
3月9日 月曜日
突如始まった入院生活、これは夕御飯……(おいしくない……)
卵かけ御飯
豆腐と油揚げの味噌汁
麦茶

昨夜、うっかり転んでしまって足をひねり、「うわーちょっと酷い捻挫だわこれ」と、あまりの痛さに夜間外来に行ってみたところ、撮影したレントゲンを見た先生が一言、
「折れてますね」
と。……はい?

しかも、そのお医者さんが言うことには
「うーん、固定でなんとかできるレベルか、手術が必要か、判断に迷う状態です」
と。……はい?手術!?

いやいやまさかそんな、ちょっと階段からずっこけたくらいで、と、昨夜はとりあえず固定してもらって、痛み止めもらって帰ってきた。足を少し持ち上げた状態で、よーく冷やしながら寝なさいと指示されていたので、そのように。

「今日は足がすっごく痛いからね、足の間で寝るのは、今日は止めてね。顔とか胸の近くに来てくれるなら、それは大歓迎だから」
と猫たちに伝えたところ、その言葉が通じたのか、単に足に乗った氷の袋が気に入らなかっただけなのか、ともかくりゃんりゃんはずっと私の脇腹にくっついて寝てくれていた。

ともかくも、今日は大きなお医者に(万が一の時に手術も対応してくれる病院に)行きましょうということで、息子を学校に送りだしてから簡単に朝御飯を済ませて病院に。少量残っていた味噌汁と、チンした冷凍御飯に生卵かけてさらさら食べた。だんなは私の付き添いでお仕事休み。いっそがしいだろうに、ほんとすみません……。

病院にて
 豆腐のサラダ 和風ドレッシング
 酢豚
 かき玉汁
 御飯
 お茶

で、大病院で再び検査。
「これは手術が必要です」
と期待とは逆の方向に太鼓判を押されてしまった。少し腫れがひいたところをみて数日後には手術しましょう、で、あなたは今から入院です、と。ハニワ顔になった私は、そのまま心電図とられたり採血されたりして着々と入院検査を終え、昼過ぎにはベッドの上の人になった。……私、「荷物になるから」と携帯も何も持ってきてないんですが……。入院、出産時以来なんですが……。

「一度帰って、息子が学校から帰るの待って、また来るから」
と、だんなが去ったと同時くらいに遅めの昼御飯が出てきた。酢豚と、和風ドレッシングを添えた豆腐のサラダと、御飯とかき玉汁。献立自体は「わー、給食みたいだー」という感じだったけれど……美味しくなかった……。

御飯ばかりやけに量が多いし(自炊の食事では、私はいつも御飯控えめ……その分おかずはけっこう食べるけど)、全体的にすんごく薄味。酢豚もなーなんだかなー塩気が控えめでも、もうちょっと他にやりようがあるんじゃないかなー……という味気ないものだった。ダイエット道場にでもいる気分でいればいいかなぁと、全部ちゃんと食べようという気持ちは早々に捨てて、豆腐サラダ以外は半分ずつくらい残しておいた。手術当日は前夜9時から翌日朝まで絶食(水すらダメ)だそうで、その分痩せるかなぁ痩せるといいなぁとか思ったり。点滴入るみたいだから多分虚しい野望で終わるような気もするけれども。

足がぐるぐる巻きに、漫画のように固定されて足の下には氷枕。痛み止めが効いているのかさほど痛くなく、正直言って、暇をもてあます。病室内での携帯メールはOKだけれど(携帯ゲーム機もギリギリOKらしい)、パソコン使用はデータ転送含めてスタンドアローンでの利用も不可。フロア内にある談話室でなら使って良いらしい。
「手術前は安静ですか?車椅子乗って談話室に移動はダメですか?」
と聞いてみたら
「むくみ防止にちゃんと冷やして、左足を上に持ち上げて固定したその車椅子だったらOKですよ」
と。

3時頃にだんなと息子が入院用のグッズあれこれ、ノートパソコンやPSPの充電ケーブルなどを持ってきてくれたのを良いことに、だんなと息子を見送ってから早速パソコン担いで車椅子で談話室に移動し、今動いている仕事先へ「足の骨折れちゃいました。入院してますけど仕事します仕事できます」と連絡したり、頓挫していた北海道旅行記の続きを書いたり。「火サスの先輩」は、
「大変やなぁ。その報告はアレか、"しばらく一緒に飯は食べれません"ってことか」
と笑っていた。いや、飯もなにも、心配なのは仕事の方で……。半ば冗談らしいと思ってる風だから、退院したら松葉杖ついて「ほら、ほんっとに折れてますから!」と見せに行こうかと思う。

病院にて
 白身魚のじょうよ蒸し
 なすといんげんの炒め煮
 青菜のおひたし
 苺
 お茶

余裕が出てきて、病室まわりの探険もおおむね終わった。「配膳室」の入り口には献立表があったのでデジカメで撮影して、この先の献立を知ってしまったり。今日の夕飯は若干謎な感じのものだったから、デジカメで撮影した献立表がすごく役にたった。

見た目は白身魚の揚げだし、茄子の何かと青菜のお浸し(えのき入り)、ごはん、そして苺3粒。味噌汁なしで茄子の何かが汁物の代わりらしい。献立表には「白身魚のじょうよ蒸し・なすといんげんの炒め煮・青菜のお浸し・果物」。そうか、あれは茄子といんげんの炒め煮だったか。なんか、判然としない味で「炒め煮」というより「傷め煮」などと言いたいような……。

