肉団子入り中華スープ
麦茶
義妹は、遠くの遠くの大学に通っている。
「朝7時過ぎには新宿に着かなきゃ。早いから起きてくれなくてもいいよ。」
という彼女の為に、朝食代わりにおむすびを作ってあげよう!ということに。
「それ、いい!歩きながらむしゃむしゃ食べるよ。」
なんて義妹は答えていた。化粧っ気も全くなく、スレンダーな義妹はそんなこと言ってるとまんま中学生のようだ。
……で、おむすび作りはだんなの担当だ。
物理的問題として、私は"猫舌"ならぬ"猫手"で熱い御飯が全く持てない。触ることもできない。
さらに技術的問題として、私の作るおむすびよりも、だんなが作るおむすびの方が圧倒的に美しい、ということもある。
ともあれ、「おむすび作成はだんなの仕事」となっている我が家なのだった。
2合炊いた米を、せっかくだからと全部おむすびにしてもらう。6個できた、具抜きの塩おむすび。海苔がぐるりと巻いてある。
2個は義妹のためにアルミホイルで包んで持たせ、残りの4個を朝食に食べる。たかが御飯を握っただけのものなのに、何故か美味しいおむすび。一昨日の残りのスープもあっためて。
ダイエット本格取り組みに向けて、近々昼食を手持ち弁当に切り替えようと画策中。
今日はだんなが昼の約束があるというので、弁当なし。
「もうすぐ弁当になっちゃうから、食べたいものを食べておくんだもんね」
と本末転倒も良いところで、ほてほてと久々のコロッケサンドを求めに行く。
しかも、コンビニで「やっぱり牛乳でしょ」と牛乳パックを探したところ、"特濃"しか見つからず、
「だめじゃーん。特濃じゃ、太っちゃうじゃーん。」
と買ったのが"はちみつ牛乳"。ますます行動意味不明。
「I don't know what to say.」
という英文がある。
「私は何を言うべきかわからない。」
とでも訳すべきそれを、義妹の高校の英語授業中、当てられた友人は
「私は何を言っているのかわからない」
と思い切り訳し、すぐ前の席に座る義妹に
「それは君!」
と鋭いツッコミを返された、のだという。
今日の私は、
「I don't know what to do.」
だ。
「私は何をやってるのかわからない」。
おお義妹よ、「それは君!」と突っ込んでくれ。さぁ。
……閑話休題。
ともあれコロッケサンドだ。「当分食べないぞ」という悲壮な覚悟の元、チョウシ屋へ向かう。
「お肉屋さんのコロッケ」というものはおしなべて美味しいものだと思うが、チョウシ屋のコロッケもまた、絶品だ。しかも130円出すとコッペパンか食パンかの選択でサンドイッチにしてくれる。定番は「コッペパンでコロッケサンド、食パンでピーナッツバターサンド」というオーダー。今日は逆にして「食パンでコロッケサンド、コッペパンでピーナッツバターサンド」としてみる。ハムカツサンドもカツサンドも、揚げシューマイサンドもメンチカツサンドもすごくすごく美味しそうだけど、やっぱり何故かコロッケサンドにしてしまう私。
手慣れた手つきで食パンにカラシを塗り、半割にしたコロッケを乗せ、上からさらりとしたソースをかける。軽く上からぎゅっと押して、縦中央線でさくさくと切って油紙でくるんで完成。
コッペパンも、中央にスッと切り込みを入れて粘度のあるピーナッツバターを木べらでたっぷりと。ちょっと透明感のある、昔懐かしいようなピーナッツバターだ。挟みおわったコッペパンを軽く抑えて中央斜めにすっと切ってこれまた油紙で包む。
いつもながら何ともそそられるサンドイッチだ。
ソースが微かに染み込んだ、サクサクのコロッケパンは相変わらず旨かった。キュウリもキャベツも挟んでないし、バターも塗っていないシンプルなコロッケパン。それが良いのか今日も人気で、私の前にも後ろにも待つ客が並んでいた。私の前のおばちゃんは、
「ポテトサラダにコロッケも挟んでね♪」
なんて、メニューにない高度な注文をしていた。……ぬうぅぅぅぅ、それ、美味しそう。次はチャレンジ!(←もうしばらく行かないのではなかったか)
学生時分から一人暮らしがしてみたかった。そして、早く社会人になりたかった。
理由の一つが、「食べたいものを親からとやかく言われることなく思う存分食べたい」、だ。
結婚している今、その野望はそうそう度々叶えられるものではないが、それでも妊娠中に「麦チョコ1袋一気喰い」「フルーチェ1袋一気喰い」なんかを密かにやっていた。一気喰いばかりだ。我ながら情けない。
そして、今日はだんな、飲み会らしい。
「いないのね〜、いないのね〜。しょうがないわね〜。」
と理由をつけつつデパ地下でお買い物。初挑戦のマンゴープリンを求めて中華惣菜屋のマダム・リーに寄り、マンゴープリンを買い、杏仁豆腐を買い、ついでにココナッツプリンのマンゴーソースなんてものも買い、そして手抜きの一品、「冷麺」まで買い求めていそいそと帰宅。
帰宅途中の道路脇で、中国人おばちゃんが馴染みの屋台を出していて、そこで肉まんや花巻も後日の朝御飯にでもと購入。
「アラ〜、久しぶりネ。坊やは焼餅(シャーピン)が好きなのよネ」
と顔を覚えられていたらしい息子にと、おまけの焼きたてシャーピンを頂いた。肉と葱のたっぷり入った、ちょっと油多めで揚げ焼きにしたようなシャーピンはドカンとボリュームもあって、期せずして息子の夕飯が入手できてしまった模様。
