食欲魔人日記 07年12月 第2週
12月10日 月曜日
「HDR加工」、非常に面白いです
磯辺もち
ほうじ茶
みかん

昨日は町内会の餅つき会があって、息子が近所の子供たちと覗きに行っていた。
「なんかね、お昼の休憩になったから帰ってきたよ」
と息子は途中で帰ってきたのだけれど、その後、ついて丸めて各戸分に分けたお餅を近所の人が持ってきてくれた。丸いお餅がちょうど6枚、うち1枚はあんこがくるまれていて、今日はそれで朝御飯を。

あんこ餅は息子が
「僕これ食べる!」
といち早く宣言していたので、息子のものに。あとは普通に軽く焼いて磯辺焼きにしようかねと、いつもの感じで磯辺もちに。少しだけ固くなってしまったけれど、まだまだふわんとした食感の残る餅だったので、ごく軽く炙るだけでテーブルに出した。

12月のまだ上旬とも言える時期に餅つきというのも不思議な感じだけれど、年末年始は何かと慌ただしいのでこの時期になってしまうらしい。そういえば昨日は一日中、外から子供達の声が賑やかに聞こえてきていた。

ここ数日、せっせせっせと食べているのはクック&ダインで買ってみた原農園のみかん。母に送ってあげるついでに我が家の分も1箱買ってみたのだけれど、すんばらしく甘くて、果汁たっぷりで、薄い皮の中に弾けんばかりに身が詰まっている美味しいみかんだ。下手なジュースよりも甘くて美味しくて、年内のんびり食べるつもりだったけれど案外早く無くなってしまうかもしれない。

チーズいろいろ
ミックスリーフのサラダ
鶏肉とバジルのナムプラー炒め 目玉焼き乗せ
フライドオニオンを散らした御飯
ブロッコリーのポタージュ
ビール(Tiger)

今日は仕事しいしい、週末に少し気になって調べていた「HDR画像加工」について実際にフォトレタッチソフトをいじくってみたりしていた。

「HDR」とは「High Dynamic Range」の略で、HDR画像とは、複数の露出で撮影された写真を合成して再現した、デジカメなどで表現可能なダイナミックレンジを超えて表現された画像のこと。デジカメで暗い室内と明るい窓の外を1枚の写真に納めようとすると、窓の外を鮮明にする代わりに室内が真っ暗になるか、室内を鮮明にする代わりに窓の外が真っ白になるかといった風になるのだけれど、HDR加工された画像では室内も窓の外も鮮明な状態になり、「写真が、写真よりも現実に近くなる」という状態になる。説明文をざっと見ただけではピンとこなかったのだけれど、このあたりの説明と写真で、感覚的に理解できた。

HDR画像の存在自体は少し前から知っていたのだけれど、基本的には「三脚で固定し、露出を変えて撮影した複数の画像が必要である」とされていたので私にはやってみたくともできないものだと思っていた。……が、改めて調べてみると、1枚のjpg画像から擬似的にHDR加工風の画像が作れるとのこと。Photomatixというソフトを使ってみて試しに風景写真やら何やら加工してみたら、これがたいそう面白かった。

photo というわけで、今日の写真はHDR加工をしてみた写真。いつも通りに加工した写真が右のもの。Photoshopで明るさやコントラストを調整したものとは違う、ちょっと不思議な感じの鮮やかさがある。面白いけれど、こんな色鮮やかな写真が毎日並んでも気持ち悪いかもね……。

で、今日の夕御飯は、ピザ用に買ってきたバジルがしこたま残っていたので、それを使ってタイ風の鶏肉炒めかけ御飯、目玉焼き添え。鶏肉とバジルの炒め物は、タイ語で言えば「パッド バイ ホラパー イタリー ガイ」という料理名になるらしい。ナムプラーをメインに砂糖も加えた味つけで、にんにくも効いている。

最初ににんにくを炒めて、そこに鶏肉を加え、鶏肉におおむね火が通ったところでパプリカを投入。チキンコンソメを少量溶いた湯を50ccほど加えて軽くそれをとばしつつ醤油とナムプラーと塩と砂糖で調味して、最後にバジルをバラッと混ぜたらできあがり。オイスターソースも加えるともう少しこっくりした味になる。

フライドオニオンを乗せた御飯、サラダと一緒に一皿に盛り合わせて、スープは買い置きのブロッコリーの鮮度が今ひとつになってしまっていたので急遽ポタージュにしたもの。おつまみにチーズも出して、マレーシアで買ってきたタイガービールの最後の1缶を開けつつ平らげた。呆れるほど安かったマレーシアのビール、せっかくがんばって持って帰ってきたんだからと東南アジアっぽい御飯の時にここぞとばかりに出していたのだけれど、とうとう無くなってしまった。