「肉が喰いてぇ、魚や野菜じゃパワーが出ねぇ……」
とどこかの海賊王的な呟きを心中発しつつ、でも魚はまぁまぁ食べられる味。甘い苺が何よりの御馳走だった。

「えー?骨折〜?」
という痛みとショックから抜けてみて気がつけば、これから退院までは禁酒生活ということ。あああああ、御飯のまずさよりもそっちの方に耐えられそうにない。薬(多分痛み止めがメイン)を飲んでいるからさすがにこっそり飲む根性はなく、退院したら呆れるほどビールを飲むんだーと入院初日から心に誓った。ビールと、あと、焼酎とピンガとワインと梅酒と銀座カクテル!(はぁはぁ……)

3月10日 火曜日
肉がキター!って感じの夕御飯
病院にて
 さつまあげ・さやえんどう
 キャベツの和え物
 御飯
 わかめと玉ねぎの味噌汁
 お茶、牛乳

入院2日目、入院初めての朝。

消灯が9時だから(そして我ながら案外素直に消灯後速やかに眠ってしまったものだから)、私の起床は4時。
「そうだよね、大体7時間睡眠だもんね、私……」
もう一度寝ようと頑張ったけれど、結局目が冴える一方だったので諦めて弱めに読書灯をつけて本を読んでいた。

おかげさまで東野圭吾の『容疑者Xの検診』じゃなかった、『容疑者Xの献身』を読み終えることができた。入院フロアの共用本棚にこの本があったので試しにと手にとってみたのだけれど、次回のキャラメルボックスの舞台はこの小説を舞台化するのだとか。東野圭吾の文章は思っていたよりもかなり読みやすく、あっという間にページが進んだ。今度は隣に並んでいた同作者の『夜明けの街で』を読んでみようかと。

毎食後に飲むことになっている痛み止めを飲んだのは昨晩6時過ぎ。明け方には薬の効き目も切れ始め、早く食事して早く薬飲みたいなという気分で臨んだ朝御飯は、超和食の超粗食という感じだった。
うう、ハムやベーコン(やっぱり肉かい)が食べたいなあぁぁぁぁ。てか、パンという選択肢はないのかなあぁぁぁぁ。

さつまあげ、朝からさつまあげ……これが美味しいさつまあげなら文句ないけど、普段ならよう買わない感じの安い味のさつまあげ……と哀愁を感じてしまいつつ、それでもトレイの隅に牛乳の紙パックが鎮座ましましているのは神々しく感じられた。牛乳!牛乳万歳!と、今朝一番美味しかったものは牛乳。

病院にて
 ホッケの塩焼き 枝豆
 春雨サラダ
 高野豆腐の含め煮 人参、ふき
 御飯
 お茶

怪我したのが日曜の夜で、その日はもうお風呂どころではなかったから、最後にお風呂に入ったのは土曜の夜。手術前日にはお風呂に入りますよと聞いていたので明日には入れるはずなのだけれど、でももう火曜の今日の時点で体からキノコが生えてきそう。せめて髪を洗いたい。でもなぁ、明日には入れるそうだし我慢かなぁと思っていたら、
「シャワー浴ですが、入浴の許可でたのでどうぞ〜。今日、最初に入っちゃいましょう!」
と朝食後に看護師さんがやってきた。え、まだバスタオルもシャンプーとかも揃えてないんです、今日の午後には家族が持ってくることになってるんですが……と言うと
「大丈夫、病院のをお貸しできますので!」
と。

それは嬉しいですと、ありがたくシャワーを使わせてもらった。
海の見えるところにあるこの病院、談話室からは水平線も臨めるのだけれど、あいにく私のいる病室は山側。連れて行かれた浴室は海側にあって、「そんなに見えてよろしいんでしょうか」というほどに海が良く見えた。ぶっちゃけ、絶景だった。でも風呂場にしては広い……というか、20畳くらいの広さのここは浴室ではなくて何かの作業場という感じ。洗い場もなく、浴槽もなく、洗面器などもなく、広い空間の中央に患者さんが横たわったまま入浴できる、なんだかすっごいマシンが設置されている。形だけは猫足バスタブだけれど、サイズは3倍くらい、みたいな。

マシンの中には湯がなみなみ張られているところだったけれど、残念ながら私は今日はこれはダメだということで、その横の移動できるベッド部分(本来はこのベッドに横たわると、電動リフトで持ち上げられて湯の中に移動できる)だけを使ってのシャワー浴。

お手伝いに来てくれた女性の看護師さんは、あれこれ準備をしてくれた後に「では全部洗い終わったらナースコールしてくださいねー」と去っていったのだけれど、この奇妙な広さと開放感と開放的すぎる窓からの景色の中での入浴は、ある種羞恥プレイか露出プレイかという感じだった。でも体洗いたかったんだもんね、髪なんて超洗いたかったんだもんねと、諸々のプレイ指向は頭からぬぐいさって、一心不乱に体のお掃除。やっとすっきりできました。

入浴後にはだんなももう一度来てくれて、リクエストしていた諸々の品を持ってきてくれた。PSP用のワンセグチューナー持ってきてれたので、これでテレビ視聴もできるようになり(個別に使えるテレビもベッド脇にあるのだけれど、見事に有料なもので)、たこ足配線用のコードも持ってきてくれたので思う存分電気製品の充電もできるようになり、買ったは良いけどなかなか読めないでいた小説も手元に。仕事用の資料ファイルもごっそり家のデスクトップマシンから落としてきてくれた。あとは悲惨な食生活に一縷の潤いをということで、北海道の生キャラメルやバターサンドをおやつ代わりに。

