食欲魔人日記 03年08月 第1週
8/1 (金)
Cucina Tokionese Cozima(青山)にて、リクエスト通りの「お肉をがっちょり」 (夕御飯)
プチちらし寿司
アイスウーロン茶

昨夜大量に準備したお刺身が全部は食べきれなかったので、今朝引き続き丼にして食べることに。たいした量ではなかったので、小さなどんぶりにハマチやマグロ、甘エビにイクラをちまちま盛りつけてテーブルに出した。吸い物も残らなかったのでお供はアイスウーロン茶のみ。上から醤油をぴゃーっとかけ、朝から元気にがふがふ食べた。今日の夜は豪華飯だー。楽しみ楽しみ。

自家製プリン
牛乳

「夜はごちそう、夜はごちそう」と呟きつつ、本当は昼頃から外出する予定だったのだけど、夕方まで家で"新しいおもちゃ"をいじくりまくってしまっていた。新しいおもちゃとは、先日届いたDVDレコーダー。さっそくCS放送の番組を録画しては、あーれもないこーでもないとDVDに落とす作業を試行錯誤しながらやり始めてしまった。ふと気がつくと、2時間以上かかる作業の開始ボタンを押してしまい、放っては外出できないので出るに出られない事態に。

「あらー、あんた、また家にこもってるのー?」
と留守番を頼んだ母にあれこれ言われながら、私の昼御飯は自家製プリンを1個ぺろりと、ごく軽く。いくら、配合が美味しくても材料が良くても、蒸しプリンはとにかく火の通し加減が難しい。昨夜だんなに食べてもらったプリンは、それはそれは良い感じに火が通った「蒸し・2回目挑戦」のものだったのだけど、この時食べた「蒸し・1回目挑戦」のそれは微妙にポクポクした気泡が中に入り込んでしまい、ちょっと失敗めの卵焼きのようないまいちの食感のものになってしまった。オーブン内で蒸し焼きにすると、そのへん火加減は簡単で、つるりふわりとした食感のものが比較的失敗なく作れる気がする。でも、蒸し器を自在に扱って美味しいプリンを作りたいのよねぇ〜。

青山 「Cucina Tokionese Cozima」にて、誕生祝いスペシャル夕食
 マンゴー風味のスプマンテ
 スプマンテ (Ferrari Rose)
 焼きとうもろこしのピュレ・ラディッシュの冷たい一口スープ
 カツオとトマトとルッコラのサラダ にんにく風味
 岩牡蠣と松茸のフリット
 フォアグラのムースとセロリのジェラート サマートリュフのサラダ
 サンマとポルチーニ茸のサフラン風味パスタ
 寿豚の炭火焼き サルシッチャと温野菜添え
 小さなドルチェプレート
     (ミニプリン、ミニ生チョコ、カンパリのジェラート、すいか、キンモクセイの一口ジュースなど)
 桃のコンポート バニラのジェラート添え アングレーズソースとミントの香り
 エスプレッソ

かくして、夕方になってから自宅を出て、だんなの誕生日プレゼント探しもかねて都心をぷらぷら。最初に丸の内に最近オープンした「DEAN&DELUCA」の日本一号店に立ち寄ってみた。昨年の秋にニューヨークに行ったとき、マンハッタンに住む友人に、「ここ、いいわよー。いろいろ高いけど」とつれてきてもらったお店だ。面白い食材類やアジア風の食器類、新鮮な魚貝にちょっと珍しい野菜類まで、広々とした店内は面白いもので溢れていた。値段はどれも高めでなかなか手が出せるものではなかったのだけど、見ているだけでも面白くて1時間くらいかけてじっくり店内を眺めて歩いたことを覚えている。

