食欲魔人日記 05年11月 第2週
11月7日 月曜日
さらっとお昼(←さらっとじゃない)
「ユーハイム」のミートパイ
「ヨックモック」のチョコデニッシュ
カフェオレ

昨日表参道のヨックモックで
「あ、これ美味しそー」
とチョコデニッシュを購入し、その数十分後に丸ビル地下のユーハイムで
「やっぱりここに来たらミートパイよね〜♪」
とミートパイを買っている私たち。

私とだんなのモットーは「胃袋に状況は合わせない。状況に胃袋を合わせちゃる。」であったりするので、昨日の豪食でほんのり胃が重かったりしているところは軽く無視して、ミートパイを温め、チョコデニッシュを皿に盛る。ミートパイはたっぷりのゆで卵が混ぜられたとても優しい味。チョコデニッシュには風味豊かなクーベルチュールチョコ(と思われるチョコ)が上品に詰まっていて、どちらもお店の自慢の品らしいことが納得の、すんばらしい美味しさだった。すんばらしい美味しさだったんだけど、やっぱりミートパイかチョコデニッシュのどちらかひとつにすべきだったかしらという後悔も軽く脳裏をよぎる。

「……あはは、なんかやっぱり胃が重いかも……」
「え?どこが?どうして?」
「いや、だって、昨日の御馳走の翌日にこの朝御飯じゃあねぇ」
「?……昨日の夜は軽かったじゃん」
だんなはこの朝御飯のメニューに関して一向に思うところはなかったようで、このへんが「バーベル27kgしょってスクワットする人」と「バーベル17kgしょってスクワットする人」の差なのかしらと思っちゃったのだった。27kg背負う人は、もうすぐ32kg背負う人になるらしいですよ。

川口そごう内「ビッグシェフ」にて
 洋食ランチミックス \1050

今日ははるばる川口の某会社で打ち合わせ。去年までは飲食業界内のホームページのお世話をする事が重なっていたのだけれど、巡り合わせのご縁があって先日から病院とか特殊法人とかイベント会社とか、妙に多岐に渡る仕事がやってくるようになった。今度は運送会社。初めての顔合わせで、電車乗り継いで川口に行ってきた。

2時間みっちり打ち合わせして、めでたくお仕事受注〜。独自ドメイン取得の方法やかかる費用の説明、いただきたいデータのお話などをして、私の実際の仕事はもうちょっと後日からということになりそうだ。初めて取り組む業界だけれど素敵だなぁと思われるページになるといいなぁ。とりあえず「爽やか系」なページを目指しましょうということで、がんばれ私。

……で、打ち合わせが終わった頃はちょうど昼飯時だったので、帰宅する前に駅前で昼御飯を済ませることにした。あまり時間的余裕もなくて駅周辺をうろうろできず、「そごうがある……そごうでいいや……」とデパート内のレストランフロアに。洋食屋さんの1000円ランチがなかなか美味しそうだったので、これにすることにした。

大皿に小さなハンバーグ(ゆで卵つき)、海老フライ(タルタルソースつき)、蟹クリームコロッケ(ドミグラスソースつき)、そしてベビーリーフのサラダとさっぱり味の炒めスパゲティが少々。サラダかスープかの選択で選んだスープは玉ねぎやにんじん入りのコンソメスープ、そしてライスかパンかの選択で選んだパンは、
「お好みのものを3種類お選びください〜」
と、店内で発酵焼き上げをしているパンが籠盛りでやってきた。

ほのかに甘いミニサイズのクロワッサンや胡麻入りパン、チョコクロワッサンなどなどが盛られていかにも美味しそうだったのだけれど、
「あー……そんなにたくさん食べられないので2つでいいです」
と、いちじくを練りこんだパンと天然酵母のミニパンを1個ずついただいた。飲み物はドリンクバーで各種お茶やコーヒー、オレンジジュース、グレープフルーツジュース、リンゴジュースが飲み放題。

甘くないアイスティー飲みつつ、ドライいちじくの甘さがじんわりと感じられる歯応えのあるパンを囓り、大皿プレートのたっぷり種類のお昼御飯。

お義母さんのビーフシチュー
ほうれん草のサラダ
きのこのにんにく炒め
羽釜御飯
麦茶
福岡のみかん・柿

夕方帰ると、仕事が山盛り。
「キャー、メールがたくさん〜」
とメールを確認して1つ1つお仕事。幸い夕御飯はお義母さんのビーフシチューが鍋に残っているしなと、御飯を炊く準備だけしておいた。

夕飯は軽くがいいなと、ほうれん草のサラダをメインに。パプリカやマッシュルーム、玉ねぎやにんじん入りのサラダを深皿に盛りつけ、薄切りにんにくと共にバター醤油で炒めたほうれん草の皿も。息子には御飯とビーフシチューをメインにたっぷりよそってやり、私は御飯とビーフシチューを控えめ控えめに小さな器に盛りつけた。

「わ!ビーフシチューだね、おばあちゃんのビーフシチューだね。ビーフシチューだからー、ごはん入れちゃえ〜!」
「……うん、入れてもいいけどね、でもね、"ビーフシチューだから"というのはね、ちょっと違うんだなぁ……」