そんな感じで「美味しいものが冷蔵庫にある」と思ったら、病院食もなんとか乗り越えられそうな気持ちになってきた。
お昼御飯は嬉しいことに、ホッケの塩焼き(ホッケは好きだー♪)がメイン。全くかけらも塩気のない、冷凍くさい茹で枝豆と、やっぱり薄味の春雨サラダ、精進料理的な風合いの高野豆腐の含め煮などがトレイに乗っていたけれど、ホッケの塩焼きの存在(と冷蔵庫内のお菓子の存在)でなんとなく美味しくいけちゃった昼御飯。でもやっぱり御飯は多かった。入院して以来、一度も御飯を完食していない。だって御飯がもりもり進むおかずじゃないんだもんよ……。

アイスクリーム(ハーゲンダッツ メープルクッキー)

午後には母が秋田からやってきた。

骨折とわかった昨日の朝の時点で、「家事がなんにも出来そうにないから助けてー!」とSOSを出していたのが幸いして家の留守も(息子の世話とか猫の世話とか)なんとか安心できる状態になった。

もう持ってきて欲しいものはなかったけれど、とりあえず顔見に行くわよと言われて、「ほらー、すごいでしょー」と談話室でしばしお話。
「なんでまた、あんた。カルシウム足りなかったんじゃない?」
いやぁ……2日で牛乳1本空けてますよ?小魚の小骨とか鬱陶しいから丸ごと食べちゃうし。

かくかくしかじかで、ネットも繋がるしお仕事できるしおおむね快適だけど、何しろ食事がねー……と苦笑いしてたら、「おやつ食べましょ!ここで食べていいのよね!?」と、売店でジュースやらマドレーヌやらアイスクリームやらを買い込んできた。母、そんなにお腹空いてるの……?と思っていたら、
「はい、あんたもアイスクリーム食べて!あと残りは置いてくから!」
と。えええー?そんなに巨大なカステラは、さすがに要らない……。入れるとこない……。

ともかくも、母の心遣いに感謝しつつ、苺ジュースとカステラとマドレーヌが棚の中にしまわれた。カステラやっぱりでっかいよママン……。
で、冷凍庫はないからねとその場で食べたハーゲンダッツのメープルクッキーはめっちゃめちゃ美味しかった。一緒にアイスクリーム食べてジュースも1つ飲み干した母は、「明日また来るわねー♪」と帰っていった。いや、明日は来なくていいよ、明後日とかでいいよ……。

病院にて
 ハンバーグ おろししそソース添え
 茹でキャベツ、トマト
 かぼちゃとピーマンの煮物
 もずくとなるとの吸物
 御飯
 キウイ
 お茶

今日はそんな感じで、仕事はあまり進まず、旅行記も進まず。

病院のスタッフさんは皆良い感じで、
「氷枕取り替えますねー、夜ずっと保つように氷パンパンに詰めてきましたよー愛も詰めてきましたよー」
などと軽口も叩かれる。

「勝手に車椅子乗っちゃいけません!病院がOK出すまで、ベッドから車椅子などへの移動は、ご面倒でもその都度ナースコールしてくださぁい!」
と怒られたりもしつつ、でも今日の昼には「車椅子も勝手に一人で乗っちゃっていいですよ」の許可も出た。
自分1人で出来ることはつい1人でやろうとしてしまうのだけど、いかんかったようで……ベッドから車椅子、車椅子からトイレ、といった移動の際にバランス崩して転んだら骨折が増える大惨事になりかねないからと諭されて、その後数回、お医者や看護師さんたちの目の前で乗って「ほら、全然大丈夫」と見せたら「あ、ちゃんと乗れてますねぇ……すごい自己流ですけど……バランス取れてるならOKです」と許可が。

で、これで丸1日以上病院にいて、朝と昼は御飯+3品(うち1品は汁物であることが多いが絶対ではない)、夜は御飯+汁物+2品+デザートといった感じの献立なんだなと理解した。

嬉しいことに、明日から数日分の「献立票」が回ってきて、半分ほどの食事はAB2択で選べるようになっている。好きな方に○をつけて提出してください、とのことだ。昨日今日は入院したてのイレギュラーということで、選択肢のない食事だったのであるらしい。

パンの朝食ある!チーズもある!ブラボー!と、朝は選択肢のある限りパン食に○をして、夜は肉方面のおかずの方に○をしておいた。でもねぇロールキャベツといわしの蒲焼きの2択だったら、ギリでいわしになるんだなぁ……。
手術予定の日のところは、しっかりと「朝:無 昼:無 夜:無」と書かれているのが異様に切なかった。この日記つけてて初めてじゃないだろうか、丸1日ほんとに何も食べられない日というのは。その日の写真はどうするんだろう。……点滴??(いやん)

なんとなく光明も見いだせたところで、今日の夕御飯はおろしハンバーグと嬉しいものだった。我が家のハンバーグの1/2サイズほどだけど気にしないことにする。すっかり冷めた茹でキャベツとトマトが添えられて、それら全部に市販のパック入りしそ醤油をかけていただくようになっていた。
もずくとなるとの吸物は、なんとも形容しがたい味だったけれど、甘く煮たかぼちゃとピーマン、あとハムも入っていた煮物は完食。甘いものに飢えているものだから、苦手なはずのキウイも完食。御飯はやっぱり半分残した。

