食欲魔人日記 99年7月 第5週
7/26 (月)
生ブルーベリーのヨーグルトかけ

だんなは何でも健康診断だとかで朝食は抜かなければならないそうなのである。
だんなを後目に、義母が先日くれた生ブルーベリーにヨーグルトかけてがつがつ食す。ブルーベリーってのは眼に良いらしいやね。視力が上がるのならもっとがつがつ喰うのだが。

カフェ ハイチにて
 ドライカレー
 アイスハイチコーヒー

午前中から、本社に社長印を貰いに出かける。
んが、書類不備というか決済文書の日付がなんだかんだでマズかったらしく再決済取った上で出直さなければならないことに。
遠距離、交通費400円もかけてずんどこ来たのにそりゃないじゃないかセニョール、と嘆きつつ、へこへこ歩いて新宿センタービルにあるカフェハイチにて昼御飯を食す。ここの名物はハイチコーヒー、んでもってドライカレーのハイチカレー。12時ちょっと前に店に入ったところ、もう既に半席以上が埋まっていてちょっとびっくり。
ドライカレーの普通盛り、シングルコーヒー付きで850円という一番安いものを注文。

ほとんど待つことなくやってきたドライカレーは四角い陶器の皿にぺたんとご飯が平たく盛られ、上にもぺたんという具合にドライカレーが盛られてきた。じわーと辛く、ちょっと苦みのあるカレーはファンも多いようで、周囲中がドライカレーやら普通のカレーやらを食べていた。
食後は名物ハイチコーヒー。
コーヒーの種類別の味にはあまり詳しくないから分からないけど、苦みが際だつコクのあるコーヒーだった。
実はここのケーキが結構美味しくてファンだったりする。でも今日はカレーのみで店を出た。850円。

鶏肉とかいわれの中華風和え物
ターツァイのオイスターソース炒め
茹で枝豆
きゅうりのコールドスープ
ビール、ご飯
自家製アフォガット

なんかさっぱりしたものが食べたかったので、蒸し鶏と野菜と和えて醤油と塩胡椒ごま油で和える簡単なおかずを主菜にしてみた。
副菜はちょっとこってりとターツァイのオイスターソース炒め。
ついでにコンソメスープをゼラチンで固めたゼリーを散らしたきゅうりの酸っぱいコールドスープなんてのも作ってみる。なんか前向きに料理してるぞ自分。

デザートは、デロンギのアイスクリーマーにがんばっていただいてバニラアイスを速攻で作り、エスプレッソをかけて自家製アフォガット(←イタリア料理のデザート名らしい)。
4人前のアイスクリームが光速で消えたのは公然の秘密だったりする。おいしかったー!

7/27 (火)
スパイシー挽き肉乗せご飯
キュウリのコールドスープ
生ブルーベリーのヨーグルトかけ

朝6時半に起きて、スパイシー挽き肉(なんてこたない、先日のタコスの残りのお肉である)をご飯と炒めてエスニック風ピラフ弁当でも作ろうと思っていたが、あまりの暑さと眠さとだるさとめんどくささで断念。しかたないので、朝ご飯にスパイシー挽き肉を持ち越すことにしてみた。
朝からピリ辛肉でご飯がつがつ。健康的というか、暑さにめげない元気な肉体というか単なる食欲魔人というか。

近所のパン屋さんの
 クリームパン
 べこの乳
ジャンボ焼きプリン

午前中、ユーザー引継ぎで新しいお客様となる某ホテルに行く。
煌びやかなホテルの裏舞台が見られるというのは非常に楽しいことだと、営業そっちのけで1消費者となってしまいそうな自分を叱咤しつつ、ご挨拶。
御挨拶の場でそのホテル内のレストランの割引券を頂戴する。嬉しい。だが割引されても高いものは高いのでどうしたものだろうか。
話に聞くと、ケーキなんかも安く買わせてくれるらしい。更に嬉しい。ここのメロンパンは大好物♪嬉しいな。