息子は、"おばあちゃんのビーフシチュー"を御飯にかけるのが大好き。でも、「ビーフシチューは御飯にかけるもの」と思われてしまってはいけないわけで、そのへんを軽く諭してみながら私もビーフシチューを御飯にどばー。

デザートは、昨日いただいてきた福岡のみかんと柿。どちらも甘くて甘くて秒速で消え失せた。ちょっとお皿片づけている間に息子の分のみかんが皮だけになってしまっていてお母さんはびっくりよ。

11月8日 火曜日
久々に牛角。デザートのシュークリーム(これから焼くのよ)
フレンチトースト
ダージリンティー
福岡の柿

だんなは最近、とてもお疲れ。昨日は特に色々と忙しい事やら虚しい事やらが重なったらしく、
「今日はもう、休む。お休みする」
と宣言してたっぷり朝寝坊していた。

息子に先に朝御飯を摂らせて学校へ送りだし、お風呂に火をつけ、もぞもぞ動き出しただんなに
「……朝御飯どうする?今日はジムかなって思ったからビーフシチューもちょっと残しておいたけど……薄切りパンでフレンチトーストでもする?」
と聞いたらば、
「フレンチトースト〜……」
と寝ぼけた声が。

じゃあ今朝はコーヒーじゃなくて紅茶にしようね、柿も剥こうね、と、だんなへの思いやり当社比30%増しくらいの優しみを込めて朝御飯の準備をした。牛乳多めの卵液にサンドイッチ用のパンを浸してバターで両面こんがりと焼き、バターとはちみつ添えてテーブルに。甘くて美味しい柿も剥いて、ちょっと遅めの朝御飯をだんなと2人でのんびり食べた。

「おゆきさん……今日はやさしい……」
「……なんだよ、普段優しくないみたいじゃないかー」
「……いつもより、すごくやさしい……」
それも何だかちょっと心にひっかかるぞと思いつつ、なんだかすっかり意気消沈しているだんなと今日はのんびりすることにした。

久しぶりのフレンチトーストは、薄切り食パンを使ったこともあって、ふわふわと優しい味。

千葉 「銚子丸」にて
 季節の劇団セット
 まぐろ中落ち軍艦
 中トロ
 かんぱち
 白子軍艦
 ツナ軍艦
 まぐろ中とろあぶり
 あんきも軍艦
 あら汁(ランチ無料サービス)
 瓶ビール
……を、だんなと半分こ

昨日、私はB5サイズのノートパソコンを衝動買いしてしまった。今まで使っていたモバイルパソコンが「そろそろ限界」という感じだったので、手頃なものを探してはいたのだけれど、昨日ネット通販で中古のThinkPadの出物があって、衝動買い。数秒の熟考の末とっとと購入手続きを済ませ、早速今日パソコンが届いた。

「……あー、無線LANカード要るかも」
「……ついでにプリンターのインクもなかったんじゃない?」
「そうそう、それとflashのソフト買おうと思ってたんだった」
こりゃ千葉に買いに行かなきゃいけないかな、ついでに昼御飯も食べてこようかと、だんなと久しぶりに2人だけのお出かけ。

「せっかく家にいるしなー……夕飯、ピエンロー喰いたい」
「んじゃ鶏肉と豚肉も買って帰る?白菜あるしね、いいよー」
「……いやー、せっかく平日だし、今日は牛角?ドリンク100円だし」
「それも久しく行っていませんねぇ……それも良いですねぇ……」

私もだんなも、ストレスイーターの気がある。ストレスが溜まると、食欲に加速がかかる。もともと食欲旺盛な人たちなので、そりゃもう大変なことになる。通販で美味しそうなものをばかすか買ってしまったりもする。まぁ良いでしょ良いでしょ、お疲れだしこういう発散もありでしょ、と、私も止めずに一緒にもぐもぐ。今週は節制しようと数日前に決めたばかりだったのに、昼は寿司で夜は焼き肉という「お前は喰い盛りの高校生ですか」みたいな献立になった。

それでもお昼は、ほんのり軽め。回転寿司屋の銚子丸で、1貫ずつ5種類盛られた季節のセット(マグロ・平目・いくら・ぼたん海老・アジ……だったかな)を1皿ずつ注文し、
「……あとは、1人2皿ってとこですかね」
「ん、1人2皿で」
と、今日のおすすめ品の看板見たり、目の前を流れていく皿を凝視したり。

「お、これ美味しそ。……1個食べる?」
「食べる食べる。……白子食べたい……」
「じゃ、それも半分こする?」
「するする」
と、1皿2個盛りの皿を次々にだんなと半分こ。おかげで色々な種類を口にできた。ついでに2皿くらいオーバーしたけれど、どうも空腹のあまり足し算を間違えてしまったようだった。

「牛角」にて
 ほうれん草サラダ 無料
 温玉キムチ \190
 やみつき塩キャベツ \290
 にんにくホイル焼き \390
 ハラミたれ \390
 ガーリックバターカルビ \450
 壺づけ骨付きデジカルビ \390
 ぼんちり塩ダレ \390
 カルビたれ \390
 ねぎ塩カルビ \450
 ギアラ味噌 \390
 牛角サムゲタン \780
 石鍋ゴマネギラーメン \590
 牛角クッパ(ハーフ) \390
 メイプルなポンテバニラ 2×\180
 こんがり焼きシューチョコアイス \180
 生ビール 2×無料
 シークワーサーサワー \100
 生レモンサワー \100
 ピンクグレープフルーツサワー 2×\100
 コーラ 無料
久々に……喰いました……。

