食欲魔人日記 04年06月 第2週
6月7日 月曜日
蒸し暑い日だけど、あえてポトフ。
バターロールの卵サンド
ミルメーク牛乳(メロン味)
味わい練乳いちごヨーグルト

だんなからのリクエストもあって、今朝は久しぶりのお弁当作り。外食が好きな私としては、
「1日3食妻の手料理食べるのって……つまんなくない?」
と思ってしまったりするのだけれど(私は自分の手料理を3食食べ続けるのは1〜2日が限界だ、多分)、だんなが言うには
「うーん……たまには外で食べたいとは思うけど、でも"あー、今日は何を食べに行こうかな"と思うのが、けっこうめんどくさかったりするからねぇ」
なのだそうだ。あと、お弁当の方が絶対経済的ではあるし。

で、私も毎日凝ったお弁当を作り続けるのは気力が保たなかったりするけど、たまになら良いのよー、という心境だったりするので、適度な頻度の弁当作成はお互いに良い状況なのだった。旅行行ってたし昨日一昨日は私はほとんど料理らしい料理をしていなかったので、包丁を持つのも久しぶりな気分。適当に短い時間で作ったけれど、きっとだんなも息子も驚くだろうなぁ。驚くといいなぁ。

朝御飯は、弁当用にゆで卵を1個余分に作り、ロールパンで卵サンドに。お供の牛乳にはミルメークを入れ、週末に買ってきたヨーグルトもテーブルに。
「ミルメーク、ミルメーク、みんなの分の、メロンを出しておきますねー」
いつの間にか息子が勝手に「お父さんもお母さんもぼくもメロン味なんだよ」と緑色の小袋3つをピラピラさせている。
「やだよ、お父さんはメロンじゃなくてコーヒー味がいいよ」
「……お母さんはメロン味でいいよー。たまにはね」
この味だあの味だとわあわあ騒ぎながら、朝からほんのり甘くなった牛乳を飲む。近所の100均ショップには売られてないけど、またピーチ味とかきなこ味とか飲んでみたいな。話によると「胡麻きなこ味」とか「減糖コーヒー」なんてのもあるらしいぞ。

おうちで弁当
 おきつね丼
 鶏肉とじゃがいものカレー炒め
 キュウリ・プチトマト・ゆで卵 with マヨネーズ
麦茶

今日は一日特に仕事もなく、朝から大雨だけどジムに行っても良いかなという状況。でも、時間的余裕はあっても肉体的余裕(腕を上げると皮膚がピリピリ……)がなくて、ジムに行かずに家であれこれ。昨日、だんなの腕の皮が剥けはじめたので
「へっへっへー、この体は私のもの……この肉体は私のもの……誰にも触らせない……」
とか言いながらツピーッツピーッと剥いて遊んでいたのだけれど、今日はついに私の体の皮も剥け始めた。
「自分で剥いちゃ肌によくないってのは知ってるんだけどね、でもね、ちょっとだけねー」
とか言いながら、ついついペリペリと。夕方には息子の肩も皮が剥け始めた。

昼御飯は、家族全員お揃いの弁当。"おきつね丼"は、簡単で迫力があってちょっと笑える弁当御飯なので、時々笑いを取るために作ってしまう。醤油と味醂ベースで甘辛く煮付けた油揚げを、切らずにそのままドカンと御飯に乗せるだけ。だんなには1枚、私と息子は2人で1枚。メインのおかずは、茹でた鶏肉とじゃがいもをカレー粉風味に炒めたもの。ほんのりと醤油味。そして、キュウリとトマトとゆで卵にマヨネーズを添えたもの。あと1品くらいおかずを詰めたかったのだけれど、"おきつね丼"が弁当箱の空間をかなりふさいでいたので、こんな感じになってしまった。

「ふふ、油揚げ、うまうま」
だんなはちゃんと驚いてくれたかしら、息子はやっぱり油揚げを全部平らげることから始めているのかしら、なんて事を思いながら一人飯。

夏野菜のポトフ
チーズ適当盛り合わせ
刻みキュウリ
茹で枝豆
全粒粉とチーズのパン
缶チューハイ(オレンジ)

休暇後のだんなは激ジョブの模様。息子と2人の夕御飯、なんだか煮た野菜をたっぷり食べたい気分だった。
「この蒸し暑いのに、煮物もどうよって思うけど……でも、食べたい食べたい」
と、週末買ってきた豚肩ロース肉の塊を使ってポトフを作ることに。さやいんげん、とうもろこしなどを入れてほんのりと夏仕様にした。

ネットでくるまれていた豚肉はそのまま一度軽く湯通しし、塊のままローリエを加えた湯で煮込んでいく。途中でセロリ、玉ねぎ、にんじんを投入し、さらに食事15分前くらいにじゃがいも、キャベツ、いんげん、とうもろこしを投入。キャベツは1/4の塊をそのままごろいと入れたし、玉ねぎもじゃがいもも1/2個サイズ。じゃがいもを入れる直前に肉を厚さ1.5cmくらいにスライスして鍋に戻し、全体的にごろりがろりとした大きな具のポトフにした。味付けは塩胡椒だけなので、粒マスタードをこてこてと添えながら食べる。

スーパーで買ってきた全粒粉とチーズ風味のパンを添え、食卓がちょっと寂しそうだったので枝豆やキュウリ、残りもののチーズ類なども適当に出してみる。5月に賞味期限が過ぎていた"エーデルクロレン"というトロンとしたチーズも未開封の状態で冷蔵庫に突っ込まれていたので、それも開封しちゃうことにした。キュウリにちょっと乗せて食べてみたり、スプーンですくってパンに乗せてみたり。息子は
「わー、チーズだー」
と、嬉しそうにそのエーデルクロレンのケースの中にパンを直接突っ込んでグリグリとやっている。……いやーん(このチーズ、安くはないのにそんな無体なこと……)。

「チーズもパンもあるのに、スープもいっぱいあるのねぇ……」
と言いつつ、息子もポトフをよく食べた。私も食べた。私はお代わりまでした。野菜と肉を塩で煮込んだだけみたいな料理なので、どうせだったら無農薬野菜とか使った方がずーっと美味しくできたかも……と思ったのだけど、野菜と肉の味が染み出たスープは充分美味しかった。明日の分もたーっぷりあるぞ。もしかしたら明後日の分も……。

6月8日 火曜日
からすみをかけた太パスタ、ブカティーニ
ロールパンのりんごジャムサンド
牛乳

昨夜、日付が変わるちょっと前に帰ってきただんな。私は起きて待っていて(いや、居間のソファでうつらうつらしてたんだった)、だんなを出迎えるなり
「おかえりなさーい!待ってたよぅ!脱いで!服脱いで!皮!」
と、だんなの日焼けした肩の皮をペリペリと剥き始める。だんなは呆れつつも、
「君も、すっごいじゃん……うぉー、おもしれー」
とか言いながら私の背中の皮をペリペリやり、結局午前1時頃までアホみたいに猿の毛繕いみたいなことをやっていた。

寝るときもごにょごにょと
「君は僕を待ってたんじゃなくて僕の皮を待っていたんだね……」
「違うよー、だんなを待っていたんだよー。皮つきのだんなを。だんなwith皮」
「いや、違うな。皮withだんなだな」
「ちがうよー、ちがうよー、そりゃ皮は重要だけど」
と深夜漫才を繰り広げ、で、寝不足。

そんな中、それでも午前5時半に起きてだんなはスポーツジムに向かっていった。ポトフあるから食べてってねーと昨夜のうちに伝えておいたのだけど、ちゃんと台所にはスープ皿がごろりと残されていた。
私と息子は昨夜もどっさりポトフを食べたので今朝も……という気分にならず、ロールパン1個。まだまだたっぷりと残っているりんごジャムをたっぷりサンドして、パンが甘いのでミルメークは入れない素牛乳を傍らに。