12月11日 火曜日
味がいまいちわかりません。悲しい……。
「中村屋」の肉まん
麦茶

少し前から、息子は「おつかい」が大好き。習い事ついでに「帰りに買ってくるものは、ある?」と度々聞いてきてくれるので、昨日は「パプリカと、もし朝御飯に食べたかったら肉まんも」とお願いしてみた。

パプリカは、大きくて綺麗なピーマンね、赤いのがいいな。多分冷蔵ケースに並んでると思う。肉まんは、中村屋のがいいと思うよ、場所わかる?と1000円持たせたところ、
「問題なーい、楽勝ー!」
と、赤いパプリカと中村屋の肉まん3個を完璧に買ってきてくれた。おつかいに行ってくれるようになって最初の頃は、「キャベツはどこにありますかー?」と八百屋さんで周りの人に聞いたりもしていたようだけれど、かなり危なげない感じになってきてくれて、戦力として充分に役立ってくれている。えらいぞー、息子。

で、パプリカは昨日の夕御飯の炒め物に使いつつ、朝御飯に肉まんを。下味がしっかりついた中村屋の肉まんは、ソースも醤油も要らない感じで大きさも手頃。今日も寒いねーなどと話しつつ、あったかい朝御飯。

宅配寿司
 味ぎん丼
 握りセット(一心太助)
 茶碗蒸し
 吸い物

朝からどうも頭が重いなと思いつつ、仕事してから、お昼頃にふらりと買い物に。買おうと思っていた雑誌数冊を買って薬局行って、パンや食材あれこれ買って帰ってくる頃には、寒気がするのに嫌な汗をかいている妙な体調になっていた。あ〜……風邪?

なんか変だな少し寝ようかなとベッドに入ったらもう起きられなくなっていて、午後は息子が帰宅したのも半分わかっていないような状況でひたすら寝ていた。買い物途中から体調はおかしかったから「今日は簡単に鍋かな」と常夜鍋用のほうれん草などを買ってはいたのだけれど、夕方になってみると「鍋というより、お寿司みたいなのが食べたい」という心もちに。

「夕飯は……寿司、どうかなぁ」
と呟いたら、息子が横で「さんせーい!」と叫んだこともあって、簡単に宅配寿司を注文してしまうことにした。何度か頼んだことのあるお店に一人1個の丼を頼みつつ、光りものの握りのセットも1つ皆で分けるつもりで。それと、ついつい茶碗蒸しも頼んでしまい、どうやら私は食欲だけは存分にあるらしかった。

私の選んだ「味ぎん丼」は、いくらとウニ、ネギトロの3色丼。具はあまり多くなく、代わりにとばかりに錦糸卵がみっちりと敷かれていた。御飯だけは大量に詰まっていて、握り寿司も数個つまむとすっかりお腹いっぱいに。

それにしても味がいまいちわからないな、悲しいなと思いつつ、食べられるだけ食べて、薬しっかり飲んでベッドにユーターン。
だんなが「頭寒足熱!」とか言いながら、湯たんぽと氷枕を持ってきてくれた。これから予定色々あるし、早く治さなきゃ。

12月12日 水曜日
じょーやなべ!
「Krispy Kreme Doughnuts」の
 オリジナルグレーズド 2個
カフェオレ

氷枕と湯たんぽのおかげで、だいぶ復調した今日。
昨夜、Krispy Kreme Doughnutsの大箱をだんなが抱えて帰ってきてくれたので、今朝は皆でドーナツを楽しんだ。後で一人で起きて一人で食べるよりはと、私ももそもそベッドから抜け出てだんなや息子と一緒に食べる。今日も満面の笑みでドーナツにかぶりついた息子は、いつもと同じように5個のドーナツを平らげていた。相変わらずこのドーナツがお好きなようで……。

「揚げたてのドーナツは美味しかったね。ほんっとーに、美味しかったね」
先日有楽町のショップで揚げたてのフリーサンプルを口にできた息子は、未だに「あれが本当に美味しかった」と忘れられない様子。フリーサンプルばかりはその場にいないと食べられないので、休みの日に大行列覚悟でお店に行かないと私たちには出会えるシロモノではないのだった。もうちょっと店舗増えて、幕張とか船橋あたりで買えるようになると良いのにねぇと思う。

常夜鍋(ほうれん草・豚肉)
羽釜御飯
チューハイ(レモン)
みかん

今日は仕事もしつつ、基本的には家でおとなしーくおとなしーく静養していた。せめて読む本くらいは元気な内容のものにしようと「よつばと!」を1巻から読み返してみたり。やっぱりダンボーは良いよ。やんだも良いよ。しまうーも良いよ。でもやっぱりジャンボが好きだよ……と思いながら読みながらごろごろごろ。おかげで夕方、だんなが「そろそろ帰るよー。体調大丈夫?」と連絡をくれる頃には34ダメーくらいに落ち着いていた(ちなみに昨日の夜は78ダメーくらいだった)。