さて、棚の中のカステラを食べるべきか思案中……(やめときました)。

3月11日 水曜日
こんなパン朝食に涙が出そうになってみたり
病院にて
 食パン・マーガリン・りんごジャム
 野菜と鶏肉の炒めもの
 クリームチーズ
 オレンジ
 牛乳・お茶

病院での私の目覚め時刻、今朝も4時過ぎ。消灯の9時頃に眠くなる(多分食後に飲んでる痛み止めに眠くなる成分が入っているのかなと想像)のは良いことだけど、もれなく7時間後に目覚めてしまうのだから、早朝に一人「ヒマーヒマー超ヒマー」と悶えることになる。

ぽちぽちとだんなのパソコンアドレス宛にメール打ったりしていたけれど、我慢できずに布団ひっかぶってネットサーフィン。電波の問題で病室での通信が不可だというなら納得もするし従うけれど、携帯のメール送受信もブラウザ閲覧も可能なのにパソコンはダメという理屈は理解できない。キータッチ音がうるさいからパソコンはダメなのかなぁと思って、キーボードは極力叩かない方向で、マウス使ってぽちぽちといろんなページを見たりメールの受信だけしたりしていた。

PSPのワンセグ機能使って朝のテレビ番組を見ながらの朝御飯は、今日はパン!待ちかねたパン!ありがとうパン!
8枚切りの食パンが2枚と、給食で出てくるようなパッケージのマーガリンとりんごジャム。1口大に包まれたクリームチーズと、オレンジと牛乳。あとは、献立には「野菜と鶏肉の炒めもの」とあったけれど、「どう見ても、炒めてないよね、煮てるよねこれ」という小鉢もやってきた。鶏肉はちょびっとで、当然胸肉。しくしくしく……。

それでも久しぶりのパンはとっても嬉しくて、入院以来初めての完食。リンゴジャムつけたパンが「あーおいしいわー」と思っているあたり、私の「美味しい」のレベルが今ものすごい値崩れを起こしている感じがする。「びっくりドンキー」とか行ったら涙流して「おいしいー!」と絶叫するんじゃないだろうか、私。

病院にて
 冷やし中華
 粉ふき芋
 パイナップル
 お茶

午前中は、今日もお風呂。
「ごめんなさいねぇ、今日もシャワー浴なのよ」
と、昨日と同じ場所で、ものすごいマシンの脇の付属ベッドでごしごし体洗い。うーん、開放感溢れすぎている空間だなぁ、相変わらず。

昨日今日と入浴できて良かったわと思いつつ、
「手術の後は、どのくらいで入浴できるようになるんですかー?」
と何の気なしに看護師さんに聞いたら
「抜糸してからですねー」
と。……え?抜糸って手術後1週間経ってからと聞いてるから、1週間入浴なしですか?うーわー……。髪は洗えるんですよねと確認しつつ、こりゃ退院時は体にキノコ生えてるなぁと思ってしまった。まぁ、それ以前に、その後のギプス生活で左足にきのこ生えてきそうだけどなー……。

お昼御飯は、入院して初の麺料理、冷やし中華。
どんぶりにごわっと中華麺がよそわれ、トッピングは錦糸卵ともやし、きゅうり、ハム、紅生姜。汁碗に胡麻の浮いた酢醤油のたれが入れられていて、それをどんぶりにかけていただく。添え物はゆかりを和えた粉ふきいも。パイナップル。

中華麺は、「コンビニの技術をちょびっとだけ学んで欲しい」と思ってしまうほどみっちみちに麺が固まっていた。それでも麺は目先が変わってとても嬉しい。たれを麺にまぶしながら必死にほぐしつついただいた。ほぐしてしまえばちゃんとそれらしい冷やし中華の味になって、満足。たれも普通に美味しかったし、具もそれらしいものだったし、今日は朝も昼も幸せだったなーという感じ。

午後にはまた母がやってきて、
「さ、これ、おやつね!」
と今日はヨーグルトを持ってきた。ミックスフルーツ入りヨーグルトとブルーベリー入りヨーグルト。ミックスフルーツ入りのをもらって、談話室でわしわし食べながらしばらくおしゃべりしていた。毎日おやつ持って来られたら、棚の中のおやつが減らないんですが、ママン……(午前のおやつ&夜のおやつにしろということか?)。

病院にて
 焼き豆腐の肉あんかけ
 里芋のみそ煮
 青菜とコーンの炒め物
 御飯(+たらこふりかけ)
 お茶

今日の夕御飯は、何かの魚料理と、「焼き豆腐の肉あんかけ」の2択だったからもちろん「肉」の方にした。
……が、
「こんなんじゃパワーでねぇ……ひき肉5粒じゃパワーでねぇ……」
と、また某海賊王が脳裏に降臨。肉はあまりにも少なかった。ささやかだった。煮ている間に蒸発しちゃったのかと思った。こんな感じまでは期待しないけど、もうちょっとこう、肉が欲しかったかなー……みたいななー……。

そもそも、「肉あん」が吸物の塩気以上に塩気が足りないうすらぼやけた味で、全然「肉あんかけ」になってなかった。豆腐にしゃばしゃばしたひき肉入りの野菜水煮がかかってるような感じだった。豆腐+ひき肉5粒入り柚子味噌、別に野菜スープという組み合わせの方がまだ美味しくいただけたかも。

