食欲魔人日記 02年05月 第3週
5/13 (月)
アスパラと青海苔の胡麻炒め (夕御飯)
卵御飯
母製 ソーセージのスープ
麦茶

昨夜は友人の結婚式二次会に参加し、すっかり午前様な帰宅だった私と息子。
午前1時を過ぎて布団に入った息子をいつも通り起こすには忍びなく、保育園は休ませるつもりで思いきり寝かせてやることにした。で、私まで思いきり寝かせていただいてしまったのだった。

目覚めると、だんながいない。母もいない。私と息子を起こさないようにそーっと出勤したのであるらしい(いや、単にどんな音を立てても私が目を覚まさなかったのかもしれない)。もそもそと静かな部屋で私が起きたのが9時過ぎ、息子が起きたのは11時過ぎ。

朝御飯兼昼御飯は、ごくごく簡単に卵御飯。シンプルきわまりない御飯だけど、新鮮な卵でやるとやっぱり美味しい。卵割って、チーッと醤油をかけて、即座に温かい御飯の上に。御飯が多めだと卵がスクランブルエッグのようになってしまってそれは今ひとつ好みでないので御飯は茶碗に普通に一杯。卵液がちょっと多めのグジュグジュ状態が好みなのだった。見ためは良くないけど。
「たまごごはんだねー」
「そうそう、卵御飯」
と、妙に嬉しそうな息子にちょっと複雑な心境を抱きながら(←こんな簡単な御飯で嬉しいか、息子よ……という)、黄色い御飯をわしわし食べる。

幸い、母の作ったスープの残りがあって、それにはキャベツやらじゃがいもやらにんじんやら、野菜がざくざく入っていて良いおかずになった。なんか嬉しい。

ブリーチーズ with クラコット
アスパラと青海苔の胡麻炒め
牛肉と葉わさびの胡麻風味和え
母製 ソーセージのスープ
羽釜御飯
枇杷
サッポロ黒ラベル、麦茶

だんなは飲み会。母と息子と3人で、さらっと若干軽めの夕御飯。

細めのアスパラガスを買っていたので、これを先日Andyさん家で学んできた炒めものを真似してみることに。
ざくざく切ったアスパラガスをサラダ油で炒める。塩ふって顆粒鶏がらスープを軽くふって日本酒も軽くふり、ざざっと火が通ったら火を止める。炒り胡麻をガバッと、同量くらいの青海苔をガバッとふりかけて軽くあおり、最後に香りづけの胡麻油をチーッと垂らして全体になじませたらできあがり。簡単だ。

そして同じく買い置きの"葉わさび"。初めて買った食材だ。
おひたしにして普通に喰って旨いらしい、ただしアクもあるらしい、と色々学んだ。
「ま、三つ葉と同じように使えばいいのかな」
と乱暴な結論を導きだし、茹でた牛肉と和えることにした。
葉わさびを刻んで、「アクを取るには3度ほど熱湯をかけよ」(←3度ってなんなんだ)とどこかで読んだので上下を返しつつジョボジョバー、ジョボジョバー、ジョボジョバー、と熱湯をぶっかける。ついでに水にもさらしてみる。アク、抜きすぎだろうか。食べてみると辛さもエグさもほとんどない。

熱湯かけた葉わさびの水気を絞って皿に盛り、茹でた切り落とし牛肉も皿に盛り、醤油をチャッとかけて塩を軽くふってついでに砂糖などもほんのひとつまみかけ、胡麻油大さじ1ほどを垂らして手で軽く揉むように和えてみた。XO醤とか赤唐辛子も加えようかと一瞬思い、「いや、でもワサビだし」と辛さを加えるのは思いとどまる。どうだろう。喰える味だろうか。どきどきどき。

少々の不安を覚えつつ初めて触った葉わさびは、なかなかどうして美味しかった。噛みしめるとしっかりとわさびの香り。少々の苦みはあるけど案外と食べやすく、何しろ香りが良い感じ。醤油と胡麻油、ほんの少しの甘味が染み込んだ肉と一緒に口にするとビールにも御飯にも似合っていた。三つ葉のようなとんがった辛さはないから、三つ葉よりも逆に食べやすいくらい。

アスパラの炒め物も母の評価は上々で、
「あら、美味しいじゃない」
とばくばく食べてくれた。でも、実はまだ母の前で料理するのは気恥ずかしかったりする。何しろ独身時代はなぁ〜んにもやらなかった人だったので。

5/14 (火)
天狗(稲毛)にて「かつとじ煮」……いまいち。 (夕御飯)
自家製ミルクリッチパン
目玉焼き
カフェオレ

せっかくパン焼き機を所有しているというのに、最近は今ひとつ活用されていなかったのである。というのも、「明日パンを焼くぞー」というタイミングのときに我が母がわさわさとパンを買い込んできてしまうから。
「あー、もう、クリームパンは早く食べなきゃー」とか
「バナナパン、傷んじゃうじゃないのよ、もー」とか、
そういう展開になってしまって、いまひとつパンを焼く機会に持ち込めなかったのだ。
いや、母の所為にしてるけど私もやる気がなかったんである。母だけの所為にしちゃ、いかん。

そして今日(というより昨夜)、久しぶりにパン焼き機のスイッチを入れた。牛乳たっぷり、練乳たっぷりのミルクリッチパンをタイマーかけて焼くことに(本当は牛乳入りなどのものは腐敗が心配だからタイマーセットはするなとマニュアルに書いてはあるけど、そこはそれ)。60gも練乳が入るパンは「うわー、甘くなりそー」と思えたけど、焼き上がったものはそれほど甘みは感じられない。食べて甘いパンは、いかほどの砂糖が入っているのかと思うとちょっと不安になってくる。