午後はサクサクと新PCの設定。ウィルスバスター入れて、LANにつないで、必要なソフト入れて、メールのデータをコピーして……と、あれこれあれこれ。息子に
「あれぇ?今日はなんで、お父さんおしごとお休みなの?」
と帰宅した息子に言われつつ午後もだらだらと過ごし、夕方を待って開店直後の牛角に。

午後6時半までの注文ならサワーやソフトドリンク類が100円になるとあって(ついでにクーポン持参で最初の一杯は何でもタダ)、
「シークワーサーサワーくださぁい!」
「こっちはピンクグレープフルーツサワーください!」
と、調子に乗ってあれこれ頼みつつ、心なしか以前より盛りが少なくなったような気がする牛肉や豚肉や鶏肉をもりもりと食べてきた。

数ヶ月ぶりに訪れたのだけれど、息子の食欲の増えっぷりにびっくり。
「お肉、まだやけない?」
「お肉、まだ食べるよ?」
と、ハラミもカルビももりもりと口にしてくれて、隨分と注文してしまった。シメも、
「ぼく、ラーメン」
のリクエストに、通常サイズのラーメンをひとつ、それを分けあうつもりでハーフサイズのクッパをひとつ、そして私は大好物のサムゲタンをひとつ。大小の丼をテーブルに並べてハフハフと食べた。

牛角のサムゲタンは初めてだけれど、とんこつラーメンのようにトロンとした白濁スープが思った以上に美味しい。半羽分の骨付き鶏が入り、なつめや朝鮮人参、栗などがどさどさ入ったスープは寒い季節に良さそうなほかほか料理だった。
なつめの甘い匂いが大好きなので、サムゲタンは韓国料理の中でもとても大好きなもの。そのうち専門店に食べに行ってみたいなぁと思いつつ、なかなかその野望が果たせないでいる。

11月9日 水曜日
本日の夕餉、扁炉
「ミスタードーナツ」の
 D-ポップ
 ポン・デ・マロンクリーム
カフェオレ

本日もだんな、お疲れ休み。ここ数週間(いや、数ヶ月?)の激ジョブぶりを見るに見かねて、何かと
「休みなよー、休んで一緒に太閤園にチャーハン食べに行こうよー」とか
「今日休んだらさー、一緒にパンプ行けるよ?楽しいよ?」
なんて声を頻繁にかけていたのだけれど(夫を堕落に誘う悪い妻……)、いよいよ疲労もピークだったようで今回は素直に「ん、休もうかな……」と言ってくれたのだった。わーいわーい一緒にパンプ〜♪

朝御飯は、昨日の夕方買ってきたミスドのドーナツ。年末間近ということで、毎年恒例の「スケジュールン」キャンペーンが始まっている。
「俺、ノートタイプの茶色のが欲しいかなーって……」
とだんなが言い、じゃあ在庫がなくならないうちにせっせとカード集めようねと買い物してきた。午前中にいくとなかなか出会えない「D-ポップ」を久しぶりに購入し、そして最近発売されたばかりと思われるマロンクリームシリーズの「ポン・デ・マロンクリーム」も。栗の粒入りクリームが挟まったポン・デ・リングにアーモンドチョコをコーティングした、いかにもな秋の新商品で、とってもうまー。すごく好みな味だった。

「君はチョコものが好きだよねぇ……」
「うん、このチョコ感がね、すげー好みなんだ」
だんなは向かいであっためたカレーパンとともに「ポン・デ・ダブルショコラ」をモハモハと食べていた。息子は私とおそろいのD-ポップ。

「モスバーガー」にて
 テリヤキチキンバーガー
 (サラダセット:サラダ・ミネストローネ)

ジムは昼から。
「あー、クリーニング屋行かなきゃだったんだよ。受け取りに行かなきゃ」
「だったら出したいものもあるし、午前中に行っちゃおう」
そういや100均で買いたいものがあったんだったと、あれこれと用事が沸いてきたのでだんなと一緒に午前中用事を済ませにお出かけ。ジム前に腹ごしらえしておきたいね、でも重いもの食べると動けなくなっちゃうんだよねぇと、用事済ませついでにモスバーガーに寄ってきた。

「おゆきさん……やけに健康的なメニューだねぇ……」
そう呟くだんなの前には海鮮かき揚げバーガー、モスチキン、オニポテという揚げ物が満載。なぜそんなに揚げ物ばかり……と苦笑いする私の前にはチキンテリヤキバーガーとサラダとミネストローネ。生野菜とか煮野菜とか食べておきたいなぁと選択した結果がそのチョイスになり、
「おゆきさん……ポテト喰いなさいよ、あげるから」
「……ポテト喰わすなよ」
「オニオンリングも喰いなさいよ」
「だから揚げ物を喰わすなって」
「……食べないの?」
「食べるよ、食べますよ、いただきますよ」
と、漫才をふっかけてくる悪魔の誘いについつい乗ってしまい、ポテトとオニオンリングをちょぼちょぼといただきつつ、サラダつついて、トマトどっさりミネストローネを飲み、たっぷりなレタスが嬉しいチキンテリヤキバーガーを平らげた。