御飯が多くて、と、この日記に書いていたら「そういう時はふりかけとか梅干しとか!」とアドバイスをいただいて、早速母に「ふりかけ持ってきてください」とお願いしたら、見事な選択肢だった「おとなのふりかけ小袋パック」をチョイスしてきてくれた。たらこ味もある、紅鮭味もある、わさび味も私大好きなんだブラボー!と今日はたらこふりかけかけつつ御飯も完食。

今日は朝昼が良かっただけに、夜はがっかり夕食だったけれど、ふりかけの効果は絶大だった。
……さて、で、私は今日の午後9時半以降は何も食べてはいけないんだー……寝る前にバターサンドと生キャラメル食べてから歯磨きかなぁ。

3月12日 木曜日
イメージフォト:今日の朝日「手術がんばるよー」
点滴ー
ずっと点滴ー
まだまだ点滴ー(おなかがすいたー……)

そういうわけで、今日は手術。
昨夜、夕食後から絶飲食を指示されていて、今日は朝8時から点滴生活。手術は午後(時間は前の手術の終了時間に左右されるのでわからないそうで)と聞いていて、案の定昼前から猛烈にお腹が空いてきた。でも我慢。なんにも食べられない。

昼前には手術着に着替えて、"T字帯"なる名称の、いわゆる「おふんどし」を装着して、そうこうするうちに立ち会ってくれる母やだんなも病院にやってきた。手術室への移動は、「早ければこのくらいの時間になります」と聞いていた、午後2時過ぎ。外科ということで、腹を切られたりする恐怖とは無縁の手術ということもあって、「痛く感じることができるだけ少ないといいなぁ」とは思いつつ、それほど緊張したり不安になったりということはなかった。

折れた上にズレてしまっていた2本の骨をチタンの板やらボルトやらで繋ぐ手術で、麻酔は下半身のみ。臍から下あたりが痺れて全く動かない状態の中、頭の方は至極はっきりしていて、耳にヘッドホンつけてもらってクラシック音楽を流してもらっていた。何しろ頭はちゃんとしてるので、オペ中の指示の音とか、諸々の作業の音が全部聞こえてきてしまうので、「それは勘弁してください」ということでヘッドホン。

で、事前に
「お流しする曲はクラシックで良いですか?他にもJ-POPかオルゴール曲とか、選べますよ?」
と伺っていたのだけれど、「懐かしアニメソングでお願いします」とも言えるわけなく、クラシックで。切れ目なくえんえんと流れていた曲は有線放送でも引っ張ってきてるのかと思ったら、超ローテクな「カセットテープ(120分テープ)」のようだった。途中でテープを替え、前半はお馴染みの曲ばかりのクラシック曲(「春」とか「組曲惑星」とか「ユーモレスク」とか「星条旗よ永遠なれ」とか「ラプソディ・イン・ブルー」とか)、後半のテープはニューミュージック系の、映画音楽などを集めたものだった。

時折、足元から「キュイーン」だの「ゴリゴリ」だのいう音が振動と共に伝わってくるので、それは「あーあー聞こえなーい感じてなーい」と無視する方向で、流れてくる曲の音符をドレミで追いかけてみたり、映画音楽だったら「その映画のことをできるだけ詳しく思い出してみよう」と妄想してみたり。でもなぁ、手術する時に流す曲が勇ましいマーチ曲だったりすると、なんだか過剰に出血とかしてしまいそう。現に、スターウォーズのテーマ曲が流れてきた時は、意味もなくときめいて心拍数が増えていた。

「大丈夫大丈夫、皆さん途中から寝てしまいますから」
なんて麻酔の先生はおっしゃっていたけれど、私は空腹のあまりに「お腹空いた……眠れん……お腹空きまくり……眠れん……」と、そればかりでさっぱり眠れず。最初から最後まではっきりくっきり意識を保ったまま、夕方に無事に手術は終了した。背中から痛み止めの入る細い管、股間からも管、腕には点滴、口には酸素マスクというものものしい状態で、今日はナースステーション近くの個室に1泊。

病室に戻ってほどないタイミングで、一度息子を拾いに戻っていただんなが息子と共にやってきて、術後約2時間経過して「もう大丈夫でしょう」というところまで一緒にいてくれた。母も昼過ぎからこの時までずっと付き添っていてくれた(手術の間は手術室の隣の家族控え室というのがある)から、ただ寝ていただけの私よりもずっと疲れただろうなと思う。皆さんお疲れさまでした。どうもありがとう。

とりあえず、足もちゃんと繋がったし、うまくいけばあと1週間で退院だそう。
退院したら肉!そして酒!(もうほんとにそればっかり)

3月13日 金曜日
手術後初飯。お、美味しかった……。
病院にて
 食パン・マーマレード・マーガリン
 ツナと野菜の炒め煮
 コーンスープ
 オレンジ
 お茶

やっぱり切ったり貼ったりすると痛いものらしく、昨夜は消灯してからナースコール。別の痛み止めも入れてもらって、そうしたらすんなり寝ることができた。今日からやっと御飯!口から食べられる御飯!点滴で入れられる液体でなく!