焼きたてのパンの香りで目が覚めて、幸せな気分でふわふわの柔らかいパンを厚切りにして食べる。バターつけたり、マーマレード塗ったり、パンが美味しいとお供のバターやジャムにも凝りたくなる。本日はカルピス特撰バター(←カルピスを作った時の残りの乳脂で作るカルピス社のバター。高価だが旨い。超旨い)と、明治屋のマイジャムヌーボーのはっさくマーマレード。果肉たっぷりの柔らかなジャムは、巨大な瓶に入っていてなかなか食べきれるもんじゃないけど、やっぱり美味しいのだ。来月はイチゴが発売される予定。楽しみ、楽しみ。

田町「大戸屋」にて
 びんちょう鮪の温玉のせ丼

本日、お仕事。
昼過ぎに院生が、研究室に置くパソコン機材を持ってくるらしい。
「食事に出ていたら、マズいですよね」
「そうですね、では私は12時半くらいに帰ってくるように急いで食事してきますから」
と、教授、いそいそと12時前に食事に出ていった。

で、院生が来てくれたのが12時半。いそいそと2人で機器を設置して、そして教授が帰ってきたのは1時だった。
「授業が、授業で、ですね、必要なコピーを……ああ、どこへ行っちゃったかなぁ……」
と今日も乱雑極まるカオス状態の研究室を、「探している」というよりも「荒らしている」という行状で動き回る教授を一人置いて食事に行くわけにもいかず、結局2時過ぎまでわたわたと作業する羽目になった。あ、あの、教授、わたくし、すんごくお腹が空きました……、と必死でオーラを出していたところ、やっと気が付いたように、
「あら、あなた、食事に行かれましたっけ?」
と気付いてくれた。
「……行ってませぇぇぇん……」
「あらあら、大変ですね。では、どうぞ、行かれてください」
「はい、行ってきます……」
と、やっと大学を抜け出した。悪気はかけらもない人なのである。先生を知る私の友人たちが「あの人は……なんというか"お貴族様"だから」と言ったり「あのね……いい人なの、すごくいい人なの」と言ったりすることは全て当たっていると思う。

「とんかつ食べようと思っていたのに、とんかつ屋は閉まっちゃったよなぁ……」と、とんかつ屋はあきらめ、手軽に素早く喰う事を目的にチェーン定食店「大戸屋」に駆け込んだ。期間限定らしい「びんちょう鮪の温玉乗せ丼」が気になったので、それを。漬物と味噌汁がついて650円ほどだ。2分くらいで素早く料理が出てくるのが、とにかく有り難い。

酢飯の上に一面にトロロが乗る。中央に温泉玉子、そして周囲にひらひらと鮪の刺身が6切れほど。ワサビの乗った小皿に醤油をチーッと垂らしてかき混ぜ、それを丼の上から回しかけ、おもむろにがつがつと食べる。ワサビの量が多くて泣きそうになりながら、でもその辛さは心地よくて良い感じ。卵をつついて黄身ととろろと一緒になるとますます良い感じ。5分ほどで料理をかっこんで、そのまま急いで研究室に戻った。今日は忙しい。

稲毛「天狗」にて
 シーザーサラダ
 サイコロステーキ
 ポテトフライ
 バターコーン
 春鰹のたたき
 男爵芋と卵のコロッケ
 げそフライ
 つくね
 かつとじ煮定食
 ざるそば&ミニねぎとろ丼セット
 トリフアイスクリーム
 生ビール 中ジョッキ
 ブラウンビール 中ジョッキ
 ハチミツレモンサワー
 ギネスビール
   コカコーラ、カルピス
 ……を、家族3人で。

今日は久しぶりに「暑い」と思える気温で、「飲みだ。飲みだな」という気分が高まってくる。
「飲みに行きませんかー?それともとんかつ屋さん」(←まだトンカツ食べたがってるし)
とだんなを誘うと、「じゃあ、さくっと帰るよ」と嬉しい返事。7時半に帰宅しただんなと、息子と一緒に駅前のチェーン居酒屋「天狗」に行くことになった。
「母も一緒に、いきませんか?」
と母も誘ってみたが、
「いやーよー、もう家から出たくない。もう寝てるから、いい」
と却下されたので、母はお留守番。

私らは、飲んだら飲んだだけ食欲が高まるのである。今日もテーブルにはずらーっと料理が並び、わしわし食べながらわしわし飲む羽目になった。最近は息子の食欲も侮れなくなり、「大人の皿からちょっと分ける」くらいだったのが、一人でバターコーンの皿を抱えて喰うように。2個あるコロッケの1個を平らげ、ポテトも一人で抱えるようにして食べ、挙げ句最後には「アイス、食べていい?」なんて言うように(しかも指さしてるのはチョコレートパフェなんてヘビィなものだったりして)なってしまいつつある。居酒屋を堪能する息子。……侮れない。