「りんごのジャムさぁ、おいしいよねー」
「うんうん、おいしいよね」
とか言いながら、簡単な朝御飯。簡単な朝御飯だけど美味しいりんごジャムで幸せ。

「モスバーガー」にて
 KATSUO
 オニポテ
 玄米フレークシェイク(抹茶黒豆)

今日はコチャコチャと細かい用事を片づけていたら、いつのまにか昼に。テレビをつけてみればみのもんたが人生相談されている頃合だったりして、
「え?12時半じゃなくて?もう1時半?」
と慌てて昼御飯に思いを馳せる。何かを買ってくる余裕もないし、あと30分で幼稚園のお迎えだしー……と考えて、モスバーガーに行っちゃうことにした。今、モスバーガーにはKATUOという期間限定バーガーが出ている。密かに気になっていたのだ。

「今日はチキンテリヤキとかフレッシュバーガーとかに浮気せずに!カツオを!」
と心に決めてチャリンコにまたがる。カウンターの前に立つなり、
「このカツオバーガーをください!」
と注文し、なんとか初志貫徹。この店にくると、つい他のハンバーガーやら何やらが恋しくなってしまうのだ。

他にはいつものオニポテ(オニオンリング&フライドポテト)と、アイスティーかソーダものにしようかなと思いつつ、ついつい「玄米フレークシェイク」を。毎年ちょっと変わった内容のものが夏に出てくるのを楽しみにしているのだけど、今年は「抹茶黒豆」と「杏仁木いちご」。今日注文してみた「抹茶黒豆」は、抹茶プリンとホワイトチョコのソースと黒豆がトッピングされたものだった。チョコ……?と、説明を見たときにちょっと不審に思ってしまったのだけれど、これがけっこう似合っている。練乳のような甘く白いソースと苦めの抹茶、ころりと歯ごたえのある黒豆が良いバランスで、今年の玄米フレークシェイクも美味しかった。ここのシェイクは固めだから、シェイクというよりパフェみたいでそこもまた好き。

で、噂の「KATSUO」。魚の切り身ではなく、ハンバーグ状になった魚が挟まっている。照り焼きソースの味で、玉ねぎごろごろのトマトソースもたっぷりと。そしてなぜか、これまたたっぷり挟まる筍も。
「カツオと筍……なるほどねぇ……」
魚を使ったハンバーガーは思った以上に美味しかった。フィレオフィッシュのようにコテッと油の味がするタルタルソース風味のものとは違い、魚の味がするけれど、ちゃんとハンバーガーな味の魚バーガー。筍はそれほど必要ないんじゃ……?と思わなくもなかったけれど、和風な味で美味しかった。でも、次はやっぱり肉バーガーを食べてしまいそう……。

からすみと水菜のブカティーニ
夏野菜のポトフ(昨日の残り)
アイスティー

午後は図書館に行き、親子で合計15冊くらいの本を借りて帰ってきた。息子は『東武鉄道の歴史』とか何とか、やけにマニアックな本を借りている。なんで子供用本コーナーじゃなくて大人用の運輸コーナーなんてとこにいるのー?息子ー?(←どうやら、子供向けの本は写真じゃなくてイラストで説明されている本がけっこうあって、それが不満なのであるらしい……)

今日も雨が降ると言われていたけれど夜まで降ることはなく、図書館行きを満喫して帰宅。だんなは今日も遅いらしいということで、昨夜のポトフと共にパスタ料理でも……と考えた。先日デパートのイタリア食材フェアで買ってきたイタリア産のからすみパウダーがある。ちょっと意外だけれど、イタリアでもからすみは「Bottarga」(ボッタルガ)という名前で作られていて、スパゲッティのソースにしたりするようだ。日本国内で何度かからすみのパスタをいただいたことがあるけれど、上品なたらこスパといった風でとても美味しいんだな。今日はこれを使ってパスタ料理。

手持ちのレシピには白身魚と合わせたり生のサンマと合わせたり……というパスタ料理ばかりがあったので、
「もっとシンプルなのはないかな……野菜と合わせるような」
と、インターネットで何かヒントは得られないかと検索してみる。そしたら、からすみと水菜のスパゲティという、手持ちの食材で作れるちょうどぴったしなレシピが。水菜は確かにからすみと合うかも〜、と、この作り方のままに作ってみることにした。ただ、2人分ほど余っていてちょっともてあまし気味だった"ブカティーニ"という麺があったのでこれを使うことに。マカロニのように中央に空洞があるこの太いロングパスタは、肉がざっくり大きな粒で入っているようなミートソースとか、魚介がごろごろ入るラグーソースなどの方が似合うと思うのだけど、「……ま、いっか?」と。

オリーブ油を中華鍋に入れて(←パスタを炒め合わせるのは中華鍋が便利……フライパンだと溢れそうになっちゃうし)、弱火でじくじくと潰したにんにくと赤唐辛子を炒めていく。パスタのゆで汁を加えて"乳化"させ、そこにゆであげたパスタとからすみパウダー少々、バターを加えてざっと合わせ、仕上げに水菜も混ぜ込む。皿に盛りつけてから仕上げのからすみパウダーを散らしてできあがり。

できあがったのは、レシピの見本できあがりとは似てるようないまいち違うようなもの。やっぱりブカティーニじゃほんのり不格好だったようだ。それと、水菜がパスタの熱ですぐにクタッとなってしまったりとかも。
たっぷりのパスタができあがってしまったので、ポトフはちょっと少なめに。煮込まれて煮込まれて、とうとうキャベツや玉ねぎやセロリがグズグズに形をとどめなくなってきてしまった。煮くずれてないにんじんやじゃがいもは適当に一口サイズのものをよりわけてよそい、「具沢山スープ」な風にして食卓に出す。

「うわっへんなスパゲティだなー」
と、息子は興味津々。へんな形だけどおいしいなぁ、とか言いながら、ちょっと食べにくそうに啜っていた。

からすみならではの旨味たっぷりのしょっぱさが、パスタと案外とよく似合う。仕上げに和えたバターも良い風味で、たらこスパゲティとさほど変わらない簡単さなのにからすみのおかげでほんのり本格的な味。旨かった。
あとこのパスタが3〜4回はできるくらいにからすみパウダーがあるのだけれど、パスタ以外の料理に使っても楽しそうね。

6月9日 水曜日
息子の超大好物、マッケンチーズ
3日目のポトフ
アイスカフェオレ

しまった。冷凍御飯もほとんどないし、パンも使い切っていた。今朝はだんなと一緒に朝御飯を食べられる日なのに、うどんとポトフくらいしか食べ物がない。
「……ポトフで良い?ポトフだけで良い?」
まぁ、じゃがいももいっぱい入ってて食べ応えはありそうだしね、と自分で自分に言い訳して、スープボウルにどっさりと3人分のポトフをよそう。息子には不評だった。

「きのうのスープ、まだあるのー?まだ食べるのー?」
とツッコミを入れられてしまい、カレー粉か生クリームでも加えて味を変えるべきだっただろうかと思い至る。でも、ぐずぐずに溶けつつある野菜も、これ以上なく柔らかくなった肉も、1日目と比べるとずっとずっと美味しくなっていると思う。この手の煮物料理は2日目3日目がやっぱり美味しいねぇ。

鮭おにぎり
"ごはんですよ"おにぎり
抹茶入り玄米茶

今日は私も息子もスポーツジム。なんだかんだと2週間以上も間が空いてしまい、私は久しぶりのボディパンプだ。お昼過ぎにプログラムが始まるので、11時過ぎに早めの昼御飯。

息子の今日のお弁当は鮭おにぎりとその他あれこれ。おにぎりをキュッキュと握っていたら、私も無性に食べたくなってしまった。私のお昼御飯もおにぎりにしましょう〜、と、鮭フレークを詰めたおにぎりと、ごはんですよを詰めたおにぎりを用意する。唐揚げとか卵焼きも恋しくなるところだけど、お茶とおにぎり2個だけのシンプルな昼御飯。