ぶら下がる点滴に「ブドウ糖」の文字を見ながら
「ブドウ糖じゃ腹は膨れない……」
と呟くこと24時間、今日の朝御飯は「全粥食」というやつらしい。普段のは「常食」。一応朝はパンが良いとの希望を出しているとはいえ、「全粥」じゃ否応なしに味気ない米粥だったりするんだろうか、パン粥でも困っちゃうけどな、と思っていたら、出てきたのは立派なちゃんとした朝御飯だった。食パン2枚にマーマレード、マーガリン、ちゃんと歯ごたえのあるツナと野菜の煮物、多分このへんが「粥」なのだと思うけれど、具の一切ないコーンスープ。あとはオレンジ。

「コーンスープ!コーンスープきた!!!」
こういう「粥」だったら大歓迎!と、常のコーンスープの1.5倍くらいは薄味なそれは、でもとっても美味しかった。意図せず断食道場の気分が味わえてしまった今朝。でもなぁ、ツナと野菜の炒め煮はなぁ、いっつもこの手の小鉢は画一的な味がする(=画一的な味しかしない)んだよなぁ……。

病院にて
 茄子の酢の物
 青菜の磯和え
 肉じゃが
 御飯
 お茶

午前中のうちにあれやこれやの管は取れて、残るは夜に外れる予定の点滴だけ。でもさすがに手術の翌日はベッドの上からあまり動く気分になれず、芋虫のようにゴロゴロしていた。でもモンハン起動して、村クエのラージャン2頭討伐とかに挑む元気はあった。

もひとつ悩みの種は持ち込んだパソコンで、突然ブルースクリーンが頻発して、起動中にばっかんばっかん落ちるようになってきていること。どうにも原因がつかめなくて、とりあえずだんなの同機種パソコンを借りることにしたものの、この状況下で再セットアップしなきゃいけないのかなぁ、仕事できないなぁメールも読めないなぁと心が沈む。

そんなこんなのお昼御飯、おかずは肉じゃが。神の采配?と思うほど、今日の朝と昼は幸せな御飯だった。薄味だけれど、ちゃんと肉が(今度は5粒とかじゃなく)大きめのが5切れとか入っている。茄子の酢の物も、「これなら毎食食べたいです」というほど美味しかったし、毎食このレベルなら入院の苦痛は大分和らぐのに、という内容だった。肉じゃがには人参と糸こんにゃくも入ってた。

病院にて
 春雨サラダ
 いわしの蒲焼
 お麩と三つ葉のすまし汁
 御飯

午後一瞬発熱して手術跡が痛くなってきたので対応してもらい、うとうとしていた夕方には母が息子を連れてきてくれた。
だんなのパソコンも持ってきてくれて、もともと少々異様な私のベッド周りの風景はますます「電脳要塞」みたいなノリに。家から持ってきてもらったテーブルタップの類も大活躍中。だんなのパソコン使いつつ諸々設定していたら、どうやらモデムドライバが壊れかけてエラーが頻発していたのと、ウィルス対策ソフトが何やら悪さをしているらしいと突き止めることができた。私のパソコンも無事復旧、だんながレンタルしてくれた一定期間使い放題のモデムカードのおかげで、むしろ通信がしやすくなった。ばんざーい。

夕飯は、朝昼とうってかわって、ちょっとがっかりなもの。
「お母さんはね、あんたはできる子だと思ってるのよ?」
と配膳トレイに諭したくなるような、悲しい内容だった。他の献立は共通で、「いわしの蒲焼」と「ロールキャベツ」の2択だったのだけれど、これならロールキャベツの方が後悔は薄かったかも。

いわしの蒲焼だったら、もっとこうテラテラニカニカした感じのものを想像するのが常だけれど、目の前のいわし(しかも小さい)はパサパサしてたしカサカサしてたし、普通になんだか干物みたい。澄まし汁の具はお麩と三つ葉で化学調味料味満載だし(具が簡単だから化学調味料臭さが消えない……)、醤油をかけていただく春雨サラダもなんだかなぁ……という。

諸々の調子が出てきたからそう思ってしまうのかもしれないけれど、ほんのりがっかり風味だった夕御飯に、思わず生キャラメルを食後にもぐもぐ。うー、生キャラメルおいしー。

3月14日 土曜日
お友達がケーキ持って来てくれました〜
病院にて 
 食パン・りんごジャム・マーガリン
 大根とツナのサラダ 青じそドレッシング
 キャベツと玉ねぎ、ベーコンのスープ
 牛乳・お茶

味気ないパサポソした食感の食パンでも、それでも3食米の飯よりは嬉しいよなぁと思ってしまう私は相当パン好きなのであるらしい……と、今回の入院で改めて自覚した。6時起床で、トイレ行って顔洗って身支度整えて、看護士さんの簡単な問診を受けて、7時半には朝御飯。その間微妙に暇なので、こっそりベッドの上でメール受信したりする。

今日は窓ガラスがガタガタと揺れていて、たいそう天気が悪いみたい。どのくらいの荒天なのかしらと食事前に車椅子転がして海の見える談話室に行ってみて驚いた。よほどの風が吹いているようで海が大荒れ。東京湾がここまで荒れるのもそうない光景だわと、防波堤に砕ける激しい波しぶきを眺めつつ、そんな中でウィンドサーフィンやパラセイリングをしている人たちがいることにもまたびっくり。普段そう混雑することのない談話室も、今朝はカメラ片手に窓辺に立つ人などがいてなかなかに賑やかだった。

朝御飯は、具は良いんだけどとにかく薄味の野菜スープと、細切り大根を水にさらして、ツナとプチトマトを添えたサラダ、小袋入りの青じそドレッシングつき。学校給食を見習って欲しい感じの、「パンといったらとにかく食パン」という風の食パンと(クロワッサンとは言わない、せめてコッペパンとかねぇ……目先が変わるのにねぇ……)、こればかりは毎日出てきてくれて嬉しい牛乳と。