まぁまぁ安く、そこそこ美味しく、居酒屋来たからにはやっぱりビールとサワーだろう、とビールとサワーを堪能し、そして最後は「かつ煮定食」。あれだけ喰っといて御飯と味噌汁つきの「定食」もないもんだけど、しっかり食べてしまった。固形燃料がセットされた小鍋にだしとカツと三つ葉が乗っていて、自分で卵を割って適当に回しかけて火を通して食べる。
いつ揚げたかわからないような、衣がモサモサなカツはちょっとトホホだったけど、昼から食べたかったカツが食べられて、ちょっと満足。
「飲んだ、飲んだ〜」
「喰った喰った〜」
と9時半に帰宅してから、そのままろくに風呂も入らずに寝てしまったのだった。週半ばにして、堕落してた夜。

5/15 (水)
太閤園(稲毛)で「チャーハン大盛り」 (昼御飯)
ミスタードーナツの
 バナナマフィン
 ベリーチョコファッション
アイスカフェオレ

だんなは最近、仕事がたいそう忙しいらしい。
今日はとうとう疲れもピークに達したのか、
「もー、今日は休むもんね。休んじゃうんだもんね」
と仕事は休むことに。昨日に続いて温かい一日、一緒にのんびりすることにした。

朝御飯は、昨夜買ってきたミスタードーナツのドーナツ類。いつのまにか私の大好物の「チョコファッション」はリニューアルしていて「ベリーチョコファッション」と姿を変えていた。以前は円周の1/3ほどがチョコに浸されていただけのチョコファッションは、円周全部に上からチョコレートコーティングされているのだ。チョコファッションが大好きで、しかもチョココーティングの量が物足りないを思っていた私には、これ以上嬉しいことはなかった。手がベタベタになろうが、カロリーが倍増しようが、いいじゃないかベリーチョコファッション。

稲毛「太閤園」にて
 なす野菜炒め定食
 焼き餃子

「久しぶりに太閤園だ!」
「いいな、行くぞ、太閤園だ!」
と、せっかくだんなも平日の昼にいることだし、と「太閤園」に行くことにした。

近所にある、中華定食屋なのである。そこにあるのはレバニラ炒めとか肉野菜炒めとか各種ラーメンとか、とにかく「中華料理」とは全く違う、地域に根ざしまくった「中華定食」だ。これが、妙に美味しいのだ。独身時代もこの地に住んでいただんなは、とにかく頻繁にここのチャーハンと定食を食べてきたらしい。
「チャーハン大盛りwith餃子、略してCOG、何度喰ったことか……」
とここのチャーハンを思い出す度、だんなは遠い目をする。いや、遠い目をしなくても、今でもいつでも食べられるんだけど。

白髪頭のオヤジが一人で鍋をふるって作るその料理は、いつもものすごく油が回っている。チャーハンも炒め物も、どれも表面にピカーッと油の膜が張っていて、いつ喰っても猫舌の私は口に火傷をしてしまう。その割りに油っこさは感じられなくて、チャーハンなんて涙ちょちょぎれるくらい美味しいのだ。

「なす野菜炒め」は茄子と薄切りの豚肉、そして季節によってキャベツとか白菜とかにんじんとか、適当な野菜がざくざくと入っている。味は醤油味ベースの甘辛味。こんもりと盛られた炒めものの周囲にタレが広がり、その外延に分厚く油の輪ができている。相変わらず体力がないと喰えない炒め物なのだった。

チャーハン大盛りを注文しただんなと、適当に分け合いながらがつがつと食べる。
自家製らしきチャーシューと葱と卵、そしてナルトの刻んだのがざくざくと入っているチャーハンは、大盛りにすると「御飯、1合半くらい使ってませんか?」というくらいの超山盛りになる。その小山は、下手な中華料理店で「2〜3人様用」として出てくるものよりも遙かに多いくらい。これまた、体力がないと喰えないシロモノだ。

はふはふ言って鼻に汗をかきつつ食べる久しぶりの太閤園の味は、疲れもふっとぶものだった。
やっぱり口に火傷したけど。

だんな特製 五目かた焼きそば
モルツ、烏龍茶
枇杷

先日、「永楽製麺所」の「伊府炸麺」を買ってきた。細麺をパリパリに揚げたこの麺、皿に盛って熱いあんをかければ「かた焼きそば」になる。豚肉やシーフードミックス、キャベツなんかを使って、だんなが五目焼きそばにしてくれた。当然、うずらの卵も必須。

魚介も肉も野菜もざくざく入り、一人3個以上のうずらの卵が嬉しい五目あんは、ほの少しだけしょっぱかったけど美味しかった。パリパリの麺にかけてベビースターラーメンのような歯ごたえを存分に楽しむもよし、あんの汁気を吸ってくたくたと普通の焼きそば状の歯ごたえになっていくのもよし、色々と楽しめる美味しい麺だった。同じ揚げ麺で太いバージョンも買ったことがあるけれど、こっちの細い方が美味しいように思えた。

デザートは、そろそろ旬到来の、枇杷。
だんなは「俺の好きな果物、ベストスリー」に入っちゃうくらい枇杷が好きだそうである。ちなみに他の2種類は、梨と桃。
私も梨と桃は相当好きだけど、マンゴスチンと苺の存在も忘れられないところだ。マンゴーも好き。パイナップルもいいなぁ。
適度な水分に柔らかい歯ごたえ、独特な芳香のある枇杷は、まだ甘さ少なめだけど充分美味しかった。確か旬の短い果物だったように思う。しばらくいっぱい買ってくることにしよう。