午後7時、シャーピンと冷麺でささやかなささやかな夕食。その後はプリンの宴が続く予定だが、とりあえずは質素な夕食。
息子の皿にはシャーピン1枚、私の皿には冷麺1つ。甘く煮た椎茸や鶏肉、錦糸卵にきゅうりの酢漬けなんかが具として載っている冷麺は、添付の胡麻だれをかけて食べる。お互い餅と麺を分け合いながら、親子でぎゃーぎゃーと夕食修了。麺は少しばかり固くて、具の味は悪くなかったけど全体的に甘かった。むむむ、もう少し美味しいと思ったんだけどな。残念。
そーして、本日のメインディッシュ。マンゴープリンと杏仁豆腐とココナッツプリン。前者2つが両手にやっと乗るくらいの結構な大きさで、うきうきとテーブルにずらりと並べる。デザートスプーンを3本、それぞれの容器に刺して、息子と二人、デザートの山に向かい合う。
今日買ってきた、「マダム・リー」という惣菜屋、かつて京王線沿線に住んでいた時は、何かというと新宿伊勢丹内のこの店で母はおかずを買っていた。酢豚や棒棒鶏、おかずは大抵美味しくて、杏仁豆腐もその時は凄く凄く美味しくて、大好きなお店だった。私の記憶には「美味しい」という印象が深く残っている。だからこそのデザート3種喰いだ。わはははは。
でも。だがだがしかし。
デザートはどれもこれもいま一つだった。
少々の期待を持って臨んだマンゴープリンは、何やら苦みがあって息子も顔を背けるほどだったし、ココナッツプリンも「私が作るほうが全然美味しい」と言えるような、ザラついたシロモノ。大好きだった杏仁豆腐も、「こんなに臭かったっけ?」と疑問に思うほど缶詰のシロップの匂いが鼻をついた。……でも、まぁこれは結構美味しいわ。
そう思って杏仁豆腐のみに集中しようとしたところ、息子も横からスプーンをガツガツ刺してくる。どうやら彼の味覚にもこの杏仁豆腐が一番琴線に触れた模様。あ、こらこらこら、苺を喰うな、豆腐を喰うな、シロップを飲み干すな〜〜〜。ひでぇ……。
白きくらげの中華スープ(レトルトもん)
御飯
麦茶
今日からお弁当。
記録によると、どうやら弁当を作るのは昨年12月初旬以来の久方ぶり、ということになるらしい。
私もだんなも社食はあるが、あんまり美味しいもんじゃない。
一年の食事回数はおそらく1100回ほど、そして十年なら11000回ほど。一生90年とすると大体9万回ぐらい?それしかない食事を、それも貴重なお昼御飯を、いつもいつもいつもいつも社食で済ませると年に240回前後、なんと1/5もその不味い飯を食べなきゃいけないことになる。それはイヤだ。とってもイヤだ。
そして結局、外のお店や弁当屋パン屋に頼っている我々なのだった。それも悪くないけど、結構楽しいし美味しいんだけど財源は圧迫されるし時間も取られるし、そして何よりダイエットには大変宜しくない。私ときたら、シュークリームなんかをすぐ買ってきてしまうのだ。どころかカツ丼とか食べてしまうのだ。しつけ糸並の忍耐力しか持ち合わせない私に外食の誘惑への抗いは厳しい。
そういう次第で、結婚後からちょこちょこと作っていた弁当、再び復活。
半年前から寒くて起きられなくなりずっとお休みしてしまっていたのを、ここは一念奮起なのだ。どうやらだんなも喜んでくれているみたい。
弁当作成中、冷蔵庫の中の肉を物色していたとき、恐ろしいものと目が合ってしまった。5月5日に購入してきた、インドネシアの焼き鳥「サテアヤム」。あちゃー、食べるのすっかり忘れてたよおいおいおい、と焦りながらレンジでチンして朝食に出す。唐辛子たっぷりの焼き鳥は、そのスパイス効果もあってか悪くなってはいなかった。
普通、赤唐辛子を使うときは、中華料理でもイタリア料理でも「中のタネを取り除いて云々」とレシピに書いてあるものなのに、このサテには唐辛子のタネのツブツブがたっぷりとまとわりついている。口に入れたときはそうでもないが、飲み込んだ数秒後からクワアァァァァァと口中が熱くなってくる。得体の知れない、異国の香りがするスパイスがたっぷり揉みこまれていて、何やら朝からパワー全開にさせられるようなおかずであった。ヒーヒー言いながら家を出る。
香菜たっぷり卵焼き
海苔ふりかけ御飯
UCC 玉露入りお茶
お弁当。
「御飯の間には、醤油に浸した海苔が挟んであると嬉しいな♪」
とかなり以前にだんなに言われた私は、混ぜ御飯でも作らない限り、毎日毎日毎日毎日海苔挟み御飯を弁当箱に詰めていた。そして今日もついつい詰めてしまった。上から伊藤園の海苔ふりかけを、更にパラリ。
おかずは冷蔵庫内の残り物食材と協議した結果、アスパラと牛肉、赤ピーマンに出動願った。こういう品揃えだと、ついつい何も考えずにオイスターソース炒めにしてしまう。オイスターソースだけでは味に締まりがないような気がして、醤油をひとたらしとXO醤をひとかけら放り込んじゃう。あとは、少々乾き気味になって冷蔵庫の隅っこに入れられていた香菜を茎からざくざくと切って混ぜ込んで焼いた卵焼き。これで大根の紹興酒漬けでもあればまたぐっと締まるところだが、とりあえず中華風お弁当のできあがり〜。
久しぶりに作った割には20分少しで出来上がってくれたので、ちょっと私はご機嫌だ。
うん、弁当、美味しいじゃないか。休み時間もたっぷり余るし、OKOK。
……あ。ウィンナーが残っていたな。入れておけば良かった。
水餃子入りスープ
よなよなエール