昼からのジムはなかなか好調。このところ真面目に通っていることもあってか、女性にしちゃなかなか重い設定であると思われるダンベルぶんぶん動かしつつ、あまりへばることなく60分のヘビィなプログラムを完走した。

ピェンロー(鶏肉・豚肉・白菜・干し椎茸・春雨)
羽釜御飯
ビール(モルツ)・焼酎(瑞泉15年熟成古酒)

このところ白菜がお安くて、
「それにしても半玉58円は安いよねぇ」
「買いでしょ、買い」
と先週末に買ってきた半玉白菜。適当に蒸し煮にするかなと思っていたのだけれど、
「ピェンローやろう、ピェンロー」
のだんなのリクエストに「それだ!それイイ!」ということに。鶏もも肉と薄切りの豚バラ肉を買って帰ってきた。

ピェンロー(扁炉)は、中国の鍋料理。詳しい作り方は去年書いたのでそちらに譲るとして、鶏と豚と白菜と干し椎茸と春雨を煮込んだ、塩とごま油の味の鍋だ。「白菜を一番おいしく食べられる方法」と言う人もいて、それは確かにそうかもしれないと思われる、白菜もりもり食べられる鍋。肉も入るけれど主役は白菜!という感じがする。

卓上で煮ながら食べるのではなく、あらかじめ煮ておかなければいけない料理なので、大きな両手鍋で肉と野菜を煮て用意しておく。「さぁ食べるぞー」という段になって大鍋から土鍋に適宜移しつつ、春雨を足して。胡麻油を垂らし、各自の皿で塩と一味唐辛子、七味唐辛子などを添えつつせっせといただいた。

味つけらしい味つけのない料理なのに、これがもう泣けるほどおいしい。肉と椎茸の旨味の染みた白菜は相変わらず格別で、塩をしただけのスープも止まらなくなってしまう。
「さりげなく干し椎茸の味がいいんだよねぇ」
「そうそう、これがないと味がしまらないよね、多分」
と、今日は干し椎茸の存在感にも言及しながら、最後はスープを御飯にかけておじやに。

「うまい泡盛でも飲むべ」
と、途中から15年古酒をストレートでくいくいやり始めてしまい、すっかり酔っぱらってしまった水曜の夜だった。

11月10日 木曜日
甜麪醤のソースがなかなかでした
イングリッシュマフィン ハムエッグサンド
カフェオレ
福岡の柿

たまにはイングリッシュマフィンが恋しいねと、久しぶりに4個入りの袋を買ってきた。私の母はこれにバターとジャムをつけて食べるのが好きだったけれど、私とだんなは
「ハムエッグとか挟みたいのよね」
「よね」
「卵だけじゃ物足りないのよね」
「ベーコンかハムなんかが欲しいところなのよね」
と蛋白質推奨派。ボローニャソーセージみたいなのがあるといいなぁと昨日スーパーを歩いたのだけれど、手頃な筒状のポークソーセージをみつけたので、それにした。薄くスライスしてフライパンでこんがり焼いて、その上に卵を割り落としてハムエッグに。

イングリッシュマフィンに挟むためには、さながら「月見バーガー」に挟むかのようなまん丸の目玉焼きにしなければならないのだけれど、これがなかなか大変。ケチッて100円ショップで買ってきた円形のリングはステンレスをただ輪っかにしただけのようなもので異様にこびりついてくれちゃうので、使う前にサラダ油をキッチンペーパーに染みこませたもので一度軽くぬぐっておかなければならない。
「ケチるのはダメだ……ちゃんとテフロン加工になってるの買ってこないとダメなんだ……」
と思いながら、今日もせっせとサラダ油を塗っている私だった。こういう些細な調理器具は、案外とお高いのよね。

ピェンローおじや
麦茶

だんながお弁当を欲していたので、今朝はちょっと早起きして弁当作り。アメリカ牛の輸入再開の目処が立ち始めたからか、ここ1週間ほどでじわじわと牛肉が安くなり始めた印象があって、先日買ったもも肉ステーキ用のオージービーフは、でっかい2枚入りのパックで498円。こりゃお安いねぇ、お弁当に使うとよいかなー?と買ってきて、お弁当はステーキ丼。

ちゃんと火は通っているけれど中心にほんのり赤い色が残る程度を目指して1枚のステーキ肉を焼き、バター醤油で味つけ。ほうれん草をバターで炒めて塩胡椒して添え、茹でた3種のきのこにはほぐしたサンマのコンフィを混ぜてオリーブ油垂らして塩胡椒。彩りにプチトマト1個詰めて持たせてあげた。いつもなら私の分も一緒に作ってしまうのだけれど、「ステーキ丼なら作りたてのがやっぱり食べたい……」と今回はだんなの分だけ。

で、お昼になったのだけれど、どうもステーキ丼という気分じゃない。もっとあっさりさっぱりしたものをサラサラと食べたい気分だったので、昨日のピェンローの残りを温めなおして冷や御飯にぶっかけて食べちゃうことに。もう肉は1切れも残っていないピェンローは、見た目「白菜と椎茸のスープ」になってしまっていて、でもスープの味は肉っ気たっぷり。塩味調えて、うまうま言いつつ啜って食べた。まだ鍋にはスープとして2〜3人が飲めるくらいの分量残っているので、それは鶏肉と豆腐を足して夕食にでも出そうかなということで。