5/16 (木)
キャベツとコンビーフ入りのクリームシチュー (夕御飯)
お茶漬け
麦茶

「久しぶりにお茶漬けが食べたいなぁ」と思った。
我が家には、業務用のお茶漬け海苔巨大袋があって(←だんなが買った)、それが昨晩、食料庫ワゴンからガサリと降ってきたのだった。
「あ、お茶漬けだ……お茶漬け、いいなぁ」
とお茶漬け海苔の存在をそれで思い出し、今朝はお茶漬け。

あのお茶漬け海苔独特の緑色のツブツブが入り、丸いアラレもざらざら入るそれを、たっぷりの御飯の上にかけて熱湯かけて、いただきます。1袋じゃ足りなかったのでもう1袋をだんなと一緒に半分こしてみたりして。
しかし、今日は寒いです。めちゃめちゃ寒いです。

マクドナルドで
 マックスターハンバーガー
 フライドポテト
 ジンジャーエール

コンビニのツナマヨネーズおにぎり
お茶

お茶漬けというものは美味しいけど、いまひとつ胃にたまらないのである。午前10時過ぎ、出勤直前に既に空腹感に溢れてしまったというのは秘密だ。出勤予定時間まで15分あったから思わずマクドナルドに入っちゃったというのも秘密だ。いや、ここで書いたら全然秘密にならないのだけど。

「マックスターって、なんじゃい?」
と久しぶりのマクドナルドのメニューは見慣れぬものばっかりで、思わずどういうハンバーガーかもわからずに「マックスター」のバリューセットなぞ頼んでしまった。後に検索して調べたところによると
「ダブルミートにジューシーベーコン、そしてチーズ゙をふかふかバンズでサンド」
というものらしい。ダブルチーズバーガーにベーコンを挟んだようなものであるらしい。

フライドポテトを一気に4本くらいずつ口に放り込みながらジンジャーエールを一気に100ccほどくらいずつ飲み下し、30秒ほどでハンバーガーを食べてダッシュでお仕事へ。このままじゃ今度は午後に腹ぺこになりそうだったので、途中のコンビニでツナマヨおにぎり1個購入し、向かったのだった。全体的にジャンクだ。

本日は、研究室に新しく入ったWindows XPマシンをあれこれと触ってなじみまくる。こっそりNetscapeをインストールし、自分用のメールソフトも導入し、好きなようにスタートメニューをカスタマイズしちゃったりした。す、すみません教授(と言っても、多分教授はその違いに気づきそうにないのだけれど)。

キャベツとコンビーフ入りのクリームシチュー
茹でアスパラガスのマヨネーズかけ
羽釜御飯
ビール、アイスティー

何しろ今日は、寒かった。帰ってきて思わずストーブをつけてしまったほどだ。
そんなだから、「あったかいもの、作ろう。シチューシチューシチュー」と、鶏肉買ってきてチキンシチューに。玉ねぎごろごろ、じゃがいもごろごろ、にんじんごろごろ、更に春キャベツをちぎって放り込み、残りもののコンビーフなども放り込み、アスパラも放り込も……うとして、それは茹でてマヨネーズかけて喰うことにする。ついつい勢いに乗って大根とかゴボウも入れようとする……が、やめる。

シチューにコンビーフ入れるのは、けっこう美味しい。コンビーフ独特のこってり感がクリームシチューには良く似合う。私の母が作ってくれたシチューには、よくコンビーフが入っていた。中学生頃になってから「でも、コンビーフ入れると焦げつくのよね」と宣言されて、シチューからコンビーフは消えてしまったけど(ううう、好きだったのに……)。
鶏肉を炒めるときにちょいと塩を入れすぎて、濃いめの味のシチューになった。煮込んだ水分も少なかったらしく、当初ルーを溶かした段階ではデロデロのゲル状の塩辛い物体に成り果てそうだったところ、慌てて牛乳をいっぱい入れてのばしたり。

で、明日は初めての「お料理教室」参加である。今度ホームページ作成を手伝うことになった、料理研究家のTさんが、「雰囲気を掴むためにも、ご招待しますよ♪」と誘ってくださったのである。料理教室なんて、結婚直後にだんなと一緒に東京ガスのインドネシア料理セミナー(各国大使館の夫人が来て教えてくれた)に参加して以来のことだ。明日は、自分では包丁持ったり鍋持ったりということはないらしいけど、楽しみ楽しみ。

5/17 (金)
和歌山名物「なれ寿司」及び「ほねく」 (夕御飯)
バタートースト
卵入りチキンシチュー
アイスカフェオレ

今日は、招待していただいた料理教室に参加の日。
うきうきして、しっかり食べて出かけることにする。自家製パンの厚切りをバター塗ってトーストにして、昨日のシチューを温める。卵落としたら美味しいんじゃないかと、フツフツ言い出した鍋に卵をいくつか割り込んで、軽く火を通してからテーブルに。

半熟卵は思ったよりもクリームシチューに似合っていてなかなか美味しかった。
さあさ、出かけましょ。いそいそいそいそ。

Tさんのお料理教室に参加
 青菜の蒸し焼きと温泉卵のブルスケッタ
 フルーツトマトのブルスケッタ
 白魚と春キャベツのスパゲッティーニ
 鶏の煮込み ワインヴィネガー風味
 ココナッツ・プディング
 赤ワイン:La Monella (Barbera del Monferrato)

ホームページ作成のお手伝いをすることになった、Tさんのお料理教室に「やっぱり一度雰囲気を見ていただきたいわ」と招待していただいた。料理教室には、全く参加したことはないのである。いや、一度だけだんなと一緒に東京ガス主催の「グループつくって調理台に立って実際料理を致しましょう」というやつには行ったことがある。それ以来、人生二度目のお料理教室だ。