それでも、まだちょっとちゃんとした料理は作れそうにないなと、夕飯はだんなにお肉を買ってきてもらって常夜鍋。
昆布だしに薄切り豚肉とほうれん草を入れて軽く火を通してはひたすら胡麻だれで食べていくという、創意工夫も手間も時間も何も必要としない、「料理」ですらないような食べ物だけれど、ほうれん草をもりもりと美味しく食べられる美味しい鍋料理だ。豚のだしが溶けたスープに塩胡椒をふって飲むのも美味しい。

さすがにお酒は控えなきゃと思いつつ、喉も乾いていたので500ml缶のチューハイをだんなと半分こしつつ、
「……あ、思わず鍋にしちゃったけど、風邪ひいてる私と一緒に鍋って、実は良くなかったんじゃ?」
と今更な事を呟いてしまいながら、でもしっかり色々食べてしまった。

みかんもせっせと食べています。んで今日も湯たんぽ抱えて寝ることにします。

12月13日 木曜日
家常豆腐。目指す味が今ひとつわからないまま、作ってみたり……。
ホットドッグ
カフェオレ

朝起きてみたら、だんながゲレゲレになっていた。「喉が痛い……」と呻いていて、身体も相当にだるい様子。まるで一昨日の私を見ているようだった。……あーあ、伝染っちゃったんだねぇ……。

とても仕事に行けそうになさそうだったけれど、それでも食欲はそれなりにあるようだったので、私と息子と3人で朝御飯。ドッグパンとソーセージがちょうど3本ずつ余っていたので、それでいつものホットドッグを作った。バター炒めカレー風味のキャベツと炒めたソーセージをドッグパンに挟み、チーズをトッピングしてオーブンに。相変わらずJohnsonvilleのソーセージはたっぷりのボリュームで食べ応えがあった。だんなはホットドッグをようよう食べ終え、ベッドに直行。

「和幸」の
 お弁当(カニクリームコロッケ・エビフライ・一口ヒレカツ)
麦茶

今日の夕飯は、塊の豚バラ肉を里芋と一緒に和風の甘辛煮に……と思っていた。が、だんながそんな体調では里芋というのも重いかなと考え直す。私自身、もう少しあっさりした味のものが恋しくなっていたので、豚バラはスライスして一部を使い、家常豆腐(チャージャンドウフ)にしようかなと思い至った。厚揚げ多めで、野菜も多め。あっさり味の中華炒め煮だったら食べやすいかな、と。

「というわけでー、夕飯の材料買いに行くけど、ついでにお昼御飯も何か買って来ようか?何食べられそう?」
カツ丼とか?と冗談で言ったら、
「うん、カツ丼」
と返事があった。ほんとにカツ丼なのか。カツ丼で良いのか。うん、やっぱりカツ丼だよね(?)

で、だんなはカツ丼、私は店頭にポップ札が立っていた「カニクリームコロッケ」が気になってしまって、それが入ったお弁当を買うことにした。クリームコロッケ1個とエビフライ1本、一口ヒレカツ1個つき。刻みキャベツと御飯と昆布の佃煮。

カツ丼カツ丼♪と幸せそうに食べるだんなは一見元気そうだったけれど、その後すぐさま寝入っていたところを見るとやっぱり相当具合が悪いらしい。コロッケやカツは何だか久しぶりな気がして、期せずして充実感のある昼御飯になった。

もやしのナムル
家常豆腐
中華風コーンスープ
羽釜御飯
ビール(ザ・プレミアム・モルツ〈黒〉)

夕飯は、そうこうして急遽決まった中華風。家常豆腐は、私はあまり食べたことがないけれど、だんなが「俺、これ好きなんだー」と教えてくれて覚えた料理だ。外食でも多分ほとんど口にしたことがない料理で、だからお手本となる理想の味というのが今ひとつわからない。手元にレシピだけは何種類かあるのだけれど、どれが正解なのかもわかっていなくて、でもレシピを記した料理人(多分、dancyuあたりに載っていた、ちゃんと中華料理店の料理人さんのレシピだった)を信じてその通りに作ってみる。

本当は豆腐を買ってきて、しっかり水切りして揚げて作る方が美味しいらしいのだけれど、今回は厚揚げで。椎茸と人参と蓮根を湯通ししておき、まずは薄切りのバラ肉を刻み葱、刻み生姜と共に炒める。紹興酒大さじ1に醤油大さじ2、鶏ガラスープを溶いた湯1カップを加えたら厚揚げも加え、数分煮てから湯通ししておいた野菜を加え、更に数分火を通したら片栗粉でとろみをつけて胡麻油を軽く垂らしてできあがり。そんな味つけで本当に良いのかしらと思ったら、こんな感じで良かったらしい。