手をぬらして軽く塩つけて御飯を握っただけなのに、なんでおにぎりはこんなに美味しいんだろう。
「御飯茶碗に御飯入れて、鮭やごはんですよ乗せただけだと、ここまでは美味しくないのよねぇー、不思議なのよねぇー」
とか呟きながらもぐもぐ。ツナマヨネーズおにぎりも大好きなんだけど、これを自分で作ってみる勇気はなかなか沸かなかったりして。

マカロニ&チーズ
鶏肉のローズマリー風味焼き
ざくろ緑茶

昨日、夕食のスパゲティを平らげた後に、息子が言った。
「あしたのゆうごはんは、マッケンチーズをおねがいします!」
そうねー、かんがえとくねー、と軽く答えたら、食器を片づける私の背後から何度も何度も
「おねがいしまーす、おねがいしまーす、マッケンチーズにしてくださーい」
という可愛らしい声が。

それでも、つい面白くて「どうしよっかなー、マッケンチーズかぁー」とはぐらかしていたところ、自分の日記で
「ゆうごはんはマッケンチーズにしてねおかーさん」
とお願いされ、更にはメールでも
「あしたはマッケンチーズにしてね」
と依頼が。そこで私が「やだぴょーん」などとメールで返信したら親子間の関係に亀裂が入るかしら……と思い、「わかりました。あしたのゆうごはんは、マッケンチーズをつくりましょう。いっぱいたべてね。」などとお返事してみる。そこまで食べたいか、マッケンチーズ。

マッケンチーズ(Mac'n Cheese = Macaroni & Cheese)は、アメリカでめちゃめちゃメジャーなパスタ料理だった。イタリア料理屋さんで食べるようなものではなくて、ファミレスのキッズメニューに載っていたり、マッシュポテトなどと同じような扱いで肉料理の添え物として出てきたりする。何度か注文しているうちに、息子はすっかりその料理が好きになってしまったのだった。スーパーにも、顆粒になってパスタに和えるだけの顆粒チーズがセットになったマカロニなどが置かれていて、しかもそれが1箱1ドルとかあるいは50セントだったりするのですごく手軽な一品料理になってしまったりもした。アメリカ人が愛してやまないチェダーチーズ味のそれは、くせになると妙に懐かしくなる味だったりして。

「……そんなに好きなんだ、マッケンチーズ……」
「そうなのよ、好きなのよ」
「……どこが好きなの?そんなに」
「ぼくの好きなチーズの味がいーっぱいしてね、ちゅるちゅるっとしててね、丸くてね、とーっても美味しいからね、だからね好きなんだよ?」
なに変な事聞いてるんだ、この味が嫌いな奴が存在するはずないじゃないか、という勢いで息子が答える。今日の幼稚園から帰り道、自転車でそんな事話しながら帰ってきた。

夕飯はそういう次第で問答無用でマッケンチーズ。笑っちゃうことに、我が家の冷蔵庫にはマッケンチーズが4〜5回は作れてしまうだろうほどの分量のチェダーチーズが保存されている。バターに小麦粉加え炒めて牛乳を加えたホワイトソースを作成し、そこにおろしたチェダーチーズをたっぷり加えればソースの完成。これに茹でたてのマカロニを和えればできあがり。それだけじゃ物足りないので、鶏もも肉に塩をしてベランダで摘んだローズマリーを適当にふりかけて、ごく軽くオリーブ油をふって風味づけをして魚焼き用グリルで焼いたものも準備。オーブンじゃなくグリルで焼いた鶏肉は皮目がうっとりするほどこんがりパリッと焼き上がるので、後始末はちょっと面倒だけれど、とても好き。

こんがーり焼けた鶏肉をざくざく切って、黄金色のマカロニを各々の皿に盛りつける。ピザ用チーズとかモッツァレラチーズとかを加えてクセのない味に仕上げることも可能だけれど、チェダーチーズをこれでもかと使うほうが懐かしい味になって好み。でもほんのりと下品な味にもなる。
「……こういうのが良かったんでしょ?おいしいですかー?」
「おいしいでーす!」
仕上げに乾燥パセリをふっただけのマッケンチーズは息子に大好評だった。

お供に飲んだのはL'EPICIERの中国茶(&日本茶)版のお店緑碧茶園の試供品でいただいたざくろ緑茶という面白いお茶。
「さっぱりして美味しいかも?」
と思って水出しにしてみたのだけど、茶葉の量が少なかったのか何なのか、とっても薄い色の、うっすらと紅色をした微妙な色のお茶になってしまった。さっぱりとした甘酸っぱさはあるのだけど……失敗?とほほ。

6月10日 木曜日
絶品のフライランチ。あー、うまうま。超うまー。
「アンデルセン」のミニピザ(正式名称不明)
アイスカフェオレ

「朝食にパンも御飯もないなんてことは悲しいので、ちゃんと買ってこよう〜」
と、昨日の夕方アンデルセンでパンを見繕ってきた。シンプルに食パンだけを買ってくるつもりだったのに、息子が
「あー!チョコパン!クリームパン!……どっちにしようかなー」
真剣に悩み始めたので、まぁ……いいか?と菓子パンを1個ずつ。甘いものはあんまり食べたくない気分だったので、手のひらサイズの小さなピザを買ってきてみた。薄焼きパリパリで美味しそう。具もシンプルにチーズとソーセージくらいしか乗っていない。で、悩んだ末の息子はクリームパン。

パンもあるし、アイスコーヒー飲めばいいしーと、ちょっとゆっくりめに今朝は起きて、ピザをオーブンに放り込む。数分温めたピザはこんがりとますます口当たりがサクサクになり、チーズがぴよーんと伸びて幸せだった。

西麻布 「三河屋」にて
 ミックス 950円

今日はお仕事。
「一緒に昼飯行く?麻布の定食屋さんに行く?」
と以前からだんなに誘われていて、更にはお友達の某D氏(蟄居中)とも行こうねーとお話していたこともあり、3人でランチを摂ることになった。3人の勤め先は微妙にバラバラで、集まり易いのか集まりにくいのか、いまいちわからないロケーション。
「今、電車乗るからー」
「今、六本木についたからー」
とか連絡を取り合って、六本木駅からぽてぽてとその目指す定食屋さんに向かう。

このお店を知ったきっかけは、『散歩の達人』のムック、『東京定食屋ブック』という本。だんながこの店の写真を見て、
「ここ、絶対旨そう!すごく旨そう!」
と早速出かけていき、
「本当に、すんごく旨かった〜」
と目を輝かして帰ってきたのだった。狭くてかわいい定食屋さんで、メニューはフライものばっかり。メンチカツやコロッケが盛り合わせになる"ミックス定食"がゴージャスでおすすめ!なのだそうだ。

さて、11時50分くらいにお店に到着すると、もうお店の前には数人お客さんが並んでいる。道路に面した小窓の向こうは厨房になっていて、おばちゃんがせっせせっせと大量のコロッケやら何やらを揚げ鍋に入れているところだった。
「あー、おいしそ」
「あーもー、おなかすいた」
「この窓から覗くとさ、奥にメニューが見えるんだよ」
小さな窓にみちみちと顔を突っ込む男たち。メニューに載るのは「コロッケ」「メンチ」「ミックス」「ハムかつ」「チキンかつ」すべて950円と、そしてちょっとお高い「海老フライ」と「みそかつ」。「メンチ」と頼めばメンチカツ2個がやってくるらしいのだけど、同じ値段のものなら"組み合わせ"も可能なのだそうだ。

席に通される前に
「次の3人さん、ご注文は?」
とおばちゃんから声がかかり、
「俺、メンチとハムカツ〜」
「俺はメンチとチキン」
「私は、ミックス!」
それぞれたぎる思いのまま、注文。ほどなく一番奥の4人席に通された。おっちゃんとおばちゃん2人でやっているような店で、営業は平日のお昼だけ。香川のうどん屋、池上のおばちゃんとこの次くらいに訪問が難しいお店なのだった(って、一体誰がわかってくれるんだこんなネタ……)。