この教室は、先生が調理場に立って作り説明する姿をメモしながらじっくりと見、先生の料理をひととおり味あわせてもらう、というスタイルだ。自分で包丁を持つのも悪くはないけど、何しろ慌ただしいし、終わってみると「そういえば、私がやったのって、ネギ切っただけ」みたいな状況にもなったりして、肝心なところは今ひとつ学べずに帰ったりした記憶がある。

メインディッシュの鶏肉の煮込みを最初に仕込み、煮ている間にブルスケッタを作りスパゲッティーニを作り、と進行していく。なるほどなぁ、と思うことをたくさん学べた。

  • うずらの卵の温泉卵は70℃のお湯に10分間。火を止めたままで調理できるから簡単だし、第一可愛い。
  • クレソンは、乳製品と相性が良い。
  • にんにくはたっぷり刻んだやつを密閉瓶に入れ、上にかぶるくらいのオリーブ油をかけておくと色々と使えて便利。20日ほどは、保つ(できれば10日くらいで使い切る)
  • パスタを茹でるときに塩を入れるのは、下味をつけるためと沸点を上げるため。どんどん塩は素材に染み込むので、マカロニのような茹で時間が長めのものは少々少なめに、逆に細めのパスタには多めに。
  • 鶏肉の脂をじっくり溶かしだすようにグリルする場合、フライパンにあらかじめうっすら油をひいておいた方が、最終的にはより脂が出やすくなる。
  • じゃがいものピュレ(←柔らかめのマッシュポテト)に茹でた空豆をざっくり和えると、イタリアぽくて彩りも良く、良い感じ。
  • ココナッツミルクはメーカーによって品質がバラバラだから、よく注意して使うべし

……と、覚えていたものでこんな感じ(他にもいっぱいいっぱいメモしてきたよ)。
調理場を前に、軽くおつまみのようにブルスケッタを口にし、最後は綺麗にセッティングされたテーブルでパスタとメインディッシュ、デザートに食後のコーヒーまでいただいて終了した。
「せりあさんが来るから、ドルチェにマンゴプリンかなー、って思ったんですが……思いとどまりまして」
と先生は笑っておられたが、いや、ぜひ、今度マンゴプリン教えてください。今度はちゃんと生徒としてきますから。

オーブンにて湯煎で蒸し焼きしたココナッツプリンは卵たっぷり、甘さは控えめ。生クリームとココナッツミルクを合わせたソースがかかり、アメリカンチェリーを切ったものがころころと添えられていた。

生徒さんが去った後で、仕事の話7割と、雑談的な話が3割ほど。
「あ、この近くにねぇ、飲茶屋さんがありますよ。テイクアウトのマンゴプリンもあったので、いかが?」
「え、どこどこ、どこですか???」
「あとねぇ、美味しいパン屋さんが」
「地図書いてくださーい」
と、あれこれ「青山骨董通り美味しい店案内」をしていただいて、辞したあとはぷらぷらと巡り巡って帰ってきた。

「D'UNE RARETE」(デュヌ ラルテ)というパン屋さんで高かったけど美味しそうなパンをどっちゃり買い込み、「遊仙」という店でテイクアウトのマンゴプリンと杏仁豆腐をゲット。アジア雑貨屋さんで、昨日我が母に破壊された功夫茶セット(←これで実は昨夜、ものすごい大喧嘩を……)の代わりを安くみつけたので一式新たに購入し、紀伊国屋ストアで中華菓子買ってスパイラルマーケット覗いて帰ってきた。
途中で大雨さえ降らなきゃ、かなり楽しい一日だったのに、雨が、雨で……(頭からずぶぬれですわ、ビニール傘も全然役に立たないし)。

和歌山名産
 なれ寿司
 ほねく
豚バラ肉とキャベツの茹でもの 焼き肉のタレぶっかけ
日本酒:獺祭(だっさい)

イタリアンな料理と、南青山の小洒落た空気に圧倒されつつ「都会はいいのぅ……」とふわふわと千葉に帰ってきたところ、狙いすましたように帰宅直後に宅急便が届いた。クック&ダインのTさんが、「おすそわけー」と郷里のお母さんが作られたたしい、和歌山の"なれ寿司"と"ほねく"なるさつま揚げを送ってくれたのだった。箱を開けると、なんとなく懐かしい匂いが広がる。私の母の郷里の秋田にも「はたはた寿司」という"なれ寿司"があるので、「酢と砂糖を混ぜた米じゃないんです、発酵して酸っぱくなったんです」というこの匂いとか味は親しみ深いし、大好物だ。

「ほねく」は黒っぽく平べったいさつま揚げ。太刀魚を中心とした魚で作った練り物だということだ。フライパンで軽く焼いて食べれば良いらしい。

「日本酒にやばいくらい合いますよ」
と言われていたので、「じゃあじゃあ、にごり酒抜栓しましょう」と「獺祭」なる山口県の酒を呑むことに。ついでに肉っけも欲しいところだったので、塊の豚バラ肉を熱湯に放り込み、途中からキャベツも放り込んで一緒に茹で、肉をスライスしてから焼き肉のタレぶっかけて食べる、という非常に乱暴な一皿も適当に準備。
酒をたーらたーらと呑みながらたーらたーらと御飯を食べた。