その印象が強かったので、丸の内のお店もさぞ……と期待していたのだけど、思いの外店内は狭め。美味しそうなパンや洒落た惣菜類が並ぶコーナーもあったけれど、棚に並ぶ品物の数は店内の狭さもあってかなり貧弱に思えるものだった。人気商品らしいシルバーの缶入りのハーブ類はずららららーっと並んでいるけれど、紅茶やチョコレートなどの菓子類はさほど目立っていない。瓶詰めの輸入食材類もそこそこあるけれど、期待に反して激しく物足りない。こ、ここで30分はぷらぷらする予定だったのに……と思いつつ5分で退散し、あとは1時間ほど銀座をぷらぷら。当初の予定ではだんなの誕生日プレゼントを探すはずだったのに、結局は自分の好みの食器や雑貨を探して歩いていたりした。プレゼント、見つからず。ごめんだんな……。

で、午後7時半から、予約していた一番お気に入りのお店「Cucina Tokionese Cozima」へ。
ここ2年ばかりですっかりメディアに露出するようになったイタリアンレストランだ。店名が変わる前、2000年の春に初めてこの店にやってきてから、私もだんなもこの店の味の虜になっている。好みの食材、好みの味つけ、小さなお店の空間、ちょっと穴ぐらみたいなダイニング、親しみ深いけれど慇懃無礼な感もないスタッフの方々の応対など、何をとっても「好みに合うなぁ……」と感じるお店なのだった。

何しろシェフとだんなが同い年で、なんとなく、「そうそう、これって良いですよねぇ〜」という波長が合っている気がする。今日のリクエストはただひとつ、
「あの……夫の誕生日のお祝いなんですけれども、彼からリクエストがありまして、"とにかく肉をがっちょり食べたい"とのことです。私も、そりゃムリだろと言っているのですが……1ポンド食べたいとかふざけた事を申しておりまして……」
というもの。あとはおまかせで、と、お願いしていた。何を出してくれるのか、とてもとても楽しみだ。

食前酒に、マンゴーのピュレを混ぜたスプマンテをちびちびやりつつ、一口サイズの小さな"つきだし"は、とうもろこしのピュレと、綺麗なピンク色をしたラディッシュの冷たいスープ。
「とうもろこしにお醤油塗って焼いて、それをピュレにしました」
と出されたそれは小さなスプーンにほんのひとすくいされたもので、その味は「屋台で食べる焼きとうもろこし」の味をより濃くしたような甘い甘いものだった。あっはっは、確かに醤油味だよ、屋台の味だ、なんて笑いながらぺろっと一口。そして、大根系のほろ苦さがほんのり漂う、野菜の味ばかりがこってり濃厚に漂うラディッシュのスープ。これもほんの一口分で、惜しみながらもくいっと飲みこむ。ぺろぺろっと味の違うもの2つが口に入ったことで、すっかり空腹だった胃袋が活発になって更に空腹感がましてしまう。

ロゼタイプのスプマンテをボトルでいただきながら、続いての前菜はカツオ。厚切りにしたその切り身にカリッと火を通したにんにくを添え、ルッコラやトマトが添えられる。とろ〜んと脂の乗った魚に下処理をしっかりされた甘いフルーツトマトがすばらしく似合う。どこか和風の味だけど、トマトやルッコラが添えられるとやっぱりそれはイタリアンで、でもなじみ深い味がした。更に魚介が続き、次は季節の岩牡蠣と、季節にはちょっとまだ早いですけど……と、松茸をフリットにしたもの。大きな大きな牡蠣の殻にはカレー粉の風味が少しだけ漂うタルタルソースが添えられて、そば粉の衣でサクサクに揚げた牡蠣にそれを添えて食べるようになっていた。松茸はごろごろっと、数本が盛られて、それには塩味が適度についている。添えられたレモンをキュッと絞り、飾られたイタリアンパセリもタルタルソースに浸してばりばり食べつつ、ふっくら柔らかい牡蠣をぺろっと食べる。
「か、牡蠣フライだ……」
「これは、僕がタルタルソースが大好物だと知っての狼藉かなぁ……」
「いや、狼藉じゃなくて」
「好物だねぇ〜」
「嬉しいねぇ〜」
と、だんなは数皿目にして、すっかりデレデレと嬉しそうだ。