私の前にやってきたのは、ごろりと大きなメンチカツ1個とそれよりは可愛らしいサイズのコロッケ2個、そしてチキンカツ1切れのおまけつき。お新香と味噌汁と御飯がもれなくついてくる。このフライ類がもう、めっちゃめちゃめちゃ美味しかったのだけど、その美味しさに匹敵するくらい、おばちゃんとおっちゃんのお人柄の温かさがとてもすばらしかった。おっちゃんができたてのおかず皿を持ってきてくれるのだけど、1人1人に
「はい、どうぞたっくさん食べてってくださいねぇ〜」
「アッツアツのお味噌汁も出ますからねぇ〜」
なんて言いながらニコニコと差し出してくるのだ。つい、
「今日は、この男たちが"この店の定食、ほんっとに旨いんだから!"って自慢しまくるもんですから、連れてきてもらいました」
と私も話しかけてしまう。おっちゃんは細い目を更に細くして
「あらーそうー。気をつけてね、昨日のお客さんはね、美味しくて美味しくてほっぺたそのへんに落として行っちゃったのよ。今日は落とさないで行ってねー」
なんて言うのだった。おっちゃん、さりげなくおねぇ言葉。おっちゃんステキすぎ。

たかがコロッケ、たかがメンチカツチキンカツ。普通に作ればそんなにまずくなるもんじゃなく、ゆえに「これはもう、すんごく美味しい!」というものにもなかなか出会えなかったりするのだけど、ここのフライはどれもこれも、たまんなく美味しかった。鶏肉揚げただけなのに、チキンカツからして、「普通じゃない」という感じ。ラードで揚げたのだろう衣はサックリと厚すぎず薄すぎずの絶妙のバランスで、褐色の衣に包まれた具はどれもこれもホコホコとずっと熱を持っている。よくあるコロッケの形状をしていないメンチカツはラグビーボールのような丸っこい形で、鶏肉を混ぜているらしい肉は白っぽく、ふわふわ。口当たりはふわんとしていて、でも蛋白じゃなくて肉汁がたっぷり詰まっていて、かといってくどくもなくて……と、ミラクルな味のメンチカツだった。私はメンチカツよりも"コロッケ至上主義"という嗜好だったりするのだけれど、ここのメンチカツならいつでも食べたい、山盛り食べたいという感じ。ホッコホコとしたじゃがいもがたっぷり詰まったコロッケもまた絶品だった。

「イヤー!うまいよ、うまいよ、ヤバいよこれ」
「でしょー。うまいでしょー」
「うわーん、うまいようまいよー」
うまいようまいよ言いながら、涙ぐみそうになりながらたっぷりの揚げ物を頬張る。添え物はこれまたたっぷりの刻みキャベツと、優しい味のマカロニサラダ。
「女性さんには御飯、軽めにしてあります。おかわり出来ますから、お申し付けくださいね」
と出されたちょっと小盛りの御飯の分量に感謝してしまうほど、最終的にはお腹いっぱいになってしまった。
いやー、旨かった旨かった超旨かった。今度はコロッケ好きの息子を連れてきてあげたいなぁ。

鯛飯
わかめと油揚げの味噌汁
グリーンサラダ
駅ビルの焼鳥屋さんの焼き鳥いろいろ
駅ビルの総菜屋さんの蟹玉
ビール(モルツ)・冷茶

お仕事して午後5時過ぎに帰ってきて、息子を幼稚園に拾いに行って夕飯の食材を買って帰ってきてみれば、別の仕事先から何度も電話が。
「お店のパソコンでメール受信ができなくなりましたー」
「広島に新しくできるお店の件でー」
と用件はいろいろで、「pingのコマンド使ってみてくださーい」「あれとこれ、ファックスかメールで送っていただけるとー」なんて話しているうちに、"あと30分でだんなが帰ってきます"という時間に。

ひぃ、せっかく「鯛飯にしましょ♪」と小さなサイズの鯛を買ってきたのに。外食はしたくない、ちゃんと夕飯作りたい〜っと、必死に段取り組み立てて夕食の準備。閉店間際のセールで鯛はたったの250円で、それを塩や味醂や酒や胡椒を混ぜ込んだ米と共にに入れて炊いていく。御飯のセットが出来たら、味噌汁作成。だし取ってる間に、今日買ってきたサラダ野菜をざくざくと手でちぎる。それだけやったらもう他にできることはなくて(コンロもふさがっちゃったし……)、だんなに
「おねがーい、ビールのつまみになるようなもの無いから、鶏唐サラダとか焼き鳥とか、そんなもの買ってきてくれないかなぁ……」
とお願いする。焼き鳥を買ってきてくれたけど、なんか他にもいろいろと、
「蟹玉も安かったんだー、あとね、おにぎりも非常に安かったから、明日の朝御飯!」
と、何やら大荷物。ほんのり豪華な夕御飯になった。

急いで作ったのがいけなかったのか、鯛飯は不味くはなかったけれど向上の余地がありありと。ウロコも内臓も取られていた魚だったのでさほど下処理せずに使ってしまったのだけれど、全体的にほんのりと生臭さが漂ってしまった。もうちょっとこの生臭さが無いほうが美味しいのになぁ……と。魚はしっかりと中も外も洗ってきっちり水気を拭いておくべきだなとか、米に混ぜるだけじゃなく魚にも塩をしておけば良かったなとか、今後の課題が残された。鯛飯、簡単なようで難しい奴め……。

6月11日 金曜日
スターバックスのフラペチーノ、けっこう好きなんです
「重吉」のいくらおにぎり
ざくろ緑茶

昨日、夕飯のつまみ購入ついでに、近所の駅ビルでおにぎりを7個も買ってきた我が夫。
「だってさー、おにぎり全品105円だったんだよー」
なのだそうである。なんで7個もあるんだろう……?と不思議に思っていたところ、今朝早起きしてジムに向かっただんなはきっちり3個平らげた痕跡があった。ああ、で、息子と私に2個ずつという配分なのね、と今朝になって理解。

残っていたのは赤飯おにぎりが2個、鮭といくらが1個ずつ。
「息子さん、おにぎり2個、食べられますか?」
「んー、んとねー、いっこでいいと思うよー」
「だよねぇ、1個だよねぇとりあえず……」
息子と2人、2個はいらないわよねぇ〜とか言いながら、息子は鮭を手に取り、私はいくらを。熱いお茶を飲みたい気分じゃなかったので、冷蔵庫にはいっている"ざくろ緑茶"(相変わらず薄い色……)をコップに注いでぐびぐびと飲んだ。

さて今朝、だんなの出勤後のテーブルを見ると、おにぎりの包み紙がぺろりと置かれたままになっている。今日は可燃ゴミの収集日で、ありがたいことに家中のゴミがだんなと共に消え去っていた。なのにテーブルの上、なぜかゴミとなるべきはずの包み紙が1枚。
「捨てるの忘れたなぁ?おまぬけさんめー」
と、ろくにそれを見ずにあっさり捨ててしまったのだけど、今日の夜帰宅しただんなに
「包み紙、見た?あれわざと置いてったんだけど」
と言われてしまった。

「……え?あれ、意味があったんだ……」
「あったよ、あったから"気づいてねー"って置いてったんだよ。あれ、包み紙よくみると"京樽"の文字が入ってるんだよね。ああ、あのおにぎり屋さんって京樽の経営なのかー、って思ったから、おゆきさんに知らせようと思って置いてった……」
「わかんないよ!そんなの!」
「えー、だって、たとえば君が包み紙をぺろっと1枚机の上に置いて行ってたら、俺は思うぞ?何かメッセージがあるんだなって、とりあえず見るぞ」
「あら……そう……」

私はだんなに比べると、遙かに気が回らない。回らなさすぎて、だんながトイレのカレンダーに「7th Anniversary」と記すまで、己の結婚記念日も半ば忘れていたくらい……。