確かに"なれ寿司"はヤバイくらいに日本酒に合った。"アセ"という笹の葉のごついような葉にくるまれた筒状の寿司をそのまま切り分け、切り分けたやつから葉を取り去りつつ、食べる。わさび多めに溶いた醤油にちょいとつけてから口に放り込むと、独特のアンモニア臭的な匂いがもわもわと口に広がり、塩と酢の味がする魚がもろっと溶けていく感じ。好みが別れる味だとは思うけど、こういう"臭い"食べものは大好きだ(←多分"くさや"も平気だ。食べたことはないけど、しっかり深呼吸して嗅いだことはある)。

息子はさすがに"なれ寿司"には敗退した模様。
「ほねく」は速攻で1枚平らげていたけれど。

5/18 (土)
KENTAS(飯田橋)にて「チャーギュー丼」 (昼御飯)
南青山「D'UNE RARETE」の
 コーヌチョコ
ミスドのオールドファッション
カフェオレ

「デュヌ・ラルテ」なる、舌噛みそうな名前のパン屋さんが、青山の骨董通りからちょっと裏道に入ったところのビルの2階に入っている。「ここのパン、美味しいんですって」と昨日聞き、買ってきてみたのであった。
「ものすごくね、外見が変わっているの。とてもパン屋には見えないくらい」
と教えられたそのパン屋さんは、青山のフレンチレストラン「カムシャングリッペ」のシェフがプロデュースしたという店だった。確かに、ヘンだ。すごく変わっている。

重いガラスの扉を引きあけると、そこには胸の高さにカウンターが1本、でーっと奥に伸びている。その上には各種パンが、白い陶器の巨大な角皿盛られてずらっと並ぶ。ケーキ屋さんのようで、ケーキ屋さんともちと違う。カウンターの向こうには店員さんが一人立っており、こちらの注文に応じてパンをとりあげ、包んでくれるのだ。その店の入りにくさときたら、銀座にあるやたらとお高いチョコレート屋さん「RICHART」と同レベルだ。んで、見た目のとおり値段も高かった。チョコパンは1個240円!うわぁ。

どきどきしながら、「ん、それでも美味しそうは美味しそうだし」とあれこれ買ってきてみた。並ぶパンはどれもこれもちょっと見たことのないタイプで、名前からして、良くわからない。
「あの……知人に勧められて初めてうかがったのですが、オススメはどれですか?」
と正直に尋ね、あれこれ詰めてもらった。ブティックのような紙袋に詰められたパンは、どこから見てもパンじゃないみたいだ。
チョコパン(正式名称は「コーヌチョコ」)3つ、「おすすめです」と言われたブリオッシュ(ブリオサン、と書いてあった)は2個、これまた"おすすめ"のコーンパン(こちらは「マイス」という名)は3個。

タイミング悪く、たまたま母も昨夜ドーナツを買ってきてくれていたので、今朝は高価なパンとジャンクな味のドーナツという組み合わせの朝御飯。どちらもコーヒーに似合うので、気にせず食べる。どちらも美味しいし。

今朝食べてみた「コーヌチョコ」は大きな巻き貝型のクロワッサン生地のパンの中央にチョコペーストが入ったもの。パン生地はものすごく良いバターの香りがしてふわふわさくさくで、チョコそのものの味もやたらと良いものだった。こ、これは旨いや。1個240円出しても、これはまた買いたくなるなと思ってしまう、ものすごくリッチな味わいの幸せなパンだった。
「うぉー、美味しい〜」
「これ、これはいいね」
とチョコパン一気に平らげる。
今日はお出かけ、だ。

飯田橋「KENTAS」(ケンタス)にて
 石焼きステーキ丼

今日は観劇。母に息子を見ていてもらって、午後2時開演の池袋サンシャイン劇場に向かう。毎回見ているキャラメルボックスの公演、今回は「四月になれば彼女は」だ。
実のところ、最近の新作は今ひとつ面白く思えなくて若手も今ひとつと思える演技力だったりして、「そろそろ見る題目を選ぼうかしら」と思っていたところだったけど、再演のこの舞台は見てみたいねとチケットを取ってみたのだ。

「どっかで昼御飯食べよう」
とちょっと早めにだんなと一緒に家を出て、飯田橋で途中下車。この街で学生時代数年間を過ごしただんなは、馴染み深い土地だ。
「あそこの定食が美味しくてねー」
「この坂上がると、怪しいスパゲッティ屋さんがあってねー」
といつもあれこれ教えてくれる。その中の何軒かは、実際に連れてきてもらったことも。

今日は
「この店、ずーっと気になっていたんだけど、貧乏学生の頃は来られなかったんだよ」
と店頭に「ステーキ丼」の看板もまぶしいステーキ屋さんに連れてきてもらった。近隣は間口2間ほどの鰻の寝床状の怪しい定食屋が並び、この店も1階は狭い狭いカウンターになっている。十数年前からこの1階で営業を続けており、ここ数年になってその上の階でも営業することになったらしい。地鶏のステーキあり、ダチョウのステーキあり、50g単位で焼いてくれるステーキあり、丼もあり、と肉喰いには嬉しいメニューの並びだ。

私は「石焼きステーキ丼」。だんなは「チャーシュー丼」ならぬ、牛肉のチャーシューだからということで「チャーギュー丼」なるものを注文。テーブルにつくと出てくるのは冷たく冷やしたプーアル茶だ。プーアル茶好きの私たちはこれがまず嬉しい。1200円ほどの丼には、もれなくサラダとスープもついてくる。刻んだピーマンやにんじんがざくざく入るキャベツのサラダは小さな木製の器にこぼれそうなほど山盛りで、スープはシンプルなビーフコンソメ。