「こんな感じ、ですかね?」
「うんうん、こんな感じ」
蓮根が入るのって正しいんですかね?どうでしょうね?などと話しつつ、あとは簡単に用意した中華風のコーンスープともやしのナムルも堪能しつつ、厚揚げ2枚使って作った家常豆腐は綺麗になくなった。時々蓮根とか筍とか、そういう野菜が恋しくなる。もう少ししたら筑前煮あたりも作りたい感じ。

12月14日 金曜日
家でだらだら飲み。
バタートースト
アッサムティー
みかん

不調の一夜を明けて、だんなはやっぱり具合がいまいちな様子。「出勤するよー……朝飯、なんでも食べられるよー……」とは言っているものの、いまいち体調は戻っていないっぽい。予定では、余っていた自家製トマトソースを使ってピザトーストにでもしようかなという感じだったのだけれど、それでは少し重いかなと、ただのバタートーストにすることにした。ビタミン補給にと、みかんもテーブルに。

このところバターが品薄気味なものだから、バタートーストひとつ作るにしても、ちょっとした緊張を感じながらパンにバターを塗っている。超大手メーカーのバターだけはスーパーやコンビニから消えることがないのが逆に不気味に思えるくらい、カルピスだの四つ葉だのといった会社のバターはあまり見かけることがなくなってきた。これではパン屋さんケーキ屋さんはかなり大変なことになっているんじゃないかなぁと思いつつ、でも我が家で食べるバタートーストくらいはと、ふんだんにバターを塗り塗り。

私が学生だった頃、「世にも美しいダイエット」なるダイエット法が流行ったことがある。
実はそれを実践してみようと思ったこともあったのだけれど、本を読んで「さらば牛乳よ、もう二度と飲まない」という小見出しが目に入り、私には無理だなと一瞬で挫折した。牛乳絶ちなんて無理無理無理。チーズはハードタイプのみ可とか書いてあったような気がするけれど、無理無理無理(あらゆる種類のチーズが大好きです私……)。牛乳、ヨーグルト、バター、チーズ、生クリーム、あらゆる乳製品が好物な私は「美しいダイエットなんて無理なのね」と否応なく肝に銘じられてしまいつつ、生産調整云々で国産のバターが不足しているという現状はたまらなく悲しく感じられてしまうのだった。

チーズいろいろ
「eashion」の洋風お総菜セット
スパークリングワイン(Jacob's Creek Rose)

結局だんなは今日、ヨレヨレの体調で出勤していったのだけれど、夜には忘年会なのだそうだ。しかも月島であんこう鍋なのだそうだ。
いいなーいいなーいいなーあんこう鍋いいなー私一度しかあの店行ってないよ……と、私も来週に友人たちと都心のホテルで豪華ランチ忘年会の予定なのだけれど、それはそれと棚上げして、ジェラシーストームを胸に抱きつつ、
「だんなが美味しいもの食べてくるなら、私も家で好き放題しちゃうんだもんねー」
と、あれこれ買ってきてしまった。

本日金曜は息子の音楽教室の日だったので、
「お父さん遅いって言ってたから、食べて帰るでも良いし、好きなおかず買って帰るでも良いし?」
「んー、今日は寒いし、家で食べる方が良いと思うよー?」
教室後に息子とそんな事話しながら駅ビルの地下食料品売り場であれこれ購入。

息子曰く、「カツ丼が食べたい」とのこと。
でも私は、カツは昨日食べちゃったしなと別のお総菜セットを自分用にと手に取って、
「カツ丼だったら、カツ丼そのものを買って帰るんじゃなくて、トンカツ買って帰ることにしようか?そしたら家であったかい出来たてのを作って食べられるよ」
とアドバイス。カツ丼くらいすぐ作れるし作ったげるし……と言おうとしたら、息子が眼をキラキラさせて
「じゃあ僕、カツ丼作ってみていい?カツ丼作ってみたい!」
と鼻息を荒くしていた。おお、すごいなー、やる気だなー。母ちゃんはほとんどやる気ないぞー。

で、帰宅してから宣言通りに息子は鋭意カツ丼作り。私は手は出さずに口だけしっかり出しつつ、「購入したトンカツを使用してのカツ丼の作り方」をきっちりレクチャーしてあげた。ちゃんと丼もの用の蓋つき鍋使って、で、浅い鍋なので下手に火が入ってフランベ状態になってしまわないように酒は使わずに水を使う方向で(酒と味醂を両方入れると、強火の火加減ですぐ引火しちゃうので子供にはちと危ない)。