病院にて
 もやしとニラ炒め
 五目卵焼
 わかめスープ
 御飯
 パイナップル
 お茶

午前中は母がちらりとやってきて、「お花買ってきた」と。

この病院の病室では花そのものはともかく「花瓶を置く」事が禁止されていて、「お花買ってきてくれても、花瓶置けないからねー」と以前話していたら、小さな箱入りのアレンジメントを選んできてくれた。これならどう見ても花瓶ではなく、水がこぼれる心配もなく、「箱」だから倒れようもなく、大丈夫そう。いかにも春という感じのディープピンクのチューリップをベースにした可愛らしい色合いの花箱で、テーブルの端に置くだけで雰囲気が華やかになった。母も私も花が大好きで「こういう感覚ばっかりは男の人にはわからないものよねー」と。

今日のお昼御飯は、「やればできる子」的だった、甘酢あんをかけた五目卵焼き。グリンピースや人参などが入って、固めに火を通した卵焼きに、あまり塩気の薄さは気にならなかった甘酢あんがかかっていて、デザートのパイナップルも甘くて美味しかった。

ショートケーキとかマカロンとか

アイスカフェオレ

午後は友人ご夫婦がお見舞いに来てくれた。
何か欲しいものがあったら、とのことだったので、遠慮なく「生クリームのケーキが食べたい、冷蔵庫は小さくてペットボトルくらいしか入らないから、その場で食べるの前提に。でもカトラリーなんにもないのよ」と伝えておいたら、苺のケーキがあれこれ数種類。紙皿やプラフォークを持ってきてくれた。ありがたくショートケーキをいただいて、他のもちょこちょこ味見させていただいてしまい、俗世の味にうっとり。うー!生クリームのケーキ!おいしー!カスタードクリームたっぷり詰まったミルフィーユもおいしー!

下階の自販機でアイスカフェオレも買ってきてもらって、談話室でしばらくお茶会。
ケーキを食べ終わってしばらくした頃には、もう1人お友達がやってきてくれた。友人夫婦とは初対面の友人だったので紹介しつつ、「漫画アニメ」の共通項で盛り上がる。曰く「乙女のパソコンはブラックボックスである、伴侶などに覗かれてしまった時のダメージたるや」とか、「立ち上げているソフトを背後から覗かれそうになった時に、いかにして取り繕うか」とか、云々。

「取り繕うのはねー、ウィンドウズキー+Dが良いですよ、立ち上がってるソフトが全部最小化されてデスクトップだけになりますよ」
「あー、それはいい!でもねぇ、そのデスクトップの壁紙もねぇ……」
「それはどうにもならんです」
とか、談話室の片隅でまぁ賑やかにおしゃべりしていた。

友人は何冊か雑誌も持ってきてくれたのだけれど、「せりあさん、日記で肉肉言ってるからー」と、『Meets Regional別冊 東京肉本』なるすごい肉肉しいムックも差し入れてくれた。どのページを開いても肉!とにかく肉!焼き肉屋さんにモツ鍋屋さん、ハンバーガーにとんかつ、焼き鳥、カツサンド!知っているお店もいくつか載ってたけど(六本木の三河屋とか、四谷の忍とか)、知らないお店で気になるお店もすごくたくさん。「退院して、歩けるようになったらこの店いくんだー」とお楽しみがいくつもできた。

病院にて
 青菜のお浸し
 野菜の天ぷら(ししとう・茄子・人参のかき揚げ)
 肉みそ豆腐
 御飯
 お茶

ついついおしゃべりに花が咲き、先に帰っていった友人を見送った後、友人夫妻と「じゃ、最後に一狩りだけ」とモンハン立ち上げてG級連続狩猟を1つ終わらせたところで、だんなと息子がやってきた。今日は法事で一日外出、終わった後に病院に寄ってくれたらしい。

そろそろ夕食時で、友人夫妻とお別れしたら部屋で一人で食べるかなという感じだったのが、それならと談話室でそのまま食べちゃうことに。テーブルの上にはあれこれお菓子を並べ、私以外の人にはそれをつまんでもらいつつ、私は一人夕御飯。何しろ病院の夕御飯は6時、けっこう早め。ちなみに面会時間は夜8時まで。

せっかくのこの機会に病院食の薄味っぷりをわかっていただこうと思ったのだけれど、今日の夕飯はこれまた「やればできる子」メニュー。肉みそ豆腐は、数日前に「ひき肉5粒のあんかけ豆腐」とはうってかわって、ちゃんとひき肉たっぷりの、それなりにしっかり味噌味のついた肉みそあんかけ豆腐だった。若干薄味ではあるけれど、味噌の味はちゃんとついているのであまり気にならない。しかも副菜は「野菜の天ぷら」。今日に限って揚げ物だ。しかもちゃんとサクサクした食感の天ぷらだ。

「んー……、まぁ、食べてみる?」
と、お裾分けした面々は、口を揃えて
「うん、ちょっと薄味かもだけど、美味しい」
「普通に美味しいです」
「このレベルが毎食だったら普通に幸せ」
「んー美味しい!もっと食べたい!」(←息子)
と、肉みそ豆腐は好評だった。うん、私もね、このレベルの味つけだったら毎食文句はないの……。

食後はだんなと息子も交えて2狩りほどして、7時半過ぎに皆とお別れ。
今日は賑やかでほんっと楽しい土曜日だった。午前中には「この頭じゃキノコ生えます!午後にお友達が来るんですー」とシャワー台で頭も洗わせてもらったし、さっぱりした気持ちで就寝。