アールグレイアイスティー
米がない。注文したあきたこまちが届くのは明後日だ。
家に肉も魚も野菜も無いとしても、米(と味噌)だけあればなんとなく安心してしまう私は、スカスカの米びつでものすごい空虚感を感じてしまう。ああ、米よ。米よこいこい。早く来い。
で、あと4合ほどしかない米は弁当用に回すことにして本日は「麺料理」がお題。
レシピをあれこれ探した結果、「オイルサーディンとコンビーフのスパゲティ」が目に付いた。幸い残り物のコンビーフ処分に困っていたところだし、な〜いすタイミング。うきうきとこれの作成にとりかかってみる。
ついでに、昨日中国人おばちゃんの屋台で買ってきた皮の分厚いころころとした餃子があったのでこれを使ってスープにする。葱をたっぷり、鶏肉の細切りも少々ぶっこんで、ボリュームのあるスープに。
1缶のオイルサーディンと一掴みくらいのコンビーフ。これをマーガリンで炒め、塩胡椒してパスタと混ぜ合わせ、最後に鰹節と刻み万能葱をかけよ、とレシピにはあった。何というか、面妖な料理だ。オイルサーディンとコンビーフと鰹節、そして刻み葱というのは相性が良いのか悪いのか良くわからない。だけれども何となく旨そうな予感は、する。
マーガリンが無いので(その代わりバターは売るほどある……)、バターかサラダ油かオリーブ油かで見比べて思案し、オリーブ油を使ってみることに。中華鍋にうりゃ!とコンビーフとオイルサーディンを放り込み、じゃかじゃかと適当にほぐしておき、茹でたてのパスタをどっぱーっ!とあける。重い鍋をふるうのは、帰宅してきただんなにお任せして、その間私は刻み葱を作成。ほわほわと湯気のたつ皿にてんこ盛りの鰹節。たっぷりの万能葱。ん〜、美味しそう〜。
葱であり鰹節であり醤油味であるスパゲティ、何だか"ねこまんま"のようだった。細かくなったコンビーフとオイルサーディンの旨味が良い感じ。美味しいは美味しいけど、何かちょっと物足りない。ちょっと油っ気が少なかったのか醤油が少なかったのか、それとももっと胡椒をガリガリやれば良かったのか。まだ、向上の余地あり……。
水餃子入りスープ
麦茶
中国人おばちゃんの屋台で買ってきた肉まんと花巻がごろごろごろごろ冷凍庫に入っている。それを取り出して、朝から蒸篭をシューシュー言わす。
湯気のたったアツアツ肉まんで朝御飯だ。折り良く、昨日の中華スープも残っていて良い感じ。
「花巻」とは、あんまん、肉まんの"皮"だけをくるくると畳んだ中華パンのようなもの。平たい帯状の生地が美しく層になっていて、これはこれで淡白だけれどとても美味しい。息子も両手でわっしと掴んで花巻と格闘中だ。
「花巻があるってことは、さぁ。」
とだんなが何やら嬉しそうに私に話しかける。
「あるってことは、さぁ。角煮を作らなきゃいけないということだよね〜。まいったなぁ、んもう〜。」
と何やらくねくねしている。
そりゃ、花巻に何かを挟んで食べるのは美味しいが。鶏の照焼きとか牛肉のオイスターソース炒めだとか、あるいは海老チリなんてものとかサイコーだ。
でも、「角煮を作らなきゃいけない」なんてこた、ないでしょ〜が?……と上目遣いでちろりとだんなを眺めやると、
「……え、だって、おゆきさん、角煮キライ?」
ときた。
いや……好きなんだけどね。なんというか。ダイエット中だし、ていうか。
炒めウィンナー
南瓜のバター焼き
ししとうの塩焼き
お茶
会社、冷房全開になっている。おお寒い寒い寒い。
女性の中でも私は相当暑がりな筈だが、これはちっと寒いんでないかい?と上着を着込んで日本茶煎れる。
今日のお弁当は、カレーピラフ。だ。
鶏肉と玉ねぎたっぷり。あとは小さく切ったアスパラガスとミックスベジタブル入り。
具をしっかり炒めて御飯を混ぜて、カレー粉ふって醤油をひとたらし。何故か、弁当に入れるカレー粉ものは、醤油を垂らすと"弁当"の味になってくれる……ような気がする。茶色く染まった御飯をお弁当箱に詰めて、横の空間には横のフライパンでじくじく焼いていた南瓜とししとう、ウィンナーを入れてみた。なんとなく"アジア御飯"チックになった。うむうむ。
お弁当に入る御飯は、やっぱりピラフやチャーハン、混ぜ御飯や炊き込み御飯が美味しいなぁ……と感じ入りつつ、もぐもぐ。
サンドイッチ
握り寿司
ちらし寿司
酢豚
焼き豚
白身魚のフライ
わかさぎの南蛮漬
アップルパイ・チーズケーキ
ビール、水割り
だんな特製 ミニ親子丼
だんな特製 大根のスープ
麦茶
会社の主催する、客先との懇親会に出席。
私の役目はパーティー会場の隅っこで新商品の案内をすること。同期も後輩も、デジカメ抱えて会場を駆けずりまわったりお酌をしまくっていたりで各々大変だ。
乾杯の声を隅っこで聞きながら、飲み食いせずにひたすらニコニコと説明すること2時間。立ちっぱなしもしんどいが目の前の酒と御馳走を前にお預けくらっているのが一番しんどい。
しかもお客は白髪混じりの中年以降の人たちばかり。フライや寿司などの料理は半分ほども減っておらず、大量にそのまま残っている。鍋ものなんかもカセットコンロで温められ続けているのに、少しも減っていない。うううううう、勿体ない。
お開きの後、若手集団がブッフェ台そばをうろうろし、「もったいなーい」「もったいなーい」とうろつきあう。まるで私ら、ハイエナのようだ。ていうか、もったないオバケ?