私が普段作るのと大体同じ手順で、玉ねぎをスライスしてから鍋を火にかけ、小さなサイズのお玉に1杯ずつ、水と醤油と味醂を加えて加熱する。玉ねぎを入れて中火で加熱しつつ、その間にカツを一口大にカット。カツを鍋に入れたら溶き卵を準備して、カツの上からかけたら蓋して加熱20秒、火を消して蒸らすこと30秒、鍋から具をずらすように御飯に移せばできあがり。味醂は重要なんだよ、日本の料理を作るにあたって味醂はすっごく重要なんだよ、と、やけに味醂の重要性について語ってしまったような気がする。息子よ、一人暮らしして自炊するなら、味醂も忘れず常備しておけ。

最後の「鍋から具をずらす」ところばかりは難しくて(大人がやっても普通に難しい、普通に難関……)少しだけ手伝ってあげたけれど、それ以外は調味料の投入も材料のカットも、息子は一人で全部やり遂げた。安定しなくて切りにくい、丸のままの玉ねぎを両断してその後にスライスして、という部分も息子はがんばった。お母さんはその間ハラハラしながら口を出しつつ、自分の分の酒の肴のチーズ盛りの準備をしていた。

息子の作ったカツ丼はなかなかの出来映えで、調味料もきっちりお玉で計量しながら加えたこともあって、味の方も上々(←少しだけ味見させてもらった)。
「どうよ、お母さんの作ったのより美味しくできた?」
僕のカツ丼だ!と笑顔でわしわしと大きな丼に入った御飯とカツを頬張る息子に聞いてみたら
「だって、お母さんの御指導じゃん。おんなじくらい美味しくできて、当然じゃん?」
と、すごく冷静に返された。いやぁ、家庭料理って、これがなかなか案外、油断するとミラクルな味になったりするんですよ……?

私の方は、地元の駅前の酒屋(小さな店なのに品揃え充実、店員の若いお兄ちゃんも酒事情に精通していて頼もしい)で買ってきたオーストラリアのスパークリングワインを飲みつつ、洋風のお総菜セットをつまみつつ、家にあるチーズも適当に盛り合わせてつまみつつ。肉類中心のお総菜セットはそれ一つで充分満足できる分量で、肉団子とかハーブでマリネした鶏肉のソテーとか、ローストビーフとかスモークサーモンとか葉野菜を多めにくるんだ生春巻きとか、酒の肴にぴったりなものがあれこれ詰まっていた。

手頃な値段だった、甘さをほとんど感じないさっぱりとした口当たりのロゼのスパークリングワインは飲みやすいは飲みやすかったけれど、余韻に残るような旨味があまり感じられない気がして、少しばかり物足りない気がした。このワインとは今ひとつ合わないのは百も承知で、「でもこのチーズが好きだからこれ食べる」とハバネロ入りのモントレージャックとかハチミツを少し垂らしたゴルゴンゾーラを多めに切って、最後はそれをつまみながらだらだら飲み。

今回は冷やすのに間に合わなくて使えなかったけれど、ワインには冷凍庫で凍らせて使う、ゲル状の保冷剤を仕込んだボトルクーラーがおまけでついてきていて、それが普段使いの同じタイプの保冷剤よりも幾分か洒落たタイプだったものだから(普段使いのは色気がまるっきりゼロの銀色のものでねぇ……)、実はそれが欲しかったからそのワインにしたのだというのは少しだけ秘密。オーストラリアのスパークリングワインだったら、やっぱりGreen Pointが好みだなぁと思いつつ、でも気がつけば1人で1本さらりと空にしてしまっていた。

12月15日 土曜日
久しぶりにミルクレープ
「CoCo壱番屋」の
 豚しゃぶカレー ほうれん草トッピング
 コーンとかフライドガーリックとか温泉卵とか
 麦茶

明け方、やけに咳が止まらなくなって寝ていられずに起きてしまったのが6時半。しばらくネットサーフィンしていたら落ち着いたので、再びベッドに戻ったのが7時半。息子は既に起きていて居間で遊んでいたので、それを気にしつつもうつらうつらし続けてしまい、目覚めたら11時を過ぎていた。隣を見ると、だんなも一緒になって寝ていて、お父さんとお母さんは大変に朝寝坊をしてしまった今日の朝。どうもだんなも私も微妙に風邪を引きずってしまっているようで、なかなかパキッとした気分にならない模様。

さて、もうすっかりお昼御飯という感じなわけですが……パン焼こうか?と話し合ったところ、「どうせだったら、もう昼御飯ということで」と、カレーの宅配を頼んでしまうことにした。ここ最近、「御飯どうする?」と聞くたびに「……ココイチのカレー?」と呟くことが続いていただんな、相当にココイチカレーが恋しい状態なのであったらしい。我が家のいつものカレーよりも食べやすい、このお店の"甘口カレー"が好きな息子に異論のあるはずもなく、メニューあれこれ眺めながらネットで注文した。