そして、私にはぺらりと1枚の紙が渡された。手書きの文字にてイラストつきで黒々と印刷されたそれには曰く、「石焼ステーキ丼おいしい食べ方」。

  1. まず御飯を寄せて石の面を広く空けてください。
  2. 焼けた石の熱でステーキの肉を焼いて下さい。
  3. ステーキがお好みの焼かげんになったら御飯と肉をよくまぜて下さい。
  4. 石の器の回りにタレを好みに応じてかけてネ、タレが飛び散りますからこの紙でフタをしてください。ジュージュー音が弱くなったらできあがり。もう一度かきまぜてお召上がり下さい。

……とあった。そりゃ何だか大変だ。この紙は蓋にもなるのか。もう真剣に予習する。
料理が来ても、写真なんて撮ってる場合じゃない。だんながわたわたと自分の分の「チャーギュー丼」を撮影してくれている間に私は御飯をよせ、肉を焼く。御飯の上には山菜がたっぷり。レタスが敷かれた上には塩胡椒をした生肉がカットされて並べられている。教えのとおりに御飯をよせ、肉を石面に乗せると、その途端にジュージューと火が通っていく。ざっと表面を焼き付ける程度にまんべんなく全ての面を押しつけて、それからわしわしとかき混ぜていく。タレは醤油と大根おろしがベースの和風のものだ。石鍋の中身が馴染むころには、心なしか疲労している私がいた。

和風のタレが絡んだ御飯はさっぱりしていて、山菜にも良く似合う。ざくざく入るステーキ肉もまた嬉しく良い感じだ。何度もマスターが注いでくれるプーアル茶もまた嬉しいものだ。
「学生の頃からずっと気になっていたんですよー」
とだんなが話すと、店が空いていたこともあってか、マスターおおいに盛り上がる。
「2年くらい前に、この2階借りたんですよね。お客さん、学生さんだったってことはアレでしょ、ここより"蝦夷松"のホイコーロー……」
「そうそう、それそれ!あとね、マーボー丼も」
「あー、あれね、すごい量ですよね。笑っちゃうくらいの」

私をよそに、何だか嬉しそうに盛り上がるマスターと我が夫。聞くと、なんでもその「マーボー丼」はラーメンどんぶりくらいの巨大な巨大な器に口きりいっぱいによそわれて来るものなのだとか。掘っても掘っても御飯に到達しない、それはそれはすごいものなのだとか。
「本当にね、すごいんですよ」
「すごいんだよ」
……いや、そんな、二人して真顔で私にマーボー丼を語らなくても。

そのマスターのステキ髭もあって(ええ、私はオヤジが大好きなのです)、店を出るころにはすっかりこの店が好きになっていた。200gのステーキのセットを喰っても2000円しないのだ。柔らかいだけじゃない肉は味があって、高級感はそれほどないけど充分に美味しかった。いかにも学生街の店、という風情ではあるけど、そこがまたステキだ。
「これね、サービス券。でも時間が経つとどんどん安くなっちゃうから注意してね」
と最後に200円のサービス券をいただいた。ただし、200円サービスは今日から1週間のみ、その後は100円、50円、と安くなっていき、最後には10円の価値になってしまうらしい。ヒゲマスター、商売上手だ。

時間はほどよい感じで、ゆっくり観劇も楽しめた。何度も涙が出そうになった芝居は久しぶりに心から楽しめたし、それから大型本屋覗いたりデパ地下ぷらぷらしたりしてのんびり帰宅。んふー。

キムチ焼きそば
ニラとアサリのジョン
牛タンの塩焼き
ビール

食材買ったり調理器具買ったりでお世話になっている「クック&ダイン」のメールマガジンで、「キムチでやせる」という店の焼きそばが絶賛されていた。
「美味しいってよ」
「ふむふむ」
と、だんながうきうきと共同購入でお買物していたのが先日。数日前、箱の外までその匂いが漂ってきそうな濃厚キムチ1セットが我が家に届いたのだった。独特の太い麺とキムチ、甘辛いタレと"ヤンニョムジャン"なる辛いタレもついてくる。麺を茹でてから、具と一緒に炒めあわせ、キムチとタレで調味していくというものらしい。いや、しかし、ジップロック2枚重ねで保存しているのに冷蔵庫はすっかりコリアンタウンの匂いになってるんですが(すごいわぁ)。

キャベツたっぷり、豚バラ肉なども入れてだんながせっせと炒めてくれた焼きそばは、思ったよりも辛くなく甘さもあり、じんわりと舌の根が痺れる辛さがとても良い感じだ。一回口にすると口中カーッとなりつつも箸が止まらなくなる。ビールも止まらなくなる。お供にとアサリとニラでお好み焼き状の「ジョン」も作り、肉っけも欲しいねと牛タンをさっと焼いてレモン胡椒でいただいた。
疲れもふっとぶ幸せに辛い夕御飯。充実した一日でござった。

5/19 (日)
かつき亭(稲毛)にて「海老フライ・ロースかつセット」 (昼御飯)
南青山「D'UNE RARETE」の
 マイス(コーンパン)
 ブリオッシュ
カフェオレ