そして、次の皿が、私が今回一番驚いた料理。
皿にはこんもりバルサミコ酢で和えたルッコラが乗せられ、更に薄茶色のサマートリュフが削られてパラパラッと散らされている。その蓋のようになったルッコラの下には、こってり濃厚なフォアグラのムース。そしてその脇には真っ白な根セロリのシャーベット。こんがり焼かれたブリオッシュが添えられていた。
「こちら、セロリのシャーベットで……」
と説明してもらった直後、
「……え?シャーベット?前菜なのに、シャーベット?」
「しかもセロリ?セロリのシャーベット?」
と、さっぱり味の想像がつかない私たちは数秒口をぽかんと開けたまま硬直状態。そのままでも、フォアグラのムースやブリオッシュと一緒に食べてもいけますよ、と説明を受けて、シャーベットが溶けないうちにとあわててスプーンとフォークを動かした。

セロリのシャーベットは、ほのかに甘い。ほのかに甘いのだけど、それはやっぱりデザートのそれではなくてセロリの味がそれはそれは濃厚で不思議な味だった。シャーベットに並んで同じくらいの量で盛られたフォアグラのムースは、クリームたっぷりという感じにこってりねっとりとした味だった。一緒に絡めて食べると、
「フォアグラだけどセロリで、セロリだけどフォアグラ〜」
と、よくわからない妙な調和が口の中でもやもやするのだけど、そのもやもや感がなんとも美味しかった。これまた野菜が添えられているのが嬉しいよね、とルッコラをばりばり食べ、後でシェフのKさんに
「どの料理も、野菜がちゃんとたっぷりめについてくるのが実はすごく嬉しいんです。最近野菜がすごく美味しく思えるようになって」
と伝えたら、
「やっぱり?いや、僕もなんですよー」
と笑いながら同意された。同世代ということもあってか、「最近こういうものが美味しい」という話がかなり合う。あと10年20年してさっぱりした味のものがより美味しいと思えるようになったら、きっと望むものをKさんが作ってくれることだろうね、なんてだんなと私でにやにやしてしまった。

「……このお店、相当の回数来ていると思うけど……」
「なんで毎回、"うぉ!これは!"というものが出てくるかなぁ……」
と今日も驚きと喜びを感じつつ、次の皿はパスタ。サフランを打ち込んだタリアテッレに香ばしく焼いてほぐしたサンマ、それにふくふくと厚みのあるポルチーニ(でも季節ではないから乾燥ものなのだそうだけど、でも味があって美味しかった)、それに松茸を絡めたオイルベースのパスタ料理。パスタそのものに軽い塩味がついていて、良い感じに全体がまとまっているパスタ料理だった。全体の印象としては「軽め」なのだけど、味のある香ばしい一皿だ。

そしてそして、すごいボリュームのメインディッシュがやってきた。
「いやー、本当に、1ポンド肉でご用意しようかなぁと思ったのですが、さすがに前に前菜やパスタもお出しするので、このくらいが良いかな、と……」
と用意していただいたのは、「寿豚」という種類の豚肉の、600gの塊。骨つきのそれをこんがりと炭火焼きにし、だんなが350g、私が250gといった感じの分量に切り分けてある。ほんのり臓物系のケダモノ臭さが漂うサルシッチャ(ソーセージ)が数本添えられ、温野菜はたっぷりのズッキーニとじゃがいも。なんだかその空間だけ「アメリカ飯」の世界になってしまっていた。他のテーブルには控えめかつ上品なメインディッシュが並んでいるのに、ここだけ本当に「がっちょり肉」が実現していた。

さーて、メインディッシュ、たーべまーすよー、と片手にナイフ、片手にフォークを構えて、しばし無言で豚さんと大格闘。ぷるぷるとした脂が香ばしく、塊で焼かれた肉は断面から肉汁がじゅわーっと吹き出てくるようなジューシーなものだった。なんでも最近は「ヤンバル豚」(名前から感じられるとおり、沖縄地方の豚肉だとか)が美味しいと噂になっているらしく、今日も「ヤンバル豚を食べさせてあげたいなぁ」と手を尽くしてくれたらしいのだけど、なかなか入手は難しいものなのらしい。じゃあ今度はヤンバル豚だね、と言いつつ食べた寿豚だったけれど、それでも申し分ない「塊肉」だ。それでも「超満腹」という状態にはならずにぺろりと食べきった私もだんなも、やっぱり思った以上に胃袋がでっかくなっていたらしい。