ともあれ、昼ご飯。
昼の私は何故かカスタードの呪いにかかっていた。
暑さにうだりつつ近所のパン屋に行き、気がつくとクリームパンとプリンを手に持っていた。
席に帰って食べ始めると、
「なんか、同じ味がする……(汗)」
とこの段階で気がついた。
せめてツナパンとか、ヨーグルトとかを選択するべきであった自分。
これが世に言うカスタードの呪いである。

ジェノベーゼリングイネ
茹で枝豆
ビール

退社後、どっかで野菜等々を購入して帰宅しようと思っていたのに、すっかり忘れて帰ってしまう。
冷蔵庫にあるのは鶏肉と豚肉、茄子、茹で枝豆、かぼちゃとピーマンとにらが少量。いまいちこれらの材料を使って作る料理の創作意欲が沸かず、困惑しながらベランダに出たところで鉢植えバジルと目が合った。
今日はジェノベーゼで決まり、である。

ジェノバペーストの作り方は簡単だ。
松の実とにんにくをフードプロセッサーでギャギャギャと砕き、バジルの葉を大量投入して更にギャギャギャギャと粉砕し、しかるのちにオリーブ油をたらたらといれながら更に更にギャギャギャギャギャと混ぜ合わせ、出来上がり。
パルミジャーノ・レッジャーノチーズをがりがりとかけてパスタと混ぜるとジェノベーゼ。
簡単で美味しい、のだ。

7/28 (水)
カレーピラフ
アイスコーヒー

あまりの暑さに冷房をかけっぱなしで寝たところ、案の定喉が痛くて体中がだるい。
朝7時20分過ぎに起きてぼけーーっとアホ面をさらしていたら、だんながカレーピラフを作ってくれた。
ありがたやありがたや。

チョウシ屋
 コロッケパン
 ピーナッツバターパン

今日は暑い。
社内からして、暑い。
設定24度で何故こんなに暑い。
暑いのに、何故私はチョウシ屋に向かうのだろう。
今日は気合のコロッケパンとピーナッツバターパン。
食パンの気分だったので、どちらも食パンで頼んでみた。
首が肩にのめりこみそうな、妙に肩に力の入るおっちゃんが今日もサンドを作ってくれた。
暑いのだろうか、おっちゃんの動きにいまいち精彩さが無い。
ピーナッツバターは中央あたりにのみこんもりと盛られ、黄色いカラシは何故かパンの右半面にのみ、くたくたと塗られていた。ソースのかけかたも、いつもよりか雑な感じだ。ああ、包み方までちょっと違うぞ、おっちゃん。
それでも今日も美味しかった。
汗だくでコロッケ揚げる、チョウシ屋一家に感謝。
しかし暑いなー(泣)

リビングバー新宿南館にて
 アルコール飲み放題 (ビール、カシスソーダ、赤ワイン、白ワイン、カルーアミルク の大量摂取)
 茹で枝豆
 夏野菜のサラダ
 チーズ入り春巻
 ローストビーフ風ステーキと揚げ芋
 白桃のシャーベット
ざるそば
クランキーアイス

課の歓送迎会にて新宿に繰り出し、飲み。
なーぜ銀座に勤めていて新宿に行くのか、という謎は別ビルで研修中のが1人いて、新宿方面に転勤になったのが1人いてどちらも会の主役の1人だからなのであった。

6時半に入店し、最初は生ビールで乾杯、そのまま怒涛のように飲む私たち。
とりあえずタダなら飲むだけ飲むでしょう、とビールジョッキに3杯とカシスソーダ1杯とワインをグラスに5〜6杯とかルーアミルクを3杯ほどやったところでお開きになる。しかしアルコール的には満足しても、いまいち胃袋的には満足しない。思い起こすと炭水化物が出てきてない。
やっぱり最後はお茶漬けとか焼きおにぎりとかラーメンとか白玉しることか食べたくなるのは私だけ?

