いんげんのサラダ
キャベツと卵のスープ
食パン・苺ジャム・マーガリン
ヨーグルト
お茶
いよいよ体力が戻ってきたようで、夜9時なんて早々の時間には眠れなくなってきてしまった。昨夜は結局11時頃までごろごろベッドの上を転がった挙げ句、5時に起床。そういえば昨日あたりまでは、座っている間はともかく立ち上がるとフラフラしてたんですよねーなんて看護士さんに話したら、
「あたりまえです、手術で400mlくらい出血されてるんですから」
と笑われてしまった。輸血はしてなかったから、そうか、牛乳瓶2本分の血液がなくなってたのか。その割には元気だったなー。
朝御飯は今日もパン食。今日は牛乳の代わりに明治のヨーグルト。食パンには苺ジャムとマーガリン。薄味スープと、茹でたいんげんと玉ねぎのサラダには市販のサウザンアイランドドレッシングが添えられていた。
食後は「今日、髪洗える日ですがどうされますか?」の声に「洗います!今洗います!」と海の見えるシャンプーブースで"朝シャン"。
朝シャンと言えば格好良いけれど、その実は車椅子に座ったまま、微妙に体をひねる形で床屋にあるようなシャンプー台に顔を突っ込んで、シャツまで濡らしながらのなかなか壮絶な髪洗い。それでも洗えないでいるよりはずっと気分がいい。
あと、部屋も移動した。入院患者の男女別、大人子供別などの人数割りの関係で、私に限らず患者たちは度々部屋移動を要求されているのだけれど、これまでの4人部屋から6人部屋に移動することに。
「両側に人がいる場所だったらちょっとつらいな」と思っていたところ、めでたく壁際にはなれたのだけれど、でも、全てのベッドが埋まっている6人部屋はこれまでとは違った圧迫感がある。何よりも、私の寝るベッド脇のカーテンのすぐ向こうが他の方のベッドだというのがなんとも辛い。カーテンで仕切られているとはいえ、ここまで他人の気配が近いところ(頭と頭の距離が1m無いくらいだから、「夫婦かよ!?」という距離感……)で寝なければいけないというのはこれまで経験がない状況で、これからの数日、熟睡できるのか不安になってきた。うーん、なんとかならないものなのか。
かくかくしかじかで看護師さんに相談して、「部屋を替えて欲しいとは言いません。ただ、私のとこのベッドと棚の位置を交換していただければ、お隣との間に棚が挟まることになるので、それで充分なんですが」と伝えるも、私の足の怪我が左側だから、ベッドの右側を空けておきたい、左側を空けるのではダメなのだ……と。うーん。
「あけぼの」の大福
カフェオレ
冷や奴
春雨のごま酢和え
炒り鶏
ご飯
苺
お茶
頭もさっぱりして、あと1時間ちょっとでお昼御飯〜という頃合いに、母と友人が同じエレベーターに乗ってやってきた。談話室からぱたぱた手を振る私に母も友人も「あれ?私以外の誰に手を振ってるの?」という表情。「母です、で、こちらが○○さん」と紹介して、しばらく3人でおしゃべり。友人が「おみやげー」と豆大福(と、ご飯の供をこれまたたくさん……友人よ、ありがとう)を持ってきてくれたので、母が買ってきてくれたコーヒー飲み飲み大福をつまんだ。
粒あんの豆大福、豆がたくさんで、たいそうな食べ応え。
そういえばあんこものもご無沙汰だったわぁと思いつつ、「お昼御飯控えればいいや」と大福をぺろりと"午前のおやつ"に食べてしまった。
昼御飯のおかずは炒り鶏。ごぼうに筍、椎茸、人参、そして鶏肉。歯ごたえのある食材が多く、そういう食感のものは入院中の食事の中ではそれほど頻度が高いものではないので、案外と食べていて楽しかった。今日友人がくれた練りうにや、先日別の友人がくれた佃煮などをつつきつつ、「やばい、調子に乗って出していたら御飯がむしろ足りなくなっちゃう」と思いつつ、大福食べちゃった分を心もち残しながらもぐもぐ。
お昼は母がつきあってくれたので、談話室にトレイ持ち込んで談話室で食べた。
談話室で食事を摂るのはむろんOKなのだけれど、基本的には入院している子供が付き添いの母親と一緒に、とか、仲良くなった患者さん同志で、といった利用が主体になるので、一人で来るという雰囲気ではない感じ。でもなぁ、今の病室は、何しろ居心地が悪いんだなぁ……。
青菜の磯和え
かぶの海老あんかけ
牛肉の焼き肉
御飯・ふりかけ
お茶
母が去ってからもずっと、今日は談話室の住人。
困ったことに、「パソコン使用はデータ通信の有無に限らず談話室で」と決められているのに、willcomの電波は談話室だとすごく弱い。むしろ病室の方が良好。苦心しながら接続して、メール落としながらお仕事していた。ついでに調べた「個人空間(パーソナルスペース)」の話。
「プロクセミックス(proxemics、近接学)」として研究されるパーソナルスペースという概念は、異文化の混在する米国で発展したもの。
言ってみれば「"場所"に対してではなく"個人"に対して発生する"縄張り"」で、それを侵害されると人は不快感を感じる、というもの。
パーソナルスペースは人の前後に広がる楕円形をしており、状況に応じてサイズが変化する特性があるそうだ。
親密な関係 | 〜45cm | 家族・恋人などとの身体的接触が容易にできる距離 |
個人的関係 | 45〜120cm | 友人などと個人的な会話を交わすときの距離 |
社交的関係 | 120〜360cm | 職場の同僚と一緒に仕事をするときなどの距離 |
公式的関係 | 360cm〜 | 公的な人物と公式的な場で対面するときの距離 |