昨日の朝に引き続き、青山で買ってきた「D'UNE RARETE」(デュヌ・ラルテ)のパンを紙袋からガサガサと出した。
休みの日の朝に美味しいパンがあると思うと、それだけでなんとなくシアワセだ。オーブンを温めている間にコーヒーを準備して、3分ほどコーンパンの表面を温める。コッペパン型のパンは見た目ゴツゴツと無骨な感じで、表面には粉が真っ白くまぶされている。割ると、わっとコーンの黄色の粒々が目に入り……なんだかこれ、「コーン入りのパン」というより「コーンの隙間にパン生地」といった感じだ。
「コーンパンだね、”すごい”のよ」
と教えられた店だったけど、確かに、すごい。

コーンも、ありがちな"グリーンジャイアント"的なものじゃなく、何だか違った。コリコリと粒に歯ごたえがあるし、香りも味もとても良い。いかにも「美味しいコーンを厳選しましたっ」っぽい味がした。歯ごたえのあるパンはもちもちと噛みごたえがあって、これもまら良い感じ。バターがこれでもかと入っているようなブリオッシュと一緒にコーンパンを平らげた。

で、息子は同じ店のチョコパンと格闘中。
ふわふわのバターの匂いのパンの中にチョコレートが詰まっている。もくもくとそのパンを平らげた後は、そのままコーンパンを食べ始めた。けっこう大きいパンなんである。チョコパンなんて、息子の顔ぐらい……はちょっと大袈裟だけど、目鼻口が隠れるくらいには大きい。
「……え?コーンパンも食べるの?」
「とうもろこしのパン、たべるよー、これ、ぼくのだよー」
と、巨大なパンを離さなかった息子だった。も、もしかして、これが美味しいパンだと気付いてますか?ヤだなぁ……(そのコーンパンは後で私が食べようと思っていたのにー)

稲毛「かつき亭」の
 海老フライ・ロースかつ定食

ボリュームのあるパンを食べたので、昼になっても腹が空かない。で、午後2時半に腹がすく。
「お腹が空いたよ。……どっか食べに行こうか?」
「あそこの、開店したばっかのとんかつ屋はどうだ」
「おおー、いいねぇー、カツ丼〜♪」
と、「軽くね、軽く」とぽてぽてと近所のオープンしたてのとんかつ屋に行ってみた。チェーン店らしいその店は「かつき亭」という。
そもそも、「軽く」と言いつつとんかつ屋だなんて根本的に何かが間違っているような気もしないではないけど、そのへんには思いが至らない我が家なのであった。

「軽くね、軽く」
と言いつつ、頼んだものは海老フライとロースかつの盛り合わせ。だんなは蟹コロッケとロースかつの盛り合わせ。息子には1皿もののメンチカツ。セットにすると御飯と味噌汁、漬物がついてくる。御飯とキャベツは食べ放題。
注文すると、手のひらサイズの壺が3つ、中には沢庵とキャベツの漬物とみず菜の漬物が入ってやってくる。すり鉢に胡麻が入ったのとすりこ木もやってくる。カツが来るまで、無言でごーりごーりと胡麻すりをして待つ。この”胡麻ごりごり”の店、けっこう好きだったりする。

やってきたのは、巨大な巨大な海老フライが2本、ボリュームのあるロースカツ。山盛りのキャベツには醤油味のドレッシングがついてくる。御飯は大きな茶碗にたっぷりと……もう、全然、「軽くね、軽く」なんて量じゃないのであった。
それでも、数日前から実はとんかつが食べたくて食べたくて仕方のなかった私。仕方のなかった日は、確か居酒屋「天狗」でかつ煮定食を食べてごまかして、余計に欲求が不満してしまったのだった。そうそう、こういう衣がサクッとした揚げたての、肉の脂が歯の隙間からじゅわじゅわ出てくるようなものが食べたかったんだ。

メンチカツはふわふわとした柔らかいもので、だんなの食べていた蟹コロッケはやたらと蟹の味が強い、なかなか美味しいものだった。
「ん、手軽だ」
「徒歩圏内にあるのが嬉しい」
「うむ、また来よう」
と、サービス券をもらって帰宅した。

ちなみに本日は「19日」。29日(ニクの日)と共に、9日と19日はお肉屋さん「ニュークイック」の安売り日だったりする。
「肉だ、肉だ、肉買うぞー」
「肉喰ってきたが、かまわず買うぞー」
と豚バラだの鶏だの牛だの、あれこれ塊を買ってきてみた。しばらく、肉喰い。

刺身(マグロ・ブリ・帆立・イクラ)
冷や奴
大根の味噌汁
羽釜御飯
モルツ、麦茶

肉喰ってきたり買ってきたりした今日、しかし夕飯は何だか刺身とか豆腐とかに醤油ぶっかけて普通に食べたい気分だった。マグロとブリのサクを買ってきてスライスし、冷や奴もごくごく普通のおかか醤油。大根の味噌汁に、炊きたての白い御飯。素晴らしいわー、日本の味だわー、としみじみしながら遅めの夕御飯になった。

息子はイクラとマグロが大好きだ。イチゴも大好きだから、赤けりゃいいのかなどと思ってしまう。
「ブリもたべなよ」
「まぐろが、いーのー!」
と、御飯にイクラをたっぷり乗せて、フォークを持つのももどかしいと、まぐろの刺身をどかどかと手づかみしそうになりつつ自分の皿に持ってきて食べている。
あ、そういえば今日は金目鯛も「このおさかな、ほしいなー」としがみついていたような。やっぱり”赤い食べ物”だったら良いのか?息子。