帰道ダロワイヨで翌日の食パンを抜かり無く購入し、コンビニで風呂上がり用アイスも購入し、ふらふらとご機嫌で帰還。
帰るなり、
「お腹すいたのー。ご飯もでなかったのー。何か食べるのー。」
と大騒ぎし、だんなにざるそばを作っていただく。
なんでもすごく酔っ払っていたようである。そういえばあまり記憶が無いのである。アイス食べたこととか。

7/29 (木)
トースト
ベーコンエッグ
アイスコーヒー

喉痛い。頭が重い。なんかだるい。ちょっと気持ち悪い。
二日酔いであった。

ぼーっとしていたらだんなが卵焼いてくれた。トーストも出来ていた。

ごめんよだんな。
今度君がへべれけになって帰ってきたら優しく介抱してあげるからね。

社に来ると、シマの人が3人もお休みだった。……まぁ、夏休みだし。
若手社員ばかりが揃い、午前中はなんとなく飲み明けのほわんとしただらだら気分でおしゃべりなどもした。
この課のお作法というかシキタリというようなものを、同期のKさんらに教えて貰った。

この課では、毎月給料日に2千円ずつ積み立てし年末年始あたりに旅行に行くのだという。
うはー、なんじゃそりゃ。今までの担当では経験の無かった中小企業じみたシキタリだ。当日は、おじさんらが行きの電車中から酔っ払い、大変な状況だということだ。うう、それはイヤだ。イヤすぎる。

また、前回には
「旅行はイヤだから、豪華なお食事会にしよう」
としてみたところ、豪華なレストランでへべれけになり、店長が挨拶に来た時に
「いいぞ〜っ!てんっちょ〜!」
などと盛り上がり、他の客の前で三三七拍子などをしたという。
もちろん、店を予約した女性社員は二度とその店をプライベート利用できなくなったのは言うまでもない。

さらにさらに、この"旅行イベント"は他の課でも割とあたりまえのもので、某S部署では旅館にコンパニオンまで呼び、旅行費が1人5〜6万円にはねあがり、しかもそれが女性社員も同等に割り勘にさせられたのだそうだ。もはやセクハラ?
しかも当時泊まった宿泊所がそもそもイカガワシイところで、部屋の飾り物などからして非常にヒワイなものだったそうである。
そういう宿泊所は私としては個人的興味が尽きないところではあるが(きっちり観察してきて写真も撮って詳細にレポートしちゃうよ♪)、それはそれ。女性社員をそういうところに連れて行くのはいかがなものかと思う。イヤな人はイヤなんだから。
午前中からいきなり濃ゆい話でくらくらしちゃう7月の終わりである。

社食で
 B定食450円也
 本日は親子丼・きゅうりの酢の物・味噌汁

そういえば今週は1度も弁当を作ってないなー、と思いつつ、同期のKさんらと一緒に社食に向かう。
うちの社食は補助が出て、月に1回食券販売機の「チャージ」ボタンを押すとカードに7000円分のデジタルマネーが入り、うち3500円が給料天引きになるという仕組。だから7000円分までは表示の半額の値段で昼ご飯が食べられることになる。おおむね500円前後の定食は、250円ぐらいで食べられるというわけなんだな。

んが、どうしたことか、私のカードが食券販売機に拒否される。チャージ押してもダメ。何やってもダメ。仕方ないから小銭を出すと、札は1万円札だけ、小銭も全然無い。結局Kさんのカードを使わせていただき、B定食の食券を買う。うう、ごめんねKさん。

社食も、実は不味いというほど不味くはない。ただ、ビルにいる社員数の割に狭いので大混雑するのがイヤなのであった。暑いし。
贅沢なわたしは、やっぱり社食は控えよう、と思ったのである。

鶏肉のスタミナ焼き with レタス
茄子とピーマンのトマトソース焼き
ビール、ご飯

退社後、銀座にて食材購入。
しかし今日の私の買い物行動には若干の問題があった。

昼間にだんなの誕生日プレゼントを会社の近所のとある店で購入した私は、その品物の箱が入った若干がさばる紙袋を抱えて会社を出たのであった。
そのまま松屋デパートに向かい、明日のディナー用のタコス材料入手を目的に、階下に降りた。
第一の関門は、B1からB2に向かうエスカレーター前で展開されていた「宮崎物産フェア」であった。美味しそうな豚の角煮が大皿に盛られ売られている。「今日の晩御飯か……?」と思いながら前を通るも、そこは自身の体重と摂取カロリーのあるべきバランス等を鑑み問題なく素通りすることが出来た。
しかし角煮の奥にあったカーポの前に、私の揺るぎ無い歩行は一気に減速を生じる羽目になってしまった。