同席していた支店長が「じゃあ、テーブル少し片づけて、反省会をやりましょうか」と音頭を取り、残ったお酒と料理を並べて、ささやかなお疲れさま会がそこで開かれた。
ダイエット中は重々承知の上で、私はどうしても"山盛り残された料理"というものに弱い。喰ったところで自分の肉となり脂肪となるだけなのは分かっているのだが、それでももう捨てられるしかない料理の山は捨てておけないじゃあないですか。取り皿を1枚取ってブッフェ台をうろうろ。いくらの寿司に穴子が混ざったちらし寿司、甘辛いタレつきの焼き豚に甘酸っぱいわかさぎのフライ。どれもありがちな宴会料理の味だったけど、若手集団によってお皿は少しばかり綺麗になった。
よりにもよって、座った席の真正面にはケーキの乗った大皿があり、ついついアップルパイをぱくり。チーズケーキもぱくり。ほほほほほ、美味しいわ、ちくしょうめ(←けっこうヤケになっている)。
……午後8時過ぎ、帰るとだんなが息子に親子丼を食べさせていた。
私もお相伴に預かってミニ親子丼を作ってもらった。甘めの鶏肉に、ふわふわ卵。炊きたての御飯。中華スープっぽい大根入りのスープ。やっぱり自分のために作ってくれた出来たての料理というのは美味しいね。
大根のスープ
卵御飯
麦茶
眠い。眠い眠い眠い。
起きて洗濯機を回したは良いが、居間に座り込んでぽや〜んとしていると、だんなが代わりに台所でパタパタと動いてくれた。
「おゆきさん、何食べられる?……あ、冷蔵庫にお弁当の残りが入っていたねぇ。」
なんて甲斐甲斐しくおかずをレンジでチンなどしている。ああ、だんなは今日もすばらしいだんなだ。
今月発売の『ダ・ヴィンチ』の特集だったパラサイト・シングルについての記事など読むと、結婚後夫婦がずっと仲良しさんに上手くやっているところは何だか少ないような印象を受ける。
やれ「結婚した途端、優しくなくなった」だの「風邪で寝込んでいるのに"早く飯作れ"と言われた」だの。結婚してから独身時代からのギャップに驚いた人が半数以上、らしい。
まぁうちも、
「バスタオルは自分専用のが決まっている(私)・決まっていない(だんな)」とか、
「物干し専用のハンガーが決まっている(私)・決まっていない。干してそのままクローゼットにしまっちゃう(だんな)」とか。
あとは一般的な嗜好というやつで「朝はパンが好ましい(私)・御飯が好ましい(だんな)」なんてのもあったけど、まぁそんな生活習慣の違いはあって当然と思っているので、何事も話しあいで解決するし。ちなみにバスタオル方式は私の意見が通り、ハンガー方式はだんなの意見が採用されている。余談でした。
かくて、ぽやぽや〜んとソファに座っている間にスープが盛られ、「卵御飯が食べたいなぁ」と言ったらば御飯が盛られてテーブルの上に準備万端整ってしまっていたのであった。さすがに卵を冷蔵庫から出すのだけは自分でやったけど。
洋食弁当 \1450也
午後一番で人形町にて打ち合わせ。
人形町で仕事がある日の昼食は、「人形町美味しい店開拓」をテーマをしている最近のわたくしは、今日もチャリこいで昼前早目の到着を心がけてみる。
今日のターゲットは「玉ひで」。シャモ肉を使った噂の親子丼は600円にて供されているらしい。11時半開店、開店直後に行ったら余裕ね♪……とチャリを乗りつけてみると、予想外の大行列。開店までまだ10数分あるというのに、店の前に2列になってずらずらずらと30人ほどが並んでいる。踵を返す自分。そう、私は行列が大嫌い……。
しょうがなく、いくつか「行ってみたいお店」と登録されている脳内データベースをカチカチ言わして「芳味亭」の名前を思い出してみる。
創業昭和1桁の、老舗の洋食屋さんと聞いた。たしか昼はお弁当が1000円前後であったような、無かったような。うろ覚えだった場所をたよりに甘酒横丁近辺をしらみつぶしに自転車をこいでみると、果たして普通の一軒家然としたお店がみつかった。かかる看板には「レストラン芳味亭」の文字、のれんの横にも確かにその文字。しかし引き戸はぴたりととじていて、しかもすりガラスがはめこまれている。中の様子はさっぱり分からない。しかも何やら高そうに思える敷居だ。
むむ、とのれんを見上げて、とりあえず入ってみることにした。もしもメニューが高くて手が出なかったら「ヴォナセイラ!」とでも言って出てこよう。って、なんでそこでイタリア語なのか、自分。
「いらっしゃいませ!」
とおばちゃんの声。引き戸を開けてすぐ目に入る右手奥の厨房には、白いコック服を着たおっちゃんたちがみっしりと動いていた。丸石の敷かれたたたきに4人卓が2つ。あとは上階の座敷に入って食事をするらしい。