たらふく料理を堪能した後は、続いてデザート2皿。
まずは小さなプレートにちまちまっと盛られたドルチェが数種類。卵の殻に固められたミニプリンに、ほんの一口分のキンモクセイのジュース、洋酒をちろりとかけたスイカ数切れに、ほろ苦さのあるカンパリのジェラート、一口サイズのミニチョコ。薄いクラッカーのプレートに「誕生日おめでとう」のメッセージが添えられ、蝋燭のあかりがゆらゆらしている中、店中の人がお祝いの歌を歌ってくれた。

一口デザートをぽいぽい食べた後は、一皿サイズの充実したデザートが更に1皿。桃を丸ごと甘くコンポートにしたものにバニラのジェラートが添えられ、卵の黄身の色が濃く鮮やかなアングレーズソースがたっぷりと。アングレーズソースとミントって、すごくよく似合うんです、と、ミントの小さな葉がぱらぱらっと散らされていた。桃の元の味を邪魔しない程度にしみこんだ軽い甘さのシロップの味が心地よくて、アングレーズソースも優しくとろんとした味で、このお店の歴代"お気に入りデザート"の中でも軽く5本の指に入っちゃうほどのすてきなものだった。だんなは
「今までで一番好きかもー……」
と横の席でぷるぷるとしている。

2時間以上もじっくりと、だんなと2人で食事したのはなんだか久しぶりなような気がする。すーっかり満腹で、良い感じに酔っぱらってもいて、殿様気分で快速のグリーン車に乗って帰宅してから気がついたことは、
「……あ、お店にデジタルカメラ忘れちゃった……」
ということだった。あわててお店に電話して確認してもらい、「じゃあ明日取りに行きます」ということに。……ダメすぎる、私……。

8/2 (土)
Cucina Tokionese Cozima(青山)にて、「鴨ねぎ〜♪」 (昼御飯)
青山 「Cucina Tokionese Cozima」にて
 あいなめのフリット
 モッツァレラチーズと生ハム、トマトとバジルのサラダ
 サルシッチャとズッキーニのタリアテッレ
 鴨のグリル 葉玉葱のソテー
 マンゴーのタルト ココナッツミルクのジェラート添え
 エスプレッソ

昨日は、だんなの誕生日のお祝いで「Cucina Tokionese Cozima」でディナーだったのである。たっぷり食べてご機嫌で帰宅して、帰宅してからお店にデジタルカメラを置いてきたことに気がついたのである。
「日曜日は家でごろごろしたいところだしねぇ……」
「買い物したいものもあるし、今日出かけちゃう?」
と、12時間ほど前までいたお店に、今日も向かうことになったのだった。2日連続で同じ店に食べに行くというのもあんまりしないよねぇ、と笑いながら。

朝御飯も食べず、遅めに起床してからすぐに着換えて出てきたので、お昼時にお店に着く頃にはすっかり空腹。マネージャーさんに
「おかえりなさいませ」
と笑いながら言われてしまいながら、今日のパスタはこういうので、メインはこういうので……と説明を受けた。確か最初は「昨日の今日だし、今日は軽く前菜とパスタと……という感じでいいね」と言っていたのに、いつのまにか
「うーん、1300円の差でメインも食べられるのね……」
「メインディッシュは鴨だって!鴨!」
「うぉー、鴨喰いてぇ〜」
と、結局今日もせっせと食べるコースを選択することに。何しろお腹も空いていた。