カーポ。
ぶたまんの皮的な白くふわふわの円盤状のタネに、角煮を挟んだ角煮カーポである。旨そうだ。並んでいる、湯気をたてている、角煮の脂が光る。いやーん。
クネクネしながら店の前で困惑していると、店のおばちゃんが先制攻撃をくらわした。
「美味しいのよー、ほらほら、食べてみて。食べるだけならタダだから」
しかし、おばちゃんは知っているのだ。食べたら最後、私がきっと買ってしまうだろうことを。それを知りながら「食べるだけならタダ」と勧めるおばちゃんの口車に、社会人5年の私の営業キャリアは見事に敗れ去った。ていうか、めちゃめちゃ美味しいし。いやーん。
ふわふわのカーポをパックにいれてもらい、シャリシャリ袋に入れてもらう。
予定外の買い物をしてしまった。階下へ。

階下へ降りると、果物棚には桃が輝いていた。とうとう旬が来たらしい。
出始め時期は「まだ高いし早いし、きっと甘くない」と二の足を踏んでいたのだが、平台にあれほど積み上げているということは、きっと美味しいのだろう。100個単位で積み上げられる桃が私を呼んでいた。店のお兄ちゃんも私を呼んでいた。
「甘い、あーまい、桃だよー。絶対当たりだよー。」
ああ、だめだ。私のしつけ糸並みにはある自制心がフツリと切れるのを感じた。
4個で1000円。まだちょっと高い。けどけどけど。……オイシソウ。
「あまいの?」
と尋ねると、
「あーまいよー♪」
……ぬぅ。笑顔でそうきたか。
「おいしいの?」
と更に重ねると、
「だから、おいしーんだって。買ってちょーだいよ。」
……ぬぬぅ。負けないな、おぬし。
「まずかったら報告しにきちゃうよ?」
自分も大概イヤな客である。
それでもお兄ちゃんは太鼓判を押してくれた。
「不味かったら、ぜひ言ってきてくださいよー。絶対自信あるんだからー。」
そうか。ならば是非もない。荷物は紙袋とカーポの袋、桃の包みと3つになった。

そして本目的であったタコスシェルとスパイスを買う。
松屋には無かったので、明治屋に行くと、そこにはあった。
荷物は紙袋とカーポの袋、桃の包みとタコスの袋。大きさは大、小、大、中、といったところだ。

よろよろしながら電車に乗り、そして私は気がついた。
どの荷物も重ねることが出来ない、ということを。
自宅最寄り駅からは自転車だ。しかも子供と子供の荷物が増えるのだ。どうやって自転車に乗れば良いのだ。

駅につき、とりあえず自転車に乗ってみる。籠にタコス。とりあえず上に桃。更に上になんとかカーポを乗せ、左のハンドルにだんなへのプレゼント袋。右のハンドルに自分のカバン。
そして保育園に寄る。子供がハンドルについた補助席に座り、子供荷物を肩にかける。ついでに駅前の八百屋でレタスも買う。レタスは右のハンドルにかける。
もう物理的にも精神的にも外観的にもヨレヨレの自分である。

そんなこんなで、本日の夕食。
精も根も尽き果てた私は、なんとなく皿にレタスを盛り、茄子とピーマンをなんとなく焼き、続いて鶏もなんとなく焼き、あまりコンセプトも創意工夫も感じられない献立にしてしまったのであった。
ところで、カーポは大変美味でした。桃もまた。まだ完熟という程熟してはおらず、若干の歯ごたえが残るものだったのにも関わらず濃厚な香りと甘さ。桃の香りって良いわよね、夏って感じよね。水蜜桃と書くと、一層中華の香りだわ。松屋の兄ちゃん、ありがとう。

7/30 (金)
ハムエッグ
バタートースト
アイスカフェオレ

果たして、今日の起床も7時をやや回っていた。
だんなは昼予定があるとこのことで弁当いらずの日とは言っても、やや慌ただしい金曜の朝だ。

私がハムを切り、フライパンにほうり込み、続いてパンを切りはじめると、だんながフライパンの様子を見つつ卵投入。皿を出しバターを出し醤油も出しご飯を盛りパンを取り出し皿に盛り、など今日も見事な連携プレイでもって朝食が出来上がったのであった。