「重吉」の赤飯おにぎり×2

心地良く涼しい小雨まじりの今日、私はしこしこ仕事ををしていた。なんで仕事がないときは2週間くらいなんにもしなくて良かったりするのに、仕事が来るときは各方面からどさどさどさっとやってくるのだろう……。結局気がつけば12時を回っていて、あと1時間半で息子を迎えに行ってピアノ教室に連れて行かなきゃいけないのに、でもまだ終わりそうになくて……という状況になってしまい、朝食の残りのおにぎりを端末の前に持ってきてただそれを囓るだけの昼御飯となった。せっかく味噌汁も残ってたのに、今度はあったかいお茶でも淹れようと思っていたのに、しくしくしく。

ともあれ、近所にあるこの「重吉」なるおにぎり屋さんは、そこそこ美味しくて手軽。あちらこちらのデパ地下で見かけるおにぎり屋さんで、やっぱり京樽の経営なのであるらしい

「Sstarbucks Coffee」にて
 マンゴープリン
 ストロベリー クリーム フラペチーノ

夕方は息子のピアノ。5月からのスタートで、やっと「ドレミ・ミレド」を鍵盤で弾くに至った。次回は「かえるのうた」を歌ったりするらしくそこで初めて「ラ」の音を使うことになる。途中で右手を返して「ドレミファソラシド」を弾くようになるまでには、あとどれくらいかかるのかなぁ。ハノンに至る道はまだまだまだまだ遠いらしかった(しかしハノンは劇的におもしろくない……)。

レッスン終了後、「そういや、スタバでマンゴプリンが出てるって聞いたっけ……」と、マンゴプリン探しついでにスタバで休憩。1個240円のマンゴプリンがめでたくみつかり購入し、息子には期間限定品のストロベリー・クリーム・フラペチーノ。フラペチーノ類は甘いもの(甘すぎるもの)もあったりするけれど、上に絞られたたっぷりのホイップクリームが幸せだったりして、好きなものも多い。スタバではつい、目先が変わったものを注文してしまい、
「うわぁぁぁん、二度とこれ頼まないぞ〜」
と全力で後悔することもたまにあるのだけれど(以前、試供品でいただいたミント味の甘い甘いチョコレートドリンクがね……もう記憶にこびりつくほど苦手な味でね……)、今日注文したストロベリーフラペチーノはめちゃめちゃ好みな味だった。赤と白のマーブル色も美しい。甘さも好みな程度。

「おかあさんはー、まんごぷりん、かったんでしょ?それ食べなさい!」
「いや、だからさー交換しようよ。ちょっとだけ。ね?」
「う……いいよ……」
とか言いながら、息子と仲良く交換しながらプリンとフラペチーノ。そういえば私、スタバでコーヒーを頼んだことってほとんどないわ。ミルク入りかフルーツものばかり……。

柿の種・かぼちゃの種・干し葡萄
刻みキュウリの海苔マヨネーズ
グリーンサラダ
薄切りラムと玉ねぎ、パプリカの焼き肉のタレ炒め
豆腐とわかめの味噌汁(昨夜の残り)
羽釜御飯どっさり
いかなごのくぎ煮
ビール(モルツ)・麦茶

アンデスメロン

そんなこんなで帰宅は5時半過ぎ、だんなの帰宅はかつてなく早い午後7時。
「大変そうだったら、居酒屋でも行く?」
という気遣いのメールをもらったんだけど、
「大丈夫大丈夫、準備できるから!」
と、パパパパパーッと食事の準備。今日はとにかく、白い御飯が食べたくて食べたくてしょうがない気分だった。白い御飯、とにかく白い御飯。

おかずは、ラム肉。薄切りラム肉が珍しく安売りされていたので、300gほどのそれを買ってきた。玉ねぎを刻みオレンジ色のパプリカも刻み、
「コテコテの焼き肉のたれで炒めたい気分……甘口のが美味しそうな気分……」
と、東北にお住まいの某さんから以前いただいたスタミナ源の焼き肉のタレの、甘口を開封して味つけしてみる。ラムを塩とタレで揉みこんでおき、野菜と共に炒め合わせてから更にタレを追加。下品〜な味にしたかったのだけれど、タレの味が爽やかな甘さの自然な味のものだったものだから、どこかほんのりと上品な味の炒め物になった(でもしっかりとにんにく風味)。「うちの地元のタレが美味しいんです!」といただいたものだったのだけれど、このタレ、本当に美味しいなぁ〜。好みだなぁ。豆腐にかけたりサラダのドレッシング代わりにと色々応用できるらしいのだけど、もったいないなとちまちま使っている私だった。

御飯は3合、味噌汁は昨夜の残り、そして、この炒めものとサラダ。それだけじゃ食卓がほんのり物足りなくて、刻んだキュウリに海苔マヨネーズ(某イタリア料理屋さんから貰ったもので、焼き海苔をペースト状にしてマヨネーズと混ぜただけ、みたいな感じなのに、妙に美味しい)を添えたものと、あとは乾きもの3種。小皿に柿の種やらかぼちゃの種やらを盛りつけて、パリパリポリポリつまみながらビールを飲んだ。早い時間の夕御飯は、その後の夜が長くて楽しくていいね。

で、いかにもな草っぽい匂いのするラム肉炒めも美味しかったけれど、それをおかずにかっこむ御飯がなにしろ美味しかった。2合じゃ足りないかなと思って3合炊いたら、その3合がなくなりそうな勢いでだんなも私も食べる食べる。
「御飯のお供に……くぎ煮も出しちゃえ」
「ああ……いぶりがっこも、まだなかったっけ?」
と、いろんな地方のいろんなものを出してきて、2杯3杯と食べてしまった。

我が家のお米は、母の郷里の秋田でつくられる「あきたこまち」。母と同窓だったという方が大潟村で米作りをしている花咲農園という農家さんのものを2ヶ月に1度くらい、10kg単位で購入している。コシヒカリもササニシキも好きなのだけれど、「冷めても美味しい」というのは、あきたこまちの特色だ思う。甘さが強くてモチモチとしていて、手が届く値段でこの味の良さのバランスは、とってもとっても良いと思う。農家から直接買っているという安心感もあって、このお米を知って以来もう6年くらい、他のお米に浮気をしていない(いや、さすがにアメリカではカリフォルニア米を食べていたけれど)。

「ああ、米のバカ喰いなんて、羽釜フィーバーの時にやり終えたと思っていたのに……」
とか思いながら、カツカツと白い御飯を堪能。そう、このお米を旨い旨いと食べていて、そして電気炊飯器ではなく羽釜で炊くようになったとき、一時期我が家はアホみたいに白飯ばかりを頬張っていた。2人で1食、2合を食べきるのが当たり前になってしまい、「これはヤバイ」と自重するようになったことを思い出す。白い御飯がしみじみ美味しいって、幸せだなぁ……。

6月12日 土曜日
7年目の結婚記念日のお祝い
「アンデルセン」のコーンブレッド
だんな特製オムレツ
アイスカフェオレ

今日は朝7時から、入居している集合住宅での全員参加草むしりイベント。そして明日は"父の日イベント"ということで、息子の通う幼稚園での親子おたのしみ会。
「もー、全然"おたのしみ"じゃないよー。なんで日曜日に、しかも結婚記念日という日にそんなイベントがあるかなー。しかも土曜日は朝から草むしり……」

息子がニコニコと、
「日曜日にね、おとうさんにプレゼントがあるんだよー」
と言ってくるのに対しては心からの笑顔で「うわー、いいね、それは嬉しいね」と思うし、そう言ってもいるのだけれど、こう簡単にあれこれとイベントを繰り出して週末の時間を奪って(しかもおかげで月曜は振り替え休日だ……)くる幼稚園には「何だかなー」と思ってしまう。運動会やクリスマス会くらいはそれは当然と覚悟していたのだけど、親子観劇会やら夕涼み会やら、イベントは少なくとも2ヶ月に1度。ううー、苦しい。

ともあれ、今朝は早起きして草むしり。結婚記念日のお祝いをしようね、と言っていたのだけど、そういう次第で日曜日は無理だなぁということで今日に繰り上げることにした。「ぼくも、おとーさんと、おかーさんと、いっしょにお出かけしたいなぁ〜」と息子も言ってくれていることもあって、3人一緒にお祝いランチ。馴染みの店に1週間前から予約を入れた。