このアメリカの研究結果よりも、日本人は外国人よりもパーソナル・スペースを大きく(広く)取る傾向があるとか。
……やっぱりねぇ、病室で他人の頭との距離が1m以下というのは普通じゃないと思うの……2mくらいは欲しいと思うの……。私はただでさえ引きこもり体質の人見知りだしなぁ。
……と、そんなこと調べて、そこまで日記をつけてから部屋に戻ると、びっくり!お隣さんがいなくなっていた。棚もベッドもまっさらの、「次の患者さんお待ちしてます」状態。私のせいで部屋を移らせてしまったかなと思ったのだけれど、他の部屋にその方のお名前を見ることはなく、何よりその患者さんの姿自体を見かけなくなってしまった。……え?退院したの……かな???なら、苦情を申し立てた段階で「あの患者さんは退院するので夜にはいらっしゃらなくなりますし」と伝えてもらえる気がするし、空になった隣のベッドの、その誰もいない気配にハニワ顔。……何がなんだかわからないけれど、とりあえず状況は改善したらしかった。
夕飯は、驚いた事に「牛肉の焼き肉」。切り落としっぽい薄切り牛肉と玉ねぎを焼き肉のたれで炒めました、みたいなものだったけれど、んでもちろん薄味だったけれど、今日の夕御飯は普通にちゃんと美味しかった。チェーン居酒屋あたりのランチで500円で出てきても、これなら普通に食べられるかな、みたいな。
丸々炊いた蕪に刻んだ海老入りのあんがかかった「かぶの海老あんかけ」もちゃんとだしの味がしたし、
「すごいわマサル、やればできるじゃない!お母さんは嬉しい!」
と呟いたりしていた。マサルって誰だ。
鶏肉と野菜のスープ煮
食パン・マーマレード・マーガリン
オレンジ
牛乳
昨日の昼間は部屋替えだ何だでむやみに緊張してしまい、転じて空になった隣のベッドに脱力。おかげさまでものすごく熟睡できた。目覚めたのは5時半。
毎日さほど変わり映えしない朝御飯だけれど(かといって朝食に和食を選びたいという気持ちにもなれない)、昨日友人が差し入れてくれたサーモンパテをありがたく使わせてもらって、厚塗りにしたチーズ入りパテで豪華サンドイッチ風。母が持ってきてくれた、だんなの焼いたローストビーフもあったりしたので、それもつまみつつ、かなり豪華な朝御飯になった。
ひじきの和風サラダ
八宝菜
味噌汁
御飯
白桃ゼリー
お茶
病院へのバスのダイヤが丁度良いらしく、ここ数日、母は11時を過ぎた頃にやってくる。
「今日は自分用にサンドイッチ買ってきたの。あんたも一緒に食べなさい」
と勧められ、談話室で母とお昼御飯。ベッドの上ではなく、ちゃんとテーブルで食事が出来ると、少しは病人気分も抜けてくる。しかもテーブルからは東京湾が見えて、それもまた気持ちいい。
「だから由紀ちゃん、そんな御飯ばっかり食べないでこっちのサンドイッチ食べなさいよ」
「……だって、この八宝菜、薄味だけどけっこう美味しいもん。中華丼にできるし……うずらの卵2個入ってるし」
「でもこっちのサンドイッチを食べなさい」
「なんでよ」
病院の朝食の食パンがとにかく味気なくてね、アンデルセンとかJohanとか神戸屋が懐かしいよー……とこぼしたのを覚えていてくれたようで、「美味しいサンドイッチ買ってきたから食べなさい」という母心だったのだろうけれど、喧嘩腰で「このサンドイッチを食べなさい」と詰め寄られたので後ずさってしまった。
結局、八宝菜と御飯は半分ほど食べて(うずらの卵は2個とも食べて)、母が持ってきてくれたハムサンドとツナサンドを食べた。うん、美味しい食パンってこういう味だよね……。厚切りトーストにバター乗っけて食べたいなあぁぁぁぁ。週末まで我慢我慢。
スターバックスコーヒーのケーキ
病院に持ち込んだ仕事のファイルも「後は家のパソコンで作業しないとどうにもならないなぁ」というところまで来たし、自宅にあった読みかけの小説とかもおおむね読み終えたし、退院まで(多分)あと数日、そろそろ暇も極まってきた。ネットサーフィンできるしモンハンもできるけど、ちょっとそんな気分ではないなとフロアの共有本棚から適当に漫画を持ってきて、部屋でごろごろ読み読み。
そんなときに
「せりあさーん」
とカーテン越しに声がかかって、友人が顔を出した。お見舞いに来てくれた友人は、途中で寄ったの、と、スターバックスコーヒーの紙袋を携えていて、中にはチョコレートケーキとオレンジ味のパウンドケーキが。お茶しましょう、一緒に食べましょう、と、2種類のケーキを半分こして、1時間ほどおしゃべりしながらのんびりした。
久しぶりに食べたスタバのケーキ、そうそうこの店のはしっかりアメリカーンな感じに甘かったんだよなと思い出しつつ、食べ応えのある甘さを堪能。
案外と私の周囲には骨折経験者が多くて(なんでみんなそんなに折ってるのー……)、経験者が来るたび聞いているのは「抜鋼の痛さ」。
私の足の傷はホッチキスみたいなので止まってるのだそうで、「抜糸」に相当するものが「抜鋼」(ばっこう)なのだという。
「……え、抜鋼って、麻酔していただけるんですか?」
「いやー、しませんね」
だそうで、今から私はガクブル状態。どの人も「うん、痛いよ?」と答えてくれるので、ますます背筋が寒くなる。
「これさえ終わったら退院」と肝に銘じて堪え忍ぼうと思います。
おろしなます
こんにゃくの炒り煮
豚肉の揚げ団子 茹でキャベツ トマト
御飯
お茶