SUBWAYにて
 ツナラップ
 プレーンマフィン
 アイスウーロン茶

昨日、SUBWAYの割引チケットを入手したので、ふらりと行ってみる。
ターゲットは一度食べてみたかった"ラップ"というやつ。パニーニともピタパンとも違う、厚べったいクレープ状の生地に具が巻かれるサンドイッチもどきである。セットメニューにてツナラップとプレーンマフィン、ウーロン茶を注文。
久々のSUBWAYはやっぱりSUBWAYな味で美味しかった。
時々食べたくなるのよね〜。

タコス山盛り
ビール<たらふくくBR> ぷよまん&カーバンクルまん
アイスコーヒー

本日はだんなの友人(最早私の友人なのかもしれない)M井さんがやってくるというので、タコスパーティを催すことにする。
退社後、唯一準備していなかった食材であった牛ひき肉のみを手に入れてダッシュで帰宅の予定だったが、私は今日も夕刻のデパート食料品売場の魔力に魅了されてしまったのであった。安売りしていた比内鶏を買い、タラコを買い、鮭を買い牛切り落とし肉を買い枝豆を買いプチトマトを買いなどしていたらあっという間に大荷物である。肉魚関係だけで3kgはある。絶対ある。まいった……と汗だくになりつつ、帰宅。

だんなが帰り、息子も一緒に帰り、M井さんもやってきて7時過ぎにタコスパーティ開催の運びとなる。
本日の具も前回と同じく、レタス、スパイシー牛肉、トマトにピザ用チーズ、そしてタコソース。
皆で一心不乱に軽く温めたタコシェルにレタスを詰め、暖かい牛肉を詰め、トマトを乗せチーズもぶっかけソースもたらしてがつがつ食う。どうやらだんなに引き続き、M井さんもタコスの美味しさにはまった模様である。20枚弱のタコシェルがあっという間に無くなった。

ところでデザートの"ぷよまん&カーバンクルまん"は、あのゲーム「ぷよぷよ」に出てくるぷよの形のもみじ饅頭である。中身は藤色のあんこだ。そしてカーバンクルまんはカスタード入りの饅頭だ。広島銘菓らしいのだな。
入手経路は通信販売。カーバンクルの携帯ストラップが欲しいあまりに通販を申込み、マウスパッドやらカーバンクル柄バンダナやらと一緒に「ぷよまんなかよしセット」なるものを購入したのであった。「なかよしセット」はぷよまんとカーバンクルまんがそれぞれ10個入り。結構美味しかったです。水飴がたっぷり入ったような、とろんと伸びるカスタードがまた、良い。

7/31 (土)
フレンチトースト
かりかりベーコン
アイスカフェオレ

今日は1999年7月の最終日。今日、何事も無ければノストラダムスの大予言は嘘予言だったことがはっきりする。そして、何事が無くても私のだんなは30の大台に突入してしまうのであった。……もしかして、「恐怖の大王」って三十路になっただんなのこと?
あまり30だの三十だの三十路だのサーティーズセンチュリーだの横で言っているとだんなは憂鬱になるらしいので、あまり今日からは30だの三十だの三十路だのサーティーズセンチュリーだのは口にしないようにしたいと思う。(←イヤガラセ)

というわけで、今日はだんなの誕生日。三十路に突入しただんなの苦悩は横へ置いておき、息子も母に見てもらい、く1日楽しくデートである。
先日必死こいて持ち帰った誕生日プレゼントは、会社の近所の紺屋で買った藍染めの半袖シャツ。ついでに仕立てと生地が全く違うけど同じく藍染めの自分用のノースリーブシャツも買ってきてみた。見かけは全然違うけどもしかしたらペアルックなのかもしれない紺色のシャツを2人で着てのおでかけである。

朝食は軽くフレンチトースト。卵に牛乳たっぷり、砂糖もちょっとたっぷりのお子様の味である。
フレンチトーストには苦々しいコーヒーと塩気のあるカリカリベーコンが良く似合う。