きっちり草むしり開始10分前に起きて、適当に身支度を整えて屋外に。我が家のベランダ周囲の土の部分にはドクダミとオシロイバナが群生しつつあって、それをカマでざっくざっくと刈り取っていく。1時間ほどの作業は終わったのだけれど、汗みどろ。家に帰ってシャワーを浴びて、豪華ランチが控えているしと、軽めの朝御飯を摂った。

先日買ってきた「アンデルセン」のコーン入りパンと、だんなが作ってくれたバターたっぷりオムレツ。卵を4個も使った大きなオムレツはけっこうなボリュームがあったけれど、
「たまごー、ぼく、たまごいーっぱい食べても、いーい?」
とおっしゃるお子さまがもりもりと……。

南青山 「Cucina Tokionese Cozima」にておまかせランチ、ワインつき

 キュウリを添えた一口ガスパチョ
 千葉銚子の岩牡蠣 レモン添え
   スプマンテ:Montebello Spumante Rosé

 マコガレイのカルパッチョ さっぱりとレモンの風味
   白ワイン:Vallee d'Aoste Blanc de Morgex et de La Salle '02

 温かいイカのサラダ
   白ワイン:Pomino Bianco Il Benefizio

 ホワイトアスパラガスのカルボナーラ
 トマトソースのラビオリ 3種のチーズを詰めて
   白ワイン:Collio Bianco della Castellada '99

 夏カレイと夏野菜のフリット 赤玉ねぎのタルタルソースと冷たいトマトのソース
   赤ワイン:Il Poggione '00

 鴨肉のカリカリグリル にんにくのピュレとにんにく芽のソテー、温かいトマト
   赤ワイン:名前失念

 チーズ盛り合わせ(リコッタ2種・ペコリーノ2種・くるくるチーズ←また失念……)
   デザートワイン:名前失念

 豆乳のビアンコマンジャーレ ココナッツのソース
 メロンのスープ ココナッツのジェラート ナタデココと白玉
 ハーブティー

ほてほてとお昼に向かったのは青山にあるCucina Tokionese Cozima。この日記をつけ始めたのは1年目の結婚記念日。当時西麻布にあったアクアパッツァにだんなと2人で食事に行き、そこでの食事があまりにも美味しかったので「この味を、メモしてとっておきたいなぁ〜」と思ったのがきっかけだった。それから6年が経ち、いつのまにか「大事な日のお祝いはこのお店で!」ということになってしまったのがこのお店。

美味しいお店は山ほどあるし、美味しいイタリアンレストランも山ほどあると思うのだけれど、カリッと焼けた香ばしい魚や肉を食べさせてくれたり、「最近、野菜が恋しいのよね」と思っていたときにタイミングよく美味しい野菜をたっぷり食べさせてくれたり、イタリアンなのにイタリアンじゃないみたいな趣向を凝らした前菜を食べさせてくれたりと、いちいち好みのツボにしっくりなじむ料理をシェフのKさんは作ってくれる。「今回のこれは、今までで一番美味しかったなぁ〜」と思う料理があっても、次に行ったときには「うわっ、前回のアレも美味しかったけど、今回のコレときたら!」と驚かせ喜ばせてくれるのだった。こぢんまりしたお店の感じも、とても好き。

今回は、
「あのー、いつもは、"最後にとにかく肉をガツンと!"みたいないただき方をしているんですが、今回はお祝いということもあるんで、"お酒飲みながらだらだらとランチ"という感じにしたいなぁ、と。デグスタツィオーネみたいな」
と伝えておいたら、まさにそれ!という流れのコースを組んでくれた。しかも、料理1つにそれに合わせたグラスワインを1杯ずつ。すごくすごく贅沢なランチだった。

"突き出し"に、リキュールグラスに入れられたほんの一口分のガスパチョ。青臭さなんか少しもない、甘酸っぱいトマトの味がキューッと強く感じられるトロンと冷たいスープに粗塩を軽くつけたスティックキュウリが1本。息子も一緒に一気飲み。彼はこの後、クリームソースのスパゲティを作ってもらい、鴨肉といんげんとブラウンマッシュルームがたっぷり入った濃厚なそれを1人でぺろりと食べきった。ほんの一口だけ味見させてもらったのだけど、あとは具を残しもせずに、「おいしかったぁ〜」と。

トマト入りのほのかに赤く丸いパンと、ターメリック入りのカレーの色をした丸いパンもテーブルにやってきて、最初にいただいたお酒はロゼのスプマンテ。すっきり辛くて柔らかい甘さもあって、食前酒にちょうど良い軽い味。くぴー、くぴーと飲んでいるうちに次の小皿がやってきた。上にはごろりと大きな生牡蠣。千葉の銚子に揚がった岩牡蠣なのだそうだ。レモンがひとかけついてくるだけのシンプルな皿。岩牡蠣は大きいと聞くけれど、それにしても大人の手のひらから溢れるサイズですごい迫力で、そのくせ大味じゃなくてふわんと甘くまろやかな味だった。
「うーわ、生牡蠣!」
「この時期に生牡蠣が食べられるなんて、シアワセ……」
「しかもこんなに新鮮!美味しい〜」
キャーキャー言いながらものの10秒でツルリと平らげる。

そんなことをしているうちに、テーブルには1杯目の白ワイン。カラッと辛くて鼻から天井にふわっと抜けるような辛さがあって、でも軽薄というのとは違う味のワイン。出てきたのはプリッとした身のマコガレイをカルパッチョにしたものだった。こってりしたマヨネーズっぽいソースではなく、さっぱりとレモンの味で。上には細く細く刻んだパプリカや茄子などがこんもりと盛られている。キュキュッとした歯ごたえの新鮮な魚が、うまー。

ワインはグラスに半分ずつくらいで、ちょうど1皿の料理と共に飲みきるような感じで、次の1杯はナッツのような重めの風味の、色も味も深いワイン。料理も先の1皿よりはこってりめの、温製のイカのサラダ。プリッと歯ごたえがある良い具合に火の通ったイカの身とゲソが葉野菜に和えられて、けっこうなボリュームが。野菜をもりもり食べながら、イカゲソをちゅるちゅると啜るように囓る。
これまでワインは好みな味はあるのだけれど、あまり「この料理にはこれ!」という飲み方をしたことがなくて、本当に漠然と「肉には赤で、牛や鴨や羊にはどっしりと重めなものを〜」くらいのイメージしかなかったのだけれど、今回みたいな飲み方はとてもとても楽しい。数時間のうちに色々な種類のワインを口にしたので、「辛い」と表現できるワインでもそれ以外にすごく複雑な味があるんだなぁと改めて思い知らされた。このワインの方が自分の好みではあるけれど、この料理にはあっちのワインの方が確かになじむよね、みたいな。

3杯目の白ワインは、更に深く、ナッツとバターの風味がするようなこってりしたもの。こってりした白ワインにはこってりした生クリームのソースをということで、パスタ料理、カルボナーラがやってきた。いつもより分量少なめの、5口分くらいのそれにはホワイトアスパラガスがごろごろと。優しい味の柔らかなホワイトアスパラガスは今が旬の食材でとても美味しいのだけれど、スーパーなどで買おうとすると「5本で1000円」みたいな大変な価格になっている。食べたいけどなー、家で調理する勇気はあんまり沸かないなー、といつも思ってしまう食材だった。卵の黄身の色がたっぷり溶けたような濃厚な色のとろとろクリームソースに和えられたロングパスタ(……リングイネ、だったかな?記憶曖昧……)にごろごろと和えられた真っ白なアスパラガス。太くて、でも繊維っぽくもなく、適度にシャッキリした歯触りが残っていた。ほの甘くて美味しい〜。