おやつにケーキ食べたから夕飯は軽めにしとこー、と臨んだ夕御飯。トレイの上には、「懐かしい顔だけど、でも会いたいと思ったことは一度たりともなかったよ」という、小学校時代のいじめっ子に感じるような思いに通ずる品が置かれていた。
献立表には「おろしなます」と記載されていたそれ、私の記憶の中の品名は「フルーツの大根おろし和え」。
30年ほど前の小学生を震撼させたその料理は、リンゴやバナナ、缶詰の桃やパインを大根おろしで和えたという「デザート」メニュー。一見するとヨーグルトのように見えて、じつは辛い大根おろし……ときたものだから、教室は「なんじゃこれえぇぇぇ!」と阿鼻叫喚だった。
我が目の前にあるのは、リンゴとみかんとキュウリを大根おろしで和えたもの。
「なます」を大根おろしで和えるのはアリだと思うし、実際あるらしいし、フルーツを入れることもあるらしい(リンゴ、柿あたりがメジャーらしい)けれど、でも私はアレを思い出してしまってどうしてもダメだった。小学校時代の悪ガキは、中年になってもやっぱり悪ガキだった、ヤングエグゼクティブとかにはなってなかった……という感じ。
豚肉の揚げ団子は、巨大なものが3つでけっこう幸せ。これをおかずに御飯をもぐもぐ食べて(おろしなますはあまり視界に入れない方向で……)、心持ちあれこれ残してお食事終了。
ツナの野菜炒め
ゆで卵
食パン・りんごジャム・マーガリン
バナナ
ジョア(白葡萄)・お茶
昨日は空いていても今日はふさがるのが病院のベッド。昨日来たと思った子供が今日はもう退院していたり、すっかり部屋の「ヌシ」みたいになってしまっているおばさまがいたり、色々だ。
一昨日部屋を移動して、ベッド・カーテン・ベッドという困った配置(=お隣さんと頭の距離が1mもないような状態)の場所に移動になって困惑すること半日、その日の夕方に突如そのお隣は空きベッドになり、でも昨日の午後には新しい患者さんがやってきた。配置もそのまま。
色々ごねても仕方がないしと諦めて昨日は寝たのだけれど、やっぱり至近距離から他人の寝息が聞こえてくるというのはどうにも落ち着かないこと。当のお隣さんは、入院初日の疲れもあってか良く寝ていらしたけれど、私は3時間も寝られなかった。悶悶と「今12時……」「あ、やっと3時……」と時折携帯で時間を確認しつつ、5時頃になって「ああ、やっと夜が明ける」と思った次第。あと数日の辛抱だし、当のお隣さんは今日が手術の様子だったから、今晩は別室で一夜を過ごすはず。今晩は熟睡できるといいなーと思いつつ、寝不足の頭で朝御飯を迎えた。
いつもの食パン2枚、1枚には友人が差し入れてくれたサーモンパテを塗って半分に折ってサンドイッチに、もう1枚はリンゴジャムとマーガリンを塗って半分に折ってサンドイッチにして食べた。「アメリカの病院だったら、ジャムとマーガリンがグレープジャムとピーナッツバターになったりするのかしらー」などと思いつつもぐもぐ。そもそもアメリカの病院の病院食というのが想像もつかない。普通にピザとか出てきそう(さすがにそりゃないか……)。
今日、牛乳の代わりに添えられていたのはジョア!
「ジョア、甘いよ、美味しいよ」
とすごく感激しているあたり、相当俗世の味が懐かしいらしい私。
かぶの梅和え
天ぷら(海老・茄子・さつまいも)
もりそば
お茶
午前中は清拭のタオルが来て、その直後に「シャワーどうぞー」と洗髪の許可も出て、午前10時にして「風呂上がり」な感じに。今日もたいそう暖かいらしく、開いた窓から気持ちの良い風が入ってくる。お隣のベッドも再び空になった。寝不足もあって、そのまま昼御飯時までうとうとと。
珍しいことに、お昼御飯は「天ぷらそば」。
専用の器などあるわけありません、という風に、どんぶりに麺がぼぼーんと盛られている。蕎麦つゆに添える葱や海苔も無し。でもわさびは天ぷら皿の脇に添えられている。
天ぷらにちゃんと海老が1本入っているのを嬉しく思いつつ、こればかりは過剰に薄味ということもなかった蕎麦つゆも良い感じ。天ぷらに下品なほど蕎麦つゆを絡ませて食べてしまった。
午後も読書(今日読んでいたのは宮部みゆきの『火車』)しながら、でもなんとなくうとうと。
夕方になって、入院フロアには似つかわしくない元気な子供の声で
「ここ?ここかな?おかあさーん、アイスクリーム買ってきたよー」
とカーテン越しに聞こえてきた。学校が終わってから、母と連れだって見舞いに来てくれた息子だった。
早いもので、春休みも目前。明日は卒業式で、明日からは給食もなくなる。
母は何しろ孫に甘くて(娘の私にも大概甘いと思うけれど、それ以上に)、彼の好物ばかり食べさせているんだろうなぁと思いつつ、しばらくおしゃべりしながら、買ってきてもらったアイスクリームをおやつにもぐもぐ。
「はい、良くわかんないけど2種類買ってきた」
と、談話室のテーブルに置かれたのはバニラと抹茶のハーゲンダッツ。息子は大手メーカーのソフトクリーム風アイス。
好きな方どうぞ、と言われたので抹茶を取ったら
「あら、あんた抹茶なの。あんたはバニラだと思ったのに」
と、母。
「え、どっちも好きだからどっちでもいいよ、抹茶のが好きなんだったら私バニラにするよ?」
「いいのよ、あんたは抹茶食べなさい」
「そうなの?いいの?」
「あらー、でも、あんたはバニラだと思ったのにねぇ」
「いやだからバニラも好きだからどっちでも……」
「いいの、抹茶を食べなさい」
母はよほど、私が抹茶アイスを選択したのが不思議なのであるらしかった。
私、けっこう昔っから抹茶アイスは好物よ……?