紀の善にて
 赤飯

昼前に家を出て、
「池袋でお昼ご飯〜?」
「何食べようか?」
「どこに行こうか?」
と車中話し合い、気がつくと市ヶ谷を越えんとしていた。
急遽、
「飯田橋で紀の善!」
「赤飯?」
「釜飯もあるし!」
と盛り上がり、池袋に直行する予定だった有楽町線を途中下車することになる。

紀の善は、地下鉄出口を出てすぐ右側にある。汗を噴き出させる間もなく、涼しい店内に入る。
12時前の店内は、中年の女性客が若干入っているものの、まだそれほどの混み様では無いようだった。
だんなは海老釜飯、私は赤飯を注文。と当時に暖かい緑茶が運ばれて来、一緒に小さな小さな籠入りの薄焼きせんべいが4枚やってきた。塩気のある薄焼きをパリパリやりながら熱い茶を飲む。店内は涼しいが、横に広がる大きなガラス窓から見える裏通りは灼熱地獄のようで、汗をふきふき通る学生らの姿がいかにも暑そうだった。

で、15分ほど待って釜飯と赤飯が同時にやってきた。
メニューに「赤飯」とあっても、実質は赤飯だけが来るわけじゃなく、「赤飯弁当」になっている。
黒い角盆の上に細かく切られたしばづけと、小さな花型の器に盛られた胡麻豆腐。素麺と三つ葉が入ったこぶりの吸い物椀と共に来たのは6角形2段重ねの弁当箱だった。下にはほっこりと湯気が立つ赤飯、上にはこまごまとおかずが詰まっている。左には高野豆腐と肉団子の炊き合わせ、上に塩茹でしたさやえんどう。その横には冷たく冷やされた少し甘めのだし巻き卵。それでもって昆布と湯葉らしきものの、ちょっと山椒の辛さが効いた佃煮が盛られている。どれも見た目煌びやかでは無いし、作り立てといったおかずではない。しかしどれもきっちり仕事がしてあって、その甘みや辛み、塩味が、赤飯のお供ですっ!というささやかな主張をしている。殊に、お寿司屋のとはまた違うだし巻き卵が絶品だ。
そもそも大好物で、いくら食べても飽きない赤飯も、今日はまた最高に美味しかった。ほこほこで、もちもちで……やはり私には赤飯の美味しさを文字にすることはできませぬ。そのくらい、大好き。

ところでだんなの頼んだ海老釜飯も海老がたっぷり、グリーンピースもたっぷりというもので、塩味がちょうど良い感じの鶏スープで炊かれていた。ほわんと、鶏の香り。そして海老のぷりぷり感。うう、この店は釜飯も美味しかったのであった。すばらしい……。

福來にて
 空心菜の塩炒め
 焼き豚
 腸詰め
 香菜の肉味噌添え
 油条の海老すりみ詰め揚げ
 広東風ビーフシチュー
 水餃子
 特製担仔麺
 西米露
 愛玉子
 ビール

午後は予定通り、池袋へ。
今日のメインは午後2時から開演のキャラメルボックス芝居観劇なのであった。お題目は「TRUTH」。横文字のくせに内容は幕末の時代劇なのであった。演劇嫌いのだんなを誘って2度目のキャラメルボックス観劇で、「やっぱ芝居ってつまんない」などと言われてしまったらどうしようかと思いながら誘った公演だったけれど予想以上というか(私的には期待通りというか)の面白さで、ひっじょーっに、満足。また見にこよう。

観劇後は東急ハンズそばのボーリング場の中にあるビリヤード場で久方ぶりのビリヤードをし、その1フロア上にある福來という台湾広東小皿料理店でお祝いディナーである。
福來というこの店、看板がとても私たちの「この店いいかもしんない」サーチ触覚をびびびびと刺激していたのだが、その中にある「周富徳推薦の店!」という文字列1つにより「やっぱハズレかも……」と長らく入れないでいた店なのであった。
数年前のある日、「駄目で元々!」と入ってみたところ、これが大当たり。平日昼には大変お値打ちのランチバイキングをやっていたりして、その値段、味、妙に味のあるその内装と共に、すっかりお気に入りの店になってしまったのだ。