「お二階になさいますか?それともテーブルで?」
と問われ、一人で座敷に行ってもなんだか居心地が悪かろう、とテーブル席に腰掛ける。すぐに出てくる日本茶とおしぼり、そして年期の入った古めかしいメニュー。
開けるといきなり「コース\5000 コース\7000 コース\9000」なんて文字が。あわわわわ、ヴォナセイラだヴォナセイラ……と心中冷や汗かきつつ、とりあえずメニュー全部を眺め回してみる。タンシチューにハンバーグ。どれも美味しそうな字面だが、2000円以下のものなんて全然ない。右端の項目に「お弁当」の文字を見つけ、目線を下にずらすとやっと見つかった「洋食弁当」の文字。とりあえずこの洋食弁当をいただくことにする。1450円。とりあえず「ヴォナセイラ!」と言わなくて済みそうだ。
茶をすすって待っていると、次々にお客さんがやってくる。スーツ姿の男性客が一番多いが、女性2人組なんかもやってくる。中には「1時頃にお弁当3つ、よろしくね」なんて配達の予約をしにくるおばちゃんなんてのもいる。人気、あるらしい。まるで普通の民家のような上がり口を、皆靴を抜いてペタペタと上に上がっていく。
5分ほどして洋食弁当がやってきた。塗りの2段重の器の1つに御飯、1つにおかずが入っている。
ドミグラスソースが和えられた小さなハンバーグが2個、エビフライにクリームコロッケ、それにポテトサラダ。パセリとトマトとサラダ菜が飾られている、いかにも「お弁当」といった風情。
ひき肉の混ざるドミグラスソースをつけて、まずはハンバーグを一口。ふっくらしていて美味しいハンバーグだった。ソースもじっくり煮込まれている味。ワインのとがる香りも無く、苦みも特段感じられない、優しい味のドミグラスソースだ。フライの衣はサクサクで、ふんわりしたホワイトソースもくどくなくサラリとしていた。
実のところ、ちょっとばかり物足りない量だった。多分、一般的な女性、あるいは壮年以降の人々の胃袋で「ちょうど良い量」なのだと思う。
私が物足りないのだから、だんなに至っては「もう1セット!」というところじゃなかろうか。それでも1つ1つ、きっちり"仕事"がしてある1品1品は美味しかった。ん〜、今度は奮発してタンシチューでも食べてみようかなっ。
会社の帰り、ほてほてと駅に向かう途中、
「そうだ、厚揚げを買おう」
と唐突に思う。厚揚げと言ったら、ここらあたりじゃやっぱり安達屋がベストだ。国産大豆を使って本にがりで仕込んでいるらしい、昔ながらの豆腐屋さん。近隣の勤め人にも人気らしく、夕方は厚揚げやがんも、豆腐が飛ぶように売れていく。2パックの厚揚げを購入し、いそいそと帰宅。
豚ひき肉をししとうや葱、生姜のみじん切りと一緒に味噌ベースで味つけした肉味噌を用意。グリルで表面こんがり焼いた厚揚げに肉味噌ぶっかけて、これが今日の晩御飯。
残っていた水餃子を、今日はニラと干し海老を入れたスープに落としてみた。数滴のラー油も入れて、ちょっとピリ辛のスープ。それに炊きたての御飯。8時過ぎに帰ってきただんなと乾杯して、買ったばかりの厚揚げを堪能してみた。
デザートは翠江堂のいちご大福〜♪♪♪
昼過ぎ、人形町から会社へ帰る通り道についついフラフラと寄り道してしまい、ついついいちご大福を3個ばかり購入してしまい、ついつい持って帰ってきてしまった。ダイエットはいつでも出来るけど、いちご大福はあと1ヶ月間しか食べられないし〜(だから痩せないのだ、私は)。
ちょっと久しぶりのいちご大福。お店のおっちゃんの
「この陽気ですから、なるべく冷蔵庫に入れておいてくださいね〜」
という言葉を遵守して、会社でもちゃんと冷蔵庫に入れておいたいちご大福。
今日も相変わらずふくふくの皮に柔らかなあんこが詰まって、何とも甘くて酸っぱくて巨大な苺が中央にどかんと1個、入っている。この、常温ではとろけてしまいそうな皮に包まれた大福は今日も絶妙だ。ん〜。幸せ。
ニラ入り水餃子スープ
麦茶
今日は朝からだんなはやる気だった。
「御飯少ないし、焼きうどん作るねっ!」
と台所で動いている。
「今茹でてるから、ちょっと待っててねっ!」
「あ、ついでに昨日の残りの厚揚げも混ぜちゃっていいかなぁっ?」
……なんかパワフルだ。
私はパソコンの前に座り込んで、メール受信などしながらぼけけ〜っとしているというのに。
そして。
「なんだかベタベタになっちゃったよ……」
とすまなそうにしながらだんなは皿を並べていた。
昨日のおかずを入れてしまったら、水気が多すぎて大変なことになってしまったらしい。