じゃがいもとベーコンのバター炒め
青菜のお浸し
煮豚
御飯
お茶
夕食直前まで談話室で母と息子が賑やかにしてくれた後、夕飯は静かな病室で一人ワンセグで夕方のニュースを見ながら。
今日の夕飯は「煮豚」。脂っけのないヒレ肉を塊で茹でてからスライスし、醤油と味醂がベースの薄味のあんをかけたようなものだった。うーん、これは……。
これまで入院中常々、
「肉喰わねぇとパワーが出ねぇ……」
と未来の海賊王的な事を思っていた私だったけれど、
「脂身のある肉喰わねぇとパワーが出ねぇ……」
に修正すべきかしらと思ってしまった。味気ない……非常に味気ない……。
肉にはね、そう多くなくていいけど、ちょびっとは脂身があって良いと思うの……。やっぱりね、とんかつもヒレカツよりロースカツの方が実際のところ美味しいと思うの……。
それでも、献立の「じゃがいもとベーコンのバター炒め」の「バター」の文字に「マジでか」と軽い感動を覚えつつ、やっぱり思ったほどには存在を感じられなかった(というよりほとんど感じられなかった)バターの風味に、これまた少し悲しくなってみたり。
相変わらず御飯は山盛りで、あれこれ「供」があるにも関わらずやっぱり残してしまったけれど、でもこの病院食、腹持ちは良いんだよねぇ……御飯はたいてい残しているにも関わらず、あんまり「お腹がすいたー!」という感覚にはならないことに驚いている。
サラダ
ウィンナー
食パン・アプリコットジャム・マーガリン
オレンジ
牛乳・お茶
昨夜は熟睡。「すぐ近くに他人の気配がない」のはこれほどストレスがないものなのかというほどに、消灯の9時と同時にスコーンと寝て、6時に廊下の明かりがつけられるまで途中で起きることもなかった。今日は抜鋼と松葉杖を使ってのリハビリ。うまくいかないと退院が延びることになるので緊張する一日だ。
朝御飯は、いつも通りの食パンに牛乳、サラダ。今日は珍しくウィンナーが添えられていた。スープに鶏肉がちょびっと入っていたり、野菜のツナ和えが出てきたりはするけれど、「肉」的なものが朝御飯に出るのは珍しい。ちょっと嬉しかった。
蓮根の煮物
わけぎのぬた
ぶりの照り焼き
御飯
お茶
午前中に抜鋼を、という話だったのだけれど、今日の主治医の先生はたいそう忙しいらしい。昼御飯も間近という頃合いに、
「え?予約の患者さんもまだ残ってるんですか?でもこっちが先ですよ、午後にリハビリしなきゃいけないんだから!」
と言いながら、看護師さんが主治医の先生を引っ張って連れてきてくれた。
で、1週間ぶりにギプスを外し、「抜鋼」。そしてまたギプスをつける。
ギプスが外れたら、足を洗うチャンスはここだけ!何がなんでもごしごし洗いたい!……と思ってはいたのだけれど、いざギプスが外れると、怖くて自分では触れなかった。看護師さんが温タオルで綺麗に拭いてくれたけど、私の足首には、それは見事なヤクザ風の傷が内側と外側に。で、その傷に、ボディピアス、お好きなんですね?という風情に、傷に沿って銀色のリングっぽいものがじゃらんじゃらんとたくさんついていた。これが傷を縫う「糸」の代わりらしい。糸じゃないから「抜糸」ではなく「抜鋼」なのだそうだ。
「い、痛くないですか?私、超へたれなんですが」
「チクッとだけしますけどねー、大丈夫ですよ、チクッと、です」
できるだけ傷は見ないでそっぽ向いていたのだけれど、確かにチクチクと、産毛を抜かれる程度の痛みが足首を走っていく。でも途中から、「かさぶたをちょっと無理矢理ひっぺがしてますよー」的な痛さになってきた。「これを耐えなきゃ退院できない!」と思いつつ、涙目の私。
ともあれ、なんとか抜鋼も無事に済み、ギプスも巻き直され、
「じゃあ午後にレントゲン、その後リハビリ室に行ってくださいねー」
と病室に戻された。
病室にはとうに私のお昼御飯もやってきていたので、慌ただしくお昼御飯。
小さめなぶりの照り焼きと、今ひとつ味のない蓮根と人参の煮物、甘味噌でわけぎやわかめを和えた「ぬた」、相変わらずたっぷりの御飯。