で、私は金曜の夕方、こっそりこの店に電話していたのであった。
「あの〜、明日の夜、2人でそちらに食べに行きたいんですね。」
「はい、ありがとうございます」
と中国訛りのある穏やかな声。
「それで、ですね。1人が誕生日なんです。お祝いしようということで……。で、そういう場合、何かお祝い用のサービスなどというものはありますのでしょうか」
といけずーずーしくも尋ねる私。そして、このいけずーずーしい私の言葉に対して、電話の向こうの、どうやらフロアマネージャー的偉い立場にいるらしかった彼は、
「え〜、特にサービス、というものは無いのですけれども……お料理、サービス致しますよ♪」
と言ってくれたのであった。嬉しい。いいぞいいぞ福來!

などという前置きを経て、いざ入店である。
相変わらず高くない天井、竹が張ってある壁、円形のテーブルに円形の椅子。黄色と赤色が目立つ店内。すばらしく好みである。
ちょっと奥まった席に2人分の箸と食器が置いてあり、ちゃんと予約席になっていた椅子に座り、ビールを注文。ついでに「今日のオススメ」と言われた空心菜の炒めものを取り、つまみにと焼き豚と腸詰などを頼んだ。私の大好物、香菜も初めて注文。

ほどなく来たのが空心菜の炒め物。にんにくがたっぷり入った、スープの入る炒め物は、ちょっと塩気が効いていた。んが、美味しい。ごろごろ入るにんにくとこの塩気がビールをじゃんじゃん進ませる。空心菜というやつは、本当に茎の芯が空洞になっているやつで、味は特に香りのない葉野菜だ。若干の苦みがある。美味しい。
続いて焼き豚、腸詰、香菜とやってくる。焼き豚は、「叉焼」と「焼き豚」と2種類あり、どうやら前者は普通のチャーシュー、後者は表面をカリカリに揚げたものであるらしかった。当然のように美味しそうな後者を注文。小さな楕円皿にちょっと酸味のあるきゅうりの和え物が乗り、横には真っ赤な辛いソース。表面がサクサクに揚げられた、脂身たっぷりの豚肉は歯ごたえ絶妙でとっても旨い。腸詰も旨味たっぷり、ジューシーで、添えられた豆板醤風辛みソースと合ってめさめさ旨い。香菜なんか、葉がこんもりと皿に盛られ、添えられた辛みのある肉味噌とベストマッチでもう、どえりゃー旨い。……要するに、何を食っても、旨い。
見た目は、地味〜である。余計な飾りは何もない。あってもパセリくらいのものだ。盛られるお皿もシンプルな白のものか少しの模様がついた同じ種類のものばかり。でも、そんなところがたまらないー。すきすきー、と夫婦クネクネしながら料理を食す。

次は油条の海老すりみ詰め揚げ。
そもそも油条が揚げパン状の揚げものだから、これに具を詰めて更に揚げるととんでもなく油っこそうな気がしなくも無い。
けれどそんな心配は無用だったようで、元はふわふわもちもち触感の油条が、更に揚げることによってカリカリサクサクなものになり、これまたビールと合う逸品に。ますますビールが進んでしまう私たちである。
最後のとどめに来たようなものは、「広東風ビーフシチュー」なるシロモノ。初めて見るもので、面白そう美味しそうと、取ってみたものだった。鉄の台に乗せられた、小さな鉄鍋に入るシチューはいかにも熱そうで実際熱く、ホロホロになった牛肉と青菜がたっぷりと入ったとろとろの煮込みだった。確かにビーフシチューと言えなくもないけど、何と言うか、やっぱり中国料理の牛肉煮込みといった風情だ。塩気が強めで、八角の香りがする。そして辛い。そして旨い。
シチューをたいらげようとしていた時、横ではだんながうきうきと
「水餃子、ありますか?」
と注文していた。いつのまにメニューで見つけたか、またそんな美味しそうなものを頼んでいる。