チーズいろいろ with リッツ
カニかま乗せルッコラのサラダ
あんだんすー乗せ冷や奴
茹で豚肉とほうれん草のたまりソース
豆腐入り ピェンロのスープ
羽釜御飯
ホッピー

だんなのお帰り、今日は早め。我が家で夕飯を食べられそうだと連絡があったので、
「んじゃ、今日はホッピー飲もう」
とホッピーを冷蔵庫に突っ込んだ。買い置きの豚肉を食べたいところだけれど、"焼き"とか"炒め"という気分じゃないなぁと、茹でることに。

おいしそうな京ほうれん草(←色が濃くてひょろーっと長めで、でもバリッと旨そうなほうれん草だったので買ってきてみた……あまりこのへんじゃ見かけたことがないほうれん草)もあるので、それで「豚肉のほうれん草巻き たまりソース」と作ろうじゃないかと試みる。陳健一さんのレシピで、茹でたほうれん草を茹でた薄切り豚肉で巻き、そこに甜麪醤大さじ2、醤油大さじ1、酢小さじ1、おろしにんにく小さじ2、ラー油適量を混ぜた甘じょっぱいタレを垂らして食べる。色良いほうれん草を豚肉で巻いたら、さぞ綺麗なおかずになるでしょう……と思ったのだけれど、手元にあるのは切り落とし肉。なんとかなるかと思ったら、全然なんともならなかった。とてもほうれん草を巻ける状態にはならず、しょうがなしに茹でた豚と茹でたれん草を深皿にどっかりと盛りつける。ごめんよ陳健一。全然違うものになっちゃったよ。

あとは、買い置きのルッコラに自家製ベビーリーフを適当に混ぜたサラダに、カニかまほぐしてマヨネーズで和えたものを添えたもの。手持ちのチーズあれこれ切ってリッツと一緒に皿に盛ったもの(←これは酒の肴←でも誰よりも息子が手を伸ばす……)、スープの残りの少量の豆腐は小皿に盛りつけてあんだんすーをちょこっと乗せた。

このところ、「基本的に平日は家で御飯食べられない」という感じになりつつあるだんななので、家で食べられるときはなるべく前向きに野菜を摂ってもらわなきゃと思っている。今後ますます忙しくなってくるという話だから、そしたらひじきの煮物とか切り干し大根の煮物あたりも常備すべきかしら、とか。

11月11日 金曜日
ロールケーキ分が足りなくなりました
グラノーラ with 牛乳

我が家で最も愛されているコーンフレークはカルビー社の「フルーツグラノーラ」なのだけれども、これは他社類似製品と比較して圧倒的にお値段がお高い。
「お高いけど美味しい……美味しいけどお高い……」
と日々煩悶して、似た味でお安いのがあれば嬉しいのにと、機会を見つけていろいろなものを試してみている。

今回購入したのは、某スーパーオリジナルブランドのグラノーラ。りんご果汁が使われたほのかに甘いフレークにフローズンストロベリーやかぼちゃの種、松の実などが使われている。使われた材料の種類が豊富でなかなか彩り豊かなグラノーラだったのだけれど、でもやっぱり好みはカルビー社かな。

「え〜?これもね、おいしいよ。ぼく、好きだよ」
と息子は言ってくれたので、とりあえずこの1袋は息子と2人で食べきろう。

白髪葱増量ミニステーキ丼
麦茶

行ければジムに行きたいなー……と思っていたのだけれど、昨日からの筋肉痛が未だ治まらなくてあきらめた。水曜日そんなには疲れなかったはずなのに……と思い返してみると、どうやら「ホバー」(こんなの)が腹筋大胸筋あたりの筋肉痛の原因だったようだ。地味〜な体勢で行う地味〜な運動なのだけれど、これがもう、腹に来る来る。仰向けになって行う普通の腹筋運動よりもキたようで、久しぶりに腹全面が痛くなった……まだ痛い……。

で、のんびりした金曜のお昼。仕事も適当に一段落したところで、本来昨日の昼予定だったステーキ丼をすることにした。残った牛肉全て使うほどにはお腹が空いていなかったので、半量だけ使って半量は冷凍庫に。バター醤油でミディアムレアに焼いた肉を小さめどんぶりによそった御飯の上に盛りつけ、上から肉が見えないほど大量の白髪葱をトッピング。自家栽培のスプラウトをちょっとつまんで白髪葱に混ぜ、なかなか彩りの良い丼にした。お供に麦茶。

マッケンチーズ
ポテトコロッケ
緑野菜とトマトのサラダ
「IL PINO」のマロンロールケーキ
アイスティー

今日は息子の音楽教室で、終わった後
「んじゃ、夕飯の材料買って帰ろう。……何か食べたいのある?」
と息子に声をかけた。

「んとね、マッケンチーズ!それとね、コロッケとトマトの入った野菜のサラダ!」
「……うお、なんだその見事な献立は」
"マッケンチーズ"はある程度予想していた答えだったけれど、おかずやサラダの指定は想定外で笑ってしまった。
「あのね、チーズと生クリームと、コロッケと、トマトとレタスかえば、ごはん作れると思うよー」
とか言っている。ここんところ大人っぽいメニューが続いていたしまぁ良いかなと、息子のリクエストに応えてあげることにした。