なんとなく気が急いてしまって、照り焼きの他は半分ほどしか食べられなかった。
青梗菜とコーンの炒め物
卵豆腐かにあんかけ
吉野汁
鶏肉の混ぜ御飯
お茶
「えーと、いつ頃退院の御予定で?」
「こちらのリハビリ室で松葉杖OKが出たら明日退院とのことです!明日退院します!させてください!」
「……そうですかー」
病院のリハビリ室なるものを訪れるのは、これが人生初めて。
バランスボールが部屋の隅にいくつか、あれこれ用途の知れぬ器具やマッサージベッドも並び、一角には家の和室を模した、家具などが並べられたコーナーなども。私の目の前には、手の幅の位置にバーのある、いかにもな「手で支えて頑張って自分の足で歩きましょう」的なものがあった。ドラマや漫画でよく見るような、そのバーで体を支えながらよちよち行ったり来たり、松葉杖を使って行ったり来たり。
一往復するたびに「歩けます!私、退院できますか?」と聞いてくる私に理学療法士さんは苦笑いしてらしたけれど、「まぁ、問題ないでしょう、筋力は充分お持ちのようだし」とお許しを出してくださった。
そう、筋力は問題ない。腕の力も背筋も腹筋も人並み程度にはあるから、バランスを崩さず階段も移動できる……のだけれど、左足の状態がまだまだ思った以上に問題ありだった。
入院してからずっと、常にむくみ防止に「左足を上に上げていた」生活だったから、立ち上がることはもとより、足を下ろして普通に椅子に座るだけでも左足に一気に血が集まるのがわかる。まだまだ歩けると頭では思っていても、ものの数メートルで左足が痺れたように熱くなってきて、見るとギプスから出る指先が赤黒く色が変わってしまっている。で、座って左足を持ち上げるようにするとものの1分程度で治るのだけれど、これはどうしようもないから、無理せず少しずつ馴らすしかない、とのこと。
「怖がらずに歩く時にちゃんと床を踏みしめることです。ギプスで守られている今は、体重ある程度乗せちゃって大丈夫ですから。あと、暇があれば左足の指を上に持ち上げるように曲げ伸ばしすること。そうすれば筋肉がポンプの役目を果たして、血流も徐々に良くなっていきますよ」
とのことだ。
ともかくもリハビリOKとのことで、病室からは無情にも車椅子が撤去された。リハビリがてら1階の受付に次回来診の予約を取りにいくミッションも下され、その往復だけで疲れ果てそうに。夕方は疲れ切ってしまってベッドに倒れ伏しながらも、暇さえあれば足の指をおいっちに、おいっちにと動かしていた。松葉杖使ってでもいいから、早く一人で動けるようになりたい。
いつもいつも「御飯が多い〜」と嘆いていた夕御飯、今日も変わらず多かったけれど幸せだった。何しろ「鶏肉の混ぜ御飯」。
「混ぜ御飯」と言いつつ、それはどう見ても「炊き込み御飯」で、しかも市販の合わせ調味料っぽい味がした。なのに薄かった。相変わらず、本来の指定の1.5倍量くらいに薄めて使ってるんじゃないかという味付けだったけれど、でも、それでも嬉しい。丼ものとか混ぜ御飯とかだったらいくらかたくさん食べられるのよねぇと、今日は久しぶりに御飯完食。メインのおかずは蟹あんかけの卵豆腐で、これまた卵豆腐は大好物なものだから嬉しい存在だった。吸物は、こんにゃくや里芋入りの吉野汁。わずかに葛粉でとろみがつけられた吸物だった。
あれこれ文句を言いつつ食べていた病院食だったけれど、でも文句を言えるだけ日々様々な献立を組んでくれていた病院だったし(この界隈の公立病院ではかなりマシな方だそうで)、薄味ではあったけれど、「不味い」と感じるほどのものは数えるほどしかなかった。薄味ながらちゃんと美味しい料理もたくさんあったし。
このまま何もなければ、あと1食、明日の朝食を摂ったら退院だ。
そう考えると少々感傷的な気分にもなるけれど、でも、やっと退院だわー!肉だわー!酒だわー!という気分が98%ほど。
海老とアスパラの炒め物
チーズ
コーンスープ
食パン・いちごジャム・マーガリン
オレンジ
お茶
今日はいつにも増して爽やかな起床。やっと退院!