3月15日 日曜日
夕飯がカレーであるとは聞いていたけど、こういう盛りつけで来たか……
病院にて
 青菜とコーンの炒め物
 ゆで卵
 食パン・アプリコットジャム・マーガリン
 オレンジ
 牛乳、お茶

昨日は少々はしゃいでしまったようで、夜は早々に熟睡。朝も今日は5時になるまで(8時間寝れば5時だから)目が覚めなかった。手術跡もそれほど痛まなくなってきたみたいだし、何より何より。

朝御飯は今日もパン。添えられるのはりんごジャムとマーマレードのバリエーションしかないのかしらと思っていたら、今日はアプリコットジャムだった。ゆで卵というのも新鮮で嬉しかったし、オレンジうまー。ぜひともほうれん草はバター炒めにしていただきたかったところだけれど、そこはぐっと我慢。パンに添えてあるのもバターじゃなくてマーガリンだしねぇ……。

病院にて
 えのきとキュウリの和え物
 ごぼうと牛肉の土佐煮
 真鯛の塩焼き
 ご飯
 お茶

今日の午前中は、病室から出ずに、ベッドの上でのんびりと。昨日友人が買ってきてくれた本や貸してくれた漫画などなどがあるということもあったけれど、午前9時半からの「ONE PIECE」を見たいんだよなぁと、ベッドサイドテーブルの上にPSP置いてワンセグモードにしたうえで、ベッドで正座して(……できないけど、気持ちの上で)放映を待っていた。案外綺麗に見ることができるPSPのワンセグチューナー。でもアンテナ向きをちょこっと変えるだけで数秒受信が途絶えてしまうので、ここは慎重に、動かさないように、数十分前から「ゲゲゲの鬼太郎」まで見てしまいながら、無事に「ONE PIECE」を視聴。

が、前半パートの半ばにして
「タオルお持ちしましたー、体拭いてくださーい」
と、清拭用の温タオルがやってきてしまった。お風呂に入れない間は、毎日このアツアツタオルで体を拭く。アツアツじゃないと風邪ひきそうだし、何しろ気持ち良いしでタオルが冷めないうちにすぐにも拭きたいけど、イヤホン外してから作業しないとPSPが倒れちゃうし、放映は見ていたいし。

で、結局、数分後に始まったCMの間にうわあぁぁぁと体拭いて着替えて、ものすごいカラスの行水っぷりで後半パート開始と同時に無事イヤホンを装着するに至った。……明日はしっかり体拭こう……てか、ちゃんと録画予約もしているのになんでこんなに必死なのか自分。

なんだかここまでで疲れ果ててしまって、放映後もベッドの上でだらだら読書したりメールの送受信したり。

お昼は、悲しくなるほどちっこかった真鯛の塩焼きと、ごぼうと牛肉の土佐煮。
鯛は、この切り身がスーパーで3切れ298円の特売価格で売られていたとしても、
「あら、安いけど……こんなに小さいと、食べるところないわよねぇ、メインのおかずになりようがないし」
と買うのは控えるだろうなというサイズ。小さいなら小さいで他にやりようもあるだろうに、あえて超シンプルな「塩焼き」なものだから、サイズの小ささのフォローがどこにもなくて切ない感じだった。

病院にて
 野菜サラダ 胡麻醤油ドレッシング
 シーフードカレー
 らっきょう
 キウイ
 お茶

午後はだんなと息子が来てくれて、同じくらいのタイミングに友人も1人お見舞いに来てくれた。
この日記を読んでいない(存在を知らない)友人なのだけれど、「これ、御飯のお供になりますか?」と、すごく美味しそうな佃煮のふりかけセットを持ってきてくれた。新橋の佃煮屋さんのものだとか。すごい!ブラボー!とっても美味しそう!

クッキーなどつまみつつ、しばらくおしゃべりして、友人が帰った後はだんなと息子と3人で2狩りほど。入院直前に途中までやっていたG級ミラルーツ退治がやっと終わった。

今日はなんだかあっという間に来た夕飯の時間。
夕飯の献立は「シーフードカレー」だと知ってはいたけれど、いつも通りのどんぶり飯の隣に、おかず用の深皿に満たされたカレーが添えられていて、ちょっとびっくり。
「……スープカレー?的な?」
と思いつつ、でもカレー自体は至って普通の、小麦粉ルーのとろとろしたカレーだったものだから、「……どうやって食べるべ」と悩んでしまった。

結局、御飯をすくいつつルーに浸して2割ほど食べ、ルーが減ったところで器を傾け、空いた空間に御飯を移動させて、いわゆる普通の「カレーライス」的外見に整えてから食べることに。入院時に「お箸は自前のを用意、あとスプーンも」と指示されていて、お弁当用の箸箱を使っていたのだけれど、スプーンの出番は今日が初めて。確かにこれはスプーンが必要な献立だわ、と納得しつつ、だんなが用意してくれたスプーンは見事にカレーライス向きの大きなものだったので少し感動してしまった。私だったら、荷物になるかなとヨーグルト用とかの小さなものを用意してしまうところだったよ。

シーフードカレーということで、具はイカと海老。これまたちょっと薄味だったけれど、ちゃんとカレーで嬉しかった。胡麻醤油ドレッシングを添えて食べるのは茹でキャベツとプチトマト、カリフラワーのサラダ。