更にパスタもう1皿で、今度はトマトソースのラビオリ。モチッとしたラビオリ1つの中にはロビオラ(牛乳、山羊乳、羊乳を合わせて作るチーズ)やその他2種類ほどのチーズを組み合わせて詰め、ソースはホールトマトの甘さとフレッシュトマトの酸味を組み合わせたざっくりとした真っ赤なもの。ちらちら〜とバジルの小さな葉が散っていた。大ぶりなラビオリをフォークで2つに切って口に運ぶと、中からとろけたチーズが垂れてきて、適度にクセのあるその味がトマトソースとよく似合う。「……これだけを20個くらい食べ続けても、それはそれですごいシアワセかも……」と思いながらたった1つのそれをじっくり堪能した。

ここから赤ワイン。1杯目は冷えた状態で出された、重さも軽さもあるワイン。先のラビオリをつつきながらいただきはじめていたのだけど、魚料理が来るころには周囲に香りがふわふわ広がりつつあるところだった。大きな白い皿にはカレイの切り身のフリットが。アスパラや茄子などの夏野菜も一緒に揚げられていて、そのフリットに隠されるように底にはトマトソースが敷かれている。そしてフリットの上には赤玉ねぎを混ぜたパステルカラーのタルタルソースがたっぷりと。空気を含んだ衣は丸みをおびてサクサクとしていて、日本の天ぷらよりも更に軽い食感。野菜の歯触りをシャクシャク感じるタルタルソースをつけて食べると、「……これにフライドポテトがあったら、イタリア版フィッシュ&チップスになるのかしら?」と考えてしまう。揚げ物だけど、胃にもたれないような本当に軽いフライ盛り合わせだった。

そして常温でやってきたどっしり重めのタンニンの強めの存在感を感じる2杯目の赤ワインをいただきつつ、肉料理は羊が2切れ。皮目をこ〜んがりとサクサクに焼き、中は見事な薔薇色。肉の脇に敷かれたソースは「……じゃがいも?白いんげん?」と想像したのだけれど、なんとにんにくのピュレとのこと。スタッフさんが皿を出しつつ
「牛乳で何度も茹でこぼしたので、それほど匂いは強くないと思いますが……ちなみに、その脇にあるのもアスパラではなくにんにくの芽なんです」
だそうで。にんにくの芽添えのにんにくのピューレ添えの、更に温かく火を通したトマトもついて、シメにふさわしいどっしりとした料理だった。ピュレは確かにさほどにんにくにんにくしていないのだけれど、でもやっぱりしっかりにんにくで、肉にこてこて添えて食べるとなんとも良い風味。アスパラのようにシャキシャキしたにんにくの芽も添え物にしておくのが勿体ないほど美味しかった。いつもより少なめの肉料理、でもリクエスト通り、"酒飲んでだらだら"食事はこれでもかと満喫できた。ガツンと肉!というのもすごくシアワセだけど、こういうのもいいなぁ……とってもいいなぁ……。

実はこのへんですっかりアルコールで顔も体もふにゃふにゃになりつつあったのだけど(だからもうワインのラベルのメモ書きもとぎれてるし……)、甘いデザートワインをいただきつつ、チーズまでいただいてしまったりして。

「私、これとこれー」
「俺は、これを食べたい」
「んとねー、ぼくはねー、これ!」
「……え?息子も食べるの?チーズ……」
「うん!」
とか話しながら、結局盛り合わせてもらったのは5種類。ふわっと軽いリコッタの、普通のと固めなタイプのもの2種類、羊乳チーズ、ペコリーノもノーマルなものと長期熟成のものの2種類。そして"ジロール"という名の器具でくるくる削って食べるタイプのセミハードの……名前はなんだったっけ(コラ)。柔らかいリコッタはハチミツ添え、ハチミツと胡椒添え、オリーブ油と胡椒添え、という3パターンで小さなスプーンに盛りつけてもらい、ちょこちょこスライスされたチーズを固いくるみパン片手にもぎゅもぎゅと平らげた。前菜食べてパスタ食べて、これでもかと魚と肉を食べて、でも最後にチーズ、という欧州の文化は、未だにちょっと謎に感じてしまうのだけど(チーズは前菜というイメージが……)とろんと甘いデザートワインを飲みながら囓るチーズは優雅な心持ちにしてくれた。ハチミツと胡椒をかけたリコッタチーズが不思議と美味しい。

で、"プレドルチェ"に小さなビアンコマンジャーレにココナッツのソースをかけたもの(そして「結婚記念日おめでとうございます」のプレートつき)、本番ドルチェはココナッツのジェラートをスープ皿の真ん中によそい、メロンのスープを張ったもの。スープにはナタデココや白玉(甘味屋さんで出てくるような赤血球型じゃなくて、ピラピラ〜ンとキクラゲのような形状で)も浮いていて、とても涼しげなドルチェ2連発だった。甘く、でも甘すぎないさっぱりとした明るいオレンジ色のメロンのスープがとても爽やか。ココナッツ好きな私はココナッツソースとココナッツジェラートにニヤニヤしっぱなしだった。

お店を出ると、3時間も経っていた。
「うわー、ホントにだらだらしてたね」
「贅沢だったねぇ〜」
と、昼間っから赤い顔してぷらぷらと表参道まで出て散策。紀伊国屋マーケットが改装取り壊し中になっているのを見て、「そうだった……なくなってたんだった……」と愕然として、スパイラルマーケットとアンデルセンを覗いてのんびりと帰ってきた。余裕があったら渋谷でオードリー展を見て来ようと思ったのだけど、そんな余裕は全然なく。

天ざる
ビール(モルツ)・麦茶

「夕飯はさっぱりと……かしわざる?」
「……どこが"さっぱり"なんだよ……せめて天ざるとか」
どっちも少しも"さっぱり"な感じがしない会話をしながら、それでも天ぷらをいくつか買って帰ってきた。日本蕎麦茹でて、天ぷら温めて、ごく簡単に天ざる。帰宅してから寝てしまった私は8時前になって
「おゆきさーん、もう8時になりますよー」
「なりますよー」
「御飯にしませんかー?」
「しませんかー?」
とだんなと息子のサラウンド音声で起こされたのだった。ワインの余韻でポヘポヘしているうちに、だんなが蕎麦を茹でてくれた。……すまないねぇ……。

昼はこれでもかとたらふく食べたし、夜にもそんな軽いのか重いのかよくわかんないもの食べてしまって、それでも
「まぁ♪マンゴーロールケーキですって♪」
通販申し込みをしてしまっている私。結婚8年目になっても、相変わらずこんな感じになるらしい……。

6月13日 日曜日
結婚記念日に石鍋デビュー戦
「アンデルセン」の
 チョコクロワッサン
 週末限定モンブランデニッシュ
アイスカフェオレ

今日はせっかくの第7回結婚記念日。だけれども幼稚園の父の日イベントということで、だんなと息子は2人で午前中いっぱい幼稚園のイベントに参加せねばならなかった。「親御さんとの1対1の貴重なふれあいを大切に」とかいう理由で、夫婦での参加はダメなのだそうで、参加は基本的に"お父さん"。やむを得ない場合は代理の"お母さん"もしくは"親戚の人"を連れてこい、という話だった。
「なんだそりゃー」
「……そんなセッティングしてもらわなくても、1対1の貴重なふれあいなんか、いっくらでもしてるのにねぇ……」
このイベントの詳細を聞いてから、もう10回目くらいになるぼやきを口にしてしまいつつ、早起き。ちゃちゃちゃっと食事を済ませて2人を見送った。

アンデルセン」のパンは、近所ではなくて表参道のお店で買ってきたもの。
「俺、チョコクロワッサンが食べたいなぁ……」
「あー、私もそれ食べる。あとねぇ、この、モンブランなんとかってやつ」
「2個とも甘いのでいいの?」
「いいのいいの、この際気にしないの」
「じゃあ俺は、この300円くらいしちゃうチキンのクリーム煮入りミートパイも買っちゃうぞー」
「ぼくはー、ぼくはー、このクリームパンがいいなー」
各々欲望に忠実に、1個ないし2個のパンを選択。私はだんなにつられてチョコクロワッサンを選び、更には土日祝日の限定品だというモンブランデニッシュも選んでしまった。どちらも甘そう。どちらもカロリー、超高そう。