……でも、ベッドの脇にあるのは車椅子ではなく松葉杖で、トイレに行くにも顔を洗いに行くにも車椅子以上に荷物を持てず、えっちらおっちら苦心しながら移動しなければならず、なかなか大変。歯磨きチューブ持ちながら松葉杖で移動というのは、見た目以上に難易度が高いものだと思い知った。
朝御飯は、いつもの食パンにオレンジにチーズ、そしてコーンスープ。
コーンスープは手術の翌朝、超はらぺこの状態で口にしたものだったから、なんだか感慨深いものがあった。この食パンもこれで最後を思うと感慨深い……ということは全然ないけど。こればかりは美味しい食パンが恋しい気持ちの方が断然強い。
食後は慌ただしく身の回りの片づけ。荷物は(電化製品以外は)そう多くなく、ボストンバッグにあれこれ詰めたらやることもなくなった。退院可能な9時を過ぎたところで早々にだんなと息子が迎えに来てくれて、雨がバラバラ降る中、帰宅した。狭いけど、ものが溢れてるけど、バリアフリーなにそれ状態だけれど、我が家だ我が家!と浮き立つ私を前に、ごついギプスと松葉杖に脅えて猫たちが後ずさっていく。逃げないでください……。
冷茶
「MOUTOM」のサンドイッチ
ニラ饅頭
カフェオレ
何はともあれまずお風呂!ということで、やっとシャワーの許可が出たので10日ぶりの体洗い。毎日温タオルで体を拭いてはいたけれど、石鹸つけて体中をわしゃわしゃ洗える快感は格別だった。さすがにギプスは濡らせない(タオルとビニール袋で完全ガード……)けれど、これもあと2週間の辛抱。消毒用アルコールを買ってきて貰ったし、ギプスの方の足はまめに拭いて少しでも気持ちよくしていようと思う。
退院後最初に口にしたものは、昨日だんなが買ってきてくれた「翠江堂」のいちご大福。
適度な分量の豆の入った粒あんの豆大福に大きな甘い苺が詰まった、このお店のいちご大福は本当に美味しい。「いちご大福」そのものは、ものすごく好きというわけではない私も、ここのいちご大福はいつでも何個でもいけてしまう。あんこの甘さや分量、餅のふわふわっぷりがなんとも絶妙。
まだまだ雨降りで肌寒かったけれど、「入院中はあったかいお茶ばかり出されていたから」と冷茶を用意してもらった。あー、冷茶もいちご大福も美味しいなぁ……。
昼御飯は、「なんでも食べたいものを」ということで、サンドイッチを買ってきてもらった。
「美味しいパンの、美味しい具のサンドイッチが食べたい……」と考えて、駅ビルに入っているハム屋さん「MOUTOM」のサンドイッチが良いなぁと思い出す。ハムや野菜がふんだんに使われたサンドイッチはほのかにマスタードが利いていて、ハムはもちろん美味しいし、種類の違う5〜6種類のサンドイッチがパック詰めされているのもあれこれ食べられて幸せ。だんなはカレーを買ってきたり、母たちは冷蔵庫に残っていたらしいおこわを蒸したりで、食卓はずいぶんと賑やかな事になっていた。私もニラ饅頭を1ついただいてみたり。
キムチ盛り合わせ
韓国海苔
野菜サラダ
にんにくホイル焼き
しゃぶ焼
牛たたき
カルビ・ロース盛り合わせ
上カルビ
上ハラミ
石焼きビビンバ
コムタンクッパ
杏仁豆腐
ビールとかウーロン茶とか
……などなど、たらふく。
猫たちもやっと、帰ってきたのが誰なのかをわかってくれたようで、午後はりゃんりゃんがずっとくっついてきてくれていた。ベッドで寝転がる私の隣ですうすう寝始めて、やっと猫をモフモフ触れた喜びに癒される。いつも控えめなかすみさんは、私が不在の間はますます控えめになっていたようで、
「餌あげてもねぇ、りゃんりゃんが食べ終わるまでずっと後ろで待ってて、でもあんまり食べないのよ?」
と母が少し心配していた。かすみさん、ちょっと痩せてしまったような。
夕飯は、快気祝いに焼き肉「やまと」に。
往復タクシー呼んでもらって、予約の席も1階の個室にしてもらい、「お祝いなんだからいいお肉いっぱい注文しなさい!」との母の言葉に甘えつつ、思うさま食べてきた。
カルビにロースに上ハラミ、にんにくホイル焼きにビビンバ、焼きしゃぶ!と、入院中はご無沙汰だった味のものばかりが目の前に並び、どれもこれもがとろけるような美味しさ。名物メニューの一つでもある「しゃぶ焼」は、しゃぶしゃぶ用のように薄切りにした牛肉を、牛脂を軽く塗った網の上で焼きわさび醤油でいただくもの。厚切りにしたいかにもな「焼き肉」の肉とはまた違った食感と口溶けが楽しめて、最初の1皿は会員カードのキャンペーンで無料だったのだけれど、追加で更に2人前いただいてしまった。
シメは石焼きビビンバのハーフサイズを母と半分こして、だんなからはコムタンクッパを少しお裾分けしてもらって。生クリームの風味がする濃厚な杏仁豆腐も平らげたら、動くのも大変というほどお腹いっぱいになってしまった。そうそうビールも小ジョッキを1杯だけ。まだ痛み止めも処方されているし(ただし、「痛い時だけ飲めばいい」とのことで)、アルコール自体が血行を不要に良くしてしまうので患部が腫れて痛くなるよー……とお医者の友人からも忠告されたので、1杯だけ。久しぶりとはいえ、さすがに酔うほどの分量でもなく、足が痛くなることもなく、気持ちよい気分のまま無事に帰宅した。
そしてきっちり9時には眠くなる私……すっかり入院生活の規則正しい生活が身についてしまったようで。
パパイヤ
カフェオレ
「おゆきさん、こういうのが食べたかったんじゃない?」