私は、ここ最近のすっかりお気に入りの豚しゃぶ+ほうれん草の組み合わせで。トッピングメニューを眺めて「家で用意できるものは家で用意すればいいじゃん」と、ホールコーンの缶詰あけてみたり、フライドガーリック用意してみたり、温泉卵も作っておいてみたり、色々やってみたら大変に具沢山なカレーになってしまった。

豚しゃぶ+ほうれん草+コーンは悪くないし、豚しゃぶ+ほうれん草+ガーリックも悪くないけれど、コーン+ガーリックという組み合わせは今ひとついただけないかも……などと自己分析してしまいつつ、もぐもぐ。

食後、だんなは「ちょっとお買い物したいんだー」と一人で千葉にお出かけ。お願いしていたデパ地下のケーキを買ってきてくれた。
ついでに、いよいよ解禁ということで、もやしもんモネラマグネットが千葉のイエローサブマリン(ヨドバシカメラのビルの上階に入ってるホビーショップ)にもガチャガチャが出ていたとのこと。
「試しに1回だけやってきたー!」
とだんなが見せてくれた戦利品はシークレットの黒オリゼーだった。引きが強いねー……。
ちなみにこのマグネット、大人買いしてしまったので、もうすぐ我が家に50個まとめて届くですよ。

枝豆豆腐
豚肉のにんにく生姜焼き
千切りキャベツ
豚汁
羽釜御飯
「神宗」の塩昆布
ビール(モルツ)

「CARAVAN」のミルクレープ
カフェオレ

明日は外出予定ということもあって、今日はひたすらおとなしーくおとなしーく。夕飯も何だか今日はこれという食べたい品がなく、かといって外食したいという気分でもなく、だんなが
「こう……豚の生姜焼きとか。豚汁と」
とリクエストしてくれたので、そんな感じになった。豚汁は私担当、生姜焼きはだんな担当、買い置きの枝豆豆腐なども出しつつ簡単に準備した。

私もそれなりにこっくりしっかり味の炒め物を作ってりると思うのだけれど、だんなの作るそれはもっとずっとこっくりしっかり味。多分調味料全体の量が多いんだろうなと、良い具合にキャベツが生姜汁を吸ってシナシナしているところを思い切り食べた。私が生姜焼きを作ると、あまり皿に汁が出ることがなくて、ある意味上品かもしれないけれど少しばかりつまらない味になるみたいだ。

豚の生姜焼きと豚汁だなんて「どこの学生街の定食ですか」といった感じの組み合わせの夕飯だったけれど、これが幸せに美味しかった。とんかつと豚汁とか、豚肉料理をおかずに豚汁と御飯という組み合わせは、何だかとても幸せだ。

んで、食後にミルクレープ。数週間前に千葉のデパ地下に新しく入った「CARAVAN」という店名のケーキ屋さん(というかコーヒー屋さん?)は、なんでもドゥリエールのケーキを扱っているとか。店頭にあるのはまさしくドゥリエールのケーキたちで、調べてみればキャラバンコーヒーもドゥリエールもユニマットの経営になっているのだった。

ドゥリエール、一時期やたらと各地のデパ地下に進出していた事があって、いつでも買えるな嬉しいなと思っていた矢先にあっというまにほとんどのデパートから退店してしまい、どうしたことだと思っていた時期があるのだけれど、なんでも平成12年4月に有限会社ドゥリエールの全株式を取得してユニマットオフィスコが子会社化にしていたそうで(ソースはここ)、デパ地下出店退店のドタバタはちょうどその直前くらいだったんだなぁと思い出されてしまった。

ともあれ、千葉でドゥリエールのケーキが買えるのは嬉しいことで、久しぶりに口にしたミルクレープ。
クリーム、クレープ生地、クリーム、クレープ生地……のひたすらにシンプルな構造のケーキだけれど、私はこれが大好き。価格は高めだけれど、シフォンケーキもけっこうなサイズで美味しかったなぁと思い出した。簡単に買える状況にあるうちに、せっせと買って来ようと思う。

12月16日 日曜日
ふらりと入った"昭和ガード下風"居酒屋で
ピザトースト
カフェオレ

買い置きの食パンを食べてしまわなきゃ、自家製のトマトソースもいい加減使ってしまわなきゃ、ということで、今日の朝御飯はピザトースト。
厚切り食パンにトマトソースを塗り、厚切りハムと玉ねぎ、ピーマンのスライスを散らしてピザ用チーズをトッピング。パンも具もしっかり温まるまで10分ほどトーストすればできあがり。