ほどなくやってきた水餃子には、緑の服のフロアマネージャーさんが付属していた。……もとい、フロアマネージャーさんが、餃子と共にやってきた。
「今日は記念日だそうで……こちらの水餃子、お店からのサービスとさせていただきます」
だそうだ。おお、ばんざーい。
水餃子は手作り感のあるモチモチのやや厚めの皮に、やはりもちっもちっとした具が詰まっていた。生姜の千切りの入る、酢醤油につけて食べるようになっている。噛みしめると、中からじゅわ〜と肉汁が出る。相変わらず見かけは地味だが、やっぱり美味しい。

最後の締めは、この店名物担仔麺。「たーちーめん」と読む。「たんつーめん」などとも読むらしいが、とりあえず「たーちーめん」。
塩味ラーメンに肉味噌が乗ったものである。
手のひらサイズの可愛い器に入る担仔麺は「ミニラーメン」といった風情。もやしと青菜、香菜(今日はセロリの葉だったけど)などの具が入り、肉味噌がこんもり盛られる。卵は醤油だれに漬け込んだ茶色のゆで卵が丸のままころんと入る。添えられるプラスチック製の真っ赤なレンゲが妙に屋台風で、なんだか楽しい。
さっぱりとした塩味スープに、ちょっと太めのちぢれた中華麺。どこがどう旨いってんじゃないけど、やっぱり旨いのだぁ!これだけ食った後でもするする入るってのが、その証拠だと思うのだが、如何に。
なんと値段は1杯150円だ。卵いれてもプラス50円。なんて良心的なのだらう。

デザートは西米露、すなわちタピオカ入りココナッツミルクと、愛玉子、オーギョーチーである。
どちらもプラスチックの安っぽーい容器に、たぷんと入ってやってきた。どちらも角氷が浮かんでいる。冷えてないデザートを氷いれて持ってくる、このアバウトさがなんとも……。
どちらも甘みはちょっと薄め。薄めゆえにがばがば飲める。愛玉子は、無味無臭、でもちょっと乾燥草の匂いがする薄茶色のゼリーが、砂糖水に入っている。レモンが浮かび、この酸味がちょうど良くてさっぱり食べられる。漢方的デザートだけど、私は大好きー。

そんなこんなで帰宅は9時。しめて8100円の夕食になった。
帰り際、池袋で「APSカメラが欲しーい」とサクラヤとビックカメラに立ち寄り、思い切り衝動買いで\28,000のコニカのカメラを買ってしまったりしたのもきっと御愛敬だろう、多分。

8/1 (日)
たらこスパゲッティ
冷茶

朝ご飯というか、なんというか、起きたらとりあえず11時だったりした。
金曜日に買ってきていた、大きな大きなタラコ(\1080が\600になってたのだ〜)を使って早速たらこスパゲッティ。
バターとたらこをケチらずに使うと、なんともおいしいのよねー。
320g強(←2人前)のスパゲティは5分弱で胃袋に消えた。

マクドナルドの
 チーズバーガー
 フライドポテト
ライトコーク
かき氷 メロン

だんなが、「チーズバーガーが食べたい」とおもむろに門前仲町に買い物に行った。
そして数時間後、彼はハンバーガーを4つ買って帰ってきた。一応彼が2つ、息子と私が1つずつという計算の上に成り立っていたが、ちょうど息子がゼリーだのプリンだの食った直後だったので、ハンバーガー2個”弱"が私の胃袋に消えることになった。
半額と思うと、つい食べてしまうよな、チーズバーガー。自分的にはダブルチーズバーガーの方が好みだったりするんだけど。

で、食後はかき氷。手動かき氷機を必死で動かし、作る。やっぱり家で削らなきゃかき氷は美味しくないのだ。これが最高なのだ。

比内鶏の塩焼き
かぼちゃのにんにく醤油炒め
茹で枝豆
かぶのバジルクリームスープ
ビール、ご飯

先日買ってきた比内鶏をどうやって食おうか、と考え、やっぱりシンプルに塩焼きだろうという結論に達した。
塩焼きの鶏に枝豆、にんにく味のおかず。なんかもう「ビール飲んじゃってください」という状況になってしまっている。
で、最近スープを作ってなかったので、残りものの蕪をコンソメで煮て、残りものの生クリームをいれてクリームスープにして、ついでにベランダのバジルを摘んで混ぜ込んでみた。ちょっと洋食屋のスープのようになってハッピー。