最初にさらっと、あいなめをフリットにしたものがこんもりと出てきて、ガス入りウォーターをくいくい飲みながらサクサクと香ばしいフリットを囓る。舌の上でモロモロと崩れてしまいそうな繊細な衣の中には、ホロホロと崩れてしまいそうな柔らかい白身の魚。レモンをぎゅうぎゅう絞って、1つの盛り皿に盛られたそれにフォークを突き出しつつ家族でつついた。続く前菜は、手切りの生ハムをぶわっと大量に使ったもの。たっぷりの生ハムの下には大ぶりのぷりぷりしたモッツァレラチーズが置かれ、丁寧に下処理したフルーツトマトもたっぷりと。テーブルには、なぜかバジルの小さな鉢植えも一緒にやってきて、「これは……?」と思った直後に
「この鉢から、バジルをおすきなよーに、ちぎってたっぷり乗せてどうぞ」
と説明があった。うわ、なんだかすごいね、と、鉢植えからバジルをもりもりちぎってもりもり散らす。新鮮なのが良いとは言うけど、鉢植えのバジルを自分でちぎるなんて、畑から葱取ってきて自分で刻むどっかの讃岐うどん屋のようではないか、と笑ってしまう。

このお店で食べるトマトは、トマト嫌いだった私が、前向きに「トマトが食べたい」と思ってしまうほどに美味しいものが出てくるのだけど、いつもどうやって下処理するのかとても気になっていた。湯剥きしただけではないようだし、かといって火が通ってるわけでもないようだし。
「なんでこんなに美味しいですかー?」
とシェフに単刀直入に聞いてみたところ、湯剥きして、しっかり塩して水分を出し、さらには美味しいオリーブ油をかけたりおろしにんにくをまぶしたり、となかなか大変な作業をしているということだった。そりゃ、そのへんのスーパーで買ってきたプチトマトを両断しただけのものとは違うはずだわ……と、素材の違いもさることながら、かかっている手間の多さに改めてびっくり。
「本当、下準備しているあたりなんて、江戸前の寿司屋かという感じです」
なんてシェフは笑っていたけれど……そりゃもう、大変そうだ。一体何個のトマトを事前に準備しているのか(1回コースを食べるだけで1人あたり軽く5〜6個は食べていると思うし)、想像を絶するものがある。

ほろほろと崩れたソーセージが絡むオイルベースのタリアテッレを食した後は、本日のメインディッシュ、鴨。
「やっぱり、鴨には葱ですよね、なんといっても」
と出された鴨の下には葉玉葱のソテー。上からは青葱の刻んだものがたっぷりと。ソースこそバルサミコ酢の風味のものだったけれど、鴨に葱なんて、なんだかとても馴染み深い味のものだった。赤々とした肉は、鴨独特のテレンとした甘さとか香りがあって、
「豚もいいけど、牛もいいけど、鶏もそりゃ良いけど、でも鴨もいいねー」
と鴨をもりもり。「昨日、豚肉をたっぷり召し上がったので今日はお魚かと思いました……」というマネージャー氏を前に、今日ももりもり肉喰っている私とだんなだった。息子はお願いして作ってもらったクリームベースのサルシッチャ入りスパゲティを真剣な面もちで平らげている。

デザートは、ふわんとミルク感たっぷりのココナッツミルクのジェラートに、甘く火を通した沖縄産アップルマンゴーのタルト。サクッとしたタルト生地の上に、火を通して甘くなったマンゴーの果肉がみっちりと並べられていて、それはそれはシアワセな美味しさ漂うものだった。
1晩離れていたデジタルカメラも無事に手中に戻り、今日ももりもり食べてしまってお店を後に。
今度は山形牛をガツンと喰わせてくれるそうで、とてもとても楽しみ。

新宿高島屋デパート内 「梅園」にて
 氷宇治金時

たっぷり豪華な昼食の後は、新宿に出てお買い物。紀伊国屋書店で本を買い、新宿高島屋のバーゲンコーナーで息子用のサンダルを買い、食器コーナーを眺め、ハンズの「かき氷マシーン」特設コーナーでかき氷用シロップ類(コーヒーシロップだの紅茶シロップだのマンゴーだのブルーベリーだのココナッツだのあってびっくりだ)をあれこれ購入し、疲れ果てる。

今日は何しろ暑かった。昼のレストランでこれでもかとガス入りウォーターをがばがば飲み、そのあとにアイスティーも飲んだというのに、それがすべて汗で流れきってしまいそうなほど、蒸し暑い。いくら水分補給してもまたすぐに喉が乾いてきてしまう。
「こういうときにはアレよ。かき氷、かき氷、宇治金時……」
と呪文のようにかき氷かき氷呟き、入ったところはデパート内の甘味屋さん。念願の「氷宇治金時」を食べることができた。