一時期、ピザトーストにハマッて頻繁に朝御飯に用意していた時があったのだけれど、その時は特に疑問も感じずに市販のピザ用ソースを買ってきて使っていた。が、あのピザ用ソースというのはなかなか不経済なシロモノで、しかもケチャップのようにベタベタとした甘さがある。もっとさっぱりした味の、普通のトマトソースで良いんだけどなー、と、トマトピューレを使うようにしてみたら(カルフールで買えるピューレが、これまた安いんだ……)これがなかなか良い感じ。

今回使ったトマトソース(水煮缶のトマトを潰し、オリーブ油と塩、バジルの葉数枚、ローリエと共に火にかけて半量ほどになるまで煮詰めたもの)は、市販のトマトピューレに輪をかけて美味しかった。適度な塩気が良い具合だし、トマトの味もすごく濃厚、バジルとローリエの風味もちゃんとほのかに残っていた。一度火を通して作ったソースはそれなりに日持ちもするし、けっこう便利かも。

飯田橋 「香港粥麺専家」にて
 麻婆担々麺 \580
 デザートセット(杏仁ソフト・冷ジャスミン茶) \300

今日はお出かけ。時間的に乗り換え駅で御飯を食べるのがよろしかろうということで、飯田橋の駅ビルをぷらぷらした。蕎麦屋、手打ちパスタの店、屋台風タイ料理屋、とあれこれあったのだけれど、今回初めて入ってみたのが「香港粥麺専家」というお店。麺料理粥料理がそれぞれ同数ほどメニューに載り、あとは点心数品、デザートも数品、という感じ。セルフサービス式のファーストフードっぽいお店だった。

私は担々麺と、デザートとドリンクのセットメニューを。杏仁ソフトは息子と半分このつもりが、息子に8割方奪われることになった。
いかにもな極細のちぢれのない麺の担々麺は、見かけ以上にしっかり辛め。肉味噌の肉はかなり細かめで、ペースト状になっていて、茹でたほうれん草も多めに乗っている。あ、けっこう辛いわ、ちゃんと辛いわ、と、口の中をヒーヒーさせながら平らげた。ささっと食べられてこれで580円だったらなかなか嬉しいかも。

んで、予定よりもかなり昼御飯にかかる時間が少なく済んだので、観劇までずいぶん時間が余ってしまった。
観劇前にまだ1時間くらいあるねと池袋を歩き、もやしもんグッズ(主にクリアファイル)目当てにアニメイトに寄ってみた。昔々その昔、うる星やつらのカンペンやら下敷きやら使っていた頃にちょくちょくお世話になっていた店だけれど、よもやこの年になってまた足を踏み入れるようになるとは思ってもいなかった。

息子の目当てはもっぱらリボーンであったりシャーマンキングであったりグレイマンであったりする(全部ジャンプ漫画だねぇ……)みたいだけれど、お父さんとお母さんの嗜好はもやしもんであったり、のだめカンタービレであったり、モンスターハンターであったり。店内をうろうろ歩き、めでたくも、もやしもんのクリアファイルを見つけ、もやしもんのノートを見つけ、もやしもんのシールも見つけ、魔が差したついでにもやしもんのマグカップを手にしたところで、
「おゆきさん、こっちに銀魂の土方さんのグッズがあったよ」
とか、
「お母さーん、こっちにワンピースの、ゾロのキーホルダーがあったよぉ〜」
などと息子と夫が2人して声をかけてくれたりするのだった。ものすごくツボを心得た報告はとても嬉しいけど、でもお母さんさすがにもう、そういうものは買いません……(わざわざ教えてくれるということは、2人とも私がそういうのを買っても良いと思ってるということなのか)。

で、そんなことをしいしい、サンシャイン劇場での観劇はキャラメルボックスのクリスマス公演「トリツカレ男」。

最近めっきりオリジナルの作品が減ってきた気がするキャラメルボックス、今回も同タイトルの原作つきの脚本だったのだけれど、割とキャラメルボックスらしい芝居で思った以上に楽しめた。今回主役を張った畑中智行さんという役者さんは、去年のクリスマス公演でも主役だった。小柄ながら存在感のある人で、「まぁ、シベリアンハスキーみたいな顔の役者さんが出てきたわー」と入団当時に感じていたのだけれど、めきめきと実力をつけてきてすっかりこの劇団の看板役者の一人になりつつある。今回は超ベテラン勢も数多く出てきて、そういう意味でも賑やかで楽しい舞台だった。ところで来年春の公演では、"芸能人"上川隆也さんが3年ぶりに戻ってくるらしいです。チケット取れるのかなーと心配しつつ、変に芸能人芸能人持ち上げたりしない上川さんの芝居が見たい。