トマトとチーズは家にあるからね、他のものを一緒に買おう……と、デパ地下を息子とうろうろ。そうそう、なんかロールケーキがめちゃめちゃ恋しかったんだよー……と、洋菓子屋さんの前で立ち止まった。千葉市佐倉にお店のある「IL PINO」というお店の秋のロールケーキがマロン味で、それがとても美味しそう。

「あー……ロールケーキ、買いたいかもー……」
「お母さん、お金、そうやって使うと、すぐになくなっちゃうよ?むだづかいって、言うんだよ?」
背後から息子が「無駄遣いはいけませんよ」って、ママンみたいな事を言ってくる。えー、でも、ロールケーキ食べたいんだよ、栗だよ栗、美味しそうじゃない?食べたくない?となぜか私が息子に購入お願いをすることになって、カウンターの向こうで店員さんが笑っていた。いいの、ロールケーキ買うのは無駄遣いじゃないの。レジャー費なの。(え?)

サラダは、美味しそうなのが1玉100円だったレタスを手でちぎり、茹でたアスパラとブロッコリーを混ぜた緑色一色のものに。トッピングにこれでもかとたっぷりのプチトマトを添え、ピエトロのドレッシングをかけた。いつもは小麦粉とバターと牛乳でホワイトソース作ってチーズを混ぜるマッケンチーズは、今日は沸かした生クリームにチーズを溶かしただけの簡略版ソースに。コロッケも揚げている余裕は全然なかったのでデパ地下のお総菜屋さんで買ってきた。帰宅してからばたばたと夕食の準備をして、息子に手伝ってもらいつつ手早く夕御飯を。

バターの入らないマッケンチーズは、生クリームが使われている割に案外とあっさり味。大量のトマトにご機嫌な息子は、好物だらけの夕飯を前にちょっと幸せそうだった。私はデザートのマロンロールケーキにご満悦。好みな具合に大量のホイップクリームがまかれたロールケーキで、ケーキの中央部分だけに栗の甘露煮が巻かれたシンプルなものだった。シフォンっぽいふわふわ生地も上品な味のクリームもかなり美味。思った以上にツボなロールケーキだった。ばんざーい。

11月12日 土曜日
ミスターデンジャーのデンジャーなにんにく焼き
ホットサンド(はむたまちー)
カフェオレ
福岡の柿

平日は何しろだんなの帰りが遅い(息子が起きている時間にはまず帰ってこられない)ので、息子はちょっと寂しいらしい。
「あしたは、お休みだからね。いっぱいねてられるから、お父さん待ってて、"おかえりなさい"って言うんだー」
と言う息子に「まぁいいか」と一緒に夜更かしして、昨日の就寝は日付が変わってから。
「うわぁ!なんで君たち起きてるのー!?」
と終電間際に帰宅しただんなと一緒にきゃあきゃあ話してから、たっぷりと今朝は寝ていた。

昼間近になってからの遅めの朝御飯は、ホットサンド。先日買ったボローニャソーセージもどきのポークソーセージをスライスしたのと、マヨネーズで和えたゆで卵とピザ用チーズを挟んだ「はむたまちー」もどき。ハムよりは脂っけ肉っけの強いコンビーフの方がやっぱりお似合いなんだわホットサンドには〜……と思いつつ、「こんたまちー」よりあっさり味のホットサンドを1人1個楽しんだ。

毎日「美味しいなー」としみじみ思いつつ剥いて食べていた福岡の柿もあと1個。「もうなくなっちゃう」と思っていたら、昨夜お義母さんが
「これ、お裾分け〜。奈良のふゆう柿♪」
と、10数個の柿をお裾分けにきてくれた。だからまだしばらく食後のフルーツは柿続行。

「IL PINO」のマロンロールケーキ
紅茶(ロイヤルブレンド)

近所にトイレットペーパーを買いに行ったりしながら、今日はのんびりした土曜日。息子が外に遊びに行ってしまったので、昼過ぎにだんなと2人、昨日買ってきたロールケーキを一緒に食べた。ここんところコーヒー続きだから紅茶にしようねー……と、久しぶりにフォートナムメイソンのロイヤルブレンドなぞ淹れてみる。

昨夜美味しいわと思ったロールケーキは今日食べてもやっぱり美味しくて、「この店のロールケーキはかなり好み〜♪」と思うに至った。クリームの甘さはかなり控えめだけれど、たっぷりのクリームとふわふわのスポンジ生地の分量のバランスは私の理想を具現化したすばらしさ。残念このうえないのは、このお店、プレーンのロールケーキは販売しておらず、通年販売の「さくらロール」の他は季節毎に「苺」「桃」「栗」「林檎」の4種類がローテーション販売されることなのだった。私は基本的にプレーンなロールケーキが好きなので、夏場に「うーん、桜と桃しかないのかぁ……」とお店の前を素通りしてしまっていた事を思い出す。