器の底に粒あんがたっぷり。抹茶のシロップがかかった氷の上にも粒あんがたっぷり。氷いちごや氷メロンは家でも食べられるから、と甘味屋さんで注文する氷は、何かと「宇治金時」になってしまうのだけど、あんこに手間がかかっていたり、白玉が豪華に乗っていたりするとたまらなく嬉しい。アイスクリームは、かき氷にはあんまり必要ないなとも思っている(アイスクリームにかき氷のシャリシャリが混ざったり、氷にアイスクリームのこてこてしたミルク味が染みるその味や食感があんまり好きじゃなかったりして。練乳は別!練乳大歓迎!)。ふらりと入ったその店で食べた宇治金時はごくごくごくごく普通のものだったけれど、値段もごくごくごくごく普通なものだったので充分満足だった。いつだったか銀座で1200円もする宇治金時を食べたことがあって、「いっくら美味しくても、その値段はないだろ……」と唖然としたのを覚えている。

枝豆
カマンベールチーズ&クラコット
サラダ
卵御飯
ビール、アイスウーロン茶

暑さと歩き疲れでよれよれと帰宅したのは、もう7時を過ぎていた。数日前に通販の申し込みをした商品がちょうど届いていて、2つの箱の中身は、黒豆の枝豆、及び青木農園の卵

「うぉー、枝豆、枝豆食べなきゃ」
「卵っ、卵はやっぱり……卵ごはん?」
なんて言いながら、とりあえずシャワーを浴びた後せっせと枝豆の茎取りに励んでみた。水分ばっかり摂っていたせいで、お腹がなんだかたぽんたぽんで食欲は今ひとつだったのだけど、枝豆と卵は食べたいよねぇ、と、枝豆にサラダにチーズ、そして卵御飯というやる気のない献立に。

黒みがかった黒豆の枝豆は、やはり見た目は今ひとつ。豆の表面の薄皮はほんのり黒みがあるし、無農薬ということでときどき虫が食べた跡のある鞘もある。パチンパチンと1つずつ鞘を枝から切り離し、ざっと茹でて塩ふって、ビールの準備して、うりゃーっと食べた。つまみ食べて、ビール飲んだ後は卵ごはん。

ほんのり甘さすらある、「豆!豆そのもの!」という味の野生の実みたいな味の枝豆と、黄身が余裕で箸で持てちゃうようなぶりっぶりの卵を生のままうりゃ!とかけた御飯。今日は一日食べたいものを美味しく食べられたような感じで、疲れたけど幸せだった。
……あ、そういえば、まだだんなの誕生日プレゼントは入手できていないわ……。

8/3 (日)
肉野菜炒め……というか、肉炒め (夕御飯)
「松家」のうどんで、釜玉
アイスウーロン茶

ここ数日飽食気味かつ疲れ気味だったので、
「まったりしましょー」
「今日はひたすらのんびりしましょー」
と、朝からだらだら。昨日、美味しい卵が宅配で届いたので、朝御飯はツルツルとうどんを"釜玉"にして食べることにする。

千趣会の通販で届いた、高松の「松家」というお店のうどん(太いの)を2玉茹で、茹だったところをすかさずそのままどんぶりに移す。どんぶりにはあらかじめ溶き卵を入れておき、アツアツのうどんを入れたらざざざっとかき混ぜ、その熱で僅かに卵を固まらせる。あとはだし醤油とかだしとか、好みのものをしゃばしゃばかけて啜りこむ。「和風カルボナーラ」なんて言う人もいるらしい、たまごたまごしたうどんだ。