と、だんなが昨日アンデルセンのミルクフランスを買ってきてくれた。そうそうそうそう、ミルクフランス〜!そういう味のものが恋しかった〜!と喜びの踊りを舞う私。
袋の中には他にもあれこれ入っていて、では皆で分けつつ食べましょうと、それぞれのパンを半分に切って大皿に盛りつけた。ミルクフランス1/2本をありがたくいただき、他はチーズパンを1/2個と、ハイジの白パンは美味しいバターを塗りつつ1/4個ほど。美味しいパンを口にして、退院した喜びを今日もまた朝から味わってしまった。ミルクフランス的な甘さのものって、病院食ではまず出てこない。それだけポイズンな存在であることはわかっているのだけれど、時々無性に食べたくなるんだなー……。
デザートにパパイヤ。
怪我の治癒にはコラーゲンと蛋白質分解酵素とビタミンCが良いらしい。
コラーゲンはともかく、蛋白質分解酵素とビタミンCだったらパパイヤとかマンゴーとかパイナップルとか、そのあたりの南国フルーツが良いのかなぁと、昨日買い物に行っただんなに「果物屋さん見てきてくださーい」とお願いしてみた。美味しそうな赤く熟れたアップルマンゴーと、半割にカットされて売られていたのだというパパイヤ、あとマンゴスチンも買ってきてくれて、今日はまずパパイヤを食べることに。フルーツの味としてはマンゴーの方がより好みではあるのだけれど、パパイヤのねっとりとした口当たりと独特の香りも好き。
チキン 2ピース
ビスケット
コールスローサラダ
ジンジャーエール
母と息子は2人で千葉にお買い物。だんなも「じゃあおゆきさんと俺の分、帰りに何かお昼御飯見てくるよ」と用事を済ませに出かけていった。連休の中日、突然静かになった我が家で、とりあえず猫いじくりつつベッドでごろごろ。そういえばPSPは毎日触っていたけど、テレビゲームはご無沙汰だったわーとWiiを立ち上げて遊んでいたりした。椅子に座っていることはできるし、床にぺたりと座り込むこともできるから、案外家であれこれできる。できないのは迅速かつ緻密な移動だけ。
「お昼はスパゲッティにする?家に買い置きのソースあるし」
と、ほどなくしてだんなから連絡があったのだけれど、
「それよりは、むしろ牛丼、とか」
とお返事。そこから何かをくみ取ったらしいだんなが
「ケンタもあるけど?」
と返事を寄越して、その瞬間から私の頭の中が全体的にフライドチキンになってしまった。お返事のメールのタイトルは「ケンター!!!」。
一度「これを食べたい、これを食べよう」と思ってしまうと修正のきかない食べ物というのがいくつか存在するけれど(その最高峰に位置するものがカレー)、ケンタッキーフライドチキンもその一つ。
ケンタいいです!ケンタサイコーです!!と情熱的なお返事を送信して数十分後、あの匂いのする袋をぶら下げただんなが帰ってきた。リクエストどおり、チキンは2ピース、ビスケット1つ、そしてだんなと半分このコールスローサラダ。
肉2つとビスケットくらいがあれば充分です。
ケンタ気分が止まらなくなりました。
どうってことない、いわゆるフライドチキンなのに、薄めの衣は好ましいけれどカリカリっていうよりヘニョペシャっていうちょっと情けない食感だったりするのに、やったもも肉!とか思うとパサパサの胸肉だったりするのに、でも食べたくなるとどうにも止まらない悪魔の食べ物。骨だらけで食べにくかったりするのになー、なんでか美味しいんだわー。あの調味料の味のバランスとかがたまらないんだわー。
「肉!肉!ケンタの肉!」
と、シロップ垂らしたビスケットと交互にケンタの肉をむさぼり食う私を、「ほんとにおゆきさん、俗世の味を堪能中って感じだねぇ……」と半ば呆れたようにだんなが笑っていた。
ほうれん草のサラダ
豚肉のスタミナ生姜焼き with 千切りキャベツ 豚汁
羽釜御飯
ビール(プレミアムモルツ)
明日からだんなは遠方に出張。準備やら何やらで色々忙しいだろうに、「夕飯は俺が作るよ」と、豚肉の生姜焼きと豚汁の夕飯を支度してくれた。豚肉の生姜焼きみたいなのが食べたい、というのは私のリクエスト。それじゃあ合わせて豚汁も作っちゃおう、あとほうれん草のサラダも食べたくない?と、あれこれ用意してくれて、私がやったことはおつまみの「たちかま」などを用意したことくらい。
にんにくの苦手な母と息子用に、にんにく抜きの普通の生姜焼きと、私とだんな用にはおろしにんにく入りのスタミナ生姜焼きと、2種類の生姜焼きを用意してくれて、炊きたて御飯と具沢山の豚汁と。
外で食べる美味しいあれこれも幸せだけれど、家で食べる美味しい御飯というのもまた格別。
やっぱり家の御飯は美味しいなぁ……としみじみ思いつつ、いつも通りにちょっと濃いめの味付けのだんなの生姜焼きを堪能した。ベーコン炒めて、カリカリになったところに酢と醤油と砂糖を加え、このベーコン入りの熱いドレッシングを刻んだほうれん草と玉ねぎ(あと好みでトマトとかも)にかけて和える「ほうれん草のサラダ」は、結婚以来私が何度も作っていたもの。あれ好きなんだよね、あれ作りたいとだんなから聞かれて、作り方を伝えたら見事にいつもの味のほうれん草サラダが出てきた。ちなみに醤油が大さじ2、酢が大さじ1、砂糖が小さじ1弱。
怪我人は無理しなくていいから、座ってればいいから、と、だんなと母と2人に台所から追い返される毎日。
家事から方面されて毎日らくちんだなという気持ちと、申し訳ないなという気持ちと、そういうの関係なしに料理したいんだけどなという気持ちと。クッキーとかパンとか焼きたいけど、そういうものこそ準備や片づけが大変だから(あれこれ道具も使うしね……)しばらくは無理そうだ。