すまなそうにしている程、焼きうどんは不味くなかった。確かにちょっぴりペシャッとなってしまっているけど葱が入って厚揚げが入って、ついでにひき肉なんかも混じって良い感じじゃないか。おっとやっぱり鰹節はたっぷりぶっかけなきゃね。
ビッグマック
コカコーラS
ど〜も時折、ジャンクフードが恋しくてたまらなくなる。
昨日も人形町に行った時に、「ああ、マクドナルドマクドナルド……」と心が数パーセント揺らいでいたのだ。「美味しいものを食べる!」と息巻いていたときにマクドナルドにゆらぐとは何と情けない。
で、どうにも我慢ならず、今日は出先のそばにマクドナルドがあったもんだからついつい飛び込んでしまう。
CM効果でずっと欲望が疼いていた懸案のビッグマックを注文。ポテトやナゲットのセットにすると安くなるのは重々承知の上で、ビッグマックとコカコーラを単品注文。ポテトやナゲットは、後で強烈に喉が乾いて仕方がなくなっちゃうし。
久々のビッグマックは悲しいほどに美味しかった。挟まれたレタス、ソース、3つのパンの間に挟まった2つのハンバーグ。どこ囓ってもあのマクドナルドの味なんだけれども、何故か満足している私は幼少の頃に怪しげなものでも喰わされたんでしょうか。マクドナルド依存症パウダーとか。
ときに、私は当たり前のようにマクドナルドを「マック」と略す。対してだんなは「マクド」(クにアクセントあり)と略す。
「マクドはマクドだよ。マックじゃマッキントッシュになっちゃうだろう?」
とだんなは言うが、東京人の私はずっと"マック"と言っていた。悪いか。(注:だんなは関東出身だけど幼少時しばらく大阪府民だったのよ。)
余談だけど、だんなの同期たちが職場で騒いでいたのだとか。お題は
「セブンイレブンは何と略すか」。
「セブンだよ」
「イレブンだよ」
とわいわいとやり合ってる中、通りかかっただんなも意見を請われたそうだ。
「え?セブンイレブン?……ブンブン、だけど?」
と答えたら、
「もういいよ、お前はあっちに行ってろ」
と邪険にされたそーだ。
ブンブン、ねぇ……それ以来うちはブンブンになってしまったのだけれども。可愛いじゃん、ブンブン。ampm(アンパン)と何というかそぐって良い感じ。
卵と葱入り雑炊
抹茶入り玄米茶
ザッハトルテ with たっぷり生クリーム
アイスコーヒー
昨日、安達屋で「おぼろ豆腐」なる寄せ豆腐を買ってきたのでこれを使ってダイエットメニュー。だんなは飲み会で夕食いらないらしいので、思う存分息子と二人で豆腐を食すことにする。
御飯が大人1人分あるやなしやだったので、卵落として雑炊にする。刻み葱放り込んで、胡椒をガリガリ。にんにくと豚肉も放り込んじゃえ♪……とやっていたらなんだか豪華な雑炊になってしまった。むむぅ。ダイエットダイエット。
豆腐は下にレタスやきゅうり、ついでに貝割大根なんかも敷き詰める。柔らかくて崩れてしまいそうな豆腐を中央に乗せて、だし醤油をちろりとかける。その上から風味付けに小さじ1杯ほどの胡麻油を煙が出るほど熱して、ジャ〜ッ。かくして出来上がった豆腐サラダをおかずにして雑炊をがつがつ食べる。う〜んヘルシー。……多分。
確実なことは、デザートのザッハトルテが無ければよりヘルシーだってことだ。
ザッハトルテは、GW中にウィーンやブダペストなんかに仕事半分の旅行へ行っていた義母と義父からお土産にいただいたものだ。
「お土産何がいい?」
と聞かれて
「ホテル"ザッハ"のザッハトルテ買ってきて」
と答えただんなもだんなだけど、本当に買ってきてくれるお義母さんもお義母さんだ。
「本場ではネ、ケーキと同じくらいの量の生クリーム、ああ、砂糖抜きのやつね、たっぷりかけて食べてたわよ。」
と義母が教えてくれたので、そのとおりにやってみる。細長い木箱には焼き型で「Hotel Sacher Wien」の文字が押されていて、中にはフィルムにくるまれた手のひらサイズのザッハトルテが2個入っていた。黒々艶々とした表面。ああ〜……甘そう♪
ブラックのアイスコーヒーを用意し、手のひらサイズの1/4ほどの大きさのザッハトルテにいざ対面。横にはほぼ同量の固く泡立てた生クリーム。多分オレンジリキュールだと思う、洋酒の香りがほわんとして、表面のチョコレートはパリパリとしていた。しっとりと酒でありチョコであり砂糖である生地は想像通りにひたすら甘くて濃厚で、確かに生クリームが必要だった。
生クリームこてこてつけて、ケーキをぱくぱくコーヒーをがぶがぶ。
……はて、今日は「ヘルシーな夕食」がテーマではなかったか。
ランチセット(四川風鶏の唐揚・スープ・御飯・ザーサイ)
蟹炒飯
春巻
小豆入りタピオカココナッツミルク
生ビール
「龍譚酒家」とかいう名前の中華料理店が銀座にあり、だんなが先日そこで歓送迎会をしたらしい。