それにしても……今日はあーつーいー。もう、一歩も外に出たくないほど暑い。

モスバーガーの
 テリヤキチキンバーガー
 ナン・チョリソ
 ラッシー

朝御飯は、うどんの所持玉数の関係から親子3人で2玉のうどんを食べたのだった。もう、全然足らなくて数時間後には空腹を抱えることに。
「う、うどん食べたけどぜんっぜん物足りない……」
「こう暑いと、ドーナツとかいう感じでもないし……」
「かといって日本蕎麦とかも物足りないし……」
「そもそも、昨日の夜がものすごく軽かったんだよね。そりゃ腹空くわって感じよね」
と話し合いの結果、だんなが近所のモスバーガーに買い出しに行ってくれた。

これでもかという空腹だったので、だんなも私もバーガー2個ずつという注文。だんなはライスバーガーとフレッシュバーガー、私は好物のテリヤキチンバーガーに、現在の限定メニューである「ナン・チョリソ」。ナンに合わせて登場中のラッシーもつけてもらい、色々とボリュームたっぷりな昼食に。
馴染み深い照り焼き味の鶏肉が挟まるバーガーは、相変わらずの懐かしさ漂う味。ぴり辛味のソーセージが乗ったナンもそれなりに美味しかったけれど、青春時代からの空腹時の友だったテリヤキチキンバーガーがやはりしみじみと美味しかった。一気飲みできてしまいそうな、ちょっと薄めで飲みやすいラッシーもけっこう良い感じ。しかし、暑い、暑いよ体溶けるよ……。

おうちでかき氷(ココナッツ味)

昨日、新宿の東急ハンズを歩いていて、面白そうなかき氷シロップをあれこれ買ってきたのである。
近所のスーパーで見かけるものといえば、たいがい明治屋ブランドのイチゴとかメロンとかみぞれであったりするのだけど、ハンズにはコーヒーシロップや紅茶シロップ、ブルーベリーに抹茶にブルーハワイに……と、屋台のかき氷屋のような品揃えが、しかも200mlサイズ程度のお求めやすいサイズのものがいっぱい用意されていた。更に、フランスのモナン社というメーカーの、本来はカクテルや製菓に使われるシロップもずらずらと並んでいたりして、その中に「ココナッツ」の文字を見つけ、
「うわー、念願の"ココナッツかき氷"が我が手に!」
とうきうきしながらその他何種類かのシロップを買ってきてしまった。我が家には現在、イチゴとメロンとみぞれと抹茶とココナッツのシロップがあることになる。

「いーねー、いーねー、かき氷日和だねぇ〜」
と、おやつの時分に、食卓そばの窓を盛大にあける。締め切ってクーラーがんがんに効かせていたので、外から熱気がもわもわと屋内にはいりこんでくる中、
「やっぱりかき氷はあったかいところで食べなきゃね〜」
なんて言いながらしょりしょりと手動かき氷マシ〜ンを動かした。そこら中にぷんぷんと広がるココナッツの香りのするシロップをかけた氷は、なんだか食べたことのない風味。ココナッツ好きにはたまらない美味しさだったけれど、実は息子が食べていたシンプルなイチゴ氷がうらやましかったりもした。明日も暑かったら、今度はイチゴ氷にして食べることにしよう〜。

枝豆
だんな特製 豚野菜炒め
納豆
卵御飯
ビール、アイスウーロン茶

ビデオ見たり本見たり、調子が悪かったパソコンのパーツを入れ替えて設定作業をしてみたり、と涼しい屋内でのんびり過ごした日曜日。夕飯もだらだらとやる気なく、御飯を炊いて一品作るだけの簡単なものになった。しかも、唯一一品のおかずを作ってくれたのは我が夫。米を計量してくれたのは我が息子。私は無洗米に水を入れ、野菜をざくざく切ることしかしなかった。かなりやる気がない。

買い置きの薄切り豚肉と、キャベツとパプリカと舞茸の塩味炒め物。だんなが塩と酒と醤油でちゃちゃちゃっと炒めものにしてくれた。美味しい卵の卵御飯と、ついでに納豆、そしてビールの友に枝豆。「うわっ皿数少なっ」という感じの食卓になってしまったけれど、けっこう満足できるボリュームのある夕飯になった。何しろ「豚肉入り野菜炒め」というよりは「野菜入り豚炒め」という感じで……。