池袋 「鳥定」にて
 もつ煮込み
 焼き鳥(5本セット・皮・ねぎま・スタミナ焼き・ねぎ・うずら卵)
 とろしめ鯖
 鳥皮ポン酢
 だしまき卵
 カニクリームコロッケ
 マカロニサラダ
 鮭茶漬け
 鮭おにぎり
 ホッピー
……などなど

そういえば、このしばらく観劇は土曜に予約を入れるようにしていたので、日曜の池袋というのは久しぶり。うっかりしていて、行こうと思っていた夕食のお店(静岡おでんのお店とか、串焼きのお店とか)は軒並み日曜が休みだという事実に直面してしまった。

「あら……休みだったか……」
「どうしようね、何かアテ、ある?」
「ないねぇ……」
と、ぷらぷらと駅に向かって歩いていて、たまたま通りかかったのが「鳥定」というお店。「昭和居酒屋」とか、そんな感じの看板がかかっていて、焼き鳥とか刺身とか、いかにもな居酒屋メニューがあるらしい。ホッピーもあるらしい。

「ここ、ど?」
「うん、いいかも」
2階にあるその店、一体どんなところなのかもよくわからないまま、「入っちゃえー」と入ってみたら、これがなかなか美味しかったし楽しかったし、とても満足。

店内は笑っちゃうほどに「昭和ガード下風」な感じ。どこから探してきたんだという風の古めかしい小さなテーブルに、中央に穴の開いているいわゆる「腰掛け」の椅子、壁にはメニューが書かれたペラ紙がいっぱい。ところどころに長州力とか小林旭の映画とかのポスターが貼られていて、まだ夕飯には少し早めの時間だというのにカウンターにはおっちゃんらがずらりと並んでいーい具合に酔っぱらっているのだった。酒屋のロゴの入った前掛けをした店員のおっちゃんらはやたらと愛想が良い。

「(息子の姿を見て)お、僕んちはねぇ、娘居るんですよ。1歳半」
「早くねぇ、しゃべってくれないかなって思ってるんだけど」
「パパなんて呼ばせたくないのね、"お父さん"がいいんだなぁ……」
別にそんなこと聞いてない、と心中苦笑いまじりでツッコミを入れつつ、目の前の店員のおっちゃん(のび太風)は普通に楽しそうな顔をしてそんな事を話しかけてくる。だんなも一緒になって
「娘さんねぇ。じゃあ可愛くてしょうがないでしょ」
とか言うもんだから、どこの親バカおやじの会合かという一瞬が訪れていたりした。

この店、知る人ぞ知るというか、お好きな人にはたまらないというか、それほど目立つ看板が通りに出ていたわけではなかったけれど、ほどなくして店内はほぼ満席に。名物メニューもいくつかあるらしく、今回は頼まなかった「熊玉」なるもの(葱入りの玉子焼き?お好み焼き?)が美味しいらしい。

焼き鳥が無性に恋しかったところなので、5本盛りを塩とタレで1皿ずつもらいつつ、皮とかねぎまとかを別注文。息子のリクエストでクリームコロッケとかマカロニサラダなども頼んだのだけれど、ペンネを使った自家製マカロニサラダも良い感じだったし、しめ鯖などもちゃんと美味しい。肉厚のレバーの焼き鳥なども期待以上にプリプリと弾力のある心地よい歯触りの美味しいものだった。

「スタミナ焼き」なる串は、豚のハラミのにんにく強めのタレ味焼き。これもまた
「おお……なんというか"スタミナ焼き"だ」
「……その感想、全然情報増えてないよね」
「いや、なんというか"スタミナ焼き"なんだよ、食べてみなって」
「……おお、"スタミナ焼き"だ」
「……だべ?」
「……んだな」
という感じ。とにかくにんにくが効いていた。上品か下品かで言えば下品な味なのだろうけど、でも美味しかった。こういうの大好きだ。

卵焼きが、やけに懐かしい感じに甘かったり(私はこんなに甘い卵焼きはまず作らない、好きなんだけど)、ホッピーの脇にちゃんと「中」の値段もついていたり(ホッピーは焼酎に混ぜて飲むものだけど、焼酎だけのお代わりを「中」とか「玉」とか言うそうな)、とにかく色々と楽しかった。

「ホッピーの焼酎お代わりください」
「ヘイ、"中"ですね」
「そうそう、"中"」
お店によっては"玉"って言うところもあるんだよね、と、だんなが私に向かって小さな声で言ったのを、のび太似の店員さんはやっぱり耳ざとく聞きつけて
「へぇ、"玉"って言うところもあるんですかー」
などと話の輪にさりげなく入ってきたりするのだった。社交的だなーのび太(もうすっかりその店員さんは私の中で「のび太」……)。

美味しかったし楽しかったし、のび太さんたちも楽しかったしで、また来よう。