「マンゴープリンがあったよ。美味しかったから、今度行こう!」
と報告を受け、"土曜の昼に行ってみるじゃ行ってみるじゃ"と朝起きるなりいそいそと準備してみる。……が、念のためにと雑誌にて確認してみたらば土曜の営業は夜のみ、しかも日祝はお休みだという。とほほほほー。いきなり暗礁乗り上げ。
で、
「マンゴープリンなら、確か銀座アスターにもあったじゃん!」
と銀座アスターに出向く。昼だから煌びやかな本店に行ってもそんなに高くしないでしょう、と予想して。
デパートなどに良く入っている銀座アスター。私の記憶ではどうも味は今ひとつでパッとしないところだった。しかし、さすがに本店はキラキラとしている。1階ホールから絨毯のひかれた階段を誘われて、通されたのは子供も一緒ということを考えてくれたからかソファ席になっている半個室の囲われたブースだった。中年くらいのお客が多く、家族連れや夫婦連れなど席はかなり埋まっている。
2000円のランチセットを1つに蟹炒飯を1つ、それに4本の春巻を注文。
息子に、何か小さな麺ものでもないかな……とメニューをつらつら眺めていると、給仕の女性が
「メニューにはお載せしていませんが、コース料理の最後にお出ししている具抜きの小さな醤油味の麺がございますよ」
とニコニコと勧めてくれた。それも注文。
青島ビールを飲みつつ、料理が来るのを待つ。
しばらくし、ずらずらずらずらっと大量のお皿が並べられた。
カリカリに揚げられた辛味のある唐揚が甘辛ソースにレタスと一緒に和えられている皿、「お代わりご自由ですので」との言葉と共にほこほこの御飯、帆立たっぷりのとろみのあるスープ、ザーサイと野菜の漬物の乗った小皿、パラリと火が通った蟹肉たっぷりのチャーハンに、久方ぶりに食す揚げたてパリパリの春巻、息子用の小ぶりの洒落た器に入ったつゆ麺。
どの料理も想像以上にキラキラピカピカと輝いていて期待以上に旨そうだった。そして本当に、期待以上に旨かった。
殊に揚げたばかりのあっつあつの春巻は秀逸だった。具は一般的な春雨に豚肉に椎茸に、といったところだったけど、ミルフィーユのパイ生地のようにパリパリと砕けていく皮の具合だとか、なのに油っぽさは無いところだとか。
取り皿を沢山並べて炒飯やおかずを分け合ってわしわしといただく。中華料理って、何故食べていると汗が吹き出してくるのだろう。
「それはねおゆきさん。"医食同源"だからだよ、中華料理は。うんうん。」
としたり顔でだんなは言うが、果たして本当にそうなのか。
そしてデザート。今日の目的はマンゴープリンだ。冬に通りかかった時に店頭に出ていたメニューには「マンゴープリン \600」の文字があった。そして今日のメニューには「銀座アスター特製マンゴープリン \1000」とバージョンアップ。
「"特製"ってありますけど、以前のものとどのように変わったのですか?」
と聞いたらば、
「マンゴーの量などを変えたんですよ。」
と笑顔の返答が。ううううう、期待大じゃないですかぁ!
……んが。
マンゴープリン、売り切れだとか。申しわけなさそうにお姉さんが伝えて来、仕方ないので「小豆入りタピオカココナッツミルク」に方向転換。お詫びだと、次回のドリンク無料券を帰り際にいただいてしまった。
タピオカココナッツミルクもそりゃもう大好物なんだけどね。とりわけ、小豆が下に沈んでいるやつはその調和が妙に心地よくて一層好物。濃厚なココナッツミルクもプリプリと輝くタピオカもそりゃもう美味しかった。
あああああ、でもマンゴープリン食べたかったよ。「特製」。ううううう。
肝吸い
麦茶
ザッハホテルの
ザッハトルテ
アイスカフェオレ
夕飯、うな丼。
銀座松屋デパートで、「1匹500円」なんて安売りを地下の「登亭」で見てしまったので、うなぎ気分が盛り上がる。
「うな丼しましょう。うな丼うな丼うな丼!」
と3匹の鰻を購入し、帰宅。炊きたてあきたこまちにたれをたっぷりかけて、鰻1匹をどかんと乗せる。真空パックの肝が入っているインスタント肝吸いもぬかりなく買ってきた。
謎な魚だ、鰻。そもそも「魚」と言ってで良いのか悩みたくなる形状をしているし、なんでそんなに脂っぽいんだ、鰻。
まだ中学生の頃、母に連れていった寿司屋には「うなぎ」の文字があった。
「穴子と違うの?お寿司にして、区別つくの?」
とカウンターの向こうの板前さんに聞いてみたところ、
「両方一緒に食べたら、分かると思うよ。」
と1カンずつの穴子と鰻の握りを並べてくれた。穴子よりもちょっと魚臭くて、穴子よりも脂がじくじく染み出ている鰻の握りというやつはそれはそれでやたらと美味しかった記憶がある。