アンデルセンは色々なところに数あれど、表参道の店はやっぱりひと味違うなぁと思う。あんぱんの木村屋も、そのへんのデパ地下で買うより銀座の本店を覗くほうが凝った菓子パンの数々を拝むことができるし、「やっぱり都会はええのぅ〜」なんて思ってしまうのだった。デニッシュの生地はさくさく、カスタードクリームが中央に詰まったモンブランデニッシュはてっぺんにマロンペーストがたっぷりと絞られている。

……やっぱり2個のうち1個はしょっぱいものにしておくべきだったかな、と食後に後悔。うー、甘かったぁ。

「サイゼリヤ」にて
 鶏肉&ミニハンバーグ(60g)のグリル \580
 チーズフォッカチオ \150
 ドリンクバー \115

午後にスポーツジム行ってこようかな……とぽちぽち準備をしていたお昼前に、2人は帰ってきた。ペットボトルや空き缶などをつかって"おみこし"を作り、ゲーム大会したりしたのだそうな。「おとうさん いつもありがとう!!」のカードつきの紙粘土キーホルダーをお父さんに。絵の苦手な息子が、ちゃんと顔をかたどった紙粘土に髪の毛や目鼻を書き入れていて、その成長ぶりにちょっとびっくり。

「……でー、私は1時半からのボディコンバットに出ようと思うのですが、サイゼリヤかどっかで何か食べる?それとも適当に買い物に行って、適当に家で作ろうか?」
そう提案して、で、ぽてぽてと駅前スーパーのフードコートにあるサイゼリヤに向かってみた。イタリア料理のチェーン店だけれど、メニューに載る品々は妙に安い。ハンバーグは380円くらいからあるし、添え物のフォカッチャやガーリックライスは100円とか150円とか。お子さまランチはたったの190円だ。食事にドリンクバーをつけると115円でソフトドリンク飲み放題。しかも、ジャンクな味ながら料理はそんなに不味くない。ていうか、いかにもな味で妙に美味しかったりする。

私は鶏肉とミニハンバーグを盛り合わせたおかず。それにチーズ味のフォカッチャをつけてもらって、ドリンクバーからメロンソーダやレモンスカッシュを持ってきてぐびぐびと。パルメザンチーズの味がするもちっとしたフォカッチャと、ほんのり安っぽい味のミニハンバーグと刻み葱を表面に盛りつけた、カリッと焼けた鶏肉。今日も微妙にジャンクで微妙に美味しかった。ガツンと食べてから、私はジムへ。

夫婦共同作業 石焼きビビンバ
だんな特製 牛肉とわかめの中華スープ
ビール(モルツ)
生マンゴスチン&生ライチ

数週間ぶりのBODYCOMBATは、数ヶ月に1回のバージョンアップ時にあたったようで、
「はい!今日から新曲でーす!BC20は、キッツイですよー。曲だけで57分ありますんで、どんどん行きましょう!」
というインストラクターの声に冷や汗が出てくる。2回目の参加(しかも、30分45分というコースもあったりするのに、日曜昼は60分バージョン……)で、今日もヘロンヘロンになった。

で、夕飯は、私の提案によりビビンバ。
「夕飯さー……ビビンバ食べたくない?久しぶりに」
「いいねぇビビンバ。……あ!そうだ!せっかくだから石焼きビビンバにしなきゃ」
「うん、石焼き、良いんだけどさー……買ったまま、まだ下処理してないんだよね。米のとぎ汁で煮て割れにくくするとか、胡麻油塗ってなじませるとか」
「ああ、それくらいなら君がジムに行ってる間にやっといてあげるから」
「そっか。じゃあ、石焼きビビンバということで、よろしくねー。確か説明書は石鍋と一緒にしまってあったはずだから」
モヤシが必要だよね、あとゼンマイもね、肉はスープとビビンバ両方に使う牛が必要だし……と、昼御飯食べながらそんな相談をしていたのだった。ジムから帰ると、ちゃんと石鍋はツヤツヤと光り輝く状態でテーブルにどっしりと置かれていた。これ、確かこの商品で、オークション販売していた時に安く買えちゃったものなのだ。買ったは良いけど、まだ使ったことがなかったのだった。

だんなと一緒に料理するとき、「俺たちこのまま定食屋のおっちゃんとおばちゃんになっても案外上手くいくんじゃないか」と思えるほどに呼吸がけっこう合うのだけれど、ビビンバの準備をするときが特に手際が良いような気がする。ほとんど言葉を交わさなくても
「よっしゃ、じゃあ、作るか」
「ん、作ろう」
と、だんなはスープ及びモヤシとほうれん草のナムル作成の準備をし始め、私は大根と人参の下処理に取りかかる。
「それ、そのフライパン、ゼンマイ炒めるんでしょ?まだ炒めないなら、こっちの人参やっちゃうね」
「ん、いいよ、こっちまだほうれん草やってるから」
とか言いながら、なかなかめんどくさいナムル類が着々とできあがっていく。

ほうれん草は茹でて水気を絞り、塩と胡麻油と炒り胡麻と刻み葱で和え、もやしも同様に。にんじんは塩と少しの砂糖と黒胡麻で炒め、大根は甘酢と一味唐辛子の味付けで。ゼンマイは胡麻油で炒めて最後に醤油をひとふり。これが我が家の定番のナムル類。そして牛肉は焼き肉のタレでジャジャッと炒めておく。1品1品はそう難しいものじゃないのだけれど、これだけの種類あれこれ準備するのがなかなか大変だったりする。大体の見通しがたったところで御飯を炊き始め、ちょっと休憩。

「ん〜、今日もサクサク準備できたねぇ」
「"俺達は無敵だ!無敵のコンビだぜ!"って感じだよね。俺、ホル・ホースだから」
「……私、Jガイル?そんなんヤだ……BODYPUMPとBODYCOMBAT極めたら私はリサリサになる予定なのに……」
「……おゆきさん、リサリサになるの?……リタにしとけば?」
「リタ……リタはちょっと……」
話が某漫画からプロレスラーの話になってもすぐ対応できるのが夫婦ならではで、結婚記念日に一緒にビビンバを作るというのも、それはそれで"らしい"メニューだったかもしれない。一体これは夫婦の何千回目の共同作業なんだろうねぇ〜とか言いながら、カンカンに熱した石鍋に胡麻油を敷いて、御飯盛りつけナムル盛りつけ、肉と卵も盛りつけ、我が家で食べる初めての石焼きビビンバを作成した。

だんなの作ったほうれん草のナムルはちょーっと塩辛くなっちゃったし、私の作った大根の甘酢和えは唐辛子が多すぎてちょーっと辛くなってしまった。それでも、自家製ナムルをたっぷり盛りつけたビビンバは絶品。
「あー、おこげができた!できた!」
「この卵の半熟ぶりがたまらん〜」
好きな具で手抜きしないで作ったビビンバは、そこらのお店で食べるよりはずっとずっと美味しくて、
「……もう、外で食べなくてもいいかもね石焼きビビンバ……」
「こんあにアツアツで美味しくできるなら、ビビンバ以外にいろいろ遊んでみてもいいかもね」
と、やっと我が家の一員になった石鍋を愛でつつ、器の数は少ないけれどゴージャスな食事は終了。

デザートには、数年前には食べられなかった生ライチ(前は冷凍ものしか輸入されてこなかった……)と生マンゴスチン(これも前は冷凍ものしか……)を堪能。ライチは、15個くらい入ったパック入りのものが売られているのを今日発見し、298円のものと398円のものとを見比べて見比べて「ん、高いのにしよう!」とカートに入れて数歩歩いたところで見切り品の「本日中にお召し上がりください」シールが貼られたものと目が合ってしまい、どっから見てもそっちの方が美味しそうだったので200円のそれを買ってきたのだった。熟してて甘い、プルンとした生ライチで、食後も幸せ。