チョコブレッド
マロンデニッシュ
フレンチトースト
少しずつ
カフェオレ
パパイヤのヨーグルトかけ
母が昨日、三越デパートに寄って「Johan」のパンを買ってきてくれた。
ベリー系のフルーツが乗ったものとか、マロンデニッシュとか、チョコブレッドとか。
「……選択肢が甘いものばっかりだねぇ……」
母はそういうのに飢えていたのねぇ、と苦笑いしたら、今気がついたわとばかりに
「あらー?……そうねぇ、なんか甘いものばかりになっちゃったわねぇ」
と。チョコブレッドは久しぶりだし、マロンデニッシュも好き。昨日と同じく今日もあれこれ小さく切って少しずついただいた。
連休最終日の今日、早起きしただんなはスーツケースを手に出張に。出張直前に私の退院があったりして、「のんびり」とは言い難い感じだったこの数日間、せめて出張先ではゆっくり安眠できますように。こっちはこっちで、私の骨折にもめげずに、「お父さんいないし、子供は春休みになっちゃうし」とばかりに遊びの予定を入れたりしている。
朝食のデザートは、パパイヤにヨーグルトをかけて。甘味少なめのパパイヤだったから、ヨーグルトにひと垂らしハチミツをかけてみた。
ベーコンとホウレン草のキッシュピッツァ
シェフの気まぐれピッツァ
生ハムとモッツァレラのサラダ
オレンジーナ
今日は一日のんびりと、仕事したり本読んだり、通販のカタログ眺めたり。
そういえば猫餌や猫砂を買い足しておかなくちゃと、通販サイトであれこれ買い物した。
「そういえば、宅配ピザって久しく食べてない気がするわぁ」
と母が呟いたので、お昼御飯は宅配ピザ。たいていの大手ピザ屋も届けてくれるエリアだけれど、目下のお気に入りは「ナポリの窯」。サイズが手頃だし、あまりくどくどしくなくて食べやすい。値段の方もお手頃。
「というわけで、頼むんだったらこのお店がいいと思うよー……」
と、ネットでメニューをチェックして、30cmサイズのピザをハーフ&ハーフで、あとサラダも1つ注文した。食料庫から中国語パッケージのオレンジーナが出てきたので(台湾あたりで買ってきたんだ、多分……)、ピザが届くまで急ぎ冷凍庫で冷やしてみる。
春のメニューのキッシュピッツァと、定番のカプリチョーザのハーフ&ハーフ。カプリチョーザはベーコン、ソーセージ、オリーブ、トマトなどの他にツナが乗っているのがちょっと面白い。適度にもちもちした食感のナポリ風の生地のボリュームも好みな感じで、母も「あらー、このピザはいいわねー」と満足気だった。キッシュピッツァの方は、どこかカルボナーラっぽい味でもあったから、息子の目が輝きまくり。ちょうど3切れずつ生ハムやモッツァレラチーズがトッピングされていたサラダもきっちり3等分して、大人2人子供1人で平らげるには少々軽めだった昼食を終えた。
肉野菜炒めのレタス包み
海鮮キムチ・韓国海苔
豚汁
羽釜御飯
麦茶
「あんたは動かなくていいわよ、指示してくれれば私がやるわよ」
「お母さん、僕も手伝えるよう!」
母と息子が止めてくれたけれど、でも
「いいのー、私がやりたいの、料理したいのー!」
と駄々こねて、夕飯は私がメインのおかずを用意した。
野菜が食べたい、たっぷり食べたいという頭があって、作ってみようと決めたのは「肉野菜炒めのレタス包み」。野菜を刻むところはダイニングテーブルで座りながらでもできるし、調味料を準備すれば最後に炒め合わせるだけだし、これならきっと大丈夫!と思ったけれど、なかなかどうして道は険しかった。
これまでの人生、これほどに「冷蔵庫からにんにくや生姜を取り出すのに苦心した」シチュエーションは他にない、という感じ。我が家の冷蔵庫は野菜庫が一番下にあるので、野菜を取り出そうとすると床にぺたりと座らなければならず、そこから松葉杖にすがって立ち上がるのが一苦労なのだった。やっぱりなかなか思い通りには動けない。中華鍋をふるうにも、左足にそれほど力を入れてはいられないし、「荷重をそれなりにかけても大丈夫」とは言われたけれど、「松葉杖なしで仁王立ちを数分続けても大丈夫」とは言われてないし。
ともかくも、刻みにんにくと刻み生姜を炒めてから豚挽き肉を加え炒め、そこにパプリカ、玉ねぎ、キャベツ、もやしを次々加えて炒め合わせていく。味付けは塩胡椒と少量の砂糖、酒、醤油、鶏ガラスープ少々、といった感じ。心持ち強めに味をつけたら最後に水溶き片栗粉でとろみをつけ、「レタスで巻いて召し上がれ、あるいは御飯にかけても美味しいかも」という感じでテーブルに出した。本当は彩り的にも味的にも緑色のピーマンも入れたかったところだけれど、うっかり母に買ってきてもらうのを忘れてしまっていた。
あとは昨日の残りの豚汁や、友人が韓国旅行のお土産にと送ってくれた海鮮キムチや韓国海苔、そして母が買ってきてくれたベーコンエピやチーズ。
本場の真っ赤な色のキムチは、でもあまり辛くないものを選んでくれていたのか、ほのかに甘味があってすごく食べやすいものだった。胡麻油の香りの韓国海苔でキムチと御飯を巻いて食べると、めちゃめちゃうまー。肉野菜炒めを韓国海苔でくるむのも、また、うまー。
海鮮ゆえあまり日持ちはしないそうなので、キムチは1/3量くらいずつ小分けにして冷凍庫にしまっておいた。一緒に韓国のカトラリーセットもいただいたので、チヂミとか焼きたくてそわそわしている私。表面をサクッと、良い感じに焼くのが難しいんだなぁ。