食後には、まだまだ残っているザッハトルテ。
常温にしておいたらでろでろに溶けてしまいそうなザッハトルテは冷蔵庫で保存中。周囲の固いチョコレート層は、そのあまりの砂糖含有量に何やらシャリシャリした舌触りになってしまっている、恐るべき甘さのザッハトルテ。
相変わらず脳天直撃だったそのケーキを、またも山盛り生クリームと一緒に食する。一口で一気に満腹中枢が刺激されて、以降何も食べたくなくなっちゃうあたり、案外ダイエットに向いてたりして(そんなことはないか)。
御飯
麦茶
先日、近所で花巻(あんまんの皮の部分のみをくるくると丸めた、中華蒸しパンのようなもの)を購入してきた時に、
「それじゃあさ、角煮を作らなきゃいけないよねぇ〜」
と嬉しそうにくねくねしていただんなは、本当に角煮を作ってしまったのであった。
昨日から仕込まれて、5時間ほどもコトコトと煮込まれていた豚バラ肉は茶色く光って脂もトロトロになっている。今日もだんな特製角煮は絶好調だ。
冷凍保存していた花巻を蒸籠でふかして横半分に両断する。間に煮汁をたっぷりつけた角煮を挟み込んで、中華風ハンバーガーもどき。
八角の香りがほわんとしていて醤油と砂糖のみで味付けられた豚肉はトロンと濃厚で、淡泊な花巻とすこぶる似合う。美味しい角煮に堪えきれなくて、1切れで終わらせるはずだったのをもう1切れ小皿に持ってくる。今度は御飯と一緒に、「角煮御飯」。
やっぱり豚の角煮はサイコーに美味しい。
麦茶
今年初めての冷やし中華。
残りものだった豚薄切り肉を茹でて氷水できゅっと締める。あとは錦糸卵ときゅうりとハムとメンマを細長く切って準備万端。
水で冷たく冷やした麺を冷凍庫に入れておいた器に盛って、上から具をたっぷりと放射状に飾り付ける。仕上げに添付のごまだれかけて、完成〜♪
「やっぱりさ」
冷やし中華をもっきゅもっきゅと食べながらだんなが言う。
「冷やし中華って、あんまり高級になっちゃうとあんまり美味しくないんだよねぇ〜」
高級中華料理店なんぞで出てくる冷やし中華は、きくらげが載ってたりでかい海老が載っていたり高級そうな胡麻油の香りがただよっていたりして、それはそれで美味しいもんなんだが、やっぱり「冷やし中華」ってやつはきゅうりであり錦糸卵であり、そして周囲がピンク色をしている安っぽい安っぽいハムなんかが乗っていてこそのものなんだな。
冷やし中華が旨くなってくると、もうすぐ夏だなぁと思う。
カフェオレ
だんな、来月に結婚式の二次会幹事を引き受けるらしい。先日より自宅のパソコンでシャーコシャーコと何やら色々印刷していたのだが、今日はその新郎予定S君と新婦予定Tさんがやってきた。皆でわいわいと招待状を作成。プリンターがフル稼働する中、糊と裁断機と切手を飛び交わしつつ100通以上の招待状を作る。
お客様が来るし、と久方ぶりに自家製プリンを作成。鍋で砂糖を焦がしてカラメルを作り、卵と砂糖と牛乳のみで作った生地を蒸し器に入れてふかすこと数分。いつもは使わない小さなプリンカップで作ってみたらば見事な"す"が入ってしまった。久方ぶりのプリン作成で、久方ぶりの大失敗。……ショック。
周囲はポコポコ、見てくれは悪いし舌触りもいまいちだしで、ちょっとトホホなプリンを供することになってしまった。
S君、Tさん、また遊びに来てくださいまし。今度こそはパ〜フェクトなカスタードプリンを馳走致します。
じゃがいも玉ねぎ入りの豚スープ
御飯
「ロールキャベツが食べたい」とのだんなのリクエストにお応えして、本日はロールキャベツ。
パン粉と牛乳、それに大量の玉ねぎをたっぷり入れた合い挽き肉を茹でたキャベツの皮でくるんで大鍋にみっしりと並べる。7つの巨大なロールキャベツが鍋に収まり、たっぷりのコンソメでくつくつと煮込む。
ホワイトソースやトマトソースのものにしようかとも思案したけど、結局コンソメ味のごくごく普通なロールキャベツに落ち着いた。
それに、角煮を作る時に出来たたっぷりの豚スープでもう1品。じゃがいもと玉ねぎの厚切りをざくざく入れた塩味スープ。ベランダでわしわしと成長中のイタリアンパセリも放り込む。
久々のロールキャベツは旨かった。
どうも味覚なチャイルドな私はロールキャベツにケチャップが必須だ。
「ロールキャベツは、このコンソメ味でキャベツと肉を食べるのが旨いんじゃないか」
とだんなは言うけど、私はこのケチャップ味のキャベツと肉が美味しいのだから仕方がない。ケチャップをにょろにょろかけてキャベツを食し、更にケチャップをにょろにょろとかけて肉を食す。7個のロールキャベツ、残りは2つ。明日の朝食べるかなー。それとも夜かなー。