墨田区立花「Mr.Danger」にて
 牛すじ煮込み \320
 にんにく焼き \300
 2000円セット(デンジャーステーキ450g・サラダ・ライス・スープ)
 生ビール 270円
 ライチシャーベット \100

いつもお米を買っている秋田の農園から、先日「このたび農園のお米できりたんぽを作り始めました」ときりたんぽを送っていただいたので、この週末はきりたんぽ鍋だ!と、鍋感高まる秋の献立。美味しそうな鶏肉と、ごぼうと芹と舞茸を買ってきた。そういうわけで今日はきりたんぽだね〜……と思っていたのだけれど、昼を過ぎて「ミスターデンジャー感」が高まってしまった私とだんな。

「食べたい……あそこの肉が食べたい……」
「うん、私もここんとこず〜〜っと食べたかったのよねぇ……」
「行っちゃう行っちゃう?今日行っちゃう?」
「行きますか?行ってしまいますか?」

毎度の事だけれど、私とだんながそういう事話し出すと止める人がいないんである。ボケとツッコミ2人揃ってこその華麗な漫才舞台になるところ、2人揃ってボケ続けるというかツッコミ続けるというかで、そのままオチがつくことなく「行っちゃえー」「食べちゃえー」と突っ走るだけ突っ走って行くところまで行っちゃうのが常なのだった。午後3時に「ミスターデンジャー恋しいねぇ」という話になり、その10分後には「夕方の開店は5時だ」「混むと嫌だから4時過ぎには出かけよう」と外出の算段がついてしまった。
「え?お出かけするの?ごはん、食べに行くの?」
とびっくりしている息子に事情を説明して、いざいざ亀戸駅から東武亀戸線東あずま駅から徒歩2分ほどのMr.Dangerに。

プロレスラー松永光弘さんの経営するこのステーキ屋さん、「安くて多くてすごい」という、大食漢にはたまらないお店。なにしろ、人気ナンバー1の「2000円セット」は450gのステーキとサラダとスープとライスがセットになってくる。御飯は大盛無料で、大盛を頼もうものなら平皿に1合分くらいの飯が盛られてくるのだ。

「……まず、飲む?」
「ん、まず飲む」
と、中ジョッキ生ビール(これも270円というお安さ)を注文し、酒の肴に牛すじ煮込みとにんにく焼き。こんにゃくとがんも入りでキムチがトッピングされた牛すじ煮と共にやってきたのは、とんでもない分量のにんにく焼きだった。深皿に、にんにく3株分くらいありそうな大量のにんにく炒めが盛られ、皿の隅には味噌がなすりつけられている。このお店、ステーキにも「にんにくつけますか?」と聞かれ、頷いたらこれまたすごい量のおろしにんにくがステーキにまぶされてくる。

「あはは、もう、にんにく漬けになれってことで」
「明日の外出予定もないしね、帰りの電車は行き止めて乗るってことで」
と、笑ってしまいながらにんにくつまんでビールを飲んで、そしてこの店名物のすっごい量のステーキをむさぼり食ってきた。

塩胡椒(と、好みでおろしにんにく)で味をつけた肉は、これでもかと叩いて筋を切ったような不思議な食感の柔らかさ。卓上に甘口ダレと辛口ダレ、胡麻味噌ダレに梅ダレが用意されているので、好みなものを適当に小皿に出して浸しながら食べる。今日はにんにくまぶし1皿とにんにく抜き1皿でお願いしたので、適当に交換しながら私もだんなも450gを完食した。息子は150gのハンバーグにチーズトッピングをしてもらい、御飯だけ食べきれなかったもののサラダとスープとハンバーグを完食。

「はぁ〜……ぼくもう、おなかポンポンだよ」
「あはは、お母さんもね、腹8分目通り越して腹9.4分目ってとこだよ」
「……俺……12分目ってとこ……」
腹一杯なうえに吐息はにんにく臭まみれで、「今私たち、歩く公害だわ」と思いながらよれよれと帰宅。普通に行ってもすごい店なのだけれど、このお店の真骨頂は「3名様より・要予約」の「デンジャーパーティー」だと思う。モンスターサンドイッチは外見もすごいが味もすごい(=旨い)らしくて、それが大変に気になっている私だった。……でも、高校生くらいの喰い盛りの学生さんでも連れて行かないと、完食は無理かもしれない。

11月13日 日曜日
鍋づいてます。今日はきりたんぽ。
「ミスタードーナツ」の
 ポン・デ・マロンクリーム
 チョコファッション
カフェオレ

「俺の来年の手帳、スケジュールンにしようと思います」
とだんなが宣言してから、今回がキャンペーン開始から3回目のドーナツ購入日。スケジュール帳を口実にして、好物のポン・デ・リングを再び買ってきた。季節限定のマロンクリーム入りのがとても好みだったので、今回もそれを。
「で、今回は基本に立ち返ろうと思います」
と、昔っからの大好物のチョコファッションもトレイに乗せた。

好みの色の手帳をさっさと貰ってしまうためとはいえ、さすがにこの頻度(前回は水曜日、前々回は先週の日曜日)だと、ほんのりドーナツの味にも飽き気味。あと2週間はドーナツ食べなくていいかも〜……と思いつつも、独特のモハモハ感が楽しいオールドファッション生地にかぶりついた。子供の頃は、フレンチクルーラー系やエンゼルクリーム系のふわふわした生地のドーナツがどうにも苦手で、ドーナツ屋さんではオールドファッション系しか注文できなかった私。今では全種類それなりに好きなのだけれど、でも相変わらずオールドファッション系が大好きだわと思っているのだった。チョコファッションの適度なチョコ感がこれまたたまりません。

だんな特製 卵チャーハン
麦茶

だんな、本日は料理人モードのスイッチが入ったらしい。
「そろそろね、冬だしね、味噌でも練りましょうかね」
と、豚味噌鍋用練り味噌を作り始めた。仙台味噌と美味しい酒粕(←スーパーで売ってるようなカチカチの板状のじゃなく、味噌屋さんやお酒屋さんで扱っているふわふわのペースト状のやつ)、練り胡麻に生姜ににんにくに醤油に酒に……とあれこれ混ぜてとろ火で練り上げる味噌は、なぜかだんなが"練り担当"となっている。練るのは手間だけれど、一度練ってしまえばあとは豚肉と白菜を用意するだけで美味最高の豚味噌鍋が楽しめ、更には「モツ煮」「煮込みうどん」などの応用料理もできるとあって、我が家の冬には欠かせない保存調味料なのだった。この匂いが家に広がると、いよいよ冬だなという感じがする。

で、60分くらいかけて味噌をね〜りね〜りね〜りね〜りしていただんなは、そのまま料理人スイッチ入りっぱなしのようで、
「ん〜、チャーハンでも食べる?作るよ?」
と、そのまま昼御飯にチャーハンを作ってくれた。特にこれという材料も家になかったので、卵と葱だけのシンプルなチャーハン。パラッと見事に炒められたチャーハンは米粒1粒1粒がピッと独立して形を保っていて、すんばらしい出来だった。以前友人に
「これをちょっと炒めて加えると、プロっぽい味になるよ」
と教えられた天津冬菜もちゃんと使われていて、その塩気や旨味が地味ながらチャーハンの味を引き立てていた。あー、うまうま。

「……あれだね、"結婚して良かった〜"と思えるシチュエーションベスト3に入ってるって感じだよね、このチャーハンの旨さの幸せ度合いはね」
「……もしかして、"かゆい時に背中を掻いてもらえる"より下なんですか?チャーハンは」
「うん、あの背中を掻いてもらえる悦びに比べるとねぇ、ちょっとねぇ」
そんな事をぐだぐだ言いながら、今日はぐだぐだした日曜日。だんなは今日、40人前の練り味噌を練り上げた。お世話になったいろんな人に配るんですって。すごいなぁ。

きりたんぽ鍋(きりたんぽ・日向鶏・ごぼう・舞茸・芹・長葱・白滝)
日本酒(菊姫 吟醸)

いつもお米を買っている、秋田は大潟村の花咲農園で、この度農園産あきたこまちを原料にしたきりたんぽを作ったということで、先日ご厚意でいくつかお送りいただいた。ご丁寧にきりたんぽ鍋用濃縮スープも同梱されていて、
「んだば、鍋せねばな-」
「うんめ鶏、買ってこねばな-」
と、昨日いそいそと鶏肉や野菜を買ってきた。ごぼうと舞茸は必須、そして芹も必須。「鶏とごぼうと舞茸」は、その組み合わせで吸い物として普通に食卓にのぼるほど、秋田県人には身近な味。でも吸い物には芹じゃなくて三つ葉を添えることが普通だったかな。

鶏はある程度ちゃんと火を通さないとということで、大鍋に濃縮スープと水を満たして鶏とごぼうをコトコト煮込む。で、そこから適宜土鍋に移して、舞茸、長葱、白滝を加え煮込んで、最後にきりたんぽと芹を食べ際に適宜投入。きりたんぽには日本酒だよねぇ、と、だんなが以前買ってきてくれていた菊姫の4合瓶を開けることにした。

ほわわ〜んと甘くとろけるような良い香りの、めちゃめちゃ美味しいお酒だった。なんとも上品な味のお酒で、
「……うう、うまー……」
「これは止まらんようになるねぇ……」
と、息子がさっさと食事を終えて居間に引っ込んだ後も、良い酒だー良い酒だー良い鍋だー良い鍋だーと、酒を舐め舐め、鍋をつつきつつき、だらだらとだんなと晩酌。

実のところ、これまで「きりたんぽ鍋」を美味しいと思っても、「きりたんぽ」自体にさほど重きを置いていなかった私。御飯とも餅ともつかない食感とか、いまいち味気なくパサパサした感じ(かといって鍋に入れすぎるとすぐにグダグダに崩れちゃう)ところなどに「なんだかなぁ……」といまいち煮え切らない印象を感じていたのだけれど、いただいたきりたんぽはめっちゃめちゃ美味しかった。長らく食べ続けている愛着のあるお米が原料なのだから不味くないはずはないのだけれど、あまりグダグダに煮崩れもせず、すごくしっかりとしたお米の味がちゃんと残っている。あんまり美味しいもんで想定以上に箸が進んじゃって、息子もだんなも私も、大変にお腹いっぱいになってしまった。ついつい4合のお酒も空にしてしまった。もう、全体的にぐだぐだな夕御飯。おいしかった〜。